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【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】
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1 :
◆DXWxLR/SkYo1
[!orz]:2016/07/22(金) 21:58:02.44 ID:LlqkWPJAO
※注意
このスレは
【ダンガンロンパ】【安価】モノクマ「コロシアイ研修旅行だよ!」【オリキャラ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433163240/
の主人公を変更した安価なしリメイクです。
・ダンガンロンパシリーズ、過去作のネタバレがあります
・舞台はジャバウォック島ですが、建物の配置やある施設などが変わります
・オリキャラ中心になりますのでご注意ください
・過去作
【ダンガンロンパ】こまる「それは違うよ!」【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384078808/
【スーダン2】???「コロシアイ修学旅行……!?」【安価】【オリキャラ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400847912/
【ダンガンロンパ】【安価】絶対絶望のコロシアイ生活【オリキャラ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423310760/
注意は以上です。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1469192282
2 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:00:57.59 ID:LlqkWPJAO
――俺はずっとヒーローになりたかった。
3 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:13:17.19 ID:LlqkWPJAO
きっかけはそう、子供の頃見た特撮ヒーロー。
弱きを助け、悪を挫く……勧善懲悪の物語に俺は夢中になった。
そんな俺がヒーローそのものになりたいなんて願望を抱くのは当たり前で。
シーツをマントみたいにして、お手製の仮面まで着けてヒーローごっこに夢中になっていた。
いじめっ子や悪い大人を成敗して、皆が笑顔になってくれたのがたまらなく嬉しくて。
俺はますますヒーローという存在にのめり込んだ。
中学の時にいじめを完全になくした事は今でも少し自慢だ。
そんな俺に、3つの人生の転機が訪れる。
1つは高校に入ってすぐに届いた一通の手紙。
【赤穂 政城様
貴方を超高校級の〈ヒーロー〉として希望ヶ峰学園第76期生にスカウトします】
・赤穂 政城(アコウ マサキ)
【超高校級のヒーロー】
正直言うと、ドッキリだと思ってたんだ。
こんなただヒーローが大好きなだけの俺が、あの希望ヶ峰学園にスカウトされるなんて。
しかも1つ上の75期に数多くの犯罪組織を潰した人が既にいる【超高校級のヒーロー】だなんて。
だけどあれよあれよという間に準備は進められて……俺は希望ヶ峰学園に入学した。
4 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:15:12.40 ID:LlqkWPJAO
意外に適応力があったのか俺は学園でクラスメート達と面白おかしい学園生活を送った。
そして俺は人生2つ目の転機を迎える事になる。
【人類史上最大最悪の絶望的事件】。
1度この世界はそんな冗談みたいなネーミングの事件によってズタボロにされた。
【超高校級の絶望】という存在は瞬く間に世界中に絶望をばらまいて……俺も何人かのクラスメートを殺された。
辛かった、悲しかった。
でも何より悔しかった。
ヒーローに憧れても、【超高校級のヒーロー】なんて言われても、俺は何も出来ずに友達を失って。
そんな俺は、ある組織にスカウトされる。
【未来機関】。
希望ヶ峰学園の教員や【超高校級】達が組織した対絶望のレジスタンス。
もちろん俺はすぐにその誘いに乗った。
絶望から世界を救うために、きっと出来る事があるって信じて。
5 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:20:07.65 ID:LlqkWPJAO
そして俺の3つ目の転機は……ある任務がきっかけだった。
【超高校級の絶望】が計画した【コロシアイ学園生活】。
【超高校級】の才能を持つ生徒達を殺し合わせて、それをジャックした電波に乗せて世界に見せつけるなんて悪趣味にも程がある計画。
最も、結果的にはそのコロシアイ学園生活は1人の【超高校級の希望】を生み出して【超高校級の絶望】を打ち倒したわけだけど……
人質にするためか【超高校級の絶望】達はコロシアイ学園生活の参加者である生徒達の親族友人を誘拐していたらしい。
【要救助民】と呼ばれるその人達を保護する……その任務のメンバーに俺は選ばれた。
だけどただ捕まったままの人達を保護するだけのはずだったその任務は……【超高校級の絶望】に魅入られた子供によって最悪の惨劇に変貌する。
まだ幼い子供、それこそ俺がヒーローに憧れてその真似事をしていたのと同じような年齢の子供に操られたロボットによって次々に殺される大人達。
ある【要救助民】を救助しに行ったチームの中でも1人で切り抜けられるという理由でファミレスに待機していた俺にも、その爪は伸びてきた。
俺は戦った。
だけどただでさえ敵の数が多いのに、一般人を逃がしながらなんて当然限界は来て、俺は……いつの間にか気絶していた。
6 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:28:10.34 ID:LlqkWPJAO
赤穂「ん……んんっ……」
「あっ!だ、大丈夫ですかっ!?」
目を覚ますと目の前には俺とそんなに歳は離れてなさそうなセーラー服の女の子が立っていた。
赤穂「だ、誰だキミは……?何をしている、さっさと逃げろ……!」
こんな所にいたらこの子まで殺されてしまう。
俺が守れたらいいんだけど、脚を傷つけられたのか上手く動けない……くそっ、本当に情けない……!
「あ、あの……あなたって未来機関の……人ですよね?」
赤穂「な、なんで……それを?」
「わ、わたし十神白夜って人に言われて……ここであなたと合流しろって……」
赤穂「もしかしてキミは……【要救助民】か?」
そうか、リーダーはこの子をここまで逃がしたんだな……
だったら俺がやるべき事は……!
赤穂「だ、だったら公園に行け。この裏口から出て真っ直ぐ道なりに進むんだ」
赤穂「そ、そこに……未来機関のヘリが停まっているはずだ。早く行くんだ……」
この女の子を逃がす。
それが今の俺に課せられた使命。
ついてはいけないけど、きっとヘリにさえ乗れれば……
7 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:34:11.20 ID:LlqkWPJAO
「でも……あなたは?」
女の子は俺を置いていく事に躊躇いを感じているのか、動こうとしない。
そんな彼女に俺が何かを言う前に、ガラスが割れてファミレスに【ヤツ】が入ってくる。
「きゃああっ!?」
もう四の五の言ってる暇はない!
痛む左腕を押し当てて裏口への扉を開けると女の子に急いで逃げるよう促す。
「……ご、ごめんなさい!」
女の子は謝罪をすると扉を抜けて逃げていった。
……良かった、逃げてくれて。
「うぷぷぷぷ……」
忌々しい、白と黒の身体。
赤い左目を光らせて、爪を剥き出しにして歩いてくる【超高校級の絶望】の象徴……【モノクマ】を俺は睨み付ける。
赤穂「来い……俺が相手になってやる……!」
俺の最期の仕事。
それはあの子が逃げきるまでモノクマをこの扉の先に通さない事。
たとえそれで俺が死んでもだ。
だって俺の大好きなヒーローは……
赤穂「弱きを守り、悪を挫くんだからな……!」
8 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:49:06.48 ID:LlqkWPJAO
赤穂「ゲホッ、ゲホッ……!」
終わった。
なんとかその場にいたモノクマ達を全てバラバラにしてやった。
その代わり、手持ちのハッキング銃はもう弾切れ。
さらにモノクマの爪でズタズタにされて身体中から血が流れてる俺も……ヤバイんだけど。
赤穂「あの、子は……無事に逃げたかな」
なんだか咄嗟にかっこつけた口調になったり、かっこつけた台詞言ったりしたけど……ヒーローっぽいから俺的にはありだな。
赤穂「はあ、はあ……」
馬鹿みたいな事を考えながらこの街と本土を繋ぐ橋までなんとかたどり着く。
だけど俺はそこで限界を迎えて……海に、落ちた。
9 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:53:22.98 ID:LlqkWPJAO
※※※※※※
赤穂「……まさか生き残るなんてなぁ」
リンゴをかじりながら自分の生命力がここまで高かった事に呆れるやらなんやら。
あの後海に落ちた俺は未来機関が念のためと巡回させていた船に拾われて。
そこで未来機関直属の病院に緊急搬送されて、大手術の果てに一命を取り止めたらしい。
赤穂「まあ……代償はあったんだけどな」
右目に縦に走った傷。
身体中に刻まれた傷。
そして俺の左脚をボロボロにした傷。
赤穂「死んでもおかしくなかったから、生きてるだけでも儲け物か」
赤穂「これからどうするかな……もう体力仕事とかは厳しいし」
そういえば【要救助民】の救出に一役買ったって事で本部から辞令が届いてるんだっけか。
赤穂「何々……」
【第十四支部所属赤穂政城。
要救助民救出作戦における勇気ある行動を讃えてこの度新造される未来機関第二十支部への異動をここに命ずる】
赤穂「未来機関第二十支部……」
その辞令が、俺の人生4度目の転機。
そしてあの惨劇への引き金でもあった……
10 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 22:57:15.44 ID:LlqkWPJAO
プロローグ【ようこそ未来機関第二十支部】
11 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 23:18:12.52 ID:LlqkWPJAO
【未来機関連絡船】
辞令を受けてから約半年後。
俺は未来機関の船で新しい支部に向かっていた。
赤穂「んー……!」
空は快晴、いい天気だ。
波も穏やかで新しい門出には相応しいってやつだな。
赤穂「えっと、手袋にスーツ……」
身体中の傷はあまり人に見せられるような物じゃない。
だから最近の俺はどんなに暑くてもしっかりスーツを着るようになっていた。
赤穂「それと……こいつだな」
ベッドの脇に置いた銀色の杖を取ると二の腕と手首に固定用のバンドを取り付けて立ち上がる。
左脚がまともに機能しなくなってから、こいつが俺の左脚だ。
赤穂「よし、これで準備完了だ」
杖をついて廊下に出ると、船内のホールに向かう。
そこにいるんだ、未来機関第二十支部の初期メンバーとして選ばれた……
俺の新しい仲間達が。
12 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/22(金) 23:46:11.65 ID:LlqkWPJAO
【船内ホール】
「おっ、来た来た」
「これで予定の人数が揃ったようだな」
赤穂「あー……もしかして俺が最後だった?」
「気にしないでください。別に時間を決めていたわけでもないのですから」
赤穂「……!」
えっ、まさかあそこにいるのは……!
「とりあえず、自己紹介と参りましょうか?わたくし達はこれから同じ支部で働く同僚なんですから」
「賛成デース!」
どうやら自己紹介をする事になったみたいだけど……俺も賛成だ。
「……」
あそこにいる人が本当に【彼】なのか、確かめたい!
13 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 00:19:02.84 ID:D8orv54AO
「では僕から自己紹介させていただきます」
短い金髪を揺らして彼は前に出る。
茶色いジャケットにボロボロの赤いマフラーはテレビでも見てきた彼のトレードマーク。
そうだ、やっぱり彼は……
如月「僕は如月怜輝。希望ヶ峰学園75期生【超高校級のヒーロー】と呼ばれていました」
・如月 怜輝(キサラギ レイキ)
【超高校級のヒーロー】
如月怜輝……世界中の犯罪組織を壊滅させて平和を取り戻した【超高校級のヒーロー】。
未来機関でもその力を発揮して、いくつもの事件を解決してきた英雄。
俺が憧れる……本物のヒーローだ。
如月「確かここにはもう1人【超高校級のヒーロー】がいましたね」
赤穂「あっ、お、俺です!76期生【超高校級のヒーロー】、赤穂政城です!」
如月「そうですか、あなたが……同じヒーロー同士よろしくお願いしますね」
赤穂「は、はい!」
同じヒーロー……いや、まさか如月さんにそう言われるなんて光栄だ!
14 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 00:38:41.84 ID:D8orv54AO
「もしもーし、聞こえてますかー?」
生のヒーローと話せた喜びに浸っていると、ポンポンと肩を叩かれる。
振り向くと肩までの白めの髪を内巻きにしている女の子が立っていた。
白いブラウスに紺系統の犬耳パーカー、ピンクのスカート。
ピンクのウサギ型のリュックを背負っている彼女は、片手で器用に携帯ゲーム機を弄りながら俺の頬を指で突っつく。
「自己紹介やるのにボーッとするのはあんまりじゃないかな?」
赤穂「おっと、悪い。俺は……」
「赤穂くんでしょ?さっき如月くんと一緒に自己紹介してたからみんな知ってると思うよ?」
六山「あっ、わたしは六山百夏。デバッガーやってまーす」
・六山 百夏(ムヤマ モモカ)
【超高校級のデバッガー】
六山百夏……あらゆるプログラムのバグを見つけて対処する【超高校級のデバッガー】。
彼女がデバッグしたプログラムは絶対にバグ1つない芸術品らしい……俺はあまり詳しくないけど。
六山「赤穂くんはゲームとかやる?」
赤穂「人並みにはやってると思うけど」
六山「そっか。ゲームでバグがあったら言ってね、すぐデバッグするから」
赤穂「あはは、その時が来たらお願いするかな」
15 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 09:00:38.40 ID:D8orv54AO
「はじめまして」
次に俺に声をかけてきたのは黒茶色の髪を被ったパーカーのフードから覗かせた男。
そのパーカーはあの【コロシアイ学園生活】で生まれた【超高校級の希望】が着ていた物と同じ種類みたいだ。
苗木「ボクの名前は苗木誠。ちなみに字はあのナエギマコトと同じだよ」
・苗木 誠(ナワキ セイ)
【超高校級の幸運】
赤穂「へぇ、あのナエギマコトと同じ字なんて凄い偶然だな」
苗木「あはは、それだけじゃないよ。ボクの才能は彼と同じ【超高校級の幸運】なんだ」
赤穂「才能まで一緒なのかよ」
苗木「まあ、ボクの運が良かった事と言えばなくした千円が偶然部屋から出てきた事くらいなんだけどね」
赤穂「それでもこの第二十支部の初期メンバーに選ばれたんだから苗木は優秀って事だろ?」
苗木「そう言ってもらえるとちょっとプレッシャーだなぁ……やれるだけ頑張ってはみるけどね」
16 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 09:29:34.98 ID:D8orv54AO
「……なに」
みんな個別に自己紹介してるみたいだし俺もそうしようと、一番近くにいた2人の女の子の所に行く。
だけどその内の1人……腰まで伸びた銀色の髪を肩で2つにまとめた白いタキシードの女の子がもう1人を庇うようにして俺を睨み付けてくる。
赤穂「いや、自己紹介をしようとしただけだぞ」
「そんな事言ってさっきの変態みたいに奏に何かする気なんでしょ!その、ハハハハハグとか!」
……なんなんだこいつ。
「凪、そこまでにしなさい」
「で、でもぉ!」
俺が困惑してると庇われていた腰までの金髪に青い肩出しドレスを着た女の子が白いタキシードの女の子を嗜める。
「すみませんでしたわ。凪は少し思い込みが激しい娘で……自己紹介ですわね?」
四方院「わたくしは四方院奏!【超高校級のパーフェクト】ですわ!」
・四方院 奏(シホウイン カナデ)
【超高校級のフルート奏者】
四方院奏……フルートを奏でさせれば感動を作り出すって言われてる天才フルート奏者。
その容姿からファンクラブもあるとか……確かにそれも頷けるな。
四方院「ふふん、わたくしのパーフェクトな美貌に声も出ませんか」
……んっ?
17 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 09:49:15.68 ID:D8orv54AO
「当たり前だよ!パーフェクトでキュートな奏の前にいて声を失わないわけないよ!」
四方院「ありがとう凪。そういう貴女もキュートですわ」
「奏に褒められたー♪」
訂正だ。
なんなんだこいつら。
四方院「凪も自己紹介しませんと。ほら、ご挨拶なさい」
静音「……静音凪。奏と付き合いたかったらぼくの許可を取る事だね!」
静音「許可しないけど!」
・静音 凪(シズネ ナギ)
【超高校級の指揮者】
どんな不協和音も統一させてしまうと言われる天才指揮者……そのわりには本人が不協和音ばらまいてないか?
四方院「もう凪ったら……」
赤穂「随分打ち解けてるんだな……もしかして知り合い?」
四方院「ええ、凪とわたくしは同じ楽団に所属していますの。いわゆる幼なじみという間柄ですわね」
静音「見てよ!このバッジとかこの髪飾りとか奏とお揃いなんだから!」
確かに2人の髪には音符の髪飾り、胸元には半円形のバッジがついてる。
本当に仲がいいんだな。
……羨ましくはないけど。
18 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 10:15:05.86 ID:D8orv54AO
「自己紹介ね……」
薄井「薄井千里。【超高校級のインチキ野郎】だ」
・薄井 千里(ウスイ チサト)
【超高校級のサイキッカー】
黒いシャツにジーパン、黒い髪を後ろで結っていたそいつはそんな風に自己紹介してきた。
赤穂「なんだよ、インチキ野郎って?」
薄井「表向きは【超高校級のサイキッカー】なんて大層な名前つけられてるけどな……はっ、馬鹿馬鹿しいだろ?」
赤穂「サイキッカー……実際は違うって事か」
薄井「当たり前だろ、超能力なんてこの世にあるわけねえんだから」
薄井「まっ、そういう事だからせいぜいオレみたいなインチキ野郎には関わらないようにしな」
インチキ野郎ね……そんな奴が未来機関の新しい支部のメンバーに選ばれるのか?
19 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 10:55:32.77 ID:D8orv54AO
「自己紹介ですか……はい、わかりました」
黒い髪を結い上げた、紺色のブレザーに赤黒のチェックのネクタイを着けた女の子が俺の前に立つ。
兵頭「兵頭千と言います。選挙に出られる際は是非ともご連絡を」
・兵頭 千(ヒョウトウ セン)
【超高校級の選挙管理委員】
兵頭千……グループのリーダー決めから国政選挙まで裏で管理している【超高校級の選挙管理委員】。
管理するようになった選挙は常に最上の結果を生むとかなんとか。
兵頭「ヒーローが2人……未来機関も大盤振る舞いをしたものですね」
赤穂「ヒーローって言っても、俺は如月さんみたいに犯罪組織を相手にしたわけじゃないぞ」
兵頭「それはあまり関係ないのでは?ヒーローとは犯罪組織を倒すだけではないのでしょう?」
赤穂「それは、まあ」
兵頭「ふふっ、とにかくよろしくお願いしますねヒーローさん」
20 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 11:11:54.25 ID:D8orv54AO
「ふん……」
上下白の学生服を着た男が不機嫌そうに眼鏡を指で押し上げる。
胸元には八角形の真ん中に裁と書かれたバッジが着けていた。
佐場木「佐場木半次だ」
・佐場木 半次(サバキ ハンジ)
【超高校級の裁判官】
佐場木半次……高校生で裁判官の地位を獲得、幾多の犯罪者を裁いてきた【超高校級の裁判官】。
確かモットーは……【罪を憎んで犯罪者を地獄に】。
佐場木「【超高校級のヒーロー】か……ふん、奴と違って犯罪には手を染めていないようだな」
赤穂「奴って、まさか如月さんの事を言ってるのか?」
佐場木「他に誰がいる。私刑に走り、俺達の邪魔ばかりする」
佐場木「いずれ裁かれる存在……俺からすれば同じ犯罪者だ」
赤穂「そんな言い方ないだろ!?如月さんがいなかったらどれだけ苦しむ人がいたか……」
佐場木「……何も知らないとは哀れだな」
赤穂「は?」
佐場木はそれきり何も言わなかった。
何も知らないって、どういう意味だよ。
21 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 11:30:06.46 ID:D8orv54AO
「はじめましてであります!」
亜麻色の髪を黄緑のリボンでツインテールにしている女の子がビシッと敬礼をしてくる。
迷彩服を着ているって事は軍人か何かなのか?
遠見「自分は遠見メメであります。所属部隊にて観測手をしているであります!」
・遠見メメ(トオミ ――)
【超高校級の観測手】
赤穂「観測手?」
遠見「はいであります!隊長指揮の下、狙撃手や部隊が危険な目に遭わないよう尽力しているのでありますよ!」
遠見「ちなみに隊長殿も希望ヶ峰学園の生徒だったであります!」
赤穂「そういえばクラスは違うけど、俺の同期に死亡人数0の傭兵部隊を率いてる【超高校級の傭兵】がいたな」
遠見「その人!その人こそ自分達を率いて導いた切原生人隊長であります!」
赤穂「そうだったのか」
でも今あのクラス在籍の15人って独断行動して謹慎処分食らってたような……
遠見「隊長殿、元気にしてくれてるといいのでありますが……」
……相当憧れてるみたいだし、余計な事は言わない方がいいか。
22 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 12:08:23.62 ID:D8orv54AO
「くっ、くくく……」
黒いスーツに白と黒で分かれたマントを着けた仮面の男が笑っている。
白と黒で分けるってアイツを思い出すから嫌な気分になるな……
「我が魔名を今ここに宣言しよう……」
赤穂「……えっ?」
「だが我が魔名にはあらゆる生命を蝕む呪いがかかっている!傷纏う英雄よ、心して聞くがいい!」
グレゴリー「我が魔名はグレゴリー・アストラル三世!天界より遣わされし従者の囀りに応え、魔宮殿を石板に記す記録者にして世界へと謳う伝道者よ!」
グレゴリー「ふははははははははははっ!!」
・グレゴリー・アストラル三世
【超高校級の設計士】
グレゴリー・アストラル三世……前衛的な設計を次々とこなす【超高校級の設計士】。
入り口の扉から入ると絶対に迷う迷宮みたいな家とか、階段と見せかけてエレベーターになる部屋とか、押し入れが扉で扉が押し入れの部屋とか……
とにかく何かしらからくりを入れないと気が済まないらしい。
今は建て直しされている世界各地の遊園地の新しいアトラクションの設計をしてるとか。
グレゴリー「しかし新世界への方舟に集まりし勇者達はこれほどまでに異界の印を抱くか」
グレゴリー「だが絶望郷へと至りしこの現世……再臨を果たすにはそれもまた世界の答えか」
グレゴリー「ふはははははははっ!!」
赤穂「……」
何を言ってるか全くわからん。
23 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 12:26:21.06 ID:D8orv54AO
「ワウン!ワウワウ、ワン!」
赤穂「は?」
白い半袖のジャケットに赤いスカート、暗い茶髪の左側に白いリボンを着けた女の子が無表情で俺に向かってなぜか吠えてきた。
いや、本当になんで吠えてきたんだ。
津浦「今のは犬の言葉で【津浦琴羽です。よろしくお願いします】という意味です」
・津浦 琴羽(ツウラ コトハ)
【超高校級の通訳】
津浦琴羽……あらゆる国の言語をマスターした人呼んで【歩く翻訳事典】。
津浦「申し訳ありませんMr.赤穂。ちょうど今【ワンワン語学辞典】を聴いていたので」
津浦が耳に着けていたイヤホンからは確かに犬の鳴き声が聞こえてくる。
赤穂「犬の鳴き声まで通訳する気なのか?」
津浦「世の中何が起きるかわかりませんから」
いや、いくらなんでもそれを使う機会はないだろ……
24 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 12:56:54.46 ID:D8orv54AO
「俺の番か!」
黒線の入った白い半袖のジャージに黒い半ズボン、緑のメットを被った男が笑顔で俺に寄ってくる。
人懐っこそうなその笑顔は人に好かれそうだ。
道掛「俺は道掛走也だぜ!よろしくな!」
・道掛 走也(ミチカケ ソウヤ)
【超高校級のサイクリスト】
道掛走也……あらゆる自転車競技で優勝した伝説の自転車乗り。
一番有名なのは競技中に相手の妨害で前輪がパンクした時、ウィリーでそのまま優勝した話だな。
道掛「なあなあ、赤穂。ちょっと聞いていいか?」
赤穂「んっ、なんだ?」
道掛「お前、女子で気に入った子いる?」
赤穂「気に入った子?」
道掛「いや、周りの女子ってレベル高いからさ……それでどうよ」
赤穂「……いや、まだ自己紹介も終わってないからな」
道掛「だったら気に入った子いたら教えてくれよ!俺はその子以外にアタックするからさ!」
道掛はサムズアップして女子の所に走っていった。
気に入った子、ねぇ……こんな俺じゃ片思いに終わるのが関の山だから気にしなくていいのに。
25 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 13:14:43.44 ID:D8orv54AO
「自己紹介ね!」
道掛と入れ替わるように来たのは、クリーム色の作業着に藍色の腰までの髪を首の辺りでゴムでまとめた女の子だ。
土橋「アタシは土橋美姫!建築作業ならお任せってね!」
・土橋 美姫(ツチハシ ミキ)
【超高校級の土木作業員】
土橋美姫……女子高生でありながら数多くの建築に関わってきた土木作業員とよくニュースで話題になってたな。
その細腕からは想像出来ないくらい力強い作業で、周りを引っ張ってるとか。
土橋「杖使ってるみたいだけど足怪我してるならいつでも頼っていいからね!力は有り余ってるからさ!」
赤穂「んっ、困ったら遠慮なく頼らせてもらうよ」
土橋「へへっ、まかせときなよ!」
どうやら彼女は面倒見がいいみたいだ……
26 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 13:35:50.35 ID:D8orv54AO
「自己紹介ですねー?」
次に自己紹介する人を捜していたら上から声がした。
見てみたらオレンジとピンクのメッシュが入ったセミロングの金髪に、赤い水玉模様の上着と黄色いダボダボのズボンを着た女の子が天井の飾りにぶら下がっていた。
赤穂「うわっ!」
天井から降りてきたその子は器用に受け身を取ると会釈をする。
知らない間に俺は拍手を彼女にしていた。
ジェニー「ボクのネームは、ジェニー・クラヴィッツですね。よろしくお願いしまーす」
・ジェニー・クラヴィッツ
【超高校級の道化師】
ジェニー・クラヴィッツ……世界中のサーカス団を渡り歩く【超高校級の道化師】。
その公演は笑顔を振りまき、楽しませる物だって話だ。
ジェニー「よろしくお願いしますねマサキ!ボク達はこれからフレンドでーす!」
赤穂「あ、ああ、そうだな。これからよろしくジェニー」
ジェニー「はーい!」
27 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 14:10:13.22 ID:D8orv54AO
「……」
壁際にいたその男はただ無表情でそこにいた。
黒いスーツに白いネクタイ、ボサボサの髪から見える金と銀の瞳は何も映してないようにさえ見える。
赤穂「自己紹介いいか?」
鞍馬「……鞍馬類です」
鞍馬 類(クラマ ルイ)
【超高校級の???】
鞍馬類?
少なくとも他の面々みたいに名前だけは聞いた事があるメンバーと違って、その名前は聞いた事すらない。
鞍馬「……」
いったい何者なんだ?
28 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 14:47:54.02 ID:D8orv54AO
赤穂「後1人か」
確か初期メンバーは俺を入れて17人。
15人と紹介はしたから、どこかに……
赤穂「あっ」
「あっ」
その子は部屋の目立たない場所にいた。
長袖の白いセーラー服に赤いリボン、青いスカートから伸びる細い脚の上には黒いストッキング。
白いロングヘアーの右側に3つの赤いヘアピンを着けたその女の子を見て俺は……
赤穂「お前、今までどこにいたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
出来る限りの全速力で近付いていった。
「げっ!やっぱりマサキ!?」
赤穂「牡丹、いつからお前は兄を呼び捨てにするようになったんだ!」
御影「もう親戚の御影の家に貰われたから兄も妹もないでしょ!」
・御影 牡丹(ミカゲ ボタン)
【超高校級の???】
御影牡丹……俺の3つ下の妹だ。
小学生の頃親戚の御影家に引き取られて、その後家出して行方不明になっていた。
赤穂「どれだけ心配したと思ってんだ!?家出して、世界があんな事になって……」
御影「わ、私だって色々あったんだよ……だいたいそっちこそその怪我なに!?どーせまたヒーロー気取りで馬鹿したんでしょ!?」
赤穂「ぐっ、お、俺も色々あったんだよ……だいたい話をだな……」
ああ、違う。
最初に言いたいのはこんなんじゃなくて……
赤穂「…………無事で良かった」
御影「……!」
赤穂「死んでるのも、覚悟してたんだ。だからこうしてまた会えて……俺は嬉しい」
御影「……」
赤穂「牡丹?」
御影「……だったら、良かったのにね」
赤穂「えっ」
御影「……」
牡丹……?
29 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/23(土) 15:36:09.69 ID:D8orv54AO
今更ながら一時休憩。
ずっとやってなかったから色々忘れてますが今度こそ最後までいきます。
30 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 20:42:52.24 ID:FvOI0tQAO
色々と予定外の事は起きたけど自己紹介は終わった。
赤穂「牡丹、お前この髪どうしたんだよ。昔は黒かったのに」
御影「うるさいなぁ……色々あったんだってば」
道掛「感動的再会ってやつだな!」
如月「世界には絶望が蔓延して今も絶えませんが……このような希望があるからまだ救われますね」
佐場木「ふん……油断はしない事だな。最近は色々とキナ臭い事件も起きている」
苗木「そういえば【超高校級の狂人】が絶望病とかいう新型ウイルスを街にばらまいたって言ってたね……」
遠見「それだけではないであります。【絶望教】なる宗教団体も最近現れたとか」
ジェニー「いつになったら世界はまたスマイルが溢れるですか……」
四方院「それを実現するためにわたくし達はいるのですわ!」
静音「奏がいれば世界はあっという間に希望に満ち溢れるよ!」
土橋「すっごい自信だねぇ……こんな世界だとそれぐらいは思わないと駄目かもしんないけど」
31 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 20:53:38.75 ID:FvOI0tQAO
グレゴリー「案ずる事はない!絶望郷に射す光は既にこの現世に産み落とされた!絶望の女神は既に地に墜ち、残されし災厄の担い手達ももはや風前の灯!」
薄井「何言ってんのかわかんねえよ……」
津浦「通訳しましょう。【心配はいりません!世界には超高校級の希望がいます!江ノ島盾子は倒れ、絶望の残党達も追い詰められています!】と、Mr.グレゴリーは仰っています」
グレゴリー「ほう、言の葉の魔術師よ。我が天界の言霊を理解するか」
津浦「ワタシは通訳ですから」
兵頭「なるほど、これからはグレゴリーさんの言葉は津浦さんに通訳してもらえば助かりますね」
六山「ゲームしてるとその手の言葉はよく聞くけど理解するとなると難しいもんね」
赤穂「……」
なんだか個性的なメンバーだよな……ついていけるか心配だ。
でもこれから一緒に働くんだ、仲良くやって……
32 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 20:58:20.36 ID:FvOI0tQAO
「うぷぷぷぷ……呑気だねオマエラ」
33 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 21:17:12.95 ID:FvOI0tQAO
空気が固まる。
それは絶対にあってはならないそんな声だったからだ。
赤穂「……!」
そしてその声の方、ホール奥のステージを見ればそこには【ヤツ】がいた。
モノクマ「皆々様お久しぶりでございます!」
モノクマ「ボクはモノクマ、これから始ま――」
グシャ!!
モノクマは最後まで言葉を話す事はなかった。
如月「……無粋な物が紛れていたようですね」
如月さんがその前にモノクマの頭を拳で貫いたからだ。
グレゴリー「絶望の化身だと!?なぜこの方舟に生誕している!」
津浦「それはわかりませんが……どうやら緊急事態のようです」
佐場木「ちっ、船長室に行って連絡をしてくる。絶望の残党が潜入している可能性があると本部に伝えねばならない」
遠見「1人では危険でありますよ佐場木殿!自分もついていくであります!」
佐場木と遠見がホールから出ていく。
赤穂「まさかまたモノクマが目の前に出てくるなんてな……つうっ」
土橋「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
赤穂「古傷が痛んだだけだから大丈夫……それより絶望の残党がいるなら俺達も捜索を――」
34 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 21:21:40.40 ID:FvOI0tQAO
鞍馬「この船、止まっていますよ」
35 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 21:31:51.84 ID:FvOI0tQAO
赤穂「なんだと!?」
苗木「本当だ……全く動いてないよ!?」
六山「ちょっと、か、勘弁してほしいかな……」カチカチ
静音「か、奏ぇ、ぼく達どうなっちゃうの?」
四方院「これは……」
佐場木「おい!船長室どころか操舵室にも誰もいないぞ!」
道掛「はあ!?」
薄井「オイオイマジかよ……」
兵頭「それで本部と連絡は?」
遠見「ダメであります!全く繋がらなかったでありますよ……!」
ジェニー「あうう、どうなってるですか……」
御影「ねえ、この臭い……!」
赤穂「臭い?」
牡丹に言われた瞬間、鼻が微かな臭いを捉える。
そしてその瞬間……俺の意識は急速に沈んでいった。
36 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 21:57:27.85 ID:FvOI0tQAO
プロローグ【ようこそ未来機関第二十支部】END
生き残りメンバー17人
To Be Continued...
37 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 22:34:18.52 ID:FvOI0tQAO
・研修旅行名簿
男子
・赤穂政城(アコウ マサキ)
才能…【超高校級のヒーロー】
身長…177cm
料理の腕…60→25
掃除の腕…55→20
・如月怜輝(キサラギ レイキ)
才能…【超高校級のヒーロー】
身長…182cm
料理の腕…9
掃除の腕…15
赤穂への第一印象【同じヒーローとして仲良くしましょう】
・苗木 誠(ナワキ セイ)
才能…【超高校級の幸運】
身長…170cm
料理の腕…60
掃除の腕…60
赤穂への第一印象【ヒーローか、凄いんだね!】
・薄井千里(ウスイ チサト)
才能【超高校級のサイキッカー】
身長…163cm
料理の腕…75
掃除の腕…95
赤穂への第一印象【……兄妹は大切にしろよ】
・佐場木 半次(サバキ ハンジ)
才能【超高校級の裁判官】
身長…186cm
料理の腕…35
掃除の腕…56
赤穂への第一印象【ふん……あいつのようにはならない事だな】
・グレゴリー・アストラル三世
才能【超高校級の設計士】
身長…190cm
料理の腕…45
掃除の腕…61
赤穂への第一印象【その傷を誇るがいい!それは傷纏う英雄の英雄たる証!】
・道掛 走也(ミチカケ ソウヤ)
才能…【超高校級のサイクリスト】
身長…192cm
料理の腕…52
掃除の腕…32
赤穂への第一印象【ヒーローってモテるのか!?】
・鞍馬 類(クラマ ルイ)
才能…【超高校級の???】
身長…178cm
料理の腕…90
掃除の腕…90
赤穂への第一印象【特にありませんね】
38 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/24(日) 23:13:44.62 ID:FvOI0tQAO
・女子
・六山 百夏(ムヤマ モモカ)
才能…【超高校級のデバッガー】
身長…160cm
スリーサイズ…B88 W60 H90
料理の腕…2
掃除の腕…60
赤穂への第一印象【傷だらけのヒーローなんてゲームみたいだね】
・四方院 奏(シホウイン カナデ)
才能…【超高校級のフルート奏者】
身長…165cm
スリーサイズ…B84 W54 H79
料理の腕…95
掃除の腕…93
赤穂への第一印象【ふふふ、凪を許してあげてくださいね】
・静音 凪(シズネ ナギ)
才能【超高校級の指揮者】
身長…150cm
スリーサイズ…B73 W53 H76
料理の腕…20
掃除の腕…10
赤穂への第一印象【奏に近付くな!】
・兵頭 千(ヒョウトウ セン)
才能…【超高校級の選挙管理委員】
身長…169cm
スリーサイズ…B85 W58 H87
料理の腕…97
掃除の腕…59
赤穂への第一印象【如月さんに憧れているみたいですね】
・遠見 メメ(トオミ ――)
才能…【超高校級の観測手】
身長…167cm
スリーサイズ…B78 W58 H80
料理の腕…47
掃除の腕…13
赤穂への第一印象【隊長の同期生……どのような方でありましょう!】
・津浦 琴羽(ツウラ コトハ)
才能…【超高校級の通訳】
身長…171cm
スリーサイズ…B83 W56 H80
料理の腕…57
掃除の腕…38
赤穂への第一印象【習いますか?犬語】
・土橋 美姫(ツチハシ ミキ)
才能…【超高校級の土木作業員】
身長…174cm
スリーサイズ…B95 W57 H88
料理の腕…85
掃除の腕…80
赤穂への第一印象【何かあったら頼ってね!】
・ジェニー・クラヴィッツ
才能…【超高校級の道化師】
身長…146cm
スリーサイズ…B75 W52 H74
料理の腕…40
掃除の腕…30
赤穂への第一印象【ヒーロー!スマイルを守る人ですねー!】
・御影 牡丹(ミカゲ ボタン)
才能…【超高校級の???】
身長…158cm
スリーサイズ…B81 W56 H82
料理の腕…0
掃除の腕…0
赤穂への印象【……こんな形で、会いたくなかった】
39 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/25(月) 22:00:28.42 ID:hCBtjd0AO
ザー……ザー……
赤穂「……っ、く」
いったい何があったんだ……
赤穂「……」
青い空。
白い雲。
赤穂「まさかここは……」
目が覚めるとそこは南の島。
――ジャバウォック島だった。
40 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/25(月) 22:06:02.90 ID:hCBtjd0AO
CHAPT.1【正義という名の××】(非)日常編
41 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/25(月) 22:38:03.01 ID:hCBtjd0AO
【砂浜】
赤穂「……」
ジャバウォック島。
未来機関の資料にあった南の島。
どうやらあの後俺はここに流れ着いたみたいだ。
赤穂「みんなは……どうしたんだ?」
流れ着いたって事は船が沈没した可能性が高い。
だったらみんなは、牡丹はどうなったんだ!?
赤穂「杖はある……みんなを捜さないと……!」
「あっ!」
赤穂「えっ」
砂に足をとられながら立ち上がったのと同時、誰かがこっちにやって来るのが見えた。
あれは……
静音「奏ー!じゃない!?」
赤穂「静音、キミもここに流れ着いたの……かっ!?」
静音「奏はどこ!?」
赤穂「い、いや、俺も今目を覚ましたから……」
静音「もうなんなの!さっきから見つかるのは奏以外ばっかり……」
赤穂「他のみんなもいるのか!?」
静音「お前で15人目だよ!」
赤穂「俺で15人目?」
つまり四方院さん以外の全員はもう見つかってるのか……
42 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/25(月) 22:55:22.04 ID:hCBtjd0AO
静音「奏、どこに行ったの……ひっく、うぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!」
赤穂「し、静音……」
よっぽど四方院さんが心配なんだな……
赤穂「……大丈夫だ、静音」
静音「……?」
赤穂「みんながいるなら四方院さんだってきっとここにいるって」
静音「ぐすっ……ほんとに?ほんとに奏いる?」
赤穂「もちろん、だから泣き止むんだ。四方院さんに心配かけちゃうぞ」
静音「ひっく、ひっく……」
赤穂「な?」
静音「…………うん、わかった」
赤穂「よし、それじゃあみんなの所に案内してくれないか?もしかしたら四方院さんも来てるかもしれないしな」
静音「確かにそうだ!それじゃあ急いで戻らなきゃ!」
赤穂「ちょ、ちょっと待ってくれ静音。走られると追いつけない……」
静音「むー、むー!早く早く!」
というか、待ってくれるんだな。
43 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 01:08:39.32 ID:ey6fruoAO
【中央の島・未来機関第二十支部】
四方院「凪!」
静音「奏ー!」
静音に急かされながらみんなが集まってる場所に行くと、四方院さんは本当にみんなと合流していた。
抱きついてワンワン泣いてる静音を見届けると、少し離れた場所にいた牡丹の頭に手を置く。
御影「……無事だったんだ」
赤穂「お互いにな」
如月「どうやら皆さん無事だったみたいですね」
兵頭「しかしこんな偶然があるんでしょうか?私達は何者かに襲われたはずで、それなのにこの島にたどり着くなんて」
佐場木「確かに普通ならばありえん。あの状況からこの未来機関第二十支部のある島に無傷のまま全員揃うなどという事はな」
苗木「だけど事実ボク達はこのジャバウォック島にいる……うーん、どういう事なんだろ」
佐場木「可能性は2つある。まず1つは俺達はあの後未来機関の部隊に救われ、この島まで運ばれた」
土橋「だとしたらちょーっと優しくないよね。アタシ道端に転がされてたんだけど」
道掛「俺なんてプールサイドにいたもんだから起きた時に落ちちまったぜ!」
薄井「だから濡れてんのかオマエ……」
佐場木「そう、俺達はこの島のあらゆる場所に配置されていた。これは未来機関に助けられたなら考えにくい」
グレゴリー「つまり定められし運命の針はもう1枚の葉に刻まれているのだな」
津浦「【つまりもう1つの可能性が有力なんですね】と仰っています」
佐場木「……ふん。あまりに考えたくもない可能性だがな」
六山「そうなの?」
佐場木「簡単に言うなら……」
44 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 01:11:04.78 ID:ey6fruoAO
モノクマ「このボクによって未来機関第二十支部は既に掌握されてるのです!」
45 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 01:33:33.64 ID:ey6fruoAO
赤穂「モノクマ……!」
ジェニー「また出たでーす……!」
モノクマ「いやはや、さっきは挨拶も途中で壊されちゃうとは思わなかったよ!」
如月「ならばまた破壊するまでです」
モノクマ「おやおや、いいのかな?さっきはともかく今はボクが掌握したこの島がフィールドなんだよ?」
如月「何が言いたいんですか」
モノクマ「オマエラも【コロシアイ学園生活】の放送は見たよね?ボクに手を出したらどうなるかも」
遠見「グングニルの槍でありますか……あの戦刃むくろすら殺害してみせた」
如月「なるほど……しかしアレは不意打ちだからこそ通用したもの。最初から警戒すれば回避は可能だったはずですよ」
モノクマ「そりゃあの【超高校級の軍人】やキミなら出来るかもね!だけど……他の人はどうかな?」
赤穂「まさかお前、如月さんが手を出したら他の誰かを……!」
モノクマ「そうです!如月クンのルール違反による責任は他の人に取っていただきます!」
如月「卑怯な真似を……!」
兵頭「ルール……あなたは私達に何をやらせるつもりですか」
モノクマ「もう、わかってるくせに!もちろん……お待ちかねのあのイベント!」
46 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 01:34:31.85 ID:ey6fruoAO
モノクマ「コロシアイ研修旅行をオマエラには行っていただきまーす!」
47 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 01:36:15.67 ID:ey6fruoAO
とりあえずここまでで。
また明日というか今日も更新します。
48 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/26(火) 23:21:27.82 ID:ey6fruoAO
赤穂「コロシアイ研修旅行……」
モノクマ「うぷぷ、コロシアイの意味はあの放送を見てたオマエラには今さらだよね?まさか忘れちゃった?」
佐場木「あんなもの、忘れようにも忘れられるはずがない」
六山「わたし達はこれから無期限に共同生活を送らされる……」カチカチ
兵頭「そしてコロシアイが起きた場合は学級裁判、犯人……クロを突き止めるための議論を行い……」
苗木「成功すればクロが、失敗したらクロ以外の全員が処刑される……」
モノクマ「その通り!基本ルールはしっかり押さえてるね!」
モノクマ「オマエラはこの未来機関第二十支部を舞台に凄惨で残酷で絶望的なコロシアイを送るんだよ!」
グレゴリー「戯言を!この未来機関の聖地においてそのような絶望演舞が可能になると思わない事だ絶望の化身!」
津浦「Mr.グレゴリーの仰る通りです。未来機関の新支部があるこの島でコロシアイなど、本部が見逃すはずがありません」
モノクマ「……うぷぷ」
薄井「オイ、何がおかしいんだ」
モノクマ「オマエラはやっぱり呑気だな〜と思ってさ」
49 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/27(水) 00:06:20.41 ID:RFqh3ySAO
モノクマ「まあいいや。お楽しみは後にでも取っておくとして……オマエラにはこの島を調べるにあたって便利なこれを渡しておきましょう!」
モノクマ「未来機関第二十支部支給品!未来電子手帳!」
六山「ネーミングセンス皆無だね」
モノクマ「そんな事ボクに言わないでよ!これは未来機関が用意した物なんだからさ!」
電子手帳……モノクマが配ったそれを俺達は黙って受け取る。
今の状況だと、未来機関が用意した物というそれ自体が1つの拠り所みたいな物だったからだ。
赤穂「……」
電子手帳を起動すると俺の名前が表示されて画面に地図やプロフィールといった項目が現れる。
赤穂「……んっ?」
その中に2つの???という項目がある……いったいなんなんだ?
モノクマ「それでは今日は解散しましょう!オマエラも船旅で疲れてるだろうし!」
モノクマ「ぐっすり眠って初日から殺されるなんてならないようにね!」
モノクマ「アーハッハッハッハッハッハ!!」
50 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/27(水) 22:08:31.40 ID:RFqh3ySAO
薄井「……厄介な事になったな」
モノクマが消えてからも俺達はその場から動けなかった。
新しい支部に配属される話が一転してコロシアイなんて事態になったんだ……無理もないよな。
四方院「……」
静音「奏?難しい顔してどうしたの?」
四方院「いえ、もしかしたらですが……1つの真実が見えた気がしましたの」
遠見「真実で、ありますか?」
四方院「元々疑問でしたの。わたくし達は船で眠らされてここに連れてこられたようですが……佐場木さん」
佐場木「なんだ」
四方院「船には船長以下船員の皆さんはいなかったそうですわね?」
佐場木「そうだ。まるで最初から誰も存在していないかのように……!」
佐場木「まさか……」
四方院「そう、そしてこの島にも施設建設や一般のスタッフ……既に配置されていたはずの人々がいません」
兵頭「それはモノクマがやはり……皆殺しにしたのでは?」
四方院「そのわりにはこの施設は無傷のように見えます」
確かに俺達の目の前にある第二十支部の建物はどこも破壊されてない。
だけどそれがいったい……
51 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/28(木) 23:09:24.73 ID:KYm0hjfAO
苗木「えっと、四方院さんは何が言いたいの?」
四方院「モノクマがスタッフや船員達を排除したにしては痕跡がなさすぎると思いませんか?」
遠見「……確かに言われると、あの塔和シティのようになっていてもおかしくないのでありますが」
土橋「アタシも断言するけどこの施設の外観には全く人為的な傷はないよ」
御影「……だけどさ、いないのは事実じゃん」
四方院「そう、ですからわたくしはこう推理しましたの」
四方院「この島には元々人がいなかったのだと」
道掛「は?」
四方院「そして船員の皆様は自ら姿を消したのではないでしょうか」
如月「……自ら?」
赤穂「それじゃあまるでこのコロシアイを仕組んだのが……」
四方院「ええ、わたくしはこの状況を作り上げたのは未来機関ではないかと考えていますわ」
未来機関がコロシアイを……!?
52 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/28(木) 23:36:11.05 ID:KYm0hjfAO
津浦「Ms.四方院……それはいささか飛躍した考えでは?」
佐場木「いや……否定は出来ん」
グレゴリー「憤怒の執行者……それはいかなる理を持っての言霊か?」
佐場木「……ここ最近未来機関は急進派と穏健派の間で色々と不穏な状況だ」
佐場木「何が起きるか誰にもわからん……四方院、お前は未来機関がこのコロシアイを演出したとしてその目的はなんだと考えている?」
四方院「モノクマがはっきり言っていたではないですか。これはコロシアイ研修旅行だと」
六山「研修って、事?」
四方院「そしてその研修だとするならば……ちょうどいい物が未来機関にはあります」
如月「……新世界プログラムですか」
ジェニー「プログラム?ここはリアルじゃないですか?」
四方院「わざわざ実際にコロシアイをさせるリスクを考えれば、その可能性は高いと思いますの」
赤穂「ここが、プログラム……?」
鞍馬「……」
53 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/29(金) 00:34:35.12 ID:u5L8oEFAO
静音「凄い!凄いよ奏!さすがパーフェクト!」
四方院「いいえ、この程度ではパーフェクトなど名乗れませんわ凪」
静音「えっ、なんで!?」
四方院「わたくしはこのコロシアイ研修旅行の本質を推理したに過ぎませんの」
兵頭「状況が変わったわけではないという事ですね」
道掛「だけどよー、プログラムだなんて俺達にはどうにも出来なくね?」
六山「わたしには期待しないでね。わたしプログラマーでもハッカーでもないから」
薄井「無理やり脱出出来ねえなら、このコロシアイ研修旅行自体が無駄だと思わせるとかならどうだ?」
津浦「そのためにはまずこのコロシアイ研修旅行の目的がわからなければなりませんね」
四方院「目的はおそらく、危険思想の人物などをあぶり出したいといったところでしょう」
佐場木「……ふん、妥当な所ではあるな」
赤穂「じゃあ危険思想なんて持ってないって示せばいいのか?」
だけどそんなのどうやって……
54 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/29(金) 00:45:40.20 ID:u5L8oEFAO
土橋「しばらくこのままみんなで過ごせばいいんじゃない?コロシアイなら何も起きなかったら諦めるでしょ」
遠見「期限がわからないのが難点でありますが……それが最善策でありましょう」
苗木「つまり最初の目的と変わらずに……僕達はここで生活してればいいのかな?」
御影「うわ、気の長い話……」
確かに牡丹の言う通りだし、正直未だにプログラムかどうかも疑わしい。
赤穂「だけど他に方法が浮かばないなら……そうするしかないよな」
ジェニー「それじゃあみんなフレンドで決まりでーす!」
グレゴリー「良かろう!この電子の箱庭を我が魔力の根源を高める修練場にしてくれようではないか!」
佐場木「ふん……出鼻をくじくようだが今日はもう夕方だ。休んで明日に備える事だな」
六山「それじゃあ、このマップにあるホテルに行こっか。コテージもあるみたいだしね」
確かに船で揺られていたからか、少し疲労感がある。
プログラムなら融通を利かせてもいいと思うけどな……
みんなも疲れていたのか、佐場木達の提案に反対する人間はおらず……俺達はホテルのある隣の島に向かった。
55 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 21:45:21.42 ID:b4NrV/JAO
【赤穂のコテージ】
赤穂「ふう」
杖を外して備え付けられたベッドに腰かける。
歩きながらの話し合いで今日はもう休んで明日は各自島を回る事になった。
赤穂「……とんでもない事になったな」
コロシアイ研修旅行……四方院さんの推測が正しければ未来機関による危険人物の炙り出し。
赤穂「未来機関も色んな思想の奴が集まってるのは知ってるけどな……ここまでやるのか?」
いくらなんでも強引過ぎる。
とはいえ、元々未来機関の中には絶望に堕ちた人間の家族……その家族本人は絶望堕ちしていないのにも関わらず殺してしまえなんて過激派もいるから否定は出来ない。
赤穂「……この事は考えてもしかたないか」
個性的な未来機関の同僚、憧れのヒーロー、ずっと行方不明だった妹……
コロシアイを抜きにしても今日は色々とありすぎた。
赤穂「……」
ベッドに倒れ込んで大の字になる。
そして気付いた時には俺は眠りに落ちていた。
56 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 21:57:13.41 ID:b4NrV/JAO
【2日目】
キーン、コーン、カーンコーン
赤穂「んうっ……?」
なんだ、チャイム……?
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
赤穂「……」
ああ、そういえば電子手帳に10時と7時にアナウンスするとか書いてあったな……
赤穂「くそっ、それにしても嫌な目覚ましだな」
二度寝したいところだけど朝にここの敷地にあるレストラン集まるとか言ってたから、そうするわけにもいかない。
赤穂「シャワーは……一応浴びていくか」
妹もいるのにだらしない格好するわけにもな……
57 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 22:15:53.90 ID:b4NrV/JAO
【ホテルミライ】
コテージを出て、敷地の中心にあるプールの横を通ってホテルの中に入る。
六山「……」カチャカチャ
すると六山がロビーにあるゲームをプレイしていた。
六山「んー……?あっ、おはよう赤穂くん」
赤穂「おはよう六山。みんなはまだ来てないのか?」
六山「たしか半分は来てたかな。わたしはみんな集まるまでゲームしてよっかなーって」
赤穂「へー……面白いのか?」
六山「なかなかのなかなかだね。この筐体はこれ1つでRPG、アクション、パズル、落ち物、シミュレーション……とにかく色々なゲームが楽しめるんだ」
赤穂「それは……すごいんだな」
ゲーム機1台だけでそこまで出来るなんて、聞いた事がない。
六山「ただ、その分無理してるのかバグがたくさんあるんだよね」
赤穂「バグ?」
六山「モンスターと戦闘してたらいきなりブロック落ちてきたりとか、パズルしてたら一緒に帰るかの選択肢出てきたりとかもうぐちゃぐちゃ」
なんだよ、その新感覚ゲームは……
六山「こういうの、デバッガーとしては見逃せないんだよね」
六山「というわけで、わたしは今からデバッガーとしてお仕事に入るからご飯出来たら呼んでね」
そう言って六山はゲーム機を動かし始める。
いくら声をかけても全く反応はなく……しかたないので俺は一足先に2階のレストランに上がる事にした。
58 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 22:42:01.16 ID:b4NrV/JAO
【ホテルミライ・レストラン】
赤穂「おはよう」
レストランに上がると六山が言っていた通り、何人かが席についていた。
道掛「よっ、赤穂!」
遠見「おはようであります!」
佐場木「……よく眠れたようだな」
鞍馬「……」
如月「おはようございます、赤穂さん」
赤穂「お、おはようございます!」
如月「……なんで2回言ったんですか?」
赤穂「す、すみません、つい」
憧れの人を目の前にするとどうも緊張するな……
赤穂「……あれ?」
道掛「どした?」
赤穂「いや、六山は半分は来てるって言ってたのに少ない気がして」
遠見「今四方院殿、兵頭殿、土橋殿は厨房にいるのであります!」
道掛「飯は自分達で作れって言われたしなー」
なるほどな、それなら確かに半分は来てる。
59 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 23:04:33.04 ID:b4NrV/JAO
席について待つと後から残りのメンバーがレストランにやって来る。
薄井「早えな……もうこんな来てんのか」
苗木「おはよう、みんな」
ジェニー「おはようございますでーす!」
グレゴリー「ふはははははっ!魑魅魍魎達は闇へと隠れ、神々の地を焼く光が降り注ぐ!さあ、運命の交差せし世界にて新たなる盟約を果たそうではないか!」
津浦「おはようございます、皆様。Mr.グレゴリーは【おはようございます、いい天気ですね。今日もいい1日にしましょう!】と仰っています」
そしてそれとほとんど同時に厨房の方から料理を持った3人が出てきた。
四方院「おはようございますわ皆様。よく眠れまして?」
土橋「ご飯出来たから暇な人は運ぶの手伝ってー!」
兵頭「これほどの人数分は初めてですね……いい経験になりました」
3人の手伝いに何人か立ち上がるのに合わせて俺は六山を呼びに行く。
そして六山を連れてレストランに戻ると……まだ全員揃っていなかった。
60 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 23:16:10.86 ID:b4NrV/JAO
佐場木「静音と御影はどうした」
土橋「確かにちょっと遅いね……奏と政城は何か知らないの?」
四方院「凪ならもうすぐ来ると思いますわ。あの子は早くは起きられるのですがしばらくボーッとしないとベッドからも出られませんの」
赤穂「牡丹は……朝に弱くはなかったはずだけどな」
何かあったのか……?
赤穂「ちょっと様子を見てくる。先に食べててくれていいからな」
レストランから牡丹のコテージに向かう。
その途中、なぜかウサギのぬいぐるみらしき物を抱えた静音があくびをしながらホテルに歩いてくるのが見えた。
赤穂「これで、後は牡丹だけか……」
61 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/30(土) 23:50:46.08 ID:b4NrV/JAO
【御影のコテージ前】
ピンポーン…
赤穂「牡丹、もう朝だ。みんな待ってるぞ」
……
赤穂「出てこないな……牡丹?」
ガチャッ
赤穂「開いてる……牡丹、入るぞ?」
扉を開けてコテージの中に足を踏み入れる。
牡丹はベッドに横になっていた。
御影「ゲホッ、ゴホッ!あ、ぐうっ……!」
酷く、苦しみながら。
赤穂「牡丹!?おい、どうした!?」
御影「あ……にい……」
赤穂「苦しいんだな?待ってろ、今誰か呼んで……!」
御影「つ、机のっ、上……」
赤穂「机の上!?」
御影「く、くすり……ゲホッ、うぷっ……!」
机の上を見ると毒々しい色をしたカプセルの入ったケースが目に入る。
急いでそれを取って渡すと、牡丹はカプセルを1つ取り出して噛み砕くように飲み込んだ。
御影「はぁー、はぁー……」
赤穂「大丈夫、か?」
御影「ん……もう、大丈夫」
本当に大丈夫みたいで牡丹はさっきまでの苦しみようが嘘のように落ち着いていた。
御影「……レストランに集まるんだっけ?準備するから、外で待ってて」
赤穂「おい!そんな事よりこの薬はなんなんだよ!?オマエ、まさか何か病気……」
御影「大丈夫だから!」
赤穂「っ……」
御影「本当に、大丈夫だから……何も聞かないで」
赤穂「……」
御影「……」
赤穂「いつか、話してもらうからな」
それだけ告げて牡丹のコテージから出る。
牡丹は……何を隠してるんだ。
62 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/07/31(日) 00:07:54.16 ID:BeB2GHIAO
御影「おはよ」
ジェニー「ボタン、来ました!」
赤穂「……」
苗木「どうかしたの?顔色悪いけど」
赤穂「いや……なんでもない」
さっきの事もあって朝食も進まず、牡丹を見てしまう。
御影「あっ、美味しいじゃんこれ」
四方院「当たり前ですわ!わたくしが作ったのですから!」
静音「そうだそうだ!奏のご飯は世界一なんだ!」
御影「でもこれには負けるね」
兵頭「ふふっ、ありがとうございます」
四方院「うぐっ、否定は出来ませんわ……!」
六山「まあまあ」
……こうして見るとさっきのがまるで幻覚みたいに感じる。
赤穂「……」
土橋「あーっと、政城美味しくなかった?」
赤穂「えっ」
土橋「手つけてないからさ……ごめんね、もし口に合わないなら残していいから」
赤穂「い、いやいや!ちょっと考え事してただけだ!土橋のご飯は美味しいから!」
土橋「なら、いいんだけど」
赤穂「……」
本当に、いったい何があったんだよ?
63 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/01(月) 21:30:12.42 ID:WjjBPo5AO
【赤穂のコテージ】
赤穂「さてと……」
今みんなは思い思いに島を見て回っている。
俺も何があるかを把握しておかないとな……
【ホテルミライ】
俺達が今いるコテージのあるホテルミライ。
プールもある元観光地らしいホテルだ。
赤穂「隣にあるこの建物はなんなんだ?」
ホテルの建物の隣にある木造の建物……扉を見てみると旧館と書いてある。
赤穂「旧館か……一応中を覗いておくか」
【旧館倉庫】
赤穂「うわ、ギシギシ言ってるぞ……」
一歩間違うと床が抜けそうで気が抜けない。
慎重に進んで両開きの扉を開けると、段ボールがいくつも積み重なっている。
遠見「これは場合によっては……」
佐場木「そうだな、記録しておこう。次はこちらの段ボールだ」
苗木「わかったよ。うわ、重いねこれ……!」
佐場木「落とすなよ。床が抜けたら面倒だ」
そしてその中では佐場木、遠見、苗木の3人が段ボールの中を1つ1つ開けて確かめていた。
赤穂「何してるんだ?」
苗木「あっ、赤穂クン。佐場木クンと遠見さんが危険物がないか調べてるからその手伝いをね」
遠見「その気になればパーティーグッズのスプレー缶で爆弾だって作れるでありますから」
佐場木「最もこの島ではインターネットは使えんだろう。元々の知識がなければ難しいな」
赤穂「なるほどな……それでこれどうするんだ?」
佐場木「この島にはマーケットがある。そこの鍵つきケースに保管する事になるだろう」
遠見「そのためにも、まずは全部把握するであります!」
苗木「あ、あはは……1日かかりそうだなぁ」
大変だな……
64 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/01(月) 22:14:41.15 ID:WjjBPo5AO
【第1の島・農園】
赤穂「……本当に手伝わなくてよかったのか?」
先に全ての施設を見回ってこいと旧館を追い出された俺は近くにある農園に来ていた。
赤穂「……んっ?」
静音「らんらんら〜ん♪」
薄井「ふあーあ……ねみい」
静音「こらー!何サボってるんだ!」
薄井「そもそもオレは手伝うなんて言ってねえぞ……」
……何してるんだ?
静音「あっ」
赤穂「えっ」
静音「見たな!?」
赤穂「いや、見たなって何の話……」
静音「このぼくのサプライズお料理大作戦の準備を見たなって言ってるんだ!」
サプライズお料理大作戦……?
薄井「自分で言ってんじゃねえか……」
静音「しまった……!寝坊して奏に迷惑かけたから腕によりをかけて夕飯作って奏を喜ばせる完璧な計画だったのに!」
薄井「いや、だから全部自分で言ってんじゃねえか」
静音「うう〜……こうなったらお前も手伝え!」
赤穂「手伝えって野菜を収穫すればいいのか?」
静音「それはもうやらせてある!」
如月「静音さん、これでいいですか?」
赤穂「!?」
静音「おお、ご苦労だったな!」
き、如月さんに野菜の収穫させてたのか……
薄井「全く、ヒーローの使い方じゃねえよな」
如月「いいんですよ、静音さん1人でこの作業は無理でしょうから。次は何をしましょうか?」
な、なんだかめまいがしてきた……
65 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/01(月) 23:01:41.91 ID:WjjBPo5AO
【第1の島・ロケットパンチマーケット】
赤穂「へぇ、色んな物が揃ってるんだな」
サーフボードに浮き輪や海水浴用の道具。
暗視スコープや鍵つきケースやダイヤル式金庫。
食料品も大量にある。
そしてサバイバルナイフやボウガン……凶器も完備してあるってわけか。
鞍馬「……」
六山「ゲームないなー……」
兵頭「野菜以外はやはりここで手に入れるしかなさそうですね」
四方院「そうですわね……補給がなされるか後でモノクマに確認しておきましょう」
ここにも調査……と言えるかはわからないけど何人かいるな。
赤穂「食材の買い出しか?」
四方院「あら、赤穂さん。昼食と夕食の時間になってから来たのでは手間ですから」
兵頭「メニューも考えなければいけませんからね」
赤穂「……」
静音が張り切ってる事は伝えない方がいいよな……サプライズらしいし。
赤穂「六山はゲーム探しか?」
六山「うん。ロビーの筐体だけじゃなくて携帯ゲームのソフトも欲しいんだ」カチカチ
赤穂「そういえば六山はほとんどの時間ゲームしてるよな……疲れないのか?」
六山「ゲーム疲れなら心地いい疲れだよ」
そういう問題、か?
鞍馬「……」
赤穂「鞍馬は何してるんだ?」
鞍馬「……少し探し物を」
探し物?
鞍馬「なければ作ればいいですが……一応もう1回りしましょうか」スタスタ
……何を探してるんだ?
66 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/03(水) 23:00:10.03 ID:D+AmSmtAO
【第1の島・砂浜】
赤穂「俺はここに倒れてたんだよな……」
そのわりには濡れてたりはしてなかったけど、プログラムならそれも不自然じゃなかったんだな……
グレゴリー「ふははははっ!!」
道掛「あっはっはっはっは!!」
赤穂「……」
なんなんだあれ。
津浦「Mr.赤穂。あなたも混ざりに来たんですか?」
赤穂「いや、そもそもあの2人は何をして……」
津浦「最初はMr.グレゴリーが【この広大な海を見ていると笑いたくなります】と高笑いを始められまして」
赤穂「そこからして俺には理解不能だぞ」
津浦「その後走り込みをしていたMr.道掛が楽しそうだから混ぜろと一緒に笑いだしたんです」
赤穂「……楽しいのか?」
津浦「それを確かめるために今からワタシも混ざろうかと。Mr.赤穂もどうですか?」
赤穂「い、いや、俺はいいから気にせず楽しんでこいよ」
津浦「そうですか……それでは失礼します」
津浦がグレゴリーと道掛の隣に並ぶのも見届けず俺は逃げた。
巻き込まれたらたまったもんじゃない……!
67 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/03(水) 23:15:22.62 ID:D+AmSmtAO
【第1の島・港】
電子手帳に第1の島と表記されたこの島のマップ。
そのマップにあった最後のポイントは倉庫やコンテナが並ぶ港だった。
土橋「どうー?」
赤穂「んっ?」
土橋が倉庫の上の方を見て叫んでる……何かと俺も同じ所に目をやると。
ジェニー「シップは何も見えないでーす!」
ジェニーが倉庫の屋根の上から手を振っていた。
ジェニー「あっ!マサキー!マサキも来たですかー?」
土橋「えっ?あっ、本当だ」
赤穂「ジェニーに高いところから見てもらってたのか?」
土橋「まあね。最初はアタシがやるつもりだったんだけどジェニーがボクの方が適任だからって」
赤穂「なるほどな……ジェニー!他に何か見える物はないかー!」
ジェニー「島が見えまーす!建物もあるみたいですけど人がいるかまではわかりませーん!」
土橋「確かジャバウォック諸島は5つの島に囲まれた島って感じだったから……他の島かな」
赤穂「建物があるならもしプログラムじゃないならそこに人がいるかもしれないな……」
なんとかして他の島に行けたらいいんだけどな……
68 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/06(土) 19:39:20.27 ID:F6zOyWlAO
【中央の島】
赤穂「……」
他の島に行く手段がないか中央の島を見て回る。
だけど中央の島は第1の島としか橋が繋がってないみたいで、遠くに微かに見えるだけでとても行けそうにはなかった。
赤穂「……」
ここがプログラムならコロシアイが進む度にいつの間にか橋がかかってるって展開なのか?
それこそ、あのコロシアイ学園生活のように。
赤穂「それとも……力を合わせて他の島に行けたら研修が終わるのかもしれない」
考える事は山積みで、かといって俺は元々頭がいいわけでもない。
赤穂「……戻るか」
杖をついて来た道を引き返す。
歩きながら俺は電子手帳に記載されたこのコロシアイ研修旅行のルールを確認した。
1…未来機関第二十支部のメンバーは支部のあるこの島で無期限の共同生活を送ってもらいます。
2…共同生活を快適に過ごすため道端や海などにポイ捨てをする事を禁じます。
3…夜10時と朝7時にアナウンスを鳴らし、この間の時間を夜時間とします。
4…第二十支部支部長モノクマへの暴力行為を禁じます。
5…支部メンバーの間で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。
6…学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。
7…学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、残りの支部メンバー全員が処刑されます。
8…生き残ったクロは、島からの帰還が許されます。
9…3人以上の人間が死体を最初に発見した際、それを知らせる〔死体発見アナウンス〕が流れます。
10…監視カメラやモニターをはじめ、島に設置された物を許可なく破壊する事を禁じます。
11…上記ルールに違反しない場合のこの島の調査に制限はありません。
12…如月怜輝クンがルールに違反した場合連帯責任として他のメンバーに処罰を与えます。
13…ルールは追加される可能性があります。
赤穂「……本当に、ふざけたルールだな」
研修なら悪趣味にも限度ってものがあるだろ……
69 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/06(土) 20:01:25.56 ID:F6zOyWlAO
【ホテルミライ・レストラン】
四方院「皆様、少しお話があります」
静音「奏が喋るんだからしっかり聞けー!」
昼食時、レストランで食事をしていた俺達を見渡して四方院さんがそう言った。
なんで静音まで偉そうなのかは……俺にはわからん。
四方院「皆様もおそらくはこの島に何があるかはだいたい把握してくださったと思います」
土橋「他にやる事もなかったしね」
四方院「改めてわたくし達は未来機関第二十支部としてこの研修旅行にのぞむわけですが……そこで1つ仮の支部長を決めたいと思いますの」
薄井「支部長?」
四方院「ルールにはモノクマが支部長などとふざけた事が書いてありますが、そんなものは皆様お認めになってはいないのでしょう?」
道掛「あったりまえだぜ!クマに従うなんてありえねえっての!」
四方院「そこで男女1人ずつ、この研修旅行でリーダーとして働く人を選出しようと思いまして」
兵頭「男女1人ずつ、ですか?」
四方院「同姓の方が話しやすい場合もあるでしょうから。それで、どうでしょうか?」
誰1人四方院さんに異を唱える奴はいない。
全員モノクマが支部長だなんて冗談じゃないと思ってるんだろう。
70 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/06(土) 20:21:05.43 ID:F6zOyWlAO
四方院「異論はなさそうですわね……それでは今度は誰がその役割になるかを……」
六山「女子は四方院さんでいいと思いまーす」カチカチ
四方院「もちろんそのつもりです!他に立候補する方がいるなら受けて立ちますわ!」
遠見「ここまで話を進めておいて今さら立候補する人がいるとは思えないであります……」
苗木「つまりこの話し合いの要は男子側のリーダーって事かな?」
四方院「それでは立候補者は手を」
苗木「あはは……ボクには荷が重いかな?」
グレゴリー「我は風。統率という名の鎖などで封印する事など出来ぬ!」
津浦「【リーダーなんて向いてません】と仰っています」
鞍馬「……お断りします」
薄井「やなこった」
如月「リーダーですか……不協和音を生みそうなので辞退しますね」
道掛「おっ、なら俺が……」
四方院「却下します」
道掛「なんで俺だけ却下!?」
佐場木「誰も手をあげないのか」
赤穂「そういう佐場木はどうなんだよ」
佐場木「やるのは構わんが、俺はなるべく中立の立場をとりたいところだな」
意外だな……リーダーに立候補すると思ってたんだけど。
四方院「まさか誰もいませんの!?」
道掛「いや、だから俺が……」
薄井「オマエ、オレ達まとめられんのか?」
道掛「無理だな!」
土橋「なんで立候補したの……?」
四方院「まいりましたわね……こうなったらくじ引きで」
71 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2016/08/06(土) 20:31:03.16 ID:F6zOyWlAO
御影「……推薦。兄貴でいいじゃん」
赤穂「は?」
御影「だって兄貴、希望ヶ峰の76期生でこの中だと数少ない卒業生でしょ」
四方院「そういえばわたくし達のほとんどは未来機関校第1期生……卒業生は如月さんと赤穂さんだけですわ」
赤穂「ま、待ってくれ!そうは言うけど俺にはリーダーなんて……」
兵頭「しかし他に適任はいないようですよ?」
赤穂「……」
確かに歳って意味なら俺は二番目の年長者だ。
とはいっても未来機関の所属年数なら違いはないはずなんだけど……
赤穂「……わかったよ」
正直、自信があるわけじゃない。
だけど他でもない牡丹が推薦だなんて言うなら……兄としては、なぁ。
四方院「これで決まりですわ!女子はわたくし四方院奏、男子は赤穂さん……改めてこの体制でこの研修旅行をクリアいたしましょう!」
……まあ、やれるだけやってみるか。
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