【このすば】カズマ「この素晴らしい世界で喧嘩だ喧嘩ァッ!!」

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60 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:19:04.94 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「それで、我が力を欲するか?」

カズマ「別に――」

アクア「ええ歓迎するわ!!」

カズマ「おい!」

アクア「(この子はアークウィザードで攻撃役、そこの鉄砲玉と一緒に突っ込ませて私は後ろから見ているという最強フォーメーションを組んでやるわ!)」

アクア「じゃあまず、めぐみんだっけ? 力を試すがてら、私達のクエストに同行してくれないかしら」

カズマ「おい勝手に決めてんじゃねぇ!」

アクア「お願いよ! もし役に立たなかったり邪魔だったら断ってあげるから(断るとは言っていない)」

カズマ「チッ……今回だけだぞ」

めぐみん「いいでしょう。ただその前に……」

カズマ・アクア「ん?」

めぐみん「なにか……食べ物をください……」ドサッ

カズマ・アクア「………………」
61 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:19:40.96 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜平原〜


カズマ「とりあえずあそこに2体見えるが……俺は好きにやらせてもらうぜ」

アクア「え、まずはめぐみんの実力を見るんじゃないの? 最強って言ってるくらいだし気になるでしょ」

カズマ「ああそうだったな、忘れてた」

アクア「あんたねぇ……」

めぐみん「では、あの遠い方のカエルをやりましょう。爆裂魔法は準備時間がかかります。もう片方の足止めは任せました」

カズマ「おう。んじゃあ早速右の方を」

アクア「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃーーーーー!!」ダッ

カズマ「なっ、オイお前!」

アクア「昨日はよくも私に辛酸を舐めせてくれたわねぇぇぇ!! このクソガエルがぁぁ!! くらいなさい、ゴッドレクイエム!!」
62 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:20:29.98 ID:HnaJaiP1o

カズマ「なっ、奴の杖が!」

アクア「ゴッドレクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌! 相手は死ぬ!! 震えろ! 恐れと共に爆散しろ!!」


 パクッ


アクア「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!! 助けてええぇぇぇ!!」

カズマ「…………」


 その時だ! カズマの横で詠唱が始まるのだ!


カズマ「ッ……! こいつぁ……!!」

めぐみん「【今オマエの夢の中でこのオレはどう映るのだろう? 遠い街で重ねた日々 anyway,everyday ガムシャラだったmy life……敵は誰? とわめいたりイキがっても不意に虚しさが襲ってくる。優しさに触れたい? でもそれは甘え。空回るだけなら、いっそ……!】」

めぐみん「これが最強の攻撃魔法……エクスプロージョン!!!!」
63 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:21:39.45 ID:HnaJaiP1o

 めぐみんのタマ付き杖から放たれる魔力! 収束、解放、爆発!!

 ジャイアント・トードはなすすべなく爆発四散! サヨナラ!

 後に残るのはMagmaが噴き出したかの如く赤黒いクレーター!!


カズマ「ク、クククク……どうやらハッタリばかりのガキじゃねぇらしいなぁ」ニヤッ

カズマ「こんなん見せられて、燃えねぇ奴はいねぇ、ああいねぇよ!」

カズマ「おいガキ! 次は俺とやろうぜ! 派手な喧嘩と――」

 
 ドサッ


カズマ「………………あ?」
64 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:22:12.44 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「我が奥義である爆裂魔法はその絶大な威力故、消費魔力もまた絶大……要約すると、限界を超える魔力を使ったので身動き取れません」

カズマ「おーい、なんかお前の真後ろの地面からカエルが出てきたぞ」

めぐみん「近くからカエルが湧き出すとか予想外です。ヤバイです。食われます。すみませんちょっと助けて」


 パクッ


アクア「」

めぐみん「」

カズマ「お前らぁぁぁ…………!!」


 カズマ、アルターを発動! シェルブリットだ!!


カズマ「巻き添え喰らっても文句言うんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!」


 ジャイアント・トード計5体撃破完了!!
65 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:23:17.81 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜夕方・町〜


アクア「うううぅぅぅ……生臭いよぉ…………生臭いよォ……」ヌルヌル

めぐみん「腕の骨が折れた……」ヌルヌル

アクア「人間には215本も骨があるのよ! 1本くらいなによ!」

めぐみん「薄情な! あ、でもやっぱり折れてません」

カズマ「どっちだよ! 落とすぞ!」

めぐみん「ああごめんなさい! おんぶやめないで!」
66 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:24:08.08 ID:HnaJaiP1o

カズマ「にしてもこんな棒っきれであんな爆発を起こせるんだな」

めぐみん「先端の宝玉が魔力を増大させてくれるんです」

カズマ「この玉がか」チョンチョン


 パリン


カズマ「あ」

めぐみん「わ、私の大切なタマがぁぁぁぁーーーーッ!!」

カズマ「わ、わりぃ! まさかつついただけで割れるとは……」

めぐみん「ま、まぁ大丈夫です……この杖、買った時予備の宝玉もつけてくれましたから…………そう、私のタマは2つあるッ!」
67 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:24:36.56 ID:HnaJaiP1o

カズマ「なんにせよだ、毎回撃ってすぐぶっ倒れるのも辛いだろ。これからはそのなんたら魔法ってのじゃなくて他のもっとやりやすい技とかでなんとかしろ」

めぐみん「使えません」

カズマ「は?」

めぐみん「私は爆裂魔法しか使えません。他には一切魔法が使えないんです」

アクア「…………ま、マジ?」

めぐみん「マジです」

アクア「で、でも爆裂魔法が使えるなら他の魔法も使えるでしょう? 私なんか宴会芸スキルを習得してからアークプリーストのスキルを全部習得したし」

めぐみん「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。爆発系統の魔法が好きなのではなく、爆裂魔法だけが好きなのです!!」
68 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:25:53.38 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「勿論他の魔法も覚えれば楽になるでしょう……でも駄目なのです、私は爆裂魔法しか愛せない!!」

めぐみん「たとえ1日1発が限度でも、魔法を使った後に倒れるとしても!! それでも私は爆裂魔法しか、愛せない!!」

めぐみん「だって私は、爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードの道を選んだのですから!!」

カズマ「……」

アクア「…………す、素晴らしい……素晴らしいわ! 非効率ながらもロマンを追い求める姿に私は感動したわ!!」

めぐみん「ふっ」グッ

アクア「ふっ」グッ
69 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:26:28.06 ID:HnaJaiP1o

アクア「カズマ、どう? この子なかなかいいじゃない!」

カズマ「駄目だ」

めぐみん「んなっ!?」

アクア「どうして!?」

カズマ「1日1発が限度とか技とは言えんだろ。外したらどうする、防がれたらどうする。当てても相手が生きてたらどうする。お前は倒れてなすすべなくやられるのか?」

めぐみん「で、でも……」

カズマ「お前に足りないもの、それは生きる術だ」

カズマ「この世界の人間がどんだけ他人に優しいかはこの1週間で多少なりとも学んだ。だがもしもの時、自分以外に何が頼れる。頼れねぇよ」

カズマ「俺達はお前のセーフティじゃねぇ。他人に頼るな、自分を生かせ」ギロッ
70 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:27:10.10 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「う……」

アクア「カズマ、ちょっと言いすぎじゃ――」

カズマ「だが、お前の考え方は否定しない。むしろ好きな方だ」

めぐみん「え?」

カズマ「俺もこの右腕に何度も振り回された。使ってぶっ倒れたり、使って痛めたり感覚が無くなったり……だが頼れるものはコイツだけだった」グッ

カズマ「お前が頼るのがそれなら、お前がそれを貫くなら、やり通せ」

めぐみん「も、もとよりそのつもりです! ゆくゆくは何発撃っても倒れないアークウィザードに!」

カズマ「ヘッ、その覚悟があるなら俺からは何も言いやしねぇ」
71 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:27:42.38 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「でっでは仲間にしてくれるんですね!?」

カズマ「あ? ああそんな話もあったな……まあいいんじゃねぇか。俺は好きにやらせてもらうが、邪魔すんじゃねぇぞガキンチョ」

めぐみん「むっ、ガキではありません」

カズマ「?」

めぐみん「我が名は、めぐみんです」

カズマ「……ああそうかい、めぐみんか。オーケー刻んだ、ならお前も俺を刻め。俺の名を。カズマという名を」

めぐみん「カズマですね。オッケーです」

アクア「あ、私はアクアね。一応」

カズマ「お前そんな名前だったのか」

アクア「あんたブッ殺されたいの!?」
72 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:29:24.41 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「で、では……」スッ


 ヌチャァという音と共にめぐみんが手を差し出す!



カズマ「なんだこれ」

めぐみん「見て分かりませんか。握手です」

カズマ「違うだろ」スッ

めぐみん「えっ?」

カズマ「こうだ」グッ

めぐみん「……グーですか?」

カズマ「ああ」

めぐみん「……ふっ、では」グッ


 拳を、合わせる!




 テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!

 い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
73 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:34:30.61 ID:HnaJaiP1o

 デレレレレレレレレ


 次 回


  爆裂魔法後の激しい消費が、めぐみんの体を蝕んでいく……

  動けず倒れためぐみんに、脱出の道はあるのか

  それとも未来無き闇に、覆われてしまうのか

  ああ、めぐみんよ!
  
  そのギラついた目は、どこへ向かう
                    
                                   第 3 話
                                    ギ ル ド
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:39:31.29 ID:aH1QRtYgo
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:46:01.03 ID:oreffX0Po

キャラに違和感ないし面白いわ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 01:36:50.60 ID:uGfFm+sco
おつ、予告ネタバレワロタ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 02:15:52.24 ID:K7CO7Wzno
唐突にニンジャスレイヤーが
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 03:01:55.67 ID:BANB+6S0O
ギルドじゃねーか!
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 09:57:36.76 ID:41gdEslX0
乙乙
この小説を待ってたんだ…
web版からカズマを名乗るならシェルブリッド使えよと読みながらツッコんでたわ
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 11:01:46.88 ID:gp69uzO7O
元の3話がホーリーだから組織繋がりか
てことは4話のタイトルはあの…
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 17:27:14.97 ID:4/LvcBHR0

このすば観てないのにスクライドのカズマと聞いて
恐る恐るみたが面白いじゃねえか、原作でもアクアとめぐみんってこんな
残念なキャラなのか?ww
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 17:53:40.18 ID:wFuQz1VH0
シェリス、Magma、大事なタマ
このすばだけじゃなくてスクライドの方からもネタを持ってきてくれてるのが素敵
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 15:58:34.87 ID:XKPNCNm50
>>81
もっと残念
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 02:36:40.95 ID:M6XNMG9NO
>>81
お前の頭残念
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 12:39:34.31 ID:JYe02e1xO
>>81
見てないのがほんとに残念
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 19:56:32.12 ID:6Ie+u2+/o
このすばは珍しく嫌みのない主人公だったな
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 23:22:22.11 ID:PQicVldWO
このすばのカズマさんはオーフェンとか三橋貴志とかそれ系の主人公
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 09:00:11.64 ID:Kw8S44QG0
>>84
頭が残念とか言われて本気で傷付いたんで首吊ってきます

でもその前にこのすば観てからにします
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 16:05:04.34 ID:dgpFUPGtO
>>84
あーあやっちまったな
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 18:45:35.36 ID:Fa1MJf/2O
>>88
そこは
見下してんじゃねぇ!
とか
確かに俺は頭が残念だ、そこにクズとウスノロを足してもいい
とか言い返さないと
91 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:55:20.38 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜夜・食堂〜


カズマ「(ここは飯がうめぇ。人が自由だ。どいつもこいつも誰かと助け合って生きてやがる)」

カズマ「(ムカつくぐれぇに居心地のいい世界だぜ)」

カズマ「(かなみも、ここに居りゃ……)」

カズマ「(いや、俺達インナーは……あそこでしか生きられねぇ。戦いの中でしか……)」

カズマ「……まぁ、戻れねぇ分にはどうしようもねぇか……」
92 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:55:47.69 ID:o1sjXK9Qo

「もし、そこの人」

カズマ「あん? 俺か?」

「あの募集にあったカズマとは、あなたのことか?」

カズマ「ああカズマは俺だが……アイツ、俺の名前を勝手に使いやがったな……」

「そうか、安心した。もしまだメンバーを集めているようなら……入りたいのだが」

カズマ「あんたは何者だよ」

「ああ失礼、自己紹介が遅れたな」

ダクネス「私はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ」
93 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:56:19.46 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「是非私を…………ぱ、ぱぱぱぱぱパーティーに……!」

カズマ「悪いが今はオフだ。シェルブリットのカズマはここにはいませーんっと」

ダクネス「さっきの2人、ヌルヌルのあの2人! さっき街で見たあの2人はあなたの仲間だろう? 一体何をやったらあんな風に!?」

カズマ「人の話を聞け! ……あの2人はなんかでけぇカエルに喰われて」

ダクネス「んなっ!? デカいカエル……つまり、ジャイアント・トードだな! あんなのに捕食されるプレイをやっているなんて……想像以上だ!」

カズマ「(なんだコイツ変な奴だな)」

ダクネス「い、いや違う! あんな年端も行かぬ少女がそんな目に合うなんて、騎士として見過ごせない!!」ハァハァ
94 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:56:58.10 ID:o1sjXK9Qo

カズマ「なぁ、あんたの為に言ってやるが、俺達は日々の雑用だの工事だのをやるパーティーじゃねぇ。街の外で戦う喧嘩集団だ。女がやることじゃねぇよ」

ダクネス「フッ、上等! 望むところだ! むしろスライムにまとわりつかれてヌルヌルまみれにされたりオークに力任せに壊されたりゴブリン共に飛び疲れてなすすべがなくなったりするとなお良い!!」

カズマ「言ってる意味がよく分からねぇんだが……」

ダクネス「ああすまない、つい興奮してまた我を忘れてしまった……ゴホン、私は不器用故攻撃がまったく当てられないのだが、頑丈なのが取り柄なのだ。だから戦闘となれば私は味方の盾になる。むしろそれしかできない」

カズマ「誰かを守るってのか」

ダクネス「ああそうだ。仲間を傷つける白刃を受け、仲間を狙う雷の避雷針となる。私は誰かの盾となる生き様しかできない女だ。だから私は、その生き様を貫き、見せつける」

カズマ「誰にだよ」

ダクネス「誰でもいいさ。私を見た者すべてにだ」

カズマ「………………ヘッ、いいじゃねぇか。またお荷物が増えるのはと思ったが、気が変わった」

カズマ「表に出な。お前の行き様、確かめさせてもらおうじゃねぇか」




 デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!

 掴め! すべて! 心に!
95 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:57:38.95 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜ギルド前〜


アクア「いや〜お風呂気持ちよかったぁぁ!」

めぐみん「やっとヌルヌルがとれました……」

アクア「ん? あれカズマじゃない?」

めぐみん「えっ? あ、本当です。なにやら女の人と一緒にいますね」

アクア「おっとぉ? チンピラがいっちょ前に色恋ですかなぁぁ?」

めぐみん「いや、とてもそんな雰囲気じゃないんですけど……むしろ――」
96 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:58:05.10 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「確かめるとは、どうやってだ?」

カズマ「抜けよ。お前の誇りを」シュウウウ


 ボシュッ、ボシュッ!


ダクネス「なっ、その右腕は……?」

カズマ「これが俺の生き様、自慢の拳、シェルブリットだ!」

ダクネス「面妖な……だが面白い! 私も抜こう、この剣を!」シャッ
97 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:58:37.46 ID:o1sjXK9Qo

アクア「ちょ、ちょっとちょっと! なにしてんの!?」

めぐみん「カズマ、こんなところで喧嘩はまずいですよ!」

カズマ「止めんじゃねぇ。それにコイツぁ喧嘩じゃねぇよ」

ダクネス「うむ。悪いが黙って見ていてもらおうか」

めぐみん「えぇ……アクア、どうしましょう」

アクア「見てろってんならそれでいいんじゃない?」

めぐみん「ええええ!?」
98 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 06:59:11.13 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「来い! 受け止めてやる!」

カズマ「ああ、やるからには本気だ! ケガしても文句言うんじゃねぇぞぉぉぉぉッ!!」


 カズマの背中に生えた尻尾状の突起がしなり、地面を叩きつける!

 その反動で一気にダクネスの懐に飛び込むカズマ!


ダクネス「速い……!」

カズマ「うおおおおおおおおおおおおオオオオオオオッ!!」ブォン!


 カズマの拳がダクネスの腹を捉える!


ダクネス「ぐ、あああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

カズマ「なにっ!?」


 大きく後方へ吹き飛ばされるダクネス! 

 ダクネスは民家の壁にめり込んでいた! 
99 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:00:18.02 ID:o1sjXK9Qo

アクア「う、うっわ……カズマ、あの人ホントに死んだんじゃない!?」

めぐみん「街中でこんなこと……ほら、何事かと人が出てきましたよ! せめてその右腕だけでも解いてください!」

カズマ「…………」シュゥゥン


 カズマの視線の先は、先ほどまでダクネスが立っていた場所からめり込んだ民家の間にある地面!

 そこには深々と2本の線が掘られていた!


カズマ「……アイツ、ずっと地に足をつけていやがった。ふっ飛ばしてやるつもりだったが……」ザッザッ

ダクネス「う、ゲッホゲッホ……」

ダクネス「(なんて重い拳だ……それでいて、痛い…………ああ、素晴らしい!)」ハァハァ

カズマ「おい」

ダクネス「ん?」

カズマ「立てるか?」

ダクネス「ああ……これくらい、めじゃないさ」スクッ

カズマ「マジかよ……(コイツがタフすぎんのか、それとも俺のアルターが……?)」
100 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:01:22.20 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「それで、どうだった? 私の生き様は」

カズマ「ああ、見させてもらったぜ。正直、見上げたもんだ」

ダクネス「ははは……それはなによりだ、が……うっ、カズマの拳も、なかなか効いた。そしてなにより、一切の手加減が無い! 私のツボを心得ている!」

カズマ「お、おう?」

ダクネス「改めて是非とも、私をあなたのパーティーに加えてほしい!!」

カズマ「ああいいぜ。好きにしな」

ダクネス「…………断らないのか? そこは断られ心を傷つけられた私を見て楽しむんじゃないのか?」

カズマ「え?」
101 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:01:51.28 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜翌日・食堂〜


めぐみん「それで昨日の黄色い人がパーティーに入ることになったんですか?」

カズマ「ああそうらしい」

アクア「ちょっとーあたしの許可なくそういう重大事項決めないでくれない〜?」

カズマ「勝手に俺の名前使っただろうが! あいこだあいこ!」

アクア「なによ! 昨日まであたしの名前覚えてなかったくせに! じゃあ昨日の黄色い人の名前言ってみなさいよ!」

カズマ「おお言ってやろうじゃねぇか! アイツは………………アイツは、あれ?」

めぐみん「カズマ、パーティーに入ってくれるという人の名前を忘れるのは……」

アクア「あんたホント名前覚えるの苦手よね」

カズマ「うっせぇ! 後で聞きゃぁいいだろうが」
102 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:02:19.18 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「探したぞ、カズマ」

カズマ「おうあんたか。丁度あんたの話をしていたんだ」

めぐみん「あなたがパーティーに入ってくれるという方ですか。我が名はめぐみんです!」

アクア「あたしはアクアよ。あなたは……?」

ダクネス「私はダクネス。カズマから聞いていなかったのか?」

アクア「ごめんね、コイツ人の名前ホンットに覚えられない奴だから」

カズマ「悪かったって……ごめん、わりぃ、すまねぇ、許せ。昨日は別れ際に名前を聞くのを忘れてたからよ」

ダクネス「ならこの場で刻んでくれるか?」

カズマ「ああ刻んだ刻んだ。ダクネスだな」
103 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:02:55.15 ID:o1sjXK9Qo

クリス「じゃあついでに私も刻んでもらおうかな?」ヒョコッ

カズマ「うおっ、なんだお前どこから湧いて出やがった」

ダクネス「なんだクリスも入りたいのか?」

クリス「いやいや、私はダクネスがどんなパーティーに入るのかなーって見に来ただけ」

カズマ「そんな恰好で風邪ひかないのか?」

クリス「お気遣いありがとう。君がカズマ君だね? 昨日のアレ見てたよ」

カズマ「アレ?」

ダクネス「私とカズマのアレだろう」

カズマ「ああアレか」

クリス「あの右腕、すごかったね。何かのスキル?」

カズマ「スキル?」
104 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:03:25.62 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「それは私も気になっていた。あんなスキルは見たことが無かったからな」

めぐみん「そういえば私もその力について聞いたことはありませんでしたね。何スキルですか?」

カズマ「待て待て、そもそもスキルってなんだよ」

全員「え゛」

カズマ「あ?」

クリス「ぼ、冒険者がその職業にちなんだ強力な能力のことだけど…………知らないの?」

カズマ「なんだそれ」

クリス「…………」

めぐみん「じゃ、じゃあその腕は?」
105 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:03:57.77 ID:o1sjXK9Qo

カズマ「コイツはアルター能力ってんだ。ロストグラウンド……俺の生まれたところの人間しか使えないらしいが、詳しいことは俺にも分からねぇ」

アクア「ああなんかそんなこと言ってたわね」

カズマ「だからスキルなんてもんじゃねぇな」

クリス「へぇ……とても興味深い能力だね」

ダクネス「では今ならレベルも上がっているだろうし、スキルも覚え時では?」

カズマ「いらねぇ」

ダクネス「なっ、いらないのか!?」

カズマ「俺ぁややこしいことは苦手でよ。それに、男なら着の身着のままってな」

めぐみん「着の身着のまま冒険に出られても迷惑ですよ……」
106 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:04:45.10 ID:o1sjXK9Qo

カズマ「いいんだよ。俺にはコイツさえあれば」

クリス「ふぅん……ねぇ、そのアルターっていうの、見せてくれない?」

カズマ「見世物じゃねぇぞ」

クリス「分かってるよ! でも興味があるんだ。今ならシュワシュワ奢るよ?」

カズマ「……! ヘッ、そう言われちゃ首を縦に振らざるを得ないな」

めぐみん「カズマ、シュワシュワ好きですね」

クリス「うむうむ、世の中ギブアンドテイクだね」
107 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:05:18.39 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜裏路地〜


カズマ「ってなんでお前らまで来てるんだよ」

アクア「いやー何度見ても面白くて」

カズマ「見世物じゃねぇっつってんだろ!」

めぐみん「私は単純に興味があります」

ダクネス「右に同じだ」

クリス「さぁさ、見せておくれよ!」

カズマ「チッ、仕方ねぇな……」
108 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:05:55.54 ID:o1sjXK9Qo

カズマ「こうして意識するとな、周りの物がバラバラになって俺の右腕になるんだよ」

クリス「ほうほう。物質を変換する能力ってことかな……? そのバラバラにするものは選べるのかい?」

カズマ「強く意識すればな。だけど大体なんとなく周りのだから基本無意識だ。今もな、っと!」グッ


 カズマの言う通り、右腕が変化し、背中に3枚の羽が現れる!

 しかし変だ! 何故かって? いつもみたいに地面や建物が抉れないのだ!


カズマ「あれ? おかしいな……俺今何を使ったんだ?」

めぐみん・クリス「ッッッッ!!?!??!?」カァァァ

アクア「どうしたの2人とも、股間なんかおさえて」
109 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:06:27.94 ID:o1sjXK9Qo

クリス「い、いやああぁぁぁぁぁぁ!!」ブワッ

めぐみん「カズマ、本当に無意識なんですよね? 意識してないんですよね?」プルプル

カズマ「お、おうそうだが……?」

めぐみん「だとしたら、カズマは今とんでもないものを引き当てたことになります……」

アクア「なによとんでもないものって」

クリス「わ、私のパンツ返してぇぇぇ!!」

めぐみん「私のパンツも今、カズマの右腕となっています」グスッ

カズマ「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ダクネス「な、なんと!!」


 そう! カズマに下心は一切無い! まさに神の悪戯である!!
110 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:07:04.37 ID:o1sjXK9Qo

アクア「カズマ最低!! 早く返してあげなさいよ!」

カズマ「いや、1度アルターにしたらもう元に戻らねぇよ!」

クリス「えええっ!? じゃ、じゃあ私はどうすれば!? このまま服屋に行けって!?」

カズマ「ああそうだよそうしろ!」

ダクネス「なっ、なんという鬼畜の所業! 往来で少女の下着を剥ぎ、しかもそのまま代えを買いに行けなど! やはり、やはり私の見込み通りの男だ!!」

カズマ「ちっげぇよ! 取っちまったのは謝るから!」

めぐみん「わ、私はカズマを信じていますから……買ってきます……」

クリス「待って、私も行く!」
111 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:07:32.64 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜食堂〜


クリス「はぁ……ひどい目にあった」

めぐみん「まったくです」

カズマ「いや、だから悪かったって……見てぇって言うから」

クリス「まぁいいさ、授業料だと思うことにするよ」

アクア「え、そこはカズマがド変態だって広めないの?」

カズマ「おい!」

クリス「一応盗賊な私がパンツを盗まれたなんて、自分で恥を広めるようなものだからね……流石に人に言えない」

ダクネス「いやはや恐れ入った。カズマよ、もしアルターとやらの材料が足りないときはいつでも私の衣服を使ってくれていいぞ!」

カズマ「ぜってぇ使わねぇ!!」
112 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:08:08.10 ID:o1sjXK9Qo

 ウーーーーーーーーーーーーーーーーー!! ウーーーーーーーーーーーーーー!!


カズマ「なんだこれ、飯の配給時間か?」

クリス「いや、これは確か……」

ルナ『緊急クエスト! 緊急クエストです! 冒険者はただちに街の正門に集合してください! 繰り返します!』

カズマ「なんだなんだ」

ダクネス「行こうか」

めぐみん「はい」

アクア「クックック、腕が鳴るわね」
113 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:08:34.58 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜正門前〜


「街の住人の避難は完了したみたいだ」

「よかった……これで誰も犠牲にならない」

「あとは俺達の仕事だな」

カズマ「おいアクア、一体なんなんだよ」

アクア「あれを見て」

カズマ「あれ……?」


 アクアが指差すは遥か彼方から飛来する緑色の波!


カズマ「なんだありゃあ……」

ダクネス「皆は私が守る……下がっていろ」

めぐみん「あれは、この季節にやってくる嵐……数多くの冒険者を苦しめてきた爆弾!」

アクア「キャベツよ!!」

カズマ「…………………………は?」
114 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:09:11.03 ID:o1sjXK9Qo

アクア「この世界のキャベツは、飛ぶのよ! そして旨味を凝縮した我が身を簡単に食べさせてなるものかと自我を持ち、収穫には相当の苦労を強いられるわ!」

ルナ「みなさーん! 今回のキャベツはとても質が良く、1玉1万エリスで買い取らせていただきまーす!」

「「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」」

カズマ「…………俺、帰るわ。たかが野菜に働いてたまるかよ」

アクア「ちょっと! そのたかが野菜が1つ1万よ!? 働きなさいよこのボンクラァ!!」

「うおおおキャベツを一番取るのは俺だぁ!」

「馬鹿野郎俺だ! 俺んちは農家なんだ!」


 冒険者達の攻撃を受け、次々と収穫されていくキャベツ達!

 しかし、意地があんだよ! キャベツにはあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


「ぐあっ!」

「クッ、キャベツの体当たりつええぇ……!」
115 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:09:44.78 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ブンッ


 スカッ


ダクネス「くらえっ!!」ブォン


 スカッ


ダクネス「くっ、やはり強敵か……!」

「ぎゃあぁぁ!!」

「う、動けない……」

ダクネス「なっ、危ない!」


 キャベツに体当たりされ足をやられた冒険者! 

 それにのしかかれ動けなくなったもう1人にもキャベツが殺到する!!

 バキャッ! キャベツが砕ける音!!
116 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:10:30.58 ID:o1sjXK9Qo

「ひっ………………あれ?」

ダクネス「うっ……!」

「あ、あんた……俺達を庇って……!」

ダクネス「守ってみせる……私の騎士の誇りとして!!」


 ダクネスの気迫に引き寄せられるように生き残った大半のキャベツがダクネスへと突撃!!

 徐々に傷つき、砕け、剥がされていく鎧!!


アクア「ちょ、ダクネス! 危ないわよ!」

カズマ「…………」
117 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:10:59.49 ID:o1sjXK9Qo

「騎士様、逃げてくれ!」

「そうです! 無理しないでください! 死んでしまいます!!」

ダクネス「できん!! 私は、クルセイダー…………守ることこそ、私の生き様だ!!」

「おお……なんて素晴らしい騎士なんだ……」

「俺も騎士として見習わなければ」

ダクネス「(ああっ、見られてる……キャベツに破かれた服から除く私の肌を……むくつけき男達が私の肌を見て興奮している!!)」ハァハァ

ダクネス「さぁ、もっと来い! もっと破け!!」

カズマ「ヘッ」シュウウウ
118 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:11:55.21 ID:o1sjXK9Qo

カズマ「面白れぇ!」


 シェルブリットを纏ったカズマがダクネスの横へと躍り出る!


ダクネス「カズマ……!」

カズマ「キャベツだからと見下してたのは俺だ。謝るぜお前らァッ!!」グググググ

カズマ「シェルブリット・バーストォォォォォォォッッ!!」


 カズマの拳から広範囲の衝撃波が放たれる! 

 たまらず無数のキャベツが地に落ちるが、それでもまだ軽く100は越えるキャベツが健在!


カズマ「チッ、やっぱ足りねぇな……」

めぐみん「いいえカズマ、ナイスなお膳立てです」キッ
119 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:12:27.59 ID:o1sjXK9Qo

めぐみん「【心地良い夕立に濡れて、両手広げ深く息を吸った。始まってゆく新しい僕を受け止めてゆこう。気がつけば誰かが作ったレールの上、がむしゃらに進んでた……自分の弱さ認められず『願い』だけ響かせて! 抱えきれないほどに詰め込んだ荷物なら、時の河へ投げ捨てて。今日の思いを、今日のすべてを、解き放てるままに!!】」


 めぐみんのギラついた目が、カズマを、ダクネスを、動けない冒険者を、キャベツを見据える!


めぐみん「エクスプロージョン!!!!」

 
 それはキャベツを一撃ですべて収穫する勢いの爆裂魔法だった!

 そう、カズマ、ダクネス、冒険者諸共!!


「「ぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?!?!??」」

カズマ「ぐおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!?」

ダクネス「んっ、んあああああぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!」
120 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:12:55.05 ID:o1sjXK9Qo

・・・・・・

〜夜・食堂〜


カズマ「テメェめぐみん……!」

めぐみん「いやぁ……あの数の敵を目の前にして爆裂魔法を撃つなというのが無理な話ですよ」ホクホク

ダクネス「あれほどの爆発の直撃は初めてだった……いいものだな!」

アクア「まぁなんにせよ大豊作でよかったわね! こりゃ明日渡される報酬も……げっへっへ」

カズマ「あれで金になるんだな……てか、これうめぇな!」

アクア「そりゃそうよ! あれだけ苦労して収穫したキャベツを使った野菜炒めだもの!」

カズマ「畜生、うめぇ……かなみにも食わせてやりてぇぜ…………」

めぐみん「誰ですかそれ?」

カズマ「あ……なんでもねぇよ」

めぐみん「ええぇ気になります!」
121 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:13:22.67 ID:o1sjXK9Qo

ダクネス「この戦いで、皆に私のクルセイダーとしての実力は分かってもらえただろうか」

アクア「ええ! あの守りには流石のキャベツ達も攻めあぐねていたもの!」

めぐみん「まさに壁でしたね。乗り気でなかったカズマまで思わず飛び出すくらいの騎士っぷりでした」

ダクネス「では…………改めて、よろしく頼む。私は守ることしか知らない堅い女だが、いつでも壁になれるぞ! なんなら囮にして見捨ててくれてもいい。ミスをしたら激しく罵って、体罰を加えてもいいぞ! くぅぅ……想像しただけで武者震いが……」

カズマ「……なぁあんた」

ダクネス「なんだ?」

カズマ「まさかと思うが、傷つけられるのが趣味なのか?」

ダクネス「ぶっ、ち、ちちちち違うぞ! 傷つけられるだけでなく、放置されたり縛られたり……い、いやなんでもないぞ!」

カズマ「そ、そうか……(やっぱりよく分からねぇな)」




 テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!

 い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
122 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/17(水) 07:17:13.86 ID:o1sjXK9Qo

 デレレレレレレレレ


 次 回


  大きいモノ、硬いモノ、雄々しいモノ……

  それは、『デュラアン』ベルディアのビッグブレイドである

  ベルディアの大剣と、カズマの拳の衝突と衝撃が

  アクセルを大きく震わす!

  二人、男の太さを競う
                     
                                   第  4  話
                                  ビッグブレイド
123 : ◆wQQcI0pNtAGr [sage saga]:2016/08/17(水) 07:19:40.46 ID:o1sjXK9Qo

Q:アクアやめぐみん、ダクネスといったキャラは残念なんですか?

A:このすクライドは男の話なので、女に関して語ることなどなにもありません。
124 : ◆wQQcI0pNtAGr [sage]:2016/08/17(水) 07:55:40.11 ID:o1sjXK9Qo
>>122 そしてデュラアンではなく、デュラハンでした申し訳も
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 08:12:28.58 ID:qko71SF8o
待ってたぜえ! てめえのSSをなあ!
刻ませてもらうぜ乙
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 12:50:16.07 ID:Ua1AXqD3O

馬鹿げてる…男の人って異世界でもこうでもしないと生きていけないの!?
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 16:05:46.06 ID:hhdWAPLGO
ふっ、ふふふっ。>>1ぃ、お前は限界を超えちまったんだなぁ。だったら進め、徹底的にな
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 20:52:39.17 ID:7gu+vnzhO
めぐみん可愛いよめぐみん
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/19(金) 01:22:04.74 ID:HpP+owqZo
そういやこの世界でもカズマの使っている指ぬきグローブあるんだろうか
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/19(金) 02:23:44.29 ID:JkmdQfHxO
めぐみんの手を見るのだ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/19(金) 16:40:45.04 ID:IJpT55QOO
>>123
これ好きだ
おつ
132 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:49:03.73 ID:/vUbh5r1o













                                このすクライド


133 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:49:59.77 ID:/vUbh5r1o

・・・・・・

〜街から離れた森の道〜


めぐみん「ありがとうございますカズマ。付き合ってもらって」

カズマ「馬小屋で寝ててもアイツにうだうだ言われるだけだからな。散歩してる方が気楽でいい」

めぐみん「うーむ、この辺なら爆裂魔法を放っても問題ありませんね」

カズマ「街でやるとなにか問題があるのか?」

めぐみん「以前街でやったら爆風と爆音で苦情が出て怒られちゃったんです……」
134 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:50:31.17 ID:/vUbh5r1o

めぐみん「あ! あの古城なんかよさげじゃないですか?」

カズマ「アレにぶちかますのか?」

めぐみん「はい! あれなら爆裂させがいがあります。新調したこの杖の新しいタマで……!」キッ


 フォオオオオオオ……


めぐみん「【信じあうこと、愛すること、それが人の道という……キレイゴト、アコガレ、ナニ? 誰かが笑った。流される日常の渦に置き去りにした夢の数々。待つだけじゃ、何も埋められない……乾いた胸満たせ、 So desire!】」

めぐみん「エクスプロージョン!!!!」カッ
135 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:50:59.64 ID:/vUbh5r1o

めぐみん「うはっ」ドサッ

カズマ「相変わらずビリビリ来やがるな……」

めぐみん「燃え尽きろ…………はぁっ、最高デース」

カズマ「それで、俺の仕事はお前をおぶって帰ることかよ」

めぐみん「ご名答。よろしくお願いします」

カズマ「そうか、じゃあな」

めぐみん「ああああ待って! 待ってください! お願いします、連れて帰ってぇぇ!!」




 デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!

 奪え! すべて! この手で!
136 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:51:40.17 ID:/vUbh5r1o

・・・・・・


カズマ「(あのワケの分からねぇキャベツから数日、やることのない俺はこうしてめぐみんのお守をしている)」

カズマ「(あの後なんか金がメチャクチャ入っているであろう袋を渡されたが、飲み食いできりゃ他に使い道もねぇしアクアに渡したら土下座して泣きながら抱きついてきた)」

カズマ「(ダクネスは服を新調すると鍛えるとかなんとかでどこかに行っちまったし)」

カズマ「(……このままで本当にロストグラウンドに帰れるのか?)」

めぐみん「あの、カズマ」

カズマ「なんだ」

めぐみん「もしスキルポイントの使い道がなければ、爆裂魔法を覚えたらどうでしょう。損させませんよ」

カズマ「あーいつかな」

めぐみん「絶対ですよ!」
137 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:52:06.98 ID:/vUbh5r1o

カズマ「(そんで、俺とめぐみんは毎日毎日、街から離れた古城に爆裂魔法を撃ちに行ってる)」

めぐみん「エクスプロージョン!!」

カズマ「(雨が降ろうが風が吹こうが雪が舞おうが毎日だ。正直、慣れてきた)」

めぐみん「ロージョン!!」

カズマ「(慣れ過ぎてその日の爆裂魔法とやらの出来もなんとなく分かるようになってきた)」

めぐみん「ジョン!!」

カズマ「(そして、この日課を始めて何日経ったか忘れた頃だ)」

めぐみん「ン!!」
138 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:52:39.92 ID:/vUbh5r1o

・・・・・・

〜ギルド〜


アクア「ちょっとなによこれ! 高難易度のクエストしか貼られてないじゃない!」

ダクネス「おお……! これにしよう! ブラックファング討伐…………絶対一撃が重くて気持ちいいぞ!」

めぐみん「いや、流石にちょっと……雑魚モンスターを一掃するクエストとか無いんですか?」

ルナ「申し訳ありません……近頃街の近くに魔王軍の幹部らしき者が住み着いたらしく、弱いモンスターは皆隠れちゃったみたいなんです」

カズマ「魔王軍だって? どこだ! とっととブチのめす!」

ルナ「あ、いえ正確な居場所は分からないんです。それで、この事態に対応できる腕利きの冒険者が王都から派遣されてくるまでは冒険者の方々にも大人しくしてもらうしか……」

アクア「なんでよ! 私今金欠なのよ!!」

ダクネス「あれ、アクアはこの前カズマから100万くらいポンと貰ってなかったか?」

アクア「ウッ……じ、実は調子に乗って使いすぎちゃって……あははーいざ使ってみると100万ってはした金よね〜」

めぐみん「うわぁ……」
139 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:53:06.43 ID:/vUbh5r1o

「ルナさん、ちょっと……」

ルナ「はい?」

「ここじゃ……とにかく、来てください」

ルナ「はい。分かりました」

めぐみん「なんか今の人、すごく汗かいてましたね」

ダクネス「ああ。ただならぬ雰囲気だったが」

アクア「もしかして、私が女神だってバレてギルドが私に対するおもてなしを考えてるとか!?」

めぐみん「アクアはまだその設定を守ってるんですか」

アクア「設定じゃないわよ!!」

ダクネス「まぁ回復魔法についてはエキスパートであるから、見方によっては女神だろうな」

アクア「見方によらず女神よ!」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 16:53:30.98 ID:DvjXSwIaO
うひ
141 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:53:33.83 ID:/vUbh5r1o

ルナ「き、緊急! 緊急クエストです!!」ゼェゼェ

アクア「なによクエストー?」

ルナ「街の全冒険者は、ただちに武装し戦闘態勢をとって正門まで集合してください!!」

カズマ「なんだよ、またキャベツか?」

ダクネス「いいや…………これはただ事ではないぞ」

めぐみん「とにかく行ってみましょう!」
142 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:54:03.71 ID:/vUbh5r1o

・・・・・・

〜正門前〜


「なぁ、アレ……」

「ああ……」

「ヤバそうじゃね?」


 多くの冒険者の視線の先!

 それは、首の無い黒馬に乗った、首の無い騎士!!


アクア「誰よアイツ」

ダクネス「あれは、デュラハンか……!」

「……俺は最近、この街の近くに越してきた魔王軍の幹部の1人、デュラハンのベルディアだ」


 騎士が手に持った自分の首が喋る!
143 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:54:38.80 ID:/vUbh5r1o

アクア「越してきたんですって。お蕎麦茹でてあげましょうよ」

ダクネス「どういう風習だそれ……」

ベルディア「…………ぐ、ぐごごご……!!」ゴゴゴゴ

「見ろ、何か言おうとしてるぞ!」

「凄く怒ってる……魔王軍の幹部ってのが本当だったら、怖いわー!」

ベルディア「おっ、お、おおお俺の住んでる城に、毎日毎日毎日毎日毎日毎日! ばっ、爆裂魔法を撃ちこんでくる頭のイカれた大馬鹿は、誰だぁぁぁぁぁぁぁーーーーッ!!」


 騎士は非常にお怒りだ!!

 怒りが天に届いているのか、黒雲がたちこめ、雷も荒ぶる!!


ベルディア「どうせ雑魚しかいない街だと思って観光気分で来たらさぁ! 毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!! 古城が廃城になったんだぞ!!」

ベルディア「ねぇ、どうしてそんな陰湿な真似するのぉ!? 言いたいことがあったら直接言いに来いよ!! ついに俺がここに来ちゃったよ!!」
144 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:55:05.79 ID:/vUbh5r1o

アクア「ば、爆裂魔法!?」

ダクネス「おいおい……」チラッ

めぐみん「」

「爆裂魔法っていや……」

「この街で使えるのは……」

めぐみん「ひっ……!」

「アイツだけだよな」

「ああ、あの子か……かわいそうに、死んだな」

めぐみん「…………」ガタガタガタガタ
145 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:55:36.39 ID:/vUbh5r1o

カズマ「………………へっ」ポンポン

めぐみん「え?」


 カズマ、めぐみんの肩を軽く叩くと自ら前に出る!!


アクア「ちょ、カズマ!?」

ダクネス「おい!」

カズマ「…………」ニィッ
146 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:56:19.20 ID:/vUbh5r1o

ベルディア「貴様は?」

カズマ「おう、お前のねぐらに毎日撃ちこんでやったのは俺だよ」

ベルディア「ほう……!」ピキピキ

カズマ「適当に撃ってたつもりだったが、お前みてぇなよさげな野郎が釣れてなによりってやつだぜ。ここに来てからすっかり牙が抜けそうだったんでなぁ……研いでくれよ」

ベルディア「貴様…………喧嘩を売っているのか!?」

カズマ「ああそうだ、おうともよ!! 喧嘩だ喧嘩ッ! 俺が売った、テメェが買った!! だから派手な喧嘩と行こうぜ!!」シュウウウ

ベルディア「ッ、なんだその魔法は……見慣れないな」

カズマ「ああ、初めてだろうが。だからここで刻め! 衝撃のぉ、ファーストブリットォォ!!」

ベルディア「ッ!?」


 カズマがベルディアに飛びかかる!
147 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:57:33.55 ID:/vUbh5r1o

カズマ「ガラ空きだぜ、オッサン!!」

ベルディア「ぐおおおっ!?」


 不意を突いた形だろうか、ベルディアは持っていた大剣でカズマの拳を防ぐも馬ごと大きく後退させられた!


「お、おお! 魔王軍の幹部に攻撃したぞアイツ!」

「てかアイツ爆裂魔法仕えたのか」

ベルディア「貴様……! 俺は魔に身を堕としたとはいえ、元は騎士だった……貴様には相手を尊重したり正々堂々といった姿勢がまったく見受けられん。騎士道精神という言葉は無いのか!」

カズマ「関係ないね! 喧嘩によーいドンが必要なのかい?」

ベルディア「そうか、そういう奴か…………ならばいいだろう! 命知らずの駆け出し冒険者よ、ここで露に消えろ!」バッ
148 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:58:04.05 ID:/vUbh5r1o

カズマ「馬を降りたから強さが変わるのか?」

ベルディア「そうだな。変わる」

カズマ「なら見せてみろよ! 撃滅のセカンド――」

ベルディア「遅い!!」


 カズマが拳を繰り出そうとしたその瞬間!

 重いハズの大剣をいともかんたんに振り回すベルディアが距離を詰めた!


カズマ「なッ!?」

ベルディア「オオオオオ!!」ブォン!


 ベルディアの大剣をまともに喰らったカズマ、吹き飛ばされる!!
149 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:58:33.70 ID:/vUbh5r1o

カズマ「が、はっ――!」

アクア「げっ、か、カズマ!」

ダクネス「羨ましい……」

めぐみん「カズマ!」

カズマ「ぐ、くっ……!」


 一撃がゴッソリ持って行く大剣の一撃はカズマといえど無事では済んでないぞ!!


アクア「ちょ、カズマやばいじゃん! もうやめようよ!」

カズマ「黙ってろ!!」

ベルディア「ぶわぁぁぁかめぇぇ!! 俺の太くてかったーいビッグブレイドに、拳なんかが通用するわけねぇだろうが!」

カズマ「て、テメェ……!」
150 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:59:04.57 ID:/vUbh5r1o

 再びベルディアの攻撃のターンだ!


ベルディア「太いんだよぉ!」ブォン!

カズマ「ぐっ……!」ガキィン

ベルディア「硬いんだよぉ!」ブォン!

カズマ「ぐあっ!」

ベルディア「暴れっぱなしなんだよぉ!!」ヴァッ!

カズマ「う、ぐああぁぁぁっ!」
151 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:59:31.64 ID:/vUbh5r1o

 ついにカズマの右腕を覆っていた装甲版のような部分が砕け散り、腕部分がむき出しになる!!


めぐみん「カズマ!!」

カズマ「(なんだってんだ……クソッ、右腕に力が思うように……!)」

ベルディア「フン、所詮駆け出しの冒険者などこんなものだ。だが俺には慈悲の心がある。貴様が謝ってこれからは爆裂魔法は撃ちませんと土下座すれば許してやらんこともないぞ」

カズマ「あん?」ピキ

ベルディア「さぁ、とっとと頭を下げろ」

めぐみん「………………っ!」ダッ

アクア「めぐみん!?」


 めぐみんが意を決したようにカズマとベルディアの間に駆ける!


ベルディア「なんだ小娘」

めぐみん「………………っ! 我が名はめぐみん! アークウィザードにしてこの街随一の魔法の使い手! 紅魔族きっての私以外に、爆裂魔法を使える者など他におらず!!」

カズマ「お前……!」
152 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 16:59:57.59 ID:/vUbh5r1o

ベルディア「……めぐみんってなんだ! バカにしてるのか!」

めぐみん「ち、違うわい!」

アクア「うわわわ、私しーらない」

ダクネス「な、なんと……なんと羨ましい! アイツの攻撃を受けるチャンスを取られた!」

めぐみん「この男はただの出しゃばりな魔法なんかこれっぽっちも使えない奴! 真に爆裂魔法を貴様の城に撃ちこんでここまでおびき寄せたのはこの私、めぐみんである!!」

ベルディア「ほう……なるほど、仲間を庇おうと?」

めぐみん「そ、そうではない!」

ベルディア「フン、どちらにせよ、謝って今後爆裂魔法は使いませんと誓えば許してやる。2人まとめて謝れ!!」

めぐみん「それはできません」

ベルディア「へ?」

めぐみん「紅魔族は1日に1度爆裂魔法を使わないと死んでしまうので、爆裂魔法を撃つことはやめません」

ベルディア「ちょ、ちょちょちょお前! せっかく丸く収まりそうな雰囲気作ってやったのにぶち壊すなよ!! 嘘だって一発で分かるぞ!」
153 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:00:24.22 ID:/vUbh5r1o

ベルディア「貴様……どうしても爆裂魔法を撃つのはやめないと」

めぐみん「はい」

ベルディア「…………ならば、仕方ない。ここで始末してやろう」

めぐみん「っ、き、来なさーい!」プルプル

カズマ「ッ!」ダッ

めぐみん「え!?」

ベルディア「ムッ!?」

カズマ「テメェ……さっきから聞いてりゃ散々見下してくれやがって!」


 カズマの最後の羽が砕ける!


カズマ「俺との喧嘩がまだ終わってねぇだろうがぁぁぁッ!! 抹殺のッ、ラストブリットォォッ!!」
154 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:01:03.29 ID:/vUbh5r1o

ベルディア「クッ、貴様これほどの力をまだ!」

カズマ「うおおおおおおッッ!!」


 砕けた!!

 カズマの拳が!! ベルディアの大剣が!!

 両者共に!!


ベルディア「なにっ!」

カズマ「くっ……!」ズキ

ベルディア「貴様…………なるほど、大口を叩くだけはある。だが」

ダクネス「なっ、奴の剣が再生した!?」

ベルディア「俺は魔王軍の幹部だぞ。剣を砕いたくらいで勝った気になるな!」

カズマ「なら何度でも砕いてやるよ!」

ベルディア「フッ、無理をするな。その拳では今度こそ戦えまい」

カズマ「それを決めんのはお前じゃねぇ、俺だぁぁッ!!」バッ
155 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:01:29.41 ID:/vUbh5r1o

カズマ「っ、アルターが……出ねぇ! なんでだ!?」

ベルディア「なにか知らんが、魔力切れでも起こしたか」

アクア「うっそでしょ……カズマの唯一と言っていい取り柄が!」

ベルディア「ふ、今ここで倒してしまってもいいが、貴様ら冒険者にはもっと苦しんで死んでもらう!」ズオッ


 ベルディアの右手に漆黒のオーラが漂う!


めぐみん「ッ! あれは!」

ベルディア「男よ。【汝に、死の宣告を!】」

カズマ「…………っ!」
156 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:02:00.15 ID:/vUbh5r1o

 死の宣告!

 カズマの命を奪わんと迫る!! が!!


ダクネス「ッ!」バッ

ベルディア「なに?」

ダクネス「ぐああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」


 死の宣告がダクネスに直撃!


ダクネス「う…………」ガクッ

ベルディア「ふん、仲間を庇ったか……どうやら騎士のようだが、見上げたものだな」

めぐみん「ダクネスー!」タッタッタッ

ベルディア「1週間だ。その死の宣告は貴様の体を蝕み、1週間後に命を奪う」

ダクネス「ッ!」

ベルディア「貴様らは、自らの行動から仲間の命を1人失ったのだ。それをよく見ながら苦しむんだな!」
157 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:03:46.35 ID:/vUbh5r1o

ダクネス「ど、どうしよう……」

ベルディア「フハハハ! 今更嘆いてももう遅――」

ダクネス「あの男は、きっと呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞け、と! そう言っている!!」

ベルディア「――ふぁ?」

ダクネス「あの目を見ろ! 私が逆らえないのを良いことに、その欲望を私にぶつけ、とんでもない変態ハードコアドエロチックプレイを要求してくる! 変質者の目だ!!」ハァハァ

ベルディア「お、おおいおいおい!!?」

「ま、マジ……?」

「魔王軍の幹部サイテー……」

ベルディア「ちょ、言いがかりだ!

ダクネス「行きたくはない……行きたくはないが、命が奪われそうなんだ……仕方ない! ちょっと行ってくりゅうううう!!」ダッ

ベルディア「ぎゃああああ来るな来るなぁぁ!!」

ダクネス「あ、おい行くな! 戻ってきてくれぇぇ!! 私を忘れているぞおおお!!」


 ベルディアは悲鳴を上げるとそそくさと退散した!!
158 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:04:24.71 ID:/vUbh5r1o

めぐみん「こ、これは……撃退、したのでしょうか…………でも、ダクネスが……」

ダクネス「………………そんな、何故…………薄い本みたいな展開にならない……」ズーン

カズマ「ッ!」ガッ

ダクネス「うわっ!?」

めぐみん「ちょ、カズマ!? 何故ダクネスの胸倉を掴むのです!?」

カズマ「テメェ……何故邪魔した!」

ダクネス「邪魔……?」

カズマ「俺の喧嘩の邪魔だ!! なんで邪魔した!!」

ダクネス「ま、待てカズマ……皆が見てる……いや、見られながら私を痛めつけるのが趣味ならそれはそれで」

めぐみん「やめてくださいカズマ!」
159 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/22(月) 17:04:52.83 ID:/vUbh5r1o

カズマ「なんだよ……テメェも俺の喧嘩を邪魔しやがって」

めぐみん「っ……もとはと言えば、これは私の喧嘩だったハズです!!」

カズマ「ッ」

めぐみん「なのにカズマが出しゃばって……カズマこそ、私の喧嘩の邪魔をしないでくださいよ!!」

カズマ「………………」

めぐみん「……!」

カズマ「……チッ」パッ

ダクネス「うわっ」ドサッ
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