ドイツ「地球立キチガイ学園にようこそ!今日も今日とて偽善に励むぞ!」

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157 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:52:14.13 ID:g/v5wgpL0

アメリカ(完成していたとは・・・親父は俺が暴れるのに全面協力してくれる)

アメリカ(俺を精神病院に送り込んだと思えばこれだ、あの人の考えは理解できない)

少年は父親からの贈り物に微笑み、接吻した。

イスラエル「ファザコンはっけーーんwwwそんなに親父さん好きかい?」

アメリカ「イスラエル」

イスラエルはいつの間にやら、合鍵を使ってアメリカの部屋に侵入していた。

アメリカ「馬鹿言え、俺が好きなのは親父じゃなくて玩具だw」

イスラエル「へー、それでキスしちまうくらい愛しい玩具って何だったのさ?」

アメリカは静かに笑い、答える。

アメリカ「『神の杖』さ。上手く使えってさ」

イスラエル「ほぉー・・・いいねぇ。君の親父さん、イカしてる」

アメリカ「イカれてんのさ」

イスラエル少年、彼は神出鬼没である。
彼は強者に取り入り、あらゆる悪事に手を貸すという。
これは孤児であった彼なりの処世術なのかもしれない。
158 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:53:40.87 ID:g/v5wgpL0

彼の目的はただ一つ、「支配」である。

イスラエル(みんなを、養分にしてるだけだ)

イスラエル(アメリカも所詮はいいとこのお坊ちゃんだ。俺の養分に過ぎない)

イスラエル(俺は、選ばれた人間だから)

イスラエルはイザヤ書を読みながら、アメリカに尋ねる。

イスラエル「今日は、俺に付き合ってくれるんだったな?」

アメリカ「ああ・・・今日の"お人形"はシリアとイランだ」

イスラエル「そうこなくっちゃ」ニコッ
  
  
アメリカとイスラエルは、談話室でサウジアラビアを待っていた。
他の生徒達は、2人の異様な空気を読んだためか、そこへ寄り付かなかった。

2人が食べていたポテトチップスの袋が残りわずかになった頃、サウジアラビアはやってきた。

アメリカ「おいおーい、お前遊んできたな?」

サウジアラビア「ハッ!連れて来るためだ。むしろ感謝してほしいくらいだな」
159 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:55:07.04 ID:g/v5wgpL0

サウジアラビア「ほらよ、だいぶ大人しくなったさ」

ドカッ

サウジアラビアは拘束したシリアとイランをアメリカの前へ蹴り倒した。
2人は既に痣だらけで、痛々しい様子である。

イラン「くっ・・・」

シリア「ひぃ・・・っ」

イラン「サイコ野郎が、いい気になんなよ!」

サウジアラビア「ほらな?こんなに遊んだ後でもこの元気だ。元気すぎるんだ」

アメリカ「本当だなw少し心配したが、まだまだ楽しませてくれそうだ」

サウジアラビア「じゃ、あとはせいぜい楽しんでくれー」

サウジアラビアはシリア・イランを置いて去っていった。

アメリカ「さーて、何しよっかな?指でも切り落とそうかな?」

シリア「うわぁーーーーーーーーーーー!!!」

シリアはイランにすがりつく。

シリア「怖いぃぃ!怖いよおおおお!殺されちまう!」ガクガク

イラン「落ち着け!騒ぐほど奴の思う壺だぞ!」
160 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:56:37.22 ID:g/v5wgpL0

イスラエル「さっすがイラン君、こんなときでも冷静だね」クスッ

イラン「イスラエル、てめぇ・・・っこの腰巾着めが!」ギラリ

イスラエル「腰巾着?誰のかな?」

アメリカ(お、ちょっと怒った?)

シリア「ややや、やめなよイラン!こいつら、EUの連中なんかとは違うんだぜ!」

シリア「俺たちなんか簡単に殺されちまうんだっシャイターンの仲間なんだこいつら」

アメリカ「お前も元気が出て来たなぁ。第二人格だせよ」

アメリカは踵に力を入れてシリアの体を踏む。

シリア「痛い!痛いいいい!出ませんんん第二人格はそんなことしても出ませんんん」

アメリカ「じゃあどうしたら出るんだー?ちょっとずつ体を削っていくとか?」

シリア「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」

イラン「やめろォ!手ぇ出すんじゃねえ!」

イスラエル「おやおや、友人を弱い奴扱いwwwかわいそーだなー」

イラン「シリア!びびってんじゃねぇぞ、こいつらの目的は俺らの精神を壊すことだ!」
161 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:57:47.49 ID:g/v5wgpL0

イラン「俺らを廃人にして、生きる希望をなくすことなんだ!」

イスラエル「精神病のキチガイのくせに、生きる希望とか抜かしてらwww」

イラン「てめぇもな」

イスラエル「俺はそんな甘い考え持ってない」

イラン「どうだか?とにかく言えることは、てめぇらは卑怯者のくそったれだってことだ」

イスラエル「卑怯?まるでお前らに本来勝ち目があるかのような物言いだな」

イラン「こんな拘束してることには、卑怯者以外の何者でもないんじゃないか?」

イスラエル「そこまで言うなら外してやるよ。後悔すんなよ?」

イスラエルはナイフで縄を切る。

イラン「ありがとよ」

イランは立ち上がり、拳を固めて構えた。

アメリカ(煽るの上手いなーあいつ)

アメリカ(だが、相手が悪いな)
162 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 14:59:19.61 ID:g/v5wgpL0

イラン(喧嘩には自信があるんだ、こんなひょろっこい奴相手なら)

イランがそう思った瞬間、腹に激痛が走り、気がついたら飛ばされていた。

イラン(な・・・?!)

イラン「かはっ」

イランは吐血した。

イランが顔を上げるまもなく、その左頬に激痛を感じた。

イラン(は、速過ぎ・・・)

イスラエルは容赦なく蹴りを続けた。
彼の脚力は見た目に反して強力で、その跳蹴りはさながら戦闘機の如きであった。

ドカッ
バキッ

シリア「や、やめておくれよ!イランが・・・イランが死んじまう!」

アメリカ「よーく見とけよ?あれ自分の番だと見れないからな」ニヤニヤ

シリア「dhdんcyふがbc、くぉjhhsふぁさk」ガクガクガクガク
163 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:00:33.54 ID:g/v5wgpL0

イスラエル「ほらほらほらァ、最初の威勢はどこ行った?」

イラン「がっはっ・・・」(意識が・・・)

そのとき、談話室の扉が勢いよく開かれた。

???「そこまでだーーーーーーーーーーーーーー!!!」

シリア「あっ・・・」

声の主は、車椅子姿のイラクであった。

イラク「アメリカ、イスラエル・・・貴様らのいいようにさせてたまるか!」

イラク「俺は元最強の男だ!この体の恨み晴らさいでか!」

イラクはそこら中にあるものをイスラエルたちに向かって投げ出した。

アメリカ「花瓶とか投げんなよ」

その隙にイランはシリアの手を引いて、イラクの方へ駆け寄った。

イラン「ありがとよ・・・ぶっ殺したいくらい大嫌いなイラク!」ヨロヨロ

シリア「うああああん、怖かったよー地獄に落ちてくれたらいいのにイラク!」ウワーン

イラク「てめぇら助けてやったのに何だその口ぶりは!死ねよクソ共!!」
164 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:02:05.72 ID:g/v5wgpL0

イラク「ほら撤収!さっさと撤収!イスラエルが追ってくる前に撤収急げ!」

イランとシリアはイラクを置いてダッシュした。

イラク「こらーーっ人でなし!普通は押してくれるもんだろォ」

キュルキュルキュルキュル・・・

イラクは自力で車椅子を動かして逃げた。

アメリカ「追わなくていいのか?」

イスラエル「なんか調子狂ったからもういい・・・じきに効果も出てくるだろうし」

少し離れたところで物が壊れる音がした。

  シリア「アッラーアクバル!」ガッシャーーン

  イラク「アッラーアクバル!」ドッシャーーン

  イラン「うっわやっべぇ、2人同時に第二人格発動した!どうしようこれ」

アメリカ「ほんとだ」

イスラエル「とりあえずは成功だw」
165 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:03:29.08 ID:g/v5wgpL0

イスラエル少年は、全校生徒から恐れられている。
それは単に暴君アメリカ少年と蜜月の仲に見えるせいのみでなく、彼自身の実力に起因する。
彼は知能・腕力ともにキチガイ学園トップクラスの実力者なのだ。

それと同時に、彼は全校生徒から嫌われている。
彼の取り入るアメリカですら、彼を心から信頼しているわけではない。
アメリカ少年は彼を一目置いてはいるが、友人と思ったことは一度もない。
共に利用しているにすぎない、割り切った関係である。

そういう繋がりしか持たない彼は、ときどき冷やかしをする。

イスラエル「毎朝掃除ご苦労だねぇ、ドイツ君?」クスッ

ドイツ「やぁ!掃除は精神を安定させるんだよ」ニコニコ

ドイツはゴミを袋に入れながら楽しそうに語る。

ドイツ「小さい頃から毎日パパと掃除のボランティアをしてきたんだ」

ドイツ「パパは昔いろんな人を傷つけて迷惑をかけてきたんだって」

ドイツ「だから少しでも人のためになることをやらなきゃいけないんだって」

ドイツ「パパ一人ではとても埋め合わせができないから、手伝ってくれないかって言うんだ」

ドイツ「だから僕はいいよって答えたんだ」
166 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:07:07.23 ID:g/v5wgpL0

ドイツ「僕はパパに喜んでもらいたかっただけなんだけど」

ドイツ「僕も結局はこのザマさ。僕も心を病んでしまった」

ドイツ「だから掃除しなきゃね」

イスラエル「自分語りいらねwwwそれって結局自己満足じゃないかw」

ドイツ「そうかもしれない。でも、これ以外にやることが思いつかないんだ」

ドイツ「早く退院したいなぁ」

イスラエル「この学校にいる限り、退院なんて無理だなwww」ケケケ

イスラエル「この学校の仕組みは、どんどん患者を病ませるようになってるからな!」

ドイツ「そ、そんなあ」ガーン

ドイツ「なんとかしてマクガフィン先生に治療法を教えてもらわないと・・・」

イスラエル「あんなやる気のない教師が来るわけないだろwwお前はここで俺らと共倒れw」

イスラエル「ゴドー・マクガフィン先生とやらは一生ここに来ないかもしれねぇぞwww」

ドイツ「そそそ、そんなことないだろ・・・パパァ・・・」シュン
167 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:08:55.45 ID:g/v5wgpL0

イスラエル(フン・・・こういう温室育ちのお坊ちゃんは一番嫌いな人種だ)

イスラエル(病ませてやるさ・・・俺に逆らえないように、じっくりと)

イスラエルはゴミ箱を蹴り飛ばして、その場を去った。

ドイツ「あっ・・・」
  
  
イスラエル(次は誰"で"遊ぼうかな)

日本「イスラエル君、ちょっといいかな?」

イスラエル「なんだいジャップ」

日本「あのさ、君は優秀なハッカーだって聞いたんだけど」

日本「僕にハッキングを教えてくれないかな!」キラキラ

イスラエル「・・・はぁ?」

イスラエル「ここ、ネットつかえねぇけど?」

日本「それは知ってる。今はパソコンでリストを作成&保存しているに過ぎないけど」

日本「退院したら必要になると思うから!サイバー攻撃から顧客を守るんだ!」
168 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:10:31.42 ID:g/v5wgpL0

イスラエル「顧客って?」

日本「君を含めたエロリストだ」

イスラエル「テロリストみたいに言うな」

日本「僕には退院してからも君たちの性欲の面倒を見る義務がある」

日本「性欲と言うのは、皆多かれ少なかれ持っていながら誰しもが否定したいもの」

日本「だからこそ、そこを他者に突かれてしまうと一挙に精神が崩壊する恐れがある」

日本「それを目的に、他者を暴こうとする悪人がいる」

日本「だから僕は絶対に、そういう悪人から皆を守らなきゃいけないんだ!」

イスラエル「はーいはいはい、ヒーロー気取りはたくさんだ」

日本「そんなんじゃないんだ。むしろ僕は人を惰性の中に閉じ込めたい悪者なんだ」

イスラエル「はあ?」
169 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:12:08.26 ID:g/v5wgpL0

日本「父がよく言ってたんだ・・・臣民、ジャナクテ、人々の幸せを第一に考えるべきだと」

日本「『各々の個人主義が行き詰まり、その打開に苦しむのが今の世界人類であるからして、』」

日本「『思想の相剋に起因して、生活や文化にあらゆる動揺・混乱に囚われている。』」

日本「『それを国体本義の体得を以て解決しようというのが、私の過去に掲げた使命であった』とね」

日本「僕はそれに感じるところがあったから、人の弱みである性欲を保障しようと思ったんだ」

日本「皆が野心も恐怖も抱かず、だらだらしていれば世界は平和になるよ!」

イスラエル「ッハ!お前も父親も理想論者過ぎるぜ」

イスラエル「厚意もくそもねぇ、人は金を一番ありがたがるし、主君として崇めてるのさ」

イスラエル「金がある限り人は野心を抱くし、そのために人を殺すことさえ厭わんよ」ニヤニヤ

日本「金は欲の一部にすぎないさ。結局は値段のつけられない誠実さに価値を見出すね」

イスラエル「少なくとも俺はそんなもの興味ないね。興味あるのは金と権力だけだ」

日本「じゃあこうしようよ、僕への投資だと思ってハッキング教えてくれるってのは」

日本「見返りは十分に用意するつもりだよ!退院すれば、お金の形で」ニコニコ

イスラエル「・・・いいぜ」
170 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:13:41.18 ID:g/v5wgpL0

イスラエル「温室育ちのお坊ちゃんは妙なことを考えるもんだな、いつか痛い目みるぜ」

日本「・・・そうかも」
  
  
しかしこの後、痛い目を見たのはイスラエルのほうであった。
彼は理解していなかったからだ。
温室育ちのお坊ちゃまたちは、まことキチガイ学園の生徒なのだということを。
   
   
   
   
   
イスラエル「えええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

イスラエル「なんでだ!なんでこうなった!?」

イスラエルは両手足を鉄棒に縛られて、背中から火あぶりにされている。

ドイツ「陰謀論者を捕まえたぞ!///」ハァハァ

日本「吐けぇ!さっさと吐かんかぁ!」ドンッ

ハードコアSMモードのドイツと、憲兵モードの日本が激しくイスラエルを責め立てる。
171 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:15:11.05 ID:g/v5wgpL0

ドイツ「陰謀論者にはこうだッ##」ハァハァ

ビシィッビシィッバシィッ

ドイツは鞭で激しく責め立てる。

イスラエル「いってぇぇ!ふざけんなよクソゲルマン!」

日本「とっとと吐くんだ!貴様に安息日など存在しないッ」ギロリ

日本「月!月!火!水!木!金!金!」ドカッバキッ

イスラエル「ヒエーーーッこいつらキチガイだーーーーーー!!!」

ドイツ少年と日本少年がこうなってしまった顛末はこうである。
   
  
-----小一時間前------

ドイツ(自己満足か・・・なんだかパパを馬鹿にされたような気分だ・・・)シュン

日本(理想論者か・・・そういえば父上もそう言ってたなぁ・・・)シュン

2人は自習室の前で立ち止まった。

ドイツ・日本「お?」
172 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:16:46.56 ID:g/v5wgpL0

日本「君は・・・ブロッケンJr.!」

ドイツ「おいジャップ調子に乗ってるとベルリンの赤い雨食らわすぞコラ」

日本「れ、師匠(レイラァ)!」

日本「君も自習室へ?」

ドイツ「ああ、パパの書いた本の原稿を読んで感想文を書くんだ」

日本「あれっもしかして・・・ドイツ君の御尊父は大学教授で?」

ドイツ「うん」

日本「本当に!僕の父上もなんだ!しかも君と同じことをするつもりだよ!」

日本は原稿のコピーが入った封筒を見せる。

ドイツ「えーっじゃあさじゃあさ、見せ合いっこしようよ!」

日本「感想は多いほうがいいもんね!」

2人は肩を組んで自習室へ入っていく。
173 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:18:09.38 ID:g/v5wgpL0

ドイツ「パパの本だよ。パパは地球立ゲルマニア大学で批判地政学を教えてるんだ」
  
  
『反地政学者のための地政学総論』著・ドイツ国
  
  
日本「父のはこれ。父は地球立扶桑大学の法学部で政治思想学を教えてる」
  
  
『国体の転換への根本的自覚を論ず』著・大日本帝国
  
  
ドイツ「学生よりも先に読ませてもらえるんだから、得した気分だよなー」

日本「そうそうwまー学生以外に買ってもらえなかったりするけどw」

ドイツ「君って相当ファザコンだろ」

日本「君だってwパパ好きすぎだろー」

ドイツ「そんなことないさ。僕なんか何でもパパのせいにしちゃうんだぜ!」

ドイツ「小さい頃はよくパパを超極悪人に仕立て上げて、警察に突き出したもんだよ!」

日本「僕もだ!悪いことは基本何でも父上のせいにする!」

ドイツ「何だよーww結構俺たち似てるなー」

日本「ハハハ」
174 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:19:40.49 ID:g/v5wgpL0

この後、彼らは各々の父親の原稿に夢中になっていった。
ここで問題が起こったのである。

彼らはそれぞれ「地政学」「国体学」という概念に反応してしまう異常性質を親から受け継いでいたのだ。
これに関する詳しい説明は、正木敬之氏著の『胎児の夢』及び『脳髄論』に譲る。

2人の少年は心理遺伝の発作を起して人事不省に陥った。
その結果が、ドイツ少年の「ハードコアSMモード」であり、日本少年の「憲兵さんモード」だったのだ。
これは想像するに、彼らの父親の過去の姿の反映であろう。

発作を起こした2人の少年は、なぜかイスラエル少年をターゲットにしてしまった。
  
---
  
ドイツ「お前は、ビーレフェルトから来たという人物を知っているんだろう!」ビシッ

ドイツ「そしてお前はビーレフェルトに行ったことがあるな!?」ビシッ

イスラエル「えええ?いやビーレフェルトは知ってるけど・・・」

日本「やはり!こいつは鮫島事件の被疑者である!たっぷり絞ってやるぞ!」ギリギリギリ

イスラエル「うわあああああああああああああああ」
175 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:20:54.45 ID:g/v5wgpL0

イスラエル「背中が熱いッ鞭が痛い!何なんだよこいつらは」

イスラエル「た、助けてくれぇアメリカ!」

アメリカ「あー・・・」

アメリカ(何だコレ)

アメリカ(何でパンツ一丁のドイツと詰襟の日本が、イスラエルを炙ってるんだ?)

アメリカ(この変態ワールドは何だ?俺ってこの場にいなきゃ駄目か?)

アメリカはすっごくどうでもよかった。

イスラエル「おい!無視すんなよ!」

アメリカ(この空間に関わらなきゃ駄目か?)

ドイツ「アメリカ君ッ!」

アメリカ「あ、はい」

ドイツ「こいつは、焼かれてもいい人間なんだ!」ビシッ

アメリカ「!」
176 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:22:19.27 ID:g/v5wgpL0

ドイツ「この豚野郎は、燻製にしてもいいんだ!」バシッ

イスラエル「よくねぇよ、誰が豚野郎だ!」

日本「じきに豚箱にぶち込まれるんだから豚野郎なんだよ〜〜〜」ツンツン

アメリカ「豚野郎・・・燻製・・・」
  
  
ここでも、イスラエルは理解不足であった。
  
  
実はアメリカ少年、結構信じやすい(騙されやすい)性なのである。
とりわけ白人に断言されると、考えが完全にそっちにいっちゃう子なのである。
早い話、白人のアホなドイツ君の言うことをあっさり信じちゃうアホの子なのである。

アメリカ「薪が足りないんじゃないか?集めてこようか?」

イスラエル「馬鹿しかいない!」ウワァン

イスラエル「何でこいつらはこんなにも馬鹿なんだ!」

イスラエル「我らの神は馬鹿を創りたもうた!」
177 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:23:47.41 ID:g/v5wgpL0

アメリカ「やっぱりよく焼けるんだろうな・・・」

アメリカ「 "Jew(ユダヤ人)" だけに!」

ドイツ「ジュージュー」

イスラエル「うわあああん!こんなキチガイ共のいる病院、早く退院させてくれーー!!」

イスラエル「いつになったら来るんだよ、マクガフィンせんせーーーー!」

待ち人来ず。
  
  
>>>>>>>【ボーナスステージ】!!!!!!!

ロシア「あ、父さんからだ」

その箱の検閲欄には "Godot MacGuffin" とサインしてあった。

ロシア「何々・・・ツァーリ・ボンバ・・・??」

イスラエル(・・・こいつらの父親って殺し屋か武器商人なのかな?)

イスラエルは、合鍵を使ってロシアの部屋に侵入していた。
  
178 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/09(火) 15:25:49.18 ID:g/v5wgpL0
  
-------[人物紹介]--------

 イスラエル:自己愛性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた孤児。
        アメリカやロシアなど、学園の強者は皆彼を頼っている。自称「選ばれた者」。
        キチガイ学園一の高IQを誇る天才で、ヒョロい見た目に反して喧嘩も超強い。
        パレスチナが大嫌いで、彼を亡き者にする手立てを考え中。金の亡者。

 イラン:全般性不安障害と診断されてこの学校に送られてきたペルシャっ子(非アラブっ子)。
      学園の嫌われ者のシリアと仲の良い数少ない人物である。
      サウジアラビアやイスラエル、イラクを嫌っているが、特に大嫌いなのはアメリカらしい。
      アメリカを人類の敵とさえ見なしており、いつか彼をぶっ殺してやろうと考えている。

 イラク:解離性同一性障害と診断されて、この学校に送られてきたアラブっ子。車椅子を使用している。
      元々は中東グループ最強の喧嘩の強さを誇ったが、アメリカ達のせいで足が不自由になった。
      クウェートやイラン他、中東グループに属する全員に嫌われている四面楚歌状態。
      ダーイッシュと呼ばれる裏人格を有しており、その発動時のみシリアと仲良くなる。
  
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 15:40:38.50 ID:cUJVD7LjO

前に精神科医が主人公の安価もの書いてない?
違ったらごめん
180 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/09(火) 15:45:35.00 ID:g/v5wgpL0
>>179
ありがとうございます

>前に精神科医が主人公の安価もの書いてない?
私じゃないですね・・・ちょっと探して読んでみようと思います
実はこれ初SSだったりします
安価なんて難しくてとてもとても・・・!
181 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/09(火) 18:35:53.59 ID:g/v5wgpL0
読み返して思ったんですが、今日と言う日に神の杖とかツァーリ・ボンバは不謹慎ネタだったかもしれません
狙ったわけじゃなかったんですが・・・私の弟もおそらく(広島の)被爆三世なこともありますし

改めて広島・長崎にて被爆された方々に、心からお見舞いを申し上げます
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 20:04:28.83 ID:RYzVUHio0

イタリアさんはヘタリアな発作が起きるのかね...
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2016/08/11(木) 01:24:43.40 ID:FJ+JArBp0
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/11(木) 16:48:33.50 ID:+9yxAjiU0
保守
185 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/12(金) 11:42:52.81 ID:KvB/WzdY0
そろそろアフリカの国々を出してみようと思います
ただ、テンポが悪くなるので前後編に分けました
11話が前半で、12話が後半です
アフリカの国々が登場するのは後半からです
今晩11話を投下しようと思います
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 13:02:16.33 ID:VmDQ7P+X0
認知
187 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:05:47.38 ID:KvB/WzdY0
  
第11話:中国(チャイナ)タウンはどこにでもできる:前編

中国「フッフッフ・・・」

中国「今日こそ、蒔いた種子の実を収穫するときだ!」

阿弗利加(アフリカ)病棟の生徒達と仲良くする(=服従させる)ため、
自身の良い噂や金を散々ばら撒いてきた中国少年。
この大いなる計画を本格的に実行に移す下地ができたと判断したらしい。
彼は今、その生徒達と直接交流しようとしている。
   
   
日本「ななな、なんだってーーーーー?!」

台湾「あ、あの『阿弗利加病棟』に行くって・・・本気なの?」

中国「おいおい、少し離れた他の病棟に行くだけじゃねぇか。大げさなwww」

すると、彼の友人達は肩を震わせて泣き出した。

日本「そんな・・・君はまだ・・・こんなにも若いのに・・・」グスグス

台湾「なんで?なんでそんなこと考えるの?やめてよ!」メソメソ

中国「オイ・・・何だよお前ら」
188 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:07:12.75 ID:KvB/WzdY0

韓国「うわぁん!」

韓国が中国の胸に飛び込み、自身の胸(豊胸済み)を無遠慮に押し付ける。

韓国「嫌よ・・・行っちゃやぁ!あなたが好きなのォ!」

中国「ちょ・・・///な、なんだよお前ら!今生の別れみたいに・・・」

日本「実際そうじゃないか!あんな・・・あんな恐ろしいところに行くなんて」

台湾「あそこの病棟は特別なのよ?特に重篤な生徒が集まってるとこなのよ?!」

日本「平和なここや、欧羅巴病棟とはまるで違うんだ!」

そのとき、北朝鮮が勢いよく談話室に入ってきた。

北朝鮮「おいイルボン!例のものを貸せ!余の勉強の時間だ!」

日本「ああ、『新幹線大爆破』だね。パンくん好きだね〜この映画」

北朝鮮「優秀な工作員になるための勉強だ!余は非常に真面目なのであるッ」エヘン

韓国「お兄ちゃん、おやつのチョコパイよ」

北朝鮮「!!!チョコパイ!チョコパイ!##食べるぅ!よこすんだ!##」
189 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:08:09.72 ID:KvB/WzdY0

日本「さ、向こうへお行き」

韓国「お勉強頑張ってね」

北朝鮮「チョコパイ!高倉健!///」

北朝鮮はチョコパイの箱を抱えてスキップしながら部屋を出て行った。

日本「こんなに平和なのに、なぜわざわざ危険地帯へ!」」

中国「お前ら餌付けしてんじゃねーよ」

日本「あまりの恐怖に、エジプト君やモロッコ君は他の病棟に移ったくらいだ!」

韓国「なんでそんなとこに行こうとするの?ここでいいじゃない!」

中国「おいおい、EUグループの連中なんかしょっちゅう出入りしてんだから大丈夫だって」

日本「わかってない・・・君はまるでわかってないよ!彼らは白人じゃないか!」

日本「僕らは普段君について『未開人』だの『ウイルス』だのと呼んでるけど・・・」

中国「そんなふうに思ってたのかぶち殺すぞ」

日本「それは半分冗談みたいなもので、北京原人な君も所詮は僕らと同じ黄人なんだよ!」

日本「例えばロシア君なら建物の3階から落ちても無傷なところ、僕らは大怪我を負うだろう」
190 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:09:11.37 ID:KvB/WzdY0

日本「筋肉、骨密度・・・体の頑丈さが桁違いだ」

台湾「あたし達の体はとてもか弱くできてるの!」

日本「阿弗利加病棟の黒人が戦艦なら白人は重巡、そして僕ら黄人は駆逐艦といったところか」

中国「そんなに差があるか!?」

日本「戦艦にぶつけられれば、僕ら駆逐艦は轟沈を免れない」

日本「阿弗利加病棟の生徒がコンクリ塊を振り回してきたら、僕らは一発でダウンだ!」

日本は中国少年の手を両手でつつみ、まっすぐ彼の瞳を見つめる。

日本「そして、だ・・・ダウンした君はどうなると思う?」

中国「ど、どうって」

日本「まずはね・・・この指が一本ずつ奪われてゆくのさ」

台湾「『めずらしい!アジア人は長命だと聞く!不死の薬になるに違いない!』」

日本「それから、目玉を奪われる」

台湾「『この目玉はどんなものを見てきたのかな?これをかざせばその景色が見えるはず』」

日本「男根を取られるという屈辱も受けるかもしれない」

韓国「『魔法の薬だーー!夢のお告げにあったんだ!精力絶倫待ったなし!』」
191 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:10:15.13 ID:KvB/WzdY0

日本「それから皮を剥がされる」

韓国「『若くて滑らかな肌だなぁ。これをパックにすればアンチエイジングになるかも!』」

日本「お次には肉や内臓を取られるだろう」

台湾「『外人の若い男の肉を食べれば、その力を手に入れることができる!』」

韓国「『とくに心臓!』」

日本「君の残骸は・・・藻だらけの不潔な池に捨てられる」

台湾・韓国「『見ろ、人がゴミのようだ!』」

日本「そして僕らは、君の遺体なしに喪に服するんだ」

台湾・韓国「おかしい人を亡くしてしまった!」ウワーン

中国「ややや・・・やめろよ!脅かすなよ、こわ・・・怖くなるだろ!」

日本は静かに、どこか憐れみをもった目で彼に語る。

日本「安心したまえ。年若い男が未婚のまま世を去るのは無念極まりなかろう」

中国「いや何の話」
192 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:11:15.92 ID:KvB/WzdY0

日本「冥婚のお式は僕が取り計らってあげる。相手はパンちゃんがなってくれるそうだよ」ニコ

韓国(えっ?)

韓国「う、うん!あたし、中国君のお嫁さんになるよ!///」

中国「やめろって!俺が死ぬ前提で話すのやめろヲ!」

中国「お、お前らと話してたら調子狂うわ!俺は行くからな!絶対死なねぇし!」

中国は日本たちの引止めに応じず、阿弗利加病棟へと向かってしまった。

日本「ああ・・・中国君・・・」
   
  
   
日本「・・・チッ。奴め、脅しが足りなかったかな?」

台湾「ゴキブリのようにしぶといわねー、チキンだから諦めると思ったのに」
193 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:12:39.71 ID:KvB/WzdY0

韓国「だーかーらー、お色気作戦でいこうって言ったのに!台湾が嫌がるから」

台湾「やぁよ、嘘でもあんな男に媚びるなんて」

韓国「えー?あたしは結構アリだけどなー彼」

台湾「信じらんないわー、さすがビッチは言うことが違うのね」

韓国「ところで日本、冥婚の件はアドリブよね?あたし嫌よ、気色悪い」

日本「決まってるじゃないか。生者と死者の婚姻はご法度だもの」ニヤリ

韓国「よかったー」ホッ

台湾(それって・・・)

日本「何にせよ、奴は阿弗利加病棟へ行ってしまった。作戦(イ作戦)失敗だ」

日本「ロ作戦に移行する。『中国はアフリカの生徒達に超嫌われている』と言いふらせよ」

台湾・韓国「ラジャー」

日本「中国君は事実いろんな生徒に嫌われているから、まんざら嘘でもあるまい」

日本「ハハハ、ちょっとばかし早く事実を広めるだけさ」

台湾「目標は実際に中国が阿弗利加病棟の全生徒に罵倒されることね」

韓国「楽勝っしょ!今からフランス君あたりに言ってくるわね!」ウキウキ
194 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:13:36.62 ID:KvB/WzdY0

日本「この行為が中国君本人にバレないように注意してね。彼、傷つくだろ」

台湾「こんなこと、中国はもっと悪口いいまくってるわよ?とくにあんたの」

日本「彼のものと一緒にされては困るよ!目的が真逆なのに」

日本「これは彼の治療のためなんだ。彼は今、アフリカの生徒たちに対して邪な考えを持っている」

日本「"戦略"という認識――これは、EUグループやアメリカ君ロシア君にも共通している」

日本「彼らの目的は『他者を病ませること』につきる。そして中国君もそれに便乗しているときた」

日本「そんなことしたら自身も病んでしまう。退院からますます遠のいてしまう。そうだろう?」

日本「僕らは一緒に退院すべきなんだよ。旅は道連れさ」

日本少年は微笑みを見せてから、自室へ戻った。

韓国「あーんなこと言っちゃってぇ、日本もかーわいいわね##」ウフフ

台湾「?どういう意味よ?」

韓国「え?『中国君とは違う!』ってw日本もお金ばら撒いたり悪評言いふらしたりしてるでしょww」

韓国「みーんなやってるんだから、あいつもやってるに決まってるわん。あたしもやってるし♪」

台湾「えー・・・どうだろ?あいつは何か別の、もっと気味の悪いことやってそう」

韓国「何よぅそれ。あたしよりも日本が有能みたいじゃないの!」

台湾(いやアンタ無能だけど)「何となくよ」
195 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:14:49.65 ID:KvB/WzdY0
  
  
日本(『ちょっとずつ』だ。父上からの教訓通り、治療は『ちょっとずつ』進めていくことが肝要だ)

日本(相手に馬鹿にされているように思えても、負けているように思えても耐えねばならない)

日本(焦ったりがっついたりしてはならない。相手に愚鈍だと思われるくらいで丁度良い)

日本(僕はちょっとずつ――皆の治療を手伝えればいいんだ)

日本(亜細亜病棟の皆はもちろん、阿弗利加病棟、欧羅巴病棟、全ての病棟所属の生徒達のさ)

日本(僕一人だけ退院なんて、あってたまるものか。皆道連れにしないと)

少年は、今朝届いた父親からの手紙を開いた。

彼の「なぜ自分をこの学校へ送り込んだのか?」という問いに対する、答えである。

そこにはこう書いてあった。

『在院とは、闘いであり安らぎである。
  退院とは、勝利であり不幸である。
  死とは、敗北であり屈辱である。
  それを学ばせるため、地球立メンタルヘルスケアスクールに君を入れた。
  父は勝者であるが恥を雪ぐこと能はず、君に託すことにした。
  君の達成は父の誇り、君の幸せは父の慰めである。
  恨むのは仕方ない、父は君の武運を祈っている。』
196 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:15:44.01 ID:KvB/WzdY0

日本(『ちょっとずつ』皆を変えるんだ。僕の生きやすいように)

日本(僕は恥なんて、まっぴらごめんだもの)

日本(僕は、新しい調理法で河豚をいただくよ)
   
  
中国(チクショー・・・あいつらが脅かしやがるから怖くなってきたじゃねぇか)

中国(いやいや!俺を誰だと思ってんだ?泣く子も黙る中国様だぜ!)

中国(さぁ、クロンボ共に俺の偉大さを見せつけてやれ!)

とてつもなく広い土地に聳え立つ阿弗利加病棟、
生徒は一人も庭に出ていないのに、異様な雰囲気を放っていた。

後半へ続く。
  
197 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/12(金) 20:16:59.12 ID:KvB/WzdY0
  
-------【キチガイ学園都市伝説その2】-------

これは都市伝説というより怪談に近いかもしれない。
キチガイ学園で語られるものとして、最も古いと考えられるものである。

地球立メンタルヘルスケアスクールの前身、
大地立青少年精神医療センター付属院内学校の時代の話である。

東病棟に、「恋仲だ」と周囲にからかわれるほど仲の良い少年と少女がいた。
彼らは喧嘩一つしたことのない親友同士で、いつも2人で行動していた。
ところがある日、興奮状態になった別の患者に、少年は刺殺されてしまった。
少女はひどく悲しんだが、病院側の対応は非常に冷淡なものであった。
当時は「よくあること」という認識が強く、少年の死は事故死として片付けられた。
少年の部屋はすぐに整理され、少年の居た痕跡はすっかり消された。
しかし一方で、在籍名簿から少年の名前はそのまま残されたという。
少女や周囲の患者が退院したあとも、その少年の名は消されることがなかった。
形式上、少年は退院できていないことになるという。
この噂からさらに派生したものと思われるが、
「その少年はこの世に未練を残していて、怨霊と化して留まっている」だとか
「その少年の名が記載されている名簿は代々教員に引き継がれている」だとか
「少年の霊魂は何度も教員に退院させるよう懇願するが、その度に断られている」
などという話も語り継がれている。
  
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 20:39:15.91 ID:dys09LyH0
やっと続きが書かれてる!
待ってました
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 23:17:13.74 ID:isGm1pKU0
日本人と中国人は大部分の遺伝子は違うらしいが。。。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 07:50:29.94 ID:PYP3wkm30
だから?
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 21:43:56.19 ID:U3Vcc+Rz0
保守
202 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/14(日) 11:53:39.34 ID:B+ULohwI0
12話が人物紹介以外完成したので、
今晩(たぶん20時頃)にはとうかできると思います
203 : ◆pIxjj4GI1s [sage]:2016/08/14(日) 19:56:05.48 ID:c2+Q4lrUO
親戚の家に居るのが長引いたので、
投下はあと1〜2時間遅れそうです
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 21:30:35.25 ID:xW1PuY9U0
シュタッ   一よ出てこい君はすでに包囲されている
205 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:10:24.27 ID:B+ULohwI0
  
第12話:中国(チャイナ)タウンはどこにでもできる:後編

阿弗利加病棟は、キチガイ学園でもトップクラスの広さを持つ棟である。
この棟に所属する生徒たちは重篤な精神病を患っており、
他の病棟所属の生徒達から非常に恐れられている。

他のグループの生徒からは簡単に「アフリカグループ」と呼ばれているが、
実際はもっと細かく分けられているのだ。

各寮について病棟の入り口に近い順から、
北アフリカ・西アフリカ・中部アフリカ・東アフリカ・南部アフリカに分かれる。
この内とくに問題児が多いのは東アフリカグループだと言われており、
その中でも「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる不良集団が恐れられている。

---阿弗利加病棟・入口---

中国「なんか・・・すごく不気味だな」

中国「めちゃゾンビとか出てきそうな感じだ」

中国「だ、だ、大丈夫だ!たとえゾンビがいても、キョンシーと同じ要領でイケる!」

中国はズボンのポケットから護符を取り出し、それらを忽ち火の玉に変えて浮遊させた。

中国((ゾンビなんて文明レベルは獣と同じ!ならば火を恐れるはずだ!))ブルブル

中国少年、彼は非常に優秀な道士であったが、その割りに怖がりであった。
206 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:11:35.48 ID:B+ULohwI0

中国は火の玉を3個浮遊させながら、恐る恐る棟内へ入っていく。
建物内は電気がついていないため、丁度いい感じで火の玉は役に立っていた。

中国(あやや?なんか窓際に誰かいるぞ)

中国は物陰に隠れて、様子を窺う。

暗がりの中、窓際に一人の少女が立っていた。
彼女は何か神妙な面持ちで、外を見ている。

エチオピア「・・・」

中国(お・・・あの娘かなりの美人だぞ!ブラック・ビューティってやつか///)

中国(日本め脅かしやがってwwあいつこれ知ってたな!)クスクス

中国(挨拶してこようっと!そしてあわよくば・・・///)ニヤニヤ

中国が物陰から出てこようとしたその時、少女は叫んだ。

エチオピア「ぶっ殺してやるぜくそったれ野郎がァーーーーーーーー!!!!」

中国(ビクッ

少女がAK-47の銃口を向けた先には、世にも恐ろしき存在がいた。

ゾンビ?「あーあー・・・うーあー・・・」ガガッ

中国「アイヤァァァーーーーーーーーーーーーーぁぁぁぁ!!!!!!!」
207 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:12:37.94 ID:B+ULohwI0

エチオピア&ゾンビ?「え?」

中国「ぞぞぞゾンビ!うあああああああ腰がッ腰が抜け・・・」ウワァァン

ゾンビ?「おいアンタ大丈夫か」

中国「近づくな!俺を誰だと思ってる!無敵の中国様だぞ!」

半泣きの中国は火の玉を大きな炎の龍に変え、ゾンビ(?)に突っ込ませた。

ゴォォォォォォ!

ゾンビ?「うわああああああああ!?!?!?」

ナイジェリア「カーット!カットカット!危ない危なすぎ!」

中国「ふぇっ」パチクリ

寸でのところで龍は軌道を変えて、ゾンビ(?)への直撃を避けた。

ゾンビに扮していたガーナはへたり込んだ。

ガーナ「こ、怖かったようオイラ・・・」

ナイジェリア「今のシーンは惜しかったけど、さすがに危なすぎたよー」

エチオピア「んだよ!やり直しかよ死ねよくそが!」

中国「・・・?シーン?」

ナイジェリア「あんた何モンだよ!なんかすごかったけど、主役とっちゃだめ!」
   
208 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:13:43.13 ID:B+ULohwI0
   
   
中国「なんだ・・・映画撮影だったのか」

ナイジェリア「そだよ。今度の文化祭で出すつもりの映画だ」

ナイジェリア「アメリカには敵わないけど、今度こそインドの奴には勝つんだ!」

ナイジェリア「だから怖いながら『アフリカの角』の超絶美女な彼女に頭を下げて・・・」

エチオピア「おい!いつまでアタイを待たせやがぁんだあ゙ぁん!?」イライラ

ナイジェリア「ひえっすんませんすんません」

中国(なんだ、ちょっとガラの悪いだけで面白い奴らじゃないか)ホッ

中国(しこたま金を持ってきた甲斐あったぜ!ここで奴らに恩を売っとけ)

中国「おい、その映画俺が援助してやっても・・・」ニコニコ

ガッシャァーーン!

アルジェリア「おらぁぁぁ!ナイジェリアてめ゙ぇぶっ殺してやんぞコラァァァ!!」

あらゆる物騒な武器を揃えたアルジェリア・ニジェール・マリの3人が
ナイジェリアに喧嘩を売りに来たのだった。

※彼らは不良ではないとのこと。
209 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:14:46.07 ID:B+ULohwI0

ナイジェリア「上等だゴラァァァァ今日こそバラして埋たらぁぁぁぁぁぁ!!!!」バーン

中国(何ィーーーッ)

ナイジェリアは映画の機材を持ち上げ、それをニジェールにぶつけた。

ガッシャラァァン!

ニジェール「何すんだぁぁ怪我すんだろーーがーーー!」※無傷

中国(直撃してたのに!?)

マリ「シカトすんじゃねーーーよーーーッ」ドォン

※彼らは不良ではないとのこと。

エチオピア「シカトはてめーーらの方だろォが!全員皆殺しだくそが!!!」

※彼女は不良です。

パンパンパンパン!

そこら中に銃声が鳴り響く。

中国「アイヤー!何でだ?さっきまであんなに平和だったのに!」

ガーナ「ブツブツ・・・」

中国「おいお前、逃げなきゃヤバい・・・」

中国はガーナを見て戦慄した。
210 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:16:07.69 ID:B+ULohwI0

ガーナ「オイラもう産めない、カカオ産めないよぉ、カカオ産めないんだ」ポロポロ

ガーナ「もう産めないって言ってるのに!オイラのカカオ返して!カカオカエシテ!」

中国「ひぃぃぃぃ俺は知らん!俺は知らんぞぉぉぉ!」

中国「うごご、早く逃げないと巻き添え喰らって死んじまう!」

中国「こ、ここ、ここに人民元置いときますねー・・・ハイ!さよなら!」

中国はその場から離れたいあまり、棟の内部へと走ってしまった。

中国(しまった!どうせなら入り口から引き返すべきだった!)

中国(今更戻れん・・・一人で来るんじゃなかった。ロシアとか死ななさそうな奴と来るべきだった)

中国(俺が仙人だったなら、あんな奴らちっとも怖くないんだが)

中国(普段から修行さぼってエロいこととか金のことを考えてるツケが来たのかなぁ・・・)メソメソ

中国(よく考えたら、高級官僚の家に生まれた俺はボンボンに部類されるはずだ)

中国(この学校に来る前は一人っ子なのもあって、大事に大事に育てられてきた)

中国(本当に危ない目になんて今まで遭ったことがない!)

中国(日本たちを見ているから感覚が麻痺していたが、こんなとこに来るのは無謀だったんだ)
211 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:17:11.60 ID:B+ULohwI0

一人自問自答する中国少年であったが、危機は既に彼に近づいていた。

コンゴ民主「なんだ?見慣れない奴がいるぞ、殺してやる」

ジャランジャラン・・・

銅やコバルト合金の毒々しい金属装飾品に身を纏った屈強な男、
コンゴ民主共和国が中国少年を見つけてしまった。

コンゴ民主共和国、コンゴ共和国と兄弟であるがそちらよりはるかに狂った男である。

中国「はわわわわわわわ!」

ガキィィィン!

コンゴ民主共和国は大きな鎖を振り回し、中国少年を攻撃する。
鎖の直撃を受けた床や壁には亀裂が入った。

中国「ちょまっ・・・ままま、待ってぇ!話を聞いて!俺は敵じゃないよぉ」

中国少年は辛うじて攻撃を避けながら交渉する。

中国「その金属、買ってやるぞ!俺は金持ちだからな!だから攻撃しないで!」

コンゴ民主「黙れ、金だけ置いて死ね」

コンゴ民主「さもないとコイツのように拷問にかけてジワジワと殺してやるぞ」

コンゴ民主共和国は、片手で人間を持ち上げ、中国の傍にそれを投げつけた。
それは既に何らかの暴行を受けたと思われるベルギーであった。

ベルギー「う、うぐぅ・・・」
212 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:18:03.05 ID:B+ULohwI0

中国「おまっお前は・・・えと・・・阿蘭陀?」

ベルギー「ベルギーだよ!」

ベルギー「くそニガーめが、ご主人様に逆らうたぁどういうことかわかってんだろうな?」

ベルギー「出来損ないの奴隷の腕は切断したって構わんのだぞ!!」ギロリ

中国「白人も怖え!!」

中国「日本たちの話はマジだったというのか!めちゃんこ恐ろしい世界があるじゃないか!」

中国はその場から逃げながら、とうとう泣き出した。

中国(ううう・・・帰りたい、平和な亜細亜病棟に帰りたい)

中国(俺は自分の運のよさに気づいてなかったんだ。あいつらはだいぶ大人しかったんだ)

中国(EUみたいな闇の組織もなく、皆でゲームやったりアイドルの話題で盛り上がったり)

中国(今頃あいつら何やってるかな・・・?)
  
  
213 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:19:01.56 ID:B+ULohwI0
  
-----そのころ亜細亜病棟-----

フィリピン「ひゃっほーーーー!」

インド「中国がいないと平和だなー」

ベトナム「いかに奴がアジアグループの問題児だったかがわかるなw」

台湾「アフリカグループに行かれたのはやっかいだけど、にしても落ち着くわ」

韓国「彼のせいで、いかにストレスに晒されていたかがわかるね♪」

韓国「あれ、日本は?」
   
   
日本は多目的室に居て、法衣に身を包んでいた。

日本「いろはにほへと、ちりぬるを、わかよたれそ、つねならむ・・・」

日本(天狗たちに邪魔されないように、この儀式は厳粛に行われなければならない)

日本は調伏壇の中に赤と黒の芥子(けし)を一粒ずつ入れて焼き、そのつど印を結びながら真言を唱える。

これを彼は1080遍続けるというのだ。
214 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:19:58.65 ID:B+ULohwI0

日本「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ "中華人民共和国" 」ポトッ

日本「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ "中華人民共和国" 」ポトッ

日本「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ "中華人民共和国" 」ポトッ

日本「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ "中華人民共和国" 」ポトッ

日本「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ "中華人民共和国" 」ポトッ

韓国「な、何してるの日本・・・?」

日本(チィィッ!)

日本「せっかく珍しく魔物に邪魔されないと思ったら、パンちゃんに邪魔されるとは」

日本「これは訓練だよ。いつ敵に襲われるかわからないからね」

韓国「あーー!てことは、暴力的なこと考えてたのね!あたしにえっちぃことする気ね!」イヤーン

日本(ウゼェなこの女)「違うよ!これは自衛のためだよ」

日本「それに性病怖いからパンちゃんには絶対何もしないよ!」ニコッ

韓国「性病なんかないもん!(たぶん)」ファッビョーン
215 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:21:09.03 ID:B+ULohwI0

韓国「で、なぜ中国君の名前を?」

日本「この訓練は怨敵調伏だからね。仮想敵が必要なんだよ」

日本「あ、もちろん本当に呪ってるわけじゃないよ。練習だよ」

日本はそう言いながら、天の逆手を打っていた。

日本「仮想敵は中国君とパ・・・中国君に設定してあるんだ!」

韓国「ふぅん。実はあたしもサンドバッグを中国君に見立てていつも殴ってるの」

日本「こらこらwぶっちゃけるのはご法度だよ」

日本(うっかりぶっちゃけそうになったよ)

日本(ヤシオリ作戦・・・なんてね)
  
---------------------
  
中国「はあ、はあ」

中国「なんとか人民元を置いてド級戦艦共から離れることができたが」

中国「出口がわからない・・・もう俺の心のHPは残ってないぞ」

中国「無尽蔵に出せる人民元は、ここから先も俺を助けてくれるとは限らない」
216 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:22:17.55 ID:B+ULohwI0

中国(なぜだろう、こんなときなのに日本を傍に感じるよ)ホロリ

中国が目を瞑ると、不鮮明ながら日本らしき姿が見える。
彼は何やら必死に中国少年の名を唱えているようだった。

 》》日本「オン・・・ウン・・・ハッタ・・・中華人民・・・国」

中国(恐怖の感情に囚われて霊視力が鈍ってるが、俺のために祈ってくれてるのはわかる)

中国(あんなに必死に止めてくれたのに、言うこと聞かなくてごめん)シクシク

中国「早く帰りたいよ、皆でゲームしたいよ」シクシク

うずくまる中国少年、しかし恐怖は彼を襲う。

エリトリア「へっへッへ・・・あレぇ?ダレかいるぞー・・・?」

中国「ひっ」ビクッ

両手に手錠をつけた少年が、血走った目つきで中国のもとへ近づく。

エリトリア「うへヘへ・・・見慣れないヤツだなァ、食べらレちゃうゾォ」グヘヘヘ

中国「来ないで!お金あげるから来ないでください!お願い!」ウエエエン
217 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:23:32.38 ID:B+ULohwI0

エリトリア「はハハ、馬鹿メ!ここで俺ガ見逃したトころでオマエは無事では済まナイ」

エリトリア「ココは法ではナク恐怖が支配するセカイ・・・病院とイウよリ刑務所なんダ」

エリトリア「金ガ絶対的な支配力をモツわけデはナイ、殺傷力がモノをいう場所なのサ」

エリトリア「オマエの持つ価値観デハここを生きられナイ。改めたトコロで殺さレるのダ」

中国「そんなあ」

エリトリア「!」ピキーン

エリトリア「・・・ソラ、お出ましダ。俺は巻き込まれタクないカラ逃げるゼ」

中国「何?何がお出ましになるんだ?ちょっ・・・待って!!」

エリトリアは中国を置いて近くの窓から飛び降りてしまった。

中国「何だよぉ・・・何が来るんだよぉ・・・」ガクガク

ヒタ・・・ヒタ・・・

中国「何か来るぅ・・・確実にこっちに向かってるぅ」

ガチャ!
218 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:24:57.01 ID:B+ULohwI0

奥の扉が開かれ、RPG-7や小銃を装備した少年が現れた。
彼の眼は先ほどのエリトリアにも増して狂気じみていた。

彼は中国を見つけて、邪悪な笑みを浮かべる。
   
   
ソマリア「 見 つ け た 」
  
  
パァン!

彼は小銃をぶっ放し、逃げようとする中国の足を止めた。

中国「嫌だ・・・嫌だ・・・」ガクガク

中国は隠形術を使おうとしたが、恐怖で心がかき乱されて成功しなかった。
方術には心の平安と絶対的な自信が不可欠なのである。

中国(駄目だ、怖すぎて駄目なんだ!何でこういう時に限って!)

中国「うわああああああああああああああああああああ」
219 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:26:04.33 ID:B+ULohwI0

-----

中国少年の視点に合わせるとあまりに表現が過激になってしまうので、
ここからは阿弗利加病棟・庭にて駆け回るケニア少年に注目しようと思う。
中国少年が一体何をされているかは、遠くで聞こえる彼の断末魔の叫びを参考にするべし。

ケニア「うあははははは!!EUの連中はどこかなーーーー???」ドドドドド

ケニア「荷物を全部奪ってやるぞ!!このナイフを使ってな!!!」ドドドドド

   |>中国「やめてーーーー!もうないから!持ち物これ以上ないから!」

ケニア「おっおっあそこに居るのはイタリアじゃ〜〜〜ん!」ドドド

イタリア「エチオピアどこかな〜?久しぶりに素敵な夜を明かそうじゃないか#」

   |>中国「痛い痛い痛い!無理だって!無理だよそんなの!人間だもの!」

ケニア「おうおうイタリア!今日も何やらオサレな服着てやがるな!!」

イタリア「ありがと♪これから久しぶりにエチオピアとデートしようと思ってね」

   |>中国「やめてくださいやめてください!一人っ子なんです!」

   |>中国「孫を・・・孫を見せなきゃならないんです!慈悲を!ジヒギャアアアアア」
220 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:27:09.98 ID:B+ULohwI0

ケニア「へー!それじゃあたんまり金を持ってきたわけだな!」キラン

イタリア「お、おい・・・お前何を」

   |>中国「えっえっえっ・・・おえええ・・・っひどいよぉ、ひどいよぉ」

ケニア「持ち物全部よこせやああああああ!!!!」ドドドドドド

イタリア「うわああああああああああああああ」ピューン

   |>中国「痛い痛い痛い!ヤメテ、俺は人間だよ!人間なんだよ!」

イタリア「うおおお、コイツ速い上にスタミナ抜群だぁ!逃げ切れない!」

ケニア「アッハッハッハッハ!追いついたーー!狩の時間だぞ!」

   |>中国「俺は薬壺じゃないよ、見たらわかるでしょ!?イタァイ!」

ケニア「イギリスの兄貴ィ!イタリアの野郎を捕まえましたぜ!褒めて!」

イギリス「偉い偉い。さすが我がグループの一員ですね」

イタリア「イギリスてめぇ!」ジタバタ

   |>中国「そんなの、絶対に人体に害あるじゃん!無理!やめてやめて」
221 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:28:50.47 ID:B+ULohwI0

アメリカ「俺やっぱコーヒー派だわ」

イギリス「紅茶の良さもわかってほしいものです」

イタリア「おぉい!お茶なんか飲みやがって!ドイツに言いつけてやるぅ」ジタバタ

   |>中国「うう・・・っ入れられた・・・もう痛い感覚さえない」

スウェーデン「ケニア!俺も服を脱がすの手伝うよ!///」フンフン

ケニア「よござんすよ^^」

イタリア「おい!ソイツだけはやめて!お願い、俺の貞操の危機だから!」

   |>中国「やめてください死んでしまいます!キャパ的に!キャパ考えギャーーー」

スウェーデン「すっごいセクシーだね・・・///さすがイタリアだ///」

イタリア「お願い助けて!何でもするから!こいつから俺を離して!ねぇ!」ジタバタ

ケニア「お菓子もーらい」パク

イギリス「ハッハッハ、お口に合いますか?」

   |>中国「俺もう人間じゃなくなった気がする・・・植物になりたい」

   |>中国「ははは・・・ははは・・・うう・・・ううう!」
222 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:31:15.71 ID:B+ULohwI0

スウェーデン「ごめん、俺は興奮するけど君は恥ずかしいみたいだね。個室でやろうか///」ズルズル

イタリア「ヤメロォォォォォォォォォォ助けて!イギリス助けて!アメリカ助けて!」ジタバタ

アメリカ「何か言ってっけど」

イギリス「言わせておきなさい^^」

   |中国「・・・あ・・・」

   |>ヒュルルルルルルルルルッ・・・ザッパーーーン!

ケニア少年の視点は以上である。

-------

阿弗利加病棟には通称「リンポポ川」と呼ばれる、大きくて灰緑色で脂ぎった横長い池がある。

その傍を少年2人が通りかかった。

ボツワナ「むぅぅ、この学校は一体どうなってるんだよ。授業が一切ないなんて!」

南アフリカ「いいじゃねぇか、俺は勉強なんざ嫌いだから万々歳だぜwww」

ボツワナ「でもテストはあるし・・・勉強わかんないとこあっても聞く人がいない」

ボツワナ「あれ?リンポポ川に何か浮いてない?」
223 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:32:57.89 ID:B+ULohwI0

南アフリカ「どうせゴミだろ・・・って・・・死体じゃねあれ!?」

ボツワナ「つ、ついに死人が出てしまった!」

2人はその物体に駆け寄り、池から引き上げる。

ボツワナ「まだ息がある!」

南アフリカ「おい、しっかりしろよアンタ!」

ボツワナ「あれ?君はたしか・・・ちゅ、中国君?だったかな?」

南アフリカ「なんかすごいことされたみたいだが・・・全裸だし、痣だらけだし」

中国「・・・・・・」

中国「・・・オレハ・・・薬壺ダヨ・・・?」

ボツワナ「しっかりして!気を確かに持って!」アワワワ

南アフリカ「ぱねぇ・・・誰だ?こんな公開処刑しやがったのは」
   
   
中国少年はボツワナと南アフリカに運んでもらい、亜細亜病棟に帰還した。
彼はしばらく放心状態が続き、何でも薬をみたら号泣するという謎の心理状態に陥った。

介抱した日本たちは、優しすぎるほどに微笑んでいたという。
  
  
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 22:33:10.77 ID:xW1PuY9U0
なぜにゴジラネタ(ヤシオリ作戦)
225 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:33:41.50 ID:B+ULohwI0
  
-------[人物紹介]--------
  
 エチオピア:反社会性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた少女。
        「アフリカの角」と呼ばれる不良集団の一人。
        阿弗利加病棟No.1の美女であるが、性格は大変獰猛。
        イタリアやイスラエルのセフレである。

 ナイジェリア:強迫性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた。
         映画監督志望で、いつもオリジナル映画を制作している。
         ハッピーエンドが大好きで、インドをライバル視している節がある。
         彼も阿弗利加病棟の患者だけあって、大変な乱暴者の面もある。
         イギリスを盟主とするグループ(コモンウェルス)の一員である。

 ガーナ:統合失調症と診断されて、この学校に送られてきた。
      カカオをいろんな生徒にカツアゲされ、怯えている。
      日本は密かに彼のことを「ミスター・チョコレート」と呼んでいる。
      イギリスを盟主とするグループ(コモンウェルス)の一員である。

 DRコンゴ:反社会性パーソナリティ障害と診断されたため、この学校に送られてきた。
      コンゴ共和国の兄弟であるが、そちらよりも獰猛な危険人物である。
      ベルギーを相当憎んでいるらしく、よく彼を半殺しにしている。
      銅やコバルト合金の装飾品を好む。名前はコンゴ民主共和国。
226 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/14(日) 22:34:56.07 ID:B+ULohwI0

 エリトリア:境界性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた。
        手錠を常に両手にかけ、自傷行為を行っている。
        阿弗利加病棟を「刑務所」と呼び、弱肉強食を信条にしている。
        不良集団「アフリカの角」の一人。

 ソマリア:反社会性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた。
       「アフリカの角」の主格であり、阿弗利加病棟で最も恐れられている人物。
       この学校に来る以前の強姦・殺人の件数は数え切れない。
       実はマグロを食べる時だけ日本と仲良くなる。

 ケニア:反社会性パーソナリティ障害と診断されて、この学校に送られてきた。
      不良集団「アフリカの角」の一人であるとともに、
      イギリスを盟主とするグループ(コモンウェルス)の一員でもある。
      走るのと狩り(意味深)を特技とする。

 ボツワナ:全般性不安障害と診断されてこの学校に送られてきた。
       阿弗利加病棟トップクラスの優等生。真面目。
       イギリスを盟主とするグループ(コモンウェルス)の一員である。
       阿弗利加病棟では貴重な「ちゃんと勉強をしている」生徒である。

 南アフリカ:窃盗症と診断されて、この学校に送られてきた。
        他の病棟では悪い噂が流布しているが、阿弗利加病棟内では優等生なほう。
        レイシズムを憎んでいる。
        イギリスを盟主とするグループ(コモンウェルス)の一員である。
227 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/14(日) 23:03:40.54 ID:B+ULohwI0
>>224
日本君の言動の真意と、
ソマリア君が一体「どんな薬」を「どう使用」したのかということと、
それらの関連性も何もかも不明ということにあえてしました
(日本君の訓練が何か関係あるのか、それとも日本君とソマリア君がマグロを食べたことに関係あるのか)

結果的に、中国君がヤシオリ作戦されてしまったということで・・・
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 11:38:37.23 ID:7p02CiDn0
阿弗利加病棟怖すぎwwwwwwww
229 : ◆pIxjj4GI1s [saga sage]:2016/08/16(火) 16:23:59.62 ID:JptMbW/e0
まだ完成してませんが、現在番外編を書いているところです
舞台はキチガイ学園の前身・大地立青少年精神医療センター付属院内学校で、
主人公は唐くんです
時代的にはタラス河畔の戦いあたりの世界地図です
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/16(火) 22:35:42.98 ID:GEd+s6Ob0
保守
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 22:52:35.35 ID:lDnhJyZ+0
大日本帝国くん頑張れ(^_^)/~
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 07:47:01.08 ID:eWW12QI10
ローマ帝国君とかモンゴル帝国とか夢が広がるな!
233 : ◆pIxjj4GI1s [sage saga]:2016/08/17(水) 23:23:25.33 ID:4tBEyl9Z0
番外編を書いてる途中ですが、なんだか長くなったのでテンポ的に前後編に分けるか検討中です

あと、先に言っておきたい点が4つあります

・時代的に奈良時代の国々ですが、登場人物たちの文化は現代です
(正確にはたぶん大正か昭和あたりの服装等のイメージです)

・日本(やまと)という名の少女が登場しますが、通常話の日本少年とは別人です

・日本(やまと)ちゃんは「字面での日本少年との区別」&「スレ主の趣味」のために、
 京言葉を喋っています

・渤海少年の病みっぷりが加速しました

以上です
234 : ◆pIxjj4GI1s [sage saga]:2016/08/18(木) 15:42:52.65 ID:+GO0cpBu0
やっぱり番外編だけど前後編に分けることにしました
前編を今晩だいたい20時頃に投下したいと思います
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 16:05:10.55 ID:EBNuFf2m0
楽しみです!
236 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:09:50.40 ID:+GO0cpBu0
  
番外編:トウモロコシの語源は(唐唐黍)だけど唐は産地じゃない:前編

地球立メンタルヘルスケアスクール(通称キチガイ学園)の歴史は古く、
その前身は大地立青少年精神医療センターの中に作られた院内学校である。

精神に問題を抱えている青少年の治療を目的に世界中からここに集められたが、
患者達の大半は「悪魔憑き」「魔術師」など異端な存在としてあらぬ疑いをかけられた者で、
治療というよりは追放目的に利用された面も多かった。

家督争い等の事情から周囲の圧力によりここへ送り込まれた者もいる。

当時からその実態は不透明で、追放を目的とする外部の者にとっては都合が良かったらしい。

当時は診断体系が確立されていなかったために、
精神疾患ではなく、発達障害や神経疾患だと判断できる患者もいた。

精神的不安定に加えて性的に鬱屈した青少年たちを徒に集めたことで、
そこから凄惨な事故が起こることは想像に容易で、
サポートが行き届かず、患者が患者を殺害するケースも少なくなかったという。

当時の無法地帯ぶりを、今回は唐少年に焦点をあてて見てみよう。
  
237 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:10:47.61 ID:+GO0cpBu0
  
唐少年は、ワクワク(Wāqwāq)氏が教務担当を務めた時期の生徒であり、
東病棟内では学級委員を務めたという。

彼は家督争いで叔父の隋氏に恨まれた結果、このセンターに送られてきたらしい。
ちなみにこの隋氏もまた、当センターに入院歴があるという。

唐少年を送り込む決定を下した時の、隋氏の言葉は以下である。

「いやぁ、君が精神を病むのは仕方のないことなのだよ。
 精神の病は遺伝が大いに関係あるらしいじゃないか、
 私も兄も入院したことがあるからね。
 エ・・・?君は至極まともだし、私も兄もまともだって?
 ハハハ・・・君は私にそっくりだ。甥だからかね?
 君ね、恨むなら父親を恨みなさい。我が実兄、北周をな!
 私も君と同じことを言ったが、兄は私を病人扱いしたのだよ。
 泣いて懇願したが、取り合ってはくれなかった・・・。
 君も私の少年時代に似ているから、兄によればきっと君も病気だろう。
 先輩として一言だけ忠告しよう、死なないように頑張りなさい。
 あそこは魑魅魍魎の伏魔殿だからな、体術で圧倒しないと殺される。
 ハハハ、ハハハハ!生きていれば、私のようにチャンスはあるぞ。
 君が退院する日には、私は絶対に祝福できないね。
 なぜって、そのときには私はこの世にいないだろうから。」
   
   
   
唐「隋死ね隋死ね隋死ね隋死ね隋死ね隋死ね隋死ね」ブツブツ

唐「・・・ハァ」
238 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:11:44.08 ID:+GO0cpBu0

唐(こう毎日呪ったところで叔父貴は娑婆での生活を満喫しているだろう)

唐(あの叔父貴が健在でいる限り、俺は退院させてもらえまい)ジワッ

唐「くっそぉぉぉ、俺はこんなところで燻ってるべき人間でないのに!」

日本「えっ唐さん、燻ぅてはるの?如何しよう!水持って来ます!」タタタッ

唐「え?いや日本(ヤマト)?何か勘違いして・・・」

少女はバケツいっぱいに水を汲んで、少年目がけてそれを投げる。

日本「えええええい!!」

ザッバアアアア

唐は全身ずぶ濡れになり、日本自身も下半身に水をかぶっていた。
唐はため息をつく。

日本「大丈夫やった!?」

唐「日本・・・本当に燻ってたわけじゃないんだ・・・」プルプル

日本「へ?そやけどあんたはん、燻ぅてるて言わはったやないの」

日本「そうどすさかいに、わたい急いで来ましたんえ?あかんかった?また・・・?」

日本「わたい、いつもあかんことしてまう・・・うう・・・」グスン

唐「お、おい泣くなよ!怒ってないだろ、いやさ、燻ってるっちゃ燻ってるし」タジタジ

??「やまとちゃん泣かしやがったな淫乱ヤリチンめが!」
239 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:12:36.68 ID:+GO0cpBu0

ドカッ 唐「ぐおっ何しやがる」

唐は背後から跳び蹴りを喰らった。

渤海「貴様、やまとちゃんの下着をスケスケにする算段だったな!」

唐「ずぶ濡れにされたのは俺の方なんだが」

日本「渤海くん、そない人のこと蹴ったらあきまへんえ。痛おすやろ」

日本「ほんでから、わたいのことは『やまとお嬢様』てお呼びやす」

渤海「はい!やまと女王様!」ニコッ  日本「お嬢様やで」

渤海「ああ、邪悪なヤリチンのせいでやまとちゃんの白ワンピースが透けて」

渤海(ブッ!  ※鼻血

渤海「大変だ・・・唐は恐ろしい助兵衛男だ、いやらしいにもほどがあるッ!」ボタボタ

唐「助兵衛はお前だ」

新羅「助兵衛?俺を呼んだか?」

唐・渤海「呼んでねーよ失せろゴミ」

新羅「フフン、こんな時でもサドを極めるべく人を罵倒するか・・・流石だな唐は」

唐「なんでお前らは意地でも俺を変態に仕立てようとするのか」
240 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:13:26.15 ID:+GO0cpBu0

日本「??・・・新羅は、助兵衛はんてお名前どしたん?」

新羅「ははは本当に馬鹿だなぁヤマトは!教えてやるから今晩俺の部屋に来いよ」

日本「わたいのことは『やまとお嬢様』てお呼びやす」

新羅「誰が呼ぶかよ、ヤマトはヤマトだwww」

唐「そういえば、さっき俺のこと馴れ馴れしく呼び捨てにしなかったか」

新羅「えっ・・・いいえ滅相もございません唐様」ビクッ

唐「だよな、お前ごときが俺を呼び捨てとかありえないもんな」

日本「ほれ新羅、唐さんにタオルとお着替え持って来たり」

唐「着替えはいらん、お前の部屋からタオルだけよこせ」

新羅「はいはい!」(くっそ・・・何でヤマトの指図なんか)

渤海「やまとちゃんの着替えは僕が取ってくるから待っててね」ニコニコ

日本「へぇ、おおきに」

唐「おい待て、何で渤海が日本の部屋に行くんだ?」

渤海少年はキョトンとして、簡単に答えた。
241 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:14:24.43 ID:+GO0cpBu0

渤海「???鍵を持ってるからだけど何か?」

唐「女の子の部屋に男が入るもんじゃねぇだろ!日本は自分で行けよ」

日本「そやかて、わたいは鍵持ってへんさかい一人で入られへんにゃわ」

渤海「鍵は僕が預かってるんで。それじゃ」スタスタ

唐「おおい!」ガビーン

日本「わたい、何着たらええかわかれへんし。あの子に選んでもろたら助かるわ」

唐「いや、そういうことじゃないんだよ。騙されてんだよ!もう、調子狂うなあ」

日本「お水かけてしもて堪忍どす。わたい、言葉の裏を読むのんえらい苦手で」

唐「言葉の裏ってか見りゃわかるだろってか・・・まあ許すよ」

唐(女の子だから許せるもんの、野郎だったらぶん殴ってるところだ)

日本「そやそや、わたい唐さんに今週の宿題訊きに来ましたんえ」

唐「またかよ、毎週訊いてんじゃねえか」イライラ

当時の担当教員であるワクワク氏は講義を行わず、
毎週の課題提出によって成績をつけ、添削による指導を行っていたようだ。

現在のキチガイ学園の担当教員であるマクガフィン氏はテストのみを実施しており、
講義はもちろん課題すらも課さない点についてはまさに手抜・・・オホンオホン
教員によって指導方法が異なる例といえる。
242 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:15:18.09 ID:+GO0cpBu0

日本「ワクワクせんせの出さはる問題は難しおすさかい・・・」

少女は少年の目をじっと見る。

唐「なっ何だよ##」

日本「唐さんはええなぁ。頭もよろしおすし、いつも格好よろしこと」

日本「わたいは一人娘やし、いずれはお家を任される身ぃやのに」

日本「わかれへんこと多すぎて、お嬢様失格やわ・・・」ションボリ

日本(もっと強なりたい、強く賢くならなあかん!)

日本(唐さんみたいに、屈強な肉体とよく回る頭脳を手に入れな!)

日本少女、お嬢様を自負する割に、実は男女の違いを具体的に理解できていなかったのだ。

彼女は過去世の偉大な軍人、漢氏に大変な憧れを抱いている。
彼女の目標は"漢"(と書いて"おとこ"と読む)になることなのだ。

彼女の夢は、漢氏の宿敵・楚氏のような宿敵(と書いて"とも"と読む)に出会い、
拳と拳で殴り合い、そして心を通じ合い、最後には涙ながら彼に勝利する、
そんな熱いブロマンスを体験することである。

自分も努力しだいでは、目の前の少年のようにガタイが良くなれると信じきっている。
彼女はムキムキの筋肉と狡猾さを、喉から手が出るほど欲しがっているのだ。
243 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:16:02.48 ID:+GO0cpBu0

日本「唐さん、わたいにいろんなこと教えておくれやす」ペコリ

少女は真剣な眼差しで少年の手を両手で握る。

唐「えっいや、その・・・##」

日本「いろんなこと(学問や屈強な肉体作り)を!」

唐「い、いろんなこと・・・??///」(これってまさか・・・)

少女の情熱的な目に、少年はうろたえた。

唐「まっまぁな!俺は見ての通り超絶イケメンだし、天才だし!」

唐「だ、だが俺とお前では到底つり合いの取れるものでは・・・##」

日本「わたい、本気どっせ。よろしゅう頼みます!」キラキラ

日本(父様[ととさま]、母様[かかさま]、やまとは漢[おとこ]になります!)

彼女がこれを思った瞬間、外の世界(娑婆)に居る両親は言い知れぬ不安にかられたという。

日本「どんなきついことでも耐えてみせます!」

唐「・・・そこまで言うなら///」ゴクリ
244 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:16:45.27 ID:+GO0cpBu0

ここにきて、目の前の少女の透けて見える下着が気になって仕方がなくなった唐少年。
自身もずぶ濡れであるせいか、自分の体の変化が平時以上に感じて取れた。
多感な時期(思春期)の少年が、理性を保てるのは時間の問題であった。

唐「日本、目を瞑れ・・・」

日本「へえ!」(何しはるんやろ?)ドキドキ

唐少年が少女の肩から背中へと手を回し、少女の唇に自身の唇を近づけた・・・、
   
  
渤海「 フ ラ グ ク ラ ーーーーーーー ッ シ ュ ! ! ! 」
  
  
バキィッ  唐「ぐはぁっ・・・」

渤海少年が、唐少年の顎に豪快なパンチを決めた。
その姿はさながら空中高くジャンプするホオジロザメの狩のようだったという。
(少し前から隠れて見ていた新羅談)

渤海「お着替え持って来たよー☆」ニコッ

日本「はばかりさんどすー☆」ニコッ

唐「渤海・・・お前、誰に何したかわかってんだろうな・・・?」

渤海「淫乱狼男からいたいけな少女を守っただけだが?」
245 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:17:44.06 ID:+GO0cpBu0

渤海は唐に詰め寄り、恐ろしい目つきで睨む。

渤海「いいか、彼女に手を出すんじゃないぞ」ギロリ

渤海「お前も新羅も皆敵という状況下で、僕が見つけた心の拠り所が彼女だフレタラコロス」

唐「お前・・・考え方が病んでるぞ」

渤海は日本をバスタオルに包みながら微笑んで語る。

渤海「僕とやまとちゃんは一緒に退院するんだもんねー?」

日本「そやでぇ、大親友やさかいな!」ニコニコ

日本「渤海くん、パンツかしとくれやす」

唐「おおおおおおおう!ここで!?ここで着替えてんのか!?///」

唐はとっさに新羅の目を両手で塞いだ。

新羅「ちょっと!?なぜ、なぜ俺の目を覆うんすか唐様!?」

唐「お前はこの中で一番邪な気がするから」

新羅「酷すぎませんか!?俺も、俺も見たいです!見せてください」ジタバタ

唐「早く!コイツの目を覆えてるうちに着替えを済ませるんだ!」

新羅「あんまりだぁ」
246 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:18:48.56 ID:+GO0cpBu0

新羅「唐様の鬼畜!」シクシク

渤海「やまとちゃん、もうじき生理になるからナプキンつけといたよ」

日本「おおきに」

唐「畜生!ここには俺以外まともな倫理観を持つ人間はいないのか!(泣」

唐「渤海お前いい加減にしろよ!」

唐「おまっ・・・恋仲ですらない女の子の生理日把握してるとかキモすぎるぞ!」

渤海「は?大切な日なんだから教えてあげなきゃ」

唐「日本!お前も嫌なことは嫌だとはっきり言えよ!」

日本「・・・?」ハテナ

唐「わかった、言い方変えよう。自分の体のことは友達に任せるな!」

日本「へぇ、そやけど・・・」

日本「わたい、いつ整理(※ママ)の日ぃなんかようわからへんのや」

唐「お前は把握出来てなきゃ駄目だろ!」

日本「す、すみまへん。家やと使用人のお姉さんらが教えてくれはるさかい・・・」
247 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:19:36.71 ID:+GO0cpBu0

日本「家やと何でもお姉さんらしてくれはるから・・・わたいはできひんでも良」グスッ

日本「それ見かねて父様が『一人前になるまで帰るな』て・・・うー・・・うぅ」メソメソ

渤海「僕がちゃんと教えてあげるから、君は何も心配しないで」

唐「それが問題だっつってるのにこの男は!」

日本「おおきに、渤海くん」

唐「もういい・・・俺が馬鹿だった」

新羅「お願いです唐様!せめてパンツを!脱いだパンツを拝ませて!」

新羅「うっうっうっあんまりですぅ・・・俺にだって見る権利があるはずだ!」

唐「泣くなよ、俺の手が濡れてキモい」

唐はいつまでも新羅の目から手を離さない。

渤海「仕方ない・・・ほら、お望みのものだぜ」

渤海は新羅にパンツを握らせた!

新羅「あ、ありがとう!脱ぎたてだぁまだ温かい」

唐「よかったな」
248 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:20:21.74 ID:+GO0cpBu0

新羅「色は?色は何ですかっ」

唐「白だなぁ、汚れひとつない」

新羅「スハッスハッ・・・ヤマトの匂いだぁ」

日本「いつも一緒に居るからやろかな?」

新羅「・・・ん?」

新羅「スマン、これヤマトのパンツだよな?」

日本「渤海くんのやで」

新羅「ノォォォォォォォ!!」

新羅「ひでぇことしやがる!殺してやりたい!」ウワアアアン

渤海「お望みのものを貸したのに理不尽だ」

唐「なぜ濡れてないことに気づかないのか」

渤海「まさか嗅ぐとは・・・キモいからそれやるよ」

渤海「パンツなくなっちゃったから、やまとちゃんの濡れたやつ穿くね」

日本「風邪ひけへん?」

唐(俺のツッコミが追いつかない)
249 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:21:27.33 ID:+GO0cpBu0

渤海「唐はね、人体に有害な液をのべつ幕なし振りまき歩くという奇病に罹っているんだ」

唐「嘘をつくな嘘を」

渤海「どうしても唐に聞きたいことがあるなら、僕から彼に聞いておくから!ねっ」

日本「へぇ、そやけど・・・わたい宿題訊かなあかんえ」

渤海「それなら心配ないよ」

渤海「僕もわからない問題は全部唐に訊くからね。それから君に教えてあげる」ニコッ

渤海「唐、問5の帰納法の証明と問8の写像の解法を教えろ。まっったく解けん」

新羅「あ、唐様 俺もです」

唐「お前もかよ!俺のこと嫌いなら自力で解けよ!」

渤海「お前のことは大嫌いだが、お前の頭脳は認めてる」

渤海「皆そうさ、お前を好きな奴なんて一人も居ないが、お前の実力は本物だ」

唐「サラッと傷つくこというな」

新羅「俺は唐様好きっすよ!」バッ

唐「嘘はいらん」  新羅「なぜぇっ」(バレてる!)
250 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:22:20.99 ID:+GO0cpBu0

唐(俺を好いてくれる奴は一人も居ないか・・・本当だよ)

唐(事実俺の家は修羅だ、父は叔父を憎んだし、叔父は俺を憎んでる)
   
   
唐(悔しいことに、叔父貴の忠告がここで一番役に立つとは・・・)

カシャン・・・ガリガリッ・・・

唐少年の背後に、鉄パイプを持った少年が近づく。

ウイグル「死ねえええええ学級委員めがああああああああああ!!!!」

バキィッ  唐「甘い」

鉄パイプを振り上げる際に無防備になったウイグルの腹部に、
唐はすかさず拳をいれた。

ウイグル「ぐ・・・ぁっ」

ウイグルが痛みの余りうずくまったところを、唐は容赦なく顔面に蹴りを入れた。

その直後、次々とバールなどを持った少年達が唐に襲い掛かる。

契丹「うらあああああああああああ!!!!!」

ゴキィッ

南詔「偉そうにふんぞり返りやがってぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ボコォッ
251 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:23:21.44 ID:+GO0cpBu0

吐蕃「死にさらせええええええええええええ!!!!」

ドカッ

ズババババババババ!ボォンボコォンドスドスドスドカバキゴッゴッゴッメシメシ
ズリッズリッポキポキポキポキバシュッゴォォォォドォンドォンデロデロデロデロタタタッカツッ
ドカバキドカバキザッザッザッシュリンシュリンシュリンッバン!バン!バン!バシュッゴォォォォ

唐少年は倫理的に説明できないような技を患者達に決めていった。
あえて例えるならば、格闘ゲームで敵キャラクターに
半端ないコンボ数のハメ技を喰らわせられるような絶望感を彼らに味わわせていた。

唐少年の強さの秘訣は?という問いに対して、彼の後見役である叔父の隋氏曰く、
「やはり気功を使いこなせているという点ですね、これは易筋経の修行の賜物といえるでしょう」
とのことだそうだ。

唐(鮮卑の一族として、野郎共をたしなめる程度の体術を習得しておいてよかったぜ)

ウイグル・契丹・南詔・吐蕃「」

唐少年の無双振りを、離れて見ていた少年達は評する。

渤海「くそ・・・なかなか死なないな、唐の奴」チッ

渤海「致命傷与えるとかできないのか、複数いながらあいつらは・・・」

新羅「唐様強すぎ・・・俺一生逆らわないでおこう」
252 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:24:16.23 ID:+GO0cpBu0

渤海「契丹の野郎をコテンパンにしてぶっ殺してくれたら嬉しいんだが」

渤海「契丹もしぶといなぁ・・・さっさと死ねよ」チッ

新羅「お前、唐様応援してんのか契丹応援してんのかどっちだよ」

渤海「その2人を比べるなら唐だな。僕はあそこにいる奴ら全員滅んで欲しい」

新羅「えらく物騒だな」

渤海「一番は、唐があいつらを死滅させて弱ったところを僕が潰したい」

渤海「それからお前だ」ニヤリ

新羅「にええええええ、唐様頑張ってぇ!こいつ敵ですよ!」

渤海「そうすればやまとちゃんと2人きりになれる」

新羅「ヤマトは潰さないのかよ?」

渤海「・・・ばっ##友達だよ!籍を入れるとかそんなんじゃ・・・///」

新羅(あれ、俺今何の質問したっけ!?)

新羅「まぁあれだな、お前が唐・・・様を倒したとしてだ」ブルブル

渤海「お前どんだけ唐怖いの?」
253 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:25:01.54 ID:+GO0cpBu0

新羅「俺とヤマトの共闘もありうるな!ヤマトも『渤海くん大っ嫌い』とか言って##」

新羅「そして何やかんやあってお前は死に、俺とヤマトはベッドで一つに・・・グヒヒヒヒ///」

渤海「・・・なるほど、やはり先に貴様を消すべきだと?」ギロリ

新羅「ゴメンナサイ」

渤海少年の分析もあながち間違いではなかった。

荒れ狂う少年達の猛攻に、最強と謳われた唐少年は確実に疲弊していった。
怪我をさせられることもあれば、疲れが取れないまま戦う破目になることもある。
これも彼の叔父・隋氏の思惑通りだとかそうでないとか。

そんな唐少年を、西病棟の患者までもが苦しめ始めるのだった。

疲弊した体に鞭打たれる唐少年、
そしていろんな意味でギリギリな状況に追い込まれる少年少女たち。

そんなかんじの後半へ続く!
254 : ◆pIxjj4GI1s [saga]:2016/08/18(木) 20:26:55.86 ID:+GO0cpBu0

-------[人物紹介]--------

 唐:鮮卑の一族の家督争いで隋に敗れ、追放代わりに入院させられた少年。
    父親に北周、叔父に隋がいる。東病棟の学級委員を任されている。
    頭脳明晰で体術の腕も相当なものだが、常に男子生徒達に命を狙われる。
    東病棟での不純異性交遊を禁止にしており、彼自身童貞だと思われる。
    皆から怖れられ、「唐様」と呼ばれている。常識人。少々自惚れ屋。

 日本:軽度の自閉症スペクトラムの疑いのある、超天然ボケ少女。
     周囲には「やまとお嬢様」と呼ぶよう命令しており、事実令嬢らしい。
     唐を様づけせずさんづけしているあたり、彼女のプライドが感じられる。
     性に無頓着で、夢は漢(おとこ)になることである。
     その処女を犯そうものなら、超常現象に見舞われるらしい。

 渤海:自己愛性パーソナリティ障害の疑いのある少年。
     日本の一番の親友を自負しているが、少々いき過ぎなところがある。
     日本以外の生徒(とりわけ男子生徒)の死滅を願っている。
     パンツで鼻血を出すあたり、彼も童貞だと思われる。

 新羅:町医者に火病と診断されて、送られてきた少年。
     唐には逆らえないが、他の生徒達には尊大な態度をとる。
     日本に対しては渤海とは別な意味で屈折した愛を抱いていると思われる。
     周囲からやたらスケベ扱いされているが、性欲自体は並みの思春期男子。
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/18(木) 21:19:00.11 ID:bwKViRKE0

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 22:58:58.31 ID:EBNuFf2m0
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