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【ガルパン】西住みほ「あの……私、戦車道、やめます……」【劇場版】
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87 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/15(土) 21:35:17.45 ID:UfujM7Pg0
杏「諦めるわけないじゃんか!こんなことで諦めるくらいなら、黒森峰に負けた時に諦めてるって!」
柚子「会長!」
杏「皆も!生徒会は希望を見せるって言ったよね!その約束はまだ果たせてない。だけど、絶対にこれから果たしてみせる!」
桂利奈「よ、よっしゃー!」
優季「桂利奈ちゃん、どうしたの!?」
桂利奈「とにかく、なんか叫べば元気が出るかなって!」
88 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/15(土) 21:36:35.77 ID:UfujM7Pg0
典子「うぉぉぉぉ!根性ー!」
妙子「キャプテン!?」
典子「ホントだ。なんか、元気が出た気がする」
あけび「本当ですか!?」
おりょう「大洗の、夜明けぜよー!」
桃・柚子「「せーの!文科省の、バカ野郎ー!」」
そど子「ちょっと!こんな時間に大声で騒いだら、風紀違反よ!」
麻子「こんな時にまでそうカリカリしなくてもいいだろう、そど子」
そど子「だれが、そ・ど・子よー!」
麻子「ほら、そど子もやってるじゃないか」
そど子「いいの!風紀委員の仕事なんだから!」
みほ(みんな、凄い……こんな状況になっても、全然折れない……)
89 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/15(土) 21:37:43.49 ID:UfujM7Pg0
ゴォォォォ……
杏「おっ、来た来た」
優花里「おお!サンダースのC-5M、スーパーギャラクシーですよ!」
キキィッ……
ケイ「ハーイ!あなたたちの戦車、責任をもって預からせてもらうわ!」
沙織「そんなことしちゃって、大丈夫なんですか?」
柚子「あとで紛失したっていう書類を作れば、なんとか……」
ケイ「それと、そこのプリティーガールを熊本までお届けすればいいのね!」
杏「そうそう!よろしく頼むよ!……ねっ?驚いたでしょ?」
みほ「は、はい!でも、いいんですか?」
ケイ「No Problem! 熊本と長崎なんて一瞬よ!さあ、Hurry Up!積み込み急いで!」
90 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/15(土) 21:40:26.49 ID:UfujM7Pg0
〜〜〜〜
アッサム「ダージリン、聞きましたか?」
ダージリン「大洗の廃校時期が繰り上がったのでしょう?」
オレンジペコ「わざわざ一度決まったことを変更してまでの早期廃校……変な話ですね」
ダージリン「……なんだか、嫌な予感がするわ。少し本腰を入れて探ったほうがいいかもしれないわね。アッサム、コーヒー・ハウスのグリーンに連絡を」
アッサム「ええ。わかりました」
91 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/15(土) 21:41:03.62 ID:UfujM7Pg0
本日は以上です。
お読みいただきありがとうございました。
92 :
◆8DlJds//22
[sage]:2016/10/15(土) 21:42:59.62 ID:UfujM7Pg0
聖グロにGI6があるのに黒森にゲシュタポがないのはなぜなんだろう。
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/15(土) 21:48:18.39 ID:nBJfsl7h0
乙です!
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/15(土) 21:48:38.88 ID:xqXvViUyo
GI5がないんだから、辻褄は合うのでは
乙
95 :
◆8DlJds//22
[sage]:2016/10/15(土) 21:51:57.36 ID:UfujM7Pg0
百合短編とかかきたい
次の更新は未定です、すみません
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/15(土) 21:53:23.50 ID:FpDVR/2xo
西さんにやられた…だと……
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/15(土) 22:58:53.85 ID:sTn1t3LHO
乙です。
ふむ…、此の文科省は諜報能力が高いのか…?
普通に考えたら、わざわざ繰り上げする必要もないしなぁ。
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/10/15(土) 23:12:20.52 ID:upVcOEtK0
みぽりん抜きでここまでがんばってきたからできればこのままいってほしいところ。
戦力バランスが理由ででみぽりん加入すると結局劇場版のストーリー違いになっちゃいそうだし・・
何より、TVシリーズ編の努力<1人の優秀な隊長になってしまう。
みぽりんを当てにせずいかにして戦いぬくかが作者の腕の見せ所だと思う。
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 01:06:02.93 ID:0gZYns/5o
乙でした
話の都合とはいえ繰り上げはホントおかしな話だからなぁ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/16(日) 01:31:41.72 ID:m7cFZe7d0
乙です
百合短編ですか…書かれるのでしたらみほ梅を読みたいですねw
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 01:55:18.03 ID:aW1FeiCPo
乙 この先どうなるか楽しみだ
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 18:07:36.55 ID:0bkGblP40
>>98
でもみぽりん復活→大活躍は見たい
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 23:24:12.89 ID:eQg3lewNO
乙です
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/18(火) 13:01:53.29 ID:JmRzGMq6O
本日21時からちょっとだけ投下します。
105 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:00:14.88 ID:GeIWvU7i0
キイイイイイン……
ケイ「Attention Please! 本日は我がサンダースエアラインを利用してくれてありがとう!現在当機は戦車道の聖地、東富士演習場上空を飛行中よ!」
アリサ「この時間じゃ何も見えませんけどね……と言うか、何なんですかその口調は」
ケイ「一度やってみたかったの!うちの生徒以外と乗ることなんて、めったにないでしょ?」
みほ「あ、あはは……」
ケイ「このスーパーギャラクシーなら、熊本まですぐよ!それまではそうね……お話でもしましょ!」
みほ「お話?」
106 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:04:27.11 ID:GeIWvU7i0
ケイ「今日の試合の話、アンジーから聞いたわよ!W号でKV-2を撃破したんだってね!greatだわ!」
みほ「そんな、あれはあんこうチームとV突の皆さんの協力があったからで」
ケイ「ノンノン!作戦の成功は隊員の功績はもちろんだけど、指揮官の功績でもあるのよ!黒森峰では違うの?」
みほ「黒森峰は、どちらかというと個々の技量を尊重する傾向がありますから。集団戦はマニュアル重視ですし」
ケイ「ふーん、やっぱり学校によって考え方も違うのね……じゃ、次はあなたが質問していいわよ?一つ聞いたんだから、一つ答えてあげる!フェアプレーでいきましょ!」
107 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:11:33.20 ID:GeIWvU7i0
みほ「えっと……それじゃ、どうしてケイさんはそんなにフェアプレーにこだわるんですか?」
ケイ「そんなの決まってるじゃない!その方がカッコいいからよ!」
みほ「……へっ?」
ケイ「やっぱりヒーローってのはね、正々堂々じゃないと!どんな相手にも全力で挑んで、卑怯な真似はしない!それでこそだと思わない?」
みほ「でも、それで負けちゃったら」
ケイ「そしたらまた強くなって挑めばいい。カッコ悪い勝ちより、カッコいい負けの方が素敵よ!……だから、あなたのあの時の判断は間違ってなかったわ」
みほ「!……知ってたんですね」
108 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:19:25.00 ID:GeIWvU7i0
ケイ「全国大会決勝だもの、当たり前じゃない!全てを省みず川に飛び込んだあなたの行動、あれこそヒーローそのものよ!」
みほ「でも、結果として負けてしまいました。十連覇のかかった試合を、台無しにしてしまったんです」
ケイ「それでもあなたの行いは勇気あるもので、正義だったと思うわ。あなたはそのことを間違っていたと思うの?」
みほ「……お母さんは、間違いだって」
ケイ「NO!あなたのマミーじゃなくって、あなた自身はどう思うの?」
みほ「それは……わかりません。あれが正しかったのか、間違ってたのか。ずっと考えてたんですけど、まだわからないんです」
109 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:20:41.86 ID:GeIWvU7i0
アリサ「わからないなら、それでいいじゃない。チームの方針に逆らってでも、それをしなくちゃいけないと思ってやったんでしょ?なら、それも一つの道だったのよ、きっと」
ナオミ「限度はあるけどな」
ケイ「ちょっとアリサー?反省会、足りてなかった?」
アリサ「ひいっ!?すみません!もう絶対にしませんから、それだけは!」
ケイ「とにかく!あなたの行動は間違いじゃなかった。少なくとも、そう思っている人間が、ここに一人いる。Are you ok?」
みほ「ケイさん……ありがとうございます」
110 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:29:38.72 ID:GeIWvU7i0
ケイ「You' re welcome! じゃ、次は私の質問ね。ミホ、あなたの好きなものを教えて?」
みほ「えっと、ボコ、ってご存じですか?」
ナオミ「確か、だいぶ前に流行ったキャラね」
ケイ「アニメーションね。ミホはそれが好きなの?」
みほ「はい!ボコはですね……」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/18(火) 21:34:15.53 ID:X8VcWSpX0
アカン、みほのボコスイッチがONになった・・・
112 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:34:28.53 ID:GeIWvU7i0
〜〜〜〜
みほ「それでですね!ボコがついに勝てるかと思ったところで、遠くからM16で狙っていたデューク東ボコに撃たれてやられてしまうんです!」
ケイ「スナイパーね。まるでナオミみたい」
ナオミ「いや、M16で狙撃なんて私にはとても」
アリサ「デューク東ボコ……子供向けアニメとは思えない顔だわ」
113 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:35:27.30 ID:GeIWvU7i0
〜〜〜〜
みほ「十字架に縛り付けられて、積み上がった薪に火を付けられてしまうんですけど、そこで突然大雨が降りだすんです。それで助かるかと思ったんですが、悪の天才科学者ボコターウェストの開発したテルミット焼夷弾の炎は水では消せなくて、結局そのまま火炙りにされてしまうんです!」
ケイ「へー、結構ハイテクなのねー」
アリサ「もはやボコられってレベルじゃないわね」
ナオミ「天才じゃない、大天才よ」
114 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:36:05.64 ID:GeIWvU7i0
〜〜〜〜
みほ「この41話は13話のセルフパロディになっていて、13話で受けた水責めを今度は融けた鉛でされるんです。この時の演出は中性の歴史書を参考にしていてすっごく出来がよくって……」
ケイ「あー……、うん……。そうなの……」
ナオミ「……………」
アリサ「ちょっとナオミ!寝ないで!絶対寝ないでよ!」
115 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:37:36.47 ID:GeIWvU7i0
ーー熊本ーー
キイイイイイン……キキッ!
みほ「それでですね、そこでボコが……」
ケイ「stop !stop!ミホ!熊本の港に到着したから!」
アリサ(結局ずっと喋りっぱなしだったわね……)
116 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:38:29.22 ID:GeIWvU7i0
みほ「ケイさん、ナオミさん、アリサさん。ありがとうございました!」
ケイ「ううん!こっちもミホとお話しできて楽しかったわ!」
ナオミ「…………ええ、そうね」
アリサ(嘘だ。絶対嘘だ)
ケイ「ミホ!悩むことがあっても、乗り越えて前に進むのがヒーローよ。あなたのヒーローもそうじゃない?」
みほ「私のヒーロー……」
117 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:39:31.34 ID:GeIWvU7i0
まほ『私は、この戦いで自分の戦車道を見付けました』
杏『諦めるわけないじゃんか!』
118 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:40:15.98 ID:GeIWvU7i0
ケイ「あなたが私達の『親愛なる隣人』になってくれること、期待してるわ! See you!」
みぼ「はい!本当に……ありがとうございました!」
119 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:41:14.00 ID:GeIWvU7i0
〜〜〜〜
みほ「あっ!」
みほ(そうだ。港から家まで、どうやって帰ればいいんだろう)
みほ「うーん……朝までコンビニで過ごせるかな……」
しほ「みほ」
みほ「お母さん?」
しほ「まったく……帰る時間と場所くらい連絡しなさい。携帯を持たせている意味がないじゃない」
120 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:42:50.42 ID:GeIWvU7i0
みほ「ご、ごめんなさい!その……色々あって忘れちゃってて……」
しほ「そう……試合は、楽しかった?」
みほ「うん、とっても」
しほ「よかったわね。ほら、早く乗りなさい。明日は学園艦に戻るんでしょう?」
みほ(お母さん、ずっと待っててくれたんだ……)
みほ「あっ、この戦車……」
しほ「そう言えば、この戦車に乗るのも久しぶりね」
みほ「そう、だね……」
みほ(U号戦車……家族みんなの思い出が詰まった、私の一番好きな戦車。整備、してくれてたんだ)
121 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:43:43.36 ID:GeIWvU7i0
みほ「お母さん」
しほ「なに?」
みほ「……ううん、なんでもない!」
みほ(そっか。私、ボコに負けないくらい……きっとそれ以上に、戦車が好きなんだ。だから、今日の試合も楽しく思えた)
しほ「おかしな子ね……さ、早く帰るわよ」
みほ「うん!」
122 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/18(火) 21:45:08.44 ID:GeIWvU7i0
本日は以上です。
展開が、出ない……
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/18(火) 21:58:32.84 ID:X8VcWSpX0
乙です
みほと小梅ちゃんのマシマシの絡み、期待してます
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/19(水) 14:09:38.34 ID:M72GJF8Xo
乙っす
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 09:30:28.84 ID:fcvQJ5fsO
乙乙
それぞれな戦車道があって良いな
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 12:44:27.09 ID:EfAah3dhO
乙
みぽりん復活秒読みか
そう簡単に戻れんのか?
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 14:39:51.24 ID:jeieT8azo
他の生徒も悪く思ってないだろうし何より即戦力だ
大丈夫やろ
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 17:10:25.54 ID:3XirkF2I0
本日21時より投下します。
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 20:55:43.94 ID:Cux6+xjZO
まことに申し訳ありません
投下遅れます
10時までには始めます
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 21:01:21.10 ID:fs1Y0hEQo
ゆっくりでいいよー
131 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:24:38.24 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー戦車道チーム・一時転校先ーー
桃「文科省め!私達の一時転校先に、わざわざ廃校を使うなんて!」
柚子「皮肉のつもりなんでしょうか……」
桃「しばらくは持ち出した物資でなんとかなるだろうが、長引けば足りなくなるのは目に見えている……」
杏「大丈夫、長引くことはない。絶対に廃校になんてさせない。すぐに学園艦に戻るから」
柚子「会長、ですが……」
杏「ま、何はともあれしばらくはここで生活できそうだね……かーしま、小山。しばらく留守にするから、後のことは任せるよ」
132 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:25:59.77 ID:Cux6+xjZO
桃「そのような大荷物で、どちらへ行かれるのですか?」
杏「今の大洗に残された手は、『全国大会準優勝』の実績をひっさげて味方を増やして、せめて廃校を先伸ばしにさせるしかない。そのために色々と回るつもり。嫌だけど、あのいけ好かない役人の所にも行ってみるよ」
柚子「みんなに約束しましたもんね。それだけは果たさないと」
桃「留守はお任せください!隊長として皆の士気を維持してみせます!」
柚子「桃ちゃんにできるのー?」
桃「なんだとー!あと、桃ちゃんと呼ぶな!」
133 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:31:43.60 ID:Cux6+xjZO
杏「てっきりかーしまは泣き出すかと思ったけど、意外だねぇ」
桃「会長まで!」
杏「あはは。……二人とも、頼んだよ」
桃・柚子「はい!」
134 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:32:37.08 ID:Cux6+xjZO
沙織「あーあ、こんなことになるんなら試合前にみぽりんと行きたいところに行っとくんだったなぁ……」
優花里「西住殿、お元気ですかね?」
華「少なくとも、今の私たちよりは元気でしょうね……潮の香りも、しなくなってしまいました」
沙織「い、いいじゃん山も!緑が一杯あってさ!」
麻子「まあ、そうだが……」
ゴォォォォ……
沙織「あ、あれ!サンダースの!」
優花里「約束通り運んできてれたんですね!皆さん、行きましょう!」
135 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:36:51.45 ID:Cux6+xjZO
ケイ「ちゃんと届けたわよ!」
アリサ「この借りは高くつくわよ!……今度は私達がコテンパンにするんだから!」
梓「ありがとうございます!」
佐衛門佐「大高城兵糧入れだ!」
エルヴィン「いや、デミャンスク包囲戦だ!」
典子「おーい!ありがとー!ホントに、ありがとー!」
優花里「私達の戦車……やっぱり、安心しますね!」
華「ええ。見ているだけで落ち着きます」
沙織「……ねえ、みんな。私たち、このままでいいのかな?」
136 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:40:36.07 ID:Cux6+xjZO
優花里「武部殿?どうしたんでありますか?」
沙織「こうやって、ケイさんやアリサさんは私達のことを助けてくれる。生徒会も……そりゃ最初はなんでこんなに横暴なんだー!って思ったけど、学校を守るために、必死で頑張ってくれてる。なのに、私達が何もしないのはおかしいと思う」
あや「沙織先輩……でも私達、ただの女子高生なんですよ?」
あゆみ「私達にできることなんて、あるんでしょうか?」
カエサル「いや、それは違うぞ。私達はただの女子高生じゃない。並み居る強豪校を蹴散らして、戦車道全国大会で準優勝した女子高生だ!」
おりょう「考えてみれば、サンダースの隊長もうちの生徒会もおんなじ女子高生ぜよ」
137 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:42:08.22 ID:Cux6+xjZO
桂利奈「でも、そんな簡単に何ができるのかなんてわかんないですよ!」
優花里「何ができるのかわからない……じゃあ、やることは一つですね!」
華「うふふ。久しぶりですね」
沙織「……皆、やろうよ!作戦会議!」
138 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:45:15.20 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー黒森峰・学園艦ーー
小梅「うーん、新発売のデコポンアイス、当たりでした!」
みほ「いいなぁ……私のは外れだったよ……」
小梅「だから言ったじゃないですか。トマトアイスは止めた方がいいって。いくら色が美味しそうでも、絶対地雷ですよ」
みほ「新商品、って書いてあったからつい……」
小梅「じゃ、半分こしましょう!私も実は、少し気になりますし」
みほ「ほんと!?ありがとう!」
小梅「それで、みほさん……話って、なんですか?」
139 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:48:42.37 ID:Cux6+xjZO
みほ「う、うん……実は……」
小梅「……もしかして、戦車道のこと?」
みほ「な、なんでわかったの?」
小梅「最近のみほさん、いつもどこか上の空で……みほさんがそんな風になるのは、戦車道のことくらいしか考えられないですから」
みほ「あのね……私、もう一度始めようと思うんだ。戦車道」
140 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:49:57.83 ID:Cux6+xjZO
小梅「それは……うちのチームに戻る、ってことですか?」
みほ「うん。私のことをよく思わない人もいると思うし、今さら、って思われるかもしれない……でも、逃げ出したままじゃ、いけないんだと思う」
小梅「隊長には言ったんですか?」
みほ「お姉ちゃんは、『みほがそうしたいなら、そうすればいい。ただし、特別扱いは一切しない。新入部員からやり直してもらう』って」
小梅「隊長らしいといえば隊長らしいですね……すみません。ちょっと携帯使います」
みほ(私のせいで小梅さんまで戦車道をやめることになったのに、やっぱり戦車道を始めたいだなんて、すごく自分勝手。小梅さん、私のことを嫌いになっても……しょうがないよね。でも、何も言わずにチームに戻るなんてできない)
141 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:51:35.10 ID:Cux6+xjZO
小梅「よし、できました!送信、っと」
みほ「うん……それでね……」
小梅「隊長に会うのも久しぶりだから、緊張します……隊長、私のこと怒ってませんでした?」
みほ「特にそんなことはなかったと思うけど……小梅さん、お姉ちゃんに何か用事があるの?」
小梅「私もチームに戻らせてもらえるように、頼まないといけませんから」
みほ「小梅さんも、チームに……えっ?」
小梅「新入生からやり直しですか……砲弾運びや練習後の片付け、きついですよねー」
みほ「そうじゃなくて……小梅さんもチームに戻るって」
142 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:52:27.76 ID:Cux6+xjZO
小梅「はい。そのつもりです。あっ、アイス溶けちゃいますよ?」
みほ「だって、小梅さん……戦車道が嫌になったんじゃなかったの?」
小梅「嫌になんてなってませんよ?」
みほ「じゃあ、なんで」
小梅「みほさんって、ぽやっとしてるように見えて実はちゃんとしてる……ように見えて、やっぱりどこか抜けてるんですね」
みほ「ぽ、ぽやっと……」
143 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:53:27.84 ID:Cux6+xjZO
小梅「私だって、この黒森峰で戦車道をやってたんです。自分のミスの重さはわかってますけど、そのくらいでへこたれたりしません。私がチームを辞めたのは、もっと単純な理由……友達の側にいたかったから、ほっとけなかったからです。……エリカさんに聞かれたら、怒られそうですけど」
みほ「そうだっ、たんだ……」
小梅「えっ!?……もしかして、みほさんからは友達と思われてなかったとか……」
みほ「う、ううん!そんなことない!……小梅さんこそ、私なんかが友達でいいの?」
小梅「当たり前じゃないですか!私を助けてくれたみほさんは、私の自慢の友達です!」
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 21:55:00.36 ID:uAd8BhRh0
みほ梅、いいねぇ・・・
145 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:55:38.66 ID:Cux6+xjZO
みほ「小梅さん……」
小梅「どうすればまた一緒に戦車道ができるかな?ってずっと考えてたんですけど、まさかみほさんの方から言い出してくれるなんて、本当によかった!」
みほ「……私の側にいてくれて、今までありがとう」
小梅「それじゃまるでお別れみたいじゃないですか。また一緒にできるんですよね?戦車道」
みほ「うん……うん!」
146 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:56:42.54 ID:Cux6+xjZO
小梅「あっ、隊長から返信が来ました……『わかった。へやにてまつ。きょうのよるしちじにきてくれ』……相変わらず、全部ひらがなですね」
みほ「お姉ちゃん、戦車以外の機械が苦手だから……」
小梅「実は抜けてるのは、姉妹一緒なんですね!」
みほ「あー、ひどい!」
小梅「ほら、アイス早く食べないから完全に溶けちゃいましたよ!これじゃまるでトマトジュースです!」
みほ「あっ!……でも、こっちの方が逆に食べやすかったり……」
小梅「私にも一口ください!……うーん、これは……」
みほ・小梅「「まずい!……あはははっ!」」
147 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:59:19.75 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー文部科学省・学園艦教育局ーー
辻「廃校の件はもうすでに決定したはずです」
杏「わかっています。ですが、今年度の大会での結果を考えて、せめて1年だけでも先に伸ばせませんか」
辻「全国大会準優勝、確かに素晴らしい結果です。よかったではないですか。最後にいい思い出ができて」
杏「……元々は今年度末の予定だったはずです。繰り上げなんて納得できません」
辻「私達も色々と検討したのですがね。まぁ、『優勝すれば』廃校にしないと約束したのですから。その約束を守れなかったのに、後からそのようなことを言われても」
148 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:06:03.73 ID:Cux6+xjZO
杏「そもそも、なんで繰り上げなんてことになるんですか」
辻「後期分の予算編成の都合ですよ。世界大会誘致、プロリーグ設置……色々と修正しなくくてはならない予算がありましてね。……もっとも、経営破綻しかけの学園の生徒会長さんには到底わからない話かもしれませんが。そもそも運営改善の努力が足りなかったのでは?」
杏「色々と手は打っていました」
辻「これは失礼。その一策が戦車道の再興でしたね。……ところがその戦車道への補助金の一部を、学園の運営費に回したとか」
杏「それは……!」
149 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:08:00.81 ID:Cux6+xjZO
辻「これ以上君と話すことはありません。お帰りください。残念ですよ。もし君たちが優勝できていれば、今ごろ来年度に向けての楽しい話をできていたでしょうに」
杏「待ってください。まだ話は……」
辻「終わりです。大洗女子学園は廃校。これは決定事項です」
150 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:10:40.74 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー戦車道連盟会館ーー
理事長「やはりなぁ。戦車道連盟としては君たちに協力することはやぶさかではないのだが、向こうにも面子があるからなぁ……」
杏「まるでとりつく島もありませんでした」
蝶野「……やはり、家元にお頼みして直接交渉の場に出てきてもらうしか」
杏「いえ……それをやれば、高校戦車道連盟と西住流の全部を文科省との対立に巻き込むことになります。それは、本当に最後の手段です」
蝶野「そんなことを言っている場合?」
杏「でも、これは私達の問題なんです。既に家元は色々な支援をしてくれています。……この上さらに迷惑をかけるようなことはできません」
理事長「まぁ、幸いまだ時間はある。プロリーグの創設で頭が一杯になっている以上、文科省も新しい手を打ってくることはないさ。とりあえず一旦学校に帰って、また出直した方がいいんじゃないかな?」
杏「……はい、そうさせてもらいます」
151 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:14:19.45 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー聖グロリアーナ・学園艦ーー
アッサム「ダージリン、これが調査結果です」
ダージリン「ありがとう。グリーンにもお礼を言っておいてもらえる?」
アッサム「わかりました。……ですが、結果は白です。完全なまでに」
ダージリン「文部科学省学園艦教育局長、辻廉太。てっきり、学園艦の解体業者辺りからリベートでも受け取っているのかと考えたのだけれど……綺麗な経歴ね」
オレンジペコ「そもそも、後ろ暗いことがあるならあえて廃校を繰り上げて、発覚する危険性を高めるとも思えません」
アッサム「勤務態度は良好、特に問題を起こしたこともありません。誰かからの脅迫を受けているといったことも考えにくいかと」
ダージリン「せめて、繰り上げになった理由が分かれば……」
Prrrr… …
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 22:16:28.21 ID:uAd8BhRh0
ほう、この作品だと辻は有能な役人なのか
だったら尚の事手ごわそう
153 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:18:30.67 ID:Cux6+xjZO
オレンジペコ「はい、聖グロリアーナ、紅茶の園です……はい、わかりました。ただ今代わりますね。ダージリン様、サンダースのケイ隊長からです」
ケイ『Hello! ダージリン、久しぶり!』
ダージリン「あら。お久しぶりね。どういった用かしら?」
ケイ『あなたも聞いたでしょ?大洗が廃校になるって』
ダージリン「小耳に挟む程度にはね」
ケイ『Kidding! 面白いジョークね! あなたが大洗の廃校を阻止するために色々と動いてること、みんな知ってるのよ?』
ダージリン「……そう。用件はそれだけ?」
ケイ『ううん!私達も一枚噛ませてよ!サンダースのPTAとOB組織の協力、取り付けてきたわ!どう動かせばいいか教えてくれない?』
154 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:21:30.85 ID:Cux6+xjZO
ダージリン「ありがとう。……だけどごめんなさい、今力を借りられるようなことはないわ。まだ敵の……文科省の狙いがわからない状況なの。それがわかったら、お願いすることになるかもしれないわ」
ケイ『ふーん。わかったわ!その時はよろしくね!私の知ってる限り、あなたが一番こういう悪巧みは得意なんだから!』
ダージリン「お褒めの言葉をいただき、光栄に思っておくわ」
ケイ『ところで、あなたもそろそろ引退よね?進路とか、そろそろ考えてるわけ?』
ダージリン「突然ね。まあ、少しは考えているわ」
ケイ『って言っても、そっちはOB会かぁ。チャーチル会、でしょ?』
ダージリン「あなたこそ、内部進学でサンダース大でしょう」
155 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:22:41.23 ID:Cux6+xjZO
ケイ『うーん、実はうちの先輩から大学選抜に誘われてるんだけど……なーんか、あのチームって好きになれないのよね。確かに設備や指導がスゴいみたいだけど、国からの締め付けがきついらしいじゃない』
ダージリン「どこもそんなものよ。……この話は、次に会ったときにでもじっくりしましょう」
ケイ『そうね!カチューシャやマホも呼んで、皆で話しましょうか!それじゃあね!楽しみに待ってるわ!』
ダージリン「それでは。またね」
……ガチャリ
ダージリン「ふう。相変わらず元気な人だわ」
156 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:23:54.30 ID:Cux6+xjZO
アッサム「ですが、サンダースも協力してくれるようで、よかったではないですか」
ダージリン「ええ。そうね……でも、現状は情報が足りなすぎるわ……」
オレンジペコ「ダージリン様?」
ダージリン「アッサム。申し訳ないけど、もう一度コーヒー・ハウスに。今度はこのリストに沿って調べてもらうよう頼んでもらえるかしら」
157 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:25:15.13 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー黒森峰・学園艦ーー
まほ「それでは、本日のミーティングを開始する。だがその前に……入れ」
みほ「は、はい!」
小梅「失礼します」
「みほと小梅?」
「あの二人、確か去年の決勝戦の時に……」
「今更どうして?」
まほ「知っている者もいるかもしれないが、西住みほと赤星小梅だ。……去年の決勝戦からしばらく、一身上の都合でチームから離れていたが、今日から復帰することになった。学年は2年生だが、扱いは新入部員と一緒で構わない。みんな、よろしく頼む」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 22:27:26.65 ID:uAd8BhRh0
ケイの先輩というとメグミかな?
159 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:30:59.75 ID:Cux6+xjZO
「都合、って……あれですよね?試合の最中に川に落ちて、フラッグ車を放置してそれを助けにいって敗北の原因を作った、っていう……」
「……そうよ。副隊長だったのにも関わらず、それも10連覇のかかった試合でね」
「そんな人が戻ってきて、本当に戦力になれるんですか?ブランクもあるんですよね?」
みほ(みんなの視線が痛い……。ううん、あんなことをして、何も言わないで逃げ出したんだもん)
エリカ「……隊長、よろしいでしょうか」
まほ「ああ。どうした?」
エリカ「私は副隊長として、二人の復帰に納得いきません」
160 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:35:33.97 ID:Cux6+xjZO
まほ「……そうか」
エリカ「あの試合でのミスは仕方がない部分もあったと思います。……ですが、それに対して何の説明もしないでチームを去ってしまった人間を信用することはできません」
直下「ちょっとエリカさん、そんな言い方って」
エリカ「なら、あなたは二人に対して全く思うところがないと言うの?」
直下「……そりゃ全く、って言ったら嘘になるし、西住さんも少しは何か説明してくれてもよかったと思うけどさ……」
エリカ「今チームに戻っても、またいつ同じことをして辞めてしまうかわからないわ」
161 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:36:46.17 ID:Cux6+xjZO
みほ「……それは、絶対にしません!」
まほ「…………」
みほ「何も言わずに逃げてしまったのは、本当にごめんなさい。でももう……そんなことは絶対にしません!だから、お願いします!私をチームに復帰させてください!」
エリカ「信用できないわ。試合の最中に逃げ出されたらたまったものじゃないもの」
小梅「エリカさん、お願いします!」
エリカ「だったら、あなたたちの実力を示してみせなさい。……隊長。私に、試合をさせてくれませんか」
まほ「……わかった。許可しよう」
162 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:37:48.74 ID:Cux6+xjZO
エリカ「車両は両方ともパンターでいいですね?」
まほ「ああ。エリカは8号車を、二人は5号車を使え。ちょうど、車長と操縦手が早期引退して空白になっている。二人ともそれでいいか?」
みほ「はい。わかりました」
小梅「異存ありません」
エリカ「まさかあなたが、言い返して来るようになるとはね。……手加減は一切なし。私の実力、見せてあげるわ、副隊長……ああ、元、だったわね」
みほ「ええ。……望むところです」
163 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:40:37.84 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー黒森峰・演習場ーー
まほ「両車スタート位置についたな。……では、試合開始!」
みほ「皆さん、お願いします。……私のために付き合わせて、すみません」
黒森峰生「いえ……でも、副隊長に勝てるんですか?」
みほ「勝ちます。エリ……、逸見さんは強敵ですが、皆さんの協力があれば、勝ってみせます」
小梅「操縦は任せてください!これでも中学からやってるんです。ブランクがあると言っても、そう簡単に遅れはとりませんから!」
みほ「双方森林地帯でのスタート……まずは定石通り、待ち伏せをかけます。F42の茂みに潜んで、アンブッシュを狙いましょう」
小梅「F39じゃなくて、42ですか?」
みほ「はい。最も発見しにくい39に隠れることは向こうも読んでくるはずです。万一発見された場合も、42の方が地形的に脱出しやすいですから」
小梅「なるほど、了解です!」
164 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:48:23.75 ID:Cux6+xjZO
エリカ「敵車は北にいるわ。前進」
黒森峰生「待ち伏せを狙わないんですか?」
エリカ「私達がするのは王者の戦いよ。向こうはアンブッシュを狙ってくるかもしれないけど、そんな小細工は正面から打ち破ってみせる」
165 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:49:27.81 ID:Cux6+xjZO
キュラキュラキュラ……
小梅「敵車両発見!南から近付いてきます!」
みほ「砲塔の向きはどうですか?」
小梅「斜め左向き……39ポイントに向いてます」
みほ「わかりました。右側面、狙えますか」
黒森峰生「すみません。木の影になっていて……」
みほ「では、むこうが側面を見せたらすかさず砲撃を。万一砲塔をこちらに向けてくるようであれば、すぐに退避をお願いします」
小梅「はい!」
166 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:50:08.51 ID:Cux6+xjZO
エリカ「このまま前進。砲塔は11時方向、39ポイントに向け続けたまま」
黒森峰生「敵車、撃ってこないですね……」
エリカ「当たり前よ。隠れているのはあっちじゃない。1時方向、42だもの。こっちが側面を晒すまで撃ってくることはないわ……合図でエンジン全開、いいわね?」
167 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:51:09.72 ID:Cux6+xjZO
小梅「敵車両、停止しました。砲塔の向きは変わらず……39ポイントを砲撃する気でしょうか」
みほ「……砲撃を行ったら、隙をついてこっちも攻撃してください。履帯を狙えれば最上ですが、側面を取っていることがわかるだけでもプレッシャーになるはずです」
168 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:51:47.02 ID:Cux6+xjZO
エリカ「今よ!このままエンジン全開!正面の木を全力で押しなさい!」
黒森峰生「はいっ!」
ドルルル! ……バキ、バキバキッ!
169 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:52:25.48 ID:Cux6+xjZO
小梅「みほさん、あれ!」
バシッ……メキメキ……
みほ「木をこっちに倒して……気付かれてた!?小梅さん、回避を!」
バキッ!……ズズズ……
小梅「ダメです!間に合いません!」
ズズウン……!
黒森峰生「きゃああっ!」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 22:52:44.20 ID:1WLGueVSO
>>144
新商品みたい
171 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:53:12.74 ID:Cux6+xjZO
エリカ「やっぱりそっちのポイントだったわね!3時方向から回り込みなさい!PANTER VOR!」
172 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:55:13.47 ID:Cux6+xjZO
>>171
訂正
エリカ「やっぱりそっちのポイントだったわね!3時方向から回り込みなさい!PANZER VOR!」
173 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:56:00.53 ID:Cux6+xjZO
黒森峰生「敵車両、向かってきます!枝が邪魔で撃てません!」
小梅「みほさん!どうしますか!?」
みほ(エリカさんなら……)
みほ「逸見さんは左側から回り込んできます!木をどかしつつ旋回、間に合いますか!?」
小梅「間に合わせます!」
ギャギャギャギャ!
174 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:56:36.08 ID:Cux6+xjZO
エリカ「発射!」
ドオン!……カキィン!
エリカ「浅い!でも、肉薄したわ!このまま攻めるわよ!」
175 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:57:13.25 ID:Cux6+xjZO
みほ「こっちも射撃!撃てっ!」
ドオン!……キインッ!
エリカ「次弾装填、急ぎなさい!」
みほ「後退!茂みから抜けます!」
小梅「どっちに抜けますか!?」
みほ「斜め右から……いえ!左側からお願いします!」
176 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:58:17.62 ID:Cux6+xjZO
エリカ(このあとは動きのとれない茂みから脱出しようとするはず……あいつなら……)
黒森峰生「敵車後退!茂みから抜けます!」
黒森峰生「発射準備完了!」
エリカ「砲塔、左側に10度旋回!発射!」
ドオン!
エリカ「外した!?……まだよっ!」
177 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:59:03.54 ID:Cux6+xjZO
みほ「発射用意!」
エリカ「来るわ!右旋回!」
ドオン!
エリカ「反撃!ファイア!」
ドオン!……ギィン!
みほ(強い!エキシビションにいたどの戦車より!)
エリカ(負けない!あんたには、負けない!)
178 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:59:44.49 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
直下「すごい……エリカさん、西住さんを押してる……」
「でも、ブランクがあるのに副隊長とあれだけ戦えるなんて」
「さすが隊長と同じ西住流、ってこと?」
まほ「…………」
まほ(エリカ、辛い役回りを押し付けてすまない……みほ、どうか乗り越えてくれ)
179 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 23:01:34.61 ID:Cux6+xjZO
本日は以上です。
ちなみにこっちのエリカはすでに後悔してそうな顔はしてません。
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 23:03:35.56 ID:1WLGueVSO
つらいわに
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 23:03:35.66 ID:uAd8BhRh0
乙です
実に読み応えがありました、みほVSエリカがどう決着するか楽しみです
みほ梅をもっとマシマシでお願いしますw
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 13:18:32.72 ID:VvTVfeOso
乙です
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 15:11:39.63 ID:/djYzJyA0
うんこしながらトイレで読んだので、30レスまでしか読めなかったが、これは面白い。
話の持ってき方がおもしろい。
つぎのうんこが楽しみだぜ!
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 21:24:42.67 ID:6ewQFPfZO
乙
エリカ・・・
185 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:24:16.75 ID:CSisvgHXO
ドオン! ドオン!
エリカ「装填、もっと速く!」
黒森峰生「は、はいっ!」
エリカ(隊長が、私が、どれだけあんたのことを心配したと思ってるの!)
エリカ「操車も!最短で指示に追随しなさい!」
186 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:25:03.32 ID:CSisvgHXO
エリカ(悔しいなら怒れば!苦しいなら声を上げればよかったじゃない!それを全部自分が悪いって諦めて!……なんでもっと、私達を頼らなかったのよ!)
エリカ「敵は西住流、一瞬たりとも気を抜くんじゃないわよ!」
エリカ(許さない!絶対に許さない!……だからこんな壁、越えてみせなさい!)
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