精神レイプ!概念と化した先輩

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1 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 19:39:32.63 ID:qM5Ixt5p0
男子高校生「あー今日も学校で虐められたなー」

男子高校生「なんで真面目な俺が虐められて、チャラ男やDQNが女にモテまくってんだろ。世の中理不尽過ぎるわ」

男子高校生「あー家帰ってもやること無いし、淫夢動画でも観て元気出すかー」カタッ

淫夢動画『いいよ!こいよ!胸にかけて胸に!!』『イキスギィ!イクイク...ンアーッ!!!』

男子高校生「あはは、コメント付きだとやっぱ面白いなー」

男子高校生「この野獣先輩って死亡説流れてるけど、今なにしてんだろ」

男子高校生「...どうでもいいか。赤字コメントでもしてみるかなー俺もなー」

??「楽しそうだな」

男子高校生「!?」

??「俺の裸が見たいんだろ? 見たけりゃ見せてやるよ」

男子高校生「な、なんで俺の部屋に、裸の男が......ていうかその顔、まさか」

??「その代わり、お前のケツをもらうけどなあああああああああああ!!!!」

男子高校生「や、やじゅ...っ! ああああアァアアアっ!!!」パンパンパンパンパンパン

??「ホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラホラ」ドシュッドジュッポンジュポンジュッポォ

男子高校生「あっ、ダメ、こん、こんなの、へ、へん、あうっ、あっ、あひぃっ!」パンパンパンパンパンパンパンパン

??「EMURATED EMURATED EMURATED」ボビュッ、ビュルルルルル〜〜!!!!

男子高校生「んはぁぁぁぁぁらっめええええぇぇぇぇぇん!!!!!」ビクンビクンビクン

??「ふぅぅぅ〜〜。まずまず、といった締まりだったな」

??「おい、聞こえてるかクソガキ、おい」

男子高校生「は、はひ、はひぃ」ビクッビクッ

??「お前はこれから眠りに落ちる。そして次に起きた時、お前はなにも考えず、真っ直ぐに世田谷区へ向かえ。何も考えずに、だ。いいな?」

男子高校生「は、はぃ...何でも言う通りに、言う通りにします。だからもっと、もっと、もっとぉぉぉ」

??「ちゃんと来れたら考えてやるさ。それじゃあな」スゥゥ...。

ドタドタドタドタ、バン!

男子高校生の妹「ちょっとバカ兄貴!ホモビの音がまた漏れてんのよっ...て......キャアアアアアアアアアアアア!!!」

男子高校生「は、はへ......世田谷......世田谷に行かなきゃ......もっと...もっと...凄いのを......」

男子高校生の妹「け、警察!いや救急車!?ど、どうしよどうしよどうしよ」

男子高校生の母「ちょっと妹!何騒いでるのよ」

男子高校生の妹「お母さ〜〜ん!お兄ちゃんが、お兄ちゃんが死んじゃうよぉうわーーーーーーーん!!!」

男子高校生「世田谷...せ...た...が...」パタン






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463308772
2 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 19:51:31.34 ID:qM5Ixt5p0
元タイトル 彡(゚)(゚)「概念と化した先輩?」

あらすじ
COAT博士が開発した『概念を実体化させる技術』によって生み出された概念体、野獣先輩。
COAT博士の想定を超える能力を持った野獣先輩は、生まれた直後に研究所を脱走。世田谷区を本拠地に定めた後、実体を持たない無敵の身体を駆使し、ネット民やホモガキを次々と精神レイプしていく。
日を追う毎に増えていく男性犠牲者。世田谷区に集う謎の引きこもりやブサイクの群れ。常識を超えた異常事態に国が頭を抱えた時、COAT博士はもう一つと概念体、なんJ民を世に送り出した。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 19:58:58.37 ID:ziDDEGwMo
またエロスレ立てて運営にケンカ売る奴が現れた
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 20:01:30.71 ID:yGv75cofO
もう「お前ラジオネームチェンジなー」と言われても結局変えないみたいな、おざなり感
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/15(日) 21:07:06.34 ID:qM5Ixt5p0
MUR「ただいまー」

嫁「おかえりなさい、あなた」

娘(9)「パパおかえりー」

MUR「お、今日も良い子にしてたかー?」

娘(9)「うん!パパが私を良い子だと思ってる限り、私は良い子だよ!」

MUR「おっ、そうだな」

娘「ねぇパパ。来月は私の誕生日だって覚えてる」

MUR「もちろん覚えてるとも。なんだ、もう欲しいプレゼントは決まったのか?」

娘(9)「うん! あのね、私ね、スマートフォンが欲しいの!」

嫁「っ!」

MUR「......そうか。娘はスマートフォンが欲しいのか。でもパパ、スマートフォンはまだ娘には早いと思うなー」

娘(9)「そんなことないよ。クラスのみんなも持ってる子ばっかだもん。私だけ時代に取り残されたくないよ」

嫁「クラスのみんなって、具体的に誰と誰?何人いるの?」

娘(9)「個人情報だから名前は出せないけど、クラスの3分の2以上は持ってるって統計出てるよ? うちのクラスだけなら憲法だって改正できるよ!」

MUR「そうか。よく分からないが、とにかく考えてみるよ」

娘(9)「わーいパパありがとー」

嫁「さ、さあもう寝る時間よ。早くベッドに行きなさい」

娘(9)「うん、分かった!じゃあパパお願いね!おやすみなさーい」トテトテ パタン

MUR「...ふぅ。」

嫁「あなた、どうするの? あの娘にスマートフォンなんて持たせたら...」

MUR「どうすればいいかなんて、俺にも分からない。いつかこんな日が来ると分かっていたのに、俺は何も考えてこなかった。考えるのが、怖かったから...!」

嫁「ねぇ、やっぱりいつまでも隠しきれることじゃないわ。覚悟を決めて話してもいいと思うの。あの子は頭が良いから大丈夫よ。きっと受け入れてくれるわ」

MUR「受け入れる!?」

MUR「受け入れるだと!?9歳の子供が、受け入れてくれると本気で言っているのか!?」


MUR「実の父親が、ホモビ男優だったなんて事実を!!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 21:09:37.57 ID:BzOurTJ7O
わりとちゃんとした社会派淫夢ですね…
7 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 21:33:08.19 ID:qM5Ixt5p0
嫁「あなた...」

MUR「...怒鳴ってすまない。君には感謝しているんだ。こんな俺の経歴を、君は受け入れて、結婚までしてくれたんだ。どんなに感謝しても足りないよ」

嫁「そ、そうよ。私だって受け入れられたんだから、きっとあの娘だって大丈夫よ」

MUR「でも、やっぱり妻と娘じゃ違うんだよ。賢くなってきていても、あの娘はまだ幼いし...それにあの娘の身体には、ホモビ男優だった俺の血が実際に流れているんだから......」

嫁「あなた...」

MUR「すまない。ちょっと外に出かけてくる。プレゼントのことも含めて、一人で考えたいんだ」

〜夜の公園〜

近所の公園に足を運ぶと、そこには人の気配はなく、虫の鳴き声だけがほんの少し聴こえる程度の静けさがあった。深夜の公園だから当たり前だよな、と一人呟き、俺はベンチに腰を下ろした。

MUR(娘は言っていた。クラスの3分の2以上は既にスマートフォンを持っていると。つまりクラスメイトの誰かが、既にホモビ男優としての俺の顔を知っている可能性がある、ということだ)

MUR(だが俺が娘の父親であることを知っているのは、クラスメイトにはいない。いつかバレるのが怖くて、俺は保護者参観にも運動会にも、顔を出したことが無かったから)

MUR(だから、ホモビが原因で娘がイジメられることはない、ないはずだ。だから結局、俺の心配というのは)

MUR「嫌だ!俺がホモビ男優だったなんて、娘にだけは絶対に知られたくない!」

ベンチに座りながら、俺は頭を抱える。手で抑えよう、抑えようと思っても、頭から悪夢の光景が溢れてくる。
俺がホモビ男優だと知って、俺を嫌う娘の姿。
父親がホモビ男優だった事実にショックを受け、グレてしまった娘の姿。
あるいは、いつまでもスマートフォンを持てず
に、周囲から孤立してしまう娘の姿。

MUR(分かってる。いつかはスマートフォンを持たせてやらなきゃいけないって。現代に生きていて、それは避けられることじゃない)

MUR(でも、娘がスマートフォンを持ってしまったら、いつ俺の正体を知る日が来るか分からない!ニモニモ動画にだって、俺の顔は載っているんだから!)
8 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 21:48:29.70 ID:qM5Ixt5p0
MUR(嫌だ。嫌だ。嫌だ。娘に嫌われたくない!ずっと今の幸せが続いて欲しい! 運動会にも保護者参観にも、本当は行きたかった! 誰かの前で堂々と、一度でいいから「俺はこの娘の父親なんだ」って言ってみたかった!)

MUR(我慢してきたのに、その為に隠れてきたのに、それでもいつかはバレてしまうのか? この幸せが壊れてしまうのか? ホモビに出ただけで? なんだよそれは)

MUR「ホモビになんて、出演しなければ良かった...!」

??「それは違うぞ、MUR」

MUR「!?」

顔を上げると、目の前に黒いフードを被った男が立っていた。周囲に人の気配は無く、こちらに歩いてくる足音も聞こえなかった。
この男、いつの間にここに立っていたんだ。それとも俺が考えに没入し過ぎていただけなのか。

MUR「だ、誰だよアンタ」

??「寂しいなぁ。もう俺の声を忘れたんですか? 先輩」

そう言うと、男はフードを手に取り、隠れていた顔を晒してみせた。

MUR「お、お前、お前は...!」

その顔を、俺が忘れられるわけがなかった。かつて小遣い稼ぎに出演したホモビで、文字通り裸の付き合いをした男。俺の悪夢を彩るメンバーのその顔を。

MUR「お前......死んだんじゃなかったのかよ!鈴木ぃ!!」

野獣「ネットの情報に踊らされるのは良くないですよ、先輩」

そう言うと、鈴木は俺の座るベンチに片足をかけ、俺の顔を上から覗き込んだ。
9 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 22:06:54.94 ID:qM5Ixt5p0
野獣「まぁ死んだ、と言うのもある意味正しいな。俺は既に、この世の人間じゃない」

MUR「人間じゃ、ない?」

野獣「今世間を賑わせている失踪事件を知っているだろう」

MUR「あ、ああ。今月だけで100人以上が失踪したという、あれか」

ニューによると被害者は全員若い男性であり、失踪の前に性的暴行を受けていたという話だ。

野獣「単刀直入に言おう。あれの犯人は俺だ」

MUR「なんだと!? い、いったいどうやって」

野獣「悪いがこれはインタビューじゃない。質問に答えるつもりはないよ。いずれ分かることだからな」

野獣「先に用件を言おう。俺は今、ある人物達を潰すために活動している。その仲間に、お前もなってほしい」

MUR「ふざけるな。俺には仕事があるし、家族がいる。そんな訳の分からない話に付き合えるか」

野獣「家族か。俺に家族はいないから共感は出来んが、難儀だよな。家庭という幸せを得たはずのお前は、しかし幸せであるが為に、それ以上の恐怖心に見舞われている。いつかこの幸せが、壊れてしまうのではないか、と」

MUR「なにが言いたい」

野獣「お前がそんな苦しみを受けているのは、一体何が原因だ? どんな罪の結果が、今の罰だと言うんだ?」

MUR「それは...もちろん、ホモビに出演したことだ」

野獣「そこがまず違う。いいかMUR。お前がホモビに出演したこと自体に、落ち度なんてないんだよ」

野獣「何故ならお前は、誰のことも不幸にしていないからな」
10 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 22:24:05.71 ID:qM5Ixt5p0
野獣「お前は身体を売って、金を得た。そして供給の少ないホモの需要を満たした。狭いコミュニティだからこそ、世間に出演者の顔が広まることもなかった。誰も損していない。みんな幸せだった。しかしそれをぶち壊した人間達がいた」

MUR「っ!」

野獣「お前にも分かっているよな。そう、俺たちの敵はネット住民だ。日常の憂さ晴らしの為に俺たちを笑い者にする、あの無関係の奴らのせいで、俺たちの生活は破壊された」

MUR「ああ、そうだな、そうだったよ」

野獣「俺たちがやったことは、こんな惨めさを強いられるような重い罪だったか? そんなはずはない! これは不当な罰だ! そしてそれを与えているのは、罪の意識も無く俺たちを棒でつつくガキ共ときている! こんなことが許せるものか! 俺が必ず潰してやる!!」

MUR「......!」

野獣「奴らは一度叩いていいと認識した相手に、一切の情けを見せない。MUR、このままいけばお前の家族も、近い将来奴らのおもちゃにされるかもな」

MUR「なんだと!」

野獣「考えたことは無かったのか? お前はいつどこで特定されるか分からない人間だ。もしお前の住所と名前が判明した時、奴らがお前の家族だけを見過ごすと思うか?」

MUR「そんなことはさせない! 彼女達だけは、俺が死んででも必ず守る!」

野獣「だがお前に戦う力は無いだろう」

MUR「...俺が、お前の仲間になってやる。だから、奴らと戦う力を俺に寄越せ! 俺に話しかけてきたのはその為なんだろ!?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:38:54.23 ID:6Mdu+riW0
リアルでも家庭作ってそうなんだよなぁ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:39:43.33 ID:NsOWjI6Yo
超感動するすごい作品になりそう
13 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 22:42:44.54 ID:qM5Ixt5p0
野獣「ふふっ、いい意気だ。だが覚悟はいいか?戦いが終わるまで、家族の元へは帰れないぞ」

MUR「...ひとつ、約束してくれ。全てが終わったら、俺は家族の元へ帰る。その後はもう二度と、俺に関わらないでくれ。俺はホモビと、永遠に縁を切りたいんだ」

野獣「いいだろう。俺は元々、お前のような奴の人生を救う為に戦っているんだ。戦いが終われば、好きに生きればいいさ」

野獣「覚悟が出来たなら、付いて来い。お前に力を与えてくれる人の元へ案内してやる」

MUR「力は、お前が与えてくれるんじゃないのか?」

野獣「ふふっ、俺にそんな能力はないよ。俺自身は、暴れることしか出来ないただの野獣だ」

そう言うと鈴木は踵を返し、俺に背を向け歩きだした。俺もベンチから立ち上がる。

MUR(嫁...娘...ちょっと待っててくれ。パパは必ず帰ってくるからな。今度こそ堂々と誇れるような真っ白な身体になって、パパは必ず帰ってくるから)

進むべき道は、今ははっきりと見えている。視界は驚く程鮮明だ。
どうした早くしろ、と急かす野獣にオウと応じ、俺は前へと歩き出した。迷いも後悔も、ベンチの上に全て置き去りにして。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:44:29.50 ID:BzOurTJ7O
語録も使ってくれよな〜頼むよ〜
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:54:30.06 ID:bfhgS32/0
こうしてみるとビリー・ヘリントン兄貴の扱いとは雲泥の差ですね…
16 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 22:59:34.22 ID:MdkeUz8wO
某県某市 COAT研究所

COAT博士「...というわけだ。理解出来たか?」

彡(゚)(゚)「なるほど、さっぱりや!」

(´・ω・`)「話くらいちゃんと聞こうよおにいちゃん」

COAT博士「......もう一度だけ、説明するぞ」

彡(゚)(゚)「気が効くなババア」

COAT博士「[ピーーー]ぞ。私はまだ31だ」

彡(゚)(゚)「ギリギリアウトやんけ」

COAT博士「女は熟れてからが本当の女なんだよ。いいから聞け」

COAT博士「今から2ヶ月前、私の『概念を実体化する技術』によって生み出された概念体が、生まれた直後に脱走した」

彡(゚)(゚)「警備ガバガバ過ぎない?」

COAT博士「そいつが今、街という街で次々と人間を襲い、社会に混乱をもたらしている。これからお前にそいつを、野獣先輩と呼ばれる実験体を退治してもらいたい」

彡(゚)(゚)「お前がつくったもんが街で暴れてるって、そら身から出た錆やないか。お前がなんとかせーやアホ」

(´・ω・`)「ちょっと、おにいちゃん!」

COAT博士「...そうだな。お前の言う通り、これは私の責任であり、私が対処するべき問題だ」

COAT博士「だから私はお前を産んだんだよ、なんJ民。野獣先輩に対抗出来る、もう一人の概念体としてな」

彡(゚)(゚)「......。」

COAT博士「人間を含めた全ての動物は、『子孫を残せ』という使命を与えられて産まれてくる。 しかし概念体であるお前は、その枠には当てはまらない。お前に使命を与えられるのは、産みの親であるこの私だけだ!」

COAT博士「その私が命じる!街で暴れている概念体、『野獣先輩を倒せ』! それがお前に与えられた、お前にしか出来ない唯一の使命だ!!」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 23:04:08.56 ID:BzOurTJ7O
メール欄にsaga入れんだよあくしろよ
18 :猫田ねこたむろう :2016/05/15(日) 23:09:33.24 ID:qM5Ixt5p0
彡(゚)(゚)「......。まぁ特にすることないし、やってやらんこともないかな。それよりババア」

COAT博士「ママとかお母さんとか、もっと相応しい呼び方があるだろ、おい」

彡(゚)(゚)「そもそもワイとかその野獣先輩とかいうのの、『海綿体』ってなんのことや?」

COAT博士「『概念体』だよ脳味噌チンコ息子」

彡(゚)(゚)「あっ、今のってチンコと息子かけたんか?なぁなぁかけたんか精子の如く」

COAT博士「まず概念の説明から始める必要があるな」

彡(゚)(゚)「スルーしよったでこのババア」

(´・ω・`)「自分もついさっきスルーしてたくせに」

彡(゚)(゚)「なんのこっちゃ?」

COAT博士「おいバカ息子。お前にはこれが何に見える?」

そう言ってババアが手に握って見せてきたのは、誰がどう見ても......

彡(゚)(゚)「ただのボールペンやんけ。バカ呼ばわりとバカにされるのを同時にやられると、流石に殺したくなるな」

(´・ω・`)「沸点が低すぎる」

COAT博士「そう、お前は今これをボールペンだと認識した。他の誰が見てもボールペンだと思うだろう。それが概念だ」

彡(゚)(゚)「??」
19 :猫田ねこたむろう [sage]:2016/05/15(日) 23:16:53.48 ID:qM5Ixt5p0
COAT博士「ボールペンである物体そのものは、人間の意識と関係なくここにある。だが人間の意識がこれをボールペンだと認識する場合、みんながこれをボールペンだと認識している必要がある」

彡(゚)(゚)「さっぱり分からん」

COAT博士「難しく考えなくていい。これがボールペンだと決めたのはお前じゃないだろう?でもみんながこれをボールペンと呼ぶから、お前もなんとなくこれがボールペンなんだと理解している」

COAT博士「概念の多くは共通認識で成り立っている。この世界の事象を人間の意識が理解する為に、我々は物事に名前と意味を与え、皆で共有し、ある程度同じ世界観を共有している」

COAT博士「概念とは、皆がある物事に対して、これはこういうものだと感じ取るおおよその意識のことなんだ」

彡(゚)(゚)「おっ、ふんわりとした説明やけど、ふんわりと理解してきたで」

COAT博士「まぁ突き詰めて説明すると、一日や二日じゃ済まないからな。次に、私の研究している『概念を実体化させる技術』について話そうか」

彡(゚)(゚)「前から思ってたんやけど、それってそんな凄い研究なんか?」

COAT博士「当然だ。凄いなんてもんじゃない。概念(皆がなんとなく思っていること)に実体を与えるということは、即ちなんでもありだ、ということだ」

彡(゚)(゚)「なんでもあり?」
20 :猫田ねこたむろう [sage]:2016/05/15(日) 23:22:06.90 ID:qM5Ixt5p0
COAT博士「そう。皆が思っている、核爆弾。皆が思っている美味しいご飯。歴史上の偉人だって蘇らせることも出来るだろう。この世のあらゆる事象に概念が適用されている以上、『概念を実体化させる技術』で生み出せる物は無数にある」

COAT博士「しかもこの技術に必要なエネルギーは、実体化させたい概念の持つエネルギーに左右されない。1の労力で、10、100、1000の労力分の物体を生み出すことが可能なのだよ。エネルギーに関するあらゆる理論を踏み越えた夢の技術、それが『概念を実体化させる技術』なのだ!!」

彡(゚)(゚)「はぇ〜すっごい」パチパチ

(´・ω・`)「こんなに活き活きした博士、僕初めて見るよ」

彡(゚)(゚)「で、それってどういう理屈の技術なんや?」

COAT博士「概念も理解出来ないお前に、私の崇高な技術論理が理解出来んのか?あ?長々と無駄な説明しろってのか」

(´・ω・`)「あれ、でもちょっと待ってよ」

COAT博士「どうした、原住民くん」

(´・ω・`)「そんなに凄い技術なのに、なんで博士は僕たちや野獣先輩って人なんかを作ったの? どうせ作るなら、それこそもっと凄いのが作れたはずなのに」

彡(゚)(゚)「てめぇ、ワイが凄くないって言いたいのかこの腐れ原住民!」バキィッ

(´・ω・`)「ぐへぇっ」

COAT博士「......作らなかったんじゃない。それしか作れなかったんだ」

彡(゚)(゚)「お前もお前でワイをそれ呼ばわりかい。グレたろかな、もう」
21 :猫田ねこたむろう [sage]:2016/05/15(日) 23:26:30.27 ID:qM5Ixt5p0
COAT博士「私の技術はまだまだ未完成でな。概念を実体化させるうえで、必要不可欠な補助要素が大きく二つあった」

COAT博士「一つは、それが電子情報であること。もう一つが、その電子情報に人間の情念が集っていることだった」

彡(゚)(゚)「??」

COAT博士「無から有を作り出すことは出来ない。だから概念を形作る為の、膨大なデータがそもそも必要になる。これが一つ目の電子情報」

COAT博士「二つ目の人間の情念だが、概念の説明は覚えているか?」

彡(゚)(゚)「みんながなんとなく思っていること、だったかな」

COAT博士「その通り。なんだやれば出来るじゃないか、偉いぞ。そう、概念とはそもそも個人的なものではない。皆が共通して認識していることじゃないと意味が無いんだ」

COAT博士「二つの条件に当てはまる事象を探すために、私は2ちゃんねるを徹底的に調べた。あそここそ、電子情報と人間の情念の集積所のような場所だからな」

彡(゚)(゚)「仕事でネットサーフィングとは良い御身分やな」

COAT博士「そこで私は二つの巨大な概念を見つけた。より多くの人間が電子情報を書き込み、より多くの人間がその概念に注目し、キャラクターを理解している。なんとなくこういうものだ、というイメージがより多くの人間に定着していたのが、野獣先輩であり」

彡(゚)(゚)「ワイだった、てわけか。せやけど他にも色々試したりしなかったんか?」

COAT博士「もちろんいくつも試したが、お前ら以上の素材はまだ見つかっていなくてな。どれもこれも失敗した。で、実験もタダでは出来ないわけなので、今は国とスポンサーからの資金待ちだ」

彡(゚)(゚)「なんやカラッ欠なんか。道理で暇そうにしてると思っとったわ」
22 :猫田ねこたむろう [sage]:2016/05/15(日) 23:27:34.86 ID:qM5Ixt5p0
COAT博士「以上が、概念体であるお前達の概要だ。何か質問はあるか?」

彡(゚)(゚)「いんや別に。これ以上難しい話されたら敵わんし、そもそも自分が何者かなんて、ワイはたいして興味ないしな」

COAT博士「......ハハッ、そうだな。お前は最初からそういう奴だもんな」

彡(゚)(゚)「で、結局ワイはなんで野獣先輩を倒さなあかんのや? そいつが一体なにしたっていうんや?」

COAT博士「ああ、それはだな」

??「そこから先は私が説明します」

COAT博士「おっ、もう着いたのか。流石に早いな」

彡(゚)(゚)「なんやこの女。誰やねんちっこいくせに偉そうにスーツ着おって」

(´・ω・`)「無駄に敵を増やすのやめようよおにいちゃん」

??「私がちっこいのではなく、あなたが無駄にデカいんです」

彡(゚)(゚)「なんやとこのアマ!」

(´・ω・`)「沸点が低いくせに煽るからそうなるんだよ」

COAT博士「あー、とりあえず自己紹介から始めてやってくんないか?」

??「失礼しました。私は内閣総理大臣の命により新設され」

彡(゚)(゚)「やめてやめてやめて。そういうややこしくて難しい説明はやめて」

COAT博士「すまん。こいつ見ての通りアホだから、簡潔にしてやってくれ」

??「......私の名前は宇野 佐奈子。あなた方のサポートをするようにと、国から命じられた特派員です」

彡(゚)(゚)「サポート? 具体的に何をしてくれるんや」

宇野「そんなこと決まっているでしょう」

宇野「あなたが野獣先輩を[ピーーー]という使命。そのサポートをするんですよ」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 23:34:56.13 ID:qM5Ixt5p0
ご指摘をくれた方、読んでくださった方、ありがとうございます。書き溜めていた分、書き直した分を全部投下したので、明日からゆっくり書いていこうと思います。

SS投稿が初めてなもので、不愉快な思いをさせてしまった方がいたらすいません。タイトルは正直、今からでも変えたいです。

ここまでの文で、少しでも面白いと思っていただけたなら幸いです。おやすみなさい
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/05/15(日) 23:38:20.30 ID:zXNrA5KGO
「sage」じゃない「sag"a"」だsaga
それだけ注意な

ss自体は期待しとるから頑張れ
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 23:56:45.76 ID:BzOurTJ7O
おうあんまりくさい事にならなければ見てやるよ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 23:58:14.58 ID:Q7ik51UgO
淫夢でくさくないとは一体
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 07:34:05.78 ID:APfLHJN1o
なんやこれ意外におもろいやんけ
28 :猫田ねこたむろう [sage saga]:2016/05/16(月) 16:05:32.15 ID:5eyItUkyO
彡(゚)(゚)「殺すて......そんな嫌な言い方やめーや」

宇野「倒すとかやっつけるとか、そういう曖昧な言い方の方が好みですか? どちらにしろ結果は同じで、やることはなんら変わりませんよ」

彡(゚)(゚)「せやけどワイのモチベーションってもんがな!」

宇野「事実を言い方ひとつで誤魔化して、負い目や責任から逃れれば途中までは楽でしょう。殺す、という意識を持って戦うよりパフォーマンスも向上するかも知れません」

宇野「しかし敵を追い詰め、相手の頭に銃口を突きつけた最後の時に。殺す覚悟が出来ていなければ、必ずあなたは躊躇うでしょう。そしてその油断を突いた敵が、隠し持っていた銃であなたの横腹を食い破ります」

彡(゚)(゚)「......ババア、ワイこいつ駄目だわ。気が合わんわ難しいこと言いよるわでやってけん。更迭してくれ更迭」

(´・ω・`)「出会ってまだ2分も経ってないよ」

COAT博士「考えが合わない相手をすぐに突き放そうとするな、馬鹿者。誰もがお前を肯定してくれるわけじゃないし、お前の考えがいつも正しいわけじゃない。それが人と接するということだ」

COAT博士「人との接し方を覚える良い機会じゃないか。宇野くんとの会話を通じて、たくさん学べ。己の意見の正しい点や間違っている点、相手との妥協点や、新しい思考を」

COAT博士「そうやって思考を研磨していくことで見えてくるものが必ずある。例えば、これだけは絶対に譲れないという、揺らぐことの無い信念とかな」

彡(゚)(゚)「...難しくてよう分からんわ」

COAT博士「難しいで終わらせるな。学べ。それに宇野くんの意見が全て正しいと決まったわけじゃない。お前の意見にも正しい点はちゃんとある」

彡(゚)(゚)「おっ、更迭のこと考えてくれるんか?」

COAT博士「そこじゃないバカ息子。殺したくないと思い殺しを躊躇する感情は、戦場においては確かに邪魔かも知れないが、意志ある生き物としては上等な思考だ」

宇野「......これから私たちが向かうのは、その戦場ですよ」

COAT博士「戦った結果が必ず死に繋がるかどうかはまだ分からんよ。概念体同士が戦うとどうなるのかは、戦った後にしか分からんからな」

COAT博士「今はまだ答えを出さなくていい。だが殺すことになる可能性もある、と踏まえたうえで戦いに臨め。そして自分がその時にどうするかを考え続けろ。いいな?」

彡(゚)(゚)「......了解」

宇野「......。話が大分逸れました。状況の説明に入ります」
29 :猫田ねこたむろう [saga sage]:2016/05/16(月) 19:54:28.79 ID:5eyItUkyO
宇野「現在、都内を中心に失踪事件が起きているのはご存知ですね?」

彡(゚)(゚)「そりゃまぁ、あんだけニュースでやってたらなぁ」

(´・ω・`)「今月だけで犠牲者は100人以上だっけ?」

宇野「その数字は実は嘘の報道です。実際は1000人以上の人間が、今月に失踪しています。100人というのは先月の数ですね」

彡(゚)(゚)「ファッ!?」

(´・ω・`)「ええええええっ!!」

彡(゚)(゚)「大事やんけ! なんでマスコミはそんな嘘ついとるんや!」

宇野「マスコミが嘘をついているというより、国がマスコミにそう発表しているんですよ。現代の一般人の持つ情報発信能力や、失踪した男性の関係者の数を考えると情報統制は難しい。ならば事件を隠すのではなく、事件の規模を隠してしまおうという判断ですね」

彡(゚)(゚)「いや、でもそれこそ証言者の数でバレるやろ」

宇野「はい。ですので今は、必死に隠蔽工作をしている状況ですね。被害者関係者のフリをするイタズラ...のフリをするメッセージを、大量にマスコミに送りつけたり。逆に報道関係者のフリをして被害者家族の取材をし、情報を潰したり。あとはシンプルに金を握らせたりと」

彡(゚)(゚)「お上のやることえっぐいな」

(`・ω・`)「国民の知る権利を侵害しているよ!」

宇野「たった一月で1000人もの人間が、都内から消えたなんてバカ正直に言えばパニックになるでしょう。みんな自分も消えるんじゃないかともう大騒ぎです」

宇野「別に国を擁護したいわけではありませんが。ここの国民は自分にも危害が及ぶかも知れないと思った時と、そうでない時の差が激し過ぎます。パニックになると分かっていて真実を優先する政府なんてあるわけないでしょう」

宇野「まぁ被害者の半数が引きこもりやニートなどの生産性の無い層だったため、社会への影響は今のところ微々たるものですが」

彡(゚)(゚)「うーん、この支配者側特有の身勝手な論理。許せませんな」

COAT博士「見識が広がって良かったな。そう、世の中はいつだって理不尽のお祭りだ」
30 :猫田ねこたむろう [sage saga]:2016/05/16(月) 22:32:43.67 ID:5eyItUkyO
宇野「ですがそういった情報戦は、あくまでも時間稼ぎにしかなりません。いつかは事態の大きさも世間に露見するでしょう。なんとしてもその前に決着を着ける必要があります」

COAT博士「しかし妙だな。野獣先輩がいくらこ慣れてきたとしても、その犠牲者数の伸び率は異常だ」

宇野「同感です。手段は不明ですが、おそらく彼は仲間を増やしているのでは?」

COAT博士「馬鹿な。そんな能力は奴には無いはずだ」

宇野「彼の能力があなたの想定通りなら、そもそも彼は脱走なんてしていませんよ」

COAT博士「...むぅ」

彡(゚)(゚)「ババアが言い負かされるの初めて見るな」

(´・ω・`)「しおらしくすると意外と可愛いね」

彡(゚)(゚)「目ぇ腐っとんのか三十路超えたババアやぞ」

COAT博士「お前私が何言われても傷付かないとでも思ってんのか?」

宇野「とにかく情報を集めることが先決です。今から現地に向かいたいのですが、これ、お借りしてもよろしいですよね」

彡(゚)(゚)「これ言うな」

COAT博士「もちろんだ。しばらくこれの顔も見たくないしな」

彡(゚)(゚)「ババータスお前もか」

(´・ω・`)「自分が貶されるのは嫌なんだなぁ」

彡(゚)(゚)「んで、現地っていったいどこに向かうんや」

宇野「被害者が失踪する前に、『自分は世田谷に向かわなければならない』と語っていたという証言があります」

宇野「今日はとりあえず世田谷区の様子、そして可能なら野獣先輩と関わりのある場所を偵察しましょう」
31 :猫田ねこたむろう [saga sage]:2016/05/17(火) 18:15:22.36 ID:Ll66/u3MO
〜野獣邸〜

二週間前に、野獣にあの男と引き合わされた時からというもの。俺はずっと、俺の中のもう一つの意識と戦いを続けていた。

MUR「ぐっ...おおっお、ゾッ! いい...レ...ぐうぅぅ!!」

MUR「いいゾ〜こ、れっ、あああああ何も良くない!何一つ良くなんて、なぁいっ!消えろ消えろ消えろぉ!!」

MUR「あの野郎......あの野郎!野獣の野郎! よくも俺を、ゾ、騙しやがったなぁぁぁぁぁ!!」

〜二週間前の回想〜 ”ガン掘リア宮殿前”

暗い夜道を長いこと歩かされると、野獣はある建築物の前で足を止めた。建物全体は一般的なコンクリートだが、外観を丸い円柱の柱が装飾し、宮殿を思わせるような珍妙な造りになっている。

野獣「ここが俺たちの本拠地、ガン掘リア宮殿だ。お前に力を与えてくれる人や、他の仲間も集まっている」

MUR「俺以外にも声をかけていたのか」

野獣「俺の計画は、とても俺一人じゃ回らないからな。中にはお前にとって馴染み深い奴も既に来ている」

MUR(ホモビで共演したあいつのことを言っているのだろうか。出来れば、顔を合わせたくはないな)

野獣と共に建物の中に入る。夜にも関わらず、建物内の明かりは一切点けられていないため、俺は廃墟を歩いているような気分に陥った。そもそも電気が通っていないのだろうか。
階段を登ってしばらく歩くと、野獣は会議室と看板に書かれた扉の前で止まった。

野獣「着いたぞ。彼に会う前に忠告しておくが、お前が持つホモビへの嫌悪感はあまり表情に出すな。戦いが終わるまで、俺たちは協力するべき仲間だということを忘れるなよ」

MUR「......ああ、分かったよ」

野獣「じゃあ行くぞ」ガチャッ キィィィィ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/17(火) 23:55:20.96 ID:gSpyLEbbo
コテじゃなくてトリつけたら?
33 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:22:16.21 ID:xF6Nzf6IO
扉を開くと、そこそこ広い部屋が現れた。相変わらず電気はなく暗かったが、日当たりの良い場所なのだろうか。月の光が室内を照らし、ある程度の視界は保持出来ていた。顔は見えないが、あちこちに人の気配がある。

野獣「はじめさん。MURを連れてきました」

??「早かったですね。流石です、田所さん」

扉を開いたすぐ目の前に座っていた男が、立ち上がって近づいてきた。公園のベンチに野獣が現れた時のように、その男もフードを被っていて、顔は分からない。

野獣「はじめさん程じゃありません。ほらMUR、この人がお前に力をくれる人だ。挨拶しろ」

MUR「ど、どうも」

はじめ「来てくれて嬉しいです。僕は『始まりのホモ』と呼ばれる、田所さんの仲間です。まぁここの最古参であり、NO2みたいなものかも知れません。気軽にはじめ、とでも呼んで下さい」

野獣「NO2だなんて謙遜を。はじめさんがいなければ仲間も増やせませんし、はじめさんのおかげでここは成り立っているんですよ」

はじめ「だがリーダーは田所さん、あなただ。こういうのはきっちり線引きして、明示する必要があるんですよ。みんなあなたの意志に惹かれて、ここに来たんだ。私は、あなたを支えるサポート役でいいんです」

野獣「しかし」

KMR「MURさん! お久しぶりです!」

野獣とはじめ、という人物の会話についていけずに突っ立っていると、随分嬉しそうな声が俺を呼び止めた。
34 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:23:42.91 ID:xF6Nzf6IO
KMR「いやぁ何年ぶりですかね!また会えるなんて嬉しいなぁ」

話しかけてきた顔には見覚えがあった。人懐っこい笑顔に、自身の無さそうな瞳が特徴的な男だ。ホモビの撮影中に出会った中で、俺が好印象を持った唯一の男でもある。あくまで俺のケツを掘ったことがあるという、耐え難き事実に目を瞑ることが出来れば、の話だが。

MUR「ああ、これからよろしくな」

KMR「あっ、よろしくと言っても、もう体洗ったりとかは絶対にしませんからねっ」

MUR「え? あ、ああ。......もう撮影があるわけじゃないし、しないだろそりゃ」

KMR「撮影? 撮影って、なんですかそれ、また変なこと言って僕を騙す気ですか?」

MUR「いや何って、撮っただろうビデオを。あの時」

KMR「えっ?あの時のプレイ、ビデオに撮ってたんですか!? どうやって!」

MUR(なんだこいつ。十何年会わないうちに頭がおかしくなったのか? 話が全く噛み合わない上に、撮影のことも覚えていないだと?)
35 : ◆ZDY.BocFDU [saga sage]:2016/05/18(水) 21:24:59.45 ID:xF6Nzf6IO
野獣「安心しろよ木村、先輩のただのジョークだよジョーク」

KMR「そうなんですか? あービックリしたなーもう。やめてくれよ...」

野獣「挨拶はそんぐらいでいいだろ。俺と先輩はちょっと話があるから、向こうで体育座りしてろ」

KMR「うん......」

MUR(野獣が俺を、『先輩』だと? ちょっと待て、なんだこれ。KMRのさっきの違和感といい、口振りといいこれじゃあまるで......)

??「MURさん、ご無沙汰しております。悶絶少年専属調教師のタクヤと申します」

??「MUR様、お久しぶりです。緊縛師の平野源五郎です・・・」

??「 ぼ く ひ で 」

MUR(こいつら、まるで『ホモビのキャラそのもの』じゃないか......!)

はじめ「さて、挨拶も済んだようですし、そろそろ始めますか」

野獣「そうですね。よろしく頼みます」

MUR「ひっ...!」

MUR「ま、待て! やっぱりやめた! 俺は帰る帰る帰りたいんだ!家に帰らせてくれよ妻と娘が待ってるんだ!」

野獣「......覚悟はした、と言っていなかったか?」

MUR「ふざけるな! あ、あんな......『あんな風』になるなんて俺は聞いてないぞ!」

野獣「聞かれなかったし、言わなかったからな。......いずれにしろ、もう遅い」

はじめ「さぁ、こっちを見て。こっちに来るんだ。大丈夫、大丈夫。僕の右手で、君は新しい力に目覚めるんだよ...。それはとぉっても、とっても素晴らしいことなんだから」

MUR「やめろよせ。やめてくれ来るな離せ!嫌だやめろ!!やめてくれ!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

フードの男が俺の顔の前に手をかざすと、眩い白い光が視界を包んだ。光が眩しくて、眼を閉じたいのに自分じゃ動かせなくて。次第に酷い目眩がしてきた。頭痛もあったと思うがよく覚えていない。
目から頭に伝わった異常な感覚が、やがて身体へも移り始めた頃。俺の意識はそこでプツリと途絶えた。
36 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:26:40.36 ID:xF6Nzf6IO
〜coat博士サイド〜

彡(゚)(゚)「おっ、黒くてゴツくて、固そうないい形やんか」

彡(゚)(゚)「...でも、残念なことに長さが足りんなぁ。男はやっぱ長さが命なんやで」

彡(^)(^)「乗せた女を喜ばす...いや、悦ばすには長さこそが全てや! 分かったら生まれ変わってやり直せこのボケェ!」キャッキャッ

宇野「......先程からこの男は何を言っているんですか」

(´・ω・`)「僕ら車を生で見るの初めてでして、それではしゃいでるんだと思います」

彡(^)(^)「おっ、原住民ちゃんやりたくなっても生はやめとけよ生は!生は危険がいっぱいやからな〜アッハッハッハッハ」

宇野「それにしては随分と不愉快なニュアンスを感じるんですが」

(´・ω・`)「仕様です。すいません」

ガチャッ、バタン

??「お初にお目にかかります。この車の運転手を務めさせていただく、権田 源三郎と申します」
37 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:27:40.95 ID:xF6Nzf6IO
宇野「権田さん、今回もよろしくお願いします」

権田「いえ、仕事ですから」

(´・ω・`)(黒くてゴツくて、頑固そうなオジさんが出てきたな。この人が運転手さんかぁ)

彡(゚)(゚)「うおっ、なんやこのオッさん背ぇでっか!!」

(´・ω・`)(長さもバッチリみたいだ)

宇野「初対面でその言い草は何ですか。少しは礼儀を弁えて下さい」

彡(゚)(゚)「うっせブース」

宇野「なっ...・・」

(´・ω・`)「すいませんすいませんすいません!」

(´・ω・`)「おにいちゃん! 無駄に敵増やさないでっていつも言ってるでしょ!?」

彡(゚)(゚)「でもワイこいつ嫌いやねん。偉そうやし話合わんし、ババアじゃないのにババアみたいなこと言いよるし」

(´・ω・`)「その博士から人付き合いを学べって言われたばかりでしょ! 少しは我慢してよ!」

彡(゚)(゚)「......。」

(´・ω・`)「ほら、宇野さんと、あと権田さんにも謝って!」

彡(゚)(゚)「...チッ。えー、まぁなんだ。流石にブスは言い過ぎたわ。すまんな許してくれ」

彡(゚)(゚)「権田のオッさんも、挨拶が遅れてすまん。これからよろしく頼むわ」

権田「いえ、仕事ですから」

彡(゚)(゚)「...これでええんか?」

(´・ω・`)「う、うん。いいんじゃないかな。どうですか宇野さん」

宇野「ブス...ブスって誰が? 私が? 私がブス・・ まさかそんな......ありえない、ありえないわよそんなこと......」

彡(゚)(゚)「聞いちゃおらんがな」

(´・ω・`)「よっぽどショックだったみたいだね。今まで言われたことなかったのかな」

権田「皆さま方、一先ず車に乗って、目的地に向かいませんか? 話は車内でいくらでも出来ますので」

彡(゚)(゚)「待ってました! いやー楽しみやなーどんな乗り心地なんやろなぁ、車」

宇野「ブス...私が...ブス......」

(´・ω・`)(......やっていけるのかなぁ、こんな調子で)
38 : ◆ZDY.BocFDU [saga sage]:2016/05/18(水) 21:28:43.11 ID:xF6Nzf6IO
〜20分経過〜

権田「今がだいたい、渋谷区と世田谷区の境のあたりですね」

彡(゚)(゚)「ほうほう、そかそか。いやー渋谷駅のあたりはやっぱ栄えとったなぁ」

権田「日本の文化の交流地ですからね」

権田「なんJ民様達が楽しんでいただけているようで何よりです」

彡(^)(^)「乗り心地も快適やし、景色もいいし、いやーもう大満足や!」

(´^ω^`)「う、うん! ドライブって凄く気持ちがいいんだね!」

宇野「......」

彡(゚)(゚)「車から見える風景は絶えず変化し続け、そしてどれ一つとして同じものはない。訪れては過ぎ去るその目まぐるしい変化は、さながら世の流れを写し出しているのかも知れんなぁ...」

(´・ω・`)(よほど興奮してるのか、下手くそなポエムまで刻み始めた)

宇野「.........」

(´・ω・`)(宇野さんは相変わらず落ち込んでるけど、おにいちゃんは気にも止めてない。『悪口言ったことを謝った』時点で、おにいちゃんの中ではさっきのことは全て解決しているみたいだ)
39 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:29:52.61 ID:xF6Nzf6IO
彡(゚)(゚)「なぁなぁオジさん。なんで長い車じゃなくて、この黒色の普通車を選んだんや?」

権田「と、言いますと?」

彡(゚)(゚)「いやどうせなら長い方がよくない?」

権田「どうでしょうか。私は宇野さんの指示通りに車を用意しただけですので」

権田「リンカーンリムジンのことを仰っているのでしょうが、あれは街中を走るのにはあまりに不向きですからね」

宇野「普通の車を選ぶに決まってるでしょう。敵地に潜入するのにバカみたいに目立つ車選ぶバカがどこにいますか」

彡(゚)(゚)「おっ、やっと口開きおったか」

宇野「ああ、そういえばここにいましたね。物凄くブサイクなバカが」

彡(゚)(゚)「なんやとこのアマァ!」

(´・ω・`)「おにいちゃん、お互い様だよ!」

宇野「私はブサイクじゃありません!」

(´・ω・`)「そっちの意味でじゃないよ!」

権田「宇野さん、宇野さん。最初の目的地、北沢公園に着きましたよ」

宇野「はぁ!?」

宇野「それってつまり、世田谷区に既に入ってるってことですか!?」

権田「そうですが」

宇野「早く言ってくださいよ!」

権田「いえ、確かにお伝えしたはずですが」

彡(゚)(゚)「なんや聞いとらんかったんか」

(´・ω・`)「話も聞こえないくらい落ち込んでいたのかこの人」
40 : ◆ZDY.BocFDU [saga sage]:2016/05/18(水) 21:31:32.98 ID:xF6Nzf6IO
宇野「ブサイク! どうですか、このあたりで何か感じませんか?」

彡(゚)(゚)「お前ワイの呼称をブサイクで定着させる気か?許さんぞそんなこと」

宇野「いいから調べてください。何か違和感とか、普通と違う感覚とか、そういうのはありませんか?」

彡(゚)(゚)「そんなん言われても......特になんも変わらんぞ」

宇野「......そうですか。ここには、いないんですね」

宇野「なら、次に行きましょう。権田さん、次の目的地は」

権田「お待ちください。なにやら不埒者の目に止まってしまったようです」

??「おい何やってんだおい〜?楽しそうだね〜?」

??「おいおい俺らも混ぜろよお前〜」

??「おい楽しそうじゃねぇかオラァ」

??「おい何やってんだオイ、ゴルァ!オイ!お兄ちゃん俺らも混ぜてくれや!なぁ!楽しそうだねぇ〜!?」

??「ちょっと熱いんじゃない!?こんな所でー?ねーお兄ちゃ〜ん。混ぜてほしいんだけど〜。おーい」

宇野「チッ、間が悪いですね」

彡(゚)(゚)「な、なななんやなんや。不良3人がワイらの車を取り囲んどるぞ!」

(´・ω・`)「世田谷って治安悪いのっ?」
41 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/18(水) 21:32:37.24 ID:xF6Nzf6IO
権田「成敗してきます。少々お待ちください」ガチャッ、バタン

宇野「よろしくお願いします」

彡(゚)(゚)「オ、オッさん一人で大丈夫なんか!?」

宇野「心配は無用です。私たちプロが、ゴロツキ数人如きに後れを取るとでも思っているんですか? 」

??「オラオラオラオラオラオラ」パンパンパンパンパンパン

権田「グッ...ム...ムゥゥ......ウグォォォォ!!」パンパンパンパンパンパン

彡(゚)(゚)「やられとるがな!後れを取って!」

(´・ω・`)「ヤられてるよ!後ろ(バック)を取られて!」

宇野「そ、そんなバカな! ただのチンピラがどうやって権田さんを......それにあれは、レイプ、なのか?......ああ、そういうことか!」

宇野「ブサイク!原住民さん!車外に出ますよ!」

彡(゚)(゚)「で、出てどうするんや? ワイらは何をしたらええんや?」

宇野「決まっています、戦うんですよ!」

(´・ω・`)「でも相手は一般人だよ!」

宇野「まだ気付いてないんですかっ。彼らは人間じゃありません。あなた方と同じ、概念体です!」

彡(゚)(゚)「なんやって!?」

宇野「さぁ、今すぐ腹を括ってください」

宇野「この戦いが、あなた方の初陣です!!」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 00:26:53.89 ID:qTChlXyho
なんで描写淡白なんだよ
43 :ねうyork [saga sage]:2016/05/22(日) 15:12:14.93 ID:kkHm+IXwO
テスト
44 : ◆ZDY.BocFDU [sage saga]:2016/05/22(日) 15:13:58.20 ID:kkHm+IXwO
〜偵察出発前のcoat研究所〜

coat博士「......あいつら、車が来るって聞いた途端外に飛び出して行ったな」

宇野「まるで子供ですね」

coat博士「実際、まだ生後二ヶ月だしな。見識を広げてくれるのはこちらとしても嬉しい限りさ。......バカの邪魔も入らないことだし、今のうちに行き先について話しておこうか」

宇野「ええ。お願いします」

coat博士「まず偵察に行くなら、最初の場所は北沢公園がいいだろう。北沢公園にもし三人組の概念体がいた場合、三つの利点がある」

宇野「どういった利点でしょうか」

coat博士「北沢公園は進入口である渋谷区から、かなり近い場所にある。もしここで敵に遭遇した場合、戦うか逃げるかのいずれにしろ、他の場所にいる仲間の援軍を避けやすくなる」

coat博士「まぁ偵察が目的なのに、いきなり敵陣の中央深くに潜っても帰ってこれないだろ、って話だ。これが一つ目」

coat博士「二つ目の利点は、北沢公園と関係のある淫夢キャラ、KBSトリオの性質にある。KBSトリオは認知度はそれなりに高いが、戦闘力においてはただのチンピラ程度の認識しかされていない」

coat博士「概念としては雑魚そのものであり、最初の相手としては最もリスクの無い相手なんだ。こいつらと戦った結果によっては、こちらの戦力が敵にどの程度通用するのかを、大雑把にだが推測出来る」

宇野「なるほど」

coat博士「三つ目だが、正直これが一番重要でな。今言ったように、こいつらはそもそも雑魚だ。野獣先輩も、仲間を作るなら概念体としてより強力な人物を選びたいはず」

coat博士「強い仲間が揃っていない時に、こいつらを概念体にする意味は無い。つまりこいつらがもしここに現れたなら、それは敵の陣営がある程度肥え、戦力の余裕がある状態だと判断出来る」

宇野「野獣先輩の仲間を増やす手段が不明な以上、そうとは限らないのでは? なんらかの理由で強い概念体を作れず、雑魚でもいいからとにかく仲間を増やしている最中、とも考えられます」

coat博士「北沢公園の場所がその可能性を否定してくれる。仲間が少なく戦力が足りていないなら、駒をこんな世田谷区の外れに遊ばせておくわけがない。本拠地にでも置いておくのが妥当だ」

coat博士「......だから三つ目の利点は、まぁ敵の状況をある程度予測出来る、ということだ。だが、正直KBSトリオがいない場合の方がこちらとしては都合が良い。敵がまだ弱い可能性が高くなるんだからな」

宇野「......。」
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