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【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/25(土) 21:51:09.15 ID:JH2xK5bP0
ビアトリス「………」ハァハァ…
ジークマイヤー「貴公、脚を…!」
ビアトリス「これぐらい平気さ…エストを飲めばなんとかなるよ…」
ビアトリスは息も絶え絶えに強がって見せたが、それは嘘だとジークマイヤーでさえ気付くことが出来た。
彼女がエストを飲むと切り飛ばされた足先は灰となり、再び彼女の右足首に纏わりついて形を成したが、接合は不完全であり、傷口からはすぐさま血が滲み始めた。
辛うじて立ち上がる事は出来る。しかし回避だけでなく、ビアトリスは回復という選択肢をも失った。
ビアトリス「貴公はあの像をとにかく斬りつけろ…私はここから魔法を放ち続ける…」
ビアトリス「…他に手は無い。行け」
ジークマイヤー「しかし…」
レディ「ヤケを起こすのは早いんじゃなくって?」ササッ
そんな覚悟を決めかけた彼女をレディは小脇に抱えて、ジークマイヤーの前に立った。
レディのそばに、負傷したであろうコブラの姿は無い。
レディ「なっ、おい、離せ!足手まといはごめんだぞ!」
レディ「わがまま言わないの。しょうがないでしょ?」
ジークマイヤー「き…貴公、コブラはどうしたのだ!?」
レディ「コブラ? ああ、彼ならあそこにいるわ」
レディの視線を二人の不死は追い、そしてアイアンゴーレムのすぐ足元に眼にした。
脇腹を抑えながらも、しかし力強さを感じさせるその立ち姿を。
特大剣を握る右手には力が溢れ、剣の切っ先は石畳から離れていた。
ジークマイヤー「む、まさか…!」
レディ「ビアトリス、私が貴女の脚になるわ。彼を支援するのよ」
ビアトリス「そういう事か。分かった」
グン!!!
眼前の侵入者を叩き潰すべく巨像が斧を振り上げる。上体を反り返すその渾身の一撃を、コブラは待っていた。
必殺の間合いに獲物が寄れば、間合いを持つものは必ず必殺を狙う。
そんな悪党どもの足元を文字通り掬うのだ。
ブーン!!!
巨大な鉄塊は…
コブラ「………」ササーッ!
地を滑る蛇の頭上を抜け…
ゴオッ!!
蛇の大牙は…
ガァーーン!!
巨像の足首を捉え、股の間を抜けた。
手応えはあった。だがあり過ぎた。
コブラ(腕にジーンとくるぜ。戦艦ぶっ叩いたみたいだ…)
黒騎士から奪いし特大剣の威力は、しかし鉄の像に全て受け切られた。
巨像は股下を潜った小虫を踏みにじるため、今度は脚を上げ、降ろした。
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