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叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」
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373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 00:01:42.71 ID:KqttNjsNO
明日とは
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 10:26:52.92 ID:Mx7kb4hHO
たしか男は叔母さんさんの写真隠し持ってたよな……
今夜はそれ見ながらシコシコタイムか
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:13:39.19 ID:Wv+sfgKlO
44号室
叔母「それでは」
叔母「男くんの安泰な外国進出を願って、かんぱーい」
受付「かんぱーーーい!」
清掃「Cheers! カンパーイ!」
女「乾杯!」
女姉「…乾杯」
男「か、乾杯…」
ガヤガヤ ガヤガヤ
男(今日はいろんな人が集まったな…)チラ
女姉「ねえ」スッ
男「はいッ? あ、先生…今日はありがとうございます、来てくれて」
女姉「お礼なんて結構よ。先輩に無理やり連れてこられたようなものだし」
女姉「それより、気になってることがあるんだけど…」
男「はい?」
女姉「私だけ、どうしてジュースなの?」チャポ
男「……教師が酔っ払っては、体裁が悪いでしょうから」
女姉「な、なるほど…! 確かに…!」ハッ
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:14:29.49 ID:Wv+sfgKlO
男(ファミレスでのあの惨状を覚えていないのか……)
男「えーっと、その、仕事の方は大丈夫なんですか?」
女姉「もちろん。むしろ貴方がどうなのかしら。現状をきちんと把握できてる?」
男「え、ええ…まあある程度は…」フィ
女姉「あら。初めてみるわね、貴方の不安そうな顔」
男「転校に関して多少は自信があったんですが…つもり、のようだったようで…」
女姉「へえ…」マジマジ
男「な、なんです? そんな言うほど珍しいですか、俺の不安そうなトコロ」
女姉「そうね…」
女姉「国境を跨いで転校に教師として何も言えない……だから、私はきっと、貴方を信用しすぎてるのよ」
男「あの、結構意味が汲み取りにくいんですけど、つまりどういう…?」
女姉「ひっく」
男「───誰だァ! 先生に飲ませたのー!!」
女姉「えっ? ちょ、違う違う、今のただのしゃっくり…!」
受付「え、飲んだの? いつ!?」ビクッ
叔母「待ってろ後輩、一発でゲロってみせるから」スッ
女「いやぁー! もうあんなお姉ちゃん見たくないのにぃ!!」ササッ
男「とにかく俺の側から離してくれ! 誰か壁を! どうか壁役なってください!」ダッ
女姉「!?」
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:15:05.79 ID:Wv+sfgKlO
叔母「なんだ、ただのジュースじゃないか。びっくりした」ホッ
女姉「私は皆のリアクションに唖然としたままですけど……」ズーン
女「ち、違うのよお姉ちゃん? 私、ああでもきっと大好きだから!」
女姉「じゃあ私は一体貴女になにをしたのよ…?」チラ
女「ひっ! あ、ごめっ」ササッ
女姉「今、距離を取ったわよね? 怯えてたわよね? どういうことよー!!」
女「待って! 急に顔が近づいたからびっくりしちゃったというか!」
受付「待ち給え」スッ
女姉「う、受付さん…! 貴女ならきっと教えてくれますよね…!?」
受付「ウチと二人っきりのときならね?」ポン
女姉「やっ……ヤダー! そんなのヤダヤダ! なんで皆教えてくれないの!? なに!? 私なにしたの!?」
男「これはもう教えたほうが良いんじゃないんですか…」
叔母「言っても無駄だろう、あっちが信じない」
男「…そういや44号室の幽霊もそうでしたっけ」
叔母「ん。意固地というより、己の過ちを認めたくないんだろうね」
男(どっちにしろ意固地だ…)
叔母「おい、後輩。今日はお前の話をする為に呼んだんじゃないぞ」
女姉「わっ、わかってますって!」
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:16:06.28 ID:Wv+sfgKlO
受付「でもでも無礼講だよ? 愚痴悪口陰口、ビバ! カモーン! ネガティバー!」
男「祝いの席でとんでもないこといいますね、アンタ」ドンヨリ
受付「うえっへへー、なによー。かまととぶっちゃって!」
男「…なにが?」
受付「てめーも吐くんだよぉ! ホラホラ、あるでしょ? ゲロっちまえよぉ!」ぐりぐり
男「吐くもんないのにどうしろと…?」
女「あ。それ私も知りたい、貴方の愚痴って訊いたことないもの」
受付「ほうほう」コクコク
男「……トモダチ居ないこと愚痴ったよね俺……」
女「あれは愚痴じゃない。悩み、だから。もっと心の中の根本的な感情のコト!」
男「ちょっと待って。愚痴って考えて言い出すことなの? なんか違うよね!?」
受付「いーや! 良いこと言った女ちゅあん! だからブリバリ曝け出すのだ、青少年よ!」
清掃「──そこまでよ、ミンナ! フリーズよ!!」
女「清掃さん!? なぜ、貴方が止めるの…!?」
受付「ムム!」ババッ
清掃「フォクシィー、ボス……オトコの愚痴、聞き出しちゃダメ、ゼッタイ」
受付「根拠を言い給え、弁護人ケルドッグよ!」ガーッ
清掃「ワァオ! その名前久しぶり呼ばれたネ! へへっ」サスゥ…
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:16:35.21 ID:Wv+sfgKlO
男「ちょ、ちょっとケル君。その話続き気になるから、続けてくれない?」
清掃「オマカセ! …だってケルケル見たよ? 前にソーダンもらったとき、親のグチ言ったね?」
男「む」ピク
受付「へぇっ!? そうなんだ!?」キラキラキラ
女「本当に!? それ本当に!?」キラキラキラ
女姉(へ〜…)チラ
叔母「………」ゴクゴク
男「何故に興味津々なんですか、二人共…」
女「ばっか、そりゃ気になるわよ! ですよね受付さん!?」バッ
受付「ねー! 普段良い子ちゃんぶってる奴の悪口きくの楽しいよねー!」
女「う、…うん! ですよねッ!」ニ、ニコ
男「バカな人に無理して合わせなくて良いよ!」
清掃「そのときボク思ったの……オトコの裏の一面、しっちゃったネって…」シュン
男「ええっ!? そんな変な感じだった…?」
清掃「そうよ! ギラギラしてた! もう目ン玉ぎょろぎょろ!」クワーッ
男「流石にそれは言い過ぎだって……ほら、他の人も引いちゃうし……」
女「見てみたい…」ホワホワ
受付「写メ撮りたい…巫女喜びそうだな…」ホワホワ
男「俺が変だったらアンタ等もうなんでも良いんだろ!?」
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:17:14.13 ID:Wv+sfgKlO
女「ち、違うの! 貴重性を言ってるだけで、馬鹿にしてるとかじゃなくて」
受付「貴重性そのとーり! だからシャツのボタン外せさせて?」ニパー
女「おっ、うっ!? そっのとーり…! とっととシャツ寄越しなさいよオラ!」ガーッ
男「それ追い剥ぎだからね!? た、助けてケル君!」
清掃「……ヒミツだったけど、ケルケルも第二ボタン欲しいのよ……」モジモジ
男「違うなあ!? 今そんな会話してなかったなあ!?」
ドッタンバッタン
女姉「こーなるんですね、結局は」
叔母「くっくっく」クスクス
女姉「楽しそうですね…えらく久しぶりに見ましたよ、その満面な笑顔」
叔母「そうか? ここ最近はよく笑うよ、確かに」
女姉「……羨ましいですね」
叔母「なぜ?」
女姉「そりゃそうでしょう。この歳なると、楽しいことも疲れるじゃないですか」
女姉「昔は当たり前にできたこと、そーいうのできないんです」スッ
コトリ
女姉「例え足元にソレが転がってても、拾って手に持つ気力すら減っていってる」
女姉「楽しいことをしたいのに、いつでも息抜きを考えているのに、いざ時間があっても手が出ない」
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:17:44.63 ID:Wv+sfgKlO
叔母「お前、彼氏できなさそうだな」
女姉「…わかってますよー、そんなことー」ブー
叔母「余裕がないんだろうな、もっと気楽に生きてみろ」
女姉「じゃあわたし、飲んでいいですか」
叔母「二人っきりのときなら」
女姉「……ありがとうございます、せんぱい」グス
叔母「どういたしまして」
女「きゃーー!?! 割れてる…! お腹が4つに割れてるわ…!」ババッ
清掃「わぉお……オトコ、鍛えてるのね…? 4つ、なのね…!?」ババッ
男「ひん剥いておいてまずそれなのか…っ」ズーン
受付「ぽこぽこだよね〜」サスサス
男「ええいっ! 気安く触るな! 見せモンでも無い! さっさと返せ!」ブンッ
受付「きゃ☆」パッ
男「ったく…」バサァッ プチプチ…
男「ん?」チラ
女「…………な、なによ?」ドキドキ
男「な、なんで見てるの?」
女「いやっ、そのっ、別にぃ〜……」じぃー
男「明らかに変な感じだったじゃんか…」
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:18:15.67 ID:Wv+sfgKlO
受付「わかるよ、キミ」ポン
女「ひゃいっ!?」ビックゥウン
受付「良いよね、シャツをバッサァ……って袖通す男子ね、エロいよね!」
女「んー!!??」
受付「お姉さんは分かってる。存分に語りなさい、つまり若い子の意見で後は語りなさい」シュピィーン
清掃(なぜかフォクシィーに後光がみえるよ……)
女「そんな、わたしっ、そんな変態的な目で見てたんじゃ…っ」ブンブン
受付「へそちら」
女「ほぐぅ……っ!?」ズキュン
受付「両袖ボタン留めの指の仕草」
女「むぐぐッ」ギュウウ
受付「ふふ、耐えるね。お姉さん気に入ったわ、貴女のこと……ね」ツツツー…
女「ちがいますちがいます! 私は全然ちがいます!」ピクピク
清掃「……オトコ凄いね」
男「なにが?」プチ
清掃「着替え姿にイロイロ言われてるのに動じてないのよ…」
男「もう慣れたよ」ニコ
清掃(グッドスマイル!)
女姉「受付さん…あんまり妹をいじらないであげて下さい…」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:18:43.79 ID:Wv+sfgKlO
女「ネタクイ……? ゆるめ、て…え、え、そんなっ………眼鏡も欲しいよぅ」
女姉「けっこう乗り気ねアンタ!?」
受付「眼鏡、やはり若い…ふふ…さて可憐なオナゴから要望だよ、ジェントルメェン…」クル
男「誰がジェントルメンだよ」
受付「さぁウチの秘蔵な伊達メガネ、黒縁にノンフレ、なんでもこざれよ…」ジュラァア…
女「こんなに…こんなにたくさんあったら決められない!」ワッ!
女姉「気をしっかり持って! あほっぽいわよ今の発言!!」
受付「どお? 個人的に男君はド直球な黒縁でウブヤングハツをぶち抜いて欲しいな!」
男「俺、そんなミラクルな言葉初めて聞きましたよ」
受付「じゃ、つけないの?」ニッ
男「……はあ、別に何か減るわけじゃないし、それで」スッ
カチャ
男「──どう? 似合ってる、コレ?」クル
女「袖捲って…?」キラキラキラ
男(なんか更に要望されてるんですけど…!?)チ、チラ
受付「んぐらいやってあげなってばー!」ケラケラ
男「な、なんですかまったく…せっかく留めたのに、ほら、これでいいの?」グイッ
女「…っ…っ……っ…っ…っ!」コクコクコクコク…
清掃「すっごいウレシソウねボス!」
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:19:18.45 ID:Wv+sfgKlO
受付「これでズッキューン☆ 見事射止めたね、やるっ☆」コノコノ
男「すみません。さっきから俺、弄ばれているとしか感じてませんよ」キッパリ
清掃「アイアンマンねオトコ……!!」
女「──ハァ〜〜、なんかどっと疲れた…ちょっと横になる…」クテ…
女姉「はしゃぎすぎよ…」
女「うん…私も途中で気づいた…でもやめられなかったの、凄かったの…」ボソボソ
女姉「そ、そう…」ナデナデ
女「……自分だって見てたクセに」ボソリ
女姉「──……っ!?」ビクンッ
清掃「じゃ、オトコ。ボクで第2ボタンくれる?」パァァア
男「え”?」
清掃「大事なヒト、学生は学生にあげるって漫画にあったよ?」
男「それきちんと読み解いてる!? ち、違うよ、第2ボタンってのは…」オロオロ
受付「かんぱーい!」
叔母「乾杯」
男「…こういう時に限ってあん人はァ…!」
清掃「ダメ、なの?」シュン
男「そ、そうじゃないよ!? けど第2ボタンよりもっと違うものが良いなって…!」
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:20:14.55 ID:Wv+sfgKlO
清掃「違うもの?」
男「そうそう。もっとほしいもの、ないかな? ケル君にだったら俺、無理してでもあげるよ?」
清掃「ちがうものー……」ボー
男(って、少し言い過ぎたかな。逆に悩ませてしまったかも)
清掃「うん」コク
男「あれ? もう決まった?」
清掃「そうね、決まった。ケルケル、一番ほしいの言っていい?」ニパー
男「ど、どうぞ。が、頑張るから!」
清掃「ん!」ピッ
男「え、どれ? えっとどれのこと?」キョロキョロ
清掃「ケルケル欲しいの、オトコ!」ニコ
男「ぇ」
ぎゅっ
清掃「───オトコ、くれる?」じぃー
男「………はい?」
ざわ… ざわざわ…
男「ちょっと!? 皆もなぜそんな目で見るんですか!?」
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:20:50.39 ID:Wv+sfgKlO
叔母「やはり、か」
男「叔母さん!? やっぱりってなに!?」
受付「ぶっちゃけ惚れてるよね、ケルケル君」
男「WHY!? 言ってる意味、ワッカリマセーン!?」
女「……そっかぁ……」
男「そこ! そこ真面目に受け止めるな! ジョーダン、冗談だってば!」
女姉「外国はもっとオープンよ、なにせゲイ大国。頑張りなさい」ウンウン
男「なんだよもぉー!! 理解力ありすぎるよこの人達!?」
男「──ケル君!? ちょっとした冗談だってネタバラシよろしくッ!」バッ
清掃「…………」
男「ケル君…?」ドクン
清掃「冗談、思う?」
男「ぇ、だって、そんなっ! 俺たちトモダチ、だって…」
清掃「…………」
男「…………」ビク
受付「あぁ〜えっと、ケルケル君? ちょっとお姉さん飲み物のお代わり欲しいなって〜」
清掃「shut up」
受付「ウッス」
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:21:19.67 ID:Wv+sfgKlO
清掃「オトコ。本気よ、本気でケルケル欲しい思ってる」
男「……意味がわからない」
清掃「だめ?」
男「だめとかじゃない、そもそも! 君は何を言ってるのか俺には…!」
清掃「──だって!!」
男「っ…!」ビク
清掃「居て、欲しいよ…外国行ってほしくない、近くでトモダチで居たい…!」ポロポロ
男「──……」
清掃「ケルケルほしいよ…ずっとここにオトコいて欲しいよ…」グスッ
女「………」ギュッ
女姉「………」ナデナデ
男「…ぁ…」スッ
受付「はいはーい。落ち着こうねケルケル君、だーから止めたのに、言っちゃうんだもんな〜」ポンポン
清掃「うぇ…っ…ひっぐ…」
受付「はい。一先ず席外させるから、みなさんはこの空気に負けずにファイトしてください!」グイグィ
男「受付さん…俺も…!」
受付「いいっていいって、気にすんなってば」シッシッ
受付「お姉ちゃんに任せとけ。君はなにも背負わなくていいから、ね?」ニッ
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:22:08.63 ID:Wv+sfgKlO
パタン
男「…………」
叔母「飲み物いる?」
男「いえ、いや! …その、大丈夫です」ストン
叔母「そっか」
女姉「えっと、その、取り敢えず、ケーキとか食べましょうか?」
叔母「私が切ろう」スッ
女姉「やめてくださいひとじにがでます」
叔母「大丈夫大丈夫」
女姉「そう言って過去どれだけの人を傷つけましたかね!?」
男「……ごめん」
女「なんで貴方が謝るの」ストン
男「………ごめん」
女「やめてよね。悪くないでしょ、誰も、清掃さんも貴方も」
男「……」
女「みみっちいわね。それが私のライバル? 笑わせないでよ、まったく」
男「…うん、そうだな、そうだよな」
女「そうだ、ねえ、最後に教えてくれない? ひとつだけ、貴方に質問したいんだ」
男「俺の、こと? 急にまたどうして…」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:22:41.53 ID:Wv+sfgKlO
女「どうしても! ……いい?」
男「いいけど…」
女「じゃあ訊くわ、覚悟して答えなさいよ?」ぴっ
男「う、うっす」コクコク
女「好きです。付き合って下さい」
男「…………」
女「返事は?」
男「…ぇ、女姉「ええええええええええええ!?」
ガッチャバタゴーーーン!!!
男「うわっ!?」バッ
女「お姉ちゃん!?」
叔母「お前…! ちょっと、大丈夫なのか!?」
女姉「はっ…はっ…ははっ、びっくりしてコケちゃって…」
叔母「包丁を持ったまま転けるなよ…びっくりした…」ドキドキ
男「…怪我はない、みたいだな」
女「…みたいね…」
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:23:07.61 ID:Wv+sfgKlO
男「………」
女「…その、ごめんね、急に言っちゃって」
男「えっ? いや、えっと、待って、もっかい言ってくれない…?」
女「ハァ!? 今のもっかい言わせるの貴方は!?」カァァア
男「だってさ!? 衝撃的なことが続いちゃって、実感が全く湧いていこなくて…!」
女「ッ〜〜〜!? なによッ、それッ! こっちは結構覚悟決めて告ったのに…!」
男「うーん、うんッ! 今、ちゃんと湧きました! 告白されましたね、俺!」コクコクコク
女「はががっ! ぐぅう〜〜! なによもう、全然それっぽくならなわよね本当に!」
男「ならもっと場所を考えてですね…」チ、チラ
叔母「……」ソワソワ
女姉「……」ソワソワ
女「あぁもう…そうよ、私はそんなやつよ、場の空気関係なくやっちゃう女よ…っ」
女「でもね! 意味が無かったわけじゃない! この告白はね!」バッ
男「ま、待って! 何を一人で盛り上がっているのですかね…!? 返事は!? したほうがいいよね!?」
女「…のよ…」
男「えっ?」
女「どーせ出来ないくせにしゃらくせーこと言うなって言ってんのよ!!!」
男「えぇええええっ!?」
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:23:33.95 ID:Wv+sfgKlO
女「もう分かってんの、貴方のこと。どうせ先延ばしにして外国いくつもりだった、違う?」ギロ
男「………………」
女「無言は肯定とみなす。以下、貴方に弁解の余地はなし!!」
男「ま、待て! 男として! 一人の男として語らせろ!」
女「却下」
男「圧政過ぎるだろ!」
叔母「…クックック…」
女姉「笑わない!」バシッ
男「なんなんだよ…全くなんなんだ! 俺は一体なにを求められてるんだ!?」
女「フッ、それはねアホタレ」
女「──一つでも貴方の心に、禍根を残すためよ。その為だけに告白させてもらったわ」
男「…は?」
女「さっきの清掃さんの告白。あれ、心に響いたの。行ってほしくないってキモチ、凄く伝わった」
女「それはきっと貴方も同じはずよ」
男「……」
女「だから増やす。もっと乗せる。歩き出せないぐらい、もっと負荷をかけてやる。グシャグシャにしてやる」
男「な、なんたる……」
女「もうそれやめろ! 逃げるな! いや逃げさせない! 私も逃げない! だから、重しになってやるわ!」ガーッ
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/22(月) 06:24:08.13 ID:Wv+sfgKlO
女「心のなかに愚痴ってもんが湧いて出るぐらい、沢山の想いで繋いでやる!」
男「…繋いでやる?」
女「一瞬でも、歩くのが億劫になるぐらい、相当やばめの奴をね」ニヤリ
男「…女さん、俺は普通に返事をするよ?」
女「いいわよ。どっちにしろ、トモダチはオシマイね」
男「あ…!」
女「重大さに気づいたようね、間抜け。…私は不器用よ、なにをしても失敗だらけ」
女「でも、そんな私だから無茶ができる」
男「…女さん…」
女「せいぜいこの告白に悩み疲れ果てなさい、このモ、モテモテ!!」
男「…モテモテ…」
女「私は何時だって一発勝負なのよ。…けど、コロコロ意見変えて、ごめんね」フィ
スタスタ
男「どこいくんだ…?」
女「やることやったもの。私、帰るわ」
女姉「え、ちょっと、ケーキはどうするの…?」
女「……食べれるかバカ!」バァン!
シーン
叔母「もっと他に引き止めるものがあったんじゃないか…?」
女姉「すみません…大人として無いと思ってます、テンパりすぎました…」ズーン
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/22(月) 07:39:38.73 ID:QJ5ancX50
女を追いかけろ
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/24(水) 19:21:10.88 ID:v5g55OqhO
こっから男がどう動くかだ
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:50:33.33 ID:GLOZ94psO
叔母「まあ。人生いろいろだ、男くん」
男「この一瞬で起こりすぎてませんか…」
女姉「外国に転校、同性から告白、同級生からも告白…波乱万丈ね、貴方」
男「ケルくんのは違ってたでしょう!?」
女姉「妹もよ。あんな宣言なんて、合ってないに等しいものじゃない」
男「うぐっ」
女姉「貴方が責められるのは違う、けれど、周りから『何かしてほしいと』願われる」
女姉「誰も、正解なんてわかってないのよ。きっと……」コク…
男「先生…」
女姉「ヒック。あ、やばっ、お酒飲んじゃったコレ?」
男「先生ッ!?」
女姉「うぁー」バタリ
男「先ッ、叔母さん…! 早く介抱して上げて下さい!」
叔母「やっと酒が回ったか……」フッ
男「叔母さァーん!? なにしでかしちゃったの!?」
叔母「そろそろ、お開きだろうと思ってな」
男「え…? お開きって、終わりってことですか?」
叔母「ん。時間的にも、雰囲気的にも、このまま終わらせたほうがいい」
男「あ……そ、そうですよね! みんな居なくなっちゃったし、だから……」
叔母「うん」
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:51:08.21 ID:GLOZ94psO
男(何がいいたいんだろう、俺)
叔母「コイツをスタッフルームに運んでくるよ。片付け、やっといて貰えるかな」
男「は、はい!」
叔母「じゃ、後はよろしく。置いてきたら戻ってくる」
男「…はい…」
パタン
男「………」ポツーン
男「あ…片付け、片付けっと…」ガサゴソ
カチャカチャ ゴソゴソ
男「………」
男(にゃお…)
男「にゃ、にゃっ、にゃにゃにゃにゃおーーーーー!!!」ドタン! ゴロロー!
男「なんなんだよォー! もおー! 告白とか、行かないでとか欲しいとかもうもうもう!!」ごろろろろー!
男「……っ…」ムクリ
男「……」ギュッ
男(期待とかやめろ、そんな無責任なことよくもまあ言えるだけ楽だよな! 俺がやることなのに!)
男「……やることなの、に……」ハッ
男「………………」
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:51:35.95 ID:GLOZ94psO
〜〜
叔母「ただいま、…あれ?」
叔母(男君が居ない、というか片付けが完璧になされてる…流石だな…)キョロキョロ
叔母「外のトイレかな、気にせず部屋の奴使っていいのに」クス
叔母「明日から居なくなるからって……」
シーン
叔母「………」スッ
叔母「IHヒーターがあった周り…凄いな、油汚れが綺麗にされてる…」キュキュッ
叔母「大変だったろうに。まるで新品の壁紙同様だ」
叔母(あ。ホワイトボードを止めてた画鋲の穴、なにかで塞がれてる)スッ
叔母「本当に気が利くな、あの子は」スリスリ
チッチッチッチッ…
叔母「……」クル
叔母「…まるで何もない」シュボッ
フゥー
叔母「まるで、彼なんて最初から居なかったみたいだ」スゥー
叔母「ハァー…遅いな、彼」
叔母「………………」ピク
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:52:07.38 ID:GLOZ94psO
叔母(──匂いが、しない、ちょっと待て)
叔母(やけに小奇麗だと思ったら、彼の手荷物すらなにも、残ってない?)キョロ
叔母「はは」ポロリ
叔母「もう、行ったのか? ……熱っつ!」ジュッ
コロロ… ヒョイ…
叔母「…火傷した…」ヂンヂン
叔母「…彼に限ってそんなこと…でも追い詰められると思ってもない行動を…」
『キミが、いつでも切り捨てられる部屋を与えたかったと』
叔母「……」
『何時でも何処にでも飛び出せる、そんな環境を作りたかった』
叔母「…ああ、そういや私が言ってたんだっけ」
叔母(なら彼らしい行動だ。私は保護者として彼の立場を肯定しなければね)
『誰に見せるんですか、それ』
『誰に、大人ぶりを見せて満足できてるんですか?』
叔母「……」スッ
ジュゥウウ… グリグリ…
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:52:36.26 ID:GLOZ94psO
ストン
叔母「…誰でもないよ、受付」
叔母「私は、きっといい子でありたかっただけなんだ…」
叔母(彼の前でしっかりとした大人に、そんな自分に酔いたかっただけなんだ)スッ
【男の財布】ソッ…
叔母「…………………」
受付「うっすー、飲みなおしに着ましたっと。ってあれェ!? もう片付けてる!?」
叔母「あ………」
受付「オーナー!? そりゃないでしょおー!? 一言言ってくれても良かったんじゃ…」
受付「どうしたんスか、黙りこくって」
叔母「か、可能性として…彼が我々に黙って、空港に向かったとしよう…!」
受付「は、はあ…それで…?」
叔母「移動費はカードで支払うよう、彼は計画を立てていたよな?」
受付「ええ、まあ、財布に入れたらスられるかもって首から下げてましたね?」
叔母「……じゃ、あれはなんだろう……?」スッ
受付「財布っすね」
叔母「………」
受付「は? え、そういや荷物がないッスね、えっ? 行っちゃった、の? 既に? もうっ!?」
叔母「どうしよう……」
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:53:06.99 ID:GLOZ94psO
受付「ハァアアアア!? あんにゃろ、勝手に暴走して突っ走りやがってー!」
受付「……ま、そんなお別れもありっちゃアリか」ポリポリ
叔母「は?」
受付「人生イロイロ。やって後悔もまた経験、最後に彼が見せた子供じみた意地っ張りデショ?」
受付「んなら大人として見送りましょーよ。叱るでも電話でも手紙でも出来るし」
叔母「お前…じゃあ財布はどうするんだ…?」
受付「送りゃいいでしょ。どうせあのプラチナ、上限もハンパないでしょうし」
叔母「…………」ボーゼン
受付「何ショック受けてるんスか。望んだの、アンタなのに」
叔母「あ、ああ…そう、だよな…」
受付「その通り。こうなる可能性を知ってやってたのは、オーナーっすよ」スタスタ
カシュッ
受付「ぷはぁー! あぁ、不味い、やっぱこの酒は」
叔母「…………」
受付「で? どーするんスか、オーナー」
叔母「えっ?」
受付「理由。できちゃいましたね、彼を今から追いかける」ジッ
受付「───その財布、お金よりきっと大切にしたいモノ、入ってますからソレ」
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:53:34.64 ID:GLOZ94psO
〜〜〜〜
叔母「はっ……はっ…!」タッタッタッ
ズサッ
叔母(何処に、行った? 既にタクシーを拾われてたら、到底追いつけない)スッ
叔母(酒飲んでるから一気に具合が…うぐっ…久しぶりに気持ち悪くなってきた…)
カァーカァー
叔母「……そもそも飛行場近くのホテルを取ってる可能性も?」
叔母「なら、別に無理して追いかけなくても…」
「よぉ、スィートホテルの嬢ちゃんじゃねえか」
叔母「あ…商店街の…」
「あん? 顔が真っ青じゃねーか、ちゃんとdhc取ってんのか? おっ?」
叔母「そりゃ頭良くなる役割りだろ…」ハァハァ
「減らねえ口だまったく、んで、どした? 探しモンか?」
叔母「…まあね」フィ
「んだらよォ、あの坊主にも伝えておいてやるよ。で、何探してんだよ」
叔母「彼を知ってるのかおっさん!?」ガシッ
「ぐぁああッ!? お前煙草クサッ!? てめー魚屋に変な匂い擦り付けんなやッ!!」
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:54:15.76 ID:GLOZ94psO
叔母「い、良いから教えろ! 何処で見たんだ!?」ブンブン
「おぉうおうっ!? そ、そりゃ商店街にきまってらァ…!?」
叔母「商店街…!」バッ
ダダダダダッ
「…なんだい、探しモンは坊主かよ。あんな必死な顔で、くっく」
〜商店街〜
叔母「ハァ…ハァッ…!?」バッバッ
「あら。嬢ちゃん、どうしたの汗だくで…」
「今日もデケェなオイ! つか、寒くないかそのカッコ…?」
叔母「な、なあ、その彼は…男君は見なかったか…?」
「坊主か? そりゃ商店街の先の方で…」
叔母「ありがと!」ダダッ
「…途中で行っちまいやがった」
「恋よ、恋」
「恋ってなぁ…相手が小僧だぞ、犯罪じゃねえか…」
〜〜〜
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:54:44.80 ID:GLOZ94psO
何がここまで私を焚き付けるのか。
たかが財布の一つ、受付の言うとおり送ってしまえばいい話。
叔母「はぁっ…はぁっ…!」
頭では分かってる、でも心が理解しない。
叔母「…男くん…っ」
何もしない自分も、走り出した自分も、どっちも納得できない。
叔母「───男くん!!」
私は、なんてわがままな人間なのだろう。
男「わっ!」
叔母「…見つけた…っ」
男「お、叔母さん? どうしてここに…」
叔母「どうして、ここに、じゃないっ!」ダダッ
ぎゅうううう
男「うぉぷっ!」ムギュ
叔母「探したんだぞ…! どうして居なくなったんだ。私はとっても心配していたんだ…!」
叔母「なぜ誰にも言わないで居なくなったりしたんだ…!!」
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:55:23.28 ID:GLOZ94psO
男「え、えと、何を言ってるんでしょうか?」
叔母「勝手に一人で外国に行こうとしていただろう!」
男「叔母さんの中の俺、薄情すぎません!?」
叔母「バカ言わないでくれ…君ならしかねない…はぁ、ふぅ…」
男「それでわざわざ走って探しに…なんかすみません…」
叔母「そして財布も…」
男「財布…あぁ、なるほどそれで追いかけてきてくれたんですか…」
叔母「………」
素直に頷けなかった。そりゃ当たり前だ。
そんな建前なんてすでに消えてしまっている。
叔母「…私は君を応援していたよね」
男「へ? あ、ハイ」
叔母「その気持は今も変わってない。是非とも、君の未来を見届けたい…と思ってる」
男「………」
叔母「一度聞いてみたかったんだ。そんな私を、君は嫌いになったかい?」
男「いいえ」
男「叔母さんは立派な人です。俺にとって、尊敬できる一人の大人ですよ」
叔母「………」
ちくり、と胸が傷んだ。
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:57:00.22 ID:GLOZ94psO
叔母「…私はね、君に謝らなければならない」
男「え? な、なぜ?」
叔母「今までもそうだったけれど、これからのことを考えると……謝罪しないとダメなんだ」
男「……?」
元からダメな私は、立派な大人とは程遠い人間だ。
煙草は吸う。部屋は片付けられない。人間関係も上手く築けない。
けれど、私を見てくれる偉い子が居た。
私は、彼の前だけは偉い子でいようと思った。
そのためになんだってしてあげようと、思っていた、のに。
叔母「…私は、きみに…」
私の正解はどこだ。
私の立場としての、在り方はどれだ。
叔母「……」
男「叔母さん……?」
ああ、そんなモノは結局。
―――元より、彼に求めていたんだっけ。
叔母「……行ってほしくない……」ボソ
叔母「――ごめん! 行ってほしくないんだ! 私は! そう君に言いたい!」バッ
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:57:59.20 ID:GLOZ94psO
男「………」ポカーン
叔母「あれだけ言っておいて…ここまできて変なこと言って申し訳ない…と思う…」
叔母「ですがッ! やっぱり叔母さんは反対です!」
男「い、今更ですね、本当に…」クス
叔母「わ、笑い事じゃないんだよ!? 全然まったくもって! 色々と!」カァァ
男「すみません…」クスクス
叔母「笑いことじゃ無いんだってば! 私は保護者失格なんだ…最後の最後で君にまた…」
男「俺に?」
叔母「……わがままをいってしまった……」
男「………」
男「――うん、今のでやっと決心がつきました」グッ
叔母「え…? 決心…?」
男「はい。ここに一人で来た理由って、実は誰にも聞かれないようするためだったんです」スッ
叔母(携帯…?)
男「けれど…」ピッピッ
男「ここで、自分が今からなにをするのか……最後の最後で決心が鈍ってしまった」
prrrrrrr
男「けれど、今、ここに叔母さんがいてくれる。それが一番の後押しになってくれたんです」
叔母「お、男くん…?」
男「叔母さん。どうか貴女には聞いてて貰いたい」
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 05:59:08.78 ID:GLOZ94psO
カチャ
男「…もしもし」クル
男「今は黙って聞いてて、最後まで俺の話を聞いてて、パパ」
男「俺、そっちに行かない。叔母さんのところで引き続きお世話になるよ」
叔母「―――………」
男「うん、うん、そうだね。パパならそういうだろうね」
叔母「お、男くん……!」
男「シッ」ピト
叔母「むぐっ」
男「ははは。面白いことをいうなあ。でも俺知ってるよ? 今回の離婚裁判で起点に置かれてる―――」
男「―――早期浮気疑惑、あれってパパのほうが早く浮気してたよね?」ニッコォー!
叔母(………ぇぇぇ………)
男「根拠を言えって? らしくないなぁ、貴方ならまず俺の意見を論理的に崩すハズだ」
男「焦ってるの? なにに? 何かを隠していることを今自覚したの? 一体それは何?」
男「答えは、SNSの通知記録だよ。パパの愛人さんのほう、そういや履歴抹消に手こずってたよね……」
男「……それね、俺が携帯を盗んで内容保存してたからだよ」
叔母(……ぉぉぉぅ……)
男「その通り。違法な証拠入手は裁判で武器にならない、勿論知ってるよ」
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:00:39.04 ID:GLOZ94psO
男「あっれー? でもおっかしぃーなあww 俺、裁判所に出すっていったっけ?」
男「……お袋に、全部教えるぞ」
シィーン
叔母(あ、兄貴が絶句している姿が思い浮かぶ……)ダラダラダラ
男「許してもらえるかなぁ…互いの会社名を出し合った社会的地位そっちのけ離婚裁判…」
男「離婚届を出す以前に色々と準備を整えたからこその圧倒的優位で勝利だったのに…」
男「こんなの差し出されたらもう高笑いして飛びつくだろうねぇ…お袋の悪魔の笑顔が浮かぶよ…」
男「……ね、パパ……?」クス
叔母(悪魔! ここに小悪魔がいる!)
男「―――てーことで、転校しませんので宜しくお願いします」
ピッ
男「………………………………………」スッ
叔母「ん! お、男くん?」
男「やり過ぎました」
叔母「う、うん…! かも、しれないかな…!」
男「俺! 実の父親を脅してしまいました! これでもかってぐらいにぃ!」ダバァー
叔母「うんうん…脅してた…すっごい脅してた…」ブルブル
男「叔母さん…」
叔母「ハイッ!」ビックゥウウ
男「―――それでも俺は叔母さんのところに居たかったんです…」グス
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:01:46.35 ID:GLOZ94psO
叔母「………」キュン
男「すみません…なんでこうなんだろ俺っ…もっとうまくやれたはずなのに…」ゴシゴシ
叔母「い、いや…これでもかってぐらいに上手くやれてたよ君は…」
男「…許してくれますか?」チラ
叔母「えぇっ!? う、うん! まぁー……言っちゃったモンは、仕方ないし…」オドオド
男「? どうして俺の顔を見てくれないんですか…?」
ズィ
叔母「え、えと…」ドキドキ
男「やっぱり嫌いになりましたか!? そ、そうですよねー…最低ですもんね、俺……」ズーン
叔母「っ…っ……ああもう!」パッ
ギュウウウウウ
男「むぐはっ!」パフッ
叔母「よくやったよ! 君は頑張った…! 悪い子だけど、叔母さんは認めてあげる!」ぎゅっ
男「おひょろふぇれふふぁ…?」モゴモゴ
叔母「なんて!?」バッ
男「ぷはぁ! 失礼――コホン、それは本当ですかっ?」
叔母「もちろん。それに君が、一度決めたら諦めない子だって知ってたし!」
男「なにからなにまで俺のことを…?」
叔母「ごめん! さっきの君は正直なところ恐かった!」
男「…ハイ…」
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:02:27.16 ID:GLOZ94psO
叔母「でも! でも、だよ……」ぐっ
叔母「私は、君がそう決めてくれて……心から嬉しいと思ってる…」
男「―――……」
男「はい、ありがとうございます」ニコ
叔母「う、うん!」コクコク
男「頑張った甲斐がありました。俺、やっとやれたんです」
男「自分がやれるやつだって。そう思うこと、やっとやれたんですよ…」
叔母「…そうだね」
男「コレも全部全部、みんなのお陰だ…」
男「言いたいこといってやった。それは嫌なんだ! って、言えることが出来たんだ…」
男「……俺、頑張ったんです、叔母さん……」ギュッ
叔母「…………」
ああ、褒めたい。抱きしめたい。この子がこの子なりに頑張った努力を、
私に出来る限りを持ってして、最高に褒めあげてしまいたい。
叔母「――男くん」スッ
男「あ、はい? なんです――」
ちゅっ
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:03:04.70 ID:GLOZ94psO
男「―――……ハァッッッ!!??」
叔母「わ。そんな反応されるとは…」
男「なんっ、ハァッ!? 今なにし、ハァアアアアアッッ!?」ズッサァーーッ
叔母「食べないよー逃げないで戻っておいでー」クイクイ
男「やりやがりましたね!? ハグだけだと思ってたらアンタ!?」ゴシゴシゴシゴシ
叔母「いくら叔母さんでもその反応は傷ついちゃうよー」
男「傷つけバカタレ! ホントになにしてくれちゃってんですか…!?」
叔母「つい褒めたくて…」
男「褒め下手過ぎる…! 俺、初めて言いましたよ褒め下手って!」
叔母「き、キスも案外ふつうだよ…?」アセアセ
男「ハグ強制した話より説得力が皆無…!!」
叔母「…ごめん、キスしたかったから、した」
男「ぶっ、ぶっちゃけられても困るんですケド…!」カァァ
叔母「…ごめん」
男「はぁ〜……いいです、もう、そんな人だって俺はもう知ってますから…」
叔母「男くん…」
男「我慢です、我慢。はてさて、さあ帰りましょう? 叔母さん、あそこへ」グイッ
男「―――スィートランド、ラブホテルへ!」ニッ
叔母「………うん」ニッ
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:03:59.78 ID:GLOZ94psO
男「さーて問題は山積みだぞ。まずはこっちの学校に問い合わせして―――」
「みぃいいいいつぅううけええええええタァアアアアアアアア!!!!」ダダダダダ
男「うん?」チラ
「まず一言目ェ! ――普通テメーこっち探しにくるモンじゃろがァアアアッッッ!!!」ダダンッ!
女「オラァッッ!!!」ズバァッ!
男「ぶっっっっはぁッ!?」ズッッシャァアアア…
ジャルルルリリリリ……ピタ…
女「――うん。すっきり」シュタ!
清掃「わぉお! ボスボス! 今のチョーかっこいいね!」キラキラキラ
女「フフン。見習いなさい、これが女の底力って奴よ!」
清掃「ウン! ケルケルもボスみたいにかっこいいガールなるね!」コクコク
女「なりなさい存分になりなさい! ……待って、ガールはおかしくないですか?」
清掃「オトコー♪ ケガ無い? ヘイキ?」トテテテ
女「しかもちゃっかりですね清掃さん!?」
受付「若いっていいにゃー」スタスタ
叔母「…受付」
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:04:47.64 ID:GLOZ94psO
受付「おやおやぁ? なーんです? スッキリした顔して、んっふふー?」ニヤニヤ
叔母「…うるさいな」シュボッ
受付「まあまあ。それで? どんな感じになりました?」
叔母「無しになったよ、転校。ありゃ兄貴も再起不能だろうね、コテンパンにされてた」スゥ
受付「ものの数分の間にどう転がったんだ展開…」
叔母「兄姉として秘密にしときたい。ただ、まあ、私もびっくりしてるよ…」フゥー
受付「そっすか…ま! ウチはきっとこうなるって信じてましたけどね!」ニシシ
叔母「…強いよ、お前は」クス
受付「イシシ」
受付「―――ま、でもオーナーが男君を抱きしめてキスしたの見てましたからね、ウチ」
叔母「…………なんのことかな…………」ダラダラダラダラ
受付「普段の塩対応っぷり見せてますけど、ウチ、見てますからね男君ときすしてるの」ジィー
叔母「あーあーきーこーえーなーいー」パンパン
受付「このエロボディのむっつりすけべ! ヘンタイ叔母! キス魔!」
叔母「キス魔は後輩だろ! …って、後輩はどうした?」
受付「え? あぁそういや後ろから付いてきてたような…」チラ
女姉「ケロケロケロ……」キラキラキラ
受付「わー! センセェが路上でオェーはダメェー!」ダダッ
叔母「まったく…」チラ
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:05:57.96 ID:GLOZ94psO
女「で、結局どーしたのよ」ムッスリ
清掃「オトコやっぱり居なくなる…?」
男「……俺、転校やめたよ」スッ
女「…………」
女「うそ」
男「本当だよ。ありがとう、きっと女さんが…あんなこと言ってくれたお陰なんだ」
男「覚悟、決めたよ。俺はちゃんとこっちにいて、君の想いを受け止める」
男「だから…」
女「っ〜〜〜〜!!!」バッ ぎゅうううう
男「おわぁ!?」
清掃「オトコー!!」ぎゅううう
男「ケル君まで!?」
女「ばかっ…なにやってんのよ、ばかじゃないの…もうもうもう…っ」ポロポロ
男「…うん、馬鹿だよ俺…」
女「やりきったんでしょうね…!? 手を抜かずきっちりやったんでしょうね!?」キッ
男「おうとも。浮気問題引っ張り出して父親を脅迫してやった!」
女「…うぅん…」
清掃「…オトコ…」
男「わかる! その視線凄くわかる! うん、引くよね!」
女「……っ」ブルッ
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:06:53.65 ID:GLOZ94psO
女「―――良かったじゃない、本当に良かったじゃないの、こんちくしょー…」ギュッ
男「…ありがと、女さんが居てくれたお陰だ」ポンポン
清掃「………」
男「ケル君。どうやら俺、君の願いを叶えられそうだよ」ニッ
清掃「……うん、ケルケル、とってもハッピーよ」
男「今後ともよろしくね、ケル君」
清掃「……」きゅーーん
清掃「うん! ケルケル、オトコだーいすき!」ニコニコ
女「……たらし……」ボソリ
男「今のネタだからね!? ポニョだから! ねっ? ケル君!?」
清掃「らぶゆーちゅっちゅっ」
女「本気じゃあないのッ!」
男「これ俺が責められるのおかしくないか!?」チラ
男「…ぁ…」
叔母「…む…」
男「……ただいま、です」
叔母「くす。――ああ、おかえり」
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:07:59.18 ID:GLOZ94psO
オマケ
受付「じゃ、とるよー」
清掃「ケルケルはオトコのとなりー♪」
女「…こっちでしょ」グイ
男「え、いや何処でもいいじゃないか…」
女&清掃「ソレハナイ!」
男「ぉぉう…」
叔母「じゃ、私が失礼」スッ
女姉「大人げないこと為ないで下さいよ…」
受付「撮るっつてんでしょーが! わちゃわちゃするでない!」
男「受付さんも入りましょうよ、こっちにきて!」
受付「えぇ…写真撮られるの好きじゃ無いんだけどなぁ…ま、イイケドさ」スタスタ
ジジジジ…
男「………」ドキドキ
叔母「…これで財布に入れる私以外の写真が増えるね」クス
男「えぇっ!? 何故それ知ってるの!?」
女「ハァ!? 叔母さんの写真財布にいれてんの…? 私のいれないさいよ! どういうことよ!」
清掃「じぇらしぃかわいいね〜」ホクホク
受付「くすくす…」
女姉「あ、ちょッ、押さないで転けちゃう…きゃー!?」
男「うわぁ!? 押さないで、ちょむぎゅっ!?」ぱふっ
叔母「おっと」
パシャ
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 06:09:17.35 ID:GLOZ94psO
【俺はこっちで元気でやってます。男より】
第十二話 終
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/27(土) 06:10:09.18 ID:GLOZ94psO
ご支援等感想等ありがとう嬉しかったです
機会があればまた次回
ではではノシ
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/27(土) 06:23:45.71 ID:8zhx3p1I0
おつ
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/05/27(土) 16:04:49.64 ID:vwtPsq0bO
終わっちゃったかぁ〜
もっと見てたいくらい楽しく見させてもらったよ
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/28(日) 04:46:44.44 ID:dQcVHUepO
えっと…結局これ誰ルートだったんだ…面白かったからもっと読みたかった
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 06:26:56.76 ID:UbxdvY/Lo
叔母さんイベントが足りないぞ〜乙
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/01(木) 01:49:06.72 ID:ky9g2r+r0
乙!
番外編
でその後の話が読みたい
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/02(金) 17:01:05.80 ID:WgHDWRPhO
十二話であって最終話とは書いていない!
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/03(土) 12:22:35.37 ID:utqsMXnA0
乙
1ヶ月後編はまだか?
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/03(木) 18:23:48.33 ID:soxnfKsgO
後日談
「アハハ! なになに、すごい楽しそうじゃんアッチ」
「……」パサリ
「んふふ? お父さん的にフクザツ? 無愛想なアナタでも、やっぱり息子は大切なんだ〜?」
「どうとでも言え」
「素直じゃないんだからさ。もぉう」ツンツン
スタスタ
「でも、息子くんの選択は正解だね。断然アッチがマシじゃない」ゴロン
「父親と愛人と外国で【ヒトリボッチで】暮らすなんて、笑い話どころかトラウマもんでしょ」
「強引にでも連れていきたい親心。ちっともわからないけど、まあわかったフリしてあげるよ?」
「……」
「脅されて断れてちゃ元も子もないケド」
「くひひ、お断り手段がエグすぎて笑っちゃうけど。ま! それはお互い様ってコトでね〜!」
「言ってみろ」
「うん?」
「何を企んでる。言ってみろ」
「あららー? …何をって? アタシがなにを企むって?」
「言え」
「まあ怖い。ホント息子くんのことになるとガチなんだから、そゆとこ好きだよ?」
「言えと、言ってる」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/03(木) 18:24:54.61 ID:soxnfKsgO
「やっぱり一緒に住みたいと思ってない?」
「……………」
「もおすぐ顔に出る」
「…行く気か」
「モチロン☆ だってだって、アナタの息子だよ? あんな【脅し】が出来る高校生だよ?」
「───見てみたぁいじゃあない? ナマで、ジカで、直接に、そんな子供みてみたいじゃない?」
「好きにしろ。金は勝手に使え」ガタリ
スタスタスタ
「ほいほーい。いつも通り、カード使いますよ〜」
「………」
「大丈夫。きっと、一緒に住めるよ、……愛しい息子と一緒にね」ニコ
「……」
「どうとでも言え」
パタン
「……どうとでも言え、ね」クス
「【身勝手な決めつけ発言】を根っから嫌うアナタが、そんな自暴自棄なセリフ吐いちゃうんだからさ」
「今回のことがどれだけショックだったのか、なんて、わかり易すぎて笑っちゃうね」
グッ ストン
黒髪「──じゃあ何時、アッチに行っちゃおうかな?」ニシシ
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/03(木) 18:28:50.60 ID:soxnfKsgO
来週に新スレにて投稿はじめます
ではノシ
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/03(木) 19:42:03.66 ID:0o1mnHPA0
期待
誘導お願い
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 02:30:23.14 ID:tpp02uf4O
ずっとまってたんだぞ!
一番大事なのは叔母との恋愛だからな写真まで奪ってるんだから
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/05(土) 04:29:08.37 ID:Rqd/IXXvO
やったぜ。待ったかいがあった。
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/05(土) 07:36:22.53 ID:gtNXJOnF0
待ってたぜ!
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 19:06:00.34 ID:/Csgie4PO
叔母「今日からもココに住んで」男「ラブホテルですね」
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