【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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362 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/29(日) 22:51:37.87 ID:PhvnaZxA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【呼び出しの手紙】
【グレゴリーと津浦の証言】
【土橋の証言】

六山「あのね、四方院さんはリーダーもやってたしこの中だと頭がいい方だと思うんだ」

六山「静音さんが殺された後も脱出のための調べものとかはしてたし」

御影「まあ……静音が死んだのは認められなかったみたいだけどね」

六山「そんな四方院さんを犯人はどうやって水族館に呼び出したのかな?」

六山「普通なら警戒すると思うんだけど……」

土橋「アタシ達みたいに〔襲われた〕んじゃないの?」

兵頭「〔コテージで殺害された〕可能性もあるのでは?」

グレゴリー「己が意思に基づいて水の都に向かったのではないか?」

御影「……〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕んだよ」
363 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/29(日) 23:25:05.04 ID:PhvnaZxA0
〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕←【呼び出しの手紙】

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「牡丹の言う通り、四方院さんはその呼び出しに応じる以外の選択肢はなかったはずだ」

六山「どういう事かな?」

赤穂「四方院さんのコテージには呼び出しの手紙があったんだよ」

苗木「だけど呼び出しだけならやっぱり警戒するんじゃ……」

赤穂「その差出人が、静音凪じゃなかったら四方院さんも警戒しただろうな」

土橋「ちょ、ちょっとそれ……どういう事なの?」

御影「そのまんまの意味、四方院を呼び出した手紙は静音からのものだったんだよ」

グレゴリー「馬鹿な!鎮魂の指揮者は魂の状態から優雅なる笛吹きと接触したと言うのか!」

赤穂「当然犯人が静音の名前を騙ったんだろう……だけど四方院さんからしたらいてもたってもいられなかったはずだ」

遠見「四方院殿の静音殿への感情を考えたら、当然でありましょうな……」

犯人もそれをわかっていながら静音の名前を使った。

いったいどんな考え方をすればそんな事が出来るんだ……?
364 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 20:48:56.82 ID:BxmJl2SA0
佐場木「犯人は静音の名を使い四方院を水族館に呼び出した」

兵頭「そこで四方院さんを殺害した犯人は右腕を切り落として図書館に……」

土橋「確か水族館にはナイフがあったし、それで切ったのかな?」

赤穂「いや、それは違うぞ」

四方院さんの腕を切ったのは水族館のナイフじゃなくて……
365 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:15:39.69 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールの工具】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「四方院さんの腕を切ったのに使ったのは水族館のナイフじゃなくてショッピングモールの工具だ」

道掛「ショッピングモールには血のついたハンマーとか鋸とかあったのを見たぞ……」

ジェニー「何でそこまでしてカナデの腕を……?」

遠見「それはわからないでありますが……何らかの意図があったのは間違いないであります」

津浦「図書館に置いておいたのですから……誰かに見せつけるのが目的だったのでは?」

兵頭「それを私が発見したと……」

グレゴリー「しかしそのためにわざわざ水の都で殺めた優雅なる笛吹きを転移させたというのか?」

赤穂「……」

四方院さんの腕を切った理由、今の俺にはなんとなくわかってる。

だけど……

鞍馬「……やめておく事ですね」

赤穂「えっ?」

鞍馬「……」

鞍馬……?
366 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:31:53.50 ID:BxmJl2SA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【腕を切った理由】
【ロープ】
【四方院の死体】

御影「犯人は四方院の腕をショッピングモールで切り落とした……」

兵頭「なんのためにそんな事をしたのかは不明ですか」

如月「しかし犯人にとっては必要な事だったのは確かですね……」

六山「うーん……今回の犯人はよくわからないよね」

苗木「わかってるのは【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】事と……」

津浦「【手紙でMs.四方院を呼び出して】いるのですから計画性があったというところでしょうか?」
367 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:46:23.76 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】←【ロープ】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、凶器のロープはショッピングモールにあったものじゃない」

苗木「えっ、そうなの?」

佐場木「あのロープは元々水族館にあった。緊急時に使う物としてな」

土橋「そうそう、ナイフがあった箱にセットで入ってたはずだよ」

グレゴリー「ほう、そうであったなら優雅なる笛吹きを殺めた死神はその手段に刃ではなく縄を選んだというのか」

津浦「そういう事になりますね……」

それに関しては佐場木が推理してたよな……
368 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 22:57:59.42 ID:4o/xoKYA0
【凶器の選択】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「犯人はもしかするとナイフの存在に気付かなかったのかもしれない」

道掛「気付かなかったってそんなのありえんのか?」

佐場木「ロープの下にナイフは入っていた。あり得ない話ではない」

佐場木「最も、何らかの意図があった可能性も否めないがな」

遠見「うーむ……意図があるように見えて行き当たりばったりにも見える……」

遠見「六山殿の言う通り、今回の犯人は雲を掴むようにわからない存在でありますな」

御影「でもさ、今まで出た事とあった事を照らし合わせたら案外犯人は絞れそうじゃない?」

赤穂「そうだな……一度まとめてみるか」
369 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:17:04.70 ID:4o/xoKYA0
苗木「えっと、まず犯人は四方院さんを手紙で水族館に呼び出したんだよね?」

如月「えぇ、そして四方院さんを水族館にあったロープを使い絞殺した」

遠見「その後犯人はショッピングモールの道具を用いて、四方院殿の腕を切り落としたのでありますね」

グレゴリー「その前後、我と言の葉の魔術師は惨劇の園へ導かれたわけか」

土橋「それで朝にアタシも襲われて連れてかれたんだよね……」

兵頭「さらに犯人は図書館に切り落とした腕を置いて私に目撃させたわけですが」

津浦「そして犯人はMs.兵頭が図書館からいなくなった後に腕を持って……その腕をどうしたんでしょうか?」

ジェニー「あっ……」

道掛「それはだな……」

御影「なに、あんたら知ってんの?」

四方院さんの腕がどうなったか、か……
370 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:47:38.46 ID:4o/xoKYA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【水槽の指】
【四方院の右腕】
【四方院の死体】

兵頭「消えた四方院さんの腕……」

兵頭「道掛さんとジェニーさんはそのありかを知っているようですね?」

道掛「いや、知ってるっちゃ、知ってるような……」

津浦「歯切れが悪いですね……」

ジェニー「えとえと……」

土橋「もしかして〔誰かのコテージにあった〕とか!?」

遠見「そうではないのでありますが……」

苗木「兵頭さんが見つけたみたいに〔どこかに置かれてた〕んじゃないのかな」

佐場木「……とにかく一旦落ち着け。話したくても話せん」

御影「まっ、〔魚の餌にされてた〕ってわけでもないなら話せるでしょ」
371 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:55:39.75 ID:4o/xoKYA0
〔魚の餌にされてた〕←【水槽の指】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「正解だ牡丹」

御影「は?何が?」

赤穂「俺もその場にいたから知ってるんだけどな……四方院さんの指が水族館の水槽から出てきたんだよ」

苗木「す、水槽から?」

道掛「そうなんだよ……メメちゃんが言うには鮫に食い散らかされた残りだろうってよ」

土橋「それって、もしかしてなんか水槽に飛び込んでたあれ!?」

ジェニー「そうですです……」

兵頭「つまり、犯人は図書館から腕を水族館にまで持ち帰った後鮫の水槽に放り込んだわけですか……」

津浦「なぜそんな事を……海など、いくらでも途中に捨てる場所はあったのでは?」

赤穂「いや、それは無理だよ津浦」

海に捨てるって方法は確かに普通なら有効かもしれない。

だけどこのコロシアイではそれは不可能なんだ!

【閃きアナグラム開始!】

ポ○捨○○止○ルー○
372 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:58:37.18 ID:4o/xoKYA0
明日早いのでここで切ります。
全然進まなくて申し訳ありません……

水曜日にまた更新します。
373 : ◆DXWxLR/SkYo1 [sage]:2017/04/27(木) 14:09:02.75 ID:znHGwsHW0
数日中には更新できたらと思います。
本当に進めなくて申し訳ありません……
374 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 22:44:26.38 ID:ph+DdmEA0
【ポイ捨て禁止のルール】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「この島にはポイ捨て禁止のルールがある。だからクロは腕を水族館に持ち帰らざるを得なかったんだ」

道掛「うーむ、だけど変じゃね?」

グレゴリー「何に楔を覚える、音速の疾走者よ」

道掛「なんで犯人は腕をわざわざ図書館まで持っていったんだ?そんなめんどい事をする意味がねえじゃん」

苗木「そうだね……津浦さんは見せつけるためって推理してたけど、そもそもなんで見せつける必要があったのかな」

赤穂「……」

そうだ、腕を切る理由は多分だけどわかる。

でもクロがそれを図書館まで持っていった理由。

それが全然わからない。

なんでクロはそんな……
375 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 22:48:07.01 ID:ph+DdmEA0
御影「……ねぇ、もしかしてなんだけど。そもそも、図書館にあった腕って本当に四方院の腕だったの?」

ジェニー「ど、どういう事です?」

土橋「まさか、他に腕切られた人がいるの!?」

御影「いやいや、そうじゃなくて。そういえば、その気になれば偽装できる物がホテルにあったなって」

遠見「ホテルにで、ありますか?」

腕を偽装できる物……もしかして牡丹はアレの事を言ってるのか?
376 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:01:01.17 ID:ph+DdmEA0
【第3の腕】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「牡丹はグレゴリーの作ったあの腕の事を言ってるのか?」

グレゴリー「なんだと!?我が発明が利用されたと言うのか!?」

御影「そうそう、アレならパッと見は本物と区別つかないし」

如月「ですがあの腕はホテルにあるんでしたよね?犯人に図書館からホテルに戻す余裕はないのでは」

六山「あー、それなんだけど……今はホテルにないんだよね」

道掛「そういやなくなってたよな。じゃあ千ちゃんが見た腕ってグレゴリーのキモい腕だったのかよ!?」

兵頭「まさか、あれが作り物……?」

佐場木「だが、作り物であるにせよなぜ図書館まで運んだかの疑問は解消されていない」

そうだ、兵頭の見た腕が作り物だとしても……それがいったいどういう意味を持つんだ?
377 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:28:48.53 ID:ph+DdmEA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【兵頭の目撃】
【グレゴリーと津浦の証言】
【腕を切った理由】


津浦「【Ms.兵頭の目撃した腕はMr.グレゴリーの発明だった】……」

遠見「だからといって、なぜ犯人がそんな行動を取ったのかは不明なままであります……」

苗木「やっぱり〔猟奇的な意味合いがあった〕とかかな……」

如月「〔人を集めて目をそらさせる〕ためも考えられますね」

道掛「そうか!犯人は〔図書館から人を追い払いたかった〕んじゃねえか!」

鞍馬「……〔発見の事実が必要だった〕」

御影「結局何が【犯人の目的】なわけ?」
378 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:36:48.87 ID:ph+DdmEA0
【犯人の目的】→〔発見の事実が必要だった〕

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「そうか……犯人は兵頭が腕を発見した事実が必要だったんだ」

土橋「発見した事実が必要って……」

佐場木「……なるほどな。だからずれていたのか」

ジェニー「ボクにはよくわからないです……」

道掛「俺なんか全然わかんねえよ!何が言いたいんだ赤穂!」

発見した事実……これこそクロにとって重要なピースだとしたら。

あの疑問の意味も解ける!
379 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:43:04.02 ID:ph+DdmEA0
【ショットガンコネクト開始!】

四方院さんの腕を見た事実……

それが示すのは……!

・コトダマ>>357
【グレゴリーと津浦の証言】
【モノクマファイル2】
【四方院の死体】

・課題
【犯人が行った不自然な行動は?】
【犯人が腕を図書館に置いた理由は?】
【犯人が四方院を殺した動機は?】
380 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:46:47.61 ID:ph+DdmEA0
【グレゴリーと津浦の証言】―【犯人が行った不自然な行動は?】

赤穂「……」

クロはなぜかグレゴリーと津浦を四方院さんのいた水族館に拉致した……

そこにもう一つ繋げれば……

・コトダマ>>357
【四方院の右腕】
【第3の腕】
【土橋の証言】
381 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/05(金) 23:52:10.66 ID:ph+DdmEA0
赤穂「……」

そこからさらにクロは土橋を拉致した……

その目的は……!

【グレゴリーと津浦の証言】―【犯人が行った不自然な行動は?】―【土橋の証言】

・結論
【クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかった】
【クロは死体を見せつけたかった】
【クロは時間を稼ぎたかった】
382 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 00:14:30.89 ID:wpgRBQBA0
【クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかった】

赤穂「真相への道筋を繋いでみせる!」


赤穂「クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかったんだ」

遠見「死体発見アナウンスをでありますか?」

赤穂「そうだ。そのためにクロは津浦とグレゴリーを拉致した」

津浦「もしかして死体発見アナウンスに必要な人数を満たすため……」

グレゴリー「我らは選ばれし発見者にされたと言うのか!」

土橋「だ、だけどそれならなんでアタシまで……千、琴羽、グレゴリーの3人でアナウンスの条件は満たしてるじゃない」

佐場木「それをはっきりさせるためにも聞いておかなければならない事がある……モノクマ」

モノクマ「はい?」

佐場木「死体発見アナウンスの3人に犯人は含まれるのか」

苗木「えっ、それって……」
383 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 00:23:27.35 ID:wpgRBQBA0
モノクマ「うーん、正直死体発見アナウンスは推理に使ってほしくないんだけどなぁ……フレキシブルに対応してるって事で!」

佐場木「わざわざ濁す以上、今回は含まれてないと考えるべきだな」

モノクマ「ちょっとやめてよそういうの!」

六山「きっと今みたいに犯人も言われたんだね?だから後から土橋さんを拉致した……犯人が含まれてない場合おかしな事になるから」

道掛「よ、よくわかんねえけど……つまり犯人は死体見つけた中にいんのか?」

御影「そういう事……まあ、明白な気もするけど」

如月「……」

犯人は死体発見アナウンスを鳴らしたかった。

そうすれば容疑から逃れられると思ったのかもしれない。

だとしたらクロは……
384 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 00:40:26.28 ID:wpgRBQBA0
【兵頭千】

赤穂「君がクロなのか……?」


赤穂「兵頭……君なのか?」

兵頭「……私ですか?」

苗木「確かに兵頭さんしか、図書館の腕って見つけてないんだよね」

遠見「グレゴリー殿の腕を利用して死体を見つけた一人になったわけでありますか……」

六山「そもそも腕なんて本当に見つけたの?後からなくなったって言ったからそんな時間がない兵頭さんは犯人から外れてたけど」

兵頭「ちょっと待ってください……皆さん、私が犯人だと思っているんですか」

御影「本当は見つけてないなら、兵頭は土橋を襲った後タイミングを見計らって如月のコテージに行けばいいわけか」

ジェニー「センがカナデを……?」

赤穂「……」

兵頭が四方院さんを殺した……

確かに腕を見つけたって言ってるのは兵頭だけ。

そもそもそれが嘘なら兵頭には如月さん達が図書館に行くまでに腕が消えた事実もなくなって、兵頭も容疑者の一人になる。

そしてクロが死体発見アナウンスを使って工作したと考えれば……
385 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 00:41:14.38 ID:wpgRBQBA0






如月「それは違いますよ……」






386 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 00:42:32.72 ID:wpgRBQBA0
今回はここまで。

次回学級裁判を完結させます。

それではまた今夜に。
387 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 20:57:44.61 ID:wpgRBQBA0
赤穂「如月さん……?」

グレゴリー「何が否だと言うのだ?」

如月「兵頭さんが僕を訪ねてきたのは腕の存在を示して消えた腕の処分が不可能な事、さらに死体発見の一人になる事によって容疑から外れるため……皆さんはそう言いたいようですが」

如月「僕にはコテージに来た時の兵頭さんがそんな計算をしていたとは思えないんですよ」

苗木「でも……それって如月クンの主観だよね?」

如月「確かにそうです。しかし僕は、投票が終わるまで兵頭さんを信じたいと思います」

兵頭「如月さん……」

佐場木「俺も賛成だ。兵頭は確かに疑惑の渦中にいる。だが犯人だとするなら議論を重ねるべきだろう」

赤穂「……そうだな。言い出しっぺは俺だけど決めつけるのはまだ早いと思う」

赤穂「議論をしよう!真実を見つけるためにも……!」
388 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 21:18:41.80 ID:wpgRBQBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【消えたゴシップ誌】
【水槽の指】
【第3の腕】

六山「議論はいいけど、何を議論するの?」

佐場木「兵頭が犯人だとした場合【不自然な行動】がないかだ」

佐場木「それによって兵頭が犯人かもはっきりするだろう」

道掛「不自然つってもよぉ……俺はそもそも【腕を切った】事が府に落ちねえんだよな」

ジェニー「【目撃者にグレッグ達を選んだ】理由も謎です……」

土橋「【グレゴリー達からアタシを襲うまでのタイムラグ】も気になるんだけど……」

津浦「ですがそれは誰が犯人でも言えるのでは?」

遠見「ふむ……グレゴリー殿の【第3の腕を利用しいすごかへと持ち去った】」

遠見「ロビーにあった以上これも誰でも可能だったでありますか」
389 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 21:36:14.07 ID:wpgRBQBA0
【第3の腕を利用しいすごかへと持ち去った】←【不自然な行動】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「そうだ……不自然じゃないか」

御影「何がさ兄貴」

赤穂「そもそも兵頭が疑われる理由の一番大きな理由は、図書館で腕を見つけたって事が嘘だって可能性があるからだ」

六山「そうだよ。それなら兵頭さんは腕を犯人が持ち去った時間のアリバイって前提が消えて容疑者になるからね」

赤穂「だったらなんでホテルから腕を持ち去ったんだ?」

苗木「どういう事?」

赤穂「腕がないから兵頭はそれを利用した、もしくはそもそも腕を見てなんかいないって疑惑を持たれた」

赤穂「もし腕を見つけたって話が嘘ならホテルから腕を持ち出す理由がないんだよ」

赤穂「そのまま置いておけば事件には無関係で押し通す事だって出来たんだからな」

ジェニー「じゃあ……」

赤穂「兵頭は腕を見たんだ。それが本物にしろ偽物にしろな……」

赤穂「そして仮に兵頭が犯人で偽物の腕を回収したとしても、やっぱりホテルに戻せばいい」

赤穂「兵頭が犯人だとしたら第3の腕……あれがホテルから消えたままなのはおかしいんだ」
390 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 21:48:05.56 ID:wpgRBQBA0
兵頭「なるほど……私が犯人なら自分に疑いが向くような行動をするはずがありませんね」

如月「やはり兵頭さんは図書館で腕を見つけ、僕に助けを求めたようですね」

道掛「じゃあ犯人って誰なんだよ!他に誰かいんのか!?」

赤穂「死体発見アナウンスを利用したトリックは、多分間違ってないはずだ」

佐場木「そうなると、犯人はやはり死体の発見を行った中にいる事になる」

遠見「つまり兵頭殿を除外した……グレゴリー殿、津浦殿、土橋殿の中に犯人がいると」

グレゴリー「なっ!?」

津浦「そ、そんな……」

土橋「アタシは殺してなんか……!」

鞍馬「……ならばもう犯人ははっきりしていますね」

御影「はっ?あんたわかってんの?」

鞍馬「死体発見アナウンスに犯人が含まれていないとするなら……簡単な話ですよ」

赤穂「……っ!?」

待てよ。

死体発見アナウンスに犯人が含まれていない。

死体発見アナウンスを使ったトリック。

兵頭が見た腕。

そして証言を合わせたら……

まさか四方院さんを殺したクロは……!
391 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 21:58:16.76 ID:wpgRBQBA0
【グレゴリー・アストラル三世】

赤穂「犯人は……!」


赤穂「グレゴリー……お前なんじゃないか?」

グレゴリー「……!」

津浦「……はっ?」

赤穂「兵頭が見た腕……死体発見アナウンスのトリックを使うなら、多分本物だったはずだ」

赤穂「そうなると、最初の死体発見者は兵頭……その後が問題になる」

赤穂「土橋はこう証言していた……」

――――

赤穂「目を覚ました時何かあったか?」

土橋「そうだね……あたしは悲鳴に起こされて……琴羽が立ち尽くしてて視線を追ったら……」

土橋「奏が吊るされてるのを、見つけて……アナウンスが鳴って……」

ジェニー「ミキ……」

――――

赤穂「この証言から津浦が発見した時に死体発見アナウンスが鳴らなかった事がわかる」

佐場木「津浦は2人目の発見者というわけか」

赤穂「そしてその後土橋が発見してアナウンスが鳴った……つまり土橋が3人目の発見者」

赤穂「アナウンスの人数に犯人が含まれていないなら、水族館にいた中で残る容疑者はお前だけなんだグレゴリー!」

グレゴリー「くっ……!」

道掛「おいおい、マジでグレゴリーがやったのかよ……!」

土橋「ど、どうなのよグレゴリー!」

グレゴリー「…………」ギリィ
392 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:08:53.21 ID:wpgRBQBA0
津浦「シャラップ!」反論!


赤穂「っ!?」

津浦「笑わせないでくださいよMr.赤穂……Mr.グレゴリーが犯人ですって?」

津浦「よくもそんなデタラメを!!そんな推理、ワタシは認めません!」

やっぱり津浦は反論してきたか……!
393 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:21:06.44 ID:wpgRBQBA0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>357
【死体発見時の3人】
【腕を切った理由】
【死体を発見した3人】

津浦「Mr.グレゴリーは犯人じゃありません!」

津浦「あなたの推理は間違っていますMr.赤穂!」

赤穂「兵頭、津浦、土橋が死体の発見者だった!」

赤穂「それなら残るのはグレゴリーただ1人だ!」

津浦「そもそもそれが嘘なんですよ!」

津浦「【Ms.土橋より前にワタシの悲鳴で目を覚ましたMr.グレゴリーが死体を発見した】」

津浦「それなら犯人はMr.グレゴリーではありません!」
394 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:32:40.43 ID:wpgRBQBA0
【Ms.土橋より前にワタシの悲鳴で目を覚ましたMr.グレゴリーが死体を発見した】←【死体発見時の3人】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「土橋より先にグレゴリーが死体を発見した……」

津浦「そうです!」

赤穂「だったらなんでグレゴリーは俺達が駆けつけてくるまでの間……ずっと座ったままだったんだ?」

津浦「何を……!」

赤穂「グレゴリーは津浦を気に掛けていた。そんなグレゴリーが悲鳴をあげた津浦をほったらかしにしていたのは、不自然じゃないか?」

グレゴリー「…………」

佐場木「初めて死体を発見したならその可能性もあるが……」

遠見「グレゴリー殿は前回の事件時も津浦殿を気に掛けていたでありますな」

津浦「Mr.グレゴリーだって人間です!そんな事で犯人扱いだなんて……!」

赤穂「……」

津浦は納得しない……当たり前か。

これはほとんど言いがかりみたいなものだからな……

だったら次だ……

これでグレゴリーに……!
395 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:41:03.23 ID:wpgRBQBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【紙切れ】

御影「犯人はグレゴリーなわけ?」

津浦「そんなの何かの間違いです!」

道掛「だけど【アナウンスの3人は千ちゃん、琴羽ちゃん、美姫ちゃん】なんだろ?」

津浦「【Ms.土橋が嘘をついている】のかもしれません!」

苗木「そもそもグレゴリークンの体格なら、襲われたっていうのも難しいよね……」

津浦「【Mr.グレゴリーの首筋には襲われた痕跡があります】!」

津浦「そもそもMr.グレゴリーには【動機がない】じゃないですか!」

津浦「Mr.グレゴリーは無実、冤罪なんですよ!」

鞍馬「……動機がない、ですか」
396 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:47:39.91 ID:wpgRBQBA0
【動機がない】←【紙切れ】

赤穂「その矛盾……捕まえたぞ!」


赤穂「動機は、多分これだ」

グレゴリー「っ!!」

津浦「なんですか、その紙切れは……」

赤穂「四方院さんの指と一緒に沈んでいた紙切れだよ」

佐場木「なんだと?そんな報告は受けていないぞ」

ジェニー「あっ、それはボクが……」

赤穂「ジェニーには俺が口止めしたんだ。犯人をはっきりさせるために」

兵頭「その紙切れはいったいなんなんですか?」

この紙切れ……これはきっと。
397 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:57:17.28 ID:wpgRBQBA0
【消えたゴシップ誌】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「図書館から消えていたゴシップ誌……あれのページのはずだ」

道掛「おぉ、そういや1冊なくなってたな!」

如月「あれですか……赤穂さん、その紙切れがグレゴリーさんの犯行を証明するんですか?」

赤穂「はい、内容を聞いてもらえればわかります」

ジェニー「えっ……」

土橋「どうしたのジェニー?」

ジェニー「な、なんでもないです」

佐場木「……」

赤穂「じゃあ、読むぞ」

苗木「いったい何が……」

これが最後のチャンスだ。

物的証拠はほとんどない。

もう1つの可能性はあるけど……これはグレゴリーが喋ってくれないと証明出来ない。

だからこれでグレゴリーが動かないと……どうしようもない。

赤穂「スクープ……」
398 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 22:58:56.04 ID:wpgRBQBA0






グレゴリー「やめろっ!!」






399 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:04:01.46 ID:wpgRBQBA0
津浦「ど、どうしたんですかMr.グレゴリー?」

グレゴリー「それ以上の言霊は無用だ、聖痕抱きし英雄よ」

赤穂「……」

グレゴリー「……その封印の書に記されているのは確かに我だ」

六山「……認めるの?」

グレゴリー「……ああ」

土橋「じゃあ、奏を殺したのは……」

グレゴリー「…………」

如月「あなたなんですね?グレゴリーさん」

グレゴリー「……そ」
400 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:05:30.75 ID:wpgRBQBA0






津浦「嘘ですっ!!」






401 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:14:35.10 ID:wpgRBQBA0
グレゴリー「言の葉の、魔術師……!」

津浦「嘘ですっ、そんなの嘘ですよっ……」

津浦「だってMr.グレゴリーは!ワタシを守るって言ってくれた!だけどこれじゃあ!」

津浦「嫌だ、認めないっ、こんなっ、こんな……!」

赤穂「津浦……」

津浦「あっ……は、ははっ!そうだ、そうですよ!」

津浦「やっぱりMr.グレゴリーは犯人じゃありません!」

御影「……なんで?」

津浦「だってMr.グレゴリーは襲われているんですよ!実際首にはその痕跡が残っているんです!」

津浦「これこそ、彼が無実って証拠じゃないですか!」

津浦「そうです、あなた方の推理は決定的に間違っていたんですよ!あはっ、あはははははっ!」

ジェニー「コトハ……」

赤穂「……」

グレゴリーの襲われた痕跡。

それはきっと、これを使ったんだ。
402 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:22:46.25 ID:wpgRBQBA0
【第3の腕】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「……グレゴリー、1つ聞かせてほしい」

グレゴリー「……なんだ」

赤穂「第3の腕、あれは心臓の上から着けて使うんだよな?」

グレゴリー「然り」

赤穂「それは……背中からも出来るんじゃないか?」

グレゴリー「……見事だ聖痕抱きし英雄。そこまで真理を掴んでいたか」

津浦「な、何を言ってるんですか……!」

赤穂「グレゴリーは背中につけた第3の腕を使って自分に襲われた痕跡を残したんだ」

佐場木「諦めろ津浦……それ以上はお前自身を傷つけるだけだ」

津浦「……っ、でも!そんなの、Mr.赤穂の推測……」

土橋「琴羽、もうやめよう……」

津浦「認めないっ、やだ、いやぁ……!」

赤穂「……」

津浦はもう認めるわけにはいかないんだな……

だったらせめて、俺がその目を覚まさせるしかない……!
403 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:26:31.06 ID:wpgRBQBA0
【パニックトークアクション開始!】

津浦「…………」

津浦「こんなの……」

津浦「嘘です……」

津浦「ワタシは、認めないっ……」

津浦【物的証拠なんて、どこにもないんです……】




     マント

背中        隠された

     に
404 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:34:45.65 ID:wpgRBQBA0
【マントに隠された背中】

赤穂「これで終わらせる……」


赤穂「今回の犯人は慎重だった」

津浦「嫌だ……」

赤穂「死体発見アナウンスの人数に足りるかわからないから目撃者を増やした」

津浦「やめてください……」

赤穂「俺がどこまで知ってるかわからないからこの紙切れを読むのを止めた」

津浦「お願い、ですから……」

赤穂「だからきっと、どこを調べられるかわからないから……まだ第3の腕を持ってるはずなんだ」

津浦「ぁ……」

赤穂「それが出来る人間は、背中を隠せるマントを着けたグレゴリーだけなんだよ、津浦」

グレゴリー「……」

グレゴリーがマントを外す。

その下には、背中に貼り付くように……グレゴリーの発明、第3の腕があった。

津浦「あっ、あっ、ああああああああああああああっ……!」

グレゴリー「……すまん、言の葉の魔術師よ」
405 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:50:40.50 ID:wpgRBQBA0
【クライマックス推理開始!】

ACT.1
今回のクロがなんで四方院さんを狙ったのかはわからない。
だけどクロは四方院さんに静音の名前を使って手紙を出したのは間違いないはずだ。

ACT.2
四方院さんを呼び出したクロは水族館にあったロープで彼女の首を絞めて殺害した。
そしてロープを結んでその身体を吊るしたんだ。

ACT.3
だけど誤算があった。
四方院さんがクロにとって都合の悪いゴシップ誌を握ったままだったんだ。
それを外せなかったんだろう、クロは大胆な手に出た。

ACT.4
四方院さんの腕をショッピングモールの工具で切り落としたんだよ。
そしてクロはその腕を使って自分の容疑を外す工作を開始したんだ。

ACT.5
クロは津浦と土橋を襲って目撃者役として水族館に連れていった。
そして自分も襲われたように装うために自分の作った第3の腕で首に痕跡を残したんだよ。

ACT.6
クロは四方院さんの腕を持っていくと、兵頭を見かけたのか図書館にそれを置いた。
そして兵頭が人を呼ぶ間にその腕を水族館に戻すと、鮫の水槽に投げ込んで証拠の隠滅を図ったんだ。

だけど指や記事が残った事や慎重過ぎた事が不自然な点を生み出して、こうして犯行を暴かれたんだ。

赤穂「四方院さんを殺したのはお前なんだな、グレゴリー・アストラル三世!」

グレゴリー「……ああ、その通りだ」

津浦「ああああああああっ……!」

COMPLETE!
406 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:53:47.07 ID:wpgRBQBA0
モノクマ「議論の結論が出たみたいだね!」

モノクマ「それでは投票タイムとまいりましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票をお願いします!」

モノクマ「オマエラの答えが正解?それとも不正解?」

モノクマ「運命はどっちだー!!」


         VOTE

 グレゴリー グレゴリー グレゴリー

       チャッチャッチャー!


     【学級裁判閉廷!】
407 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/06(土) 23:57:19.94 ID:wpgRBQBA0
本日はここまで。

今回のクロはグレゴリー・アストラル三世でした。

次回おしおきと2章ラストまでいきます。

それでは……
408 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:03:07.70 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「大正解!」

モノクマ「今回四方院奏さんを殺害したクロはー……」

モノクマ「グレゴリー・アストラル三世クンでしたー!」

グレゴリー「…………」

津浦「なんで……なんで、ですか……なんで……」

赤穂「……」

グレゴリーが四方院さんを殺した。

その事実は……津浦にとってあまりに残酷だった。

それは自分を守ると言った男が人を殺したからだけじゃない。

モノクマ「うぷぷ、それにしても傑作だよね!守るとか言っといて学級裁判でしっかり逃げようとするなんてさ!」

モノクマ「グレゴリークンは津浦さんが死のうがどうでもよかったって事だもんね!」

そうだ、このコロシアイは1人だけ殺して終わるようなものじゃない。

学級裁判で他の生き残り全員を殺す……グレゴリーは内心はどうあれ、津浦に行動で突きつけてしまったんだ。

【お前を殺しても生き残る】という事を。
409 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:06:16.26 ID:7rDsDq5A0
苗木「本当に、どうしてこんな事したの……今回の動機はグレゴリークンには何も関係な……」

モノクマ「いやいや、何言ってるの!しっかり関係してますとも!」

モノクマ「だってグレゴリークンは……この中にいる人殺しの1人だからね!」

如月「グレゴリーさんがですか……しかし彼ほどの目立つ人間が犯罪を犯したなら、僕か佐場木さんが気付いているはずですよ?」

佐場木「ふん……つまり目立つ前だったんだろう」

兵頭「それが記述されていたのが、赤穂さんの持つゴシップ誌だったというわけですか」

モノクマ「その通り!それでは発表します!」

モノクマ「なんとグレゴリークンは5年前に世間を騒がせた、あの【ガス爆発連続死亡事故】のガスストーブを設計した張本人なのです!」





津浦「…………えっ?」
410 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:16:47.97 ID:7rDsDq5A0
遠見「【ガス爆発連続死亡事故】……でありますか?」

六山「そういえば、そんなニュースが昔毎日やってたよね」

土橋「アタシ、その事故なら被害者の家を建て直しした事あるからよく知ってるよ」

土橋「ある企業が新しく売り出した多機能型のガスストーブが次々に爆発したんだよね……死傷者は確か100を超えたはずだよ」

土橋「確かそのストーブを設計したのが未成年だって話を聞いた事はあったけど……」

道掛「それがグレゴリーだったのかよ!?」

モノクマ「そうそう、マスコミも当時かなり騒いでたよね。設計にミスがあったんじゃないかとか……」

グレゴリー「否!我が記述に一切の深淵は存在していない!あれは目先の欲に囚われた愚か者共が我が声を無視したがために……!」

モノクマ「うんうん、実際はそうなんだよね」

ジェニー「グレッグは、悪くないですか?」

モノクマ「グレゴリークンの設計通りだとコストがかかるからって、勝手に設計とは違う材料を使ったから起きた事故なんだよねあれ」

赤穂「だったらなんで……」

モノクマ「だけど世間はそう見てくれなかったの。そして散々責められたグレゴリークンは苦肉の策として自分自身を消す事にしたんだよ!」

モノクマ「謎多き設計士【グレゴリー・アストラル三世】としてね!」
411 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:27:39.26 ID:7rDsDq5A0
佐場木「なるほどな、お前は過去を捨て仮面をつけて再出発をしたというわけか」

グレゴリー「……そうだ。我の真名はもはや、憎悪と失望に堕した忌み名と化していた」

グレゴリー「故に我はこの名と姿を得たのだ」

鞍馬「その格好や口調の方に気をとられ、5年前の設計士と繋げる人間はいなかった……それだけの話です」

如月「……グレゴリーさんがこうなった理由はわかりました。ですがそれは……四方院さんを殺してまで守らなければならない秘密だったんですか?」

道掛「そうだぜ!話聞く限りだとグレゴリーは悪くねえじゃねえか!」

グレゴリー「…………」

モノクマ「オマエラのほとんどはそうかもしれないね!」

モノクマ「だけど……」
412 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:28:54.55 ID:7rDsDq5A0






モノクマ「その事故で両親を殺された津浦さんはどうだったのかなー?」

津浦「…………」






413 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 21:45:36.08 ID:7rDsDq5A0
赤穂「っ!?」

御影「なっ……なにそれ……」

津浦の両親が死亡した事故の原因が、グレゴリーの設計したストーブだった!?

モノクマ「キミは知ってたんだよね?津浦さんがあの事故の遺族だって」

モノクマ「あんなに津浦さんに優しくしてたのは罪滅ぼしでもしているつもりだったのかな?」

モノクマ「それともバレた時に津浦さんが情から殺せないようにするための布石だったとか?いやあ、グレゴリークンもなかなかやり手だねぇ!」

グレゴリー「黙れ!我は、我はただ……」

津浦「…………Mr.グレゴリー」

グレゴリー「っ……」

津浦「ワタシはあなたにとって、罪悪感を吐き出すための道具だったんですか……?」

グレゴリー「違うっ!!確かに、そのような邪念が存在しなかったと言えばそれは虚構だ……!」

グレゴリー「だが我は、ただ……ただ、純粋にその身を案じて……」

グレゴリー「…………ぐっ、くっ!」

グレゴリー「なぜだ、なぜこうなった?」

グレゴリー「あのような手紙さえなければ!水の都に優雅なる吹き手がいなければ!」

グレゴリー「我は……!」

佐場木「……なに?」
414 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 22:27:06.35 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「うぷぷ、それじゃあそろそろいきましょうか!」

赤穂「……!」

苗木「いくって、おしおきだよね……」

モノクマ「急がないとまた如月クンに痛めつけられちゃうからね!」

如月「……」

モノクマ「それでは今回は、【超高校級の設計士】であるグレゴリー・アストラル三世クンにふさわしいスペシャルなおしおきを用意いたしました!」

グレゴリー「言の葉の魔術師、我は…………」

津浦「……」

モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」

グレゴリー「…………ああ、そうか」

津浦「……?」

グレゴリー「もうこんな風に自分を偽る必要も……ないんだ」

津浦「っ!?」

グレゴリー「ごめん、だけど……」

「君を助けたかったのも守りたかったのも、嘘じゃないから」

津浦「……ぁ」

「最期に、これだけは知ってほしい……」

「僕の名前はね――」

モノクマ「おしおきターイム!!」
415 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 22:28:40.85 ID:7rDsDq5A0






       GAME OVER

 グレゴリークンがクロにきまりました。

    おしおきをかいしします。






416 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 22:52:20.21 ID:7rDsDq5A0
グレゴリーが何かを言うより先に、首輪が伸びてその身体を引きずり込む。

そしてグレゴリーが連れてこられたのは【処刑器具】とだけ書かれている大きな紙が置かれた作業台のある部屋だった。

【最期の世紀の大発明!】

【超高校級の設計士グレゴリー・アストラル三世処刑執行】

グレゴリークンは覚悟を決めたかのようにペンを取り出すと、紙に図を書き込み始めました。

グレゴリークンが線を引くと、後ろにいたモノクマがその通りに機材を組み立て。

グレゴリークンが円を描くと、後ろにいたモノクマがその通りに機材を積み上げます。

どんどん出来上がるグレゴリークンのための処刑器具。

そしてグレゴリークンが最後の線を引き終えると同時に……

後ろの処刑器具が倒れて、グレゴリークンの身体を潰します。

衝撃で吹き飛ぶ仮面……それはモノクマが出したストーブの上に落ちて、熱でどろどろに溶けてしまいました……
417 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:12:20.17 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「あー!せっかくとびっきりのおしおき装置を作ったのに!」

モノクマ「……まあ、おしおきは出来たからいっか!」

兵頭「ぁっ……っ、はぁ……」ガクッ

道掛「うおっ、千ちゃん!?」

鞍馬「……快感のあまり腰砕けになりましたか」

六山「理解出来ないや……」カチカチ

津浦「……」

土橋「琴羽!」

津浦「なんで……なんで最期に、あんな」

呆然とする津浦、また快感を受け止めている兵頭……

佐場木「……遠見、話がある、来い」

遠見「佐場木殿!?ま、待ってほしいであります!」

その中で、佐場木はいつもより顔を険しくして上に戻っていった。

如月「……あのような手紙さえなければ、ですか」

そしてそれは、如月さんも同じで。

佐場木と遠見を追いかけるようにエスカレーターに乗り込んだ如月さんの背中を見つめながら……

赤穂「……」

俺は、なぜか、今さら、一つの事実が気になっていた。
418 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:19:59.19 ID:7rDsDq5A0
赤穂「静音を騙ったあの手紙には本が一緒だった……」

それは当然あのゴシップ誌のはずだ。

そんな手紙を、なんでグレゴリーが送るんだ。

じゃああの手紙は……

だけど……それ以上に……

赤穂「四方院さんは、抵抗しなかった……」

なんでだ、なんで今こんな事が気になる?

混乱する俺の頭の中で、ある会話がリピートされる。

――――

御影「涙……出てるよ」

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

―――――

なあ、四方院さん……

――――

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

――――

本当は、わかってたんじゃないのか?

――――

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

――――

静音がもう死んでるって。

――――

四方院「ああ、早くあの子の所にいきたいですわ……」

――――

だっておかしいじゃないか。
なんで行きたいなんだ、なんで帰りたいじゃなかったんだ?

――――
419 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:23:03.41 ID:7rDsDq5A0






四方院「早くあの子の所に逝きたい」

四方院さん、君は本当にただの被害者だったのか?


――俺のそんな疑問に、もう永遠に答えは出ない。






420 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:44:11.70 ID:7rDsDq5A0
【赤穂のコテージ】

赤穂「……」

ダメだ、なんだか変な事ばかり考える……

赤穂「少し外に出るか……」

杖をついて外に出るといつものように満天の星が空に散りばめられていた。

赤穂「……」

【サマーアイランド・射撃練習場】

赤穂「……あれ、なんでここに」

ああ、そうか……ここは津浦とグレゴリーの。

土橋「あれ、政城……」

赤穂「土橋?なんでここに」

土橋「なんとなく……ね。ここはほら、琴羽とグレゴリーの……」

俺と同じって事か……

赤穂「津浦は?」

土橋「まだ混乱してるみたいだよ……無理もないけどさ」

赤穂「そうか……」

津浦は大丈夫なのか?

グレゴリーを支えにしてた分、それをこんな形で……

カチャリ

赤穂「……んっ?」

変な音がした気がして、射撃練習場の方を見る。

赤穂「……っ!?」

入り口から見えていたのは銃を握った腕。

その銃は、土橋を狙っている。

赤穂「っ、危ないっ!」

土橋「えっ、きゃあっ!?」

不恰好な状態で土橋を突き飛ばす。

次の瞬間。

パァン!

破裂音が聞こえて、やけつくような痛みが身体を貫いた。

土橋「政城っ!?ねぇ、どうしたの政城っ、政城ってば!」

赤穂「……」

俺を呼ぶ土橋の後ろを誰かが、駆けていく。

誰、だ……

目を凝らして、その姿を捉えようとしても逆に目は霞んで……
421 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:45:33.37 ID:7rDsDq5A0






俺の意識は、真っ暗闇の中に消えた。






422 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:48:43.46 ID:7rDsDq5A0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】END

生き残りメンバー14→???人

To be continued...






423 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:50:24.97 ID:7rDsDq5A0






【絶望フルート】を手に入れました!

【偽りのマスク】を手に入れました!






424 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/07(日) 23:53:00.91 ID:7rDsDq5A0
本日はここまで。

CHAPT.2が酷く長い期間になってしまい申し訳ありませんでした。

次回からCHAPT.3に入ります。

それでは……
425 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 22:46:36.69 ID:eMd80BXA0
「……」

「ねえ」

「……」

「ねえってば!」

「っ、あ、あれ?」

「どうしたの?ボーッとしちゃって」

「いや……なんかもう、本当にどうしようもないんだなって」

「……仕方ないじゃん。私達は子供なんだから、借金で2人は育てられないんだって言われたら……」

「お前にそう言わせる自分が情けないんだよ……俺が御影の家に行ったり、せめてもう少し歳が離れてれば家出て2人でやってく事だって……」

「……」

「だいたい、いくら向こうが娘が欲しいって言ったからって牡丹はまだ……!」

御影「……それだけで十分だよ兄さん」

赤穂「……」

御影「私を想ってくれてる人がいる。それだけで私は頑張れるから」

赤穂「……牡丹」

御影「だから笑ってよ。兄さんは私のヒーローなんだから、そんな顔なんて似合わないよ」

赤穂「……ああ、そうだな」

御影「じゃあ、さよならの前に1つ約束」

赤穂「約束?」

御影「うん、私が御影の家に行っても、もう二度と会えなくても……」

御影「赤穂牡丹は兄さんの妹だって、ずっと覚えてて」

赤穂「……」

御影「……」

赤穂「……そんなの当たり前だろ」ポンッ

御影「あっ」

赤穂「お前は何があっても俺の大切な妹だよ……牡丹」ナデナデ

御影「……うん」
426 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 22:52:27.64 ID:eMd80BXA0
【御影のコテージ】

御影「っ……!」

なんで、あの時の夢なんて……

兄貴、兄さんと別れたあの日の夢……

御影「……約束、か」

昔はなんであんな約束したんだろう、なんて思ったけど今ならよくわかるよ。

私はきっとわかってたんだ。

長い間、私は兄さんと会えなくなるんだって……


「誰か!起きてるなら手伝って!!」

御影「……?」

何かあったの……?

「政城が、政城が死んじゃう!!」

御影「っ!!」
427 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 22:55:28.42 ID:eMd80BXA0






CHAPT.3【悪意のアンノウンは高らかに唄う】(非)日常編






428 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:14:40.61 ID:eMd80BXA0
【赤穂のコテージ】

赤穂「…………」

遠見「ふう……これで、もう命に別状はないであります」

土橋「良かった……!」

あれから慌てて飛び出したら、土橋が血だらけの兄さんを抱えてて。

なんでか遠見と佐場木も同じコテージから出てきたから協力して兄さんのコテージに運んで……遠見が治療をしてくれた。

御影「……」

治療されて眠る兄さんの身体には、古い傷痕がたくさんある。

こんなにたくさん傷作って……

佐場木「それで何があった。赤穂の身体にあるのは明らかに弾痕だぞ」

弾痕……

御影「……なにそれ、兄貴は撃たれたって言うの!?」

土橋「アタシにもよくわからないんだ……いきなり政城に突き飛ばされたと思ったら、政城の身体から血が……」

佐場木「このタイミングでコロシアイを起こすか……確かに学級裁判直後なら混乱している人間も多いが……!」

遠見「どうするでありますか、佐場木殿。先ほどの話と合わせると事態は……」

佐場木「……ちっ、如月を呼ぶぞ」

土橋「怜輝を?」

佐場木「腹立たしいがあの殺人鬼は誰よりも容疑者になり得ない男だ。赤穂の警護には適任だろう」

御影「……」

警護って……まさか兄さんが狙われるって事……?

御影「そんなの……!」

遠見「あっ、御影殿!?」
429 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:33:11.14 ID:eMd80BXA0
御影「……」

兄さんが狙われる、兄さんが殺される……!

そんなの……そんなの嫌だ。

私は……!

御影「……!」

鞍馬「……」

御影「鞍馬……」

鞍馬「どこに行くんですか?まだ夜中ですよ」

御影「……あんたには関係ないでしょ」

鞍馬「……」

なんなのこいつ、いつもそう。

気がついたらいて……

御影「私急ぐから」

とにかく今は鞍馬に構ってる余裕なんてない。

私は鞍馬の横を通ると……

鞍馬「あなたは何も出来ませんよ」

御影「……!」

鞍馬「その身体で犯人探しでもしますか?無駄ですよ、返り討ちにあうのが関の山だ」

御影「あんた、何を」
430 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:39:59.84 ID:eMd80BXA0






鞍馬「そうでしょう。未来機関第一支部秘匿才能【超高校級の被験体】御影牡丹さん」






431 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:56:38.18 ID:eMd80BXA0
御影「……!」

なんっ、知って……!

鞍馬「その身体にどれだけの病気を抱えても死なない、死ねない特異体質」

鞍馬「現在は確か不治の病とされているものが3つ、治療困難な病気が4つ……」

鞍馬「その体質に目をつけたとあるマッドサイエンティストに拉致され、ウイルスの人体実験に使われていた」

鞍馬「人類史上最大最悪の絶望的事件の余波で脱出に成功したものの未来機関に遭遇」

鞍馬「【超高校級の薬剤師】の作る痛み止め、未来機関による病気の治療、【超高校級】の認定と引き換えに未来機関第一支部に籍を置く」

鞍馬「……でしたか」

御影「……」

鞍馬「今は痛み止めで日常生活は出来ているようですが、いつ爆発するかわからない爆弾を抱えたあなたが誰かと事を交えようなど無茶ですよ」

御影「……なによ、いつもと違ってペチャクチャと喋ってさ」

鞍馬「……」

御影「私の身体の事なんてあんたには関係ない、ほっといてよ……」

鞍馬「あなたはいくつもの病の治療法の発見に貢献しているんですよ。あなたのような存在が死ねば世界の損失に……」

御影「うるさい!私は……こんな、こんな身体、欲しくなかったのに!好き勝手言わないでよ!」ダッ

もう鞍馬なんかと話していたくなかった。

だから私はホテルから出て、どこに行くかも決めないまま走り出していた……

鞍馬「…………」
432 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:57:08.44 ID:eMd80BXA0






「…………」ニヤァ






433 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/20(土) 23:57:48.40 ID:eMd80BXA0
本日はここまで。

1週間以内にまた更新したいと思います。
434 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/27(土) 22:51:52.91 ID:M/GxFkzA0
【中央の島】

御影「はぁ、はぁ……」

飛び出しちゃったけど……これからどうしよう。

兄さんを狙う誰かを何とかしたい、だけど鞍馬の言う通り私に荒事なんて出来るわけがない。

御影「……」

だったら、せめて調べるしかない。

私はこの身体以外は普通にも満たないけど……

それでも……!

ガコン!

御影「えっ?」

なに、この音。

音のする方に向かって歩いていくと……今まで何もなかった場所に新しい通路があった。

御影「これ……」

兵頭「ふふっ、きっと今回の学級裁判を生き延びた成果……といったところですね」

御影「っ!?」

兵頭「あら、驚かせてしまいましたか?」

いつの間にか私の後ろにいた兵頭は、相変わらず人を食ったような笑顔。

御影「あんた、こんなとこで何してんの」

もしかして兵頭が兄さんを……
435 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/27(土) 23:11:00.49 ID:M/GxFkzA0
兵頭「私はこの先にある島を開放と同時に調べようと思いまして」

兵頭「ふふっ、学級裁判の捉え方の違いから皆さんは私を好ましく思っていないようですから」

御影「……そりゃそうでしょ」

人が死んでそれに快感覚えるなんてまともな人間じゃない。

……私みたいな身体の人間がまともな人間云々なんて語れる立場じゃないけどさ。

兵頭「御影さんこそこんな時間に何を?」

御影「……ちょっと色々あって」

兵頭「色々ですか?ふふっ、お兄さんと喧嘩でもしましたか?」

御影「はっ?なんでそうなるわけ?」

兵頭は……兄さんが怪我したのを知らない?

だけどこれが演技かも……

兵頭「だって御影さん服のボタンはかけ違えてますし、髪がボサボサですよ?そこまで心乱れてるとするならやはり赤穂さん関連かと」

……そういえば、寝て起きたところに兄さんの事があったから着の身着のままで飛び出したんだ。

御影「……」

兵頭「ふふっ、沈黙は肯定として受け取りますね」

喧嘩云々は外れだけど……兄さんの事で心乱れてるのは正解か。

兵頭「あっ、もう朝になりますね。朝日が出てきましたよ」

言われてみると、確かに周りが明るくなってきてる。

もうそんな時間なんだ……
436 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/27(土) 23:36:04.79 ID:M/GxFkzA0
兵頭「さて、御影さんはどうします?よかったら一緒に調べますか?」

御影「……」

兵頭と一緒にか……

正直変態だし、どこまで信用していいのかわからないけど……

御影「……わかった、一緒に行く」

兵頭が兄さんを襲った犯人なら、もしかしたら私でもなんとかなるかもしれないし……

危ない橋を渡らないと、わからない事だってあるはず。

兵頭「ふふっ、そうですか。それじゃあよろしくお願いしますね」

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

ゴゴゴゴゴ

橋を塞いでいた扉が下がっていく。

次の島が、開放されたってわけか。

兵頭「さて、行きましょうか御影さん」

御影「……」

そうして私は思いもがけず、新しい島に足を踏み入れる事になった。
437 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/05/27(土) 23:41:35.75 ID:M/GxFkzA0
短いですがここまで。

これからは基本土曜日更新でいきたいと思います。

なお御影さんの才能は如月ロンパの頃からこれでした。
438 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 22:53:58.93 ID:5qn5NoaA0
【第3の島・オータムアイランド】

兵頭「……」

御影「なにこれ……」

新しい島に着いた私達の目の前で紅葉がヒラヒラと揺れている。

ヒュウッ

御影「っ……」

肌寒い……これじゃあまるで秋みたいじゃない。

兵頭「ジャバウォック諸島は常夏だったはずなんですけどね。これはどういう事なんでしょうか」

御影「……わかんない」

本当になんなのこの島……

兵頭「とりあえず調べるとしましょうか……考えるのは後でも出来ますから」

兵頭は切り換えるように呟くと島の道を歩いていく。

あまりに違う島は少し不気味だったけど、今さら引き返すなんて出来なくて私もその背中を追いかけた。
439 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:10:29.18 ID:5qn5NoaA0
【モノクマフラワー】


兵頭「……これはまた」

御影「なによ、この巨大な花……」

なんかグネグネ動いてるし、気持ち悪い……

モノクマ「危なーい!」

御影「きゃっ!」

兵頭「気色は悪いですけど危ないんですか、この花は」

モノクマ「そうだよ。なんせこのモノクマフラワーはあらゆる物を食べられる花だからね」

御影「……あらゆる物?」

モノクマ「ゴミや機械、人間までね……うぷぷ」

モノクマの言葉に寒気が走る。

人間まで食べる花……その言葉に嫌な予感が頭をよぎったから。

兵頭「つまりこの花に死体を食べさせてしまえば、死体は見つからず学級裁判は行われないと」

モノクマ「ちょっと!そんな事されたらボクの楽しみが減っちゃうじゃない!」

兵頭「私は可能性を提示したまでです」

モノクマ「そんな事したら許さないからね!やるなよ!絶対にやるなよ!」ピョーン!

兵頭「……これはフリというやつなんでしょうか?御影さんはどう思いますか?」

御影「……」ガタガタ

兵頭「どうしました?寒いんですか?」

御影「あ、あんただって気付いてるんでしょ……この島に人がいないって疑問の答えがもしかしたら」

兵頭「……この花に処理させた。それも血痕や争いがなかった様子から生きたまま眠らせて」

御影「……」

兵頭「それはこの花から連想した推測に過ぎませんよ。四方院さんの推測通り自ら姿を消したのかもしれません」

御影「……」

兵頭「……とにかく行きましょう。私も食べられるのは嫌ですから」

兵頭が差し出す手を思わず握る。

疑ってたのに頼らないといけないなんて……

兄さんの妹なのに、情けなすぎだよ私……
440 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:24:49.16 ID:5qn5NoaA0
【電気街】

兵頭「ここは電気街ですね」

御影「……」

兵頭に手を引かれるままに連れてこられたのはピカピカ光る商店街みたいな場所。

パソコンとか携帯電話……カメラとかもある。

パソコン、携帯電話?

御影「ちょっと……もしかしたらこれで助け呼べるんじゃないの?」

兵頭「調べてみましょうか」カタカタ

御影「……どう?」

兵頭「動くには動きますけど、ネットやメールの類いは使用できないようですね」

御影「やっぱりそう上手くはいかないか……」

兵頭「ああ、でもデータファイルがありますね」カタカタ

御影「何か書いてあるわけ?」

兵頭「……暗号化されてますね。私にはサッパリです」

御影「それじゃあどうすんの」

兵頭「六山さんに見せてみましょうか。お願い出来ますか、御影さん」

御影「えっ?」

兵頭「私より御影さんの方が受け入れやすいですから」

結局パソコンを兵頭に押し付けられた……

まあ、いいけどさ。
441 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:37:40.07 ID:5qn5NoaA0
【モーテル】

御影「……っ」

さすがに、夏の格好で秋風は冷たい……

兵頭「大丈夫ですか?とりあえずこのモーテルで一休みしましょう」

御影「……ごめん」

兵頭「いいですよ。ちょっと中に暖める何かがないか見てきますね」

モーテルの1つに入っていく兵頭……本当に、あいつがよくわかんない。

御影「ご飯作ったり、こうして気遣ってくる兵頭と学級裁判の投票であんなになる兵頭……」

どっちも同じ兵頭なのに私の中ではまるで繋がらない。

兵頭「カイロがありましたよ。少しは暖かくなると思います」

御影「……ねぇ、兵頭は未来機関に戻ったらどうすんの」

兵頭「また突然ですね……」

御影「いいから答えてよ」

兵頭「戻れませんよ」

御影「えっ?」

兵頭「私はあの味を知ってしまった。この島から出たとして日常に帰れるとは思えませんから」

御影「……」

兵頭「ふふっ、思い出すだけで身体が疼いてしまうんです。もう私は未来なんて作れません」

兵頭「出たら皆さんとはお別れでしょうね」

御影「……そう」

もしこんなコロシアイに巻き込まれなかったら……兵頭は日常に帰れたの?

そんな言葉を、私は口には出せなかった。
442 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:48:33.68 ID:5qn5NoaA0
【発電所】

御影「デカッ……」

兵頭「火力、水力、風力……あらゆる方法で電気を作り出しているようですね」

兵頭が見ているパネルみたいなのを横から見る。

兵頭「どうやらこの発電所でジャバウォック諸島全ての電力を賄っているようですね」

御影「そりゃ、ここまで大きくなるわけだ」

兵頭「中には入れないようですが……おや?」

御影「どうしたの」

兵頭「金網につけられた扉にパスワード入力装置がありますね……ふむ」

御影「パスワード……わかるわけ?」

兵頭「残念ながら。モノクマだってそうそうバレるようにはしていませんでしょうし」

御影「止められでもしたら大惨事だしね……」

兵頭「一応後で調べてみましょう。もしかしたらヒントがあるかもしれませんから」
443 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:55:11.66 ID:5qn5NoaA0
【病院】

御影「……!」

病院……だったら傷薬とかあるはず!

薬の臭いは好きじゃないけどそんな事言ってらんない!

兵頭「御影さん、走ると危ないですよ!」

【病院内】

御影「傷薬、傷薬……」

兵頭「傷薬……誰か怪我したんですか?」

御影「……」

兵頭「なるほど、ようやく御影さんがあんなに心乱れてた理由がわかりましたよ」

御影「あった!」

兵頭「ふふっ、そうなると早く帰った方がいいですね。お兄さんのためにも」

御影「っ……ちょっとそういう事……」
444 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/03(土) 23:55:59.28 ID:5qn5NoaA0






ガッ!

兵頭「っ!」ドサッ

御影「……えっ」






445 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/04(日) 00:03:36.75 ID:ZSjfbGPA0
兵頭「うっ……」

えっ、なに、なんで兵頭倒れてんの?

なんで兵頭、頭から血流して……

御影「ちょっと兵頭!」

兵頭「御影さん、逃げ……」

御影「逃げるってなに……」

兵頭に気をとられて私は気付かなかった。

廊下にいた兵頭の近くに今まさに何かを振り上げる誰かがいたなんて……

ガッ!

御影「うっ!?」ドサッ

っ、誰かに、殴られ……

いったい、誰が……

「……」

御影「誰、っ……あん、た……」

「……」ブンッ!

ガッ!

御影「兄、さん……」ガクッ

「…………」
446 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/04(日) 00:07:36.80 ID:ZSjfbGPA0
今回はここまでで。
447 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/10(土) 22:58:57.39 ID:EG7Ou81A0
【赤穂のコテージ】

赤穂「うっ……」

如月「目が覚めましたか」

赤穂「如月、さん?なんでここに……」

如月「その説明の前に何があったか覚えていますか?」

赤穂「何って……」

俺は確か夜中に外に出て、射撃練習場で土橋に会って……

それで…………

赤穂「そうだ、俺は……っ!?」

如月「無茶はしない方がいいですよ。あなたは撃たれたんです、遠見さんが治療したとはいえ安静にしていないと」

赤穂「つ、土橋は……!あいつは無事なんですか!?」

如月「……えぇ、彼女は無事です。本当はあなたが目覚めるまでいるつもりだったようですが、精神的疲労もあるからとコテージに戻ってもらいました」

赤穂「そうですか……」

土橋は無事なのか……よかった……

如月「……ところで赤穂さん、あなたを撃ったのは誰かわかりますか?」

赤穂「いえ、俺が見たのは腕だけで……それも暗かったから誰のかまでは」

如月「ふむ……わかりました。佐場木さん達が犯人を探すつもりのようですからあなたは安静に……」
448 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/10(土) 22:59:37.08 ID:EG7Ou81A0






モノクマ「そんな呑気な事言ってていいのかなー?」






449 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/10(土) 23:06:49.46 ID:EG7Ou81A0
赤穂「モノクマ……!?」

如月「何か用ですかモノクマ」

モノクマ「ちょっとボクとしても困る事が起きてね。二人に伝えに来たんだよ」

赤穂「困る事だって……」

モノクマが困るのは歓迎したいぐらいだけど、わざわざ俺と如月さんに伝えに来たってどういう事だ?

モノクマ「赤穂クン、妹さんは可愛い?」

赤穂「はっ?」

モノクマ「うぷぷ……もし可愛いなら大変だね」


モノクマ「御影さん、このままだと殺されるよ?」


赤穂「なっ!?」

如月「……!」
450 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/10(土) 23:21:12.26 ID:EG7Ou81A0
赤穂「どういう事だ!詳しく話せ……つうっ!」

如月「御影さんが殺されそうだと……しかしそれをあなたが伝えに来る目的はなんですか?」

モノクマ「困る事って言ったでしょ?このまま御影さん達が死んだらお楽しみがお預けになっちゃうんだよね!」

如月「お楽しみ……いえ、それより御影さん【達】ということは危ないのは彼女だけではないんですね?」

モノクマ「うぷぷ、とにかく伝えたからね。止められるなら止めといてよ、せっかくのコロシアイなんだからさ!」

赤穂「っ……牡丹!」

早く助けに行かないと……!

如月「赤穂さん、気持ちはわかりますが落ち着いてください。あなただって怪我をしているんですよ」

赤穂「でも……!」

如月「ここは僕が行ってきます。必ず御影さんは助けますから」

赤穂「……」

如月「いいですか、絶対にコテージにいてください」

バタンッ

赤穂「……」

コテージにいろ、か。

赤穂「そんなの、はいそうですかなんて聞けるわけないだろ……!」

牡丹は俺の妹なんだ。

妹が危ないのに、コテージに籠ってなんていられるか……!
451 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/10(土) 23:44:45.04 ID:EG7Ou81A0
【中央の島】

赤穂「モノクマのお楽しみは、きっと学級裁判の事だ……」

つまり牡丹は今殺されそうで、なおかつ学級裁判が起きない状態にある……!

赤穂「それはきっと、死体が見つからないって事だ」

死体が3人以上に見つからないと捜査が、ひいては学級裁判が始まらない。

犯人はそれを狙ってるはず……

赤穂「どうすればそんな事が出来るんだ……」

可能性としては、生きたまま海に流されてるか……

いや、だけど海に流されたならいくら如月さんでも助けるのは不可能だ。

赤穂「じゃあ他に方法があるのか……だけど今まで見た中でそんな事が出来る施設なんて……んっ?」

新しい島が……まさかここか!

赤穂「違ってたらもう間に合わない……だけど可能性が一番高いのはここだ……!」

牡丹、ここにいてくれよ……!
452 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/11(日) 00:07:51.56 ID:eO91joDA0
【第3の島・オータムアイランド】

「はあああっ!」

赤穂「っ、これは如月さんの声……!」

間違いない、牡丹はここにいる……!

【モノクマフラワー】

赤穂「牡丹!」

如月さんの声を頼りに進むと、あのコロシアイ学園生活でも見たモノクマフラワーがグネグネと動いていた。

その根元には、倒れてる牡丹と兵頭。

そして2人に向かって伸びる触手を蹴散らす如月さんがいた。

如月「さすがに2人守りながらの離脱は難しいですか……!」

赤穂「っ!」

如月さんは触手の相手で精一杯か……だったら俺がやるしかない!

ヒュッ!

赤穂「なっ!?」

モノクマフラワーに向かって歩き出した瞬間、俺の杖が触手に弾き飛ばされて、支えをなくした俺はその場に倒れてしまう。

赤穂「くっ……!」

腹から何かが流れた感覚。

傷口から、また血が……だけど構ってられるか!

赤穂「くそっ……」

腕と片足の力で這うように進む。

だけどそんな俺を嘲笑うかのように、牡丹が触手に捕まって、持ち上げられた。

如月「しまった!くっ……そんなに餌を奪われたくありませんか!」

勢いづいたのか兵頭にも群がる触手を如月さんが相手する間に、牡丹はどんどん口の部分に連れていかれて。

赤穂「くそっ!くそっ!動け、こんな時ぐらい動けよ!」

妹が目の前で喰われそうになってるのに、なんで俺は倒れて這ってるんだ!?

如月さんみたいに戦えとは言わないから、せめて普通に立てよ赤穂政城!

ヒーローなんだろ、だったら火事場の馬鹿力でもなんでも出して立ち上がれよ!

立って牡丹を助けろよ、兄貴だろ俺は……!

赤穂「やめろっ……牡丹を返せよっ……!」

赤穂「やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

俺の叫びもむなしく、牡丹の身体は花の中に運ばれ…………
453 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/11(日) 00:08:58.76 ID:eO91joDA0






道掛「牡丹ちゃんを離せよ!このデカブツ!」






454 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/11(日) 00:29:51.50 ID:eO91joDA0
その瞬間、何かが俺の上を飛んで触手の上に乗った。

そのまま触手を器用に昇ると、牡丹の身体を奪って降りてくる。

ようやく認識できたそれは自転車。

道掛が自転車で触手を走って、牡丹を助けたんだ。

道掛「如月、牡丹ちゃんは助けたぜ!お前も早く千ちゃんを!」

如月「わかりました!」

道掛が自転車で走っていくのを追いかけるように、如月さんも兵頭を抱えてモノクマフラワーから離れていく。

どうやら2人は俺に気付いてなかったみたいだ。

あれだけ叫んでも、俺はその声すら届かなかった。

赤穂「……」

俺は妹を助けるどころか。

赤穂「はっ、ははっ……」

目の前で死にそうな妹をただ見ていることしか出来なかった。

赤穂「……」

飛んだ杖を拾って、立ち上がる。

腹から滲んだ血が地面を赤く濡らしてるのに、何も感じない。

モノクマフラワーも興味をなくしたみたいに、俺に襲いかかったりはしてこなかった。

赤穂「……」

何がヒーローだよ。

赤穂「俺は……」

妹を守れない、ヒーロー、そして兄失格の大馬鹿野郎だ。

例えようもない虚脱感を胸に、俺はその場を後にした。
455 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/11(日) 00:30:52.43 ID:eO91joDA0
本日はここまでで。
456 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/17(土) 23:59:31.45 ID:Ty3sNzhA0
今日は無理なので明日にずらします。
457 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/18(日) 22:13:32.94 ID:3OeVvG3A0
【病院】

赤穂「……」

あれから俺はマップを頼りに病院にやってきた。

殺されかけたなら、コテージに連れていくよりここに来るはずだから。

如月「……赤穂さん、コテージにいてくださいとお願いしたはずですが」

病院のロビーにいた如月さんにそんな事を言われたけど、正直今の俺はその言葉に何かを返す余裕もない。

如月「その血……傷口が開いていますね。今包帯を」

赤穂「牡丹は」

如月「……」

赤穂「牡丹は無事なんですか」

如月「頭を殴られたようですが、命に別状はないようです。今は病室で寝ていますよ」

赤穂「……」

如月「……何かありましたか?どうも、コテージで別れた時とは様子が違いますが」

赤穂「……ちょっと」

言えない、妹を助けようとして何も出来なかったなんて。

その事で牡丹に謝りたいだなんて、言えるわけなかった。
458 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/18(日) 22:23:42.19 ID:3OeVvG3A0
道掛「おっ、赤穂も来たのか!ってどうしたんだよその血!?」

赤穂「道掛……」

如月「赤穂さん?」

俺は道掛に近寄るとその肩を掴む。

道掛には絶対に言わなきゃいけない事があるんだ。

道掛「待っ、赤穂なんか怖えって!?誤解だ、俺は牡丹ちゃんに何もしてな……」

赤穂「ありがとう道掛……」

道掛「はっ?」

赤穂「牡丹を助けてくれてありがとう……」

道掛「あー……如月、話したのかよ。別に話さなくていいって言ったのに」

如月「……」

道掛「如月?」

如月「そうですか。あなたは……」

赤穂「ありがとう、ありがとう……!」

道掛「……?」
459 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/18(日) 22:47:06.77 ID:3OeVvG3A0
道掛にお礼を言っている内に、他のみんなも駆けつけてきた。

俺は遠見と土橋に大目玉を喰らって、治療と説教を同時に受ける事になる。

そして……牡丹と兵頭が目を覚ましたのはそんな説教が終わった頃だった。

【御影と兵頭の病室】

佐場木「早速で悪いが話を聞かせてもらうぞ。何があった?」

兵頭「私達はこの島を調査していて、最後にこの病院に来ました」

兵頭「そこで御影さんが傷薬を探し始めまして、私はそれを見ていたんです」

兵頭「そして御影さんが傷薬を見つけた直後に……私は衝撃を受けて倒れたんです」

御影「……私がそれを見て兵頭に駆け寄ったら、物陰から誰かにいきなり殴られたんだよ」

佐場木「そしてモノクマフラワーの側に運ばれたわけか」

遠見「佐場木殿、これはおそらく」

佐場木「間違いないだろうな」

赤穂「……」

なんだ、佐場木と遠見が何か目配せしてるぞ……
460 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/18(日) 23:03:44.39 ID:3OeVvG3A0
六山「2人は何か知ってるの?」

佐場木「それについては後だ。とにかく今回の件についてだ」

遠見「犯人は御影殿と兵頭殿をモノクマフラワーに補食させ死体を消すつもりだったようでありますな」

土橋「それだけじゃないよ!2人を襲ったのって、政城を撃ったのと同じ奴でしょ!?」

赤穂「……多分な」

苗木「じゃあ犯人はこの短い間に3人も殺すつもりだったって事!?」

如月「いえ、それ以上だと思います。モノクマフラワーに補食させた場合、死体が見つからない事から学級裁判は行われないようなので」

道掛「はあっ!?そんなのアリかよ!?」

佐場木「学級裁判を行わずして俺達を消す。どうやらよほど俺達に死んでほしい存在がいるようだ」

ジェニー「えとえと、シリアルキラーて事です?」

道掛「そんなの相手にどうしたらいいんだよ……このまま黙って皆殺しなんて冗談じゃ……!」

モノクマ「そうだね!そんなのつまんないよね!」
461 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/06/18(日) 23:24:06.34 ID:3OeVvG3A0
道掛「うおわあっ!?」

鞍馬「出ましたね」

モノクマ「いやいや、本当に今回は困ったね」

モノクマ「危うく学級裁判のセットとかおしおきの装置とかが無駄になっちゃう所だったよ!」

如月「……そんな戯れ言を言いに来たんですか」

モノクマ「もちろんそれだけじゃないよ!本題はここから!」

モノクマ「今回の件を受けて、ボクは新しいルールをここに追加します!」

ピピッ!

【同一のクロが殺せるのは2人までとします】


佐場木「皆殺し防止のルールか」

モノクマ「そういう事!2人までは良しとするけどそれ以上殺したらおしおきしちゃうよ!」

モノクマ「うぷぷ、これで健全にコロシアイが出来るね!」

遠見「コロシアイに健全も何もないであります……」

六山「まあ、皆殺しがなくなっただけよしとするしかないよ……あっ、レベル上がった」

皆殺しか……

モノクマがわざわざ新しいルールを追加したなら黒幕以外にそれを企んでる人間がいるって事なんだよな……
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