【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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872 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/24(火) 20:42:23.84 ID:zpdoyx8A0
御影「まだ時間には早いかな……」

薄井「いいから放せ!」

静音「いやだ!ぼくは絶対薄井を連れていく!」

御影「……何してんの?」

薄井「御影!ちょうどいい、こいつを何とかしろ!」

静音「御影!このわからず屋にはっきり言ってやって!」

御影「いや、そんな事言われても……何があったの」

薄井「静音の奴がオレをパーティーに連れてくってきかねえんだよ!」

静音「1人で寂しそうだったから!こんな日にそんなのもったいないよ!」

薄井「ほっとけ!」

静音「やだ!」

御影「……」

なるほど。

御影「犬も食わないっていうからね。まあ、程々にしときなよ」

静音「犬?」

薄井「ちょっと待て!?お前何かとんでもない勘違いを……」

静音「薄井、犬ってなんなの?」

薄井「いや、それは……おいこら御影待て!責任持って説明もしやがれ!」

薄井の叫びを聞き流して待ち合わせ場所に急ぐ。

四方院「……」

御影「……」ビクッ

途中物陰からすごい目で静音と薄井を見てる四方院を見つけたけど……声はかけないでおいた。
873 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/24(火) 20:56:12.68 ID:zpdoyx8A0
グレゴリー「今宵は聖誕祭!今こそ我が天具その十二、雪原の園を使うとき!」

津浦「小型の人工雪発生装置ですか……Mr.グレゴリーは本当に様々な物をお作りになるのですね」

グレゴリー「フッ、これもまた天界からの囀りによるもの……言の葉の魔術師」

津浦「はい、なんでしょうか」

グレゴリー「今宵は我と共に刻の流れに身を任せぬか?」

津浦「えっ」

グレゴリー「無論、言の葉の魔術師が異なる術式をその身に宿すというなら、我も影となるが」

津浦「……いいえ、他の約束なんてありません」

津浦「Mr.グレゴリー。ワタシとクリスマスを過ごしてくださいますか?」

グレゴリー「……契約を持ちかけたのは我。その言霊を祓うなどありえん!」

津浦「ふふっ」


御影「……」

なんだか2人だけの世界って感じだね……ほっといてあげようかな。

グレゴリー「ならば早速この雪原の園を起動する!吹き荒れる結晶の欠片がこの世界を埋め尽くすであろう!」

津浦「さすがに吹雪はまずいのでは……」


御影「あっ、佐場木?グレゴリーが吹雪起こそうとしてるよ」
874 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/24(火) 21:15:07.31 ID:zpdoyx8A0
佐場木「本当にろくな事をしない……これで没収は何度目になると思っている」

御影「あはは……」

佐場木「御影、連絡に感謝する」

御影「あっ、佐場木は今日どうするの?まさか仕事なんて事は」

佐場木「そのまさかだが」

御影「いやいや、今日ぐらい休みなよ」

佐場木「全員が浮かれているわけにもいかない。こういった日は特にな」

御影「ほ、ほら、遠見と過ごすとか」

佐場木「あいつはここにいない。家族と過ごすように前々から言ってある」

御影「て、徹底してる……」

佐場木「……俺はな、御影。普段の日常を平和に過ごせるだけで十分なんだよ」

佐場木「犯罪者共の相手ばかりしていたからな。そういった日々は何よりも貴重だと理解しているつもりだ」

御影「……」

佐場木「だから特別な日は俺がこの空気を守る……それだけの話だ」

御影「佐場木……」

佐場木「赤穂に明日は休みを取ると伝えておいてくれ」

御影「うん、わかった。明日はしっかり休みなよ」

佐場木「遠見と同じ事を言うな……」

あっ、やっぱり遠見にも言われてるんだ。
875 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/25(水) 18:20:41.60 ID:wgoLr7nA0
ジェニー「はーいボタン!」

御影「あれ、ジェニー1人なの?」

ジェニー「ミキはマサキと一緒ですから2人にしたです!」

御影「あっ、そうか……ジェニーはこれからどうするの?」

ジェニー「……」

御影「まさか苗木の所に行くつもりじゃないよね?」

ジェニー「……」ビクッ

御影「やっぱり……ジェニー、あいつに散々酷い事言われたでしょ」

私だって面と向かって化け物呼ばわりされてる……あいつと私達はきっとわかりあう事なんて出来ないのに。

ジェニー「でもボクは、諦めたくないです……」

御影「……」

とはいえ、ジェニーの気持ちをバッサリ切り捨てるのも……

御影「わかった。じゃあ私も」

鞍馬「僕が一緒に行きましょう」

御影「うわっ!?」

ジェニー「ルイ」

鞍馬「苗木誠が不審な行動をしないように見張ればいいのでしょう。それに彼の悪意は1人で受けるにはいささか苛烈です」

御影「……」

鞍馬が一緒に来るなら心強いけど……

御影「どういう風の吹き回し?普段あんなに関わりませんって態度なのに」

鞍馬「……気紛れですよ。ただのね」

気紛れ、ね……

ジェニー「じゃあボタン!ボクはルイとセイに会てきますです!」

御影「えっ、私も一緒に行っても」

ジェニー「ボタン約束あるですよね?ボクは大丈夫だからそちに行てください!」

御影「……ジェニーがそう言うなら」

まあ、私はあいつに相当敵視されてるし……刺激しない方が無難かな。

鞍馬「……」
876 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/25(水) 18:36:02.50 ID:wgoLr7nA0
御影「ジェニー大丈夫かな」

鞍馬がいるならそうそう変な事にはならないだろうけど。

六山「おはよー」

御影「おはよう……って、百夏今起きたの!?」

六山「いやぁ、ダンジョンの攻略が思いの外白熱しちゃって」

御影「クリスマスでも百夏は平常運転だね……」

でもゲームに夢中で呼んでもコテージから出てこない日もあるから今日はマシなのかな……

六山「あはは、褒めないでよ」

御影「今私褒めたっけ……」

六山「まあ大丈夫だよ。わたしはこういうの慣れてるからね」

御影「あんまり慣れる事じゃないと思う……」

※※※※

六山「ふぅ……ごめんね牡丹ちゃん」

六山「でもさ、わたしとしては牡丹ちゃんには穏やかに生きてほしいんだ」

六山「せっかくお兄ちゃんと再会出来たんだからね」

六山「苗木くん以外にもいる絶望の残党、殺人鬼……」

六山「それはわたしが、何とかするからさ」
877 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/25(水) 18:51:30.82 ID:wgoLr7nA0
御影「百夏のあれは何とかしないといけないよね……」

兵頭「牡丹さん?」

御影「あっ、千……と如月も」

如月「こんにちは御影さん」

兵頭「お悩みだったようですが……何かあったんですか?」

御影「いや、百夏のゲーム中毒」

兵頭「……ああ」

御影「昨日もずっとゲームしててさっき起きてきたみたいで……どうしたものかなと」

兵頭「六山さんのあれはもう筋金入りですからね……」

如月「……」

御影「今度コテージに無理やり乗り込んじゃおうかな……」

如月「それは……」

御影「えっ?」

兵頭「如月さん?」

如月「いえ、強硬な手段に出ると逆効果ではないかと」

御影「そうかぁ……うーん」

兵頭「長期戦になりそうですね……私も手伝いますから頑張りましょう牡丹さん」

御影「うん、ありがとう千」

如月「…………」

如月(六山さんが夜に支部を抜け出している事はまだ知られていないようですが……)

如月(一度彼女と話した方がいいかもしれませんね)
878 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/25(水) 19:01:13.93 ID:wgoLr7nA0
御影「余裕持ってたはずなのに話してたらもうこんな時間だよ……!」

急がないと……あれ?

土橋「政城〜♪」

赤穂「落ち着け美姫!ちょっと頬擦りは駄目だって……!」

御影「……」

赤穂「誰だ、美姫に酒を飲ませたのは……!」

土橋「アタシお酒なんか飲んでなーい!ちょっと葡萄ジュースは飲んだけど!」

赤穂「それはワインだ……!ちょっ、力強いな!倒れる倒れる!」

土橋「……アタシが女の子らしくないって事?」ウルウル

赤穂「えっ、いや、違っ」

土橋「うええーんっ!まさきがひどいこというー!」

赤穂「そ、そんな事ないぞ!美姫は立派な女の子だって!」

土橋「ほんと?」

赤穂「本当だ」

土橋「じゃあー……ちゅーして?」

赤穂「うっ……わ、わかった。誰も見てないよな……」

御影「……」

私にもこんな時に隠れるだけの情けはあった。

兄さん……まあ、見なかった事にしておくよ。
879 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/12/25(水) 19:37:34.11 ID:wgoLr7nA0
御影「間に合った……」

道掛「おっ、牡丹ちゃん!」

御影「ま、待たせてごめん」

道掛「気にしなくていいぜ!好きな女の子待つのも青春だからな!」

御影「そ、そう」

道掛「おっと、忘れる前に……メリークリスマス牡丹ちゃん!これは俺からのクリスマスプレゼントだぜ!」

御影「手袋?」

道掛「牡丹ちゃん、よく手寒そうにしてるからさ。鞍馬に習って作ってみた!」

御影「あ、ありがとう……あれ?」

道掛「どうした牡丹ちゃん?」

御影「この手袋、片方は合うけど……もう片方はサイズ大きい」

道掛「えっ、うわっ、マジか!?や、やっちまった……」

御影「……道掛、ちょっとこれ着けてみてよ」

道掛「……おぉ、ピッタリだ」

御影「それで……こう」

道掛「牡丹ちゃん!?」

御影「着けてない方の手を繋いだら、寒くないでしょ?」

道掛「ぼ、牡丹ちゃん……今年は最高のクリスマスだぜ!」

御影「早いって……まだ始まったばかりなんだから」

道掛「よっしゃ、クリスマスデートの始まりだ!」

御影「あっ、私もプレゼント」

道掛「お楽しみは後にとっておくよ!行こうぜ牡丹ちゃん!」

御影「あっ、ちょっと……もう」

私にこんなクリスマスが来るなんて思わなかったけど……うん。

御影「青春だよね、こういうのも」

END
880 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 21:21:40.52 ID:Yg2JAeKA0
2月14日、バレンタイン。

こんな世の中になっても、いや、こんな世の中だからか?

こういう時は俺達第二十支部の面々は楽しむようにしている。

時々他の支部から小言をもらう事もあるけど、まあそれくらいは支部長らしく俺が引き受けるさ。

普段は世界をまた復興させるためにみんな頑張ってるんだからな。

御影「兄さん、これチョコレート」

赤穂「おっ、ありがとうな牡丹」

御影「市販品に大げさだって」

赤穂「こういうのはもらう相手が重要なんだよ」

特に生き別れてた妹からだしな……感激もひとしおだ。

御影「……そんなものなの?」

赤穂「ああ」

御影「そっか……」

赤穂「んっ……?」

なんだ、牡丹の様子がおかしいぞ?

というか、その手にある綺麗にラッピングされたチョコレートはなんだ?

御影「ありがとう兄さん、私頑張ってくるよ」

赤穂「えっ?ああ、頑張……って待て牡丹!頑張るってなんだ!?」

不穏な妹の言葉を聞き逃せるわけもなく、俺は杖を取って牡丹の後を追いかけた。
881 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 21:22:38.22 ID:Yg2JAeKA0






EXTRACHAPT【バレンタインの喜悲劇】






882 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 21:32:53.97 ID:Yg2JAeKA0
赤穂「くっ、見失った……!」

牡丹、いつの間にそんなチョコレートを渡すような相手が出来たんだ!

クリスマスか、俺が酔った美姫の相手を一日中してたクリスマスのあの時か!?

静音「チョコレートー♪チョコレートー♪」

赤穂「あっ、静音!牡丹見なかったか!?」

静音「御影?御影ならさっき図書館に行くって言ってたけど」

図書館?そこに牡丹に手を出した不届きものがいるのか!

静音「あっ、そうだ。せっかく会ったんだしこれをやろう!」

赤穂「……チョコレート?」

静音「義理チョコ!一応支部長だしな!」

赤穂「お、おう、ありがとう……静音は誰かに渡す予定とかあるのか?」

静音「奏とジェニーになら渡した!友チョコってやつ!」

赤穂「ああ、それは想像ついてた……んっ?じゃあそのチョコレートはもらったやつなのか?」

静音の手にはやけに気合い入ったチョコレートが……二つある。

てっきりあれが四方院さんに渡すやつだと思ってたんだけどな。

静音「これは奏と薄井からもらった!」

赤穂「…………薄井?」

えっ?
883 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 21:48:14.43 ID:Yg2JAeKA0
四方院「ふふっ、凪からのチョコレートは相変わらず可愛らしいですわ」

薄井「……おい四方院」

四方院「なんです」

薄井「なんでさっきから人についてきやがる」

四方院「あら、心外ですわ。偶然一緒の方向に行っているだけですのに」

薄井「……」

四方院「ああ、それにしても凪のチョコレート……」

薄井「わざとか!おい、わざとだよなオイ!?」

四方院「何の事です?せっかく気合いを入れて手作りまでしたのに凪からは貰えなかった人に自慢だなんて……完璧たるわたくしがするとでも?」

薄井「やっぱりわざとじゃねえか!この依存女!」

四方院「なっ!?わたくしはあなたのような粗暴な人は、凪のお相手には相応しくないとわざわざ教えてさしあげてるだけですわ!」

薄井「へっ、自分が相手いねえからって僻むなよ!」

四方院「誰が僻んでると言うのですか!?」


赤穂「……」

まさかこんな事になってるとは思わなかった……

中心の静音は何も知らずか……


静音「あっ、おーい!」

四方院「あら、凪。どうしましたの?」

薄井「……」

静音「薄井薄井、はいこれ!」

薄井「はっ?」

静音「さっき渡すの忘れてたから!」

四方院「なっ……!?」


静音……わざとじゃないんだろうなぁ、あれ。
884 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 22:07:31.39 ID:Yg2JAeKA0
津浦「……」ソワソワ

グレゴリー「ふむ、言の葉の魔術師よ」

津浦「は、はい、なんでしょうか」

グレゴリー「先ほどから妖精達の悪戯を受けているようだが……自惚れでなければそれはこの時間軸の影響か?」

津浦「え、ええ、今日はバレンタインデーですので、そのMr.グレゴリーにチョコレートを、用意したのですが……」

グレゴリー「フッ、その誘惑をはね除ける術はない。歓喜を持ってその贈り物を受け取ろうではないか」

津浦「で、ではこれを」

グレゴリー「確かに託された、言の葉の魔術師よ」

津浦「あ、あの……Mr.グレゴリー。もし良ければどこかで落ち着いて話をしませんか」

グレゴリー「ふむ、言の葉の魔術師の誘いならば。して約束の地はいずこか?」

津浦「では……」


赤穂「……」

見つかる前に退散しよう……
885 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 22:21:44.72 ID:Yg2JAeKA0
【図書館】

赤穂「牡丹はいないか……」

遠見「おや、赤穂殿」

赤穂「遠見、牡丹見なかったか?」

遠見「御影殿でありますか?自分達はここにいたでありますが、誰も来ていないでありますよ」

赤穂「そ、そうか……」

さては牡丹、これを見越して静音に図書館に行くって言ったな……!

赤穂「悪い、邪魔したな……」

遠見「いえいえ、大丈夫でありますよ」

となると、牡丹はどこに……



遠見「御影殿も大変でありますなぁ」

佐場木「誰か来たのか」

遠見「いえ、なんでもないでありますよ佐場木殿」コトッ

佐場木「チョコレート?」

遠見「バレンタインでありますから。佐場木殿、甘い物は苦手でありましたか?」

佐場木「いや……ありがたくいただこう」

遠見「はいであります」
886 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 22:29:33.80 ID:Yg2JAeKA0
六山「……むうっ」

ジェニー「モモカ?どしました?」

六山「あっ、ジェニーさん。チョコレート、マーケットでつい買っちゃったんだよね」

ジェニー「チョコレート!モモカ、誰かに渡すですか?」

六山「いや、渡す予定は、ないんだけどね……はあっ、なんで買っちゃったんだろ」

ジェニー「モモカ、あーんです!」

六山「えっ、んむっ」

ジェニー「美味しいです?」

六山「美味しいけど……」

ジェニー「バレンタインデーに暗い顔はダメですですよ!」

六山「ジェニーさん……」

ジェニー「スマイルスマイル、です!」

六山「うん、そうだね。あっ、よかったら他にも人呼んでみんなで食べよっか?」

ジェニー「パーティーですか!」

六山「あはは……そこまでのものじゃないけどね」


【六山のコテージ】

鞍馬「……」

コトンッ

鞍馬「……」スタスタ
887 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 22:42:15.07 ID:Yg2JAeKA0
如月「バレンタイン、ですか?」

兵頭「はい。如月さんはチョコレートをいただいたりは……」

如月「僕は基本的に世界各国を飛び回っていましたから、いただく機会はありませんでしたね」

兵頭「そう、ですか」

如月「兵頭さんは?」

兵頭「はい?」

如月「今まで誰かに渡したりは」

兵頭「義理を配る事はありましたが……」

如月「……」

兵頭「……」

如月「ふうっ」

兵頭「なんでしょう、ぎこちなくなってしまいますね……」

如月「そうですね……僕はこういった事に不得手ですから、柄にもなく緊張しているのかもしれません」

兵頭「如月さんも緊張するんですね」

如月「……本命をいただくのは、初めての出来事ですからね」

兵頭「……私も本命を誰かに渡すのは初めてです」

如月「……」

兵頭「……」

如月「兵頭さん」

兵頭「はい」

如月「……これからも、よろしくお願いします」

兵頭「……はい、こちらこそ」
888 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 22:53:55.94 ID:Yg2JAeKA0
御影「はい、これ」

道掛「ぼ、牡丹ちゃん……これはまさか……」

御影「チョコレート。マーケットのやつだけど」

道掛「う、うおおおお……!ありがてえ、ありがてえよ牡丹ちゃん!」

御影「ちょ、ちょっと、泣くほど?さっきも言ったけどこれマーケットの」

道掛「関係ねえ!牡丹ちゃんからチョコレートもらえたって事実が大事なんだよ!」

御影「……兄さんの言った通りだった」

道掛「赤穂?」

御影「こういうのは、もらう相手が重要だって」

道掛「おぉ、赤穂もいいこと言うな!さすが牡丹ちゃんの兄貴だ!」

御影「……でも私としては、手作りを渡したいんだよね」

道掛「へっ?」

御影「……好きな人にあげるものだし」

道掛「ぼ、牡丹ちゃん……!」

御影「だから、またいつかを楽しみにしててよ」

道掛「おう、おう!一生だって待つぜ!」

御影「……うん」
889 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2020/02/14(金) 23:11:48.60 ID:Yg2JAeKA0
土橋「で?結局牡丹見つからなかったから拗ねてるの?」

赤穂「別に拗ねてるわけじゃ……だけど牡丹はまだ」

土橋「子供だーって言うなら同い年のアタシに手出してる政城はどうなの?」

赤穂「うっ」

土橋「ほらほら、チョコレートあげるから機嫌直しなよ。はい、あーん」

赤穂「んむっ……美味い」

土橋「ありがと」

赤穂「……わかってはいるんだよ。牡丹がそういう相手見つけるのはいい事で、あいつも子供じゃないのは」

赤穂「だけど、俺にとって牡丹は……離れたあの頃のままだったからさ」

土橋「牡丹が養子に行ったのが小学生の頃だっけ?最近止まった時間が動いたから追い付いていかないって感じかな」

赤穂「そう、だな……後はやっぱり寂しいのかもな」

土橋「寂しいか……だったらさ」ギュッ

赤穂「美姫?」

土橋「アタシがその分一緒にいるよ。いや、牡丹の代わりなんて無理なのは知ってるけど……せめて寂しくないって思えるぐらいに」

赤穂「……」

土橋「アタシは、その、政城の恋人なんだし」

赤穂「……こう言ってもらえるなんて俺は幸せ者だな」

牡丹もいつか大事な人を見つけて離れていく。

必ず来るだろうその時に美姫がこうして隣にいてくれたらいいなと、俺は思った。

END
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