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天龍「ふと気になったんだけどよ。」
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321 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/04(木) 23:29:59.63 ID:hNvtARDl0
多摩が溜息をついていた頃とほぼ同時刻。
1「こちらノーブルワン。本部、作戦行動開始の許可を。」
全身に濃い青色の鎧を纏った男がヘルメットを被りながら通信した。
本部『まだだノーブルチーム。君たちが動くのはもう少しあとだ。』
4「モタモタしてたら終わっちまうぜリーダー。こちら側の全滅でな。」
大きなドクロマークのヘルメットをを被った男が肩をすくめた。
3「それは俺たちも含まれてるのか?勘弁してくれよ。」
その隣では若そうな男が軽口を叩きながらスナイパーライフルを覗き込んでいた。
1「いつもと違い、今回は3人のチームだ。その可能性も否定できん。なにせ相手が彼女ではな。」
リーダーと呼ばれた男がライフルを手にしながら苦笑いした。
322 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/04(木) 23:30:44.24 ID:hNvtARDl0
その数分後。
陸戦兵「ハァ・・・ハァ・・・。」
全身から汗を流しながら走る。側にいたはずの仲間は既に1人も残っていない。
陸戦兵「本部ッ・・・本部ッ!!」
本部『こちら本部。どうした。』
陸戦兵「相手は2人じゃなかったのか!救援を!!!」
本部『なに?よく聞こえないぞ!』
大きな岩に背を当て、激しく左右を確認。そしてまた走り出す。
陸戦兵「救援を!このままじゃあやられる!」
本部『よく聞こえない!クソッ、通信妨害か!』
陸戦兵「そんな・・・無茶苦茶だ、撤退します!」
本部『ダメだ、撤退は許されない。そのまま演習を続けろ。』
陸戦兵「聞こえてるじゃないか!!どういうことだ!」
本部『なんだ?よく聞こえないぞ!?』
323 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/04(木) 23:31:58.32 ID:hNvtARDl0
陸戦兵「あーもう!!」
怒鳴り、耳につけていた通信機を叩きつけた。
陸戦兵「艦娘2人だけじゃないのかよぉ!!」
再度怒鳴り声をあげた所で全身を鋭い殺気が突き抜けた。一瞬で全身の体温が奪われて行くのがわかる。
陸戦兵「うわあぁぁぁ!!」
振り返り、手にしていたアサルトライフルを連射する。だがその先には誰もいない。
困惑する陸戦兵の意識はそこで途切れた。
次に彼が目を覚ましたのは知らない天井を見上げる白いベッドの上だった。
陸戦兵 6名 リタイア
安価下1
潜水艦、駆逐艦以外の艦娘(海外艦含む)または深海棲艦またはドイツ、イタリア、アメリカ、イギリス、日本の提督のうちから1人。
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/05(金) 09:42:11.49 ID:+G7vPtXDO
ポーラ
325 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:16:11.05 ID:ibSihYt30
ポーラ「ふ・・・ふふ・・・うふふふふ〜。」
倒れる陸戦兵を見下ろしながらポーラが笑う。
ポーラ「この演習を最後まで勝ち残れば・・・。
提督から1929年のヴィンテージワインが貰えるんですよ〜!」
天を見上げ、両手を伸ばしながら目を輝かせ声をあげた。
ポーラ「本当は30年が良かったんですが、しょうがないですね。待っててくださいねザラ姉さま〜!ポーラ、頑張っちゃいますからね〜〜!!」
両手をグッと握りしめ、そのまま歩き出した。
幸か不幸か、その方向は北上達がいる方向だった。
326 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:16:53.90 ID:ibSihYt30
北上(多摩姉さんはーっと。)
北上「追いついた。どう?手応えは。」
若干ペースを落として走っていた多摩に追いつき、隣を走りながら北上が声をかけた。
多摩「まだまだ動きが若いにゃ。今後に期待にゃね。追加で3人片付けてしまったにゃ。」(=-x-=)ヤレヤレ
北上「おー、流石多摩姉さん。こっちも4人シメといたよ。」
多摩「ただ・・・。」
多摩が表情を厳しくし、正面を見据えた。小さな茂みを飛び越えた先は少し広い平野になっていた。
多摩「彼らは・・・強敵にゃ。」
北上「そうみたいだね。」
327 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:17:27.34 ID:ibSihYt30
1「久しいな、キャット。」
青い鎧いの男が背中のライフルを手にしながら声をかけてきた。その隣には髑髏の模様が入ったヘルメットの男もいる。
多摩「もうノーブルツーじゃないからその名で呼ばないでほしいにゃ。」(=・ω-=)
若干呆れながらナイフを左手に持ち直し、右手にはハンドガンをとった。
北上「あれ、知り合い?」
多摩「昔いた部隊のチームメイトにゃ。今日は後釜のキャットは不在にゃ?」
1「ああ、今回は3人だけだ。・・・他のチームも来たから6人になったがな。」
そう言ってチラッと左へと視線を向ける。そちらの茂みからも3人の兵士が茂みを越えて姿を見せた。
328 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:18:08.43 ID:ibSihYt30
結城「うわっ・・・とんでもない所に出くわしてしまったか?」
船木「ノ、ノーブルチームっすか。」
戸田「これは心強い。今から傘下に入ります。」
多摩と北上を警戒しながら敬礼をする3人。
それを見て鎧いの男は頷いた。
1「では、始めようか。本部、ターゲットと接触。戦闘に入ります。」
4「こりゃ、気が抜けないな。」
言うと同時にライフルとショットガンをそれぞれ構えた。
結城「ストーム2了解!3は下がれ、4は援護!」
船木・戸田「「了解!」」
合図と共に結城と戸田が前へと走り、船木がスナイパーを構えて茂みへと下がっていった。
329 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:18:58.63 ID:ibSihYt30
その動きと合わせるように北上と多摩は同時に前へと駆け出した。
1「エミール!」
4「わかってる!」
エミールと呼ばれた男がショットガンを放つと同時に2人も駆け出した。ストームチームと合流するためだ。
1「ストームチーム、弾幕を貼れ、狙わなくて良い!」
結城・戸田「「了解!」」
2人が命令を受け、アサルトライフルを連射した。それを受けた北上は大きく後ろへ飛び、一度距離を開く。逆に多摩は姿勢をギリギリまで低くし、加速した。
4「チッ!相変わらずの瞬発力だなクソッタレ!」
多摩「褒め言葉として貰っとくにゃ。」
330 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:20:36.44 ID:ibSihYt30
鋭く突き刺すような視線のまま、無表情でエミールと呼ばれた男に追いついた。
向けられたショットガンをナイフの柄で弾き上げ、右手のハンドガンを向ける。
ここで多摩が僅かに姿勢を浮かせてしまった。弾いた手に手応えが無さ過ぎたのだ。
エミールと呼ばれた男はショットガンを弾かれると感じた瞬間、躊躇なく手放した。そして右肩のナイフを抜き、斬りかかる。
多摩が上半身を大きく後ろへ仰け反らす。切っ先が前髪を掠めた。
そのまま空中で体を回転させ、エミールの胸を蹴る。その蹴りを受け、二歩後ろへ下り姿勢を崩した相手に再度ハンドガンを構えたが。
多摩「!?」
着地すると同時に地面を蹴り、下がる。
多摩のいた地面を弾が跳ねた。
多摩「もう1人はジュンにゃ?」
4「ああ。だが、卑怯と言わないよな?援護ありだが、俺はここであんたを超える。」
腰を落とし、ナイフを構えた。
多摩「いい感じだにゃ。精々楽しませて欲しいにゃ。」
同じ様に腰を落とし、こちらはナイフとハンドガンを構え、僅かだが口角が上がった様に見えた。
331 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:22:04.79 ID:ibSihYt30
後ろへと下がった北上は青い鎧いの男へハンドガンを撃ちながら多摩を背にする様に間に入った。
1「ストーム2と3は相手の右へまわり込め。決して近付くな。」
そう言って手にしたアサルトライフルを捨て、ハンドガンを手にした。
北上が地面を大きく蹴り、距離を詰め、ハンドガンを向けるが、男も大きく踏み込み、ハンドガンを向ける。
北上「へぇ・・・。アタシとおんなじ様なスタイルでやろうって?」
互いに相手の腕を掴み、狙いを逸らさせる形で動きを止めた。
1「瞬発力では勝てそうにないんでな。撃ち合いは諦めた。だが、援護ありの接近戦ならあるいは・・・な。」
言うと同時に2人が離れた。
北上「気に入ったよ。お兄さんのお名前は?」
右からくる弾幕を躱わしながら、北上がたずねだ。
1「コードネームでは失礼か。カーターだ。」
そう名乗り、ハンドガンを撃ちながら北上へ向かって走る。
北上「いいね〜。それじゃあ楽しく行こうか。」
332 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:23:01.17 ID:ibSihYt30
北上らが撃ち合っている所を見下ろせる様に、少し高めの岩の上に船木はいた。
船木「よし、ここなら狙える。」
膝をつき、スナイパーを構えた所でゾクッとした。
船木「なんだ、これは・・・!」
ゆっくり、怯える様に後ろを振り向く。そこには1人の少女が笑顔で立っていた。
船木「み、みんな逃げろ・・・!」
慌てて声を出す。だが、スナイプする体制に入っていた船木の通信機はオフになっていた。
船木「あ・・・あ・・・うわああぁぁぁ!!」
333 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:25:00.91 ID:ibSihYt30
叫び声に、戦場が一瞬で時を止めた。
そして全員の視線が声の方に集まる。
ポーラ「ふ・・・うふふふふ・・・。」
茂みから船木の襟を掴んで引きずる様にポーラが現れた。
ポーラ「ここに残っている兵士が最後ですね〜。さぁ、ラストスパート!ポーラ、頑張っちゃいますよー!」
両手をグッと握る。襟を掴まれたままの船木が、グェッと小さく唸った。
結城「ふ、船木ー!」
北上「えー・・・他の娘が参加してるなんて聞いてないよー。」
1「そちらの味方ではない・・・が、こちらの味方でも無さそうだな。」
4「ハッ!おもしれぇ。派手にいこうじゃねぇか!」
多摩(面倒事はごめんにゃ)(=-x-=)
3(あれ・・・?これ、このまま隠れてた方が生き残れるんじゃないか?)
334 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/05/29(月) 01:27:47.38 ID:ibSihYt30
書き溜めはここまで。
陸上での戦闘力
一般軍人<駆逐艦<潜水艦≒特殊部隊<軽巡洋艦≒提督<重巡洋艦<空母<戦艦
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/29(木) 19:25:10.74 ID:YMya0dpyO
保守
336 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:49:28.13 ID:JWrsIHZW0
気付いたら一月経ってた。何を言って(ry
337 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:50:12.64 ID:JWrsIHZW0
ローラが地面を蹴る。大地がひび割れ、一足飛びでカーターへと距離を詰めた。
1「クッ・・・!」
掴みかかろうとする腕をハンドガンの底で叩くが全く怯まない。体を無理やりひねって躱した所で大きく後ろへと跳ぶ。
それに合わせるように結城と戸田がライフルを放った。
ローラ(あらら〜?今までの人達とはちょっと違うんですね・・・。ポーラ、なんだか楽しくなってきました!)
その弾幕を躱しながら、今度は北上へと向かう。先と同様に掴みかかろうと手を伸ばすが、北上はそれを半歩斜め前に足を踏み出して躱す。
北上(見かけより速いかな・・・。あぁ、ウザい。)
内心で毒吐きながらも、笑みは隠しきれない。
そのまま姿勢を落として足を払う。辛うじてそれを飛び躱したポーラは姿勢を崩して地面を転がる。スッと立ち上がった先にいたのは。
戸田(・・・あ・・・俺、死んだな・・・。)
338 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:50:41.21 ID:JWrsIHZW0
咄嗟にライフルを向けようとするが、それより早くポーラが動いた。
向けられた銃身を相手の喉元に向けて突き出した右手で横にそらし、そのまま回るように相手の後ろを取る。
左手を相手の肩から首辺りにかけ、それを下へと落とす。崩れた相手の重心の下に自身の腰を入れ、そのまま投げた。
視界が一瞬で2、3回程回ったように感じた瞬間、背中に衝撃を受け、そのまま戸田は意識を断ち切られた。
339 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:51:41.43 ID:JWrsIHZW0
1「なんだあの動きは!?」
北上(確か似たようなのを提督が使ってた気がする。)
ポーラ「ふっふっふ・・・これは日本の提督さんに教わったAIKIジュージュツですよ〜。さぁ、まだまだ行きますよ〜。」
ポーラがまたカーターへと手を伸ばす。
その腕を一歩下がり、重心を落として上へと蹴り上げた。
目を見開き驚くポーラ。
カーターが手にしたハンドガンを顔へと突きつけるが、ポーラはそれを首を傾けて躱す。そしてそのまま肩から体当たりをした。
カーター「グッ!?」
衝撃を僅かにだが後ろに飛ぶ事で弱めたものの、勢い良く転がる。
そのカーターと入れ替わるように北上が飛び込んだ。飛び上がりながら体を捻り、横蹴りを浴びせる。辛うじて腕をクロスし防ぐが地面に二本の線を描きながら後ろへと下げられる。
ポーラ(重い・・・。あれ?この娘もしかしてポーラより強く無いですか〜!?)
冷や汗を流しながら腕の隙間から北上を見る。蹴った反動を空中で去なし、地面へと降りると同時に後ろへ跳んだ。着地したところを数発の弾が通過する。そちらへとハンドガンを数発、北上が放つ。
結城「危な!?」
咄嗟に地面へと伏せて結城が躱した。
340 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:52:20.88 ID:JWrsIHZW0
北上(さーて、どうしたものかねぇ。)
トントンと軽く跳ねながら視線を向ける。
クロスした腕を解いたポーラ。ゆっくりと起き上がるカーター。片膝をついたままライフルを構える結城。
北上(個人での純粋な戦闘力なら、あの海外艦の娘が恐らく私より上。優位に立てるのは単純な実戦経験の差・・・かな。)
北上の見解通り、重巡と軽巡としての戦力差は大きい。だがやりあえない訳では無い。それを経験則で理解していた。事実、2人の戦力はほぼ互角である。
北上(改二を使っていいなら楽なんだけどなぁ。)
今回の演習は一般の軍人相手という事で、改二の使用は禁止となっている。
北上(問題は・・・。)
2人の男へと視線を向ける。
恐らく北上と同じ考えに至ったのだろう。ハンドガンを構える。
カーター「敵の敵は・・・。」
北上「味方にはならないよね。」
カーター(ジュンとエミールの援護は期待できん。こちらは2人。ならば、相手が互いに消耗した後の漁夫の利を得る。)
ハンドガンを構えながら結城へと寄る。
カーター「まだやれるな?」
結城「援護程度なら。」
341 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:53:53.11 ID:JWrsIHZW0
多摩が左手のナイフを突き出す。エミールがそれを手にしたナイフで弾く。それを互いに数度繰り返す。
多摩「!」
突き出されたエミールのナイフを弾くと同時に多摩が首を傾けた。頬を弾が掠める。
狙撃がきた方へとハンドガンを数発発射するが、当たった気配はない。
その隙を狙ってエミールがナイフを横に薙ぐ。多摩のナイフを弾き上げた。それと同時に多摩がエミールの手を蹴る。今度はエミールのナイフが弾き上げられた。
互いに一歩下がり、多摩はエミールの、エミールは多摩のナイフを取り、再度互いに斬りかかる。
鍔迫り合い、向けられたハンドガンを掴み、さらに額をぶつけ合う。
多摩「相変わらず攻撃的にゃね。」
無表情で呟く。
エミール「どっかの誰かに似たんでな。」
声を荒げた。そのままハンドガンを握り潰す。
多摩「それ、ウチの備品にゃ。ちゃんと弁償しにゃよ。」
壊れたハンドガンを手放し、腕を掴む。
エミール「!?しまっ!!」
足を払われ、姿勢が崩れたエミールへと飛び上がり、腕を極めながら首へと両足で顔を挟むように蹴った。そしてそのまま地面へと押さえつける。エミールの意識が完全に切り取られた。
多摩「餞別にゃ。これで多摩の演習は終わり。お疲れ様にゃ。」(=^x^=)
そう言って多摩は笑顔で白旗を立てた。
342 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/07/09(日) 23:55:00.70 ID:JWrsIHZW0
書き溜めはこれだけしかないorz
一応お仕事のピークは去ったんで、次回は一月は開かないはず。
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 04:52:38.10 ID:1vitUfRq0
おつ
344 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:44:55.15 ID:tExonLAN0
北上「は?チョット多摩姉さん!」
多摩「どうせあと少しで終わりにゃ。あとはよろしく。」(=-ω-=)
気を失っているエミールを引き摺り、木の陰に座り込んだ。
カーター「(チャンスだ。)ジュン、行けるか?」
ジュン『当然です。やってやりましょう。』
返事を聞くと同時にカーターが北上へと駆け出した。それを見たポーラも北上へと駆け出す。
北上「あーもう!」
345 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:45:55.62 ID:tExonLAN0
北上がハンドガンをポーラへ向けて数発放つ。それを躱す為に速度が落ちた。その隙にカーターへと回し蹴りを放つ。
しゃがみ、蹴りを躱したカーターが北上の足を払うが、逆にその足を踏まれて抑えられた。
カーター「グッ!」
痛みをこらえ、ハンドガンを向ける。だがそれを手で抑えられ、逆にハンドガンを突きつけられた。
だがその引き金を引く前にポーラが走りこむ。察した北上が後ろへと飛び下がる。
目標を失ったポーラがカーターへと狙いを変えるが、その前に放たられた結城とジュンの射撃を躱す為に一歩、大きく下がった。目前を銃弾がかすめて行く。
北上とポーラが下がった事で自由になったカーターが地面を大きく叩き、その反動でポーラを蹴り上げた。だがその蹴りは片手で防がれてしまう。
そのまま蹴った反動で反転し、ハンドガンをポーラへ向けて引き金を引く。
だが鈍い音だ響き、弾は打ち出されなかった。
346 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:46:40.85 ID:tExonLAN0
カーター(ジャムった!?これだから演習用は!!)
ハンドガンを放り投げ、ポーラへと拳を打ち出す。先の動きから考えるに、ポーラは関節技を多用する傾向がある。
カーターは踵を浮かしてステップを踏みながら素早く拳を差し引きした。
ポーラ(アウトボクサースタイルですか。ちょーっと厄介ですかー?)
辛うじてその拳を裁く。なんとか掴もうとするが、軽やかなステップに重巡のポーラではギリギリついていけない。
カーター(だが、このままでは!)
焦るカーター。その援護に結城がライフルを構えるが。
北上「残念、無念ってね。」
結城「!?」
いつの間にか間合いに入った北上が顳?に当てたハンドガンの引き金を引いた。
347 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:47:45.56 ID:tExonLAN0
カーター「クッ!?」
焦るカーター。だが動きは緩めない。互いに打撃を打ち合う2人に間に北上も飛び込んだ。
北上が向けるハンドガンをポーラが捌く。
カーターが繰り出す拳を北上が身体をそらして躱す。
ポーラが掴もうと腕を伸ばすがその前にカーターが引く。
数秒続く均衡は直ぐに崩れた。
カーター「!?」
カーターが痛みに足を崩した。北上に踏まれた側である。そこへ北上がハンドガンを向ける。なんとかそれを拳で打ち弾いたが、そのまま膝をついてしまった。
チャンスとばかりにポーラが掴もうと腕を伸ばすがその顔へ、北上の足蹴りが伸びる。前髪を掠めたが、ポーラが止まった。
北上「取った。」
そのままで飛び上がり、崩れたカーターの膝を踏み台にし、膝を顔へと打ち込んだ。
348 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:50:00.64 ID:tExonLAN0
頭部のメットが軋む。砕けはしないが、僅かに亀裂が入り、カーターはそのまま意識を失った。
着地した北上を背後からポーラが掴んだ。そして地面へと叩きつける。
なんとか受け身をとり、仰向けになった北上の襟をしめるようにポーラが抑え込む。
ポーラ「やりましたよ!これでポーラの勝ちでー」
北上「では無いよ。引き分けかな。」
北上がポーラの腕を掴んだ。ポーラがハッとした時には既に手遅れ。茂みからの狙撃がポーラの頭部を撃ち抜いた。
北上「はい、おしまい。」
笑顔で北上も白旗を出した。
ジュン「マジで生き残っちまったぜ!?」
349 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/08/02(水) 00:51:00.48 ID:tExonLAN0
書き溜めはここまで。
次回はやっと那珂ちゃんの休日。
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/02(水) 08:24:54.04 ID:le+BC4TN0
おつおつ
351 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:33:03.58 ID:eOjftv3k0
那珂「ふぁ〜。」
ベッドから起き上がり、グッと体を伸ばす。
今日もいい天気かな〜。
隣のベッドでは神通お姉ちゃんが規則正しい寝息を立てている。私の上のベッドは空っぽ。川内お姉ちゃんは今日も夜戦かな?
那珂「さてと・・・お姉ちゃんを起こさないように出ないとね。」
今日は一日中オフだ!
そっと起きて身支度をパパッと済ます。廊下に出ると外はまだ薄暗い。その廊下を静かに歩いていくと、ある人物と出会った。
那珂「あ、提督おはよう!」
352 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:33:57.19 ID:eOjftv3k0
この人は那珂ちゃんの鎮守府の提督さん。普段はとても優しくて、凄い人なんだ!
一度でいいから本気で手合わせ・・・とか考えてないよ!那珂ちゃんはか弱いアイドルなんだから!
提督「ああ、おはよう那珂。外出届がでていたが、いくらなんでも早すぎないか?」
那珂「今日は久しぶりに先生の所に行く予定なんです。」
提督「先生というと、銀牙さんの所か。ふむ・・・。それじゃあこれを持って行ってくれ。」
提督は手にしていた紙袋から羊羹を二本差し出した。
こ、これはあの間宮羊羹!?え!?マジで!?
353 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:34:34.30 ID:eOjftv3k0
那珂「いいの?」
提督「ああ。執務室に置いておく予定の物だから、また後日発注するさ。」
さっすが提督!もー大好き!
提督「近いうちに私も行くからよろしく言っておいてくれるか。」
那珂「はい!那珂ちゃんにお任せ!それじゃあ行ってきまーす。」
肩にかけたカバンに羊羹を入れ、元気に手を振りながら提督と別れた那珂は外へと出た。
354 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:35:24.13 ID:eOjftv3k0
鎮守府から少し離れた所にある駅。ここから電車で2時間ほど。その駅から出て少し歩いたところで巨大な山と長い階段。
山の上の方からわずかに声が聞こえる。
さすが先生の道場、下にまで声が聞こえるよ。それじゃあ私も気合入れなくっちゃね!
軽く身体をひねり、ほぐす。軽く両方の頬を叩き、表情を引き締めた。
那珂「さて・・・それじゃあ一気に行っちゃおうかな!」
トントンっと地面を爪先で叩く。スッと腰を落とし、筋肉を収縮。そして爆ぜた。
一陣の風の様に階段を駆け上がる。一足飛びで階段を5、6段程を飛び越える。
那珂「はい、到着っと。」
両足でピョンっと一番上の段に飛び乗った。フゥっと一息ついて正面を見ると、複数の男たちが構えをとっているのが目に映る。
銀牙「ん?おー那珂ちゃん、久しぶりじゃのう。」
那珂「はい!先生もお元気そうで!」
355 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:36:06.67 ID:eOjftv3k0
この人は銀牙さん。流水岩砕拳の使い手で私の先生!とっても凄い人なんだよ!
那珂の登場で場がざわめき出した。
銀牙「気を乱すな!そのまま続けい!」
銀牙の一括で再度構えを取り直す。ただ1人を除いては。
餓狼(・・・なんだこいつ?)
銀牙と親しく話す。そして先生と呼ぶという事はここの道場出身者。だが外見はただの女の子。
餓狼(試してみるか?)
スッと構えを崩し、那珂をみる。目があった。
瞬間、全身を衝撃が走った。
餓狼「!?」
356 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:36:51.16 ID:eOjftv3k0
冷や汗が止まらない。手足が震える。まるで蛇、いや、恐竜に睨まれた様な感覚。
狩るものと狩られるものの、絶対的な格差を感じた。
そのまま膝から崩れてしまう。
苦虫「お、おい、大丈夫か!?」
餓狼「大丈夫だ!ほっとけ!」
伸ばされた手を弾き、息を整え構えを取り直す。それを見て那珂はクスッと笑みをこぼした。
那珂「中々見所がある子がいますね!」
銀牙「そうじゃろうそうじゃろう。これが今の一番の楽しみよ。」
2人して目を合わせて微笑んだ。
357 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/09/02(土) 11:37:45.81 ID:eOjftv3k0
書き溜めはここまで。
那珂ちゃんカワイイデス。
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 13:02:40.70 ID:2c+HW08NO
アイドル(哲学)
あるいは
アイドル(物理)
359 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/10/01(日) 20:04:07.42 ID:zQ/iKP8L0
銀牙「そんじゃあお茶でも飲むか?」
那珂「あ、提督から羊羮をもらったんで、一緒に食べましょう!」
銀牙「おお!そりゃあありがたい!」
那珂「提督が近いうちに来るって言ってましたよ。」
銀牙「そりゃ楽しみだ。」
2人で和気藹々話しながら中に入ると、そこには2人の人が座っていた。
那珂「あれ、比k、じゃなくて、新津覚之進先生に自来也先生じゃないですか。」
ビックリした!なんで2人がここに!?
自来也「おぅ、那珂ちゃん!相変わらず良いお尻じゃのう。」
座っていた筈の自来也が姿を消し、後ろから那珂の尻を撫でた。ビクッとした那珂が思わず踵を落とす。
大きな音と衝撃が山を揺らした。
覚之進「完全に偶然だ。俺は頼まれていた土鍋を持ってきただけだ。」
頭から地面にめり込んだ自来也を無視し、覚之進は微笑みながらお猪口を煽った。
360 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/10/01(日) 20:05:30.83 ID:zQ/iKP8L0
この人は新津覚之進先生。内緒だけど、神通お姉ちゃんと神風ちゃんの剣の先生で、陶芸家なの。
で、この埋まってる助平爺は自来也先生。こっちは一応川内お姉ちゃんのお師匠さん。
2人とも、とっても凄い人なんだよ!
那珂「で、ここ助平ジジイはなんでいるの?」
ジト目で自来也を見る。気絶しているのかピクリとも動かない。
銀牙「わしが呼んだんじゃ。にいちゃんに伊勢海老のお返しを送ろうと思ってな。」
自来也「それをワシに狩ってこいって依頼だそうだ。」
自来也が地面から頭を抜き、軽くはたく。
チッ・・・やっぱり無傷か。
覚之進「それで、那珂。最近、神風はどうだ?神通と違ってあの馬鹿弟子はこちらになんの連絡もよこさん。」
那珂「神風ちゃんも忙しいんですよ。うちの鎮守府で任務だけでなく、教導に警邏隊長もかねてるんで。」
361 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/10/01(日) 20:06:42.59 ID:zQ/iKP8L0
覚之進「そうかそれは僥倖。色々任されているならそれで良い。今夜は酒盛りだ。」
那珂「もー、飲み過ぎはダメですよ〜。」
笑いながら鞄から間宮羊羮を取り出した。部屋の奥から銀牙が人数分の湯のみと皿をもってくる。
自来也「おお!間宮の羊羮か!」
切り分けた一番端を横から手を出した自来也がポイっと口へと運んだ。
那珂「あ!ちょっとまだダメだよ!」
自来也「うむ、甘露、甘露。やはりこれが一番じゃのう!」
覚之進「違いない。これがあればどんな酒も上手くなる。」
皿に取り分けられた羊羮を楊枝で指しながら覚之進も微笑んだ。
銀牙「自来也に頼むより、これを一本送った方がにいちゃん喜びそうじゃの。」
自来也「おいおい!それじゃあワシは来た意味がなかろうが!」
顔をしかめた自来也を見て皆が声をあげて笑った。
うん。やっぱりこう、気心しれた人達と話すのは、鎮守府の次に居心地がいいね〜。
362 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/10/01(日) 20:07:21.29 ID:zQ/iKP8L0
安価下1〜3
1ポーラの日本の鎮守府探索
2神風ちゃんの教導教室
3夜戦ニンジャスレイヤー
363 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/10/01(日) 20:08:57.79 ID:zQ/iKP8L0
ミスった。
下1と2
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 21:03:08.32 ID:ATx37L9DO
1 酔っぱらい探検隊
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 12:38:03.94 ID:6z7t1vA3O
ニンジャ
366 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/01(水) 01:27:26.39 ID:SLGv5Y8n0
ポーラ「中将〜。」
ポーラが半べそをかきながら執務室で提督の机にへばりつく。
提督「しつこい。いくら海外からわざわざ足を運んでくれたからといって、約束は反故にできん。文句はそちらの提督に言って欲しいんだが。」
困った様に言う提督(日本の方)は電話をポーラへと渡す。だがポーラは受け取ることなく頬を膨らます。
ポーラ「うちの提督はまだ10歳のお子様なんでお酒の美味しさを理解してないんですー!だからポーラの気持ちもわかってくれないんだからー!」
367 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/01(水) 01:28:14.18 ID:SLGv5Y8n0
同刻。
英提督「ハックション!」
眼鏡の少年がクシャミをすると同時に風が吹き荒れた。そして隣にいたウォースパイトの服が弾け飛ぶ。
英提督「わわわ!ご、ごめんなさい!」
ウォースパイト「もう、Admiral・・・おいたはダメですよ///」
368 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/01(水) 01:29:01.56 ID:SLGv5Y8n0
提督(正直、私も酒の良し悪しはよくわからんのだが・・・。)
少し悩んで提督は鎮守府内の呼び出し用通信機をとった。
提督「こちら提督。大淀、すまないが執務室へ来て欲しい。」
そしてそのまま事務へと戻る。その間もポーラはひたすら文句を言いつづけた。そして10分程で扉がノックされる。
提督「どうぞ。」
大淀「失礼します。大淀、参りました。」
入ると同時にピシッとした姿勢で敬礼をする。そしてポーラが目に入った途端、嫌そうな顔をした。
ポーラ「むー、なんだかすごい失礼な態度をされた気がします。」
大淀「気のせいです。」
提督「気のせいだ。」
ポーラ「そうですか、気のせいですかー。」
369 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/01(水) 01:30:51.12 ID:SLGv5Y8n0
大淀「それで、提督。どの様なご用件でしょうか。」
提督「ポーラに鎮守府内を案内してやってくれ。先ずは鎮守府内全体を周った後に演習場、武道場、そして最後に鳳翔だ。」
最後の言葉を聞いた途端、ポーラの目が輝いた。そして大淀の目が濁った。
提督「今度一日中付き合うから、頼む。」
大淀「・・・わかりました。でも、どうなっても知りませんよ。」
小さく溜息を吐いた大淀がポーラの襟首をつかんで引きずり出した。
ポーラ「中将〜ありがとー!」
そのまま引きずられながらポーラは笑顔で手を振った。
370 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/01(水) 01:31:58.43 ID:SLGv5Y8n0
安価下1〜3
武道場にいた娘。特に制限なし。
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 05:25:45.47 ID:avaq6mYmO
ではここで夜戦ニンジャ
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 07:40:36.00 ID:/H1DpjJMo
如月
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 12:40:36.50 ID:saSMaU8DO
ムラクーモ
374 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/29(水) 01:34:02.57 ID:HO8Jknvh0
大淀の案内で一通り周ったポーラは最後に武道場へと向かった。中から何やら打撃音が聞こえる。
大淀(今日の使用申請は誰だったっけ?)
そっと中を覗き込む。
叢雲「たっ!やっ!ハァッ!」
川内「よっ、ほっ、ほいっと。」
蹴、掌、肘の三連撃を躱し、流し、止める。
パッと飛び上がり、距離を取ったところで叢雲が大淀に気がついた。
叢雲「あら、珍しい。どうしたの?」
川内「ん?ああ、本当だ。なに?」
大淀「すみません、お邪魔してしまいました。ポーラさんに施設を案内していたところなんですけど・・・。こっちの子、大丈夫ですか?」
大淀が引きつった笑顔で指差した先には如月がうつ伏せで倒れていた。
如月「うふ・・・ふふ・・・ふ・・・。大丈夫じゃない・・・髪が傷んじゃうわ・・・。」
ボロボロの笑顔で顔を上げるが、すぐにパタッと力尽きた。
375 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/29(水) 01:35:28.92 ID:HO8Jknvh0
川内「ちょびっと本気出したらすぐこれだよ。まだまだ改二が安定してないんだってさ。」
カラカラと笑う。その隙をみて叢雲が放った蹴りを川内は指一本で止めた。
叢雲「むぅ・・・。」
川内「甘い甘い。速さだけで重さが足りないね。」
ニヤッとした川内に叢雲がまた連続で攻撃を仕掛けるが、それを全て捌き、躱し、受け止めていく。
ポーラ「おお、これがジャパニーズブドウですね〜。スバらしい!」
いつの間にか部屋へと入ってきたポーラが手を叩いていた。
大淀「ポーラさんもやってみますか?」
ポーラ「いやぁ・・・興味はあるけど、ポーラじゃちょーっと相性が悪いかも。なのでご遠慮したですね。」
困ったような笑顔で頬をかく。その様に大淀が首をかしげた。ポーラの強さは報告でも聞いている。例え川内相手でも十分やりあえる筈だ。
大淀の表情で察したポーラが川内の足元を指差した。
ポーラ「さっきから左の軸足が一歩も動いてないんですよ。ポーラの力押しじゃあ、きっと全部受け流されちゃいますから。」
376 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/29(水) 01:36:29.08 ID:HO8Jknvh0
ゾクッとした。叢雲はここの鎮守府内の駆逐艦では最高クラスの練度を誇っている。その叢雲の攻撃を全てその場から動くことなく、捌ききっているのだ。
川内「いやいや、買い被りすぎだって。だって、叢雲はまだ本気じゃないでしょ?」
突き出された拳を受け止めたところで2人が止まった。
叢雲「手を抜いているつもりはないわよ?」
川内「でも最初から軸足は全く狙ってこないじゃん。」
叢雲「それで勝っても意味ないもの。先ずは力尽くで一歩でもそこから動かす!」
掴まれた手を引き剥がし、また連撃が始まった。
ポーラ「さぁさぁ!ここはおしまいにして、鳳翔さんの所に行きましょう!」
如月「お伴します!」
ポーラが大淀の手を引きながら言うと、如月もパッと立ち上がり、ポーラの腕に寄り添った。
大淀(飲兵衛が1人増えた!?)
377 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2017/11/29(水) 01:38:21.07 ID:HO8Jknvh0
安価下1
居酒屋鳳翔に誰がいた?
ただしバーカウンターがお酒の娘限定。
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 19:12:08.40 ID:H0lOLR98O
那智
379 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:49:15.57 ID:n1WM02Cu0
ポーラ「お邪魔しまーす!」
如月「失礼します。」
大淀「こんにちは。」
日が沈み始めた頃、居酒屋鳳翔へとたどり着いた。
鳳翔「あら、いらっしゃい。」
元気よく暖簾をくぐったポーラを先頭に入って来た3人を笑顔で迎えた。店内には、カウンター席に1人。
大淀「那智さん、お疲れ様です。お一人ですか?」
那智「ああ。長期遠征を終え、明日から連休だからな。今日は夕方から飲ませてもらっている。」
笑顔で答える那智。机には既に徳利が一本空き、二本目の様だ。
ポーラ「ほほぅ。那智さんはいける口ですねぇ。ささっ、乾杯といきましょう!」
笑顔で那智の隣にポーラが座る。更にその隣に如月も座った。
380 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:49:41.31 ID:n1WM02Cu0
鳳翔「提督から話は伺っています。少々お待ちくださいね。」
(笑いを堪える様な)笑顔で奥へと入っていく鳳翔。そして大きめのジョッキをトンとポーラの前におく。
鳳翔「お待たせしました。鉄管ビールです。」
ポーラは笑顔のままで固まった。
381 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:50:58.74 ID:n1WM02Cu0
那智(返事がない。ただの屍のようだ。)
大淀「さ、さすがに冗談ですよね?」
鳳翔「はい、流石に冗談です。」
笑いながらジョッキを下げる鳳翔。ポーラがカウンターにへたり込んだ。
ポーラ「ですよねー。ポーラ、驚いちゃいましたよ〜。」
如月「よかったですね。それじゃあ改めてビールからお願いします。」
微笑んだ如月が注文する。すると鳳翔が(やはり笑いを堪える様な)笑顔で答えた。
382 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:51:48.58 ID:n1WM02Cu0
鳳翔「お待たせしました。こどもビールです。」
如月が笑顔のままで凍りついた。
383 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:52:51.82 ID:n1WM02Cu0
那智(凍れる時間の秘法か?)
大淀「どこまで提督からの話なんですか?」
鳳翔「ここまでです。あとはちゃんと注文を受けても良いと伺ってますから、安心してください。」
(ちゃんとした)笑顔で御通しとビールを2つ、ポーラと如月の前に置いた。
如月「フフフ・・・後で提督室にお邪魔しないといけないわね。」
ポーラ「ちゃんと呑めるんなら、別にポーラは構いませんけどね〜。」
少し不機嫌になった如月と笑顔になったポーラがジョッキを軽くぶつけ合い、一気に飲み干した。
ちなみにこの間に那智は既に2本目の徳利を開け終え、ウィスキーのボトルが半分空になっていた。
そして途中で帰った大淀を除き、3人の飲み会は翌朝まで続いたと言う。
384 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/01/08(月) 00:53:42.81 ID:n1WM02Cu0
あけましておめでとう。
新年もこんな感じで細々と続きます。
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 06:53:09.08 ID:ZPt1bVyDO
あけおつ〜
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 15:13:10.48 ID:t+JqyDf5O
おつ
387 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 00:54:49.94 ID:VFPH7Ku10
ポーラらが飲み始め、しばらくたった頃。
ここは鎮守府近海の海上。そこに浮かぶは3つの影。
レ級「フッフッフッ・・・。呑気なやつらめ。」
尻尾を海面に叩きつけるは巨大な蜥蜴の様に!
リ級「今こそ我らの悲願を達成させる時!」
その両の腕は宛ら巨大な霊長類!
チ級「今宵は血の雨を降らそうぞ。」
そしてその静かなる佇まいはニンジャの如く!
388 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 00:55:46.75 ID:VFPH7Ku10
レ級「して、今宵の作戦をお聞かせ願おう。」
海面を蹴り飛び上がり、陸へと降り立つ。
チ級「うむ。先ずは鎮守府内部へと侵入し、食料をありったけ奪う。」
続いて降り立ち、指差す先には鎮守府の門。
リ級「その程度では大したものではない。まさかそれで終わりではありますまい。」
隣に降り立ち疑問を投げかける。それに答える様にニヤリと口角を上げ、懐より一枚の紙を開いて見せた。
『ご馳走様でした。by赤城』
リ級「これを置けばあとは疑心は暗鬼を生じ、勝手に内部分裂、鎮守府は地獄と化す。」
レ級「見事!流石はリ級、その冴え渡る知は恐ろしいぞ!」
?「待てぃ!!」
一同「「「何奴!?」」」
389 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 00:56:16.83 ID:VFPH7Ku10
?「神を信じて生きている人々を欺き、真実を虚偽に塗り替える悪魔たちよ!たとえ神があらわれずとも、いつか必ず心ある者が、神に代わって悪を裁く・・・!人、それを・・・『天誅』という!」
レ級「き、貴様は!」
390 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 00:56:46.02 ID:VFPH7Ku10
川内改二「ドーモ、夜戦ニンジャです。」
391 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 00:58:15.57 ID:VFPH7Ku10
一同「「「!?」」」
高き塀の上から手を合わせ、頭を下げる。
その様に驚き身を固めてしまうも、3人もゆっくりだが両手を合わす。
レ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。レ級です。」
リ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。リ級です。」
チ級「ドーモ、夜戦ニンジャサン。チ級です。」
たとえどんな状況であろうとも、挨拶は疎かにしてはいけない。それがニンジャの礼儀だ。古事記にもそう書かれている。
そして顔を上げると同時に4人が飛び上がった!
草木も眠る丑三つアワー!そそり立つ外壁は、壮絶なる夜戦の開始点と化す!
392 :
◆wO2YycwzMI
[saga]:2018/02/13(火) 01:00:13.74 ID:VFPH7Ku10
今宵はここまで!
決着は如何に。ーーー次回を待て!
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/13(火) 06:29:12.88 ID:0SA0beZY0
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