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【ガルパン】西住みほ「あの……私、戦車道、やめます……」【劇場版】
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139 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:48:42.37 ID:Cux6+xjZO
みほ「う、うん……実は……」
小梅「……もしかして、戦車道のこと?」
みほ「な、なんでわかったの?」
小梅「最近のみほさん、いつもどこか上の空で……みほさんがそんな風になるのは、戦車道のことくらいしか考えられないですから」
みほ「あのね……私、もう一度始めようと思うんだ。戦車道」
140 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:49:57.83 ID:Cux6+xjZO
小梅「それは……うちのチームに戻る、ってことですか?」
みほ「うん。私のことをよく思わない人もいると思うし、今さら、って思われるかもしれない……でも、逃げ出したままじゃ、いけないんだと思う」
小梅「隊長には言ったんですか?」
みほ「お姉ちゃんは、『みほがそうしたいなら、そうすればいい。ただし、特別扱いは一切しない。新入部員からやり直してもらう』って」
小梅「隊長らしいといえば隊長らしいですね……すみません。ちょっと携帯使います」
みほ(私のせいで小梅さんまで戦車道をやめることになったのに、やっぱり戦車道を始めたいだなんて、すごく自分勝手。小梅さん、私のことを嫌いになっても……しょうがないよね。でも、何も言わずにチームに戻るなんてできない)
141 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:51:35.10 ID:Cux6+xjZO
小梅「よし、できました!送信、っと」
みほ「うん……それでね……」
小梅「隊長に会うのも久しぶりだから、緊張します……隊長、私のこと怒ってませんでした?」
みほ「特にそんなことはなかったと思うけど……小梅さん、お姉ちゃんに何か用事があるの?」
小梅「私もチームに戻らせてもらえるように、頼まないといけませんから」
みほ「小梅さんも、チームに……えっ?」
小梅「新入生からやり直しですか……砲弾運びや練習後の片付け、きついですよねー」
みほ「そうじゃなくて……小梅さんもチームに戻るって」
142 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:52:27.76 ID:Cux6+xjZO
小梅「はい。そのつもりです。あっ、アイス溶けちゃいますよ?」
みほ「だって、小梅さん……戦車道が嫌になったんじゃなかったの?」
小梅「嫌になんてなってませんよ?」
みほ「じゃあ、なんで」
小梅「みほさんって、ぽやっとしてるように見えて実はちゃんとしてる……ように見えて、やっぱりどこか抜けてるんですね」
みほ「ぽ、ぽやっと……」
143 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:53:27.84 ID:Cux6+xjZO
小梅「私だって、この黒森峰で戦車道をやってたんです。自分のミスの重さはわかってますけど、そのくらいでへこたれたりしません。私がチームを辞めたのは、もっと単純な理由……友達の側にいたかったから、ほっとけなかったからです。……エリカさんに聞かれたら、怒られそうですけど」
みほ「そうだっ、たんだ……」
小梅「えっ!?……もしかして、みほさんからは友達と思われてなかったとか……」
みほ「う、ううん!そんなことない!……小梅さんこそ、私なんかが友達でいいの?」
小梅「当たり前じゃないですか!私を助けてくれたみほさんは、私の自慢の友達です!」
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 21:55:00.36 ID:uAd8BhRh0
みほ梅、いいねぇ・・・
145 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:55:38.66 ID:Cux6+xjZO
みほ「小梅さん……」
小梅「どうすればまた一緒に戦車道ができるかな?ってずっと考えてたんですけど、まさかみほさんの方から言い出してくれるなんて、本当によかった!」
みほ「……私の側にいてくれて、今までありがとう」
小梅「それじゃまるでお別れみたいじゃないですか。また一緒にできるんですよね?戦車道」
みほ「うん……うん!」
146 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:56:42.54 ID:Cux6+xjZO
小梅「あっ、隊長から返信が来ました……『わかった。へやにてまつ。きょうのよるしちじにきてくれ』……相変わらず、全部ひらがなですね」
みほ「お姉ちゃん、戦車以外の機械が苦手だから……」
小梅「実は抜けてるのは、姉妹一緒なんですね!」
みほ「あー、ひどい!」
小梅「ほら、アイス早く食べないから完全に溶けちゃいましたよ!これじゃまるでトマトジュースです!」
みほ「あっ!……でも、こっちの方が逆に食べやすかったり……」
小梅「私にも一口ください!……うーん、これは……」
みほ・小梅「「まずい!……あはははっ!」」
147 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 21:59:19.75 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー文部科学省・学園艦教育局ーー
辻「廃校の件はもうすでに決定したはずです」
杏「わかっています。ですが、今年度の大会での結果を考えて、せめて1年だけでも先に伸ばせませんか」
辻「全国大会準優勝、確かに素晴らしい結果です。よかったではないですか。最後にいい思い出ができて」
杏「……元々は今年度末の予定だったはずです。繰り上げなんて納得できません」
辻「私達も色々と検討したのですがね。まぁ、『優勝すれば』廃校にしないと約束したのですから。その約束を守れなかったのに、後からそのようなことを言われても」
148 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:06:03.73 ID:Cux6+xjZO
杏「そもそも、なんで繰り上げなんてことになるんですか」
辻「後期分の予算編成の都合ですよ。世界大会誘致、プロリーグ設置……色々と修正しなくくてはならない予算がありましてね。……もっとも、経営破綻しかけの学園の生徒会長さんには到底わからない話かもしれませんが。そもそも運営改善の努力が足りなかったのでは?」
杏「色々と手は打っていました」
辻「これは失礼。その一策が戦車道の再興でしたね。……ところがその戦車道への補助金の一部を、学園の運営費に回したとか」
杏「それは……!」
149 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:08:00.81 ID:Cux6+xjZO
辻「これ以上君と話すことはありません。お帰りください。残念ですよ。もし君たちが優勝できていれば、今ごろ来年度に向けての楽しい話をできていたでしょうに」
杏「待ってください。まだ話は……」
辻「終わりです。大洗女子学園は廃校。これは決定事項です」
150 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:10:40.74 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー戦車道連盟会館ーー
理事長「やはりなぁ。戦車道連盟としては君たちに協力することはやぶさかではないのだが、向こうにも面子があるからなぁ……」
杏「まるでとりつく島もありませんでした」
蝶野「……やはり、家元にお頼みして直接交渉の場に出てきてもらうしか」
杏「いえ……それをやれば、高校戦車道連盟と西住流の全部を文科省との対立に巻き込むことになります。それは、本当に最後の手段です」
蝶野「そんなことを言っている場合?」
杏「でも、これは私達の問題なんです。既に家元は色々な支援をしてくれています。……この上さらに迷惑をかけるようなことはできません」
理事長「まぁ、幸いまだ時間はある。プロリーグの創設で頭が一杯になっている以上、文科省も新しい手を打ってくることはないさ。とりあえず一旦学校に帰って、また出直した方がいいんじゃないかな?」
杏「……はい、そうさせてもらいます」
151 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:14:19.45 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー聖グロリアーナ・学園艦ーー
アッサム「ダージリン、これが調査結果です」
ダージリン「ありがとう。グリーンにもお礼を言っておいてもらえる?」
アッサム「わかりました。……ですが、結果は白です。完全なまでに」
ダージリン「文部科学省学園艦教育局長、辻廉太。てっきり、学園艦の解体業者辺りからリベートでも受け取っているのかと考えたのだけれど……綺麗な経歴ね」
オレンジペコ「そもそも、後ろ暗いことがあるならあえて廃校を繰り上げて、発覚する危険性を高めるとも思えません」
アッサム「勤務態度は良好、特に問題を起こしたこともありません。誰かからの脅迫を受けているといったことも考えにくいかと」
ダージリン「せめて、繰り上げになった理由が分かれば……」
Prrrr… …
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 22:16:28.21 ID:uAd8BhRh0
ほう、この作品だと辻は有能な役人なのか
だったら尚の事手ごわそう
153 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:18:30.67 ID:Cux6+xjZO
オレンジペコ「はい、聖グロリアーナ、紅茶の園です……はい、わかりました。ただ今代わりますね。ダージリン様、サンダースのケイ隊長からです」
ケイ『Hello! ダージリン、久しぶり!』
ダージリン「あら。お久しぶりね。どういった用かしら?」
ケイ『あなたも聞いたでしょ?大洗が廃校になるって』
ダージリン「小耳に挟む程度にはね」
ケイ『Kidding! 面白いジョークね! あなたが大洗の廃校を阻止するために色々と動いてること、みんな知ってるのよ?』
ダージリン「……そう。用件はそれだけ?」
ケイ『ううん!私達も一枚噛ませてよ!サンダースのPTAとOB組織の協力、取り付けてきたわ!どう動かせばいいか教えてくれない?』
154 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:21:30.85 ID:Cux6+xjZO
ダージリン「ありがとう。……だけどごめんなさい、今力を借りられるようなことはないわ。まだ敵の……文科省の狙いがわからない状況なの。それがわかったら、お願いすることになるかもしれないわ」
ケイ『ふーん。わかったわ!その時はよろしくね!私の知ってる限り、あなたが一番こういう悪巧みは得意なんだから!』
ダージリン「お褒めの言葉をいただき、光栄に思っておくわ」
ケイ『ところで、あなたもそろそろ引退よね?進路とか、そろそろ考えてるわけ?』
ダージリン「突然ね。まあ、少しは考えているわ」
ケイ『って言っても、そっちはOB会かぁ。チャーチル会、でしょ?』
ダージリン「あなたこそ、内部進学でサンダース大でしょう」
155 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:22:41.23 ID:Cux6+xjZO
ケイ『うーん、実はうちの先輩から大学選抜に誘われてるんだけど……なーんか、あのチームって好きになれないのよね。確かに設備や指導がスゴいみたいだけど、国からの締め付けがきついらしいじゃない』
ダージリン「どこもそんなものよ。……この話は、次に会ったときにでもじっくりしましょう」
ケイ『そうね!カチューシャやマホも呼んで、皆で話しましょうか!それじゃあね!楽しみに待ってるわ!』
ダージリン「それでは。またね」
……ガチャリ
ダージリン「ふう。相変わらず元気な人だわ」
156 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:23:54.30 ID:Cux6+xjZO
アッサム「ですが、サンダースも協力してくれるようで、よかったではないですか」
ダージリン「ええ。そうね……でも、現状は情報が足りなすぎるわ……」
オレンジペコ「ダージリン様?」
ダージリン「アッサム。申し訳ないけど、もう一度コーヒー・ハウスに。今度はこのリストに沿って調べてもらうよう頼んでもらえるかしら」
157 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:25:15.13 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー黒森峰・学園艦ーー
まほ「それでは、本日のミーティングを開始する。だがその前に……入れ」
みほ「は、はい!」
小梅「失礼します」
「みほと小梅?」
「あの二人、確か去年の決勝戦の時に……」
「今更どうして?」
まほ「知っている者もいるかもしれないが、西住みほと赤星小梅だ。……去年の決勝戦からしばらく、一身上の都合でチームから離れていたが、今日から復帰することになった。学年は2年生だが、扱いは新入部員と一緒で構わない。みんな、よろしく頼む」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 22:27:26.65 ID:uAd8BhRh0
ケイの先輩というとメグミかな?
159 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:30:59.75 ID:Cux6+xjZO
「都合、って……あれですよね?試合の最中に川に落ちて、フラッグ車を放置してそれを助けにいって敗北の原因を作った、っていう……」
「……そうよ。副隊長だったのにも関わらず、それも10連覇のかかった試合でね」
「そんな人が戻ってきて、本当に戦力になれるんですか?ブランクもあるんですよね?」
みほ(みんなの視線が痛い……。ううん、あんなことをして、何も言わないで逃げ出したんだもん)
エリカ「……隊長、よろしいでしょうか」
まほ「ああ。どうした?」
エリカ「私は副隊長として、二人の復帰に納得いきません」
160 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:35:33.97 ID:Cux6+xjZO
まほ「……そうか」
エリカ「あの試合でのミスは仕方がない部分もあったと思います。……ですが、それに対して何の説明もしないでチームを去ってしまった人間を信用することはできません」
直下「ちょっとエリカさん、そんな言い方って」
エリカ「なら、あなたは二人に対して全く思うところがないと言うの?」
直下「……そりゃ全く、って言ったら嘘になるし、西住さんも少しは何か説明してくれてもよかったと思うけどさ……」
エリカ「今チームに戻っても、またいつ同じことをして辞めてしまうかわからないわ」
161 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:36:46.17 ID:Cux6+xjZO
みほ「……それは、絶対にしません!」
まほ「…………」
みほ「何も言わずに逃げてしまったのは、本当にごめんなさい。でももう……そんなことは絶対にしません!だから、お願いします!私をチームに復帰させてください!」
エリカ「信用できないわ。試合の最中に逃げ出されたらたまったものじゃないもの」
小梅「エリカさん、お願いします!」
エリカ「だったら、あなたたちの実力を示してみせなさい。……隊長。私に、試合をさせてくれませんか」
まほ「……わかった。許可しよう」
162 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:37:48.74 ID:Cux6+xjZO
エリカ「車両は両方ともパンターでいいですね?」
まほ「ああ。エリカは8号車を、二人は5号車を使え。ちょうど、車長と操縦手が早期引退して空白になっている。二人ともそれでいいか?」
みほ「はい。わかりました」
小梅「異存ありません」
エリカ「まさかあなたが、言い返して来るようになるとはね。……手加減は一切なし。私の実力、見せてあげるわ、副隊長……ああ、元、だったわね」
みほ「ええ。……望むところです」
163 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:40:37.84 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
ーー黒森峰・演習場ーー
まほ「両車スタート位置についたな。……では、試合開始!」
みほ「皆さん、お願いします。……私のために付き合わせて、すみません」
黒森峰生「いえ……でも、副隊長に勝てるんですか?」
みほ「勝ちます。エリ……、逸見さんは強敵ですが、皆さんの協力があれば、勝ってみせます」
小梅「操縦は任せてください!これでも中学からやってるんです。ブランクがあると言っても、そう簡単に遅れはとりませんから!」
みほ「双方森林地帯でのスタート……まずは定石通り、待ち伏せをかけます。F42の茂みに潜んで、アンブッシュを狙いましょう」
小梅「F39じゃなくて、42ですか?」
みほ「はい。最も発見しにくい39に隠れることは向こうも読んでくるはずです。万一発見された場合も、42の方が地形的に脱出しやすいですから」
小梅「なるほど、了解です!」
164 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:48:23.75 ID:Cux6+xjZO
エリカ「敵車は北にいるわ。前進」
黒森峰生「待ち伏せを狙わないんですか?」
エリカ「私達がするのは王者の戦いよ。向こうはアンブッシュを狙ってくるかもしれないけど、そんな小細工は正面から打ち破ってみせる」
165 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:49:27.81 ID:Cux6+xjZO
キュラキュラキュラ……
小梅「敵車両発見!南から近付いてきます!」
みほ「砲塔の向きはどうですか?」
小梅「斜め左向き……39ポイントに向いてます」
みほ「わかりました。右側面、狙えますか」
黒森峰生「すみません。木の影になっていて……」
みほ「では、むこうが側面を見せたらすかさず砲撃を。万一砲塔をこちらに向けてくるようであれば、すぐに退避をお願いします」
小梅「はい!」
166 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:50:08.51 ID:Cux6+xjZO
エリカ「このまま前進。砲塔は11時方向、39ポイントに向け続けたまま」
黒森峰生「敵車、撃ってこないですね……」
エリカ「当たり前よ。隠れているのはあっちじゃない。1時方向、42だもの。こっちが側面を晒すまで撃ってくることはないわ……合図でエンジン全開、いいわね?」
167 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:51:09.72 ID:Cux6+xjZO
小梅「敵車両、停止しました。砲塔の向きは変わらず……39ポイントを砲撃する気でしょうか」
みほ「……砲撃を行ったら、隙をついてこっちも攻撃してください。履帯を狙えれば最上ですが、側面を取っていることがわかるだけでもプレッシャーになるはずです」
168 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:51:47.02 ID:Cux6+xjZO
エリカ「今よ!このままエンジン全開!正面の木を全力で押しなさい!」
黒森峰生「はいっ!」
ドルルル! ……バキ、バキバキッ!
169 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:52:25.48 ID:Cux6+xjZO
小梅「みほさん、あれ!」
バシッ……メキメキ……
みほ「木をこっちに倒して……気付かれてた!?小梅さん、回避を!」
バキッ!……ズズズ……
小梅「ダメです!間に合いません!」
ズズウン……!
黒森峰生「きゃああっ!」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 22:52:44.20 ID:1WLGueVSO
>>144
新商品みたい
171 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:53:12.74 ID:Cux6+xjZO
エリカ「やっぱりそっちのポイントだったわね!3時方向から回り込みなさい!PANTER VOR!」
172 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:55:13.47 ID:Cux6+xjZO
>>171
訂正
エリカ「やっぱりそっちのポイントだったわね!3時方向から回り込みなさい!PANZER VOR!」
173 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:56:00.53 ID:Cux6+xjZO
黒森峰生「敵車両、向かってきます!枝が邪魔で撃てません!」
小梅「みほさん!どうしますか!?」
みほ(エリカさんなら……)
みほ「逸見さんは左側から回り込んできます!木をどかしつつ旋回、間に合いますか!?」
小梅「間に合わせます!」
ギャギャギャギャ!
174 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:56:36.08 ID:Cux6+xjZO
エリカ「発射!」
ドオン!……カキィン!
エリカ「浅い!でも、肉薄したわ!このまま攻めるわよ!」
175 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:57:13.25 ID:Cux6+xjZO
みほ「こっちも射撃!撃てっ!」
ドオン!……キインッ!
エリカ「次弾装填、急ぎなさい!」
みほ「後退!茂みから抜けます!」
小梅「どっちに抜けますか!?」
みほ「斜め右から……いえ!左側からお願いします!」
176 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:58:17.62 ID:Cux6+xjZO
エリカ(このあとは動きのとれない茂みから脱出しようとするはず……あいつなら……)
黒森峰生「敵車後退!茂みから抜けます!」
黒森峰生「発射準備完了!」
エリカ「砲塔、左側に10度旋回!発射!」
ドオン!
エリカ「外した!?……まだよっ!」
177 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:59:03.54 ID:Cux6+xjZO
みほ「発射用意!」
エリカ「来るわ!右旋回!」
ドオン!
エリカ「反撃!ファイア!」
ドオン!……ギィン!
みほ(強い!エキシビションにいたどの戦車より!)
エリカ(負けない!あんたには、負けない!)
178 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 22:59:44.49 ID:Cux6+xjZO
〜〜〜〜
直下「すごい……エリカさん、西住さんを押してる……」
「でも、ブランクがあるのに副隊長とあれだけ戦えるなんて」
「さすが隊長と同じ西住流、ってこと?」
まほ「…………」
まほ(エリカ、辛い役回りを押し付けてすまない……みほ、どうか乗り越えてくれ)
179 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/21(金) 23:01:34.61 ID:Cux6+xjZO
本日は以上です。
ちなみにこっちのエリカはすでに後悔してそうな顔はしてません。
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/21(金) 23:03:35.56 ID:1WLGueVSO
つらいわに
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/21(金) 23:03:35.66 ID:uAd8BhRh0
乙です
実に読み応えがありました、みほVSエリカがどう決着するか楽しみです
みほ梅をもっとマシマシでお願いしますw
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 13:18:32.72 ID:VvTVfeOso
乙です
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 15:11:39.63 ID:/djYzJyA0
うんこしながらトイレで読んだので、30レスまでしか読めなかったが、これは面白い。
話の持ってき方がおもしろい。
つぎのうんこが楽しみだぜ!
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 21:24:42.67 ID:6ewQFPfZO
乙
エリカ・・・
185 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:24:16.75 ID:CSisvgHXO
ドオン! ドオン!
エリカ「装填、もっと速く!」
黒森峰生「は、はいっ!」
エリカ(隊長が、私が、どれだけあんたのことを心配したと思ってるの!)
エリカ「操車も!最短で指示に追随しなさい!」
186 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:25:03.32 ID:CSisvgHXO
エリカ(悔しいなら怒れば!苦しいなら声を上げればよかったじゃない!それを全部自分が悪いって諦めて!……なんでもっと、私達を頼らなかったのよ!)
エリカ「敵は西住流、一瞬たりとも気を抜くんじゃないわよ!」
エリカ(許さない!絶対に許さない!……だからこんな壁、越えてみせなさい!)
187 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:26:03.08 ID:CSisvgHXO
ドオン!
みほ「来ます!左に回避!」
小梅「はいっ!」
キキイッ!
みほ「可能な限り木を盾にして、側面をカバーしてください!」
みほ(エリカさん、反応が速い……!ずっと強くなってる!)
188 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:26:30.93 ID:CSisvgHXO
みほ「このまま旋回、敵車の頭を抑えてください!」
みほ(だけど……負けられない!私は戦車が好きだから!)
みほ「今です!」
189 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:26:59.52 ID:CSisvgHXO
黒森峰生「敵車正面!回避間に合いません!」
エリカ(この距離で撃たれたら……!なら!)
エリカ「前進!撃たれる前に懐に潜り込みなさい!」
ギャギャギャ……! ガァンッ!
190 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:27:45.45 ID:CSisvgHXO
みほ「くっ……!大丈夫ですか!?」
黒森峰生「はい、問題ありません!」
小梅「でも、この状況……」
ギギギ……
191 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:28:41.22 ID:CSisvgHXO
エリカ(お互いの砲塔の内側に入り込んだこの体勢……これじゃ、どっちも撃てないわね)
みほ(同じ戦車、同じエンジン……同じ出力じゃ、押し合っても勝負は付かない)
エリカ(所詮この試合はデモンストレーションのみたいなもの。これ以上続ける意味はないわ)
みほ(なら、ここで終わりにする?ううん、そんなこと……)
みほ・エリカ((できるわけがない!))
192 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:29:31.64 ID:CSisvgHXO
エリカ「……どれだけ腑抜けたかと思ったら、意外にやるじゃない」
みほ「私は負けません。勝ってチームへの復帰を認めてもらいます」
エリカ「決着を付けるわよ。3つ数えたら、お互いに全速で後退するの。どう?」
みほ「受けて立ちます。3つ、ですね」
193 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:30:19.63 ID:CSisvgHXO
エリカ「1!」
エリカ(わかってる。試合に勝つなら相手だけ動かして、自分は動かずに狙いを付ければいい)
194 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:30:49.20 ID:CSisvgHXO
みほ「2!」
みほ(私達の会話なんて誰も聞いてない、後で相手が何を言っても、負け惜しみにしか思われない)
195 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:31:21.87 ID:CSisvgHXO
みほ・エリカ「3!」
みほ・エリカ(でも、この勝負には負けたくない!)
みほ「全速、後退!」
エリカ「後退しなさい!」
196 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:32:33.79 ID:CSisvgHXO
ギャギャギャギャ……キキイッ!
エリカ(この間合い、パンターの傾斜装甲を撃ち抜くには!)
エリカ「ターレットリングを狙いなさい!」
197 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:33:05.88 ID:CSisvgHXO
みほ「……俯角最大!地面を狙ってください!」
198 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:33:35.37 ID:CSisvgHXO
エリカ「ファイア!」
ドオン!
みほ「発射!」
ドオン!
……シュボッ!
199 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:35:00.11 ID:CSisvgHXO
まほ「試合終了!勝者、5号車……西住みほ!」
200 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:35:37.39 ID:CSisvgHXO
みほ「うまくいった……皆さん、ありがとうございました!」
小梅「みほさん!やりましたね!」
201 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:36:08.41 ID:CSisvgHXO
エリカ「砲弾を地面に当てて、跳弾で車体下部を狙うなんて……やっぱり、遠いわね」
黒森峰生「でも、西住さん相手にここまで戦えるなんて凄いですよ!」
エリカ「ブランク明けで本調子じゃなかっただけよ。でも、見てなさい。また同じチームになったからには、すぐに追い抜いてやるんだから」
黒森峰生「……副隊長、負けたのに喜んでません?」
エリカ「……っ!バカ言わないで!」
202 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:37:16.18 ID:CSisvgHXO
〜〜〜〜
小梅「エーリーカーさんっ!」
エリカ「……何よ。あんた、雑用は終わったわけ?チームに戻ったとはいえ、新入生と同じ待遇って言われたでしょ?」
小梅「はい。伊達に中学からやってませんよ。効率のいいやり方とか色々身に付けてますから」
エリカ「ふん。少しでも不備があったら、副隊長権限で遠慮なく処罰を……」
小梅「えいっ」ピトッ
エリカ「ひゃぁぁっ!……な、何するのよ!」
203 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:38:25.26 ID:CSisvgHXO
小梅「ノンアルコールビールです。キンキンに冷えてますよ?」
エリカ「いきなり顔に押し付けないでよ!」
小梅「試合の後で火照ってるかな、って思って。一緒に飲みませんか?今日のお礼です」
エリカ「受け取れないわ。お礼をされるようなことなんてしてないもの」
小梅「またまたー。あんなことを言って勝負なんてさせたのは、みんなにみほさんの実力を見せるためだったんでしょう?」
エリカ「……何のことかわからないわね。頭でも打ったの?」
204 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:39:15.46 ID:CSisvgHXO
小梅「エリカさんがわからなくても、私にはわかりますよ。だってエリカさん、またみほさんと同じチームで戦車道をやりたがってたじゃないですか。……3番目に」
エリカ「はあ!?だいたい、何よ3番目って!」
小梅「隊長、私、エリカさん。ほら、3番目です」
エリカ「隊長はともかく、あんたの下ってのは納得いかないわ。2番に訂正しなさい」
小梅「認めるんですか?みほさんと同じチームになれて嬉しいって」
エリカ「違うわ!それが何でも、あんたの下ってのが納得いかないだけよ!」
小梅「うーん、却下です」
205 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:39:49.61 ID:CSisvgHXO
エリカ「あんたねえ!……まあいいわ。くれるって言うならもらってあげる。ほら、よこしなさい」
小梅「はい、どうぞ。それじゃエリカさん。また、よろしくお願いします」
エリカ「……ええ。こちらこそ。あんたが戻ってきてくれて嬉しいわ。あいつの側に付いていてくれて、ありがとう」
小梅「いえいえ。それこそお礼を言われるようなことじゃないですよ」
エリカ「そう……乾杯」
小梅「乾杯!」
206 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:41:05.75 ID:CSisvgHXO
〜〜〜〜
Prrrr……Prrrr……Prrrr……
みほ(コール音が、長く感じる。早く出てほしいような、このまま出ないでほしいような……)
みほ「落ち着いて、深呼吸、深呼吸。吸って、吐い……」
しほ『はい』
みほ「……!っげほっ!げほ!」
しほ『……なぜ電話に出ていきなり娘が咳き込むのを聞かされなくてはならないの?』
207 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:42:17.51 ID:CSisvgHXO
みほ「はぁ、はぁ……ごめんなさい、ちょっと心の準備ができてなくて」
しほ『それで、何の用?』
みほ「お母さん……私、戦車道、やります。もう一度、チームに戻ります」
しほ『……その意味、わかっているわね?西住の名を背負うものがその道を選ぶ。もう二度と、戦車道を辞めることは許さないわよ?』
みほ「私わかったんだ。戦車が好きなんだって。だから、もう辞めないよ」
しほ『もう一度あの時と同じ状況になったとしたら、あなたはチームメイトを見捨てられるの?』
208 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:43:36.48 ID:CSisvgHXO
みほ「ううん。それはきっと、できないと思う。私はまた助けに行くと思う」
しほ『まだわかっていないの?西住流は何があっても前に進む流派。強きこと、勝つことを尊ぶのが伝統。それを理解していないのなら、あなたの復帰を許すわけにはいきません』
みほ「……でも、お母さん。私は、誰かを助けようとすることが後ろに戻ることだとは思わない。みんなで勝とうとする気持ちが、弱いとは思えない。だから私はきっと、また助けに行く。助けに行って、今度はみんなで勝ってみせる」
しほ『そんなことができると思うの?』
みほ「私はそうやって勝てるよう、前に進みたい。犠牲がないと大きな勝利が掴めないって最初から決めつけるなんて、そっちの方が諦めてる。……前に進むことを、捨てちゃってるよ」
209 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:46:20.16 ID:CSisvgHXO
しほ『それが、あなたの答えなのね』
みほ「うん。……まだお姉ちゃんみたいに、自分の戦車道、って自信を持っては言えない。けど、そういう道を私は見付けたい。だから、チームに戻ることを許してください」
しほ『……及第点、ね。私にそこまでの大言壮語をしてみせた度胸、認めるわ。大洗の会長から学んだの?』
みほ「大洗のみんなは、本当にどうにもならないような状況になっても、誰も諦めようとしなかったんだ。だから私も、ああなりたいって思えた。どうするのが前に進むことなのか、考えることができたんだ」
210 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:47:02.18 ID:CSisvgHXO
しほ『大洗には借りを作ってしまったわね。大きな借りを』
みほ「お母さん……お願いします。どうか、大洗の皆の助けになってあげてください」
しほ『あの会長に言ったことが全てよ。私は西住流の名を貶めたままにするつもりはない。それだけ』
みほ「お母さんも素直じゃないんだね……今の言い方、逸見さんみたい」
しほ『……仕送り、減らされたいの?』
みほ「ご、ごめんなさい!」
211 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/23(日) 09:47:54.72 ID:CSisvgHXO
しほ『みほ。あなたのやろうとしていることは、西住流の伝統を否定することよ。道は険しいわ……でも、負けることは許しません』
みほ「負けないよ。私は、お母さんの娘だもん」
しほ『……そう』
212 :
◆8DlJds//22
[sage]:2016/10/23(日) 09:52:42.01 ID:CSisvgHXO
本日は以上です。
小梅「やば……これ、ノンアルありませんでした……」
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 10:06:33.95 ID:ynw0UBMf0
乙
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 11:22:15.95 ID:KZdDXb1mO
乙。みほしほの会話シーンは最終章で見られるのかなあ
あとベロンベロンになって色々ぶちまけちゃったエリカさんはよ
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 12:26:06.29 ID:roDFCnW+o
乙です
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/24(月) 15:58:26.27 ID:9lO06u+wO
みぽりん復活しちゃったらもう消化試合じゃん
終わりでよくね?
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/24(月) 17:48:08.74 ID:DwHsU9HfO
乙乙
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/26(水) 07:35:55.84 ID:pgwONoyGO
今日の9時から投下します。
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/26(水) 16:21:42.82 ID:5fNRKxA00
更新楽しみ
220 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:03:16.93 ID:viC8bTMvO
〜〜〜〜
――戦車道チーム・一時転校先――
杏(あんなことを言っといて、結局何の成果も得られなかった。みんなに合わせる顔がないや……だけど、動揺や落胆を見せるわけにはいかない。みんなの士気を維持しないと)
杏「ただいまー!いやー、こんな場所でも帰ってくると安心するもんだねぇ!」
柚子「会長!おかえりなさい!」
桃「かいちょう、がいぢょぉぉう!」ダキッ
杏「おー、よしよし。久しぶりー。……あれ?二人だけ?」
221 :
◆zDZBg4K1Bg
[saga]:2016/10/26(水) 21:05:20.02 ID:viC8bTMvO
柚子「はい。みんなは今、ちょっと……」
杏(おかしい。学校に誰もいない、戦車もない。……まさか、文科省がまた何かを!?)
杏「一体なにがあったんだ!」
柚子「お、落ち着いてください会長!みんなもそろそろ帰ってきますから!」
杏「そっか……てっきり、またなんかされたのかと思ったよ……それで、みんな揃ってどこに行ってんの?」
桃「それは……」
222 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:06:23.74 ID:viC8bTMvO
ギュラララララ……
エルヴィン「カバさんチーム、ただいま帰還したぞ!」
梓「うさぎさんチームも、戻りました!」
典子「アヒルさんチーム、到着!」
沙織「あんこうも帰ってきました!もう汗だくだよー!早くお風呂に入りたい!」
杏「あれ、聖グロと練習試合したときのデコレーションだ。あんなんでどこいってたんだか」
柚子「それじゃさっそく、皆を臨時生徒会室に集めますね。ぜひ、みんなの口から聞いてください!」
223 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:13:19.70 ID:viC8bTMvO
杏「皆、ただいまー!」
左衛門佐「会長!首尾は如何に!」
杏「いや、それがさー……まだ、なーんにも」
あけび「そうなんですか……」
杏「ごめんごめん。でも、絶対何とかしてみせるから。それよりもさ、皆でいったいどこに行ってたのさ?遠足?」
224 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:16:25.85 ID:viC8bTMvO
沙織「私たち、会長が帰ってきたら渡そうと思って準備してたものがあるんです」
杏「武部ちゃん、どうしたの?あいにくだけど、恋文なら間に合ってるかな」
沙織「違います!……ゆかりん!」
優花里「これです!」ドン!
杏「これ……ノート?それも、こんなにたくさん」
225 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:17:41.05 ID:viC8bTMvO
優花里「はい!父や戦車ショップの店員の方々……色々な方に手伝ってもらって学園艦で働いていた人たちから集めた、大洗女子学園廃校反対の署名です!」
カエサル「それだけじゃないぞ。我々が街に出て書いてもらった署名もだ」
あや「他のクラスの皆とも連絡を取って、あちこちで集めました!」
杏「……そっか、それでみんな学校にいなかったんだね」
226 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:20:46.89 ID:viC8bTMvO
華「それでは、私からはこちらを」
杏「五十鈴ちゃん。これは?」
華「五十鈴流でお世話になっている先生に頼んで考えてもらった、学園の経営改善案です。小山先輩や麻子さんに書類や計算の面で手伝っていただいたのですが……不備がないか、改めていただけますでしょうか」
麻子「おかげで寝不足だ……寝かせてくれ」
沙織「あんた、署名集めの間ずっと寝てたじゃん」
麻子「うるさい。頭を使うと眠くなるんだ。ふぁぁ……」
そど子「冷泉さん!あんたまさか、居眠り運転なんかしてないでしょうね!」
麻子「そんなことしたら一発で免停だ。するわけないだろう、そど子」
そど子「だから、そど子って呼ばないで!」
227 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:21:33.73 ID:viC8bTMvO
杏「わかった。目を通しとく。しっかしすごい量だね。しかもグラフやら表やら、こんなにいっぱい」
華「ええ。『内容によっては今後の付き合いは考えさせてもらう』とお伝えしたら、一晩で仕上げてくれました」
杏「そ、そうなんだ……」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/26(水) 21:23:06.24 ID:AiKP8X790
華さん、黒いし怖いでぇ…
229 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:25:21.98 ID:viC8bTMvO
沙織「私からは、これです!」
杏「これは……学校のパンフレットだね」
沙織「少しでも入学希望者が増えればと思って。それと、桃ちゃん先輩と協力してホームページも新しくしたんですよ!」
杏「ホントだ。リニューアルされてる……『祝!高校戦車道全国大会準優勝!』かぁ」
沙織「戦車道連盟やダージリンさん、カチューシャさんにもお願いして、それぞれのホームページからリンクをつなげてもらいました。色々な学科の写真とかは新しいものを撮れないから皆が持ってるデータを使うしかなかったんですけど……でも、今までのよりずっと良くなってると思います!」
230 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:26:34.72 ID:viC8bTMvO
杏「へー。チームごとにコラムなんて書いてるんだね」
おりょう「我々の歴史コラムは大人気ぜよ」
ナカジマ「いやいや、私たちの自動車コラムだって」
沙織「その道のマニアからしか反響ないじゃん……やっぱ、私の恋愛相談ページが!」
あゆみ「成功した、ってお礼は一件も来ないですね」
沙織「もー!なんでよー!」
優季「恋愛経験ゼロだからじゃないですかー?」
杏「あはは。それで、どこのチームのが一番人気なの?」
典子「それが、実はぶっちぎりで……」
231 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:28:32.63 ID:viC8bTMvO
バアン!!
ねこにゃー「すいません!遅れました!」ムキッ
ももがー「申し訳ないナリ!」ムキムキッ
ぴよたん「集中しすぎてトランス状態に入ってたっちゃ!」ムキムキムキッ
杏「う、うん……なんかアリクイさんチーム、大きくなった?」
華「アリクイさんチームの『ヒキオタから始める肉体改造』なんですよね……」
典子「プロテイン飲み比べ、戦車を使った斬新な筋トレ、素手での砲弾投げチャレンジ……すごい根性を感じます!」
優花里「書籍化の話が来てるレベルですからね……」
麻子「あれを読んで入ってくる新入生とはあまり付き合いたくないけどな」
232 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:30:03.59 ID:viC8bTMvO
沙織「と、とにかく!アクセス数も10倍以上に増えて、資料請求の電話もたくさん来てるんですよ!」
梓「やっぱり、決勝戦で全国中継されたのが大きかったみたいです」
桂利奈「署名を集めてると、たまにお菓子もらえます!」
あけび「あとは、がんばれー!って声をかけてもらったり」
カエサル「ああ。我々の戦いは、会長たちの頑張りは、無駄じゃなかったんだ」
233 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:31:55.44 ID:viC8bTMvO
杏「……そっか。ところでこのパンフレット、戦車道のページのここに大きな空白があるけど」
柚子「そこは会長が帰ってくるまで埋められなかったんです。会長。校庭に行きましょう!」
234 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:33:27.21 ID:viC8bTMvO
沙織「ほらほら、皆もっと笑顔!麻子!あんたこんなときまで眠そうな顔しないで!」
杏「埋められなかった、ってこういうことかぁ。でも、どうせ私達は来年いないんだから撮っちゃえば良かったのに」
桃「はい。……ですが武部が、絶対にチーム全員で、戦車をバックにした集合写真を載せたいと」
杏「そのためにわざわざデコってあったんだね」
桃「どうせならばインパクト重視の方がいいと思いまして」
235 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:35:47.94 ID:viC8bTMvO
沙織「アリクイさんチーム、すごくいい!個性が出てるよ!」
ねこにゃー「そ、そうですか……?」ムキイッ
ぴよたん「ふんっ!」ムキイッ
ももがー「それっ!」ムキイッ
エルヴィン「我々も負けていられないな」
カエサル「うむ、ここはやはり月桂冠を」
左衛門佐「では拙者もこれを」
そど子「あんたたち、何考えてるの!公式なパンフレットなんだから、仮装は禁止よ!」
おりょう「やっぱりうるさいぜよ……」
236 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:37:35.52 ID:viC8bTMvO
典子「『バレー部員募集中!』って戦車に貼ろうか?」
忍「キャプテン、名案です!」
妙子「ただでさえユニフォームなのに、何がなんだか本当にわからなくなっちゃいませんか?」
そど子「いい!?風紀委員としての威厳が出るようなポーズにするのよ!」
ゴモヨ「はいっ!」
パゾミ「それってどんなポーズ?」
237 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:38:44.55 ID:viC8bTMvO
梓「私たちはどうしよっか?」
桂利奈「これ!」
優季「あー、そのポーズ」
あゆみ「ビッグジョー曹長だね!」
桃「何の話をしてるんだ?」
あや「あっ、桃ちゃん先輩、このポーズ真似してみてください!」
桃「む……こうか?」
桂利奈「コルト少将だ!」
桃「そうか、私は将軍か!やっとお前たちもわかったみたいだな!」
優季「ぴったりですよー、桃ちゃん先輩!」
ツチヤ「私らは作業着で写るのが一番アピールになるかな」
スズキ「ザ・自動車バカ!って感じ?」
ホシノ「言えてるかも」
238 :
◆8DlJds//22
[saga]:2016/10/26(水) 21:39:51.08 ID:viC8bTMvO
沙織「それじゃ皆、タイマー押すからね!……よし、オッケー!」
あや「先輩、はやくー!」
沙織「わかってるって……きゃっ!」
華「沙織さん!?」
優花里「武部殿、大丈夫ですか!?」
沙織「うん、だいじょぶ……あっ!みんな、カメラの方見ないと!」
……パシャッ!
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