ハルヒ「何であんたが幼馴染みなのよ!」キョン「こっちだってお断りだ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 15:25:42.99 ID:kJZHpsA0O

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間に興味ありません」


……またやりやがったよ

あのバカが

東中出身兼我が人生最大の汚点である幼馴染みであるところの彼女、涼宮ハルヒは笑顔でクラス中に氷結魔法を唱えやがった

「……ふん」

ハルヒのやつは一通り周りを見渡し、何事もないように席に座る

毎度の事ながらあいつの度胸には恐れ入る


さて、先にいっておこう

これから先の話は平凡であったはずの俺とハルヒの物語だ

そして、その終末はやっぱり平凡なものである


その結末までの話を少しだけしようじゃないか


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1471328742
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 15:46:56.34 ID:VU8XTv71O
おしまい
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 15:51:56.08 ID:izas9k0AO
最初だけ思いついたやつか?
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 15:55:43.54 ID:LmQn5ARR0
書かないと落ちるぞ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 16:10:34.25 ID:PnxtBskwO

何だかんだで三週間後

俺はと言えばすっかりクラスに馴染んでいた

そんな俺の昼休みの事だ

「なぁ、キョンよ。お前はどうして涼宮と仲良くやれてるんだよ」

「あ、それは私も気になるなぁ」

「何だ。藪から棒に……朝倉まで」

先に言っておくが別に仲良くやっているわけではないぞ

とくに谷口が疑っているであろう関係では断じてない

ありえないのだ

今日だって絶賛喧嘩中である

「んー。でも喧嘩してもキョンから離れたりもしないよね。逆も同じだし」

「だよなー?やっぱ怪しいぜこいつら。涼宮なんてもう学校始まって一ヶ月近くなのにキョン以外まともに話さないしよー」

「や、やっぱりそう言うことなの?」

「人をまるで何かの犯人扱いするのはやめろ……あいつとは何もない。ただの腐れ縁だ」

先にも言ったように、俺とあいつの関係はただの幼馴染みだ

たまたま家が隣でたまたま年が一緒だったからよく遊んだ

それだけの偶然の関係性なのだ

「ちょっとキョン。来なさい」

「何だ。俺は見ての通り食事中な訳だが」

「うっさいわね。あんたの食事なんてパンの耳だけで充分よ」

「弁当作ってくれてるお前が言うなよ……」

「弁当!?」

「うるさいよ谷口」

「え?キョンくんと涼宮さんってもしかして一緒に?え?」

「朝倉さんは動揺しすぎだよ……大丈夫だよ」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 16:31:33.28 ID:me3PSWVqo
久々に良SSの予感
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:21:02.47 ID:4L71BAQ+O

「私が作ったんだから食べるタイミングも私が決めてもいいじゃない」

「何だその無茶苦茶な理論は。いいかハルヒ。人間食事は落ち着いて味わって食うものなんだぞ」

「取り上げられたくなかったら大人しく付いてきなさい」

「断るといったら?」

「あんた明日からのり弁よ。文字通りのね」

「……用件を聞こうか」

こらそこ。情けないとか言うな

こいつの飯はうまいのだ

取り上げられるのは困る

そのうえお袋はハルヒが弁当を作ってくれるので食費をハルヒに渡している

つまり強制的に俺は明日から昼飯抜きにされそうになってるのだ

いや、抜きではないか

しかし海苔だけは流石に寂しい

「付いてきなさい」

「わかったよ。飯のためだ」



「……なぁ国木田」

「なに?」

「やっぱあいつらって付き合ってるよな?」

「んー。僕の知る限りではそうじゃないけど」

「はぁー!キョンのやつ爆発しねーかなあ」

「そんな事言ってる間は無理じゃないかなぁ」

「はぁ……」

「……僕の知り限りでは本当にそういう事はないと思うよ。朝倉さん」

「べ、別にキョンくんと涼宮さんが仲良くても私には関係なのよ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:21:53.87 ID:4L71BAQ+O
>>7
ミス
関係なのよ→関係ない
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 17:22:29.62 ID:lDpjcRn40
古泉とは初対面ではなさそうな気がするよ……
あとジョンとかなくなってそう
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:29:57.84 ID:BSrVaumYO

「んで、どうしたわけ」

屋上前の階段廊下まで連れてこられた辺りでハルヒは動きを止める


「……ん」

「……何だこれ」

こっちを向いたと思ったハルヒは唐突に俺に拳を突きつけてくる

その手にはお弁当包みがぶら下がっている

「……?」

「……ん!」

困惑しているとまたつきだしてくる

いや、受けとれと言うことはわかるのだが……

「今日の分はもう貰っているはずだが……?」

「うっさいわね!ちょっとたまたま新作作ってたらおかず余ったのよ!黙って受けとれ!」

「お、おう」

「はやく開けなさいよ」

「……ここでか?」

「そうよ」

「……」

ハルヒがジトッとした目で見るのでとりあえず階段に腰かけて広げる

中は惣菜でギッシリだった

から揚げやハンバーグ、ポテトサラダやらと主に俺の好きなものが多いのは気のせいだろうか

「……いや、しかしお前これわざわざ朝に?」

恐らく手作りであるだろうそれに思わず口にでる

普通に朝受け取った弁当だって何時も通りの出来映えだったのだ

そもそもハルヒが弁当に作る量を間違えるわけがあるはずもない

こいつは親がいない時には晩飯を作り来てくれたりもするのだ

わざわざ新作だなどと言ってこんなことをするわけは何故だ?
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:36:06.14 ID:BSrVaumYO

「……その……悪かったわよ」

……一瞬思考が停止した

だってそうだろ?

長く付き合っている俺ですら数えるほどしか聞いていない言葉をハルヒは口にしたのだ

固まらないわけがない

思わずハルヒを凝視してしまう

「な、何でもない!いい!残したら罰金だかんね!」

「あ!おい!ハルヒ!」

走り出すハルヒを急いで呼び止める

こちらを振りかえりこそしないがハルヒは止まってくれた

「……ありがとよ」

その時のハルヒの顔は非常に残念ながら見れなかった

最後にあいつはこちらを振り返ると人差し指を目の下に向け、舌を出してきた

いわゆる、あっかんべー

それがアイツからの返事だった


……さて、どうしてハルヒがわざわざ弁当増量してまで謝るための口実を作った理由はなんだっただろうか


……確か妹のプリンを俺のだと勘違いして食ってしまったハルヒ

そのハルヒが俺にプリンを買いにパシらせたのだ

当然俺は反発したわけだが何だかんだで買いに行ったのは俺になってしまったのだ……


買いにいかされた俺は帰ってきてから何となくハルヒに小言を言ったのだ

ハルヒはハルヒで反発して結局口論になり今日になってしまった

……という割りとどうでもいい理由だったりしたはずだが


昔のハルヒならこの程度で謝ったりはしなかったはずだ

……少しは成長しているってことか


「いただきます」


丁寧に両手を合わせてから新しく渡された弁当をつつく


「……うまい」


……仕方ないので今日はハルヒの分のプリンも買ってきてやろう
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:58:28.97 ID:BSrVaumYO

「おーいキョン!今日ゲーセンいかね?」

放課後になった途端谷口が絡んでくる

別にゲーセンに行くぐらいはやぶさかでもないのだが……

「あいにくと持ち合わせがないんでな」

「かーっ!しけてんなぁキョン。そんなんじゃデートとかで困るぞ。金無しの甲斐性無しと思われちまうぜ」

ほっとけ

そもそもそういったときのために金を無駄遣いしないようにしているのだ

「あ、ごめんなさい。ちょっとドア開けてくれるかしら?」

……とそこに両手にプリントをごっそりと持っている朝倉が声をかけてくる

「あぁ、すまんな……」

扉をあけて一歩退く

「ありがとう」

「そうだ。キョン」

思い付いたように国木田が俺に告げてくる

「朝倉さんのプリント半分もってあげなよ。谷口は僕か引き取るからさ」

「え!?い、いいよ国木田くん。大丈夫だから」

「そう言わないでさ。ねぇ?キョン」

「あ、ああ。それは構わないが……」

国木田にしてはずいぶんと強引な気もするが別にプリントをもつぐらいは構わないさ

それで谷口から解放されるなら問題もないだろう
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/16(火) 17:59:38.63 ID:BSrVaumYO

「……ふふっ」

「どうした、急に笑いだして」

「ううん。入学してすぐの頃もこんなことあったなぁって」

「ああ、お前が委員長させられた時の事か」

「嫌なこと言うなぁキョン君は」

朝倉は別に自分から委員長をやった訳ではないのだ

ただ周囲の期待の視線とかに耐えられなくてなってしまった

よくある話だ

「……まぁ最初は私も嫌だったけど今は別にそこまで苦じゃなくなったよ?」

「……そうか?俺なら放課後まで拘束されたりしたら面倒で放りだしそうだ」

「ふふふ。口ばっかり」

「?」

「キョン君は口でそんな事言っても何だかんだでやり遂げる人だよね」

「おいおい。随分と高く買ってくれてるな」

「そうかしら?……だからこそ涼宮さんはキョン君と一緒にいるんだと思うけど」

「……あいつとはただの腐れ縁だよ」

「ふぅーん」

「なんだ」

朝倉が上半身を傾け俺の顔を下から上目遣いで見てくる

正直可愛いから反則だ

目のやり場に困るので顔を反らしてしまう

「ふふ。じゃあさ、キョン君」

「お、おう

「私と腐れ縁じゃない縁を結んでみる?」

「は、はい?」

なんだそれ

腐ってない縁ってなんだ?

そもそも俺と朝倉の縁はなんだ?

朝倉は委員長であって友達である

だが友達である朝倉がわざわざこんなことを言ってくるのは何故だ?

そもそもこれはどういった意図の発言なんだ

「あははは。キョン君凄い顔になってるよ」

「お前が変なことを言うからだろ」

「ごめんなさい。けど、あながち冗談でもないかもよ?」

「……え?」

「キョン君にその気があればだけどね」

「それじゃ私はプリント先生に届けてくるから。ありがとうキョン君。持ってくれて」

たたっとリズミカルに動き出す朝倉を俺は止めることはできなかった

俺の頭の中がさっきの朝倉の言葉を木霊していたからだ

……そりゃ反則だぜ朝倉

イエローカード二枚で退場レベルだ

こういう思わせ振りな言葉一つで揺れるんだから男ってのは単純なもんだ

「……帰るか」
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