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船員「船長!宝の地図です!」海賊「そんな事より働け」
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88 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:47:30.14 ID:9OpjClw/0
再開
89 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:53:04.40 ID:9OpjClw/0
……
騎士「で、一体なにがあったっていうのよ」
海賊「船内の通路が水浸しになっていたんです。それも海水が」
騎士「海の上だから海水が船の中に入ってても不思議じゃないんじゃないの?」
下っ端A(コイツ馬鹿だ)
海賊(この人馬鹿だ)
騎士(なんだろう、失礼な事考えられてる気がする)
90 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:57:20.74 ID:9OpjClw/0
海賊「一応考えられる線と言えば、金品目当ての密入です。同じ海賊ならコソコソ隠れて潜入するより白昼堂々と襲って来るはずですし」
下っ端A「例外もありますがね」
騎士「ふーん……お、なんか変な風だ」
海賊「風?」
騎士「裏手か……行ってみよう」
海賊「あ、ちょっと!?海水が続いてる方向と違いますよそっち!?」
91 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:03:51.82 ID:9OpjClw/0
騎士「ここだ」
海賊「ここって……甲板ですよ」
下っ端A「流石にこっから入ってくるような輩は居ない気も……」
「うえー……海水がねちゃねちゃで気持ち悪いのだー……」
「ああ御労しやお嬢様……おいそこの脳内桃色オーク!!お前のせいで船が転覆したんだよ!!」
「お魚釣ろうとしただけにゃー。でもまさかヌシに船ごと持って行かれるとは思ってなかったにゃ」
騎士「ビンゴ〜」
海賊「マジッすか!?」
92 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:09:37.43 ID:9OpjClw/0
海賊「オイお前たち!そこで何をしている!!」
オーク娘「にゃっ!?な、何事にゃ!?」
スライム娘「ああ丁度いいところに話が出来そうな人が。お嬢様、文字通り助け舟ですわ!」
ゴブリン娘「うむ!そこのチビッ子!早速で悪いが相談があるのだ!」
海賊(チビッ子にチビッ子って言われたよ……)
ゴブリン娘「今私達は海上で遭難状態となっていたのだ!水も食料も付き、船もボロくなってそりゃもう大変だったのだ!」
海賊「……つまりどういう事だ?」
ゴブリン娘「私達を保護する権利をくれてやるのだ!!」
スライム娘「尊大ですわお嬢様」
オーク娘「流石だにゃ!」
海賊(え、何このヒト達……)
93 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:12:38.78 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「考えても見てくれ、海の上では補給線も断たれ孤立状態。それがどれ程危険なのかお前にも分かるだろう!」
スライム娘「見たところこの船の責任者っぽい風貌ですが、実際の所どうなのでしょう?」
海賊「いかにも、私はこの船の船長だ」
ゴブリン娘「ならば話は早い!助けて!!」
海賊(なんで偉そうなんだ……)
海賊「えっと、それじゃあ名前と所属を尋ねてもいいか?最近ここらへんで密入が多いから、そうホイホイと勝手に船に上がり込んで来たヒトを信用は出来んから」
ゴブリン娘「フッフッフ……」
海賊「?」
94 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:21:45.79 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「よくぞ聞いてくれた!!」シュバッ
海賊「!」
ゴブリン娘「この世界は悪であふれかえっている!」
ゴブリン娘「その悪を憂い!そして我らが絶対悪となることで、世界に真なる正義の心を芽生えさせるための悪となろう!!」
ゴブリン娘「そう!我らの名は!"悪の組織"!!」
ゴブリン娘「この世に悪が栄える限り、我らは不滅なのだ!!」ドドーン!!
スライム娘「ああ、麗しいですわお嬢様」
オーク娘「にゃー」
海賊「……」
海賊「しょっ引け」
下っ端A「へい」
ゴブリン娘「 な ん で ! ? 」
95 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:24:47.38 ID:9OpjClw/0
海賊「どこの世界に悪人を名乗る連中を助けてやるやつがいるんだ」
ゴブリン娘「あ!こ、これは言葉のあやってやつだ!今はそれとこれとは関係ない!!」
オーク娘「あ、さっき下の倉庫から取ってきた食料がしけっちゃってるにゃ」
海賊「泥棒だ!!間違いないぞ!!囲え!!」
騎士「……」
オーク娘「にゃにゃ!?何でバレたにゃ!?」
スライム娘「お前はワザとやってるのか?」
96 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:28:10.23 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「違うのだー、誤解なのだー……」クタン
下っ端A「いいから大人しくお縄に着け!!」
スライム娘「くっ!お嬢様を乱暴に扱わないでくださいまし!」
海賊「海上都市に着いたらコイツら引き渡すか……」
ゴブリン娘「そっ!それだけは勘弁してほしいのだ!ちゃんとあっちに着いたらちょっと拝借した分の食糧の代金は払うのだ!」
海賊「そういう問題じゃないだろ!」
ゴブリン娘「うぐぅ……」
97 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:32:02.70 ID:9OpjClw/0
オーク娘「うにゃ〜?」ジー
騎士「……」フイッ
オーク娘「うにゃにゃ〜?」ジー
騎士「……」フイッ
スライム娘「貴女さっきから何してるんですか。早くこの状況を脱却するために地面に頭限界まで擦り付けて流血して死ぬまで謝り続けなさい。むしろそのまま死ね!」
オーク娘「ああ!!どこかで見たことのある顔だと思ったらヴェイドにゃ!!阿呆のヴェイドにゃ!!」
騎士「阿呆に阿呆って言われた!?」
オーク娘「反応したにゃ!やっぱりそうにゃ!」
騎士「あー……」
ゴブリン娘「し、知り合いか!?」
オーク娘「同級生にゃ」
98 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:34:04.63 ID:9OpjClw/0
海賊「……」ジー
騎士「疑念の眼差しを俺に向けんでくれ」
下っ端A「まさか、アンタが手引きしたって事は無いだろうな?」
海賊「疑いたくはありませんが、このヒト達と一緒に事務所来てもらえますか?」
騎士「思いっきり疑ってるわね……」
オーク娘「この際だから形振り構ってられないにゃ!助けるのにゃ!」
ゴブリン娘「口添えだけでもいいから頼むのだ!!」
スライム娘「よく分かりませんがお願いします!!」
99 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:36:08.87 ID:9OpjClw/0
海賊「騎士さん?」
下っ端A「どうなんだ?」
オーク娘「はやく助けろ馬鹿!!」
騎士「……」
オーク娘「万年最下位!!」
騎士「……」
オーク娘「覗き魔!!友人の七光り!!ロリコン!!」
騎士「」ブチッ
100 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:40:12.40 ID:9OpjClw/0
騎士「……」
ガッ
オーク娘「え?あ、ちょ……」
ポイッ
オーク娘「にゃあああああぁぁぁぁぁーーー――――――」
ボチャッ
海賊「……」
下っ端A「……」
スライム娘「……」
ゴブリン娘「……」
騎士「便宜は図ってやるから、とりあえずそこの二人は独房に入ろっか?」ニコッ
((((怖ェーーーーー!!))))
101 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:44:00.19 ID:9OpjClw/0
……
海賊「疑ってすみませんでした。ご協力感謝します」
騎士「いいって事よ、人助けもまた俺の仕事見たいなもんだからな」
海賊「お礼と言っては何ですが、次の都市で使える宿屋の無料チケットです。海底都市で降りると聞いたので、これをお納めください」
騎士「必要無いよ……ってカッコよく言いたいところだが、受け取らせてもらうよ。感謝感謝!」
下っ端B「とりあえずあの二人と海に落とされた一人を回収して独房に入れておきました」
海賊「ああ、分かった」
騎士「チッ、回収したのかよ」ボソッ
海賊「……」
102 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:46:34.32 ID:9OpjClw/0
海賊「ま、まぁ貴方の口添えもありますし、本当に緊急事態だったそうなので今回の件は私どもの方でも不問とさせてもらいます。都市に着くまでのあと1日は独房に入っていてもらいますが……」
騎士「ああ、妥当ね」
下っ端C「でもおかしい話ですよね。あの娘達はさっき密入してきたばかりだってのに、廊下が海水で水浸しになってたのは」
海賊「ああ、変な話なんだよなぁ」
騎士「あ、そうだ、忘れてた」
海賊「はい?」
103 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:49:48.67 ID:9OpjClw/0
騎士「俺の部屋のトイレ壊れちゃったみたいで、なんか知らんが海水が溢れて水浸しになっちゃってたんだけど、他の箇所は大丈夫だったか?」
騎士「船の所々の排水管が傷ついて、廊下中水浸しだったみたいだけど……」
海賊「……」
下っ端B「……」
下っ端C「……」
海賊「 先 に 言 え よ ! ? 」ギリギリギリ
騎士「痛い痛い痛い痛い!?何で!?ねぇ何で俺締め上げられてるの!?」
104 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:52:48.31 ID:9OpjClw/0
海賊「あー、明日は全面的に修理かなー」
下っ端B「原因がわかっただけでも良しとしておきましょう」
下っ端C「そうですね。人手も増えてますから私達はこっちに注力できるかと」
海賊「はぁ……お疲れさん、今日はもう休んでいいぞ」
下っ端B「ういっす」
下っ端C「おやすみなさい、ボス」
騎士(俺この船に乗ってから何だか身体がボロボロになってる気がするんだけど……)
105 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:56:56.61 ID:9OpjClw/0
……
コック「〜♪」
コック「よし、明日の下ごしらえはこんな感じかな」
コック「しかしいきなり海水が噴き出してきて驚いたな、どっか船の下で穴開いたのか?まぁセキュリティ働いてるし大事なら警報もなるだろうから大丈夫だと思うけど」
コック「……あれ?」
コック「パスタの両が減ってる気が……オイオイ、誰か持ってったのか?」
コック「そういや捕まった泥棒が食料少しもってったんだっけか……まったく、迷惑な奴らもいるもんだな」
コック「さーて!この辺で寝るかなー!明後日海上都市に着いたらアイツにお土産でも買ってってやるかー!」
ズルズル……
106 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:57:55.36 ID:9OpjClw/0
小休止
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/15(日) 03:59:10.20 ID:6YaaOryCO
乙ー
108 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 00:24:49.11 ID:eFRc7gsX0
本日休業
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/16(月) 01:03:05.07 ID:IcApJJAlO
だめ
110 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:06:31.66 ID:eFRc7gsX0
じゃあ再開
111 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:13:06.56 ID:eFRc7gsX0
――――――
―――
―
海賊「……」ギリギリギリギリ
船員「痛い痛い痛い痛い」
下っ端A「何やってんだボスは」
下っ端B「サボり魔の躾だとさ」
船員「確かに、確かに私は監視室で眠っていました!しかしですね!ちゃーんとモニターを確認しながら業務を全うしていたんですよ!怪しい奴なんてどこにも映ってなかったから切り上げたんですよ!この仕打ちはあんまりですよ!!」
海賊「25時8分、食堂の映像を出せ」
下っ端D「うっす」
―
ゴブリン娘「ハムなのだ!久しぶりのハムなのだ!!あむあむ」
スライム娘「水がうめぇ」
オーク娘「モヒモヒモヒモヒモヒ」
―
船員「わぁい」
海賊「……」ギリギリギリギリギリ
船員「痛い痛い痛い痛い痛い」
112 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:18:23.53 ID:eFRc7gsX0
海賊「アイツら、コックが厨房からいなくなった隙に食糧漁ってたんだな」
下っ端B「よっぽど極限状態だったのかちょっと可哀想っすね……」
海賊「後で朝食持ってってやってやれ……ハァ、まったくどうして。こうもトラブルが続くのやら」
船員「海賊ってのはトラブルが付き物ですからねぇ。私達海賊らしくない事しかやってないですけど」
海賊「まぁいい、この件は既に解決している。お前たちは通常業務に戻ってくれ」
下っ端A「へい」
下っ端B「それじゃあ」
下っ端D「うっす」
船員「あの、船長私は……」
海賊「一生ここで寝てろ」ギロッ
船員「酷い!」
113 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:21:29.64 ID:eFRc7gsX0
―
ズルズル…
―
船員「あれ?」
海賊「どうした?」
船員「一瞬映像に何か写ったような……」
海賊「何かってなんだよ」
船員「よく見えなかったんですよ……うーん、巻き戻しても特に何もない」
海賊「食堂から厨房はあまりよく見えないな……アイツらよく映ってたけど」
船員「ま、あの人達の誰かがまたカメラに写りこんだんでしょうね」
海賊「ああ、まぁ厨房にも監視カメラ増やしておくか……あー、出費がかさむ!!」
船員「……」
114 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:25:31.99 ID:eFRc7gsX0
船員「……船長、遺産を破棄する事も出来たんですよ?」
海賊「なんだよ、突然……」
船員「確かに、海賊団を乗っ取って今の経営方針にしたのは他ならぬ船長自身ですけど。先代が残したものをそのまま受け継ぐ必要はなかったと思いまして」
海賊「愚問だな。あのクソ親父の不始末は私が片付ける。それに、この船を売っぱらうのは気が引けたんだ」
船員「思い出、沢山ありますからね」
海賊「ああ、無理言って滅茶苦茶いい船買わせたんだ。手放して利益を損ねるなんて勿体なさすぎる。あと10年は働いてもらわねば……」
船員「もっとこう……あるだろ!?」
115 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:29:23.04 ID:eFRc7gsX0
船員「その手甲も、その海賊帽も、その大きなコートも」
船員「ぜーんぶ、先代から受け継いで……」
海賊「剥ぎ取っただけだ」
船員「うん、確かそんな覚えがあった気がしないでもないですけどそうじゃなくてね?」
海賊「お前さ、ひょっとして親父の事……」
船員「……さて、お仕事に戻りますか」
海賊「あ、おい!逃げるな!話を最後まで……」
船員「こっちは寝過ぎでパワーが有り余ってるんですよ!!ちょいとベッドメイキングしてきますんであとヨロシクッ!!」
海賊「逃げ足は速いなホント……ん?」
116 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:31:35.15 ID:eFRc7gsX0
海賊「……宝の地図」
海賊「そういやアイツ、私にコレ見せようとしてたな。忘れて行きやがって」
海賊「まったく、無理して見せようとしたってそんなもん拒否るに決まってんだろ。一発当てて楽しようなんて甘い人生……」ピラッ
海賊「……」
海賊「これ……」
海賊「親父の……字だ……」
117 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:32:02.29 ID:eFRc7gsX0
小休止
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/16(月) 01:40:07.18 ID:IcApJJAlO
俺は休憩してないのになんで休憩するの?
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/16(月) 02:27:56.69 ID:TnVdu4tT0
>>118
>>俺は休憩してないのになんで休憩するの?
あんたは◆cZ/h8axXSU の彼女かwwwwww
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/16(月) 02:30:58.13 ID:BiJs/OPZo
>>119
そこで上司ではなく彼女が出るあたり業が深いな
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/16(月) 07:04:20.27 ID:fj6AdV9so
乙ー
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/17(火) 22:10:14.74 ID:HaiR8Xo7o
>>118
ずっと休憩中でしょ
いつになったら就活再開するの?って母ちゃん泣いてたよ
123 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 00:37:51.59 ID:/XjaEwYN0
再開
124 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 00:41:21.11 ID:/XjaEwYN0
……
「ここ、結構酷いな」
「よし、パパっと直すか!」
吟遊詩人「それじゃあ僕は皆を応援するために一つ語りを始めるよ〜」ポロロン
海賊「修理の方、どうなってる」
下っ端C「あ、ボス!見ての通り順調ですよ!」
「うるせぇ!」ガスッ
「黙れ!」ドカッ
「テメェも手伝え!!」ボコッ
吟遊詩人「」
海賊「順調そうだな」
下っ端C「ハハハ、突っ込みを放棄しましたね」
125 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 00:46:02.52 ID:/XjaEwYN0
海賊「原因は何だったか分かるか?」
下っ端C「はい、船体に何か当たったらしく、どういう訳か下水管にまで直撃したみたいですね」
海賊「で、逆流して海水が漏れだしたと……ばっちぃな」
下っ端C「傷も小さかったですし応急処置は今やってますんで、大丈夫かと。本格的な修理になると海上都市でやることになりますが……」
海賊「1日の停泊で直るかなぁ……」
下っ端C「見積もりはザッとこんなもんですが」
海賊「……」
海賊「ハァ……」
下っ端C(心中お察しします)
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/18(水) 00:50:00.35 ID:Et52AlYeO
>>122
(´・ω・`)
127 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 00:50:45.17 ID:/XjaEwYN0
海賊「というか、この人間の中に船の修理出来るやつ居たんだな」
下っ端C「二人ほどこの業界に明るい者だったので。中々重宝してますよ」
海賊「条件が合致すれば専属として雇ってもいいかもな」
下っ端C「一応給料とかもこっちで用意してますけど……」
海賊「そうだな、海上都市で下してやる時に渡しておくか」
下っ端C「騙されてタダ働きはあんまりにもあんまりですからね……あ」
下っ端C「なぁに手を止めてんだ!!キリキリ働きなさいブタ共ッ!!」パシーンッ!!
「はぅっ///」
「あぁん///」
吟遊詩人「うひぃ///」ポロン
下っ端C「あ、躾は順調ですので雇う人間は早めに見つけておいてください♪」
海賊「ああ、うん……」
128 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:23:05.24 ID:/XjaEwYN0
海賊(人手があるから今は楽出来てるけど、あの人達降りたらまたてんてこ舞いなんだよなぁ)
海賊(やっぱり人員増やした方が……いや、しかし人件費もバカにならんし)
海賊「世の中金か……世知辛いな」
船員「あ、船長こんな所にいた!例のもの出来てますよ!」
海賊「……例のもの?」
船員「アハハ!嫌だなぁ忘れたんですか?航海前に話したじゃないですか!」
海賊「?」
129 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:28:38.65 ID:/XjaEwYN0
船員「せっかく大きな仕事なんですから、お客さんに喜んでもらおうって船長が集めたコレクション……」
海賊「ああ!!世界の鉱石博覧会!!」
船員「お客さんにはビラも配ってたんで、これ目当てに来てくれるヒトもいるんじゃないですか?」
海賊「ふっふふふ……」
船員「?」
海賊「あーっはっはっはっはっは!!」
船員「うわビックリした」
海賊「はっはっは!石好きに悪い人はいない!マニアもよだれを垂らすレベルの私のコレクション!!」
海賊「今までの不祥事を全部吹き飛ばすくらいの催しだ!気合い入れて会場に行くぞ!!」
船員「はい!きっとお客さんも喜んで……」
船員「くれるとは思ってませんでしたけどねー。ハハハ!誰も居ねぇや!!」
海賊「」
130 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:32:32.40 ID:/XjaEwYN0
海賊「なぜ……私の……コレクション……」
船員「今時石っころ一つで喜んで船乗る人なんていませんって。やっぱり船長ってば私のような優秀な部下が付いて企画とかしないとダメダメなんですからー☆」
海賊「……」
船員「……せんちょー?」
海賊「えぐっ」グスッ
船員「ンなッ!?」
海賊「うえええええええええええ!!コイツがイジメたあああああああああああああああああ!!」
船員「ちょっ!軽い冗談ですって!!泣かないでくださいよ!?私が悪かったですから……」
海賊「ひっ捕らえて牢屋にぶちこめぇえええぇぇえ〜」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「はい!?ちょっとアンタ達どこから沸いた!?ちょっ!!おーい!!」
131 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:36:41.28 ID:/XjaEwYN0
海賊「ぐすっ……趣味が石集めで悪いかよ……こんなに可愛いのに……」
黒髪少女「いいえ、決して悪い事じゃありませんよ」
海賊「あ……」
黒髪少女「元気を出してくださいな、小さな船長さん」
海賊「す、すみません!お恥ずかしい所をお見せしました……」
海賊「あの……ここへ来たって事は、貴女も鉱石がお好きなんですか!!」
黒髪少女「いえ、全然。物言わぬ石を眺めても何も面白くもありませんので」
海賊「……」
海賊「博覧会中止!!とっとと片付けろ!!」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「あー、ぶち込まれる前に解放されたー……」
黒髪少女「そ、そこまですることは無かったのでは……」
海賊「需要が無いものは必要ないッ!!」ホロリ
132 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:40:13.25 ID:/XjaEwYN0
海賊「やっぱり駄目だなー……私お客さんの前に出ずに船長だけやってりゃいいのかなー……」
黒髪少女「部屋の隅でいじけ始めてしまいましたが」
船員「まー、裏方の仕事ばっかりだったんで。慣れない事するもんじゃないですね」
黒髪少女「それはそれで表に引きずり出されて可哀想な気もしますが……あら」
黒髪少女「船長さん、一つお聞きしてもよろしいですか?」
海賊「なーんでーすかー?」グスッ
黒髪少女「ここの棚……他の鉱石は資料と共に実物も置いていますが、これは物自体が無いように見えますが」
海賊「あー、これですか」
133 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:45:57.32 ID:/XjaEwYN0
海賊「"ブリファライト"。緑黄色に発光するとても希少な鉱石です」
海賊「この石を持つ者は未来の幸運は約束される、とも言われています」
海賊「本当は、手に入れたかったのですが……」
黒髪少女「希少過ぎて手に入らなかった?」
海賊「いえ、違うんです。もうこの世界に存在もしていないかもしれないんです」
黒髪少女「あら……」
海賊「元々、極僅か……本当に少数のみが確認されていた鉱石で、そのすべてを保管していた一つの国があったのですが」
海賊「14年前に既に滅んでしまったそうで」
船員「……」
黒髪少女「随分と最近ですね」
134 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:51:25.46 ID:/XjaEwYN0
海賊「はい。原因は分かりませんが、戦乱に巻き込まれてしまったと言われています。それを知る由は私にはありませんが」
海賊「確認されたブリファライトは既に砕け散ってしまっていて、その輝きを失っていたそうです」
海賊「もしかしたら、まだ世界のどこかに眠っているかもしれないし、誰かがこっそり持ち出したかもしれないですし」
黒髪少女「ふぅん……」
海賊「興味なさそうですね」
黒髪少女「ええ、まぁ。どちらかと言えば滅んだ国の方が興味あったりしますので」
海賊「」
黒髪少女「失礼しました」フイッ
海賊「"アチャー、本音出ちまったー"的な顔をしながら眼を逸らして謝らないでください」
135 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:54:15.97 ID:/XjaEwYN0
黒髪少女「片付け、終わったみたいですね」
海賊「はい!綺麗さっぱり無くなりました!!」ホロリ
黒髪少女「ま、どこかの物好きがきっと貴女の趣味を理解してくれるでしょう。では私はこの辺で……」
海賊「凄く失礼な事を言われた気がするなぁ……」
船員「……」
海賊「ほら、お前はお前で何ボーッとしてんだよ」コツッ
船員「あ、はい!……あ、これ……」
海賊「お前の言う宝の地図ってやつだ。さっき監視室の忘れてったぞ」
船員「ああ……すみません」
136 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:58:01.64 ID:/XjaEwYN0
船員「中、見ましたか?」
海賊「そんなもん見る訳ないだろ」
船員「ですよねー……」
海賊「というか、宝だなんだのと……お前こんなもんどこで見つけてきたんだよ」
船員「いえ……前のお客さんか何かが忘れてったんじゃないっすかね?まー私も詳しい事はわっかんねぇですから、借金まみれのウチからしてみりゃ金銀財宝は喉から手が出るほど……」
海賊「一攫千金狙うくらいだったら堅実に働け!!海賊が大冒険する時代じゃねぇんだ!!この業界は競争なんだよ!!」
船員「へいへい、夢が無いカワイソーな子供だ事……」
海賊「連れてけ」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「待てよお前ら!?まだいたの!?ちょっ!嘘だろ離せ!!はーなーしーてー!!」
137 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 01:59:56.80 ID:/XjaEwYN0
海賊「……」
海賊(どうしてお前も私も、嘘をつく必要があるんだ)
海賊(親父……アンタ、あんなもの書き記してなんのつもりでいるんだ)
海賊「……」
海賊「……仕事に戻るか」
138 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/18(水) 02:00:33.46 ID:/XjaEwYN0
小休止
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/18(水) 07:26:05.47 ID:JH9+p415O
乙ー
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/18(水) 10:03:37.15 ID:tvk0UstgO
乙
141 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/19(木) 00:06:01.00 ID:XqzVQe/20
本日休業
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/19(木) 01:43:11.72 ID:Y2qT7Byy0
痔が辛いのかもしれんがもっと働いていいんだぞ遠慮すんなって
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/19(木) 08:05:29.41 ID:/EgFvuvDO
乙
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/21(土) 00:39:29.69 ID:YHpFhhkoO
あぶねぇ危うく見逃すところだったわ
乙
145 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:10:13.76 ID:m47FFP5e0
再開
146 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:17:09.49 ID:m47FFP5e0
……
海賊「用意した催しは全部ダメとなると……これはもう普通にクルーズを楽しんでもらうしかないな」
海賊「私は裏方に徹して、いつも通りに仕事して、いつも通りに過ごして、積み荷のチェックを欠かさず、たまにお客さんの様子を見て」
海賊「ハァ……慣れない事すると全部裏目に出るんだよなぁ。世知辛いったらありゃしない」
海賊「お前たちもそう思うだろ?」
スライム娘「私達をそこらの野良猫に話しかけるような感じで見ないでください」
海賊「そういうなホラ、サンドイッチ美味いだろ?」ポイッ
ゴブリン娘「ハムハムハムハムハム」
オーク娘「ウマウマウマウマウマ」
スライム娘「ああお嬢様!!御労しやこんな海賊名乗っておきながらそれっぽいこと全然してないガキに餌付けされるなんて……」
オーク娘「明日を生きる為にはプライドなんて捨てなきゃいけないのにゃ」
スライム娘「黙れ淫乱ピンク。そのデカイだけの乳を輪切りにして食うぞ」
オーク娘「おっかないにゃー」
147 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:22:25.55 ID:m47FFP5e0
ゴブリン娘「それより海賊の娘!」
海賊「はいはい何だ何だチビッ子」
ゴブリン娘「いや、この独房の水道なのだが。どこかで破裂したのか水が出てこないぞ!」
海賊「ゲッ!ここもか!?あーあーもう……」
スライム娘「それと反対側の独房、穴が開いて水浸しになっていますわ」
海賊「……」ガクッ
ゴブリン娘「こんなオンボロ船とっとと下取りしてもらって新しいのに買い換えたらいいのに。このクラスの船なら買い手もすぐに付くだろう」
海賊「急に現実的な話してきたなオイ」
148 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:25:57.67 ID:m47FFP5e0
海賊「嫌だよ、借増えるだけだもん。それに、元々オンボロなんじゃなくて今回の航海で穴だらけになっただけだよ」
ゴブリン娘「一回船出しただけでこんなふうにはならぬだろうに」
スライム娘「貴方達側から見たら分からないでしょうけれど、船体も結構ズタズタでしたわ」
オーク娘「……」
海賊「んあー!!原因が分からんからどうしようもないだろ!」
オーク娘「これ、多分魔物の仕業にゃ」
海賊「……へ?」
149 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:33:05.97 ID:m47FFP5e0
ゴブリン娘「知っているのか女幹部!!」
オーク娘「うにゃ!あの穴の直径、それと水道を狙ってくる辺りそういう魔物が居るのは知ってるにゃ」
海賊「ここら辺の海域は何度も通ってますし、そんな危険な魔物を見た事なんて……」
オーク娘「にゃ、海の生き物じゃないにゃ。都会に少数だけ生息している魔物にゃ」
海賊「都会に?」
オーク娘「"ランスラット"っていうネズミにゃ。その名の通り顔の先が槍みたいになっていてすっごく危ないにゃ」
海賊「どうして特定出来るんだ?」
オーク娘「ソイツ、水道のカルキ臭が好きでよく水道管に穴空けて被害が出てるにゃ。ただ、誤って下水管もぶち抜く時があるから前のバイト先でよく苦しめられたにゃ」
スライム娘「貴女なんのバイトをしていたのですか……」
150 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:43:06.86 ID:m47FFP5e0
海賊「それじゃあ、どこから侵入したんだ?いつも停泊する港にはそんな魔物出たなんて聞いたこと無いし、お客さんが連れてきた……なんてことも」
オーク娘「ありえないなんてことはないと思うけど、まずそうそうそんな事起こらないにゃ」
スライム娘「ならば積み荷に乗っていたりしたのではないですか?」
海賊「逐一チェックしてるのにある訳ないだろ」
ゴブリン娘「案外、身内が魔物の一部を船に持ち込んでその中に紛れ込んでいた……なーんてこともあるかもしれんな!」
海賊「HAHAHA☆そんなわけ……」
※ありました
海賊「……」ギリギリギリギリ
コック「痛い痛い痛い痛い」
船員「船長!荷物の確認終わりました!コイツ結構魔物の一部とか持ち込んでました!」
ゴブリン娘「スカルマニアの骨、ガンバグの皮膚、トビアシの軟骨……」
スライム娘「あら、スライムの核まで」
オーク娘「ランスラットの毛も見つけたにゃー」
151 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:46:40.36 ID:m47FFP5e0
海賊「と言う訳で冒険者の諸君!ギルドを介さない依頼で申し訳ないが、ランスラット捕獲作戦の参加を要請したい!」
船員「勿論ウチの奴れ……もとい、ニューフェイス達にも頑張ってもらいますけど」
騎士「このパスタ野郎なんてもん持ち込んでやがったんだ」
竜少女「お主それを食って……いや、何でもない」
ゴブリン娘「我々が捕獲に成功したら恩赦で見逃してくれるそうなのだ!頑張って捕まえるぞ!」
スライム娘「勇ましいですわお嬢様。おい淫ピ、お嬢様に恥じかかせるんじゃねーぞ」
オーク娘「了解にゃー」
金髪少女「それじゃあ私達もお付き合いしましょうか」
眼帯少女「……おー」
152 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:50:16.15 ID:m47FFP5e0
海賊「概要はスクリーンに記してある通りだ。今日の夕方には海上都市に到着してしまう為、それまでには捕まえておきたい!」
騎士(パワポだ)
竜少女(パワポじゃ)
ゴブリン娘(パワポなのだ)
海賊「一旦こういった魔物をウチの船から出して逃がしてしまうと悪評をされかねん。お前たちは今は客ではなくプロの冒険者だ!相応の接し方で話させてもらうからそのつもりでいてくれ!」
海賊「では解散!武運を祈るぞ!」
153 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/21(土) 01:50:43.77 ID:m47FFP5e0
小休止
日曜で一気に進みたい
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/21(土) 02:29:25.57 ID:WxvW3czIo
乙ー
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/21(土) 02:32:04.00 ID:V6Qu5vsKo
>>153
乙!
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/22(日) 22:06:28.85 ID:uZ4EPd0Uo
マダー?
157 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:26:23.75 ID:aWyYEr9f0
再開
158 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:28:40.63 ID:aWyYEr9f0
船員「しかし船長、討伐体まで組むなんて本格的ですね」
海賊「当然だろう。このまま野放しにして船が沈められたりでもしたらかなわん」
船員「私も一通り監視はしましたけど、それらしいのは映ってなかったんですよねぇ」
海賊「……」
船員「いや!?ホントですよ!?今度はちゃんと映像よぉーーーく見ましたからね!?」
海賊「まぁいい、お前の信頼は地に堕ちているから期待はしていない」
船員「ヒデェ!」
159 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:33:43.00 ID:aWyYEr9f0
海賊「他のお客さんへの対応は下っ端共にやらせるとして……私達も動くか」
船員「えー!もうそろそろ船長もお休みになった方がいいんじゃないですかー?昨日からずっと無理してません?」
海賊「今無理を押し通さないでいつ通すんだよ。この船の長として当然の行動だ、つーかお前が休みたいだけだろ」
船員「てへぺろ☆」
海賊「まぁいい、付き合え!冒険者達とも連携してランスラットを探すぞ!」
船員「はいはーい、一回言いだしたら先代と同じで聞かないんですもんねーまったく」
船員「……身体、壊さないでくださいよ」
海賊「大丈夫だよ、お前がいるからな」
船員「ウヘヘェ」デレデレ
海賊「キモッ」
160 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:44:05.84 ID:aWyYEr9f0
竜少女「ここかのぅ」チラッ
騎士「ここかなぁ」ゴソッ
船員「あ、騎士さん達だ」
海賊「見つけたか?」
騎士「んにゃ、厳しいな」
竜少女「なんせ大きな船の中でたった一匹のネズミを見つけなければならんのじゃ、難易度は高そうじゃのう」
海賊「そこを何とかするのが冒険者だ、頼むぞ」
騎士「冒険者って何でも屋みたいに思われてるけど、ちゃんと仕事は選んで受けてるんだけどねぇ」
161 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:47:18.95 ID:aWyYEr9f0
騎士「そーいや昨日の夜は俺たちの部屋以外でも結構あったみたいだな水漏れ」
船員「あーそうなんですよ、後から効いた話だと騎士さん達程の被害ではなかったにせよ大なり小なりあったとか」
海賊「そこら辺船員のお前が正確に把握してなくてどうするんだよ……」
竜少女「……」
海賊「どうかしたか?」
竜少女「ワシ、今一匹と言ったか?」
船員「はい、言いましたね」
竜少女「そもそも"ソレ"は本当に一匹なのか?」
海賊「あ」
船員「あー」
162 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:50:41.37 ID:aWyYEr9f0
海賊「吐け。オラ吐け」ドスッドスッ
コック「やめて!弛んで来たお腹にパンチ貰うの辛いの!やめて!」
騎士「ソイツ問い詰めたところで果たして数は分かるのだろうか……」
竜少女「船長よ、時間の無駄じゃしその辺にしとけ」
船員「一応今通信で他の連中にも伝えておきました。可能性としては十分あり得ますし、警戒はするようにと」
海賊「ああ助かる……ったく、どうしてこんな」
163 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 00:54:48.25 ID:aWyYEr9f0
竜少女「フッフッフ、じゃがしかしだ。こういう時こそワシの探知能力の高さが役に立つというものじゃ!」
海賊「何か秘策があるのか?」
竜少女「使い魔を使って船内をくまなく探させる。ワシらの大きさでは入れん所も、そして監視が行き届いていないところも見て回れるという優れものじゃ!」
船員「おお!本人は楽出来ていいですねぇ!!私も欲しいくらいですよ!」
海賊「それはともかくとして。宛てになるのか?」
竜少女「馬鹿にするでない。精度はバッチリじゃ!では頼むぞ」パサッ
キキッ!
海賊「コウモリか」
船員「探し物とか得意そうですねー」
164 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:00:00.46 ID:aWyYEr9f0
キッ!? ゴッ
竜少女「え?」
騎士「は?」
海賊「ん?」
船員「あら」
キッ……
ドサッ
竜少女「よ、与作ーーーーーーーーーー!!」
騎士(そいつそんな名前だったのか)
海賊「え?何が起こったの?え?」
船員「いや、そりゃ船内で同じ運動の抵抗を受けていない状態でその空間に召喚すればそりゃ突然壁が迫って来て轢かれますよ」
海賊「知らなかったそんな召喚ルール……」
165 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:04:48.49 ID:aWyYEr9f0
船員「皆も動いてる乗り物の中で召喚魔法を使っちゃダメだぞ☆」
海賊「誰に言ってんだ誰に」
竜少女「与作はノビてしまったのぅ」
騎士「しゃーない、地道に探すか」
海賊「さっきも言ったが夕方までには結果出してくれよ」
船員「こっち船長が毎日ニヤケながら大事そうに金庫にしまってるなけなしの金出してんだぞ!分かったらキリキリ働け!」
海賊「余計な事言わなくていいからねー?」ギリギリギリ
船員「痛い痛い痛い」
騎士「分かってるよ、なんとか間に合わせる。行くぞ、セラ」
竜少女「しかたないのう、場所を絞ってみるか……」
166 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:10:59.28 ID:aWyYEr9f0
船員「いてて……なんか騎士さんの方達は期待できそうにないですねー」
海賊「まだ始まったばっかりだ。彼らも冒険者の端くれ、やることはやってくれるだろう」
船員「だといいですけどねー。次はあっちの部屋に行ってみましょうか」
海賊「ああ、結局全部屋一度回る必要もあるか……」
船員「一応監視室に人員裂いてるので、何か映れば通信来るんですけどねー」ガチャッ
ビュッ
スコンッ
船員「」
海賊「……」
船員「ナイフが飛んできたあああああああああびゃああああああああ」ガクガクガクガク
スライム娘「おや、外s……貴女達でしたか、失礼しましたわ」
船員「今お前"外した"って言いかけたよな!?なぁ!?」
167 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:16:19.80 ID:aWyYEr9f0
船員「船長!!コイツもう一回牢屋に入れておきましょうよ!?危ないですよ絶対!?」
海賊「いいだろ別に、被害あったのどうせお前だし」
船員「ひでぇ」
スライム娘「見てから避けておいてよく言う……」
船員「なぁやっぱりお前狙ったんだな!?狙ったんだろ!?」
ゴブリン娘「さっきから騒がしいぞ!」
スライム娘「申し訳ありませんわお嬢様。ゴミの排除に手間取りまして」
船員「おおおおおおい!?私がアンタに何したっていうんだ!?」
スライム娘「ごめんあそばせ。私、自分と同じ臭いのヒトが気に入らなくて」
船員「キャラ被ってるっていうのか!?口調も種族も全然違うのに!?」
スライム娘「ガタガタ煩いですわね。気付いている癖に」
船員「……」
168 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:19:40.77 ID:aWyYEr9f0
ゴブリン娘「おかしな連中だなまったく」
船長「で、成果はあったのか?」
ゴブリン娘「あ わ る わ け が な い !!」ズダーン
船長「だろうな」
ゴブリン娘「そもそもこの部屋はハズレなのだ!ここには何もない!」
海賊「ああ、何もないな」
海賊「置いてあった美術品がぜーんぶ無くなってる」
ゴブリン娘「そこは我らの知る範疇ではないのだ!」フイッ
169 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:20:06.26 ID:aWyYEr9f0
船長ってだれやねん
170 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:23:29.43 ID:aWyYEr9f0
海賊「しょっ引け」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
ゴブリン娘「ちょっ!?どっから沸いたコイツら!?」
スライム娘「お嬢様から手を離せこの筋肉だるまどもが!!」ガスガスッ
船員「あ、せんちょー、美術品全部こっちの部屋に隠されてましたー。これは巧妙ですわ」
ゴブリン娘「ちがうのだー!邪魔だったから退けただけなのだー!」
海賊「仮にそうであったとしても私に一声かけなかったお前たちが悪い。もうちょっと上手くやろうぜ」
171 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:32:33.81 ID:aWyYEr9f0
ズルズル…
ゴブリン娘「……?」
海賊「なんだ?言い訳はもう聞かんぞ」
ゴブリン娘「居た!!なんかズルズルした奴!!」
海賊「ズルズル?」
ゴブリン娘「ええい離すのだ!追うぞ!今そこの通気口に入っていった!地図見ろ地図!繋がってるところを探しに行くのだ!」
スライム娘「果敢ですわお嬢様。お前ら後で覚えてろよ!?」
船員「行っちゃった……いいんですか放置して?」
海賊「ま、他の客から物を盗ろうとしなかっただけ良しとしよう。それにアイツ、多分あの様子だと盗む気は無かったみたいだし」
船員「そうなんですか?」
海賊「盗むにしてももっと上手くやるだろ……そう思いたい」
海賊(しかし保管状態に気を遣って移動させてたみたいだが……そんな事が分かるなんて、本物の良い所のお嬢様か何かかアイツら?)
海賊(……全部ダミー品だけどさ)
船員(ウチ、高価なもの置けるだけの余裕ないからなぁ……)
172 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/23(月) 01:33:15.02 ID:aWyYEr9f0
小休止
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 04:56:44.81 ID:VJfjJduu0
もう十分休んだね?
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/23(月) 15:48:04.88 ID:Ee5YBP1wO
乙ー
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/25(水) 00:22:48.59 ID:34tjR2RiO
そろそろかのぉ…ばーさんや…
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 00:51:20.33 ID:M4WQdOVp0
>>175
まだみたいですよ…おじーさん…
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 02:30:12.85 ID:x2UtZ3KJ0
おばあちゃん!おじいちゃん!
こんどあのひといつくるのかなぁ!!!
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 20:32:40.55 ID:mYWichYu0
何かこの口調でナイフとくると某メイド長しかおもいつかない
スライムいったいお前は…
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 20:37:35.69 ID:JKApuE4oO
ただのロリコンです
180 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 00:59:29.07 ID:fKz6B1sF0
再開
181 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:04:13.20 ID:fKz6B1sF0
海賊「しかしまぁ……」
船員「やっぱり見つかりませんねぇ」
海賊「ランスラットを誘き寄せるエサでもあれば何とかなる気がするんだが」
金髪少女「そのエサとなるものは船の中に張り巡らされていますからね」
眼帯少女「……水道管、一通り見て回ったけどダメ」
海賊「あ、すみません何だか変なことに巻き込んでしまって……」
金髪少女「私達には敬語何なんですね?」
海賊「ええまぁ、貴女達は雇った訳ではなく協力者ですので」
船員「無償でお手伝いとかお人好しの域超えてますがな」
182 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:06:39.89 ID:fKz6B1sF0
金髪少女「はい、好きでやってますから!」
眼帯少女「……楽しそうだから」
海賊「黒髪のヒトは来なかったみたいですが……」
金髪少女「彼女の事ですから、純粋に興味がないだけかと」
船員「前の日に散々ちょっかいかけておいてドライなヒトだなぁ」
海賊「お前から失礼な発言が飛び出す度に私のイライラが募るんだからさ、そろそろ口と閉じような?」
183 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:12:56.93 ID:fKz6B1sF0
金髪少女「確か、一匹とは限らないんでしたっけ?」
海賊「規模は小さくても範囲が広いので、そうではないかと他の冒険者から意見があったので」
眼帯少女「……そのランスラットっていうネズミについてはよく分からないけど。この広い船の中で単独で動くような動物なの?」
船員「えーっとですね、この動物大辞典によりますと、単独行動はあまりしないようですね。親恋人友人なんかと一緒に動くケースが多いとか」ペラペラ
海賊「なんでそんなもん持ち歩いてんだお前……」
金髪少女「複数引き居たとしても、一か所に居るのなら辻褄が合わなくなりますね」
海賊「そうですね、傷は小さな穴が一つ。それが点々としているので」
184 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:18:34.03 ID:fKz6B1sF0
船員「他のヒトと意見真っ二つだなややこしい!!」
海賊「一度は船体を下水管ごとぶち抜いているハズで、今もなお船内に健在……複数引きから一匹になったという線もあるか」
船員「一匹海に置き去りにされちゃったって事ですかい」
海賊「ありえない事も無いだろう」
金髪少女「そうですねー。まぁ、今はとりあえず探す事に専念しましょうか」
眼帯少女「……ねずみー」
ギャアアアアアアアアーーーーー
海賊「ッ!なんだ!?」
金髪少女「悲鳴……」
船員「上の階です、行きましょう!」
海賊「お、おい!?」
185 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:22:26.28 ID:fKz6B1sF0
ドン☆
吟遊詩人「」
海賊「コイツは……」
船員「息はあります、脈は正常……どういう訳か、軽い中毒症状起こしてるみたいですが」
金髪少女(前の食堂での件でもそうですけど、凄く手際いいですね、この船員さん)
眼帯少女(……基礎的な処置に慣れてる。不思議な感じ)
海賊「中毒症状ってなんだよ……」
船員「何だと聞かれても……変なもんでも食ったんじゃないですか?」
海賊「いやいや、流石にいくらコイツが変態でもそんな……」
オーク娘「うにゃ?ここに隠しておいた生ハムが無くなってるにゃ?」
海賊「……」
船員「……」
186 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:25:54.59 ID:fKz6B1sF0
海賊「いやお前……」
船員「ここで何してるんですか」
オーク娘「ウチのボ……お嬢様とスライムメイドに置いて行かれたから一人で散策していたにゃ。お腹が減ったから昨日ここに隠した新鮮な生ハムをつまみに来たにゃ!」
海賊「コイツは泥棒を泥棒とも思っていないのか……」
オーク娘「違うにゃ、海に漂流する前にくすねておいた一週間前のものにゃ」
海賊「なんでナマモノを保存も出来ない劣悪な環境で残そうとしたの!?そして何で勝手にこんな所に隠したの!?馬鹿なの!?」
オーク娘「半分好奇心にゃ」
187 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:29:09.14 ID:fKz6B1sF0
海賊「んじゃあコイツはハム喰って死んだって事でいいのか」ゴロン
吟遊詩人「」
船員「そんな即効性あるものとは思えないですけどねぇ……」
金髪少女「……」
眼帯少女「……どうしたの?」
ズルズル…
金髪少女「原因、見つけました。追いましょう」ダッ
眼帯少女「……え?ああ……うん?」ダッ
船員「あれ、あの二人行っちゃいましたよ?」
海賊「何か見つけたのか?まぁいいや、とりあえずコイツを医務室に運ぶか……ん?」
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