天龍「ふと気になったんだけどよ。」

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374 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2017/11/29(水) 01:34:02.57 ID:HO8Jknvh0
大淀の案内で一通り周ったポーラは最後に武道場へと向かった。中から何やら打撃音が聞こえる。

大淀(今日の使用申請は誰だったっけ?)

そっと中を覗き込む。

叢雲「たっ!やっ!ハァッ!」

川内「よっ、ほっ、ほいっと。」

蹴、掌、肘の三連撃を躱し、流し、止める。
パッと飛び上がり、距離を取ったところで叢雲が大淀に気がついた。

叢雲「あら、珍しい。どうしたの?」

川内「ん?ああ、本当だ。なに?」

大淀「すみません、お邪魔してしまいました。ポーラさんに施設を案内していたところなんですけど・・・。こっちの子、大丈夫ですか?」

大淀が引きつった笑顔で指差した先には如月がうつ伏せで倒れていた。

如月「うふ・・・ふふ・・・ふ・・・。大丈夫じゃない・・・髪が傷んじゃうわ・・・。」

ボロボロの笑顔で顔を上げるが、すぐにパタッと力尽きた。
375 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2017/11/29(水) 01:35:28.92 ID:HO8Jknvh0
川内「ちょびっと本気出したらすぐこれだよ。まだまだ改二が安定してないんだってさ。」

カラカラと笑う。その隙をみて叢雲が放った蹴りを川内は指一本で止めた。

叢雲「むぅ・・・。」

川内「甘い甘い。速さだけで重さが足りないね。」

ニヤッとした川内に叢雲がまた連続で攻撃を仕掛けるが、それを全て捌き、躱し、受け止めていく。

ポーラ「おお、これがジャパニーズブドウですね〜。スバらしい!」

いつの間にか部屋へと入ってきたポーラが手を叩いていた。

大淀「ポーラさんもやってみますか?」

ポーラ「いやぁ・・・興味はあるけど、ポーラじゃちょーっと相性が悪いかも。なのでご遠慮したですね。」

困ったような笑顔で頬をかく。その様に大淀が首をかしげた。ポーラの強さは報告でも聞いている。例え川内相手でも十分やりあえる筈だ。
大淀の表情で察したポーラが川内の足元を指差した。

ポーラ「さっきから左の軸足が一歩も動いてないんですよ。ポーラの力押しじゃあ、きっと全部受け流されちゃいますから。」
376 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2017/11/29(水) 01:36:29.08 ID:HO8Jknvh0
ゾクッとした。叢雲はここの鎮守府内の駆逐艦では最高クラスの練度を誇っている。その叢雲の攻撃を全てその場から動くことなく、捌ききっているのだ。

川内「いやいや、買い被りすぎだって。だって、叢雲はまだ本気じゃないでしょ?」

突き出された拳を受け止めたところで2人が止まった。

叢雲「手を抜いているつもりはないわよ?」

川内「でも最初から軸足は全く狙ってこないじゃん。」

叢雲「それで勝っても意味ないもの。先ずは力尽くで一歩でもそこから動かす!」

掴まれた手を引き剥がし、また連撃が始まった。

ポーラ「さぁさぁ!ここはおしまいにして、鳳翔さんの所に行きましょう!」

如月「お伴します!」

ポーラが大淀の手を引きながら言うと、如月もパッと立ち上がり、ポーラの腕に寄り添った。

大淀(飲兵衛が1人増えた!?)
377 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2017/11/29(水) 01:38:21.07 ID:HO8Jknvh0
安価下1

居酒屋鳳翔に誰がいた?
ただしバーカウンターがお酒の娘限定。
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/02(土) 19:12:08.40 ID:H0lOLR98O
那智
379 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:49:15.57 ID:n1WM02Cu0
ポーラ「お邪魔しまーす!」
如月「失礼します。」
大淀「こんにちは。」

日が沈み始めた頃、居酒屋鳳翔へとたどり着いた。

鳳翔「あら、いらっしゃい。」

元気よく暖簾をくぐったポーラを先頭に入って来た3人を笑顔で迎えた。店内には、カウンター席に1人。

大淀「那智さん、お疲れ様です。お一人ですか?」

那智「ああ。長期遠征を終え、明日から連休だからな。今日は夕方から飲ませてもらっている。」

笑顔で答える那智。机には既に徳利が一本空き、二本目の様だ。

ポーラ「ほほぅ。那智さんはいける口ですねぇ。ささっ、乾杯といきましょう!」

笑顔で那智の隣にポーラが座る。更にその隣に如月も座った。
380 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:49:41.31 ID:n1WM02Cu0
鳳翔「提督から話は伺っています。少々お待ちくださいね。」

(笑いを堪える様な)笑顔で奥へと入っていく鳳翔。そして大きめのジョッキをトンとポーラの前におく。

鳳翔「お待たせしました。鉄管ビールです。」



ポーラは笑顔のままで固まった。
381 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:50:58.74 ID:n1WM02Cu0
那智(返事がない。ただの屍のようだ。)

大淀「さ、さすがに冗談ですよね?」

鳳翔「はい、流石に冗談です。」

笑いながらジョッキを下げる鳳翔。ポーラがカウンターにへたり込んだ。

ポーラ「ですよねー。ポーラ、驚いちゃいましたよ〜。」

如月「よかったですね。それじゃあ改めてビールからお願いします。」

微笑んだ如月が注文する。すると鳳翔が(やはり笑いを堪える様な)笑顔で答えた。
382 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:51:48.58 ID:n1WM02Cu0
鳳翔「お待たせしました。こどもビールです。」


如月が笑顔のままで凍りついた。
383 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:52:51.82 ID:n1WM02Cu0
那智(凍れる時間の秘法か?)

大淀「どこまで提督からの話なんですか?」

鳳翔「ここまでです。あとはちゃんと注文を受けても良いと伺ってますから、安心してください。」

(ちゃんとした)笑顔で御通しとビールを2つ、ポーラと如月の前に置いた。

如月「フフフ・・・後で提督室にお邪魔しないといけないわね。」

ポーラ「ちゃんと呑めるんなら、別にポーラは構いませんけどね〜。」

少し不機嫌になった如月と笑顔になったポーラがジョッキを軽くぶつけ合い、一気に飲み干した。

ちなみにこの間に那智は既に2本目の徳利を開け終え、ウィスキーのボトルが半分空になっていた。
そして途中で帰った大淀を除き、3人の飲み会は翌朝まで続いたと言う。
384 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/01/08(月) 00:53:42.81 ID:n1WM02Cu0
あけましておめでとう。
新年もこんな感じで細々と続きます。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 06:53:09.08 ID:ZPt1bVyDO
あけおつ〜
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 15:13:10.48 ID:t+JqyDf5O
おつ
387 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 00:54:49.94 ID:VFPH7Ku10
ポーラらが飲み始め、しばらくたった頃。


ここは鎮守府近海の海上。そこに浮かぶは3つの影。

レ級「フッフッフッ・・・。呑気なやつらめ。」

尻尾を海面に叩きつけるは巨大な蜥蜴の様に!

リ級「今こそ我らの悲願を達成させる時!」

その両の腕は宛ら巨大な霊長類!

チ級「今宵は血の雨を降らそうぞ。」

そしてその静かなる佇まいはニンジャの如く!
388 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 00:55:46.75 ID:VFPH7Ku10
レ級「して、今宵の作戦をお聞かせ願おう。」

海面を蹴り飛び上がり、陸へと降り立つ。

チ級「うむ。先ずは鎮守府内部へと侵入し、食料をありったけ奪う。」

続いて降り立ち、指差す先には鎮守府の門。

リ級「その程度では大したものではない。まさかそれで終わりではありますまい。」

隣に降り立ち疑問を投げかける。それに答える様にニヤリと口角を上げ、懐より一枚の紙を開いて見せた。

『ご馳走様でした。by赤城』

リ級「これを置けばあとは疑心は暗鬼を生じ、勝手に内部分裂、鎮守府は地獄と化す。」

レ級「見事!流石はリ級、その冴え渡る知は恐ろしいぞ!」



?「待てぃ!!」



一同「「「何奴!?」」」
389 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 00:56:16.83 ID:VFPH7Ku10
?「神を信じて生きている人々を欺き、真実を虚偽に塗り替える悪魔たちよ!たとえ神があらわれずとも、いつか必ず心ある者が、神に代わって悪を裁く・・・!人、それを・・・『天誅』という!」

レ級「き、貴様は!」
390 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 00:56:46.02 ID:VFPH7Ku10
川内改二「ドーモ、夜戦ニンジャです。」
391 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 00:58:15.57 ID:VFPH7Ku10
一同「「「!?」」」

高き塀の上から手を合わせ、頭を下げる。
その様に驚き身を固めてしまうも、3人もゆっくりだが両手を合わす。

レ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。レ級です。」
リ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。リ級です。」
チ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。チ級です。」

たとえどんな状況であろうとも、挨拶は疎かにしてはいけない。それがニンジャの礼儀だ。古事記にもそう書かれている。

そして顔を上げると同時に4人が飛び上がった!


草木も眠る丑三つアワー!そそり立つ外壁は、壮絶なる夜戦の開始点と化す!
392 : ◆wO2YycwzMI [saga]:2018/02/13(火) 01:00:13.74 ID:VFPH7Ku10
今宵はここまで!
決着は如何に。ーーー次回を待て!
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 06:29:12.88 ID:0SA0beZY0
おつ
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