【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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722 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/26(金) 20:49:31.91 ID:5dF676iA0
赤穂「まずはモノクマファイルからだ……」

【被害者は土橋美姫。
死体発見現場は旧館・大広間。
死亡推定時刻は8時2分。
被害者の頭部には瘤と切り傷がある】

赤穂「……」

このモノクマファイル……

コトダマ【モノクマファイル4】を手に入れました。
〔被害者は土橋美姫。
死体発見現場は旧館・大広間。
死亡推定時刻は8時2分。
被害者の頭部には瘤と切り傷がある〕
723 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/26(金) 22:04:04.91 ID:5dF676iA0
佐場木「土橋はお前の目の前で苦しみだしたのか?」

赤穂「ああ……いきなり吐き出して、倒れて、頭が痛いって」

佐場木「典型的な症状ではあるが、気になる事もあるな……」

赤穂「気になる事?」

佐場木「見てみろ、土橋の腕を」

赤穂「……これは、引っ掻いたような傷か?」

佐場木「朝にはこんなものはなかったはずだ」

赤穂「確かに……俺も見てない」

この傷、事件に関係あるのか?

コトダマ【土橋の死亡時の状況】を手に入れました。
〔土橋は赤穂と普通に話していたところいきなり吐き出して倒れた〕

コトダマ【腕の傷】を手に入れました。
〔土橋の腕に残されていた引っ掻いたような傷〕

724 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/27(土) 20:24:05.67 ID:cxROkNOA0
遠見「美姫殿……」

土橋のそばに膝をついて口元を拭う遠見……ここ数日で仲良くなっていたみたいだから辛いんだろうな……

赤穂「遠見、大丈夫なのか?」

遠見「自分は、大丈夫であります。亡くなった人間はたくさん見てきたでありますから」

赤穂「……」

遠見「美姫殿の無念、自分も晴らしたいであります。だから赤穂殿、絶対に真相を突き止めるでありますよ」

赤穂「ああ、もちろんだ……それで、土橋に変わったところはあるか?」

遠見「1つ。美姫殿の吐瀉物に血が混じっていたであります」

赤穂「血が?」

だけど土橋の嘔吐は、脳にダメージがあった事が原因だよな?

それなのに血を吐いた?

これはいったい……

コトダマ【土橋の吐瀉物】を手に入れました。
〔土橋が吐いた物の中に血が混じっていた〕
725 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/27(土) 21:01:48.34 ID:cxROkNOA0
【旧館・倉庫】

道掛「……」

赤穂「道掛?何してるんだこんなとこで」

道掛「赤穂か。いや、美姫ちゃんが死んだ原因朝の怪我だろ?もしかしたらそこに何かあるんじゃねえかって思ってよ」

赤穂「あの事故が、そもそも仕組まれてたって事か?」

道掛「それを調べに来たんだよ。だけどどうすりゃそんな事出来んのかさっぱりわかんねえ……」

赤穂「そうだな……道掛は佐場木と片付けしてたよな?そこで何か気になる事なかったか?」

道掛「うーん……あっ、そういやなんかパイプみてえなのがたくさん転がってたな!」

赤穂「パイプ?」

道掛「これだよこれ!」

道掛が持ってきたのは金属の棒……ちょうど俺の杖に似たような形の。

道掛「そういやこれ、昨日結構高いとこにあったんだよな」

赤穂「……!」

まさか、土橋は……

コトダマ【金属の棒】を手に入れました。
〔倉庫にあった赤穂の杖に似た形状の金属の棒〕

コトダマ【道掛の証言】を手に入れました。
〔事件前日、金属の棒は高い所にあった〕
726 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/27(土) 21:19:51.49 ID:cxROkNOA0
【旧館・厨房】

兵頭「まさかこんな事になるとは……」

赤穂「朝食の時は土橋の様子に変わった所はなかったか?」

兵頭「そうですね、いつも通りでしたよ。ああ、ただ……」

赤穂「ただ?」

兵頭「機嫌がよかったのかなぜか私や御影さんも食べさせられまして……土橋さんの分だったのに本人は気付いてませんでしたが」

赤穂「ああ、なんか騒いでたのはそれか」

兵頭「だからこそ、今でも少し信じられない気持ちです」

赤穂「……」

コトダマ【兵頭の証言】を手に入れました。
〔土橋は朝食の時機嫌がよく、兵頭や御影にも自分の分のご飯を食べさせていた〕
727 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/28(日) 20:32:06.58 ID:mFuPFECA0
【図書館】

津浦「……」ペラペラ

赤穂「津浦、捜査はどうだ?」

津浦「Mr.赤穂。今少し調べているところです」

赤穂「この本は?」

外国の本なのかタイトルからして俺にはなんて書いてあるか読めないな……

津浦「これは毒に関する本です」

赤穂「毒?」

津浦「Ms.土橋の腕にあったあの引っ掻き傷のような痕……それを調査していたこの毒に関する本で見た覚えがあるんです」

赤穂「なんだって!?」

津浦「……ありました。これです、【モノポイズン】」

赤穂「読んでみてくれないか?」

津浦「はい。【この毒は体内に侵入して1時間経った頃に強烈な頭痛と嘔吐感を引き起こす。特徴として少量の吐血、腕に引っ掻き傷のような痕が出来る事が確認されている】」

赤穂「それって、間違いなく……」

津浦「一致、しますね。さらに言えばこの毒、市販されているような物で作る事が可能ですよ」

まさか土橋はこの毒で……?

コトダマ【毒の本】を手に入れました。
〔図書館にあった外国語で書かれた毒に関する本。
赤穂はタイトルを読む事も出来なかった〕

コトダマ【モノポイズン】を手に入れました。
〔図書館の本に書かれた毒。
市販の材料で作る事が可能。
その効果は土橋に起きたものと一致する〕
728 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/28(日) 21:14:00.51 ID:mFuPFECA0
御影「……兄さん」

赤穂「牡丹か、捜査はどうだ?」

御影「一応、色々調べてるけど……兄さん、本当に大丈夫なの」

赤穂「……」

御影「ねぇ、家族の前でぐらい弱音吐いてよ。なんか、今の兄さんすごく危なっかしいよ」

赤穂「……牡丹は、よく見てるな」

御影「家族だもん。当たり前でしょ?」

赤穂「……正直泣き叫びたい。後悔だらけで、膝をつきたくなる」

御影「……」

赤穂「でも負けるわけにはいかないんだ。泣き叫ぶのも後悔も、終わってからする」

御影「兄さん……」

赤穂「だから終わったら、ちょっと泣かせてくれるか?」

御影「うん、もちろん。兄さんがそうしたいなら」

赤穂「ありがとうな。お前は本当にもったいないぐらいの妹だよ」

御影「そ、そんな事ないって……あっ、それと捜査の事なんだけど」

赤穂「ああ、そうだった。何かわかったか?」

御影「土橋なんだけど、こもってからは一度も外には行ってないみたい。物とかも如月に頼んでたって」

赤穂「一度も外に出てないのか……」

そうなると、色々狭まってくるよな……

コトダマ【こもってからの土橋】を手に入れました。
〔土橋はこもってからは一度も外に行かず、欲しい物などは如月に頼んでいたらしい〕
729 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/28(日) 21:40:14.77 ID:mFuPFECA0
六山「どういう事なのかな……」

赤穂「六山?どうかしたのか」

六山「あっ、赤穂くん。ほら、この金属の棒なんだけど」

赤穂「それは……」

道掛が昨日上にあったっていう……

六山「ほら一昨日赤穂くんとここで話したでしょ?あの時この棒、わたしの座ってた箱に入ってたんだよ」

赤穂「……それ本当なのか?」

六山「うん。一応中身確かめてから座ったし」

じゃあ、一昨日箱に入ってた棒が……昨日上に移動していたって事か?

それってつまり……

コトダマ【六山の証言】を手に入れました。
〔金属の棒は一昨日箱に入っていた〕
730 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/28(日) 22:02:55.75 ID:mFuPFECA0
赤穂「……」

大広間のテーブルの上に朝土橋の治療に使った道具が残っている。

包帯、ガーゼ、傷薬……これを使った時はまだ土橋も元気だったっていうのに。

赤穂「……んっ?」

この傷薬、土橋だけに使ったにしては減ってるな……

赤穂「牡丹、ちょっといいか?」

御影「どうしたの」

赤穂「なあ、この傷薬どこから持ってきたんだ?」

御影「えっ?兄さんの荷物だけど」

赤穂「ああ、そうか。だったら減ってて当たり前か」

こもる前に病院から新しいの持ってきて使ってたしな……

御影「もしかして駄目だった?」

赤穂「いや、全然問題ない」

問題ないんだけど……何か引っ掛かるな。

コトダマ【傷薬】を手に入れました。
〔土橋の治療に使った傷薬。
赤穂の荷物から御影が取ってきた物で量が半分ほど減っている〕
731 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 01:01:22.21 ID:juXEPiyA0
【厨房】

赤穂「う、ん……」

なんだこれ……なんだか、ちぐはぐな気分だ……

赤穂「くそっ、考えがまとまらない」

水でも飲んで落ち着くか……

赤穂「……んっ?」

流しに、何か透明な物が……

赤穂「この匂い……傷薬?」

なんで傷薬が流しにあるんだ?

赤穂「あっ、これ……」

ゴミ箱に粉々の瓶……これもしかして傷薬の瓶か?

赤穂「……」

コトダマ【流しの傷薬】を手に入れました。
〔厨房の流しについていた傷薬〕

コトダマ【傷薬の瓶】を手に入れました。
〔厨房のゴミ箱に捨てられていた傷薬の瓶〕
732 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 12:46:20.62 ID:juXEPiyA0
如月「赤穂さん、捜査は順調ですか?」

赤穂「如月さん……えぇ、なんとか」

如月「土橋さんの事……本当に残念でした」

赤穂「いえ……あっ、あの1つ聞きたいんですけど」

如月「なんでしょう?」

赤穂「如月さんって、土橋に何か物を頼まれたりしました?」

如月「ああ、それなら確かに外出の際いくつかマーケットから持ってきてほしいと頼まれましたよ」

赤穂「それって具体的には」

如月「薬や洗剤がいくつかと、後バンドのような物を頼まれましたね。最も洗剤はなかったんですが」

赤穂「なかった?」

如月「はい、どうやら誰かが持っていってしまっていたようで」

赤穂「……もう1つ、旧館にこもってから外に出たのは誰ですか」

如月「赤穂さん、土橋さん、御影さん、六山さん以外の方は最低一度は外に出ていますね」

赤穂「……わかりました」

コトダマ【土橋の頼み事】を手に入れました。
〔土橋は如月に薬品や洗剤、バンドなどを頼んでいたらしい〕

コトダマ【なかった物品】を手に入れました。
〔マーケットから洗剤がなくなっていた。
誰かが全て持っていってしまっていたようだが……〕

コトダマ【旧館からの外出】を手に入れました。
〔旧館にこもってから外出したのは赤穂、土橋、御影、六山以外の6人〕
733 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 12:54:20.73 ID:juXEPiyA0
赤穂「……」

一応、あそこを見ておくか。

※※※※

赤穂「……あった」

大量の洗剤……マーケットからなくなっていたのはあれだ。

赤穂「中に入れないから、手に取れないけど……確認出来れば充分だ」

コトダマ【大量の洗剤】を手に入れました。
〔苗木のコテージの中にあった大量の洗剤。
マーケットからなくなっていた物と思われる〕

キーンコーン、カーンコーン…
734 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 17:28:18.58 ID:juXEPiyA0
モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷぷ……」

モノクマ「いよいよお楽しみの時間がやってきたよ!」

モノクマ「そう、絶望渦巻く学級裁判の時間が!」

モノクマ「うぷぷ、オマエラ急いで中央の島に集合してくださーい!」

ブツン!

赤穂「……」

学級裁判……そう聞いても心は穏やかだ。

もう慣れてしまったからか、それとも……

赤穂「行く、か」

【中央の島・未来機関第20支部】

御影「これで4度目か……」

兵頭「今回は目の前で亡くなった分、気が重いですね」

道掛「だなぁ……」

津浦「しかしワタシ達のするべき事に変わりはありません」

遠見「その通りであります……それが美姫殿の無念を晴らす事になるでありますよ」

佐場木「……」

六山「まずは生き残る事を考えよう……うん」

如月「旧館にこもる案は僕が提案した事……必ず真実は明らかにします」

赤穂「…………」

モノクマ「うぷぷ、全員集まったみたいだね!それじゃあ学級裁判場に出発ー!」

モノクマに促されて、俺達はエスカレーターを降りていく。

一番最後に乗った俺の視線の先には8人の背中。

もう、半分しかいないんだな……

そう考える内に、学級裁判場にたどり着いた。
735 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 17:53:22.64 ID:juXEPiyA0
【学級裁判場】

モノクマ「ひよっこだったオマエラもなかなかいい顔をするようになったねぇ」

モノクマ「うぷぷ、そうして絶望に歪む顔は本当に最高だよ!」

モノクマ「さあ席についてくださーい!」

モノクマの戯れ言を聞き流して自分の席につく。

【超高校級の土木作業員】土橋美姫……

傷を見られたくなかった俺を慰めてくれた女の子。

ジェニーが殺されて悲しみと憎悪を見せた女の子。

……俺なんかを、好きになってくれた女の子。

だけど俺はもう彼女の好意に何も返せない。

六山「内通者、なのかなぁ……」カチカチ

道掛「くそっ、こんなに減ったなんて寒気がしてきやがる……!」

遠見「美姫殿……自分達は必ず、真相を……!」

彼女は、死んだ。

俺達の目の前で、死にたくないと泣きながら、死んでいった。

佐場木「今回の事件、どうなる……」

津浦「あれが使われたなら、いつ、どうやって……?」

御影「兄さん……」

今俺はヒーローらしくない感情を抱いてる。

だけどそれに逆らおうとは思えない。

もし土橋が殺されたって言うなら、必ず犯人は引きずり出す。

兵頭「こんなはずではなかったんですが……」

如月「……責任は果たします」

ズキズキと痛む胸を掴む。

忘れるな、この痛みを。

忘れるな、今渦巻くこの感情を。

赤穂「……絶対に」

今回のクロは、たとえ裁判を逃げ切っても殺してやる。

そう心の内に刃を隠しながら俺は挑む。

この、学級裁判を。
736 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 20:24:20.53 ID:juXEPiyA0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル4】>>722

【土橋の死亡時の状況】
【腕の傷】>>723

【土橋の吐瀉物】>>724

【金属の棒】
【道掛の証言】>>725

【兵頭の証言】>>726

【毒の本】
【モノポイズン】>>727

【こもってからの土橋】>>728

【六山の証言】>>729

【傷薬】>>730

【流しの傷薬】
【傷薬の瓶】>>731

【土橋の頼み事】
【なかった物品】
【旧館からの外出】>>732

【大量の洗剤】>>733

目の前で土橋が死んだ事は赤穂の心に深い傷を刻んだ。
その傷を抱いて向かう学級裁判。
憎悪に染まった赤穂の迎える結末は……


     【学級裁判開廷!】
737 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 20:41:26.07 ID:juXEPiyA0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

道掛「何から話すよ?」

佐場木「まずは初回の事件と同じように事故か他殺かを話し合うぞ」

六山「最初の事件……あの頃から人も随分減ったよね」

兵頭「感傷は後にしましょう。今は佐場木さんの仰るように議論をしなくては」

赤穂「……」

事故か他殺か……そんなの決まってる!

これは他殺だ……!
738 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 20:49:49.77 ID:juXEPiyA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>736
【モノクマファイル4】
【道掛の証言】
【金属の棒】

佐場木「事故か他殺か……」

佐場木「思う方に意見を出してみろ」

道掛「色々調べたんだけどよ……」

道掛「【事件の証拠はどこにもなかった】んだよな」

御影「じゃあ事故って事?」

津浦「しかし、【事件ではない】となると……」

遠見「自分は事件だと思うであります」

如月「ふむ、このままでは平行線ですね……」

これは事故なんかじゃない……

間違いなく誰かの悪意が働いてたんだ!
739 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 20:54:26.00 ID:juXEPiyA0
【事件の証拠はどこにもなかった】←【金属の棒】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「違うだろ道掛、事件と示す証拠はあったはずだ」

道掛「えっ、そんなのあったか……?」

赤穂「あの金属の棒だよ」

六山「金属の棒って倉庫にあったあれだよね」

遠見「リストにもあるであります……赤穂殿、これの何が証拠となるのでありますか?」

赤穂「この金属の棒……これに隠された悪意が土橋は殺されたって証拠になる」

佐場木「悪意だと?」

そうだ、隠された悪意……それを俺は証明出来るはずだ。
740 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 20:58:27.41 ID:juXEPiyA0
【ショットガンコネクト開始!】

金属の棒にあった悪意……

それを示すのは……!

・コトダマ>>736
【道掛の証言】
【モノクマファイル4】
【兵頭の証言】

・課題
【金属の棒の使用者を示すのは?】
【金属の棒の状態を示すのは?】
【金属の棒の場所を示すのは?】
741 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:00:46.71 ID:juXEPiyA0
【道掛の証言】―【金属の棒の場所を示すのは?】

赤穂「……」

道掛によれば金属の棒は上にあった……

だけどそれはおかしいんだ……!

・コトダマ>>736
【大量の洗剤】
【毒の本】
【六山の証言】
742 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:05:27.92 ID:juXEPiyA0
赤穂「……」

なぜなら金属の棒が箱に入っていたのを六山が見ている……!

つまり、この金属の棒は……

【道掛の証言】―【金属の棒の場所を示すのは?】―【六山の証言】


・結論
【金属の棒を適当に片付けた】
【何者かが金属の棒を上に移動させた】
【金属の棒は二ヶ所にあった】
743 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:15:53.26 ID:juXEPiyA0
【何者かが金属の棒を上に移動させた】

赤穂「真相の道筋を繋いでみせる!」


赤穂「道掛、確かあの金属の棒は高いところに置いてあったんだよな?」

道掛「おう、そうだぜ!具体的には積み重なった段ボールの上にはみ出して置いてあったぞ」

赤穂「六山、金属の棒は一昨日箱に入っていたんだよな?」

六山「間違いないよ」

遠見「金属の棒の場所が移動している……?」

赤穂「俺はこう考えてる」

赤穂「誰かが金属の棒を箱から出して上に仕掛けたんだってな」

佐場木「……確かにあの散らばっていた金属の棒は気になってはいた」

御影「つまり誰かが金属の棒で罠を作っていたって事なの?」

赤穂「ああ、そうだ。そして土橋はそれを取ろうとして……」


遠見「その推理、捉えたであります!」反論!
744 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:34:50.89 ID:juXEPiyA0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>736
【土橋の頼み事】
【なかった物品】
【旧館からの外出】


遠見「赤穂殿、それは偶然に頼りすぎであります!」

遠見「罠を仕掛けたとしても狙った時に動くとは限らず……」

遠見「そもそも美姫殿が金属の棒を取ろうとしなければ成立しないでありますよ!」

赤穂「そうだ、土橋は金属の棒を取ろうとした!」

赤穂「そして罠にかかったんだ……!」

遠見「【美姫殿が金属の棒を取ろうとする理由がない】であります!」

遠見「確かに結果的には金属の棒は落ちたのでありましょうが……」

遠見「それが罠だと断言は出来ないでありますよ!」
745 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:47:58.01 ID:juXEPiyA0
【美姫殿が金属の棒を取ろうとする理由がない】←【土橋の頼み事】


赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「いいや、土橋にはあったんだ……金属の棒を取ろうとする理由が」

遠見「それはいったい……」

赤穂「如月さん、土橋はバンドを持ってきてほしいって頼んでたんですよね?」

如月「えぇ、腕に着けるタイプの物を……まさか」

赤穂「……正直、信じたくない結論だ」

御影「もしかして、兄さん……」

赤穂「だけど他に浮かばないんだ……土橋があの金属の棒を取ろうとする理由」

道掛「どういう事だよ!?美姫ちゃんは何しようとしてたんだ!」

赤穂「土橋は……」
746 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/29(月) 21:48:35.01 ID:juXEPiyA0






赤穂「俺の新しい杖を、作ろうとしてたんだ」






747 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 08:09:59.31 ID:1OdtMfQA0
津浦「Mr.赤穂の……」

兵頭「新しい、杖」

赤穂「ああ……だから土橋は金属の棒を取ろうとした。俺の杖に似たあの棒を」

佐場木「それを見越して罠を仕掛けたのかもしれないな」

御影「そんな……」

赤穂「……」

遠見「これ見よがしに上に置かれた杖に相応しい棒……美姫殿はそれを見つけてしまった」

六山「土橋さんは腕を骨折してた。高いところにある棒を取るにも一苦労だったはずだよね」

如月「その結果……段ボールと共に崩れてきた金属の下敷きとなった」

道掛「なんてこった……」

土橋がなんで俺の新しい杖を作ろうとしていたのかはわからない。

だけどこの結論に、間違いはないはずだ。

赤穂「だからこの一件は事件」

赤穂「土橋は殺されたんだ……!」
748 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 10:39:08.19 ID:1OdtMfQA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>736
【モノクマファイル4】
【土橋の死亡時の状況】
【土橋の吐瀉物】


佐場木「土橋が殺されたのはわかった。その前提で議論を進めるぞ」

津浦「犯人はやはり【内通者】なんでしょうか」

兵頭「今回の動機を考えても間違いないとは思いますが……」

御影「わざわざ罠まで作った以上【】突発的でもなさそう】だしね」

六山「でもそのわりにはお粗末だよね」

六山「【偶然脳が傷付いたから土橋さんは亡くなった】けど」

六山「わたしだったら一緒に厨房の刃物でも仕掛けとくよ」

道掛「百夏ちゃん怖えよ!?」

如月「しかし六山さんの言葉にも一理あります」

如月「この罠は片腕が使えず受け身も取りにくかったであろう土橋さんを殺すには【殺傷能力が低すぎる】」

遠見「表面上はたいした怪我ではなかったでありますからな」

土橋が殺されたのは間違いない……

だけどまだ疑問点はある。
749 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 13:01:58.69 ID:1OdtMfQA0
【偶然脳が傷付いたから土橋さんは亡くなった】←【モノクマファイル4】


赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「待ってくれ、そもそも土橋は本当に脳にダメージを受けて死んだのか?」

六山「……それって大前提じゃないの?」

道掛「そうだぜ、他にねえだろ!」

赤穂「だけどこのモノクマファイルを見てくれ」

佐場木「死因が書かれていない……赤穂が言いたいのはそういう事か」

赤穂「ああ、今までもモノクマファイルに書かれてなかった事は重要だった……」

赤穂「だから今回もそれは例外じゃないはずだ」

遠見「しかしあの美姫殿の死因が罠によるものでないのならば、いったい何が……」

兵頭「とにかく話し合いましょう。土橋さんはどうして亡くなったのかを、ね」
750 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 20:59:37.78 ID:1OdtMfQA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>736
【こもってからの土橋】
【毒の本】
【腕の傷】

道掛「美姫ちゃんが【別の方法で殺された】ってマジなのかよ……」

六山「とりあえず色々あげてみよっか」

遠見「[撲殺]……ではなさそうでありますな」

兵頭「あの傷では[刺殺]にはなりそうにありませんね」

津浦「……[毒殺]では、ないでしょうか」

御影「[病殺]っていうのは?」

佐場木「勝手に手口を作るな……」

如月「さて、死因はいったい……」

土橋の死因はきっとあれだ……
751 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 21:48:13.27 ID:1OdtMfQA0
[毒殺]←【腕の傷】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「津浦の言う通り、土橋は毒殺の可能性が高い」

道掛「ど、毒!?んなもんどっから……」

兵頭「そう断定するからにはもちろん根拠がおありなんですよね?」

赤穂「ああ、土橋の腕にあった引っ掻いたような跡だ」

佐場木「あれか……」

六山「あれは苦しんだ土橋さんがつけたものじゃないの?」

赤穂「あれは一見引っ掻いた傷に見えるけど実際は違ったんだよ」

御影「ど、どういう事?」

あの跡は……ある毒が使われた証拠になるんだ!
752 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:00:10.08 ID:1OdtMfQA0
【モノポイズン】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「モノポイズン……」

如月「モノポイズン?」

津浦「こちらの本に書いてある毒物です」

道掛「なんだそれ!宇宙語か!?」

佐場木「そんなわけないだろう」

兵頭「とりあえず、どんな毒物か教えていただけませんか?」

津浦「モノポイズンは体内に入って一時間前後で効果を発揮する猛毒です」

津浦「その際、腕には引っ掻いたような跡が残るのが特徴と書いてありますね」

六山「引っ掻いたような跡……土橋さんの腕にあるのそのままだね」

遠見「それでは美姫殿はその毒を用いて殺害されたのでありますか……」

赤穂「そういう事になる」

津浦「この毒は市販されている材料を使いますので、作るのは困難ではなかったでしょう」

如月「そんなに身近な物でそんな毒が……」

モノクマ「うぷぷ、そんなに驚く事はないよ!」

モノクマ「モノポイズンはボクが産み出した毒だからね!」

モノとついてる時点でそんな気はしてたけど、やっぱりそうなのか……!
753 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:11:59.94 ID:1OdtMfQA0
兵頭「色々わかってきましたね」

御影「土橋は罠を仕掛けられていた……」

六山「そして毒殺されたんだね」

道掛「うーん、だけど本当にそんな毒簡単に作れんのか?」

津浦「材料は本当に簡単に手に入りますので。例えば……」

津浦がいくつかの材料をあげていく……それは俺達が日常で見るような物ばかりだ。

如月「……ちょっと待ってください」

遠見「どうしたのでありますか?」

如月「津浦さん、モノポイズンは本当にその材料を使うのですか?」

津浦「そうですが……」

如月「まさか、いやしかし……」

佐場木「なんだ、何かあるなら言え」

如月「……そのモノポイズンの材料ですが、僕は外出の際に旧館に持ってくるよう頼まれています」

道掛「だ、誰にだよ!」


如月「……土橋さんですよ」
754 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:23:07.12 ID:1OdtMfQA0
赤穂「……!」

道掛「んっ?はっ?ちょっと待てよ、美姫ちゃんが……毒の材料を頼んだ?」

如月「津浦さん、これから僕があげるものにモノポイズンの材料となる物がどれだけあるか教えてください」

今度は如月さんが物の名前を告げていく。

そしてそれを確認していた津浦は……青ざめた顔で本を閉じた。

津浦「今、Mr.如月があげた物品は……バンド以外、全てモノポイズンの材料です」

御影「ちょっと待ちなよ!?土橋は被害者なんだよ!?」

六山「だけど土橋さんがモノポイズンの材料を頼んでたのは事実、だよね」

佐場木「……問題なのはその目的だ」

道掛「そ、そりゃ、毒を作る理由なんて1つしかなくね?」

赤穂「土橋が誰かを殺そうとしていたっていうのか!?」

兵頭「……1ついいですか?もしかしたら」
755 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:23:42.12 ID:1OdtMfQA0






兵頭「土橋さんが、内通者だったのでは?」






756 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:35:20.58 ID:1OdtMfQA0
赤穂「は……?」

土橋が、内通者?

兵頭「内通者は事件を起こさなければ命がないと脅されていました」

道掛「そ、それなら毒を作ってもおかしくは、ねえよな……」

待て。

六山「土橋さんが内通者だったなんて……」

津浦「そうなると、この事件に新しい展開が見えるのでは?」

待てよ。

佐場木「自殺か」

御影「じ、自殺はおかしくない?だって土橋は命がないって脅されて毒を作ろうとしてたんでしょ?」

なんだよこれ。

如月「躊躇った末に絶望したか……もしくは、赤穂さんをどうしても犠牲に出来なかったか」

なんなんだよ、これは!

赤穂「待て、待てよ!!なんで土橋が内通者だなんて話になってる!!あいつは被害者だ、あいつは死にたくないって泣きながら殺されたんだぞ!?」

おかしいだろ、なんでみんな被害者のあの子を責めるような雰囲気なんだ!!

兵頭「しかしだったらどう説明をつけますか?彼女がモノポイズンの材料を求めていた理由を」

赤穂「知るかそんなもの!!」

御影「に、兄さん……?」

ふざけるな、ふざけるなよこいつら……!

だったら証明してやるよ、土橋にはモノポイズンを作れないってな……!
757 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:43:43.35 ID:1OdtMfQA0
【毒の本】

赤穂「お前らに正義はない……!」


赤穂「津浦!!今すぐその本を貸せ!!」

津浦「ひっ!」

差し出された本を奪い取ると全員に向けて適当なページを見せる。

赤穂「なあ、誰かこれ読めるか?」

道掛「い、いや……」

佐場木「どこの国の言語かぐらいしかわからんな」

兵頭「残念ながらわかりませんね……」

赤穂「そう、誰にも読めない、わからないんだよ!頭のいいだろう兵頭や佐場木にも!」

赤穂「だったら土橋にも読めなかったと考えるのが普通だろう!!」

御影「あっ……」

六山「じゃあどうして土橋さんは……」

赤穂「さあな!だけどこれで1つ結論が出た……」

モノポイズンを作る方法、そのための材料……そのどちらもこの本を読めないとわからない。

だったら毒を作れるのは……!
758 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:53:30.87 ID:1OdtMfQA0
【津浦琴羽】

赤穂「お前しかいない……!」


赤穂「津浦、お前だろう?」

津浦「えっ?へっ?」

赤穂「そもそもこの本読めるのはお前だけだ。だったら毒を作れるのはお前しかいないんじゃないのか?」

津浦「ま、待ってください!なんでワタシが……」

赤穂「そんなの、お前が内通者だからじゃないか?」

津浦「は!?」

赤穂「お前は死ぬ事に随分怯えてたもんな?少なくとも銃を持ち出すぐらいには」

津浦「そ、それは……」

道掛「ちょっと待てよ赤穂!それは乱暴……」

赤穂「お前らも今土橋に同じ事をしただろう!!」

御影「……!」

赤穂「もう死んで反論出来ない土橋によってたかって内通者の罪を押しつけて……!」

佐場木「……」

赤穂「そもそも毒の材料は津浦にしかわからない!だったら嘘をついてる可能性もある……!」

如月「赤穂さん……」

赤穂「これでわかっただろう!お前らに正義なんて――」
759 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 22:54:08.75 ID:1OdtMfQA0






パァン!!






760 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 23:06:31.12 ID:1OdtMfQA0
喚く俺の言葉を遮るように響いたのは……一発の銃声。

その音の発生源は……上に向けて銃を構える。

遠見「全員、静粛にであります」

遠見、だった。

遠見「赤穂殿、はっきり言うであります……」


遠見「さっきから見苦しい、少し黙れ」


赤穂「っ……」

遠見の発するその気迫に俺は言葉を失う。

それだけ遠見からは……剣呑な雰囲気が漂っていた。

遠見「赤穂殿は美姫殿を信用していなかったのでありますか?」

赤穂「は?何言って」

遠見「それならあの感情のままに喚き散らすあれはなんでありますか?」

遠見「もし同じ立場に立っていたのが御影殿なら……赤穂殿は冷静に、それこそジェニー殿の疑いを晴らした時のように立ち回っていたはずでは?」

その言葉に、俺は冷や水をぶっかけられたような気がした。

そして思い返す……さっき自分の醜態を。

赤穂「なんだ、あれ……俺、なんであんな……」

遠見「頭に血が上った、それはわかるでありますよ」

遠見「しかしそれで津浦殿に罪を押しつけるのは違うでありましょう?」

遠見「冷静に考えれば……そもそも津浦殿が内通者ならモノポイズンの事など明かさなければいいのでありますから」

赤穂「……」

そうだ……俺、そんな事すら……
761 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 23:21:04.24 ID:1OdtMfQA0
遠見「続いて……美姫殿が内通者だという話には少々無理があるかと」

兵頭「それはなぜですか?」

遠見「ちぐはぐだからでありますよ」

御影「ちぐはぐ?」

遠見「如月殿、美姫殿が材料を頼んだのは一度にでありますか?」

如月「そうですね……」

遠見「あの腕を見れば津浦殿は同じように調べるでありましょう。そうなれば一巻の終わりであります」

六山「だったら津浦さんを殺せば……」

遠見「それなんでありますが……今回の事件、自分は2つ確信してる事があるのであります」

佐場木「確信してる事だと?それはなんだ?」

遠見「……赤穂殿」

赤穂「なん、だ?」
762 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 23:22:29.60 ID:1OdtMfQA0






遠見「おそらくあの罠もモノポイズンも、標的は赤穂殿であります」

遠見「そして」

遠見「内通者なんか、はじめからいないであります」






763 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 23:23:52.20 ID:1OdtMfQA0






    【学級裁判中断!!】






764 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/30(火) 23:24:18.26 ID:1OdtMfQA0
今回はここまで。
次回学級裁判完結です。
765 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 20:29:53.98 ID:TE2fWHVA0






     【学級裁判再開!】






766 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 21:12:19.64 ID:TE2fWHVA0
赤穂「狙われてたのが、俺……」

いったい、どういう事なんだ?

遠見「1つ考えてほしいのであります、もしあの罠を赤穂殿が受けていたとしたらどうなっていたか」

御影「それは……」

佐場木「腕が不自由だった土橋と違い、赤穂は脚だ。おそらく逃げきれず押し潰されていただろうな」

六山「だけどそれにはそもそも、赤穂くんが棒を取りに行かないと」

遠見「……赤穂殿、その杖をよく見てほしいであります」

赤穂「杖を……?」

遠見に言われるがまま杖をよく見てみる。

赤穂「……!なんだこれ!?」

それは、微かな、だけどはっきりとした異常。

杖の下の方が……削れていた。

もしこのまま使っていたら、いずれ折れてバランスを崩していただろう。

遠見「これでも眼は自信がありましたので……それは明らかに人為的なものであります」

赤穂「……」

確かに杖が使えなくなったら、俺は代わりを取りに行ったはずだ。

そしてあの金属の棒を取ろうとする。

そうしたらどうなっていたか……考えなくてもわかった。
767 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 22:02:29.10 ID:TE2fWHVA0
兵頭「あの罠が赤穂さんが狙っていたのはともかく……それでなぜ内通者がいないという話に?」

道掛「そうだぜ!メメちゃんはなんか確信があるみてえだけど……」

遠見「そもそも、自分は内通者がいるという話には正直最初から懐疑的だったのであります」

津浦「それはなぜ……」

遠見「もし内通者がいるなら黒幕である苗木殿が動きすぎなのであります」

御影「動きすぎ?」

佐場木「確かにそうだな……今までの事件、内通者の役割がまるでない」

六山「あっ、そっか。例えば静音さんに提案したり四方院さんに手紙送るのは内通者にさせればいいもんね」

六山「そうすれば自分のした事が事件を起こしたってさらにがんじがらめに出来るし」

道掛「だから百夏ちゃん怖えよ!?」

赤穂「言われてみればそうだ……それに、もし黒幕以外に内通者もいたならあの苗木が最期にそれを暴露しないのは不自然だ」

実際そこでガタガタになってた部分はあったしな……

如月「……ふむ、ならば聞いてみましょうか」

如月「モノクマ、内通者はいるんですか?」

如月さんの質問を受けて微動だにしないモノクマ……

長い時間が経ったかのような感覚……そして。

モノクマ「内通者?そんなのいないよ」

それが、モノクマの解答だった。
768 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 22:45:29.25 ID:TE2fWHVA0
道掛「な、なんだよそれ!?いねえもんを当てろとか言ってたのか!?」

モノクマ「えっ?だからいないが正解だよ?」

御影「あんたそんなの!」

モノクマ「ボクは内通者がいるなんて言った覚えはないよ!」

モノクマ「もし内通者がいたらコロシアイを引き起こすっていうのをちょっとはしょっただけじゃん!」

佐場木「とんでもない暴論だな」

モノクマ「何さ何さ!内通者なんかいないって思えないオマエラの信頼関係とかがボロボロだってだけの話じゃない!」

赤穂「ぐっ……!」

さっきまでその事で雰囲気を悪くした俺はそれに何も言い返せない……

如月「内通者はいない……なるほど、ならば毒を作ろうとしたのはもう1人の黒幕ですか」

モノクマ「は!?」

佐場木「ふん、内通者がいない以上苗木のような裏で動く黒幕もしくは誰かが殺人を起こそうとして毒を作った事になる」

兵頭「後者の場合作れるのは本が読める津浦さんのみとなってしまいますね」

津浦「疑いは晴れたのではなかったんですか……」

赤穂「……待てよ、冷静に考えたらたとえ本が読めても、モノポイズンは作れないんじゃないか」

御影「えっ、なんで?」

そうだ、そもそもモノポイズンは作れない……

どうやっても不可能なんだ!
769 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 22:59:23.33 ID:TE2fWHVA0
【なかった物品】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「……如月さん、土橋が頼んだ品物の中になかった物があったんですよね?」

如月「はい。洗剤がなくなっていましたよ」

津浦「えっ?洗剤がなければモノポイズンは作れませんよ」

六山「材料がないなら物理的に無理だもんね」

御影「じゃあモノポイズンはそもそも使われてないって事なの?」

兵頭「ですが先ほど津浦さんがおっしゃった内容とモノポイズンの症状は一致するんでしたよね?」

津浦「は、はい」

道掛「じゃあいったいどうなってんだよ!」

遠見「……」

佐場木「とにかく話し合うぞ……内通者はいないとわかった以上確実に進んでいるんだ」
770 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/07/31(水) 23:08:14.90 ID:TE2fWHVA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>736
【土橋の死亡時の状況】
【こもってからの土橋】
【旧館からの外出】


兵頭「モノポイズンの材料が手に入らなかった……」

御影「【モノポイズンは使えなかった】って事になっちゃうんだけど……」

遠見「ふむ……」

津浦「しかし【症状は一致しています】……」

道掛「わかったぜ!【美姫ちゃんは直前に別の毒飲まされた】んだ!」
771 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 21:07:36.39 ID:3y8a328A0
【美姫ちゃんは直前に別の毒飲まされた】←【土橋の死亡時の状況】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いいや、それはない。土橋は直前まで俺と普通に話してたんだ」

赤穂「特に何も口にしてなかったしな……直前に毒を受けた可能性はまずないはずだ」

道掛「じゃあなんなんだよ!モノポイズンとかいうのは作れねえ!他の可能性もねえ!」

道掛「もうわけわかんねえ!いっそ苗木が化けて出たって言われても信じるぞ俺は!」

津浦「み、Mr.道掛、落ち着いてください」

赤穂「……」

苗木が化けて出た……

赤穂「そうかも、しれないな」

御影「えっ!?」

兵頭「とうとう気が……」

赤穂「もちろんあいつが幽霊になって土橋を殺したなんて言うつもりはない」

赤穂「だけど今回の事件にも、あいつの関与はあったはずだ」

六山「もう死んじゃった苗木くんが、どうやって関与するの?」

苗木の関与している証拠……
772 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 21:21:52.76 ID:3y8a328A0
【大量の洗剤】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「念のため苗木のコテージを見てきたんだ……そうしたら中に大量の洗剤があった」

如月「洗剤……それはやはりマーケットからなくなっていた?」

赤穂「はい」

遠見「つまり苗木殿はモノポイズンを作成していた可能性が高いでありますな……」

佐場木「先ほどモノクマはモノポイズンを自分の作った物だと明言した。つまり黒幕である苗木はモノポイズンの作り方を知っていたわけだ」

兵頭「洗剤という物的証拠があるなら津浦さんが作ったというよりは説得力がありますね」

津浦「ほっ……」

御影「じゃあどうやって作ったかは問題じゃないって事だ。だって苗木が作ってたんだから」

赤穂「そう……そしてその事からはっきりわかる事がある」

赤穂「今回の犯人はもう1人の黒幕だ!」

モノクマ「はい!?どうしてそうなるのさ!」

赤穂「モノポイズンは黒幕である苗木が作っていた……そして苗木はもういない」

赤穂「つまりモノポイズンを使えるのは苗木と共犯だったもう1人の黒幕以外あり得ないじゃないか!」

モノクマ「そんなの、こっそり持ち出せば済む事でしょうが!」

赤穂「それはない!だって……」

【被害者以外のコテージには入れない】
【クロ以外のコテージには入れない】
【誰のコテージにも入れない】
773 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 21:38:34.50 ID:3y8a328A0
【被害者以外のコテージには入れない】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「捜査中は被害者のコテージにしか入れない……そうだったよな牡丹」

御影「うん、モノクマははっきりそう言ってたよ」

赤穂「そしてそれ以外のタイミングはコテージの鍵がなくなった以上どうしようもない」

赤穂「ただ1人……このコロシアイを運営する黒幕以外はな!」

モノクマ「うぐぐ……」

遠見「おそらく美姫殿がモノポイズンの材料を如月殿に頼んだのは誰かに頼まれたからでありましょう」

佐場木「そうして毒の入手経路をあやふやにしようとしたわけか」

兵頭「……如月さんが洗剤がなかったと証言すればさらに混乱を招きますからね、道掛さんのように」

道掛「褒められたのか!?」

津浦「違います」

六山「苗木くんのコテージを調べた赤穂くんのファインプレーだね。でもどうして調べようと思ったの?」

赤穂「あいつは悪意に満ちた奴だったからな……なんとなく気になったんだ」

如月「彼ほどの悪は確かにいません……疑うのも無理はありませんね」

事実、あいつは関わっていた……苗木は死んだ後も俺達に牙をむいていたんだ。
774 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 21:49:50.95 ID:3y8a328A0
兵頭「さて……入手経路はわかったところで次の議論にいきましょうか」

佐場木「土橋がどうやって毒を盛られたかか」

如月「津浦さん、それについて何か手がかりは?」

津浦「いえ、このモノポイズンはあらゆる使い方が出来るらしく……せいぜい発症まで1時間前後という事ぐらいしか」

御影「1時間……ちょうど朝起きたくらいの時間だね」

道掛「よしわかった!美姫ちゃんは朝飯に毒を仕込まれたんだ!つまり犯人は」

兵頭「何か?」

道掛「千ちゃん笑顔なのに怖っ!?」

御影「それは多分ないよ」

そう、朝食に毒はなかったはずだ……
775 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:01:00.23 ID:3y8a328A0
【兵頭の証言】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「土橋は自分の分の朝食を兵頭や牡丹にも食べさせてたらしいんだ」

御影「そうそう、鼻歌なんて歌ってたし……うん、本当に幸せそうだったのに」

兵頭「御影さん、涙は後に回しましょう」

御影「ん、わかってるよ」

遠見「それなら自分も見たでありますよ」

津浦「つまり朝食にモノポイズンが入っていたら……」

佐場木「今頃この学級裁判は7人で行っていたわけだ」

六山「怖い話だね……」

道掛「朝飯が違うのはわかったけどよ、じゃあ他に何かあんのか?他に美姫ちゃんが口に入れたのとかなくね?」

如月「毒の侵入経路……重要でしょうから慎重に議論しましょう」
776 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:07:17.09 ID:3y8a328A0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>736
【傷薬】
【流しの傷薬】
【傷薬の瓶】


佐場木「モノポイズンをどうやって摂取したか……」

道掛「そうか!」

兵頭「黙っていてください道掛さん」

道掛「なんでだよ!?」

津浦「〔気体を吸引した〕可能性はないでしょうか」

如月「それならもっと被害が出ていたはずです」

御影「〔飲み物〕なら私達も手つけてないしあるんじゃない」

六山「あっ、わたしが間違って飲んだ……」

遠見「……〔塗った〕と、自分は考えるでありますよ」

毒の経路……それはきっとあれだ。
777 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:12:34.31 ID:3y8a328A0
〔塗った〕←【傷薬】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「そうだ……土橋は毒を塗られたんだ!」

道掛「俺もそれ言おうとしてたんだよ!」

津浦「塗ったとは……あの傷薬ですか」

兵頭「他に土橋さんが塗られた物は浮かびませんね」

赤穂「そう、土橋がした頭の切り傷……あれを治療するための傷薬にモノポイズンは仕込まれていたんだ」


御影「それは違ってるよ!」反論!


御影「ちょっと待って兄さん!それはないよ!」

赤穂「牡丹?」

御影「少なくともあの傷薬に毒はなかった……」

御影「私は断言するよ!」
778 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:16:11.75 ID:3y8a328A0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>736
【こもってからの土橋】
【傷薬の瓶】
【モノポイズン】


御影「あの傷薬に毒があったなんて絶対おかしい!」

御影「兄さんだってそれはわかるはずでしょ!」

赤穂「他に経路は考えられないんだ牡丹」

赤穂「モノポイズンは傷薬にあったとしか思えないんだよ」

御影「あの【傷薬は兄さんだって使ってた】じゃない!」

御影「だけど兄さんはこうして生きてる」

御影「それが傷薬に毒なんてなかったって証拠だよ!」
779 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:28:26.96 ID:3y8a328A0
【傷薬は兄さんだって使ってた】←【傷薬の瓶】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「違うんだ牡丹、あの傷薬は……俺が使ってた物じゃない」

御影「えっ」

道掛「どういうこった?」

赤穂「厨房に傷薬の瓶が捨てられてたんだ」

兵頭「傷薬の瓶、ですか?」

赤穂「そうだ。犯人はモノポイズンの入った傷薬と俺が使っていた傷薬を入れ換えたんだよ!」

津浦「な、なぜそんな事を……」

赤穂「遠見の推測が正しいなら、俺を殺すためだろうな」

遠見「……」

如月「赤穂さんは腹部の負傷に傷薬を使っていましたからね……もし何も起こらずにそのまま使っていたら」

津浦「Mr.赤穂が、被害者になっていた……」

赤穂「……」

土橋は……俺を殺そうとした罠にかかって殺された。

くそっ、気分が悪い!

もし俺が早起きして塗っていたらそれだけで土橋は……………………



赤穂「……は?」

ちょっと、待てよ。

赤穂「モノ、クマ」

聞かないといけない。

モノクマ「何さ赤穂クン!また言いがかりつけたらただじゃおかないよ!」

赤穂「1つ、聞きたいんだ」
780 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:29:10.39 ID:3y8a328A0






赤穂「俺が傷薬塗って死んでたら、クロは誰になる?」






781 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:30:42.36 ID:3y8a328A0






モノクマ「そんなの赤穂クンに決まってるじゃない!毒を用意しただけでクロになるわけないでしょ!」






782 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:34:44.06 ID:3y8a328A0
赤穂「…………」

最悪だ。

御影「兄さん?」

道掛「おいおい、顔が真っ白だぞ!?」

俺は今まで、毒を用意した奴がクロだと思っていた。

六山「えっと、どうしたの」

津浦「今の質問の意図はいったい……」

兵頭「……まさか」

だから議論をしてきたんだ。

佐場木「…………」

如月「……やはり、そうなりますか」

だけど、これは……

モノクマの言葉が、正しいならこの事件の、クロは……!
783 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:35:27.72 ID:3y8a328A0






「――やっと、わかってくれたでありますか」






784 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:39:03.53 ID:3y8a328A0
弾かれたように声の方を向く。

俺が見た彼女の顔は、落ち着いていた。

まるで、最初からこうなるのをわかっていたかのように。

赤穂「なんで、そんな穏やかなんだよ」

まさかわかってたのか?

それなのに毒を【塗った】なんて言ったのか?

赤穂「わかってるのか?今のモノクマの言葉を考えたら、今回のクロは……」

「もちろん、理解しているでありますよ……最初から」
785 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:39:45.14 ID:3y8a328A0






遠見「美姫殿を殺したのは、自分であります」






786 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:49:21.01 ID:3y8a328A0
道掛「は?はあ!?」

兵頭「遠見さん、あなたは……」

遠見「いや、さすがでありますな!自分もあえて黙って全員の成長に一役買ったかいがあるであります!」

御影「何、言ってるの……?」

遠見「モノポイズンが仕掛けられていたのは傷薬。赤穂殿が塗っていたなら薬を塗った赤穂殿がクロとなる」

遠見「つまり、今回は美姫殿に薬を塗った自分がクロとなる……それだけでありますよ」

津浦「Ms.遠見……最初からという事は、あなたはそれをわかった上で混乱を静めたんですか!?」

遠見「もちろんであります。だって自分は、ここにいる誰も犠牲になんてするつもりはないでありますから」

六山「怖く、なかったの……?」

遠見「軍人でありますから!」

如月「……残念です遠見さん」

遠見「……ありがとうであります」

赤穂「遠、見」

遠見「さあそろそろ投票タイムといくでありますよ。もう議論は――」
787 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:50:46.23 ID:3y8a328A0






佐場木「黙れ……!」






788 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 22:55:13.90 ID:3y8a328A0
遠見「佐場木殿……?」

佐場木「自分が犯人?下らん話をするならその口を閉じていろ」

赤穂「佐場木、だけど」

佐場木「前にも言ったはずだ赤穂」

佐場木「貴様だけで勝手に進めるのはやめろとな……!」

佐場木「遠見をクロとするなら俺が提示する疑問全てに答えを出してみろ!」

佐場木「それが出来ない限り、判決など下させるものか」

佐場木「絶対に、下させるものか!!」


佐場木「その推理を棄却する!」反論!
789 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:01:35.80 ID:3y8a328A0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>736
【こもってからの土橋】
【流しの傷薬】
【土橋の吐瀉物】


佐場木「まずは傷薬の件だ」

佐場木「貴様は傷薬にモノポイズンが仕掛けられ、自分の物と入れ換えられていたと言ったな?」

赤穂「ああ、そうだ」

赤穂「モノポイズンを用意した……多分黒幕は傷薬にそれを入れて交換したんだ」


佐場木「語るに落ちたな赤穂!」

佐場木「あの傷薬は大量に消費されていた!」

佐場木「つまり【他にもあの傷薬を使用した人間がいる】という事!」

佐場木「ならばなぜ土橋だけが死んだ?」

佐場木「それはあの傷薬にモノポイズンなど入っていなかったからだ!」
790 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:06:43.07 ID:3y8a328A0
【他にもあの傷薬を使用した人間がいる】←【流しの傷薬】

赤穂「その反論に……!」


赤穂「傷薬は瓶だけじゃない、中身も捨てられていたんだ」

赤穂「流しにその痕跡がしっかり残っていたんだよ佐場木!」

佐場木「……ちいっ!」

赤穂「これで、もう」

佐場木「まだだ、まだ疑問はある!」


佐場木「その判決を不服とし、控訴する!」反論!
791 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:13:40.16 ID:3y8a328A0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>736
【土橋の吐瀉物】
【こもってからの土橋】


佐場木「そもそもモノポイズンは本当に使われていたのか?」

佐場木「腕の痕が傷である可能性は完全に否定されていない!」

佐場木「他の死因、他の毒、まだ議論の余地はある!」

赤穂「今さらそれを言うのか!?」

赤穂「モノポイズンの特徴と土橋の状況は完全に一致する!」

赤穂「もう認めてくれ佐場木!」

佐場木「認めるのは貴様だ赤穂!」

佐場木「【腕の痕のみが特徴】なら……」

佐場木「いくらでも説明はつけられる!」
792 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:18:01.25 ID:3y8a328A0
【腕の痕のみを特徴】←【土橋の吐瀉物】

赤穂「……!」


赤穂「土橋の吐いた物の中に血が混ざっていた!」

赤穂「この少しの血もモノポイズンの特徴なんだ!」

赤穂「モノポイズンが土橋を殺した毒という事に議論の余地はない!」

佐場木「ぐうっ!?」

赤穂「頼む、もうやめてくれ佐場木!」

赤穂「お前だってもうわかっているはずだ……」

赤穂「この事件の真実に!」

佐場木「…………まだだ」

赤穂「佐場木……!」

佐場木「まだ俺の反論は終わっていないぞ赤穂政城!」

佐場木「上告だ!これで最後にしてやる……赤穂!!」
793 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:23:45.35 ID:3y8a328A0
【パニックトークアクション開始!】

佐場木「赤穂が塗った場合赤穂は犯人となるた!」

佐場木「しかしそれが今回も適用されるとは限らん!」

佐場木「いいや!モノクマがわざわざ言及したからには違うと疑うべきだ!」

佐場木「今回の事件のクロはモノポイズンの作成者……!」

佐場木【苗木誠以外にいはしない!】



     禁止の

複数の        殺害

     ルール
794 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:29:55.83 ID:3y8a328A0
【複数の殺害禁止のルール】

赤穂「もう、終わらせよう……!」


赤穂「苗木が犯人なら、苗木は2人以上の殺害禁止のルールを破った事になる」

赤穂「モノクマ、その場合はどうなるんだ?」

モノクマ「もちろん違反として知らせるよ!学級裁判も開きません!」

赤穂「……これが答えなんだ佐場木」

佐場木「こんな判決、こんな判決など……!」

佐場木「ぐうっ!うああああああっ!!」ダンッ!!

遠見「……佐場木、殿」

赤穂「…………」
795 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:39:26.78 ID:3y8a328A0
【クライマックス推理開始!】

ACT.1
今回の事件は……あまりにも残酷なものだった。
被害者もクロも……本来とは違ったんだからな。

ACT.2
今回裏で動いていた黒幕は、何を狙っていたか俺を殺そうとしていた。
そのためにいもしない内通者関連の動機を出し、俺達を一ヶ所に固めさせたんだ。

ACT.3
黒幕は俺の杖と薬に細工すると、何事もなかったかのように過ごした。
罠とモノポイズン……どちらにかかって俺が死んでもいいようにな。
だけど……そううまくはいかなかった。

ACT.4
多分俺の杖の異変に気付いた土橋が罠のある倉庫に行ってしまったんだよ。
そして土橋は罠にかかり、怪我をした……この時の切り傷が土橋の運命を決めてしまったんだ。

ACT.5
そして土橋の治療のために今回犯人となってしまった人物は傷薬を使った。
モノポイズンの入った、傷薬を……何も知らずに。

赤穂「黒幕の企みは失敗した、俺は今も生きてる」

赤穂「土橋と遠見……2人を犠牲にして……」

遠見「……」

COMPLETE!
796 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:40:53.22 ID:3y8a328A0
モノクマ「議論の結論が出たみたいだね!」

モノクマ「それでは投票タイムとまいりましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票をお願いします!」

モノクマ「オマエラの答えが正解?それとも不正解?」

モノクマ「運命はどっちだー!!」

         VOTE

      遠見 遠見 遠見

       チャッチャッチャー!


     【学級裁判閉廷!】
797 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/01(木) 23:42:59.87 ID:3y8a328A0
今回はここまで。

次回おしおきと四章完結です。

それでは、また……
798 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 21:19:02.18 ID:5gNy0aTA0
モノクマ「だいせーいかーい!」

モノクマ「今回土橋美姫さんを殺したクロは……」

モノクマ「遠見メメさんでしたー!」

遠見「……よかった、ちゃんと正解でありますね」

赤穂「……ぐっ、くっ」

なんだよこれは……!

俺はこんな、こんな結末を望んでたんじゃない……!

俺は、ただ……!

モノクマ「だけど全員正解ではなかったね!」

津浦「えっ?」

モノクマ「佐場木クン、ダメじゃない!裁判官のキミが間違えるなんて!」

佐場木「……」

道掛「さ、佐場木……」

佐場木は、最後まで認めなかったのか……

佐場木「……だ」

モノクマ「はい?なんか言った?」

佐場木「この判決は不当だ!今すぐ裁判のやり直しを要求する!」

モノクマ「えー?なんでそうなるの?」

佐場木「なんでだと!?この事件、遠見に土橋を殺す意思はなかった!毒を作った苗木、もしくはそれを仕掛けた貴様こそこの事件のクロとして裁かれるべき存在だ!」

如月「……」

佐場木「こんな判決、認めてたまるか!こんなふざけた……!」

佐場木の言葉は、ある意味俺達の言葉でもあった。

だけどそれを口に出せるはずもない。

佐場木と違って俺達は……遠見を差し出してしまったんだから。
799 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 21:24:43.04 ID:5gNy0aTA0
遠見「佐場木殿!もういいでありますよ!」

佐場木「お前はこんな結果でいいのか!?お前は土橋を殺したかったわけでも毒の存在を知っていたわけでもない!それなのに……」

遠見「自分は軍人……戦場で死ぬ覚悟は常に出来ているであります」

佐場木「ここは戦場ではない!」

遠見「戦場でありますよ。これはモノクマと自分達の……戦争であります」

遠見は笑っている。

なんでだ、いくら軍人だからって……

御影「なんで……そこまで言えるの?」

遠見「……そうでありますね。モノクマ、少し昔話をしてもいいでありますか?」

モノクマ「お好きにどうぞ!うぷぷ、今は遠見さんが喋るだけで他の皆にダメージいきそうだし!」

遠見「……理由はともかく、許可は出たでありますか」

遠見は俺達の顔を見渡して、微笑むと口を開いた。
800 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 21:35:25.09 ID:5gNy0aTA0
何人かには話したのでありますが、自分は戦災孤児でありました。

実のところ、自分は日本人ではないのであります……遠い血には混じっているみたいでありますが。

そんな自分は元々奴隷としていつか売られる運命の子供でありました。

名前は1番という番号、最年長だった事から同じように売られ、捨てられ、連れ去られた子供達のまとめ役をしていたのであります。

地獄でありました……病気や虐待で次々と死んでいく子供達。

それを見ながら、今日も生き延びられたと安堵し、そんな自分を嫌悪し……本当に最低最悪でありましたよ。

そしてとうとう自分ともう1人しかいないという状況で……自分は希望を、見たのであります。

「生きてるか」

「……あなた、誰」

「……」ガタガタ

「自分は」



切原「切原生人。傭兵だ」
801 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 21:44:57.95 ID:5gNy0aTA0
隊長殿に救われた自分達は安全な場所まで共に過ごす事になったであります。

部隊の皆はとても優しくて、自分達を人間として扱ってくれて……

切原「名前はないのか」

「……はい」

「……」コクッ

切原「……なら自分が名前を贈ろう。そのままでも不便だろう」

「……!」

切原「……遠見、遠見メメ。それがお前の名前だ」

遠見「遠見……メメ……」

切原「お前はいい瞳をしている。これからはその目で遠く広い世界を見渡していけ」

遠見「……」

「……」クイクイッ

切原「ああ、お前にも贈らなくてはな……」

隊長殿はきっと、たいしたことをしたとは思っていないであります。

しかし、自分達にとって……この名前という贈り物がどれだけ希望となったか。

そして決めたのであります……隊長殿のように、自分も誰かに何かを贈れる存在でありたいと。

元々死んでいたはずの命、今という奇跡のような時間。

だから自分は、いつ死んでもそれを悲観も絶望もしないであります。

だって。

どんな時でも遠見メメの人生は幸福であったと、胸を張って言えるのでありますから。
802 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:01:06.47 ID:5gNy0aTA0
遠見「だからそんな顔をしないでほしいでありますよ」

津浦「Ms.遠見……」

遠見「ここに来てからは、役に立てていなかったでありますが……それでもこんな自分を信頼してくださった人もいたであります!」

佐場木「……」

遠見「そして今回他の方がクロにならずに済んだ、それだけは救いであります」

道掛「ち、ちくしょう、メメちゃん……!」

遠見「……佐場木殿」

遠見が自分の髪を結う2本のリボンを佐場木に渡す。

遠見「1本は妹に、渡してほしいであります」

佐場木「……もう1本は」

遠見「あなたに、持っていてほしいであります上官殿」

佐場木「……はっ、こんな役立たずの上官にか」

遠見「自分を信頼してくださっただけで充分でありますよ!」

佐場木「……お前だけは、絶対に黒幕側ではないとわかっていたからな」

遠見「ずっと気になっていたのでありますが……なぜそこまで自分を信頼してくださったのでありますか?」

佐場木「覚えてないか……お前は昔、俺の命を救ってるんだよ」

遠見「えっ…………マジでありますか?」

佐場木「…………マジだ」

遠見「ぷっ、あははは!まさかそんな巡り合わせがあったとは!本当に世の中は不思議でありますなぁ!」

遠見は笑う、これで心残りはなくなったと言わんばかりに。

そんな彼女に、何も言ってやれない……そんな自分に腹が立った。
803 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:09:25.73 ID:5gNy0aTA0
モノクマ「そろそろいいかな?なんか遠見さん、覚悟決まりすぎてつまんないし!」

遠見「全く、泣き叫ぶなど自分がするわけないでありましょうに」

遠見はモノクマに対峙するように歩いていく。

如月「……遠見さん、1つお願いが」

遠見「……わかったであります。自分もそうするつもりでありましたから」

なんだ?

今、如月さんと遠見が何か……

モノクマ「さてさて、それではおしおきといきましょう!」

遠見「……」

モノクマ「今回は【超高校級の観測手】である遠見メメさんに!スペシャルなおしおきを用意しました!」

遠見「……ふー」

モノクマ「それでは張り切ってまいりましょう!」

遠見「最後に1つ」

モノクマ「おしおきターイム!」
804 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:10:04.91 ID:5gNy0aTA0






       GAME OVER

  トオミさんがクロにきまりました。

    おしおきをかい―――――






805 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:10:37.18 ID:5gNy0aTA0






パァン!!






806 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:18:20.78 ID:5gNy0aTA0
赤穂「は?」

銃声、そして機械が落ちる音。

兵頭「遠見さん!?」

遠見「……ふむ、強度はたいしたことないでありますね」

銃を手の中で回しながら、遠見が呟く。

佐場木「お前、何を」

道掛「そ、そうだぜ!モノクマを撃ったりなんかしたら!」

そう、遠見はスイッチを押そうとしたモノクマを撃って、破壊したんだ。

そんな普通ならあり得ない事を。

遠見「どちらにしても処刑されるなら変わらないでありましょう?」

六山「だ、だからって……」

遠見は、やってのけた。

モノクマ「ちょっと遠見さん!どういうつもりさ!スペアがあるからいいけど!」

遠見「最後に1つと言ったでありましょう」

御影「遠見、いったい何をするつもりなの……」

遠見「では改めてモノクマ」

モノクマ「……」

遠見「あんまり自分を舐めるな、この×××野郎」

そう吐き捨てて遠見は……学級裁判場を飛び出した。
807 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:30:23.88 ID:5gNy0aTA0
【緊急事態発生】

【緊急事態発生】

学級裁判場を飛び出した遠見さんはモニターに映る警告をよそに走り出します。

向かう先は……モノクマ量産工場。

あっという間にそこにたどり着いた遠見さんは……笑って自爆スイッチに腕を叩きつけました。

【#/.\+%[<】

【超高。`級の観$ー手,'見メ@|刑執<+】

量産工場が爆発すると同時に量産されていたモノクマ達がぞろぞろと現れます。

その内の1体を銃で撃ち抜くと……遠見さんは再び走り出しました。


射撃練習場に飛び込んだ遠見さんがマシンガンや手榴弾を装備して、再び出てきます。

そこからモノクマと遠見さんの……戦争が始まりました。

※※※※
808 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:34:45.09 ID:5gNy0aTA0
【学級裁判場】

モノクマ「ちょっ、ちょっ!?」

モニターの向こうでは今までの処刑とはまるで違う光景が繰り広げられていた。

遠見が群がるモノクマを次々に蹴散らしていっている。

爪や爆発で所々傷が増えてもまるで気にせずに、むしろ力強さが増していくように。

例えるなら、1つの芸術みたいに遠見は鮮やかにモノクマを確実に破壊していた。

赤穂「遠見……」

それをただ見ている事しか出来ない俺達……くそっ、何か出来る事はないのか!?

御影「あっ!?」

道掛「メメちゃん!」

モニターの向こうで遠見が髪を掴まれて動きを抑えられる。

痛みに顔を歪める遠見に向けられるモノクマの爪……終わり、なのか。
809 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:35:24.46 ID:5gNy0aTA0






佐場木「諦めるな!!」






810 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:36:40.86 ID:5gNy0aTA0
津浦「Mr.佐場木……!?」

まるで佐場木の声が聞こえたみたいに遠見がナイフで自分の髪を切り落とす。

そして髪を散らしながら、遠見は再びモノクマの大群に向かっていった。

赤穂「佐場木……」

佐場木「死ぬな!お前にはまだまだ俺の手伝いをしてもらわなければならん!」

御影「っ、そうだよ遠見!モノクマなんかに負けないでよ!」

道掛「頑張れメメちゃん!!負けんなぁ!!」

六山「遠見さん、ゲームオーバーにはまだ早いよ……!」

兵頭「こんな投票、私も認めたくない……遠見さん!」

如月「…………」グッ

赤穂「……遠見!死なないでくれ、生きてくれ!!」

俺達の声が遠見に届いてるかはわからない。

だけど俺達は声をあげずにはいられなかった。


※※※※
811 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:43:10.53 ID:5gNy0aTA0
銃弾を、爪を、地雷を、爆撃を、遠見さんは最小限の傷に抑えながらモノクマに立ち向かっていきます。

戦車の下に滑り込み爆弾で爆破し、戦闘用ヘリを奪うとわざと墜落させモノクマを巻き込み、群がるモノクマ達をマシンガンで次々に破壊して……

そして銃撃の音が止んだ時……そこにいたのは満身創痍の遠見さんとモノクマ達の残骸。

遠見さんが大きく息を吐いてカメラを見ます。

向こうにいる仲間達に笑いかけた彼女が表情を変えて少し動くのと同時に……


遠見さんの脇腹が撃ち抜かれました。


血を撒き散らしながら転がる遠見さんが見る方向にはスナイパーライフルを構えたモノクマ。

遠見さんは流れ出す血とモノクマを交互に見て……意を決したように再び走ります。

そして……

最後のモノクマをバラバラにした遠見さんが血を流しながら歩いています。

そして木に寄りかかった遠見さんは笑みを浮かべるとゆっくりと目を閉じて……


そのまま、動かなくなりました。
812 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:50:03.22 ID:5gNy0aTA0
赤穂「遠見……!」

遠見はもう動かない……彼女の命はここで燃え尽きてしまったんだ。

だけど遠見はただでは死ななかった。

モノクマ「嘘でしょ!?まさかスペア全部破壊されるなんて……!」

そう、モノクマが大量に用意していたスペア。

それを道連れに、遠見は死んでいった。

モノクマ「うぎぎ、遠見さんも酷い悪足掻きしてくれたよ!だけど――」


如月「終わりですね」


それはまるで最初の船で見た出来事の再現だった。

如月さんの拳がモノクマを貫いたんだ。

道掛「お、おい如月!そんな事したら……!」

だけどそれが意味するのは、悪夢。

如月さんがルール違反したら、本人以外の誰かが処罰される。

でもいくら待っても……その時は来なかった。

津浦「な、何も起きません、ね」

兵頭「ああ……だから遠見さんは」

御影「どういう事?」

佐場木「……モノクマのスペアと工場は遠見が破壊した」

六山「そっか、つまり今のが最後のモノクマ……もうルール違反してもそれを咎める存在がいない!」

赤穂「じゃあ、遠見はもしかしてそのために!?」

ふと思い出す……さっき如月さんと遠見が話していた事を。

如月『遠見さん、1つお願いが……』

遠見『……わかったであります。自分もそうするつもりでありましたから』

あれはこの時のための……
813 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:53:02.21 ID:5gNy0aTA0
如月「遠見さんにはモノクマのスペアと工場を破壊してほしいと頼みました」

赤穂「如月さん……」

如月「そして僕が最後の詰めを行う。このコロシアイを終わらせるために」

如月さんは拳を握りしめる。

そこにあったのは、後悔の色。

如月「僕が手助けに入れれば……遠見さんは死なずに済んだ。万が一を考えてそれを行えなかった事だけが、無念です」

佐場木「遠見も納得しての作戦だろう。そしてあいつは……それを果たした」

佐場木は遠見に託されたリボンを見つめると、それを手首に結ぶ。

今佐場木が何を考えているかは俺にはわからないけど……その顔に絶望の色なんてない。

佐場木「黒幕もモノクマなしではコロシアイをまともに運営出来んだろう。後は脱出に向けての戦い……お前達にも手伝ってもらうぞ」

道掛「当たり前だろ!」

津浦「はい……!」

兵頭「ふふっ、今までと変わりません」

六山「クリアまで後少しだね……」

御影「もうこれ以上コロシアイは起きないんだ……」

如月「……全力を尽くします」

赤穂「ああ、もう誰1人死なずに脱出しよう!」

決意を新たにした、俺達。

もう俺達は負けたりなんか――
814 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:56:23.92 ID:5gNy0aTA0






ゾクッ!






815 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:58:27.46 ID:5gNy0aTA0
赤穂「っ!?」

な、なんだ、この寒気……

思わず辺りを見回す俺は……はっきりと見た。

牡丹の足下の床が、微妙に動くのを。

赤穂「……!」

ま、まさか!まさかまさかまさかまさか!!

逃げろって叫ぶ……駄目だ間に合わない!

如月さんに……これも駄目だ、間に合わない!

このままじゃ牡丹は……

赤穂「っ」

牡丹が死ぬ、血の海に沈む牡丹のイメージが脳裏に浮かぶ。

そんなの、させて、たまるか!

赤穂「あああああああっ!!」

叫んで牡丹に向かって腕を伸ばす。

普通なら無理だろうけど、俺には……これがある!

御影「痛っ!?」

伸ばした杖に突かれる形で牡丹がその場から押し出される。

そして、俺は。

俺は――
816 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 22:59:44.59 ID:5gNy0aTA0
※※※※

御影「痛っ!?」

いきなり突き飛ばされて尻餅をつく。

お腹痛い……というか、これ手とかじゃない……兄さんの杖じゃない!?

御影「ちょっと兄さん、何する――」

いくら兄さんでもこれは許せない、そう思って文句を言おうとした私が顔を上げると。
817 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 23:00:25.05 ID:5gNy0aTA0






赤穂「は、はは……」

身体中を、槍に貫かれた、兄さんが、いた。






818 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 23:02:33.96 ID:5gNy0aTA0
赤穂「ごぼっ……!?」

津浦「ひっ!?」

道掛「あ、赤穂……?」

御影「え……?」

赤穂「っ、あ、が……」

血を吐いた兄さんがそのまま血だまりに崩れ落ちる。

えっ、なにこれ……なんで、兄さん、えっ?

如月「こ、これはいったい……っ、まさか!?」

如月が私の後ろを見て目を見開く。

つられて後ろを振り返ると……あいつが、いた。



モノクマ「アーハッハッハッハッハ!!」

いちゃ、いけないはずのモノクマが……笑って、いた。
819 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 23:05:37.79 ID:5gNy0aTA0
兵頭「モノクマ、なぜ……スペアも工場も遠見さんが確かに!」

モノクマ「うん、確かに壊されちゃったよ。正直焦ったね!」

道掛「だったらてめえがなんでいるんだよ!?」

モノクマ「うぷぷ、あのさぁ……こういう時工場が1つしかないなんて誰が決めたの?」

六山「工場にも、スペアがあったの……?」

モノクマ「そのとーり!つまり、オマエラが頑張って応援してた遠見さんのしてた事は……最初っからなんの意味もありませんでしたー!」

佐場木「そんな馬鹿な……!」

モノクマ「そして如月クン!さっきキミ、ボクを壊したよね?」

如月「……!」

モノクマ「その連帯責任として、御影さんをおしおきするつもりだったんだけど……さすがお兄さん!赤穂クンが庇ってくれたよ!」

赤穂「っ……最初っ、から……そのつもりで……げほっ!」

私を、庇って……

私の、せいで……?

御影「兄さん、兄さん!」

倒れた兄さんの側に膝をつくと身体からどんどん溢れる血で、私の脚が濡れていく。

それを見て素人の私にもわかる、わかっちゃう。

もう、どうしようも、ない……

兄さんは、助からない。
820 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 23:10:06.25 ID:5gNy0aTA0
御影「兄さん!兄さん!」

嫌だ、やだやだやだ!

何か、何かあるはず、兄さんの助かる方法、ああ、まず血を止めなきゃ、どこから止めればいいの、ああ傷薬、持ってない、違うまずは病院――

赤穂「……牡、丹。怪我はない、か?」

御影「私は無事!それより兄さんが……!」

赤穂「そう、か……ごめんな、杖で突き飛ばして、さ」

御影「そんな事どうでもいいよ!早く、早く治療……」

赤穂「牡丹」

兄さんの手が私の頬を撫でる。

ああ、なんで?

なんであんな暖かった兄さんの手がこんなに冷たいの……

赤穂「――守れて、よかった。お前は、生きて、くれ……そして、幸せになって…………」

その言葉を最期に残して……私の頬を撫でた兄さんの腕が、血だまりに落ちた。

御影「あっ、ああ……」

兄さんが動かない、兄さんが目を開けない、兄さんが喋らない、兄さん兄さん兄さん兄さん……



兄さんが、死んじゃった。

御影「いや、いやあああああっ!!」
821 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/08/02(金) 23:11:41.68 ID:5gNy0aTA0
道掛「う、嘘だろ……なあ、嘘だろ赤穂!!」

佐場木「こんな馬鹿なっ……!」

津浦「あっ、やっ、こんなの……」

兵頭「っ……最初から、私達は手のひらの上で……!」

六山「あんまりだよ、酷すぎるよ……」

如月「…………」

モノクマ「うぷぷ、いいねぇ!希望から一転絶望に叩き落とされた瞬間はやっぱり最高だよ!」

佐場木「黙れ!!」

モノクマ「嫌でーす!まだ本番はこれからだよ……ねぇ、如月クン」

如月「……!」

モノクマ「ちょっとね、1つ聞きたいんだけど……」
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