【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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102 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 21:07:11.82 ID:GEV5xk8AO
【赤穂のコテージ】

赤穂「……」

夜のアナウンスが流れてもう1時間くらい経つ。

だけど俺は未だに眠る事が出来ずにいた。

赤穂「……」

あの時、危うく誰かが殺されかけて。

それを如月さんは誰1人欠けさせる事なく終わらせてみせた。

【超高校級のヒーロー】……如月さんはこれからもその名に恥じない生き方をしていくんだろう。

赤穂「……」

なら俺は?

俺は【超高校級のヒーロー】として何が出来るんだ?

赤穂「……はあ」

少し外に行くか……風でも当たって気分を切り替えよう。
103 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 21:35:14.37 ID:GEV5xk8AO
【ホテルミライ・プールサイド】

赤穂「星が凄いな……」

日本にいた頃は青空や星なんてまるで見る機会がなかった。

それはそれだけ余裕がなかったのもあり、絶望達の爪痕が空からそういったものを消してしまったからでもある。

赤穂「だけど……少し離れればまだこんな空は広がってる」

俺には【超高校級のヒーロー】なんて大それた肩書きだけど……少しであの赤茶けた空をこの空みたいに戻るように出来れば。

赤穂「……少し難しく考えすぎてたな」

戻ろう、そう思って俺は夜空を見上げていた顔を戻し――
104 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 21:36:30.91 ID:GEV5xk8AO






赤穂「…………っ!?」






105 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 21:44:02.91 ID:GEV5xk8AO
再び空を見上げる。

月や星は相変わらず輝いていて、何も変わってない。

赤穂「なんだ今の……」

だけど今強烈な違和感……そう、違和感を確かに覚えた。

まるで間違ったピースを無理やりはめて作ったパズルを見せられてるような……

赤穂「……」

だけどその違和感がまた芽を出す事はなく……

赤穂「気のせい、だったのか?」

俺は首をかしげながら、コテージに戻るしかなかった。
106 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 22:04:23.59 ID:GEV5xk8AO
【4日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「……」

結局あの違和感が気になってほとんど眠れなかったな……

だけどいくら考えても何がおかしいのかはわからなかった。

赤穂「ああ、ダメだダメだ!明日はパーティーなんだし頭を切り替えないと……」

きっと気のせいだったんだろうなと首を振る。

赤穂「よし、とにかく今は牡丹を迎えに行こう」


――――


御影「……おはよ」

赤穂「なんだ、外で待ってたのか」

御影「いちいちコテージに乗り込まれるのもアレだし」

赤穂「まっ、待っててくれたって事は嫌がられてる訳じゃないみたいで良かったよ」

御影「……別に。先に行って兄貴が待ちぼうけしてるのもかわいそうなだけだし」

赤穂「そうかそうか」

全く素直じゃないな……
107 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/13(土) 22:41:15.84 ID:GEV5xk8AO
赤穂「懇親会の準備は順調なのか?」

四方院「えぇ。会場もだいたい目星をつけました」

静音「どうだ!奏はパーフェクトだから2日あれば凄いパーティーが出来るんだぞ!」

四方院「ふふ、ありがとう凪」

静音「それにこのぼくと奏の特別演奏会があるんだから、他の何がなくても成功するに決まってるよ!」

赤穂「特別演奏会?」

四方院「懇親会の時わたくしと凪で演奏をしようと思いまして」

静音「奏ならぼくの指揮がなくてもパーフェクトな独奏出来るんだぞ!」

四方院「そんな事ありません。凪の指揮はわたくしにとって欠かせないものですわ」

静音「そうなの?」

四方院「えぇ、だから懇親会の時も素晴らしい指揮をお願いしますわ」

静音「えへへ、奏がそう言ってくれるならぼく頑張る!」

本当に仲がいいなこの2人は……
108 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/16(火) 22:57:30.47 ID:j66ykSxAO
今日もみんなは明日のパーティーに向けての準備をしているらしい。

俺は見回りも兼ねて様子を見る事にした。

赤穂「あれは……遠見とグレゴリーか?」

グレゴリーが遠見に何か渡してるみたいだけど……

グレゴリー「祭宴に向けて我が天具を授けよう……さあ千里眼の担い手よ!封印から解き放つがいい!この雲裂き海を割る恵みの刃を!」

遠見「……ただの包丁に見えるのでありますが」

グレゴリー「甘い!甘いぞ千里眼の担い手よ!この恵みの刃は我が秘術によって時空間をも両断する魔剣なのだ!」

遠見「えー……つまりはよく切れる包丁でありますか?」

グレゴリー「然り!故に神からの恵みを儀式の器に捧げ振るった時……器さえも暗黒の彼方へと消し飛ばす!!」

遠見「それまな板も切れるって事でありますか!?」

グレゴリー「ふっ……千里眼の担い手も我が天界の言霊が視えるようになってきたようだな」

遠見「そんなの使えるわけないでありましょうが!」

グレゴリー「なん、だと……」

赤穂「……遠見、大丈夫か?」

遠見「赤穂殿!グレゴリー殿を何とかしてほしいのであります!」

グレゴリー「ええい、ならば時空転移を引き起こす冷気の宝物庫か灼熱の力を持ちし鍋はどうだ!」

赤穂「どれもこれも危険な匂いしかしない……!?」

遠見「却下に決まっているであります!」

グレゴリー「なんと……!」

グレゴリーが目に見えて落ち込んでるけど……まあ、しかたないよな。
109 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/16(火) 23:29:08.10 ID:j66ykSxAO
あれからグレゴリーの天具……もとい危険物は佐場木と遠見によって回収された。

赤穂「なんなんだよ、冷蔵と冷凍が入れ替わる冷蔵庫とかバーナー内蔵型の鍋って……」

冷蔵庫の方なんてどこかの街に大型の物があるらしいし。

六山「むにゃむにゃ……」

まだ危険物がないか見ると佐場木と遠見に引きずられていったグレゴリーの事を思い返してると、砂浜のヤシの木にかかったハンモックで六山が寝ているのを見つけた。

六山「んー……むにゃ」

赤穂「……」

また随分と気持ちよさそうに寝てるな……

六山「んっ……大丈夫……もっとゲーム……ぐぅ」

夢の中でもゲームか……六山らしい、のか?

六山「……んう?」

赤穂「あっ、悪い。起こしたか?」

六山「あれ……あー…………そっか、夢か」

六山はキョロキョロと辺りを見回して今の状況を思い出したのか、露骨にガッカリしている。

赤穂「ゲームの夢でも見てたのか?」

六山「そうだよー。せっかく長年続編を待ち望んでたゲームの続編発売日だったのに……」

赤穂「あー、それは確かにガッカリするか」

六山「世の中ままならないよね。続編が欲しいゲームに限って出ないし、ハッピーエンドのゲームをわざわざバッドエンドの続き設定で続編出したり」

赤穂「……六山?」

なんか様子が……

六山「他にも露骨に裏側の意図が見えてるやつとか攻略できないキャラクターに限って魅力的なやつとか……」

もしかして、まだ寝ぼけてるのか!?

赤穂「お、おい六山……」

六山「だいたい―ー」

…………

六山「んっ……?そっか、わたし寝てたんだっけ……あれ?」

赤穂「……」

六山「赤穂くんどうしたの?顔色悪いよ」

赤穂「い、いや……ちょっと愚痴を聞いててな」

六山「そうなんだ?」

赤穂「あ、ああ」

……覚えてないのか。

あれだけの言葉の洪水を浴びせかけて……

なんか、脱力感が……
110 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/20(土) 22:09:48.15 ID:oFUsg17AO
【港】

鞍馬「……」

赤穂「んっ?」

鞍馬の奴、あんなところで何してるんだ?

赤穂「鞍馬」

鞍馬「なんでしょうか?」チクチク

赤穂「いや、何をしてるんだ?」

鞍馬「ぬいぐるみの作成です」

赤穂「ぬいぐるみ……そのウサギみたいなやつか」

鞍馬「ウサミです。未来機関のマスコットになる予定だとか」

赤穂「マスコット……」

正直このウサミとやらを見てると、モノクマの影がちらつくんだが……

赤穂「もしかして、前にマーケットで探してたのってこいつを作るための材料とかか?」

鞍馬「そうです」チクチク

赤穂「……」

鞍馬「……」チクチク

会話が続かない……鞍馬は長い髪で表情がわかりにくいし、なんかなに考えてるかよくわからないからな……

鞍馬「……出来ました」

でも牡丹の事といい、悪い奴ではなさそうだ。

鞍馬「ノルマは後10体ですか」

……変わった奴ではあるけど。
111 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/20(土) 22:42:27.29 ID:oFUsg17AO
【ロケットパンチマーケット】

鞍馬の作業を邪魔するわけにもいかずマーケットに行くと佐場木が不機嫌そうにケースを台車に乗せていた。

佐場木「グレゴリーめ……よくもあれだけの危険物を」

赤穂「回収は終わったのか?」

佐場木「赤穂か……奴のコテージにあった物は押収した。これからこのケースに入れて保管する」

赤穂「4つのケースってそんなにあったのか……」

佐場木「あの男は一度思い付くとそれがどんなものであれ、作らずにはいられないようだ」

赤穂「全部自作なのか!?」

佐場木「そのためだけにあらゆる分野のプロに弟子入りしていたようだな。全く呆れるほどの情熱というべきか」

赤穂「……」

情熱というなら佐場木も相当だけどな……

如月「おや、赤穂さんもいましたか」

赤穂「き、如月さん!?」

佐場木「……その言いぐさからして俺に用か」

如月「遠見さんから聞きました。佐場木さんが危険物を保管するケースを取りに行ったと」

佐場木「……余計な事を」

如月「お手伝いしますよ。僕達は仲間なんですからね」

如月さん、佐場木に敵意向けられてるのに……さすがヒーローだ。

佐場木「仲間?はっ、笑わせるなよ」

赤穂「お、おい佐場木」

佐場木「俺は貴様を仲間などと認めるつもりはない」

佐場木「いい機会だ、はっきり言ってやる如月怜輝……俺は必ず貴様を地獄に叩き落とす」

佐場木「法の裁きでな!」

佐場木は如月さんを睨み付けると、台車を押してマーケットから出ていってしまった。

如月「……まいりましたね。どうやら僕は嫌われてしまっているみたいだ」

赤穂「……如月さん」

如月「すみません、赤穂さんにも嫌なものを見せてしまいました」

赤穂「き、気にしないでください!俺にとっては如月さんは憧れのヒーローですから!」

如月「……ありがとうございます赤穂さん。そう言ってくれるだけで僕は救われますよ」

赤穂「そ、そんな救いだなんて……」

如月さんにそう言われるなんて……感激だ!
112 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/20(土) 23:10:21.29 ID:oFUsg17AO
【赤穂のコテージ】

如月さんとしばらく話してから俺はコテージに戻っていた。

赤穂「はあ……」

どうして佐場木はあんなに如月さんを敵視するんだ?

俺には全くわからない。

「……!」

赤穂「んっ?」

誰か外で騒いでるのか?

【ホテルミライ】

道掛「だからさ、俺としては清く正しい恋愛ってマジ大事だと思うわけよ!」

苗木「青春だから?」

道掛「そういうこった!」

道掛と苗木か……2人はプールに足だけつけて雑談してるみたいだな。

道掛「だけどここの女の子って可愛い子ばっかだから、俺としても誰にアタックしようか迷うんだよなぁ」

苗木「あはは……それは大変だ」

道掛「苗木もそう思うか!?だよな、可愛い子に囲まれるのも困っちゃうよな!」

苗木「あはは……」

道掛「俺としてはなぁ……やっぱり牡丹ちゃんが気になるんだよなぁ」

は?

苗木「ああ、それはなんとなくわかるかも」

は?

道掛「あの儚げな雰囲気!それでも赤穂の前では気の強い妹でいようとするいじらしさ!何より可愛い!」

は?

道掛「よっしゃ、俺は決めた!牡丹ちゃんにアタックす……」

赤穂「牡丹になんだって?」

道掛「うおわっ!?」ザバァン!

苗木「み、道掛クン!」

全く、油断も隙もあったもんじゃない……!
113 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/20(土) 23:27:35.52 ID:oFUsg17AO
【ホテルミライ・レストラン】

御影「あのさ……近いよ兄貴」

赤穂「気にするな。お前のためだ」

御影「いや、意味わかんないって」

赤穂「いいからいいから」

御影「よくないよくない」

いつ牡丹に毒牙がかかるかわかったもんじゃない……兄としては心配だ。

兵頭「……どうしたんですか?ずいぶん距離が近いですけど」

赤穂「ちょっとな」

御影「わけわかんないって……」

兵頭「ああ、なるほど。私にはわかるかもしれません」

御影「えっ、この兄貴の奇行が?」

兵頭「お2人は何年かぶりに再会したんでしょう?だから赤穂さんは御影さんに構いたくてしかたないんじゃないですか?」

赤穂「なっ……」

御影「えっ、マジで?」

赤穂「い、いや違うぞ兵頭!俺はただ悪い虫がつかないようにだな」

兵頭「なるほど、そういう理由でしたか」

はめられた!?

御影「悪い虫?」

赤穂「何でもない!牡丹は気にしなくていいからな!」

御影「いや、気にするって……」

兵頭「ふふっ、お兄さんは大変という事ですよ御影さん」
114 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/20(土) 23:56:47.36 ID:oFUsg17AO
【ホテルミライ・ロビー】

土橋「えーと……」

津浦「そこはですね……」

土橋と津浦が耳にイヤホンを片方ずつつけながら何か話している。

時々2人が英語を口にしているのが聞こえるから、多分勉強か?

土橋「いやあ、難しいなぁ!もっと勉強しとけばよかったかも」

津浦「会話となると授業で習うものとは違うポイントが必要になる場合もありますから」

土橋「そうかぁ」

赤穂「勉強してるのか?」

津浦「Mr.赤穂。はい、ここが拠点となるなら海外の方々と話す機会も増えるだろうからと」

土橋「その時にいちいち琴羽に頼るわけにもいかないしね」

赤穂「ああ、それもそうだな……」

津浦「Mr.赤穂もよろしければ日常会話ならお教えしますよ?」

うーん……この先の事を考えたら確かに必要になるか。

赤穂「それじゃ、俺も教えてもらおうかな」

土橋「アタシも頑張らないとね!」

津浦「それではまずは……」

その後津浦に英会話を習った。

慣れない事したから頭が痛いな……
115 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 21:35:12.96 ID:RIn6K8jAO
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「いよいよ明日が懇親会か……」

色々あったけど、この4日間俺達は特に問題なく過ごせてると思う。

赤穂「懇親会がうまくいくように頑張らないとな……」
116 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 21:55:12.19 ID:RIn6K8jAO
【5日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「よし、行くか!」

【ホテルミライ・レストラン】

四方院「皆様おはようございますわ。いよいよ本日未来機関第二十支部懇親会を開催いたします!」

兵頭「会場はどうなさるんですか?」

四方院「港に1つちょうどいい倉庫がありましたの。あそこを使わせてもらいますわ」

薄井「倉庫って、オイオイ……」

静音「むっ!薄井、そんな風にしてて後からギャフンってなっても知らないからな!」

薄井「へいへい」

四方院「開始時間は7時頃を予定しています。それまでの間、料理や飾り付けをしたいと思いますので手伝ってくださる方は港に来てください」

道掛「よっしゃ!俺も最終調整といきますか!」

ジェニー「ボクもがんばりますです!」

みんな張り切ってるな……俺も出来る事はしないと――
117 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 21:55:52.47 ID:RIn6K8jAO






キーン、コーン、カーンコーン…






118 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 22:04:02.70 ID:RIn6K8jAO
苗木「えっ、こんな時間にチャイム?」

モノクマ「うぷぷぷ、オマエラ今すぐ中央の島にある第二十支部に集合してください!」

土橋「ちょっとちょっと……今度は何する気よ」

佐場木「コロシアイ学園生活を思い出せば想像はつくがな」

津浦「このタイミングで動機を……!?」

グレゴリー「ふむ、絶望の化身が行使する鍵としては妥当ではある」

六山「えっと、とにかく行こう。この前みたいな事言われたらたまらないよ」

静音「うっ、震えが……奏ぇ」

四方院「大丈夫です凪。もうあんな事にはさせませんわ」

遠見「それでは行くとするでありますか」

赤穂「そうだな」

動機……いったい何をしてくるつもりなんだ?
119 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 22:25:00.80 ID:RIn6K8jAO
【未来機関第二十支部】

モノクマ「お待たせー!きちんと集まってるみたいだねオマエラ!」

道掛「こちとら忙しいってのに!何の用だクマ!」

モノクマ「クマじゃなくてモノクマ!間違えないでよね!」

如月「いいから早く話してください。どうせろくな事ではないんでしょうが」

モノクマ「せっかちだなぁ……わかったよ、さっさと本題に入るよ……」


モノクマ「オマエラの中に裏切者がいまーす!」


赤穂「……は?」

モノクマ「オマエラってほとんどが第八十期……未来機関第一期生なわけだけどさ」

モノクマ「実はなに食わぬ顔して紛れ込んでる大嘘つきがいるんだよ!」

兵頭「大嘘つき……」

モノクマ「うぷぷ、でも誰かはオマエラにはわかんないよね?オマエラはコロシアイ学園生活の教訓から各支部で指導されてきた……同期生と言っても今まで顔すら知らなかったんだから!」

御影「それは……」

モノクマ「あっ、それともう1つ」
120 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 22:35:02.06 ID:RIn6K8jAO






モノクマ「このコロシアイ研修旅行は未来機関によるテストでも新世界プログラムでもありません!」






121 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 22:49:42.07 ID:RIn6K8jAO
四方院「っ……!」

静音「な、何を言ってるんだ!奏が間違えたって言うのか!?」

モノクマ「うぷぷ、四方院さん自身本当にここが新世界プログラムだなんて思ってたのかな?」

静音「えっ……」

四方院「……」

佐場木「ちっ、今まで訂正しなかったのは懇親会というこの日を狙っていたな……」

道掛「ちょっと待ってくれよ!えっ、マジで……俺達コロシアイやらされてん、のか?」

鞍馬「そういう事ですね」

土橋「でもここは未来機関の支部だよ!?どうやって……」

モノクマ「未来機関は今それどころじゃないからねー!だって……おっとこれはオフレコだった!」

津浦「まさか、ワタシ達だけでは……ないんですか!?」

モノクマ「どうだろうね!コロシアイしたら教えてあげよっかなー!」

グレゴリー「絶望の化身、貴様……!」

モノクマ「それではオマエラ!改めてリアルとわかったコロシアイ研修旅行を楽しんでください!」

モノクマ「アーハッハッハッハッハ!!」
122 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 23:26:35.13 ID:RIn6K8jAO
六山「このコロシアイがリアル……」

薄井「未来機関がそれどころじゃねえってどういう事だよ……!」

赤穂「くそっ……!」

モノクマの奴、よりによってこのタイミングで……!

佐場木「……四方院」

四方院「……わかってますわ。これでは、懇親会どころではありません」

苗木「中止って事……?」

遠見「仕方ないでありましょう……」

土橋「そうだね……色々落ち着いて考えたいし」

鞍馬「……」

俺達は改めて突きつけられた今の状況に混乱していた。

確かに、こんなんじゃ懇親会どころじゃ……
123 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 23:29:40.90 ID:RIn6K8jAO






静音「……ぼくはやる」






124 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/21(日) 23:47:11.56 ID:RIn6K8jAO
四方院「凪……?」

静音「奏どうしちゃったの!?このコロシアイが本当なら、ぼく達はもっともっと仲良くならないといけないからパーティーやるっていつもの奏なら言ってるはずなのに!」

四方院「それは……しかしこの状況では」

静音「大丈夫だよ奏!奏の考えたパーティーやったらきっと誰もコロシアイなんて出来なくなるって!」

四方院「……」

静音「ぼく、準備あるから行くよ!奏、待ってるからね!」タタタッ

赤穂「静音……」

ジェニー「ナギ、すごいです」

兵頭「現状を重く受け止めてないとも言えますが……」

道掛「……だけど俺には響いたぜ!確かにこんな時に暗くなってなんていられねえよな!」

苗木「それじゃあ道掛クンも?」

道掛「おう!凪ちゃんと2人だけでもパーティーやるぜ!」

苗木「あはは、それは無理だよ。ボクを入れて最低でも3人だからね」

静音の言葉に同調する奴が出始める。

それは俺も例外じゃない。

こんな時だからこそ、懇親会をやるべきなのかもしれないって思ったからだ。

赤穂「……いいや、4」

御影「5人、だね」

赤穂「えっ?」

御影「私強制参加なんでしょ?それじゃ、行くしかないじゃん」

赤穂「牡丹……お前って奴は!」クシャッ

御影「髪がグシャグシャになるからやめてってば……」
125 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 21:46:43.33 ID:FQAAxuLA0
如月「四方院さん」

四方院「……」

如月「僕は静音さんの気持ちを汲みたいと思います……あなたはどうしますか?」

四方院「……凪にあそこまで言われて、それを裏切るなんてわたくしには出来ません」

四方院「皆様申し訳ありません。わたくしはやはり懇親会を決行したいと思います」

四方院「皆様に無理強いはいたしません。ですがもしよろしければ……来ていただけると嬉しいですわ」

四方院さんは一礼すると静音を追いかけていく。

佐場木「……ふん、勝手な事を言う奴らだ」

赤穂「おい佐場木……」

佐場木「そのために危険物を管理するのは俺達だというのに……遠見、予定通りにやるぞ」

遠見「わ、わかったであります……」

兵頭「どうやら、佐場木さんも懇親会をお手伝いしてくださるみたいですね」

グレゴリー「絶望の化身よりまかれし絶望の種、しかしそれをまた打ち払う事も我らなら容易い……ならば真実への扉は1つのみ!」

ジェニー「パーティーやるです!ボクいっぱいいっぱい頑張ってスマイルを届けます!」

土橋「……この際何も考えられなくなるぐらい騒ぐのもありかな!」

六山「それじゃ予定通り、パーティーだね」

薄井「やるしか、ねえか」

津浦「皆さんは強いですね……ワタシは未だに混乱してます」

土橋「全員同じだって。だけどさ、悪い事ばかり考えてもしかたないでしょ?」

津浦「しかし……」

土橋「モノクマの思い通りになるのも癪だし、ね?」

津浦「……そうですね、そうかもしれません」

みんな懇親会をやる方向で固まったみたいだな……


鞍馬「…………」スタスタ……
126 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 22:12:23.30 ID:FQAAxuLA0
【港・第三倉庫】

赤穂「ここが会場か……」

広さは確かにあるな……テーブルとか持ち込めば問題はなさそうだ。

だけど窓がないから暗いな……

静音「なんだ、来たのか」

奥にいたらしい静音が俺を見て寄ってくる。

四方院さんが先に来たはずだけど……いないのか?

赤穂「全員参加だよ。みんな静音に感化されたみたいだ」

静音「ふーん……ああ、それよりちょっとそこにあるスイッチ押して」

赤穂「これか」

入り口の横にあるスイッチを押すと倉庫が明るくなる。

とはいっても、やっぱり少し暗いな。

静音「うーん、奏の言った通り照明持ってきた方がいいかな」

赤穂「照明?」

静音「マーケットに電気スタンドあるだろ」

赤穂「……あったかそんなの?」

四方院「ありましたわ」

静音「奏!」

四方院「ありがとう凪。貴女のおかげでこの四方院奏はまた立ち上がりました」

静音「えへへ」

赤穂「それが照明か?」

四方院さんが持ってきた台車には大小3つぐらいの電気スタンドが並んでいた。

……だけどこのスタンドガラス製っぽいのになんか大きいな。

四方院「ブレーカーの関係でこれしか使えないみたいですの。電源はコンセントが奥にあるようですわね」

赤穂「どれどれ……」

一番小さな照明……それでも高さ2メートルはあるやつだ。

それについたコードを持って奥に行くとコンセントの穴が確かにあったから差し込む。

するとパッと倉庫が明るくなった。

静音「わあ、明るい!これが3つあるなら十分だね奏!」

四方院「ふふ、そうですわね」
127 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 22:33:24.86 ID:FQAAxuLA0
苗木「……あれ?」

スタンドの電球が1つ切れかかっていたからマーケットに向かうと、苗木が首を傾げていた。

赤穂「どうした?」

苗木「あっ、赤穂クン。いや、なんかガラスの壺とか置物がなくなってるんだよね」

赤穂「そうなのか……誰かが倉庫に持っていったのか?」

苗木「ああ、倉庫だけあって殺風景だもんね……じゃあ問題ないか」

赤穂「なんだ、見張りでもしてたのか?」

苗木「あはは、ちょっとした自主休憩だよ」

赤穂「おいおい、サボりか?」

苗木「ごめん!見逃して!」

赤穂「はあ……ほどほどにしとけよ?」

苗木「もちろん!あと少しにしとくよ!」

いや、出来れば見つかった時点でやめてほしいんだけどな。
128 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 22:47:34.18 ID:FQAAxuLA0
土橋「えーっと、後は……」

グレゴリー「土塊の錬成師よ!今すぐ思考の波をせき止めるのだ!そしてこの天界の囀りを……」

土橋「却下、というか邪魔」

グレゴリー「ぐ、ぐううう……冷気の障壁を張られたか!」

赤穂「何してるんだいったい……」

土橋「凪と奏が演奏やるからちょっと木材で簡単なステージをね」

グレゴリー「演舞の祭壇ならばやはり地より這い出す異世界のゲートを錬成するべきではないか!」

土橋「そんなもの作ってたら間に合わないって言ってんの!」

多分グレゴリーは舞台の奈落を作りたいんだな……まあ、あの対応だと無理っぽいけど。
129 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 23:11:12.45 ID:FQAAxuLA0
結局土橋にグレゴリーの案は全部却下され、木で出来た長方形のステージが完成した。

コンセントの関係上奥に置かれたそのステージの両サイドに大きめの電気スタンドを置く。

小さな電気スタンドは中心に置いて、それを囲む形でテーブルを置いていく。

そうして準備に追われて……気がついたらもうすぐ開始時刻の夜7時だった。

赤穂「……で、これはなんなんだ?」

四方院「カスタネットですわね」

赤穂「まさか俺に鳴らせっていうのか?」

四方院「えぇ、凪の指揮を生かすにはやはりわたくし1人というのも味気ありませんし」

赤穂「いや、だからといって俺1人増えても……」

四方院「ご安心くださいな。苗木さんにトライアングルをまかせてますので」

いいのか、それで……
130 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 23:28:56.17 ID:FQAAxuLA0
赤穂「……んっ?」

なんか揉めてるのか……?

佐場木「……テーブルにあるこのガラスの置物や壺は誰が持ち込んだ?」

道掛「俺だけどなんかまずかったか?」

佐場木「割れれば……いや、これそのものも凶器になるだろう」

兵頭「そこまでするんですか?」

佐場木「仮にも動機のような物を出された後。警戒はするべきだ」

薄井「あんなに身体検査までしといてそこまでする必要あんのか?」

遠見「佐場木殿、割れないように見張れば大丈夫でありますよ。自分がしっかりと見張るでありますから!」

佐場木「……ならいいがな」スタスタ

道掛「なーんかピリピリしてるよな佐場木」

如月「佐場木さんは責任感が強いんでしょうね。このコロシアイ研修旅行……誰も死なないように気が張ってるんでしょう」

道掛「なるほどねぇ」

赤穂「……」

うーん、あんなに警戒して佐場木は楽しめるのか……?
131 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/25(木) 23:48:13.42 ID:FQAAxuLA0
御影「もうすぐ7時だね」

赤穂「そうだな。だけど意外だったよ」

御影「何が?」

赤穂「お前が参加するって自分から言い出したのがだよ」

最初はあんなに嫌がってたのにな。

御影「別に……強制だからだし」

赤穂「はいはい、わかってるよ」

御影「ちぇ……あっ」

赤穂「どうした?」

鞍馬「……」

御影「あいつも来たんだ」

赤穂「ああ、鞍馬か。なんだかんだで全員での集まりには参加するんだよな」

御影「ふーん……」

赤穂「なんだ、鞍馬が気になるのか?」

御影「……ちょっとだけ、ね」

赤穂「えっ、嘘だろ!?」

御影「いや、兄貴は気になんないの?あいつの才能」

赤穂「……ああ、そういう話か」

鞍馬の才能か……確かにあいつは才能を話そうとはしないけど……

赤穂「別に気にはならないな」

御影「裏切者かもしんないのに?」

赤穂「だったら適当な才能騙るだろ」

才能を話そうとしないなんて怪しんでくださいって言ってるようなもの。

だから鞍馬は違うと思うんだよな……

赤穂「だいたいそれ言い出したらお前はどうなんだよ」

御影「それは……」

赤穂「というかそうだよ。お前いったい何の才能なんだ?」

少なくとも俺が知る牡丹は運動苦手だし勉強も普通だったよな……?

御影「……ペット」

赤穂「は?」

御影「【超高校級のペット】とか」

赤穂「……」

御影「いや、冗談だからひかないでよ」

赤穂「変な冗談言うなよ……」

冗談。

冗談か、そりゃそうだよな。

……本当に冗談なんだよな?

御影「……」

なあ、牡丹。
132 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/26(金) 00:20:40.73 ID:RBhPKvCA0
次回事件発生します。
絶望編でとうとう生徒会が出ましたがこっちの設定の生徒会はパラレルって事でよろしくお願いします。
133 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/26(金) 21:45:53.66 ID:RBhPKvCA0
そして7時……

四方院「皆様、お待たせいたしました」

四方院「これより未来機関第二十支部懇親会を始めたいと思いますわ!」

四方院「モノクマによるこの状況は決してよきものとは言えませんが……」

四方院「この懇親会で団結を深め、明日からより一層この状況の打開に努めましょう!」

四方院さんのそんな挨拶で懇親会は始まった。

赤穂「みんな楽しんでるみたいだな……」


道掛「うおおお!やっぱり飯がいつもよりグレード高いぜ!」

苗木「み、道掛クン落ち着いて食べないと危ないよ」

六山「うんうん、喉に詰まらせたら大変大変」カチカチ

苗木「六山さんもゲームしながらなんてやめなって!?」

グレゴリー「むうっ!?」

四方院「どうしましたの?」

グレゴリー「堕落をもたらす果実酒がなぜここに!?」

津浦「【これはもしかしてリンゴジュースですか!?】とのことです」

四方院「ああ、確かにそれはリンゴジュースですわね……お嫌いでしたの?」

グレゴリー「ぐうううっ……」

静音「なんだ、だったらこのオレンジジュースならどうだ?」

グレゴリー「その果実ならば問題はない……感謝するぞ鎮魂の指揮者」

静音「ぼくも玉ねぎ嫌いだから気持ちはわかるぞ!」

四方院「凪、それは自慢気に言う事ではありませんわ」


赤穂「……」

一部大変みたいだけどな。
134 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/26(金) 21:59:58.28 ID:RBhPKvCA0
佐場木「…………」

土橋「ねえ、懇親会なのに眉間に皺寄せて壁の花はどうなの?」

佐場木「浮かれているわけにもいかん。ここは敵地と変わらないんだ」

ジェニー「ハンジはスマイル見せてくれないですか?」

御影「やめときなって。ああいうタイプは笑ったら人殺せるほど酷いから」

赤穂「牡丹、さすがに言い過ぎだぞ。佐場木の笑顔が想像出来ないのは確かだけどさ」

佐場木「貴様ら、俺をなんだと思っている」

土橋「日頃から仏頂面だからそう思われるんだよ。ちょっとは笑ってみたら?」

ジェニー「ハンジのスマイル!ボク見てみたいです!」

佐場木「……改まって見せるようなものじゃない」

御影「あっ、やっぱり酷いんだ」

おいおい、牡丹のやつ煽りすぎだぞ……

佐場木「赤穂、貴様は妹にどんな教育をしている……!」

赤穂「い、いや、俺が教育したわけじゃ……ちょっと牡丹こっち来い!」

御影「うわっ、ちょっと兄貴」

佐場木「……」

ジェニー「ハンジ怒っちゃったです……」

土橋「さすがにやり過ぎたね……」

佐場木「笑顔など簡単に…………」

佐場木「ちいっ、笑い方を忘れたか……」
135 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/26(金) 22:17:23.24 ID:RBhPKvCA0
御影「後少しで笑わせられたのに」

赤穂「俺には爆発する予感しかしなかったぞ……んっ?」

薄井「……」

薄井のやつ、上の空みたいだな……あっ、如月さんが……

如月「薄井さん」

薄井「なんだよヒーロー」

如月「せっかくのパーティーなのに楽しまなくていいんですか?」

薄井「外がどうなってるかわかんねえのに楽しめるかよ……付き合いで来てんだからそれでいいだろ」

如月「じゃあ薄井さんはどうするんですか?今は団結してモノクマに立ち向かわなければいけないと僕は思いますが」

薄井「……」

如月「コロシアイに乗りますか?」

薄井「……はっ、アホか。オマエにそんな疑われてる時点で学級裁判なんか乗りきれるかよ」

如月「それは乗らないと捉えても?」

薄井「好きにしろよ……」

如月「それでは話し相手になってください。1人でいるよりは有意義ですよ」

薄井「強引だなオマエ……」

……薄井は如月さんに任せれば大丈夫そうだな。

御影「兄貴どうしたのさ」

赤穂「いや、なんでもない」
136 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/27(土) 22:55:03.33 ID:chbv7ouA0
遠見「異常なしでありますね」

兵頭「遠見さん、飲み物どうぞ」

遠見「感謝であります兵頭殿」

赤穂「見張りなんて大変な役割をよく引き受けたな……交代するか?」

遠見「いえ、自分は慣れてるでありますから適任でありましょう」

御影「あー、慣れちゃうと楽な事ってよくあるしね」

遠見「肯定であります。それにこの会場の入り口で身体検査した時などもっと大変でありました……」

兵頭「ああ、あれですか」

遠見「鞍馬殿や薄井殿は何も語らず雰囲気がキツかったでありますし……」

遠見「道掛殿は自転車で入り、グレゴリー殿は仮面を外す気はないと大騒ぎ……」

遠見「かと思えばジェニー殿がいつの間にやら箱を持ち込んでいる始末」

遠見「本当に大変だったでありますよ」

赤穂「そんな事があったのか……」

遠見「しかしこれもまた何事もなく過ごすためと考えれば……隊長も同じ状況ならこの役割を選んだでありましょうから気合いも入るというもの」

さあ、もう一度見回りであります!と遠見は走っていった。

なんだか頭が下がるな……
137 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/27(土) 23:17:42.36 ID:chbv7ouA0
鞍馬「…………」

赤穂「そんな隅っこで何してるんだ鞍馬」

鞍馬「特に何も」

御影「本当に無愛想なやつだね……私も人の事言えないけど」

鞍馬「…………」

御影「怒りもしないし」

赤穂「……鞍馬、1人でいようとしてると何かあった時孤立するぞ?」

鞍馬「ご心配なく。僕は孤立しようとやっていけますので」スタスタ

御影「……なにあれ」

赤穂「……」

一匹狼なのか、それとも何か理由があるのか……

いるだけでもまだマシなのか……?
138 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 07:49:20.14 ID:CqkxAOnA0
ジェニー「レディースアンドジェントルメーン!」

赤穂「んっ?」

懇親会が始まってから30分……ステージに上がって会釈をしているジェニーにみんなの視線が集中する。

ジェニー「今からボクの芸を披露したいと思いますです!」

ジェニーの隣には土橋が作った木箱がある。

少し大きめの、それでもせいぜいジェニーでも腰まで入るのが関の山だろう大きさの箱。

ジェニー「今からこのボックスに入ってみせますです!」

ジェニーは笑顔でそう言うと、箱の蓋を開けてその中に入った。

さっき言ったように腰までしか入らない箱……だけど。

御影「どんどん箱に入ってるね……」

まるで飲み込まれていくみたいに、ジェニーの身体が箱の中に消えていく。

如月「どうやら身体を上手く曲げて箱の中に入っているようですね」

そしてとうとうジェニーの頭まで箱の中に収まった。

津浦「……大丈夫なんでしょうか?」

グレゴリー「ふむう」

箱からジェニーの腕が出てきてまるでお辞儀をするかのような動きの後、蓋を掴んで箱は完全に閉じられた。

次の瞬間。

道掛「うおっ、回った!」

薄井「ステージを転がってやがる……目回さねえのか?」

土橋「ジャンプまで……あの箱でよく出来るなぁ」

ステージを縦横無尽に動き回る箱に俺達は目が離せない。

しばらくして箱は段々と動きを遅くして、ステージの中央で止まった。

六山「あっ、止まったね」

御影「……」

動きを止めた箱の蓋が開いてジェニーが脚から飛び出してくる。

そして身体を捻りながら蓋を閉めたジェニーは……箱の上に座るように着地した。

ジェニー「イエイ!」

苗木「凄い!凄いよジェニーさん!」

兵頭「【超高校級の道化師】の名は伊達ではないという事ですね」

ジェニー「ありがとうです!」

佐場木や鞍馬も表情こそ変わらないけど、ジェニーに拍手を贈っていた。

だけど……俺この後にカスタネット叩くのか……
139 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 08:42:23.59 ID:CqkxAOnA0
四方院「ジェニーさん、素晴らしかったですわ」

ジェニー「少しでもみんなをスマイルに出来たら嬉しいです!」

静音「奏、ぼく達も負けてられないよ!」

四方院「そうですわね。赤穂さん、苗木さん!こちらに来てくださいな」

赤穂「とうとうやらされるのか……」

御影「なに、兄貴もなんかするの?」

赤穂「ちょっとな……笑うなよ?」

静音と四方院さんの所に苗木と向かう。

赤穂「カスタネットか……叩くのいつ以来だっけかな」

苗木「トライアングルなんて小学校の時ぐらいしか鳴らした事ないなぁ……」

静音「大丈夫だ、ぼくの指揮通りにやればな!」

四方院「任せましたわ凪。それでは皆様行きましょう」

ステージに上がると早速牡丹が笑いをこらえているのが見える。

わかってるよ、カスタネット似合わないのは!

静音「えーっと……ああ、ここか」

静音がステージの中央に立つと俺達の方に向き直って指揮棒を構える。

その時の静音はいつも騒いでる姿とはまるで別人に見えた。
140 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 08:53:00.18 ID:CqkxAOnA0
いざ演奏が始まるとさっきまで話し声も聞こえていた会場は静まり返っていた。

フルートに合わせてカスタネットとトライアングルの音が鳴る。

四方院さんのフルートは聞いているだけで心が落ち着いて、俺も苗木も聞き惚れて演奏を忘れそうで。

それをさせずに演奏を続けていられるのはひとえに静音の指揮があるからだ。

本当に別人みたいだよな……

静音「……」チラッ

赤穂「……?」

静音、何を見てるんだ?

その方向を俺も見ようとしたその時。

バチィッ!!

ブツンッ!

辺りが暗闇に包まれた。
141 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 09:28:40.01 ID:CqkxAOnA0
赤穂「は!?」

「停電!?」

「漆黒の闇が世界を覆い尽くすか……ふははははっ!これもまた一興か!」

「なんで扉閉まってんだよ!?真っ暗じゃねえか!」

「遠見!どこにいる!」

「中央!今から倉庫の扉を開けに行くであります!」

「えっ、なんで?こんなの聞いてな……」

「と、とにかくみんなトライアングルでも聞いて落ち着いて!」

「うるさいからトライアングル連打はしないでよ!」

「六山さん、ゲーム機の明かりを使えませんか?」

「ごめん、ビックリして落としちゃった……」

「暗闇に目が慣れるには時間がかかります……ここはしばらく様子を――」
142 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 09:29:38.93 ID:CqkxAOnA0






ガシャアアアアンッ!!






143 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 09:49:07.54 ID:CqkxAOnA0
「な、何の音ですか今の……?」

「ガラスの割れる音……?」

「ね、ねえ、なんか飛んできたんだけど……これ、血の臭いがするよ!?」

「血……!?」

「これは、まさか……」

「遠見!まだか!」

「今開けるであります!」

ガラガラガラ……

遠見が扉を開けたらしい……外の光が差し込んで倉庫の中が見えるようになる。

赤穂「……!」

見えるようになったせいかはっきりと感じた。

血の臭い……

この数年でわかるようになってしまった死の気配を。
144 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 09:56:21.91 ID:CqkxAOnA0






【その胴体はガラスの電気スタンドに押し潰されていた】

【胸元、腹部に突き刺さるガラスの破片】

【超高校級の指揮者静音凪……】

【その身体から流れる血はステージを真っ赤に染め上げていた】






ピンポンパンポーン…!
145 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 09:58:07.74 ID:CqkxAOnA0






モノクマ「死体発見!死体発見!」

モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」






146 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/08/28(日) 10:03:48.21 ID:CqkxAOnA0






CHAPT.1【正義という名の××】(非)日常編 END

生き残りメンバー17→16人

NEXT→非日常編






147 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 20:02:28.21 ID:plPzIAJA0






CHAPT.1【正義という名の××】非日常編






148 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 20:21:19.17 ID:plPzIAJA0
なんだよこれは……

俺達はさっきまで懇親会をしていて、和やかな雰囲気だったはずなのに……

四方院「……な、ぎ?」

苗木「う、うわあああああっ!?」

なんで、静音は血まみれで倒れてるんだよ……!?

佐場木「下がれ!」

佐場木がステージに上がって静音の腕をとる。

そして舌打ちをした佐場木は……首をただ横に振った。

佐場木「死んでいる。最も、この傷で生きていたら奇跡だがな」

津浦「み、Mr.佐場木……何かの、冗談ですよね……?」

佐場木「確かめてみるか?俺は推奨しないがな」

静音が死んだ……その事実がようやく頭で理解出来たんだろう、みんなは半ばパニックになっていた。

土橋「な、なんで!?なんでこんな事になったのよ!?」

六山「落ち着け落ち着け落ち着け……」カチカチ

道掛「ありえねえって……さっきまであんなに楽しくやってたんだぜ!?」

モノクマ「それは本当に全員そうだったのかなー?」

薄井「出やがったな……!」

兵頭「今の言葉はどういう意味でしょうか?」

モノクマ「そのままの意味だよ。だって静音凪さんはオマエラの中の誰かに殺されたんだからね!」

赤穂「俺達の誰か……この状況を見て本気で言ってるのか!?」

静音の死は、どう見ても……

モノクマ「うぷぷ、事故だって言いたいのかな?」

苗木「そ、そうだよ!これは静音さんに電気スタンドが倒れた事故にしか見えないって!」

モノクマ「だとしたらその事故を引き起こした人間がクロって事になるね!」

モノクマ「とにもかくにも人が死んだ以上、オマエラにはやってもらうよ」

モノクマ「スリルと絶望溢れる学級裁判をね!」
149 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 20:39:01.47 ID:plPzIAJA0
鞍馬「学級裁判……」

モノクマ「たとえこれが事故だとしてもオマエラがやる事は変わりません!」

モノクマ「捜査タイムで静音さんを死に追いやったクロを見つけ出して処刑台に送る!」

モノクマ「オマエラはこの先未来機関で絶望を殺す事になるんだからデモンストレーションにはうってつけだよね!」

御影「何言って……」

モノクマ「それでは早速お約束のー……」

モノクマ「ザ・モノクマファイルー!」

モノクマ「それじゃ、ボクは準備があるんでバイバーイ!」

遠見「……どうするでありますか」

薄井「どうするも何も選択肢あるのかよ……」

グレゴリー「絶望演舞を乗りきらねば待つのは冥界への旅立ち……か」

如月「僕達は従うしかないんですか……!」

赤穂「……」

モノクマに逆らえば死ぬ、如月さんの場合は他の誰かが。

今の状況で俺達は……捜査をする以外になかった。

     【捜査開始】
150 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 20:56:21.66 ID:plPzIAJA0
佐場木「とにかくまずは見張りを2人つけるぞ」

道掛「じゃあ俺がやるぜ。頭使うの得意じゃねえしさ……」

遠見「ならばもう1人は自分が。道掛殿が相手でも何とか出来るでありますから」

ジェニー「どうしてこうなったですか……ぐすっ」

土橋「ジェニー……」

兵頭「それを突き止めるためにも、捜査をするしかありませんね」

四方院「……わたくしは凪を殺した人を許しません」

四方院「必ず、見つけて……」

その時の四方院さんに口を挟める人間は誰もいなかった。

……もし、もしもだ。

牡丹が殺されたら俺も、同じようになっただろう。

そう思えるほど四方院さんの瞳には……家族を殺されたような怒りが滲んでいた。
151 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 21:09:51.54 ID:plPzIAJA0
赤穂「……モノクマファイルか」

気分が悪いけど見るしかないんだよな。

【被害者は静音凪。
死体発見現場は港・第三倉庫。
死亡推定時刻は午後7時52分。
被害者はガラスで胸から腹部にかけてを損傷している。
その他の外傷はなし】

赤穂「やっぱりガラスで静音は……」

はっきり書いてある死亡推定時刻は電気スタンドが割れた時間って事か。

赤穂「……」

だけどなんだ?

何か違和感がある……

コトダマ【モノクマファイル1】を手に入れました。
〔被害者は静音凪。
死体発見現場は港・第三倉庫。
死亡推定時刻は午後7時52分。
被害者はガラスで胸から腹部にかけてを損傷している。
その他の外傷はなし〕
152 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 21:16:37.58 ID:plPzIAJA0
静音の身体には大量のガラス片が突き刺さっている。

上を向いたまま閉じられた眼はもう開かないんだ……

道掛「転んだところに電気スタンド倒れてきたって感じだよな」

だとしたらクロは電気スタンドを倒した人間って事になるな……

赤穂「……?」

ちょっと待てよ……

さっきは事故にしか見えなかったけど……

これ、おかしくないか?

コトダマ【静音の死体】を手に入れました。
〔静音は仰向けに倒れており、胸元から腹部にかけてガラス片が突き刺さっていた〕
153 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 22:07:38.75 ID:plPzIAJA0
赤穂「……んっ?」

何かステージに……静音の指揮棒か。

赤穂「ステージに真っ直ぐ刺さってるな……んっ?」

赤穂「……指揮棒が、真っ直ぐ?」

コトダマ【静音の指揮棒】を手に入れました。
〔静音が使っていた指揮棒。
静音の死体近くにあり、ステージに真っ直ぐ立った状態で刺さっていた〕
154 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 22:33:59.15 ID:plPzIAJA0
苗木「ねえ、赤穂クン。ちょっといいかな?」

赤穂「どうした?」

苗木「静音さん、停電の前になんか変じゃなかった?」

そういえば……

赤穂「どこか見ているみたいだったな」

確かあっちの方を……

鞍馬「……」

赤穂「鞍馬。そこに何かないか?」

鞍馬「ありますよ……こんな物がね」

鞍馬が黒い布を取り払うとそこには……

苗木「これ……スポットライト?しかもステージに向けられてるけど」

赤穂「なんでこんな物がここにあるんだ」

しかも静音はこれのある方を見ていた……何か関係があるのか?

コトダマ【スポットライト】を手に入れました。
〔ステージ横にあったスポットライト。
黒い布を被せられていた。
ステージに光が当たるように向けられている〕
155 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/02(金) 22:54:25.65 ID:plPzIAJA0
ジェニー「これってどうしたです?」

土橋「うーん、もしかしたら……」

赤穂「何かあったのか?」

土橋「いや、ちょっとコンセントが変なんだよ」

赤穂「コンセントが?」

土橋とジェニーが見ていたコンセントは……なぜか周りが焦げたような跡があった。

赤穂「なんだこれ……」

土橋「……停電の原因これじゃない?」

赤穂「えっ?」

土橋「多分埃とか詰まってる所にコンセント差したんだよこれ。だからショートして停電した……下手したら火事になってたよ」

赤穂「ショート……」

ジェニー「でもでもスタンドはみんな点いてたですよ?」

土橋「つまり電気スタンド以外の何かって事だけど……ちょっとたどってみるね」

土橋がコードをたどって歩いていく。

あれ?あの方向にあるのは……

土橋「うわっ、何このライト!」

赤穂「……!」

あのスポットライトのコードがこのコンセントに……!?

コトダマ【焦げたコンセント】を手に入れました。
〔倉庫内のコンセントの1つが焦げていた。
土橋によるとこのコンセントのショートが停電の原因らしい〕

コトダマ【スポットライトのコード】を手に入れました。
〔スポットライトのコードは停電を起こしたコンセントに差してあった〕
156 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/05(月) 22:41:56.85 ID:ollQoY2A0
赤穂「このスポットライト……いったいなんでこんな所にあるんだ?」

遠見と佐場木なら何か知ってるか……?


――――


佐場木「あれは静音が持ち込んだ物だ」

赤穂「静音が?なんのために」

佐場木「サプライズと言っていた。内容は言えないが危ない事にはならないと頼み込んできたから許可を出して運び込んだ」

佐場木「だが、こんな事なら許可するべきではなかったのかもしれん」

サプライズか……

コトダマ【静音のサプライズ】を手に入れました。
〔静音がパーティー中に行おうとしていたサプライズ。
スポットライトを使うものだったらしいが……〕
157 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/05(月) 22:58:01.98 ID:ollQoY2A0
キラッ

赤穂「っ……?」

なんだ、今少し眩しく……

四方院「……」

赤穂「四方院さん?」

眩しさの原因は四方院さんの着ている服についた装飾が光ったからみたいだ。

そういえば気にしてなかったけど四方院さんの服……いつもと違うな。

赤穂「四方院さん、ちょっといいか?」

四方院「……なんでしょう」

赤穂「その服……いつもと違うけどどうしたんだ?」

四方院「これですか……凪が着てほしいと渡されましたの」

赤穂「静音が……」

四方院「わたくしは装飾が多すぎると思ったのですけれど、凪はどうしてもこれがいいと言って……」

四方院「……」

四方院「……すみませんけど、1人にしてくださいませんか」

赤穂「あっ、ごめんな……」

四方院「…………凪」

今静音の事を聞くのは無神経過ぎたか……

だけどなんとなく、静音のサプライズの内容が見えてきた気がするぞ……

コトダマ【四方院のドレス】を手に入れました。
〔静音にどうしても着てほしいとプレゼントされたらしい。
装飾がたくさんついており、光を反射するようだが……〕
158 : ◆DXWxLR/SkYo1 [sage]:2016/09/09(金) 23:10:50.19 ID:++sAPPVA0
明日から再開します。
159 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/10(土) 22:51:24.41 ID:Mt30N4yA0
グレゴリー「鎮魂の指揮者は不運なる檻に囚われたか……もしくは黄泉よりの使者によって煌めきの電光をその身に受けたか……」

津浦「事故か他殺かは確かに重要ですね……っ」ブルッ

グレゴリー「……言の葉の魔術師。恐怖に苛まれているならば苦行に身を任せずともよいのではないか」

津浦「い、いえ、大丈夫です」

赤穂「……本当に無理はしない方がいいぞ」

津浦の反応は普通の人間なら当たり前だ。

俺は外の世界……特にあの街で死を身近に感じすぎたから捜査なんてやれる。

だけどこれから未来機関で本格的に働こうとしていたみんなにはキツいはずだ。

津浦「Mr.赤穂……しかし、捜査はしなければ」

赤穂「別にここだけしか捜査する場所がないわけではないんじゃないか?」

津浦「そう、ですか?」

赤穂「静音のコテージとか、あのスタンドがあったマーケットとか……そういった所を捜査してみたらどうだ?」

津浦「……」

グレゴリー「言の葉の魔術師よ。我も聖痕抱きし英雄の言霊に同調する」

津浦「Mr.グレゴリー……」

グレゴリー「孤独に身を震わせるならば我も共に行こう。この惨劇の舞台では言の葉の魔術師の真価は発揮されん」

津浦「……わかりました。Mr.赤穂、Mr.グレゴリー……ありがとうございます」

赤穂「いや、気にしないでくれよ」

グレゴリー「ならば旅立つぞ言の葉の魔術師!鎮魂の指揮者の魂に報いるためにもな!」

津浦「は、はい」

行ったな……後で何か見つけたか聞いておくか。
160 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/10(土) 23:15:06.73 ID:Mt30N4yA0
遠見「……」

赤穂「遠見」

遠見「なんでこんな事になったのでありますか」

赤穂「……」

遠見「自分は何も防げなかった……隊長に顔向けが出来ないでありますよ……」

道掛「あー……」

佐場木「遠見、泣き言は全て終わってからにしろ。お前が泣こうが静音は生き返らないんだ」

遠見「っ」

道掛「ちょっ、キツくね?」

佐場木「事実を言ったまでだ。そもそも今回の事件、責があるなら俺だ」

赤穂「どういう意味だ?」

佐場木「ガラススタンドの許可、遠見を単独行動させてしまった事と間違った部分への見張りの指示」

佐場木「わざわざ映像の記録をしてまで身体検査をしたのにこれだ」

赤穂「記録?」

遠見「身体検査の時、念のためにカメラでその様子を撮影していたのであります」

佐場木「グレゴリーがビデオカメラを所持していたのでな。それを使った」

道掛「あれビデオカメラで記録されてたのかよ!」

佐場木「ふん、念のため確認しておくか……これがその記録だ」

佐場木はビデオカメラを取り出すと俺達に見せるようにして再生ボタンを押す。

そして身体検査の時の光景が流れ始めた。
161 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/10(土) 23:52:36.28 ID:Mt30N4yA0
静音『身体検査ってめんどくさいな……』

遠見『まあまあ、パーティーを円滑に進めるためでありますから』

佐場木『それよりこのスポットライトはなんだ?』

静音『ちょっと意見もあったからサプライズに使う!』

遠見『サプライズでありますか?内容は……』

静音『内緒内緒!ステージの横に置くだけだからいいだろ!』

佐場木『……ふん、まあいいだろう』

――――

道掛『いやっほう!』

遠見『なっ!?ストップストップであります道掛殿!』

道掛『おっ、どうした?』

佐場木『貴様……いきなり自転車で飛び込んできてなんの真似だ』

道掛『何ってパーティーで俺の華麗なテクニックを見せるんだよ!盛り上がる事間違いなしだぜ!』

佐場木『今すぐ降りろ……!』

道掛『えっ!?』

――――

兵頭『厳重警戒ですね』

遠見『時期が時期でありますから……我慢してほしいであります』

兵頭『ふふっ、別に異論はありませんよ。私も何事もなくすんでほしいので』

佐場木『……』

――

グレゴリー『その願いは聞き届けられん!』

佐場木『なんだと?』

遠見『グレゴリー殿、そう言わずに……ちょっとその仮面を外してほしいだけでありますから』

グレゴリー『この仮面は我が皮膚と同じ!外すなど残虐なる一手よ!』

佐場木『くだらん事を言ってないで外せ……!遠見、押さえつけろ!』

グレゴリー『うおっ!?やめろ、我が封印を解くな!ぬおおおおおっ!?』

――――

津浦『はい、どうぞ』

遠見『はぁ、はぁ……確かに』

佐場木『くそっ、手こずらせてくれる……!』

津浦『あの、何かあったんですか?』

遠見『あはは、ちょっとした大捕物を……』

――――

遠見『ステージ用の木材、確かに確認したであります。次は身体検査を』

土橋『えっと、身体検査はいいけど半次も一緒なの?』

佐場木『なにか問題があるのか』

土橋『いや、こういうのって服脱ぐんでしょ?さすがに男の子の前でそれは……』

佐場木『……そこまでしなくていい』

遠見『自分がしっかり服の上から改めるでありますから!』

土橋『あっ、それなら良かった』
162 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/11(日) 00:28:31.96 ID:dTyoMSsA0
薄井『……』

遠見『なんだか不機嫌でありますね……』

薄井『……』パチパチッ

佐場木『んっ?静電気か?』

遠見『というよりは、空気がピリピリしてるであります……』

――

苗木『ボク身体検査なんて初めてだよ』

遠見『そうなのでありますか?』

苗木『うん、ボクはごく普通の生活してきたからね』

佐場木『海外に出た事もないのか』

苗木『うーん飛行機ってちょっと怖くて』

遠見『気持ちはわかるであります……空爆は怖いでありますよ』

佐場木『おそらく意味が違うぞ』

――

六山『ゲームセットでーす』

遠見『リュックにゲーム以外がないであります』

佐場木『依存症だな』

六山『むっ、そんな事ないよ。ゲームは1日20時間って決めてるもん』

遠見『立派な依存症であります……!』

――

四方院『ご苦労様ですわお2人共』

遠見『いつものドレスとは違うのでありますね』

四方院『凪からの贈り物ですの。わたくしは派手な気がしたんですけれど』

佐場木『……あいつは張り切っているようだからな』

四方院『ふふふ、そうですわね。だからわたくしは応えてあげたいと思いますわ』
163 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/11(日) 00:40:43.70 ID:dTyoMSsA0
――――

如月『どうぞ』

佐場木『ふん、貴様は存在そのものが危険物だがな』

遠見『佐場木殿、そう身構えないで……』

佐場木『……ちっ、さっさと終わらせるぞ』

如月『はい』

――――

ジェニー『今日は頑張るです!』

遠見『ジェニー殿!?』

佐場木『いつの間に入った……!』

ジェニー『ハンジとレイキが忙しそうでしたから……ダメだったですか?』

遠見『と、とにかくジェニー殿ちょっとこちらへ!その木箱も一緒に!』

佐場木『……ちっ、そこまで冷静さを欠いていたか俺は』

――――

鞍馬『……』

遠見『……』

佐場木『何をしている』

遠見『隙が見当たらないであります……!』

鞍馬『……』

佐場木『普通に調べればいいだけだろう……おい鞍馬』

鞍馬『どうぞお好きに』

――――

赤穂『身体検査か……なあ、この杖も凶器になるのか?』

遠見『さすがにそこまでは……』

佐場木『したいところだがな』

御影『それしたら兄貴どうやって歩くのさ』

赤穂『……牡丹に支えてもらうか』

御影『無茶言わないでよ』

――――

赤穂「これが身体検査の記録か……」

道掛「この時はこんな事になるなんて思わなかったよな」

遠見「そうでありますね……」

佐場木「……」

コトダマ【身体検査の記録】を手に入れました。
〔パーティー前にビデオカメラで記録されていた身体検査の様子。
内容は>>161-163
164 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/11(日) 00:45:18.94 ID:dTyoMSsA0
本日はここまでで。

調子が取り戻せない……
165 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/13(火) 23:08:53.97 ID:O5sdpNWA0
如月「ふむ……」

赤穂「如月さん、何かわかりましたか?」

如月「僕も悪を探すために日常的に捜査はしていますが……停電の瞬間の静音さんを見ていないのは痛いですね」

赤穂「見てなかったんですか?」

如月「薄井さんと話している最中急に彼がトマトジュースを吐きまして……グラスを変えにテーブルにいく薄井さんを見ていたので」

赤穂「トマトジュースを吐いたってどうして?」

如月「多分僕が好きだと言ったからですね。友人としてという意味でしたが勘違いさせてしまったようで」

何をやってるんですか如月さん。

如月「ただ、その時のテーブル付近にいた人ならわかりますよ」

赤穂「立ち位置は重要かもしれないですね……誰ですか?」

如月「まず今言ったように薄井さん。それと見張りをしていた遠見さんに1人でいた佐場木さん」

如月「別のテーブルでは土橋さん、津浦さんに道掛さんが話しかけていました。後グレゴリーさんと六山さんが何やら話していました……ああ、御影さんも1人でしたね」

如月「僕が見落としたのでなければテーブル付近にいなかったのはジェニーさん、鞍馬さん、兵頭さんですね」

ステージには俺と苗木、静音と四方院さんがいた……

手がかりになればいいけどな……

コトダマ【如月の証言】を手に入れました。
〔如月はトマトジュースを吐いた薄井を目で追い、停電直前テーブルの方を見ていた。
ジェニー、鞍馬、兵頭以外はテーブル付近にいたようだ〕
166 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/13(火) 23:26:28.01 ID:O5sdpNWA0
赤穂「……んっ?」

薄井「ゲホッ!クソッ、あいつのせいでまだ喉がいてえ……」

赤穂「大丈夫……じゃなさそうだな」

薄井「当たり前だろ!」

咳き込む薄井のシャツは胸元から濡れている……確かトマトジュースだよな?

黒だからまだ目立たないけど白かったら大惨事だなこれ……

薄井「兵頭のヤツには実は血じゃありませんよね?とかふざけた事言われるしよ……あのヒーローのせいで踏んだり蹴ったりだ!」

赤穂「それはまた……ところで薄井は何か見てたりしてないのか?」

薄井「何かって言ってもこの有り様でそれどころじゃ……いや、待てよ」

薄井「そういや停電のちょっと前、ジェニーのヤツがステージ横で何かしてたみたいだぜ?」

赤穂「ジェニーが?」

薄井「アイツの性格ならすぐテーブルに来るだろうから気にはなってたんだよ。で、ちょっと見回したらいやがったんだ」

赤穂「……ステージ横に、か」

コトダマ【薄井の証言】を手に入れました。
〔ジェニーが停電直前にステージ横で何かをしていたらしい〕
167 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/13(火) 23:36:04.52 ID:O5sdpNWA0
兵頭「しかしわざわざ置物まで見張らせたというのにスタンドが凶器になってしまうとは思いもしませんでしたね」

赤穂「さすがに予想外だったな」

兵頭「テーブルに置かれた置物は6つありますが全て無事……遠見さんが見張らなければ誰かが凶器にしたんでしょうか」

赤穂「どうだろうな……持ち運ぶにしても使いにくいだろ」

兵頭「音もするでしょうしね……」

コトダマ【ガラスの置物】を手に入れました。
〔倉庫に持ち込まれたガラスの置物や壺。
6つあるが全て割れたりはしていない〕
168 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/13(火) 23:50:46.04 ID:O5sdpNWA0
赤穂「牡丹、大丈夫か?辛いなら外に……」

御影「いや、大丈夫……」

そういう牡丹の顔は蒼白で今にも倒れてしまいそうだ……

やせ我慢してるなこれは……

御影「ねえ兄貴」

赤穂「んっ?」

御影「私、これでも楽しんでたんだよ」

赤穂「……」

御影「なのにこんな事になって……なんか、なんて言えばいいのか……」

赤穂「……」ポンッ

御影「っ」

赤穂「辛いんだろ?静音がこんな事になって」ナデナデ

御影「……うん。もっと話しとけばよかった」

赤穂「そうか」ナデナデ

御影「……一応何かしようと思って、用意したんだけどな」

赤穂「なんだそれ?ストップウォッチ?」

御影「1分ピタリで止めるやつ。私結構得意なんだよ」

赤穂「いつの間にそんな特技を身に付けたんだ……」

御影「兄貴達の演奏中に練習がてらやってたんだけどあのガラス割れる音した時につい止めちゃったんだよね」

赤穂「ふーん……」

御影「そういえばそのままだったから初期化しとこ」

赤穂「……んっ?」

牡丹の持っているストップウォッチ。

そこに映った時間……なんとなく気になる。

赤穂「牡丹、ちょっと待て」

御影「えっ?」

赤穂「もしかしたら重要になるかもしれないからその表示そのままにしてくれないか?」

御影「まあ、いいけど」

コトダマ【ストップウォッチ】を手に入れました。
〔御影が使おうとしていたストップウォッチ。
タイマーは3分で止まった事を示している〕
169 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 00:33:38.96 ID:WvOSwc0A0
六山「はあ……」カチカチ

赤穂「六山……こんな時までゲームはどうなんだ」

六山「わたしだってしなくてすむならしてないよ……だけど怖い」

赤穂「……」

六山「怖くてたまらないんだよ。今すぐ逃げ出したいし、捜査なんてできる気がしない」

赤穂「……だよな」

六山「でもこのままじゃダメな事はわかってる……だからせめて落ち着きたいんだよ」

六山がゲームを精神安定のために使ってるのは今まで見てきてる。

それを責めるのはさすがに冷たい、か。

六山「……そういえば赤穂くん」

赤穂「どうした?」

六山「停電した時ステージがボンヤリ光ってたけどあれなんだったの?」

赤穂「……ステージが、光ってた?」

六山「うん、本当にボンヤリだけど」

あの時そんな事になってたのか?

ステージ……もう一度調べる必要があるな。

コトダマ【六山の証言】を手に入れました。
〔停電の時ステージがボンヤリ光っていたらしい〕
170 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 00:50:16.24 ID:WvOSwc0A0
赤穂「……」

六山の話だとステージが光ってたらしいけどどこにそんな……んっ?

赤穂「静音の靴になんか薄く緑色のものが……」

近くで見ようと近づいてみると影で暗くなった静音の靴底がボンヤリ光る。

これは……夜光塗料?

なんで静音の靴底に夜光塗料なんて……

赤穂「そういえば静音はステージに立つとき何かを目印にしてたよな……」

静音の脚の先……演奏の時静音が立っていた場所を見ると×の形にテープが貼ってあった。

そこに手をかざして暗くしてみると……ボンヤリと光りだす。

赤穂「このテープに薄く夜光塗料が塗ってあったのか……」

静音はこれを踏んでたから靴底に夜光塗料がついてたんだな……

赤穂「…………は?」

ちょっと待て。

静音は仰向けに倒れてる。

そして脚は入り口側に、頭はステージ奥……演奏中四方院さんがいた方向に向けられている。

赤穂「……おかしい」

この倒れかた……どう考えてもおかしい……!

コトダマ【夜光塗料】を手に入れました。
〔ステージについていた夜光塗料。
×の形に貼ったテープに塗られており、それを踏んだらしい静音の靴底にもついていた〕

コトダマ【静音の倒れかた】を手に入れました。
〔静音は脚を入り口に、頭を四方院のいる方に向けて倒れていた〕
171 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 01:09:17.59 ID:WvOSwc0A0
赤穂「えっと……」

夜光塗料がいつ塗られてたか、これを調べればわかるはず……

赤穂「あった」

ジェニーがパフォーマンスに使った木箱……それに夜光塗料がついていた。

つまりあのテープは少なくともジェニーがパフォーマンスを始める前からついていたわけか。

赤穂「土橋に話を聞いてみるか」

――――

土橋「テープ?なにそれ」

赤穂「ステージに貼ってあった×の形のテープだよ。立ち位置をわかりやすくするために土橋が貼ったんじゃないのか?」

土橋「いや、アタシは知らないよ……そもそもアタシ演奏に関して素人なのに勝手にそんなの出来ないって」

土橋「ステージを完成させた時何人か強度の確認に上がってたし、その時に凪が貼ったんじゃないの?」

赤穂「うーん……ちなみに上がった中にジェニーはいたか?」

土橋「ジェニーは箱の方を確認してたからいなかったよ。というかなんでジェニー限定?」

赤穂「いや、ちょっとな」

コトダマ【夜光塗料】をアップデートしました。
〔ステージについていた夜光塗料。
×の形に貼ったテープに塗られており、静音の靴底やジェニーが使った木箱にもついていた〕

コトダマ【土橋の証言】を手に入れました。
〔ステージを完成させた後何人かが強度の確認に上がっていた。
その中にジェニーはいなかったようだ〕
172 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 01:28:21.70 ID:WvOSwc0A0
キーンコーン、カーンコーン…

モノクマ「あー、そろそろやっちゃう?やっちゃいます?」

モノクマ「みんなお待ちかねの学級裁判をさ!」

モノクマ「オマエラ中央の島に集合してくださーい!」

ブツン!

赤穂「……」

学級裁判、か。

あの生放送みたいに疑いあって、糾弾しあう胸糞悪いものが始まるんだな……

赤穂「中央の島、行かないとな」

――――

グレゴリー「いよいよ絶望演舞が開幕するのだな」

赤穂「グレゴリー、津浦。何か手がかりは見つかったか?」

津浦「あまり芳しくは……マーケットは7つあったらしいガラスの置物などが全てなくなっていた事ぐらいしか……」

グレゴリー「大罪の煌めきは世界に散らばったようだな!」

津浦「ですがMs.静音のコテージにこんなメモが」

赤穂「……」

そうか、やっぱり静音が……

コトダマ【ガラスの置物】をアップデートしました。
〔倉庫に置かれていたガラスの置物や壺。
6つあるが全て割れたりはしていない。
マーケットには7つあったらしいが全てなくなっている〕

コトダマ【静音のメモ】を手に入れました。
〔静音のコテージにあったメモ。
内容は【ライト→ドレスがキラキラ→みんな奏に注目!→完璧!
これでもっともっとみんなが奏を好きになるよね!】〕
173 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 01:45:32.16 ID:WvOSwc0A0
【中央の島・未来機関第20支部】

モノクマ「オマエラ集まったみたいだね!」

兵頭「この建物で学級裁判を?」

佐場木「未来機関の支部をいつの間にそんなものに改造していたとはな」

モノクマ「うぷぷ、そんな褒めないでよ!今からそんなだと中を見たら感激に打ち震える事になっちゃうよ?」

遠見「褒めてないであります……」

モノクマ「それではオマエラ中にお入りください!学級裁判のステージにご案内しましょう!」

四方院「……」

苗木「あっ、四方院さん!」

土橋「……行っちゃったね」

如月「無理もないでしょう。静音さんはそれだけ四方院さんにとって大事だったと考えれば、ね」

赤穂「……俺達も行こう。待たせたらモノクマが何をするかわからない」

四方院さんを追うように俺達は建物に入っていく。

その先には地下に伸びていくエスカレーターが待ち構えていた。

津浦「この先に……」

薄井「ちっ、まるで地獄行きの通路だな」

鞍馬「……クロにとっては実際にそうなるでしょうね」

ジェニー「あう……もしかしたらボク達帰れないですよね……」

六山「大丈夫……と思うしかないよ」カチカチ

口々に不安を漏らしながらエスカレーターに乗って俺達は降りていく。

……俺達の運命を決めるその場所に向けて。

そして長い、いや、もしかしたら短いかもしれない……そんな時間を経て。

俺達はそこにたどり着いた。
174 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 02:03:11.06 ID:WvOSwc0A0
【学級裁判場】

モノクマ「来たねオマエラ!」

モノクマ「ようこそ学級裁判場へ!」

モノクマ「数多くの絶望を産み出してきたこのスペシャルな舞台!」

モノクマ「うぷぷ、それじゃあ始めますか!」

モノクマ「名前の書かれた席についてくださーい!」

赤穂「……」

学級裁判。

塔和シティとどちらがマシか考えて……すぐにその考えを打ち消す。

どちらもろくなものじゃないからだ。

【超高校級の指揮者】静音凪……

四方院さんを慕い動機が発表されても懇親会を真っ先に諦めなかった……

そんなあいつを殺した犯人は……

六山「緊張、してきたなぁ……」カチカチ

ジェニー「……ううっ」

道掛「やるしか、ねえんだよな……」

四方院「必ず、凪を死に追いやった犯人を……」

遠見「自分には責任があるであります……犯人を見つける責任が」

この中に、いるんだ。

佐場木「こんなもの、裁判でもなんでもない」

グレゴリー「絶望演舞、その果てに待つものは……」

津浦「ワタシはやれる事を……」

土橋「やらないといけないんだよね……たとえ事故でも……」

薄井「ちっ……」

御影「……」ギュッ

もしかしたら事故かもしれない……だけど俺達はやるしかない。

兵頭「これが学級裁判ですか」

苗木「彼みたいには出来ないかもしれないけど、頑張ってみるよ」

鞍馬「……」

如月「犯人は暴きます。そして……」

議論し、暴き、そして俺達かクロが死ぬ。

赤穂「……くそっ」

仮にもヒーローなのに。

この、学級裁判に対して。

俺は、あまりに無力だ。
175 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/19(月) 02:03:40.21 ID:WvOSwc0A0
次回より学級裁判に入ります。
176 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/22(木) 23:20:38.19 ID:1eujglqA0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル1】>>151

【静音の死体】>>152

【静音の指揮棒】>>153

【スポットライト】>>154

【焦げたコンセント】
【スポットライトのコード】>>155

【静音のサプライズ】>>156

【四方院のドレス】>>157

【身体検査の記録】>>163

【如月の証言】>>165

【薄井の証言】>>166

【ストップウォッチ】>>168

【六山の証言】>>169

【静音の倒れかた】>>170

【夜光塗料】アップデート版
【土橋の証言】>>171

【ガラスの置物】アップデート版
【静音のメモ】>>172

静音凪が死亡した。
一見すると事故にしか見えない状況。
しかし所々に散りばめられた違和感が赤穂に告げる。
静音は殺された。
そしてその犯人は……仲間の中にいるのだと。


     【学級裁判開廷!】
177 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/22(木) 23:28:47.82 ID:1eujglqA0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

四方院「凪の仇、必ず暴いてさしあげますわ……!」

苗木「えっとさ……四方院さんが張り切ってるところ悪いんだけど、これってそもそも殺人じゃないよね?」

兵頭「事故か他殺か……まずはそれをはっきりさせなければいけませんね」

赤穂「……」

事故か他殺か。

それによって流れは大きく変わるはずだ。

ひっかかる所はしっかり指摘しないとな……
178 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/22(木) 23:42:22.53 ID:1eujglqA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>176
【モノクマファイル1】
【静音の死体】
【夜光塗料】

苗木「静音さんは……」

苗木「【本当に殺された】のかな?」

グレゴリー「闇の中に潜む死神……」

グレゴリー「鎮魂の指揮者はその心を魅了してしまったわけか」

津浦「Ms.静音は停電になって焦ってしまったんでしょうか転んでしまった」

道掛「なるほどな!そこで【背中めがけて電気スタンドが倒れた】わけか!」

道掛「……って、その場合犯人は誰だよ!?」

今の言葉……現場の状況とは違うぞ。
179 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 00:04:45.45 ID:RZbrjqZA0
【背中めがけて電気スタンドが倒れた】←【静音の死体】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「道掛、静音の死体は仰向けだぞ」

道掛「……あっ、そういえばそうだな」

遠見「見張りをしていたのになぜ間違えるのでありますか!?」

道掛「いや、ほら……転んだって考えると前に倒れたイメージの方が強いだろ!」

土橋「確かに転んだって聞いちゃうとうつぶせになってる光景の方が浮かぶよね」

佐場木「だからといって見張りがそんな勘違いをするか」

道掛「うっ」

グレゴリー「音速の疾走者よ……絶望演舞で最も真実から遠いようだな」

道掛「そこまで言わなくてもいいじゃねえかよ!」

御影「話がずれてない……?」
180 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 00:20:51.79 ID:RZbrjqZA0
如月「みなさん、少し落ち着きましょう」

薄井「そうだぜ。今話さなきゃいけねえのは道掛がアホかどうかじゃねえだろ」

ジェニー「あのあの、結局ナギはどうして?」

赤穂「その事なんだけどな……俺は今回の事事故の可能性は低いと思うぞ」

四方院「……凪は殺されたとおっしゃるんですか?」

赤穂「ああ」

六山「なんで?別に事故でも不思議はないはずだよね?」

完全な根拠とは言い難い……だけどこれで流れは変えられるはずだ。
181 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 12:05:56.02 ID:RZbrjqZA0
【静音の指揮棒】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「現場には静音の指揮棒があった……だけど真っ直ぐステージに刺さってたんだよ」

御影「それが何か問題なわけ?」

赤穂「ちょっと想像してみてくれ。もし静音が転んで指揮棒を落としたなら……指揮棒は真っ直ぐ刺さると思うか?」

津浦「確かに……その場合指揮棒は刺さらずに落ちている方が自然ですね」

兵頭「真っ直ぐ刺さるという事は、静音さんが持っていた指揮棒を鉛直下向きに落としたと見た方がいいでしょうね」

佐場木「つまり静音が立っていた時に指揮棒を落とすような何かが起きた可能性が高いか」

道掛「やっべえよ苗木」

苗木「えっ?」

道掛「なに言ってんのか全くわかんねえ!」ドヤッ

苗木「なんでドヤ顔でそれ言ったの!?」

鞍馬「……はあ」
182 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 12:21:12.98 ID:RZbrjqZA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>176
【スポットライトのコード】
【焦げたコンセント】
【スポットライト】


遠見「あの停電時静音殿に何かがあったのは明白でありますな……ううむ」

>漆黒の闇に紛れし死神……

停電した倉庫内で犯人は……<

御影「そもそもあの停電ってなんで起きたのさ?」

>鎮魂の指揮者を今宵の生け贄に定めた

Ms.静音を狙った<

六山「〔ブレーカーが落ちた〕とか?」

苗木「〔スタンドの電球が切れた〕のかも」

>つまり血塗られし死神の鎌を持ちし者は

つまりMs.静音を殺害した犯人は<

土橋「あれは〔コンセントがショート〕したんだよ」

兵頭「〔偶然止まったのでは〕?」

>闇を見通す力を持つ者よ!

夜目がきく人です!<

>少し黙っていろ……!
183 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 12:31:12.53 ID:RZbrjqZA0
〔コンセントがショートした〕←【焦げたコンセント】

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「土橋の言ったように、あの停電はコンセントがショートしたから起きた事だ」

土橋「コンセントの1つが焦げてたんだよね。多分埃とか詰まってたんだと思うよ」

佐場木「コンセントか……埃が詰まっていたのは人為的かもしくは偶然か」

赤穂「停電を確実に起こしたかったならそこらへんの埃を押し込んだんだろうな……」


四方院「その音色は聞くにたえません!」反論!


赤穂「四方院さん……!?」

四方院「コンセントに埃が詰まっていてショートした?」

四方院「そのような事があるはずないですわ……!」
184 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 12:45:13.97 ID:RZbrjqZA0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>176
【スポットライト】
【静音の倒れかた】
【ガラスの置物】

四方院「コンセントがショートした……」

四方院「それならばあの懇親会が始まってすぐに停電は起きていたはずですわ!」

四方院「しかしそれは起きなかった……」

四方院「つまりあなたの推理は的外れです赤穂さん」

赤穂「確かに使われていたのがあの3つの電気スタンドだけならそれも通る」

赤穂「だけどあの3つ以外にもコンセントが使われたなら話は別だ!」

四方院「いったい何を使ったと言うのですか!?」

四方院「【あの倉庫にあった電気を使うものはわたくしが持ち込んだ3つの電気スタンドのみ】」

四方院「そんな状態でどうやってコンセントをショートさせると言うんですの!?」
185 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 22:10:31.75 ID:RZbrjqZA0
【あの倉庫にあった電気を使うものはわたくしが持ち込んだ3つの電気スタンドのみ】←【スポットライト】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「あったんだよ四方院さん。電気スタンド以外にもな」

四方院「は?」

赤穂「ステージの横にスポットライトがあったんだ」

兵頭「スポットライトですか?」

佐場木「そうだ。持ち込まれたのは俺と遠見も把握していた」

遠見「こんな事になるとは、さすがに予測していなかったでありますが……」

グレゴリー「ほう、ならばその漆黒の闇を作りし灯火を持ち込んだ者こそ死神の鎌を持ちし者というわけか」

佐場木「……いや、それはない」

苗木「えっ、どういう事?あのスポットライトが原因ならそれを持ち込んだ人が……」

赤穂「スポットライトを持ち込んだのは……静音なんだ」

津浦「えっ……」

御影「スポットライトを持ち込んだのが……被害者って事?」

道掛「だ、だったらスポットライトは関係ねえんじゃねえの?」

赤穂「いいや、スポットライトは停電を起こした原因だ」

それはこれで簡単に証明できる。
186 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 22:22:49.37 ID:RZbrjqZA0
【スポットライトのコード】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「スポットライトのコードはさっき言った焦げたコンセントに刺さってたんだ。それは土橋とジェニーが証人だ」

土橋「間違いないよ。たどったら確かにスポットライトのコードだった」

ジェニー「そうですです……」

四方院「……わたくしは、何も聞いてませんわ」

六山「四方院さん……」

四方院「なぜ、なぜ凪はスポットライトを持ち込んだりしたのですか?凪は今回の件に関与していたと言うんですの?」

四方院「わかりませんわ……凪の事なのに、わたくしは……」

薄井「オレもわかんねえな……なんで静音はスポットライトなんて持ってきたんだよ?」

静音がスポットライトを持ち込んだ動機か……
187 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 22:40:31.48 ID:RZbrjqZA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>176
【静音のサプライズ】
【四方院のドレス】
【薄井の証言】

四方院「凪はなぜ……」

津浦「スポットライトなど使う用途は限られていますよね?」

如月「しかし【電気スタンドは十分あの倉庫を照らしていた】はずです」

御影「だったらなんで?」

六山「【予備に持ってきた】とかかなぁ……」

グレゴリー「もしやあの【漆黒の闇を作り出すのが目的】ではなかろうな……」

四方院「凪はそんな事をする子では……!」
188 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 23:07:48.75 ID:RZbrjqZA0
【漆黒の闇を作り出すのが目的】←【静音のサプライズ】


赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「静音は停電を起こしたかったわけじゃない!」

グレゴリー「ならばその真意はどこにあるというのだ!」

赤穂「静音がスポットライトを持ち込んだ理由……それはサプライズのためだったんだ」

津浦「サプライズ?」

赤穂「佐場木、遠見。身体検査の時に静音はスポットライトをサプライズに使うって言ってたんだよな?」

佐場木「そうだ。記録も録ってある」

如月「スポットライトでサプライズ……静音さんはいったい何をするつもりだったんですか?」

赤穂「……」

正直な話、気は進まない。

静音はこのサプライズを利用されて……殺されたんだろうから。

だけど明かさないと先に進めない、よな……
189 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 23:20:13.16 ID:RZbrjqZA0
【ショットガンコネクト開始!】

静音のサプライズ……それは考えればわかるはずだ。

・コトダマ>>176
【静音のメモ】
【スポットライト】
【身体検査の記録】

・課題
【静音のサプライズの手がかりは?】
【静音を殺した犯人の手がかりは?】
【静音が狙われた理由の手がかりは?】
190 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 23:23:45.82 ID:RZbrjqZA0
赤穂「……」

あのメモは静音のサプライズの計画書だったはずだ。

もう1つ繋げればその概要は見えてくる……!

【静音のメモ】―【静音のサプライズの手がかりは?】

・コトダマ>>176
【四方院のドレス】
【静音の指揮棒】
【夜光塗料】
191 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 23:29:35.05 ID:RZbrjqZA0
赤穂「……」

静音のメモ……

静音から渡された四方院のドレス……

【静音のメモ】―【静音のサプライズの手がかりは?】―【四方院のドレス】

静音が考えていたサプライズは……!

・課題
【静音のサプライズは四方院にスポットライトを当てる事だった】
【静音のサプライズは自分にスポットライトを当てる事だった】
【静音のサプライズは倉庫をスポットライトで明るくする事だった】
192 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/23(金) 23:48:14.72 ID:RZbrjqZA0
赤穂「真相への道筋を繋いでみせる!」


赤穂「ここに静音のメモがある……見てくれ」

遠見「【ライト→ドレスがキラキラ→みんな奏に注目!→完璧!……」

兵頭「……これでもっともっとみんなが奏を好きになるよね!】ですか」

赤穂「四方院さん、そのドレス……静音からプレゼントされたんだよな?」

四方院「まさか、凪は……」

赤穂「静音は停電前にスポットライトの方を見てた」

苗木「そうか……あれは確認だったんだね」

赤穂「静音の計画は多分……あの後スポットライトがドレスの装飾に反射して、四方院さんが輝いてるように見せるつもりだったんだろう」

静音はみんなが四方院さんの凄さをわかってないって不満があった。

それもこの計画を後押ししたんだろうな。

土橋「奏が好きだった凪らしい、サプライズだね」

四方院「凪はわたくしのために……」

兵頭「しかしそれを何者かに利用された……そういう事ですね?」

佐場木「間違いないだろう。そうなると……怪しい存在が浮かび上がってくる」

道掛「えっ、誰だよ!?」

六山「誰というか……スポットライトを点けた事でショートしたなら点けた人がいるよね?」

御影「サプライズの協力者……そいつがサプライズを利用して静音を殺したって事なの?」

四方院「いったい誰が……!」

赤穂「……」

サプライズの協力者……今度の議論はそこが焦点になるな。
193 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 00:04:58.47 ID:UQCoxiBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>176
【如月の証言】
【六山の証言】
【土橋の証言】

グレゴリー「鎮魂の指揮者の計画にもたらされた妖精……」

津浦「それこそがMs.静音を殺害したクロなんでしょうか……」

苗木「演奏中なら当然【ボクと赤穂クン、四方院さんは除外】だよね」

遠見「〔遠隔操作をした〕なら話は別でありますが」

道掛「だったら今もスイッチ持ってんじゃねえか!?」

兵頭「それは考えにくいと思いますが……」

薄井「いつまでも持ってたら決定的証拠になるしな」

御影「〔誰か見てた人〕がいればいいんだけどね……」
194 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 00:20:51.47 ID:UQCoxiBA0
〔誰か見てた人〕←【如月の証言】


赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「牡丹、大丈夫だ」

御影「へっ?急に何さ兄貴」

赤穂「如月さんが停電前にテーブルの近くにいた人間を把握してるからな!そうですよね?」

如月「はい。トマトジュースを吐き出してグラスを変えにいった薄井さんを目で追っていましたから」

薄井「オイ……やっぱりアレそういう意味じゃねえだろうな!?」

遠見「アレでありますか?」

如月「僕が薄井さんを好きという話ですよ」

道掛「マジか!?」

如月「……友人としてですよ?」

佐場木「おい……そんな事よりさっさと知っている事を話せ」

如月「ああ、すみません……僕が停電前にテーブルの近くにいるのを見たのは鞍馬さん、兵頭さん、ジェニーさん以外の皆さんです」

鞍馬「……」

ジェニー「ボ、ボクです?」

兵頭「あら……」

六山「おお、一気に容疑者を絞り込めたね」

苗木「3人の中の誰かが……」

赤穂「……」

いや、もう1人に絞り込める。

静音のサプライズの協力者は……!
195 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 00:22:19.73 ID:UQCoxiBA0






     【学級裁判中断!】






196 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 00:23:02.13 ID:UQCoxiBA0
本日はここまで。

明日には学級裁判を終わらせたいと思います。
197 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 21:31:31.69 ID:UQCoxiBA0






     【学級裁判再開!】






198 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 21:58:25.79 ID:UQCoxiBA0
道掛「凪ちゃんのサプライズの協力者……」

苗木「如月クンの証言から考えて鞍馬クン、ジェニーさん、兵頭さんに絞られたね」

鞍馬「……」

ジェニー「あう……」

兵頭「これは困りましたね」

四方院「あなた方3人の中に凪を殺した犯人が……!」

佐場木「……ちっ、おい赤穂」

赤穂「なんだ?」

佐場木「お前、この先の流れをなんとかする自信はあるのか」

御影「えっ?」

赤穂「……ああ、そのつもりだ」

真相をつかめているわけじゃない。

ただ1つはっきりしている事を証明するために俺は……

佐場木「……ふん、いいだろう。犯人を引きずり出すのは後だ」

薄井「は?なんでだよ?」

佐場木「今誰かを名指ししたところでしらばっくれるのがオチだ……ならばまず外堀を埋める」

六山「外堀って?」

鞍馬「……あの暗闇の中どうやって静音凪に電気スタンドを当てる事が出来たか」

津浦「そういえば……停電中に電気スタンドは倒れたんでしたね」

土橋「じゃあそこのところを話し合ってみようか!」
199 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 22:06:43.27 ID:UQCoxiBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>176
【六山の証言】
【土橋の証言】
【静音の倒れかた】

佐場木「どうやって静音に電気スタンドを命中させたのか……」

佐場木「これを明らかにするぞ」

グレゴリー「犯人は〔漆黒の闇を見通す瞳〕を持っていたのだ!」

兵頭「〔暗視スコープ〕を使ったというのが現実的なのでしょうが……」

遠見「そんなものが持ち込まれればわかるでありますよ!」

道掛「〔運任せにやった〕んじゃねえか?」

六山「つまり犯人は幸運の持ち主って事だね……ジー」

苗木「そんな目で見るのはやめてよ!?」

ジェニー「……きっと〔目印があった〕です」
200 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 22:20:25.42 ID:UQCoxiBA0
〔目印があった〕←【六山の証言】

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「目印か……」

ジェニー「……」ビクッ

赤穂「六山、確か停電中にステージがボンヤリ光ってたって言ったよな?」

六山「うん、言ったよ……あっ、もしかしてあれが?」

苗木「ステージが光ってたって……ボク気付かなかったよ?」

四方院「わたくしも、ですわ」

赤穂「俺も気付かなかった……正直六山がなんで気付いたのかわからない」

六山「それは簡単だよ。布団にくるまりながら暗闇の中で毎日ゲームをしているわたしは暗闇の光に敏感なんだ」

兵頭「一見誇らしげに語っていますがそれはダメ人間では?」

土橋「というか目悪くするんじゃないのそれ!?」

六山「デバッグ中は眼鏡つけてるよ?」

道掛「まさかの眼鏡っ子!」

佐場木「くだらない話をいつまでしているつもりだ……!」

津浦「それで、Ms.六山の見た光とはいったい?」

六山の見た光……それは間違いなくあれの光だ。
201 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/09/24(土) 22:46:08.20 ID:UQCoxiBA0
【夜光塗料】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「ステージを調べたら静音の靴とステージの中央に貼ってあったテープに塗料がついてたんだ」

遠見「塗料?」

赤穂「手をかざしてみたらボンヤリ光ってた……あれは多分夜光塗料だ」

グレゴリー「闇夜に輝く道しるべ……その軌跡に向け電灯を処刑具として崩壊させたのか」

佐場木「夜光塗料やテープを持ち込むのは決して難しい事ではなかっただろう……くそっ」

遠見「あらかた調べたとはいえ、口の中や下着の中まで調べたわけではないでありますからね……不覚で、あります」

苗木「犯人は静音さんの靴にあった夜光塗料を目印にして電気スタンドを倒したんだね……」

赤穂「静音は指揮をする時に夜光塗料のあったテープの上に立っていた……」

御影「もしかしたらそれも犯人に言われたのかもね……ステージに目印があるからって」
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