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【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/05/14(木) 03:32:15.83 ID:XQmos0se0
大法官「オーンスタイン殿!血迷われたか!」
銀騎士の一柱「だ、大法官様!」
ズシャアァーーッ!!
銀騎士たちが大法官の声に振り向き、その姿に一縷の救いを見出した時、竜狩りの槍は横薙ぎにひらめいた。
同時に胴を両断された銀騎士たちは、その身を宙に舞わせながら雷に焼かれ、鎧のみを散らばらせて消えた。
逃げる力も無く大広間に取り残され、壁際に身を縮める幾多の神々のうちの一柱が、恐怖に顔を歪ませ悲鳴を上げる。
ズカッ!
オーンスタインがその口に槍先を突き込み、壁に縫い止めると、悲鳴は止まった。
短刀さえも握らぬ卑小な女神の一柱であったが、槍を握るオーンスタインの手に躊躇はなかった。
神々の一柱「なぜです!我らが何をしたのですか!?なぜかような目に遭わせるのです!?」
恐れ慄く神々の群れからまたも声が響く。
うずくまる者、壁に張り付く者は居れど、かの者たちは一柱とて、同胞を庇いはしない。
オーンスタイン「何故…何故だと?」
オーンスタイン「自らのさまを見て、あくまで知らぬと宣うつもりか?」
オーンスタイン「己らが何を行い、何を捨て、何処へ堕ちたかも分からぬのか!!」バッ!
大法官「オーンスタイン殿!矛を下げよ!すでに死は多くもたらされた!」
己の罪禍を意識せぬ神々に、オーンスタインは激昂して槍を振り上げたが、槍の前に大法官は立った。
大法官「あくまで天罰を下すというのなら、まず初めに我が胸に槍を突き立てるのが道理のはず!」
ドウッ!!
大法官「グッ!」ドサーッ
しかし大法官に対して振るわれたのは、槍ではなく拳であった。
罪禍を知る者には償いの機会が与えられるべきという考えがあっての事か、それとも怒りに満ち、正気など喪われているのか。
竜狩りの心のあり様などいくらでも想像がつく大法官にとって、かの戦神が正気か否かを測るなどは、些細なことだった。
いずれにせよ、忠義者の仮面が竜狩りを欺き果せたという事実さえあれば、それで良かったのだ。
狸寝入りに転がる大法官の、いや、クリスタルボウイの心はオーンスタインへの嘲笑に満ちていた。
そしてその冒涜ともいえる嘲笑を、コブラは知ってしまった。
オーンスタインが仕える、暗月の御子グウィンドリンの心を通して。
オーンスタイン「我が身は追放を受けたが、我が心は民に、使命に…太陽と月の御心と共にあった…」
オーンスタイン「我が心はアノール・ロンドを喪わなかった…」
オーンスタイン「だが貴様らはアノール・ロンドにいながら、棄てた!」
オーンスタイン「アノール・ロンドを棄てたのだぞ!!貴様らが!貴様らのような下衆どもが!神代の犠牲に足る神都の主神か!!」
神々の一柱「ひ、ひいぃ!」
オーンスタイン「ならば漂うソウルとなって…!!」カッ!
バリバリバリッ!!
上段に構えた竜狩りの槍に、あらん限りの雷をみなぎらせ…
オーンスタイン「アノール・ロンドに残るがいいーッ!!」
己の心身の無念を全て吐き散らすかのように、石床目掛けて槍を叩きつけた。
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