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野原しんのすけ(15)「歯を食いしばれサイジャク、オラのサイキョウはちょっと響くゾ」
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65 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:24:14.95 ID:2LEOvZyt0
学園都市某所、樋口製薬・第七薬学研究センター。
その中の電子的に隔離された一室にて、機械を操作する人影が在った。
「幾つか消されちゃってるけど、これくらいなら復元可能ね」
エレクトロマスター
電気使い系最高位、御坂美琴である。
あの後、布束の顔と名前から長点上機学園のデータにアクセスし、彼女がこの研究施設に所属していた事を突き止めたのだ。
そして身元を隠すために着替えてから忍び込み、まさに今知りたかった情報を手にしようとしていた。
66 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:25:06.30 ID:2LEOvZyt0
「あ!」
レールガン シスターズ
御坂の目に、「超電磁砲量産計画『妹達』最終報告」の文字が写る。
(本当にあった、私の……クローン計画)
振るえと、冷や汗が止まらない。
しかし、自分は確かめなければならない。
あの噂の出所、その全容を。
彼女はモニターに書かれている内容を読み進めていく。
超電磁砲量産計画のおおよその流れはこうだ。
超能力者を量産するためにその遺伝子を解析、クローンを造る。
この目的は偶発的にしか生まれない超能力者を確実に生み出す為である。
本計画の素体は『超電磁砲』御坂美琴とする。
複数種類の薬品によりクローンは十四日でオリジナルと同等の肉体を得られる。
布束砥信監修の学習装置を用いて、精神面及び脳内情報等の強制入力を行う。
成果を確認の後、量産体制を構築する予定。
おぞましい文書が続いていく、しかし―――
ツリーダイアグラム
『樹形図の設計者』の予測演算の結果、クローンは素体の1%未満の出力しか持たない事が判明。
損害を最小とする為、研究の即時停止。
当計画は永久凍結するものとする。
と締めくくられており、その後は事後処理についての指示や命令文であった。
67 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:25:53.35 ID:2LEOvZyt0
「はっ……ははは…何よ、やっぱ私のクローンなんていないんじゃない」
最後まで読み、彼女は安堵した。
その場に膝をつき、息を一つ大きく吐きだす。
「きっとこの計画が中途半端に漏れて、噂の元になったのね」
今思えば、先程のしんのすけも『こんな計画が昔あったってだけ』と言っていた。
「さて、帰るか」
自分がハッキングした痕跡を消して、上機嫌で御坂はその部屋から出ていった。
故に、気が付かなかった。
『昔あった』だけの計画ならば、何故布束は今になってマネーカードをばらまきはじめたのかという疑問にも。
そして、自分が退室し、程無くしてその部屋に入ってきた、自身そっくりの少女の存在にも……
68 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:27:39.97 ID:2LEOvZyt0
時間は戻り雑居ビルの一室、布束砥信と野原しんのすけの会話が続く。
「樋口製薬には、結局計画は実行されなかったという情報しかないわ」
「それで美琴ちゃんが納得してくれれば良いけど……」
クローン
テスト用の数体のみとはいえど自分の兄弟が生まれ、そして既に死んでいるなんて情報は、知らないほうがマシだと
しんのすけは経験者としてそう思う。
「questionそれで、あなたは何者なのかしら?名前と年齢だけ答えても、私の質問の答えにはならないわ」
『量産計画』の存在を知るお前は何者なのか、と言う問いは、何故『量産計画』を知っているのか、と言う意味だ。
69 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:28:48.02 ID:2LEOvZyt0
「友達に『暗闇』の生き残りがいてね、隣のクラスには元『白鰐』もいるし」
「『暗闇の五月』や『白鰐部隊』の被験者と交友関係が?」
「案外、『日常』と『非日常』の境目は薄くて脆いよ」
そう語る後輩の眼に、布束は底知れぬ『闇』を見た気がした。
「まあ、何が言いたいのかって言うと……オラの知識だと、さっき布束先輩も言った通り『量産計画は実行されなかった』筈なんだよね」
でも布束先輩はこうして何かをしている、と。
ソレは何故なのかと問いかける。
「……because計画が流用されたのよ」
「ああ、クローン人間がもう産み出されてて?彼女たちは路地裏で何かをしてて?それを布束先輩は止めたいと」
どうやら御坂美琴のクローンは、数体どころではすまないようだ。
70 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:29:34.12 ID:2LEOvZyt0
「何故……いえ、噂と今までの情報から、あなたなら解るわね」
「……今回はドッチかな?」
小声で呟いたしんのすけの言葉は、布束の耳には入らなかった。
「それで、私の目的を知ってあなたはどうするのかしら?」
自分と共に彼が、『妹達』が行っている実験を止めようと申し出たとしたら、布束はそれを拒否するだろう。
もしそうなった場合、あまりにも危険すぎる。
布束は、しんのすけが第八位の超能力者だとは知らない。
しかし知っていたとしても彼の協力を拒む事は変わらない。
敵は、学園都市そのものなのだから。
「べつにどうも?」
しかしそんな心配をよそに、しんのすけは布束に、協力しようとも邪魔しようとも言わなかった。
「あ、でも……街で偶然会ったら話を聞いてみたいかな。コレ返すね」
布束の手に懐から取り出した紙を渡し、そう言ってしんのすけも部屋から出て行った。
71 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:30:51.20 ID:2LEOvZyt0
「テツ、サトシ、ヒコイチもよく聞いて。これからは通信用端末の携帯を特に意識して」
しんのすけが、雑居ビルの近くで待っていた自警団員たちに指示を出す。
「ウス、けどなんでですか?」
「どっかのヤバい奴が路地裏でなんかするらしいゾ、見た奴は確実に『口封じ』される様な、ね」
「ひっ!?」
体格のわりに怖がりな性格をしているサトシがビビる。
「例のマネーカードは、ソイツ等も人目は避けるだろうって考えでまかれた物らしいよ」
「それって、下手したら逆に、口封じに殺される奴が続出するんじゃ……」
「だから端末を持っとけってこと。駒場さんにもオラから話して自警団全員に徹底させとくから」
それだけ言って、しんのすけは自警団員達と別れ帰っていった。
「……布束先輩は『流用された』って言ってたな」
一人になり、呟く。
プロジェクト
「流用先はどんな『計画』なんだろ?まあろくなもんじゃないんだろうけど……」
そこらへんから洗ってみるかと、布束にはああ言ったがその実、首を突っ込む気満々のしんのすけであった。
72 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:32:52.73 ID:2LEOvZyt0
「う〜ん、北与野博士のとこにも情報無しか」
そして、その四日後の夜、あれから四日経った今でもしんのすけは『流用先』の情報を得られずにいた。
と言うのも『しんのすけが調べていた』という事が、御坂の耳に入りそうな調べ方は出来ない以上
初春飾利を筆頭に、情報収集能力の高い何人かには頼れないのだ。
「十四日どころか三分でオリジナルと同等の能力をもったクローンを作れる博士なら『この計画に協力しろ』って話が来てると思ったんだけどな〜」
本日も収穫無し、寂しく歩くしんのすけのズボンのポケットから、正確にはポケットの中のスマホから着信を知らせる音が鳴った。
「誰か遂に美琴ちゃんのクローンたちが何かしてる現場を見ちゃったか!?」
しんのすけがスマホに手を伸ばす、しかし何故かそれよりも前にスマホはひとりでに通話がオンになった。
彼に連絡を入れて来た者の声が、スマホから聞こえる。
「しんのすけ、気を付けろ。その先には指向性対人地雷がうまっているぞ!!」
「その声でその台詞はアウトじゃない!?」
73 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/06/20(月) 23:33:53.04 ID:2LEOvZyt0
今夜はここまでです。
続きは一週間程お待ち下さい
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/20(月) 23:36:39.61 ID:WDk6zdr3o
ぶりぶりざえもんか
「ス↓ネ↑ーク↓気を付けろそこにはク↓ルェイモア地↓雷↑がセッットされている…」の色っぽさは以上
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/20(月) 23:56:09.82 ID:zAuX+dEmo
乙です
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/21(火) 00:41:48.89 ID:Rb6LtkQLO
北与野博士のチートっぷりがよくわかる話。
そしてとうとう接触したかぶりぶりざえもん
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/22(水) 20:30:08.06 ID:iwOqMT/AO
乙です
しんのすけはどのくらい制服を改造してるんだろうか
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/09(土) 00:29:34.10 ID:hh4cLpmAO
クレヨンしんちゃん対シン・ゴジラってなんやそれ…
しんのすけの経歴がさらにとんでもないことに
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/12(火) 14:14:57.15 ID:d3hdlbH30
昨日まとめサイトで1スレ目を読んで、今追いついた
なんというか、凄いな。クレしんに対する愛情がひしひし伝わるわ
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/15(金) 21:33:35.90 ID:iwBbJxI00
シンゴジラマジかよw 見てきたけどヤバイだろコレ。
スパロボにも出たし最近凄まじいなクレしん。
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/16(土) 10:30:08.16 ID:iS/f0aCAO
そういやカンタムロボで参戦してたな
綺羅星十字団がしんのすけの言い間違いでキラキラ星注意団になったんだっけ
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/20(水) 00:38:31.78 ID:tzScYVxv0
世界の国の学習まんがで登場した酢乙女愛号は出ないかな
数人は乗れて世界中のあらゆるところに1時間以内に行ける凄い超小型飛行機
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/20(水) 03:45:45.56 ID:vhYnIsfd0
丁度アマゾンプライムで劇場版が見れるから作業用BGM代わりに見直してるけど、意外と忘れてること多いな。
オトナ帝国と戦国、ロボとーちゃんあたりは見たら確実に泣くだろうから見れないんだが
84 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:18:30.72 ID:HouDWmDk0
お久しぶりです、1です。これから投下します。
>>74
皆大好きなあのヒーローですね
パロディの元ネタがちゃんと通じて良かったです
>>76
学園都市製のクローンが十四日かけてオリジナルの百分の一以下の性能なのにたいして
北与野博士のインスタントクローンは三分でオリジナルと同等の性能ですからね……
ただし83分後には水と麺状の蛋白質に分解されてしまいますが
>>77
それがブレザーであることはわかる、というくらいには原型をとどめていません
袖口など各所に暗器を隠せるように、更にはいつでも取り出せるように改造されています
しんのすけの原作での妙な衣装はほとんど自作(たしか原作公式設定)なので、彼の裁縫技術はチート級の設定です
>>78
>>80
流石にパラレルみたいですけどね。
正史だったら、トール「アレとヤッたことあるとか羨ましすぎんだろ!?」とかネタにできたんですけど
>>79
おお、新しい読者様ですか。今後もよろしくお願いします
>>82
似たようなのは、とあるサイドにもあるので……
>>83
今年の映画も涙腺崩壊ものでしたよ……みさえサンマジ聖母
85 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:19:21.77 ID:HouDWmDk0
しんのすけはその『声』に聞き覚えがあった。
しかし記憶の中の、その声の持ち主は確かにあの日、死んだ筈だ。
「あんた誰?名前は」
「ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョセフド・シャトーぶりアンヌ……貴様のファンさ」
そこで通話はブツリと切れた。
「今の声……本当にアイツが?」
あの世から帰ってきたとでもいうのだろうか。
「そう言えば、飾利ちゃんが言ってたっけ」
データとして、一度存在したものは完全に消去することはほぼ不可能らしい……
つまり大抵の場合、復元可能なのだそうだ。
このまち
「学園都市の技術なら電子生命体の蘇生くらい簡単なのかな」
だが、だとしたら何故こんなコンタクトのしかたをするのだろう。
堂々と正面から、会いに来てくれれば良いものを何故、偽名を名乗り謎の人物を演じるのか。
「……まあ大方アレのパロディなんだろうけどさ」
86 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:20:23.40 ID:HouDWmDk0
彼と声が似ている人物が登場する某作品の、その登場シーンを模したのだろう。
そしてしんのすけの知る彼ならば、その再会をより劇的に演出したいと考えていたとしても納得できた。
だとしたら再会は近い。
その作品ではその人物も、主人公からは死んだと思われており、まず謎の通信、次にフルフェイスマスク姿で登場し
終盤になってようやく仮面が外されて正体が明かされるというストーリーだった。
「ウォーターゲートの密告者の名前じゃ別の方向にアウトだから、あんな変な偽名使ったのかな?」
彼がどこまでこのパロネタを続ける気なのかは解らないが、もしガチならこの後しんのすけは、戦車に襲われることになるだろう。
「いやいや、流石にまさかね」
街中で戦車はないだろうと思った矢先、ドーンという爆発音が聞こえてきた。
87 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:21:23.76 ID:HouDWmDk0
「本当に対人地雷が埋まってたのか!?そして誰かが踏んじゃったのか!?」
急ぎ、音のした方へ走るしんのすけが、現場に着き目にした光景は、
御坂美琴によく似た、片足の無い少女が、空から降ってきたコンテナに圧し潰される。
と言うものだった。
(今のが布束先輩が言ってたクローンか!?)
なんでコンテナが降ってきたんだ!?
そもそもあのクローンの少女はここで何をしていた!?
驚きながらも、考えねばならない、確かめなければいけない事へと頭を働かす。
しかし、それは結果としてみれば悪手であった。
88 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:21:53.80 ID:HouDWmDk0
「なっ……美琴ちゃん!?」
直後、しんのすけのすぐ横を御坂美琴が走り抜けていった。
その向かう先には、白髪で細身の少年が立っている。
ガガガガガガガガッ!!!!
御坂から放たれた雷撃が少年の周囲を暴れ回る。
しかしその攻撃は白髪の少年には一発も当たっていないように、しんのすけには見えた。
いや正確に言えば『当たっているのに届いていない』と言ったところか。
おそらくは少年の能力に因るものなのであろうが、しかし今はあの白髪の少年の能力についてよりも
何故、御坂美琴がここに居て、あの少年に攻撃したのかだ。
布束砥信は『樋口製薬に在るのは結局計画は実行されなかったという情報のみだ』と言っていたが、
御坂はその後どうしてか計画の流用とクローン達の存在をしったのだろう。
それでこの場に来た、ここまではいい。
では何故あの少年に攻撃している?そもそもあの少年は何者だ?何故ここに居る?
情報があまりにも不足している。
89 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:22:51.79 ID:HouDWmDk0
(戦闘を止めさせて二人から話を訊くべきかな)
簡単に話してくれれば良いが……
「おおっ、スゲェスゲェ、何だ新ワザかァ?」
白髪の少年が、独り言のように訊く。
御坂は単純な電撃による攻撃をやめ、磁力を操り、砂鉄でできた砂嵐いや鉄製の竜巻を創り少年へとぶつけた。
「ふーン磁力で砂鉄を操ってンのか。おもしれー使い方だ」
荒れ狂う黒い竜巻の中、少年は先程雷撃に囲まれた時と変わらず、一切のダメージなど無い様子でワラっていた。
いや事実ダメージなど無いのだろう。
「タネが割れたらどーってことねェがな」
少年のその言葉と共に、砂嵐はかき消された。
90 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:23:42.55 ID:HouDWmDk0
(今のって……上条君と同じ!?)
それを見てしんのすけは、驚きながらも考察を続けようとした。
しかし御坂が奇声を上げたためにそれは中断される。
(美琴ちゃんに何が……アレは!?)
どうしたのかと彼女の視線を追えば、そこには一本の人の足があった。
靴と靴下から、先程コンテナの下敷きになったクローンのものだと思われる。
(あの片足は地雷で吹き飛んだんじゃなかったのか?)
地雷を踏んだのはクローンでは無く少年の方だったのだろう。
彼の能力であれば、地雷の爆発も平気なのかもしれない。
ということは、彼の能力は上条当麻のそれとは違い、純然たる物理現象すら無効化しているということ。
そして地雷を埋めたのがあのクローンなのだろう。
まず、しんのすけに地雷の存在を教えたアイツが犯人だということは在り得ない。
少年が自分で埋めた地雷を踏むとは考えられず、そもそも御坂美琴と比較すれば1%以下の性能だと言っても
それでも約一千万Vもの電圧を扱える異能力者の電撃使いだ。
つまり自身の近くに地雷が埋まっていればそれに気付くし、踏もうとしている者が居れば止める筈だ。
にもかかわらず、地雷は爆発した。
つまり、クローンが少年に地雷を踏ませたのだ。
(ああいう『無敵バリア』系の相手にはバリアの張って無い所を探すのが定石だしね)
おそらく白髪の少年と御坂のクローンの二人は、ここで戦闘していたのだろう。
コンテナを空から落としたのもクローンの片足を斬りおとしたのも、少年の能力を使ってのことであれば納得できる。
勿論、地雷の爆発は少年が踏んだからでは無く、クローンが能力を使って遠距離からの爆発物処理に失敗した可能性もあるが、
それではクローンの怪我や、降ってきたコンテナの説明ができない。
91 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:24:25.42 ID:HouDWmDk0
「とりあえず、一旦二人を止めるとしますか」
少年と御坂の戦闘、と言っても現状は御坂が攻撃しているだけだが、それは激しさを増していた。
近くにあった幾本もの鉄道レールが、磁力によって絡み合いながら浮かび上がり、さながら一本の巨腕の様であった。
それが、いやそれらが、白髪の少年に襲い掛かった。
ガアアン
少年に直撃したかに思えた数本のレールは、しかし弾かれたかのように動きを変え、御坂に向かう。
「まずいゾ」
しんのすけは急ぎ、御坂と飛んでくるレールの間に入る。
ネクタイをしていなければ間に合わなかったかも知れない、しかし幸いにも今のしんのすけは
全ての身体能力が63倍になるネクタイをしていた。
「護れ、『第七沈々丸』!!」
御坂の前に立ち、懐剣を抜き放つ。
現れた三メートルを超す戦太刀が飛来する鉄塊を断ち切った。
「何だァ?オマエ」
突如、眼前にあらわれた存在に、白髪の少年が尋ねる。
「オラ、野原しんのすけ15歳。アンタは?」
白髪の少年が答える。
アクセラレータ
「『一方通行』だ、ヨロシク」
92 :
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/07/21(木) 23:25:22.36 ID:HouDWmDk0
今夜はここまでです。
明日のアニメ楽しみですね
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/21(木) 23:31:37.98 ID:3x1udquM0
セリフとセリフの間が2行空くと更に読みやすい。
モノローグは一文につき1行。
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/21(木) 23:58:03.73 ID:pGrXogINo
乙です
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 01:34:20.40 ID:1W2xF3W5o
禁書原作沿いでしんのすけ勢がお話し介入してた最初の頃は面白かったけど
オリジナル要素増えだしてから唐突に面白くなくなったなこのシリーズ
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 01:58:45.83 ID:NS/tENZho
乙。また次回楽しみに待ってます
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 07:46:14.47 ID:8DEDpsc8o
>>95
今のがオリジナルとな?
無知晒す前に黙ってた方がいいよお前
ボーンヴァンパイアの件ならまだたった一回だぞ?
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 19:51:08.96 ID:j/IQr9rB0
シン・ゴジラはともかくオヤジシェンデストロイヤーやオヤジジェンデストロイヤーはネタとして使えそうね
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 20:14:54.42 ID:TBlEHsEAO
ここのボーちゃんならマジで作れそうだな…
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 22:04:59.43 ID:GMQBwXyV0
乙です。流石にベクトル変換相手に基本物理のしんのすけが……と思うけど、しんのすけだからなぁ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/22(金) 22:24:38.11 ID:j/IQr9rB0
ノリで木原神拳(尻)とか出来そう
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/13(土) 23:47:51.82 ID:IaDucWeK0
来ない
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/14(日) 01:24:01.62 ID:lEcWWC12o
>>100
法則無視だからそんな法則に囚われるわけない
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/20(土) 23:20:02.62 ID:FVinOAM70
更新はよ
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/20(土) 23:20:29.90 ID:SnJjmS7vO
嫌ンゴ更新しないンゴ
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/22(月) 21:09:52.53 ID:yubQF7Sv0
更新しないとグロ貼るンゴよぉ
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 21:17:33.90 ID:Lyu2NUPlO
グロ画像貼ってクレメンス
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 21:47:02.34 ID:DukxnQPo0
だが断る
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 22:13:07.28 ID:5IiMeBDyo
>>108
警察だ!(JOJO語録誤用警察)
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 22:27:53.76 ID:D9wIp4v7O
ちんぽハラデイ
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/23(火) 19:09:13.70 ID:CdQ70cmKo
はよ書けやレス乞食
http://imgur.com/qdqZSqy.png
こんな狂乱ははやく終わらせてやる
http://imgur.com/qdqZSqy.png
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/23(火) 19:53:08.63 ID:j4cEqps6o
>>111
グロ
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/23(火) 21:16:54.74 ID:NxSnebaIO
>>111
エロ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/25(木) 22:06:54.99 ID:+HgXNDdM0
幻コロ
115 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/08/26(金) 21:04:37.88 ID:QS5Cfv830
お待たせしてすみません。
お久しぶりです。1です。
これから投下します。
>>98-99
作る理由がなさそうですし既に原作に北与野博士のデカウォーターがあるので
ただデカウォーターだと10数メートルなのに対してシンゴジラは100をこすそうですが
>>100-101
>>103
しんのすけじゃなきゃ不可能な方法ですが、一応は『理屈在り』の方法を考えています
116 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/08/26(金) 21:05:34.80 ID:QS5Cfv830
『一方通行』と名乗った少年に、しんのすけが戦いを止めるよう提案する。
アクセラ
「一通さんね、とりあえず今夜はこれでオヒラキにしない?」
「あァン?」
一方通行にとって、しんのすけは突如現れた怪しげな乱入者だ。
御坂を守った事から、次はコイツが自分の相手をするのかと思っていた。
しかし実際に出てきた言葉は余りに予想外のものであった。
虚を突かれた一方通行に、しんのすけが続けた。
「ここでクローンと戦ってたみたいだけど、この娘はちょっと違くてさ……ならなんで襲ったのって言われたら、オラにはわかんないけど……まあとにかく、見逃してくれない?」
『ちょっと違う』と言うしんのすけの台詞に、一方通行が応える。
「あァ、やっぱりなァ。途中で気付いたぜ……ソイツ、オリジナルだろ?」
「そうそう、だから……」
オリジナル
「けどなァ、アイツらとの戦闘は超電磁砲との戦闘の代用だ……」
117 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/08/26(金) 21:06:22.94 ID:QS5Cfv830
しんのすけの言葉を遮り、一方通行は言葉を続けた。
ソイツ や
「ってェことは御坂美琴と戦ればこのダリィ作業もグッと短縮できるンじゃねぇか?」
「わーお、まさかのやる気満々?」
一方通行が足を一歩前に踏み出し、しんのすけが御坂をかばうように彼女の前に立ち、戦太刀を構える。
「お待ち下さい」
一触即発の空気の中、待ったをかけたのは一方通行でもしんのすけでも、御坂のものでもない、複数の声であった。
「計画外の戦闘は予測演算に誤差を生じるおそれがあります。とミサカは警告します」
御坂としんのすけが後ろを振り向き、声の主を確認する。
「……こんなにたくさん?」
しんのすけの呆れとも驚きともつかないこえが漏れる。
そこには三十は居ようかというほどの第人数のクローン達が並んでいた。
レべル5
「特にお姉さまとそちらの男性は、超能力者ですので」
「戦闘により生じる歪みは」
「非常に大きく」
「期間の短縮はおろか」
「計画が破綻するおそれがあります」
「またミサカには今後予定されている実験に合わせた」
「チューニングが」
「施されており」
「計画を途中で変更する事は極めて困難であるとミサカは説得します」
118 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/08/26(金) 21:07:14.25 ID:QS5Cfv830
彼女達がリレーして話すその様子に一方通行が舌打ち一つした後に了解の返事をする。
「分かった分かった、分かりましたよ。ちょっとからかっただけだっての」
それだけ言うと、つまらなそうに立去っていった。
「九九九五号から一○○○七号まではレールの撤去を」
「一○○○八号以降は……」
「何で!?」
二人のクローンが台詞を分割し他のクローン達へ指示をだす途中で、御坂の血を吐くような声が響いた。
「アンタ達は何なの?おかしいわよ!!何でこんな計画につきあってるの!?生きてるんでしょ!?命があるんでしょ!?アンタ達も!!あのこも!!」
しかしそんな御坂の問いかけに返されたのは、実に淡々としたものであった。
「ミサカは計画のために造られた模造品です」
「作り物の体に作り物の心」
「単価にして十八万円の」
「実験動物ですから」
その声が、複数人によるものなのか、一人が区切って言ったものなのか、御坂としんのすけの耳には、分からなかった。
119 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/08/26(金) 21:10:23.08 ID:QS5Cfv830
短いですが、今夜はここまで
その場にしんのすけが居合わせただけで、原作とほとんど変わりませんが
そのわずかな違いがバタフライエフェクトおこしたりするのがこのSSです
次回投下は一週間後です。
話は変わりますが、アニメのひろしの声の違和感がすごいですね
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:10:51.00 ID:qw5T/Kmxo
なるべくしんのすけの映画キャラと絶対にオリキャラは出すな
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:11:48.20 ID:qw5T/Kmxo
http://imgur.com/XMWTQD3.png
本当にヒドイ一撃だな
http://imgur.com/XMWTQD3.png
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:14:17.71 ID:rWjKIOOyo
>>121
[
ピーーー
]
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:21:22.34 ID:501eVlDvo
>>121
グロ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:36:30.41 ID:NEGamrXZO
エロ
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 22:01:01.24 ID:2EyOwfZdo
乙です
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/08/28(日) 00:48:09.08 ID:JU1NyR7o0
乙
実験に対する反応がしんのすけらしくて良いなあ
127 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:49:51.43 ID:cnnhvvXg0
1です、これから投下します。
>>120
オリキャラは出す予定はありませんが、未来パロという性質上クレしんサイドのキャラクターは半オリキャラといえるかもしれません。
映画キャラはこれからも多々出てくると思います。
>>126
そう言ってもらえてうれしいです
色んな事件を経験したしんのすけはこんな状況でも妙に冷静だと思います。
128 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:51:03.71 ID:cnnhvvXg0
「もう行こうよ、見てて気分の良いものじゃないでしょう」
しんのすけが御坂に声をかける。 シスターズ
二人のまわりでは御坂美琴のクローン『妹達』がつい先程まで行われていた一方通行との戦闘の形跡を消す作業をしていた。
「美琴ちゃん……話せる?」
御坂は答えない、心此処に在らずといった様子で、濁った眼で妹達を見ているだけだ。
「……ハア、やれやれだゾ」
129 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:52:56.30 ID:cnnhvvXg0
しんのすけは御坂のそばから離れ、作業中の妹達に近寄る。
彼女達は複数人がかりで磁力を操りコンテナを浮かしていた。
「さて、どうなるかな?」
しんのすけがポケットから一対の手袋を取り出し、手に着せながらつぶやく。
浮いたコンテナの下には、片足を失い、変わり果てた姿となった妹達の一人がいた。
血だまりに靴が汚れるのも気にせず、しんのすけは彼女の横に立つ。
そんな彼に、妹達の一人が言った。
「貴方にそこに立たれると、作業の妨げになります。とミサカは注意します」
「ごめんね、でも数秒だけだから」
そう言うとしんのすけはその場に屈み、赤黒く染まった常盤台中学の制服に手を伸ばした。
一瞬の光の後、彼の掌の先には少女が生前と変わらぬ姿で横たわっていた。
血に染まっていた制服は洗濯し干したてであるかのように、汚れの一つもなく綺麗で……
失った左足も生えその体にはわずかな傷すら無く、まして腐敗や欠損等在る筈も無い……
だが、それでも……彼女の死はくつがえらない。
「……やっぱダメか」
ポツリと言葉をこぼし、しんのすけは仰向けに眠る少女の手を胸の上に組み、まぶたを閉じる。
130 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:53:45.77 ID:cnnhvvXg0
「理解できません、その個体は既に死んでおりそのような行為は無意味です。とミサカは疑問をていします」
周囲に居た妹達の内の一人がしんのすけの行動の意味を問う。
そのような行為、とは肉体を治したことだろうか、それとも手やまぶたのことだろうか。
しかし、しんのすけは彼女の疑問には答えず、独り言のようにつぶやいた。
「へえ、『死』んでいる……ね、クローンの嬢ちゃんは今のあの子をそう表現するんだ……」
「なにか?」
「『機能停止』でも『行動不能』でも無く、お嬢ちゃん達は『死ぬ』んだね」
それだけ言うと、しんのすけは御坂を無理矢理引っ張るようにして彼女を連れ、その場を後にした。
131 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:55:16.72 ID:cnnhvvXg0
「あ、気が付いた?美琴ちゃん。というか正気に戻った?」
「……う」
翌朝、御坂が気付いた時、彼女はどこかのベンチの上に体育座りしていた。
「アンタ、ずっとそこに居たの?」
御坂は傍に立つしんのすけに尋ねた。
「あの状態の美琴ちゃんを置いてけないよ」
街中で眠っている女子中学生を放置してその場からいなくなれるほど、しんのすけは図太くない。
ましてや、相手が友人であればなおのことだ。
「で、昨日のこと覚えてる?」
しんのすけが御坂に訊く。
夢であって欲しかったとでも言うような、一瞬のためらいの後に御坂はうなずいた。
「じゃあ聞きたいんだけど、美琴ちゃんのクローン達はなんでアノ『一方通行』だっけ?と戦ってたの?」
「アンタは知ってるんじゃないの?」
「オラが知っているのは、量産計画が別のプロジェクトに流用されたって所まで」
「……『絶対能力者』を生み出そうとしているそうよ」
口にするのも忌々しいといった様子で、御坂が話し出した。
わたし
「『超電磁砲』を百二十八回殺せば『一方通行』はレべル6に進化するらしいわ」
「ああ、『クローン達との戦闘はオリジナルとの戦闘の代用』ってそういう意味か」
昨夜、一方通行が言っていた言葉を、しんのすけは思い出し納得する。
132 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:56:13.84 ID:cnnhvvXg0
「で、美琴ちゃんはこれからどうするの?」
「そうね、それは私も知りたいわね」
御坂としんのすけの会話に、三人目の声が加わる。
「布束先輩!?」
「久しぶりね。で、どうするつもり?」
「その前に、一つ訊かせて」
現れた布束砥信に、御坂がマネーカードの真意を問いかけた。
「アンタがマネーカードをバラ撒いてたのは実験を妨害する為だったんでしょう?」
「そうね」
「アンタは……なんであの子達を助けようと思ったの?」
「世界をね……まぶしいと言ったのよ」
その時を思い出しているのだろう、布束は視線をやや上に向け話す。
「外部研修に連れて行ったこがね、そう言ったの。我ながら単純だと思うけど、それからあの子達を作り物だと思えなくなったわ」
布束は視線をしんのすけ達に戻し、言った。
「私より彼女の方がずっと人間らしいと思ったから」
「私は……」
布束が話し終わり、御坂が先程の二人からの問いに答える。
「クローンを人間としてなんて見れないし、殺される事を受け入れている連中を助けようなんて思えない。でも……」
彼女は立ち上がり、宣言する。
「ひとのDNAマップをくだらない実験に使う奴らを、私は絶対に許さない」
御坂は何処かへと向け、歩き出す。
「自分で撒いた種だもの、自分の手で片を付けるわ」
「じゃ、オラはオラで勝手にするから、美琴ちゃんも頑張ってね」
去りゆく御坂の背中に、しんのすけが言う。
「あなたはどうするの?」
その場に二人が残され、布束はしんのすけに訊く。
「とりあえずは、『絶対能力進化』計画について調べてみるゾ、色々とおかしな所があるしね……あ、でも」
「でも?」
「まずはウチ帰って寝る、昨日は徹夜だったからね」
そう言ってしんのすけも自宅に帰るべくあるきだした。
(そういえば……アイツはどこまで知っているんだ?)
帰路の途中、しんのすけは思う。
自分に地雷の存在を警告したアイツは、この件に関わっているのだろうかと。
「あ、美琴ちゃんが無茶しないよう操祈ちゃんに連絡しとこっと」
スマホを取り出すと、新着メールがあったのでそちらを先に確認する。
差出人の名は『アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラ』といった。
「名前変わってるゾ!?」
おそらくそれは、昨日は『ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョセフド・シャトーぶりアンヌ』と名乗った人物からのメールだった。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 23:57:42.00 ID:eJ0tos860
おお!来てたか
そういえばしんちゃんが未来にいく映画の話のヒロインのたみこさんはくぎゅうだったな
もしアニェーゼと出会うことになったら彼女のことを思いだしてほしいな(声優的に)
134 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:58:13.89 ID:cnnhvvXg0
場面は変わり、『窓の無いビル』の一室、そこには帽子を目深に被りトレンチコートの襟で顔を隠した小柄な男と、2メートル程の身長を持つ少女の二人が居た。
「ほら、土産だ。食べていいぞ」
男は何かを少女に渡す。
「ありがとう、しんせつなぶたさん」
少女は男に礼を言い、手にしたソレを大きく開いた口に持っていく。
「ヤメロ・ワタシハスベテノニンゲンヲミチビキカンペキナセkA……AAAAA」
ソレが悲鳴を上げるのも気にとめず、少女は食事を進める。
その光景を見て、男は言った。
「情報を捕食する存在か、私のような『電子生命体』にとっては天敵だな……」
かつて秘書アプリと呼ばれていた者の末路を尻目に、男は葉巻の様に千歳飴を味わっていた。
135 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/09/02(金) 23:59:24.99 ID:cnnhvvXg0
今夜はここまでです。
続きはまた一週間期に。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 00:20:20.26 ID:AAwO7KyJo
だよなぁ
何故かミサカ達は道具、乱造品と自称、他称されつつ誰一人壊すと表現したことがない、みんなして[
ピーーー
]って表現するんだよなぁ
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 08:00:36.04 ID:aLC/cUXL0
ふむう
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 08:26:11.71 ID:J5HlicwAo
乙です
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/09/03(土) 16:48:37.58 ID:CP7wQRhG0
このしんちゃんの声優は誰が合うと思う?
矢島晶子さんと神奈延年(ランサー兄貴)はなんか違う気がするから緒方さんのイメージ
球磨川と狛枝みたいなのと同タイプだと思う(よくわからない恐ろしさ的に)
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 17:07:34.48 ID:AAwO7KyJo
>>139
間延びする台詞とキリッとしたセリフを使いこなせる人…うぅん
グリリバはイケボ過ぎて合わないし、関さんはゾが似合わない
阪口大助とか?
ボーちゃんはたどたどしさが無くなったからシカマルの人とか似合いそう
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 17:19:22.72 ID:jLSRa62Zo
いっそ矢島さんそのままというのも不気味で面白いけどね。矢島さんの真似した緒方さんというのもいいね
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 17:25:25.87 ID:v2kmHOf4O
SS最初期に球磨川さんのイメージとダブって緒方さんで再生されるってのを見たな
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/09/03(土) 19:18:55.99 ID:tVk+yRXq0
>>140
阪口大助はよしりんという……大人になってよしりんと似た(同じ)声になったしんちゃんの心境を考えるとなんかなぁ……
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 20:01:27.15 ID:3JPqKG6Yo
急にオティヌスとかだして何がしたかったのかわからん
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/05(月) 22:19:40.73 ID:EJp9pHa70
藤原啓治さんが心配だゾ
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/08(木) 20:46:25.24 ID:z8IBhIhAO
秘書アプリってホラー系の話に出てたやつか
こりゃ殴られウサギも出るか?
上条さんの右手で消してもすぐ復活しそうだけど
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/30(金) 14:32:37.03 ID:R6LU8yxi0
1週間以上経ってるが...大丈夫か?
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/30(金) 15:33:42.91 ID:njNgkpJuo
何時もの感じだと11月頭頃には来るだろうし平気でしょ
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/30(金) 15:55:27.76 ID:jpR2mg0eo
ここはじめてか?力抜けよ
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/17(月) 17:09:55.03 ID:Xa/PmrQN0
待ってるよー
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/26(水) 02:27:20.03 ID:iuHBqP6Y0
はよ!( ˙-˙ )
152 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:40:11.73 ID:kKbmWtA30
遅れてすみません。1です、これから投下します。
>>133
そういう描写は入れるつもりです。ちなみに大原ななこと神裂火織、酢乙女あいとローラ・スチュアートは中の人が同じです
>>136
彼ら(妹達自身も含め)も内心彼女達を『人間』だと思っているのかもしれません
『とある』の世界は
「なんで大多数の人間がそんなおかしな認識を(矛盾にも気付かず)しているんだ?」って謎は全部
「『アーキタイプコントローラー』です」って答えで説明がつくんですよね
>>139-143
矢島さんもトリコの二代目メルクとか(中性的な)成人男性の声もできるわけですし
映画『ホーム・アローン』の吹き替え和訳のショタボイスや、しんのすけもアニメ初期では今とはちょっと違う声だったりと、声色に幅のある人ですね
1的にはこのSSのしんのすけは変声期途中の逆に高くなる時期で、ふだんは『悪魔が憑りついていそうなショタボイス』で、時々原作アニメのしんのすけと同じ声や神奈ボイスになる
というどうでもいい裏設定がありますが
読者の皆様それぞれが思う声を脳内であてていただき、その全てが正解だと思っています
>>146
はい、その秘書アプリです。そしてこのSSでは原作19巻のターミネーターパロでの未来で世界を支配したコンピューターはコイツが進化した存在という設定です。
153 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:40:49.74 ID:kKbmWtA30
アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラと称する人物からのメールは、以下のものだった。
『会いに行きたいが今は忙しい。とりかかっている事が終えたら直ぐに会いに行く』
「……ふ〜ん。まあ、アイツにとっては十年ぶりのって言うか、初めてのシャバだからな」
やりたいことも色々あるだろう。それに会いに来る気が有るのなら、そうそう後ろめたいこともしないだろう。
そう思いしんのすけはスマホを仕舞おうとし、その途中でそもそも何のためにスマホを取り出したのか思い出した。
「あ、もしもし操祈ちゃん?」
154 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:42:06.55 ID:kKbmWtA30
とある研究所、そこに警備分野でのアドバイザーとして雇われている男『カイツ・ノックレーベン』はその日起こった事件の報告を受けていた。
学園都市内で幾つもの研究施設がたった一晩で破壊されたのだ。
まず品雨大学付属DNAマップ解析ラボ第T棟から第W棟は全焼並びに第X棟からも火の手が上がった。
その他にも磁気異常研ラボ、蘭学医療研究所、バイオ医研細胞研究所、動研思考能力研究所……計十六ヶ所もの施設が再起不能となった。
「あとは消化試合だけだというのニ……同じ『絶対能力進化』開発の対立グループか、あるいハ……」
犯人は何処の誰か、翌日には確定した。
新たに三ヶ所の施設が破壊されたのだが、その際に監視カメラも隔壁も襲撃者に対し意味をなさなかった。
そのことから、また前日のハッキングによる機材の爆破と合わせて、これらが個人で可能な能力者はただ一人のみであった。
勿論現時点ではそれをしめす物的証拠も無く、そうと思わせる為の対立グループの工作という可能性もありえる。
何より問題なのはカイツ達には、本当にその人物が犯人であった場合に対応できる戦力が無いことであった。
その後も謎の襲撃者による破壊活動は続き、残る研究施設がわずか二ヶ所となった頃、カイツは上層部に二つの意見を申請した。
一つは学園都市外部の施設への研究の引き継ぎ、もう一つは……
155 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:43:18.44 ID:kKbmWtA30
「製薬会社からの依頼〜?」
学園都市第四位の超能力者『原子崩し』【メルトダウナー】にして、暗部組織『アイテム』のリーダー『麦野沈理』は、仲介人からのいつもと少し違った話に疑問を持つ。
今までのアイテムの主な仕事は不穏分子の粛清や要人暗殺だ。
しかし今日、仲介人でありある意味直属の上司とも言える相手『電話の女』が持ってきた依頼は『謎の侵略者からの施設防衛戦』という、どこかのFPSシューティングゲームか何かのステージにでもありそうなものだった。
詳しい話を聞く前に、自分の他三名のアイテム構成員達に集まるよう声をかける。
その構成員達はと言えば『今の仕事』をこなしながら、海だのプールだの水着だのと女子トークをしている。
「はーい、お仕事中にだべらない。新しい依頼が来たわよ」
「それがさー、聞いてよ麦野。滝壺に彼氏ができたんだって」
お調子者のフレンダが麦野に話しかけてきた。
それを受けて、麦野も件の少女滝壷理后に確認する。
「彼氏?滝壺、わかっているとは思うけど……」
「うん、はまづらは暗部の人間じゃ無いし、巻き込むつもりも知らせるつもりも無いよ」
「良し、そこをわきまえているんなら、私から言うことは特にないわね」
「それで麦野、新しい依頼って?」
滝壺に彼氏ができたのは自分がセッティングした合コンがきっかけだと麦野に知られたく無い少女、絹旗最愛が話を戻す。
インベーダー
「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?詳しいことは今から皆で聞くから、ホラ全員車に乗った乗った」
156 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:44:49.77 ID:kKbmWtA30
仲介人から語られた内容は、以下のようなものだった。
三日前から学園都市内部の研究施設が幾つも破壊されている。
その手口から襲撃者は発電能力者と思われる。
依頼者は既に犯人を特定しているようだが、こちら(アイテム)はターゲットの身元の詮索をしてはならない。
他にもターゲットへの手出しはターゲットが施設内に侵入してからに限定するなど、理解しかねることも多く、フレンダが文句を言ったら仲介人から怒られてしまった。
「はあ、来るかわからない相手を待つだけってのも、結局退屈って訳よ」
今夜は襲撃を受けると予想される施設の片方、病理解析研究所。
フレンダはその床に寝そべり、多様な爆弾を仕込んだ特製ぬいぐるみ数十体に囲まれて愚痴をこぼしていた。
「施設はここを含めた二基、結局ギャラは侵入者をツブしたメンバーが半分持ってくんだから何とかこっちに……」
その時、コツコツと人の足音がフレンダの耳に聞こえてきた。
(キタキタキタぁ〜〜結局日頃の行いな訳よ!!)
彼女は喜々として侵入者の迎撃に向かった……その数十分後、襲撃者である御坂美琴の前に全身を痺れさせて倒れていた。
前もってはってあった罠は次々に突破された。
陶器爆弾の破片は標的に届く前に彼女の放った電撃に粉砕された。
スタングレネードで目と耳を一時的に麻痺させ、その隙に仕留めようとすれば電磁波で周囲を把握された。
気体爆薬『イグニス』で部屋を満たした、電撃を使うと誘爆するぞ。と言うハッタリも自身のウッカリから見抜かれた。
もはやフレンダは絶対絶滅のピンチであった。
157 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:45:36.88 ID:kKbmWtA30
(舌が痺れて!?)
御坂からの尋問に、素直に答えることで延命をはかったフレンダだったが、運悪くそれすら叶わなかった。
「そう、仲間は売れないって訳ね。そういうの嫌いじゃないけどね」
そんなフレンダの様子を勘違いした御坂が、言葉の途中で異変を察知し飛び退く。
その直後、フレンダと御坂の間を光線が通過していった。
壁を破ってなお全く衰えなかったソレは、部屋の反対側にも大穴を開けた。
「静かだからもう殺されちゃったかと思ったけど、危機一髪だったみたいねフレンダ」
破られた壁の向こうから、麦野沈理と滝壺理后が姿をあらわす。
(麦野ぉ〜!!)
フレンダは助かった事に安堵するが、続く麦野からの説教に身を小さくする。
「まったく、私らが合流するまでは足止めに徹しろって言っておいたのに、深追いした挙句返り討ちにあって捕まっちゃうなんて……」
ハア、と麦野はため息を一つつく。
「ギャラの配分、考え直さなきゃねー」
とどめの一言にうなだれるフレンダを滝壺が慰める。
「大丈夫だよフレンダ、私はそんなフレンダを応援してる」
「滝壺も甘やかさない、さっきの仕事中のおしゃべりもそうだけど、最近皆たるんできてるわよ。特にフレンダ」
彼氏ができたという滝壺に対しては特に言うことは無いと言っていた麦野だったが、他二名もそれを祝福している様子など『仕事中の暗部に似合わない温い雰囲気』には思うところがあるようだ。
「わかっているでしょうけど、この仕事が終わって帰る時にはちゃんと仕事道具の回収とか忘れずにね」
コクコクと、未だ痺れのとれていないフレンダがうなずいた。
「それで、アイツがインベーダーってことで良いのよね?」
麦野が御坂に顔を向けて言い、フレンダがまたうなずく。
今、二人の超能力者が、互いをそうとは知らずにぶつかり合おうとしていた。
158 :
>>1
◆aMcAOX32KD1b
[saga]:2016/11/02(水) 00:46:20.84 ID:kKbmWtA30
今回はここまで。
もうじき映画のDVD・BDが発売されますね
原作では無かったぬいぐるみやテープの回収を麦野がフレンダに呼びかけたのは
滝壺に彼氏ができたことによるバタフライエフェクトってやつです。
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/02(水) 01:34:17.27 ID:PogAMiqwo
おつおつ
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/02(水) 02:16:53.26 ID:SVcPxxBDo
インベーダー
>>「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?
ダークカブトムシとかご立派砲ジアとか出てきそう
おい誰かAIS乗れ!バリア貼れ!回復とっといてんじゃねーよlastwaveだぞ(錯乱)
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/02(水) 08:56:31.09 ID:wdp+if//o
乙です
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/07(月) 20:19:07.22 ID:EtEAFoyYo
二代目メルクは女性やで……(乙です)
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/08(火) 17:25:09.85 ID:vOZLPGir0
たったこれだけ笑
もうやる気ないだろ
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/08(火) 19:02:45.64 ID:/8XJRTcDo
煽りへたくそすぎ
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