【艦これ】女提督「それはね」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/05(金) 23:56:01.92 ID:UYUVpaJBo

曇天の空、うねる水面、響く砲声。


私たちの戦場において、最も大切なのは自己の命ではないわ。

戦艦ビスマルクとして海に存在する限り、任務の達成に何もかもを捧げる覚悟がいる。

上官の指示を受け、命令を実行するための覚悟。

この海では戦士としての誇りこそが何よりも尊いのよ。

は? 命のほうが尊い?

……私自身が平和という奴を嫌いなわけでも、命の尊さを認めないわけでもない。

現場には現場のルールがある。ただそれだけ。

だから、貴方ごときが命について語らないで。

忌々しくて虫唾が走る。これで失礼するわ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470408961
2 : ◆mZYQsYPte. [sage]:2016/08/05(金) 23:57:49.15 ID:UYUVpaJBo

快晴の空、静かな水面、レシプロエンジンの音。


海で一番大切なのは絆です。

一つのミスが命取りとなる戦場において、連携ミスは致命的な結果をもたらします。

常日頃から積極的にコミュニケーションを取り続け、絆を深めること。

それが仲間同士の信頼に繋がり、生か死か、瀬戸際の瞬間をよい方向へと導いてくれる。

戦場で最も尊いもの……?

やっぱり、絆でしょうか。

え、命は大切ですよ。自分と誰かを守り明日へ繋ぐ。命あっての物種です。

絆と命のどちらが大切か、ですか。

……その質問には答えたくありません。もう、よろしいでしょうか。
3 : ◆mZYQsYPte. [sage]:2016/08/06(土) 00:06:10.89 ID:GpC9o9hOo

すぐに機嫌を変える空、その空よりも青い海、恐るべき敵。


戦場の軍人にとって秩序こそがまず護るべきものであり、尊ぶべきものだ。

何気ない日常の裏には確かな秩序がある。

計画を立て、多くの人と時間を動員し、誰しもが偉大だと認めうる事柄を成し遂げるには、無秩序では駄目だ。

人を人たらしめ、社会、そして文明を偉大たらしめているのは、誰かが築いてきた秩序に他ならない。

命と秩序のどちらが大事か……? 記者、それは貴様自身の質問か。

読者の代弁、とな。

命を惜しまず戦う者に命を語らせるとは、相応の覚悟があってのことだろうな。

戦場の真実を伝える義務? 下らん。重みがなさすぎる。安っぽいにも程があるぞ。

まさか貴様、他の艦娘にも命云々の質問をしていないだろうな?

なっ!? 当たり前だ! 怒って当然の質問だ! あぁ、またビスマルクの機嫌を直すため間宮を……!

雲龍だってああ見えて繊細なんだぞ!?

……まぁいい。ならばこの私、グラーフ・ツェッペリンが他の艦娘に代わって答えてやる。

命は大事だ。私にとっては秩序の次に、だがな。

人命が優先されるのは平時のみだ。戦場では自分の命が一番大切な奴など役に立たん。

戦闘技術が高度に発達した現代において、その傾向は顕著だ。

対等な条件下であれば、戦争はまず機先を制し、その初撃の後、相手に比べより有機的かつ大規模、そして効率的に任務を遂行できる軍事システムを有した者が制するだろう。

現代の戦場に戦士は居ない。誰もが兵士と名のついた、ただの部品となる。

機械のトリガーを引くだけの存在にな。

人の血が通わない機械の戦争、悲惨にも関わらず英雄の居ない戦場、その灰色の冷たさ。

ある意味、艦娘というのは幸運かもしれない。

私たちの戦場は未だアナログだ。トリガーの先に相手が見える。自分が目の前の相手を[ピーーー]感触が残る。

沈んだ仲間と同じく、殺した敵のことを私たちが忘れることはないだろう。

先人の存在すら背負わず、自分の命惜しさに存在するだけの畜生ども、よく聞くが良い。

貴様らの海の安全は艦娘が守っているぞ。私は自らが信じ、誇るべき秩序のため戦う。

だが、それは決してお前たちのためではない。

多くの人にとって、明日も今日と変わらぬ日常が待っているだろう。

だが、それは決して! お前たちだけが積み重ねてきたものではない!

不愉快か? 結構。私も今、非常に不愉快だ。

喋りすぎた。予定時間を過ぎてしまっている。では、失礼する。
4 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/06(土) 00:08:01.10 ID:GpC9o9hOo

小休止
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/06(土) 00:24:49.10 ID:8ux0anw7o
来たか!
待ってた
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/06(土) 01:00:54.64 ID:be9S5kYg0
待ってたぞ
初っ端から不穏な空気でいいねえw
期待してるぜ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/06(土) 19:35:36.96 ID:d6Esc59m0
おぉ、待っていたぞ!!
今回はどんな世界のどんな彼女らの話か楽しみで仕方がない!!
8 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:02:21.75 ID:7WiLYZZWo

深海棲艦と呼ばれる、人にとっての敵性存在による侵攻が始まったのはいつだったか。

随分と昔だったようにも思える。

様々な混乱と試行錯誤の末、素質を持つ者が各地から招集され艦娘が誕生した。

今、深海棲艦との戦線は人類優位の形で安定している。

だからこそ、航路はかつての賑わいを取り戻しつつあるのだ。


海からの襲撃が脅威度を下げ、国民の心に余裕が生まれてくれば、大きな戦果を上げかつ見目麗しい艦娘がアイドル的存在へと変化するのもまた必然。

艦娘の士気向上を目的としたケッコンシステムへの不満が民間各所から噴出し、海軍上層部を悩ませている。

特に気を使っているのは、海外から来た派遣艦と提督の関係だ。

スキャンダルがあれば国民からの不満だけでなく、対外的な国の威信さえ失われる。

……待てよ。

海軍には最高の人材が居るじゃないか。あいつなら女に興味が無いから安全だ!
9 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:12:33.13 ID:7WiLYZZWo

昼 赤レンガ 応接室


元帥「というわけでこの役目、引き受けては貰えないか。階級は繰り上げ、都合をつける」

提督「私にお鉢が回ってくるとは、昨今のケッコン問題が意外と効いてたとお見受けする」クックック

元帥「……」

提督「気心の知れた元帥閣下からの頼みだ。引き受けよう。要は艦娘を妊娠させなきゃ良いんだろ?」

元帥「……」コク

提督「さて、ここからは引き受ける対価の話だ」

元帥「聞くだけ、聞こうか」

提督「元帥閣下の子飼いである現総長、現大臣……両者による比屋定事件に関する公式声明の訂正」

元帥「……」ハァ

提督「もしくは私に大湊に関する全権委譲するか、だね。もちろん大本営からのお目付け役はお断りだよ」


提督「好きな方を選ぶといいさ」ケラケラ


元帥「両方却下だ」

提督「私は断ったって構わないんだよ。情報将校以上の閑職だって甘んじて引き受ける覚悟はある」

元帥「この私を脅す気か」

提督「ああ、そうさ。この件に関して私以上の適任者が居るなら、首根っこをひっ捕まえて連れてくりゃいい」

元帥「……」

提督「ってことさね。さぁ、どうする」

元帥「与える対価は後者だ。私の一存で認めよう。今、この場でな」

提督「緩い方を選ぶかい」クスクス

元帥「実質一択のようなものだろう」

提督「私としても最大限譲歩したつもりだよ」

元帥「確かに以前の君に比べれば、な。この任務の後……退役してくれないか」

提督「私は絶対に辞めないよ。目障りなら殺すんだね」

元帥「君が正しいと誰もが知っている。私も君が正しいと思う。それで充分だろう」

提督「私は海軍を家族だと思ってる。私自身、アンタに命を救われた自覚はあるし感謝はしている」


提督「でもね、だからこそ現状は不十分なのさ。家族のケジメは私たち家族自身でつけるべきだ」


元帥「海軍としての訂正は無理だ。身内だけで始末はつけられん」

提督「ならば私が昇進して公式にするだけのこと」

元帥「……もう今日は帰れ。件の正式な辞令は今日中に送り届ける」

提督「はぁ……平行線だね。親父さん、また話そう。今度は酒でも飲みながら」
10 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:26:02.87 ID:7WiLYZZWo

朝 大湊警備府 執務室 


ビスマルク「遅い」

グラーフ「ええ。予定時刻を既に十五分過ぎている」

雲龍「……Zzz」

ビスマルク「新しい提督は時間にルーズなのね、がっかりよ」

グラーフ「がっかりはしない。だが、有能な指揮官では無さそうだ」

雲龍「……Zzz」


提督「揃ってるかい」ガチャ


「「!?」」


入ってきたのは長い黒髪の大女だった。

身長は180近くあるだろう。

顔を見る限り三十路半で、特徴的なツリ目が見る者を威圧し、近寄りがたい印象を与えているのは間違いない。


提督「私がお前らの新しい提督だ。顔を覚えときな」


ビスマルク「……」パクパク

グラーフ「……よ、よろしく」

雲龍「よろしくお願いします」ペコリ

提督「現時点でお前らへの命令は二つだけだ。妊娠するな、海軍と私を困らせるな。以上、下がってよし」
11 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:28:15.46 ID:7WiLYZZWo

昼 大湊警備府 艦娘談話室


ビスマルク「女の提督も居たのね」

グラーフ「……ドイツの資料にも載ってない。最近昇進して提督になったようだ」

ビスマルク「全く。男の提督との色恋沙汰なんて起こす艦娘が居るから、こんな茶番」

グラーフ「だな。実務能力にも疑問が残る。場当たり的な人事だろう」

雲龍「素敵な提督で良かった」

ビスマルク・グラーフ「「!?」」


ビスマルク「雲龍、あのキツイ顔した女のどこが素敵だって言うのよ」

グラーフ「ビスマルクに同意だ」

雲龍「彼女から私の好きな音がするの。あの人は、きっと優しい人」


ビスマルク「控え目に見ても優しい人じゃないでしょ」

グラーフ「……これもビスマルクに同意だ」

雲龍「そう?」

ビスマルク「女の提督なんて、前例の無い人事でしょ。色々と不安だわ」

グラーフ「……」ウンウン

雲龍「別に同意して欲しいとは思わない。でも命令は聞いてあげて欲しい」

ビスマルク「そりゃ、命令は聞くわよ」

グラーフ「ドイツ軍人にとって上官の命令は絶対だ」

雲龍「ありがとう」ニコ

ビスマルク「な、なんで貴女がダンケするの……?」
12 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:30:33.80 ID:7WiLYZZWo

+1日

昼 大湊警備府 食堂


雲龍「お食事をご一緒しても?」

提督「席は他にも空いてるよ」

雲龍「私は提督のお隣で食べたいんです」

提督「……好きにしな」

雲龍「ふふ、ありがとうございます」


提督「魚料理、意外と行けるね。下処理が丁寧だ」

雲龍「提督、お料理などは嗜まれますか」

提督「私がそんなタマに見えるかい? 女らしいことはてんで駄目さ。味にはうるさいがね」

雲龍「もしよろしければ私がご一緒に」

提督「はぁ? しちめんどくさい。やるわけ無いじゃないか」

雲龍「面倒なことは私がします。どうでしょう」

提督「……仕事も無いし、見てるだけなら構いやしないよ」

雲龍「では、それで」

提督「アンタも大概、物好きだねぇ」


グラーフ「う、雲龍は何故あんな女と?」ヒソヒソ

ビスマルク「知らないわよ! 髪が長すぎて前が見えてないとか」ヒソヒソ
13 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:33:31.66 ID:7WiLYZZWo

+2日


朝 大湊警備府 食堂


提督「アンタ、料理なんて出来ないんじゃないか。騙されたよ」

雲龍「いいえ。私も出来るとは一言も言ってないですよ」ニコ

提督「……とんでもない奴」

雲龍「お褒めの言葉、ありがとう御座います。とても楽しい時間でした」

提督「霜のついたフライをそのまま油に入れる奴なんて、米を洗剤で洗うくらいの冗談かと思ってたよ。昨日までは」

雲龍「恐縮です」

提督「ぷっ、ククク……アハハハ!!! 恐れ入ってるんじゃないよ! 反省しな!」

雲龍「はい。あ、驚かれたお顔も素敵でした」

提督「はいはい。まったく、どうしようもない」

ビスマルク「……」

グラーフ「……」
14 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:36:24.43 ID:7WiLYZZWo

夜 艦娘大浴場


カポーン


ビスマルク「あー、この浴槽よ、これこれ」

グラーフ「あー……うー……あー……」グテェ

ビスマルク「グラーフ、貴女、裸を晒すのあれだけ抵抗してたのにね」

グラーフ「ん〜……そうだったか」


提督「ん、先客が居るみたいだね」

雲龍「皆さん、こんばんは」ペコリ


ビスマルク「ええ、お先に湯船を頂いてるわ……わ?」

グラーフ「て、提督?」

ビスマルク「はぁぁぁぁ!? 何してるのよ提督!?」

提督「なんだ。私が風呂に入ると問題があるのか」

雲龍「そうです。乳首は隠して下さい。マナー違反ですから」

ビスマルク「その問題なの!?」

提督「ここには女しか居ない。そんなの構わないじゃないか」

グラーフ「腹筋、ゴジラ……ゴジラ……」

ビスマルク「提督が何故艦娘用の大浴場を使ってるのよ!」

提督「あの個室は狭くて敵わん。風呂は広いに限る」

ビスマルク「あ、そうね。日本の浴場は大勢で……って違う!」

雲龍「私が誘いました」

提督「アンタたちも少しは雲龍を見習いな。今後の栄達のために上官への心遣いとやらを覚えとくんだ」クスクス

グラーフ「……」


雲龍「提督、脱ぐと凄いですね」ツンツン

提督「許可無く私の胸を触るんじゃないよ」

雲龍「触ってもよろしいでしょうか」

提督「遅い。ま、好きにしな」

雲龍「ありがとうございます。結構、筋肉質なんですね」モミモミ


グラーフ(提督が無表情で艦娘に胸を揉ませる……凄い絵面だ)


雲龍「お返しにどうぞ、私のも触ってみてください」モミモミ

提督「……」モミ

雲龍「んっ」

提督「……十代は張りが違うね。歳はとりたく無いもんだ」
15 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 22:44:25.46 ID:7WiLYZZWo

四人で仲良く、無言で湯船に浸かる。しばらくの間、水音だけが大浴場内に響いていた。


提督「あー、グラーフ、ビスマルク、あと雲龍」

グラーフ「……何でしょうか」

ビスマルク「どうしたの?」

雲龍「はい」

提督「お前たち、前に新聞記者のインタビューに答えたね」

グラーフ「ああ。確かにあった。不愉快な思い出だ」

ビスマルク「平和ボケも良いところね。本当に下らない時間だったわ」

提督「回答内容を訂正するよ。海軍が謝罪し、記事は差し止めた。また後日撮り直しだ」

グラーフ「な、何故謝罪する必要がある!? 私の言葉は正論だ!」

提督「そいつはアンタの正論だ。いい気になるんじゃ無いよ」

グラーフ「私の……正論」

提督「ケツの青いガキが、納税者様を諭そうなんて20年早いのさ」

グラーフ「私の何が間違っていると言うんだ!」

提督「さぁね。ま、あの手のインタビューは個人でなく、海軍を代表して行うものと認識しときな」


提督「自分の御託を並び立てられるのは、偉くなってからだ。次は絶対に台本を読むんだよ」


ビスマルク「提督」


提督「癇癪持ちですぐに虫唾の走るビスマルク。なんだ、言ってみな」

ビスマルク「ぐっ……貴女自身はどう考えているの」

提督「何を」

ビスマルク「戦場で一番大切なものについて」

提督「なんでこの私が答えなきゃならないのさ」ケラケラ

ビスマルク「貴女は私たちの提督だもの。間違っていると言うなら、論拠を示すべきよ」

提督「それくらい自分で考えな、と言いたいけどね。まぁいい。今回は答えてやる」




提督「大切なのは誰が自分の飼い主か意識すること、だ。忘れちまったら主人にも見捨てられる」



ビスマルク「飼い、主?」

提督「グラーフ、軽々しく先人云々を持ち出すことは禁止するよ。言葉は選びな」

グラーフ「……」

提督「ビスマルク、アンタが持ってる飼い犬としての誇りは正しいよ。これからも頑張りな」

ビスマルク「はぁ!?」

提督「雲龍、風呂から出るよ」

雲龍「あっ、は、はい!」


雲龍「ではお二方、お先に」ペコリ



ビスマルク「……」

グラーフ「……」
16 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 23:05:08.45 ID:7WiLYZZWo

夜 大湊警備府 更衣室


提督「広い風呂は良いもんだね。のびのびと入れる」

雲龍「あの、提督」

提督「なんだい」

雲龍「その、私は……お叱りを受けなくてよろしいのですか」

提督「アハハハ! そんなに受けたいのなら与えるぞ」

雲龍「うっ、いえ。叱られるのは好きでは無いです……」

提督「へぇ、そうなのかい」


提督「叱られるのは良いもんじゃないか」

雲龍「そうでしょうか」

提督「私も怒鳴られるのは嫌いだよ。怒鳴ってくる奴は上官でも引っ叩いてやろうか、と思う」

雲龍「それは駄目だと思います」

提督「でもね、叱られるのは別さ。自分を厳しも優しく見つめてくれる存在ってのは有り難いもんじゃないか」

雲龍「なるほど。叱ると怒るは別ですか」

提督「そういうことさ」


提督「それに」

雲龍「?」

提督「私が風呂場で裸一貫、とやかく持論を述べたところで、アンタの中の考えは変わらないだろ」

雲龍「……」

提督「変わったとして、それは半分くらい私の意見だ。だから言わなかった」

雲龍「……分かりました」

提督「さて、今晩は暇かい」

雲龍「はい。暇です」

提督「なら(↓2 行動安価)なんてどうだい」
17 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/07(日) 23:14:31.24 ID:7WiLYZZWo

小休止
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/07(日) 23:30:56.11 ID:z9pZvJfeo
安価なら晩酌

今回は艦娘人間設定かな?
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/08(月) 08:47:40.23 ID:ySRS6pWk0
安価…タカタ…橋下…ウッアタマガッ
今回の提督も食えない感じで面白いなw
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/08(月) 22:53:35.45 ID:vQB0+e5F0
できることなら、死なせたくないな。少なくともあの世界でのような形はもう御免だ
私欲に溺れ腐り果てた奴らのせいで、彼女らが絶望していくのは。……まぁそれが現実ってやつなんだが
21 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/09(火) 00:55:58.39 ID:SMUQ6Efxo

支援感謝。晩酌はマストノミニケーション! 托鉢のような常識に捕われない安価もお待ちしてます!

今回、艦娘書くためにオリキャラ乱舞する可能性大。
22 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/11(木) 22:17:01.56 ID:pF8062Myo

夜 大湊警備府 提督自室 


雲龍「失礼します」

提督「何が良い」

雲龍「お勧めのものを」

提督「貰った良いブランデーがある。そいつにしよう」

雲龍「ありがとうございます」

提督「適当に腰掛けといてくれ」


促されるまま、一対のソファーの片側に腰を降ろす。

備え付けのベッドの近くには提督の私物と思われる未開封のダンボールが寄せてあった。

ソレよりも目を引くのは、


雲龍「この積み上がっている小箱は……提督の私物ですか」

提督「ん、ああ。私物というより贈り物だね」

雲龍「部屋の3分の1が送り物に占拠されている、のは普通なのでしょうか」

提督「これでも一部なんだけどね。もう一つの割り当て部屋なんて、荷物だけで埋まってるよ」

雲龍「凄い。慕われているのですね」

提督「勝手に懐かれてるだけさ。ほら、飲みな」

雲龍「ご馳走になります」

提督「ああ、香りも楽しむんだよ」
23 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/11(木) 22:27:02.63 ID:pF8062Myo

提督「さすがVOクラス。良いもんだ」

雲龍「……」


年季が入っている、と言うべきだろうか。

彼女が目をつむり、グラスを揺らしながら香りを楽しむ様は見応えがあった。


提督「どうした。もしかしてストレートは厳しかったかい」

雲龍「あ、いえ。何というか、綺麗だなと」

提督「ブランデーが?」

雲龍「いえ、ブランデーを嗜む提督のお姿が」

提督「あはは。アンタ、とことん上司に好かれるタイプだね」

雲龍「お世辞ではありません。本心です」

提督「はいはい。ありがとうよ。アンタも綺麗だよ」



雲龍「提督、大湊着任以前はどのようなお仕事を」

提督「外国相手の情報将校。といっても、閑職だから実質は調整役だったね」

雲龍「調整役、ですか」

提督「海軍の各部局内を走り回って利害調整し、意見をまとめる。ここ五年ほどはソレばっかりさ」

雲龍「……それは情報将校の仕事では無いような気が」

提督「長く居て顔が利くと、色々頼まれるようになるもんさ」

雲龍「そういう、ものなのでしょうか」

提督「ああ。アンタこそ、艦娘やる前は何してたんだい」

雲龍「私は↓1です」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:10:53.68 ID:xr0abaZuo
学生
25 : ◆mZYQsYPte. [sage saga]:2016/08/12(金) 17:20:20.24 ID:UTs9a2RCo

雲龍「私は学生です」

提督「こういう形で社会に出たわけだ、親御さんは喜んだかい」

雲龍「心配していましたが、名誉なことだと」

提督「理解がある。良い親だ。任期は?」

雲龍「まだ二年近くあります」

提督「精々死なないでおくれ。中身の違う雲龍なんて私はやだよ」

雲龍「……ありがとうございます」


提督「正直、アンタにかなり助けられてる」

雲龍「私が何かしましたか?」

提督「アンタまで外国艦の二人と同じだと思ったら、少し堪えるよ」

雲龍「意外です。そういったことは気にされない方かと」

提督「私が鈍感なメスゴリラにでも見えるかい」

雲龍「見た目は唯我独尊な感じがします。音は全然違いますが」

提督「音?」

雲龍「はい。……なんというか、誰もが持つオーラのようなものでしょうか」

提督「レシプロの音とどっちが綺麗だい」

雲龍「提督の音の方が好きです。なので、いつもご一緒させて貰ってます」

提督「あはは! そうかい、ありがとよ」
193.88 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)