【このすば】カズマ「この素晴らしい世界で喧嘩だ喧嘩ァッ!!」

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1 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:25:12.74 ID:1ikcy6Ygo

 この素クライド
 本編25話の終わりから飛ばされたという設定で、このすばのアニメパートまで


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470781512
2 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:26:01.09 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜向こう側の世界へのゲート〜


カズマ「…………ん、っ、また……ここかよ」

カズマ「(確か俺は、劉鳳と……本土のアルター軍団と戦ってたんだよな……)」

カズマ「(んで全滅させて…………この空間が開いたんだったか)」

カズマ「ったく、ちょっと本気を出したらすぐ吸い込まれらぁ」

カズマ「しかも今回は随分とここにいる時間が長えな」


 カズマの目の前に空間の裂け目が迫る!


カズマ「ッ、なんだ!? 吸い込まれ…………ぐおおおおおぉぉぉぉっ!?」
3 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:26:40.21 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜女神空間〜


カズマ「うおっ!?」ドテッ

カズマ「いっつつ…………クッソぉ……どこだここ? まさか、例の向こう側……」

アクア「ようこそ死後の世界へ」スタスタ

カズマ「あ?」

アクア「あなたはつい先ほど、不幸にも死にました……短い人生でしたが、あなたは死んだのです」
4 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:27:24.33 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「んだテメェは。勝手に人の生き死にを御大層に」

アクア「だってここは死後の世界ですから、あなたは死んだからここに来たんですよ」

カズマ「んなこたぁどうでもいい! とっとと俺を元の場所に戻しやがれ!!」

アクア「(うぜぇ)……それはできません。あなたは死んだのですから元の世界になんて」ムカムカ

カズマ「さーて出口はっと」

アクア「」ブチッ

アクア「だーかーら! あんたは死んだっつってんでしょうが! この本に書いてあるのよ!」バッ

カズマ「…………? 何も書いてねぇぞ」

アクア「え? いやそんなはず…………」パラパラ

アクア「……………………本当に無い!」
5 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:28:09.07 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「チッ、嘘かよ」

アクア「ちょ、ちょっと待って!」

アクア「そんな、誰がここに来ても必ず経歴が書かれるはずなのに、何一つ分からない……!? もしかして本当に死んでない、完全なイレギュラーってこと……?」ブツブツ

アクア「こんなこと初めて…………」

カズマ「1人問答は終わったか?」

アクア「で、でも仮に死んでないにしろ、この空間に来たからにはこっちのルールに従ってもらうわよ!」

カズマ「知ったこっちゃねぇ。オラとっとと元の場所に返せ。俺にはまだやることがあるんだよ」

アクア「この世への未練? 一応聞いてあげるわ」

カズマ「お前には関係無ぇ……ちょっとした些細なことだ。ちっぽけな、な」
6 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:28:41.36 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「そもそも、アイツとの決着も付けずにこの俺が死ぬわけねぇ。この、シェルブリットのカズマ様がな!」

アクア「カズマぁ? あんたカズマっていうの?」

カズマ「おう。名字は無ぇ、ただのカズマだ」

アクア「へぇーそうなの。あたしはアクアよ」

カズマ「どうでもいい」

アクア「なによ! 人がせっかく自己紹介してやったってのに!」

カズマ「ああもうなんでもいいから早くロストグラウンドに返しやがれ! 俺は気が長ぇ方じゃねぇんだ!」

アクア「それはできないわ! あんたには今、2つの選択肢しか無いのよ!」
7 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:29:10.35 ID:1ikcy6Ygo

アクア「まずここは、若くして死んだ人が来る場所なの。そしてあたしの仕事は、そんな不幸な人達に選ばせてあげること」

アクア「ひとつは天国的な所でおじいちゃんみたいにひなたぼっこして暮らすか……もしくは異世界に生まれ変わるか」

カズマ「どっちもノゥだ。俺は帰る。それじゃあな」

アクア「待ってぇぇぇぇ!! 話だけでも聞いてぇぇぇぇ!!」ブワッ

カズマ「うおっ!? テメェきたねぇな!! 鼻水付いてんだよ!!」

アクア「お願いだからぁぁぁぁ!!」

カズマ「わぁったわぁった! 早く言え!!」

アクア「うん……」グスン
8 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:30:02.17 ID:1ikcy6Ygo

アクア「その世界は! 魔王の軍勢によって脅かされていた!!」バッ

アクア「人々が築き上げてきた生活は魔物に蹂躙され、魔王軍の無慈悲な略奪と殺戮に皆怯えて暮らしていた!!」

カズマ「?」

アクア「そんな世界だから、皆生まれ変わるのを拒否しちゃって人が減る一方なのよ」

アクア「んで、他の世界で死んだ人を肉体と精神をそのままに送ってみてはってことなの! しかも大サービスで様々なチートからひとつ選べる特典付き!!」

アクア「どう!? そんなパラダイスみたいなところでかっこよく活躍してみない!?」

カズマ「断る」

アクア「そうよねーやっぱり行きたいわよね…………え?」

カズマ「話を聞くに一方的に蹂躙だの怯えながら暮らすだの、どうやら俺の元居たところと似てる。ならそこに必要なのは外から来た人間じゃねぇ。そこに住む人間が切り拓くモンだ」

カズマ「(……って、アイツならそう言うだろうな。まったくもって頭に来るが、俺も同意見だ)」
9 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:30:36.63 ID:1ikcy6Ygo

アクア「それじゃ困るのよ! 魔王を倒してこの世界を救わないと……」

カズマ「だったら手前でやれ。テメェがその異世界とやらに行ってやりゃぁいいだろうが」

アクア「ハァ!? なんで高貴な女神たるこの私がそんな下々の連中のやることをしなきゃならないのよ!」

カズマ「テメェ……さっきから人を見下してんじゃねぇぞ!!」

アクア「なに? やるっての? いいけどあんた1分後にはボコボコよ!」

カズマ「ハハハッ、おもしれぇ! 俺がボコるかあんたがボコるか……喧嘩といこうじゃねぇか!!」


 バッ、パァァァン!!


カズマ・アクア「ッ?」

「カズマさんの願いを聞き届けました」

アクア「へ?」

カズマ「あ?」
10 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:31:25.94 ID:1ikcy6Ygo

「カズマさんが異世界に持って行くもの……それは、女神アクア様」

アクア「ハァァァァ!!? ねぇちょっと! それ無いんじゃない!? あたし女神よ!?」

カズマ「ちょっと待て! 俺はまだ行くとは言ってねぇぞ!!」

「あなたが数多の冒険者候補から、魔王を倒す勇者となることを願っております。さすればどんな願いでも叶えられるでしょう」

アクア「ああああああ! あたしの台詞!!」

「というかこれ以上長引くと尺……じゃなくて他の死者の相手をする時間が押されますので、強制的に異世界行きです」


カズマ「クソオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!」

アクア「クソオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!」




 デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!

 奪え! すべて! この手で!
11 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:31:58.52 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


〜駆け出しの冒険者の街・アクセル〜


カズマ「……………………」

アクア「……………………」

カズマ「ここは……どこだ? ロストグラウンドよりかなりマシな土地みてぇだが……」

アクア「う、うぎあああぁぁぁ、うっ、ああぁぁぁぁ…………」

カズマ「おいうるせぇぞ、俺まで頭がおかしいと思われたらどうするんだ」

アクア「う、うう…………うううああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガシッ

カズマ「ぬおっ!?」

アクア「うっきゃあぁぁぁぁ!! ひげええひぎいいああぁぁぁっ!!」

 
 アクアがカズマの服を掴み発狂する!


「ねーママ、あれなにー?」

「見ちゃいけません!」
12 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:32:44.03 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「……落ち着いたか?」

アクア「ええ……」

カズマ「チッ、来ちまったモンは仕方ねぇ。とにかくすぐ帰るぞ」

アクア「あのねぇ……帰れないから困ってるのよ!」

カズマ「なに!?」

アクア「ここに来たら最後、魔王を倒さない限り私は女神に戻れないのよおおおぉぉぉ!!」

カズマ「じゃあなにか!? 俺もロストグラウンドに戻れないのかよ!!」

アクア「そうよ! あんたはもう終わりよ! あっはっはっはっはっは!!」

カズマ「この野郎……!」ガシッ

アクア「ヘッ、胸倉掴んで凄んでも無駄よ。なんとかブレッドだかコッペパンだか知らないけどあんたは一生ここで暮らすの!」

カズマ「ぐぐぐぐぐ……」パッ

アクア「ちょ、どこ行くの?」

カズマ「どこでもいいだろ」

アクア「待って、置いてかないで!」
13 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:33:23.32 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜街の外〜


アクア「ねぇちょっと、街から出ちゃったじゃない!」

カズマ「うるせぇ、黙ってろ」

カズマ「(……ん? ちょっと待てよ? 元々は向こう側の世界への扉を開いたのが原因だ……なら、ここでまた開けば……!)」

カズマ「ヘッ、なんだ……簡単じゃねぇか」

アクア「へ?」

カズマ「フンッ!!」シュウウウ


 ボシュッ、ボシュツ!

 カズマの周りの地面が抉れる!
14 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:34:00.69 ID:1ikcy6Ygo

アクア「ひぇぇっ!?」

カズマ「シェルブリット……!」

アクア「ちょ、ちょっと……それ、なに?」

カズマ「あん? んだお前、アルター知らねぇのか?」

アクア「知らないわよ!」

カズマ「なら黙って見てな。シェルブリット……バーストォォォォ!!」


 カズマが拳を天に突き上げる!

 凄まじいエネルギーが迸った!!
15 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:34:50.79 ID:1ikcy6Ygo

アクア「ひええええああああぁぁぁぁっ!!?」

カズマ「………………ひ、開かねぇ……」シュゥゥン

アクア「お、収まった…………今の何よ!?」

カズマ「俺はアルター使いなんだよ」

アクア「だからアルターって何!?」

カズマ「アルターは…………あれだ、物をぶっ壊して作り直して…………細かい事は分からねぇ」

アクア「あんた分からない技使ってるの!?」

カズマ「これで開かなかったってことは……仕方ねぇ、ちとキツいが、最大出力で……」

アクア「ちょ、ちょっと待って」

カズマ「なんだよ、今度はお前まで巻き込みかねねぇぞ」

アクア「多分この世界はそのアルターっていうのが無いのよ。だからあんたが何をしようが、多分無駄だわ」

カズマ「やってみなきゃ分かんねぇだろ!」

アクア「とにかく今は私の言うことを聞いて!」

カズマ「………………チッ、分かったよ」
16 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:36:00.16 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「ッ!?」

アクア「どうしたの? 右目なんかさすって」

カズマ「右目が……開く…………アルターを解いたのに」

カズマ「右目だけじゃねぇ……腕のあざも消えてる…………なぁ、俺の顔……あざとかあるか? 線みたいな切り傷みたいな」

アクア「あざ? 特に無いわよ」

カズマ「この辺の髪がオレンジ色になってたりとか」

アクア「別に髪も特に変わったところは無いわよ」

カズマ「元に戻ってる……のか? それにシェルブリットを使っても右腕がなんともねぇ……」

アクア「もうそんなことはどうでもいいから、この街でやることやるわよ!」

カズマ「なんだよやることって」

アクア「そりゃこれから冒険者になるんだから、ギルドかなんかで登録するの! もーなんで私が先導なのよー!!」
17 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:37:12.13 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜街中〜


カズマ「んで、そのギルドってのはどこだ?」

アクア「知らないわ」

カズマ「ぶっ飛ばすぞ」

アクア「本当に知らないのよ! それよりもカズマ、あんたが魔王を倒せば、なんでも願いが叶うのよ。その願いを『元の世界への帰還』にすればいいじゃない」

カズマ「なるほど……そりゃあいいな! ならこうしちゃいられねぇ、とっととなんたらって奴を倒して帰る!」

アクア「待ちなさいよ、そう慌てることも無いわ。帰るタイミングをあなたがその世界から消えた数分後とかにすればこっちでどれだけゆっくりしても大丈夫よ」

カズマ「お前、頭良いな!」

アクア「ふっふーん、でしょ。私頭良いでしょ?」

カズマ「ああ。どうやら俺よりは良いらしい」

アクア「……ホントに言ってる? ホントに?」

カズマ「なに嬉しそうな顔してやがる」

アクア「いやーはは」
18 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:37:45.90 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜ギルド〜


アクア「はぁ……はぁ……よ、ようやっと見つけた……街中歩き回ってようやっと……」

カズマ「なぁ、この世界はなんたらって奴に支配されてるんじゃなかったのか?」

アクア「魔王軍よ。物覚えが悪いわね」

カズマ「ならなんでここの街の連中はどいつもこいつも、ムカつくほどに笑顔なんだよ」

アクア「そりゃこの街が魔王の本拠地から一番遠いからよ。街の外には弱いモンスターしかいないし、冒険者も多いから平和そのものってわけ」

カズマ「て、テメェ……! ますます俺が来た意味が無ぇじゃねぇか!!」

アクア「でも魔王に近付くにつれて危険も増すし、あんたが魔王を倒さないと私も帰れないのよ!! 協力しなさいよ!!」

カズマ「うおお引っ張るなぁ!」
19 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:38:29.69 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


カズマ「…………」

アクア「…………」

カズマ「金、か……」

アクア「そうね……冒険者に登録するためにはお金が必要だったわね……」

カズマ「なんで持ってねぇんだよ」

アクア「私は女神なのよ? 女神に先立つものなんて必要ないわ」

カズマ「今必要じゃねぇかよ」

アクア「うぐっ、なら待ってなさい! 今あそこの人情味ありそうな老人からガッポリせしめてくるから!」

カズマ「(なんか色々インナーみたいな奴だなコイツ……ロストグラウンドでもくたばりそうにねぇ)」
20 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:38:58.14 ID:1ikcy6Ygo

アクア「…………」トボトボ

カズマ「………………」

アクア「はい、お金……」チャリン

カズマ「…………おう」

アクア「ねぇカズマ……私、女神だって言ってお金を要求したのにね、信じてもらえなかったの…………」ウルウル

アクア「だけどあの人エリス教徒で、女神エリスのご加護があらんことをって……エリスって、私の後輩の女神で……」ウルウル

カズマ「見てたから分からぁ……惨めだぜお前」

アクア「言わないでぇぇ!!」ブワッ
21 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:39:24.54 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


カズマ「ほら、金持って来たぞ。これで冒険者とかいうのにしてくれんだろうな」

ルナ「は、はい! こちらの水晶に手をかざしてください!」

カズマ「お前先にやれ」

アクア「ええっ、なんでよ!」

カズマ「女神なんだろ、やれ」

アクア「なによその理屈……まぁいいけど」スッ
22 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:39:54.30 ID:1ikcy6Ygo

 パァァァ……


ルナ「アクア様ですね。能力値は…………ッ!!」

ルナ「すっ、すごい! 知力が平均より大幅に低いものの、他の能力は平均して高く、高位職にもなんなく就けますよ!!」

「マジかよあの青いネーチャン」

「頭がおかしいと思ってたけどまさかあんなか!」

「ああいう奴が魔王を倒すのかもな!」


ルナ「冒険者ギルドはあなたを歓迎します!!」

アクア「ふ、ふふふふ……まぁ私は女神だからぁ? これくらい当然よねぇぇぇ」

カズマ「じゃあ次は俺だな」スッ
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