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【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】
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672 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/01(月) 22:10:42.75 ID:ZgPtUigA0
【モノクマ量産工場】
佐場木「……」
赤穂「佐場木?」
モノクマの数が表示されるモニターを睨んで何をしてるんだ?
道掛「おっ、赤穂も来たのか」
赤穂「佐場木は何をしてるんだ、あれ」
道掛「ああ、今日でここに来てから2週間だろ?モノクマがどれだけの間隔で増えてんのか調べてんだと」
赤穂「そうだったのか……」
佐場木「……ふん、なるほどな」
道掛「おっ、終わったのか?」
佐場木「モノクマは4時間に一度、1日6体量産されるようだ」
赤穂「4時間に一回……また多いのか少ないのか微妙な数字だな」
道掛「つうかこれ止めるスイッチとかねえの?これとか」
道掛が壁にある見るからに怪しい赤いスイッチを押そうとする。
……それ押して大丈夫なやつなのか?
赤穂「ちょっと待……」
モノクマ「こらー!」
道掛「うおっ!?」
モノクマ「何してんの道掛クン!この工場の自爆スイッチ押そうとするとかさ!」
道掛「これ自爆スイッチなのかよ!?」
佐場木「なんでそんな物がこんな所にある」
モノクマ「うぷぷ、自爆スイッチはやっぱりロマンかなって思ったんだよね」
赤穂「ロマンって……」
モノクマ「だけど押すのは許さないよ!もし押したらおしおきだからね!」
道掛「危ねえ……押すところだった」
赤穂「少し考えた方がいいぞ……」
673 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/03(水) 22:13:55.06 ID:u3WptC/A0
調査を再開した佐場木達と別れた俺は津浦の様子を見に冷凍庫に向かう。
津浦「……」ハァ-
白い息を吐きながら津浦は冷凍庫の中心に立って目を瞑っていた。
赤穂「津浦」
津浦「Mr.赤穂」
赤穂「あっ、もしかして邪魔しちゃったか?」
津浦「いえ、大丈夫ですよ」
津浦は冷凍庫を見渡しながら目を細める。
津浦「Mr.グレゴリーは……なぜ設計を続けたのでしょう」
赤穂「えっ?」
津浦「ワタシの両親の事故のように、いくら彼自身が素晴らしい設計をしてもそれを歪められて責任を押し付けられて」
津浦「あの人は、絶望しなかったんでしょうか」
赤穂「……」
グレゴリーがどうして設計を続けたのか、か。
赤穂「きっと、好きだったからじゃないか?」
津浦「好きだったから?」
赤穂「やっぱり絶望は、したと思うんだ。苦しくて辛くて悲しくて……でも好きな設計をそんな形で終わらせたくはなかった」
赤穂「答えはわからないけど……そんな気持ちだったんじゃないかって俺は思う」
津浦「好きだから……」ハァ-
息を吐く津浦が納得したかはわからない。
でもグレゴリーの設計に対する姿勢の根本はそこなんじゃないか……俺はそう思いたかった。
674 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/03(水) 22:46:56.10 ID:u3WptC/A0
一度コテージに戻るという津浦を見送って、俺は島を回る。
遠見「……」
すると道を歩く遠見を見かけた。
赤穂「遠見!」
遠見「赤穂殿でありますか」
赤穂「土橋は一緒じゃないのか?」
遠見「さすがに怪我をした土橋殿を連れて調査をするわけにもいかないので……」
赤穂「ああ、確かにな……」
遠見「しかしこの島はまた気候が急激に変化するでありますね」
赤穂「そのわりにはなんだか動じてないな」
遠見「極寒の戦場もあったでありますから。妹と身を寄せあい、暖をとりながら進軍したでありますよ」
赤穂「へぇ、遠見妹がいるのか」
遠見「まあ、血は繋がってないのでありますが」
赤穂「そうなのか?」
遠見「そもそも自分は隊長殿が名前をくださるまで名前もなかったのであります」
赤穂「えっ?」
遠見「自分はその、戦災孤児だったのであります。妹とは奴隷市場で一緒にいた子でありますよ」
赤穂「……悪い。踏み込んじゃまずい話だったか」
遠見「いえいえ!今の自分は幸せでありますから!」
そう言って笑う遠見……いったいどれだけの苦労をしてきたんだろうな……
675 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/05(金) 22:30:57.32 ID:Z4o0hhNA0
土橋「ううん……」
赤穂「土橋?」
マーケットに行ってみると段ボールの前で土橋が何やら困った顔をしていた。
赤穂「土橋、どうかしたのか?」
土橋「あっ、政城。ちょっと暇潰しに何か作ろうかなって道具を集めてたんだけどさ……」
土橋は吊られた腕を見て苦笑いすると、頭を掻く。
土橋「あはは、この腕じゃ運べないって今さら気付いたんだよね」
赤穂「それはまた……」
手伝えたらいいんだけど、俺も杖で基本的に片腕塞がってるしな……
赤穂「あっ、そうだ。確か台車があったはずだからそれに乗せて運ぼう」
土橋「それしかないか……なんか政城の苦労が少しわかった気がする」
赤穂「ははは……」
それから荷物をコテージに運ぶ土橋を手伝った。
だけど何か作るって片腕で出来るのか……?
676 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/05(金) 22:51:13.46 ID:Z4o0hhNA0
如月「……」
ホテルの前で如月さんが佇んでいる。
その手には昨日の事件で見つけたバッジがあった。
赤穂「如月さん……」
如月「ああ、赤穂さん」
赤穂「そのバッジ妹さんの、なんですよね」
如月「えぇ、間違いなく……だから本当に不思議なんですよ」
如月「なぜ、これがここにあるのか」
赤穂「……」
如月「妹は死んで、その遺体が着けたままだったはずのバッジ」
如月「もし、もしも可能性があるとすれば……」
如月「あの男の関係者が、ここにいる可能性です」
赤穂「あの男って、まさか……」
如月「僕の妹を殺し、あなたの妹さんを傷つけた男」
如月「あのマッドサイエンティストの関係者が……」
赤穂「……」
ただでさえ色々あるのに、そんな奴までいるっていうのか……?
677 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/06(土) 23:25:30.18 ID:paXAvg0A0
【赤穂のコテージ】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「夜10時になりました!」
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
モノクマ「うぷぷ、また明日……」
赤穂「……」
長い1日だった気がする……
それもそうか、学級裁判の後すぐ調査したりしてたんだから。
赤穂「……」
苗木の影に隠れる黒幕。
だけど苗木がいなくなった以上、これからはそいつが中心で動くはずだ。
赤穂「……頑張らないと、な」
もうこれ以上誰かを失ってたまるか。
それを心に刻みながら俺は眠りについた。
678 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/08(月) 21:37:07.19 ID:yBYxaBbA0
【15日目】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
赤穂「よし、牡丹を迎えに行くか」
【ホテルミライ・レストラン】
赤穂「おはよう」
御影「おはよ」
どうやら全員来てるみたいだな……俺達が最後か。
兵頭「土橋さん、どうぞ」
土橋「ありがと千。片手だとやっぱり不便だからね」
2週間経ってこうして集まって食事するのにも慣れた感がある。
道掛「千ちゃんの飯は相変わらず美味いな!」
遠見「佐場木殿、今日は……」
佐場木「予定としては……」
だけど7人もいなくなったという事実が、どこか空気を歪にしていて。
津浦「ふぅ……」
如月「……」
六山「うーん……」カチカチ
所々にある空席……それをつい意識してしまうのは、何でなんだろうな。
御影「どうかした兄さん?」
赤穂「いや、何でもない」
679 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/08(月) 22:22:39.79 ID:yBYxaBbA0
【倉庫】
赤穂「……」
静音が薄井に殺された倉庫。
ここからコロシアイは始まったんだよな……
如月「おや、赤穂さん」
兵頭「こちらで何を?」
赤穂「ああ、ちょっとな。2人はどうして?」
如月「少し思うところがありまして」
兵頭「ここは最初の殺人が起きた現場ですから」
2人も俺と同じか……
如月「僕は薄井さんを悪と断じました。彼が静音さんを殺した動機は……言ってしまえば【誰でもよかった】でしたから」
赤穂「……」
確かに薄井はお姉さんの事を心配してここから脱出しようとした。
だけどコロシアイの標的に静音を選んだ理由は……
兵頭「本当にそうなんでしょうか?」
赤穂「えっ?」
兵頭「私は静音さんが殺された理由は別にあると思いますよ」
如月「それは、苗木さんが誘導したからですか?」
兵頭「いえ、もっとはっきりした理由です」
赤穂「それっていったい」
兵頭「静音さんが、あの時誰よりも前向きだったからですよ」
如月「前向きだったから?」
兵頭「彼女は中止になりそうだった懇親会を行いたがっていましたが……それはなぜなんでしょう」
赤穂「それはきっと四方院さんの……」
兵頭「そう、静音さんは家族と慕う四方院さんのために頑張っていました」
赤穂「……ああ」
そういう事、か。
薄井の殺人の動機は……
如月「……嫉妬」
兵頭「姉の努力を否定するしか出来ない自分、一方ただひたすらに四方院さんのために動ける静音さん」
兵頭「きっと、薄井さんには眩しかったんでしょうね」
赤穂「……」
如月「……だとしても、それは」
兵頭「はい、身勝手な動機です。しかしそう考えると如月さんにも、彼の気持ちがわかるのでは?」
如月「……!」
赤穂「えっ?」
如月さんが、薄井の気持ちをわかる?
如月「……ああ、なるほど。これが、薄井さんの抱えていた」
如月さんも、誰かに嫉妬してるのか?
680 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/09(火) 23:05:44.56 ID:srPke9iA0
【水族館】
何となく聞く空気にもならなくて、俺は2人と別れた。
そして着いたのは……第2の事件が起きた水族館。
津浦「……」
道掛「……えーっと」
津浦がいるのはともかく道掛がいたのは予想外だったな。
赤穂「道掛、何してるんだ?」
道掛「お、おう、赤穂。琴羽ちゃんが水族館行きたいって言うから送ってきたんだよ」
赤穂「津浦が?」
津浦にとってここは辛い記憶しかないはずの場所。
そこに自分から来た……
津浦「……ありがとうございましたMr.道掛」
道掛「あっ、もういいのか?」
津浦「はい……Mr.赤穂?いつの間にここに?」
赤穂「ああ、いや。今来たところだよ」
津浦「そうでしたか……それに気付かないほど考えこんでいたのですねワタシは」
道掛「よくわかんねえけど……まだどっか行く?」
津浦「そうですね……次は射撃練習場にお願い出来ますか?」
道掛「うっし、わかった!」
津浦「それではMr.赤穂。ワタシはこれで」
赤穂「……大丈夫なのか?」
津浦「そうでありたいとは、思っています」
そう言って少し身体を震わせると……津浦は水族館から出ていった。
グレゴリーの死を受け入れて、次は思い出のある場所を巡って……
あれが津浦なりの、前の進み方なんだろうな。
681 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/11(木) 23:24:50.00 ID:fSmOZa2A0
【発電所】
鞍馬が殺された発電所……あいつは殺される瞬間までいったい何を考えてたんだろうな。
御影「兄さん」
六山「やっ、赤穂くん」
今日は事件現場でよく人に会うな……
御影「鞍馬はここで死んでたんだよね。私結局鞍馬の死体見てないから……なんか未だに信じられない」
六山「鞍馬くんは死にそうな雰囲気なかったもんね」
赤穂「それがそもそも間違った認識だったんだな」
鞍馬が殺されるなんてあり得ない……そんな認識だったあいつをそれこそ動くなんてあり得ないと思える黒幕の苗木が殺した。
あの事件はそれこそあり得ない事だらけだったんだ。
御影「鞍馬……私の才能知ってたんだよね」
六山「御影さんのって秘匿才能なのによく知ってたよね」
赤穂「……」
鞍馬は牡丹を死なせるなって言ってたけど……当たり前だそんなもの。
俺は絶対牡丹を死なせない。
あんな気分になるのは……もうごめんだ。
682 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/14(日) 04:01:32.34 ID:GsyKIGwA0
佐場木「……」
発電所を出て歩いていると、佐場木が考え込むように立っていた。
そこはちょうど、ジェニーが殺された辺り。
赤穂「佐場木」
佐場木「赤穂か」
赤穂「ジェニーの事、考えてたのか」
佐場木「クラヴィッツだけではない。ここで死んだ全員について考えていた」
赤穂「……」
佐場木「静音、四方院、鞍馬、クラヴィッツ……それに薄井やグレゴリーも死んだ裏にはあの男が関わっていた」
赤穂「苗木、だな」
佐場木「そして奴の悪意を見極められず、こちらの作業に参加させ情報を話していた……俺にはもう裁く資格などないのかもしれん。いや、それは事件の発生を許した時点でか」
赤穂「そこまで言わなくても……佐場木は事件が起きないように動き回ってるじゃないか」
佐場木「……なら聞くがな赤穂、もし御影が殺された時にお前はそれで納得するのか?事件を防ごうとしておきながら、結局妹を死なせた俺に思うところがないと言えるのか?」
赤穂「それは……」
佐場木「それが答えだ。頑張ったなど、殺された命の前には言い訳にもならない」
赤穂「……」
佐場木が自他共に厳しいのは知ってたけど、ここまで思い詰めてたのか……
佐場木「……変な話をしたな、忘れてくれ」
そう言って佐場木は行ってしまった……きっとまた見回りやチェックをするんだろう。
無理をして、倒れたりしなきゃいいんだけどな……
683 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/14(日) 04:32:54.18 ID:GsyKIGwA0
【温泉施設】
赤穂「気が滅入ってくるな……少し温泉にでも入って、リラックスするか」
※※※※
赤穂「はあっ……」
誰もいない1人きりの温泉……その暖かさに疲れやら何やらが溶けていく感覚。
赤穂「こんな状況じゃなければ、もっとよかったんだけどな……」
カラカラ
赤穂「んっ?」
隣に誰か来たのか……
「ごめんねメメ、付き合わせちゃって」
「自分が好きでしているので気にしないでほしいであります。1人では大変でありましょうし」
土橋と遠見か……
土橋「でもメメ、半次と色々やってたのに最近出来てないでしょ?」
遠見「佐場木殿は、お1人でも大丈夫でありますよ」
土橋「……心配そうな顔してるけど」
遠見「うっ」
土橋「やっぱり本当は一緒にいたいんだ」
遠見「……佐場木殿はきっと自分自身を強く責めているであります。あの人は真面目故に、妥協が出来ない」
土橋「ああ……確かに半次は頑固なとこあるね」
遠見「自分はそんなあの人に共に動くよう、頼まれて……しかし何が出来たのでありましょうか」
遠見「苗木殿への警戒を真っ先に外したのは自分で、それがなければもっと早く止められたかもしれないのに……!」
土橋「メメ……」
遠見「もしかしたら、自分がこうして土橋殿を介助するのは、ジェニー殿の事があるからで……」
土橋「メメ!」
遠見「……」
土橋「メメは悪くないよ。そもそもこんな事させる黒幕が全部悪い!そうでしょ?」
遠見「しかし」
土橋「半次もメメも自分達だけで抱えすぎなんだよ。まあ、アタシじゃ頼りないかもしれないけど……こうして話を聞くぐらいならするから」
遠見「土橋殿……」
土橋「美姫でいいよ!」
遠見「……美姫、殿」
土橋「はは、なんか湿っぽくなっちゃったね。もっと明るい話しようか!」
赤穂「……」
これ以上は、聞くべきじゃないな……
俺は気付かれないよう、そっとその場を後にした。
684 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/15(月) 11:45:27.81 ID:9owfMFmA0
【赤穂のコテージ】
赤穂「ふー……」
お腹の傷も少しはマシになってきたな。
病院から持ち帰ってある傷薬を塗って、新しい包帯を巻く。
大怪我をしてから自分1人でこの手の事をするのにも慣れた。
赤穂「よし」
そういえば包帯と傷薬だいぶ減ってきたな……
赤穂「今度病院に行ったら確保しておくか」
服を着て、杖を持つとコテージの外に出る。
もうすぐ夜時間だからか、人の気配はない。
赤穂「……」
コツコツと杖が木を鳴らす音だけが響く。
特に行き先があるわけじゃない、ただ何かせずにはいられなかった。
【図書館】
赤穂「何か参考になりそうな本は……」
とはいっても日本語とせいぜい英語の本ぐらいしか俺は読めない。
だから本を選ぶのにほとんど時間はかからなかった。
685 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/15(月) 12:17:34.65 ID:9owfMFmA0
赤穂「……」
日本語の本を片っ端から読んではみるものの、そこに手がかりになりそうな物はない。
佐場木や遠見、津浦が調べてる後だろうから当たり前なんだけどな……
赤穂「ふう」
流し読みしていた5冊目を机の上に放り投げる。
それがよくなかったのか、本は机の端に乗って、そのまま床に落ちた。
赤穂「あっ、しまったな」
カバーの外れた本を拾って……俺はそのカバーに封筒が貼り付いているのを見つけた。
赤穂「なんだこの封筒……」
試しに他の本も調べてみても何もない……どうやらこの本にだけ封筒が貼り付いているみたいだな。
赤穂「……」
何かある、そう直感して俺は封筒を外して中を見る。
折り畳まれた紙が1枚入ってる……それを取り出して広げて。
赤穂「……は?」
俺は固まった。
そこに書かれていたのはたった数文。
【六山百夏。
内通者として数日以内に殺人を起こせ。
さもなければ命はない】
だけど、衝撃を与えるには充分過ぎる内容だった。
686 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/15(月) 12:24:29.34 ID:9owfMFmA0
赤穂「六山が、内通者!?」
どういう事だ、意味がわからない。
だって六山は静音を庇ってモノクマに反抗して見せしめに殺されかけたじゃないか。
如月さんが助けなかったら、あいつは……
赤穂「……だからか!」
この手紙、命はないって書いてある……一度殺されかけた六山は死に対する恐怖心がかなり強いはずだ。
だから従うしかなかった……死ぬのが怖いから。
赤穂「……どうする?」
この手紙を六山がまだ読んでないなら、数日中にあいつは殺される。
もし読んだ後なら数日中にあいつは誰かを殺す。
赤穂「どちらにしても六山は死ぬ……!」
どうにかしないといけない。
だけどどうすれば六山を助けられる?
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「夜10時になりました!」
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
モノクマ「うぷぷ、また明日……」
赤穂「っ、とにかくこの手紙はこっちで持っておこう」
俺は封筒ごとポケットに手紙を突っ込むと、図書館を後にする。
猶予はほとんどない……それでも何とかしないと!
687 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/15(月) 13:19:22.60 ID:9owfMFmA0
【16日目】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
赤穂「くそっ!」
一睡も出来なかった……しかも特にいいアイデアも浮かばない。
このままだと次の事件が……
モノクマ「ああ、それとオマエラ!中央の島に集合してくださーい!」
赤穂「……!」
まさか、動機か!?
この状況でさらに動機だなんて……!
赤穂「とにかく、行くしかない」
688 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/18(木) 21:09:16.68 ID:qO9IeUEA0
【中央の島・未来機関第二十支部】
中央の島に行くともう全員集まっていた。
赤穂「……?」
だけど、様子がおかしい。
誰も喋らない、いや、それどころか互いの顔色を窺うような素振りを見せている。
いったい何が……
モノクマ「いやっほーう!全員集まってるみたいだね感心感心!」
佐場木「ちょうどいい……こちらも話がある」
モノクマ「話?」
佐場木「この指示書はどういう意味だ?内通者に殺人を行えと指示を出しているようだが」
赤穂「……!」
佐場木も六山への指示を見たのか!?
赤穂「佐場木、それは」
佐場木「俺は貴様の内通者になった覚えはない」
……えっ?
689 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/18(木) 21:24:12.22 ID:qO9IeUEA0
道掛「はっ!?ちょっと待てよ、内通者ってメメちゃんじゃなかったのか!?」
遠見「何の事でありますか!?自分は、兵頭殿が内通者だと……」
兵頭「あら、私は津浦さんに宛てた指示書を見ましたよ?」
なんだこれ……どうなってるんだ!?
みんながみんな、内通者に対する指示書を持ってる……ただ1つ、内通者の名前だけが違う指示書を。
モノクマ「うぷぷ、それこそがボクがオマエラを呼び出した理由!」
モノクマ「今回の動機!チキチキ内通者当てゲームだよ!」
六山「内通者当てゲーム?」
モノクマ「その通り!オマエラ全員に渡したのは内通者に対する指示書!」
モノクマ「つまりこのままだと内通者は数日中にコロシアイを発生させる事になるね!」
土橋「そんな……」
モノクマ「うぷぷ、さてさて誰が内通者なのかな?もしかしたら親しくしてる人かもしれないよ?」
御影「あんた……!」
今回の動機は、シンプルに疑心暗鬼を引き起こすものだってことか……!
モノクマ「内通者に殺されるか、内通者を殺すか、はたまた勘違いして内通者じゃない人を殺すか!」
モノクマ「うぷぷ、せいぜい面白い展開を見せてくださーい!」
内通者当て……しかも疑いは全員にある。
誰が内通者かわからない状況で、誰かに殺されるかもしれないリスクに囚われる。
赤穂「っ……」
直前に人当たりのいい苗木が豹変したのも拍車をかけて……最悪としか言いようがない動機だった。
690 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/19(金) 23:10:01.27 ID:9X98Un0A0
モノクマが消えた後、俺達は互いに顔を見合わせていた。
ただでさえ黒幕がいるのにさらに内通者の存在を知らされて……冷静になれという方が難しい。
佐場木「……ちっ、如月」
如月「なんでしょう佐場木さん」
佐場木「貴様は歪みきった殺人鬼だが、内通者とも黒幕とも遠い……ある意味一番安全な存在だ」
赤穂「……」
確かに如月さんは命惜しさに内通者になるのも、黒幕としてコロシアイを引き起こすのもありえないだろう。
皮肉にも殺人鬼としての彼がそれを否定しているんだ。
佐場木「だから貴様に一任する。この状況をどうするかをな」
如月「どうするか、ですか……」
黒幕、もしくは内通者として疑われる人間が何を言っても悪戯に疑心暗鬼になるだけ。
だから佐場木は絶対に違う如月さんに託したんだろう……裁判官としてのプライド諸々を切り捨てて。
如月「そうですね……では提案なのですが、皆さん全員で動くと言うのはどうでしょうか」
道掛「全員?」
如月「内通者が誰であれ、ルールからは逃げられません。殺せるのは2人まで……全体で動けば一気に手出しがしにくくなる」
六山「……まあ、最初から人数も減って見張りやすくも、なってるしね」
如月「基本的に1つの場所にいて、動く場合は僕も一緒にいれば……一気に事件の発生確率は減少するかと思います」
691 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/19(金) 23:28:45.81 ID:9X98Un0A0
【旧館】
固まるのに一番都合がいいだろうという事で俺達は旧館に向かった。
病院やマーケットから色々荷物を持ち込んで……一番広い広間に集まる。
如月「怪我をしている方は、特に赤穂さんと土橋さんは気をつけてくださいね」
土橋「うん、ありがとう」
赤穂「はい」
これから少なくとも内通者がはっきりするまでは俺達はここで寝泊まりする事になる。
消極的かもしれないけど、これが今は最善だと反対する人間はいなかった。
御影「兄さん……大変な事になったね」
赤穂「……ああ」
黒幕、そして内通者……抱える問題が多すぎる。
こうして不安を抱えたまま、俺達の籠城は始まった。
692 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/20(土) 23:26:25.79 ID:j8z78B1A0
御影「はぁ……まさかこんな事になるなんて」
赤穂「黒幕の存在がほのめかされてた以上、いつこうなっても不思議じゃなかったけどな」
俺個人は牡丹がどちらでもないというのは確信してるけど、この状況じゃそれが通用しない事もよくわかる。
御影「兄さん?」
赤穂「んっ?ああ、どうした牡丹」
御影「どうしたじゃないよ、なんだかボーッとしちゃってさ」
赤穂「まあ、信じる専門とはいえ考えないといけない事は多いしな……」
御影「……」
赤穂「まあ、1つだけ言えるのは」クシャ
御影「んっ」
赤穂「何があってもお前を信じるのは間違いないって事だけだな」
御影「……シスコン」
赤穂「妹思いと言ってくれ……んっ?」
なんか視線を感じたような……
御影「兄さん?今度はどうしたの」
赤穂「いや……」
気のせい、か?
693 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/21(日) 20:44:07.23 ID:HB4kXUbA0
倉庫を覗いてみると、六山が箱に座ってゲームをしていた。
六山「ああ、赤穂くん。調子はどう?ゲームする?」
赤穂「遠慮しておく。というか、本当に六山はゲームを手放さないな」
俺の知る限り六山は食事時もみんなで集まる時も、それこそ学級裁判や処刑の時、自分が殺されそうになった時すらゲームする手を止めた事がない。
それが精神の安定に繋がるならと思ってたけど、さすがにこれはどうなんだ……?
六山「まあ、わたしはゲームなかったらろくな人生じゃなかったろうしね」
赤穂「えっ?」
六山「わたし、引きこもりだったんだよね。昔通ってた学校でいじめられてさ」
六山「家で親とかがとやかく言うのから逃げるためにずーっとゲームしてた。それこそ寝食忘れてね」
赤穂「それ、大丈夫だったのか」
六山「大丈夫ではなかったね。入院するはめになったし」
赤穂「入院!?」
六山「だから今は少しゲームの時間減らすようにしてるよ」
これで、減らしてるのか……
694 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/22(月) 21:16:23.21 ID:734xLw1A0
遠見「佐場木殿、自分自身を責めないでほしいでありますよ」
佐場木「……」
あれは、佐場木と遠見か?
遠見「自分も苗木殿の策略にかかったのは同じ。佐場木殿だけの責任ではないであります」
佐場木「……」
遠見「佐場木殿が犯罪を憎んでいる事は自分でも理解出来るであります。しかしそれで足を止めるのはそれこそ本末転倒というものでは?」
佐場木「……」
おいおい、あんなに言って大丈夫なのか?
万が一、何かあったりしたら……
佐場木「……お前にはかなわないな」
赤穂「……!」
佐場木があんな声出すの初めて見たぞ……
遠見「なんだかんだ、佐場木殿とは共に任務を行ってきた仲でありますから」
佐場木「たかだか2週間だろう」
遠見「戦場では1日共にいられないなど当たり前でありますから」
佐場木「……そうか」
遠見「そうでありますよ!」
赤穂「……」
佐場木が抱え込んでてどうしたものかと思ってたけど……
遠見がいるなら、大丈夫そうだな。
695 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/22(月) 22:31:50.18 ID:734xLw1A0
津浦「ふぅ……」
兵頭「お手伝いしますよ津浦さん」
津浦「あ、ありがとうございます」
赤穂「何してるんだ?」
津浦が持ち込んできたのは大量の本。
図書館で見た事あるやつばかりだ。
津浦「この辺りの言語の本はワタシしか読めないないので……もしかしたら何かヒントがあるのではないかと」
赤穂「そうか、わからない言語に紛らせておくなんていかにもモノクマがやりそうな事だな」
兵頭「もしそうなら津浦さんが今もここにいて助かりましたね」
津浦「……そうですね。確かにその通りです」
今もここにいる……兵頭の言外の意図を察したのか答える津浦の表情は明るくない。
津浦「時々思うんです、ワタシがこうして生きていられるのは奇跡のようなものだって」
赤穂「それは……」
兵頭「銃の持ち出しの件もありましたからね。あの時はグレゴリーさんが何とかしてくれましたが」
津浦「そう、ワタシの命はあの人に救われたものです……だから、出来る事をしたい」
赤穂「津浦……」
津浦「そして生きて、ここから帰って、あの人に……」
津浦「だから、頑張ります。ワタシにしか出来ない事を」
津浦はイヤホンを外して深呼吸を1つすると、本を取ってページをめくり始める。
赤穂「兵頭」
兵頭「はい、わかってます」
邪魔しない方がよさそうだからな。
本に目を通す津浦を残して、俺達はこっそり部屋を出た。
696 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/22(月) 22:53:45.73 ID:734xLw1A0
道掛「212……213……214……!」
声が聞こえてくるからどうしたのかと道掛がスクワットをしていた。
こもっていると自転車も出来ないもんな……
如月「303、304、305」
だけどなんで如月さんも一緒にしてるんだ?
道掛「っ、はぁ!ちくしょう、限界だ!」
如月「大丈夫ですか道掛さん?」
赤穂「どれだけやってたんだよ……」
道掛「おぉ、赤穂。いや、如月とちょっと勝負をな」
如月「500回を3セット……今は4セット目でしたね」
そんなに。
道掛「如月のやつ、涼しい顔してやりやがるからよ!なんか負けてられっかって気分になんだろ?」
如月「だからといって無茶はやめてください。道掛さんは脚を大切にする必要があるでしょう」
道掛「……へへ、サンキューな」
道掛は嬉しそうに如月さんが差し出した手を取る。
鞍馬の事、苗木の事……色々あった道掛にとって純粋に心配してくれる如月さんの気遣いが嬉しいんだろうな。
道掛「よっしゃあ、次は廊下ダッシュだ如月!」
如月「だから無茶は……」
赤穂「……」
いや、俺の考えすぎか……?
ちなみに道掛はその後佐場木に説教されてるのが見つかった。
697 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 10:33:00.85 ID:Sz46XOLA0
赤穂「はぁ」
まだ裁判があって2日しか経ってない……それなのに起き続ける出来事に正直疲労がかなり溜まっていた。
赤穂「少し、寝るか……」
壁に寄りかかるようにして目を閉じる。
思った以上の疲労があったのか抗えない睡魔に俺はゆっくりと委ねるように沈んでいった。
「……」
※※※※
赤穂「んっ……」
「あっ、目が覚めた?」
赤穂「……?」
目覚めると後頭部に柔らかい感触……そして視界を遮る何か。
赤穂「……」
前にもこんな事があったな……
赤穂「……土橋?今回は熱中症にはなってないぞ」
土橋「なんか寝苦しそうだったから膝枕してみたんだけど……迷惑だった?」
赤穂「いや、驚いただけだよ。ありがとうな、骨折してるから大変だったろ」
土橋「まあ、ちょっと苦労はしたけど……」
土橋はモゴモゴと口を動かしながらも、言葉は出てこない。
まあ、言いにくいなら無理に聞かなくてもいいか……
698 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 11:15:00.21 ID:Sz46XOLA0
赤穂「今何時だ?」
土橋「えっと、8時半だね」
赤穂「2時間くらい寝てたのか……んっ?土橋、いつから膝枕してたんだ?」
土橋「えーと、1時間くらいかな?」
赤穂「そんなにしてたのか!?」
長時間膝枕させてた事での足への負担を考えて思わず飛び起きる。
あっ、と声が聞こえた気もしたけどはっきりとはしなかった。
赤穂「悪かった。重かっただろ」
土橋「いや、そんな事は……」
赤穂「本当か?痺れたりしてないか?」
土橋「大丈夫だって!政城は心配しょ……わわっ!?」
立ち上がった土橋がバランスを崩して倒れそうになる。
咄嗟に手を出して支えたものの、俺も踏ん張りが聞かず結果2人で倒れるように床に転がった。
赤穂「いつ……大丈夫か土橋!」
土橋「う、うん、大丈夫」
どうやらうまい具合に骨折した腕を打つのは避けられたらしい。
赤穂「やっぱり痺れてたんじゃないか……怪我人なんだからあんまり無茶するなよ」
土橋「……だって」
赤穂「だって?」
土橋「したかったんだよ……政城に膝枕」
赤穂「……?」
俺に膝枕したかった?
なんで?
赤穂「俺そんなに寝苦しそうだったのか?」
699 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 11:27:28.26 ID:Sz46XOLA0
土橋「……はあ?」
いや、なんでそんな冷たい目を……
土橋「この、鈍感政城!」
赤穂「ど、鈍感?」
土橋「アタシがなんで牡丹が側にいるって言うのを代わってもらってまで膝枕したと思ってるの!?」
赤穂「いや、今の初耳……」
土橋「好きだからに決まってるでしょ!?」
赤穂「は!?」
好き?
赤穂「誰が?」
土橋「アタシが!」
赤穂「誰を?」
土橋「政城を!」
赤穂「なんで?」
土橋「元々気になってたけど、はっきりしたのはジェニーの事があってから!」
赤穂「……」
土橋「…………あっ」
ようやく自分の言った事に気付いたのか土橋の顔が真っ赤になったり真っ青になったりする。
土橋「ア、アタシ何を……ご、ごめん!」
そして逃げるように土橋は部屋を飛び出していった。
赤穂「……」
土橋が、俺を、好き?
赤穂「……」
御影「兄さん、起きた……ってなんで床に寝てるの」
赤穂「牡丹」
御影「な、なにどうしたの?」
赤穂「悩みが増えた……」
御影「???」
700 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 11:51:02.14 ID:Sz46XOLA0
【旧館】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「夜10時になりました!」
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
モノクマ「うぷぷ、また明日……」
赤穂「……」
道掛「なあなあ、赤穂の奴どうしちまったんだ?」
佐場木「土橋の話によると深刻なものではないようだが」
如月「……」
土橋「あああああ……アタシなんであんな」
遠見「美姫殿、何かあったのでありましょうか」
兵頭「……ああ、そういう」
津浦「……なるほど、理解しました」
御影「えっ、何を」
六山「あー、あー、フラグ成立しちゃったかなこれは」
内通者の警戒のために集まった俺達。
しかしその初日はそんな空気とはまるで無縁な様子で更けていった。
701 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 21:01:47.48 ID:Sz46XOLA0
【17日目】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
赤穂「…………」
眠れなかった。
まさかこんな形で悩む事になるなんて……
兵頭「土橋さん、口を開けてください」
土橋「あ、あーん……」
赤穂「……」
道掛「なーに、美姫ちゃんと見つめあってんだよ!」
赤穂「痛っ!?み、見つめあってなんかいない!」
道掛「そうだったのか?悪い悪い!」
赤穂「……はあ」
本当、どうしたらいいんだ。
702 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 21:33:38.09 ID:Sz46XOLA0
御影「へー、ほー、ふーん」
恥を忍んで牡丹に事情を話したら、返ってきたのはそんな言葉になってない返事だった。
なんでそんな冷めた目で見るんだよ……
御影「よかったじゃん、土橋って結構可愛いし、胸もおっきいし」
赤穂「茶化すなよ、本気で悩んでるんだぞ」
御影「なに、土橋嫌いなの?」
赤穂「いや、そういう話じゃなくてだな……多分土橋の好意はつり橋効果だと思うんだよ」
御影「つり橋効果ってあの危ない時のドキドキを勘違いしちゃうってやつ?」
赤穂「そうそう、だから……」
御影「兄さん、まさかそれ土橋に直接言った?」
赤穂「いや、まだだけど」
御影「ほっ……いい?絶対本人にそれ言わないでよ」
赤穂「えっ?」
御影「あのね、兄さん。勢いとはいえ告白した女の子にお前の感情は勘違いなんだなんて言ったらどれだけ傷つくと思う?」
赤穂「うっ……」
御影「土橋の気持ちに応える応えないは兄さんの自由だけど、少なくともその気持ちを否定するのは違うと思う」
赤穂「……」
どんな事があっても、やっぱり牡丹も女の子なんだな……
御影「いい、わかった?」
赤穂「お、おう……わかった」
だけどなぁ……
703 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 21:47:35.40 ID:Sz46XOLA0
道掛「おー、とうとう美姫ちゃんが告ったのか」
六山「やっぱりフラグ成立してたんだね」
赤穂「道掛と六山は気付いてたのか?」
そういえばこの2人は病院にいた時、色々変な事を言ってたな……
道掛「当たり前だ!美姫ちゃんが赤穂に惚れてんのはしっかりわかってたぜ!」
六山「恋愛ゲームをしてればなんとなくね」
そんなもの、なのか。
道掛「……なあ百夏ちゃん。ちなみに俺のフラグは」
六山「あはは、道掛くんは友人ポジションでしょ?」
道掛「よくわかんねえけどバッサリ切られたのはわかるな!?」
道掛と六山の漫才を眺めながら俺は考える。
そんなにわかりやすかったのに俺、全然気付かなかったのか……
これでも、鋭い方だと思ってたんだけどな。
道掛「で、どうすんだ?まさか無視するわけにもいかねえだろ」
六山「バッドエンド一直線だね」
赤穂「だけどな、今はそれどころじゃ」
道掛「バッカヤロウ!こんな時だからこそだろうが!」
六山「うーん、生きる気力にはなるんじゃないかな?」
赤穂「……」
生きる気力、か……
704 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/24(水) 23:33:57.12 ID:Sz46XOLA0
佐場木「なるほど、そういう事か」
津浦「Ms.土橋らしいと言えばらしいですね」
佐場木と津浦にも話してみたらそんな反応が返ってくる。
なんだ、俺が思ってるよりこういう状況って受け入れられてるのか?
津浦「ワタシには気持ちがわかりますから」
佐場木「それが抑止になるなら俺は何も言わん」
赤穂「……」
理由は違えど、肯定には変わりないか……
佐場木「なんだ、否定材料がほしいのか?」
赤穂「えっ」
津浦「Mr.赤穂、そうなんですか?」
赤穂「いや、それは……」
佐場木「断りたいならただ断ればいいだけだろう。状況、その他の要因をいちいち言い訳に使う必要がどこにある」
赤穂「……」
津浦「Mr.赤穂……向き合ってあげてくれませんか?ワタシには、もうかなわない話ですから」
赤穂「……」
向き合う……だけど俺は……
705 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 21:08:55.18 ID:HTkdcFfA0
遠見「なるほど……美姫殿から話は聞いていたでありますが」
赤穂「土橋、遠見に相談してたのか」
遠見「一昨日の事でありますが、肯定であります」
一昨日って事は、あの温泉で相談してたのかもな……
如月「赤穂さんはどうしたいんですか?」
赤穂「正直、わかりません」
覚悟もなく、いきなりの事だったからな。
遠見「赤穂殿、美姫殿は本気であります。それは自分が証明するでありますよ」
赤穂「……」
ここまで来ると俺もそんな気がしてきた……だけど俺の方がどう考えてるか自分で自分の気持ちがわからない。
如月「今は色々と大変な状況、赤穂さんが混乱するのも無理ありませんね」
遠見「おそらく美姫殿も、それは理解しているはずでありますよ」
赤穂「だろうな」
あれは本当に勢いだった、多分本人に言うつもりはなかったはずだ。
赤穂「……」
だけど俺は知った、知ってしまった。
赤穂「……」
もうわからなかった頃には戻れない以上、考えないとな……しっかりと。
706 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 21:37:18.95 ID:HTkdcFfA0
兵頭「それで土橋さんを避けていると」
赤穂「言わないでくれ」
そう、考えるとはなったものの簡単に結論が出るわけがない。
そして結論が出ない内に土橋に会うのが躊躇われた結果……俺は彼女を避けるように動いてしまっていた。
兵頭「ヒーローもこういう事には形無しですね」
赤穂「仕方ないだろ……こんな事初めてなんだよ」
兵頭「あら、そうなんですか?ヒーローというぐらいですから、モテモテなのかと」
赤穂「むしろ腫れ物だったよ」
俺はいじめをなくしたりしてた関係上、関わるとろくな事にならないって扱いだったからな。
兵頭「なるほど……それならこうなってしまうのも仕方ないのかもしれませんね」
赤穂「……」
やれやれと言った感じの視線を向けられるのもそれはそれで腹が立つな……
いや、俺がしている事の結果と言えば、それまでなんだけどな。
兵頭「まあ、悩むのは特権と言いますから。頑張って悩んでくださいヒーローさん」
赤穂「なんか馬鹿にしてないか……」
兵頭「いえいえ、純粋な応援ですよ」
707 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 22:07:42.52 ID:HTkdcFfA0
赤穂「あっ」
土橋「あっ」
ここは旧館……そこで避けるのなんてどうしても限界が来る。
だからこうしてばったりと出くわしてしまうのも、必然と言えた。
土橋「ま、政城……」
赤穂「ど、どうした?」
土橋「ちょっと、話があるんだけど」
赤穂「あ、ああ」
【事務室】
赤穂「……」
土橋「……」
……気まずい。
かなり露骨に避けてたしな……
土橋「あの、さ……昨日の事なんだけど」
赤穂「……!」
来たか……!
土橋「忘れて、ほしいんだ」
赤穂「……えっ」
忘れるって、昨日の告白をだよな……?
土橋「こんな状況なのに、アタシあんな事言って政城を困らせて……ジェニーが殺されたのだって、ついこないだの事なのに」
赤穂「土橋……」
土橋「本当に言う気なんてなかった!言えば政城が困るのわかってたから!なのに、我慢出来なかった……」
土橋の瞳からはボロボロと涙が溢れて、旧館の床に雫を落としていく。
土橋「ごめん、ごめんね……アタシ本当に馬鹿だ。みんな、黒幕とか内通者とかに対処しようとしてるのにアタシ……」
……俺、何やってたんだ。
こんな言葉を吐かせるのがヒーローのやる事か?
こんな辛い涙を流させるのがヒーローなのか?
土橋「……じゃあ、それだけ、だから」
違うだろう!
708 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 22:18:27.99 ID:HTkdcFfA0
赤穂「土橋!」
土橋「っ!」
土橋の腕を掴んでこちらに振り向かせる。
その顔は耐えきれない苦痛を味わったかのようなそんな顔で。
こんな、辛そうな顔してるのをほっとくなんてそれこそ、ヒーロー失格だ!
赤穂「俺は土橋の告白に困ってたわけじゃない。ただ、戸惑ってたんだ」
赤穂「女の子にああ言われるなんて初めて、だったからな」
土橋「そう、なの?」
赤穂「ああ、だから正直……どう答えたらいいかもわからないんだよ」
俺のするべき事は考えるとか結論を出すとかの前に……
彼女と、話す事だったんだ。
赤穂「だから悪い。あの告白に答えはまだ返せない」
土橋「……うん」
赤穂「だけどな!忘れるなんて事もしない!」
土橋「……!」
まだ何もわかってやしない、結局結論は応えられないかもしれない。
赤穂「だから、待っててくれ」
だけど牡丹に言われたように、否定しない。
俺は土橋の気持ちを、受け止めて答えを返す。
そう、決めたんだ。
赤穂「必ず答えを返すから……ちょっとだけ、俺に時間をくれ」
土橋「……」
土橋は涙を拭うと、頷く。
土橋「待ってる、アタシ……政城の答え待ってるから」
その顔はとてもいい笑顔で。
俺は、なんとなくその笑顔をもっと見ていたいなと、そう思った。
709 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 22:22:25.67 ID:HTkdcFfA0
【旧館】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「夜10時になりました!」
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
モノクマ「うぷぷ、また明日……」
赤穂「……」
まだまだ考えないといけない事や悩み事は多いけど、昨日よりは清々しい気分だ。
赤穂「……」
身体の芯から沸き上がるものを感じる。
それは黒幕に負けてたまるかという気持ち。
赤穂「絶対、生きて帰ってやるからな……!」
そう決意して、俺は眠りについた。
710 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/25(木) 22:32:38.51 ID:HTkdcFfA0
【18日目】
キーン、コーン、カーンコーン
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
赤穂「んっ……」
もう朝か。
「きゃあっ!?」
赤穂「!?」
この声は土橋!?
【旧館・倉庫】
赤穂「土橋!」
土橋「あ、あいたたた……」
声がした倉庫に来てみると土橋が、床に倒れて段ボールの下敷きになっていた。
遠見「美姫殿!?何をしているのでありますか!」
土橋「いやー、ちょっと落ち着かなくて倉庫漁ってたら段ボールが崩れちゃって」
道掛「うおっ、美姫ちゃん頭にコブが出来ててんぞ」
土橋「頭打っちゃって……」
津浦「Ms.土橋!少し頭を切ってますよ!」
土橋「うわっ、本当だ!?」
佐場木「全く、人騒がせな」
如月「何事もなかったならよかったじゃありませんか。とりあえず怪我を治療しましょう」
御影「じゃあちょっと傷薬取ってくるよ」
兵頭「私は朝食の準備を」
六山「ふああ……おはよー」
赤穂「今起きてきたのか……」
711 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 05:40:54.12 ID:5dF676iA0
遠見「これでよし、であります」
あの後遠見が牡丹の持ってきた傷薬を塗って土橋を治療した。
たいした怪我ではなかったみたいで、ガーゼだけで済むぐらいのもので正直安堵する。
土橋「悪いね、メメ。みんなも心配かけてごめん」
六山「まさか寝てる間にそんな事があったなんて」
御影「むしろよく寝てられたね」
兵頭「本当結構悲鳴大きかったのに……はい、土橋さん」
土橋「あむっ」
佐場木「……警戒が足りないんじゃないか」
道掛「でもこうしてこもってからは何もねえからな」
如月「現状怪しい動きをしている人もいません」
津浦「何かあったと言えばMr.赤穂とMs.土橋の件ぐらいでしょうか?」
赤穂「おい津浦!?」
いくらなんでもそこを持ち出す必要はないだろう!
佐場木「とにかく倉庫を片付けるぞ」
道掛「俺もやるぞ!」
そうして今日も1日が始まった。
712 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 05:49:47.56 ID:5dF676iA0
あれから何人かは倉庫に行ったり、各々動いたり……今この場には俺と土橋だけが残された。
土橋「うー、頭痛い」
赤穂「大丈夫なのか?」
土橋「結構思いっきり打っちゃったからね……」
赤穂「だいたいなんで今は片腕しか使えないのに無茶したんだ」
土橋「……だって本当に落ち着かなくて」
赤穂「……もしかして昨日の事か」
土橋「……」コクッ
赤穂「……」
ま、まあ……そういう事なら落ち着かないのは無理ないか。
土橋「あー、もう2人きりだから余計落ち着かないよ。ちょっとトイレ行ってくる!」
赤穂「あ、ああ」
土橋が立ち上がって大広間のドアに向かう。
そしてドアノブを掴んで外に――
713 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 05:50:14.36 ID:5dF676iA0
土橋「うぷっ……!」
714 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:04:39.29 ID:5dF676iA0
赤穂「土橋?」
土橋「おええっ!」
土橋がいきなり嘔吐する。
そして、床に、倒れた。
赤穂「土橋!?」
土橋「ううっ、げほっ、頭、痛っ、ぐっ!」
なんだ、なんでこんな吐いて……
赤穂「誰か来てくれ!!土橋が!!」
俺の叫びにみんなが集まってくる。
そして土橋を見て、息を呑んだ。
遠見「美姫殿!何が起きたのでありますか!」
赤穂「わからない!ただ急に吐き出して……」
道掛「吐いた……あっ、おい赤穂!美姫ちゃん頭痛するとか言ってなかったか!?」
赤穂「そ、そういえば頭痛いって」
道掛「やべえ、やべえやべえやべえ!!俺大会で頭打った後に頭痛い吐き気するってぶっ倒れた奴見た事あんぞ!」
佐場木「そうか、頭を打った際に脳が傷付いたのか……!」
赤穂「は……?」
御影「そ、それでどうなったの!」
道掛「し、死んじまった……」
津浦「そんな!」
兵頭「どうにかならないんですか!?」
六山「とりあえず病院に……」
如月「しかしこれは医者がいなければ……!」
なんだよそれ。
さっきまで普通に話してたんだぞ?
それがこんな、こんな……!
土橋「政、城……」
赤穂「土橋!しっかりしろ!今病院に」
土橋「アタシ、死ぬの……?」
赤穂「そんな事言うな!ジェニーの遺言通り生きるんだろう!?」
土橋「アタシ、まだやりたい事あるのに……」
土橋「アタシ、まだ答えを聞いてないのに……」
土橋「アタシ、アタシ……」
赤穂「お、おい……」
715 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:08:03.34 ID:5dF676iA0
土橋「政城っ……アタシ、まだ、死にたくないよぉ……」
そう、泣きながら、呟いた土橋の俺に伸ばした腕は……
届く事なく、床に落ちた。
ピンポンパンポーン…!
716 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:08:32.09 ID:5dF676iA0
モノクマ「死体発見!死体発見!」
モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」
717 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:14:25.18 ID:5dF676iA0
赤穂「……」
何も、聞こえない。
何も、わからない。
ただ土橋の最期の言葉と顔が俺の心を抉る。
赤穂「……」
そしてわかった。
俺は。
※※※※
土橋「だってそれヒーローとして頑張って出来た傷でしょ?だったらむしろ勲章だって!」
※※※※
あの言葉をもらってから、俺は。
赤穂「土、橋……」
きっと。
赤穂「うわああああああああああああっ!!」
彼女に、惹かれていたんだ。
それが俺のあまりにも、遅い。
残酷な結論だった。
718 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:16:44.68 ID:5dF676iA0
CHAPT.4【そして希望は捨てられた】(非)日常編 END
生き残りメンバー10→9人
NEXT→非日常編
719 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 06:18:16.30 ID:5dF676iA0
一旦ここまで。
土橋さん退場です。
捜査はまた夜に。
それではまた。
720 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 20:02:42.00 ID:5dF676iA0
CHAPT.4【そして希望は捨てられた】非日常編
721 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 20:37:01.15 ID:5dF676iA0
【旧館・大広間】
モノクマ「うぷぷ、せっかく固まったのに何の意味もなくコロシアイが起きたみたいだね!」
如月「モノクマ……」
佐場木「ちっ、腹立たしい奴だ……!」
赤穂「……」
モノクマ「あれれ?赤穂クンボーッとしちゃってどうしたのかな?」
御影「ちょっとやめなよ!」
赤穂「……」
モノクマ「うぷぷ、もしかして絶望しちゃった?ねぇねぇ、どうなの?」
道掛「やめろよてめえ!今赤穂は……」
ダンッ!
津浦「っ!?」
兵頭「赤穂さん?」
赤穂「大丈夫、だ」
立ち上がって土橋の死体を見下ろす。
俺は結局、あんな無念な最期を迎えさせてしまった。
赤穂「学級裁判があるんだろう……やってやる」
遠見「赤穂殿……」
六山「本当に大丈夫なの?」
赤穂「ああ、土橋の無念は……必ず晴らす!」
それが俺のやるべき事のはずなんだ……!
【捜査開始】
722 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 20:49:31.91 ID:5dF676iA0
赤穂「まずはモノクマファイルからだ……」
【被害者は土橋美姫。
死体発見現場は旧館・大広間。
死亡推定時刻は8時2分。
被害者の頭部には瘤と切り傷がある】
赤穂「……」
このモノクマファイル……
コトダマ【モノクマファイル4】を手に入れました。
〔被害者は土橋美姫。
死体発見現場は旧館・大広間。
死亡推定時刻は8時2分。
被害者の頭部には瘤と切り傷がある〕
723 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/26(金) 22:04:04.91 ID:5dF676iA0
佐場木「土橋はお前の目の前で苦しみだしたのか?」
赤穂「ああ……いきなり吐き出して、倒れて、頭が痛いって」
佐場木「典型的な症状ではあるが、気になる事もあるな……」
赤穂「気になる事?」
佐場木「見てみろ、土橋の腕を」
赤穂「……これは、引っ掻いたような傷か?」
佐場木「朝にはこんなものはなかったはずだ」
赤穂「確かに……俺も見てない」
この傷、事件に関係あるのか?
コトダマ【土橋の死亡時の状況】を手に入れました。
〔土橋は赤穂と普通に話していたところいきなり吐き出して倒れた〕
コトダマ【腕の傷】を手に入れました。
〔土橋の腕に残されていた引っ掻いたような傷〕
724 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/27(土) 20:24:05.67 ID:cxROkNOA0
遠見「美姫殿……」
土橋のそばに膝をついて口元を拭う遠見……ここ数日で仲良くなっていたみたいだから辛いんだろうな……
赤穂「遠見、大丈夫なのか?」
遠見「自分は、大丈夫であります。亡くなった人間はたくさん見てきたでありますから」
赤穂「……」
遠見「美姫殿の無念、自分も晴らしたいであります。だから赤穂殿、絶対に真相を突き止めるでありますよ」
赤穂「ああ、もちろんだ……それで、土橋に変わったところはあるか?」
遠見「1つ。美姫殿の吐瀉物に血が混じっていたであります」
赤穂「血が?」
だけど土橋の嘔吐は、脳にダメージがあった事が原因だよな?
それなのに血を吐いた?
これはいったい……
コトダマ【土橋の吐瀉物】を手に入れました。
〔土橋が吐いた物の中に血が混じっていた〕
725 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/27(土) 21:01:48.34 ID:cxROkNOA0
【旧館・倉庫】
道掛「……」
赤穂「道掛?何してるんだこんなとこで」
道掛「赤穂か。いや、美姫ちゃんが死んだ原因朝の怪我だろ?もしかしたらそこに何かあるんじゃねえかって思ってよ」
赤穂「あの事故が、そもそも仕組まれてたって事か?」
道掛「それを調べに来たんだよ。だけどどうすりゃそんな事出来んのかさっぱりわかんねえ……」
赤穂「そうだな……道掛は佐場木と片付けしてたよな?そこで何か気になる事なかったか?」
道掛「うーん……あっ、そういやなんかパイプみてえなのがたくさん転がってたな!」
赤穂「パイプ?」
道掛「これだよこれ!」
道掛が持ってきたのは金属の棒……ちょうど俺の杖に似たような形の。
道掛「そういやこれ、昨日結構高いとこにあったんだよな」
赤穂「……!」
まさか、土橋は……
コトダマ【金属の棒】を手に入れました。
〔倉庫にあった赤穂の杖に似た形状の金属の棒〕
コトダマ【道掛の証言】を手に入れました。
〔事件前日、金属の棒は高い所にあった〕
726 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/27(土) 21:19:51.49 ID:cxROkNOA0
【旧館・厨房】
兵頭「まさかこんな事になるとは……」
赤穂「朝食の時は土橋の様子に変わった所はなかったか?」
兵頭「そうですね、いつも通りでしたよ。ああ、ただ……」
赤穂「ただ?」
兵頭「機嫌がよかったのかなぜか私や御影さんも食べさせられまして……土橋さんの分だったのに本人は気付いてませんでしたが」
赤穂「ああ、なんか騒いでたのはそれか」
兵頭「だからこそ、今でも少し信じられない気持ちです」
赤穂「……」
コトダマ【兵頭の証言】を手に入れました。
〔土橋は朝食の時機嫌がよく、兵頭や御影にも自分の分のご飯を食べさせていた〕
727 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/28(日) 20:32:06.58 ID:mFuPFECA0
【図書館】
津浦「……」ペラペラ
赤穂「津浦、捜査はどうだ?」
津浦「Mr.赤穂。今少し調べているところです」
赤穂「この本は?」
外国の本なのかタイトルからして俺にはなんて書いてあるか読めないな……
津浦「これは毒に関する本です」
赤穂「毒?」
津浦「Ms.土橋の腕にあったあの引っ掻き傷のような痕……それを調査していたこの毒に関する本で見た覚えがあるんです」
赤穂「なんだって!?」
津浦「……ありました。これです、【モノポイズン】」
赤穂「読んでみてくれないか?」
津浦「はい。【この毒は体内に侵入して1時間経った頃に強烈な頭痛と嘔吐感を引き起こす。特徴として少量の吐血、腕に引っ掻き傷のような痕が出来る事が確認されている】」
赤穂「それって、間違いなく……」
津浦「一致、しますね。さらに言えばこの毒、市販されているような物で作る事が可能ですよ」
まさか土橋はこの毒で……?
コトダマ【毒の本】を手に入れました。
〔図書館にあった外国語で書かれた毒に関する本。
赤穂はタイトルを読む事も出来なかった〕
コトダマ【モノポイズン】を手に入れました。
〔図書館の本に書かれた毒。
市販の材料で作る事が可能。
その効果は土橋に起きたものと一致する〕
728 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/28(日) 21:14:00.51 ID:mFuPFECA0
御影「……兄さん」
赤穂「牡丹か、捜査はどうだ?」
御影「一応、色々調べてるけど……兄さん、本当に大丈夫なの」
赤穂「……」
御影「ねぇ、家族の前でぐらい弱音吐いてよ。なんか、今の兄さんすごく危なっかしいよ」
赤穂「……牡丹は、よく見てるな」
御影「家族だもん。当たり前でしょ?」
赤穂「……正直泣き叫びたい。後悔だらけで、膝をつきたくなる」
御影「……」
赤穂「でも負けるわけにはいかないんだ。泣き叫ぶのも後悔も、終わってからする」
御影「兄さん……」
赤穂「だから終わったら、ちょっと泣かせてくれるか?」
御影「うん、もちろん。兄さんがそうしたいなら」
赤穂「ありがとうな。お前は本当にもったいないぐらいの妹だよ」
御影「そ、そんな事ないって……あっ、それと捜査の事なんだけど」
赤穂「ああ、そうだった。何かわかったか?」
御影「土橋なんだけど、こもってからは一度も外には行ってないみたい。物とかも如月に頼んでたって」
赤穂「一度も外に出てないのか……」
そうなると、色々狭まってくるよな……
コトダマ【こもってからの土橋】を手に入れました。
〔土橋はこもってからは一度も外に行かず、欲しい物などは如月に頼んでいたらしい〕
729 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/28(日) 21:40:14.77 ID:mFuPFECA0
六山「どういう事なのかな……」
赤穂「六山?どうかしたのか」
六山「あっ、赤穂くん。ほら、この金属の棒なんだけど」
赤穂「それは……」
道掛が昨日上にあったっていう……
六山「ほら一昨日赤穂くんとここで話したでしょ?あの時この棒、わたしの座ってた箱に入ってたんだよ」
赤穂「……それ本当なのか?」
六山「うん。一応中身確かめてから座ったし」
じゃあ、一昨日箱に入ってた棒が……昨日上に移動していたって事か?
それってつまり……
コトダマ【六山の証言】を手に入れました。
〔金属の棒は一昨日箱に入っていた〕
730 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/28(日) 22:02:55.75 ID:mFuPFECA0
赤穂「……」
大広間のテーブルの上に朝土橋の治療に使った道具が残っている。
包帯、ガーゼ、傷薬……これを使った時はまだ土橋も元気だったっていうのに。
赤穂「……んっ?」
この傷薬、土橋だけに使ったにしては減ってるな……
赤穂「牡丹、ちょっといいか?」
御影「どうしたの」
赤穂「なあ、この傷薬どこから持ってきたんだ?」
御影「えっ?兄さんの荷物だけど」
赤穂「ああ、そうか。だったら減ってて当たり前か」
こもる前に病院から新しいの持ってきて使ってたしな……
御影「もしかして駄目だった?」
赤穂「いや、全然問題ない」
問題ないんだけど……何か引っ掛かるな。
コトダマ【傷薬】を手に入れました。
〔土橋の治療に使った傷薬。
赤穂の荷物から御影が取ってきた物で量が半分ほど減っている〕
731 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 01:01:22.21 ID:juXEPiyA0
【厨房】
赤穂「う、ん……」
なんだこれ……なんだか、ちぐはぐな気分だ……
赤穂「くそっ、考えがまとまらない」
水でも飲んで落ち着くか……
赤穂「……んっ?」
流しに、何か透明な物が……
赤穂「この匂い……傷薬?」
なんで傷薬が流しにあるんだ?
赤穂「あっ、これ……」
ゴミ箱に粉々の瓶……これもしかして傷薬の瓶か?
赤穂「……」
コトダマ【流しの傷薬】を手に入れました。
〔厨房の流しについていた傷薬〕
コトダマ【傷薬の瓶】を手に入れました。
〔厨房のゴミ箱に捨てられていた傷薬の瓶〕
732 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 12:46:20.62 ID:juXEPiyA0
如月「赤穂さん、捜査は順調ですか?」
赤穂「如月さん……えぇ、なんとか」
如月「土橋さんの事……本当に残念でした」
赤穂「いえ……あっ、あの1つ聞きたいんですけど」
如月「なんでしょう?」
赤穂「如月さんって、土橋に何か物を頼まれたりしました?」
如月「ああ、それなら確かに外出の際いくつかマーケットから持ってきてほしいと頼まれましたよ」
赤穂「それって具体的には」
如月「薬や洗剤がいくつかと、後バンドのような物を頼まれましたね。最も洗剤はなかったんですが」
赤穂「なかった?」
如月「はい、どうやら誰かが持っていってしまっていたようで」
赤穂「……もう1つ、旧館にこもってから外に出たのは誰ですか」
如月「赤穂さん、土橋さん、御影さん、六山さん以外の方は最低一度は外に出ていますね」
赤穂「……わかりました」
コトダマ【土橋の頼み事】を手に入れました。
〔土橋は如月に薬品や洗剤、バンドなどを頼んでいたらしい〕
コトダマ【なかった物品】を手に入れました。
〔マーケットから洗剤がなくなっていた。
誰かが全て持っていってしまっていたようだが……〕
コトダマ【旧館からの外出】を手に入れました。
〔旧館にこもってから外出したのは赤穂、土橋、御影、六山以外の6人〕
733 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 12:54:20.73 ID:juXEPiyA0
赤穂「……」
一応、あそこを見ておくか。
※※※※
赤穂「……あった」
大量の洗剤……マーケットからなくなっていたのはあれだ。
赤穂「中に入れないから、手に取れないけど……確認出来れば充分だ」
コトダマ【大量の洗剤】を手に入れました。
〔苗木のコテージの中にあった大量の洗剤。
マーケットからなくなっていた物と思われる〕
キーンコーン、カーンコーン…
734 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 17:28:18.58 ID:juXEPiyA0
モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷぷ……」
モノクマ「いよいよお楽しみの時間がやってきたよ!」
モノクマ「そう、絶望渦巻く学級裁判の時間が!」
モノクマ「うぷぷ、オマエラ急いで中央の島に集合してくださーい!」
ブツン!
赤穂「……」
学級裁判……そう聞いても心は穏やかだ。
もう慣れてしまったからか、それとも……
赤穂「行く、か」
【中央の島・未来機関第20支部】
御影「これで4度目か……」
兵頭「今回は目の前で亡くなった分、気が重いですね」
道掛「だなぁ……」
津浦「しかしワタシ達のするべき事に変わりはありません」
遠見「その通りであります……それが美姫殿の無念を晴らす事になるでありますよ」
佐場木「……」
六山「まずは生き残る事を考えよう……うん」
如月「旧館にこもる案は僕が提案した事……必ず真実は明らかにします」
赤穂「…………」
モノクマ「うぷぷ、全員集まったみたいだね!それじゃあ学級裁判場に出発ー!」
モノクマに促されて、俺達はエスカレーターを降りていく。
一番最後に乗った俺の視線の先には8人の背中。
もう、半分しかいないんだな……
そう考える内に、学級裁判場にたどり着いた。
735 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 17:53:22.64 ID:juXEPiyA0
【学級裁判場】
モノクマ「ひよっこだったオマエラもなかなかいい顔をするようになったねぇ」
モノクマ「うぷぷ、そうして絶望に歪む顔は本当に最高だよ!」
モノクマ「さあ席についてくださーい!」
モノクマの戯れ言を聞き流して自分の席につく。
【超高校級の土木作業員】土橋美姫……
傷を見られたくなかった俺を慰めてくれた女の子。
ジェニーが殺されて悲しみと憎悪を見せた女の子。
……俺なんかを、好きになってくれた女の子。
だけど俺はもう彼女の好意に何も返せない。
六山「内通者、なのかなぁ……」カチカチ
道掛「くそっ、こんなに減ったなんて寒気がしてきやがる……!」
遠見「美姫殿……自分達は必ず、真相を……!」
彼女は、死んだ。
俺達の目の前で、死にたくないと泣きながら、死んでいった。
佐場木「今回の事件、どうなる……」
津浦「あれが使われたなら、いつ、どうやって……?」
御影「兄さん……」
今俺はヒーローらしくない感情を抱いてる。
だけどそれに逆らおうとは思えない。
もし土橋が殺されたって言うなら、必ず犯人は引きずり出す。
兵頭「こんなはずではなかったんですが……」
如月「……責任は果たします」
ズキズキと痛む胸を掴む。
忘れるな、この痛みを。
忘れるな、今渦巻くこの感情を。
赤穂「……絶対に」
今回のクロは、たとえ裁判を逃げ切っても殺してやる。
そう心の内に刃を隠しながら俺は挑む。
この、学級裁判を。
736 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 20:24:20.53 ID:juXEPiyA0
・コトダマ一覧表
【モノクマファイル4】
>>722
【土橋の死亡時の状況】
【腕の傷】
>>723
【土橋の吐瀉物】
>>724
【金属の棒】
【道掛の証言】
>>725
【兵頭の証言】
>>726
【毒の本】
【モノポイズン】
>>727
【こもってからの土橋】
>>728
【六山の証言】
>>729
【傷薬】
>>730
【流しの傷薬】
【傷薬の瓶】
>>731
【土橋の頼み事】
【なかった物品】
【旧館からの外出】
>>732
【大量の洗剤】
>>733
目の前で土橋が死んだ事は赤穂の心に深い傷を刻んだ。
その傷を抱いて向かう学級裁判。
憎悪に染まった赤穂の迎える結末は……
【学級裁判開廷!】
737 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 20:41:26.07 ID:juXEPiyA0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」
モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」
モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」
モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」
道掛「何から話すよ?」
佐場木「まずは初回の事件と同じように事故か他殺かを話し合うぞ」
六山「最初の事件……あの頃から人も随分減ったよね」
兵頭「感傷は後にしましょう。今は佐場木さんの仰るように議論をしなくては」
赤穂「……」
事故か他殺か……そんなの決まってる!
これは他殺だ……!
738 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 20:49:49.77 ID:juXEPiyA0
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ
>>736
【モノクマファイル4】
【道掛の証言】
【金属の棒】
佐場木「事故か他殺か……」
佐場木「思う方に意見を出してみろ」
道掛「色々調べたんだけどよ……」
道掛「【事件の証拠はどこにもなかった】んだよな」
御影「じゃあ事故って事?」
津浦「しかし、【事件ではない】となると……」
遠見「自分は事件だと思うであります」
如月「ふむ、このままでは平行線ですね……」
これは事故なんかじゃない……
間違いなく誰かの悪意が働いてたんだ!
739 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 20:54:26.00 ID:juXEPiyA0
【事件の証拠はどこにもなかった】←【金属の棒】
赤穂「それは違ってるぞ!」
赤穂「違うだろ道掛、事件と示す証拠はあったはずだ」
道掛「えっ、そんなのあったか……?」
赤穂「あの金属の棒だよ」
六山「金属の棒って倉庫にあったあれだよね」
遠見「リストにもあるであります……赤穂殿、これの何が証拠となるのでありますか?」
赤穂「この金属の棒……これに隠された悪意が土橋は殺されたって証拠になる」
佐場木「悪意だと?」
そうだ、隠された悪意……それを俺は証明出来るはずだ。
740 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 20:58:27.41 ID:juXEPiyA0
【ショットガンコネクト開始!】
金属の棒にあった悪意……
それを示すのは……!
・コトダマ
>>736
【道掛の証言】
【モノクマファイル4】
【兵頭の証言】
・課題
【金属の棒の使用者を示すのは?】
【金属の棒の状態を示すのは?】
【金属の棒の場所を示すのは?】
741 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:00:46.71 ID:juXEPiyA0
【道掛の証言】―【金属の棒の場所を示すのは?】
赤穂「……」
道掛によれば金属の棒は上にあった……
だけどそれはおかしいんだ……!
・コトダマ
>>736
【大量の洗剤】
【毒の本】
【六山の証言】
742 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:05:27.92 ID:juXEPiyA0
赤穂「……」
なぜなら金属の棒が箱に入っていたのを六山が見ている……!
つまり、この金属の棒は……
【道掛の証言】―【金属の棒の場所を示すのは?】―【六山の証言】
・結論
【金属の棒を適当に片付けた】
【何者かが金属の棒を上に移動させた】
【金属の棒は二ヶ所にあった】
743 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:15:53.26 ID:juXEPiyA0
【何者かが金属の棒を上に移動させた】
赤穂「真相の道筋を繋いでみせる!」
赤穂「道掛、確かあの金属の棒は高いところに置いてあったんだよな?」
道掛「おう、そうだぜ!具体的には積み重なった段ボールの上にはみ出して置いてあったぞ」
赤穂「六山、金属の棒は一昨日箱に入っていたんだよな?」
六山「間違いないよ」
遠見「金属の棒の場所が移動している……?」
赤穂「俺はこう考えてる」
赤穂「誰かが金属の棒を箱から出して上に仕掛けたんだってな」
佐場木「……確かにあの散らばっていた金属の棒は気になってはいた」
御影「つまり誰かが金属の棒で罠を作っていたって事なの?」
赤穂「ああ、そうだ。そして土橋はそれを取ろうとして……」
遠見「その推理、捉えたであります!」反論!
744 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:34:50.89 ID:juXEPiyA0
【反論ショーダウン開始!】
・コトノハ
>>736
【土橋の頼み事】
【なかった物品】
【旧館からの外出】
遠見「赤穂殿、それは偶然に頼りすぎであります!」
遠見「罠を仕掛けたとしても狙った時に動くとは限らず……」
遠見「そもそも美姫殿が金属の棒を取ろうとしなければ成立しないでありますよ!」
赤穂「そうだ、土橋は金属の棒を取ろうとした!」
赤穂「そして罠にかかったんだ……!」
遠見「【美姫殿が金属の棒を取ろうとする理由がない】であります!」
遠見「確かに結果的には金属の棒は落ちたのでありましょうが……」
遠見「それが罠だと断言は出来ないでありますよ!」
745 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:47:58.01 ID:juXEPiyA0
【美姫殿が金属の棒を取ろうとする理由がない】←【土橋の頼み事】
赤穂「その反論に正義はない!」
赤穂「いいや、土橋にはあったんだ……金属の棒を取ろうとする理由が」
遠見「それはいったい……」
赤穂「如月さん、土橋はバンドを持ってきてほしいって頼んでたんですよね?」
如月「えぇ、腕に着けるタイプの物を……まさか」
赤穂「……正直、信じたくない結論だ」
御影「もしかして、兄さん……」
赤穂「だけど他に浮かばないんだ……土橋があの金属の棒を取ろうとする理由」
道掛「どういう事だよ!?美姫ちゃんは何しようとしてたんだ!」
赤穂「土橋は……」
746 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/29(月) 21:48:35.01 ID:juXEPiyA0
赤穂「俺の新しい杖を、作ろうとしてたんだ」
747 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 08:09:59.31 ID:1OdtMfQA0
津浦「Mr.赤穂の……」
兵頭「新しい、杖」
赤穂「ああ……だから土橋は金属の棒を取ろうとした。俺の杖に似たあの棒を」
佐場木「それを見越して罠を仕掛けたのかもしれないな」
御影「そんな……」
赤穂「……」
遠見「これ見よがしに上に置かれた杖に相応しい棒……美姫殿はそれを見つけてしまった」
六山「土橋さんは腕を骨折してた。高いところにある棒を取るにも一苦労だったはずだよね」
如月「その結果……段ボールと共に崩れてきた金属の下敷きとなった」
道掛「なんてこった……」
土橋がなんで俺の新しい杖を作ろうとしていたのかはわからない。
だけどこの結論に、間違いはないはずだ。
赤穂「だからこの一件は事件」
赤穂「土橋は殺されたんだ……!」
748 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 10:39:08.19 ID:1OdtMfQA0
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ
>>736
【モノクマファイル4】
【土橋の死亡時の状況】
【土橋の吐瀉物】
佐場木「土橋が殺されたのはわかった。その前提で議論を進めるぞ」
津浦「犯人はやはり【内通者】なんでしょうか」
兵頭「今回の動機を考えても間違いないとは思いますが……」
御影「わざわざ罠まで作った以上【】突発的でもなさそう】だしね」
六山「でもそのわりにはお粗末だよね」
六山「【偶然脳が傷付いたから土橋さんは亡くなった】けど」
六山「わたしだったら一緒に厨房の刃物でも仕掛けとくよ」
道掛「百夏ちゃん怖えよ!?」
如月「しかし六山さんの言葉にも一理あります」
如月「この罠は片腕が使えず受け身も取りにくかったであろう土橋さんを殺すには【殺傷能力が低すぎる】」
遠見「表面上はたいした怪我ではなかったでありますからな」
土橋が殺されたのは間違いない……
だけどまだ疑問点はある。
749 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 13:01:58.69 ID:1OdtMfQA0
【偶然脳が傷付いたから土橋さんは亡くなった】←【モノクマファイル4】
赤穂「それは違ってるぞ!」
赤穂「待ってくれ、そもそも土橋は本当に脳にダメージを受けて死んだのか?」
六山「……それって大前提じゃないの?」
道掛「そうだぜ、他にねえだろ!」
赤穂「だけどこのモノクマファイルを見てくれ」
佐場木「死因が書かれていない……赤穂が言いたいのはそういう事か」
赤穂「ああ、今までもモノクマファイルに書かれてなかった事は重要だった……」
赤穂「だから今回もそれは例外じゃないはずだ」
遠見「しかしあの美姫殿の死因が罠によるものでないのならば、いったい何が……」
兵頭「とにかく話し合いましょう。土橋さんはどうして亡くなったのかを、ね」
750 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 20:59:37.78 ID:1OdtMfQA0
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ
>>736
【こもってからの土橋】
【毒の本】
【腕の傷】
道掛「美姫ちゃんが【別の方法で殺された】ってマジなのかよ……」
六山「とりあえず色々あげてみよっか」
遠見「[撲殺]……ではなさそうでありますな」
兵頭「あの傷では[刺殺]にはなりそうにありませんね」
津浦「……[毒殺]では、ないでしょうか」
御影「[病殺]っていうのは?」
佐場木「勝手に手口を作るな……」
如月「さて、死因はいったい……」
土橋の死因はきっとあれだ……
751 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 21:48:13.27 ID:1OdtMfQA0
[毒殺]←【腕の傷】
赤穂「それに賛成するぞ!」
赤穂「津浦の言う通り、土橋は毒殺の可能性が高い」
道掛「ど、毒!?んなもんどっから……」
兵頭「そう断定するからにはもちろん根拠がおありなんですよね?」
赤穂「ああ、土橋の腕にあった引っ掻いたような跡だ」
佐場木「あれか……」
六山「あれは苦しんだ土橋さんがつけたものじゃないの?」
赤穂「あれは一見引っ掻いた傷に見えるけど実際は違ったんだよ」
御影「ど、どういう事?」
あの跡は……ある毒が使われた証拠になるんだ!
752 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:00:10.08 ID:1OdtMfQA0
【モノポイズン】
赤穂「こいつだ!」
赤穂「モノポイズン……」
如月「モノポイズン?」
津浦「こちらの本に書いてある毒物です」
道掛「なんだそれ!宇宙語か!?」
佐場木「そんなわけないだろう」
兵頭「とりあえず、どんな毒物か教えていただけませんか?」
津浦「モノポイズンは体内に入って一時間前後で効果を発揮する猛毒です」
津浦「その際、腕には引っ掻いたような跡が残るのが特徴と書いてありますね」
六山「引っ掻いたような跡……土橋さんの腕にあるのそのままだね」
遠見「それでは美姫殿はその毒を用いて殺害されたのでありますか……」
赤穂「そういう事になる」
津浦「この毒は市販されている材料を使いますので、作るのは困難ではなかったでしょう」
如月「そんなに身近な物でそんな毒が……」
モノクマ「うぷぷ、そんなに驚く事はないよ!」
モノクマ「モノポイズンはボクが産み出した毒だからね!」
モノとついてる時点でそんな気はしてたけど、やっぱりそうなのか……!
753 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:11:59.94 ID:1OdtMfQA0
兵頭「色々わかってきましたね」
御影「土橋は罠を仕掛けられていた……」
六山「そして毒殺されたんだね」
道掛「うーん、だけど本当にそんな毒簡単に作れんのか?」
津浦「材料は本当に簡単に手に入りますので。例えば……」
津浦がいくつかの材料をあげていく……それは俺達が日常で見るような物ばかりだ。
如月「……ちょっと待ってください」
遠見「どうしたのでありますか?」
如月「津浦さん、モノポイズンは本当にその材料を使うのですか?」
津浦「そうですが……」
如月「まさか、いやしかし……」
佐場木「なんだ、何かあるなら言え」
如月「……そのモノポイズンの材料ですが、僕は外出の際に旧館に持ってくるよう頼まれています」
道掛「だ、誰にだよ!」
如月「……土橋さんですよ」
754 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:23:07.12 ID:1OdtMfQA0
赤穂「……!」
道掛「んっ?はっ?ちょっと待てよ、美姫ちゃんが……毒の材料を頼んだ?」
如月「津浦さん、これから僕があげるものにモノポイズンの材料となる物がどれだけあるか教えてください」
今度は如月さんが物の名前を告げていく。
そしてそれを確認していた津浦は……青ざめた顔で本を閉じた。
津浦「今、Mr.如月があげた物品は……バンド以外、全てモノポイズンの材料です」
御影「ちょっと待ちなよ!?土橋は被害者なんだよ!?」
六山「だけど土橋さんがモノポイズンの材料を頼んでたのは事実、だよね」
佐場木「……問題なのはその目的だ」
道掛「そ、そりゃ、毒を作る理由なんて1つしかなくね?」
赤穂「土橋が誰かを殺そうとしていたっていうのか!?」
兵頭「……1ついいですか?もしかしたら」
755 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:23:42.12 ID:1OdtMfQA0
兵頭「土橋さんが、内通者だったのでは?」
756 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:35:20.58 ID:1OdtMfQA0
赤穂「は……?」
土橋が、内通者?
兵頭「内通者は事件を起こさなければ命がないと脅されていました」
道掛「そ、それなら毒を作ってもおかしくは、ねえよな……」
待て。
六山「土橋さんが内通者だったなんて……」
津浦「そうなると、この事件に新しい展開が見えるのでは?」
待てよ。
佐場木「自殺か」
御影「じ、自殺はおかしくない?だって土橋は命がないって脅されて毒を作ろうとしてたんでしょ?」
なんだよこれ。
如月「躊躇った末に絶望したか……もしくは、赤穂さんをどうしても犠牲に出来なかったか」
なんなんだよ、これは!
赤穂「待て、待てよ!!なんで土橋が内通者だなんて話になってる!!あいつは被害者だ、あいつは死にたくないって泣きながら殺されたんだぞ!?」
おかしいだろ、なんでみんな被害者のあの子を責めるような雰囲気なんだ!!
兵頭「しかしだったらどう説明をつけますか?彼女がモノポイズンの材料を求めていた理由を」
赤穂「知るかそんなもの!!」
御影「に、兄さん……?」
ふざけるな、ふざけるなよこいつら……!
だったら証明してやるよ、土橋にはモノポイズンを作れないってな……!
757 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:43:43.35 ID:1OdtMfQA0
【毒の本】
赤穂「お前らに正義はない……!」
赤穂「津浦!!今すぐその本を貸せ!!」
津浦「ひっ!」
差し出された本を奪い取ると全員に向けて適当なページを見せる。
赤穂「なあ、誰かこれ読めるか?」
道掛「い、いや……」
佐場木「どこの国の言語かぐらいしかわからんな」
兵頭「残念ながらわかりませんね……」
赤穂「そう、誰にも読めない、わからないんだよ!頭のいいだろう兵頭や佐場木にも!」
赤穂「だったら土橋にも読めなかったと考えるのが普通だろう!!」
御影「あっ……」
六山「じゃあどうして土橋さんは……」
赤穂「さあな!だけどこれで1つ結論が出た……」
モノポイズンを作る方法、そのための材料……そのどちらもこの本を読めないとわからない。
だったら毒を作れるのは……!
758 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:53:30.87 ID:1OdtMfQA0
【津浦琴羽】
赤穂「お前しかいない……!」
赤穂「津浦、お前だろう?」
津浦「えっ?へっ?」
赤穂「そもそもこの本読めるのはお前だけだ。だったら毒を作れるのはお前しかいないんじゃないのか?」
津浦「ま、待ってください!なんでワタシが……」
赤穂「そんなの、お前が内通者だからじゃないか?」
津浦「は!?」
赤穂「お前は死ぬ事に随分怯えてたもんな?少なくとも銃を持ち出すぐらいには」
津浦「そ、それは……」
道掛「ちょっと待てよ赤穂!それは乱暴……」
赤穂「お前らも今土橋に同じ事をしただろう!!」
御影「……!」
赤穂「もう死んで反論出来ない土橋によってたかって内通者の罪を押しつけて……!」
佐場木「……」
赤穂「そもそも毒の材料は津浦にしかわからない!だったら嘘をついてる可能性もある……!」
如月「赤穂さん……」
赤穂「これでわかっただろう!お前らに正義なんて――」
759 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 22:54:08.75 ID:1OdtMfQA0
パァン!!
760 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 23:06:31.12 ID:1OdtMfQA0
喚く俺の言葉を遮るように響いたのは……一発の銃声。
その音の発生源は……上に向けて銃を構える。
遠見「全員、静粛にであります」
遠見、だった。
遠見「赤穂殿、はっきり言うであります……」
遠見「さっきから見苦しい、少し黙れ」
赤穂「っ……」
遠見の発するその気迫に俺は言葉を失う。
それだけ遠見からは……剣呑な雰囲気が漂っていた。
遠見「赤穂殿は美姫殿を信用していなかったのでありますか?」
赤穂「は?何言って」
遠見「それならあの感情のままに喚き散らすあれはなんでありますか?」
遠見「もし同じ立場に立っていたのが御影殿なら……赤穂殿は冷静に、それこそジェニー殿の疑いを晴らした時のように立ち回っていたはずでは?」
その言葉に、俺は冷や水をぶっかけられたような気がした。
そして思い返す……さっき自分の醜態を。
赤穂「なんだ、あれ……俺、なんであんな……」
遠見「頭に血が上った、それはわかるでありますよ」
遠見「しかしそれで津浦殿に罪を押しつけるのは違うでありましょう?」
遠見「冷静に考えれば……そもそも津浦殿が内通者ならモノポイズンの事など明かさなければいいのでありますから」
赤穂「……」
そうだ……俺、そんな事すら……
761 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 23:21:04.24 ID:1OdtMfQA0
遠見「続いて……美姫殿が内通者だという話には少々無理があるかと」
兵頭「それはなぜですか?」
遠見「ちぐはぐだからでありますよ」
御影「ちぐはぐ?」
遠見「如月殿、美姫殿が材料を頼んだのは一度にでありますか?」
如月「そうですね……」
遠見「あの腕を見れば津浦殿は同じように調べるでありましょう。そうなれば一巻の終わりであります」
六山「だったら津浦さんを殺せば……」
遠見「それなんでありますが……今回の事件、自分は2つ確信してる事があるのであります」
佐場木「確信してる事だと?それはなんだ?」
遠見「……赤穂殿」
赤穂「なん、だ?」
762 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 23:22:29.60 ID:1OdtMfQA0
遠見「おそらくあの罠もモノポイズンも、標的は赤穂殿であります」
遠見「そして」
遠見「内通者なんか、はじめからいないであります」
763 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 23:23:52.20 ID:1OdtMfQA0
【学級裁判中断!!】
764 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/30(火) 23:24:18.26 ID:1OdtMfQA0
今回はここまで。
次回学級裁判完結です。
765 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 20:29:53.98 ID:TE2fWHVA0
【学級裁判再開!】
766 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 21:12:19.64 ID:TE2fWHVA0
赤穂「狙われてたのが、俺……」
いったい、どういう事なんだ?
遠見「1つ考えてほしいのであります、もしあの罠を赤穂殿が受けていたとしたらどうなっていたか」
御影「それは……」
佐場木「腕が不自由だった土橋と違い、赤穂は脚だ。おそらく逃げきれず押し潰されていただろうな」
六山「だけどそれにはそもそも、赤穂くんが棒を取りに行かないと」
遠見「……赤穂殿、その杖をよく見てほしいであります」
赤穂「杖を……?」
遠見に言われるがまま杖をよく見てみる。
赤穂「……!なんだこれ!?」
それは、微かな、だけどはっきりとした異常。
杖の下の方が……削れていた。
もしこのまま使っていたら、いずれ折れてバランスを崩していただろう。
遠見「これでも眼は自信がありましたので……それは明らかに人為的なものであります」
赤穂「……」
確かに杖が使えなくなったら、俺は代わりを取りに行ったはずだ。
そしてあの金属の棒を取ろうとする。
そうしたらどうなっていたか……考えなくてもわかった。
767 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 22:02:29.10 ID:TE2fWHVA0
兵頭「あの罠が赤穂さんが狙っていたのはともかく……それでなぜ内通者がいないという話に?」
道掛「そうだぜ!メメちゃんはなんか確信があるみてえだけど……」
遠見「そもそも、自分は内通者がいるという話には正直最初から懐疑的だったのであります」
津浦「それはなぜ……」
遠見「もし内通者がいるなら黒幕である苗木殿が動きすぎなのであります」
御影「動きすぎ?」
佐場木「確かにそうだな……今までの事件、内通者の役割がまるでない」
六山「あっ、そっか。例えば静音さんに提案したり四方院さんに手紙送るのは内通者にさせればいいもんね」
六山「そうすれば自分のした事が事件を起こしたってさらにがんじがらめに出来るし」
道掛「だから百夏ちゃん怖えよ!?」
赤穂「言われてみればそうだ……それに、もし黒幕以外に内通者もいたならあの苗木が最期にそれを暴露しないのは不自然だ」
実際そこでガタガタになってた部分はあったしな……
如月「……ふむ、ならば聞いてみましょうか」
如月「モノクマ、内通者はいるんですか?」
如月さんの質問を受けて微動だにしないモノクマ……
長い時間が経ったかのような感覚……そして。
モノクマ「内通者?そんなのいないよ」
それが、モノクマの解答だった。
768 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 22:45:29.25 ID:TE2fWHVA0
道掛「な、なんだよそれ!?いねえもんを当てろとか言ってたのか!?」
モノクマ「えっ?だからいないが正解だよ?」
御影「あんたそんなの!」
モノクマ「ボクは内通者がいるなんて言った覚えはないよ!」
モノクマ「もし内通者がいたらコロシアイを引き起こすっていうのをちょっとはしょっただけじゃん!」
佐場木「とんでもない暴論だな」
モノクマ「何さ何さ!内通者なんかいないって思えないオマエラの信頼関係とかがボロボロだってだけの話じゃない!」
赤穂「ぐっ……!」
さっきまでその事で雰囲気を悪くした俺はそれに何も言い返せない……
如月「内通者はいない……なるほど、ならば毒を作ろうとしたのはもう1人の黒幕ですか」
モノクマ「は!?」
佐場木「ふん、内通者がいない以上苗木のような裏で動く黒幕もしくは誰かが殺人を起こそうとして毒を作った事になる」
兵頭「後者の場合作れるのは本が読める津浦さんのみとなってしまいますね」
津浦「疑いは晴れたのではなかったんですか……」
赤穂「……待てよ、冷静に考えたらたとえ本が読めても、モノポイズンは作れないんじゃないか」
御影「えっ、なんで?」
そうだ、そもそもモノポイズンは作れない……
どうやっても不可能なんだ!
769 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 22:59:23.33 ID:TE2fWHVA0
【なかった物品】
赤穂「こいつだ!」
赤穂「……如月さん、土橋が頼んだ品物の中になかった物があったんですよね?」
如月「はい。洗剤がなくなっていましたよ」
津浦「えっ?洗剤がなければモノポイズンは作れませんよ」
六山「材料がないなら物理的に無理だもんね」
御影「じゃあモノポイズンはそもそも使われてないって事なの?」
兵頭「ですが先ほど津浦さんがおっしゃった内容とモノポイズンの症状は一致するんでしたよね?」
津浦「は、はい」
道掛「じゃあいったいどうなってんだよ!」
遠見「……」
佐場木「とにかく話し合うぞ……内通者はいないとわかった以上確実に進んでいるんだ」
770 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/07/31(水) 23:08:14.90 ID:TE2fWHVA0
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ
>>736
【土橋の死亡時の状況】
【こもってからの土橋】
【旧館からの外出】
兵頭「モノポイズンの材料が手に入らなかった……」
御影「【モノポイズンは使えなかった】って事になっちゃうんだけど……」
遠見「ふむ……」
津浦「しかし【症状は一致しています】……」
道掛「わかったぜ!【美姫ちゃんは直前に別の毒飲まされた】んだ!」
771 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/08/01(木) 21:07:36.39 ID:3y8a328A0
【美姫ちゃんは直前に別の毒飲まされた】←【土橋の死亡時の状況】
赤穂「それは違ってるぞ!」
赤穂「いいや、それはない。土橋は直前まで俺と普通に話してたんだ」
赤穂「特に何も口にしてなかったしな……直前に毒を受けた可能性はまずないはずだ」
道掛「じゃあなんなんだよ!モノポイズンとかいうのは作れねえ!他の可能性もねえ!」
道掛「もうわけわかんねえ!いっそ苗木が化けて出たって言われても信じるぞ俺は!」
津浦「み、Mr.道掛、落ち着いてください」
赤穂「……」
苗木が化けて出た……
赤穂「そうかも、しれないな」
御影「えっ!?」
兵頭「とうとう気が……」
赤穂「もちろんあいつが幽霊になって土橋を殺したなんて言うつもりはない」
赤穂「だけど今回の事件にも、あいつの関与はあったはずだ」
六山「もう死んじゃった苗木くんが、どうやって関与するの?」
苗木の関与している証拠……
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