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船員「船長!宝の地図です!」海賊「そんな事より働け」
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176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 00:51:20.33 ID:M4WQdOVp0
>>175
まだみたいですよ…おじーさん…
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 02:30:12.85 ID:x2UtZ3KJ0
おばあちゃん!おじいちゃん!
こんどあのひといつくるのかなぁ!!!
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 20:32:40.55 ID:mYWichYu0
何かこの口調でナイフとくると某メイド長しかおもいつかない
スライムいったいお前は…
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/25(水) 20:37:35.69 ID:JKApuE4oO
ただのロリコンです
180 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 00:59:29.07 ID:fKz6B1sF0
再開
181 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:04:13.20 ID:fKz6B1sF0
海賊「しかしまぁ……」
船員「やっぱり見つかりませんねぇ」
海賊「ランスラットを誘き寄せるエサでもあれば何とかなる気がするんだが」
金髪少女「そのエサとなるものは船の中に張り巡らされていますからね」
眼帯少女「……水道管、一通り見て回ったけどダメ」
海賊「あ、すみません何だか変なことに巻き込んでしまって……」
金髪少女「私達には敬語何なんですね?」
海賊「ええまぁ、貴女達は雇った訳ではなく協力者ですので」
船員「無償でお手伝いとかお人好しの域超えてますがな」
182 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:06:39.89 ID:fKz6B1sF0
金髪少女「はい、好きでやってますから!」
眼帯少女「……楽しそうだから」
海賊「黒髪のヒトは来なかったみたいですが……」
金髪少女「彼女の事ですから、純粋に興味がないだけかと」
船員「前の日に散々ちょっかいかけておいてドライなヒトだなぁ」
海賊「お前から失礼な発言が飛び出す度に私のイライラが募るんだからさ、そろそろ口と閉じような?」
183 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:12:56.93 ID:fKz6B1sF0
金髪少女「確か、一匹とは限らないんでしたっけ?」
海賊「規模は小さくても範囲が広いので、そうではないかと他の冒険者から意見があったので」
眼帯少女「……そのランスラットっていうネズミについてはよく分からないけど。この広い船の中で単独で動くような動物なの?」
船員「えーっとですね、この動物大辞典によりますと、単独行動はあまりしないようですね。親恋人友人なんかと一緒に動くケースが多いとか」ペラペラ
海賊「なんでそんなもん持ち歩いてんだお前……」
金髪少女「複数引き居たとしても、一か所に居るのなら辻褄が合わなくなりますね」
海賊「そうですね、傷は小さな穴が一つ。それが点々としているので」
184 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:18:34.03 ID:fKz6B1sF0
船員「他のヒトと意見真っ二つだなややこしい!!」
海賊「一度は船体を下水管ごとぶち抜いているハズで、今もなお船内に健在……複数引きから一匹になったという線もあるか」
船員「一匹海に置き去りにされちゃったって事ですかい」
海賊「ありえない事も無いだろう」
金髪少女「そうですねー。まぁ、今はとりあえず探す事に専念しましょうか」
眼帯少女「……ねずみー」
ギャアアアアアアアアーーーーー
海賊「ッ!なんだ!?」
金髪少女「悲鳴……」
船員「上の階です、行きましょう!」
海賊「お、おい!?」
185 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:22:26.28 ID:fKz6B1sF0
ドン☆
吟遊詩人「」
海賊「コイツは……」
船員「息はあります、脈は正常……どういう訳か、軽い中毒症状起こしてるみたいですが」
金髪少女(前の食堂での件でもそうですけど、凄く手際いいですね、この船員さん)
眼帯少女(……基礎的な処置に慣れてる。不思議な感じ)
海賊「中毒症状ってなんだよ……」
船員「何だと聞かれても……変なもんでも食ったんじゃないですか?」
海賊「いやいや、流石にいくらコイツが変態でもそんな……」
オーク娘「うにゃ?ここに隠しておいた生ハムが無くなってるにゃ?」
海賊「……」
船員「……」
186 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:25:54.59 ID:fKz6B1sF0
海賊「いやお前……」
船員「ここで何してるんですか」
オーク娘「ウチのボ……お嬢様とスライムメイドに置いて行かれたから一人で散策していたにゃ。お腹が減ったから昨日ここに隠した新鮮な生ハムをつまみに来たにゃ!」
海賊「コイツは泥棒を泥棒とも思っていないのか……」
オーク娘「違うにゃ、海に漂流する前にくすねておいた一週間前のものにゃ」
海賊「なんでナマモノを保存も出来ない劣悪な環境で残そうとしたの!?そして何で勝手にこんな所に隠したの!?馬鹿なの!?」
オーク娘「半分好奇心にゃ」
187 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:29:09.14 ID:fKz6B1sF0
海賊「んじゃあコイツはハム喰って死んだって事でいいのか」ゴロン
吟遊詩人「」
船員「そんな即効性あるものとは思えないですけどねぇ……」
金髪少女「……」
眼帯少女「……どうしたの?」
ズルズル…
金髪少女「原因、見つけました。追いましょう」ダッ
眼帯少女「……え?ああ……うん?」ダッ
船員「あれ、あの二人行っちゃいましたよ?」
海賊「何か見つけたのか?まぁいいや、とりあえずコイツを医務室に運ぶか……ん?」
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 01:31:56.11 ID:WbfjYDY9o
生ハムは塩漬けされてるから生物じゃないぞ
普通に有能な保存食
189 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:32:55.58 ID:fKz6B1sF0
海賊「なんでコイツこんなに濡れてるんだ?周りに水気なんて……」
べちょぁ〜……
海賊「……なんだこのバケツの水ひっくり返したような状況は」
船員「よく見りゃ辺り一面水浸しですね」
オーク娘「そこの水道管破裂してるにゃ」
海賊「にゃああああああああああああああああああああ!!チクショウまたやられてらあああああああああああああああ!!」ガンガンガン!!
船員「ちょ!船長落ち着いて!!船!!その手甲で殴ったら船壊れますって!!」
オーク娘「あ、ハムみっけ。なんだ、食べられてなかったのにゃ」
海賊「へ?んじゃあコイツは一体……」
船員「状況的にランスラットにやられたって事でしょうか?でも目立った外傷も無しに……まさか食った?」
海賊「くっ!?……いやそれは流石に無いだろ」
海賊「……」チラッ
船員「……」チラッ
吟遊詩人「」
海賊「ないよね?」
※ありません
190 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:33:49.01 ID:fKz6B1sF0
>>188
オーク娘「マジで未加工の切り落とし肉にゃ」
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 01:34:48.40 ID:WbfjYDY9o
それ生ハムじゃなくて生肉じゃねぇか!
192 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:38:04.92 ID:fKz6B1sF0
海賊「なんか途中で苦しい言い訳が入った気がしたがまぁいいとして」
船員「いいのかよ」
海賊「私達が追っているものは本当にランスラットなのか?」
船員「何だか妙にそうではない気がしてきましたよ」
海賊「各員に通達。標的は微量ながら毒性を持っている可能性がある。気を付けて捜索せよ!」
海賊「大人一人を気絶させるくらいには強い、可能ならば万能解毒剤を医務室から持って行くように」
オーク娘「無知を晒してしまったにゃー」ツンツン
吟遊詩人「」
オーク娘「もういらないからコイツの口に突っ込んどくにゃ」グイッ
吟遊詩人「オゴッ」
193 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:49:29.75 ID:fKz6B1sF0
……
騎士「収穫ゼロ!!」
竜少女「午前の部終了!!」
ゴブリン娘「むー、追いつけると思ったのだが。あのイキモノ、中々やるのだ」
スライム娘「寛大ですわお嬢様。あのような下等生物にも感動なさるとは……それに比べてそこの妖怪乳デカピンク、お前何してんたんだ」
オーク娘「お肉食べ損ねたにゃー」
金髪少女「……」
眼帯少女「……姿は捕えられなかった。でもあと少し」
船員「やっぱり難しいですね」
海賊「こればかりは仕方ない……が、お前たち!午前も頼むぞ!」
海賊「それと、働き詰めだと悪いから食事はこちらで用意させてもらった!」
「「「おおー」」」
194 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:54:24.26 ID:fKz6B1sF0
コック「へい、俺の特製サンドイッチだ!心して喰え!!」
騎士「行くか」ガタッ
竜少女「そうじゃの」ガタッ
ゴブリン娘「まだあっちのほう散策してなかったな」ガタッ
スライム娘「お嬢様、後で私が軽食を作りますわ」ガタッ
オーク娘「ちょっと厨房漁るにゃ」ガタッ
コック「HAHAHA☆オーケーオーケー、見知った顔達よ。俺の料理が信用ならないことは分かった。でもパスタじゃないから安心して喰え!な!お願い!!料理人としての自身無くなるから!!マジで!!お金払うから!!」
船員「安全性とプライドを捨てた男の末路か……」フッ
海賊「お前楽しんでない?」
195 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 01:59:21.07 ID:fKz6B1sF0
ズルズル……
金髪少女「……来た」
眼帯少女「……?」
竜少女「ッ!近くに何かおる!」バッ
騎士「え、ええ!?いきなり臨戦態勢!?」ジャキン
スライム娘「お嬢様」サッ
オーク娘「お下がりください」サッ
ゴブリン娘「な、なんなのだ!?」
船員「船長、感じました?」
海賊「明確に……こちらに視線を向けられたのを感じた……来るぞ!!」
196 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:06:01.01 ID:fKz6B1sF0
ビュッ!!
ガシャーン!!
オーク娘「チッ!」
ゴブリン娘「ギャーーーーーー!!私のお皿が割れたーーーーーー!!」
スライム娘「ピンク色!お嬢様をそのまま抱えて護っていなさい!」
オーク娘「何が見えた!?」
騎士「長細い"何か"だ!!ありゃあネズミじゃねぇ!!」
竜少女「尋常ではないくらい速い!全員視界を確保しろ!それぞれ違う場所を見て護れ!」
海賊「目はいい方だと自信があったが……即座に対応できるとはこいつら……恐れ入ったぞ」
船員「船長、私の後ろに隠れていてください。お守します」
海賊「馬鹿言え、お前が私に守られるんだよ」
眼帯少女「……見えた?」
金髪少女「み、見えましたけど……いやそんなまさか……いやいやいや、そんな……」
眼帯少女「……サッパリわからない」
197 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:09:31.36 ID:fKz6B1sF0
ビュッ!!
ガシャーン!!
騎士「あぁーーー!!俺の皿までやられた!!やろうぶっ殺してやる!!」
竜少女「阿呆かお主は!?そんな事で一々キレておる場合ではないじゃろ!?」
ビュッ!!
ガシャーン!!
スライム娘「コイツ……皿を狙っている?」
オーク娘「お皿じゃない……にゃ。多分コレ」
海賊「まさかサンドイッチ……?」
198 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:12:46.81 ID:fKz6B1sF0
グシャッ!!グシャッ!!
竜少女「間違いない、サンドイッチを狙って"喰っておる"」
騎士「お、おお脅かしやがって……は、腹が減ってたにしちゃちょいとやり過ぎじゃあ……」
船員「被害自体は軽微みたいですが……船長、いかがいたしましょう」
海賊「決まっている……ここで仕留める!!」
船員「おお!いかにも海賊っぽい目つきに!!滅ぼせ畜生!!意にそぐわぬものは全て切り捨てる!!って感じですか?」
海賊「 食 器 代 も タ ダ じ ゃ あ な い !!」
船員「ああ、そういう……」
199 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:15:43.26 ID:fKz6B1sF0
ビュッ!!
海賊(来る方向が分かるなら!!)
海賊「コイツの餌食だ!!賭けろ戦斧・ガルガニア!!打ち砕け刃よ!!」ブォン!!
???「ッ!?」
騎士「な、なんだあの斧!?」
竜少女「ふむ、魔導核を付けておるな」
200 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:21:24.31 ID:fKz6B1sF0
船員「説明しよう!!戦斧ガルガニアとは、先代が残した遺品の一つであり、重力の魔導核が埋め込まれているのだ!!手甲に埋め込まれている同じく重力の魔導核との相乗効果でとてつもない重力波を生み出し!!反発させあいそして引き寄せる!!それがウチの船長の戦い方!この技にハマってしまったが最期!刃に向かって自ら飛び込む他なくなってしまうのだ!!」
ゴブリン娘「説明ご苦労なのだ」
スライム娘「さっきあの手甲でコックさん殴られてませんでした?」
コック「超振動が起きてて気持ちよかったです」
オーク娘「変態さんにゃ」
海賊「うおおおおお!!」ザシュッ!!
???「ピギッ!!」
海賊「手ごたえアリだ……真っ二つだな。お前の正体見せてみろ!!」
騎士「あれ?」
竜少女「のじゃ?」
金髪少女「あー、やっぱり……」
海賊「……ンなッ!!」
船員「こ、コイツは!?」
201 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/26(木) 02:22:08.46 ID:fKz6B1sF0
小休止
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/26(木) 07:10:39.58 ID:upKKnlwOo
乙ー
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/26(木) 08:07:29.17 ID:3Jw9UYVgO
少年漫画みたいな切り方しやがって…!!
乙
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/27(金) 00:50:04.38 ID:A391XHr/O
再開して
205 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/29(日) 16:19:40.19 ID:osJMvlaE0
今日の更新は無し
明日は結構ガッツリ行く予定
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/29(日) 16:52:44.85 ID:ZIxueFRLO
OKまってる
207 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/29(日) 19:26:50.51 ID:eFrE0yHBO
ごめん、仕事で明後日まで帰れんくなった
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/31(火) 01:57:59.78 ID:0ZVMGz240
お仕事頑張ってくださいね
209 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:15:36.75 ID:HgOYhf3M0
再開
210 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:16:57.91 ID:HgOYhf3M0
パスタ「ブミャー……」
海賊「……」
船員「……」
騎士「……」
竜少女「……」
ゴブリン娘「……」
スライム娘「……」
オーク娘「……」
海賊「は?」
211 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:23:45.00 ID:HgOYhf3M0
パスタ「ミギィ……ミギィ……」
海賊「ごめん、ちょっと意味わかんない。何アレ」
船員「率直に言います、パスタですね」
海賊「いや、うんそうなんだけどね?もっとこう……生物とかに出来なかったかなー?」
船員「ナマモノじゃないんですかねぇ」
海賊「加工品だよ?」
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/01(水) 00:30:54.97 ID:xrkMCCMe0
はじまたー!
213 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:32:15.48 ID:HgOYhf3M0
騎士「しかしなんで……パスタ?」
竜少女「理由も求めようとするでない。ともかく一旦仕留めてから……」
パスタ「ピギャー!!」シュバッ
ゴブリン娘「逃げたのだ!!追うぞ!」
スライム娘「お嬢様、もう関わらない方がよろしいかと……」
オーク娘「ウチのボスが行くっていうから行くしかないにゃー」
金髪少女「どうしましょうかコレ……」
眼帯少女「……面白そうだから追うー」
214 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:43:34.84 ID:HgOYhf3M0
コック「あれは……いや、そんなまさか……」
海賊「一応聞いておく、何か知ってるのか?」
コック「ああ……間違いない!あのパスタは俺が作ったパスタだ!!」
海賊「知ってた」ギリギリギリギリ
コック「痛い痛い痛い痛い」
船員「そういや先日異形とかしたパスタを海に捨てましたね……」
海賊「どういう経緯かは知らんが、コイツが作ったパスタに生命が宿り海を彷徨い再び我が船に帰ってきたという訳だ」
船員「アレ作った時材料は何を使ったんだよオイ」
コック「素パスタに隠し味としてランスラットの毛を少々☆」
海賊「それを客に出す気だったのか?ええ?」ギリギリギリギリギリ
コック「HAHAHA☆ある種の実験だよ実験そんなものお客さんに出す訳があああああああああ!!」メリメリ
215 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 00:53:36.86 ID:HgOYhf3M0
海賊「後でみっちり絞めるとして、私達も追うぞ!」
船員「外のプールに逃げ込んだみたいです。ランスラットの習性があるのならプールを穴だらけにされる可能性も……」
海賊「だああああもう!!まずお客さんの安全確保!!次いでウチの人員を集結!!今度こそぶち殺すぞ!!」
船員「張り切ってますねー」
海賊「あのプール設置するのにどれだけの金が」
船員「言うと思ったよ守銭奴め☆」
216 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:26:02.48 ID:HgOYhf3M0
……
騎士「あっというまに!」
竜少女「かこんだのじゃ!!」
パスタ「ピィ…」
下っ端A「お客さんの非難は既に完了してますぜ」
下っ端B「後はボスの合図で奴を仕留められます」
海賊「よくやった!」
船員「ハッハッハ!プールはもうボロボロだけどな!!」
海賊「……」
海賊「……」グスン
下っ端C「お前の何気ない一言がボスを傷つける」
217 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:28:23.69 ID:HgOYhf3M0
海賊「さぁ大人しくするんだ。なに痛みは感じないさ、今度は切断じゃなくて消滅だからな!!」ジリジリ
パスタ「キュルルン…」
海賊「覚悟ォーーー!!」
コック「ま、待ってくれーーー!!」バッ
海賊「何!?」
218 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:31:53.24 ID:HgOYhf3M0
コック「殺さないでやってくれ!こいつは確かにパスタだ、そしてたくさんの人に迷惑もかけた……でも!!」
コック「一つの生命なんだ!ありえない事だが、食べ物に宿った命なんだ!!」
パスタ「チュル…」
コック「だから……こいつをどうか……」
船員「どうします?」
海賊「どうもこうも処刑は決まってるぞ。つーかテメーが撒いた種だろーが」
コック「そんな殺生な!!」
下っ端C「あ、船長、いい事考えました」
海賊「え?」クイッ ザクッ
コック「ギャー!!なんか俺が斬られたーーー!?」
219 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:35:49.45 ID:HgOYhf3M0
下っ端C「この子、売り飛ばしたらそこそこいい値段すると思うのですけど」
海賊「そーだなー、珍しい変異体みたいなもんだしそっちの方がいいかなー」
海賊「かっ捌いて実験に使われたりサンプルとして薬漬けにされたり最悪脳だけ取り出されて機械に繋がれたり」
パスタ「!!?」
コック「やめろー!!そんなのパスタじゃない!!俺の知ってるパスタは皆を笑顔に……」
海賊「出来なかったから殺処分だっつってんだろ」グリグリ
コック「踏まないで!!ド頭踏まないで!!」
船員「船長ウチの被害が大きくなった分だけ海賊っぽくなっていくなぁ……」
下っ端B「死活問題だしまぁ……」
220 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:39:39.86 ID:HgOYhf3M0
パスタ「プゥ…」ナデナデ
コック「パスタ……お前、俺を慰めてくれるのか?なんていい子なんだ!!だから俺はこの子を助けたいtガフッ」
パスタ「キシャー!!」ズシャッ
ゴブリン娘「生みの親に牙をむいたーーーー!?」
スライム娘「始めから主従関係など成立していなかったようですわお嬢様」
オーク娘「あのコック口にパスタの切れ端入れられて泡吹いてるにゃ」
船員「中毒症状の原因はアレか」
騎士「うっ、頭が……」
竜少女「よいよい、思い出さんでも」
221 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:42:33.72 ID:HgOYhf3M0
パスタ「ムギャー!!」
海賊「!」
下っ端A「ボス!!」
下っ端B「アブねぇ!!」
船員「ッ!!姫!!」
竜少女「?」
海賊「お前を処刑する一番いい方法を思いついたぞ」ガッ!
パスタ「ッ!!」
222 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:46:24.96 ID:HgOYhf3M0
海賊「私の手甲の重力を忘れたか?やはり所詮は低能なネズミか」
パスタ「ングッ!ンギッ!!」
下っ端A「いやアンタ……」
下っ端C「まさか普通につかむとは……」
海賊「あんまり美味くもねーけど、パスタの解体ショーと行きますか」
海賊「ちょいと高くて狙いにくいが……この位置から海に落ちりゃあスクリューに巻き込まれそうだな」
パスタ「ミギー!!」
海賊「手こずらせやがって……じゃあな、クソパスタ!!」
パスタ「―――!!」
グチャグチャ!!
223 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:48:30.57 ID:HgOYhf3M0
……
海賊「大変ご迷惑をおかけしました!!お客様の皆々様には深くお詫び申し上げます!!」ペコペコ
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
騎士「何はともあれ一件落着ってところか」
コック「パスタ……我が子よ……」
騎士「……」
竜少女「同情するなよ。アレが原因じゃ」
224 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:51:59.76 ID:HgOYhf3M0
竜少女「しかし……」
船員「はい?なんですか?」
竜少女「いや、部外者のワシがあまり首を突っ込むような事ではないが……なにやら複雑そうな事情を抱えていると思ってな」
スライム娘「それに、身のこなしやら何やらを見てもやっぱり貴女……」
船員「なーに言ってんだか。私ゃただの船乗りですたい」
スライム娘「ふぅん、私と同じ臭いしかしませんわ」
ゴブリン娘「お前はいい匂いなのだ!」ダキッ
スライム娘「お、お嬢様!?」
225 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 01:54:45.97 ID:HgOYhf3M0
ゴブリン娘「お前からは何も……血なまぐささなど感じないのだ。だからそんな事をいうな……」
スライム娘「お、お……」
スライム娘「お嬢様ァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」ブバッ
オーク娘「鼻血臭いにゃ」
竜少女「お熱いのぅ」
船員「……オイちょっとまて!?私からは血なまぐささが漂ってるってか!?」
竜少女「ま、どう捉えるはお主次第じゃと思うがの」
船員「まったく意地の悪い人達ですねぇ」
226 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:08:22.05 ID:HgOYhf3M0
海賊「それよりもコックさんよお」ガシッ
コック「ヒィ!?」
海賊「ちょっと調べさせてもらったら、アンタの実家かなりの金持ちみたいだけど……弁償とかさ」
コック「こ、これ……親父のクレジットカードです」
海賊「どうも」ニッコリ
騎士「人間のクズだ……」
竜少女「どっちがとは聞かんぞ」
海賊「よし!盗るもん盗ったしそいつは海に捨てておけ!港も近いし泳いで渡れるだろ」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
コック「え!?ちょ!?ま……あーーーーーーーーー」
ポチャン
騎士「当然だよな」
竜少女「当然じゃの」
227 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:11:22.71 ID:HgOYhf3M0
――――――
―――
―
海賊「ご乗船」
「「「「ありがとうございました!」」」」
海賊「また御贔屓にお願いします!」
騎士「いやー、中々ハードな旅だったな」
竜少女「ま、退屈はせんで済んだがの」
キキッ
竜少女「おお、アンドレ。元気になったか」
キキッ!
騎士(名前変わってる……)
228 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:13:43.64 ID:HgOYhf3M0
騎士「ところで、あのへんてこりん3人組はどうした?」
海賊「アイツら港に付いた瞬間逃げました……」
騎士「……まぁ、差し出す気は無かったんだろ?」
海賊「ええまぁ……緊急だったのもあって食料については仕方ないと割り切りますけど」
船員「最後に冷蔵庫の中身持って行かれましたがな」
海賊「……」
竜少女「ドンマイじゃ」
229 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:17:45.59 ID:HgOYhf3M0
ゴブリン娘「我々はこの海上都市!ひいては海底都市で再起を図るのだー!!」ダダダッ
スライム娘「勇猛ですわお嬢様。あそこでめげずに食料を掻っ攫うなんて……ああ、素敵ですわお嬢様」
オーク娘「やることが一々小さいにゃ」モグモグ
スライム娘「おいコラ猫モドキ、文句言ってんじゃあねーぞ?」
オーク娘「海底都市に先に向かわせた部下達が事務所構えてるにゃ。とっととそこへ行くにゃボス」
ゴブリン娘「ふははは!!悪の組織は不滅なのだー!!」ダダダッ
ドシャッ
ゴブリン娘「……うぐゅ」ジワッ
オーク娘「ちゃんと前見て走るにゃ」
スライム娘「あぁ……泣き顔も可愛いですわお嬢様」ハァハァ
オーク娘「手ェ貸してやれよ」
230 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:22:21.32 ID:HgOYhf3M0
海賊「……なんかあのゴブリンの娘が転んで涙ぐんでるビジョンが見えた」
船員「怪しい薬でもキメてんですか船長?」
騎士「その歳で薬はやめとけよー?碌な人生送れなくなるぞ?」
海賊「やってないからな!?」
船員「ところで、貴方達はこのまま海上都市へ?」
騎士「そうだな……ちょっと探し物があるから」
竜少女「大したものではないがの。海底都市に水竜の伝説があると聞いてな」
海賊「竜……」
船員「伝説とか言ってますけど、たしか普通に竜族のシーサーペント棲息してましたよね?」
竜少女「まぁ、それはそれじゃ……」
騎士「じゃあ俺たちはこれで」
竜少女「世話になったの!」
231 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:24:31.83 ID:HgOYhf3M0
船員「なんだかお客さん続々と降りて行きますねー」
海賊「当然だろ、ここを目的地とした人が大半なんだから」
船員「一周年記念っつっても、最後までウチの旅に付き合ってくれるヒトが少なくて寂しいですねー」
海賊「ま、所詮は運搬業、こんなもんだよ」
船員「張り切ってコレクション晒したくせに」ボソッ
海賊「……」
海賊「……」ジワッ
船員「はいはい泣かない泣かない」
232 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:25:58.32 ID:HgOYhf3M0
黒髪少女「あら、こんばんは、小さな船長さん」
海賊「あ、どうも」
船員「貴女もここで降りるんですか?」
黒髪少女「いいえ、ちょっと買い出しに行くだけで私は居残り組ですよ。最後まで貴方達の旅にお供するつもりです」
海賊「ありがとうございます!」パァァ
黒髪少女(可愛い)
船員(可愛い)
233 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:27:55.03 ID:HgOYhf3M0
船員「あ!それより何でネズミ討伐に参加してくれなかったんですかー!人手足りなかったんですよー!」
海賊「ンなもん強要してないから別にいいだろ」
黒髪少女「中々面白かったそうですね。判断を見誤りました」
船員「そうそう!いやーまさか船長がみんなの前で裸体を晒すことになろうとは……」
海賊「 無 い よ ! ? そ ん な 場 面 ま っ た く ! ? 」
黒髪少女「フフ、やっぱり行事には積極的に参加すべきでしたね」
234 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:38:12.76 ID:HgOYhf3M0
黒髪少女「それでは今日はこの辺で。また明日からの旅を楽しみにしています」
海賊「はい!おやすみなさい!」
黒髪少女「ええ、おやすみなさい……」
船員「残ってくれる人もいるのは嬉しいですね」
海賊「ホント……」
235 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:39:54.62 ID:HgOYhf3M0
船員「船長、一応今から急ピッチで修理させて、明日の昼過ぎには予定通り出港できるようにはします」
海賊「ああ、その為に腕のいい連中を雇ったからな」
海賊「……」
海賊「出費が痛かった」
船員「一言多いなーもう☆」
236 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:41:48.05 ID:HgOYhf3M0
船員「今日はもうお部屋に戻ってお休みになられたらどうですか?やること無いですし」
海賊「そうだなー。他の仕事も何だかんだでニューメンバーが受け持ってくれてるし……ってかアイツら残るんだな」
船員「そりゃあ、ちょっと強めの呪い掛けましたから」
海賊「なんか話と違くない?」
船員「それはそれ、これはこれ」
237 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:44:04.40 ID:HgOYhf3M0
……
海賊「……疲れた」
海賊(こうして企画して、私自身が人前で色々やるなんて初めてだからどうなるかと思ったけど)
海賊「……どうにもならない事多すぎじゃね?」
海賊「それはともかく……はぁ、昨日から自室に戻ってなかったが、こりゃ酷い。私の部屋まで被害受けてたか」
海賊「ああもう、壁にまで穴が開いて……ん?何だコレ、手紙?」
238 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:50:06.42 ID:HgOYhf3M0
海賊(親父宛て……そういや、ここって元々親父の部屋だったしなぁ。でも何で壁の中にこんなもん隠してんだ)
海賊「小難しい事書いてあってよく分かんねぇや……それに……この紋章」
海賊「確か、ブリファライトの保有国の……」
海賊「"石のありかは地図に記す"……」
海賊「……そういやあの地図にも同じ紋章があったな……てっきり親父が悪戯で書いたものだと思っていたが、文章だけだったのか」
海賊「……なんて書いてあったかは読んでなかったな」
海賊「……」
海賊「ええい忘れろ忘れろ!!大体気色悪いなオイ!?こんな場所に隠すなんて!?」
海賊「もう寝る!!修理は明日考える!!おやすみ私!!」
239 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/01(水) 02:50:35.77 ID:HgOYhf3M0
小休止、やっと前半終了
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/01(水) 02:52:49.20 ID:3TwkYmZk0
乙
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/01(水) 06:49:08.37 ID:M6cJ0hsfo
乙ー
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/01(水) 21:00:39.95 ID:77Xi1EPQ0
パスタのパスタが作品を追う毎に暗黒進化していく…
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/04(土) 22:19:22.01 ID:XQMSofQ7O
パスタが宇宙を創成する日もそう近くないな…
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/04(土) 22:48:40.73 ID:MCmlYuAlO
下げ
245 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:15:21.46 ID:04nZ5GLo0
再開
246 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:17:53.44 ID:04nZ5GLo0
――――――
――
―
海賊「〜♪」
船員「ちょっ、船長待ってくださいよー!」
海賊「あんまり遅いと置いていくぞ〜」
船員「全くもう機嫌めっちゃよくなっちゃって……」
海賊「そりゃあ良くもなるだろ。昨日の深夜に船の修理終わったんだから」
船員「まぁそりゃそのおかげで午前中はこうしてお買い物できるくらいには余裕が出来ましたけど……」
247 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:20:39.52 ID:04nZ5GLo0
船員「ちょっとおかしくないですか?急ピッチで進めても昼前に終わらせる予定だったのに」
海賊「早く終わるに越した事はないだろう。3時間ばかりだか他の船員たちにも休みをやれたのは大きいし」
船員「ありがたいですけど何だかなぁ」
海賊「しかし、あの商人に感謝だな。まさか安価でここまでしてくれるとは」
船員「チョーうさんくせーですよあの着物の商人!!」
248 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:23:28.88 ID:04nZ5GLo0
―
―――
――――――
下っ端A「船長!申し訳ないっす!俺達じゃ対応できなくて……」
海賊「あーもう……なんだよこっちは眠りかけだったのに呼び出して……」
下っ端B「いや、今すぐに船を直せるって奴が現れましてね」
海賊「なんじゃそら、無理に決まってんだろ。ちょっとそいつ通せ」
下っ端C「了解です。はいってらっしゃい」
249 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:25:25.47 ID:04nZ5GLo0
下っ端A「……」
下っ端B「……」
海賊「……来ないな」
下っ端C「オイどこ行った!?」
ガチャ
船員「せんちょー、なんか業者が大量に船に乗り込んできてますけど、こんな時間から修理ですか?」
海賊「は!?」
250 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:29:13.32 ID:04nZ5GLo0
……
商人「オイてめぇら!!私に"貸し"を大量に作っておいてタダじゃあ終わらせねぇぞ!!」
商人「ニーア商会に捨てられた船大工共!!誰が拾ってやったと思ってんだァ?恩に報いろ!惜しまず働け私の為に!!明日この船が予定通り出なきゃ色々こっちの計画が狂っちまうんだよ!!ホラそこサボんなコンチクショウ!!こっちは監視も付けてんだぞ」
剣士「ふぁ〜……」ウツラウツラ
幽霊「……もう11時だよ、寝ようよ」
子ウサギ「ウキュウ……」
商人「ホラお前たちは連中の働きを監視してろ!!レアアイテムが手に入るかどうかがかかってんだよ!!」
剣士「コイツは何でこんなに元気なんだ……」
海賊「オイこら貴様らぁああああ!!」
商人「おんや?」
251 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:31:36.68 ID:04nZ5GLo0
海賊「これは私の船だぞ!何許可なく勝手に業者入れてんだ!?」
商人「おお、貴女がこの船の船長さんですか!どうも、ワタクシ旅商人の林檎と申します!お近づきの印としてリンゴ飴でもどうぞ」
海賊「おー、こりゃご丁寧にどうも……じゃなくてだな!!」ペロペロ
船員「船長、こんな時間に食ったら虫歯になりますよ」
商人(食べはするのか)
252 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:42:55.55 ID:04nZ5GLo0
船員「それより何が目的ですかいアンタ。ウチは借金だらけだからまともに金は払ないぞ」
海賊「悲しい事実を突きつけなくていい。その発言は私にしか効かない」
商人「いーですいーです。お金なんて取ろうとは思っちゃいないですから」
海賊「なに?」
商人「訳あって明日中にキッチリ出港してもらわないと私が困るんですよ。ホイ」
海賊「ん?ウチの乗船券じゃないか」
船員「って、客!?」
商人「そういう事ですねー」
253 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:45:42.01 ID:04nZ5GLo0
商人「腕は確かな奴らなんで、このくらい楽勝ですよ」
海賊「そんな事しなくても明日の昼前には……」
商人「直る保証ありますか?正直酷いありさまですけど」
海賊「そっ……それでも最新技術を駆使すれば……」
商人「まぁ最近の技術ならお金積めば船大工だけでなくとも魔法を使ってちょちょいのちょい!って感じですが……」
商人「お高いんでしょ?」ボソッ
海賊「うぐぅ!」
254 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:51:11.78 ID:04nZ5GLo0
商人「かるーく見積もって、ここらの工事代の半額以下に抑えられそうですし、私を信じて任せてくださいな……えっと、このくらいかな」カタカタ チーン
船員「せ、船長!?かなり安いですよ!?この商人何者ですか!?」
商人「ぬっふっふ、通りすがりのマルチ美少女着物商人とだけ伝えておきましょう!」
剣士「23歳は少女ではないぞ」
商人「黙れ護衛!!お前はもっと食い入るように監視しとけオラ!!」
剣士「……ま、そもそもコイツは20代には見えんか」
船員「船長、なんかこれ信用していいかどうか……」
海賊「し、しかしこの金額は魅力的だ……」
船員「揺らぎますかい」
255 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:55:53.72 ID:04nZ5GLo0
海賊「わ、分かった、信じよう!」
船員「お金に釣られちゃったー☆」
商人「いやぁ物分かりが良くて助かります!じゃあここにサインお願いしまーす!あ、詐欺とかじゃないんで一応全文目ェ通しといてくださいね」
海賊「……まぁ変なところは無いな」
船員「ちょーっとちょっと!犬耳商人!アンタの目的は何だってんだ!いくらなんでも気前良すぎだろ!」
商人「狼です。利害の一致ってやつですよ、私にも私の目的があるんで。あ、作業もう半分終わったみたいですね」
海賊「早ッ!!」
商人「まーこのペースなら深夜中には終わるでしょうし、船長さん達はドーンと構えて眠っててくださいな!オイこらサボんなウチの!!」
剣士「Zzz…」
幽霊「スヤァ」
子ウサギ「ウーキュー……」
船員「……」
256 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:57:48.59 ID:04nZ5GLo0
――――――
―――
―
海賊「お前、何だか最後まで気に入らなかったみたいだけど」
船員「先代の残した船をどこの誰かも分からない奴に触ってほしくなかっただけですよ」
海賊「お前そういうの気にする性格だっけ?」
船員「もーこのチビッ子は失礼な事平気で言うな!」
海賊「お前の方が失礼だって気づいてる?」
257 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/05(日) 00:59:35.64 ID:04nZ5GLo0
小休止
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 01:33:06.42 ID:qqxqtR+K0
乙。みんな大好き着物商人だー
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 01:37:36.53 ID:fY99fq1to
わぁい林檎ちゃんだー!
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/05(日) 04:37:50.39 ID:RQPYPmFJo
乙ー
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 04:44:30.58 ID:JSUmE/ZE0
乙
林檎ちゃん出てくると安心する
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 05:03:32.39 ID:P1hbz/ffo
ssは面白いのに回りがただただ不快
別ssとのシェアワールドでの話何だろうけど
>>1
が繋がりがあるなんて言ってる訳じゃないのに別ssの話しかしないとか可哀想だわ
263 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:32:19.51 ID:BmzUPJxT0
再開
264 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:35:36.48 ID:BmzUPJxT0
船員「ところで船長、お買い物って何を買うんです?ほとんどネットの通販で済ませるのに出歩くなんて珍しい」
海賊「ああ、最近この海上都市に腕のいい鍛冶師が居るって話を聞いてな。武器の手入れと何か新作の装備でもないかと思って」
船員「年頃の娘っ子が見るもんじゃねぇよ!?」
海賊「これでもファッションにも気を遣ってるぞ?最近、フルプレートの鎧にハマっててな……」
船員「色気も何もありゃしねぇな!?」
265 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:38:47.25 ID:BmzUPJxT0
海賊「ここだな」
船員「随分近い所にあるんですね……ってか普通の工場だ」
海賊「普段こうした小さな工場を借りているらしいんだ。何でも、冒険者を兼業してるらしくてな」
船員「あの着物商人みたいに旅商人してる感じですか」
海賊「そういう冒険者の中にこそいい人材が埋もれてるんだよなー。お邪魔しまーす!武器見てくださーい」
船員「……」
船員「いや、せめて女の子らしく振る舞わせないと……嫁の貰い手無くなるぞオイ」
266 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:42:12.39 ID:BmzUPJxT0
仮面男「ん?お客さん?」
海賊「うわすっげぇビジュアルの人が出てきた」
船員「ッ!!」
仮面男「こんにちは、可愛いお嬢さん。私になにか用かな?」
海賊「いえ、腕のいい鍛冶師の話を聞いて来たのですが、貴方が?」
仮面男「ハハ、腕がいいかは分からないけれど。そうだね、私は鍛冶師をしているよ」
海賊「それじゃあ早速で悪いんですけど、私の武器のメンテナンスをお願いしたいのですが……」
仮面男「残念、今日はもう店仕舞いなんだ」
海賊「え?まだ朝も早いですよ?」
267 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:46:12.41 ID:BmzUPJxT0
仮面男「昼の便の船に乗る予定でね。もうこの地を離れるんだ」
海賊「あー……そっかー」
仮面男「申し訳ないけれど、そういう事なんだ……でも、本格的な事は出来ないけれど、一通り目を通して上げることくらいは出来るよ」
海賊「あ、それじゃあそれだけでもお願いします!これです」
仮面男「うん、それじゃあ確かに預かるね」
海賊「よかったー、変な仮面被って怪しいと思ったけど割といい人で」
船員「ッ……」
海賊「……どうした?」
船員「船長……あの男……」
海賊「?」
268 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:49:45.79 ID:BmzUPJxT0
仮面男「……」
海賊「あの人がどうかしたのか?」
船員「……あの、すみません」
仮面男「ん?私かい?」
船員「貴方以外誰が居るんですか。申し訳ありませんが、差支え無ければその仮面の下を顔を見せてもらえませんか?」
海賊「お、おい!失礼だぞ何言ってんだ!!」
仮面男「構わないよ。傷がある訳でも、正体を知られたくない訳でもないからね、ホラ」スチャ
船員「……」
仮面男「ま、素性が分からないような奴を信用は出来ないってのは理解しているよ」
海賊「そッそんなつもりは……お前何やってんだよ!とりあえず謝っとけ!」
船員「……すみません」
仮面男「いいよ、多分"君の言いたい事は分かる"から」
269 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 01:55:41.75 ID:BmzUPJxT0
仮面男「はい、点検終わったよ」
海賊「あ、どうも」
仮面男「いい腕の職人が作った斧だね。使い込まれてもいるし、このモデルが作られてからかなりの年月が経っているがほとんど原型を残している」
仮面男「ただ柄の部分が少し緩くなってるのと、魔導核の消耗が少し出てるね」
仮面男「永久式じゃないし、重力の魔導核は珍しいから、また同じ効果を持たせようとするとちょっと値が張るけれど……もっと手に入りやすくて使いやすいものに変えてみたらどうだい?」
海賊「いえ、これはこのままでいいんです」
仮面男「何か思い入れでもあるのかな?」
海賊「そんなものじゃないですよ。ただ、親父が借金と一緒に残したものの一つなんで、コイツとは長く付き合っていきたいと思って」
仮面男「そっか……でも、近々ちゃんとした鍛冶師に見てもらうといい。そのまま使い続けたら事故の元だからね」
海賊「ありがとうございました!」
270 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 02:00:58.91 ID:BmzUPJxT0
海賊「ところで、お昼に出発との事ですけど、どの船に乗るんですか?」
船員「……この時間だと出港する船は4隻ありますが」
仮面男「えっとねー……このチケットかな」ピラッ
仮面男「友人から渡されたものだから私も詳しくは知らないけれど」
海賊「……なぁ、これ見覚えあるぞ」
船員「いや船長、見覚え有るも何も……」
271 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 02:08:32.81 ID:BmzUPJxT0
――――――
―――
―
海賊「"おかげさまで海賊団立て直し1周年記念皆様ありがとう格安ちょっと遠出クルーズ"後半戦の開始です!」
海賊「本日は当船にご乗船いただき誠にありがとうございます!」
海賊「貴方様方は我が社のスポンサーとして超特待VIPとしてお招きさせていただきました」
海賊「どうぞ3日間、ごゆっくりとお過ごしくださいませ!」
仮面男「いやー、まさか彼らこの船に投資してたとはね。これ特待チケットだったんだ」
鎧少女「興味ない。私は部屋に籠るぞ」
仮面男「……数日ほったらかしにしたの怒ってる?」
鎧少女「うるさい鍛冶馬鹿、お前は一生ハンマー握ってろ」プイッ
仮面男「あ、ちょっと!そんな態度悪いと船の人に迷惑だよ」
海賊「……」
海賊(アレがウチのスポンサーの関係者とは……世の中分かんねぇな)
272 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/06(月) 02:08:58.90 ID:BmzUPJxT0
小休止
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/06(月) 02:18:53.27 ID:tvWOzW8so
乙ー
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 02:56:07.32 ID:iF9QIyj/0
乙
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/13(月) 00:29:58.09 ID:HekpDx+I0
小休止(1週間)
276 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 00:32:37.86 ID:ZaYG3Nhm0
安心してくれ、再開だ
277 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 00:34:53.57 ID:ZaYG3Nhm0
仮面男「まったく……」
海賊「あの……お二人はどのようなご関係で?」
仮面男「これでも夫婦だよ」
海賊(普段から仮面付けてたり鎧着てたりする夫婦ってどんなのだよ)
仮面男「言いたい事は分かるけど、まぁ気にしないでくれ」
278 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 00:41:10.58 ID:ZaYG3Nhm0
仮面男「それより、船長はキミなのかい?」
海賊「はい、こんな成りですが私がやらせていただいています」
仮面男「代替わりしたのかな……先代は?」
海賊「親父と知り合いでしたか……」
仮面男「いや、私ではなく私の妻の方が親交があったのでね」
海賊「去年に死にましたよ。そう聞きました」
仮面男「聞いた?」
279 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 00:47:36.61 ID:ZaYG3Nhm0
海賊「用事があるって言って船から出て行ってたんです。それから結構経ってから帰ってきたのが親父の遺品と死んだって報告」
海賊「ったく、人にこんなでっかい船押し付けて、どこかも知らないところで勝手に死ぬなんて親失格ですよ」
仮面男「そうとも限らないよ。君の事を思いながら逝ったのかもしれないし」
海賊「まさか、そんな確証どこにもありませんよ」
仮面男「世の中、邪魔な存在になると思って我が子を捨てた親もいるんだ。それに比べれば、ここまで君を育てた先代は私にとっては立派だと思うな」
海賊「立派なら理由を話さずに消えたりしませんよ」
仮面男「ま、事情があったにせよ子供を不安にさせるのは確かに良くはないね」
海賊「ふ、不安になんてなってませんよ」
仮面男「フフ」
280 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 00:56:04.77 ID:ZaYG3Nhm0
仮面男「それより、さっきの船員の彼女は?出来れば話がしたいのだけれど」
海賊「すみません、あんな態度取ってしまって……あいつも今は忙しいので時間が出来たら連れてきます」
海賊「っと、申し訳ありません。私はこの辺で失礼します!」
仮面男「ごめんね、忙しい身なのに」
海賊「いえいえ!VIPには優遇して接しておかないと後が怖いので……親父のクソ野郎が昔やらかして……」ブツブツ
仮面男(過去に何かあったのだろうか……)
海賊「では!いそげいそげー!!」
仮面男「フフ、何だか忙しない娘だったね」
仮面男「姿を消してないで出て来なよ」
鎧少女「……」
仮面男「あの様子だと、彼女は何も知らされていないみたいだね」
鎧少女「本当なら私達が口を出す事じゃない。ここでいう"先代"とあの"船員"がキッチリ全てを伝えるべき事だ」
仮面男「さて、どうなるかね……」
281 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:00:25.93 ID:ZaYG3Nhm0
……
下っ端A「3番テーブル注文入りました!!」
下っ端B「3番また来ました!!」
下っ端C「ちょっと3番間に合ってないですよ!!」
船員「人手が足りないって聞いてきてみりゃ……」
剣士「追加だ、この子羊のソテーをあと10皿持って来い」モグモグ
商人「……いやね?好きなだけ食ってもいいって言ったけどアンタちょっと……」
剣士「このスープも8皿追加だ」ズズー!!
幽霊「私達の乗船チケットに食べ放題プランついてるけどさ」
剣士「サラダがまだ来てないぞ。早くしろ」ガツガツ
子ウサギ「ウキュ……」
剣士「おい!足りないぞ!!」
船員「……なにこれ」
282 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:03:11.48 ID:ZaYG3Nhm0
海賊「オラァ!!デカ盛り肉三昧出来たぞ!!早くもってけ!!」ドドン☆
船員「船長なにやってんですか!?」
海賊「今の私は料理長だ!!つべこべ言わず持って行け!!」
船員「えぇ……」
海賊「コックを追放した責任を私自身が取っているだけだ!気にすんな!!」
船員「明らかに船長がやる仕事じゃないですよそれ……」
海賊「じゃあお前!この船で料理がまともに出来るやつを言ってみろ!!」
下っ端A「無理」
下っ端B「パス」
下っ端C「苦手」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「今までこの船よく運営出来てきたなオイ」
283 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:07:19.90 ID:ZaYG3Nhm0
剣士「腹減ったー飯食わせー」ドンドン
海賊「だあああああああああああ!!化け物が!!供給が追い付かん!!」
船員「まったく……船長、厨房私も立ちますよ」
海賊「え?お前料理出来たの?」
船員「失礼だなぁ☆」
海賊「今までの流れからして普通にそう思うだろうが……」
284 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:10:44.54 ID:ZaYG3Nhm0
船員「ずっと隠していましたが、実は私料理得意なんですよ」キュッ
下っ端A「おお、様になってるエプロン姿」
船員「そこらの貧乏人の舌を満足させるくらいなら、楽なもんですよ」
船員「ありったけの材料持ってきなさい!相手はまだ見ぬ怪物!!これは料理のし甲斐があるってもんですよ!!」
海賊「た、頼もしい……こいつが頼もしく見えるなんていつぶりだろうか……いや!ありはしなかった!!」
船員「船長、私に対してはホント容赦ないですね!悲しいぞ!」
285 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:12:32.83 ID:ZaYG3Nhm0
……数分後
剣士「マズイ」ペッ
船員「あるぇ?」
海賊「締め出せ」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「ちょっと待ってええええ!!間違いだから!!何かの間違いだから!!陰謀だから!!」
海賊「信用しろと?」
船員「信じて!!お願い!!」
286 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:17:44.11 ID:ZaYG3Nhm0
商人「ん?十分美味しいじゃないですか、アンタどんだけ舌肥えてんだよ」
剣士「こんな整った料理は嫌いだ、さっきのとかお前が作る感じのもっと雑でいい。食べにくくてしょうがない」
商人「雑ってなんだよ!?」
海賊「私の料理が雑って言われたーーー!!」
船員「横暴だ!!船長の料理スキルの低さを同時に露呈させるなんていくらお客さんでもやっいい事と悪い事が!!」
海賊「」
下っ端C「お前ちょっと黙ろう?な?」
287 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:20:55.65 ID:ZaYG3Nhm0
船員「それで、どうして私の料理がダメなんですかねぇ。自身があったんですけど」
剣士「味付けがまるで王宮で出すような整い過ぎて極端なものだ。冒険者の私にはマズくてしょうがない」
船員「なぬ!?」
商人「王宮で料理なんて食った事あるんですか?」
剣士「無い!」
商人「断言しきる辺り将来大物に慣れそうだなオイ」
288 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:22:25.23 ID:ZaYG3Nhm0
船員「チクショウ……昔培ったスキルが裏目に出るなんて……」ググッ
海賊「お前、ここに務める以前は何してたんだよ……」
船員「トップシークレットです!ああもうムカついたから船長料理の続きをお願いします!!」
海賊「結局私かー」
船員「もう絶対料理なんて作りませんからね!!」プンプン
海賊「いつも作らねぇじゃねぇか……」
289 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:25:50.14 ID:ZaYG3Nhm0
海賊「まったく……あとあの料理12皿だったっけ?」
黒髪少女「もう作っておきましたよ」
海賊「へいへい、ありがと……ファッ!?」
黒髪少女「ちょっとあの娘達のテーブルに気を取られ過ぎてましたね、他のお客さんを待たせてますよ。はい、4番テーブルと5番テーブルの料理です」
海賊「あ、えっと……なんで?」
黒髪少女「フフ、頑張る船長さんへの援護射撃ってところです。暇でしたのでお気になさらず」
海賊「ご、ごめんなさい……」
290 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:29:39.71 ID:ZaYG3Nhm0
船員「付き合いの長い私の事は信用しないくせにちょっと前に出会った黒髪美人にはホイホイついて行っちゃうんですねー。ジェラシーですよジェラシー」
海賊「んじゃあお前は料理運んでろよもう……」
黒髪少女「ま、私も経営者ですからここら辺の辛さは分かっているつもりですし」
金髪少女「客いない店の店主の癖に」
眼帯少女「……味見」
黒髪少女「ほらほら、あなた達も運んだ運んだ」
黒髪少女「不測の事態は付きまとうものです。料理人はもう少し抑えておくべきでしたね」
海賊「仰る通りで……」
黒髪少女「まぁ……今回はあのコックが全部悪いのですけれども」
291 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/13(月) 01:30:06.99 ID:ZaYG3Nhm0
小休止
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/13(月) 07:05:48.70 ID:7VTK3u35o
乙ー
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/15(水) 09:31:53.11 ID:AeXc2o0YO
いつ戻るのかとハラハラして待ってた
乙
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/15(水) 21:05:11.34 ID:rJLueC/WO
下げ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 22:06:44.27 ID:PmCw6/wHO
乙
296 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 00:53:39.25 ID:41t4j2kK0
再開
297 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 00:57:36.74 ID:41t4j2kK0
黒髪少女「ところで船長さん、この後この船はどちらまで?」
海賊「貿易で荷物を積んでいますので、航路の途中の小さな島を回りながら元の港へ帰ります」
海賊「途中、少し気候が乱れる海域も通りますので、その時はお気を付けください。私どもの方でもアナウンスいたしますので」
黒髪少女「あら、まるでおあつらえ向きかのようになにかが起こりそうな場所を通るんですね?」
海賊「はは……不穏な事は言わないでくださいよ」
黒髪少女「ヒト一人が持つ物語は、必ず起点となる事柄から始まります。貴女の物語は貴女の知らないところで既に始まっているのかもしれませんね。或は既に気が付いていて見て見ぬふりをしているか……」
海賊「?」
黒髪少女「フフ、気にしないでください」
298 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 01:03:04.11 ID:41t4j2kK0
船員「せんちょー、お客さんほとんど捌けましたよー」
海賊「ああ、ご苦労。あの大喰らいは?」
船員「まだ喰ってます」
剣士「この辛口とも甘口とも取れる絶妙な味付けのソースは私の舌を満足させる……」
商人「いやそれデザートのプリンだろ。お前の舌どうなってんだよ」
海賊「……食材が無くなったって言っておけ。これ以上は航海に関わる」
船員「了解でっす!」
海賊「出費が……頭が……」
黒髪少女「では、私達もこの辺で手伝いを終えさせていただきます」
海賊「あ、ありがとうございました。少ないですけどこれ、持って行ってください」
黒髪少女「勝手に厨房を借りたんです。お金なんて受け取れませんよ」
海賊「いえ、私秘蔵の特殊鉱石……」
黒髪少女「いりません」ニコッ
299 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 01:05:45.44 ID:41t4j2kK0
海賊「食堂はもうしばらくはいいとして……他の雑務はどうするかな」
船員「新入り達が大方やっちゃってるんで、船長の出番はないかと」
海賊「……スゲェ役に立ってるなアイツら」
船員「船ばっかり大きくて人員が少ない今までがおかしかったんですよ。やっぱりアイツら正式に雇いましょうよ」
海賊「無理させない程度にな……さて」
船員「水着ですかッ!!」
海賊「もう着ないぞ」
船員「チッ」
300 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 01:08:10.29 ID:41t4j2kK0
船員「せっかく可愛く写真も撮れたのになぁ。今の料理長スタイルとか」
海賊「なんで勝手に写真に収めてんだよ!?しかもデジカメかよ!?消せよ!?」
船員「船長の成長記録ですよー。ほら、去年お風呂でこっそり撮った写真も」
海賊「児ポーーーーーーーーーーーーーーーーー!!消せーーーーーーーーーーーーーー!!」
船員「これ見たら先代喜ぶだろうなぁ、ぐへへへ」
海賊「なんで喜ぶの!?親父は娘のナニをみて喜ぶの!?」
301 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 01:12:49.12 ID:41t4j2kK0
下っ端A「いつまで遊んでるんすか」
下っ端C「そろそろ手伝ってくださいよ。やっとあの人達席立ったんですから」
下っ端B「さっき売店でつまみ買ってくとか不穏な事言ってたぞ」
海賊「……購入制限設けておくか」
船員「で、船長。次どうするんですか?」
海賊「お客さんも大半が入れ替わったし、新しい催しでも考えているんだが」
船員「……」
海賊「なにかを諦めた目で私を見るな。もう鉱石は飾らないから」
船員「ですよねー!アハハ!船長がそんな無謀な事二度もするようなおつむの弱い娘じゃないって事は分かってましたよー!!」
海賊「……」グスッ
下っ端C「お前は定期的にトドメを刺しに行かないと気が済まないのか」
302 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/18(土) 01:43:19.40 ID:41t4j2kK0
小休止
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/18(土) 01:55:54.66 ID:y70iEN5ao
乙ー
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/20(月) 04:04:57.46 ID:Gw7E6vwLO
乙
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/20(月) 17:34:28.21 ID:6YI0i9PcO
特技:きゅうしょづき
306 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 19:18:01.84 ID:RYh17OTO0
再開
307 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 19:19:47.89 ID:RYh17OTO0
海賊「では諸君!この資料を見てくれ!!」
船員「まーた作ってきたんですかい」
海賊「今回は前々から要望の多かったものを導入しようと検討して、それが国に通ったから改めて実装したんだ」
下っ端B「国の許可が必要なものとなると……」
下っ端A「カジノか!」
海賊「大正解!!」
308 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 19:24:32.12 ID:RYh17OTO0
下っ端C「当たれば収益は多く望めますね」
下っ端B「今の航海こそ格安ツアーだが、ウチは金持ちの客も少なくない」
下っ端A「しかしよく通りましたねこんなの」
海賊「ああ、知り合いに強い権力を持った人と繋がりがある人が居てな、その伝手でちょちょいと」
船員「人脈も力ですな!!」
海賊「お客さんには悪いが、ちょっと設定を渋めにしてしている。レートこそ低めだが……ウチの財政危機なんだ、これくらいは勘弁してもらおう!」
船員「やることエグいっすね!!流石海賊!!」
海賊「ははは、褒めるなよ」
船員「貶したんですよ?」
海賊「……」
309 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 19:27:07.57 ID:RYh17OTO0
海賊「実は設置はもう終わってて開店している。早速様子を見に行ってみる」
海賊「お前たちは後片付けを頼むぞ」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「じゃあ私もちょろっと……」コソッ
海賊「ウチの従業員は禁止な」ニコッ
船員「チッ」
海賊「お前の為に用意したんじゃないからな……」
船員「わーってますよ!じゃあとっとと見に行きますよ!!それレッツらゴー!!」
海賊「ふふふ!お客さんがウチにお金を落としてくれる様が目に浮かぶ!!」
310 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 19:29:19.10 ID:RYh17OTO0
……
鎧少女「……」ジャラジャラジャラジャラジャラ
海賊「……」
船員「船長、あれジャックポットってやつですか?」
海賊「」
船員「ねぇ船長ってばー」
鎧少女「あ、すまん。一向に終わらないんだがどうすれば止まるんだコレ?」
海賊「」ブクブクブクブク
船員「船長!?しっかりしてください船長!!?」
311 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 20:25:40.39 ID:RYh17OTO0
……
仮面男「私に黙ってカジノ行くの禁止って前々から言ってただろう?君が台打ちすればこうなることくらい分かってただろうに」ガミガミ
鎧少女「私の勝手だろう。それに、コイン吐き出すあのスロットが悪い」
海賊「お、おかしいな……設定何も変わってないのに……」
船員「幸運とか多分EXですよあの人……」
海賊「何の話をしとるんだお前は」
312 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/06/27(月) 20:26:38.87 ID:RYh17OTO0
小休止
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/28(火) 04:03:28.00 ID:7tFBNZZcO
乙ー
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 20:55:22.16 ID:EH+Z1NXD0
おつ
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/08(金) 08:15:12.81 ID:VX+RCdKB0
まだか
316 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/07/14(木) 16:27:28.26 ID:0vGcqXrM0
まだしばらく休む
代わりに別のSS今日中に持ってくるから勘弁
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/14(木) 18:38:11.21 ID:TXaWgLpyO
別の持ってこられてもこれしかお前のss見てないからなんの謝罪にもならないんだけど
318 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/07/14(木) 18:55:00.46 ID:0vGcqXrM0
完結まで構想は出来てるからホントあと少し待ってほしい
暇つぶしにどうぞ……
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468488024/
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/14(木) 19:33:38.87 ID:S7rZG1ZvO
絶対に許さない(しゃあないなあ少しだけ待ったろ!)
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/14(木) 20:25:17.03 ID:9St34ILkO
>>317
ワロタ
もうちっとだけ待つんじゃ
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/14(木) 22:49:32.24 ID:7W4Y4VBe0
許すわけがない(喜んで待たせて頂きます!)
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/14(日) 03:04:06.87 ID:ckslzSlS0
保守
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/14(日) 15:13:17.63 ID:wT3NyWGC0
あと少し(1ヶ月)
324 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 22:45:03.40 ID:3kCkVILN0
ふっかーつ!
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/28(日) 22:51:19.04 ID:u4Go8TZoo
そしてすぐさまザラキ
326 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 22:53:15.13 ID:3kCkVILN0
海賊「あー……しかしこれも企画倒れか……フフフ、私は何をやってもダメなんだな……神なんていなかった、いやいたらむしろ死ね、全滅しろ、尿管結石で死滅白」
船員「大丈夫ですよ船長!この程度の損失まーたいつも通り借金背負えば!アッハッハ!!」フイ
海賊「目ぇ逸らすなよ……」
「おい!今カジノで確変中だってさ!」
「よく出るらしいよ!」
「早く行こうぜ!ルールしらねぇけど!!」
海賊「……」
船員「……」
鎧少女「結果オーライだろ」
仮面男「ほら、人の流れが容易に変わるからやめろって言いたいんだよ私は」
海賊(ありがとう、神様!!)パァァ
船員「すんげぇ手のひらスクリューっすね」
327 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 22:53:40.50 ID:3kCkVILN0
>>325
(´◉◞౪◟◉)
328 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 23:29:59.62 ID:3kCkVILN0
仮面男「そうだ、船長。聞きたいことがあったのだけれど」
海賊「はい、何でしょう?」
商人「あっれー?ここにあるって書いてあるんだけどなぁ。あ、すみません船長さーん!」
海賊「あ、ちょっと待ってて……」
商人「ん?」
仮面男「……」フイ
商人「おんや?おやおや?」
仮面男「……」フイ
商人「あー!仮面の魔王さん!!お久しぶりですね!忘却都市の一件以来ですか!って言っても一か月前くらいの話ですが」
海賊「まお……魔王!?この人魔王なの!?そしてその知り合い!?」
商人「知り合いも何も何かあるたびに私を頼るマブダチよぉ!一国の王御用達の商人、林檎ちゃんたぁ私のこったぁ!!」
仮面男(気付いてはいたが直接会いたくない娘に会うとは……)
329 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 23:36:31.58 ID:3kCkVILN0
海賊「VIPだから怪しいとは思ってましたけど、まさか一国の……それも魔王だなんて」キラキラ
仮面男(ああそんな輝く目で見ないでくれ。別にいい物じゃないんだ、名前だけなんだ私は)
商人「……」
商人「あれ?私は仮面の勇者さんって呼び方でしたよね確か。なんでこんな変な間違いをしたのか」ハテ…
海賊「魔王な上に勇者なの!?カッコいい!!」パァァ
仮面男「話をややこしくしないでくれ、いい物じゃないから。そして公言しないでくれ」
商人「最初からクライマックスな服装しといてよく言いますよ」
330 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/28(日) 23:40:07.26 ID:3kCkVILN0
海賊「私、昔っから魔王とか勇者とかに憧れてたんですよー」
商人(海賊娘が抜かしおる)
海賊「片や悪を切り裂いて!片や正義をねじ伏せる!!そんな二つが一つになったら最強に見えるじゃないですか」
仮面男「両方ともあんまりいい物ではないけどね……」
商人「経験者は語りますか」
海賊「え?何でですか?」
海賊「どっちも気に入らない奴は斬り捨ててもお咎めないんですよね?」
仮面男・商人「よぅーし、ちょっとマテ」
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/08/28(日) 23:54:52.59 ID:kUCnxttXo
お久乙ー
332 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:01:19.03 ID:JgPYg6ST0
船員「はいはいそれでお二人ともご用件は何でしたか?船長は忙しいんですから手短にお願いしますよ」
海賊「べ、別に私は忙しくは……」
仮面男「……」
船員「……私から貴方に話す事は何もありません」
仮面男「そうか……ま、そちらで問題を解決できるのならそれに越したことはない」
船員「……」
仮面男「だが、今聞きたいのはそっちの話じゃなくてだね……」
商人「船長さん!パンフレットに書いてある"世界の鉱石博覧会"!!どこにあるんですか?さっきから探し回ってるんですけど見つからなくて」
仮面男「奇遇だね、実は私もそれ目当てでこの船に乗船したんだけれど……」
海賊「お……おお……」
333 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:05:35.59 ID:JgPYg6ST0
……
海賊「我が世の春が来たあああああああああああああああああ!!」
商人「うおーーーーー!!すっげーーーーーー!!」
下っ端B「き、急に用意しろっていうから何事かと思ったら……」
下っ端C「とんだ物好きもいたもんね……」
下っ端A「これ……何がいいんっすか?」
商人「まず普通にしてたらお目にかかれないようなレアな鉱石の数々!!私からしてみりゃ宝の山にしか見えませんよ!!うっしゃしゃしゃしゃ!!」
下っ端B「えっと……」
仮面男「……」
下っ端C「それただの鉄ですよね……?」
仮面男「良い鉄だ」ウットリ
下っ端B「仮面越しでも分かるくらいウットリしてるよこの人!?なに気持ち悪い!?」
334 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:16:40.27 ID:JgPYg6ST0
商人「すっげ!これメニョポタミン文明開拓時代に産出された伝説の鉱石ムチャカッタスッタモンダじゃん!!実在していたなんて……!!」
仮面男「……」ウットリ
商人「うぉあ!?こっちはインダーツ文明産業革命期の石器!!特殊な鉱石のファーサンマファーから作られる独特のフォルムがロマンをくすぐる!!」
仮面男「……」ウットリ
海賊「す、すごい……この人達……本物だッ!!」
下っ端C「ボス?商人さんの言ってる事絶対でたらめですよね?そうだと言ってくださいよねぇ!?」
下っ端B「仮面の人に至っては一言も言葉を発してないのですがそれは」
鎧少女「おーい、こっちの台もなんか止まらなくなっちゃったぞー」ガラガラガラガラガラ
船員「ああ目ェ離した隙になんかまたスロット台に座ってるよあの人!?」
下っ端A「誰か止めろーーーッ!!」
335 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:19:16.79 ID:JgPYg6ST0
――――――
―――
―
海賊「……」
船員「……」
下っ端A「」
下っ端B「」
下っ端C「」
海賊(実りのある一日だった―――)パァァ
船員「おーい、事後処理に追われて下っ端軍団全員伸びてますよー」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「お前らはいつも通りなのな……」
336 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:27:46.70 ID:JgPYg6ST0
海賊「フフン、見たか。世の中には鉱石好きの人間は沢山いるもんだ」
船員「一部ニッチな変態しか興味ねぇよ。現に変人二人しか客いなかったじゃねぇか」
海賊「居たには居たから私の勝ちだ」
船員(この娘は何と戦っているんだ……)
海賊「それでは今日の報告を!」
下っ端A「あ、あい……カジノの方っすけど、売り上げがいい方向にヤバいっす。あの鎧の女の子効果で客が絶え間なく押し寄せて損失なく大儲けって感じです」
下っ端B「売店の方も一応あの剣士の子の襲撃は回避して事なきを得ました。厨房の冷蔵庫は大丈夫だとは思いますが若干マストダイ状態です……」
海賊「ま、まぁ明日も島に上陸するしそこでちょこーっと補充しておけば……」
船員(大丈夫だろうけど明日島に降ろす積み荷は全部食料だからそれを買うなんて事態にならない事を祈りますよ……)
337 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:32:16.81 ID:JgPYg6ST0
下っ端C「外のプールも異常なーし。ちょっとしたサービスでこっちもお金取ってるけど、お小遣い程度ですかね」
海賊「……」
下っ端C「別にいかがわしいことしてないですよ」
海賊「まだ何も言ってないのだが」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「機器関連、および施設の方にも特に異常は見られません。前のバカパスタの件もありますし内部の警備も厳重になってますしそこらへんは安心ですね」
海賊「ああ、そこらへんは引き続き警戒しておいてくれ。また妙なことになったら敵わんからな」
338 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:37:03.00 ID:JgPYg6ST0
船員「そういやせんちょー、最後あの変人二人になに言われてたんっすか?」
海賊「ん?変人?」
船員「分かれよ!?仮面と商人だよ!?」
海賊「あー……ああ」
―
―――
――――――
商人「んー」
仮面男「……」
海賊「どうしました?何かご不満でも?絶対譲りませんよ?」
商人「いや、そこまでは言いませんよ……」チッ
海賊(今舌打ちが聞こえたぞ)
商人「いやね?もしかしたらあるんじゃないかなーっと思ったんですが……」
仮面男「ブリファライトか」
商人「そうそう!」
海賊「むぅ」
339 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:39:42.59 ID:JgPYg6ST0
商人「まぁここにあったらあったで困りますけどね……」
海賊「え?」
商人「ッ!!い、いやなんでも無いですよなんでも!!HAHAHA☆」
仮面男「仕方がない。アレはもう失われてしまったという話だ」
海賊「はい、私もそう耳にしています」
商人「そうそう、無くなっちまったもんはしょうがないですよねぇ!あー惜しい!!実に惜しい!!」
海賊「……」
仮面男「……」
商人「ナズェミテルンディス!!」
340 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:44:09.83 ID:JgPYg6ST0
海賊「確かに私も手に入れたい逸品ではありますが……たとえ存在していた当時であったとしても、国の象徴たる希少な石をそう簡単に入手できるとは思っていませんけどね」
仮面男「果たしてそうかな」
商人「お?」
仮面男「実は今もどこかで、某国から持ち出されたブリファライトは眠っているのではないかと……そんな噂も聞いたことがあるけれど」
仮面男「例えばそうだね……分かりやすく宝の地図になんかに記されていたりして」
海賊「宝の地図……」
商人「ファッ!?」
仮面男「船長さん、心当たりでもあるのかな?」
海賊「……いえ、全ッ然知りません!!」
仮面男「そうか、ならいいんだけれど」
仮面男「君はさっきから何を震えているんだい?」
商人「な、なななな、なんでもねーですよぉお?」ガタガタガタガタ
海賊「……」
341 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:51:31.69 ID:JgPYg6ST0
――――――
―――
―
海賊「そんな事言われてもな、まさかお前がやたらと見せてくる宝の地図が、そんな都合よくブリファライトのありかを示している訳がないし」
船員「フュー、フュー」ガクガクガクガク
海賊(変顔しながら口笛吹いて商人さんと全く同じ反応してる――――――ッ!!)
船員「ま、まぁ冗談はさておき」ダラダラダラダラ
海賊(汗の量が隠しきれてないぞ)
船員「……ま、ともかく」
船員「この宝の地図に記されたお宝は私も中身は知らないですし、勿論場所も分かりません」
船員「船長が必要ないというのなら、もうこの地図の話も終わりです」
海賊「あれほど私に見せようとしてたくせに」
船員(見た上で貴女が動こうとしないから……私も諦めるしかないんですよ)
342 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/08/29(月) 00:52:23.76 ID:JgPYg6ST0
小休止
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/08/29(月) 01:04:16.44 ID:he0LYXECo
乙ー
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/30(火) 00:51:29.10 ID:A2wr9Qcc0
いつまで休んでんだおら
345 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 00:47:44.02 ID:4Pnd3VjL0
再開
346 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 00:52:09.52 ID:4Pnd3VjL0
――――――
―――
―
海賊「急げよお前らー、次の積み荷が押してるんだ」
海賊「それと、接客の方も忘れるなよ。ここで乗り降りするお客様もいるんだ、変な態度取ったりするなよ」
海賊「ああちょっとマテ!!そっちの荷物はサインしてないからまだ積むな!」
黒髪少女「随分と忙しそうですね」
海賊「あ、こんにちは。何か御用ですか?」
黒髪少女「いいえ、ただの冷やかしと言ったところでしょうか」
海賊「……」
黒髪少女「ごめんなさい、冗談です謝ります。真顔でじっとこちらを見ないでください」
347 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 00:57:26.63 ID:4Pnd3VjL0
海賊「それで、何ですか?普通に忙しいんですけど」
黒髪少女「フフ、そうムスっとしないでくださいな。次の海域でしたっけ?例の……」
海賊「ああ、気候が乱れるっていう話ですか。はい、ちょっと揺れるかもしれないのでそこのところはご了承ください」
黒髪少女「ええ、重々承知しています。しかし……」
海賊「?」
348 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:01:23.91 ID:4Pnd3VjL0
黒髪少女「あまりよくない噂も聞きました」
海賊「私も海で生計立てているから大体察せられますけど」
黒髪少女「"出る"そうですね?」
海賊「シケが酷い霧が濃いわ、果ては岩礁も多いわで大変な場所なんですよ」
海賊「そういう所に限って"変なものを見た"やら"襲われた"なんて話も出てくるわけで……」
黒髪少女「フフ、何だか大アドベンチャーな気分ですね」
海賊「なんでそんなに嬉しそうなんですか……」
349 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:06:43.84 ID:4Pnd3VjL0
海賊「ですが、そういった不鮮明なものなんてありえませんよ。あそこは何度もウチの船も通ってますし」
海賊「なにより、幽霊船なんてそんな大規模なもの、ありはしないでしょう」
黒髪少女「あら、お化けなんかは信じない派ですか?」
海賊「信じないも何も」チラッ
剣士「おい、さっきから何をしている」
幽霊「そんな変な地図広げて歩いてると他の人にぶつかるよ……」←
商人「バレねぇウチにこの地図の真偽を確かめておくんですよ!ったく、何度か不審な眼で見られて溜まったもんじゃないですよ!!次の海域に目的地がありますからそこが勝負です!!」
剣士「秘密裏に動きたいなら声のボリュームを落とせ、煩い」
海賊「普通に種族として存在しますし」
黒髪少女「ええ、うん、まぁ……」
350 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:12:34.21 ID:4Pnd3VjL0
海賊「ですが、今日は大丈夫だと思いますよ。兆候や流れを見ても海がそう荒れる事はないかと」
黒髪少女「先人の知恵というやつですか」
海賊「フッフッフ、技術の進歩ってやつですよ!日々進化を続ける機械技術は私のこの船を超天候観測機に変えたんです!!」
黒髪少女「風情も何もあったもんじゃないですね」
海賊「ま、今回は特に事件も起きずに快適なバカンスを……」
351 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:16:38.58 ID:4Pnd3VjL0
……
ゴォォォォォォォォ
船員「ハハッ、せんちょー羅針盤ぶっ壊れてますよ」
下っ端A「ハハッ、自動操縦システムも動かねぇわ」
下っ端B「ハハッ、通信もいかれてますわ」
下っ端C「ハハッ、お客さんにどう説明しましょう」
海賊「なぜなのだ……」
下っ端D「……」
下っ端E「……」
海賊「なんか言えよ」
352 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:26:00.51 ID:4Pnd3VjL0
海賊「おっかしいな、観測機で見ると今の天候は晴れになってんだけど……」
船員「今この現状見てくださいよ!?そのポンコツと外の景色どっちを信じるんですかい!?」
海賊「ポンコツっていうなよぉ……高かったんだぉ……」ジワッ
下っ端C「あー、また泣かせたー」
船員「いや流石に正論だろ今のは!?」
下っ端B「的中率100%のものなんて存在しないんすから、割り切ってください。とりあえず指示くださいよ」
海賊「あ、ああ、すまん。C、とりあえずお客様には部屋から出ないように注意を促してくれ。状況説明を求められたら視界が悪くなっているから揺れるとだけ伝えろ。舵は自動操縦が死んでいるだけだからB、お前が操縦してくれ」
下っ端B「了解!」
下っ端C「任せてください」
海賊「Aは引き続き物品の確認を。悪いな、こんな時に普通の仕事させて」
下っ端A「いやいや、そっちの方がサb……信頼にかかわる重要な事ですから!!」
海賊「お、おう……(コイツほんとどうしよう……)」
353 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:29:59.18 ID:4Pnd3VjL0
海賊「DとEは機械に強い新入り達を集めてシステムの修復に当たってくれ。船の取り付けの羅針盤は予備があるからすぐに付け替えろ、そっちまでは壊れては無いハズ」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「船長船長!!私は!!」
海賊「……」
海賊「各員!配置に着け!!頼んだぞ!!」
「「「はい!」」」
船員「おーい……」
354 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:33:34.26 ID:4Pnd3VjL0
……
海賊「……」
船員「ったく酷い話ですよ!!いくらなんでも無視するこたぁないんじゃないですか?こうして横でマシンガントークしてても無反応!!船長私の事嫌いなんですか!!そうなの?悲しい!!」
海賊「みんな行ったか」
船員「お?なんですかぁ?二人だけの秘密の話ってやつですか?いいですよ!私としては大好きな船長にこうして向き合って熱い抱擁を交わし……」
海賊「お前の意見を聞きたかったから残したんだ、単刀直入に聞く」
海賊「現状、どう思う?」
船員「……」
船員「異常ですね」
355 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/09/07(水) 01:34:01.11 ID:4Pnd3VjL0
小休止
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/09/07(水) 03:32:01.47 ID:cWlk8B/Zo
乙ー
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/25(日) 11:16:39.24 ID:sKAqE32K0
はよ
358 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:27:28.01 ID:Cfxxjszz0
さいかーい
359 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:32:51.27 ID:Cfxxjszz0
海賊「やっぱりか」
船員「元々ここは岩礁が多いといっても異常気象が多発するような場所ではありません」
船員「現に、我々も何度も航海している場所ですし安全なルートも確保できています」
海賊「だが今日に限ってコレだ」
船員「船長はどうお考えです?」
海賊「人為的なもの……って言ったら笑うか?」
船員「プッ」
海賊「」
360 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:36:09.88 ID:Cfxxjszz0
船員「いや……失礼……結論を出すのが早すぎて……もう……ブッフォッ!!」
海賊「泣くぞ……」ジワッ
船員「コホン……それはともかくとして」
「羅針盤無事でしたー!!」
海賊「よし、視界不良でこの先に進むのは危険だ迂回して進もう。何もルートはここを突っ切るだけじゃあないんだ」
船員「いい判断ですね。ではこのままUタァーン!!」
361 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:37:39.69 ID:Cfxxjszz0
ピタッ
海賊「ん?」
船員「どうしましたー?」
海賊「シケも霧も無くなったな……」
船員「……」
海賊「まぁいいや、もう一回元のルートに戻ろう。これなら問題なく進めそうだ」
362 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:39:17.93 ID:Cfxxjszz0
ゴオオオオオオオ!!
下っ端B「ボス!?また嵐がきましたぜ!!」
下っ端C「あ、あれ?通信機一回治ったと思ったんだけどなぁ……」
「羅針盤まーたぶっ壊れましたー!!」
海賊「……」
船員「……」
海賊「引き返せ」
363 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:41:30.82 ID:Cfxxjszz0
ピタッ
下っ端B「霧も嵐も消えましたー」
下っ端C「あ、通信復活。これで楽出来る!えーえー、お客様ー……」
「羅針盤全部復活しましたー!」
下っ端A「おーい!自動操縦システムちゃんと動いてるぞー!!」
船員「いやー、愉快な海域ですねー」
海賊「お か し く ね ! ?」
364 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:44:49.46 ID:Cfxxjszz0
海賊「人為的説!!あそこら辺境になんか人為的な力を感じる!!ぜってぇ感じる!!」
船員「まぁこういう事の一度や二度もあるでしょう、ハッハッハ」フイ
海賊「目ェ逸らすなよ!?何か知ってるだろオイ!?」
船員「さぁー?」フイ
海賊「人間不信に陥りそうだよ私は!!」
365 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:48:48.50 ID:Cfxxjszz0
下っ端B「で、ボス。どうするんですか」
海賊「進むか否かの話だったら答えはNOだ!お客様に説明して迂回するぞ!あんな場所二度と通るか……!」
船員「えー、なんか面白そうじゃないですかー?こう、冒険心を煽るような……!!」
海賊「リスク冒してまで進めねぇよ!?ほら、とっとと新しいルートを……」
下っ端B「ボス……そうも言ってられなくなりましたよ」
海賊「ん?」
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/06(木) 18:52:27.20 ID:UuCIIR+Ho
支援
367 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:53:37.96 ID:Cfxxjszz0
下っ端B「マジかよクソッ……!船のコントロールが本格的に利かなくなりました」
下っ端C「え?あの境から外で出てるでしょ!?」
下っ端B「引っ張られてるんですよ!!凄い勢いで!!」
船員「まさか……!?」
海賊「何にだ!!」
下っ端B「……」
下っ端B「わ、分かりません!!」
海賊「通信途絶える前に救難信号出せ!!それとお客様に部屋から出ずに何かに捕まれとアナウンス!!」
海賊「お前ら!!」
海賊「ごめんッ!!」
船員「船長……」
368 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 18:59:18.07 ID:Cfxxjszz0
――――――
―――
―
ゴオオオオオ
海賊「ん……うう……」
海賊(あれ……私……どうなって……)
下っ端D「うっす」ズイッ
海賊「ファッ!?」ゴッ
下っ端D「ッ!!?」
下っ端A「ちょっ!?ボスなにするんですか!?」
海賊「筋肉だるまが顔に急接近してたら誰だって反射的に手が出るわ!!」
下っ端B「介抱してただけですよ……」
海賊「そ、そなの?」
下っ端D「うっす……」
369 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 19:02:54.38 ID:Cfxxjszz0
海賊「すまん……それより船はどうなった?」
下っ端C「丁度浅瀬に乗り上げて動きを止めてます。嵐は酷いままですけど……」
海賊「こんな場所に浅瀬……?どこかの島か?」
下っ端A「みたいですが、いかんせん周りが確認できなくてどこがどこだか」
海賊「くそ……完全に判断を誤ったな」
下っ端B「……気にする事は無いですよ。ボスのせいじゃありません」
海賊「?」
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/06(木) 19:05:34.68 ID:7CAYJWeco
生きてたか
てか下っ端Dは筋肉男なんだな
371 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 19:05:56.97 ID:Cfxxjszz0
海賊「お客様は?」
下っ端C「一応、何とか対応はしています。パニックにはなりましたが、一部のお客さんが収集つけるの手伝ってくれて」
海賊「黒髪の人か……何か、お礼しとかなきゃな」
下っ端C「いえ、着物の商人の人がですね……」
海賊「あ の 人 ! ?なんで!?」
下っ端C「なんか"稼ぎ時だー!!"とかいってお客さん一人一人に救難道具を売りつけに……」
海賊「火事場泥棒ならぬ死の商人だなオイ……」
372 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 19:08:20.77 ID:Cfxxjszz0
海賊「しかし参ったな」
下っ端A「今後の事ですかい?」
海賊「ああ……」
下っ端B(無理もない……本来ありえないこの状況、彼女の置かれた立場は非情に厳しい。どうする……)
海賊「もしもの事があったらお客様に損害賠償とか……払わなきゃいけないんだよな……」
下っ端B「えぇ……」
下っ端A「そっち……」
373 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 19:12:37.24 ID:Cfxxjszz0
海賊「当たり前だろ!!ウチの家計は常に火の車なんだぞ!!」
下っ端B「まぁそうですけど他にもっと……」
海賊「寸でのところで救難信号は出したし、近いうちに救援は来てくれるだろう。食料も多めに積んである、もしもの事があっても数日は大丈夫には大丈夫だ」
海賊「それに今は下手に動く方がマズい。お客様も精神的余裕も無い、お前たちの負担も大きくするわけにはいかない」
下っ端B「ま……そうですね」
海賊「それでもダメっていうのなら、最悪この身を削ってでもなんとかして見せるよ」
374 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:31:15.04 ID:Cfxxjszz0
海賊「さて、転覆しなかっただけ良しとして……どうするかなぁ」
下っ端C「お客さんへの対応はこのまま続けます。流石にあの人一人暴れさせておく(?)のも限界がありますし」
下っ端A「俺は積み荷が無事かどうか確認してきます。いや、無事ではなさそうだから俺が一番面倒な仕事になりそうだな……」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「ごめん、そろそろヒトの言葉話してくれるか?」
海賊「あ、忘れてた。アイツはどこ行った?」
下っ端B「彼女なら島の見回り行きましたよ。変なもんとかあったら不味いだろうって」
海賊「海上じゃないだけマシとはいえ、こんな嵐の中行くこと無いだろうに……ったく」
下っ端C「ま、あの人も弱い訳じゃないから大丈夫かと」
下っ端A「ヒトが住んでいれば助けてもらえるかもしれませんしね」
375 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:46:01.74 ID:Cfxxjszz0
……
船員(そう大きくはない孤島……勿論ヒトは住んでいない)
船員(でも……)
黒髪少女「いくつものヒトの手により薙ぎ倒された木々、踏み荒らされた草」
船員「……お客様、外に出る事は御止めになるように先に伝えておいたはずですが」
黒髪少女「お気になさらず。適当に見て回ったら帰りますので」
船員「ここには……何もないですよ」
黒髪少女「そう、何もないと思いたい」
船員「誰も……いない」
黒髪少女「誰も居ないと思いたい」
376 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:48:44.75 ID:Cfxxjszz0
船員「貴女は一体なにが目的でここにいるのですか」
黒髪少女「私はただ"貴女達の"物語を見ていたいだけですよ」
船員「……」
黒髪少女「そう疑いの目を向けずに……貴女はここに来るのは初めてなのですか?」
船員「当たり前です。そもそも、ここに島があること自体今はじめて知ったのですから」
黒髪少女「その手に持った地図は……」
船員「ッ!」
黒髪少女「地図を持って歩いているのなら、まぁ初めてここに来るのは事実なのでしょう」
377 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:53:35.50 ID:Cfxxjszz0
黒髪少女「さて……そろそろ戻りましょう」
船員「戻るのならお一人でお戻りください……私はまだ……!」
黒髪少女「船長さんを置いていくのはちょっと薄情ではありませんか?ずっとその地図を船長さんに見せようとしていたのは一客の私でも分かるくらいですよ」
船員「……」
黒髪少女「それに……いえ、早く戻りましょう。船が危ないですよ」
船員「え……?」
378 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:54:40.53 ID:Cfxxjszz0
……
ズドンッ
下っ端A「ワッツ!?」
海賊「何事だ!?」
下っ端C「ぼ、ボス!前方!!前方見てください!!」
海賊「ンな……」
海賊「なんじゃありゃあああ!!」
379 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 22:58:03.97 ID:Cfxxjszz0
ゴゴゴゴゴゴ
下っ端B「……」
海賊「いや、おい……出るぞ出るぞと前フリが何回もあったから出るとは思ってたが……」
下っ端A「幽霊船……」
下っ端C「……にしては」
下っ端A「華やか」
下っ端B「ピンク色」
下っ端C「気色悪い幽霊船だことで」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「いやいやいや色々とおかしいだろ!?どこをどう見たら幽霊船になるんだアレ!?」
380 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/10/06(木) 23:05:18.99 ID:Cfxxjszz0
小休止
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/07(金) 06:00:22.29 ID:vILFmFoeo
乙ー
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/07(月) 10:55:58.44 ID:M+nnaTMP0
(1か月休むのが小休止・・・?)
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/03(土) 15:41:07.26 ID:F+FmWEl+0
一ヶ月で済んでたら小休止の範疇だったよ……
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/04(日) 05:24:44.78 ID:uLw1sCgVO
年に数回しか更新しない人もいるんだし、幸福者だよな俺ら()
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/29(木) 01:21:55.34 ID:lrxIq4tN0
〜終〜
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/01/13(金) 00:53:12.53 ID:fisOMjddo
まだー?
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/13(金) 00:57:25.45 ID:k0MCWqFmO
>>386
二ヶ月たってるから依頼だしてきたよ
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/01/26(木) 01:39:50.74 ID:/9h2zUe/o
はよ
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/26(木) 19:39:21.24 ID:S26K+4mY0
イノミュ「疲れた!もう書けない!」
俺ら「そんな事より働け」
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/02/11(土) 06:46:17.77 ID:/y6by9ACO
はよ
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/20(月) 23:52:40.21 ID:sCLmiysM0
a
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/04(土) 01:01:20.74 ID:ByRo4uJWo
?
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/06(月) 00:45:17.25 ID:1PO1MLY/o
?
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/03/08(水) 17:00:32.55 ID:+d7DAcruO
?
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/04/19(水) 23:04:29.76 ID:4n0jtG4aO
まだ?
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/22(土) 23:26:25.64 ID:EQlCi6wVO
続け
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/04/27(木) 23:19:50.66 ID:foCPH3k3O
小休止?
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/30(火) 16:24:57.54 ID:FoBgTjTbo
はよ
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/11(日) 13:22:45.59 ID:nF3029Tzo
まだ?
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/12(月) 16:31:37.54 ID:jO0lNOR2O
┌(┌^o^)┐
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/06(木) 15:35:29.47 ID:pcAZMrvfo
はよ
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/06(木) 16:34:31.16 ID:k1QOXNkw0
イノミュやーい
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/17(月) 13:49:53.14 ID:5HwslOvro
まだ?
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/18(金) 19:45:30.69 ID:qzqFNj8PO
はよ
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/30(水) 03:27:40.79 ID:WLSvxlFiO
まだ?
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/09/30(土) 08:31:49.72 ID:akU6pVvAO
はよ
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/14(火) 23:59:39.89 ID:4iurHAkkO
まだ?
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/15(水) 09:45:07.59 ID:x2c+s/AQO
380 ◆cZ/h8axXSU saga 2016/10/06(木) 23:05:18.99 ID:Cfxxjszz0
小休止
『小』とは何か
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/10(日) 03:17:38.92 ID:22BjhRFtO
はよ
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/01/09(火) 04:26:47.38 ID:fRppWXu2O
まだ?
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/02/10(土) 01:20:34.63 ID:3wFhA0N2o
はよ
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/08(木) 07:39:38.00 ID:uY/qn8IjO
まだ?
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/04/02(月) 22:27:28.63 ID:aMQpWNiAO
はよ
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/04(金) 01:59:09.18 ID:NTpq23Jmo
まだ?
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/04(月) 23:47:29.46 ID:B/8Zb7gfo
はよ!
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/04(水) 22:50:39.10 ID:9qDScssgO
まだ?
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/06(月) 23:36:39.88 ID:cCOPTcmFo
はよ
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/27(火) 04:59:39.95 ID:F+WSIgGb0
まだスレが残っていたことに驚き。イノミュはssを書いて?
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