叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:30:06.97 ID:EyCLAvJfO
男「──ここが約束の場所、だよな」

ピンポーン

男「……」ドキドキ

ガチャ

叔母「ん〜…」ボリボリ

男「あ、あのっ! 今日からお世話になります! えっと、その…!」

叔母「……」じぃー

叔母「え? あ、うん。男くんだっけ、そっか今日だったね…忘れてたわ…」

男(わ、忘れてた?)

叔母「んーーッ…!」のびー

叔母「日差しが目に響く…上がっていいよ、ほら…」キィ

男「は、はい…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464445806
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:30:57.17 ID:EyCLAvJfO
ぱたん

男(こ、この人がパ、…親父サンの妹なのか)

男(何か兄妹って気がしない。あの人の血筋だからてっきり…)

叔母「ねぇ男くん」

男「はいっ!? なんスかね!?」

叔母「君、汚れてる部屋って平気なほう?」

男「…限度によりますけど…まぁ潔癖症ってほどでは…」

叔母「そっか」

叔母「あんな嫁さんの息子だから、心配してたんだけどね。じゃあ大丈夫か」スタスタ

男(心配…俺が来る日忘れてたのに…深く考えるのはよそう…)

叔母「はい。じゃあ、ココが今日から君が住む部屋ね」

ガチャ キィ

男(ゴクッ、ああ、ここが三年間住む部屋──……)

男「……」ピクッ

男「汚ねぇッッ!!!」

叔母「あ。やっぱり?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:32:06.35 ID:EyCLAvJfO
男「な、なんスかコレ……? え、ここ、倉庫か何かなんですか…っ?」ダラダラ

叔母「違う違う。ちゃんと人が住める立派な場所だから、全然住めるから」

男「寝るスペースすら無いぐらい…モノで溢れかえってるって言うか…」

叔母「それはココ」

男「…そこはドアが開く空間じゃ…」

叔母「そうともいう」コクコク

男(な、なんなんだ、俺はトンデモナイ所に住まわせられそうになってるんじゃ、いや、なってるよな!?)

男(くそぅ、いやに出来た話だと思ったんだ! 都会に住めるからって釣られたら、倉庫に押しやられると来たもんだ…!)ホロリ

叔母「ま。やっぱりこうなるか、そっかそっか」スタスタ

男「……?」

叔母「よいしょっと」ズボァ!

男「……??」

叔母「お昼のドラマっはと…」ブゥーン…

男「……………、もしかしてココに住んでるんスか」

叔母「そうだよ?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:32:39.74 ID:EyCLAvJfO
男「え、えぇ〜…」

叔母「意外とイケるけど…」

男「意外と思ってる時点でココがやべぇって分かってますよね!?」

叔母「あんまり嫁さんに似てないね、君」くすくす

男「人となりの感想タイミング考えて! つうか、その待ってください…!」

叔母「?」

男「ということはもしかして、俺と一緒に住む気だったんですか…っ?」

叔母「あ。やっぱりダメだった?」

男「あぁーッ! もう全部ダメーッ! 初対面から今まで、一つ足りとも全部ダメダメなんですけどッー!?」

叔母「君、意外と声がデカイね。それじゃ隣人さんに迷惑かけるよ」

男「今後の不安なんて駆け足過ぎる! …もう、もうもうもう…なんでうこうなるんだ、まったくぅ…」ドサ

男(やっと…やっと俺に転機が回ってきたと…なのにこの仕打はないよ…)

叔母「男くん」

叔母「君の保護者監督に選んだのは、君のお母さんだ」

男「は、はい?」

叔母「だから文句は親に言いなさい」

男(モロに責任転嫁し始めたこの人…)
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:35:42.68 ID:EyCLAvJfO
男(…でも、確かにその通りではあるんだよな)ガサゴソ

ピッ プルルルル

男「もしもし…」

『あ。我が愛しの息子ぉー? もうそっち着いた? ん?』

男「ああ、着いたよ…着いて数秒で初対面の叔母さんに突っ込み入れたよ…」

『ガハハ! 良いよなぁーアイツの妹、ワタシも好きだわ』

男「……で?」

『うんうん。言いたいことは分かる、けど我慢しろ。そこで高校三年間、過ごせ』

『こっちはアイツとの離婚調停で依然、てんてこマイッチングだっつーの』

男「はぁ…もう気持ちは決まってるなら、さっさと別れちまえよ…」

『そうは出来ねーのが大人だ。制約、婚約、夫婦関係、どれも笑っちまうぐらいに枷になる』

男「……」

『つかワタシも言ったろ? 幾つか代わりの候補見せてやっただろ。そこを選んだのテメーじゃねえか』

男「そうだったとしても…ッ! まさかこんな、色々とあるだろ!?」

『こんな人の所に、って言いかけたろ。ガハハ、いいじゃん別にぃ〜、おっぱい大きいじゃん?』

男「……っ…何を言ってんだ、まったく…!」

『あれ? 喜ぶと思ったから秘密にしてたのに…』

男「何を言ってんだまったくッ!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:36:11.03 ID:EyCLAvJfO
『まーとにかく、今日からそこがお前の住む場所だ。覚悟を決めろ、もうどうにもならんって』

男「ちょ、ちょっと待て!? なに電話切ろうなんて雰囲気出してやがる…!」

『ぶちぐちうるせえな。本当にワタシの息子かよ』

『男見せて頑張りやがれ。親父の妹とドロドロカンケー持っちまっても、ちゃんと母親として褒めてやるぞ』

男「ちっとも嬉しくねぇ!」

『んじゃ、ちょっと弁護士殴ってくるから切るわ。あと電話あんまかけてくんな、メンドイから』ピッ

男「……………」ツーツー

叔母「ん。電話終わった?」

男「ええ…ついでに俺の貴重な三年間も終わりました…」ずーん

叔母「考えすぎだ、青少年」ドドドバババーッ! アルピージィー!

男(いつの間にかゲームしてる…はぁ…もうどうにも為らないのか、この状況は…)

叔母「取り敢えず、男くん」

男「え、あ、はい…?」

叔母「ご飯食べようか。お昼、まだでしょ」ガチャガチャガチャ

男「え、ええ、まぁ…」

叔母「そこに子機があるから、ピザでも頼んで」

男(え、どこに?)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:37:41.38 ID:EyCLAvJfO
〜〜〜


叔母「煙草吸ってもいい?」

男「ご馳走様でした。え? あ、はい、別に構わないッスけど」

叔母「ん」シュボッ

男「……」

叔母「……、いっしょ吸う?」

男「本気で保護者する気あります?」

叔母「ぱぁ〜…最近の子は硬いね…」じぃー

男「…? な、なんですか、じっと見つめて…」

叔母「ん? ああ、童貞なのかなって」

男「ぶぅっ!?」

叔母「さっきから胸ばっか見てるし」ぷかぁー

男「ど、どどど童貞かどうかは関係ないでしょ!?」

叔母「確かに」コクコク

男(だぁ〜ッ…もうッ…本当に俺はここで、この人と、暮らしていけるのか…っ)

叔母「君ってえらいね」

男「え?」

叔母「もうココに慣れようとしてる。嫌だ嫌だ言う割には、物分りが良い」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:38:20.21 ID:EyCLAvJfO
男「そ、そりゃ文句もありますけど…部屋の汚さとか…でも居候する身ですし…」

叔母「だから煙草も我慢するの?」

男「……」ピク

叔母「だから、えらいねって思う。君、大人になったら大変そう」

男「…別に、良いじゃないっすか」プイ

叔母「そうだね。私は喫煙所だったら子連れいようがパンパカ吸うけど」

男「………………」

叔母「例えそれに文句を言われようが、マナー云々以前に人として説かれようが、」

叔母「結局は自分を取る。それが性格なのかもしれないし、我慢強い君と比べちゃ失礼だけどね」

男「あの、何が言いたいんですか…?」

叔母「フゥー、うん」グリグリ

叔母「外でようか、外」

〜〜〜

男(どこに行くんだろう…)キョロキョロ

叔母「この辺り、迷わなかった?」

男「え? ああ、確かに。変に入り組んでて…」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:38:48.38 ID:EyCLAvJfO
叔母「ん」スタスタ

男「………」すたすた

叔母「この近くに、今じゃ廃れた繁華街があるんだ。昔はよく人で溢れかえってた」

叔母「バブル期なんてそりゃもう凄いことになってたよ」

男「は、はあ…」

叔母「ん」スタスタ

ぴたり

叔母「ここ」

男「…ここが?」

叔母「どう思う?」

男「どう思うって、そりゃ感想言うなら───」

男「───もろ、ラブホテルですよね、これ」

叔母「入ろうか」

男「ん?」

叔母「……」ガシッ

男「ん!?」
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