【DTB×まどか☆マギカ】黒「魔法少女?」ほむら「契約者?」

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89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/16(日) 20:45:39.84 ID:276O6GZ6o
>>88
だがほむらちゃんのまどキチ具合にはさすがに勝てんだろうな
メガほむ時代ならヤバかったが
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 11:23:10.32 ID:x8kF0AaOO
組織さん魔法少女に興味津々の模様
どうでもいいけど黒さんの防弾コートは何故頭部まで守らないのか
そんなに仮面が大事か
91 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:09:43.07 ID:eQaj5N8b0



まどかの部屋

まどか「〜♪」

QB「ゴキゲンだね、まどか」

まどか「キコさん達に、わたしの考えた服、凄く褒められちゃったんだ」ウェヒヒ

QB「きみがノートに書いていたアレかい?変わった人間もいるものだね」

まどか「それでね、完成したら着せてくれるって。楽しみだなぁ...♪」

QB「その時に契約するのかい?」

まどか「違うよ。コスプレ...っていえばいいのかな」

QB「きみにもそういう趣味があったなんて意外だね。僕にはとんと理解できないや」

QB(服なんて所詮は肌を覆う布、そもそも服なんて着る必要なんてないと思うんだけどね。やっぱり人間の価値観はわけがわからないよ)
92 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:10:41.02 ID:eQaj5N8b0

――――――――――――

翌日

タバコ屋

銀「......」

黒「どうだ」

銀「ダメ。見つからない」

黒「そうか。...今まで見つけたことが無かったんだ。気にしなくていい」

銀「...黒。ポケットの中、見せて」

黒「?...グリーフシードがあるだけだが」ゴソゴソ

銀「それ、貸して」
93 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:11:18.13 ID:eQaj5N8b0


銀「......」ギュッ

黒「それを握っているとなにかわかるのか」

銀「ぼんやりと感じる」

黒「なにか違うのか?」

銀「わからない」

黒「俺のポケットの中に入っていたのがわかったのは」

銀「わからない。なんとなく感じた」

黒「そうか。...まあいい。場所は」

銀「南東の公園の近く。使い魔か魔女かはわからない」

黒「わかった。とにかく俺はソイツを狩ってくる。2時間連絡が無ければ黄に連絡しろ」

銀「」コクリ
94 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:11:49.91 ID:eQaj5N8b0

学校

ほむら(午前中の魔女探しはあの男に任せているけれど、大丈夫かしら)

まどか「あの、ほむらちゃん」

ほむら「......」ジッ

さやか「止めときなよ。あの目、もの凄い敵意剥きだしだよ」ヒソヒソ

まどか「だ、大丈夫だよ。ちょっと聞きたいことがあるだけだから」ヒソヒソ

ほむら「...何かしら」

まどか「こ、この前休んでたからどうしたのかなって思って」

ほむら「...別に大したことじゃないわ。話はそれだけかしら」

まどか「う、うん...」

さやか「ちょっと!まどかはあんたを心配してるんだよ!もう少し言い方ってモンが」

ほむら「二人とも」

95 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:12:29.08 ID:eQaj5N8b0

ほむら「魔法少女のことは、もう聞いてしまったのよね」

さやか「...聞いたらなによ」

ほむら「忠告しておくわ。決してキュゥべえの言う事を信じては駄目。契約することは、全てを諦めることと同意義だから」

まどか「ほむらちゃん...?」

ほむら「忠告はそれだけよ。それじゃあ」スタスタ

さやか「く〜っ!なんなのさあいつ!」




携帯「」ブー ブー

ピッ

ほむら「もしもし」

黄『学校が終わったら××へ来な。黒が今日の分の稼ぎを渡す手はずになってる』

ほむら「わかったわ」


96 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:12:59.74 ID:eQaj5N8b0

放課後

さやか「おまたせーっ」

まどか「今日もよろしくお願いします」

マミ「それじゃ、はりきって行くわよ」

97 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:13:27.48 ID:eQaj5N8b0





マミ「ここにも反応は無し、と」

さやか「今日は外れっぽいね」

マミ「そういう時もあるわよ。さっ、遅くならない内に帰りましょう」


翌日

マミ「今日も反応はなし、か」

まどか「それだけ街が平和ってことですよね」

マミ「そうね。今日はこの辺りにしておこうかしら」



98 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:14:14.29 ID:eQaj5N8b0


数日後 夜

マミ(おかしい...この数日、魔女どころか使い魔の気配が一切見当たらない)

マミ(今までこんなこと無かった筈なのに...本当に、魔女がこの街から消えてしまったのかしら」

QB「随分悩んでいるようだね」

マミ「キュゥべえ。...ちょっと、魔女のことでね。もしかしたらこの街にはもういないんじゃないかって思って」

QB「そういえば、ここ数日きみは使い魔とすら戦っていなかったね。けど、残念ながらきみの予想は外れだ。魔女や使い魔はちゃんといる」

QB「ただ、理由はわからないけれど、暁美ほむらがなにやら関与しているらしい」

マミ「え?」
99 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:15:08.94 ID:eQaj5N8b0


翌日 夜 公園

コツコツ

マミ「......」

ほむら「巴マミ」

マミ「来たわね。...要件はなに?」

ほむら「これ以上、あの二人を魔法少女に誘導しないで」

マミ「誘導?」

ほむら「あなたは無関係な一般人を巻き込んでいる」

マミ「二人はキュゥべえに選ばれたの。無関係なんかじゃないわ。私はただ、二人に後悔しない選択をしてほしいだけ」

ほむら「迷惑よ。魔法少女なんて、この街にはもう要らない」

マミ「自分より強そうな子は邪魔ってわけね。だから私たちが戦えないほどに魔女を狩って鹿目さんたちの考える時間を奪い、キュゥべえを狙った...そんなに自分の力に自信が無いのかしら」

ほむら「...あなたとは戦いたくないのだけれど」

マミ「そう。なら、もう会わないように努力して。話し合いで済ませられるのはもうこれで最後だと思うから」ザッ

ほむら「......」
100 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:16:08.69 ID:eQaj5N8b0



猫「随分と厳しく言われちまったな。ま、あんなこと言ったら当然か」

ほむら「相変わらず監視に勢が出るわね」

猫「そう邪険にするな。組織と関わるからには、見張りの一人や二人が付くのは常套なんだ」

ほむら「それがあなたの組織とやらの命令なのね」

猫「そういうことになる。おっと、流石に私生活までは報告はしないから安心しろ」

ほむら「......」ジーッ

猫「ま、所詮は俺も契約者。そう易々と信頼を得られるとは思ってないさ」

ほむら「用件は」

猫「この後、例の場所で黒と合流しろ。そこで今日のグリーフシードの稼ぎを渡すとさ」

ほむら「わかったわ」

ほむら(いまのところ、グリーフシードの収穫と武器の調達は順調。後は巴マミをどうにか確保しないと...)



101 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:18:05.98 ID:eQaj5N8b0


―――――――――――――

数日後

病院 待合室

まどか「わたしここで待ってるね」

まどか(さやかちゃんの邪魔しちゃ悪いもんね)

さやか「そう?んじゃ、遅くなるようだったらメールするから」

まどか「うん」





「...ふぅ」

「...エイプリル、溜め息多い」

「そりゃそうよ。体調管理くらいしっかりできてるから健康診断なんかしなくてもいいってのに、わざわざあいつは...」

「健康は大事。ノーベンバー、いつもそう言ってる」

「せめてMI6のもとで受ければいいのに、たまには民間の病院を使ってみたいだなんてさ。お蔭でこっちは何時間待たされるんだっての」

「肝心のあの男も飲み物買いに行ったきり連絡つかないし。パチンコでもやってんのかしら」

「ノーベンバー、パチンコは嫌いって言ってた。耳に悪い。煙草臭い。財布に優しくない。合理的じゃない」

「言ってみただけよ...はぁ」




さやか「おまたせー」

まどか「あれっ、早かったね」

さやか「それがさー、なんかいまは都合が悪いみたいで会えなかったのよ。せっかく来たのにさぁ」

まどか「残念だったね」


102 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:18:42.75 ID:eQaj5N8b0


病院 駐輪場付近

まどか「上条くん、早く退院できるといいね」

さやか「ホントにね。...あれ?」

さやか(なにか壁に刺さって...これって!)

まどか「どうしたのさやかちゃん」

さやか「まどか、離れ」

カッ

さやか「ッ!」

ドンッ

まどか「きゃっ!?」
103 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:19:15.11 ID:eQaj5N8b0


まどか「あ、あれ?さやかちゃん?」キョロキョロ

まどか(壁に刺さってるコレ...グリーフシード...ッ、まさか!)

QB「まどか!」

まどか「きゅ、キュゥべえ!さやかちゃんが結界に...!」

QB「間に合わなかったか...ごめんよ、気付くのが少し遅れてしまった」

まどか「ど、どうしよう!このままじゃさやかちゃんが!」

QB「落ち着くんだ。幸い、魔女は孵化していないみたいだからしばらくは大丈夫なはずさ。まどか、きみはマミを呼んできてくれ。僕は万が一の時のためにさやかと合流して魔女を見張ることにするよ」

まどか「で、でもそれって」

QB「いいから早く!」

まどか「わ、わかった!すぐに呼んでくるからね!」タタタ

QB「さて、と」

QB(しかし妙だね。僕の予測では、結界が開きかけるのはもう少し後だったはず。もしかして、誰かが先に結界に気付いて飲みこまれたのかな?)

QB(とにかく今はさやかと合流しよう。大切な契約候補を失いたくないからね)
104 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:20:10.47 ID:eQaj5N8b0

―――――――――――――

結界

さやか「マズイ...帰れなくなっちゃったよ」

さやか(まどかが無事なのはいいけど、マミさんどころかキュゥべぇさえいないなんて...これって絶体絶命ってヤツだよね)

さやか(どうしよう。いまは学校の荷物くらいしか手持ちがないよ。こんなので使い魔なんかに出会ったら)

「ちょっといいかな」

さやか「うひゃぁお!?」ビクッ
105 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:21:29.53 ID:eQaj5N8b0

さやか(ヤバイ!見つかった!とにかく逃げなきゃ...って)

さやか「あれ?人間?使い魔じゃない?」

「使い魔?」

さやか「い、いや、こっちの話」

さやか(白いスーツに短めの整った金髪...なんていうか、いかにも紳士って感じだね)

「少々道に迷ってしまったんだが...きみはここに詳しいのかな?よければ教えてくれると助かるのだが」

さやか「詳しいっていうかなんていうか...」

「なんでも構わない。知っていることがあれば教えてくれないか。...おっと、自己紹介がまだだったね」



ノーベンバー11「私の名はジャック・サイモンです。よろしく、お嬢さん」

106 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/24(月) 03:22:13.37 ID:eQaj5N8b0
今回はここまでです。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 03:34:42.33 ID:fpIBkAoFo

人間関係がこじれまくってるなぁ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/24(月) 19:37:32.67 ID:lxnxjc300
乙です
エタってなかったか…良かった…良かった…そしてノーベンバーの登場と来たか。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/25(火) 05:27:42.31 ID:26BxNebw0
ほむらは絆されない
逆に言えば他の誰かは…
110 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:25:10.76 ID:pGWcKsTa0
タタタ

まどか「マミさん、こっちです!」

マミ「ありがとう。さて...キュゥべえ。状況は?」

QB『まだ魔女が孵化する気配は無いよ』

マミ「美樹さんは?」

QB『いま視界に捉えたよ。なにやらお...』

マミ「キュゥべえ?」

QB『...いや、なんでもない。とにかく、さやかとは無事に合流できたから、結界を刺激しないように慎重に進んでくれ』

マミ「オーケー、わかったわ。いきましょう」

まどか「はい!」

111 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:26:20.31 ID:pGWcKsTa0


コソリ

猫「あいつら入っちまったぞ」

ほむら(また先を越されてしまった...仕方ない)

ほむら「猫。あなたはすぐに黒をここに呼んで。私は先に彼女たちを追うわ」

猫「了解だ」

猫『聞こえたか、黒。病院の駐輪所前だ』ザザッ

黒『わかった。すぐに向かう』ザザッ

猫「よし。これで...」

草むら「」ガサガサ

猫「?」

エイミー「にゃあああああ!」バッ

猫「ゲッ、またおま」

ガバッ ゴロゴロゴロ

結界「」スポッ

猫「アーッ...」

ほむら「......」ハァ
112 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:27:25.08 ID:pGWcKsTa0


結界内

ドサリ

猫「ゲフッ」

エイミー「ふにゃあ」

猫「いてて...なんだこの不気味な場所」

ほむら「これが魔女の結界よ」

猫「なるほど。黒が言ってた通り、中々不気味なところだな」

ほむら「わかったら大人しく着いてきなさい。でないと死ぬわよ。...おいで、エイミー」

エイミー「にゃあ」

猫「言われずともな。ああ、ついでにだが、もしも俺が勝手なことをし出したらよろしく頼むぞ」

ほむら「?」

猫「猫の脳は人間に比べて小さくてな。その不足分を組織のサーバーを通じて補っている。だから、組織のサーバーを断たれると俺の自我はこの身体で保てなくなる」

猫「ここは電波が悪いみたいだ。いまはまだ繋がっているが、もしかしたらどこかで切れるかもしれん。その時は身体の方を護ってほしいってことだ」

ほむら「わかったわ。...行くわよ」
113 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:29:02.22 ID:pGWcKsTa0

―――――――――――――――――

同じく結界内

ノーベンバー「魔法少女に魔女、ね」

さやか「あー...やっぱ信じられないよね」

ノーベンバー「いいや。ここでそんな嘘をつく意味も無いからね。私は信じるよ」

ノーベンバー「とにかく、現状はあまりよろしくない...そういう認識でいいかな?」

さやか「それで大丈夫っス。いや〜、話しが早くて助かりますよ」

ノーベンバー「ちなみにきみはまだ魔法少女ではないのかな?」

さやか「うん。あたしはまだ決意が固まってなくて...面目ないです」

ノーベンバー「つまり、もう願いの目処はついていると」

さやか「えっ?い、いや〜、あはは...」

ノーベンバー「まあ深入りはしないさ」
114 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:29:43.46 ID:pGWcKsTa0


QB「さやか。無事でよかったよ」

さやか「キュゥべえ!来てくれたんだ」

QB「いま、まどかがマミを呼んできてくれたようだ。もうしばらくの辛抱だよ」

さやか「は〜、助かったぁ」

ノーベンバー「なるほど。そこの猫ちゃんがキュゥべえか」

QB「!」

さやか「えっ、おじさんキュゥべえが見えるの?」

ノーベンバー「白くて耳の長い猫ちゃんだろう?この通りさ」

QB(この男、やはり...)
115 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:30:57.31 ID:pGWcKsTa0

さやか「キュゥべえ、どうなってるの?あんたって魔法少女の素質がある人にしか見えないんでしょ?」

ノーベンバー「ひょっとして、私も魔法少女の素質があるのかな?」

QB「残念ながら、きみに素質は無いよ。...極まれにイレギュラーがあるんだ。きみはその枠だったということさ」

ノーベンバー「それは残念。願いはないが魔法少女には興味があったのに」

さやか「えっ」

ノーベンバー「冗談さ。猫ちゃん、これからどうすればいいのかな?」

QB「...そうだね。ひとまず、魔女が孵化するのを見張るとしよう。居場所を突き止めておかないといつ不意を突かれるかわからない」

QB「ただ、もしマミ達が来る前に魔女が孵化して襲ってきたら...」

さやか「...うん。お願いね」
116 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:31:42.49 ID:pGWcKsTa0

――――――――――――――――――


まどか「うぅ......」

マミ「大丈夫?鹿目さん」

まどか「ごめんなさい...やっぱり慣れなくて...」

マミ「怖くて当然よ。でも大丈夫。私がついているから」

フニャァ

まどか「泣き声...?」

エイミー「にゃあ」

まどか「あっ、エイミー」

マミ「知ってるの?」

まどか「はい。わたしがよく見る野良ネコなんですけど...迷い込んできちゃったのかな?」

117 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:33:01.70 ID:pGWcKsTa0


カツン

ほむら「二人共」

まどか「ほむら...ちゃん?」

マミ「...何の用かしら。言った筈よね、二度と会いたくないって」

ほむら「今回の魔女は私が仕留める。あなた達は下がっていて」


コソリ

猫(オイオイ。そんな強気で食ってかかったら...)



マミ「そうもいかないわ。美樹さんとキュウべえが待ってるもの」

ほむら「彼女達の安全なら保障するわ」

マミ「信用すると思って?」シュルル

ほむら(しまっ...!)

マミが手をかざすと共に、抵抗する間もなくほむらはリボンにより縛りあげられた
118 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:34:09.01 ID:pGWcKsTa0


猫(やっぱりな。あれじゃ火に油を注ぐようなモンだ)

マミ「ちゃんと帰りに解いてあげるから、心配しないで」

マミ「行きましょう、鹿目さん」

まどか「は、はい...」

ほむら「待って...ぐっ...」ギチリ

ほむら(行ってしまった...仕方ない)

ほむら「猫」

猫「わかってる。嬢ちゃんたちをサポートするんだろ」

ほむら「ええ。それと、魔女が出てきたら決して気を抜かないで」

猫「こんな不気味な場所で気を抜く方が難しいと思うが...わかった」

119 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:35:23.59 ID:pGWcKsTa0

まどか「ほむらちゃん、私達を心配してくれたんじゃ...」

マミ「そうかもしれない。でも、万が一のこともあるわ」

マミ「...彼女は信用できない」

まどか「...マミさん、なんだか無理してませんか?」

マミ「え...?」

まどか「あの...マミさんが望むなら、私、いつでも契約しますからね」

マミ「で、でもあなたは願いがまだ無いんじゃ...」

まどか「私、ずっと自分が嫌いだったんです。気が弱くて何にもできない自分が...でも、そんな私を変えることのできるチャンスがあることをマミさんは教えてくれた...だから、そんなステキなマミさんの手助けが出来たら、凄く嬉しいなって...」

マミ「...私なんて、そんな憧れるようなものじゃないわよ。いつも色んなものを怖がって...いまもそう」

マミ「無理矢理カッコつけて強がってるけど、戦った後はいつも震えてた。独りの夜は、ずっと泣いてた。私なんて...」

まどか「でも、いまは一人じゃないですよ」

マミ「...私と一緒に戦ってくれるって言うの?」

まどか「はい!」

マミ「...ありがとう。その気持ちはとっても嬉しいわ。駄目だなぁ、ちゃんと先輩らしくしなきゃいけないのに...」グスッ

マミ「でも、願い事はちゃんと決めなきゃ駄目よ?」

まどか「わかってますよぉ」ティヒ

120 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:36:12.33 ID:pGWcKsTa0

使い魔「」キィキィ

まどか「!」

マミ「気付かれたみたいね...さっさと片付けるわよ!」


マミ(私は一人じゃない...もう、何も怖くない!)



コソリ

猫(...あの嬢ちゃん、浮かれすぎじゃないか?ちょっとマズイかもな)

猫(黒の奴、早く来るといいが...)

121 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:37:58.83 ID:pGWcKsTa0

――――――――――――――――

さやか「そういえば、おじさんはどうしてここにいるの?」

ノーベンバー「それが私にもサッパリでね。ツレの分まで飲み物を買ってたら、妙なシミに気が付いてね。一瞬眩暈がしたと思ったらここに来ていたんだ」

さやか「そういうことってあるの?」

QB「珍しくはないね。僕を見ることができない人間が偶然結界の近くを通りかかって取り込まれたケースもある」

さやか「おじさん、運が悪かったね。でも、もうすぐマミさんが来てくれるから大丈夫だよ」

ノーベンバー「随分とその子を信頼しているんだね」

さやか「スッゲーカッコいいんですよ。美人だし、強いし、スタイルいいし、なにより優しい!魔法少女抜きにしてもあたしメチャクチャ憧れてるんだ」

ノーベンバー「そこまで豪語してくれるなら心強い」

バァン

マミ「無事かしら、美樹さん!」

さやか「噂をすれば...大丈夫!キュゥべえとおじさんもいてくれたから心細くなかったし」

122 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:38:58.70 ID:pGWcKsTa0


マミ「あなたは?」

ノーベンバー「初めまして。ジャック・サイモンです。どうぞよろしく」

マミ「巴マミです。あなたはどうして...」

QB「マミ!魔女が来るよ!」

マミ「!」


ズモモ


シャルロッテ(人形)「」ポテッ

まどか「へっ?」


123 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:41:05.21 ID:pGWcKsTa0

ノーベンバー「あれが魔女か。随分とファンシーだね」

まどか「可愛い...」

さやか「おかしいな、いつもはもっとドロドロしてたりするんだけど...」

QB「あれでも魔女だ。危険なことには変わりないよ」

マミ「せっかく登場したところ悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」

魔女が現れた台座の支柱を蹴り飛ばし、落下させる。

マミは手に持つマスケット銃を振り抜き、魔女を吹き飛ばし壁に叩き付けた。

魔女は動かない。

マミは魔女の頭を撃ちぬき、リボンで縛り上げる。

まどか「わぁ〜!」

さやか「いっけー!」

マミ「ふふっ」クスッ

ノーベンバー「......」キュポッ

上空へと持ち上げられた魔女へと向けて、マミは大砲を向ける。

マミ「喰らいなさい...ティロ・フィナーレ!!」

放たれた弾丸は魔女を貫き、そして



シャルロッテ(本体)「」ズルン

マミ「―――え」




ザクッ

シャルロッテ「!?」
124 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:41:37.60 ID:pGWcKsTa0

魔女の右目に氷の柱が突き刺さる。

マミ「え...?」キョトン

ノーベンバー「道理で無抵抗だと思ったら、なるほど、それがきみの狙いだったわけだ」

まどか「氷...?」

マミ「い、いまのは...」

シャルロッテ「」ギョロン

マミ「っ!」タッ
125 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:42:08.53 ID:pGWcKsTa0

ノーベンバー(よし、彼女が一旦距離を置くことができた。あとは...)

さやか「お...おじさん?いま、なにを」

QB「...彼は『契約者』だ」

さやか「契約者?」

ノーベンバー「詳しい話は後だ。マミちゃん、一旦こっちに来てくれ」

マミ「は、ハイ!」

銃弾で牽制しつつ、マミはまどか達のもとへと向かい、合流。

そのままノーベンバーの指示でリボンで小規模な結界を張った。

魔女は食らいつこうとするが、リボンに阻まれる。

マミ「でも、これじゃあすぐに...!」

ノーベンバー「すまない、もう少しだけ頑張ってくれ」
126 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:43:23.64 ID:pGWcKsTa0

ノーベンバー「見ての通り、魔女は私たち4人を標的と見なしてしまった。しかし、このまま4人で固まっていれば誰かが犠牲になる可能性が高い」

ノーベンバー「そこでだ。私とマミちゃんはこのまま二手に別れ、攪乱しながらあの魔女と戦う。君たちは、どちらかが彼女、残った方が私と共に行動してくれ」

さやか(おじさんが何者かはわからないけど、たぶんマミさんと一緒の方が安全だから...)

さやか「...まどか。あんたはマミさんと行って!あたしはおじさんと戦うから!」

まどか「え?あ、う、うん」

マミ「話は纏まったかしら。私が魔女を撃ったら左右に散って。わたしが右で、ジャックさんは左で!」

ノーベンバー「では、御武運を」

マミ「行くわよ!」

パァン

魔女「〜〜〜!」ジタバタ

マミ「鹿目さん!」

まどか「はいっ!」

ババッ
127 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:43:49.60 ID:pGWcKsTa0

シャルロッテ「」グルン

マミ「最初ははこっち...なら!」

まどかの身体にリボンが絡みつき、エイミーと共に縛り上げられる。

まどか「ひゃっ!」

マミ「これで運びやすくなった。少し乱暴で悪いけれど、我慢してね」

まどか「は、はい」

128 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:45:39.73 ID:pGWcKsTa0

ノーベンバー(最初があっちで助かった。お蔭でちゃんと対価が払える)

ライター「」カチッ

さやか「ねえ、おじさん...さっきの氷はおじさんだよね。どうやってやったの?」

ノーベンバー「この際、なにが出来るかを把握してもらった方が合理的か...私の能力は、水分を凍結させること。それでさっきの氷を作ったんだ。ちなみにその水分は、さっき買ったジュースで」スゥ

さやか(な、なんだかよくわからないけど、これが『契約者』ってやつなんだ...)

ノーベンバー「あの魔女があそこまで無抵抗だったのが非合理的で気になってね。予めジュースで手を濡らしておいたのさ。残念ながらその予感は当たってしまったわけだ」フゥゥ

さやか(スゴイ...あの時はみんな動けなかったのに、一人だけすごく冷静に判断して...)

ノーベンバー「......」スウゥゥ

さやか(煙草を吸う姿もサマになっててカッコイ...)

ノーベンバー「ゲホッ、ェホッ、ヴェホッ!」ゴホゴホッ

さやか「」

ノーベンバー「ォエッ...煙草は嫌いなんだ...」

ノーベンバー「自分の身体はもとより、周りの人間にも被害を及ぼす...百害あって一利なしさ」

さやか「じゃあなんで吸ったの!?」

ノーベンバー「それが対価だからね」

さやか「サマにならない...契約者っていったい...」
129 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:46:17.97 ID:pGWcKsTa0

コソリ

猫(あのMI6の伊達男、なんでこんなところにいるんだ)

猫(これじゃあ、あの嬢ちゃんのサポートができない...どの道、あの怪物相手に俺のサポートなんてたかが知れてるか)

猫(待てよ。これで黒があいつと鉢合わせでもしたら...!)

猫「黒。応答しろ!」

ザザッ ピー

猫「クソッ、やっぱり電波が悪すぎて届かん!」

猫(けど、俺はこうして意識を保てている...わけがわからん。なにが起きてるんだ?)
130 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:47:17.37 ID:pGWcKsTa0

マミ「ハッ!」ドンドンッ

シャルロッテ「」ブルブル

ノーベンバー「そうら、こっちも」ブンッ

シャルロッテ「!」ザクッ

ノーベンバー「まったく...エイプリルがいれば、こうチマチマと攻撃しなくてもいいんだがね」

マミ(いける、このままなら...!)

シャルロッテ「」ズルン

ノーベンバー「!?」

マミ(ジャックさんとも私とも違う方に...!?)

131 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:48:01.97 ID:pGWcKsTa0


シャルロッテ「」ニパァ

猫「へ?」

シャルロッテ「」グパァ



まどか「エイミーがもう一匹!?」

マミ「くっ!」ジャキッ

マミ(間に合わない...!?)
132 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:49:04.30 ID:pGWcKsTa0

サクッ

シャルロッテ「?」

―――バチッ

シャルロッテ「!!!???」

突如、魔女は開口し、悲鳴のようなものを上げながら痙攣し始める。

数秒後、魔女は力なく倒れ地に伏せた。

猫「これはまさか...」

魔女に刺さったナイフと、括りつけられたワイヤー。

猫が恐る恐るとその先を視線で辿ると―――



黒「......」




マミ「あれは...」

さやか「黒い...変質者!?」
133 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/10/28(金) 18:52:03.44 ID:pGWcKsTa0
今回はここまでです。
どうでもいいけど稲妻フラッシュ短歌はゴランには勿体ない神BGMだと思います。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 19:02:18.59 ID:73Duvy5do

黒い変質者ワロタ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 20:23:03.93 ID:LeCg1YtK0

黒の変質者すき
136 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:01:15.43 ID:GquLqT4t0



スタッ

黒「...無事だったか」

猫「間一髪でな。助かった」ヒソヒソ

黒「まだお前が契約者なのはバレていないか」

猫「たぶんな。見つかったのはついさっきだ」ヒソヒソ

黒「なら、そのまま普通の猫のフリをしていろ」グイッ

猫「え、なんで掴んで」

ブンッ

猫「のわああああ!?」

マミ「え?っとと...」キャッチ

マミ「もう。猫ちゃんを助けてくれたのはいいけど、乱暴な人ね」
137 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:02:01.50 ID:GquLqT4t0


ノーベンバー「まさかきみまで関わっているとは思わなかったよ、201BK」

黒「......」

さやか「おじさん知り合いなの?」

ノーベンバー「ちょっとしたね。...聞かせてもらおうか。なぜきみがここにいる」

黒「」チャキ

さやか「ひっ、刃物!?」

ノーベンバー「そんな物騒なモノは仕舞ってくれ。私に交戦の意思はないんだが」

黒「......」

ノーベンバー「ハヴォックのことを根に持っているのか」

黒「...あいつは、もう誰も殺したくないと言っていた。昔とは変わっていた」

ノーベンバー「だが、いずれ彼女は能力を発動してしまう可能性が高かった。善人ぶるつもりはないが、あれが合理的判断だった」

黒「それがどうした。俺がお前を許す理由にはならない。この前はアンバーがいたが、いまは...!」

138 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:02:40.99 ID:GquLqT4t0


ノーベンバー(話し合える雰囲気じゃない、か)

ノーベンバー「さやかちゃん、離れているんだ」

さやか「あの人は敵なの?」

ノーベンバー「残念ながらね。大丈夫、これはわたしたちの問題だ。彼も無関係な人間に危害は加えないさ」

さやか「...でも」


シャルロッテ「」ピクッ


まどか「?」

まどか(いま、魔女が動いたような...)

139 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:03:37.15 ID:GquLqT4t0

シャルロッテ「」ズルン

マミ(脱皮!?マズイ!)

シャルロッテ「」グバァ

ノーベンバー「ッ!」

さやか「えっ」

ノーベンバー(間に合わな...)

パァン

魔女の牙がノーベンバーとさやかへと触れる寸前、マミの放った弾丸が牙に命中しへし折った。

シャルロッテ「〜〜〜〜〜!!」

激痛に悶える魔女の隙を突き、ノーベンバーはさやかを連れて距離をとろうとする。が

ノーベンバー(なにっ!)

運悪く、悶える魔女の頭部が、鞭のようにしなり二人に襲い掛かる。

避けられないと判断したノーベンバーは

ドンッ

さやか「―――ぁっ」

さやかを突き飛ばし、そして。

ゴ ッ

一人、魔女の体当たりで吹き飛ばされた。
140 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:04:49.71 ID:GquLqT4t0

マミ「このッ!」

マミは、魔女が彼らから意識を逸らすよう絶え間なく銃弾を浴びせる。

彼女の狙い通り、魔女はマミ達へと向かっていく。

さやか「お、おじさん!」

ノーベンバー「ゲホッ...」

ノーベンバー(いかんな...眩暈がする...吐き気も...頭と内臓が少しやられているかもしれん)

ノーベンバー(これでは戦おうとしたところで足手まといだな)

さやか「どうして...」

ノーベンバー「なに。どうせ避けられないなら、どちらかが無事な方がいいと合理的に判断したまでさ」ゲホッ

ザッ

黒「......」

さやか「あ、あんた...!」

ノーベンバー「...君の力ならいまの私を殺すのは容易いが...どうする、201BK」

黒「......」
141 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:05:34.65 ID:GquLqT4t0

シャルロッテ「」ブンッ

まどか「ま、マミさん!」

猫(マズイんじゃないのか、嬢ちゃん)

マミ「くっ...!」

マミ(しぶといわね...あとどれだけ撃てば終わるの)

マミ(それに、鹿目さんと猫ちゃんたちを庇いながら戦い続けるのは限界が―――)


カチッ


マミ(しまった!銃のストックが―――)

シャルロッテ「」ニパァ

ヒュッ サクッ

シャルロッテ「?」

バチッ

シャルロッテ「!!」
142 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:06:13.55 ID:GquLqT4t0


シャルロッテ「」ズンッ


マミ「あなた...」

黒「立てるか」

マミ「え、ええ。...あなたは、いったい―――ッ」

シャルロッテ「」ニュルン

マミ「本当にしつこい...!」

黒「だが、再生速度が遅くなっている。直に限界を迎える筈だ」

マミ「...あなた、味方と思っていいのよね」

黒「いまはあの魔女を倒す。それだけだ」

マミ「聞きたいことはたくさんあるけれど...わかったわ」

黒「いくぞ」

143 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:07:26.10 ID:GquLqT4t0


パァン

バチィ

さやか「すごい...マミさんもそうだけど、あの仮面の変質者もちゃんとマミさんの動きについていけてる」

ノーベンバー「流石、といったところかな。...やはり、個人の技量では私より彼らの方が優れているな」

さやか「...ねえ、あの人もさっき言ってた契約者なの?」

ノーベンバー「ああ」

さやか「さっきは聞きそびれたけど、契約者ってなんなの?」

QB「契約者は、対価を支払うことで超常的な能力を引き起こす人間のことだ」

ノーベンバー「きみは契約者のことを知っているんだね」

QB「様々な場所を渡り歩いてきたからね。そういう機会もあるんだよ」

ノーベンバー「なるほど」
144 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:09:59.51 ID:GquLqT4t0

シャルロッテ「......」

マミ「だいぶ息が上がってきたんじゃないかしら...これでトドメよ」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」カッ

黒(ティロ・フィナーレ...?)

ズアッ

シャルロッテ「」シュウウウ


モワワァ~ン


マミ「...ふぅ。これで終わりみたいね」


145 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:11:35.76 ID:GquLqT4t0

病院

まどか「も、戻ってこれたぁ〜」ヘナヘナ

マミ「助かったわ。ジャックさんに、黒コートのあなた。お礼をしたいのだけれど...」

黒「必要ない...そのグリーフシードはお前が持って行け」クルッ

マミ「魔女のこともちゃんと知ってるのね。どうやら話してくれそうにもないけれど」

ノーベンバー「おや。私にトドメを刺さなくてもいいのかい?」

黒「...お前の命に拘るつもりはない。今後、俺の邪魔をしないならそれでいい」

ノーベンバー「感謝するよ。現状、戦うことはお互いのためにならないからね」

黒「......」

ヒュッ キュゥッ

まどか「ワイヤーでどこかへ飛んでいっちゃった...」

さやか「あたし達の命の恩人なんだろうけど、なんだったのかねぇあのひと」

まどか(なんだろう。あの人を見てると...)

QB(彼がBK201...なるほど。聞きしに勝る強さだね)
146 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:14:50.04 ID:GquLqT4t0

ノーベンバー(私の命に拘るつもりはないが、怒らずにいられなかったというわけか。相変わらず妙な契約者だ)

ノーベンバー(...彼のことも気になるが、いまは...)

ノーベンバー「...すまないが、マミちゃん...病院の受付まで...運んでくれると...助かる...」

ノーベンバー(いかん、意識が...)バタリ

マミ「ジャックさん!?」

マミ(大丈夫...死んでるわけじゃない。ひとまず、私の魔法で応急処置をして...)

マミ「鹿目さん、美樹さん。受付で担架を借りてきて!」

まどさや「はい!」



まどか(その後、エイミーたちを自然に帰して、ジャックさんが担架で運ばれるのを見届け、わたしたちの濃い一日は終わりました)

まどか(マミさんの本音を聞いたり、手強い魔女に遭遇したり。『契約者』というジャックさんと謎の仮面の人と出会ったり...本当に濃い一日でした)

まどか(あの仮面の人は何者だったのか...よくわかりません。けれど、気のせいでしょうか)

まどか(あの仮面の人の背中を見ていると、ほむらちゃんの姿がよぎるのは)




病院 某所

ほむら「...まだ解けないのかしら」ブラーン
147 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/03(木) 00:15:32.46 ID:GquLqT4t0
今回はここまでです。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/03(木) 00:53:48.60 ID:lP8HqPD7O

ほむらェ……
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/03(木) 19:10:27.82 ID:X2+/5Uero
ほむらはそこで乾いてしねというマミさんからの暖かいメッセージ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/04(金) 00:44:22.58 ID:7nMMkteH0
151 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:00:23.07 ID:FUT4sTXP0
――――――――――――――

翌日

公園


猫「昨日は色々と災難だったな。黒とはニアミスするわ、あの黄色の髪の嬢ちゃんからは忘れられるわ...お前を見つけた黄が黒を呼び戻したお蔭で大事はなかったがな」

ほむら「...大したことじゃないわ」

猫「俺も、あの後もしばらくあのエイミーとかいう猫に追われて大変だった...」

黄「銀の奴はどうした」

猫「例の如くあのピンクと遊んでる」

黄「ったく、一丁前に俗世づきやがって...まあいい。今回はあいつは必要ねえからな」

152 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:01:03.63 ID:FUT4sTXP0


黒「それで、話はなんだ」

黄「MI6の伊達男が入院したらしい」

猫「まあ、あの様子じゃ無理もないだろうな」

黒「話はそれだけか」

黄「あ?...まあ、そんだけだ。暁美ほむらの件が終わるまでは新しい指令も無しだとよ。そこまでワルプルギスとかいうのが気になるのかねぇ」

猫「あれだけの装備でも足りないらしいからな。そうだろう?」

ほむら「ええ。あれで勝てれば苦労はないわ」

黄「へっ、どうだかね。...まぁいいさ。俺には関わりの薄い話だ。バケモンの相手はバケモンってな」

黒「...用事が無いなら俺は帰るぞ」スタスタ

黄「んじゃ、俺も少し羽を伸ばすかね」スタスタ

ほむら「......」

153 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:01:33.82 ID:FUT4sTXP0


猫「どうした?」

ほむら「...組織というから、もっと結束は固いと思っていたけれど...」

猫「まぁ、所詮は契約者と人間だ。互いの実力を信頼はしているが、それだけだ。あれでも少し前よりはだいぶよくなったんだぞ」

ほむら「あれで...随分とビジネスライクな考えなのね」

猫「それで、お前はどうするんだ?」

ほむら「別にどうもしないわ。魔女を探してグリーフシードを補充する」

ほむら「できれば巴マミを戦力に引き入れたいけれど...」

猫「そのことなんだがな。お前がそのまま交渉しにいったところで昨日の二の舞になる気がしてならない」

ほむら「...でも、あれ以外に方法を知らないわ」

猫「お前はもう少しコミュニケーションって奴を覚えろ。幸い、いい手本が近くにいるしな」

ほむら「いい手本?」

154 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:03:10.59 ID:FUT4sTXP0

――――――――――――――――――――――――

病院

ディケイド「怪我は大事ないのかね」

ノーベンバー「ええ。まだ存分に身体を動かせる訳ではありませんが」

ディケイド「きみほどの男がここまでされるとはな。一体なにがあったんだ?BK201の星も共に輝いていたらしいが、奴と遭遇したのか」

ノーベンバー「契約者とて人間です。質量を持った巨大な塊をぶつけられればたまったものじゃない」

ディケイド「つまり」

ノーベンバー「車にはねられたんですよ。最近の車は音があまり出なくてね。気が付いた時にはドカン、ですよ」

ディケイド「...まあ、きみがそう言うのならそういうことにしておこう。なにを調べているのかはわからんが、あまり無茶はしてくれるな。きみはMI6の最高のエージェントなんだからな」

ノーベンバー「御心遣い、感謝します」

ガララ
155 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:03:56.19 ID:FUT4sTXP0


ノーベンバー(明らかに不審な報告でも追及せずにそのまま流した。まるで、お前もこの事を口外するなとでも言うかのように。まさか、彼は魔女のことを知っている?いや、だとすれば私が魔女の結界に巻き込まれたという情報はどこで手に入れた?)

ノーベンバー(それに、私はここに入院したことを彼に伝えていない。エイプリルが連絡を入れた可能性もあるが...)

ガララ

エイプリル「ヤッホー」

ジュライ「......」

ノーベンバー「君たちか。ちょうどいい。君たちはディケイドに私が入院していることを伝えたか?」

エイプリル「してないわよ。相方がこんなヘマした姿を見られたら私の評価も下がりそうだし」

ジュライ「」フルフル

ノーベンバー「なるほど」

エイプリル「えっ、もしかしてあの人来ちゃったの?」

ノーベンバー「いいや。私も上司にこんな姿を見られたくはないと思ってね」

ノーベンバー(と、なると、一体誰が彼に...?)
156 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:05:04.19 ID:FUT4sTXP0

コンコン

「失礼します」ガララ

エイプリル「ドモー」

ノーベンバー「いらっしゃい、ミサキ」

未咲「......」

ノーベンバー「どうしました?」

未咲「いえ。本当に入院しているとは思わなくて。急にあなたから電話がかかってきた時は、半ば冗談かと思っていました」

ノーベンバー「流石にそこまで意地の悪いことはしませんよ。それで、例のものは」

未咲「ああ、ハイ。まずは見舞いの品と...」

エイプリル「おっ、リンゴ?ありがとね〜」

未咲「それと、頼まれていたDVD」

エイプリル「えっと...『ハリー・ポッ○ー』『魔法少女リリカルな○は』『C.○さくら』...また妙なものも借りてきたわね」

未咲「失礼ですが、なにに使用するつもりで?」

ノーベンバー「ジュライが見たがっていましてね。ここで私の看病をつきっきりでさせるだけでは申し訳ないと思い、頼みました」

未咲「そうなの?」

ジュライ「......」

ジュライ「」コクリ
157 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:05:47.91 ID:FUT4sTXP0

エイプリル「これは珍しいものを見たわ。ドールが娯楽を愉しむなんてね」ケラケラ

未咲「...まあ、なんにせよ、大事が無くて幸いです。期限は一週間なのでそれまでには返却しておいてください。店舗はここです」ピラッ

ノーベンバー「ありがとうございます」

未咲「では私はこれで」

エイプリル「あら、もう帰っちゃうの?」

未咲「仕事がありますので」

ノーベンバー「その前に一つだけ」

未咲「?」

ノーベンバー「貴女に頼んだこの三作品、共通点はなんだと思いますか?」

未咲「共通点...?」

ノーベンバー「正解は『魔法』。こんなモノが実在したら、素敵なことだとは思いませんか?」

未咲「...?」

ノーベンバー「...失敬。冗談のつもりでしたが、今回ばかりは通じなかったようだ」

未咲「はぁ...まあ、お大事に」

パタン
158 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:06:44.95 ID:FUT4sTXP0


ノーベンバー「...さて。では、早速見るとするかな」

ジュライ「」コクリ

エイプリル「あたしはパス。映画とかあんまり興味ないし」

ノーベンバー「それは残念。...ところで、きみは『魔法』というものは実在すると思うかい?」

エイプリル「さぁねえ。少なくとも、誰も見たことがないんなら無いんじゃないの?」

ノーベンバー「合理的な答えだな。私もそう思う」

エイプリル「んじゃ、あたしは適当に店行って呑んでくるわ。なんか用があったら連絡ヨロシク」

ガララ

159 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:07:37.79 ID:FUT4sTXP0

ノーベンバー「ジュライ、きみはどうする?」

ジュライ「...ノーベンバー、嘘ついた」

ノーベンバー「私の意を汲んでくれたのは助かったよ。...怒っているのかい?」

ジュライ「違う。ノーベンバーが嘘をついてまで見たかったモノが気になった」

ノーベンバー「そうだな...きみには協力を頼んだ方が合理的か」

ノーベンバー「ひとつだけ約束してくれ。この件は私たち二人だけの秘密、つまりは誰にも話さないことを」

ジュライ「」コクリ

160 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:08:14.56 ID:FUT4sTXP0

――――――――――――――――――


ホウムラン軒(ラーメン屋)

王泰明(店主)「いらっしゃい...おっ、きみか」

黒「お邪魔します」

泰明「今日もイイ喰いっぷりを見せてくれよ!」

黒「そんな期待するようなものじゃ...」
161 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:09:23.86 ID:FUT4sTXP0

ガララ

泰明「いらっしゃい」

未咲(たまにはこういうのも...って)

黒「あれ?霧原さん?」

未咲「李くん?こんなところで会うなんて奇遇ね」

黒「霧原さんもお昼ですか?」

未咲「ええ。ちょっと知人のお見舞いに行ったついでに腹ごしらえをしたくて」

黒「あのホテルのパーティで一緒になった人ですか?たしか斎藤さん...」

未咲「彼じゃないわ。仕事相手よ。誰かまでは教えられないけど」

黒「そうなんですか。...すぐに良くなるといいですね」

未咲「そんな大層な怪我じゃないらしいから大丈夫よ。...隣、いいかしら?」

黒「どうぞ」
162 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:09:49.01 ID:FUT4sTXP0


ズルズル

未咲「李くんはよくここに来るの?」

黒「ええ。お昼のメニューに困ったら大体ここに来ます」

泰明「それで毎回丼ぶりの山を作ってくんだよねぇ」

黒「それほどでもないですよ」ズルズル

泰明「言ってる側から何杯目なんだか。李くんの食いっぷりは一つの名物みたいなもんだよ」

泰明「ウチとしてもこんなに美味そうに食ってくれるのはありがたいしね」ハハッ
163 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:11:01.09 ID:FUT4sTXP0

コソコソ

ほむら「......」

猫「信じられない、ってツラだな」

ほむら「だって、あの愛想のない仏頂面で、目付きが悪い男があんなにも物腰が柔らかくなるなんて...」

猫「そのままお前に当てはまることだな」

ほむら「まるで二重人格じゃない」

猫「そうだな。どっちがあいつの本性かはわからないが」

猫「とにかく、俺が言いたいのは、あそこまでとは言わないが、人あたりはよくできるようにしとけってことだ」

王理花(店主の娘)「あっ、フェルナンデス!」

ほむら「えっ」

猫「みゃぁ」

ほむら「ふ、ふぇるな...?」

理花「相変わらず可愛いんだから。お腹空いたの?ちょっと待っててね、すぐにキャットフード持ってくるから」

猫「ふにゃぁ」

ほむら(こいつも黒に劣らず大概ね)
164 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:11:34.59 ID:FUT4sTXP0


黒(暁美ほむら...?こんなところでなにを)

未咲「どうしたの?」

黒「いえ、あのフェルナンデスって野良猫、この辺りでよく見るなと思って」

泰明「理花がよく面倒見るから懐いちまってんだろうねぇ。理花、猫の餌はこっちの仕事が片付いてからにしてくれ!」

理花「はーい」

黒「すいません。ちょっと外の空気を吸ってきます」

泰明「そのまま食い逃げとかは止めてくれよ?」ハハッ

黒「そんなことしませんよ」
165 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:12:01.94 ID:FUT4sTXP0

ガララ

黒「なんの用だ」

ほむら「...別に。なにもないわ」

猫「こいつにコミュニケーションの手本を見せに来ただけだ」

ほむら「ちょっと...」

猫「そうやってすぐに顔を曇らせるのも悪い癖だな。...で、どうだ。基礎くらいは教えてやってくれないか」

黒「......」

黒「笑顔くらいは作れるようにしておけ。話はそれからだ」

猫「だとさ」

ほむら(笑顔...)

ほむら(...無理よ。例え嘘でも、もう笑うことなんて...)

166 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:13:15.51 ID:FUT4sTXP0

ガララ

未咲「ごちそう様でした」

泰明「毎度ありー」

黒「あれ、もう帰るんですか?」

未咲「普通はラーメンは一杯食べれば充分なのよ。...あれ?」

ほむら「......」

未咲「この子は知り合い?」

ほむら「...え、えっと」

黒「道を尋ねられたんです。この子、最近転校してきたみたいで」

黒(俺に話を合わせろ)コソッ

ほむら「は、はい。その、まだ退院したばかりで土地勘が鈍くて」

未咲「どこか行きたいところがあるの?」

ほむら「え?えっと...」

黒「病院です。いつでも通えるように道を覚えておきたいらしいです」

未咲「そうなんだ。よかったら一緒に行こうか?私も用事があるの」

ほむら「だ、大丈夫です。散歩も兼ねてますから」

未咲「そ。早く慣れるといいわね。それじゃあね」

黒「はい。さようなら」

167 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:14:00.03 ID:FUT4sTXP0


ほむら「...彼女は?」

黒「外事四課だ。警察の組織で、契約者絡みの事件専門の人間だ」

ほむら「それって、あなたの敵じゃ」

黒「どちらかといえばな」

ほむら「じゃあ、なんであんなに仲良くしているの?」

黒「イチイチ目くじらを立てて対立する意味もない」

猫(よく言うぜ。アンバーの時といい、昨日といい、完全に頭に血が上っていた癖に)

黒「お前にどんな事情があるかは知らないが、わざわざ敵を増やす意味はない。まずは相手の信頼を得るために立ち回れ」

ほむら「......」
168 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/09(水) 01:14:27.36 ID:FUT4sTXP0
今回はここまでです
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 01:28:10.71 ID:S8Rmu2Ir0
乙です
時系列的にはアンバーと会った後で、ケンジとはまだ会っていない頃かな?
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 01:29:40.22 ID:ClwZKFHxo

DTB久しぶりに見返そうかな
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 02:11:02.34 ID:n5TdlHv3O
ノーベンバーが余計な事まで学んでしまわないか大変心配です
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 03:28:46.52 ID:uNjqVGyeo
ノーベンバーとディケイドのやりとり良いね
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/09(水) 04:22:44.12 ID:Vyh5vvoso
ノーベンバーにアイコスおすすめしたい
174 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:31:47.32 ID:nM3mABV50
>>169
時系列的にはアンバー、ケンジとは会った後で、きよぴー回の前の頃です。
175 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:32:37.29 ID:nM3mABV50

夕方 マミの家

ピンポーン

マミ『はーい』

ほむら「...暁美ほむらよ」

マミ『あ、暁美さんっ!?』

マミ『と、とりあえずあがって!すぐにお茶を淹れるから!』

ほむら「はぁ...」

176 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:33:08.16 ID:nM3mABV50

マミ「こ、紅茶...です」

ほむら「」ペコリ

マミ「......」

ほむら「......」

マミ(気まずい)

マミ(ぜ、絶対昨日、置いて行っちゃったことを怒ってるのよね?殺されかけたことやジャックさんのことが重なった所為で忘れていたとはいえ、縛ったまま置いて行くのは我ながらヒドイと思ったわ)

マミ(思い出してすぐに病院に見に行ったらリボンが切り裂かれてたから、脱出できたとは思ったけど...そりゃ怒るわよね)

177 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:33:43.73 ID:nM3mABV50

ほむら「巴マミ」

マミ「はいっ!」ビクッ

ほむら「私の忠告の意味、理解してくれたかしら」

マミ「...ええ。私一人だったら、たぶん...」

ほむら「なら、もうまどか達を結界に連れまわすべきじゃない。わかるわね」

マミ「そう、ね。私があの魔女に負けてたらきっと彼女たちは望まない契約をしていたから...」

ほむら「......」
178 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:34:13.18 ID:nM3mABV50


ほむら(こういう時はたしか...)


黒『独りであることを気にしている相手には、こちらから譲歩し歩み寄ってやれ。それだけでもかなり有効だ』

黒『...なるべく笑顔でな』


ほむら(...どうせこのままでは協力ができそうもない。なら...)

179 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:35:18.42 ID:nM3mABV50


ほむら「...寂しいのかしら」

マミ「え?」

ほむら「私は、可能ならばあなたとは敵対したくない。むしろ、力を貸してほしいと思っている」

マミ「え?」

ほむら「あなたさえよければ、力を貸してもらえると嬉しいわ」

マミ「!」




ほむら「」ニ コ ォ

マミ(目元はそのままで、口端が痙攣してもの凄い不自然な笑顔に...!)

マミ(怪しい、怪しいわ!この子は一体なにが目的なの!?)

マミ(......)

ほむら「......」ヒクヒク

マミ「...ぷっ」

ほむら「えっ」

マミ「ふふふ。ご、ごめんなさい。あなたって凄く不器用なのね」クスクス
180 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:36:10.18 ID:nM3mABV50


ほむら「え、えと...」

マミ「ふふっ...昔ね、お母さんから教わったの。『料理の美味い男と笑顔を上手に作れる女は信用しちゃいけない』って」

マミ「でも、もの凄い必死に笑顔を作ろうとしてるあなたを見てたら、今まであなたに対して必要以上に警戒していた自分が馬鹿らしくなっちゃって」

ほむら「...そんなに変な笑顔だったかしら」

マミ「ええ。信頼してほしいって言うのが凄く伝わってくる笑顔だったわよ」

ほむら「......」プイッ

マミ「拗ねちゃった?」

ほむら「...そ、そんなことより協力の件は?」

マミ「私なんかでよければ、力になりたいわ。勿論、内容次第になるけれど」

ほむら「!」

マミ「...今までごめんなさい、暁美さん」


ほむら(...いつもそうだ)

ほむら(誰にも頼らないと決めているのに、こうして裏の無い善意を向けられると)


ほむら「...いいえ、こちらこそ」

ほむら(いつだって、信じたくなってしまう)
181 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:36:45.61 ID:nM3mABV50

―――――――――――――――――――――

病院

ノーベンバー「これで借りたものは全て見終わったか」

ジュライ「......」

ノーベンバー「さて、早速だが質問だ。きみが見たこの三作品の『魔法』。このどれもが同じ原理で発動されていたと思うかい?」

ジュライ「......」フルフル

ノーベンバー「私もそう思う。...なぜこんな質問を?という顔だね」

ノーベンバー「『魔法』とはそもそもなんなのかを確かめておきたかったのさ。一般認識における『魔法』をね」

182 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:37:12.99 ID:nM3mABV50


ノーベンバー「...さて、ジュライ。いきなりで悪いが、ひとつきみに頼みたいことがある。いいかな?」

ジュライ「」コクリ

ノーベンバー「この周辺に、桃色のツインテールで小柄な少女、髪飾りを付けた青い髪の少女、黄色い髪のロールを巻いた少女、耳毛の長い白猫。この内、誰かを見つけたら案内してほしいんだ」

ジュライ「...観測霊を飛ばしてみる」

ノーベンバー「よろしく頼むよ」

183 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:37:55.89 ID:nM3mABV50



――――――――――――――――
廊下

タタタ

さやか「ハァ...ハァ...」

さやか(信じない。恭介の腕が二度と治らないなんて!)



恭介『もう治らないんだ!奇跡や魔法でもない限り!』


さやか(奇跡も魔法もある。あたしは知っている。あたしが、恭介の腕を治すんだ!)
184 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:38:37.94 ID:nM3mABV50

屋上

さやか「キュゥべえ!」

QB「やあ、さやか。...その様子だと、願いが決まったみたいだね」

さやか「うん。あたしの願いは恭介の腕を治すこと。できる?」

QB「その程度なら、きみの素質があれば充分だ。本当にその願いでいいのかい?」

さやか「うん。やって!」

QB「それじゃあ...」ピクッ

さやか「どうしたの?」

QB「いや...」


ノーベンバー「おや。邪魔してしまったかな」

ジュライ「......」
185 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:39:40.09 ID:nM3mABV50

さやか「おじさん!なんでここに...って、そっか。おじさん昨日入院しちゃったんだ」

ノーベンバー「たまたま見かけたから声をかけようかと思ったんだが、例の『契約』中だったかな?」

さやか「う、うん...止めないでね、おじさん」

さやか「あたし、どうしても叶えたい願いがあったんだ。でも、ずっと悩んで先に延ばしたせいで恭介を傷付けたし、それに...」チラッ

ノーベンバー「?」

さやか「...おじさんにも怪我させちゃったし」

ノーベンバー「ああ、これなら心配ないさ。大した怪我でもないからね」

さやか「でも、あの時あたしを庇ったから」

ノーベンバー「昨日も言ったが、どの道私はやつの攻撃を受けていた。そんなに気に病むことじゃないさ」

さやか「けど、あたしが最初から魔法少女になってれば、おじさんも怪我せずに済んだかも...」

ノーベンバー「...契約をするかどうかはきみの意思次第だ。最初から止めるつもりはないよ」

さやか「じゃ、じゃあ」

ノーベンバー「ただ、その前に少し私に時間を譲ってくれないかな?」

さやか「え?」
186 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:40:50.91 ID:nM3mABV50

ノーベンバー「私は魔法少女の契約システムに個人的な興味があってね。彼に聞きたいと思っていたんだが、会う方法がわからなくてね。実を言うと、きみに声をかけようとしたのもそのためだ」

さやか「...えっと、時間を譲るって、あたしが契約する前にキュゥべえと話したいってこと?」

ノーベンバー「そういうことになる。もしきみがいますぐ契約すれば、彼がここにいる理由も無くなるからね。いまは一秒を争う事態でもないだろう?」

さやか「そりゃまあそうだけど...わかった。おじさんにはお世話になったし、言う通りにするよ」

ノーベンバー「ありがとう。さて、ネコちゃん。早速だが...」

QB「僕は応じるとは言ってないけどなぁ」

さやか「答えてあげなよ。昨日散々お世話になったんだからさ」

QB「やれやれわかったよ」
187 : ◆do4ng07cO. [saga]:2016/11/19(土) 02:41:19.32 ID:nM3mABV50
今回はここまでです
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 03:25:11.41 ID:/Rgb8Fj2o

さやかちゃん危機一髪
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