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船員「船長!宝の地図です!」海賊「そんな事より働け」
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17 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/08(日) 18:23:14.74 ID:Vyl9bD0x0
――――――
―――
―
ザザーン
海賊「……ハァ」
船員「せーんちょ!とりあえず目撃者全員に渡すもの渡して揉み消しておきましたよ」
海賊「お前怖いよ!?」
船員「一応海賊ですから」
海賊「せっかく船もらしく改装して新しい始まりを期待してた矢先にこれは……キッツイな」
船員「航海にトラブルは付き物ですよ」
海賊「航海関係ない所でトラブってたら世話ねぇよ」
18 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/08(日) 18:27:15.57 ID:Vyl9bD0x0
海賊「頭痛い……とりあえずパスタ以外の料理は全く問題なかったみたいだし、今更契約破棄するのも信用にかかわるからパスタだけ封印させてもらうが」
船員「海上だと容易に人材の入れ替え何て出来ないですからねー。料理までウチの船員にやらせてたら本当に手数が足りなくなっちゃいますよ」
海賊「……不甲斐ないなぁ」
船員「まだ始まったばかりですよ。それに天国の先代は、きっと応援しています」
海賊「……」
船員「……」
船員「"俺の借金、頼むわ"って」
海賊「 死 ね 」
船員「もう死んでますって」
19 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/08(日) 18:31:05.68 ID:Vyl9bD0x0
黒髪少女「あら、小さな船長さんと船員さん。ごきげんよう」
船員「あ、クレーマー」
海賊「オイ馬鹿やめろ!?」
黒髪少女「フフ、面と向かっては一度も言ってないのですけれど」
海賊「なんか……申し訳ないです」
黒髪少女「貴女は……人前に出るのが少し慣れていないのですね」
海賊「分かるんですか?」
船員「そうなんですよ!幼いころから実は先代から海賊団を既に乗っ取っていたんですけど、影のボス的な位置に居たもんですからこういうトラブルとかの対処って全部先代か私が受け持っていたもんでね?前線に出るとまーまだ何も出来ないマンモーニなもんで困っちゃいますよグハッ」
海賊「余計なことは言わんでいい」
船員「愛のある暴力ありがとうございばず……」
20 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/08(日) 18:36:01.59 ID:Vyl9bD0x0
黒髪少女「悩んでいるのなら、その悩みを相手にぶつけてみてはどうでしょう?私なら話し相手になりますよ」
海賊「……ちょっと悩んだときはこうして甲板に出て海を眺めればそれで私はいいと思っています。それに、あまり他人に話す事でもありませんし」
黒髪少女「あら、残念……ところで」
海賊「はい」
黒髪少女「船の舵はまかせっきりでいいのですか?見たところ今日は食堂に付きっきりだったようですけれど」
海賊「ああいいんですよ」
海賊「改装時にオートパイロット機能を取り入れてイレギュラーが無い限りはAIが自己判断して操縦するようにしてますから」
黒髪少女「随分横文字が並びますね」
21 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/08(日) 18:57:30.53 ID:Vyl9bD0x0
小休止
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/08(日) 19:02:25.07 ID:JvKPBgx9O
パスタだけアレってあれか?
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/08(日) 20:54:34.58 ID:2ksk0Ter0
イノミュ久々
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/09(月) 11:48:51.11 ID:SThOa7EQ0
超めちゃくちゃひっさしぶりの新作だー!
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/09(月) 12:14:54.73 ID:js0+ad9dO
更新きてて嬉しいで
26 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:04:06.73 ID:/u5KVT1T0
再開
27 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:06:45.37 ID:/u5KVT1T0
黒髪少女「まだ海の旅路は長いですから。明日からもっと面白くなることを期待しています。フフ……」
海賊「行ってしまった……」
船員「何だかミステリアスなヒトでしたねー」
海賊「……」
海賊「面白さを期待された!?」
船員「そりゃハプニングの連続は傍から見れば楽しいですからねー」
海賊「ぐぬぬ」
28 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:09:02.17 ID:/u5KVT1T0
海賊「よし!明日からはレクリエーションも含めお客様にご満足いただけるよう張り切っていくぞ!!」
船員「船長船長!それよりこの宝の地図の事ですけど……」
海賊「うおおお!!頑張るぞーーー!!」
船員「船長ー!おーい!せんちょーーー!!」
船員「はぁ……まったく」
船員「これ、どうやってあの娘に見せようかな……」
29 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:12:36.63 ID:/u5KVT1T0
――――――
―――
―
海賊「皆、よく聞いてくれ!」
海賊「昨日は結構大きなトラブルがあったが、みんなの働きが良かったおかげで何とか大事に至らずに済んだ!」
下っ端A「あの騎士っぽくない格好の騎士さん、まだ寝込んでますけど」
船員「相方のヒトに小包渡したら一発で許されたからいいんだよ」
下っ端A「それでいいのか」
海賊「今日はお客様参加型の催しをしてみようと思うのだが、モニターを見てくれ」
30 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:16:12.32 ID:/u5KVT1T0
あかん、
>>29
の船長さん脈絡なさすぎる会話を繰り広げてる
まぁいいか
31 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:24:26.60 ID:/u5KVT1T0
海賊「今回用意するのはこれだ」
【海賊団プレゼンツ 前衛的!海賊体験!】
「「「おおー」」」
船員「なるほど、私達海賊の体験をしてもらおうって事ですね」
海賊「面白そうだろ!」
海賊「要点はこうだ」
パパパッ…パッ
シャッ…
ストッ
ジワァ〜…
船員「……」
船員(パワポ……!)
32 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:27:31.52 ID:/u5KVT1T0
下っ端C「ボス、言いたい事があります!」
海賊「おお、Cか。なんだ、言ってみろ」
下っ端C「ぶっちゃけ楽しそうに思えません」
海賊「……」
船員「……」
下っ端C「……」
海賊「……」ジワッ
船員「おぉーー!!よしよしよしよし!いい子だから泣かないでねぇーーー!!オイ下っ端の分際で何言ってんだ!!徹夜して頑張って考えた規格がちょっと子供っぽかったからってそんなハッキリいう事じゃないだろ!!」
海賊「」
下っ端C「今お前がトドメ刺したぞ」
33 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 17:41:39.62 ID:/u5KVT1T0
一旦止める
夜に再開
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/05/09(月) 18:12:14.56 ID:KABz306m0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/09(月) 19:22:34.01 ID:PlHRHyJSO
ホモパスタ乙
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/09(月) 20:03:48.42 ID:GS5DT+Pa0
ようクソホモ
お前のせいでケツから血出てんぞ
37 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/09(月) 23:54:26.16 ID:/u5KVT1T0
再開
38 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:02:03.69 ID:+gPahnyA0
海賊「じゃあどうしろってんだよぉ!仕事なら全部一人で出来るけど私こんな事はしたこと無いからわかんないんだよぉ!」
船員「誰ですか!船長にこんな無理な事させようとしたのは」
下っ端A「せっかくの記念航海だからやろうって言いだしたのはおmゴブッ」
船員「船長、とりあえずもう一回練り直しましょう!今ならまだ間に合いますから!」
海賊「ぐずっ……わかった」
下っ端A「今俺理不尽な暴力に合わなかったか……?」プルプル
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
39 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:06:36.18 ID:+gPahnyA0
……
結果
海賊「……」
船員「さぁー御集りの皆さん!海賊体験会はこちらです!参加自由なので、お気軽にお声をおかけください!」
吟遊詩人「ハハ、可愛い"水着の"お嬢さん方。一体これはどんな事をやっているんだい?」ポロロン
船員「海賊の気分を少しでも味わってもらうのが目的でしてね。まぁ良い想い出来ますからちょいとどうですか?」
吟遊詩人「うほほほ。それじゃあ参加してみようかな!」ポロロロン
船員「19人目確保!!それじゃあこの紙にサインしてください!!」
吟遊詩人「お安い御用さ。それで……」
船員「はい!これに着替えて!!」
吟遊詩人「おお、何だか本格的だねぇ」
40 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:09:03.55 ID:+gPahnyA0
下っ端B「テキトーに集めたし、この辺でイイだろう」
船員「そだねー。それじゃあ海賊体験会へようこそ!集まってくれたみんな!早速だけど」
船員「ちょっと甲板の掃除でもしようか」
「「「は?」」」
吟遊詩人「ちょ、ちょっと待ってほしいな。海賊ってそういうのだっけ?」
船員「そうだよ、私ら海賊はいつもやってる事だよ。ホイ、モップ」
吟遊詩人「あ、ああ……えっと」
船員「それに、契約書にサインしちまったものはしょうがねぇよなぁ」
吟遊詩人「へ?」
41 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:15:15.29 ID:+gPahnyA0
【私、(名前記入欄)はこの航海を終えるまでこの海賊団に従事する事を誓います】
吟遊詩人「……なにこれ?」
船員「一時的なギアス」
吟遊詩人「ふざけてんの!?一企画で参加者に呪いかけるって本気でやってるの!?」
船員「いやー、なまじ魔法使えると試したくなっちゃってさ☆」
吟遊詩人「ちょっ、おまっ」
船員「呪詛の誓約は"下心見せた奴"だけに強制力が働くから。あ、みんな海賊っぽい服脱げなくなってるね。それじゃあ海上都市までお手伝いお願いねー!」
吟遊詩人「その為の水着かい君たち!?」
船員「こんなチビッ子に欲情する性欲魔人共が!恥を知れ恥を!!」
船員「せんちょ!人員の確保できましたよ♪」クルッ
海賊「本当にこれでよかったのだろうか……」
42 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:18:02.63 ID:+gPahnyA0
下っ端C「ほら!キリキリ働け!!」パシンッ
「あひぃ///」
吟遊詩人「あふん///」ポロロン
船員「ま、あの人達も喜んでいるから成功じゃないですか?」
海賊「ウチはどこへ向かっているのだろう」
船員「海上都市ですよ?」
海賊「そうじゃなくてだね……」
43 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:22:27.04 ID:+gPahnyA0
船員「船長、働きづめですしそろそろ休んだらどうですか?」
海賊「おいまだ航海2日目だぞ。そんな悠長な……」
下っ端B「いいんすよ別に」
下っ端A「俺達もサボってますし」
海賊「……」ギリギリギリ
下っ端A「冗談ですよ?手甲で脇腹を強く掴まれるってかなりアレっすよ船長?」
船員「せっかくの水着ですし、プールで遊んで来たらどうですか?せっかく付いてるもの使わないと勿体ないですよ」
海賊「いや、でもあそこお客さんの……」
船員「兼用兼用!さ、私と遊びに行きまっしょい!!」グイグイ
海賊「お、おい!」
44 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:24:39.99 ID:+gPahnyA0
下っ端A「ボスが航海前からず――――――っと準備してるの知ってるし」
下っ端B「何もない時くらいはのんびりして欲しいわな。それに、先代の……」
下っ端C「私の靴をお舐め!!」
「はひぃ」
吟遊詩人「わぁい」
下っ端A「……」
下っ端B「……」
45 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:39:42.76 ID:+gPahnyA0
船員「さ!パーッと休みましょうパーッと!」
海賊「休むったって何すりゃいいんだよ。大体客の状態とか食堂の経過とか船の整備とか事務処理とか色々……」
船員「そういうの抜き!!ホラ座って!ジュース飲んで!照り付ける太陽でお肌を綺麗に焼く為にオイル塗って!!」
海賊「やだよ、日焼けしたら痛いじゃん」
船員「パラソルの下に籠るな!!何のための水着だ!!」
海賊「お前に無理矢理着せられただけだよ」
46 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:46:45.54 ID:+gPahnyA0
海賊「さっき言った仕事、私の代わりに出来る奴いるのか?やっぱり心配だから一通り終わらせて……」
船員「はーいはい!プールに来てる人も多いですし、監視員って事でお勤めしといてくださいよ。これも立派なお仕事ですたい!」
海賊「どこの言葉だよ全く……」
海賊「お、見知った顔が……」
竜少女「いやー、格安じゃから期待はしておらんかったが、随分と快適じゃのう」
竜少女「ワシらは海底都市に用事があるから、丁度いい足が見つかってよかったわ」
竜少女「しかし、まだしばらく時間がかかる故。久々にのんびりできるのじゃ
竜少女「いつも戦い詰めのお主を労わるのも妻たるワシの務め。たっぷりとサービスしてやろう」
竜少女「あー、この船に乗れてよかったわ」
竜少女「……のう、お主もそう思うじゃろ?」
騎士「」グデン
海賊「し、死んでるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
47 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:50:28.44 ID:+gPahnyA0
騎士「」
海賊「ちょっとまて!?昨日の出来事だぞ!?一日経って何で死んで……いや気絶したままなんだ!?」
船員「いやー、適切な処置は施したハズなんですけどちょっと私も予想外過ぎてなにがなにやら」
海賊「ちょ、ちょっとお客さん!!旦那さん白目剥いてますよ!?大丈夫なんですか!?」
竜少女「貰うもん貰ったからこのくらい平気じゃろ。ほれ、こやつもそう言っておる」ニコッ
騎士「」
海賊「なにこれコワイよ!?返事の無い屍に惜しみない愛情を注いでるよ!?狂気だよ!?」
船員「ヒトの命って、お金より軽いんですね☆」
海賊「お前はいくら包んだあああああああああああああ!!」
48 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:55:03.40 ID:+gPahnyA0
船員「ウチの金庫からちょちょいと」
海賊「ああ借金がかさむ……」イライラ
竜少女「ほれ、そろそろ昼飯に行くぞ。とっとと起きんか」ゲシゲシ
騎士「カハッ!?あ、え?飯?ああ、行く行く……」
海賊「……」
船員「あ、ダイジョウブそうですね」
海賊「ビックリするくらい顔まっさおだがな……あの、昨日は申し訳ありませんでした」
騎士「へ?昨日?なんかあったの?」
海賊「……」
竜少女「おーい、腹が減って死にそうじゃ。早くせんか!」
騎士「はいはい、すぐ行くから待ってろって」
海賊「……お前さ」
船員「処置、完璧でしょ?」
海賊「もういいよ……もういいんだ」
49 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/10(火) 00:56:14.62 ID:+gPahnyA0
小休止
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/10(火) 13:01:32.57 ID:pCHLIywuO
吟遊詩人がボロンしてるように見えた訴訟
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/10(火) 18:22:24.04 ID:LhP2g/bD0
次はどんなパスタかな?(ゲス顔
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/10(火) 19:30:01.58 ID:XiVZuSbuo
期待
53 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 00:56:25.64 ID:OpVojdAK0
再開
54 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 00:58:26.37 ID:OpVojdAK0
黒髪少女「あら、こんにちは。また会いましたね、船長さん」
船員「おお、水着が眩しい」
海賊「こんにちは。どうですか、ウチの船のプールは」
黒髪少女「思っていたよりも快適ですね。欲を言うのなら、もう少し飾り気があればいいのですけれど」
海賊「手厳しいですね
黒髪少女「それより、サボりですか?」
海賊「あー、まぁそんな所かな」
55 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:01:48.92 ID:OpVojdAK0
黒髪少女「ふぅん……」
海賊「な、そっ、そんなに見ないでくださいよ!スタイルにはあんまり自身が無くて……」
黒髪少女「……」
黒髪少女(海賊の大きな帽子、眼帯、フリフリの白い水着、大きな手甲)
黒髪少女「……」
黒髪少女「貴女何をしにここへ?」
海賊「ぜってー聞かれると思ったよ」
船員「突っ込みどころしかないこの恰好、誰も何も言いませんでしたからね」
56 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:05:10.56 ID:OpVojdAK0
海賊「いやもう、首から上はこれじゃなきゃ落ち着かなくて」
黒髪少女「そうでなくとも手甲が物凄い場違い感溢れていますが」
海賊「海賊に襲われたら大変じゃないですか!私がこの船を護らないと……」シュッシュッ!
船員「いや、せんちょーも海賊……」
海賊「フンヌ!!」ゴッ
船員「デュフォアッ!!」
海賊「粗相を犯した船員にも使えます!!」
黒髪少女「船員さん、あまり船長さんをイジメすぎないように……」
船員「え?今の私が悪いの?」
57 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:09:33.46 ID:OpVojdAK0
眼帯少女「……」ヌッ
海賊「うわビックリした!?」
黒髪少女「あら?飲み物を取りに行っていたのではなかったのですか?」
眼帯少女「……売店、人がいなかった」
海賊「は!?おい今日の売店の担当はCだったろ!何やってんだアイツ!」
船員「あそこで新入り達調教してますよ」
下っ端C「オホホホホホホホ!!」パシーンパシーン
「あぁ〜ーーーー!!」
吟遊詩人「ンぎもぢぃぃぃぃぃぃぃ!!」
海賊「よぉーし!あの気持ちの悪い集団を流せ!!」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
船員「あーあ、せっかく確保した人員なのに」
58 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:12:46.94 ID:OpVojdAK0
眼帯少女「……」
海賊「……ど、どうしました?昨日もそうやって私の事じっと見てましたけど」
眼帯少女「……眼帯、おそろい」
海賊「ああ、これ……」
黒髪少女「不躾な質問ですが、それはファッションか何かですか?」
海賊「違いますよ、ほら」
船員「ちょっと、船長……」
眼帯少女「……あ」
黒髪少女「これは……失礼しました」
海賊「いえいえ、よく聞かれる事ですし気にしてないですよ」
59 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:17:08.37 ID:OpVojdAK0
海賊「まだ赤ん坊の時にやっちゃったみたいで。私も物心つく前の事だったんでまったく覚えてないんですけど」
海賊「まぁ、ずっとこの傷とは付き合っていますし、元々見えなかった分不便って事は無いんですけどね。気にしないでください」
黒髪少女「ええ、気にはしません。貴女がそういうのなら」
船員「……」
海賊「お前私の眼の話になるといつも黙るな」
船員「割とどーでもいー話ですからねー」
海賊「ひ ど く な い ?」
60 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:23:07.17 ID:OpVojdAK0
眼帯少女「……」ソワソワ
海賊「なんでソワソワし始めてるんですかこの人は」
黒髪少女「フフ、聞いてほしいんじゃないですか?その眼帯の理由に」
眼帯少女「……失礼ついでに聞いちゃって」ワクワク
海賊「あ、あはは……それじゃあ、その眼帯は何の為に付けているんですか?」
眼帯少女「……フフフ、それは」パッ
単眼少女「……ばぁ」デデドン☆
海賊「あ、サイクロプスだったんですか。凄いですね、顔の形自体を変える眼帯ですか!いいマジックアイテムを持ってるんですね!」
単眼少女「……」クイクイ
黒髪少女「なんですか?」
単眼少女「……驚かれないのは新鮮過ぎる」
黒髪少女「驚かれたら驚かれたで涙目になるのはどこの誰ですか」
船員「あびゃぁ。こ、こわいよぅおかーさーん!!」ガクガクガクガク
黒髪少女「……」
単眼少女「……」
海賊少女「ごめんなさい。躾ておきます」
61 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/11(水) 01:23:35.18 ID:OpVojdAK0
小休止
62 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/11(水) 23:59:13.37 ID:OpVojdAK0
本日休業
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/12(木) 00:09:46.84 ID:bS/r52A8O
乙
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/12(木) 00:36:31.71 ID:/ziTug5F0
痔大丈夫か?
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/12(木) 22:40:47.54 ID:+6RowSWJ0
支援wwktk
66 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:20:59.07 ID:NiHiRgbo0
再開
67 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:24:17.41 ID:NiHiRgbo0
黒髪少女「さて、いい時間ですしそろそろお暇しましょうか」
眼帯少女「……ういー」
海賊「もうそんな時間か」
船員「プールももう掃除しておかなきゃですね」
海賊「うっし、休んだ分いっちょ頑張るか」
下っ端C「ボス、コイツらにやらせますので他の仕事でも探してください」
吟遊詩人「「「お任せください!女王様!!」」」
海賊「……彼らってお客さんじゃなかったっけ?」
船員「いいんじゃないですか?既に自主的にやってますし」
海賊「そうかー……」
68 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:31:48.16 ID:NiHiRgbo0
ズルズル…
海賊「ん?」
船員「どうかしました船長?」
海賊「いや、今船の近くで何か変な長い糸のようなものがあった気がしたが……」
船員「大半のお魚でしたら一発で分かりますけど、この海域で糸みたいなのは流石に分からないですね。アオリイトウオかな?」
海賊「まぁ見間違いかもしれんし、大丈夫だろう」
船員「変なのが出て来ても困りますから、後で水中カメラでチェックしておきます」
海賊「ああ、そうしておこうか」
船員「あー!飯食って明日の用意して寝るかー!雑に手早く済ませてナンボ!!」
海賊「私のいないところで言おうなそういう事は?」ギリギリギリ
船員「あががががががが」
ズルズル…
69 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:39:49.76 ID:NiHiRgbo0
……
下っ端B「書類はこれで全部です」
海賊「悪いな、整理手伝ってもらって」
下っ端B「このくらいいいっすよ。何度も言ってますけど、適度にサボってますから」
海賊「お前たちがしっかり働いてくれてるのは良く知ってるから、そう謙遜しなくてもいいのに。他の連中はどうしてる?」
下っ端B「アッシュは食堂の片づけを、チェリーは新入り(?)達に簡単なレクチャーを」
下っ端B「デッドとエレクトロは船内の見回りをしています」
海賊「…………?」
下っ端B「AとCとDとEです」
海賊「ああ!!普段頭文字しか呼ばないから忘れてた!!」ポンッ!
下っ端B「ちなみに俺はブレイブですからね。付き合い長いのに忘れんでください……」
70 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:43:32.13 ID:NiHiRgbo0
海賊「あのバカはどうしてる?」
下っ端B「監視室でモニター確認する振りをしながら真っ先に寝てました」
海賊「よぉーし!明日本当に海に還してやろう!」
ガタンッ!!
海賊「ん?」
下っ端B「やけに大きい物音でしたね。消灯時間過ぎてるのに」
海賊「スタッフ用の通路だし、誰か通ったんだろう。気になるしちょっと確認するか」
71 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:45:47.51 ID:NiHiRgbo0
海賊「おーい、誰かいるかー?」
下っ端B「……返事は無いですね」
海賊「こんな所、お客さんが迷い込むなんて事も無いだろうに」
下っ端B「客が居るとしたらロビーくらいですもんね。あそこは常に開いてますし」
ピチョッ
海賊「ん?水……」
下っ端B「うわ誰だよ!?床一面水浸しじゃねーか!!」
海賊「海水だ……」
下っ端B「へ?」
72 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:50:39.69 ID:NiHiRgbo0
海賊「なぁ、このデカい船の上層に海水がまき散らされてるってのは不自然じゃないか?」
下っ端B「まず無縁ですね」
海賊「嫌な予感がするな……ちょっと武器取ってきてからこの海水を辿ってみる。お前は他の連中を集めて来てくれ」
下っ端B「ぼ、ボスが自ら行くことはないんじゃ……」
海賊「ウチで一番強いのは誰だと思ってるんだ?大丈夫、危なくなったすぐに引くよ」
下っ端B「頼みますよぉ?ボスを傷物にしたとなったら先代に顔向け出来ないですからね!」
海賊「親父は関係ねぇーよ!行け!」
下っ端「ほいさ!」
73 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:53:33.29 ID:NiHiRgbo0
海賊「……」
海賊(武器は取ってきた、後はこの海水を辿っていくだけ……)
海賊(通った道が行き止まりだったから一度引き返したんだろう。一本筋しか水の跡が無い)
海賊(どこに続いている……そしてどこから来た……)
海賊「……」
海賊「外に出ちゃったな」
74 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:56:28.36 ID:NiHiRgbo0
海賊「しかし……ん?」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「お前ら!ここに居たのか!」
海賊「丁度いい、ここらで怪しいやつを見なかったか?水浸しになってるような……」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「汗にまみれたお互いを指さすな筋肉ダルマども」
75 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 00:59:31.53 ID:NiHiRgbo0
下っ端A「ボスー!」
下っ端B「連れてきました!」
下っ端C「お待たせしました」
海賊「よかった!!この二人相手に会話を続けるのは無理だと判断していた所だ!!」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「いや、否定しろよ」
下っ端B「それで、何か分かりました?」
海賊「ああ、もしかしたら……の話だが」
海賊「外から来たという線が濃厚かもしれん」
下っ端C「外から?」
76 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 01:03:04.33 ID:NiHiRgbo0
海賊「ああ、なんか最近多いとか聞いたことがあるんだ。客船を狙った海上のコソドロをな」
下っ端A「ウチの船外装だけはそれっぽく見えるしなー」
下っ端B「中身も改装してあるけどエンジン周りとか中古の三流品だらけだし」
下っ端C「見た目って大事だよね。格安を売りにしなくても結構騙されてくる人達も多くて……」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「お前ら借金抱えたウチの財布事情を知らんとは言わせんぞ」
77 :
◆cZ/h8axXSU
[sage]:2016/05/13(金) 01:07:04.53 ID:NiHiRgbo0
海賊「それに、私達ではなく客から盗む物の方が利益出るに決まってんだろ。だから海の泥棒は賊の船でなく積み荷をもった商船や客船を狙うんだ」
下っ端A「ここで俺らが客から巻き上げたら大儲け出来ません?」
海賊「死ぬか?」ギリギリギリ
下っ端A「HAHAHA☆[
ピーーー
]気ですね、超痛い☆」
騎士「あ、スタッフさんいたいた」
海賊「なっ!お客様!?」
78 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:07:48.65 ID:NiHiRgbo0
海賊「それに、私達ではなく客から盗む物の方が利益出るに決まってんだろ。だから海の泥棒は賊の船でなく積み荷をもった商船や客船を狙うんだ」
下っ端A「ここで俺らが客から巻き上げたら大儲け出来ません?」
海賊「死ぬか?」ギリギリギリ
下っ端A「HAHAHA☆殺す気ですね、超痛い☆」
騎士「あ、スタッフさんいたいた」
海賊「なっ!お客様!?」
79 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:08:21.89 ID:NiHiRgbo0
失礼、sagaにすんの忘れてた
80 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:11:42.89 ID:NiHiRgbo0
騎士「こんなに集まって何してんの?」
海賊(いや、何でこんな所に来てんのこの人!?この時間外に出るなって配布した案内に書いてあったろ!?)
下っ端A(読んでないっすよ絶対!なんかアホそうな顔してますもん!)
下っ端B(アホは活字読めないんっすよ!)
騎士「うん、まずこの時間に出歩いたことは謝るしスッゲェ失礼な事小声で言われてるのもスルーするけどさ」
81 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:15:35.44 ID:NiHiRgbo0
騎士「なんか慌ただしいっていうか。困ってるのなら力になるけど、必要?」
海賊「いえ、お気になさらずに!」
海賊(情報漏らすなよ?あんまり客さんを不安にさせるのはこちらとしても望むところじゃない)
下っ端B(分かってますよ、ですからここは大人しく部屋に戻ってもらって……)
下っ端A「問題が発生してもこちらで対処いたしますので!!」
騎士「問題発生してるのかー」
海賊「……」ギリギリギリ
下っ端A「痛い痛い痛い」
82 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:19:07.37 ID:NiHiRgbo0
海賊「す、すみません!速やかに対処いたしますのでどうかご内密に……」
騎士「女の子がそんな武装して、普通じゃないでしょうが。よし!ここは俺も手伝わせてもらおうかな」
海賊「そんな……」
騎士「こう見えても俺は冒険者だからな、腕には多少覚えがある。戦闘になればちょっとは役に立てるさ」
下っ端C「どうします?ガタイはいい方だと思いますけど……」
海賊「……仕方ない」
海賊「わかりました。ですが剣が必要になるとも限らないので、私と一緒に行動していただけるだけで構いません」
騎士「ボディガードみたいなもんか。わかった、小さなお姫様を護衛する騎士になりましょうかね」
83 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:23:27.10 ID:NiHiRgbo0
海賊「人数もいるし、二手に分かれよう」
海賊「私と騎士様、Aはこっちに。もう片方はBを中心に捜索に当たってくれ」
下っ端B「了解です!」
下っ端D「うっす」
下っ端E「おっす」
海賊「じゃあ行こう!」
騎士「はいよ!」
下っ端A「おうさ!!」
下っ端C「……」
下っ端B「どうした?」
下っ端C「誰か一人忘れてない?」
下っ端B「……」
―――
船員「ンガー……スピー……ズズッ」スヤァ…
84 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/13(金) 01:23:54.57 ID:NiHiRgbo0
小休止
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/13(金) 07:21:15.19 ID:jOkxv2TC0
お、パスタの人か期待
86 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/14(土) 00:26:58.17 ID:+hf5+aom0
本日休業
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/14(土) 00:40:15.96 ID:aMT0YLh0O
乙
88 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:47:30.14 ID:9OpjClw/0
再開
89 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:53:04.40 ID:9OpjClw/0
……
騎士「で、一体なにがあったっていうのよ」
海賊「船内の通路が水浸しになっていたんです。それも海水が」
騎士「海の上だから海水が船の中に入ってても不思議じゃないんじゃないの?」
下っ端A(コイツ馬鹿だ)
海賊(この人馬鹿だ)
騎士(なんだろう、失礼な事考えられてる気がする)
90 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 01:57:20.74 ID:9OpjClw/0
海賊「一応考えられる線と言えば、金品目当ての密入です。同じ海賊ならコソコソ隠れて潜入するより白昼堂々と襲って来るはずですし」
下っ端A「例外もありますがね」
騎士「ふーん……お、なんか変な風だ」
海賊「風?」
騎士「裏手か……行ってみよう」
海賊「あ、ちょっと!?海水が続いてる方向と違いますよそっち!?」
91 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:03:51.82 ID:9OpjClw/0
騎士「ここだ」
海賊「ここって……甲板ですよ」
下っ端A「流石にこっから入ってくるような輩は居ない気も……」
「うえー……海水がねちゃねちゃで気持ち悪いのだー……」
「ああ御労しやお嬢様……おいそこの脳内桃色オーク!!お前のせいで船が転覆したんだよ!!」
「お魚釣ろうとしただけにゃー。でもまさかヌシに船ごと持って行かれるとは思ってなかったにゃ」
騎士「ビンゴ〜」
海賊「マジッすか!?」
92 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:09:37.43 ID:9OpjClw/0
海賊「オイお前たち!そこで何をしている!!」
オーク娘「にゃっ!?な、何事にゃ!?」
スライム娘「ああ丁度いいところに話が出来そうな人が。お嬢様、文字通り助け舟ですわ!」
ゴブリン娘「うむ!そこのチビッ子!早速で悪いが相談があるのだ!」
海賊(チビッ子にチビッ子って言われたよ……)
ゴブリン娘「今私達は海上で遭難状態となっていたのだ!水も食料も付き、船もボロくなってそりゃもう大変だったのだ!」
海賊「……つまりどういう事だ?」
ゴブリン娘「私達を保護する権利をくれてやるのだ!!」
スライム娘「尊大ですわお嬢様」
オーク娘「流石だにゃ!」
海賊(え、何このヒト達……)
93 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:12:38.78 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「考えても見てくれ、海の上では補給線も断たれ孤立状態。それがどれ程危険なのかお前にも分かるだろう!」
スライム娘「見たところこの船の責任者っぽい風貌ですが、実際の所どうなのでしょう?」
海賊「いかにも、私はこの船の船長だ」
ゴブリン娘「ならば話は早い!助けて!!」
海賊(なんで偉そうなんだ……)
海賊「えっと、それじゃあ名前と所属を尋ねてもいいか?最近ここらへんで密入が多いから、そうホイホイと勝手に船に上がり込んで来たヒトを信用は出来んから」
ゴブリン娘「フッフッフ……」
海賊「?」
94 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:21:45.79 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「よくぞ聞いてくれた!!」シュバッ
海賊「!」
ゴブリン娘「この世界は悪であふれかえっている!」
ゴブリン娘「その悪を憂い!そして我らが絶対悪となることで、世界に真なる正義の心を芽生えさせるための悪となろう!!」
ゴブリン娘「そう!我らの名は!"悪の組織"!!」
ゴブリン娘「この世に悪が栄える限り、我らは不滅なのだ!!」ドドーン!!
スライム娘「ああ、麗しいですわお嬢様」
オーク娘「にゃー」
海賊「……」
海賊「しょっ引け」
下っ端A「へい」
ゴブリン娘「 な ん で ! ? 」
95 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:24:47.38 ID:9OpjClw/0
海賊「どこの世界に悪人を名乗る連中を助けてやるやつがいるんだ」
ゴブリン娘「あ!こ、これは言葉のあやってやつだ!今はそれとこれとは関係ない!!」
オーク娘「あ、さっき下の倉庫から取ってきた食料がしけっちゃってるにゃ」
海賊「泥棒だ!!間違いないぞ!!囲え!!」
騎士「……」
オーク娘「にゃにゃ!?何でバレたにゃ!?」
スライム娘「お前はワザとやってるのか?」
96 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:28:10.23 ID:9OpjClw/0
ゴブリン娘「違うのだー、誤解なのだー……」クタン
下っ端A「いいから大人しくお縄に着け!!」
スライム娘「くっ!お嬢様を乱暴に扱わないでくださいまし!」
海賊「海上都市に着いたらコイツら引き渡すか……」
ゴブリン娘「そっ!それだけは勘弁してほしいのだ!ちゃんとあっちに着いたらちょっと拝借した分の食糧の代金は払うのだ!」
海賊「そういう問題じゃないだろ!」
ゴブリン娘「うぐぅ……」
97 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:32:02.70 ID:9OpjClw/0
オーク娘「うにゃ〜?」ジー
騎士「……」フイッ
オーク娘「うにゃにゃ〜?」ジー
騎士「……」フイッ
スライム娘「貴女さっきから何してるんですか。早くこの状況を脱却するために地面に頭限界まで擦り付けて流血して死ぬまで謝り続けなさい。むしろそのまま死ね!」
オーク娘「ああ!!どこかで見たことのある顔だと思ったらヴェイドにゃ!!阿呆のヴェイドにゃ!!」
騎士「阿呆に阿呆って言われた!?」
オーク娘「反応したにゃ!やっぱりそうにゃ!」
騎士「あー……」
ゴブリン娘「し、知り合いか!?」
オーク娘「同級生にゃ」
98 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:34:04.63 ID:9OpjClw/0
海賊「……」ジー
騎士「疑念の眼差しを俺に向けんでくれ」
下っ端A「まさか、アンタが手引きしたって事は無いだろうな?」
海賊「疑いたくはありませんが、このヒト達と一緒に事務所来てもらえますか?」
騎士「思いっきり疑ってるわね……」
オーク娘「この際だから形振り構ってられないにゃ!助けるのにゃ!」
ゴブリン娘「口添えだけでもいいから頼むのだ!!」
スライム娘「よく分かりませんがお願いします!!」
99 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:36:08.87 ID:9OpjClw/0
海賊「騎士さん?」
下っ端A「どうなんだ?」
オーク娘「はやく助けろ馬鹿!!」
騎士「……」
オーク娘「万年最下位!!」
騎士「……」
オーク娘「覗き魔!!友人の七光り!!ロリコン!!」
騎士「」ブチッ
100 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:40:12.40 ID:9OpjClw/0
騎士「……」
ガッ
オーク娘「え?あ、ちょ……」
ポイッ
オーク娘「にゃあああああぁぁぁぁぁーーー――――――」
ボチャッ
海賊「……」
下っ端A「……」
スライム娘「……」
ゴブリン娘「……」
騎士「便宜は図ってやるから、とりあえずそこの二人は独房に入ろっか?」ニコッ
((((怖ェーーーーー!!))))
101 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:44:00.19 ID:9OpjClw/0
……
海賊「疑ってすみませんでした。ご協力感謝します」
騎士「いいって事よ、人助けもまた俺の仕事見たいなもんだからな」
海賊「お礼と言っては何ですが、次の都市で使える宿屋の無料チケットです。海底都市で降りると聞いたので、これをお納めください」
騎士「必要無いよ……ってカッコよく言いたいところだが、受け取らせてもらうよ。感謝感謝!」
下っ端B「とりあえずあの二人と海に落とされた一人を回収して独房に入れておきました」
海賊「ああ、分かった」
騎士「チッ、回収したのかよ」ボソッ
海賊「……」
102 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:46:34.32 ID:9OpjClw/0
海賊「ま、まぁ貴方の口添えもありますし、本当に緊急事態だったそうなので今回の件は私どもの方でも不問とさせてもらいます。都市に着くまでのあと1日は独房に入っていてもらいますが……」
騎士「ああ、妥当ね」
下っ端C「でもおかしい話ですよね。あの娘達はさっき密入してきたばかりだってのに、廊下が海水で水浸しになってたのは」
海賊「ああ、変な話なんだよなぁ」
騎士「あ、そうだ、忘れてた」
海賊「はい?」
103 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:49:48.67 ID:9OpjClw/0
騎士「俺の部屋のトイレ壊れちゃったみたいで、なんか知らんが海水が溢れて水浸しになっちゃってたんだけど、他の箇所は大丈夫だったか?」
騎士「船の所々の排水管が傷ついて、廊下中水浸しだったみたいだけど……」
海賊「……」
下っ端B「……」
下っ端C「……」
海賊「 先 に 言 え よ ! ? 」ギリギリギリ
騎士「痛い痛い痛い痛い!?何で!?ねぇ何で俺締め上げられてるの!?」
104 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:52:48.31 ID:9OpjClw/0
海賊「あー、明日は全面的に修理かなー」
下っ端B「原因がわかっただけでも良しとしておきましょう」
下っ端C「そうですね。人手も増えてますから私達はこっちに注力できるかと」
海賊「はぁ……お疲れさん、今日はもう休んでいいぞ」
下っ端B「ういっす」
下っ端C「おやすみなさい、ボス」
騎士(俺この船に乗ってから何だか身体がボロボロになってる気がするんだけど……)
105 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:56:56.61 ID:9OpjClw/0
……
コック「〜♪」
コック「よし、明日の下ごしらえはこんな感じかな」
コック「しかしいきなり海水が噴き出してきて驚いたな、どっか船の下で穴開いたのか?まぁセキュリティ働いてるし大事なら警報もなるだろうから大丈夫だと思うけど」
コック「……あれ?」
コック「パスタの両が減ってる気が……オイオイ、誰か持ってったのか?」
コック「そういや捕まった泥棒が食料少しもってったんだっけか……まったく、迷惑な奴らもいるもんだな」
コック「さーて!この辺で寝るかなー!明後日海上都市に着いたらアイツにお土産でも買ってってやるかー!」
ズルズル……
106 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/15(日) 02:57:55.36 ID:9OpjClw/0
小休止
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/15(日) 03:59:10.20 ID:6YaaOryCO
乙ー
108 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 00:24:49.11 ID:eFRc7gsX0
本日休業
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/16(月) 01:03:05.07 ID:IcApJJAlO
だめ
110 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:06:31.66 ID:eFRc7gsX0
じゃあ再開
111 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:13:06.56 ID:eFRc7gsX0
――――――
―――
―
海賊「……」ギリギリギリギリ
船員「痛い痛い痛い痛い」
下っ端A「何やってんだボスは」
下っ端B「サボり魔の躾だとさ」
船員「確かに、確かに私は監視室で眠っていました!しかしですね!ちゃーんとモニターを確認しながら業務を全うしていたんですよ!怪しい奴なんてどこにも映ってなかったから切り上げたんですよ!この仕打ちはあんまりですよ!!」
海賊「25時8分、食堂の映像を出せ」
下っ端D「うっす」
―
ゴブリン娘「ハムなのだ!久しぶりのハムなのだ!!あむあむ」
スライム娘「水がうめぇ」
オーク娘「モヒモヒモヒモヒモヒ」
―
船員「わぁい」
海賊「……」ギリギリギリギリギリ
船員「痛い痛い痛い痛い痛い」
112 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:18:23.53 ID:eFRc7gsX0
海賊「アイツら、コックが厨房からいなくなった隙に食糧漁ってたんだな」
下っ端B「よっぽど極限状態だったのかちょっと可哀想っすね……」
海賊「後で朝食持ってってやってやれ……ハァ、まったくどうして。こうもトラブルが続くのやら」
船員「海賊ってのはトラブルが付き物ですからねぇ。私達海賊らしくない事しかやってないですけど」
海賊「まぁいい、この件は既に解決している。お前たちは通常業務に戻ってくれ」
下っ端A「へい」
下っ端B「それじゃあ」
下っ端D「うっす」
船員「あの、船長私は……」
海賊「一生ここで寝てろ」ギロッ
船員「酷い!」
113 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:21:29.64 ID:eFRc7gsX0
―
ズルズル…
―
船員「あれ?」
海賊「どうした?」
船員「一瞬映像に何か写ったような……」
海賊「何かってなんだよ」
船員「よく見えなかったんですよ……うーん、巻き戻しても特に何もない」
海賊「食堂から厨房はあまりよく見えないな……アイツらよく映ってたけど」
船員「ま、あの人達の誰かがまたカメラに写りこんだんでしょうね」
海賊「ああ、まぁ厨房にも監視カメラ増やしておくか……あー、出費がかさむ!!」
船員「……」
114 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:25:31.99 ID:eFRc7gsX0
船員「……船長、遺産を破棄する事も出来たんですよ?」
海賊「なんだよ、突然……」
船員「確かに、海賊団を乗っ取って今の経営方針にしたのは他ならぬ船長自身ですけど。先代が残したものをそのまま受け継ぐ必要はなかったと思いまして」
海賊「愚問だな。あのクソ親父の不始末は私が片付ける。それに、この船を売っぱらうのは気が引けたんだ」
船員「思い出、沢山ありますからね」
海賊「ああ、無理言って滅茶苦茶いい船買わせたんだ。手放して利益を損ねるなんて勿体なさすぎる。あと10年は働いてもらわねば……」
船員「もっとこう……あるだろ!?」
115 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:29:23.04 ID:eFRc7gsX0
船員「その手甲も、その海賊帽も、その大きなコートも」
船員「ぜーんぶ、先代から受け継いで……」
海賊「剥ぎ取っただけだ」
船員「うん、確かそんな覚えがあった気がしないでもないですけどそうじゃなくてね?」
海賊「お前さ、ひょっとして親父の事……」
船員「……さて、お仕事に戻りますか」
海賊「あ、おい!逃げるな!話を最後まで……」
船員「こっちは寝過ぎでパワーが有り余ってるんですよ!!ちょいとベッドメイキングしてきますんであとヨロシクッ!!」
海賊「逃げ足は速いなホント……ん?」
116 :
◆cZ/h8axXSU
[saga]:2016/05/16(月) 01:31:35.15 ID:eFRc7gsX0
海賊「……宝の地図」
海賊「そういやアイツ、私にコレ見せようとしてたな。忘れて行きやがって」
海賊「まったく、無理して見せようとしたってそんなもん拒否るに決まってんだろ。一発当てて楽しようなんて甘い人生……」ピラッ
海賊「……」
海賊「これ……」
海賊「親父の……字だ……」
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