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叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:30:06.97 ID:EyCLAvJfO
男「──ここが約束の場所、だよな」
ピンポーン
男「……」ドキドキ
ガチャ
叔母「ん〜…」ボリボリ
男「あ、あのっ! 今日からお世話になります! えっと、その…!」
叔母「……」じぃー
叔母「え? あ、うん。男くんだっけ、そっか今日だったね…忘れてたわ…」
男(わ、忘れてた?)
叔母「んーーッ…!」のびー
叔母「日差しが目に響く…上がっていいよ、ほら…」キィ
男「は、はい…」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1464445806
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:30:57.17 ID:EyCLAvJfO
ぱたん
男(こ、この人がパ、…親父サンの妹なのか)
男(何か兄妹って気がしない。あの人の血筋だからてっきり…)
叔母「ねぇ男くん」
男「はいっ!? なんスかね!?」
叔母「君、汚れてる部屋って平気なほう?」
男「…限度によりますけど…まぁ潔癖症ってほどでは…」
叔母「そっか」
叔母「あんな嫁さんの息子だから、心配してたんだけどね。じゃあ大丈夫か」スタスタ
男(心配…俺が来る日忘れてたのに…深く考えるのはよそう…)
叔母「はい。じゃあ、ココが今日から君が住む部屋ね」
ガチャ キィ
男(ゴクッ、ああ、ここが三年間住む部屋──……)
男「……」ピクッ
男「汚ねぇッッ!!!」
叔母「あ。やっぱり?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:32:06.35 ID:EyCLAvJfO
男「な、なんスかコレ……? え、ここ、倉庫か何かなんですか…っ?」ダラダラ
叔母「違う違う。ちゃんと人が住める立派な場所だから、全然住めるから」
男「寝るスペースすら無いぐらい…モノで溢れかえってるって言うか…」
叔母「それはココ」
男「…そこはドアが開く空間じゃ…」
叔母「そうともいう」コクコク
男(な、なんなんだ、俺はトンデモナイ所に住まわせられそうになってるんじゃ、いや、なってるよな!?)
男(くそぅ、いやに出来た話だと思ったんだ! 都会に住めるからって釣られたら、倉庫に押しやられると来たもんだ…!)ホロリ
叔母「ま。やっぱりこうなるか、そっかそっか」スタスタ
男「……?」
叔母「よいしょっと」ズボァ!
男「……??」
叔母「お昼のドラマっはと…」ブゥーン…
男「……………、もしかしてココに住んでるんスか」
叔母「そうだよ?」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:32:39.74 ID:EyCLAvJfO
男「え、えぇ〜…」
叔母「意外とイケるけど…」
男「意外と思ってる時点でココがやべぇって分かってますよね!?」
叔母「あんまり嫁さんに似てないね、君」くすくす
男「人となりの感想タイミング考えて! つうか、その待ってください…!」
叔母「?」
男「ということはもしかして、俺と一緒に住む気だったんですか…っ?」
叔母「あ。やっぱりダメだった?」
男「あぁーッ! もう全部ダメーッ! 初対面から今まで、一つ足りとも全部ダメダメなんですけどッー!?」
叔母「君、意外と声がデカイね。それじゃ隣人さんに迷惑かけるよ」
男「今後の不安なんて駆け足過ぎる! …もう、もうもうもう…なんでうこうなるんだ、まったくぅ…」ドサ
男(やっと…やっと俺に転機が回ってきたと…なのにこの仕打はないよ…)
叔母「男くん」
叔母「君の保護者監督に選んだのは、君のお母さんだ」
男「は、はい?」
叔母「だから文句は親に言いなさい」
男(モロに責任転嫁し始めたこの人…)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:35:42.68 ID:EyCLAvJfO
男(…でも、確かにその通りではあるんだよな)ガサゴソ
ピッ プルルルル
男「もしもし…」
『あ。我が愛しの息子ぉー? もうそっち着いた? ん?』
男「ああ、着いたよ…着いて数秒で初対面の叔母さんに突っ込み入れたよ…」
『ガハハ! 良いよなぁーアイツの妹、ワタシも好きだわ』
男「……で?」
『うんうん。言いたいことは分かる、けど我慢しろ。そこで高校三年間、過ごせ』
『こっちはアイツとの離婚調停で依然、てんてこマイッチングだっつーの』
男「はぁ…もう気持ちは決まってるなら、さっさと別れちまえよ…」
『そうは出来ねーのが大人だ。制約、婚約、夫婦関係、どれも笑っちまうぐらいに枷になる』
男「……」
『つかワタシも言ったろ? 幾つか代わりの候補見せてやっただろ。そこを選んだのテメーじゃねえか』
男「そうだったとしても…ッ! まさかこんな、色々とあるだろ!?」
『こんな人の所に、って言いかけたろ。ガハハ、いいじゃん別にぃ〜、おっぱい大きいじゃん?』
男「……っ…何を言ってんだ、まったく…!」
『あれ? 喜ぶと思ったから秘密にしてたのに…』
男「何を言ってんだまったくッ!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:36:11.03 ID:EyCLAvJfO
『まーとにかく、今日からそこがお前の住む場所だ。覚悟を決めろ、もうどうにもならんって』
男「ちょ、ちょっと待て!? なに電話切ろうなんて雰囲気出してやがる…!」
『ぶちぐちうるせえな。本当にワタシの息子かよ』
『男見せて頑張りやがれ。親父の妹とドロドロカンケー持っちまっても、ちゃんと母親として褒めてやるぞ』
男「ちっとも嬉しくねぇ!」
『んじゃ、ちょっと弁護士殴ってくるから切るわ。あと電話あんまかけてくんな、メンドイから』ピッ
男「……………」ツーツー
叔母「ん。電話終わった?」
男「ええ…ついでに俺の貴重な三年間も終わりました…」ずーん
叔母「考えすぎだ、青少年」ドドドバババーッ! アルピージィー!
男(いつの間にかゲームしてる…はぁ…もうどうにも為らないのか、この状況は…)
叔母「取り敢えず、男くん」
男「え、あ、はい…?」
叔母「ご飯食べようか。お昼、まだでしょ」ガチャガチャガチャ
男「え、ええ、まぁ…」
叔母「そこに子機があるから、ピザでも頼んで」
男(え、どこに?)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:37:41.38 ID:EyCLAvJfO
〜〜〜
叔母「煙草吸ってもいい?」
男「ご馳走様でした。え? あ、はい、別に構わないッスけど」
叔母「ん」シュボッ
男「……」
叔母「……、いっしょ吸う?」
男「本気で保護者する気あります?」
叔母「ぱぁ〜…最近の子は硬いね…」じぃー
男「…? な、なんですか、じっと見つめて…」
叔母「ん? ああ、童貞なのかなって」
男「ぶぅっ!?」
叔母「さっきから胸ばっか見てるし」ぷかぁー
男「ど、どどど童貞かどうかは関係ないでしょ!?」
叔母「確かに」コクコク
男(だぁ〜ッ…もうッ…本当に俺はここで、この人と、暮らしていけるのか…っ)
叔母「君ってえらいね」
男「え?」
叔母「もうココに慣れようとしてる。嫌だ嫌だ言う割には、物分りが良い」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:38:20.21 ID:EyCLAvJfO
男「そ、そりゃ文句もありますけど…部屋の汚さとか…でも居候する身ですし…」
叔母「だから煙草も我慢するの?」
男「……」ピク
叔母「だから、えらいねって思う。君、大人になったら大変そう」
男「…別に、良いじゃないっすか」プイ
叔母「そうだね。私は喫煙所だったら子連れいようがパンパカ吸うけど」
男「………………」
叔母「例えそれに文句を言われようが、マナー云々以前に人として説かれようが、」
叔母「結局は自分を取る。それが性格なのかもしれないし、我慢強い君と比べちゃ失礼だけどね」
男「あの、何が言いたいんですか…?」
叔母「フゥー、うん」グリグリ
叔母「外でようか、外」
〜〜〜
男(どこに行くんだろう…)キョロキョロ
叔母「この辺り、迷わなかった?」
男「え? ああ、確かに。変に入り組んでて…」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:38:48.38 ID:EyCLAvJfO
叔母「ん」スタスタ
男「………」すたすた
叔母「この近くに、今じゃ廃れた繁華街があるんだ。昔はよく人で溢れかえってた」
叔母「バブル期なんてそりゃもう凄いことになってたよ」
男「は、はあ…」
叔母「ん」スタスタ
ぴたり
叔母「ここ」
男「…ここが?」
叔母「どう思う?」
男「どう思うって、そりゃ感想言うなら───」
男「───もろ、ラブホテルですよね、これ」
叔母「入ろうか」
男「ん?」
叔母「……」ガシッ
男「ん!?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:39:14.97 ID:EyCLAvJfO
叔母「行くよ」ズンズンズン
男「ちょ、ちょっとォー!? えなにコレ!? ま、待ぁああ!?」ズリズリ
うぃーん
叔母「うぃーす」
男「何考えてるスかぁッ!? マジで!? や、やめっ!?」
受付「ん? オーナーじゃないっすか」
叔母「サボるなよ」
受付「一言目がそれってなんですかもー、あり? なんです見るからに青いの連れて…」
受付「はっ! そこまで飢えてたんスか?」
叔母「お前も大概だよ」
男「うっ…やっ…ひっ…!」ビクビク
受付「んでー今日は見回りで? それともお客さんとかだったり?」チラチラ
叔母「44号室は空いてる?」
受付「……。そこが埋まるわけ無いデショ」
叔母「たしかにな。男くん、それじゃ行くよ」ズンズン
男「えぇええぇええッッ!?」
受付「ハイ、これ鍵ね。一応、中からでも手動で鍵が閉められるけどオススメしないなぁ」
受付「錠前みたいになってるから、ぷち監禁用なのよ。まー頑張ってねー」ヒラヒラ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:41:36.80 ID:EyCLAvJfO
男「っ…!? っ……!!?」
叔母「エレベーター、乗り方わかる?」
男「わか、わかるっていうか、本気でこんなところ連れて来て何考えてるんだアンタ!?」
叔母「ここ。私の所有物、オーナー」
男「…へ…?」
叔母「このラブホテルの経営者」チーン
叔母「私の収入源は全部ココで稼いでるってこと。ほら着いたから降りな」
男「………」
叔母「うん。そしてココに連れてきたのには理由があるの」
男「り、理由?」
叔母「この部屋。好きに使っていい、というかココに住めばいい」
男「…………………」
叔母「コレ鍵ね。じゃ」シュビッ!
男「…………………」
叔母「あ。あと晩飯食べたくなったら部屋おいで、出前とってあげるから」
ウィーン バタン
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:42:10.93 ID:EyCLAvJfO
男「………ぇ、ぁ…」
フラフラ
男「……」ガチャ キィ パタン
フラフラ…
男「……」ポスン…
男(理由は……ココにッ…連れてこられた理由は何処に…ッ…!?)ズゥウウン
男「もぅ滅茶苦茶だぁ…今日一日で色々なことありすぎだよ…あの人一人でトンデモナイねぇ…っ」
男「……」チラ
男(よく見なくてもラブホテルだ…凄いよ、見たことねえけど漫画や雑誌通りの光景だよ…)
男「ぐぁー!」ぱたり
男「……疲れたな、今日は…」
〜〜〜
叔母「…」チーン
受付「おや。お早いお帰りで。一分そこらとは随分テクニシャンっすなぁー」
叔母「大事な預かりモンだよ」シュボッ
受付「ん? あ〜! あの子が噂の! へぇー! 全然似てないっスね母親と!」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:42:42.26 ID:EyCLAvJfO
叔母「私も驚いてる」フゥー
受付「そいで結局、何をしに来たんで?」
叔母「今日からあの子をココに住ませる。よくしてやって」
受付「そんな重要なこと一分で済ませたんスか!?」
叔母「まったくいい子だよ、うん」
受付「絶対にココに連れて来るまで説明してないデショ…」
叔母「……」
叔母「本当は私の部屋で一緒に住む予定だったんだ。でも、嫌がられた」
受付「ウチも嫌ッスよ、あんな汚部屋」
叔母「給料減らすぞ。そうじゃない、煙草…煙草がダメらしい」
受付「ヘビーっすもんね、オーナー。そりゃキツイ」
受付「でもでも、ここも大概デショ? 五十歩百歩、芳香剤で誤魔化されてるだけだし」
受付「というかそもそも、あの青いの何歳なんスか」
叔母「高校生」
受付「……捕まりますよ、アンタ」
叔母「バレなきゃイケる。実のところ困ってたんだ、ああまで『似てない』とは思わなかった」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:43:38.58 ID:EyCLAvJfO
受付「……」
叔母「軽い気持ちで引き受けるんじゃなかったと…今では…うん…後悔、してる」
受付「ほぇー! オーナーも後悔って言葉を知ってるんスね!」
叔母「減給な」
受付「冗談冗談、それで?」
叔母「ああ、取り敢えずは様子見してみる。ダメだったら糞兄貴を説得しに行ってくる」フゥー
受付「出来ますかねぇ…」
叔母「出来るじゃない、やるんだ」
受付「そんときゃ呼んでくださいな。あの人がぶっ飛ばされて説教されてるのを隠れて見ていたいッスから!」
叔母「ああ」スタスタ
ウィーン
叔母「まぶし…」
prrrrrr
叔母「もしもし」
『あーワタシワタシ、妹ちゃん? アイツはどうなった?』
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:44:20.66 ID:EyCLAvJfO
叔母「とりあえず私のところのラブホテルで決着させました」
『相変わらずスゲーな! とんでもねえことになってやがる!』
叔母「義姉さん」
『ん、なによ?』
叔母「あの子は本当に貴女の子なんですか?」
『ん、ああ? うん、正真正銘にワタシの子だよ。びっくりするぐらい似てないけどな』
『喧嘩すりゃ女子にも負け、口喧嘩には噛んでボロ負け、絡まれりゃすぐ金払う』
叔母「全部真逆ですね、義姉さんと」
『ワタシがSなら息子はNだな。昔からワタシに対してだけは反抗的だった』
『とんでもねえぞ。幼稚園通ってる時に自分で名前入りワッペン縫ってたわ、ワタシのやり方じゃ嫌だっつってな』
叔母「やりますね」
『やるんだよ。その通り、そこが唯一ワタシに似た部分かもしれん。偉そうな奴に反抗的な?』
叔母「…義姉さん」
『あいよ』
叔母「ラブホテル、良いですか」
『よくねえよ。もう決まったのなら引っ張りだしてこい、そこに住まわせるぐらいなら無理やり『こっち』に持っていくわ』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:45:27.37 ID:EyCLAvJfO
叔母「……」
『アイツはまだガキだ。そもそも妹ちゃん、アンタの所に行くのも反対してるんだよ、ワタシはな』
叔母「義姉さん」
『文句か?』
叔母「彼は、私の胸を気にしてるようです」
『……ん?』
叔母「多感な時期に私のような身体は少し、厳しいと思うのです」
『うん。じゃあラブホテルもやめようぜ!』
叔母「大丈夫ですよ。室内テレビが全チャンネル、エロいぐらいで…」
『超ワタシの息子かわいそう! 友達との会話ネタ厳しそうじゃん!』
叔母「彼は我慢強いので…きっと頑張って友達作ると…」
『それは同意するが、なに、逆に自分の身体は我慢できないだろうってか』
叔母「はい」キッパリ
『その意味不明な自信はすごく好きだぜ…』
『まあ、なんだ、少しだけ気になるんだが。どうして息子の肩を持つ?』
『いや、全然息子のために行動してないけどさ。むしろ追い詰めてるけどさ、選択をさ』
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:46:16.28 ID:EyCLAvJfO
『言っちゃえば妹ちゃん。アンタ、ワタシの所に息子を戻そうって思ってないだろ?』
叔母「ええ、まあ…概ねその通りです」
『なんで?』
叔母「……」
『理由次第では認めてやらんでもない。納得できなきゃ、そうだな、うん…』
『取り敢えず今、持ってる権力振りかざしてホテルぶっ潰すぐらいする』
叔母「……」
叔母「そうですね、正直にいいますけど」
〜〜〜〜
『…………………………………………そう、なんだ』
叔母「ええ。だから彼には一人の時間が必要だと思います」
叔母「この三年間。彼は彼なりの時間を過ごすべきだと、私は思いました」
『…………………』
『はっ、こりゃまいったね。まったくもって、本当に』
叔母「ご理解ほどよろしくお願いします」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:46:57.90 ID:EyCLAvJfO
『ご理解も何も、ったく。いいよ、良いって、好きにしていい』
『ワタシのほうも大変なんだ。息子一人を思い馳せる時間なんてもったいないわ』
叔母(電話してきたのに…)
『くれぐれも問題は起こすな。問題はワタシだけが起こす、厄介事は全部ワタシだけだ』
叔母「キャパは既にギリギリと」
『さっき弁護士殴ったしな。また新しいの雇わんと』
『……じゃあ後、頼む』ピッ
叔母「はい、義姉さん。ふぅー…」
叔母(色々と言っちゃった。でも、いっか)
〜〜〜
叔母(男くん来ないな…ピザ冷めちゃう…)そわそわ
prrrrr
叔母「もしもし? 受付またサボって…」
『オーナー! ちょ、来てくださいよ! 早く!』
叔母「なに? どうした?」
『なんていうか、そのっ、説明しづらいって言うかっ』
叔母「彼に何か?」
『え、ええ、そうッスね! そうとしか言いようが無い!』
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:47:47.91 ID:EyCLAvJfO
〜〜〜
叔母「はぁ…はぁ…どうなってる、彼は…?」ウィーン
受付「あ、オーナー!」モグモグ
叔母(もぐもぐ?)
受付「あの子マジで何者なんスか!? こんな、こんな…!」
受付「──こんな美味いチャーハン食ったことねぇッスよ!」ポロポロ
叔母「どういうことだゴラ」
受付「今まで聞いたことも無い声!? こわこわ…っ」
受付「ゴクン、えっと、あはは! 気になるなら44号室に行ってみては…?」
〜〜〜
叔母「君は…」ズゥーン
男「あ。叔母さん、来てたんスか」
ジュゥウウ
男「今、買ってきたお肉焼いてるんですけど。食べます?」
叔母「……………………」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:48:34.53 ID:EyCLAvJfO
男「えっと、アレ? ん〜…あっ! やっぱ匂い系ダメっスか!?」
叔母「え? あ、いやっ、別にホテル内でも食事できるし…販売機もあるし…」
男「よ、良かった〜…一応そこは心配してたんですよね、ほら、換気扇一個しか無いし」チラ
男「あとIH調理器持ち込んでも衛生面とか気になってて」
男「そしたら受付さんが除菌一式を貸してくれて」ニコニコ
男「あ! それとそれと! 水場が完璧じゃないから、汚水等はスタッフ室の掃除用下水に流していいですか?」
叔母「え、うん、えっと、うん、いいよ…?」
男「ありがとうございます! よし!」
叔母(この子は…なんというか…)
男「ん? 肉もいい感じかな…」
叔母「似てなくないね、むしろそっくりだ」
男「美味しく焼けた、…ッ…!? 今、絶対にお袋と似てるみたいな含めた言い方しましたよね!?」
叔母「勘の鋭さもクリソツ」
男「マジそれだけは言わないで下さい…! 俺が唯一許せないことなんです、本当に!」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:49:11.15 ID:EyCLAvJfO
叔母「そっか。うん、わかった」ストン
男「本当っすか…?」
叔母「うん」ニコ
男「っ…なら、イイッスケド…」もごご
叔母「また胸見た?」
男「焼いてるお肉加減を見たんですぅー!」
叔母「そっか。それより美味しそう」
男「…た、食べます? 一緒に?」
叔母「うんうん」こくこく
受付「うんうんッス」コクコク
男「どぅあッ!? い、いつの間に!?」
受付「いい匂いしたッスよ〜! こんな芳醇なのは販売弁当じゃムリムリっすからね!」ニパー
叔母「働け」
男「ああ、外に流れた匂いが一階の受付に流れ着くのか…後の課題だな…」ブツブツ
受付「なんかこの子すごいッスね」
叔母「私も驚いてる。けど、今は食べよう」ぐー
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/28(土) 23:50:09.50 ID:EyCLAvJfO
男「三人か…じゃあ残りのお肉も焼いてしまおう、シチュー用に買ってきたんですけどね」ガサゴソ
受付「あちゃ〜シチューも捨てがたい! しかししかしながら、お肉オンリーの破壊力もまた捨てがたいぃい!」
叔母「あ。ピザ忘れてた」
男「ピザ? ああ、また頼んだんですか…」
叔母「うん。あとで食べる? 朝ごはんとか」
男「流石に重いんじゃ…」
叔母「案外イケるよ」
男「危機感機能して!」
叔母「あ。それと男くん」
男「え、あ、はい? なんですか?」
叔母「……」
叔母「ようこそ、我がラブホテル『スィートランド』へ」
男「──……」
男「…はい、こちらこそ、よろしくお願いします」ペコ
叔母「三年間。楽しもうね」
男「…うん」コク
受付「おにくぅううう! お肉こげちゃうううう!」
男「ハッ!? うぃ、えッと!? た、食べましょうね! ほらいただきまーす!」
受付「だっきまーーす!」
祖母「いただきます」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/28(土) 23:50:47.37 ID:EyCLAvJfO
第一話 終
きまぐれに更新
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/28(土) 23:51:43.12 ID:sr74umDM0
期待てか祖母どっからきた
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 00:11:57.74 ID:gy8S7PGAO
ばーちゃんww
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 00:13:09.52 ID:8tVKNfm7O
ワロタ
祖母→叔母 で
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 06:57:45.32 ID:IAJ1XxAV0
楽しみ
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 08:09:30.80 ID:to23MHgkO
デショってカタカナ語尾すげえ嫌い
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 13:37:21.35 ID:AXvPn1yvO
ラブホテル 44号室
叔母「いますっごく」
叔母「煙草吸いたい」
受付「…」
男「…」
ジュゥウウウ
男「あ、えーと、そうなんですか」
受付「エレベーター前に据え置きあるデショ、行ってきたらどうッスか」
叔母「ん、行ってくる」スッ ガチャ パタン
男「……」
受付「おにっくーおにっくー♪」
男「あの。あの人って、何時もあんな感じなんですか?」
受付「オーナー? ヘビーもヘビーで笑えるぐらい煙草に金かけてる人って感じよ、うん」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 13:38:28.00 ID:AXvPn1yvO
男「へぇ…」カチャカチャ
受付「ナニソレ?」
男「お肉のタレです。でも叔母さん、煙草吸う人の割には匂いさせてないですよね」
受付「ま! 匂いフェチ?」
男「話の流れおかしくないですか?」
受付「あははー! まあ匂いがしないのはお姉さんも同意ヨ」
受付「見た目と雰囲気と違って、あと汚部屋と違って匂いだけはしっかりしてるんだよなぁ」
男(なんかポリシーでもあるのかな…)ジュワワワワ
受付「んふふ」
男「な、なんですか? 急にコッチ見て笑って…」
受付「やっぱり気になる? おっぱい大きいオトナのお姉さん気になっちゃうっ?」ムフフノフ
男「むっ、胸は関係ないでしょう!」
受付「ごめんねぇ〜受付のお姉さんはおっぱいちっちゃくてぇ〜つまんないよねぇ〜」くいっくいっ
男(…つまんないとか以前に、会話しづらいテンションが苦手、とは言わないでおこう…)
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 13:39:31.21 ID:AXvPn1yvO
男「…受付さんも煙草吸うんですか」
受付「吸わないよ? 金無駄じゃんか、あんなの金に火ぃ点けて吸ってる様なモンだし」
男「意外としっかりしてますね」
受付「意外とは何かね? お姉さんびっくりしちゃうワ!」
男「はい、出来ましたよ」スッ
受付「ありがとー!」もしゃもしゃもしゃ
男(叔母さんそろそろ戻ってくるかな…)
受付「うめぇ」
がちゃ
叔母「ただいま」パタン
男「もうお肉が出来てますよ、白飯つけます?」
叔母「食べる」コクコク
男「じゃあチンしちゃいますね、受付さんは?」
受付「ビールビール! ビールがのみたいです!」
叔母「部屋の飲み物使うなよ、使うなら金払え」
受付「あんなの飲まないッスよ! まっずい馬の骨すらわからん銘柄…」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 13:40:34.92 ID:AXvPn1yvO
叔母「減給な」
受付「墓穴掘っちった☆」
チーン
男「じゃ、コレどうぞ」
叔母「どうも。それにしても物がしっかりしてきたね、ココも」チラリ
受付「さらっと電子レンジあるし。電気無断使用ってやつ?」
男「い、一緒に運んでくれたじゃないッスか受付さん…」
受付「スタッフルーム用だと思ったのよ、さらっとココに運ばれたのはビビったね」
叔母(いつの間にか仲良くなってるな、この二人)モグモグ
男「あの、叔母さん、駄目でした…?」チラ
叔母「ごくん。別にかまわないよ、好きに使っていいから」
男「ほ、本当っすか!?」
受付「え〜携帯の充電したら起こるクセに〜」
叔母「金払え」
男「良かった。じゃあ候補に入れてたスロークッカーとか、炊飯器とかも」ニヤニヤ
叔母「好きにしたらいいよ」モグモグ
受付(甥っ子に甘ェなこのおばさん…)モグモグ
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