野原しんのすけ(15)「歯を食いしばれサイジャク、オラのサイキョウはちょっと響くゾ」

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108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 21:47:02.34 ID:DukxnQPo0
だが断る
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 22:13:07.28 ID:5IiMeBDyo
>>108
警察だ!(JOJO語録誤用警察)
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 22:27:53.76 ID:D9wIp4v7O
ちんぽハラデイ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 19:09:13.70 ID:CdQ70cmKo
はよ書けやレス乞食
http://imgur.com/qdqZSqy.png

こんな狂乱ははやく終わらせてやる

http://imgur.com/qdqZSqy.png
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 19:53:08.63 ID:j4cEqps6o
>>111
グロ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 21:16:54.74 ID:NxSnebaIO
>>111
エロ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/25(木) 22:06:54.99 ID:+HgXNDdM0
幻コロ
115 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:04:37.88 ID:QS5Cfv830
お待たせしてすみません。
お久しぶりです。1です。
これから投下します。
>>98-99
作る理由がなさそうですし既に原作に北与野博士のデカウォーターがあるので
ただデカウォーターだと10数メートルなのに対してシンゴジラは100をこすそうですが
>>100-101>>103
しんのすけじゃなきゃ不可能な方法ですが、一応は『理屈在り』の方法を考えています
116 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:05:34.80 ID:QS5Cfv830
『一方通行』と名乗った少年に、しんのすけが戦いを止めるよう提案する。
 アクセラ
「一通さんね、とりあえず今夜はこれでオヒラキにしない?」

「あァン?」

一方通行にとって、しんのすけは突如現れた怪しげな乱入者だ。
御坂を守った事から、次はコイツが自分の相手をするのかと思っていた。
しかし実際に出てきた言葉は余りに予想外のものであった。
虚を突かれた一方通行に、しんのすけが続けた。

「ここでクローンと戦ってたみたいだけど、この娘はちょっと違くてさ……ならなんで襲ったのって言われたら、オラにはわかんないけど……まあとにかく、見逃してくれない?」

『ちょっと違う』と言うしんのすけの台詞に、一方通行が応える。

「あァ、やっぱりなァ。途中で気付いたぜ……ソイツ、オリジナルだろ?」

「そうそう、だから……」
                オリジナル
「けどなァ、アイツらとの戦闘は超電磁砲との戦闘の代用だ……」
117 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:06:22.94 ID:QS5Cfv830
しんのすけの言葉を遮り、一方通行は言葉を続けた。
        ソイツ  や
「ってェことは御坂美琴と戦ればこのダリィ作業もグッと短縮できるンじゃねぇか?」

「わーお、まさかのやる気満々?」

一方通行が足を一歩前に踏み出し、しんのすけが御坂をかばうように彼女の前に立ち、戦太刀を構える。

「お待ち下さい」

一触即発の空気の中、待ったをかけたのは一方通行でもしんのすけでも、御坂のものでもない、複数の声であった。

「計画外の戦闘は予測演算に誤差を生じるおそれがあります。とミサカは警告します」

御坂としんのすけが後ろを振り向き、声の主を確認する。

「……こんなにたくさん?」

しんのすけの呆れとも驚きともつかないこえが漏れる。
そこには三十は居ようかというほどの第人数のクローン達が並んでいた。
                レべル5
「特にお姉さまとそちらの男性は、超能力者ですので」
「戦闘により生じる歪みは」
「非常に大きく」
「期間の短縮はおろか」
「計画が破綻するおそれがあります」
「またミサカには今後予定されている実験に合わせた」
「チューニングが」
「施されており」
「計画を途中で変更する事は極めて困難であるとミサカは説得します」
118 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:07:14.25 ID:QS5Cfv830
彼女達がリレーして話すその様子に一方通行が舌打ち一つした後に了解の返事をする。

「分かった分かった、分かりましたよ。ちょっとからかっただけだっての」

それだけ言うと、つまらなそうに立去っていった。

「九九九五号から一○○○七号まではレールの撤去を」

「一○○○八号以降は……」

「何で!?」

二人のクローンが台詞を分割し他のクローン達へ指示をだす途中で、御坂の血を吐くような声が響いた。

「アンタ達は何なの?おかしいわよ!!何でこんな計画につきあってるの!?生きてるんでしょ!?命があるんでしょ!?アンタ達も!!あのこも!!」

しかしそんな御坂の問いかけに返されたのは、実に淡々としたものであった。

「ミサカは計画のために造られた模造品です」
「作り物の体に作り物の心」
「単価にして十八万円の」
「実験動物ですから」

その声が、複数人によるものなのか、一人が区切って言ったものなのか、御坂としんのすけの耳には、分からなかった。
119 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/08/26(金) 21:10:23.08 ID:QS5Cfv830
短いですが、今夜はここまで
その場にしんのすけが居合わせただけで、原作とほとんど変わりませんが
そのわずかな違いがバタフライエフェクトおこしたりするのがこのSSです
次回投下は一週間後です。

話は変わりますが、アニメのひろしの声の違和感がすごいですね
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:10:51.00 ID:qw5T/Kmxo
なるべくしんのすけの映画キャラと絶対にオリキャラは出すな
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:11:48.20 ID:qw5T/Kmxo
http://imgur.com/XMWTQD3.png
本当にヒドイ一撃だな


http://imgur.com/XMWTQD3.png
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:14:17.71 ID:rWjKIOOyo
>>121
[ピーーー]
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:21:22.34 ID:501eVlDvo
>>121
グロ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 21:36:30.41 ID:NEGamrXZO
エロ
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 22:01:01.24 ID:2EyOwfZdo
乙です
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/28(日) 00:48:09.08 ID:JU1NyR7o0

実験に対する反応がしんのすけらしくて良いなあ
127 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:49:51.43 ID:cnnhvvXg0
1です、これから投下します。
>>120
オリキャラは出す予定はありませんが、未来パロという性質上クレしんサイドのキャラクターは半オリキャラといえるかもしれません。
映画キャラはこれからも多々出てくると思います。
>>126
そう言ってもらえてうれしいです
色んな事件を経験したしんのすけはこんな状況でも妙に冷静だと思います。
128 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:51:03.71 ID:cnnhvvXg0
「もう行こうよ、見てて気分の良いものじゃないでしょう」

しんのすけが御坂に声をかける。   シスターズ
二人のまわりでは御坂美琴のクローン『妹達』がつい先程まで行われていた一方通行との戦闘の形跡を消す作業をしていた。

「美琴ちゃん……話せる?」

御坂は答えない、心此処に在らずといった様子で、濁った眼で妹達を見ているだけだ。

「……ハア、やれやれだゾ」
129 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:52:56.30 ID:cnnhvvXg0
しんのすけは御坂のそばから離れ、作業中の妹達に近寄る。
彼女達は複数人がかりで磁力を操りコンテナを浮かしていた。

「さて、どうなるかな?」
しんのすけがポケットから一対の手袋を取り出し、手に着せながらつぶやく。
浮いたコンテナの下には、片足を失い、変わり果てた姿となった妹達の一人がいた。
血だまりに靴が汚れるのも気にせず、しんのすけは彼女の横に立つ。
そんな彼に、妹達の一人が言った。

「貴方にそこに立たれると、作業の妨げになります。とミサカは注意します」

「ごめんね、でも数秒だけだから」

そう言うとしんのすけはその場に屈み、赤黒く染まった常盤台中学の制服に手を伸ばした。
一瞬の光の後、彼の掌の先には少女が生前と変わらぬ姿で横たわっていた。
血に染まっていた制服は洗濯し干したてであるかのように、汚れの一つもなく綺麗で……
失った左足も生えその体にはわずかな傷すら無く、まして腐敗や欠損等在る筈も無い……
だが、それでも……彼女の死はくつがえらない。

「……やっぱダメか」

ポツリと言葉をこぼし、しんのすけは仰向けに眠る少女の手を胸の上に組み、まぶたを閉じる。
130 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:53:45.77 ID:cnnhvvXg0
「理解できません、その個体は既に死んでおりそのような行為は無意味です。とミサカは疑問をていします」

周囲に居た妹達の内の一人がしんのすけの行動の意味を問う。
そのような行為、とは肉体を治したことだろうか、それとも手やまぶたのことだろうか。
しかし、しんのすけは彼女の疑問には答えず、独り言のようにつぶやいた。

「へえ、『死』んでいる……ね、クローンの嬢ちゃんは今のあの子をそう表現するんだ……」

「なにか?」

「『機能停止』でも『行動不能』でも無く、お嬢ちゃん達は『死ぬ』んだね」

それだけ言うと、しんのすけは御坂を無理矢理引っ張るようにして彼女を連れ、その場を後にした。
131 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:55:16.72 ID:cnnhvvXg0
「あ、気が付いた?美琴ちゃん。というか正気に戻った?」

「……う」

翌朝、御坂が気付いた時、彼女はどこかのベンチの上に体育座りしていた。

「アンタ、ずっとそこに居たの?」

御坂は傍に立つしんのすけに尋ねた。

「あの状態の美琴ちゃんを置いてけないよ」

街中で眠っている女子中学生を放置してその場からいなくなれるほど、しんのすけは図太くない。
ましてや、相手が友人であればなおのことだ。

「で、昨日のこと覚えてる?」

しんのすけが御坂に訊く。
夢であって欲しかったとでも言うような、一瞬のためらいの後に御坂はうなずいた。

「じゃあ聞きたいんだけど、美琴ちゃんのクローン達はなんでアノ『一方通行』だっけ?と戦ってたの?」

「アンタは知ってるんじゃないの?」

「オラが知っているのは、量産計画が別のプロジェクトに流用されたって所まで」

「……『絶対能力者』を生み出そうとしているそうよ」

口にするのも忌々しいといった様子で、御坂が話し出した。
  わたし
「『超電磁砲』を百二十八回殺せば『一方通行』はレべル6に進化するらしいわ」

「ああ、『クローン達との戦闘はオリジナルとの戦闘の代用』ってそういう意味か」

昨夜、一方通行が言っていた言葉を、しんのすけは思い出し納得する。
132 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:56:13.84 ID:cnnhvvXg0
「で、美琴ちゃんはこれからどうするの?」

「そうね、それは私も知りたいわね」

御坂としんのすけの会話に、三人目の声が加わる。

「布束先輩!?」

「久しぶりね。で、どうするつもり?」

「その前に、一つ訊かせて」

現れた布束砥信に、御坂がマネーカードの真意を問いかけた。

「アンタがマネーカードをバラ撒いてたのは実験を妨害する為だったんでしょう?」

「そうね」

「アンタは……なんであの子達を助けようと思ったの?」

「世界をね……まぶしいと言ったのよ」

その時を思い出しているのだろう、布束は視線をやや上に向け話す。

「外部研修に連れて行ったこがね、そう言ったの。我ながら単純だと思うけど、それからあの子達を作り物だと思えなくなったわ」

布束は視線をしんのすけ達に戻し、言った。

「私より彼女の方がずっと人間らしいと思ったから」

「私は……」

布束が話し終わり、御坂が先程の二人からの問いに答える。

「クローンを人間としてなんて見れないし、殺される事を受け入れている連中を助けようなんて思えない。でも……」

彼女は立ち上がり、宣言する。

「ひとのDNAマップをくだらない実験に使う奴らを、私は絶対に許さない」

御坂は何処かへと向け、歩き出す。

「自分で撒いた種だもの、自分の手で片を付けるわ」

「じゃ、オラはオラで勝手にするから、美琴ちゃんも頑張ってね」

去りゆく御坂の背中に、しんのすけが言う。

「あなたはどうするの?」

その場に二人が残され、布束はしんのすけに訊く。

「とりあえずは、『絶対能力進化』計画について調べてみるゾ、色々とおかしな所があるしね……あ、でも」

「でも?」

「まずはウチ帰って寝る、昨日は徹夜だったからね」

そう言ってしんのすけも自宅に帰るべくあるきだした。

(そういえば……アイツはどこまで知っているんだ?)

帰路の途中、しんのすけは思う。
自分に地雷の存在を警告したアイツは、この件に関わっているのだろうかと。

「あ、美琴ちゃんが無茶しないよう操祈ちゃんに連絡しとこっと」

スマホを取り出すと、新着メールがあったのでそちらを先に確認する。
差出人の名は『アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラ』といった。

「名前変わってるゾ!?」

おそらくそれは、昨日は『ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョセフド・シャトーぶりアンヌ』と名乗った人物からのメールだった。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/02(金) 23:57:42.00 ID:eJ0tos860
おお!来てたか
そういえばしんちゃんが未来にいく映画の話のヒロインのたみこさんはくぎゅうだったな
もしアニェーゼと出会うことになったら彼女のことを思いだしてほしいな(声優的に)

134 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:58:13.89 ID:cnnhvvXg0
場面は変わり、『窓の無いビル』の一室、そこには帽子を目深に被りトレンチコートの襟で顔を隠した小柄な男と、2メートル程の身長を持つ少女の二人が居た。

「ほら、土産だ。食べていいぞ」

男は何かを少女に渡す。

「ありがとう、しんせつなぶたさん」

少女は男に礼を言い、手にしたソレを大きく開いた口に持っていく。

「ヤメロ・ワタシハスベテノニンゲンヲミチビキカンペキナセkA……AAAAA」

ソレが悲鳴を上げるのも気にとめず、少女は食事を進める。
その光景を見て、男は言った。

「情報を捕食する存在か、私のような『電子生命体』にとっては天敵だな……」

かつて秘書アプリと呼ばれていた者の末路を尻目に、男は葉巻の様に千歳飴を味わっていた。
135 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/09/02(金) 23:59:24.99 ID:cnnhvvXg0
今夜はここまでです。
続きはまた一週間期に。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 00:20:20.26 ID:AAwO7KyJo
だよなぁ

何故かミサカ達は道具、乱造品と自称、他称されつつ誰一人壊すと表現したことがない、みんなして[ピーーー]って表現するんだよなぁ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 08:00:36.04 ID:aLC/cUXL0
ふむう
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 08:26:11.71 ID:J5HlicwAo
乙です
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/03(土) 16:48:37.58 ID:CP7wQRhG0
このしんちゃんの声優は誰が合うと思う?
矢島晶子さんと神奈延年(ランサー兄貴)はなんか違う気がするから緒方さんのイメージ
球磨川と狛枝みたいなのと同タイプだと思う(よくわからない恐ろしさ的に)
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:07:34.48 ID:AAwO7KyJo
>>139
間延びする台詞とキリッとしたセリフを使いこなせる人…うぅん
グリリバはイケボ過ぎて合わないし、関さんはゾが似合わない
阪口大助とか?

ボーちゃんはたどたどしさが無くなったからシカマルの人とか似合いそう
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:19:22.72 ID:jLSRa62Zo
いっそ矢島さんそのままというのも不気味で面白いけどね。矢島さんの真似した緒方さんというのもいいね
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 17:25:25.87 ID:v2kmHOf4O
SS最初期に球磨川さんのイメージとダブって緒方さんで再生されるってのを見たな
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/03(土) 19:18:55.99 ID:tVk+yRXq0
>>140
阪口大助はよしりんという……大人になってよしりんと似た(同じ)声になったしんちゃんの心境を考えるとなんかなぁ……
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 20:01:27.15 ID:3JPqKG6Yo
急にオティヌスとかだして何がしたかったのかわからん
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/05(月) 22:19:40.73 ID:EJp9pHa70
藤原啓治さんが心配だゾ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/08(木) 20:46:25.24 ID:z8IBhIhAO
秘書アプリってホラー系の話に出てたやつか
こりゃ殴られウサギも出るか?
上条さんの右手で消してもすぐ復活しそうだけど
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 14:32:37.03 ID:R6LU8yxi0
1週間以上経ってるが...大丈夫か?
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 15:33:42.91 ID:njNgkpJuo
何時もの感じだと11月頭頃には来るだろうし平気でしょ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/30(金) 15:55:27.76 ID:jpR2mg0eo
ここはじめてか?力抜けよ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 17:09:55.03 ID:Xa/PmrQN0
待ってるよー
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/26(水) 02:27:20.03 ID:iuHBqP6Y0
はよ!( ˙-˙ )
152 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:40:11.73 ID:kKbmWtA30
遅れてすみません。1です、これから投下します。
>>133
そういう描写は入れるつもりです。ちなみに大原ななこと神裂火織、酢乙女あいとローラ・スチュアートは中の人が同じです
>>136
彼ら(妹達自身も含め)も内心彼女達を『人間』だと思っているのかもしれません
『とある』の世界は
「なんで大多数の人間がそんなおかしな認識を(矛盾にも気付かず)しているんだ?」って謎は全部
「『アーキタイプコントローラー』です」って答えで説明がつくんですよね
>>139-143
矢島さんもトリコの二代目メルクとか(中性的な)成人男性の声もできるわけですし
映画『ホーム・アローン』の吹き替え和訳のショタボイスや、しんのすけもアニメ初期では今とはちょっと違う声だったりと、声色に幅のある人ですね
1的にはこのSSのしんのすけは変声期途中の逆に高くなる時期で、ふだんは『悪魔が憑りついていそうなショタボイス』で、時々原作アニメのしんのすけと同じ声や神奈ボイスになる
というどうでもいい裏設定がありますが
読者の皆様それぞれが思う声を脳内であてていただき、その全てが正解だと思っています
>>146
はい、その秘書アプリです。そしてこのSSでは原作19巻のターミネーターパロでの未来で世界を支配したコンピューターはコイツが進化した存在という設定です。
153 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:40:49.74 ID:kKbmWtA30
アレッサンドロ・フランチェスカ・デ・ニコラと称する人物からのメールは、以下のものだった。

『会いに行きたいが今は忙しい。とりかかっている事が終えたら直ぐに会いに行く』

「……ふ〜ん。まあ、アイツにとっては十年ぶりのって言うか、初めてのシャバだからな」

やりたいことも色々あるだろう。それに会いに来る気が有るのなら、そうそう後ろめたいこともしないだろう。
そう思いしんのすけはスマホを仕舞おうとし、その途中でそもそも何のためにスマホを取り出したのか思い出した。

「あ、もしもし操祈ちゃん?」
154 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:42:06.55 ID:kKbmWtA30
とある研究所、そこに警備分野でのアドバイザーとして雇われている男『カイツ・ノックレーベン』はその日起こった事件の報告を受けていた。
学園都市内で幾つもの研究施設がたった一晩で破壊されたのだ。
まず品雨大学付属DNAマップ解析ラボ第T棟から第W棟は全焼並びに第X棟からも火の手が上がった。
その他にも磁気異常研ラボ、蘭学医療研究所、バイオ医研細胞研究所、動研思考能力研究所……計十六ヶ所もの施設が再起不能となった。

「あとは消化試合だけだというのニ……同じ『絶対能力進化』開発の対立グループか、あるいハ……」

犯人は何処の誰か、翌日には確定した。
新たに三ヶ所の施設が破壊されたのだが、その際に監視カメラも隔壁も襲撃者に対し意味をなさなかった。
そのことから、また前日のハッキングによる機材の爆破と合わせて、これらが個人で可能な能力者はただ一人のみであった。
勿論現時点ではそれをしめす物的証拠も無く、そうと思わせる為の対立グループの工作という可能性もありえる。
何より問題なのはカイツ達には、本当にその人物が犯人であった場合に対応できる戦力が無いことであった。
その後も謎の襲撃者による破壊活動は続き、残る研究施設がわずか二ヶ所となった頃、カイツは上層部に二つの意見を申請した。
一つは学園都市外部の施設への研究の引き継ぎ、もう一つは……
155 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:43:18.44 ID:kKbmWtA30
「製薬会社からの依頼〜?」

学園都市第四位の超能力者『原子崩し』【メルトダウナー】にして、暗部組織『アイテム』のリーダー『麦野沈理』は、仲介人からのいつもと少し違った話に疑問を持つ。
今までのアイテムの主な仕事は不穏分子の粛清や要人暗殺だ。
しかし今日、仲介人でありある意味直属の上司とも言える相手『電話の女』が持ってきた依頼は『謎の侵略者からの施設防衛戦』という、どこかのFPSシューティングゲームか何かのステージにでもありそうなものだった。
詳しい話を聞く前に、自分の他三名のアイテム構成員達に集まるよう声をかける。
その構成員達はと言えば『今の仕事』をこなしながら、海だのプールだの水着だのと女子トークをしている。

「はーい、お仕事中にだべらない。新しい依頼が来たわよ」

「それがさー、聞いてよ麦野。滝壺に彼氏ができたんだって」

お調子者のフレンダが麦野に話しかけてきた。
それを受けて、麦野も件の少女滝壷理后に確認する。

「彼氏?滝壺、わかっているとは思うけど……」

「うん、はまづらは暗部の人間じゃ無いし、巻き込むつもりも知らせるつもりも無いよ」

「良し、そこをわきまえているんなら、私から言うことは特にないわね」

「それで麦野、新しい依頼って?」

滝壺に彼氏ができたのは自分がセッティングした合コンがきっかけだと麦野に知られたく無い少女、絹旗最愛が話を戻す。
   インベーダー
「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?詳しいことは今から皆で聞くから、ホラ全員車に乗った乗った」
156 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:44:49.77 ID:kKbmWtA30
仲介人から語られた内容は、以下のようなものだった。
三日前から学園都市内部の研究施設が幾つも破壊されている。
その手口から襲撃者は発電能力者と思われる。
依頼者は既に犯人を特定しているようだが、こちら(アイテム)はターゲットの身元の詮索をしてはならない。
他にもターゲットへの手出しはターゲットが施設内に侵入してからに限定するなど、理解しかねることも多く、フレンダが文句を言ったら仲介人から怒られてしまった。

「はあ、来るかわからない相手を待つだけってのも、結局退屈って訳よ」

今夜は襲撃を受けると予想される施設の片方、病理解析研究所。
フレンダはその床に寝そべり、多様な爆弾を仕込んだ特製ぬいぐるみ数十体に囲まれて愚痴をこぼしていた。

「施設はここを含めた二基、結局ギャラは侵入者をツブしたメンバーが半分持ってくんだから何とかこっちに……」

その時、コツコツと人の足音がフレンダの耳に聞こえてきた。

(キタキタキタぁ〜〜結局日頃の行いな訳よ!!)

彼女は喜々として侵入者の迎撃に向かった……その数十分後、襲撃者である御坂美琴の前に全身を痺れさせて倒れていた。
前もってはってあった罠は次々に突破された。
陶器爆弾の破片は標的に届く前に彼女の放った電撃に粉砕された。
スタングレネードで目と耳を一時的に麻痺させ、その隙に仕留めようとすれば電磁波で周囲を把握された。
気体爆薬『イグニス』で部屋を満たした、電撃を使うと誘爆するぞ。と言うハッタリも自身のウッカリから見抜かれた。
もはやフレンダは絶対絶滅のピンチであった。
157 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:45:36.88 ID:kKbmWtA30
(舌が痺れて!?)

御坂からの尋問に、素直に答えることで延命をはかったフレンダだったが、運悪くそれすら叶わなかった。

「そう、仲間は売れないって訳ね。そういうの嫌いじゃないけどね」

そんなフレンダの様子を勘違いした御坂が、言葉の途中で異変を察知し飛び退く。
その直後、フレンダと御坂の間を光線が通過していった。
壁を破ってなお全く衰えなかったソレは、部屋の反対側にも大穴を開けた。

「静かだからもう殺されちゃったかと思ったけど、危機一髪だったみたいねフレンダ」

破られた壁の向こうから、麦野沈理と滝壺理后が姿をあらわす。

(麦野ぉ〜!!)

フレンダは助かった事に安堵するが、続く麦野からの説教に身を小さくする。

「まったく、私らが合流するまでは足止めに徹しろって言っておいたのに、深追いした挙句返り討ちにあって捕まっちゃうなんて……」

ハア、と麦野はため息を一つつく。

「ギャラの配分、考え直さなきゃねー」

とどめの一言にうなだれるフレンダを滝壺が慰める。

「大丈夫だよフレンダ、私はそんなフレンダを応援してる」

「滝壺も甘やかさない、さっきの仕事中のおしゃべりもそうだけど、最近皆たるんできてるわよ。特にフレンダ」

彼氏ができたという滝壺に対しては特に言うことは無いと言っていた麦野だったが、他二名もそれを祝福している様子など『仕事中の暗部に似合わない温い雰囲気』には思うところがあるようだ。

「わかっているでしょうけど、この仕事が終わって帰る時にはちゃんと仕事道具の回収とか忘れずにね」

コクコクと、未だ痺れのとれていないフレンダがうなずいた。

「それで、アイツがインベーダーってことで良いのよね?」

麦野が御坂に顔を向けて言い、フレンダがまたうなずく。
今、二人の超能力者が、互いをそうとは知らずにぶつかり合おうとしていた。
158 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2016/11/02(水) 00:46:20.84 ID:kKbmWtA30
今回はここまで。
もうじき映画のDVD・BDが発売されますね

原作では無かったぬいぐるみやテープの回収を麦野がフレンダに呼びかけたのは
滝壺に彼氏ができたことによるバタフライエフェクトってやつです。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 01:34:17.27 ID:PogAMiqwo
おつおつ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 02:16:53.26 ID:SVcPxxBDo
   インベーダー
>>「謎の侵略者からの施設防衛戦……らしいわよ?

ダークカブトムシとかご立派砲ジアとか出てきそう
おい誰かAIS乗れ!バリア貼れ!回復とっといてんじゃねーよlastwaveだぞ(錯乱)
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 08:56:31.09 ID:wdp+if//o
乙です
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 20:19:07.22 ID:EtEAFoyYo
二代目メルクは女性やで……(乙です)
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 17:25:09.85 ID:vOZLPGir0
たったこれだけ笑
もうやる気ないだろ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 19:02:45.64 ID:/8XJRTcDo
煽りへたくそすぎ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/08(火) 20:30:07.77 ID:+zqgTBSeO
>>164
下手くそ
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 17:08:24.04 ID:k7L2YuXE0
保守
禁書三期決定してくれないかなぁ。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/27(日) 18:01:02.41 ID:xtGYwndjo
>>166
あれ以降クッソ背景とか設定がややこしくなるしアニメでそれを説明しろっつーのも酷だからいっそこのまま廃れればよろしい

レールガンの方も旭日旗の表現そのままだとうるさい連中が居るし、かといって修正したらファンの不興を買うし
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/22(木) 22:57:09.45 ID:Zx1Dc/AS0
>>167 同意。
ただまぁ、近木野漫画版禁書目録は期待してる。浦上(上条さんに液体ぶっかけられたポニテの子)の出番がアニメよりも増えて嬉しかったし。
まだ一方さんが木原くゥゥゥンとやりあって黒翼出してないとこだけど、そのまま続いてレッサーとオッティーが動いてくれるなら俺は満足。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 03:58:17.72 ID:RR7RjlgAo
そういや漫画レールガン見る限りムサシノ牛乳じゃない真の巨乳御手は存在する感じです?それも一般JCJKが再現できる程度のお手軽制作で
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 21:54:40.25 ID:snyKO9XA0
ところでこぶしウェーブって今のしんのすけにも効くんだろうか
こぶしと同様の技法は世界中にあるそうだからステイルとかにも普通に効きそうだけど
171 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:47:29.94 ID:BvXHWMOq0
あけましておめでとうございます、1です。これから投下します。
>>162
まあそうなんですけど、コマツは全く疑っていなかったので
>>169
或いは本当にムサシノ牛乳こそが巨乳御手で、あのオーバーオールの娘さんは常飲するようになって結果が表れたということなのかもしれません。
これなら普通の学生にも巨乳御手の恩恵があることの説明にもなりますし
>>170
ロボとーちゃんのですか?しんのすけは勿論アレイスターにも効くと思います
172 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:48:12.95 ID:BvXHWMOq0
麦野沈理と滝壺理后、敵に二人の加勢が来て以降、御坂は苦戦をしいられていた。
相手がフレンダ・セイヴェルン一人であった時から一転してのピンチであった。

「くそっ……やっぱりコッチの位置がばれてる」

御坂は今、戦闘よりも本来の目的である施設破壊を優先するべく、敵に背を向け走っていた。

「読心能力か透視能力か知らないけど……あの時感じたヤバさはこれか」

麦野が何かを滝壺に渡し、滝壺が自身の手の甲に落とした粉末状のソレを舐めとってから、彼女の雰囲気が変わった。
その様子に何か危険なものを感じ取った御坂は、三対一は分が悪いと判断して走り出した。
しかし御坂は連中が追って来ても各個撃破できるように、あるいはルートを読まれて先回りされないようにとランダムで迂回して移動していたというのにもかかわらず、ソレは真っすぐに御坂めがけて飛んできた。
173 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:48:50.43 ID:BvXHWMOq0

「ひゃ〜相変わらずスッゴイわ、壁も天井も関係なし!!」

フレンダは麦野の能力によって破壊された痕を見ながら感想を述べる。
未だ痺れがとれないために口の中でつぶやくだけだったが、そんな素直な感想は十分に麦野沈理の持つ能力の凶悪さを物語っていた。
学園都市超能力者第四位『原子崩し』【メルトダウナー】それは電子を粒子でも波形でも無い『曖昧な状態』に固定するというものだ。
簡単に言えば麦野沈理は、あらゆる物を粉砕する砲弾を放つ事も、あらゆる物を遮断する壁を創り出す事も可能だ。

「かわされた、対象の信号は消えてない」

加えて、滝壺理后の持つ『能力追跡』【AIMストーカー】は、一度対象者のAIMを記憶すれば例え地球の裏側まで距離が離れてもその位置を把握できる。
今はまだ意図的に能力を暴走させた状態でしか、そこまで高い性能は発揮できないがそれは『アイテム』での活動においては問題にはならない。

「チッ、立体的に動き回る相手は面倒ね。ま、逃がさないように追い込んでいきましょ」

「滝壺が標的の居る場所を麦野に知らせて、麦野が『原子崩し』で間にある遮蔽物ごと粉砕するこの連携は無敵って訳よ」

フレンダは勝利を確信しながら、御坂の後を追う二人に続く。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 23:48:58.37 ID:KC12wOGe0
あけおめーーー!!やったー!!
175 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:49:44.23 ID:BvXHWMOq0
「しまっ……避けられない!?」

御坂がフレンダの仕掛けた爆弾から回避するために空中に飛んでいる隙をついた原子崩しの砲撃に対し、とっさに腕をのばし能力を使用する。

「やっぱり……」

そのビーム状の砲弾は御坂の腕の前で急に軌道を変え、彼女の背後の壁に当たった。

「自分から試す気にはなれなかったけど、アイツの能力は根っこの所では私と同種のもの」

『曖昧な状態』だろうとも電子は電子なのだから電撃使いはそれに干渉出来るということなのだろうか。
詳しいことまでは判らないが、確かなことはこれで砲撃は気をつけていれば直撃しないということだ。

「私の『原子崩しを曲げた』……!?」

一方の麦野は数秒の間、たった今しがた自分の目の前で起こった事が信じられなかった。
だが、彼女疑問は直ぐに確信と納得へと変わる。
176 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:50:39.71 ID:BvXHWMOq0
「プッ、フフ……なるほどね」

薄く笑みを浮かべた麦野は、表情を引き締めるとフレンダと滝壺に自分一人を置いて撤収するように指示を出した。
能力を暴走させての長時間行使は滝壺の身体に負担を強いる、今既に膝をついている彼女は限界に近いと見ていいだろう。
更にフレンダも先の戦闘でのダメージが抜けておらず、標的が攻勢に転じた場合に麦野一人で他二人を守り切るのは難しい。
個人的に別の理由もあったが、そう判断してのことだった。

「ごめんね、足引っぱって……」

謝るフレンダに、麦野はしかし礼を言う。

「別に責めてやしないわよ。むしろよくやってくれたわ、二人のお陰で相手は虫の息だしね」

その場に二人を残し、一人麦野は御坂を追い奥の部屋へと進む。

(アイツがここまで逃げ回っているってのに撤退しないのは、無理してでもここを破壊したい理由があるからだ。なら、目的地で待ち構えていれば奴は必ず現れるはず……)

獰猛な笑みを麦野は浮かべる。

「なあそうだろ?学園都市第三位……『超電磁砲』!!」

二人を先に帰らせた『個人的なもう一つの理由』それは自身より格上とされる超能力者を一対一で破ることで『順位の否定』を、そして本人は認めないだろうが『劣等感の克服』であった。
177 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:51:17.82 ID:BvXHWMOq0
「あれから追撃がなくなって気になってたけど、待ち伏せされたか」

御坂が目的地とする部屋の前で、麦野は腕を組み背を柱に預けて堂々と立っていた。

「こっちに策は無いし、あの二人が見えないのも気になるけど……ここを避けてもあの部屋には行けない」

御坂が麦野の前に姿を現す。

「やーっと来たか」

「他の二人は?」

「帰したわ、アンタとはサシで勝負したいしね『超電磁砲』」

(バレてたか……)

正体が、つまり能力が相手に知られているということは能力者同士の戦闘において大きな不利となる。
しかし御坂も、先程までの逃走劇の中で相手の能力はある程度は把握出来ていた。

(コイツの能力は弾幕を張るタイプじゃない、なら……)

誘いの一手として、御坂は麦野に向け電撃を放つ。
それは御坂の予想通りに難なくそらされる。

「わっかんねえかな!?コッチもお前の能力に干渉できんだよ!!」

お返しとばかりに、今度は麦野が御坂に向け『原子崩し』による砲撃を放つ。

(ここだっ!!)

今までの麦野からの攻撃に連射はせいぜい最大5連発、それも数が増えればその分正確さが失われていた。
故に御坂が取った行動は、『一発デカいのを撃たせてその隙に近付きしとめる』である。
施設破壊の為に温存する分を考えれば、そう何度も相手のビームを曲げてもいられない。更に空中放電である『電撃の槍』より直接相手に触れて電気を流す方が体力を消費せずにすむ。
そう考え走り出した御坂の選択は、概ね正しかった。
178 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:52:52.51 ID:BvXHWMOq0

「あがッ、ぐッ……うぇッ」

腹を蹴り飛ばされ、御坂は床に転がる。
彼女の選択に誤りがあったとしたら、それは相手を麦野沈理と知らなかったこと。
そして麦野は超能力者達の中で、能力による強化無しでのフィジカル面において一位二位を取るであろう肉体性能を持つ人物だったことだ。

「ほら立てよ、もうおねんねか?」

えづき、咳き込む御坂を麦野は挑発する。

「くっ……今度こそ」

「それと、私の能力が弾幕を張れねぇって思ってるなら大間違いだ」

麦野が、服のポケットから数枚のカードを取り出す。
そしてその内の一枚を放り投げるとソレを撃ち抜くようにビームを放った。

「な!?」

カードを通り抜けた一本のビームは拡散して十数本のビームとなった。
御坂は慌てて自分に向かう数本のビームをそらす。
  シリコンバーン
「『拡散支援半導体』ってんだ。弱点を補うのは当然だ……『アイテム』を舐めるなよクソガキ」

カードを手にした手を、銃口のように御坂に突き付けて麦野は言う。

「悪いがゲームセットだ」

その時、御坂には聞きなれた二人の声が、その場に響いた。

「あらぁ、助っ人の登場シーンでイイ感じにピンチなんて、御坂さんもなかなかヒロイン力が高いわねぇ」

「あら、それを言うならこの場合はむしろ、私達の主人公力が高いと考えるべきですわ」
179 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/01/02(月) 23:54:26.57 ID:BvXHWMOq0
今回はここまでです。短くてすみません
続きはできるだけ早く投下します。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 23:56:34.05 ID:FlV0FSKKO
あいちゃんと食蜂さんかね
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 00:40:22.05 ID:5jz4M35mo
続き来てたー。うれしい!
乙!!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 12:59:05.39 ID:fKRN7EjOo

×沈理 ○沈利
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 22:43:48.97 ID:e/M/2yw30
保守
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/25(土) 23:12:46.87 ID:WM9m72XI0
しばらく音沙汰がないから心配。
何かあったのだろうか?
185 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:08:51.94 ID:06TOtBLx0
お久しぶりです、1です。これから投下します
>>182
やってしまった……滝壺さんが滝壷さんにならないようには気をつけてたのに
しかも結構前から間違えてるみたいですorz

ご心配おかけしました
ノロっぽい下痢、腹痛、嘔吐と戦っていました。いまだに腹部に違和感が残ってます
186 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:09:34.13 ID:06TOtBLx0
声質も口調も異なるその声は二人分……しかし頭上から降り立ち、御坂と麦野の間に新たに現れた人物は一人であった。
ライダースーツの様な服にバイザー付きのヘルメットで顔を隠したその姿は、さながら日曜朝の集団戦を得意とするヒーロ−の一人の様にも見える。

「食蜂?……酢乙女先輩?」

聞き覚えのある口調に、先程の声の主はどちらだろうかと、御坂がいぶかしげに問う。
するとその人物は、人差し指を己の口元に運び『静かに』というジェスチャーで答えた。
187 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:11:03.15 ID:06TOtBLx0

「なんだぁ?てめえ……」

麦野が乱入者をにらむ。
実質、既に勝負はついていたというのに、それに水をさされたのだから内心穏やかでは無い。

「先に私から自己紹介させてもらうわぁ……」

件の人物が首からさげた板状の端末を麦野に向ける。
どうやらその声はそこから出ているようだ。
                        メンタルアウト
「私は超能力者序列第五位にして精神感応系最高位『心理掌握』。そしてそこに立っているのは第六位の『藍花悦』……っていうことになっているわぁ」

学園都市超能力者第六位は性別年齢、能力の詳細等多くの情報がつかめない存在だ。
これは彼あるいは彼女が行っている他人に『名前を貸す』事業が関係する。
名前の貸与、つまり特定の状況下でその名を名乗ることを許可をだすことで顧客に「自分は超能力者である」と言うブラフ、ハッタリを与えている。
そしてブラフという商品の価値が下がらないように、徹底して自身の正体を隠しているという訳だ。
188 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:12:25.12 ID:06TOtBLx0
「はん、それで五位六位が揃ってここに何のようだ?」

そのことを知っていたのかまでは判らないが、麦野は挑発するように訊ねる。
延長戦ならそれでも構わないと言った様子だ。
そんな彼女に呆れたように端末から音声が返ってくる。

「私は『ある人』から御坂さんが無茶な行動力を発揮して妙な事にならないように頼まれててねぇ」

しかし御坂をサポートしようにも、幾つも在る襲撃予定施設をピンポイントで予測はできず、合流に今日までかかってしまった。

「実は今夜も当初はもう一方の施設に張っていましたわ」

バイザーの、体格から女……と言うより確実に御坂が良く知る先輩OGと思われる人物が口を開く。
先程とは違い、機械で合成したような声色だ。

「状況を整理すると、御坂さんはこの施設を破壊したい。そちらの方はそれを阻止したい、と……御坂さんの捕獲や殺害は依頼内容に含まれていますか?」

今度はバイザーの女が麦野に訊ねる。

「なめてんのか?暗部の人間が依頼内容を話すわけ無いだろ」

「そこら辺から落としどころを探れるかと思いましたのに、残念ですわ」

バイザーの女は端末を首から外して御坂に投げてよこした。

「五分も休めば御坂さんも充分動けるようになるでしょうし、つまりその間私が貴女の足止めをすれば良いわけですわね」

麦野に向け、ファイティングポーズをとる。
189 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:13:29.46 ID:06TOtBLx0

「先輩気をつけて!!そいつかなり強い!!」

自分を護る様にして立つ彼女に御坂が心配して声をかける。
しかし、つい先程わたされた板状の端末から出る食蜂の声が御坂の心配を杞憂と一蹴する。

「大丈夫よぉ。何のために私が先輩と組んだと思ってるの?」

今、御坂の目には瞬く間に麦野との距離を詰め、その膝頭を相手の鳩尾にめり込ませるバイザーの女が写っていた。

「今の先輩は、私の能力でドーピングましましなんだから」
190 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/03/03(金) 00:14:44.01 ID:06TOtBLx0
久しぶりなのに短いですが、今夜はここまで。
続きは約二十二時間後を予定しています。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:16:27.15 ID:tk8chnrXo
おつ。お体に気を付けて
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:17:23.15 ID:2VLU187yo
おつおつ
海苔とか怖いよな
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:19:48.97 ID:0z73XY800
乙ー。吐くときは、ポカリか水をガボガボ飲むと結構楽に吐けるから試してみ。

つか愛ちゃんパネェwwww
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:56:39.33 ID:rldOYZMMo
乙です
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:44:46.61 ID:cuwMR1bNO
吐くなら軽いぬるま湯かな。胃にも優しい
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 23:56:41.69 ID:xKhQxvxB0
更新乙です。お体を大事にしてください。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/13(月) 20:21:19.25 ID:vouIFSatO
作者の22時間後って俺らが過ごす時間の何ヶ月分に相当するんだろうか…
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 12:38:08.53 ID:GHYt3QPdo
>>197
精神と時の部屋在住なら一年ちょい前からいかな
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 10:31:41.38 ID:PRXwWEQT0
まあいつものことだ
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 12:18:23.36 ID:GdbU1WMN0
体の調子を治すのが最優先だからゆっくりやってほしいね。こじらせたらマズイし
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/28(金) 00:47:04.34 ID:hjradhfm0
なんか現状報告のような定期的な連絡があると少しは安心する。
長いこと返事がないと心配。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 10:24:22.91 ID:Ip6EGLfYo
まだ2ヶ月か(混乱)
ハーメルン辺りの作者は平気で1〜2年更新しなかったりするから待ちなれてる
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 01:59:57.18 ID:aEowpuG20
突然消えないか不安がよぎるんだよなぁ
204 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:43:32.43 ID:uVfUmh030
1です。重ね重ね遅れてすみません。
あたたかい言葉の数々ありがとうございます。
これから投下します。
205 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:44:39.60 ID:uVfUmh030
端末から聞こえてくる、おそらく食蜂操祈の声が続ける。

「火事場の馬鹿力って言葉は、御坂さんも聞いたことがあるでしょう?」

問われ、御坂も理解する。
人間は普段自身の脳や筋力ですら完全には扱えていない。
そもそもその『使われていない脳機能』を使えるようにすることが、学園都市における能力開発の基礎理論の一つだ。
マユツバ物の情報ではあるが、学園都市の外部でさえも催眠術や暗示といった手段によってごく普通の成人女性が硬貨を握り潰すことに成功した例もあるらしい。
精神感応系最高位である食蜂の『心理掌握』ならば、それと似たようなこともできるのだろう。

「まあ元の身体能力が高くないとやったところで効果は低いけど、その点先輩は言うこと無しよね」

食蜂の言う通り、今も御坂の目の前ではバイザーの女、恐らく酢乙女あいが麦野沈利を翻弄していた。
常に麦野の背後や側面につけるように彼女の周囲を移動しながらの攻防、ほぼゼロ距離での殴り合いに蹴り合い。
いや正確には麦野の攻撃は全て紙一重で避けられ、逆にあいのそれは的確に急所に入っている。
ワンサイドゲーム
一方的な蹂躙だ。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 19:45:28.08 ID:iwQ0V2pO0
ここのしんちゃんは劇場版の経験は全てしている設定なんだよね?
戦国時代の話とか熱海サイコの話も出たりするのかなはてな
207 :>>1 ◆aMcAOX32KD1b [saga]:2017/05/02(火) 19:45:39.54 ID:uVfUmh030
「『万物を粉砕する』という性質上、この間合いでは貴女の能力は使えないようですね」

「ちくしょうがっ、てめえ私の能力を知ってやがったな!?」

あいが麦野に言い、麦野は悪態をつく。
正確には『原子崩し』を使うことはできるだろう。
しかしその射線上に自分を置かないようにすることが難しいのだ。

「このっ……チョコマカしやがって」

「それはごめんあそばせ、その丸太のような脚で蹴られたら一発で意識を失いかねませんもの」

相手のコンプレックスを刺激するように挑発をしながら、あいは考える。
 ・・・
(やはりこのままでは私が先に倒れますわね……では、そろそろ……)

一見あいが有利に思える両者の攻防だが、その実勝率は互角といえた。
まず両者には体力の差がある。
あいは同世代のアスリートに並ぶ程の体力があるが、麦野のそれは彼女を大きく上回っている。
次に攻撃力の差だ。
あいはたった一度でも攻撃を受けてしまえばそれで勝敗が決してしまいかねない。
一方あいは麦野からのカウンターを警戒して、最初の一発以外は掌底による軽い攻撃しか打てていない上に、常に移動しているので自分も疲れる。
勿論食蜂の能力により、さながらランナーズハイのように彼女が疲れを感じることは無いが、その身体には確実に疲労が蓄積されていく。
このまま続けていけば、先に限界が来るのはあるいはあいの方ということも充分にありえた。

「……先程、私は『貴女の足止めをすれば良い』と言いましたが……」

故に、彼女は仕掛ける。
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