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【このすば】カズマ「この素晴らしい世界で喧嘩だ喧嘩ァッ!!」
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89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/15(月) 16:05:04.34 ID:dgpFUPGtO
>>84
あーあやっちまったな
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/15(月) 18:45:35.36 ID:Fa1MJf/2O
>>88
そこは
見下してんじゃねぇ!
とか
確かに俺は頭が残念だ、そこにクズとウスノロを足してもいい
とか言い返さないと
91 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:55:20.38 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜夜・食堂〜
カズマ「(ここは飯がうめぇ。人が自由だ。どいつもこいつも誰かと助け合って生きてやがる)」
カズマ「(ムカつくぐれぇに居心地のいい世界だぜ)」
カズマ「(かなみも、ここに居りゃ……)」
カズマ「(いや、俺達インナーは……あそこでしか生きられねぇ。戦いの中でしか……)」
カズマ「……まぁ、戻れねぇ分にはどうしようもねぇか……」
92 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:55:47.69 ID:o1sjXK9Qo
「もし、そこの人」
カズマ「あん? 俺か?」
「あの募集にあったカズマとは、あなたのことか?」
カズマ「ああカズマは俺だが……アイツ、俺の名前を勝手に使いやがったな……」
「そうか、安心した。もしまだメンバーを集めているようなら……入りたいのだが」
カズマ「あんたは何者だよ」
「ああ失礼、自己紹介が遅れたな」
ダクネス「私はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ」
93 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:56:19.46 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「是非私を…………ぱ、ぱぱぱぱぱパーティーに……!」
カズマ「悪いが今はオフだ。シェルブリットのカズマはここにはいませーんっと」
ダクネス「さっきの2人、ヌルヌルのあの2人! さっき街で見たあの2人はあなたの仲間だろう? 一体何をやったらあんな風に!?」
カズマ「人の話を聞け! ……あの2人はなんかでけぇカエルに喰われて」
ダクネス「んなっ!? デカいカエル……つまり、ジャイアント・トードだな! あんなのに捕食されるプレイをやっているなんて……想像以上だ!」
カズマ「(なんだコイツ変な奴だな)」
ダクネス「い、いや違う! あんな年端も行かぬ少女がそんな目に合うなんて、騎士として見過ごせない!!」ハァハァ
94 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:56:58.10 ID:o1sjXK9Qo
カズマ「なぁ、あんたの為に言ってやるが、俺達は日々の雑用だの工事だのをやるパーティーじゃねぇ。街の外で戦う喧嘩集団だ。女がやることじゃねぇよ」
ダクネス「フッ、上等! 望むところだ! むしろスライムにまとわりつかれてヌルヌルまみれにされたりオークに力任せに壊されたりゴブリン共に飛び疲れてなすすべがなくなったりするとなお良い!!」
カズマ「言ってる意味がよく分からねぇんだが……」
ダクネス「ああすまない、つい興奮してまた我を忘れてしまった……ゴホン、私は不器用故攻撃がまったく当てられないのだが、頑丈なのが取り柄なのだ。だから戦闘となれば私は味方の盾になる。むしろそれしかできない」
カズマ「誰かを守るってのか」
ダクネス「ああそうだ。仲間を傷つける白刃を受け、仲間を狙う雷の避雷針となる。私は誰かの盾となる生き様しかできない女だ。だから私は、その生き様を貫き、見せつける」
カズマ「誰にだよ」
ダクネス「誰でもいいさ。私を見た者すべてにだ」
カズマ「………………ヘッ、いいじゃねぇか。またお荷物が増えるのはと思ったが、気が変わった」
カズマ「表に出な。お前の行き様、確かめさせてもらおうじゃねぇか」
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
掴め! すべて! 心に!
95 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:57:38.95 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜ギルド前〜
アクア「いや〜お風呂気持ちよかったぁぁ!」
めぐみん「やっとヌルヌルがとれました……」
アクア「ん? あれカズマじゃない?」
めぐみん「えっ? あ、本当です。なにやら女の人と一緒にいますね」
アクア「おっとぉ? チンピラがいっちょ前に色恋ですかなぁぁ?」
めぐみん「いや、とてもそんな雰囲気じゃないんですけど……むしろ――」
96 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:58:05.10 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「確かめるとは、どうやってだ?」
カズマ「抜けよ。お前の誇りを」シュウウウ
ボシュッ、ボシュッ!
ダクネス「なっ、その右腕は……?」
カズマ「これが俺の生き様、自慢の拳、シェルブリットだ!」
ダクネス「面妖な……だが面白い! 私も抜こう、この剣を!」シャッ
97 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:58:37.46 ID:o1sjXK9Qo
アクア「ちょ、ちょっとちょっと! なにしてんの!?」
めぐみん「カズマ、こんなところで喧嘩はまずいですよ!」
カズマ「止めんじゃねぇ。それにコイツぁ喧嘩じゃねぇよ」
ダクネス「うむ。悪いが黙って見ていてもらおうか」
めぐみん「えぇ……アクア、どうしましょう」
アクア「見てろってんならそれでいいんじゃない?」
めぐみん「ええええ!?」
98 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 06:59:11.13 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「来い! 受け止めてやる!」
カズマ「ああ、やるからには本気だ! ケガしても文句言うんじゃねぇぞぉぉぉぉッ!!」
カズマの背中に生えた尻尾状の突起がしなり、地面を叩きつける!
その反動で一気にダクネスの懐に飛び込むカズマ!
ダクネス「速い……!」
カズマ「うおおおおおおおおおおおおオオオオオオオッ!!」ブォン!
カズマの拳がダクネスの腹を捉える!
ダクネス「ぐ、あああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
カズマ「なにっ!?」
大きく後方へ吹き飛ばされるダクネス!
ダクネスは民家の壁にめり込んでいた!
99 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:00:18.02 ID:o1sjXK9Qo
アクア「う、うっわ……カズマ、あの人ホントに死んだんじゃない!?」
めぐみん「街中でこんなこと……ほら、何事かと人が出てきましたよ! せめてその右腕だけでも解いてください!」
カズマ「…………」シュゥゥン
カズマの視線の先は、先ほどまでダクネスが立っていた場所からめり込んだ民家の間にある地面!
そこには深々と2本の線が掘られていた!
カズマ「……アイツ、ずっと地に足をつけていやがった。ふっ飛ばしてやるつもりだったが……」ザッザッ
ダクネス「う、ゲッホゲッホ……」
ダクネス「(なんて重い拳だ……それでいて、痛い…………ああ、素晴らしい!)」ハァハァ
カズマ「おい」
ダクネス「ん?」
カズマ「立てるか?」
ダクネス「ああ……これくらい、めじゃないさ」スクッ
カズマ「マジかよ……(コイツがタフすぎんのか、それとも俺のアルターが……?)」
100 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:01:22.20 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「それで、どうだった? 私の生き様は」
カズマ「ああ、見させてもらったぜ。正直、見上げたもんだ」
ダクネス「ははは……それはなによりだ、が……うっ、カズマの拳も、なかなか効いた。そしてなにより、一切の手加減が無い! 私のツボを心得ている!」
カズマ「お、おう?」
ダクネス「改めて是非とも、私をあなたのパーティーに加えてほしい!!」
カズマ「ああいいぜ。好きにしな」
ダクネス「…………断らないのか? そこは断られ心を傷つけられた私を見て楽しむんじゃないのか?」
カズマ「え?」
101 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:01:51.28 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜翌日・食堂〜
めぐみん「それで昨日の黄色い人がパーティーに入ることになったんですか?」
カズマ「ああそうらしい」
アクア「ちょっとーあたしの許可なくそういう重大事項決めないでくれない〜?」
カズマ「勝手に俺の名前使っただろうが! あいこだあいこ!」
アクア「なによ! 昨日まであたしの名前覚えてなかったくせに! じゃあ昨日の黄色い人の名前言ってみなさいよ!」
カズマ「おお言ってやろうじゃねぇか! アイツは………………アイツは、あれ?」
めぐみん「カズマ、パーティーに入ってくれるという人の名前を忘れるのは……」
アクア「あんたホント名前覚えるの苦手よね」
カズマ「うっせぇ! 後で聞きゃぁいいだろうが」
102 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:02:19.18 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「探したぞ、カズマ」
カズマ「おうあんたか。丁度あんたの話をしていたんだ」
めぐみん「あなたがパーティーに入ってくれるという方ですか。我が名はめぐみんです!」
アクア「あたしはアクアよ。あなたは……?」
ダクネス「私はダクネス。カズマから聞いていなかったのか?」
アクア「ごめんね、コイツ人の名前ホンットに覚えられない奴だから」
カズマ「悪かったって……ごめん、わりぃ、すまねぇ、許せ。昨日は別れ際に名前を聞くのを忘れてたからよ」
ダクネス「ならこの場で刻んでくれるか?」
カズマ「ああ刻んだ刻んだ。ダクネスだな」
103 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:02:55.15 ID:o1sjXK9Qo
クリス「じゃあついでに私も刻んでもらおうかな?」ヒョコッ
カズマ「うおっ、なんだお前どこから湧いて出やがった」
ダクネス「なんだクリスも入りたいのか?」
クリス「いやいや、私はダクネスがどんなパーティーに入るのかなーって見に来ただけ」
カズマ「そんな恰好で風邪ひかないのか?」
クリス「お気遣いありがとう。君がカズマ君だね? 昨日のアレ見てたよ」
カズマ「アレ?」
ダクネス「私とカズマのアレだろう」
カズマ「ああアレか」
クリス「あの右腕、すごかったね。何かのスキル?」
カズマ「スキル?」
104 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:03:25.62 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「それは私も気になっていた。あんなスキルは見たことが無かったからな」
めぐみん「そういえば私もその力について聞いたことはありませんでしたね。何スキルですか?」
カズマ「待て待て、そもそもスキルってなんだよ」
全員「え゛」
カズマ「あ?」
クリス「ぼ、冒険者がその職業にちなんだ強力な能力のことだけど…………知らないの?」
カズマ「なんだそれ」
クリス「…………」
めぐみん「じゃ、じゃあその腕は?」
105 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:03:57.77 ID:o1sjXK9Qo
カズマ「コイツはアルター能力ってんだ。ロストグラウンド……俺の生まれたところの人間しか使えないらしいが、詳しいことは俺にも分からねぇ」
アクア「ああなんかそんなこと言ってたわね」
カズマ「だからスキルなんてもんじゃねぇな」
クリス「へぇ……とても興味深い能力だね」
ダクネス「では今ならレベルも上がっているだろうし、スキルも覚え時では?」
カズマ「いらねぇ」
ダクネス「なっ、いらないのか!?」
カズマ「俺ぁややこしいことは苦手でよ。それに、男なら着の身着のままってな」
めぐみん「着の身着のまま冒険に出られても迷惑ですよ……」
106 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:04:45.10 ID:o1sjXK9Qo
カズマ「いいんだよ。俺にはコイツさえあれば」
クリス「ふぅん……ねぇ、そのアルターっていうの、見せてくれない?」
カズマ「見世物じゃねぇぞ」
クリス「分かってるよ! でも興味があるんだ。今ならシュワシュワ奢るよ?」
カズマ「……! ヘッ、そう言われちゃ首を縦に振らざるを得ないな」
めぐみん「カズマ、シュワシュワ好きですね」
クリス「うむうむ、世の中ギブアンドテイクだね」
107 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:05:18.39 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜裏路地〜
カズマ「ってなんでお前らまで来てるんだよ」
アクア「いやー何度見ても面白くて」
カズマ「見世物じゃねぇっつってんだろ!」
めぐみん「私は単純に興味があります」
ダクネス「右に同じだ」
クリス「さぁさ、見せておくれよ!」
カズマ「チッ、仕方ねぇな……」
108 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:05:55.54 ID:o1sjXK9Qo
カズマ「こうして意識するとな、周りの物がバラバラになって俺の右腕になるんだよ」
クリス「ほうほう。物質を変換する能力ってことかな……? そのバラバラにするものは選べるのかい?」
カズマ「強く意識すればな。だけど大体なんとなく周りのだから基本無意識だ。今もな、っと!」グッ
カズマの言う通り、右腕が変化し、背中に3枚の羽が現れる!
しかし変だ! 何故かって? いつもみたいに地面や建物が抉れないのだ!
カズマ「あれ? おかしいな……俺今何を使ったんだ?」
めぐみん・クリス「ッッッッ!!?!??!?」カァァァ
アクア「どうしたの2人とも、股間なんかおさえて」
109 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:06:27.94 ID:o1sjXK9Qo
クリス「い、いやああぁぁぁぁぁぁ!!」ブワッ
めぐみん「カズマ、本当に無意識なんですよね? 意識してないんですよね?」プルプル
カズマ「お、おうそうだが……?」
めぐみん「だとしたら、カズマは今とんでもないものを引き当てたことになります……」
アクア「なによとんでもないものって」
クリス「わ、私のパンツ返してぇぇぇ!!」
めぐみん「私のパンツも今、カズマの右腕となっています」グスッ
カズマ「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ダクネス「な、なんと!!」
そう! カズマに下心は一切無い! まさに神の悪戯である!!
110 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:07:04.37 ID:o1sjXK9Qo
アクア「カズマ最低!! 早く返してあげなさいよ!」
カズマ「いや、1度アルターにしたらもう元に戻らねぇよ!」
クリス「えええっ!? じゃ、じゃあ私はどうすれば!? このまま服屋に行けって!?」
カズマ「ああそうだよそうしろ!」
ダクネス「なっ、なんという鬼畜の所業! 往来で少女の下着を剥ぎ、しかもそのまま代えを買いに行けなど! やはり、やはり私の見込み通りの男だ!!」
カズマ「ちっげぇよ! 取っちまったのは謝るから!」
めぐみん「わ、私はカズマを信じていますから……買ってきます……」
クリス「待って、私も行く!」
111 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:07:32.64 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜食堂〜
クリス「はぁ……ひどい目にあった」
めぐみん「まったくです」
カズマ「いや、だから悪かったって……見てぇって言うから」
クリス「まぁいいさ、授業料だと思うことにするよ」
アクア「え、そこはカズマがド変態だって広めないの?」
カズマ「おい!」
クリス「一応盗賊な私がパンツを盗まれたなんて、自分で恥を広めるようなものだからね……流石に人に言えない」
ダクネス「いやはや恐れ入った。カズマよ、もしアルターとやらの材料が足りないときはいつでも私の衣服を使ってくれていいぞ!」
カズマ「ぜってぇ使わねぇ!!」
112 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:08:08.10 ID:o1sjXK9Qo
ウーーーーーーーーーーーーーーーーー!! ウーーーーーーーーーーーーーー!!
カズマ「なんだこれ、飯の配給時間か?」
クリス「いや、これは確か……」
ルナ『緊急クエスト! 緊急クエストです! 冒険者はただちに街の正門に集合してください! 繰り返します!』
カズマ「なんだなんだ」
ダクネス「行こうか」
めぐみん「はい」
アクア「クックック、腕が鳴るわね」
113 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:08:34.58 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜正門前〜
「街の住人の避難は完了したみたいだ」
「よかった……これで誰も犠牲にならない」
「あとは俺達の仕事だな」
カズマ「おいアクア、一体なんなんだよ」
アクア「あれを見て」
カズマ「あれ……?」
アクアが指差すは遥か彼方から飛来する緑色の波!
カズマ「なんだありゃあ……」
ダクネス「皆は私が守る……下がっていろ」
めぐみん「あれは、この季節にやってくる嵐……数多くの冒険者を苦しめてきた爆弾!」
アクア「キャベツよ!!」
カズマ「…………………………は?」
114 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:09:11.03 ID:o1sjXK9Qo
アクア「この世界のキャベツは、飛ぶのよ! そして旨味を凝縮した我が身を簡単に食べさせてなるものかと自我を持ち、収穫には相当の苦労を強いられるわ!」
ルナ「みなさーん! 今回のキャベツはとても質が良く、1玉1万エリスで買い取らせていただきまーす!」
「「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」」
カズマ「…………俺、帰るわ。たかが野菜に働いてたまるかよ」
アクア「ちょっと! そのたかが野菜が1つ1万よ!? 働きなさいよこのボンクラァ!!」
「うおおおキャベツを一番取るのは俺だぁ!」
「馬鹿野郎俺だ! 俺んちは農家なんだ!」
冒険者達の攻撃を受け、次々と収穫されていくキャベツ達!
しかし、意地があんだよ! キャベツにはあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「ぐあっ!」
「クッ、キャベツの体当たりつええぇ……!」
115 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:09:44.78 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ブンッ
スカッ
ダクネス「くらえっ!!」ブォン
スカッ
ダクネス「くっ、やはり強敵か……!」
「ぎゃあぁぁ!!」
「う、動けない……」
ダクネス「なっ、危ない!」
キャベツに体当たりされ足をやられた冒険者!
それにのしかかれ動けなくなったもう1人にもキャベツが殺到する!!
バキャッ! キャベツが砕ける音!!
116 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:10:30.58 ID:o1sjXK9Qo
「ひっ………………あれ?」
ダクネス「うっ……!」
「あ、あんた……俺達を庇って……!」
ダクネス「守ってみせる……私の騎士の誇りとして!!」
ダクネスの気迫に引き寄せられるように生き残った大半のキャベツがダクネスへと突撃!!
徐々に傷つき、砕け、剥がされていく鎧!!
アクア「ちょ、ダクネス! 危ないわよ!」
カズマ「…………」
117 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:10:59.49 ID:o1sjXK9Qo
「騎士様、逃げてくれ!」
「そうです! 無理しないでください! 死んでしまいます!!」
ダクネス「できん!! 私は、クルセイダー…………守ることこそ、私の生き様だ!!」
「おお……なんて素晴らしい騎士なんだ……」
「俺も騎士として見習わなければ」
ダクネス「(ああっ、見られてる……キャベツに破かれた服から除く私の肌を……むくつけき男達が私の肌を見て興奮している!!)」ハァハァ
ダクネス「さぁ、もっと来い! もっと破け!!」
カズマ「ヘッ」シュウウウ
118 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:11:55.21 ID:o1sjXK9Qo
カズマ「面白れぇ!」
シェルブリットを纏ったカズマがダクネスの横へと躍り出る!
ダクネス「カズマ……!」
カズマ「キャベツだからと見下してたのは俺だ。謝るぜお前らァッ!!」グググググ
カズマ「シェルブリット・バーストォォォォォォォッッ!!」
カズマの拳から広範囲の衝撃波が放たれる!
たまらず無数のキャベツが地に落ちるが、それでもまだ軽く100は越えるキャベツが健在!
カズマ「チッ、やっぱ足りねぇな……」
めぐみん「いいえカズマ、ナイスなお膳立てです」キッ
119 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:12:27.59 ID:o1sjXK9Qo
めぐみん「【心地良い夕立に濡れて、両手広げ深く息を吸った。始まってゆく新しい僕を受け止めてゆこう。気がつけば誰かが作ったレールの上、がむしゃらに進んでた……自分の弱さ認められず『願い』だけ響かせて! 抱えきれないほどに詰め込んだ荷物なら、時の河へ投げ捨てて。今日の思いを、今日のすべてを、解き放てるままに!!】」
めぐみんのギラついた目が、カズマを、ダクネスを、動けない冒険者を、キャベツを見据える!
めぐみん「エクスプロージョン!!!!」
それはキャベツを一撃ですべて収穫する勢いの爆裂魔法だった!
そう、カズマ、ダクネス、冒険者諸共!!
「「ぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?!?!??」」
カズマ「ぐおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!?」
ダクネス「んっ、んあああああぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!」
120 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:12:55.05 ID:o1sjXK9Qo
・・・・・・
〜夜・食堂〜
カズマ「テメェめぐみん……!」
めぐみん「いやぁ……あの数の敵を目の前にして爆裂魔法を撃つなというのが無理な話ですよ」ホクホク
ダクネス「あれほどの爆発の直撃は初めてだった……いいものだな!」
アクア「まぁなんにせよ大豊作でよかったわね! こりゃ明日渡される報酬も……げっへっへ」
カズマ「あれで金になるんだな……てか、これうめぇな!」
アクア「そりゃそうよ! あれだけ苦労して収穫したキャベツを使った野菜炒めだもの!」
カズマ「畜生、うめぇ……かなみにも食わせてやりてぇぜ…………」
めぐみん「誰ですかそれ?」
カズマ「あ……なんでもねぇよ」
めぐみん「ええぇ気になります!」
121 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:13:22.67 ID:o1sjXK9Qo
ダクネス「この戦いで、皆に私のクルセイダーとしての実力は分かってもらえただろうか」
アクア「ええ! あの守りには流石のキャベツ達も攻めあぐねていたもの!」
めぐみん「まさに壁でしたね。乗り気でなかったカズマまで思わず飛び出すくらいの騎士っぷりでした」
ダクネス「では…………改めて、よろしく頼む。私は守ることしか知らない堅い女だが、いつでも壁になれるぞ! なんなら囮にして見捨ててくれてもいい。ミスをしたら激しく罵って、体罰を加えてもいいぞ! くぅぅ……想像しただけで武者震いが……」
カズマ「……なぁあんた」
ダクネス「なんだ?」
カズマ「まさかと思うが、傷つけられるのが趣味なのか?」
ダクネス「ぶっ、ち、ちちちち違うぞ! 傷つけられるだけでなく、放置されたり縛られたり……い、いやなんでもないぞ!」
カズマ「そ、そうか……(やっぱりよく分からねぇな)」
テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!
い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
122 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/17(水) 07:17:13.86 ID:o1sjXK9Qo
デレレレレレレレレ
次 回
大きいモノ、硬いモノ、雄々しいモノ……
それは、『デュラアン』ベルディアのビッグブレイドである
ベルディアの大剣と、カズマの拳の衝突と衝撃が
アクセルを大きく震わす!
二人、男の太さを競う
第 4 話
ビッグブレイド
123 :
◆wQQcI0pNtAGr
[sage saga]:2016/08/17(水) 07:19:40.46 ID:o1sjXK9Qo
Q:アクアやめぐみん、ダクネスといったキャラは残念なんですか?
A:このすクライドは男の話なので、女に関して語ることなどなにもありません。
124 :
◆wQQcI0pNtAGr
[sage]:2016/08/17(水) 07:55:40.11 ID:o1sjXK9Qo
>>122
そしてデュラアンではなく、デュラハンでした申し訳も
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 08:12:28.58 ID:qko71SF8o
待ってたぜえ! てめえのSSをなあ!
刻ませてもらうぜ乙
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 12:50:16.07 ID:Ua1AXqD3O
乙
馬鹿げてる…男の人って異世界でもこうでもしないと生きていけないの!?
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 16:05:46.06 ID:hhdWAPLGO
ふっ、ふふふっ。
>>1
ぃ、お前は限界を超えちまったんだなぁ。だったら進め、徹底的にな
乙
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 20:52:39.17 ID:7gu+vnzhO
めぐみん可愛いよめぐみん
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 01:22:04.74 ID:HpP+owqZo
そういやこの世界でもカズマの使っている指ぬきグローブあるんだろうか
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 02:23:44.29 ID:JkmdQfHxO
めぐみんの手を見るのだ
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 16:40:45.04 ID:IJpT55QOO
>>123
これ好きだ
おつ
132 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:49:03.73 ID:/vUbh5r1o
このすクライド
133 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:49:59.77 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜街から離れた森の道〜
めぐみん「ありがとうございますカズマ。付き合ってもらって」
カズマ「馬小屋で寝ててもアイツにうだうだ言われるだけだからな。散歩してる方が気楽でいい」
めぐみん「うーむ、この辺なら爆裂魔法を放っても問題ありませんね」
カズマ「街でやるとなにか問題があるのか?」
めぐみん「以前街でやったら爆風と爆音で苦情が出て怒られちゃったんです……」
134 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:50:31.17 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「あ! あの古城なんかよさげじゃないですか?」
カズマ「アレにぶちかますのか?」
めぐみん「はい! あれなら爆裂させがいがあります。新調したこの杖の新しいタマで……!」キッ
フォオオオオオオ……
めぐみん「【信じあうこと、愛すること、それが人の道という……キレイゴト、アコガレ、ナニ? 誰かが笑った。流される日常の渦に置き去りにした夢の数々。待つだけじゃ、何も埋められない……乾いた胸満たせ、 So desire!】」
めぐみん「エクスプロージョン!!!!」カッ
135 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:50:59.64 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「うはっ」ドサッ
カズマ「相変わらずビリビリ来やがるな……」
めぐみん「燃え尽きろ…………はぁっ、最高デース」
カズマ「それで、俺の仕事はお前をおぶって帰ることかよ」
めぐみん「ご名答。よろしくお願いします」
カズマ「そうか、じゃあな」
めぐみん「ああああ待って! 待ってください! お願いします、連れて帰ってぇぇ!!」
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
奪え! すべて! この手で!
136 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:51:40.17 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
カズマ「(あのワケの分からねぇキャベツから数日、やることのない俺はこうしてめぐみんのお守をしている)」
カズマ「(あの後なんか金がメチャクチャ入っているであろう袋を渡されたが、飲み食いできりゃ他に使い道もねぇしアクアに渡したら土下座して泣きながら抱きついてきた)」
カズマ「(ダクネスは服を新調すると鍛えるとかなんとかでどこかに行っちまったし)」
カズマ「(……このままで本当にロストグラウンドに帰れるのか?)」
めぐみん「あの、カズマ」
カズマ「なんだ」
めぐみん「もしスキルポイントの使い道がなければ、爆裂魔法を覚えたらどうでしょう。損させませんよ」
カズマ「あーいつかな」
めぐみん「絶対ですよ!」
137 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:52:06.98 ID:/vUbh5r1o
カズマ「(そんで、俺とめぐみんは毎日毎日、街から離れた古城に爆裂魔法を撃ちに行ってる)」
めぐみん「エクスプロージョン!!」
カズマ「(雨が降ろうが風が吹こうが雪が舞おうが毎日だ。正直、慣れてきた)」
めぐみん「ロージョン!!」
カズマ「(慣れ過ぎてその日の爆裂魔法とやらの出来もなんとなく分かるようになってきた)」
めぐみん「ジョン!!」
カズマ「(そして、この日課を始めて何日経ったか忘れた頃だ)」
めぐみん「ン!!」
138 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:52:39.92 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜ギルド〜
アクア「ちょっとなによこれ! 高難易度のクエストしか貼られてないじゃない!」
ダクネス「おお……! これにしよう! ブラックファング討伐…………絶対一撃が重くて気持ちいいぞ!」
めぐみん「いや、流石にちょっと……雑魚モンスターを一掃するクエストとか無いんですか?」
ルナ「申し訳ありません……近頃街の近くに魔王軍の幹部らしき者が住み着いたらしく、弱いモンスターは皆隠れちゃったみたいなんです」
カズマ「魔王軍だって? どこだ! とっととブチのめす!」
ルナ「あ、いえ正確な居場所は分からないんです。それで、この事態に対応できる腕利きの冒険者が王都から派遣されてくるまでは冒険者の方々にも大人しくしてもらうしか……」
アクア「なんでよ! 私今金欠なのよ!!」
ダクネス「あれ、アクアはこの前カズマから100万くらいポンと貰ってなかったか?」
アクア「ウッ……じ、実は調子に乗って使いすぎちゃって……あははーいざ使ってみると100万ってはした金よね〜」
めぐみん「うわぁ……」
139 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:53:06.43 ID:/vUbh5r1o
「ルナさん、ちょっと……」
ルナ「はい?」
「ここじゃ……とにかく、来てください」
ルナ「はい。分かりました」
めぐみん「なんか今の人、すごく汗かいてましたね」
ダクネス「ああ。ただならぬ雰囲気だったが」
アクア「もしかして、私が女神だってバレてギルドが私に対するおもてなしを考えてるとか!?」
めぐみん「アクアはまだその設定を守ってるんですか」
アクア「設定じゃないわよ!!」
ダクネス「まぁ回復魔法についてはエキスパートであるから、見方によっては女神だろうな」
アクア「見方によらず女神よ!」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 16:53:30.98 ID:DvjXSwIaO
うひ
141 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:53:33.83 ID:/vUbh5r1o
ルナ「き、緊急! 緊急クエストです!!」ゼェゼェ
アクア「なによクエストー?」
ルナ「街の全冒険者は、ただちに武装し戦闘態勢をとって正門まで集合してください!!」
カズマ「なんだよ、またキャベツか?」
ダクネス「いいや…………これはただ事ではないぞ」
めぐみん「とにかく行ってみましょう!」
142 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:54:03.71 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜正門前〜
「なぁ、アレ……」
「ああ……」
「ヤバそうじゃね?」
多くの冒険者の視線の先!
それは、首の無い黒馬に乗った、首の無い騎士!!
アクア「誰よアイツ」
ダクネス「あれは、デュラハンか……!」
「……俺は最近、この街の近くに越してきた魔王軍の幹部の1人、デュラハンのベルディアだ」
騎士が手に持った自分の首が喋る!
143 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:54:38.80 ID:/vUbh5r1o
アクア「越してきたんですって。お蕎麦茹でてあげましょうよ」
ダクネス「どういう風習だそれ……」
ベルディア「…………ぐ、ぐごごご……!!」ゴゴゴゴ
「見ろ、何か言おうとしてるぞ!」
「凄く怒ってる……魔王軍の幹部ってのが本当だったら、怖いわー!」
ベルディア「おっ、お、おおお俺の住んでる城に、毎日毎日毎日毎日毎日毎日! ばっ、爆裂魔法を撃ちこんでくる頭のイカれた大馬鹿は、誰だぁぁぁぁぁぁぁーーーーッ!!」
騎士は非常にお怒りだ!!
怒りが天に届いているのか、黒雲がたちこめ、雷も荒ぶる!!
ベルディア「どうせ雑魚しかいない街だと思って観光気分で来たらさぁ! 毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!! 古城が廃城になったんだぞ!!」
ベルディア「ねぇ、どうしてそんな陰湿な真似するのぉ!? 言いたいことがあったら直接言いに来いよ!! ついに俺がここに来ちゃったよ!!」
144 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:55:05.79 ID:/vUbh5r1o
アクア「ば、爆裂魔法!?」
ダクネス「おいおい……」チラッ
めぐみん「」
「爆裂魔法っていや……」
「この街で使えるのは……」
めぐみん「ひっ……!」
「アイツだけだよな」
「ああ、あの子か……かわいそうに、死んだな」
めぐみん「…………」ガタガタガタガタ
145 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:55:36.39 ID:/vUbh5r1o
カズマ「………………へっ」ポンポン
めぐみん「え?」
カズマ、めぐみんの肩を軽く叩くと自ら前に出る!!
アクア「ちょ、カズマ!?」
ダクネス「おい!」
カズマ「…………」ニィッ
146 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:56:19.20 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「貴様は?」
カズマ「おう、お前のねぐらに毎日撃ちこんでやったのは俺だよ」
ベルディア「ほう……!」ピキピキ
カズマ「適当に撃ってたつもりだったが、お前みてぇなよさげな野郎が釣れてなによりってやつだぜ。ここに来てからすっかり牙が抜けそうだったんでなぁ……研いでくれよ」
ベルディア「貴様…………喧嘩を売っているのか!?」
カズマ「ああそうだ、おうともよ!! 喧嘩だ喧嘩ッ! 俺が売った、テメェが買った!! だから派手な喧嘩と行こうぜ!!」シュウウウ
ベルディア「ッ、なんだその魔法は……見慣れないな」
カズマ「ああ、初めてだろうが。だからここで刻め! 衝撃のぉ、ファーストブリットォォ!!」
ベルディア「ッ!?」
カズマがベルディアに飛びかかる!
147 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:57:33.55 ID:/vUbh5r1o
カズマ「ガラ空きだぜ、オッサン!!」
ベルディア「ぐおおおっ!?」
不意を突いた形だろうか、ベルディアは持っていた大剣でカズマの拳を防ぐも馬ごと大きく後退させられた!
「お、おお! 魔王軍の幹部に攻撃したぞアイツ!」
「てかアイツ爆裂魔法仕えたのか」
ベルディア「貴様……! 俺は魔に身を堕としたとはいえ、元は騎士だった……貴様には相手を尊重したり正々堂々といった姿勢がまったく見受けられん。騎士道精神という言葉は無いのか!」
カズマ「関係ないね! 喧嘩によーいドンが必要なのかい?」
ベルディア「そうか、そういう奴か…………ならばいいだろう! 命知らずの駆け出し冒険者よ、ここで露に消えろ!」バッ
148 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:58:04.05 ID:/vUbh5r1o
カズマ「馬を降りたから強さが変わるのか?」
ベルディア「そうだな。変わる」
カズマ「なら見せてみろよ! 撃滅のセカンド――」
ベルディア「遅い!!」
カズマが拳を繰り出そうとしたその瞬間!
重いハズの大剣をいともかんたんに振り回すベルディアが距離を詰めた!
カズマ「なッ!?」
ベルディア「オオオオオ!!」ブォン!
ベルディアの大剣をまともに喰らったカズマ、吹き飛ばされる!!
149 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:58:33.70 ID:/vUbh5r1o
カズマ「が、はっ――!」
アクア「げっ、か、カズマ!」
ダクネス「羨ましい……」
めぐみん「カズマ!」
カズマ「ぐ、くっ……!」
一撃がゴッソリ持って行く大剣の一撃はカズマといえど無事では済んでないぞ!!
アクア「ちょ、カズマやばいじゃん! もうやめようよ!」
カズマ「黙ってろ!!」
ベルディア「ぶわぁぁぁかめぇぇ!! 俺の太くてかったーいビッグブレイドに、拳なんかが通用するわけねぇだろうが!」
カズマ「て、テメェ……!」
150 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:04.57 ID:/vUbh5r1o
再びベルディアの攻撃のターンだ!
ベルディア「太いんだよぉ!」ブォン!
カズマ「ぐっ……!」ガキィン
ベルディア「硬いんだよぉ!」ブォン!
カズマ「ぐあっ!」
ベルディア「暴れっぱなしなんだよぉ!!」ヴァッ!
カズマ「う、ぐああぁぁぁっ!」
151 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:31.64 ID:/vUbh5r1o
ついにカズマの右腕を覆っていた装甲版のような部分が砕け散り、腕部分がむき出しになる!!
めぐみん「カズマ!!」
カズマ「(なんだってんだ……クソッ、右腕に力が思うように……!)」
ベルディア「フン、所詮駆け出しの冒険者などこんなものだ。だが俺には慈悲の心がある。貴様が謝ってこれからは爆裂魔法は撃ちませんと土下座すれば許してやらんこともないぞ」
カズマ「あん?」ピキ
ベルディア「さぁ、とっとと頭を下げろ」
めぐみん「………………っ!」ダッ
アクア「めぐみん!?」
めぐみんが意を決したようにカズマとベルディアの間に駆ける!
ベルディア「なんだ小娘」
めぐみん「………………っ! 我が名はめぐみん! アークウィザードにしてこの街随一の魔法の使い手! 紅魔族きっての私以外に、爆裂魔法を使える者など他におらず!!」
カズマ「お前……!」
152 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:57.59 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「……めぐみんってなんだ! バカにしてるのか!」
めぐみん「ち、違うわい!」
アクア「うわわわ、私しーらない」
ダクネス「な、なんと……なんと羨ましい! アイツの攻撃を受けるチャンスを取られた!」
めぐみん「この男はただの出しゃばりな魔法なんかこれっぽっちも使えない奴! 真に爆裂魔法を貴様の城に撃ちこんでここまでおびき寄せたのはこの私、めぐみんである!!」
ベルディア「ほう……なるほど、仲間を庇おうと?」
めぐみん「そ、そうではない!」
ベルディア「フン、どちらにせよ、謝って今後爆裂魔法は使いませんと誓えば許してやる。2人まとめて謝れ!!」
めぐみん「それはできません」
ベルディア「へ?」
めぐみん「紅魔族は1日に1度爆裂魔法を使わないと死んでしまうので、爆裂魔法を撃つことはやめません」
ベルディア「ちょ、ちょちょちょお前! せっかく丸く収まりそうな雰囲気作ってやったのにぶち壊すなよ!! 嘘だって一発で分かるぞ!」
153 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:00:24.22 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「貴様……どうしても爆裂魔法を撃つのはやめないと」
めぐみん「はい」
ベルディア「…………ならば、仕方ない。ここで始末してやろう」
めぐみん「っ、き、来なさーい!」プルプル
カズマ「ッ!」ダッ
めぐみん「え!?」
ベルディア「ムッ!?」
カズマ「テメェ……さっきから聞いてりゃ散々見下してくれやがって!」
カズマの最後の羽が砕ける!
カズマ「俺との喧嘩がまだ終わってねぇだろうがぁぁぁッ!! 抹殺のッ、ラストブリットォォッ!!」
154 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:01:03.29 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「クッ、貴様これほどの力をまだ!」
カズマ「うおおおおおおッッ!!」
砕けた!!
カズマの拳が!! ベルディアの大剣が!!
両者共に!!
ベルディア「なにっ!」
カズマ「くっ……!」ズキ
ベルディア「貴様…………なるほど、大口を叩くだけはある。だが」
ダクネス「なっ、奴の剣が再生した!?」
ベルディア「俺は魔王軍の幹部だぞ。剣を砕いたくらいで勝った気になるな!」
カズマ「なら何度でも砕いてやるよ!」
ベルディア「フッ、無理をするな。その拳では今度こそ戦えまい」
カズマ「それを決めんのはお前じゃねぇ、俺だぁぁッ!!」バッ
155 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:01:29.41 ID:/vUbh5r1o
カズマ「っ、アルターが……出ねぇ! なんでだ!?」
ベルディア「なにか知らんが、魔力切れでも起こしたか」
アクア「うっそでしょ……カズマの唯一と言っていい取り柄が!」
ベルディア「ふ、今ここで倒してしまってもいいが、貴様ら冒険者にはもっと苦しんで死んでもらう!」ズオッ
ベルディアの右手に漆黒のオーラが漂う!
めぐみん「ッ! あれは!」
ベルディア「男よ。【汝に、死の宣告を!】」
カズマ「…………っ!」
156 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:02:00.15 ID:/vUbh5r1o
死の宣告!
カズマの命を奪わんと迫る!! が!!
ダクネス「ッ!」バッ
ベルディア「なに?」
ダクネス「ぐああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
死の宣告がダクネスに直撃!
ダクネス「う…………」ガクッ
ベルディア「ふん、仲間を庇ったか……どうやら騎士のようだが、見上げたものだな」
めぐみん「ダクネスー!」タッタッタッ
ベルディア「1週間だ。その死の宣告は貴様の体を蝕み、1週間後に命を奪う」
ダクネス「ッ!」
ベルディア「貴様らは、自らの行動から仲間の命を1人失ったのだ。それをよく見ながら苦しむんだな!」
157 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:03:46.35 ID:/vUbh5r1o
ダクネス「ど、どうしよう……」
ベルディア「フハハハ! 今更嘆いてももう遅――」
ダクネス「あの男は、きっと呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞け、と! そう言っている!!」
ベルディア「――ふぁ?」
ダクネス「あの目を見ろ! 私が逆らえないのを良いことに、その欲望を私にぶつけ、とんでもない変態ハードコアドエロチックプレイを要求してくる! 変質者の目だ!!」ハァハァ
ベルディア「お、おおいおいおい!!?」
「ま、マジ……?」
「魔王軍の幹部サイテー……」
ベルディア「ちょ、言いがかりだ!
ダクネス「行きたくはない……行きたくはないが、命が奪われそうなんだ……仕方ない! ちょっと行ってくりゅうううう!!」ダッ
ベルディア「ぎゃああああ来るな来るなぁぁ!!」
ダクネス「あ、おい行くな! 戻ってきてくれぇぇ!! 私を忘れているぞおおお!!」
ベルディアは悲鳴を上げるとそそくさと退散した!!
158 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:04:24.71 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「こ、これは……撃退、したのでしょうか…………でも、ダクネスが……」
ダクネス「………………そんな、何故…………薄い本みたいな展開にならない……」ズーン
カズマ「ッ!」ガッ
ダクネス「うわっ!?」
めぐみん「ちょ、カズマ!? 何故ダクネスの胸倉を掴むのです!?」
カズマ「テメェ……何故邪魔した!」
ダクネス「邪魔……?」
カズマ「俺の喧嘩の邪魔だ!! なんで邪魔した!!」
ダクネス「ま、待てカズマ……皆が見てる……いや、見られながら私を痛めつけるのが趣味ならそれはそれで」
めぐみん「やめてくださいカズマ!」
159 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:04:52.83 ID:/vUbh5r1o
カズマ「なんだよ……テメェも俺の喧嘩を邪魔しやがって」
めぐみん「っ……もとはと言えば、これは私の喧嘩だったハズです!!」
カズマ「ッ」
めぐみん「なのにカズマが出しゃばって……カズマこそ、私の喧嘩の邪魔をしないでくださいよ!!」
カズマ「………………」
めぐみん「……!」
カズマ「……チッ」パッ
ダクネス「うわっ」ドサッ
160 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:05:20.47 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「ちょっとカズマ、どこへ?」
カズマ「あの野郎をボコる。徹底的にな」
めぐみん「私も行きます」
カズマ「来るんじゃねぇ。これは俺のケジメだろうが」
めぐみん「いいえ、私のケジメでもあります! いや……これは2人のケジメです!」
カズマ「2人の……?」
めぐみん「元々は私が爆裂魔法を撃ったのが原因……そしてその火に油を注いだのはカズマ。ダクネスの死の宣告は……私達2人のせいです」
めぐみん「だから、私も行って、2人でアイツをボコボコにして、ダクネスの呪いを解いてもらいましょう」
カズマ「………………ヘッ、分かったよ。足手まといになるなら捨てていくからな」
めぐみん「カズマこそ、私の足を引っ張らないでくださいね」
2人、歩き出す!
決意を胸に、想いを胸に!
少女と男が、歩き出す!!
161 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:06:18.62 ID:/vUbh5r1o
アクア「【セイグリット・ブレイクスペル!】」ピカーン
ダクネス「え? うわあああああああああ!?」パァァァァァ
アクア「よしよし、解呪成功」
カズマ・めぐみん「え?」
アクア「あ、カズマの右腕も回復させちゃうからさっさと差し出して」ピカーン
カズマ「」パァァァァァ
アクア「回復完了! やっぱアークプリーストたる私がいないとこのパーティー駄目駄目ねぇ〜!」ケラケラ
めぐみん「」
カズマ「」
162 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:07:04.44 ID:/vUbh5r1o
「「「「「おおおおおおお!!」」」」」
「あんたらすげえよ! 魔王軍の幹部を追っ払っちまうなんて!」
「あなたのような騎士になりたい!」
「その回復魔法、教えてください!」
アクア「あはははは、参っちゃうわね〜! 私達人気者じゃない!」
ダクネス「て、照れるな」
カズマ・めぐみん「………………」
カズマ「こういう時、俺はどうしたらいいんだ……」
めぐみん「……………………私にも、分かりません……」
テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!
い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
163 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:10:20.02 ID:/vUbh5r1o
デレレレレレレレレ
次 回
暴力、罵倒、放置――
全てを有して思い悩む少女、一人
マゾヒズムしか知らぬ者は、愚者たり得るのか
それとも尊ぶべき存在なのか
ダクネスが、今、歩きだす
花は踏みにじられてこそ、美しい
第 5 話
ダクネス
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 17:47:54.86 ID:DvjXSwIaO
スキル振ればまだ強くなれるんか?
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 17:59:30.75 ID:8QwCY1ywO
カズマがちょっと溶け込んでてワロタ
漫画、というか初期のカズマってかんじか
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 20:18:57.80 ID:H1wZ8sxTO
バースト無駄打ちのせいかしら
初期から調子悪いみたいなこと言ってるけど
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 20:36:49.76 ID:B2h0m2MyO
乙
5話か 誰の大切な玉が出てくるのかな
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/08/24(水) 23:03:49.31 ID:CTU59Baq0
歌詞はやめといた方がいい。Jの字のゼニゲバが来る可能性がある
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/25(木) 01:24:28.56 ID:l4YRJbQ8o
使えないセカンド設定がいかされて泣ける
おつ
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/25(木) 14:26:15.89 ID:siCPgacIO
そういえばセカンドブリットは絶影くらいにしかまともに仕事してなかったなww
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 01:19:04.73 ID:A+3ujGsho
本気でバースト打ってたら当たったところから炎柱上がって偉いことになりそう
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/01(木) 20:03:05.90 ID:fPq4WQ4qO
このSS、素晴らしいなあ…なんて文化的なんだ〜!
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 08:22:02.34 ID:nSzIe4O6o
面白い。そろそろ来る?
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 22:59:47.59 ID:gtMyHDKvo
シェルブリットは初期状態で固定なのかな?
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 23:01:16.78 ID:5qCqu+nEO
>>118
でバースト使ってたぞ
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 23:12:13.36 ID:fp4QbW0ao
>>175
お、マジだ
じゃあ自慢の拳までいけるんだな
177 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 01:58:59.09 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜火山地帯〜
エンシェントドラゴン!
伝説に記されるという、数々の冒険者を葬ってきた龍である!!
ドラゴンの住処の近くに住む人々は、奴を倒す冒険者を待つか、死を待つかであった!!
「…………」ザッザッ
178 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 01:59:27.28 ID:zzcmBjnCo
しかし、火を吐くドラゴンに近付く人影、一人!!
ドラゴンの咆哮もなんのその、ソイツは歩みを止めない!
「…………」ザッザッ
たった1人で向かい風に逆らうのは、クールでいなせな、あの男!
「絶影」
アルター使いの、あの男!!
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
奪え! すべて! この手で!
179 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:00:13.86 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜ギルド〜
アクア「お金が無いのよおおおおおぉぉぉぉ!!」
めぐみん「…………」
ダクネス「…………」
アクア「ねぇカズマぁぁぁぁまたお金ちょーだい!」
カズマ「あ? キャベツの時にやっただろうが」
アクア「尽きてんのよ! しかもこの前のデュラハン追っ払った報奨金は大して出なかったし、もうお金が無いのよ!!」
カズマ「じゃあいつもみたいに店番でもすりゃいいだろ」
アクア「嫌よ! コロッケが売れ残ると店長怒るし、なにより女神が店番ってもうこれアクシズ教徒が見たら卒倒モンなの!」
めぐみん「追い払ったとはいえ、デュラハンの人はまだ健在ですからね。雑魚モンスターのクエストが無い状態です」
ダクネス「わ、私は強いモンスター相手でも全然……いや、むしろそれにしてくれ」
180 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:00:58.50 ID:zzcmBjnCo
アクア「………………分かったわよ……受けりゃいいんでしょクエスト」
カズマ「この唐揚げうめぇな!」モグモグ
アクア「聞きなさいよ! このあたしがやる気になってるのよ!?」
カズマ「なら適当に受けりゃいいだろ。俺は行かねぇからな」
アクア「なんで!? あんた強い相手となら戦いたい戦闘狂でしょ!?」
カズマ「喧嘩の相手くらい選ぶわ!!」
めぐみん「まぁまぁ……私も一緒に選びますから、掲示板に行きましょう」
アクア「うう…………うん」スタスタ
181 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:01:27.95 ID:zzcmBjnCo
ダクネス「なぁカズマ」
カズマ「なんだ?」モグモグ
ダクネス「カズマとアクアはどういう関係なんだ? なんでも馬小屋で寝食を共にしていると聞いているが…………まさか、人に聞かれているかもしれないという背徳的な状況でコトに及ぶ関係とか!?」
カズマ「アイツは勝手についてきた。それだけだ」
ダクネス「ついてきた? どう出会ったんだ?」
カズマ「あ? んーー…………よく分かんねぇ」
ダクネス「分からないのか!?」
カズマ「ああ……色々あったんだが、どう説明していいか分かんねぇな……」
ダクネス「そ、そうか……まぁしつこく聞くようなことでもないし、分からないのならそれでいいか」
182 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:02:05.98 ID:zzcmBjnCo
アクア「カズマー! これなんかどう!? 水質汚染された湖の浄化ですって!」
カズマ「それでいいんじゃねぇのか」
アクア「へへへへ、水の女神たるこのあたしにかかれば、半日くらい浸かってればどんな汚いドブでも綺麗な水にしてやるわ!」
ダクネス「まだ女神と言い張るのか。そのメンタルは見習いたいな」
めぐみん「ですね。かわいそうなアクアです」
アクア「ねぇちょっと、2人とも私が女神アクアだって信じてない感じ?」
めぐみん・ダクネス「まったく」
アクア「………………」ブワッ
183 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:02:42.66 ID:zzcmBjnCo
アクア「あ! 今回は私1人で受けるから報酬は渡さないからね!」
めぐみん「それはいいですけど……でもどうするのですか? 湖にはモンスターが生息してしまっていて、浄化しようにも襲ってくるからどうしようもないというのが現状らしいですが」
アクア「そうなのよねぇ……私だってワニに噛まれたら死ぬし」
ダクネス「…………そうだ! 私にいい考えがある!」
アクア「さっすがダクネス! 持つべきものはクルセイダーね!」
ダクネス「ああ待っててくれ、家から最高の物を取って来る!」
184 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:04:14.13 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜湖〜
アクア「…………で、なんで私は檻の中で水に浸かっているの……」
ダクネス「これならモンスターに襲われてもその檻が守ってくれるだろう。それにアクアは水に浸かってさえいればいいのだろう?」
アクア「ああまあそうだけど……」
めぐみん「考えましたね! アクアを檻ごと湖に放り込むとは」
カズマ「ふわぁぁ…………俺ぁ寝るぜ」
めぐみん「あ、ワニモンスターが!」
ワニ「ガウッ!」ガブッ
アクア「ひいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? こ、こわっ! この檻壊れないわよね!?」
ダクネス「その檻は中央にさえいればワニの牙は届かない、届かないが、届くかもしれないという恐怖心を味わえる……! ああっ、できることなら私が入りたかった!!」
アクア「やっぱりあんたの言うこと聞かなきゃよかったああああああぁぁぁぁ!!」
185 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:04:43.31 ID:zzcmBjnCo
ワニ「ガウッ!」
ワニ「ガウッ!」
アクア「なんかいっぱいきたぁぁぁぁぁ!!?」
ダクネス「ああ……羨ましい…………私もあの中でとんでもない責め苦を受けてみたい…………」ハァハァ
めぐみん「うわぁ……アクアー、やっぱり手伝いましょうかー?」
アクア「駄目よ! これは私の受けたクエストなんだからー! ビタ一文譲らないからねー!!」ジタバタ
めぐみん「だけどピンチですよ!」
アクア「うわーん助けてー! 私のスーパーピンチクラッシャー!!」ジタバタ
ダクネス「訳の分からないことを叫びながら湖に浄化魔法を撃ちまくっているな」
めぐみん「あ、なんか心なしか湖が綺麗になってきたような……」
アクア「はやく! 早く綺麗になれえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ワニ「ガウッ!」
アクア「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」
186 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:05:13.85 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜数時間後〜
アクア「……」
めぐみん「おおおお…………湖が、飲めるくらい綺麗に……!」
ダクネス「水質が改善されて魔物もいなくなったな」
カズマ「ん……終わったのか?」ムクッ
めぐみん「あ、カズマ! もしかしてずっと寝ていたのですか?」
カズマ「あまりに退屈でな。終わったんならさっさと帰ろうぜ」
アクア「……」
ダクネス「アクア、帰るぞ。檻から出てくるんだ」
アクア「……嫌」
ダクネス「え?」
アクア「外の世界は怖いから……このまま、この檻の中で暮らす……」
187 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:05:42.58 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜街中〜
「ねぇあの人……」
「知ってる! 最近活躍してるっていう……」
「この前なんか、伝説のエンシェントドラゴンを1人で倒したらしいわよ!」
「すごーい! イケメンだし……私アタックしてみようかな」
劉鳳「…………」ザッザッ
劉鳳「(まったく……本当に……どうしてこうなったんだ)」
劉鳳「(本土からのアルター軍団を全滅させた後、俺は突如開いた向こう側のゲートに吸い込まれた)」
劉鳳「(そして気付いたら、謎の空間……そしてよくわからない少女)」
劉鳳「(元の世界に戻るには、この世界の魔王とやらを倒して願いを叶えてもらうのが一番手っ取り早いと聞いた。だからこの世界に来たのはいいが……)」
劉鳳「どうやったら魔王とやらにたどり着くのか……」ハァ
188 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:06:31.68 ID:zzcmBjnCo
劉鳳「確かこの街は……アクセルだったか。初めて来た街だ。今日は適当に宿をとるか」
「ウラレテーユクヨー……メガミガー…………」
劉鳳「ん? なんだ……? 童歌か?」
「おいアクア、そろそろその歌をやめてくれ……」
「そうですよ……カズマからもなんとか言ってください。周りの目が……」
「歌わせときゃいいだろ」
「そんなー!?」
劉鳳「ッッッッ!!?」ダッ
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