響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種2章 後編2】

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1 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/04(日) 23:07:39.59 ID:FhTeKv930


みんな、きっと揺れてるんだ



失うくらいなら、今のままでいい

でももし、自分も受け入れられたなら……って

みんな思ったはずなんだ


…ただ「もし拒絶されたら」

誰よりも手を差し伸べて欲しい人間を、自分の手で失ってしまうかもしれない



誰かが言ってたっけ……

…『人間関係は化学反応』



一度作用しあったら―――


―――もう元には戻れない


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472998059
2 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/04(日) 23:11:48.78 ID:FhTeKv930

お待たせしました。偶像喰種第二章後編です。たぶんこのスレで第二章終われる……と思います。

前回と同じく一部原作主要キャラの登場、
およびアイマスキャラ何名かの死亡シーンがありますので、それらの要素が苦手な方はご注意ください。


神戸一日目だけ現地で行ってきました。ライブの何たるかを肌で感じられてよかった。
初めてのライブ観戦でした。行ってよかったほんとに。
3 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:13:57.32 ID:M5js4RuC0

一応前スレです

【アイマス】響「教えて、教えてよ。自分の中に誰がいるの?」【東京喰種】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430488825/

響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種2章 前編】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439088444/

響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種2章 中編】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463570084/
4 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:14:26.89 ID:M5js4RuC0

〜"ELLIE"駆逐翌朝〜

〜日高家〜


コンコン


ガチャ


舞「やっほー愛ー。落ち着いた?」

愛「……」モゾ

舞「…何あんた。もしかして一睡もしてない?」

愛「……」コクリ

舞「っはあー…………」


舞(ひっどい隈。こりゃ相当引きずってるわね)

舞(…まー、今回ばっかりは無理もないかー)



舞(友達が死んじゃったんだもの)


舞(―――"喰種"とはいえ、ね)

5 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:15:20.75 ID:M5js4RuC0

舞(どうしたもんかしらねー……)ウーム


愛「……ママ」

舞「!」

舞「あら。どしたの愛?」


愛「……ママって、グール捜査官だったんだよね」

舞「あー……」

舞「…そうよ? 13歳で捜査官デビューして3年経たずに特等。ブイブイ言わせてたわよ」


愛「……ママも……」



愛「ママもあんな風に、"喰種"のヒトたちを殺したの?」


6 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:15:55.18 ID:M5js4RuC0

舞「そうよー」


舞「もうズッバズッバ首叩っ斬りまくったわ。それが仕事だもの」

舞「……ママのこと、嫌いになっちゃった?」


愛「……わかんない」

愛「ママはずっとあたしの自慢だったもん」

愛「ママは強くて、みんなを守る正義の味方で……あたし、そんなママが大好きだった」


愛「ママの娘に生まれて良かったって思ってたもん」
7 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:16:26.12 ID:M5js4RuC0

舞「そっか。『思ってた』、ね」

愛「……でも……」


愛「絵理さんが"喰種"だって知って……わかんなくなっちゃった」

愛「あたし、絵理さんのことも大好きだった」

愛「信じられなかった。絵理さんが"喰種"だなんて」


愛「……ねえママ」


愛「絵理さんは悪い人だって、あたし信じられないよ」

8 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:17:31.61 ID:M5js4RuC0

舞「……ふー」

舞「あのね、愛。言う必要ないかーって思ってたから言わなかったけど」



舞「"喰種"にも良い奴はたくさんいるわよ?」

舞「ほとんど会話はしなかったし、そう言うの関係なくぶっ殺してたから、あくまで推測だけどね」


愛「……えっ?」



舞「家族連れで仲良くしてる"喰種"も殺した」

舞「親を目の前で殺されて泣いてる子供の"喰種"も殺した」

舞「……もしかしたら、絵理ちゃんみたいな"喰種"も殺してたかもね」


舞「そういうの、全部しらんぷりしてマシーンみたいに命を奪ってた」


愛「……ええ……?」ヒクッ
9 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:19:30.00 ID:M5js4RuC0

舞「あー、懐かしい」


舞「あんたが生まれてからはずっと退屈しないけど」

舞「あたしは生まれてからずっとデキる子だったから、人生がすっごくつまんなかったのよ」

舞「唯一楽しかったのが"喰種"と命のやり取り……要するに殺し合いしてるときでね」

舞「ま、大抵の"喰種"は雑魚だったから無双しちゃってつまんなかったけど」

舞「SSレートくらいの"喰種"の生首掲げて『イエーイ!』ってハイになったこともあったかな」

舞「…まあ、『今殺し合いしてる"喰種"だけがあたしの友達なのかも』って思うくらい狂った生き方してたわねー」



愛「……」ドンビキ

舞「もう、何ドン引きしてんのよ愛ー」

愛「…今、ママがすごく恐ろしいモノに見えてるんだよ……」

舞「はいはい。でも本当なのよー、悲しいけどコレ事実なのよねー」
10 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:20:12.33 ID:M5js4RuC0

舞「色々思い出すわねー。あ、そう言えば」


舞「あたしが戦ったやつで1人だけ殺せなかった"喰種"がいたわ」

舞「そいつは初めてのSSSレート。なかなか手強くて、あたしでも苦戦したわ」

舞「とりあえず懐潜り込んで両腕ぶった切ったのは良いけど、逃げられちゃってねー」

愛「へー」

舞「また会えるかなー殺し合い出来るかなーって久々の強敵にワクワクしてたら」



舞「そいつTVでアイドルやってた」



愛「へー」

愛「……」


愛「……ええっ!?」
11 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:21:43.63 ID:M5js4RuC0

愛「テレビに出てた…!? ……えっ!? "喰種"が!?」

愛「って言うかママわかるの!?」


舞「そいつ口元にホクロがあってね。懐潜り込んだ時にチラッと見えたのよ」

舞「それがテレビに映ってる女の子にあったんだもの。『あ、アイツか』って直感で分かっちゃったのよね」

愛「ま、ママならあり得る……」

舞「あたしだもの、わかるわよ」

愛「…言わなかったの?」

舞「まーね。これはあたししか気付いてないし、結局あんた以外の誰にも言ってない。バレたら死刑モノだから誰にも言っちゃダメよ?」


舞「…んで、すぐさま殺しに行こうと思ったんだけど」

舞「見たらそいつ、すごく良い顔で歌っててねー。なーんか、殺る気削がれちゃった」

舞「だから、そいつだけはしばらく見逃してて、あたしだけが気付いた正体も誰にも言わなくて……」

舞「……」
12 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:22:26.15 ID:M5js4RuC0

舞「……ね、愛」

舞「ちょっと聞いてみたくない? そのアイドルやってた"喰種"の話」

愛「……ママ?」

舞「きっと今のあんたのためになる話だから。絵理ちゃんと重なるところも、結構あるわよ?」

舞「……どう?」


愛「……聞きたい。教えて、ママ」

舞「ナイス即答! 良いわよ、教えてあげる」



舞「……そうね。何から話したものか……」

舞「まずは名前かしら。テレビに出てた時名前出てたから、こっちで言ってもいいんだけど……」

舞「"喰種"として語るなら、CCGでつけたニックネーム使った方がそれっぽいわね」


舞「突然現れて暴れだしたSSSレート喰種。ちっこい身体とキレイな羽赫から、あたし達CCGはアイツをこう呼んでた」



舞「―――『リトルバード』」



――――――――――――――――――――
13 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/05(月) 23:27:11.53 ID:M5js4RuC0

今日はここまで。次からは響サイドに戻ります。

捜査官時代の舞さんのキャラは有馬と什造を足して二で割ったようなのをイメージしてます。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/05(月) 23:46:22.72 ID:b2d49dvGo
リトルバード…いったい誰無小鳥さんなんだ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 04:23:10.49 ID:+NlCsrmy0
なんでぴよがアイドルを?
あと346の某19歳の弟くんが346に押しかけて「よぉ、ク○姉貴」とか言いそう(絢都感)
16 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/11(日) 22:52:49.15 ID:ZkwtXhym0

――――――――――――――――――――


喰わせろ


喰わせろおお


血を

もっと血を!!



熱いよ

痛いよ

1人だけ助かるなんてずるい


助けて





喰べないで





響「―――あッ!!?」ガバッ
17 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/11(日) 22:53:16.28 ID:ZkwtXhym0

いぬ美「クーン」ペロペロ

響「あ、いぬ美……」

響「ハム蔵に、みんなも……」


響「大丈夫だぞ、ちょっと嫌な夢見てただけだから」ムクリ


響「みんなのご飯用意するから待ってて……!」


パタパタパタ……



――――――――――――――――――――


響「いぬ美の分がこれで、ワニ子の分はこれだな」サッサッ

響「……」


響(――そう言えば)

響(――『この身体』になって以来、料理してないな)

響(――みんなのご飯も、市販のものばっかりだし……)


響(――やっぱり、ちゃんと作ってあげた方がいいか……?)

響(――でも美味しく作れたか、自分じゃわかんないし……)


響(……)



響(――ハム蔵)

響(――いぬ美)

響(――ねこ吉、ウサ江、シマ男、ワニ子、へび香、モモ次郎、オウ助、ブタ太……)





響(――命の価値、か……)


――――――――――――――――――――
18 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2016/09/11(日) 22:53:42.41 ID:ZkwtXhym0

〜レストラン事件翌日・765プロ事務所〜


高木「……そんなことが」

響「うん……」



高木「例の壊滅したレストラン……私や音無君も、話こそ耳にするが詳しいことは私にもわからない」

高木「"喰種"の闇の部分に深く落ち込んだ人々がそれを知ると聞く」

高木「あるいは、『マダム』と呼ばれる金持ちの喰種達が仕切る一種の裏社会とも」

高木「…レストランは壊滅こそしたが、他にも似たような『娯楽』はあるようだね」


高木「…『桜井夢子』ちゃん、だったかな? 私も音無君から聞いていた」

高木「どうやら、新人のアイドルに取り入ってはレストランの『食事』にする手法をほぼ日常的に行っていた"喰種"らしいね」

高木「マダムの1人と繋がりがあって、食材の調達と引き換えに何か恩恵を受けていたようだ」

高木「それが彼女の生き方なんだろう。……調べるのが遅れて済まなかった」

響「…そっか」


響「いいぞ、別に……」

響「勝手に信用した自分が悪いんだ……」
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