他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
【DTB×まどか☆マギカ】黒「魔法少女?」ほむら「契約者?」
Check
Tweet
70 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:36:14.04 ID:cY8IZI+q0
――――――――――――――
学校
さやか「ねー、まどかぁ。...願い事、何か考えた?」
まどか「ううん、さやかちゃんは?」
さやか「あたしも全然。なんだかなぁ...いくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ...。欲しいものもやりたいこともいっぱいあるけどさ」
さやか「命懸けってところでやっぱ引っかかっちゃうよね。そうまでする程のもんじゃねえよなぁーって」
まどか「うん...」
QB「意外だなぁ。大抵の子は、二つ返事なんだけど」
さやか「マミさんにも、よく考えろって言われてるのもあるけど...きっと、あたし達がバカだからだよね」
まどか「え〜...そうかなぁ?」
さやか「そう、幸せバカ。別に珍しくなんかない筈だよ。命と引き換えにしてでも叶えたい望みって」
さやか「そういうの抱えてる人は、世の中に大勢いるんじゃないのかな」
さやか「願いが思いつかないってことは、その程度の不幸しかしらないってことじゃん。恵まれすぎてバカになっちゃってるんだよ」
まどか「......」
さやか「なんで、あたし達なのかな?こういうチャンスが欲しいと思っている人は、他にもっといる筈なのに...」
まどか「さやかちゃん...」
さやか「昨日は聞きそびれちゃったけどさ、マミさんもどうしても叶えたい願いがあったのかな...?」
まどか(マミさんやほむらちゃんも...)
まどか(...そういえば、ほむらちゃんなんで今日は休んだんだろう)
71 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:37:58.61 ID:cY8IZI+q0
とある廃屋
ほむら「ぅ...」
黒「目が覚めたか」
ほむら「......」
黒「盗んだ武器はどこへ隠した」
ほむら「...私の、盾の中に...」
黒「俺との戦いの時に使っていたものか」
ほむら「はい...」
黒「だが、どうやってだ。あんな小さいものに入る筈が無い」
ほむら「あの盾は...私の魔法...」
黒「魔法...お前もあの金髪の女と同じ『魔法少女』なのか。魔法少女とはなんだ」
ほむら「魔法少女は...インキュベーターと契約して...」
72 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:38:42.92 ID:cY8IZI+q0
組織の男「暁美ほむら。見滝原中学2年の転校生で、元々は虚弱体質だったが、ある日を境に健康そのものになった...か」
猫「あの嬢ちゃんになにしたんだ?」
組織の男「自白剤を打った。少し不安だったが、ちゃんと聞いてくれたようだ」
黄「......」
組織の男「なぜこんなに温い手を―――とでも言いたげな目だな。簡単なことだ。武器を盗まれたこと自体が問題じゃない。その先にある目的が問題だからだ」
組織の男「目的によっては奴を傷付けない方がいいかもしれない...そういう判断だ」
猫「それにしても、魔法少女、か。最初に黒から聞いた時はあいつもあのピンクに染められたんじゃないかと心配したぞ」
黄「だから足を洗わせろって言ったんだ。...銀のやつはもう手遅れかもしれねえけどよ」
黒「契約者は淡い幻想(ゆめ)など抱かない。二次元に対してもな」
黄「おめえはさっさと尋問を終わらせろ」
猫「しかし、『契約』して『魔法少女』になる、か。あくまでも強迫観念に駆られてる俺たちよりも『契約者』の名前が相応しい気もするな」
黄「ケッ、どっちにしたってバケモンには変わりねえ」
73 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:39:47.39 ID:cY8IZI+q0
黒(こいつの名前、能力、魔法少女、インキュベーター...これらは判った。あとは...)
黒「なぜ、あれだけの武器を盗んだ。テロでもするつもりだったのか」
ほむら「......」
黒「なにかと戦うためか」
ほむら「...はい」
黒「相手はわかるのか」
ほむら「...ワルプルギスの夜。...最大の魔女が...この街に...」
74 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:41:05.00 ID:cY8IZI+q0
組織の男「......!」
猫「ワルプルギス...大量の武器が必要になるとは、なんかの怪獣みたいだな」
黄「へっ、アホ言ってんじゃねえよ。そんなもんが来るのがわかってるなら、戦わずにさっさとトンズラこきゃいいだろ」
黒「...なにか逃げられない理由があるのか」
ほむら「......」
ほむら(まどかを...守るため...)
ほむら(まどかは...私の...大切な...ッ!)
ガリッ
黒「どうした?」
ブッ ベチャッ
黒「!」
ほむら「」キッ
黒(口の中で肉を噛みきり正気を取り戻したか。しかし...)
ほむら(こいつらにまどかのことが知られれば、彼女の身に危険が及ぶ)
ほむら(それだけはさせない―――絶対に!)
黒(なんなんだ、こいつのこの執念は。ここで逆らえばロクな目にあわないのは解るはずだ。なのに...)
『李さんだってあるでしょ。理屈や計算抜きにして守りたいもの』
黒「......」
75 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:41:53.86 ID:cY8IZI+q0
組織の男「正気に戻ったところで悪いがひとつ聞かせろ」
ほむら「?」
組織の男「お前から自白剤で聞きだしたのは『武器の隠し方』『魔法少女とインキュベーター』『ワルプルギスの夜』。この三つだ。上辺だけのことしか聞けていないからな」
組織の男「お前の言うワルプルギスの夜は、あれほどの武器を使わなければ勝てない相手なのか?」
ほむら(自白剤...そんなものを使われていたのね)
ほむら(幸い、まどかのことは話していないみたいね。...ここでワルプルギスについて誤魔化す意味もない、か)
ほむら「ええ。勝てるかどうかわからないけれど」
組織の男「いまのままでは戦力が不足していると捉えても構わないな」
ほむら「否定はしないわ」
76 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:42:49.58 ID:cY8IZI+q0
組織の男「なるほど」
黄「あんた、こんなガキの言う事を信じるつもりかよ?」
組織の男「この状況で俺たちを騙そうとするならもっと現実的な話をする。違うか、契約者」
猫「それもそうだ。契約者なら合理的に考えて、実現性の高い嘘をつく。少なくとも、魔法少女だの魔女だのファンシーなものは交えずな」
組織の男「それに、お前が俺に渡した宝石の特徴も魔女のグリーフシードに一致している。ここまできて嘘だと断言する理由もないだろう」
黄「...それで、あいつの処分はどうするんだ」
組織の男「上に確認をとってくる。お前達はそいつが逃げ出さないように見張っていろ」ガチャリ パタン
ほむら(...いまこの部屋にいるのは、男が二人と猫が一匹。一番厄介なあの男さえ凌げればどうとでもなりそうだけれど...)
黄「下手なこと考えるんじゃねえぞ。仮にオメェが逃げ出せたとしてもだ。組織の手にかかりゃあっという間に見つけられちまう」
黄「とにかくいまは大人しく待ってな。従ってりゃ悪いようにはされないだろうよ」
77 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:44:53.05 ID:cY8IZI+q0
ガチャリ
組織の男「上からの指令がきた。黄、猫、黒。お前達はワルプルギスの夜を倒すまで暁美ほむらに協力しろ...とのことだ」
ほむら「!」
黄「なっ!?どういうこった!?」
組織の男「この街は組織の拠点の一つだ。さっきの話が本当なら、この街は間違いなく壊滅するだろう。それだけは避けなければならない」
黄「だからってよぉ」
組織の男「上に逆らうのか」
黄「ぐっ...」
ほむら「ちょっと待ってくれるかしら。確かにそこの男は強い。けれど、だからといって魔女に勝てるわけでは」
組織の男「その点は心配するな。黒は魔女と戦い倒した経験がある」
ほむら「!」
ほむら(魔女は魔法少女でしか倒せないはずじゃ...)
組織の男「当然ながら、こちらも武装に関しては積極的にバックアップさせてもらう。契約者は、世間の目につくわけにはいかないため、黒以外は駆りだせないがな」
ほむら「つまり、武器は好きに持って行ってもいい、と?」
組織の男「そういうことになる。職員にはこちらから話を通しておく。...まだ不満があるか?」
78 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:45:23.85 ID:cY8IZI+q0
ほむら(...この提案、私にとって拒む理由はほとんどない)
ほむら(けれど、そんな都合の良い話があるのかしら。ワルプルギスの夜を倒した後にそのまま組織とやらに連れて行かれるかも...)
ほむら(...関係ないわ。私がどうなろうとも知ったことじゃない。まどかを救えるのなら、なんだって利用してやる)
ほむら「いいえ。それで充分よ」
組織の男「よし。黒、黄。暁美ほむらの世話は任せたぞ」
黒「わかった」
黄「こいつらだけで手いっぱいだってのに...ったく」
組織の男「それと猫。お前に渡したいものがある。ついてこい」
猫「?」
79 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:46:08.22 ID:cY8IZI+q0
―――――――――――――――
マミ「ティロ・フィナーレ!」カッ
魔女「」シュウウウ
さやか「マミさんカッコイー!」
まどか「わぁ...!」
マミ「もう、見世物じゃないのよ。ちゃんと今後の参考にしてくれてる?」
さやか「い、一応は...」
マミ「困った後輩ね...それじゃあ、今日は帰りましょうか」
80 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:47:12.62 ID:cY8IZI+q0
テクテク
まどか「あの、ちょっと気になってたんですけど、マミさんはどんな願いを...?」
マミ「私は...生きること、かしらね」
マミ「数年前になるわ。家族でドライブに行った時、大規模な交通事故に巻き込まれてね。そこでキュゥべえと出会って...考える余裕もなかったってだけ」
まどか「......」
マミ「あなた達には選択肢がある。だから、きちんと考えてほしいの。それは、私にはできなかったことだから」
さやか「...あのさ、マミさん。願い事って、自分のことじゃないと駄目なのかな?」
マミ「というと?」
さやか「例えば、あたしなんかよりずっと困ってる人がいて、その人のために願い事をするとかできるのかなって...」
マミ「あまり関心はしないわ。...あなたは、その人の夢を叶えたいの?それともその人の夢を叶えた恩人になりたいの?」
さやか「!」
マミ「他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておくべきだわ。同じようでも、全然違うことよ、これ」
マミ「...キツイ言い方でごめんね。でもそこをはき違えたまま進んだら、きっとあなた後悔することになるから」
さやか「...うん、そうだね。あたしの考えが甘かった。ごめん。...っと、あたしはこっちだから」
マミ「私もここで。じゃあね、二人とも」
まどか「またね〜」
81 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:49:35.34 ID:cY8IZI+q0
テクテク
まどか「魔法少女、かぁ...やっぱり憧れちゃうなぁ」
ノート「」パラリ
まどか(さやかちゃん達には笑われちゃったけど...もしもわたしが魔法少女になったら、こういう衣装にしたいなぁ)フフッ
キコ「あの脚本家、あれ以上キャラを増やすなんてどうかしてますよ!」
マユコ「だよなー。大した内容じゃない癖に需要ないキャラばっか増やしてどうすんだっつーの」
キコ「あれ明らかに自分の推しキャラを贔屓したいがために出しただけですもん。しかもそのせいで主要キャラの出番が食われてるし!」
マユコ「アーッ、思い出しただけで腹立ってきたぁ!」
ドンッ
まどか「きゃっ」
キコ「おっと、すみませ...まどかちゃんじゃないですかぁ!」
まどか「キコさん!」
マユコ「この子知り合い?」
キコ「この前知り合ったんですよ。キルシーちゃん交えて三人でモーリスについて濃厚に語り合った仲です」
まどか「うぇへへ...」
マユコ「へーえ、結構可愛いじゃん」
キコ「そうなんですよ。この色々とちっちゃいところがまたなんとも...あっ」
82 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:50:24.92 ID:cY8IZI+q0
キコ「ノート落としてましたよ」ヒョイ
まどか「あっ」
マユコ「その反応...ははーん、さては夢小説でも書いてたなオメー」
まどか「夢小説?」
マユコ「トボけちゃって。お姉さんたちに見せてみ」パラッ
キコ「これは...」
まどか「あっ、それは、その...」
キコ「スッゲー可愛いじゃないですか」
まどか「え?」
83 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:51:10.34 ID:cY8IZI+q0
キコ「これコスプレ用のデザインですよね。なんのアニメを基にしたんですか?」
まどか「こ、コスプレっていうかなんというか...」
マユコ「あたし、こんな衣装見たことねーよ。一時創作でここまでできるなんて天才かよ」
キコ「なんというかこう、着てみたい意欲に誘われますね...そうだ!これを作ってキルシーちゃんも入れて4人で着てみませんか!?」
まどか「うぇ?」
マユコ「おっ、いいねー!中々映えるんじゃねーの!?」
キコ「これなら1着1週間もあれば余裕でできそうですし...っと、まどかちゃんの意見も聞かなくちゃですね」
キコ「ああ、勿論お金とかその他諸々は私たちでやるから大丈夫ですよ」
まどか「いいんですか?」
キコ「モチですよ。。ぶっちゃけ私が趣味で作りたいだけですし」
まどか「わぁ、ありがとうございます!」
キコ「じゃ、出来たらまた連絡いれますから。ノート借りますね」
マユコ「あたしらこっちなんで。じゃーなー」
まどか「さようなら〜」
84 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/16(日) 01:53:48.11 ID:cY8IZI+q0
今回はここまでです。
あらかじめ言っておきますが、DTB原作のようにほむらが黒さんに恋をする展開はないとだけ断言しておきます。
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 08:57:24.99 ID:9ADzZcPJo
乙
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 12:34:43.46 ID:jBS1QZ2Go
乙
スクライドの人か
楽しみ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 14:41:53.10 ID:sFyNgV1no
黒さんに恋しちゃうと死亡フラグ立っちゃうから仕方ないね
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 20:29:27.52 ID:+kQqy/lbo
乙
恋愛要素はどっちでもいいけど
あの稀代のスケコマシを前にして恋する展開はないって言葉が予想以上に説得力なくてワロタ
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 20:45:39.84 ID:276O6GZ6o
>>88
だがほむらちゃんのまどキチ具合にはさすがに勝てんだろうな
メガほむ時代ならヤバかったが
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/19(水) 11:23:10.32 ID:x8kF0AaOO
組織さん魔法少女に興味津々の模様
どうでもいいけど黒さんの防弾コートは何故頭部まで守らないのか
そんなに仮面が大事か
91 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:09:43.07 ID:eQaj5N8b0
夜
まどかの部屋
まどか「〜♪」
QB「ゴキゲンだね、まどか」
まどか「キコさん達に、わたしの考えた服、凄く褒められちゃったんだ」ウェヒヒ
QB「きみがノートに書いていたアレかい?変わった人間もいるものだね」
まどか「それでね、完成したら着せてくれるって。楽しみだなぁ...♪」
QB「その時に契約するのかい?」
まどか「違うよ。コスプレ...っていえばいいのかな」
QB「きみにもそういう趣味があったなんて意外だね。僕にはとんと理解できないや」
QB(服なんて所詮は肌を覆う布、そもそも服なんて着る必要なんてないと思うんだけどね。やっぱり人間の価値観はわけがわからないよ)
92 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:10:41.02 ID:eQaj5N8b0
――――――――――――
翌日
タバコ屋
銀「......」
黒「どうだ」
銀「ダメ。見つからない」
黒「そうか。...今まで見つけたことが無かったんだ。気にしなくていい」
銀「...黒。ポケットの中、見せて」
黒「?...グリーフシードがあるだけだが」ゴソゴソ
銀「それ、貸して」
93 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:11:18.13 ID:eQaj5N8b0
銀「......」ギュッ
黒「それを握っているとなにかわかるのか」
銀「ぼんやりと感じる」
黒「なにか違うのか?」
銀「わからない」
黒「俺のポケットの中に入っていたのがわかったのは」
銀「わからない。なんとなく感じた」
黒「そうか。...まあいい。場所は」
銀「南東の公園の近く。使い魔か魔女かはわからない」
黒「わかった。とにかく俺はソイツを狩ってくる。2時間連絡が無ければ黄に連絡しろ」
銀「」コクリ
94 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:11:49.91 ID:eQaj5N8b0
学校
ほむら(午前中の魔女探しはあの男に任せているけれど、大丈夫かしら)
まどか「あの、ほむらちゃん」
ほむら「......」ジッ
さやか「止めときなよ。あの目、もの凄い敵意剥きだしだよ」ヒソヒソ
まどか「だ、大丈夫だよ。ちょっと聞きたいことがあるだけだから」ヒソヒソ
ほむら「...何かしら」
まどか「こ、この前休んでたからどうしたのかなって思って」
ほむら「...別に大したことじゃないわ。話はそれだけかしら」
まどか「う、うん...」
さやか「ちょっと!まどかはあんたを心配してるんだよ!もう少し言い方ってモンが」
ほむら「二人とも」
95 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:12:29.08 ID:eQaj5N8b0
ほむら「魔法少女のことは、もう聞いてしまったのよね」
さやか「...聞いたらなによ」
ほむら「忠告しておくわ。決してキュゥべえの言う事を信じては駄目。契約することは、全てを諦めることと同意義だから」
まどか「ほむらちゃん...?」
ほむら「忠告はそれだけよ。それじゃあ」スタスタ
さやか「く〜っ!なんなのさあいつ!」
携帯「」ブー ブー
ピッ
ほむら「もしもし」
黄『学校が終わったら××へ来な。黒が今日の分の稼ぎを渡す手はずになってる』
ほむら「わかったわ」
96 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:12:59.74 ID:eQaj5N8b0
放課後
さやか「おまたせーっ」
まどか「今日もよろしくお願いします」
マミ「それじゃ、はりきって行くわよ」
97 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:13:27.48 ID:eQaj5N8b0
夜
マミ「ここにも反応は無し、と」
さやか「今日は外れっぽいね」
マミ「そういう時もあるわよ。さっ、遅くならない内に帰りましょう」
翌日
マミ「今日も反応はなし、か」
まどか「それだけ街が平和ってことですよね」
マミ「そうね。今日はこの辺りにしておこうかしら」
98 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:14:14.29 ID:eQaj5N8b0
数日後 夜
マミ(おかしい...この数日、魔女どころか使い魔の気配が一切見当たらない)
マミ(今までこんなこと無かった筈なのに...本当に、魔女がこの街から消えてしまったのかしら」
QB「随分悩んでいるようだね」
マミ「キュゥべえ。...ちょっと、魔女のことでね。もしかしたらこの街にはもういないんじゃないかって思って」
QB「そういえば、ここ数日きみは使い魔とすら戦っていなかったね。けど、残念ながらきみの予想は外れだ。魔女や使い魔はちゃんといる」
QB「ただ、理由はわからないけれど、暁美ほむらがなにやら関与しているらしい」
マミ「え?」
99 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:15:08.94 ID:eQaj5N8b0
翌日 夜 公園
コツコツ
マミ「......」
ほむら「巴マミ」
マミ「来たわね。...要件はなに?」
ほむら「これ以上、あの二人を魔法少女に誘導しないで」
マミ「誘導?」
ほむら「あなたは無関係な一般人を巻き込んでいる」
マミ「二人はキュゥべえに選ばれたの。無関係なんかじゃないわ。私はただ、二人に後悔しない選択をしてほしいだけ」
ほむら「迷惑よ。魔法少女なんて、この街にはもう要らない」
マミ「自分より強そうな子は邪魔ってわけね。だから私たちが戦えないほどに魔女を狩って鹿目さんたちの考える時間を奪い、キュゥべえを狙った...そんなに自分の力に自信が無いのかしら」
ほむら「...あなたとは戦いたくないのだけれど」
マミ「そう。なら、もう会わないように努力して。話し合いで済ませられるのはもうこれで最後だと思うから」ザッ
ほむら「......」
100 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:16:08.69 ID:eQaj5N8b0
猫「随分と厳しく言われちまったな。ま、あんなこと言ったら当然か」
ほむら「相変わらず監視に勢が出るわね」
猫「そう邪険にするな。組織と関わるからには、見張りの一人や二人が付くのは常套なんだ」
ほむら「それがあなたの組織とやらの命令なのね」
猫「そういうことになる。おっと、流石に私生活までは報告はしないから安心しろ」
ほむら「......」ジーッ
猫「ま、所詮は俺も契約者。そう易々と信頼を得られるとは思ってないさ」
ほむら「用件は」
猫「この後、例の場所で黒と合流しろ。そこで今日のグリーフシードの稼ぎを渡すとさ」
ほむら「わかったわ」
ほむら(いまのところ、グリーフシードの収穫と武器の調達は順調。後は巴マミをどうにか確保しないと...)
101 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:18:05.98 ID:eQaj5N8b0
―――――――――――――
数日後
病院 待合室
まどか「わたしここで待ってるね」
まどか(さやかちゃんの邪魔しちゃ悪いもんね)
さやか「そう?んじゃ、遅くなるようだったらメールするから」
まどか「うん」
「...ふぅ」
「...エイプリル、溜め息多い」
「そりゃそうよ。体調管理くらいしっかりできてるから健康診断なんかしなくてもいいってのに、わざわざあいつは...」
「健康は大事。ノーベンバー、いつもそう言ってる」
「せめてMI6のもとで受ければいいのに、たまには民間の病院を使ってみたいだなんてさ。お蔭でこっちは何時間待たされるんだっての」
「肝心のあの男も飲み物買いに行ったきり連絡つかないし。パチンコでもやってんのかしら」
「ノーベンバー、パチンコは嫌いって言ってた。耳に悪い。煙草臭い。財布に優しくない。合理的じゃない」
「言ってみただけよ...はぁ」
さやか「おまたせー」
まどか「あれっ、早かったね」
さやか「それがさー、なんかいまは都合が悪いみたいで会えなかったのよ。せっかく来たのにさぁ」
まどか「残念だったね」
102 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:18:42.75 ID:eQaj5N8b0
病院 駐輪場付近
まどか「上条くん、早く退院できるといいね」
さやか「ホントにね。...あれ?」
さやか(なにか壁に刺さって...これって!)
まどか「どうしたのさやかちゃん」
さやか「まどか、離れ」
カッ
さやか「ッ!」
ドンッ
まどか「きゃっ!?」
103 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:19:15.11 ID:eQaj5N8b0
まどか「あ、あれ?さやかちゃん?」キョロキョロ
まどか(壁に刺さってるコレ...グリーフシード...ッ、まさか!)
QB「まどか!」
まどか「きゅ、キュゥべえ!さやかちゃんが結界に...!」
QB「間に合わなかったか...ごめんよ、気付くのが少し遅れてしまった」
まどか「ど、どうしよう!このままじゃさやかちゃんが!」
QB「落ち着くんだ。幸い、魔女は孵化していないみたいだからしばらくは大丈夫なはずさ。まどか、きみはマミを呼んできてくれ。僕は万が一の時のためにさやかと合流して魔女を見張ることにするよ」
まどか「で、でもそれって」
QB「いいから早く!」
まどか「わ、わかった!すぐに呼んでくるからね!」タタタ
QB「さて、と」
QB(しかし妙だね。僕の予測では、結界が開きかけるのはもう少し後だったはず。もしかして、誰かが先に結界に気付いて飲みこまれたのかな?)
QB(とにかく今はさやかと合流しよう。大切な契約候補を失いたくないからね)
104 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:20:10.47 ID:eQaj5N8b0
―――――――――――――
結界
さやか「マズイ...帰れなくなっちゃったよ」
さやか(まどかが無事なのはいいけど、マミさんどころかキュゥべぇさえいないなんて...これって絶体絶命ってヤツだよね)
さやか(どうしよう。いまは学校の荷物くらいしか手持ちがないよ。こんなので使い魔なんかに出会ったら)
「ちょっといいかな」
さやか「うひゃぁお!?」ビクッ
105 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:21:29.53 ID:eQaj5N8b0
さやか(ヤバイ!見つかった!とにかく逃げなきゃ...って)
さやか「あれ?人間?使い魔じゃない?」
「使い魔?」
さやか「い、いや、こっちの話」
さやか(白いスーツに短めの整った金髪...なんていうか、いかにも紳士って感じだね)
「少々道に迷ってしまったんだが...きみはここに詳しいのかな?よければ教えてくれると助かるのだが」
さやか「詳しいっていうかなんていうか...」
「なんでも構わない。知っていることがあれば教えてくれないか。...おっと、自己紹介がまだだったね」
ノーベンバー11「私の名はジャック・サイモンです。よろしく、お嬢さん」
106 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/24(月) 03:22:13.37 ID:eQaj5N8b0
今回はここまでです。
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/24(月) 03:34:42.33 ID:fpIBkAoFo
乙
人間関係がこじれまくってるなぁ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/24(月) 19:37:32.67 ID:lxnxjc300
乙です
エタってなかったか…良かった…良かった…そしてノーベンバーの登場と来たか。
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/25(火) 05:27:42.31 ID:26BxNebw0
ほむらは絆されない
逆に言えば他の誰かは…
110 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:25:10.76 ID:pGWcKsTa0
タタタ
まどか「マミさん、こっちです!」
マミ「ありがとう。さて...キュゥべえ。状況は?」
QB『まだ魔女が孵化する気配は無いよ』
マミ「美樹さんは?」
QB『いま視界に捉えたよ。なにやらお...』
マミ「キュゥべえ?」
QB『...いや、なんでもない。とにかく、さやかとは無事に合流できたから、結界を刺激しないように慎重に進んでくれ』
マミ「オーケー、わかったわ。いきましょう」
まどか「はい!」
111 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:26:20.31 ID:pGWcKsTa0
コソリ
猫「あいつら入っちまったぞ」
ほむら(また先を越されてしまった...仕方ない)
ほむら「猫。あなたはすぐに黒をここに呼んで。私は先に彼女たちを追うわ」
猫「了解だ」
猫『聞こえたか、黒。病院の駐輪所前だ』ザザッ
黒『わかった。すぐに向かう』ザザッ
猫「よし。これで...」
草むら「」ガサガサ
猫「?」
エイミー「にゃあああああ!」バッ
猫「ゲッ、またおま」
ガバッ ゴロゴロゴロ
結界「」スポッ
猫「アーッ...」
ほむら「......」ハァ
112 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:27:25.08 ID:pGWcKsTa0
結界内
ドサリ
猫「ゲフッ」
エイミー「ふにゃあ」
猫「いてて...なんだこの不気味な場所」
ほむら「これが魔女の結界よ」
猫「なるほど。黒が言ってた通り、中々不気味なところだな」
ほむら「わかったら大人しく着いてきなさい。でないと死ぬわよ。...おいで、エイミー」
エイミー「にゃあ」
猫「言われずともな。ああ、ついでにだが、もしも俺が勝手なことをし出したらよろしく頼むぞ」
ほむら「?」
猫「猫の脳は人間に比べて小さくてな。その不足分を組織のサーバーを通じて補っている。だから、組織のサーバーを断たれると俺の自我はこの身体で保てなくなる」
猫「ここは電波が悪いみたいだ。いまはまだ繋がっているが、もしかしたらどこかで切れるかもしれん。その時は身体の方を護ってほしいってことだ」
ほむら「わかったわ。...行くわよ」
113 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:29:02.22 ID:pGWcKsTa0
―――――――――――――――――
同じく結界内
ノーベンバー「魔法少女に魔女、ね」
さやか「あー...やっぱ信じられないよね」
ノーベンバー「いいや。ここでそんな嘘をつく意味も無いからね。私は信じるよ」
ノーベンバー「とにかく、現状はあまりよろしくない...そういう認識でいいかな?」
さやか「それで大丈夫っス。いや〜、話しが早くて助かりますよ」
ノーベンバー「ちなみにきみはまだ魔法少女ではないのかな?」
さやか「うん。あたしはまだ決意が固まってなくて...面目ないです」
ノーベンバー「つまり、もう願いの目処はついていると」
さやか「えっ?い、いや〜、あはは...」
ノーベンバー「まあ深入りはしないさ」
114 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:29:43.46 ID:pGWcKsTa0
QB「さやか。無事でよかったよ」
さやか「キュゥべえ!来てくれたんだ」
QB「いま、まどかがマミを呼んできてくれたようだ。もうしばらくの辛抱だよ」
さやか「は〜、助かったぁ」
ノーベンバー「なるほど。そこの猫ちゃんがキュゥべえか」
QB「!」
さやか「えっ、おじさんキュゥべえが見えるの?」
ノーベンバー「白くて耳の長い猫ちゃんだろう?この通りさ」
QB(この男、やはり...)
115 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:30:57.31 ID:pGWcKsTa0
さやか「キュゥべえ、どうなってるの?あんたって魔法少女の素質がある人にしか見えないんでしょ?」
ノーベンバー「ひょっとして、私も魔法少女の素質があるのかな?」
QB「残念ながら、きみに素質は無いよ。...極まれにイレギュラーがあるんだ。きみはその枠だったということさ」
ノーベンバー「それは残念。願いはないが魔法少女には興味があったのに」
さやか「えっ」
ノーベンバー「冗談さ。猫ちゃん、これからどうすればいいのかな?」
QB「...そうだね。ひとまず、魔女が孵化するのを見張るとしよう。居場所を突き止めておかないといつ不意を突かれるかわからない」
QB「ただ、もしマミ達が来る前に魔女が孵化して襲ってきたら...」
さやか「...うん。お願いね」
116 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:31:42.49 ID:pGWcKsTa0
――――――――――――――――――
まどか「うぅ......」
マミ「大丈夫?鹿目さん」
まどか「ごめんなさい...やっぱり慣れなくて...」
マミ「怖くて当然よ。でも大丈夫。私がついているから」
フニャァ
まどか「泣き声...?」
エイミー「にゃあ」
まどか「あっ、エイミー」
マミ「知ってるの?」
まどか「はい。わたしがよく見る野良ネコなんですけど...迷い込んできちゃったのかな?」
117 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:33:01.70 ID:pGWcKsTa0
カツン
ほむら「二人共」
まどか「ほむら...ちゃん?」
マミ「...何の用かしら。言った筈よね、二度と会いたくないって」
ほむら「今回の魔女は私が仕留める。あなた達は下がっていて」
コソリ
猫(オイオイ。そんな強気で食ってかかったら...)
マミ「そうもいかないわ。美樹さんとキュウべえが待ってるもの」
ほむら「彼女達の安全なら保障するわ」
マミ「信用すると思って?」シュルル
ほむら(しまっ...!)
マミが手をかざすと共に、抵抗する間もなくほむらはリボンにより縛りあげられた
118 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:34:09.01 ID:pGWcKsTa0
猫(やっぱりな。あれじゃ火に油を注ぐようなモンだ)
マミ「ちゃんと帰りに解いてあげるから、心配しないで」
マミ「行きましょう、鹿目さん」
まどか「は、はい...」
ほむら「待って...ぐっ...」ギチリ
ほむら(行ってしまった...仕方ない)
ほむら「猫」
猫「わかってる。嬢ちゃんたちをサポートするんだろ」
ほむら「ええ。それと、魔女が出てきたら決して気を抜かないで」
猫「こんな不気味な場所で気を抜く方が難しいと思うが...わかった」
119 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:35:23.59 ID:pGWcKsTa0
まどか「ほむらちゃん、私達を心配してくれたんじゃ...」
マミ「そうかもしれない。でも、万が一のこともあるわ」
マミ「...彼女は信用できない」
まどか「...マミさん、なんだか無理してませんか?」
マミ「え...?」
まどか「あの...マミさんが望むなら、私、いつでも契約しますからね」
マミ「で、でもあなたは願いがまだ無いんじゃ...」
まどか「私、ずっと自分が嫌いだったんです。気が弱くて何にもできない自分が...でも、そんな私を変えることのできるチャンスがあることをマミさんは教えてくれた...だから、そんなステキなマミさんの手助けが出来たら、凄く嬉しいなって...」
マミ「...私なんて、そんな憧れるようなものじゃないわよ。いつも色んなものを怖がって...いまもそう」
マミ「無理矢理カッコつけて強がってるけど、戦った後はいつも震えてた。独りの夜は、ずっと泣いてた。私なんて...」
まどか「でも、いまは一人じゃないですよ」
マミ「...私と一緒に戦ってくれるって言うの?」
まどか「はい!」
マミ「...ありがとう。その気持ちはとっても嬉しいわ。駄目だなぁ、ちゃんと先輩らしくしなきゃいけないのに...」グスッ
マミ「でも、願い事はちゃんと決めなきゃ駄目よ?」
まどか「わかってますよぉ」ティヒ
120 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:36:12.33 ID:pGWcKsTa0
使い魔「」キィキィ
まどか「!」
マミ「気付かれたみたいね...さっさと片付けるわよ!」
マミ(私は一人じゃない...もう、何も怖くない!)
コソリ
猫(...あの嬢ちゃん、浮かれすぎじゃないか?ちょっとマズイかもな)
猫(黒の奴、早く来るといいが...)
121 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:37:58.83 ID:pGWcKsTa0
――――――――――――――――
さやか「そういえば、おじさんはどうしてここにいるの?」
ノーベンバー「それが私にもサッパリでね。ツレの分まで飲み物を買ってたら、妙なシミに気が付いてね。一瞬眩暈がしたと思ったらここに来ていたんだ」
さやか「そういうことってあるの?」
QB「珍しくはないね。僕を見ることができない人間が偶然結界の近くを通りかかって取り込まれたケースもある」
さやか「おじさん、運が悪かったね。でも、もうすぐマミさんが来てくれるから大丈夫だよ」
ノーベンバー「随分とその子を信頼しているんだね」
さやか「スッゲーカッコいいんですよ。美人だし、強いし、スタイルいいし、なにより優しい!魔法少女抜きにしてもあたしメチャクチャ憧れてるんだ」
ノーベンバー「そこまで豪語してくれるなら心強い」
バァン
マミ「無事かしら、美樹さん!」
さやか「噂をすれば...大丈夫!キュゥべえとおじさんもいてくれたから心細くなかったし」
122 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:38:58.70 ID:pGWcKsTa0
マミ「あなたは?」
ノーベンバー「初めまして。ジャック・サイモンです。どうぞよろしく」
マミ「巴マミです。あなたはどうして...」
QB「マミ!魔女が来るよ!」
マミ「!」
ズモモ
シャルロッテ(人形)「」ポテッ
まどか「へっ?」
123 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:41:05.21 ID:pGWcKsTa0
ノーベンバー「あれが魔女か。随分とファンシーだね」
まどか「可愛い...」
さやか「おかしいな、いつもはもっとドロドロしてたりするんだけど...」
QB「あれでも魔女だ。危険なことには変わりないよ」
マミ「せっかく登場したところ悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」
魔女が現れた台座の支柱を蹴り飛ばし、落下させる。
マミは手に持つマスケット銃を振り抜き、魔女を吹き飛ばし壁に叩き付けた。
魔女は動かない。
マミは魔女の頭を撃ちぬき、リボンで縛り上げる。
まどか「わぁ〜!」
さやか「いっけー!」
マミ「ふふっ」クスッ
ノーベンバー「......」キュポッ
上空へと持ち上げられた魔女へと向けて、マミは大砲を向ける。
マミ「喰らいなさい...ティロ・フィナーレ!!」
放たれた弾丸は魔女を貫き、そして
シャルロッテ(本体)「」ズルン
マミ「―――え」
ザクッ
シャルロッテ「!?」
124 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:41:37.60 ID:pGWcKsTa0
魔女の右目に氷の柱が突き刺さる。
マミ「え...?」キョトン
ノーベンバー「道理で無抵抗だと思ったら、なるほど、それがきみの狙いだったわけだ」
まどか「氷...?」
マミ「い、いまのは...」
シャルロッテ「」ギョロン
マミ「っ!」タッ
125 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:42:08.53 ID:pGWcKsTa0
ノーベンバー(よし、彼女が一旦距離を置くことができた。あとは...)
さやか「お...おじさん?いま、なにを」
QB「...彼は『契約者』だ」
さやか「契約者?」
ノーベンバー「詳しい話は後だ。マミちゃん、一旦こっちに来てくれ」
マミ「は、ハイ!」
銃弾で牽制しつつ、マミはまどか達のもとへと向かい、合流。
そのままノーベンバーの指示でリボンで小規模な結界を張った。
魔女は食らいつこうとするが、リボンに阻まれる。
マミ「でも、これじゃあすぐに...!」
ノーベンバー「すまない、もう少しだけ頑張ってくれ」
126 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:43:23.64 ID:pGWcKsTa0
ノーベンバー「見ての通り、魔女は私たち4人を標的と見なしてしまった。しかし、このまま4人で固まっていれば誰かが犠牲になる可能性が高い」
ノーベンバー「そこでだ。私とマミちゃんはこのまま二手に別れ、攪乱しながらあの魔女と戦う。君たちは、どちらかが彼女、残った方が私と共に行動してくれ」
さやか(おじさんが何者かはわからないけど、たぶんマミさんと一緒の方が安全だから...)
さやか「...まどか。あんたはマミさんと行って!あたしはおじさんと戦うから!」
まどか「え?あ、う、うん」
マミ「話は纏まったかしら。私が魔女を撃ったら左右に散って。わたしが右で、ジャックさんは左で!」
ノーベンバー「では、御武運を」
マミ「行くわよ!」
パァン
魔女「〜〜〜!」ジタバタ
マミ「鹿目さん!」
まどか「はいっ!」
ババッ
127 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:43:49.60 ID:pGWcKsTa0
シャルロッテ「」グルン
マミ「最初ははこっち...なら!」
まどかの身体にリボンが絡みつき、エイミーと共に縛り上げられる。
まどか「ひゃっ!」
マミ「これで運びやすくなった。少し乱暴で悪いけれど、我慢してね」
まどか「は、はい」
128 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:45:39.73 ID:pGWcKsTa0
ノーベンバー(最初があっちで助かった。お蔭でちゃんと対価が払える)
ライター「」カチッ
さやか「ねえ、おじさん...さっきの氷はおじさんだよね。どうやってやったの?」
ノーベンバー「この際、なにが出来るかを把握してもらった方が合理的か...私の能力は、水分を凍結させること。それでさっきの氷を作ったんだ。ちなみにその水分は、さっき買ったジュースで」スゥ
さやか(な、なんだかよくわからないけど、これが『契約者』ってやつなんだ...)
ノーベンバー「あの魔女があそこまで無抵抗だったのが非合理的で気になってね。予めジュースで手を濡らしておいたのさ。残念ながらその予感は当たってしまったわけだ」フゥゥ
さやか(スゴイ...あの時はみんな動けなかったのに、一人だけすごく冷静に判断して...)
ノーベンバー「......」スウゥゥ
さやか(煙草を吸う姿もサマになっててカッコイ...)
ノーベンバー「ゲホッ、ェホッ、ヴェホッ!」ゴホゴホッ
さやか「」
ノーベンバー「ォエッ...煙草は嫌いなんだ...」
ノーベンバー「自分の身体はもとより、周りの人間にも被害を及ぼす...百害あって一利なしさ」
さやか「じゃあなんで吸ったの!?」
ノーベンバー「それが対価だからね」
さやか「サマにならない...契約者っていったい...」
129 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:46:17.97 ID:pGWcKsTa0
コソリ
猫(あのMI6の伊達男、なんでこんなところにいるんだ)
猫(これじゃあ、あの嬢ちゃんのサポートができない...どの道、あの怪物相手に俺のサポートなんてたかが知れてるか)
猫(待てよ。これで黒があいつと鉢合わせでもしたら...!)
猫「黒。応答しろ!」
ザザッ ピー
猫「クソッ、やっぱり電波が悪すぎて届かん!」
猫(けど、俺はこうして意識を保てている...わけがわからん。なにが起きてるんだ?)
130 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:47:17.37 ID:pGWcKsTa0
マミ「ハッ!」ドンドンッ
シャルロッテ「」ブルブル
ノーベンバー「そうら、こっちも」ブンッ
シャルロッテ「!」ザクッ
ノーベンバー「まったく...エイプリルがいれば、こうチマチマと攻撃しなくてもいいんだがね」
マミ(いける、このままなら...!)
シャルロッテ「」ズルン
ノーベンバー「!?」
マミ(ジャックさんとも私とも違う方に...!?)
131 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:48:01.97 ID:pGWcKsTa0
シャルロッテ「」ニパァ
猫「へ?」
シャルロッテ「」グパァ
まどか「エイミーがもう一匹!?」
マミ「くっ!」ジャキッ
マミ(間に合わない...!?)
132 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:49:04.30 ID:pGWcKsTa0
サクッ
シャルロッテ「?」
―――バチッ
シャルロッテ「!!!???」
突如、魔女は開口し、悲鳴のようなものを上げながら痙攣し始める。
数秒後、魔女は力なく倒れ地に伏せた。
猫「これはまさか...」
魔女に刺さったナイフと、括りつけられたワイヤー。
猫が恐る恐るとその先を視線で辿ると―――
黒「......」
マミ「あれは...」
さやか「黒い...変質者!?」
133 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/10/28(金) 18:52:03.44 ID:pGWcKsTa0
今回はここまでです。
どうでもいいけど稲妻フラッシュ短歌はゴランには勿体ない神BGMだと思います。
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/28(金) 19:02:18.59 ID:73Duvy5do
乙
黒い変質者ワロタ
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/28(金) 20:23:03.93 ID:LeCg1YtK0
乙
黒の変質者すき
136 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:01:15.43 ID:GquLqT4t0
スタッ
黒「...無事だったか」
猫「間一髪でな。助かった」ヒソヒソ
黒「まだお前が契約者なのはバレていないか」
猫「たぶんな。見つかったのはついさっきだ」ヒソヒソ
黒「なら、そのまま普通の猫のフリをしていろ」グイッ
猫「え、なんで掴んで」
ブンッ
猫「のわああああ!?」
マミ「え?っとと...」キャッチ
マミ「もう。猫ちゃんを助けてくれたのはいいけど、乱暴な人ね」
137 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:02:01.50 ID:GquLqT4t0
ノーベンバー「まさかきみまで関わっているとは思わなかったよ、201BK」
黒「......」
さやか「おじさん知り合いなの?」
ノーベンバー「ちょっとしたね。...聞かせてもらおうか。なぜきみがここにいる」
黒「」チャキ
さやか「ひっ、刃物!?」
ノーベンバー「そんな物騒なモノは仕舞ってくれ。私に交戦の意思はないんだが」
黒「......」
ノーベンバー「ハヴォックのことを根に持っているのか」
黒「...あいつは、もう誰も殺したくないと言っていた。昔とは変わっていた」
ノーベンバー「だが、いずれ彼女は能力を発動してしまう可能性が高かった。善人ぶるつもりはないが、あれが合理的判断だった」
黒「それがどうした。俺がお前を許す理由にはならない。この前はアンバーがいたが、いまは...!」
138 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:02:40.99 ID:GquLqT4t0
ノーベンバー(話し合える雰囲気じゃない、か)
ノーベンバー「さやかちゃん、離れているんだ」
さやか「あの人は敵なの?」
ノーベンバー「残念ながらね。大丈夫、これはわたしたちの問題だ。彼も無関係な人間に危害は加えないさ」
さやか「...でも」
シャルロッテ「」ピクッ
まどか「?」
まどか(いま、魔女が動いたような...)
139 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:03:37.15 ID:GquLqT4t0
シャルロッテ「」ズルン
マミ(脱皮!?マズイ!)
シャルロッテ「」グバァ
ノーベンバー「ッ!」
さやか「えっ」
ノーベンバー(間に合わな...)
パァン
魔女の牙がノーベンバーとさやかへと触れる寸前、マミの放った弾丸が牙に命中しへし折った。
シャルロッテ「〜〜〜〜〜!!」
激痛に悶える魔女の隙を突き、ノーベンバーはさやかを連れて距離をとろうとする。が
ノーベンバー(なにっ!)
運悪く、悶える魔女の頭部が、鞭のようにしなり二人に襲い掛かる。
避けられないと判断したノーベンバーは
ドンッ
さやか「―――ぁっ」
さやかを突き飛ばし、そして。
ゴ ッ
一人、魔女の体当たりで吹き飛ばされた。
140 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:04:49.71 ID:GquLqT4t0
マミ「このッ!」
マミは、魔女が彼らから意識を逸らすよう絶え間なく銃弾を浴びせる。
彼女の狙い通り、魔女はマミ達へと向かっていく。
さやか「お、おじさん!」
ノーベンバー「ゲホッ...」
ノーベンバー(いかんな...眩暈がする...吐き気も...頭と内臓が少しやられているかもしれん)
ノーベンバー(これでは戦おうとしたところで足手まといだな)
さやか「どうして...」
ノーベンバー「なに。どうせ避けられないなら、どちらかが無事な方がいいと合理的に判断したまでさ」ゲホッ
ザッ
黒「......」
さやか「あ、あんた...!」
ノーベンバー「...君の力ならいまの私を殺すのは容易いが...どうする、201BK」
黒「......」
141 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:05:34.65 ID:GquLqT4t0
シャルロッテ「」ブンッ
まどか「ま、マミさん!」
猫(マズイんじゃないのか、嬢ちゃん)
マミ「くっ...!」
マミ(しぶといわね...あとどれだけ撃てば終わるの)
マミ(それに、鹿目さんと猫ちゃんたちを庇いながら戦い続けるのは限界が―――)
カチッ
マミ(しまった!銃のストックが―――)
シャルロッテ「」ニパァ
ヒュッ サクッ
シャルロッテ「?」
バチッ
シャルロッテ「!!」
142 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:06:13.55 ID:GquLqT4t0
シャルロッテ「」ズンッ
マミ「あなた...」
黒「立てるか」
マミ「え、ええ。...あなたは、いったい―――ッ」
シャルロッテ「」ニュルン
マミ「本当にしつこい...!」
黒「だが、再生速度が遅くなっている。直に限界を迎える筈だ」
マミ「...あなた、味方と思っていいのよね」
黒「いまはあの魔女を倒す。それだけだ」
マミ「聞きたいことはたくさんあるけれど...わかったわ」
黒「いくぞ」
143 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:07:26.10 ID:GquLqT4t0
パァン
バチィ
さやか「すごい...マミさんもそうだけど、あの仮面の変質者もちゃんとマミさんの動きについていけてる」
ノーベンバー「流石、といったところかな。...やはり、個人の技量では私より彼らの方が優れているな」
さやか「...ねえ、あの人もさっき言ってた契約者なの?」
ノーベンバー「ああ」
さやか「さっきは聞きそびれたけど、契約者ってなんなの?」
QB「契約者は、対価を支払うことで超常的な能力を引き起こす人間のことだ」
ノーベンバー「きみは契約者のことを知っているんだね」
QB「様々な場所を渡り歩いてきたからね。そういう機会もあるんだよ」
ノーベンバー「なるほど」
144 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:09:59.51 ID:GquLqT4t0
シャルロッテ「......」
マミ「だいぶ息が上がってきたんじゃないかしら...これでトドメよ」
マミ「ティロ・フィナーレ!!」カッ
黒(ティロ・フィナーレ...?)
ズアッ
シャルロッテ「」シュウウウ
モワワァ~ン
マミ「...ふぅ。これで終わりみたいね」
145 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:11:35.76 ID:GquLqT4t0
病院
まどか「も、戻ってこれたぁ〜」ヘナヘナ
マミ「助かったわ。ジャックさんに、黒コートのあなた。お礼をしたいのだけれど...」
黒「必要ない...そのグリーフシードはお前が持って行け」クルッ
マミ「魔女のこともちゃんと知ってるのね。どうやら話してくれそうにもないけれど」
ノーベンバー「おや。私にトドメを刺さなくてもいいのかい?」
黒「...お前の命に拘るつもりはない。今後、俺の邪魔をしないならそれでいい」
ノーベンバー「感謝するよ。現状、戦うことはお互いのためにならないからね」
黒「......」
ヒュッ キュゥッ
まどか「ワイヤーでどこかへ飛んでいっちゃった...」
さやか「あたし達の命の恩人なんだろうけど、なんだったのかねぇあのひと」
まどか(なんだろう。あの人を見てると...)
QB(彼がBK201...なるほど。聞きしに勝る強さだね)
146 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:14:50.04 ID:GquLqT4t0
ノーベンバー(私の命に拘るつもりはないが、怒らずにいられなかったというわけか。相変わらず妙な契約者だ)
ノーベンバー(...彼のことも気になるが、いまは...)
ノーベンバー「...すまないが、マミちゃん...病院の受付まで...運んでくれると...助かる...」
ノーベンバー(いかん、意識が...)バタリ
マミ「ジャックさん!?」
マミ(大丈夫...死んでるわけじゃない。ひとまず、私の魔法で応急処置をして...)
マミ「鹿目さん、美樹さん。受付で担架を借りてきて!」
まどさや「はい!」
まどか(その後、エイミーたちを自然に帰して、ジャックさんが担架で運ばれるのを見届け、わたしたちの濃い一日は終わりました)
まどか(マミさんの本音を聞いたり、手強い魔女に遭遇したり。『契約者』というジャックさんと謎の仮面の人と出会ったり...本当に濃い一日でした)
まどか(あの仮面の人は何者だったのか...よくわかりません。けれど、気のせいでしょうか)
まどか(あの仮面の人の背中を見ていると、ほむらちゃんの姿がよぎるのは)
病院 某所
ほむら「...まだ解けないのかしら」ブラーン
147 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/03(木) 00:15:32.46 ID:GquLqT4t0
今回はここまでです。
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/03(木) 00:53:48.60 ID:lP8HqPD7O
乙
ほむらェ……
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/03(木) 19:10:27.82 ID:X2+/5Uero
ほむらはそこで乾いてしねというマミさんからの暖かいメッセージ
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/04(金) 00:44:22.58 ID:7nMMkteH0
乙
151 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:00:23.07 ID:FUT4sTXP0
――――――――――――――
翌日
公園
猫「昨日は色々と災難だったな。黒とはニアミスするわ、あの黄色の髪の嬢ちゃんからは忘れられるわ...お前を見つけた黄が黒を呼び戻したお蔭で大事はなかったがな」
ほむら「...大したことじゃないわ」
猫「俺も、あの後もしばらくあのエイミーとかいう猫に追われて大変だった...」
黄「銀の奴はどうした」
猫「例の如くあのピンクと遊んでる」
黄「ったく、一丁前に俗世づきやがって...まあいい。今回はあいつは必要ねえからな」
152 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:01:03.63 ID:FUT4sTXP0
黒「それで、話はなんだ」
黄「MI6の伊達男が入院したらしい」
猫「まあ、あの様子じゃ無理もないだろうな」
黒「話はそれだけか」
黄「あ?...まあ、そんだけだ。暁美ほむらの件が終わるまでは新しい指令も無しだとよ。そこまでワルプルギスとかいうのが気になるのかねぇ」
猫「あれだけの装備でも足りないらしいからな。そうだろう?」
ほむら「ええ。あれで勝てれば苦労はないわ」
黄「へっ、どうだかね。...まぁいいさ。俺には関わりの薄い話だ。バケモンの相手はバケモンってな」
黒「...用事が無いなら俺は帰るぞ」スタスタ
黄「んじゃ、俺も少し羽を伸ばすかね」スタスタ
ほむら「......」
153 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:01:33.82 ID:FUT4sTXP0
猫「どうした?」
ほむら「...組織というから、もっと結束は固いと思っていたけれど...」
猫「まぁ、所詮は契約者と人間だ。互いの実力を信頼はしているが、それだけだ。あれでも少し前よりはだいぶよくなったんだぞ」
ほむら「あれで...随分とビジネスライクな考えなのね」
猫「それで、お前はどうするんだ?」
ほむら「別にどうもしないわ。魔女を探してグリーフシードを補充する」
ほむら「できれば巴マミを戦力に引き入れたいけれど...」
猫「そのことなんだがな。お前がそのまま交渉しにいったところで昨日の二の舞になる気がしてならない」
ほむら「...でも、あれ以外に方法を知らないわ」
猫「お前はもう少しコミュニケーションって奴を覚えろ。幸い、いい手本が近くにいるしな」
ほむら「いい手本?」
154 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:03:10.59 ID:FUT4sTXP0
――――――――――――――――――――――――
病院
ディケイド「怪我は大事ないのかね」
ノーベンバー「ええ。まだ存分に身体を動かせる訳ではありませんが」
ディケイド「きみほどの男がここまでされるとはな。一体なにがあったんだ?BK201の星も共に輝いていたらしいが、奴と遭遇したのか」
ノーベンバー「契約者とて人間です。質量を持った巨大な塊をぶつけられればたまったものじゃない」
ディケイド「つまり」
ノーベンバー「車にはねられたんですよ。最近の車は音があまり出なくてね。気が付いた時にはドカン、ですよ」
ディケイド「...まあ、きみがそう言うのならそういうことにしておこう。なにを調べているのかはわからんが、あまり無茶はしてくれるな。きみはMI6の最高のエージェントなんだからな」
ノーベンバー「御心遣い、感謝します」
ガララ
155 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:03:56.19 ID:FUT4sTXP0
ノーベンバー(明らかに不審な報告でも追及せずにそのまま流した。まるで、お前もこの事を口外するなとでも言うかのように。まさか、彼は魔女のことを知っている?いや、だとすれば私が魔女の結界に巻き込まれたという情報はどこで手に入れた?)
ノーベンバー(それに、私はここに入院したことを彼に伝えていない。エイプリルが連絡を入れた可能性もあるが...)
ガララ
エイプリル「ヤッホー」
ジュライ「......」
ノーベンバー「君たちか。ちょうどいい。君たちはディケイドに私が入院していることを伝えたか?」
エイプリル「してないわよ。相方がこんなヘマした姿を見られたら私の評価も下がりそうだし」
ジュライ「」フルフル
ノーベンバー「なるほど」
エイプリル「えっ、もしかしてあの人来ちゃったの?」
ノーベンバー「いいや。私も上司にこんな姿を見られたくはないと思ってね」
ノーベンバー(と、なると、一体誰が彼に...?)
156 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:05:04.19 ID:FUT4sTXP0
コンコン
「失礼します」ガララ
エイプリル「ドモー」
ノーベンバー「いらっしゃい、ミサキ」
未咲「......」
ノーベンバー「どうしました?」
未咲「いえ。本当に入院しているとは思わなくて。急にあなたから電話がかかってきた時は、半ば冗談かと思っていました」
ノーベンバー「流石にそこまで意地の悪いことはしませんよ。それで、例のものは」
未咲「ああ、ハイ。まずは見舞いの品と...」
エイプリル「おっ、リンゴ?ありがとね〜」
未咲「それと、頼まれていたDVD」
エイプリル「えっと...『ハリー・ポッ○ー』『魔法少女リリカルな○は』『C.○さくら』...また妙なものも借りてきたわね」
未咲「失礼ですが、なにに使用するつもりで?」
ノーベンバー「ジュライが見たがっていましてね。ここで私の看病をつきっきりでさせるだけでは申し訳ないと思い、頼みました」
未咲「そうなの?」
ジュライ「......」
ジュライ「」コクリ
157 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:05:47.91 ID:FUT4sTXP0
エイプリル「これは珍しいものを見たわ。ドールが娯楽を愉しむなんてね」ケラケラ
未咲「...まあ、なんにせよ、大事が無くて幸いです。期限は一週間なのでそれまでには返却しておいてください。店舗はここです」ピラッ
ノーベンバー「ありがとうございます」
未咲「では私はこれで」
エイプリル「あら、もう帰っちゃうの?」
未咲「仕事がありますので」
ノーベンバー「その前に一つだけ」
未咲「?」
ノーベンバー「貴女に頼んだこの三作品、共通点はなんだと思いますか?」
未咲「共通点...?」
ノーベンバー「正解は『魔法』。こんなモノが実在したら、素敵なことだとは思いませんか?」
未咲「...?」
ノーベンバー「...失敬。冗談のつもりでしたが、今回ばかりは通じなかったようだ」
未咲「はぁ...まあ、お大事に」
パタン
158 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:06:44.95 ID:FUT4sTXP0
ノーベンバー「...さて。では、早速見るとするかな」
ジュライ「」コクリ
エイプリル「あたしはパス。映画とかあんまり興味ないし」
ノーベンバー「それは残念。...ところで、きみは『魔法』というものは実在すると思うかい?」
エイプリル「さぁねえ。少なくとも、誰も見たことがないんなら無いんじゃないの?」
ノーベンバー「合理的な答えだな。私もそう思う」
エイプリル「んじゃ、あたしは適当に店行って呑んでくるわ。なんか用があったら連絡ヨロシク」
ガララ
159 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:07:37.79 ID:FUT4sTXP0
ノーベンバー「ジュライ、きみはどうする?」
ジュライ「...ノーベンバー、嘘ついた」
ノーベンバー「私の意を汲んでくれたのは助かったよ。...怒っているのかい?」
ジュライ「違う。ノーベンバーが嘘をついてまで見たかったモノが気になった」
ノーベンバー「そうだな...きみには協力を頼んだ方が合理的か」
ノーベンバー「ひとつだけ約束してくれ。この件は私たち二人だけの秘密、つまりは誰にも話さないことを」
ジュライ「」コクリ
160 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:08:14.56 ID:FUT4sTXP0
――――――――――――――――――
昼
ホウムラン軒(ラーメン屋)
王泰明(店主)「いらっしゃい...おっ、きみか」
黒「お邪魔します」
泰明「今日もイイ喰いっぷりを見せてくれよ!」
黒「そんな期待するようなものじゃ...」
161 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:09:23.86 ID:FUT4sTXP0
ガララ
泰明「いらっしゃい」
未咲(たまにはこういうのも...って)
黒「あれ?霧原さん?」
未咲「李くん?こんなところで会うなんて奇遇ね」
黒「霧原さんもお昼ですか?」
未咲「ええ。ちょっと知人のお見舞いに行ったついでに腹ごしらえをしたくて」
黒「あのホテルのパーティで一緒になった人ですか?たしか斎藤さん...」
未咲「彼じゃないわ。仕事相手よ。誰かまでは教えられないけど」
黒「そうなんですか。...すぐに良くなるといいですね」
未咲「そんな大層な怪我じゃないらしいから大丈夫よ。...隣、いいかしら?」
黒「どうぞ」
162 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:09:49.01 ID:FUT4sTXP0
ズルズル
未咲「李くんはよくここに来るの?」
黒「ええ。お昼のメニューに困ったら大体ここに来ます」
泰明「それで毎回丼ぶりの山を作ってくんだよねぇ」
黒「それほどでもないですよ」ズルズル
泰明「言ってる側から何杯目なんだか。李くんの食いっぷりは一つの名物みたいなもんだよ」
泰明「ウチとしてもこんなに美味そうに食ってくれるのはありがたいしね」ハハッ
163 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:11:01.09 ID:FUT4sTXP0
コソコソ
ほむら「......」
猫「信じられない、ってツラだな」
ほむら「だって、あの愛想のない仏頂面で、目付きが悪い男があんなにも物腰が柔らかくなるなんて...」
猫「そのままお前に当てはまることだな」
ほむら「まるで二重人格じゃない」
猫「そうだな。どっちがあいつの本性かはわからないが」
猫「とにかく、俺が言いたいのは、あそこまでとは言わないが、人あたりはよくできるようにしとけってことだ」
王理花(店主の娘)「あっ、フェルナンデス!」
ほむら「えっ」
猫「みゃぁ」
ほむら「ふ、ふぇるな...?」
理花「相変わらず可愛いんだから。お腹空いたの?ちょっと待っててね、すぐにキャットフード持ってくるから」
猫「ふにゃぁ」
ほむら(こいつも黒に劣らず大概ね)
164 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:11:34.59 ID:FUT4sTXP0
黒(暁美ほむら...?こんなところでなにを)
未咲「どうしたの?」
黒「いえ、あのフェルナンデスって野良猫、この辺りでよく見るなと思って」
泰明「理花がよく面倒見るから懐いちまってんだろうねぇ。理花、猫の餌はこっちの仕事が片付いてからにしてくれ!」
理花「はーい」
黒「すいません。ちょっと外の空気を吸ってきます」
泰明「そのまま食い逃げとかは止めてくれよ?」ハハッ
黒「そんなことしませんよ」
165 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:12:01.94 ID:FUT4sTXP0
ガララ
黒「なんの用だ」
ほむら「...別に。なにもないわ」
猫「こいつにコミュニケーションの手本を見せに来ただけだ」
ほむら「ちょっと...」
猫「そうやってすぐに顔を曇らせるのも悪い癖だな。...で、どうだ。基礎くらいは教えてやってくれないか」
黒「......」
黒「笑顔くらいは作れるようにしておけ。話はそれからだ」
猫「だとさ」
ほむら(笑顔...)
ほむら(...無理よ。例え嘘でも、もう笑うことなんて...)
166 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:13:15.51 ID:FUT4sTXP0
ガララ
未咲「ごちそう様でした」
泰明「毎度ありー」
黒「あれ、もう帰るんですか?」
未咲「普通はラーメンは一杯食べれば充分なのよ。...あれ?」
ほむら「......」
未咲「この子は知り合い?」
ほむら「...え、えっと」
黒「道を尋ねられたんです。この子、最近転校してきたみたいで」
黒(俺に話を合わせろ)コソッ
ほむら「は、はい。その、まだ退院したばかりで土地勘が鈍くて」
未咲「どこか行きたいところがあるの?」
ほむら「え?えっと...」
黒「病院です。いつでも通えるように道を覚えておきたいらしいです」
未咲「そうなんだ。よかったら一緒に行こうか?私も用事があるの」
ほむら「だ、大丈夫です。散歩も兼ねてますから」
未咲「そ。早く慣れるといいわね。それじゃあね」
黒「はい。さようなら」
167 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:14:00.03 ID:FUT4sTXP0
ほむら「...彼女は?」
黒「外事四課だ。警察の組織で、契約者絡みの事件専門の人間だ」
ほむら「それって、あなたの敵じゃ」
黒「どちらかといえばな」
ほむら「じゃあ、なんであんなに仲良くしているの?」
黒「イチイチ目くじらを立てて対立する意味もない」
猫(よく言うぜ。アンバーの時といい、昨日といい、完全に頭に血が上っていた癖に)
黒「お前にどんな事情があるかは知らないが、わざわざ敵を増やす意味はない。まずは相手の信頼を得るために立ち回れ」
ほむら「......」
168 :
◆do4ng07cO.
[saga]:2016/11/09(水) 01:14:27.36 ID:FUT4sTXP0
今回はここまでです
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/09(水) 01:28:10.71 ID:S8Rmu2Ir0
乙です
時系列的にはアンバーと会った後で、ケンジとはまだ会っていない頃かな?
142.29 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)