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アムロ「女性にしか扱えない兵器か...」【クロスオーバー】
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114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 19:11:46.74 ID:umrJSmDtO
アクシズ押し出し後の行方不明状態から、
IS世界線に異動だったらこれくらい達観して腹据わってても不思議じゃないな
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 21:20:48.15 ID:1GunkWJ20
俺の目覚めは最悪だった。
千冬「レイ、貴様!とっとと起きんか!」
と言われて叩かれて起きた。
アムロ「!」
思わず身構えて、ないはずの拳銃を探り始める程には驚いた。
千冬「昨日は何処に行っていた?楽しめたか、ええ?」
アムロ「昨日のことか...更識が何とかするんじゃなかったのか?」
視線を動かせば、両手を合わせて謝罪を表している更識が。
なるほど、しくじったな。
千冬「ほう?言い逃れでもするつもりか。この私に対して...いい度胸だな」
アムロ「確かに悪かったとは思う。だが、いくら何でも理不尽過ぎやしないか?」
アムロ「俺だって無一文でこの学園で生活出来ると思えるほど楽観的では無い」
千冬「敬語を使え、馬鹿者」
千冬「しかし、それも一理ある。この件に関しては問い詰めることはしない」
千冬「た・だ・し、次にこの様なことがあったら...分かるな?」
アムロ「き、肝に命じておきます」
アムロ(織斑先生の弟は苦労しているんだろうな...それとも、家族に対してだけは優しいのか?)
千冬「今日からISの基礎訓練を始める。当然、お前はまだトップシークレットだ」
千冬「時間も全部そこにいる生徒会長が知っている。一人前になるまで鍛えてもらえ」
アムロ「了解した」
織斑先生は、更識のことをとんでもない眼力で睨み付けてから退室していった。
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 21:27:02.58 ID:1GunkWJ20
楯無「ゴメンね〜、アムロくん」
楯無「あんなになるとは思わなかった」
アムロ「ハァ...そうかい、分かったよ」
反省が殆ど感じられない更識の謝罪を適当にあしらってから、本題へと踏み込む。
アムロ「ISの基礎訓練...一体何をするんだ?」
楯無「そうねえ...基本的な動作確認とか、シューティングかなあ」
楯無「最後は私と模擬戦ね!」
アムロ「無様な事にならないよう努力しないとな」
楯無「私が教えるからなんとかなるわよ...たぶん」
アムロ「本当に大丈夫なのか...?」
正直、不安しかない。
しかし、抜け目ないのも確かであるしある程度は信頼してもいいかもしれない。
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 21:33:42.14 ID:1GunkWJ20
朝食を摂ってから、軽い講義を受けてやっと訓練となった。
アムロ「つくづく思うが、不思議な兵器だよ...」
楯無「いやいや、これは『名目上は』兵器じゃないからね?」
アムロ「実質兵器と同じ扱いなんだ。変わりやしない」
楯無「でも、これは命なんて懸けないいわばスポーツ用具なんだから」
楯無「そう考えてると、足許掬われちゃうわよ?」
アムロ「......。それもそうだな」
楯無「納得はしてないみたいね?」
アムロ「理解と納得は全く違うものさ」
楯無「さ、話はこれくらいにして実際にやってみせてね」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 21:48:06.49 ID:1GunkWJ20
先ずは飛ぶところから、だ。
色々とこうイメージすればいい、という例は挙げられたが結局のところ感覚は自分で掴まなければ意味がない。
四苦八苦して、とうとう掴むことが出来た。
感覚で表すなら、宇宙空間で無重力に身を委ねる感覚。
俺からすればかなり時間が掛かったが、更識曰くかなり早いらしい。
それから飛ぶことを応用した加速や、急停止にも挑戦して何とか成功させることが出来た。
もっと上の技能もあるが、難しいだろうということで教えてはくれなかった。
次は射撃訓練だ。時間内に、次々と出てくる的を出来るだけ早く正確に撃ち抜くものだ。
ラファール・リヴァイヴから展開したアサルトライフルを使えとのこと。
正直、量子化されている武器を出すことが一番イメージしにくかった。ちなみにファンネルを扱う感覚で何とか出すことが出来た。
出てくる的を瞬時に観察して発砲。直撃を確信しているため、確認せずに次の的へ。
というのを繰り返し無事に終了した。
更識曰く、銃の扱いは初心者詐欺レベルとのこと。MS操縦で得た技術が思わぬところで披露された結果となる。
楯無「じゃあ、最後に模擬戦ね!」
アムロ「少し休ませてくれないか?思ったよりも疲れる」
楯無「そう言うなら待ってあげないこともないけど」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 21:50:16.41 ID:1GunkWJ20
模擬戦はちゃんと文章を推敲しながら書くのでまた後日となります。すいません。
戦闘描写で如何に迫力や臨場感を出せるか、自分の才能と相談してきます。
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 22:10:15.04 ID:vjx9nVr+o
紙装甲会長とのお肌の触れ合い回線描写まだですか?(禿信者並の読解不能要望)
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 00:16:53.24 ID:PPbKxwOXO
乙です
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 00:18:24.34 ID:NrDC/fy+O
乙
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 00:25:35.29 ID:qjWuaKI30
乙です
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 10:59:57.47 ID:PXZkcEKY0
文章が全く思い浮かばない...
もうしばらくお待ちください。
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 21:37:58.86 ID:GUp74DUao
頑張れ
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 21:58:49.48 ID:CLI06tPg0
待ってるぜ
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/30(月) 12:46:11.85 ID:anl2pbiyO
読みやすいし面白い、続き待ってるぜ
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/01(水) 22:23:51.40 ID:ZsJ1H21i0
さて、どこまで下がるかな?
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/02(木) 11:29:15.74 ID:5PeY46HMo
ギュネイみたいな落とされ方するのはだれかな
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/04(土) 13:06:03.31 ID:QovrmytZo
ほらこうなる。やはり一日1レス目標でよかったんや
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 09:01:46.75 ID:THxbWmpHO
作者の好きにさせろよ…
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 11:18:30.65 ID:rbqVFMmEo
>>130
実際それやって荒れたスレもあるから一概にも言えんわ
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 13:16:20.15 ID:meuVKZpEo
>>129
セシリアじゃね? なんかチョロそうだし、あっさり引っかかりそう。
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 21:05:26.91 ID:lhVh0pJy0
すいません。普通に体調不良でした。
書き溜めるのは諦めて普通に投稿します。
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 21:21:44.25 ID:lhVh0pJy0
アムロ「チィッ!思うように動けない!」
いざ始まった模擬戦。しかし、俺の考えるようにISというものを動かすことが出来ずかなり苦戦している。
更識の持つ槍のガトリングを危なっかしく避けながら、攻撃の隙を伺う。
とはいえ、先程から決定的な攻撃は出来ず苦し紛れの牽制程度しか弾を撃てていない。
楯無「ほらほら、ちゃんとしないと負けちゃうよー?」
挑発を無視しながら、冷静に相手の動きを見る。
―――来る!!
頭の中に閃光が走り、相手の次の動きが抽象的なイメージとなって伝わってくる。
槍で突撃してくるのを、回避行動を強引に取りながらアサルトライフルを発射する。
命中したのを確認してから距離を詰められないように残弾で牽制し、素早くリロードする。
アムロ(あの感覚...何年振りだ?)
ニュータイプ的な直感によってあそこまでのイメージを見るのは久し振りだ。
もしかしたら、一年戦争以来かもしれない。
俺が気付いていないだけでそんなことはないかもしれないが。
楯無「何?もう決めた気でいたりする?」
声によって思考が中断させられた次の瞬間、更識が目の前にいた。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 21:29:43.51 ID:lhVh0pJy0
俺としたことが...戦いで別のことを考えるとは。
実戦だったら即死だった。俺も気付かない内に、この平和な空気に感覚されているようだ。
アムロ「だがっ!」
強引に体を捻って、槍の直撃は回避する。
しかし槍が纏っている水に触れてしまい、大きくシールドエネルギーが削られる。
アムロ「この距離なら、まだ!」
四枚羽根のスラスターを吹かせて、体を反転させ更識を蹴り飛ばす。
それをアサルトライフルを撃って追撃し、更に距離を詰める。
ISの操縦技術では遠く及ばないが、実戦の経験なら圧倒的に上だ。
少し集中して、ブレードをイメージして召喚する。
アサルトライフルを捨てて強くブレードを握り締めて、気持ち加速する。
一気に近接ブレードで仕掛ける!
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 21:45:33.95 ID:lhVh0pJy0
だが、いつもはお気楽でお茶目な更識も戦闘ではそうもいかない。
直ぐに体勢を整えて、ブレードの一撃を槍で弾く。
激流ともいえる水によって、ブレードが吹き飛ばされそうになるが何とか耐えた。
楯無「残念、確かにいい攻撃だったけど!」
再度接近を試みるが、四門のガトリングの牽制を掻い潜りながら接近する技量はない。
目論見通り、俺は中距離武器を捨てたまま距離を取らされることになった。
アサルトライフルを拾いにいこうも、背中は見せられない。一瞬と言えど、隙だ。
武器を出そうにも、俺が集中する時間を与えてはくれないだろう。
結局は接近することになる。
最初から、俺が出せる全速で突撃する。ガトリングの弾がある程度直撃してるが気にしてられない。
更識は既に牽制をするのをやめて、迎え撃とうと槍を構えている。
アムロ「当たれ!」
前に前にと腕を伸ばす。この一撃を当てて流れを掴まなければ、再度攻撃出来るほどエネルギーは残っちゃいない。
――しかし、その攻撃が届くことは無かった。
突然の爆発によって、シールドエネルギーが一気にゼロになったのだ。
その攻撃は乱入してきた者のではなく、更識が発したもの。
楯無「惜しかったね〜、あと少しだったのに」
何はともあれ俺は負けた。
自分でも悔しい表情をしているのが分かるが、直ぐにどこか諦めの付いた表情に変わる。
生徒最強と謳われる更識に、初操縦の素人が勝てるわけが無い。
追い詰めてたと思っていたのは手加減されていたからだろう。
爆発についての疑問を抱えつつも、更識に促されてアリーナを後にした。
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 21:54:46.59 ID:lhVh0pJy0
アムロ(負けたってのに、いい気分だ)
アムロ(らしくないが、俺も全力を出していたからな)
アムロ(...だが、使ってみて確信した。コイツが兵器として使われたらどれだけ恐ろしいか...)
あれだけの攻撃から完全に身を守った防御機構。
もしも敵だったら、実弾兵器は気休め程度にしかならないに違いない。
楯無「どうしたの?難しい顔しちゃって?」
楯無「負けたのがそんなに悔しい?お姉さんが慰めてあ・げ・る」
アムロ「......こんなものを、スポーツ感覚で動かしていいのか?」
すっかりいつもの調子の更識に疑問を投げ掛けてしまう。
楯無「あら、そのこと。それなら...」
更識は「心配無用」と書かれた扇子を広げた。どこから取り出したのだろう。
楯無「裏で色々と決められてってるから、そんな心配しなくていいのよ」
楯無「用心に越したことは無いけど、犯罪や戦争に使うほど人間腐ってないわよ」
アムロ(どうだかな...人間ってのは自分のエゴの為なら何だって出来る)
アムロ「...それならいいんだ」
楯無「じゃ、ちゃちゃっと着替えて部屋に戻りましょ」
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 22:04:55.69 ID:lhVh0pJy0
――時は進んで。
既に寝心地がラー・カイラムとは比べ物にならない程いいベッドに寝転がっている。
今日の模擬戦で得た収穫は多い。
訓練は明日もあるらしい。
更識から直接アドバイスを貰ったので、それを基に自分の欠点を自覚してそれを入学式までにある程度克服することになるだろう。
俺はどうやら回避が苦手なようで、攻撃は筋が良いから避けることをしっかりと練習しようと言われた。
どうやったって、体に染み付いたMSの感覚は消えないものだ。
考えることは出来てもそれに合わせて体を動かすことが出来ない。
肉体は若くても、精神面が体の若さに馴れきっていないと言うべきか。
アムロ(だが、戦闘中のあの感覚...)
アムロ(一年戦争の時の感覚に戻ったみたいだった...)
アムロ(俺のニュータイプ能力が広がっている?)
アムロ「まさかな...」
楯無「ん〜?どうしたの?」
アムロ「声に出てたか、何でもないよ。おやすみ」
楯無「変なの。おやすみ〜」
少し訝しく思ったろうが、気にしない。
初のIS操縦で体は疲れきっていたようだ。
直ぐに意識が落ちた。
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/05(日) 22:06:52.96 ID:lhVh0pJy0
今日は終わりです。
いつも読んで待ってくださってる方、待たせてしまって申し訳ないです。
素直に慣れない書き溜めは諦めて、1日1レス程度は出来るように努力していきます。
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 22:08:16.57 ID:p+fKxDEMo
最終的に素手でボコボコにしそうなアムロさん
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 22:44:43.72 ID:j4HhZepTO
乙です
肉体の影響でニュータイプ能力が全盛期の一年戦争時に近付いてるのか
また居るだけ参戦でしょうがスーパーロボット大戦Vに参戦おめでとうございますアムロさん
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 23:29:35.88 ID:ZdLSUKEX0
乙です。
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 04:06:25.56 ID:55t4xyCAO
乙!
全盛期のアムロがνに乗ったらエライことになるな
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 07:13:13.49 ID:2DOeTaP/o
乙
全盛期のアムロさんがνに乗ったら「ファンネルが敏感すぎた……」とか言いながらネオジオンのMS全滅させそう。
それこそ3分くらいで。
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 08:27:59.23 ID:hj/W5InCO
乙
慣れれば最強感が漂い始めてるアムロさんカッコいい
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 11:14:08.61 ID:V/Ccdvqho
でもアムロって肉体強度自体は
Z≧CCA>>>1stでしょ
ニュータイプ的感覚は1stが最高だけど
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 12:05:06.76 ID:2DOeTaP/o
>>147
年齢的に考えると1st=15・Z=22・CCA=29だから、肉体的なピークはCCAだよ。
特にZ時代は軟禁状態でろくにトレーニングもしてなかったから、かなり衰えがあると思った方が良い。
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 19:25:51.53 ID:V/Ccdvqho
>>148
軟禁中とはいえ肩書上は軍人なんだから鍛えてるでしょ…
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/06(月) 20:47:26.61 ID:8xkDqZ7d0
夢、ここは夢だ。
目の前には、ララァが立っている。
ララァ「少しは慣れてきたかしら?戦いのない生活なんて久し振りでしょう?」
アムロ「馬鹿を言うな。ISが使われる戦いが無いなんて体裁上だけだ」
アムロ「こんな物を放っておくほど政治家達も牙は抜けて無いだろうし、禁欲的ではない」
アムロ「何かの切っ掛けがあれば、人間が昔核兵器使った時のように条約なんて知らん顔するはずだ」
ララァ「でも、それを止められる力はまだ貴方には無いのよ?」
アムロ「だから、だから俺は...その方法を模索してるんだ。悔しいが、今の俺の実力じゃ到底不可能なのも理解している」
アムロ「だがな、俺はシャアの様に逸りはしない。人類全てに絶望するなんて、まだ早すぎる」
アムロ「そもそも人が人の業を背負おうとしてるのが間違いなんだ。そんなのは、思い上がりだよ」
その否定の言葉は段々と弱々しくなっていく。
ララァの哀しみが胸に直接伝わってきたような気がして、俺まで影響を受けたみたいだ。
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/06(月) 21:01:45.28 ID:8xkDqZ7d0
アムロ「俺の心の中に入って来るな!俺は、俺はまだ死人に引き摺られることなど...!」
だが、頭の中にはララァを殺したときの感覚がしっかりと残っている。
コクピットにガンダムのビームサーベルを突き刺した、あの瞬間。
死に際のララァと共感して命の母である海を垣間見た、あの感覚。
そんなセンチな思いに誘発されて、思い出される部下の死。
俺が不甲斐なかったせいで死んでしまった、ケーラ。
握り潰されて、ミンチになってしまったケーラをアストナージに見せてしまった後悔。
これだけ、死者への思いが募って果たして死者に引き摺られてないと言い切れるか?
このままでは、死人に足を引っ張られると分かっていてもどうしても拭いきれない。
なまじニュータイプであった故に、感覚が頭から離れない。
アムロ「でも、僕だって...僕にだって出来ることはあるはずなんだ」
シャアの様な、過激な方法ではなくて地道に人に可能性を見せる方法。
それが、アクシズで光を見た僕なら出来るはずだから。
アムロ「だから、俺だって死者に何時までも固執していられるわけじゃない」
ララァ「貴方の覚悟は分かったわ...」
ララァ「私は貴方の中で永遠に生き続けている...ずっと、ずっと...」
アムロ(俺が、ララァを振り切れるその時まで...か)
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/06(月) 21:11:43.04 ID:8xkDqZ7d0
目が覚める。
連日続く夢に、不快感を抱かずにはいられない。
ララァを見る度に、俺の覚悟が薄れる気がして。
シャアと俺が比べられてる気がして、嫌だった。
俺も、ララァを振り切れる時が来るのだろうか。
振り切れるその時は、本当の人の可能性に触れたときだと頭の片隅で確信している。
νガンダムとシャアのサイコフレームが共振したあの時のような優しくて温かい光。
あの光を見たからこそ、俺はもっと人の可能性を信じられる。
絶望するにはみだ早すぎるんだ。
この先に待つのが苦難だろうと、せめて俺はこれからの学園生活で子供たちの成長に役立てればいいと思う。
時代を創るのは、老人ではなく子供たちだ。
カミーユの時のように手放しで希望を押し付けるのではなく、今度こそしっかり成長できるようにしなくてはならない。
その決意を固めると、再度俺は意識が落ちていった。
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/06(月) 21:15:25.28 ID:8xkDqZ7d0
今日は疲れていて眠いのでこれまでです。
アムロをどこまで再現して、らしく動かせるかはまだまだ全然ですがもっともっとらしくなるように頑張っていきます。
後、議論が加熱し過ぎて強さ議論とかにはならないようにしてくださると嬉しいです。
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 21:22:23.29 ID:7Bt4BCZQO
シャアがアムロとやりたかったのがただの喧嘩だってのが悲しいよな
乙
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 21:37:52.80 ID:hG2/KO+OO
乙です
アムロもシャアも、ララァの影に縛り続けられるのか…
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 23:19:44.08 ID:cGdBK6kBo
乙です
何とかなっちゃう所がアムロらしい
>>154
若い頃から家柄に縛られて好きな事が出来なかったから
上に立って何も考えずアムロとケンカ出来る事が楽しかったんだろうな
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/07(火) 12:34:35.47 ID:kMG3BJud0
乙
なんだかんだで負けっぱなしだしある意味超えるべき目標みたいな存在なんだろう、と勝手に思ってる>>シャアにとってのアムロ
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/09(木) 20:32:08.86 ID:YAX0RQ2rO
乙です!
楽しく読ませてもらってます!
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/09(木) 21:21:22.45 ID:WdSKk4e7o
>>154
シャアはヤケクソでしょ
本人がやりたいことはクワトロなのに周囲がシャアかキャスバルを求めた上完全に逃げ場無くなったからアレをやっただけで…それを止められるのはアムロか若者だけという
ISはモッピーしか知らんのだが素手で殴るって効くの?効くんなら一夏かシャルルを軍人の技術でボコボコに…
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/09(木) 21:56:51.64 ID:pYW1zLbg0
すいません、仕事が忙しくなってきてて書くのが難しいです。
明日か明後日には続きを書いていきたいです。
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/09(木) 23:05:15.71 ID:5ZCIxHQp0
楽しみにしてるぜ
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:02:31.13 ID:lC7N3FHK0
現在、ISを纏った更識から必死に逃げている訓練中だ。
たまに撃たれるガトリングを回避しながら、一定距離まで近付かせないようにするという難題をこなしている。
更識曰く「アムロくんは、回避さえ上手になれば技術なんてすぐ上がるでしょ」とのこと。
からかわれている気がしてならないが、これでも更識は学園最強を自負するだけあって強かった。
素直にISでは先輩に当たる更識の発言を聞いておいて、損はないだろう。
ということで、俺は更識に回避技能だけを重点的に向上させる訓練をしてもらっている。
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:12:34.60 ID:lC7N3FHK0
少しでも気を抜けば、ガトリングに直撃して体制を崩し槍を突き立てられてしまう。
更識は初心者用の細心の注意を払った手加減をしているのだろうが、俺からしたらそれでも厳しい。
しかし、模擬戦の時には動きが分かったのに今は全く掴めない。調子でも落としたか?
などと考えていたせいか、ガトリングにうっかりと当たってしまい、次の瞬間には槍が目の前にあった。
楯無「考え事は禁止!しっかり集中しなさい!」
アムロ「ああ、申し訳ない」
楯無「次は気を付けてね。ほら、逃げ始める」
俺はまた飛び上がり、壁にぶつからないように注意しながら速度をあげる。
後ろをチラッと確認すると、既に更識が迫ってきている。
機体の性能はもちろん、操縦者の技能にも雲泥の差があるため仕方無いことだ。
移動先を予測された射撃を二枚のウイングの逆噴射で何とか避け、速度を落とさないように加速する。
俺も段々回避のコツを掴めてきた気がする。
とはいえ、まだまだひよっこではあるわけだが。
次の射撃も、次の次の射撃も避けた時に更識から声がかかる。
楯無「段々良くなってきたわ、それじゃもうちょっと難しくしよっか!」
無茶を言ってくれる。
感覚が掴めてきただけでまだそこまで出来ないと反論するも、モノは経験と一蹴される。
まだまだ辛くなりそうだ。
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:23:35.26 ID:lC7N3FHK0
今度は昨日食らった不思議な爆発も織り交ぜていくとのこと。
回避のしようが無いと思ったが、ガトリング発射時に当たりやすそうな場所を爆発させると言っていた。
それでも充分キツイであろうが、諦めるわけにはいかない。
ここで初心者であるという遅れを取り返して、入学式時には同級生となる子供たちと対等な技術をモノにしなければならない。
代表候補生レベルとはいかなくても、平凡レベルになれれば上出来だろう。
楯無「じゃ、休憩もこれ位にして再開しましょうか」
アムロ「ン、頼むよ」
――少し時は流れ
最初は爆発を全く避けれなかった俺だが、段々と避けれるようになってきた。
回避のコツを掴んだというよりは、更識のクセを把握してきたという感じだが。
ガトリングを上昇しながら回避して、目の前で起きる爆発を減速しながらの落下で避ける。
我ながら無茶苦茶な避け方だとは思うが、楯無には驚かれた。
ISで三次元的な動きをするのは当然だけど、ここまで空間認識能力が高いのは凄いと。
宇宙で戦争してきた身からすればこれでもまだまだな浅い軌道でも、宇宙に進出してない身からすれば充分なのかもしれない。
となれば、俺はこの三次元的な動きを頭に入れながら動くのがいいということだ。
そうすれば自分にしかない持ち味を活かせるようになる。
そこまで上達できれば、という前提条件が付いてしまうが気にしてはいけない事だ。
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 21:27:39.48 ID:+Z/tX2t/O
既に同級生となる娘達以上の技術な気がする…
終わった頃には代表候補生レベル以上のな予感…
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:32:23.64 ID:lC7N3FHK0
楯無「だ・か・ら、考え事はしない!」
突然の前方の爆発に反応しきれず直撃して落下した。
何とか姿勢を持ち直して着地するも、心臓に悪い。
楯無「次、考え事してたらお姉さん本気になるからね?」
アムロ「あ、ああ...つい、な......」
俺も訓練だからって気が緩んでいるのか?
気を抜いたら死んじまう過酷な戦いに身をおいていたとは思えないだらけ振りだ。
突然平和になるというのも、感覚を鈍らせる大きな原因になるな...
皮肉なものだ、平和の為に戦っていたのに、いざ平和になったら戦いを心のなかで引き摺り続けるとは。
アムロ「おっと、失礼。少し記憶が戻りそうな気がして...」
楯無「あらあら。記憶が戻ったら恐〜い軍人さんだったりね」
訝しげで納得のしていない顔ではあったが、気にしないという態度は見せてくれた。優しい子だ。
ともあれ、訓練を再開しなくては。
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:49:00.41 ID:lC7N3FHK0
上、下と予測が難しい不規則な軌道を心掛けながら飛ぶ。
焦れたのか爆発が増えてきた気もするが、指摘すると怒りそうなので冷静に回避する。
やはり、基本的な軌道よりも不規則で三次元的な軌道は狙い辛いようだ。
むしろ直ぐに慣れて冷静にある程度正確に狙ってこれる更識が凄い。
だが、俺は何とか当たらずに避け続けることができていた。
自分の中でのイメージは、一年戦争初期のザクに乗っていたシャアの軌道だ。
ビームライフルを容易く回避し、白兵戦へと持ち込んで来たその技量は当時の俺からしたら恐怖だった。
今ではソイツを参考にして全く別のことをしているのだから、人生というのは分からないもんだ。
ガトリングはほぼ完璧に避けきれる様になったが、問題は爆発だ。
爆発の数も精度もどんどん上がってきている。
俺の動きが読まれ始めた証拠でもあり、まだまだかつての赤い彗星の動きには程遠いことを証明する事でもあった。
アムロ「おっと!チィッ、流石に読まれて来たら辛いな」
三次元的な動きは、初めこそ相手を惑わせども時間が経ち慣れてくれば単純なモノだ。
細かく飛び回るせいで、速度は基本的な動きよりも断然遅い。
基本的な動きと同じ速度で三次元的な動きをすればまた別だろうが、俺にはそんな技量はない。
次は爆発を回避し切れず、直撃し背中には槍を突き立てられていた。
楯無「そろそろ、終わりにしましょうか?疲れてきたでしょ?」
アムロ「それもそうだな。今日もありがとう、まだまだひよっこの俺に訓練してもらって悪いな」
楯無「途中から始めた、三次元軌道。かなり厄介だったわ」
楯無「あれを磨いていけば、直ぐに代表候補生レベルになれるでしょうね」
楯無「まあ、訓練と模擬戦は全く違うけどね」
アムロ「しっかりと覚えておくよ、そのアドバイス」
代表候補生云々は余り興味が無いので冗談半分で受け取り、アドバイスには素直に感謝する。
そして、ISを二人とも解除してアリーナから出ていった。
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:55:08.43 ID:lC7N3FHK0
今日も疲れた。
実戦や、シュミレーターで感じる疲労とはまた別のもの。
充実感があり、されど虚しくもあるこの感覚。
連日に渡り訓練するのは体に負担がかかるとのことで、明日はひたすら勉強することになりそうだ。
歴史、地理と壊滅的に出来ない教科もありそうだが、他は何とかなりそうだ。
学校は成り行きで中退することになってしまったから、高校生活も仕切り直しか。
フラウに頼りきっていて内向的だったあの時とは違うんだ。
自分である程度のことをこなし、未来を見据えていかないとな。
そんなことを考えているうちに、俺は寝ていた。
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/12(日) 21:57:16.77 ID:lC7N3FHK0
今日はここまでです。
最近仕事が忙しく、中々更新できず申し訳無いです。
区切りを見つけて頑張っていきますので、今後ともお願いします。
ところで、トリップは付けた方が良いのでしょうか?
今まで読み専だったので気にしなかったのですが...
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 22:01:46.03 ID:+Z/tX2t/O
乙です
付けた方が判断はしやすい
付けるなら酉ばれには注意
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 23:25:53.05 ID:snnm4PFI0
乙
リアル優先で暇なときにでも更新してくれればこっちとしては満足ですぜ
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 23:33:49.91 ID:jfEIvuWs0
乙です
主のやりたいようにやって下さい。
アムロが不調なのはむしろ先読み(カウンター)攻撃を封じられてるからじゃなかろうか?
と思う今日この頃ww
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 12:04:23.60 ID:CqXIJIJAO
乙!
続き期待してる!
酉は付けた方が良いと思うよ。うっかり酉バレだけは注意してくれ
174 :
♯テスト
:2016/06/13(月) 20:28:23.19 ID:bss8YFEO0
トリップテストです
175 :
◆SQ2Wyjdi7M
:2016/06/13(月) 20:29:28.04 ID:bss8YFEO0
うわあ、失敗してました。
成功したら決めたトリップで投稿していきます。
では、もう一度...!
176 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/13(月) 20:31:41.06 ID:bss8YFEO0
トリップテストが成功したので、今度からこのトリップで書き込んでいくことになると思います。
宜しくお願いします。
では、書いていきますね。
177 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/13(月) 20:44:41.91 ID:bss8YFEO0
楯無「朝だよ〜、アムロくーん♪」
今日の朝は、自分の体に感じる重みと声と、軽く頬をぺちぺちされて起床することとなった。
悪夢も見なけりゃ、早起きもせずいい時間帯まで寝られる。
気持ちいい目覚めだ。俺の上に更識が跨がっていることを除けば。
アムロ「離れろって...顔を洗いに行きたい」
口には出さないが、密着されると、男性特有の朝の生理現象がバレるというのもある。
分かった上でやっていそうな気もするが、初々しさの残る更識がそこまで狙ったとは思いたくない。
楯無「あらあら連れないわね。私が慰...」
アムロ「バカ言うんじゃない、早くどけ」
やはり分かった上でやっていた。
軽く言葉に怒気を孕ませると、直ぐに退いてくれた。
本気で言っていたなら考え物だが、冗談だと分かるだけまだマシだろう。
アムロ「さて、と。今日はひたすら勉強するということで良いのか?」
楯無「ん〜、そうなるわ。私は大丈夫でも、連日あんなハードな事してたらアムロくんが疲れるだろうし」
アムロ「お気遣いに感謝するよ」
そう言い残すとそそくさと洗面所へ向かい、顔を冷水で洗う。
水の冷たさが眠気の残っている頭をシャキッと覚醒させる。
顔をタオルで拭いていると、背後から気配。
アムロ「こら、悪ふざけはやめなさい」
後ろから抱き付こうとしていた更識を牽制する。
どうして分かったの、とぶつぶつ呟きながら去っていくがまだ仕掛けてくるつもりだろう。
アムロ(初体験もまだだってのに、何を色目使ってるんだか)
アムロ(俺のことが好きなわけでもあるまいに)
178 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/13(月) 20:57:58.71 ID:bss8YFEO0
流石に俺はそういう事に関しては鈍感ではない。
これでも経験は積んできた方ではある。
それに俺はこの世界では決して信用に足る人間ではないのだ。
記憶喪失という見え見えの嘘を通して、しかも男性でISを扱える者。
何らかの施設のスパイだと思われて然るべきだし、むしろここまで信用されているのが信じられない程だ。
好意的に捉えれば優しいと言えるが、否定的な捉え方だと無用心過ぎる。
この優しさであり無用心さが、裏目に出なければいいのだが。
楯無「隙だらけよっ!」
アムロ「ッ!」
考え事をしていたら隙を付かれて抱き付かれた。
もう少し気付くのが遅かったら思い切り地面と更識とでサンドイッチになるところだった。
アムロ「何をしているんだ?もうこんなことが歳ではないだろうに」
楯無「何々?私を襲っちゃうの?朝から何て過激なの...!」
アムロ「ハァ...何を言ってるんだ...俺もお前もそんな間柄じゃないだろう?」
楯無「そんな...!私はアムロくんのこと好きなのに、アムロくんは酷いことを言うのね!」
アムロ「何を何と言おうと、俺は知らない。早く離しなさい」
楯無「えー、やだやだー。もっとこうしてたいー」
アムロ「もう棒読みになってるじゃないか。無理してまで俺と親しくしようとしなくていいんだ」
楯無「む〜、何で動じないかな〜?」
楯無「普通の男子だったら今のところは抱き締め返してくれるとこでしょ」
楯無「もっとしどろもどろになるか、興奮を表に出さないと」
アムロ「朝っぱらから元気なことだよ、全く...」
アムロ(最近の若い子はこうなのか?全く、分からないものだ)
179 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/13(月) 21:19:09.51 ID:bss8YFEO0
なんてことが朝っぱらからあり、今はしっかりと勉強中という訳だ。
少し更識と俺の距離が近い気もするが、気にしない。
昔の俺ならどぎまぎしたろうが、今の俺は三十路に片足突っ込んでるんだ。
こんな子供で興奮するロリコンでは決してない。
......しかし、更識のスタイルが良いのは認める。
基礎的な数学から始まり、休憩を挟みつつ世界史、地理などを粗方勉強し終えた。
そして今は、この世界でしか受けれないであろうIS関係の事の勉強をしている。
ISとは想像以上に興味深い兵器で、絶対防御など先日読んだ資料よりも深い内容の物を勉強した。
更識曰く、「いずれ授業でやるから、予習程度に思っといてね」とのこと。
かなり分かりやすい注釈を入れつつ教える技能は素直に感服する。
昼も過ぎ、日も傾きかけてきたころ今日はこれでお仕舞いという声がかかった。
俺はまだまだ出来るが、更識は俺に教えてくれていたのだ。俺より疲れていても何ら不自然ではない。
凝り固まった体を伸びながら解して、しっかりとお礼をする。
アムロ「ありがとう。お陰で明日から授業があっても着いていける程にはなったよ」
楯無「飲み込みが早くて教えるのが捗ったわ。分からないことがあったらじゃんじゃん聞いてね」
アムロ「その時はお言葉に甘えさせてもらおう」
こんな感じで、今日一日は過ぎていった。
思ってみればあっという間だ。
俺自身も、失っていた高校生活を無意識に取り戻しに行こうとしているのかもしれない。
俺以外に男は織斑先生の弟しかいない。
どうやって目立たなくしても色恋沙汰には巻き込まれることにはなりそうだ。
アムロ(これから、どうしていくかな)
そんなこんながあって、夜が更けていった。
180 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/13(月) 21:21:02.43 ID:bss8YFEO0
今日はここまでです。
200も近くに迫ってきているのにIS本編にかすってすらいないのはかなり不味いと思ったので駆け足気味かもしれません。
少しアムロが考え事多すぎかな、とは思いますが違和感が減るように頑張っていきます。
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 21:49:18.77 ID:/kxx0gA/o
乙
本編楽しみだぜ
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 22:19:56.79 ID:yWg/qeJJo
アムロって確か中卒じゃあ…
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 22:40:07.51 ID:CqXIJIJAO
乙!
何か今頃何処かで羨ましそうにシャアが見てそうだな
184 :
◆eIXIH1pnXg
[sage]:2016/06/13(月) 22:48:02.55 ID:bss8YFEO0
>>182
御指摘ありがとうございます。アムロは中卒でした...
「失っていた」、ではなくて「憧れていた高校生活を無意識に満喫〜」となるように補完しておいて下さい。
またこんなポカが度々出ると思いますが、遠慮無く指摘してください。
宜しくお願いします。
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 22:50:47.57 ID:rv7g0VNYO
乙です
一回、更識を壁ドンしてドギマギさせたい
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 00:17:18.66 ID:KoqnmYxg0
乙です
いよいよ本編突入。楽しみにしてます!
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 00:43:39.12 ID:XjLVCwxmo
俺の記憶だと生徒会長は装甲が紙。その代わりステルス性能に長けていて水が似合って…
アッg――なんでもない
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 01:38:06.26 ID:kImoPnhTo
個人的にハイゴッグを推したい
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 09:18:45.39 ID:7tW45YoAo
アムロって中卒なのにロボット・機械工学、政治思想に精通してるインテリという
でも宇宙世紀の人だからシドニーは沈んだはずじゃあとかトンチンカンなことを言う
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 10:46:50.04 ID:9/RN8uI7O
>>189
コロニー落としは一年戦争開始時(ガンダムに乗る一年弱前)の頃だから、流石にそれはないやろ
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 11:18:47.77 ID:Q53TQo0Ko
>>187
それ言ったら、某飯マズ国の代表候補生の機体は青を基調とした機体でビット6基装備高出力(レーザー)ビームライフル・ビームサーベルだからHi-νに……
192 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 21:22:36.16 ID:gS4P7mGm0
入学式前日の朝。俺はぐっすりと寝ていた。
しかし、俺の安眠は怪しい気配を感じて妨げられることとなった。
そう、更識だ。更識が最後のスキンシップと称して過激な衣装で迫ってきていたのだった。
裸にエプロンを着ただけ、に見えるように際どい水着を着てエプロンをした更識が飛び付こうとしていた。
目が合うと、照れた表情が浮かんで俯いた。...照れるならやるなと言いたい。
楯無「悪気は無かったの!許して!」
アムロ「...あ、ああ。と、特に気にしていないが...」
突然の謝罪に出鼻を挫かれた。少し潤んだ瞳で見られたら、怒ろうにも怒れない。
というよりも、怒っても俺が疲れるだけで全く進展が無さそうだ。
アムロ「そんなことやってると、バカな男は野獣になるぞ」
楯無「アムロくんならならないって分かってたもん」
楯無(もしかしたら...なんてこと思ってた、とは言えないわ)
アムロ「ハァ...俺だって男なんだから、少しは考えろよ?」
正直、興奮はした。
しかしそれは男性として仕方無いことであって、襲い掛かりたい衝動に駆られる程ではない。
何度も心のなかで言っているが、俺は決してロリコンではない。
193 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 21:36:32.92 ID:gS4P7mGm0
顔を洗って俺の中で燻っていた黒い衝動を落ち着ける。ついでに目も覚めてきた。
俺も男だ。少しは発散しておかないと、これから辛いかもしれない。
何せ嫌でも女性と関わることになるのだ。うっかり、貪欲な男だと思われるようなことをしでかすのは勘弁したい。
さっぱりして洗面所から出ると、既に制服に早着替えしている更識がいた。
着替えの時間的に水着の上から制服を着ただけの気もする。
アムロ「更識も、少しは落ち着いたかい?」
楯無「『も』ってことはアムロくんも少しは感じることがあったのね?」
アムロ「揚げ足を取らなくていい」
楯無「キャー、襲われるー」
アムロ「勘弁してくれ。入学前から性犯罪者扱いなんて洒落にならん」
アムロ「ところで、俺の存在は世界に公開されたのか?」
楯無「あ〜...そのことだけど、まだ伏せておこうってことで明日公開するわ」
アムロ「俺には関係無いことだから、特に気にはしない」
楯無「あら、また家族に会えるかもしれないのよ?関係無いとは言い切れないんじゃない?」
アムロ「いくら家族だったとしても、俺が覚えていなければ、赤の他人と変わらないさ」
アムロ(つい口走っちまった。更識に不審に思われるのは危険だ)
アムロ(更識なら、時間をかければ直ぐに俺の正体を突き止めるはずだ)
何しろ、テレビや新聞を見せないようにして、ある程度違和感が無いように情報統制している。
更識の過度なスキンシップも、そのことから気を逸らす為の一環であるのだろう。
俺に社会を詳しく教えず、学園側が比較的俺を扱いやすくしようとしているのが見え見えだ。
無名の男性搭乗者を今後、国のために利用したいのは理解できるが...
流石に学園も、過去最強の織斑先生の弟を利用するのは躊躇するようだ。
アムロ(それもこれも、連邦に見張られていた時に嫌と言うほど味わったけどな)
194 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 21:45:03.12 ID:gS4P7mGm0
更識が学園側からの密偵だろうと、別だろうとまだ行動には移さないはずだ。
俺がさっきのようなボロを出して、感付かれないようにすればそれで解決だ。
在学中はそういう柵には囚われないと謳っているのだ。多少信用してもいいだろう。
アムロ「まあ、記憶が無くても生きていけるならそれでいいけどな」
楯無「悲しくないの?家族とか今までの思い出は何もないのよ?」
アムロ「あと少しで死ぬわけじゃないんだ。忘れる前に負けない位思い出を作ればいいさ」
母さんは必死だったあの頃の俺を否定し、父さんは酸素欠乏症になって死んでしまった。
家族関連で、いい記憶なんて殆ど無い。
どうしても、ベルトーチカやチェーンと過ごした日々の方が記憶に残っている。
楯無「それならいいけど...しつこいかもしれないけど、本当に大丈夫ね?」
アムロ「いざというときは、更識に慰めてもらうよ」
楯無「ッ......!もう、からかわないで!」
慰める、という言葉にアクセントをおいたため直ぐに気付いた。
大胆なことをするクセに、意外なところで純情なので困ってしまう。
195 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 21:53:51.19 ID:gS4P7mGm0
アムロ「ハハハ、すまない」
楯無「もうっ!反省してないでしょ!」
アムロ「更識が言えたことじゃないだろ。この数日俺がどれだけ苦労したか...」
楯無「ムキになってやり返すなんて、大人気ない!」
アムロ「言っとけ、言っとけ」
楯無「それで、今日のことなんだけど...」
少し照れながら怒っていた更識の表情が、突然真面目になる。
この変わりようにはいつも驚かされる。といっても数日程度の付き合いだが。
楯無「今日は入学式の準備で忙しいし、私は面倒みれないのよ」
楯無「と、いうことで。今日はここで自由にしててね〜」
アムロ「といってもやることは、昨日の復習位か」
楯無「そうなるわね...余りに退屈だったら、呼びにきてね♪」
アムロ「部屋から出たところで迷うだけだから遠慮しとく」
ということで、今日は暇な一日になりそうだ。
向こうでは、こんな日はデスクワークとしていたが、ここではそんなことができるはずもない。
明日に備えると言うことも兼ねて、軽く勉強して多めに休息を取っておこう。
196 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 22:10:50.86 ID:gS4P7mGm0
楯無「たっだいまー!アムロくん、元気に...ってあらら。寝ちゃってるわ」
楯無「!」
楯無は、何かを思い付いた顔をして早速行動に移した。
―――――――
いかんいかん、うたた寝していたようだ。
頭をふって目を開けると...机にほぼ裸体の更識が横たわっていた。
楯無「わ、私を召し上がれ♪」
思い切り照れているのが伺えるが、勇気を振り絞ったのか途中からいつの調子になる。
少しドキンとした自分を今すぐ張り倒してやりたい。
楯無「ア、アムロく〜ん?み、見えてる〜?」
少しからかってやろうか。
今までの分のお返しもプラスにして、これでチャラだ。
アムロ「ほら、立って壁に寄りかかるんだ」
吹き出しそうになるのを堪えて、真剣な表情を作りながら更識に言う。
照れた感じで立ち上がると、更識は素直に壁に寄りかかる感じとなった。
どこか事後的な雰囲気がするのは気のせいだろうか?犯罪者の気分になってくる。
アムロ「いい子だ...」
優しく包み込むようにして更識を抱きしめる。
キスをする、という雰囲気作りの視線を更識に送ると、目が潤みながら頷いてくれた。
更識の顔に俺の顔を近付け、あと少しで唇と唇が触れあうようなその瞬間に俺は堪えきれなくなって笑ってしまった。
更識から急いで顔を離し、吹き出す。
アムロ「自分から誘っておいて、そんなに緊張して照れるなって」
楯無「も、もう!」
更識は顔を真っ赤にしてベッドに飛んでいった。
今更だが、かなり酷いことをした。
アムロ「更識、申し訳ない!ここまで本気にするとは思わなくて、な」
楯無「はぁ...仕方無いわね。私も似たようなことを今までしてた訳だし、お相子ってことで」
アムロ「本当に申し訳ない」
楯無「一緒の部屋で過ごすのも今日で最後だし、いい思い出になったわ」
何処か吹っ切れた感じの更識を見て、安堵する。
アムロ「そういえば、明日にはもう入学式か...」
アムロ「早いものだ...濃い時間を過ごせたよ」
楯無「それなら良かったわ。私も楽しかったわよ、アムロくん♪」
なんてことがあって、入学式前日は終わった。
明日からはIS学園に正式に入学して忙しくなるはずだ。
...何故か、とても不安だ。
197 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/14(火) 22:13:46.14 ID:gS4P7mGm0
今日はここまでです。
壁ドンの代わりのイベント的なモノを交えて前日譚はやっと終了です。
この調子で終わるかな?と今になって心配になってきました。
もしかしたらこのスレでは終わりきらないかもしれません。
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 22:28:09.81 ID:i8zN/cWAO
乙!
思うがままに書いて次スレ立てもエエんやで
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 22:53:35.13 ID:J2a8mTBlo
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丶ヽ i;r、 ,,r'':::::::::::::::ヾ__,、,_ir ':::::::::::::::::ヽ_/,liri' / かまわん、続けろ
`j、 l;l ゙ii::::::::::::::,; -メ‐、 ヽ::::::::::::::::::::ノ ,irメ /
/:lトヾ,, ヾ--./ / ./ヽ, `──‐‐´ ,r/l_/::::\
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_, -/´:::::::lr'ヽjl´ ,, ' ./ / _,-` j;トjiii/:::::.:.::.:.:.:.|:ヽ_
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200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 23:04:02.51 ID:qaLpdFiOo
おつおつ
続けば続くほど俺得
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 23:07:37.19 ID:du5L1o5JO
乙です
次スレいけばエエやん(エエやん)
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/14(火) 23:23:20.09 ID:KoqnmYxg0
乙です
どんどん続けて下さい
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 00:28:48.42 ID:w9WKIeqVO
待ってるからどんどん書いてくれや!
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 06:53:35.57 ID:jp+2Q+G8o
ふぅ・・・
手玉に取る側が手玉に取られる様は最高ですね・・・ウッ
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 08:34:31.10 ID:R7AT7RoRo
アムロがいても(29)じゃ一夏の負担は減らなそうである
206 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:15:44.40 ID:wl7sPVhi0
楯無「起きて〜?早く、早く〜!」
体を揺すられる感覚。決して心地よいものではない。
目を覚まそうとしない自分に喝を入れて、なんとか目だけは開ける。
制服姿の更識が、顔を覗き込むようにしながら俺を起こそうとしている。
目が合うと、照れた表情を見せて俯いた。昨日の事でも思い出したのだろう、純情なことだ。
さて、いつまでも布団とデートしている訳にもいかない。
アムロ「ン...おはよう、更識」
楯無「やっと起きた...そろそろアムロくんの情報を世界に発信するから、しっかりしてよね」
アムロ「入学式前に公開するのか?」
楯無「入学式中に見つかって、権利争いが起きるのは嫌でしょ?」
アムロ「ン、そうだね...」
楯無「ちゃんと分かってる?いつものように顔洗ってきなよ」
アムロ「遠慮なくそうさせてもらう...」
少し目を擦りながら、洗面所へと足を進める。
207 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:24:01.94 ID:wl7sPVhi0
冷水によってしっかりと目が覚める。
少し前までは睡眠時間が足りなくてもしっかりと覚醒できたが、予期せぬ平和ボケがあるようだ。
アムロ「情報の公開だが...俺は同行しなくていいのか?」
楯無「いや、二言三言話すことはあるでしょうね」
アムロ「入学式前で忙しいてのに、人が来るかな?」
楯無「時計をちゃんと見た?まだ未明よ」
アムロ「どうりで俺も起きれないわけだ。要は、今から強引に間に合わせるのか」
楯無「世界で二人目のISを動かせる男性よ、絶対に釣られてくるわ」
楯無「気になっていたんだけど、アムロくんの国籍はどうするの?名前と一部のこと以外は覚えてないんでしょう?」
アムロ「国家代表になりたいわけでもないから、卒業までに決めておきたいが...」
アムロ「勝手に縁談だって上がるだろうし、婿養子としてその国の顔にされるのがオチだろうさ」
アムロ「政治的な柵を受けにくい様に努力しないとな」
楯無「そこまで考えてるなら大丈夫かな...?お姉さんも協力するわ」
アムロ「そういうことは素直に先輩と先生に任せるとするよ」
208 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:32:14.91 ID:wl7sPVhi0
楯無「今から十分後には情報を発信。入学式の一時間前くらいには各国の記者の前で会見...かな」
アムロ「ハァ...これからを思うと気苦労が絶えないね」
楯無「織斑先生が会見の時には大体答えてくれると思うわよ」
アムロ「まあ、ある程度の質問は覚えていないで一蹴すればいいとして...」
アムロ「俺の家族を騙る奴等がどうしてくるかだな。学園に直接電話でも掛けるのか?」
楯無「電話を掛けて直接対談を取り付けたいところでしょうね。本当に家族の方かもしれないけど...」
アムロ「家族とは、記憶よりももっと強い何かで結ばれているんだ。記憶なんて無くても分かるだろう」
アムロ「どんな偽名が出てくるのか楽しみだな。しばらく『レイ家』の人間が大量発生するぞ」
楯無「あらあら、それは愉快。でも気負いすぎないでね...」
楯無「頼り無いかもしれないけど、力になれる筈だから」
アムロ「ありがとうございます、更識先輩」
楯無「やっぱり頼ってないじゃない!」
先輩、と言って煽った訳ではなく本心だったが仕方無い。
本当に、これからが心配で仕方無い。
209 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:38:39.76 ID:wl7sPVhi0
もう、会見まであと十分程に迫ってきている。
俺の情報は世界を震撼させ、身元も明らかになっていない俺を取り込もうと蜂起しているようだ。
いくら家族を騙ろうと、俺の家族がここにいるわけない。全員偽物だと割り切れるのは楽なものだ。
ベッドの棚においてあるデジタル時計を何度も見ても時間はそこまで過ぎていない。
終わらせるならとっとと終わらせたいところだが、規模が規模だ。仕方無いと言えよう。
本当に世界中から記者が飛んでくるとは思わなかった。いずれは各国のお偉いさんも来るかもしれないという。
せめて俺の回りには迷惑を掛けないようにしてほしいが、そこまで善意的な奴等では無いだろう。
本当に、大変だし困ったものだ。
210 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:55:02.78 ID:wl7sPVhi0
さて、会見の時。
更識に場所まで送ってもらい、「緊張し過ぎずにね♪」という声援をもらった。
控え室には黒いスーツを着こなした織斑先生が待機していた。
俺はIS学園の制服を着ている。髪型は、寝癖は取りはしたが固めはせず天然パーマのままだ。
千冬「時間になった、では行くぞ」
アムロ「分かりました」
ドアを開けると、おぞましい量のカメラから目が潰れるんじゃないかと思うほどフラッシュを焚かれた。
アムロ「皆様、今日は私のためにわざわざお集まりいただき大変感謝しております」
アムロ「私が、かの織斑一夏に続いてISを操縦出来る男性である...アムロ・レイです」
また大量のフラッシュが焚かれる。世界で中継されているのだろう。
アムロ「どうぞ皆様、これから宜しくお願い致します」
頭を下げると、またフラッシュが焚かれる。
千冬「彼はこのIS学園が保護する、ということになっています」
千冬「事前に公表した通り、彼は記憶喪失者で国籍が不明だからです」
――――――
これから会見は順調に進んでいき、質問を受け付ける時間となった。
「アムロ・レイさんの専用機はどこの国が作ることになるのでしょうか?」
千冬「それは現在は未定です。様々な国の合作となる可能性も有り得ます」
「アムロさんは、お家族と再会したいと思われますか?」
アムロ「そうですね。私としても、早く家族と会いたい思いで一杯です」
「自分がISを動かせると分かった時、どんな気持ちでしたか?」
アムロ「正直、自分に恐怖しました。ISを動かせた喜びよりも、それで差別されないかという思いでした」
どうやら、まだまだ続きそうだ。
211 :
◆eIXIH1pnXg
:2016/06/15(水) 21:57:42.66 ID:wl7sPVhi0
今日はここまでです。
記者らしい質問が全く思い浮かばないです。何か、案をいただけないでしょうか?
そして、何だかんだでまだ前日譚は続きます。
皆様の言葉に甘えて、自分なりに丁寧に書いていきますね。
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 22:04:52.48 ID:QywwvU7U0
乙
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 23:04:24.32 ID:JSdweWtT0
ガキだと思って煽って情報口走らせようとするのは確実にいるな
記憶喪失自体疑ってどこの大国の後ろ盾があるのか漏らさせるのに躍起になる輩
あなたの家族なら既にウチの局に名乗り出てますよと言い出す局
日本語堪能ですね日本人でしょ?
などなど
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