コブラ「俺が魔法少女ぉ?」キュゥべえ「そうだよ!」

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1 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 20:08:39.39 ID:JgVi8JhdO
コブラ「おいおい。俺は少女って言われるほど若くないぜ」

キュゥべえ「いや、そこじゃないよね。ツッコミどころは」

コブラ「とりあえずパスだ。そんなに暇じゃねぇんだ」

キュゥべえ「そんな!君にはスゴい才能があるんだよ!」

コブラ「へっ、俺にセンスがあるのは認めるがね」

キュゥべえ「もし契約してくれたらどんな願いでも1つだけ叶えてあげるよ!」

コブラ「願いね…。そんなものはないね!!」

キュゥべえ「えっ!?」

コブラ「欲しいものは自分で手に入れる。それが俺だ」

キュゥべえ「わけがわからないよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466507319
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:14:12.89 ID://lWCi/g0
ヒュー
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:14:33.70 ID:hMAEIIvG0
気体
4 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 20:16:11.25 ID:JgVi8JhdO
コブラ「とりあえずこの話は無しだ」

キュゥべえ「そうかい。君なら最強の魔法少女になれると思うんだけど」

コブラ「そんなことしなくたって俺は最強さ」

キュゥべえ「そっか。まぁ正直に言うと僕も不本意ではあったんだ」

キュゥべえは踵を返すとコブラを一瞥した。

キュゥべえ「こんな筋肉モリモリマッチョが魔法少女になるのは見るに耐えない」

コブラ「…」

キュゥべえ「でも、君ほどの素質のある存在ははじめてだよ」

コブラ「消えな」

キュゥべえ「また来るよ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:17:16.91 ID:Te7X8zPJo
これは楽しみ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:20:03.94 ID:Jppif5u70
うさぎとワルツは踊らないのかい?
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:25:34.64 ID:jRBdw9cQ0
コブラならべえさん相手にも小粋なジョークを飛ばしそう
でもべえさんは感情がないからジョークが通じなくてやれやれポーズしそう
8 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 20:42:41.35 ID:JgVi8JhdO
コブラ「おかしなやつがいるもんだぜ」

コブラは見滝ヶ原の夜景を眺めながらそう呟いた。

コブラ「さて、行くか」

投げ捨てられた葉巻から真上に煙が立ち上る。

コブラは、風のない穏やかな夜空を眺め、宇宙に想いを馳せた。

今頃、いつまでも帰らぬコブラにレディはカンカンに怒っているだろう。

コブラ「怒った顔も素敵だぜ。レディ」

虚空にそう呟くとおもむろに立ち上がった。

コブラ「サイコガンの修理も済んだことだ」

コブラが地球に来たのは理由はこれである。

サイコガンを、その産みの親である不知火鉄心に修理してもらうためだ。

コブラ「少しくらい羽を伸ばすくらいはいいだろう。…なんだ!?」

先ほどとは違う景色

禍々しく歪む空間

コブラはいつの間にかそのただ中にいた。
9 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 21:09:29.22 ID:JgVi8JhdO
コブラ「ここは…?」

おかしな造形の人形が立ち並ぶ回廊にコブラはいた。

周囲に人の気配はない、が。

コブラ「悪趣味な遊園地だぜ。客も来ないわけだ」

明らかに人ではない何かの気配はする。

それは時折笑い、時折悲鳴をあげた。

コブラ「こういう場所を楽しめるヤツは二種類いるね」

コブラ「頭のネジが外れたやつか…、もしくは」

突如、飾られていた人形が動きだし、コブラの背後から襲いかかった。

コブラ「従業員さ!」

振り向きざまに繰り出された拳をまともに受け、人形は木っ端微塵に吹き飛んだ。

コブラ「大人ひとり分の入園料さ。釣りはいらんよ」

コブラは奥の灯りが見える方へ歩きだした。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 21:16:22.92 ID:815xnjEMO
どう足掻いてもハッピーエンド
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 21:21:26.53 ID:Te7X8zPJo
負ける気がしない
12 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 21:27:36.15 ID:JgVi8JhdO
奥には広いホールがあった。

その中央には、小さな女の子の人形が椅子にちょこんと座っている。

コブラ「なるほど、メインアトラクションらしい」

その人形は少し体を浮かせると、手を挙げた。

すると、コブラの周囲に巨大な分度器やコンパスといった文房具が現れた。

コブラ「…なに!?」

続けざまに人形は腕を降り下ろす。

と、同時に文房具がコブラに向け一直線に襲いかかった。

ドドドドドっ!

すさまじい轟音と共に粉煙がもうもうと立ち込める。

人形「…」

文房具は再び空中に浮遊した。

「残念だったなぁ!」

人形「!?」

空中からコブラが落下してくる。

その左手には、鈍く光るサイコガン。

「くらいな!」

閃光がホールを包み、人形は跡形も無く消し去った。

「お人形遊び場とっくに卒業したんだよ」
13 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 21:40:07.98 ID:JgVi8JhdO
コブラが着地すると同時に、景色は元に戻っていた。

コブラ「いったいなんだったんだ。…ん?」

コブラは足元にある黒い物体に気づいた。

コブラ「これは…」

???「待ちなさい!」

コブラ「…何か用かい?お嬢ちゃん」

マミ「あなた…一体何者なの?」

そこにいたのはマスケット銃を構えた金髪の少女

コブラ「銃を下ろしな」

マミ「動かないで!」

コブラ「美人の命令なら聞くが…」

と、呟くやいなや、コブラのサイコガンはマミの銃を貫いていた。

コブラ「まだ若いな。あいにくロリコンじゃない」

マミ「ひっ…」

コブラ「おっと怖がらせるつもりは無いんだ。俺みたいなイケメンに銃をつきつけられた経験は無いかい?」

マミ「ひぃ…」

コブラ「無いわな」
14 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 21:57:38.49 ID:JgVi8JhdO
マミ「あなた、どうやって魔女を…」

コブラ「魔女…」

マミ「もしかして…魔法少女?」

コブラ「今日はやけに少女と間違われるな。そんなに若くみえるかい?」

マミ「いや年齢の問題じゃ…」

コブラ「とにかくこんな時間にうろつくもんじゃないぜ。ロリコンが目覚める時間だ」

そういうと、コブラはサイコガンを収めた。

マミ「で、でも魔法少女でもなければ魔女を倒すことは…」

コブラ「俺は不死身の男『コブラ』だぜ。そんなものに負けたりしない」

マミ「ま、待ちなさい!」

コブラ「あばよ!!10年後にまた会おう。その時は火星のデートにご招待するぜ!」

コブラは、そう言い残すと闇の中に消えていった。

マミ「なんだったのかしら…」

マミ「グリーフシードも置いていったし…」

マミはグリーフシードを拾い上げると、消えゆく背中を見つめた。



キュゥべえ「危険な因子の登場だね」



これは、どんな鬱展開すらもぶち壊すフラグブレイカーコブラによるまどかマギカハッピーエンドSSであるーッッ!!!
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/06/21(火) 22:01:22.93 ID:zLZh9kfj0
でも原作だとよくヒロイン死んでるよねコブラ
16 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 22:15:48.97 ID:JgVi8JhdO
【見滝原中学校】

かずこ「目玉焼きは半熟と完熟!どっちがベストなんですか!?はい!なかざわくん!」

なかざわ「ええ!?えーと…どっでもいいと思います」

かずこ「その通り!あなたたちは!目玉焼きの焼き加減に拘るような男と付き合ってはなりませんよ!特に男性諸君…」

さやか「またダメだったみたい…」

まどか「ふふふっ」

かずこ「次に!転校生を紹介します!」

さやか「そっちが次かよ〜」

かずこ「じゃあどうぞ!」

たなびく黒髪が視線を奪う

ほむら「暁美ほむらです。よろしく」

かずこ「続けて!どうぞ!」

ハガネのような肉体が教室の視線を奪う。

「ヒュー!!」

「すげぇ肉体だ!!」

「こりゃあ見物だぜ!!」

コブラ「コブラだ。よろしく」

かずこ「では、皆さん!仲良くね!」



ほむら「何かがおかしい…」
17 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 22:25:44.74 ID:JgVi8JhdO
ほむら(確か前回もワルプルギスの夜を倒せなくて、時間逆行したはず…)

ほむら(いつもなら転校生は私だけ)

ほむら(このあと、私は女の子に囲まれて、気分が悪い振りをして、まどかを連れ出す)

ほむら(それがこれまで繰り返してきた『結果』であり『未来』)

ほむら(確かそのはず…なんだけど)

横目で隣を見るとあからさまに中学生ではない筋肉モリモリの制服がピチピチおっさんがいる。

コブラ「よう」

ほむらは挨拶を華麗にスルーすると、再び思考を巡らせた。

ほむら(あれ?なんか間違えた?)

ほむら(よくわからないけど…)

ほむら(歯車が狂ってる…色んな意味で)
18 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 22:37:08.57 ID:JgVi8JhdO
ほむら「ごめんなさい。気分が悪いんだけど…(本気)」

まどか「えっ、そうなの。じゃあ保健室に」

コブラ「俺も行こう」

ほむら「え゛」

コブラ「なに、女の一大事とあっちゃあ黙っておけなくてね」

ほむら「結構よ」

まどか「そ、そんな言い方、ひどいよ…。コブラくんも心配してくれてるんだし…。」

ほむら「ま、まどか。そんなつもりは…」

コブラ「じゃあOKだな」

ほむら「ぐぬ…」

まどか「じゃあ行こう!」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 22:39:29.01 ID:WR965uspO
コブラくんは流石に草
20 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 22:44:33.87 ID:JgVi8JhdO
【廊下】

ほむら「確かこっちよね」

まどか「えっ?詳しいね」

ほむら「…」

まどか「あのさ…名前、カッコいいよね」

ほむら(きたわね。またいつものパターン)

まどか「コブラくん」

コブラ「よく言われるよ」

ほむら(…)

ほむら(そっちかぁぁぁ!!!)

まどか「やっぱりね。怖いけど強そうだよね」

コブラ「あぁ、毒ヘビとはよく言ったもんさ」

ほむら(うるさい黙れ)
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 22:54:57.83 ID:4DPD5GwIO
実はマミさんだとコブラが手を出す範囲にギリギリ入っているっていう…プロポーション的にも年齢的にも…
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 23:03:49.26 ID:6r7ap9O1O
アカン笑うわ
23 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 23:04:35.17 ID:JgVi8JhdO
ほむら(ええい、もう!)

ほむら「私はほむらでいいわ!」

まどか「え、うん!分かった。私もまどかでいいよ」

ほむら「まどか、あなたは人生って尊いと思う?」

まどか「え?」

コブラ「人生が尊いかって?少なくともタダより安いことはないだろうさ」

まどか「ええと…」

ほむら「家族や友達を大事にしてる?」

コブラ「もちろん!人類皆家族。だから女性は大切にしてるさ」

まどか「うん…多分…」

ほむら「本当に?」

コブラ「あぁ!神に誓おう。誓える神はいないがね」

まどか「ほ、ほむらちゃんどうしたの…」

ほむら「もし本当なら、今とは違う自分になろうと思わないことね」

コブラ「変わらんよ。俺は不死身だぜ」

まどか「…」

ほむら「さもなくば、あなたは全てを失うこととなる」

コブラ「失ったら取り戻せばいい。簡単なことさ」

ほむら「うるさぁぁぁいい!!!」

コブラ・まどか「!!?」ビクッ
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 23:05:26.07 ID:Z8uzCW4LP
いいセンスだな、>>1
もう少し命の危機を楽しんでそうな感じだともっとコブラっぽくなると思うぜ!

>>21
コブラはドン引きされたりすると割とあっさり引き下がる
コブラは基本的に誘い受けだ、いいね?
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 23:09:32.67 ID:4DPD5GwIO
>>24
アッハイ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 23:10:45.17 ID:WR965uspO
お、おう
27 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 23:23:11.19 ID:JgVi8JhdO
【放課後:ショッピングモール】

さやか「まどかぁこのCDどうかな」

まどか「うーん。恭介くんなら喜ぶんじゃないかな?」

さやか「べべべ別に恭介のために買うんじゃないだから!///」

まどか「ふふふ、顔真っ赤だよ」

さやか「もう!」

(助けて)

まどか「?」

さやか「ん?どうしたの?」

まどか「よくわからないけど…声が」

さやか「声?」

(助けて…まどか!)

(色んな意味で助けて!)

まどか「呼んでる…」

まどかは店内を抜け出すと走り出した。

さやか「ちょっと!まどか!」
28 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 23:30:36.51 ID:JgVi8JhdO
【ショッピングモール:工事区域】

まどか「確か、こっちの方から…」

音をたてて崩れる天井

落ちてきたのは白い小動物であった。

キュゥべえ「はぁ…はぁ…」

まどか「ひ、ひどい」

キュゥべえ「た、助けて」

まどか「一体何が…」

キュゥべえ「宇宙海賊…」ガクリ

まどか「え?なに?」

「そいつから離れろ!」

まどか「だれ!?」

「当ててみな!ハワイ旅行をプレゼントするぜ!」

まどか「コブラくん?」

コブラ「簡単すぎたな。ハワイ旅行は無しだ」

まどか「え、ズルい」

コブラ「悪いな。古い思いではなるべく捨てるようにしているのさ」



ほむら「…」

まどか接触前にキュゥべえを殺そうとしたらコブラが先にバトってたので出るに出れない
29 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 23:41:22.90 ID:JgVi8JhdO
まどか「なんで、こんなひどいことするの…」

コブラ「なに、勧誘が酷くてな。迷惑広告お断りのチラシを渡してたのさ」

まどか「わけがわからないよ…」

キュゥべえ「わけがわからないよ…」

コブラ「これに懲りたら別の客を探すんだな」

キュゥべえ「うう、仕方ないね。じゃあ君はどうだい?」

まどか「え?」

キュゥべえ「僕と契約して

ほむら「やめなさい!」

まどか「ほ、ほむらちゃん」

ほむら「そいつの言葉に耳を傾けてはダメよ」

コブラ「そうだぜ。どうせなら俺に賭けてみないか。倍率1倍の大本命さ。ただし1銭も儲からんがね」

ほむら「…こいつの言葉にも耳を傾けてはダメ」

コブラ「冷たいねぇ」

ほむら「やかましい」

さやか「あんたらなにやってんのさ!」
30 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/21(火) 23:58:11.49 ID:JgVi8JhdO
さやか「まどかには指一本触れさせないんだから!逃げるよまどか!」

空間が歪む

まるで、現実が虚構であるかのようにうねり、のたうつ。

結界が生まれる。

さやか「なんだこれ!非常口は!」

まどか「な、何かいる!」

さやか「私たち悪い夢でも見てるんだよね!?」

使い魔が周囲を囲んだ。

そして、まどかとさやかに襲いかかった。

その時である

「覚ましてやるぜ。残念ながら、目覚めのキスをするのはこのサイコガンだがな!」

閃光が三筋、四筋とまどかたちの目前を通過し、使い魔を貫いた。

すると、周囲の景色は元に戻り、そこにはダンゴ鼻の筋肉モリモリマッチョがいた。

さやか「た、助けてくれたの?」

コブラ「女性は助けろってママから言われててね」

まどか「危なかったぁ」

マミ「あれ…終わってる」

まどか「だれ?」

マミ「巴マミです」

コブラ「10年後はまだ先のはずだぜ」

マミ「ひっ、また出た」


キュゥべえ「遅いよマミ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/22(水) 11:27:09.21 ID:qFAhQ0gXO
流石コブラ起伏の無い真っ直ぐな道をハッピーエンドに向かって進んでやがる
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 14:19:25.98 ID:1iyT+XKE0
草しか生えない
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 14:55:57.18 ID:liqLqKhgo
>>31
起伏がないだなんてだれかさんの胸じゃあるまいに
34 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 17:55:27.55 ID:pfsZ2kvoO
【2話】

マミ「一仕事片付けられちゃった…」

マミは項垂れてそう呟いた。

マミ「魔女は逃げたみたいだけど、仕留めたいならすぐ追いかけなさい…」

コブラ「追わんさ。女ならまた会える」

ほむら「私が用があるのは…」

コブラ「俺かい?」

ほむら「ちがう」

マミ「と、とりあえず今日は帰ったら?」

マミはコブラを恐る恐る横目で見やると、訴えるようにほむらに懇願した。

マミ「お互いトラブルとは無縁でいたいでしょう(意味深)」

ほむらは察すると、闇に消えていった。

さやか「ふぅ」

まどか「はぁー」
35 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 18:13:00.33 ID:pfsZ2kvoO
キュゥべえ「遅いよマミ」

マミ「ごめん…」

キュゥべえ「危うく殺されるところだったよ。コブラ」

コブラ「どうして俺の名を?」

キュゥべえ「宇宙海賊コブラを知らないわけないさ。死んだと聞いていたけれど」

コブラ「ほう、詳しいな。海賊ギルドの手合いか?」

キュゥべえ「やつらと一緒にしないでほしいね。あれはエネルギーを無駄遣いする宇宙の敵さ」

マミ(なんの話かしら…)

まどか(よくわかりません…)

まどか「あなたが私を呼んだの?」

キュゥべえ「そうだよ。鹿目まどか、それと美樹さやか」

さやか「なんで私たちの名前を…?」

キュゥべえ「僕、君たちにお願いがあってきたんだ」

まどか「お、お願い…?」

キュゥべえ「僕と契約して魔法少女になってよ!」

コブラ「断る」

キュゥべえ「ちょっと君は黙っててよ」
36 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 18:29:06.13 ID:pfsZ2kvoO
キュゥべえ「僕は、君たちの願い事をなんでも叶えてあげるよ」

さやか「え、本当に!?」

まどか「願い事って?」

キュゥべえ「なんだって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげるよ」

コブラ「待ちな」

キュゥべえ「え?」

コブラは葉巻をくわえると火をつけた。

暗がりの中に、怪しげにコブラの顔が映し出される。

まどか「ひっ」

さやか「怖いよ…あんた」

コブラ「よしといたほうがいいぜ。あんな連中と戦うなんざ」

マミ「…」

コブラ「おうちでママとクッキーでも作ってるのがお似合いさ」

まどか「じゃ、じゃあコブラくんが戦うのはいいの?危ないと思うんだけど…」

コブラ「…」

コブラ「クッキー作るよりよっぽど似合ってるだろ」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 18:40:21.63 ID:+4I1cS6Fo
ヒュー!
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 18:42:30.80 ID:f7S3iC5oP
カッコE!
39 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 18:46:23.69 ID:pfsZ2kvoO
【マミの家】

マミ「独り暮らしだから気にしないで」

マミは、そういってケーキを並べ、紅茶を淹れはじめた。

さやか「いやー、めっちゃうまいっすよー」

まどか「ほんとほんと」

マミ「ありがとう」

コブラ「おかわり」

マミ「え」

コブラ「悪いね。燃費が悪いんだ」

マミは自分の分を差し出すと、取り直してまどかとさやかを見た。

マミ「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事ではないものね。ある程度の説明はしとかなきゃって思って」

マミはソウルジェムを机の上に置いた。

マミ「これがソウルジェム、キュゥべえに選ばれた女の子が契約で生み出す宝石よ」

マミ「魔力の源であり、魔法少女の証でもあるのよ」

さやか「質問」

キュゥべえ「なんだい?」

さやか「なんでコブラを魔法少女にしようとしたの?」

まどか「少女じゃ…ないよね」

コブラ「だよな。そんなに若くはない」

キュゥべえ「それはね」

マミ「…」

キュゥべえ「僕にも分からない」

40 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 18:56:38.46 ID:pfsZ2kvoO
キュゥべえ「とりあえず、めちゃくちゃすごい素質があるんだ」

まどか「素質…?」

キュゥべえ「本当だったら第2性徴期の女の子が適任なんだ」

キュゥべえ「て言うか今まで女の子としか契約してないんだけどさ」

キュゥべえ「僕もハッキリ言って驚愕してる」

キュゥべえ「今までの常識を覆す存在だよ。彼は」

キュゥべえ「本来だったらあり得ない事象だからね」

キュゥべえ「よほどの因果を孕んだ存在でもなければこうはならない」

キュゥべえ「主人公補正の塊のような存在なんだ」

キュゥべえ「君たちの言いたいことは分かるよ。どう考えても魔法少女にしたくない男No.1だ」

キュゥべえ「筋肉モリモリだし、ニヒルな決め台詞をフリフリのスカートを着たあの団子鼻に呟かれた日には目も当てられない」

キュゥべえ「今まで魔法少女を楽しみにしてきた方々に対する冒涜だよ冒涜!」

まどか(すごい早口になってる…)

マミ(キュゥべえも嫌ではあるんだなぁ)

キュゥべえ「でも素質はあるんだよ…」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 19:02:00.11 ID:Q1aeD7TWO
これほどまでに原作と意味が違う「お互いトラブルとは無縁でいたいでしょ」があったろうか
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 21:31:21.30 ID:5kKyo+1FO
乙ュー!
43 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 22:00:03.93 ID:pfsZ2kvoO
コブラ「安心しろよ。なんないから」

キュゥべえ「君がとびきりの美少女だったら…本当に悔いが残るよ」

まどか「私たちにはなんで声をかけたの?」

キュゥべえ「それなりに才能があったから」

さやか「雑だなオイ」

キュゥべえ「彼がダイヤモンドなら君はまぁニッケルくらいかな。価値的に」

さやか「それってすごいのか…?」

キュゥべえ「まどかはタングステンくらいかな」

まどか「わけがわからないよ…」

マミ(鹿目さんの才能はかなりすごいはずなんだけど…コブラさんはそれ以上なの…?)

44 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 22:05:58.08 ID:pfsZ2kvoO
さやか「そもそも魔女ってなんなのさ」

キュゥべえ「それは…」

コブラ「呪われた存在さ。人を魅了してやまない。大事なものを奪っていくのさ…」

コブラはニヤケながら天井を見上げて呟いた。

キュゥべえ「なんだろう。間違ってないけど、多分君は違う魔女を想像してるよね」

さやか「エッチなのか!?」

まどか「えっ、エッチなのは良くないよさやかちゃん…」

マミ「こらこら何を言ってるの」

キュゥべえ「ほら余計な誤解を生んだ」

コブラ「余計じゃない誤解なんて聞いたことないぜ」

キュゥべえ「屁理屈だよそれは」
45 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 22:13:29.82 ID:pfsZ2kvoO
マミ「とにかく、魔女との戦いは危険と隣り合わせなの」

まどか「マミさんはそんな危険なものと戦ってるんですか…?」

マミ「そう、命懸けよ」

マミ「だからあなたたちも真剣に選んだ方がいい」

マミ「キュゥべえに選ばれたあなたたちはどんな願い事でも叶えることができるわ」

マミ「でもそれは死と隣り合わせなの」

コブラ「この宇宙にはそんなスリルがいっぱいあるんだ」

まどか「コブラくん…」

さやか「コブラ…」

コブラ「行くかい?狭い船だが宇宙を又にかけた海賊稼業。給料はスリルで払おう」

マミ「話をすり替えるのやめていただけるかしら」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/06/23(木) 22:24:10.18 ID:zDH54CCD0
人形に魂が宿る世界を内包した星があるくらいだから魔法少女を元に戻すことができる何かもきっとある
47 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 22:24:18.77 ID:pfsZ2kvoO
マミ「そこで提案なんだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

まどか「ええっ!?」

さやか「えっ!」

マミ「魔女との戦いがどういうものか見てからでも遅くないと思うの」

マミ「その上で、魔法少女になるかどうか決めればいいと思うわ」

コブラ「良いだろう」

マミ「え…」

コブラ「任せな」

マミ「いやちょっと…」

コブラ「夜遊びだろう。俺も混ぜろ」

マミ「ええ〜」

コブラ「素敵なワルツを教えてやるぜ」

キュゥべえ「まぁ君なら生身でも楽勝だろうね」

まどか「コブラくんがいれば安心だね〜」

さやか「モチのロンでしょ〜」

マミ「わ、私の先輩としての威厳が…」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 22:42:31.61 ID:OTotATsRO
ああ そういえばコブラが原作で手を出した女でミスティは
15歳だったよな
49 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 22:48:40.34 ID:pfsZ2kvoO
【翌日:学校】

さやか「ねぇまどか、願い事考えた?」

まどか「まだ、決められなくって…」

コブラ「願いがない方が幸せなのさ」

さやか「やっぱり私たちって幸せバカなのかなぁ…」

まどか「コブラくんは願い事とかあるの?」

コブラ「無いね。願う暇があるなら自分で奪いに行くさ」

キュゥべえ「君くらいの実力があるものならそう言うだろうね」

キュゥべえ「でも、皆がそうなんでも実現できるわけじゃない」

キュゥべえ「だから僕はそういう力の無い存在の希望になりたいんだ」

コブラ「まるで天使だな」

キュゥべえ「お祈りは欠かさずしといて正解だろう?」

コブラ「あぁ、あいにく俺は祈るには左手がなくてね」

コブラは義手を外すと祈るように合わせてみせた。

キュゥべえ「不心得者の鑑だね。君は」

コブラ「お互い神様なんて信じてない口だろうに」
50 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 23:05:59.78 ID:pfsZ2kvoO
コブラ「おいでなすったぜ」

ほむらがあらわれた。

その眼差しはまどかからキュゥべえへと憎しみをこめて推移した。

その眼差しに困惑したまどかは助けを求める不安顔で周囲を見渡した。

マミ(大丈夫)

コブラ「俺がついてる」

まどか「コブラくん…」

マミ(え、ちょっと、また見せ場取られた)

さやか「なに?昨日の続き?」

ほむら「いいえ、そのつもりは無いわ」

ほむら「そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけど、今更それも手遅れだし」

キュゥべえ「…」

コブラ「俺か」

キュゥべえ「なんでそうなるのなかな」

ほむら「…まぁ、あながち間違ってないけど」

ほむら「とりあえず、忠告が無駄にならないよに祈ってるわ」

まどか「ほむらちゃん…」
51 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 23:19:21.28 ID:pfsZ2kvoO
【放課後:市街】

マミ「じゃあ、魔法少女体験コース第1段、張り切っていってみましょうか」

さやか・まどか・コブラ「おー」

マミ「準備はいい?」

さやか「とりあえずこんなものを…」

さやかは金属バットを取り出した。

マミ「そういう覚悟で来てくれると助かるわ」

コブラ「俺はこいつで十分だ」

左手の義手を外すと鈍色のサイコガンを構えてみせた。

マミ「十分ね…むしろ私いらないね…」

まどか「私は…」

まどかはノートを差し出した。

さやか「うわー」

まどか「とりあえず衣装だけ考えておこうと思って」

そこには、ピンク色の衣装を身に纏うまどかが拙く描かれていた。

マミ「意気込みとしては十分ね」

まどか「それとね!」

まどかはページを捲った。

そこには、黒を基調としたフリフリの衣装を身に纏うコブラが拙く描かれていた。

まどか「どうかな!」

コブラ「いいと思うぜ。これを着こなせるのは俺か、マリリン・モンローくらいだ」

マミ「意気込みとしては十分ね」

さやか「マミさんそれヤケですよね」
52 : ◆rgRx/bLTG. [saga]:2016/06/23(木) 23:28:16.83 ID:d+q1sjThO
マミはソウルジェムを手のひらに乗せた。

マミ「近いわね…」

ソウルジェムが妖しく輝く。

さやか「マミさん!あれ!」

ビルの屋上に人影が見える。

まどか「女の人…?」

そう思うや否や、人影はビルから飛び降りた。

マミはそれを確認すると同時に駆け出した。

すると、リボンが意思みるみるうちに伸び、女性を捕らえ

ようとしたそのとき

コブラ「よっと」

コブラが女性をしっかりと抱きしめ着地した。

マミ「…」

キュゥべえ「またおいしいところ取られたね」

マミ「ちょっと黙っててくれるかしら」
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