【ガルパンss】まほ「Eシリーズを倒すぞ!」みほ「え?」

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272 :amano [saga]:2016/06/25(土) 22:59:16.39 ID:ervrZhoE0

ギャラギャラギャラッ


千代車操縦手「CV33 3両接近っ、やはり我々が目標のようですっ」

千代「……」

千代(……私達の力を目の当たりにしてなお、そんな貧弱な車両で私達に立ち向かってくるその勇気……)

千代「……嫌いじゃないわ」

千代車操縦手「……え?」

千代「……」

千代(……久し振り、本当に久し振りだわ。こんなに気分が高揚するのは何時以来かしら……)

千代(戦車道を指導する立場になってからと言うもの、今目の前に迫っている彼女等のように、戦場を躍動する機会はほとんど失われてしまった)

千代(私は愛里寿が戦場を縦横無尽に駆け巡るのを見届けながら、心のどこかでそれを羨ましく思っていた───)

千代(───でもっ)

千代(今っ、私の周りにはそれがある!私を打ち倒さんとする意志がすぐそこまで迫っている!)

千代(私はその意志と戦い、はねつけ、抗うことが出来るっ!なんて素晴らしいことなんでしょう!)

千代「……あぁ、本当に───」

千代車操縦手「っ!、CV33っ、三方向に散りましたっ!」

千代車砲手「右、左、正面から来ますっ!」

千代「───幸せだわっ」ギャラララランッ
273 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:00:29.12 ID:ervrZhoE0

〜〜〜〜〜



ペパロニ「いいかっ、履帯ならCV33の機銃でも壊せる可能性があるっ!左右から狙えっ!私が真正面から向かって奴の注意を引き付けるっ!」

CV33 2号車「はいっ」

CV33 3号車「りょーかいっ!」


ギャラギャラギャラッ


千代「凄い連携ね、高校生とは思えない程に……」

千代「……よし、左から迫ってくるCV33に最高速で突進っ、同時に右の敵に砲撃!」

千代車砲手「はっ!」

千代車操縦手「はっ」


ギャラギャラギャラッ


CV33 3号車「うわっ、車体がこっち向いたっ!?」キャラキャラッ

CV33 2号車「待って待って!砲塔がこっち向いてきてる!!」ヤバイィ

ペパロニ「ちっ、私は無視かっ……お前らやられるなよっ!!」キャラキャラッ
274 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:02:03.53 ID:ervrZhoE0

《※》


3号車車長「こっちに真っ直ぐ突っ込んでくるっ!避けねぇとっ……」

3号車操縦手「ってか、なんであの車両CV33並の速度なんですかっ!?おかしいでしょ!?」

3号車車長「今は考えても無駄だっ、兎に角避けることに全力を尽くせっ!!」

3号車操縦手「はっ、はいぃ!!……で、どうやって避けるんですっ!?」

3号車車長「えぇっと……あれだっあの……前ペパロニ姐さんから教えて貰った……」

3号車操縦手「あれってどれっすか!?」

3号車車長「あれだよっ!あの……きゅっとなってきゅ〜っとなるの!」

3号車操縦手「きゅ……あぁあれっすね!!分かりました!」

3号車車長「おうっ、たぶんそれだっ!頼んだぞ!」

3号車操縦手「それじゃあいきますよぉぉ〜───それっ」カチッ


ガッ(左駆動停止)

グワァンッ


千代車操縦手(ふっ、片輪を止めて一気に右に避ける算段ねっ!そんなの想定済み───)


3号車操縦手「からのぉぉ〜それっ!!」カチッカチッ


ガタンッガッ(左駆動復活と同時に右駆動停止)


グワァァァァンッ


千代車操縦手「っ!!?なっ───」

千代車操縦手(右に行くと見せかけて左へ一気に進路を───まさかっ、フェイントっ───)


3号車操縦手「ぐぬぅぅぅっ!」カチッ(右駆動復活)


ギャラギャラギャラッ!!

ブゥゥゥゥンッッ、スカッ


千代車操縦手「あぁっ、体当たりが外れたっ───」

3号車車長「ひゅぅぅぅっ!!よくやったぞ!!」

3号車操縦手「いやぁ、一発本番でもなんとかなりますねっ!」キャラキャラッ
275 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:03:24.41 ID:ervrZhoE0

《※》


2号車車長「なんで私達を狙うかなぁっ」(憤慨)

2号車操縦手「あいつに狙われたら避けられる気がしないんですけどもっ!」

2号車車長「いぃや大丈夫っ!CV33選手権2位の実力を遺憾なく発揮すればきっと大丈夫!」

2号車操縦手「本当に大丈夫なんすね!?」

2号車車長「私の指示を信じてくれたらなんとかなるっ!よしっ、それじゃあ奴の砲身の先端が黒点になった瞬間急制動を───」

2号車操縦手「もう黒点になってますっ!!」アバババ

2号車車長「はぁ!?なっなななならはよ急制動はよっ!!」

2号車操縦手「ああぁぁ〜っ!」キキィィィィッ


千代車砲手(ふん、相手が砲を向けた瞬間速度を緩めて避ける算段ねっ、その手は今までに何度も見て来てるわ!!)

千代(私はそのことも念頭に入れて砲撃位置を調整して───)


2号車車長「っし、一気に加速してぇぇ!!」

2号車操縦手「ええぇぇえぇえっっ!!?」ガコッギュウウウウンッ


ブゥゥゥゥンッ!


千代車砲手「───っえっ」カチッバァァンッ


───ヒュンッ


2号車車長「あっっっぶなかったぁぁ!!」

2号車操縦手「すっ凄いっ!相手の考えを読んでたんですかっ!?」

2号車車長「ふっ、長年の勘ってやつよ!」ドヤァ

2号車操縦手「(まだ戦車道始めて2年強で長年と言っていいのか分からないですけど)すげぇっす!!」


千代車砲手「きゅっ、急制動の直後に急発進するなんて───」
276 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:05:02.25 ID:ervrZhoE0

《※》


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「よしっ、なら私達は今の内に相手の死角に入り込むぞっ!」

ペパロニ車操縦手「どっ、どうやって!?」

ペパロニ「えぇっと───奴の車体後部のマジでギリギリをかすめるように突撃しろっ!」

ペパロニ車操縦手「はっ、はいっ!」

ペパロニ「いいか、奴の砲塔は左を向いてるから、マジでギリギリを通らないと私達が奴の裏を取ろうとしてることがバレるからなっ!」

ペパロニ「はいぃ!!」ギャラギャラッ

ペパロニ「よしっ、いっけぇぇぇ!!」


グワァァンッ


ペパロニ「……どうだっ!?」チラッ


千代(さて……左右は任せておけば大丈夫だとして、真ん中から突っ込んでくるのは───)

千代(───え、いない……?)


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「……よしっ、気付かれてないっぽいぞ!」

ペパロニ車操縦手「やりましたね姐さんっ!」

ペパロニ「よぉし、それじゃあ奴が私達のことを見失ってる内に、奴の一番弱そうな車体後部に機銃をかますぞっ!」

ペパロニ車操縦手「やっちゃって下さい姐さんっ!!」

ペパロニ「任せとけっ!!…………」

ペパロニ「……」

ペパロニ「…………あれ、あの、操縦……」

ペパロニ車操縦手「えっ?……あぁ忘れてましたっ!この戦車砲塔ないんでしたねっ!」

ペパロニ「お前そこ忘れるかぁっ!」ズコッ

ペパロニ車操縦手「すみませんっ、すぐ向けます!」グリンッ

ペパロニ「よぉし、それじゃあ気を取り直してぇぇっ───」カチッ

ペパロニ「おりゃぁぁ!!」バババババッ


カンカンカンカンッ


千代「っ!!」(いつの間に後ろに───)


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「か〜っ!!やっぱぜんぜん効かねぇ!」

ペパロニ車操縦手「ねっ姐さんっ!バレたから早く退避しないと───」
277 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:06:14.47 ID:ervrZhoE0

千代「操縦手っ、全速で後退っ」

千代車操縦手「えっ?あ、了解っ!!」グッ


ギャラギャラッ───


ペパロニ「うわつ、後退がはえぇっ!このままじゃっ……!」

ペパロニ車操縦手「ふっ、踏み潰されっ───」


ギャラギャラギャラッ

ガシャァァンッ


ペパロニ「ぬわぁっ!?」

ペパロニ車操縦手「うわぁぁぁ!?なんっ───」


千代「っ!!」

千代車操縦手「あっ、あんな避け方ありなのぉ!?」


CV33 2号車「大丈夫ですか姐さんっ!?」

ペパロニ「なっ、えっ?」

CV33 2号車「すんませんっ!姐さんを助ける方法で咄嗟に思い付いたのが今のだけだったんで!!」

ペパロニ車操縦手(わ、私達の車両にぶつかって、私達をはね飛ばした……!?)

ペパロニ「とっ、兎に角あの路地に逃げ込むぞ!急げぇっ!!」


ギャラギャラギャラッ───
278 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:07:22.39 ID:ervrZhoE0

〜〜〜〜〜



ペパロニ「……いやぁ、だいぶん荒かったがさっきのがなかったら私達はひき倒されてたっ、サンキューなっ!」

CV33 3号車「あれは絶対アンチョビ姐さんには見せられないっすね!」(苦笑)

ペパロニ「あぁ、姐さんは本当に私達のことを気遣ってくれるからなぁ、こんな無茶したのがバレたら───」

CV33 3号車「おやつ抜きになるかもしれませんね!」

ペパロニ「うわぁ、折角の武勇伝なのに姐さんに言えねぇじゃねぇか!!」ウガーッ

CV33 2号車「まぁこれは私達の心の中だけに留めるってことで……」ハハッ

ペパロニ「むぅ、ちょっと口惜しいがそうするか!……よし、そろそろ他のCV33が全部逃げれた頃じゃないか?」

CV33 2号車「2分ぐらいは稼ぎましたもんね!」

CV33 3号車「そうっすね、他の車両に連絡を取ってみるっす!」ピピッ
279 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:08:20.45 ID:ervrZhoE0

〜〜〜〜〜



千代車操縦手「……」

千代車砲手「……あっあの……」

千代「……」

千代車砲手(っ……流石にCV33に翻弄なんてされたから、島田師範怒ってるよなぁ……)ウゥ…

千代「……」

千代「……───しい」ボソッ

千代車砲手「……えっ?今なんと───」

千代「……素晴らしいっ!実に素晴らしい!」

千代車砲手「えっ、す、すばっ……?」

千代「私の想像をはるかに越える内容だわ!高校生の戦車道がここまで成熟していたなんて!」

千代「道理で愛里寿と同等以上に戦うことが出来る訳だわ。私は完全に、高校生を見誤っていたわ……」

千代車砲手(し、島田師範が───)ゴクリッ

千代車操縦手(こんなにも楽しそうな島田師範は初めて見るかも……)
280 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:09:28.17 ID:ervrZhoE0

ピピッ


千代「副隊長、そちらの首尾はどうかしら?」

第2小隊副隊長『はっ、こちらはジワジワ相手の数を減らしつつ、徐々に南に追い戻していますっ』

千代「なるほど、逃がした車両は?」

第2小隊副隊長『今のところ1両も逃がしておりませんっ』

千代「分かったわ(期待以上の成果ね)」

千代「そろそろ第5小隊の戦線離脱が終了するから、それまでそのまま持ちこたえなさい」

第2小隊副隊長『了解ですっ』


ピッ


千代(……さてと……)チラッ

千代「……操縦手、あの3両が逃げ込んだ路地に入り、彼女等を路地から追い立てなさい。彼女等と他のCV33を1ヶ所に集めるわ」

千代車操縦手「了解っ」

千代「……」

千代(もっと彼女達との戦いを楽しみたいけど、私達にも次の作戦行動がある───次の戦闘が最後になりそうね)

千代(やはり最後は本気で彼女達と相まみえたいわね……)

千代「……」

千代「……歌いたくなってきちゃった……」フフッ
281 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:10:49.42 ID:ervrZhoE0

〜〜〜〜〜



ペパロニ「なにぃっ!?まだ誰も逃げ切れてないのか!?」ガバッ

CV33 3号車「いや、私も信じられなかったんですけどっ、敵の強さが予想以上らしくっ……!」

ペパロニ「っ、マジかぁー……!どうするっ!?」

CV33 2号車「……私達も逃走部隊に合流して、私達が主導で逃走経路を切り開く……とか?」

ペパロニ「うぅぅ〜ん……はぁ、結局時間稼ぎは意味無かったかぁ」ムー

CV33 3号車「ストラッチアタックの実戦練習が出来ただけだったっすね……」

ペパロニ「うむ……まぁそれだけでも儲けもんか───」


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「……んぁ!?あいつ、こっちにっ!」

CV33 2号車「にっ、逃げましょう姐さんっ」

ペパロニ「あぁ!!」


ギャラギャラギャラッ


千代車操縦手「件の3両、包囲網の中心部に向かっています」

千代「よしよし……」

千代「……第2小隊全車へ。これより包囲網を徐々に縮め、私が包囲網の中で敵車両を殲滅する。準備を始めなさい」

第2小隊一同「「「はっ」」」
282 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:11:54.41 ID:ervrZhoE0

キャラキャラキャラッ───


CV33 11号車「くぅぅ……あっ、姐さんっ!!うわぁっ!?」ヒュンッ

ペパロニ「おいお前らっ、そんなに敵の包囲は固いのかっ!?」

CV33 11号車「は、はいっ、路地を使って逃げようとしても、何故か先回りされて……!」

ペパロニ「っ……」

ペパロニ(なんだ?何故だ?確かに奴等も速いが、CV33の方が速度は速いはずなのに───)


───ヒュンッ


ペパロニ「うぅぅおぉぉ!?あっぶねぇ!!」ヒュンッ

CV33 3号車「姐さんっ、敵の隊長車が追い付いてきましたっ!!」バケモノッ

CV33 2号車「包囲もだんだん狭くなっていますっ!」

ペパロニ「へっ、そろそろ私達を一気に始末する仕上げってことかっ……」クッ

CV33 2号車「姐さんっ、どうしますっ!?」キャラキャラッ

ペパロニ「むぐぐぐぐ───」
283 :amano [saga]:2016/06/25(土) 23:13:57.67 ID:ervrZhoE0


長過ぎて一日では更新出来ないので、明日の23:00に続きを投稿します。
それと次回でやっとミー中隊の場面が一段落します。他の中隊を待っている方々、もうしばらくお待ち下さい。

284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/26(日) 00:12:42.63 ID:FMNvlAtuo
乙です
CV33のtop3すげーな
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/26(日) 02:34:53.72 ID:iLiHKRYHO
乙躍動感がすごい
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/26(日) 06:33:25.07 ID:yymC8I26o
乙です
287 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:04:48.94 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



ピピッ


第2小隊副隊長「島田殿、ここら一帯のある程度の包囲が完了しました」

千代「よろしい」

千代「……操縦手」

千代車操縦手「はっ」

千代「これから私達は、私達以外の車両がCV33を1ヶ所に集めてくれている広場に突っ込み、近距離から殲滅する」

千代「───包囲網に入った後、私はハッチを開けて久し振りの戦場を感じたいから、貴女は自由に動いてくれて構わないわよ」

千代車操縦手「はっ!」(島田師範、私に任せるってことは完全にノリノリになってるな……)

千代「それと砲手」

千代車砲手「はっ」

千代「貴女も自由に発砲して構わないわ。心置きなく撃ちなさい」

千代車砲手「はっ!」

千代「……それじゃあ行きましょうか。……第2小隊全車、道を塞ぐ場所にて待機。今度こそ、島田流の真髄を見せてあげるわ」
288 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:06:09.92 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ───ピタッ


CV33 2号車「───えっ?」キャラキャラ──

CV33 3号車「……なんだ?奴等の動きが───」

ペパロニ「───止まった……?」


───ギャラギャラギャラッ(千代車)


CV33 2号車「……!……ね、姐さん……」ゴクリッ

ペパロニ「あぁ───おい、全車止まれっ!」


ギャラギャラ───ピタッ


ペパロニ「……」

ペパロニ「へっ、あいつ自ら私達の死地をお膳立てしてくれるって訳か……」

CV33 3号車「今度ばかりは、マジで助からないかもしれないっすね……」


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「ふんっ……まぁ、精一杯足掻いてみせるさっ!私はまた姐さんのそばに戻らなきゃならないからなっ!」


ギャラギャラギャラッ


ペパロニ「───それに、私はこの試合でまだ何の役にも立ててねぇ、このままやられちまったら───」


千代車操縦手「……行きますっ」グッ


ギャラギャラギャラッ!!!


ペパロニ「───自分自身を許せねぇ!!」ギャララララッ
289 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:07:46.22 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



ペパロニ「全車散れっ!!出来るだけ奴に近付くなっ!!」

CV33一同「「「はいっ!!」」」


キャララララッ


千代車操縦手「ふん、この私から逃げられるとでも思ってるのかしらっ!」グワァァンッ

CV33 28号車「ひゃあっ!?なにあの旋回───きゃあっ!!」バァァンッ(シュパッ)

千代車砲手「おい、もっと滑らかに運転できないのかっ!当て辛いだろ!」

千代車操縦手「あんたの腕が悪いだけじゃないの?」ニヤッ

千代車砲手「私は東富士演習場主催のスナイパー大会で2位の常連なんだぞっ!そんな訳あるかい!」プンスカ

千代車操縦手「なんで1位じゃないのよっ!そこは1位じゃないと説得力半減よ!」グィィンッ

千代車砲手「1位……は無理だ、あの人がいる限りなっ」ガコッズバァァンッ

千代車操縦手「えっ、誰よ1位の人?貴女がそこまで言うなんて珍しいわね……」ギャラギャラッ

千代車砲手「今はそんなことどうでもいいだろっ!運転に集中しろ集中っ!」ドゴォォンッ(シュパッ)

千代車操縦手「はいはい分かりましたよスナイパー(2位)さん」ギャララララッ

千代車砲手「いちいち鼻につく言い方をするなっ」バァァンッ


CV33 37号車「うわぁぁぁっ」(シュパッ)


CV33 3号車「っ、やっぱあいつ化け物っすよっ!!あんな重そうな戦車であんな動き出来るわけないですって!!」

ペパロニ「確かに、愛里寿のセンチュリオンみたいな動きだな……あの車両の乗組員の顔を拝んでみたいぜっ……」

CV33 18号車「ペパロニ姐さんっ、このままじゃ全車あいつにやられてしまいますっ!!」ヒィィィ

ペパロニ「2、3号車以外はあいつを中心に大回りに走って、どうにかして包囲を突破してくれっ!あいつと戦うよりかは外周のやつらと戦う方がマシだっ!」

CV33一同「「「はぃっ!!」」」(必死)
290 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:09:30.42 ID:p1z9qmh+0

千代「……」

千代「」ガチャ(ハッチ)


ブワァァァ───(なびく髪)


千代(……ふふっ、やはり戦場は刺激的だわ……)

千代「……」チラッ


第2小隊副隊長「外周に近づくCV33には容赦するなっ!島田殿の方に追い返せっ!」ズバァァンッ


千代「……」チラッ


第2小隊E75六号車「うわぁぁもうっ、機銃が鬱陶しいっ」カンカンカンカンッ

CV33 39号車「さっさとそこどかねぇと機銃ノックし続けるぞっ!」

第2小隊E75六号車「地味な嫌がらせ止めてっ!あんたちっちゃいから狙えないのよっ」


千代「……」チラッ


CV33 2号車「姐さんっ、また奴にストラッチアタックかましますかっ?」

ペパロニ「いやっ、周りに他のCV33がいるから無理だっ!事故るぞっ!」ギャラギャラ

CV33 3号車「じゃあ分度器作戦でもっ───」

ペパロニ「私その作戦しらねぇんだっ!」

CV33 3号車「えっ!?」シラナイッ!?


千代「……」フゥ

千代(……やはり戦車道は素晴らしい。か弱い乙女が無骨な戦車に乗り込んで、仲間と共に覇道を目指す───そんな光景が今、目の前にある)

千代(───私は今歓喜に包まれている。戦車道の発展に尽力してきた者として。……そして、彼女達と同じように、勝利の先に一体何があるのか確かめようとした者として───)

千代「……ッスー───」
291 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:10:52.89 ID:p1z9qmh+0

千代「───O Freunde, nicht diese T?ne───」

第2小隊E75十号車「……えっ?」カンカンカンッ

第2小隊E75九号車「何っ?命令ですかっ!?」ヨクキコエナイッ…

第2小隊副隊長「しっ、島田殿……?」ギャラギャラ…

千代「Sondern la?t uns───」

第2小隊E75三号車「……歌を……歌っているの?……」ズバァァンッ

千代「angenehmere anstimmen und───」

第2小隊E75四号車「……この歌は確か、ヴェートーベンの……」ガシャンッ

千代「───freudenvollere.」



───

CV33 2号車「姐さんっ、敵の動きが鈍くなりましたよっ!なんででしょうっ?」

ペパロニ「う〜ん知らんっ!だがこの機会を逃す手はねぇ!!今の内になんとしてでも包囲を突破するぞっ!!」ギャラギャラギャラギャラ

───



第2小隊副隊長「……島田殿、今のは───」

千代「───……おお友よ、このような音ではない。我々はもっと心地よい、もっと歓喜に満ち溢れる歌を、歌おうではないか───」

第2小隊副隊長「……?」

千代「……貴女は知ってるかしら?私の愛娘である愛里寿はね、本気で敵と戦う前や気分が高揚した時には必ず『おいらボコだぜ』を歌っているの───」カチッ


ドォォンッ

ズバァァンッ!!


CV33 14号車「うわぁっ!」(シュパッ)


千代「───つまりは、そう言うことよ」ニヤッ

第2小隊副隊長「っ!!」ゾワッ

第2小隊副隊長(……な、なんだ……今のは?……ただ島田殿の声を聞いただけなのに、恐怖が魂底から沸き起こってくるような……これが、『日本戦車道ここにあり』と言わしめた島田流を率いる者のオーラ……っ)

千代「フンフンフンフンフーンフフーン───」

千代「……さぁ、共に歌いましょう───」

千代「───歓喜の歌をっ!」
292 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:12:05.75 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



───ギャラギャラギャラッ


CV33 16号車「…っ!姐さん、敵の動きがまた活発に───うわぁ!!」ガシャァンッ(シュパッ)

ペパロニ「んっ?なんだどうしたっ!?活発にってどう言うことだ!?」

CV33 19号車「きゅっ、急に敵の動きが変わってっ……防戦一辺倒だったのに攻勢にっ……くぅっあっぶねぇ!」スパァン──ヒュンッ

ペパロニ「動きが……っ?……だが敵がその場から動いたのなら好都合だぞっ!退路を見つけられるかも───」


ピピッ


アンチョビ『おっおいペパロニっ!!緊急事態だっ!!』

ペパロニ「うぇ!?姐さんどうしたんっすかそんなに慌ててっ?」

アンチョビ『今まで私達と交戦してたE50がいきなりそっちに向かったっ!!挟み撃ちにされるぞっ!!』

ペパロニ「まじっすかっ!?」(驚愕)

アンチョビ『私達はE50を追撃しようと試みたんだがっ、どこかからの阻止射撃を食らってここに押し留められてるっ!だから早く逃げろっ!!』

ペパロニ「りょっ、了解っす!!」


ピッ


ペパロニ「……うへぇ、こりゃ流石の私も絶体絶命かっ……」クゥゥッ
293 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:17:34.66 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



ズドォォンッドゴォォンッ


千代「フンフンフンフン───」ズバァァンッ


CV33 35号車「うわぁぁぁ!」(ドゴォンッ)

ペパロニ「えぇいっ、こいつらだけの包囲網からも逃げられてないっつうのに、さっきのE50まで来やがったらっ……」チッ

CV33 2号車「ほ、報告っ!西側に新たな敵影を確認っ!!」

ペパロニ「うぉいもう来たのかっ!?」ハエェヨッ


ギャラギャラギャラッ


第5小隊隊長「島田殿っ、第5小隊只今増援に駆けつけましたっ」

第5小隊副隊長(……あれ、見た感じ第2小隊だけでも十分なくらい蹂躙してるような……)ウーン…

千代「戦闘を中断させてすまないわね。早速だけど北側に戦力を集中させてくれないかしら?敵の逃げ道を出来るだけ減らし、私が包囲網の内部で敵を一気に叩くわ」ギャラギャラッ

第5小隊隊長「はっ!」

第5小隊副隊長「はっ……島田殿の車両のみで敵を……?」

千代「えぇ。第2小隊の他の車両や第5小隊には悪いけど、少し私のわがままに付き合って欲しいの」ニコッ

第5小隊副隊長「はっ、はいっ!」(逆らったらヤバイやつだなこれは……)

千代「それじゃあ北側道路の封鎖はお願いね?」

第5小隊隊長「はっ!」

第5小隊副隊長「はっ!」

千代「……」チラッ


ペパロニ「くっそぉっ、更に包囲が頑強にっ……」キャラキャラッ

CV33 2号車「流石の私達もここまでかもぉっ!」

CV33 3号車「諦めんなっ!!……って叫びたいけど、八方塞がり&四面楚歌だもんなぁ……」キャラキャラッ

ペパロニ「兎に角動き回れっ、敵の砲撃を掻い潜りながら隙を探すんだっ!」パパパパパッ


千代(……頑張っているわね……)
294 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:18:27.53 ID:p1z9qmh+0

千代「……さぁ、そろそろクライマックスと洒落込みましょうか!」

千代車操縦手「……いかがなさいますか?」

千代「貴女が思ったままに車両を動かしなさい、貴女なら命令がなくとも素晴らしい動きをしてくれると分かってるわ」ニコッ

千代車操縦手「はっ!」

千代「あなたもよ、砲手」

千代車砲手「はっ」

千代「貴方は島田流門下生の中でもピカイチの狙撃能力を持っている……この場で存分に振るいなさい」

千代車砲手「はっ!」

千代「……」

千代(アンツィオの若き乙女達、貴女達は本当によく頑張った……でも、貴女達は知らなければならない。この世界には、絶対に越えられない存在があると言うことを───)
295 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:19:46.43 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



CV33 31号車「ぐわぁぁっ!」(シュパッ)

CV33 38号車「ぐふぅっ」(シュパッ)

ペパロニ「ちぃ、もう敵の方が車両数勝ってるんじゃないのか!?」

CV33 2号車「確かにっ、すれ違う戦車が敵の方が多くなってきましたねっ!」ヒュンッ

CV33 3号車「もぅ無理っすよぉペパロニ姐さぁぁぁぁん!!」ウワァァンッ

ペパロニ「まだだ、まだ諦めるなぁ!!」ギャララララッ


ズバァァンッシュバァァンッ


千代車操縦手「おりゃおりゃおりゃぁぁぁ!!」ギャララララッ

千代車砲手「次───ドオンッ、次───ドオンッ、次───」ドゴンズバァンドガァン

千代「……」

千代(……本当に、あの3両は強いわね。私の自慢の門下生の攻勢を、危なげながらも避け続けている……)

千代「……」

千代(───これだから戦車道は面白い!)ガバッ

千代(単純な力の優劣ではないっ、天才的な戦術や戦車の性能でもないっ)

千代(もっと潜在的な何かが戦車道の根底には存在している!)

千代(私はそれを知りたい───いや、恐らくその答えは出ている)

千代(私は……私の心は、その答えが正しいのかどうかを知りたがっているんだわ)

千代(……)

千代(……今日、その答えが分かる気がする。しほが自衛隊戦を境に何かが変わったように、私も───)

千代「───ランランランラン───」スゥゥゥ
296 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:20:59.55 ID:p1z9qmh+0

千代「Freude, sch?ner G?tterfunken, Tochter aus Elysium(歓びよ、美しい神々の火花よ、エリジオン(楽園)の娘よ)」ヒュンッ,ヒュヒュンッ


ズバァァンッ(シュパッ)


ペパロニ「なっ、なんだ!?更に動きがっ───」ギャラギャラギャラッ


千代「wir betreten feuertrunken,?Himmlische, dein Heiligtum!(われらは熱き感動に酔いしれて
、天上の、御身の聖殿に踏み入ろう!)」ズババァンッ


ガシャァンッ、ズガァンッ!!


CV33 2号車「どっ……どうしてあのE75は……あんなに美しく戦えるの……?」

CV33 3号車「まるで……舞っているような……」ゴクリッ


千代「Deine Zauber binden wieder,?was die Mode streng geteilt?(この世の慣わしが厳しく分け隔てた者たちを、あなたの神秘なる力はふたたび結び合わせる)」カンカンッカンカンカンッ──ガシャンッ


ガシャァンッ!(シュパッ)

ズバァァンッ!!(シュパッ)


ペパロニ「くそぅっ、なんで高機動のCV33に、あんな平然とっ……!!」ギュルルルンッ

CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、このままではっ……!」ヒュンッ

ペパロニ「あぁ、もしかしなくても全滅かもなっ!!」バババババッ

CV33 2号車「不味いっすよっ──おわっ!」ヒュンッ──


千代「alle Menschen werden Br?der,?wo dein sanfter Fl?gel weilt.(御身の優しい翼の憩うところ、すべての人が兄弟となる)」──ヒュンッ


ガシャァァンッ!(シュパパパッ)


ペパロニ「くっ……今生き残ってるのは!?」

CV33 2号車「私達を含めて5両ですっ!」

CV33 3号車「5両っ!?40両もいたのに───」

ペパロニ「へっ、5両もいりゃあ十分だっ!おいっ、全車私に付いてこいっ!!」ギャララララッ

CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、なにをっ……?」

ペパロニ「決まってんだろっ!南に突っ込むんだ!こんままうだうだあいつとジャレてても何も変わんねぇ!!覚悟を決めろぉぉっ!!」ギャラランッ
297 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:22:25.54 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



第2小隊E75四号車「す……凄い……」ゴクリッ

第2小隊E75三号車「せっ、戦車に、あんな動きが可能なんですか……」ボウゼン

第2小隊副隊長「お前達もよく見ておくといい。島田殿のあのようなお姿は、もう2度とお目にかかれないだろうからな……」


ブゥゥゥゥンッ───


ペパロニ「どけどけぇ!!」ブンブンブーンッ

第2小隊副隊長「……なっ!?奴等逃げるつもりかっ!三号車っ」グワァァ

第2小隊E75三号車「はっ!」グワァァ



CV33 2号車「姐さんっ、E75が壁にっ───」

ペパロニ「くっそ……」(間に合わないか……っ)
298 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:23:39.29 ID:p1z9qmh+0

ギャラギャラギャラッ!!


CV33 20号車「うおぉぉぉぉっ!!」ブゥゥゥンッ

CV33 21号車「おうりゃぁぁっ!!」ブゥゥゥンッ

ペパロニ「えっ!?お前らちょっ───」


ガシャシャァンッ!!


第2小隊E75三号車車長「えっ!?こっ、こら豆戦車っ、そこをどきなさいっ!!」ギリギリギリッ──

第2小隊E75三号車操縦手「車長っ、豆戦車が履帯に挟まって動けませぇん!!」

第2小隊E75三号車車長「なにぃ!?」

CV33 20号車「だぁれがどけって言われてどくかぁっ!!」ムゥゥッ!!

CV33 21号車「姐さん達っ!私達が押さえてる内に早くっ!」ウガァッ

ペパロニ「お前らっ───」クッ

ペパロニ「───お前らのことっ、一生忘れないからなぁぁぁっ!!」グワァァンッ


ブゥゥゥゥンッ───

ズバァァンッ(シュパパッ)


CV33 20号車「へっ、アンツィオの意地を見たかっ!」ヘッヘッヘッ

CV33 21号車「これで私らの作戦は成功だなっ!」ハッハッハッ

千代「……まさかEシリーズ19両の包囲網から脱出するとはね……」パチパチパチ(拍手)
299 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:24:42.90 ID:p1z9qmh+0

第2小隊副隊長「あぁっ、南に……っ!、早く追わなければっ───」ギャラギャラギャラッ

千代「その必要はないわ。放っておきなさい」キャラキャラッ…

第2小隊副隊長「えっ?……しっ、しかし……」

千代「あの3両の技量は中々のもの……包囲の外で彼女らを仕留めるのは難しいわ」

第2小隊副隊長「それでは、CV33は放っておくので───」

千代「いえ、奥に潜り込んだCV33の始末は"あの部隊"に任せるわ。いくらこの場から逃げ仰せることの出来た彼女達でも、流石に次はないでしょう」

千代「……それよりも私達はすぐに、次の作戦の基点となる橋───狩川橋と飯泉橋を押さえに行かないと……ね?」

第2小隊副隊長「は、はいっ」

千代「……その作戦は言わば、高校連合側に致命的な楔を打ち込む為の布石。成功すれば、最早取り返しがつかないほど戦況が私達に傾くでしょうね」

第2小隊副隊長「……」ゴクリッ

千代「……さて、久し振りに戦ったからかしら、少し興奮してしまったわ」

第2小隊副隊長「……ん、少し……?」

千代「なにか?」

第2小隊副隊長「なにも御座いません」(即答)

千代「宜しい。……まぁCV33を取り逃した責任は私にもあるわ。貴女は次の作戦を失敗させないように全力を尽くしなさい」

第2小隊副隊長「はっ、はいっ!!」
300 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:26:19.88 ID:p1z9qmh+0

ピピッ


しほ『ちよきち、首尾は───と聞くまでもないわね。貴女少し暴れ過ぎよ?』

千代「そんなことないわしぽりん。まだまだ暴れ足りないわ」ウフフッ

しほ『CV33を貴女の車両だけで20両も倒してて良く言うわね……本当に島田流は親子共々血気盛んなのね……』

千代「西住流にだけは言われたくないわね」

しほ『はいはい……それで、これからどうするの?』

千代「そうねぇ……引き続き第2小隊は自由に動かしても構わないのかしら?」

しほ『えぇ。……狩川橋と飯泉橋のことさえ忘れなければね』

千代「忘れるわけないじゃない!───タブン」ボソッ

しほ『……最後の一言は聞かない方が良かったかしら?』

千代「あら、なんのこと?」シレッ

しほ『……まぁいいわ。貴女ほどの人が戦車道において出し抜かれる様なことはないでしょうし、好きにしなさい』

千代「感謝するわ。……それと、いつまでも戦地後方に引きこもってる貴女にお仕事をお願いしたいのだけど……」

しほ『人聞きの悪い言い方をしないで。後方指揮よ。後・方・指・揮』マッタク…

千代「ふっ、そう言うことにしておくわ。……そちらに子鼠が3匹潜り込んだわ。貴女の部隊で対処をお願いね?」

しほ『勝手に仕事を増やさないでくれないかしら』イラッ

千代「頼れるものは友達って言うじゃない?頼むわしぽりん!」

しほ『そんな猫なで声で言われても……分かったわ、なんとかする』

千代「恩に着るわ!」ウフフッ

しほ『はぁ……それじゃあ切るわよ。また何かあったら連絡しなさい。ちよきち』

千代「分かってるわよしぽりん。それじゃあ」


ピッ


千代「……さて、愛里寿はどこにいるのかしら……」エーット…

千代「……ふむ」(偵察小隊からの報告文書)

千代「……富士見大橋ね、それならあの作戦に便乗して愛里寿とも戦えるかしら……」タノシミネ…
301 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:27:39.98 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



ペパロニ「よしっ!、なんとか南に辿り着いたっ……!」

CV33 2号車「多大な犠牲は払いましたが、やりましたね!」グスッ

ペパロニ「あぁ!それじゃあアンチョビ姐さんに報告するかっ!」


ピッ


ペパロニ「もしもし姐さんっ?ペパロニっす!」

アンチョビ『おぉペパロニかっ!大丈夫か!?』

ペパロニ「はいっ!なんとか3両だけ南に潜り込むことが出来たっすっ!!」

アンチョビ『おぉぉ、よくやったぞ!これで他の部隊の作戦も動き出す───え、3両?』

ペパロニ「はいっ、3両っす!!」

アンチョビ『他の車両はどうした?』

ペパロニ「えぇっと、1、2、3号車以外は全部やられちゃいましたっ!」テヘッ

アンチョビ『……ぜ、ぜぜ全部っ!?あんだけいたCV33が37両もやられたのかっ!?』

ペパロニ「いやぁ〜参っちゃいますよねぇ!!なんかクソ強いやつが敵に1両いたんすよ!」

アンチョビ『そ、そうか……って、それじゃあミー中隊は、試合始まって早々4/5を失ったのか……?』ホエェ

ペパロニ「そうなりますかね?まぁ兎に角作戦目標は達成出来ましたし!あれっすよあれ、終わりよければ全て良しってやつですよ!」

アンチョビ『まっ……まだ何も終わってなぁぁぁいっっ!!』(魂の叫び)

カルパッチョ(むしろやっと始まったって感じですもんね……)
302 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:28:27.82 ID:p1z9qmh+0

〜〜〜〜〜



小田原球場観客席、中継モニター前



ザワザワザワ……


みほ「……」(絶句)

優花里「うわぁ……」

沙織「いやいやいやいや、あり得ないでしょぉぉ!!」

華「あの車両、島田千代さんが乗っていらっしゃるのですね……道理で……」

麻子「攻撃力皆無のCV33と、島田流家元の駆るE75が正面からぶつかったら、そりゃああなる」


カタカタカタカタっ───(モニターの音)


麻子「お、モニターに途中経過が発表されるぞ」


カタカタっ───カシャンッ!
303 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:29:17.61 ID:p1z9qmh+0

《第一次遭遇戦》

◇Eシリーズ側損失
第5小隊E50十号車 ×1

計1両


◇高校連合側損失
BT-5
セモヴェンテ三号車
セモヴェンテ四号車
CV33 4号車
CV33 5号車
CV33 6号車, etc.───
───CV33 39号車
CV33 40号車

計40両
304 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:30:06.97 ID:p1z9qmh+0

麻子「……悲惨だな」シミジミ

優花里「いやぁ、もう笑うしかないですねぇ……」アハハ……ハァ…

沙織「キルレシオ1:40って、何がどうなったらそんな数字になるの……」

華「あのような状況下でも生き残ったペパロニさんはやはり、素晴らしい操縦技術をお持ちなんですねぇ」

沙織「本当だよ〜、3両だけでも南に抜けられて本当に良かった……」ホッ

みほ「……」ジーッ(モニター)

みほ(高校連合・Eシリーズ軍団共に、他の部隊に目立った動きはなし……ムーミン中隊は橋を渡る準備をしてるみたいだけど、ミー中隊の偵察結果を待ってるのかな?)

みほ(……今の戦闘を見た限り、Eシリーズ軍団は全車お姉ちゃん級の戦力だと考えていい。普通に考えれば勝てるわけがないけど───)チラッ

みほ「───えっ?」

みほ「」(目を)ゴシゴシッ

みほ「───えっ?」(2回目)

優花里「……ん?どうかしましたか?」

みほ「いや、Eシリーズ軍団を写してるモニターのあの戦車───」サァー(蒼白)

優花里「ん?どれどれ〜……」チラッ

優花里「……へっ?……あっ、あああの車両は……!?」サァー(蒼白)
305 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:31:02.67 ID:p1z9qmh+0

優花里「あ、あんなのを持ってこられたらっ、MAUSすら正面からっ……!」ガクガク

みほ「お母さん……いくら非公式だからって設計図があるかないか分からない車両を持ち出すのは……」(諦め)

優花里「あっはは、いやぁ、流石西住流はなんでもありですねっ!見ていて楽しいですっ!」(思考停止)

みほ「機動性もまあまああるし、もしかしたらカールより危険かも───」

優花里「大丈夫ですよ西住殿っ!また会長達が飛んで倒してくれますよっ!」

みほ「優花里さん、大洗は参加してないんだ」(真顔)

優花里「あぁそうでしたね、不肖秋山、うっかりしてました!」

みほ「もう、秋山さんったらうっかりさんなんだから!」

みほ&優花里「は、はははっ───」

みほ&優花里「───はぁぁ……」ズーン

沙織「……なんか2人してモニターを見ながら笑ったり落ち込んだりしてるんだけど……」コワッ

麻子「放っておけ」

売り子「はぁい!熱いファイトを見ながら食べるあっつあつの焼きそばはいかがですかぁ!」

華「14パック下さいな」

売り子「まいどー」
306 :amano [saga]:2016/06/26(日) 23:31:44.32 ID:p1z9qmh+0


お待たせ致しました、次回やっと別の部隊に場面が移ります。

次回更新「不明(しばらく間を置いてから、3日に1回投稿を再度始めたいと思います)」

307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 02:15:39.92 ID:RapbAZjLo
まぁこのくらいの戦力差はあるよな
みほはこれ戦えなくて残念がってるのかな?
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 14:28:31.03 ID:wBuFPy4Ao
乙!
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 14:29:32.97 ID:LH2PXYBho
CV33すげえな
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/29(水) 15:37:13.01 ID:wqzOWwZEo
乙です
311 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:51:07.54 ID:wsldor890


お待たせ致しました。ようやく物語の大筋の微修正が完了したので、出来るだけ早め早めの投稿を始めていきたいと思います。

312 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:52:10.53 ID:wsldor890

〜〜〜〜〜



酒匂橋東側、連歌橋付近



まほ「───うむ、そうか……分かった、ご苦労だった」

アンチョビ『本っ当に済まないっ!もっと私の指揮がしっかりしていれば……』クッ

まほ「そう自責することはない。相手が悪かっただけだ」

アンチョビ『で、でも───』

まほ「確かに偵察の要となるCV33の大量損失はこの戦いにとって手痛いものだが、取り返しのつかないものではない」

まほ「それにお前は『敵領域に偵察部隊を送り込む』という作戦目標は達成している。次を頑張ればいい」

アンチョビ『そ、そうか───そうだな!私もクヨクヨしてられないな……!』

まほ「その意気だ……それじゃあもう切る。次の指示があるまで、付近を警戒しながらその場で待機していてくれ」

アンチョビ『了解っ!』


ピッ
313 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:53:23.79 ID:wsldor890

まほ「───カチューシャ。ケイ。聞いていたか?」カチャ…

ケイ「えぇ……出来れば聞きたくなかった内容だけどね……」

カチューシャ「あのすばしっこいCV33を、ものの10分で殲滅するなんて……」クラクラ

まほ「ふむ……アンチョビの報告が正確だとすると、ミー中隊はいきなり部隊の4/5が壊滅したことになる。幸いにも3両のみ、敵領域への侵入を果たしたようだが───」

カチューシャ「いっ……いくら乗組員がWACだからって、余りにも強過ぎない?」

まほ「お母様が召集したWACだ。ただのWACではないだろう」

ケイ「つまり……全員西住流上がりだったりしちゃうわけ?」

カチューシャ「字面だけで身震いのする内容ね……」

まほ「所々に島田流も混ざってたりしてな」

カチューシャ「そんなドッキリ要素いらないわよっ!」
314 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:54:34.96 ID:wsldor890

まほ「まぁともかくだ。我々高校連合はCV33の大量損失により、敵の配置等を詳しく知ることは難しくなったと言える」

ケイ「3両じゃ満足に敵情視察は出来ないわよねぇ……いまペパロニ達はどうしてるの?」

まほ「アンチョビによれば、市方神社と言う所に潜伏しているらしい。車体に『狙』と描かれている平べったい車両がペパロニ達のことを探しているらしく、迂闊に動けないようだ」

ケイ「『狙』って……狙撃部隊ってことかしら?」

まほ「恐らくな。アンチョビ達を封じ込めたと言う部隊がそれだろう」

カチューシャ「ちょっと、そんな状態で敵情視察なんて無理じゃないの?敵の配置が分からないと、私達もスナフキン中隊も動けないわよ?」

まほ「そうだな……敵の車両の方が圧倒的な格上である以上、無闇に攻撃しても損害ばかりが増えるだけだ。だからこそ敵の配置を確認し、出来るだけ裏を掻くような攻勢を仕掛けたいのだが……」

ケイ「hmm……中々上手くいかないものね」
315 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:55:51.63 ID:wsldor890

カチューシャ「ねぇねぇ!やっぱりミー中隊に頼りきりじゃなくて、私達も独自に偵察を出さない?」

まほ「さっきお前とノンナで話していたことか……やはりそうするか?」

カチューシャ「そうねぇ……高機動の車両で一気に橋を渡って敵の配置を確認して、その後可及的速やかにムーミン中隊とスナフキン中隊の連携攻撃を開始する───とかは?」

ケイ「いいんじゃない?いつ敵の方から攻めてくるとも分からないし、私達から仕掛けた方が動揺は誘えるしね!」

カチューシャ「既に西側に入っているペパロニ達には、隙を見て敵陣の奥の方を見てもらえばいいし!」

まほ「……そうだな、それじゃあ私達ムーミン中隊からも西側偵察部隊を編成するとしよう」

まほ「……と言うことで、ムーミン中隊による偵察作戦はプラウダとサンダースに任せる」
316 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:57:43.57 ID:wsldor890

カチューシャ「ん?黒森峰は動かないの?」

まほ「黒森峰は西湘バイパスを予定進撃ルートとしているが、いかんせんバイパスから降りられる地点が敵領域の中央付近にしかない。偵察車両を送り込むには目立ち過ぎる」

カチューシャ「あぁそう言うことね、それなら私達に任せときなさい!」

まほ「ああ、頼んだ」

ケイ「それじゃあ早速偵察隊の選定をしないとね!ってことで、アリサ頼んだわっ!」

アリサ「えっ、私に丸投げですかっ!?」ビクッ

ケイ「その言い方は良くないわねぇアリサ、貴女しかこの役目を全う出来ないと踏んでの抜擢よ?」

アリサ「え……」ドキンッ

ケイ「貴女なら私やナオミより的確な偵察部隊を編成できると思ったのだけれど、やっぱり貴女には重荷かしらねぇ……ここはナオミ辺りに───」

アリサ「その任っ、この私が引き受けさせて頂きますっ!!」ガバッ

ケイ「あら、大丈夫なのアリサ?」チラッ

アリサ「隊長にそこまで期待されて、むざむざ引き下がる訳にはいきませんっ!ここは私にお任せをっ!」

ケイ「あらそう!なら頼んだわよアリサ♪」

アリサ「はいっ!」キラキラ

ナオミ「……」

ナオミ(ちょろいなアリサ)フッ

まほ(完全に口車に乗せられてるな)
317 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:58:48.10 ID:wsldor890

カチューシャ「さて、私達もパパッと決めないとねぇ」

ノンナ「同志カチューシャ。ここは新車両の性能の確認の意味も含め、クラーラの駆るT-44を向かわせることを提案します」

カチューシャ「T-44?……あぁあのT-34の進化系みたいな奴ね!実際どのくらい強いの?」

ノンナ「試合前の仮性能テストでは、IS-2やKV-2を上回る総合評価を叩き出しています」

カチューシャ「はぁ!?カーベーたんはともかく貴女のIS-2にも勝ってるの!?」

ノンナ「えぇ。ですからこの偵察任務は初陣には最適かと」

クラーラ『私からもお願いします。この車両の性能を確かめてみたいのです(ロシア語)』

カチューシャ「……クラーラはなんて?」

ノンナ「私を選ばないと後でどうなるか分かりませんよ?、と言っています」

カチューシャ「ふぇ!?」ビクッ

クラーラ「そんなこと言っていませんっ!(日本語)」

カチューシャ「もうっ、ノンナはちゃんと訳しなさいっ!それとクラーラは最初から日本語で話しなさいっ!」

ノンナ「日本語は疲れるそうです」

カチューシャ「知らないわよっ!!」
318 :amano [saga]:2016/07/11(月) 12:59:32.63 ID:wsldor890


余談ですが『アハトゥンク・ガールズ&パンツァー2』を購入したので、これから車両関係の描写ミスは起こらない……と信じたい(フラグ)


ではでは

319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/13(水) 21:01:05.61 ID:QN2klZUAO
・・・まさか、「セーラー服と重戦車」の最終巻に出てた奴にしほさん乗ってるのか(滝汗)
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/14(木) 19:22:12.43 ID:+qH6JDx9o
乙です
321 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:20:25.39 ID:NcxpT9150

〜〜〜〜〜



まほ「……ふむ、決まったようだな」

カチューシャ「えぇ!プラウダはクラーラを当直司令とした高機動偵察部隊10両よ!」

クラーラ『同志カチューシャより賜ったT-44の真価を発揮できるよう尽力します(ロシア語)』

まほ『お前のプラウダでの武勇伝はよく聞いている。期待しているぞ(ロシア語)』

クラーラ『お任せを(ロシア語)』

カチューシャ「えっ、マホーシャもロシア語出来るの!?」

ノンナ「各校の士官クラスは皆話せますよ?話せないのは同志カチューシャと……アンツィオ高校ですかね」

カチューシャ「そうなのっ!?教育水準高っ!!」(愕然)

ニーナ「……」

ニーナ「……なしてノンナ副隊長はあげなサラッと嘘つくのかねぇ?」ホホエマシイケンドモ

アリーナ「カチューシャさんの反応が面白いからじゃないかな?あの人結構色々と真に受ける所があるし……」

ニーナ「いやぁそれにしても、プラウダ生ですらそげな話せねぇ北方言語をサラッと使うまほさんはすんげぇべ」

アリーナ「西住流って凄いんだねぇ」

ニーナ「んだんだ」
322 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:21:22.40 ID:NcxpT9150

ケイ「Heyまほ!私達は諜報の天才アリサを隊のリーダーに据えたわ!」

アリサ「その紹介絶対皮肉ってますよねっ!?」チョウホウノテンサイッ!?

まほ「車両数は……プラウダと同じ10両か。それじゃあ───諜報の天才アリサ」フフッ

アリサ「……今笑いましたよね?」

まほ「断じて有り得ない」

アリサ「そうですか」(諦観)

まほ「お前は多少の煩悩こそあれど、サンダースの副隊長に起用される程の戦術家であることは間違いない。しっかり頼むぞ」

アリサ「(多少の煩悩……)は、はいっ!」
323 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:22:31.26 ID:NcxpT9150

まほ「よし……クラーラとアリサは部隊を率いて橋のたもとで待機。指示次第すぐに橋を渡れるよう準備しておいてくれ」

クラーラ『了解致しました(ロシア語)』

アリサ「はいっ!」

まほ「さてと……」カチカチッカチッ


ピピッ


まほ「聞こえるか、愛里寿」

愛里寿『ん?随分と早い連絡だね』

まほ「あぁ、お前に作戦の変更を伝えようと思ってな」

愛里寿『変更?』

まほ「あぁ……今スナフキン中隊の配置はどうなっている?」

愛里寿『え〜っと……私達大学選抜が富士見大橋、聖グロが小田原厚木道路、知波単が飯泉橋を監視している』

まほ「そうか───よし、これよりお前に新たな作戦行動計画を伝える」
324 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:23:19.57 ID:NcxpT9150

まほ「これより我々ムーミン中隊は、ミー中隊とは別の偵察部隊を西側に送り込む。その偵察行動の結果次第、お前達スナフキン中隊に北からの攻撃を任せたい」

愛里寿『了解した……ミー中隊がかなりの痛手を負ったことは知っているが、ムーミン中隊が動かなければならない程壊滅的なのか?』

まほ「あぁ……CV33が37両やられた」

愛里寿『っ、37……っ?』

まほ「ペパロニによれば敵の第2小隊と交戦したらしいが、その隊長車が人外な強さだったらしい」

愛里寿『人外……』ゴクリッ

まほ「あぁ、一応注意しておいてくれ」

まほ「……それじゃあ切る。何かあったらすぐに連絡をくれ」

愛里寿『了解』


ピッ
325 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:26:52.65 ID:NcxpT9150

まほ「……クラーラ、アリサ、準備はいいか?」

クラーラ「……」チラッ

クラーラ「……皆さん、橋を渡る覚悟は出来ていますか?(日本語)」

T-34/85三号車「はいっ!」

T-34/85二号車「偵察の任を任されたこと、光栄に思いますっ!」

T-34/85九号車「我々は高校連合の勝利の為、この身を捧げる覚悟ですっ!!」

クラーラ『……とのことですので、我々は大丈夫です(ロシア語)』

まほ「あ、あぁ……」(……共産主義に洗脳されてないか?)

アリサ「私達も大丈夫ですっ!ねぇ皆っ!」

M4A1&M4「「「おぉぉっ!!」」」

まほ「今日は敵の通信を傍受することは出来ないが、頑張ってくれ」

アリサ「どれだけそのネタいじれば気が済むんですかぁっ!!」ムガーッ
326 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:28:18.03 ID:NcxpT9150

まほ「すまんすまん……カチューシャ、ケイ。後は頼んだぞ」

カチューシャ「えぇ!このカチューシャに任せなさいっ!」

ケイ「了解っ!」

カチューシャ「それじゃあプラウダ偵察部隊───」

ケイ「サンダース偵察部隊───」

カチューシャ&ケイ「「Танки вперед!!?/Go a head!!」」
327 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:29:10.11 ID:NcxpT9150

ムーミン中隊臨時偵察部隊編成

プラウダ
T-44(クラーラ)
T-34/85 ×9

サンダース
M4A1シャーマン ×5(内1両アリサ)
M4シャーマン ×5
328 :amano [saga]:2016/07/17(日) 18:30:04.26 ID:NcxpT9150


出来るだけ早め早めの投稿を始めていきたいと思います(大嘘)


次回更新『7/21 22:00』
※現在リアルの方で所用が立て込んでいる為遅れ気味


読み返すと説明描写ばかりですね……もっと戦闘描写を入れたいものです

ではでは

329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 19:00:57.75 ID:obzPneHIo
乙です
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/17(日) 20:20:28.15 ID:wn0OvXrao
乙!
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/18(月) 02:53:21.34 ID:stfJx4x20
2期発表までこれで食いつないでいけるな(期待)
332 :amano [saga]:2016/07/20(水) 22:22:19.94 ID:6JxEaDIb0


投稿時間を23:30に延長します、申し訳ありません

333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 23:12:39.60 ID:8kVc6XvO0
ゆっくりでいーよー
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 01:14:38.37 ID:mw046LP5o
待ってる
335 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:33:49.28 ID:OaJ/Qf8Y0

〜〜〜〜〜



富士見大橋東岸


愛里寿「───了解」


ピッ


愛里寿「ふぅ……」

ルミ「隊長っ、大学選抜全車両の配置が完了しました!」

愛里寿「うん、御苦労───ルミ」

ルミ「はい、なんでしょう!」

愛里寿「メグミとアズミはなんであんなにヘトヘトになってるの?」チラッ

メグミ「はぁ、はぁ、はぁ……」クテーン

アズミ「疲れたわぁ……」フゥ…

ルミ「あぁあれはですね、T28の速度が余りに遅かったのでパーシング10両でここまで押してきたんです!作戦行動に遅れてはいけないので!」

愛里寿「そうなんだ……でもなんで戦車で押してるのに中のメグミ達が疲れてるの?」

ルミ「中からも押したんじゃないですか?気合いだ〜って!」

愛里寿「そ、そう……」タジタジ

愛里寿(……あれ、そんなことをする人達がいるって伝説を聞いたことがあるような……)ウーン…
336 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:34:51.17 ID:OaJ/Qf8Y0

ルミ「ところで隊長、西住大隊長からはなんと?」

愛里寿「ん?あぁ、少し作戦に修正を加えると言う連絡だ」

ルミ「修正?それはどのような?」

愛里寿「うん、それは今からスナフキン中隊全体に無線で話す」カチカチッ


ピピッ


愛里寿「スナフキン中隊全車両に伝達。たった今西住大隊長から作戦変更の連絡があった」

ダージリン『作戦変更……ミー中隊の件かしら』フム

西『なにやら大損害を被(こうむ)ったとは聞いておりますが……』

愛里寿「うん。察しの通り、現在ミー中隊は強力な敵を前にその偵察能力を失っている」

愛里寿「そこでムーミン中隊は、先のミー中隊の壊滅的被害を受け別の偵察部隊を組織している。その偵察が終わり次第、我々スナフキン中隊は敵領域へ北から侵攻することになった」

ダージリン『ん、随分と行動計画が簡略化されたわね』

西『おぉ!それでは早速敵へ怒涛の吶喊を仕掛けるのでありますねっ!』

ダージリン『……西隊長、貴女達は大学選抜戦で、作戦と言うものの大切さを学んだのではなかったの?』ハァ…

西『こっ、これは失礼致しました!……ところで北からと言うのは、どこからでありますか?』
337 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:35:42.91 ID:OaJ/Qf8Y0

愛里寿「そうだね───私が今考えているのは、狩川と酒匂川に挟まれた地域に架かっている狩川橋からの侵攻かな」

西『狩川橋……』ペラッ(地図)

西『……なるほど、確かにここからならば、ムーミン中隊と共に敵の半包囲が可能でありますな!』

愛里寿「その通りだ───貴女から吶喊とか突撃以外の戦術的発言が聞けるとは思わなかった」ハンホウイ…チョットビックリ

西『え!?そ、それはどう言う意味でありますかっ?』

愛里寿「うんと……まぁ簡単に言えば誉めたつもりかな」

西『おぉ!なんと有り難きことでありましょうか!』カンゲキッ

ダージリン『……』

ダージリン(なんだかんだ言って、西さんも戦場を見る目は持ち合わせているのだけれどね……如何せん知波単魂が……ね)チョットモッタイナイワネ
338 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:36:58.78 ID:OaJ/Qf8Y0

愛里寿「……でだ。狩川橋からと言ってもスナフキン中隊は80両の大所帯。今回は迅速に西側に移動する為に飯泉橋も利用する」

愛里寿「と、言うことで知波単はそのまま飯泉橋手前で待機」

西『承知致しました!』

愛里寿「ムーミン中隊による偵察任務は比較的速やかに完了するだろうから、これよりすぐに大学選抜と聖グロリアーナはTSUTAYA蛍田店前交差点まで移動する」

愛里寿「西住大隊長から指示があり次第すぐに南下するから、各車迅速な行動を心がけること。……何か質問はある?」

ダージリン『……1つよろしいかしら?』

愛里寿「なに?」

ダージリン『私達がいなくなった後、小田原厚木道路の監視はいかがなさる?ここから裏を取られるとかなりの痛手よ?』

愛里寿「フム───」チラッ

愛里寿「───いや、小田原厚木道路は地上からそれほど高くない位置に建設されている。敵が来ていれば地上からでもすぐに分かる」

ダージリン『……となると、監視は必要ない……と』

愛里寿「そう言うことかな。幸運にも小田原市はかなり見通しがいい。小田原厚木道路を使って敵が来ようとしても早期に発見でき、地上から攻撃できる」

愛里寿「……それに、実は私も小田原厚木道路を活用できないか検討したんだけど、CV33とかの物凄く車高の低い車両でもない限り余りに目立ち過ぎて、敵から狙撃されてしまうからボツにしたんだ」

ダージリン『ふむ、確かにそうね……分かりましたわ。私からは以上よ』

愛里寿「うん。……他に質問がないなら、これより作戦行動を開始する。各校隊長は部隊行動指揮を始めて」
339 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:37:48.27 ID:OaJ/Qf8Y0

ダージリン『了解ですわ』

西『心得ましたっ!』


ピッ


愛里寿「……と言うことで、部隊配置が終わった直後で悪いが、我々もすぐにここを出発する。全車富士見大橋のたもとに集結」キャラキャラキャラ

メグミ「くぅぅ、またこの鈍足亀さんを運ばないといけないのねぇ……」

アズミ「せめて左右外側履帯でも外してくれれば楽なんだけどね……」ハァ

T28車長「駄目です!履帯を外したら折角の防御力が半減してしまいます!」

アズミ「それなら中の貴女達がもっと痩せたらいいんじゃない?」

メグミ「おお!ナイスアイデア!」ビシィ

T28車長「どこがナイスなんですかぁ!!」
340 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:38:40.94 ID:OaJ/Qf8Y0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ───


ローズヒップ「さぁ、どんどん飛ばしちゃいますわよぉ〜っ!!」ギャララララッ

クロムウェル一号車「ローズヒップ様っ、待って下さいぃ!!」ギャラララランッ

クロムウェル二号車「クロムウェルも十分速いですけど、コメットはもう……」ヘロヘロー

クロムウェル一号車「文字通り『流星』の如き……あぁ、置いてかないでぇ!!」


……コト…(ティーカップ)


ダージリン「……さて、ローズヒップ達も新たな車両を満喫していることですし、私共も参りましょうか」

オレンジペコ「クロムウェルの方々は満喫と言う言葉からは程遠いかと……」

ダージリン「細かいことはいいのよオレンジペコ」

オレンジペコ「はぁ」

ダージリン「それよりもオレンジペコ。このブラックプリンスなる車両、中々快適な乗り心地だと思わない?」

オレンジペコ「言われてみれば……チャーチルと比べて一回り大きいですし、居住性は改善されているんじゃないでしょうか」
341 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:39:29.60 ID:OaJ/Qf8Y0

ダージリン「ねぇ、もうチャーチルに戻らずにこちらを使い続けたり───」

オレンジペコ「駄目です」ビシッ

ダージリン「もう、オレンジペコのケチ!」プンプン

オレンジペコ「どれだけ拗ねても駄目です。……だいたいブラックプリンスは聖グロOB会の方々が快く貸して下さっているものですよ?」

ダージリン「OB会のものは聖グロのもの、聖グロのものは私のものではなくて?」シャララーン

オレンジペコ「2つ目のプロセスには賛同しかねます」

ダージリン「もう!貴女はいつからそんな反抗期になってしまったと言うのっ!」ムムムー

アッサム「……」

アッサム「……そろそろ出発しませんか?」モウワタシタチシカイマセンガ…
342 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:40:27.08 ID:OaJ/Qf8Y0

〜〜〜〜〜



西「───と言った感じだっ!皆分かったか!」

玉田「はいっ!時が来次第全車で吶かっ───連携攻撃をするのでありますねっ!!」

寺本「勿論でありますっ!オイを筆頭として吶っ───ムーミン中隊の援護攻撃をするのですね!!」

福田(先輩方っ、理解度が危なっかしいでありますっ)

西「その通りだっ!作戦の都合上我々知波単はすぐには動かないが、きたるべき時を待ち英気を養っておけっ!」

知波単一同「「「はいっ!!」」」

西「……」

西「……」キョロキョロ

西「……いやぁ〜それにしても、何度見返してもこのオイなる車両、実に頑強な体躯だなぁ……」フム…
343 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:41:51.82 ID:OaJ/Qf8Y0

細見「わたくしがこれまで見たことのある車両の中では、かぁるの次に大きい気がしますわ!」

玉田「ひっくり返した卵焼き器のような容貌だったてぃー二十八と比較しても互角……いや、それ以上の巨躯かもしれませぬなぁ!」

西「そうだなぁ!……それに目を見張るのはなんと言ってもこの大砲だ!一体どれだけの破壊力を持っているのやら……」ナデナデ


───キラッ


西「……ん?」チラッ

福田「……どうかなされましたか?」

西「……」

西「……いや、気のせいだろうな───何でもない!」

福田「そうでありますか」

西(……今、何か光ったような───)ンン?
344 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:43:51.31 ID:OaJ/Qf8Y0

〜〜〜〜〜



小田原市立足柄小学校校庭



───ピピッ


?『───再度対象を確認、我々の存在の確証には至らなかった模様。over』

千代「了解……この通信は同時に話せるから、overは付けなくてもいいわよ?」

?『あっ、これは失礼しました』

千代「……さて、ムーミン中隊の逐次的な戦力の派遣───まぁ偵察なんでしょうけど───と、それに呼応するような大学選抜と聖グロリアーナの西側への移動の開始……」

千代「これで我々の作戦の第一段階、『敵主力部隊の分断及び殲滅』が可能になった訳ね……」

?『……我々が攻勢に出るタイミングは、第2小隊突入のタイミングに合わせる……で間違いありませんか?』

千代「そうね。……くれぐれもそれまでに、敵に見つかるなんて事がないように。……いくら貴女達の薄さでも、限度はあるわよ」

?「以後、気を付けます」

千代「よろしい。では引き続き敵の監視をお願いね」

?「はっ。では」


ピッ


千代「……さてと」
345 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:49:03.36 ID:OaJ/Qf8Y0

ピピッ


千代「しぽりん聞こえる?」

しほ『えぇ、聞こえてるわ』

千代「偵察小隊によれば、そろそろスナフキン中隊を潰すチャンスが来るらしいわよ?」

しほ『そのようね。……そろそろこちらからも攻勢をかけないと面白くないと思っていたから、丁度良かったわ』

千代「なんの心配をしているのやら……取り逃したCV33は見つかったの?」

しほ『いいえ。狙撃小隊に探させてはいるけど……まぁ放っておいても害はないから、見つからなければそれでいいわ』

千代「なるほどね……私は貴女達第1小隊が探した方がすぐに見つけれると思ったのだけれどね───」

しほ『私もそれは検討したのだけれどね……流石に指揮官が指揮そっちのけで残党狩りは不味いじゃない?』

千代「そう言うものかしら……ミー中隊の残存兵力はどうするの?」

しほ『そちらは引き続き狙撃小隊に見張っていて貰うわ。脅威にはならないCV33とは違って、あちらには"白銀の魔女"もいる』

千代「白銀の魔女ねぇ……そんなに継続高校は脅威なのかしら」

しほ『……正直私にも良く分からないけれど……あのミカと言う人物からは、何か得体の知れない不安を感じるわ……』

千代「貴女がそこまで感じるのなら、そうなんでしょうね───それじゃあ私は行くわ。戦場での感動の親子の再会が私を待っている」

しほ『真面目な口調で何口走ってるんだか───くれぐれも慢心だけはしては駄目よ』

千代「ご忠告感謝致します」フフッ

千代「ではでは〜」


ピッ


千代「……さぁ行きましょう!愛娘が戦場で待っている!」ギャラギャラキャラ───
346 :amano [saga]:2016/07/21(木) 23:49:55.47 ID:OaJ/Qf8Y0


次回更新「7/24 22:00」

次回から本格的な戦闘描写あり

347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 07:23:05.42 ID:HPH+Zpuho
乙です
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 21:00:34.62 ID:fRZc9Vsgo
乙!
349 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:09:48.14 ID:HzY/vwvO0

〜〜〜〜〜



しほ「……」


ギャラギャラギャラ───


元10式操縦手「西住師範、第5小隊及び第2小隊の突入準備が完了致しました」

元10式操縦手「第3小隊第4小隊に関しましても、偵察小隊の遠方からの誘導により、敵斥候に発見されずに配置を完了しております」

しほ「よろしい。……偵察小隊に伝達。『ムーミン中隊本隊が橋を渡り始め次第、各部隊に行動開始命令を出せ』」

元10式操縦手「はっ」

しほ「……」

元10式砲手「西住師範!狙撃小隊の再配置が完了しました!」

しほ「よろしい……ミー中隊はまだ諏訪神社付近にいるの?」

元10式砲手「そのようです!」

しほ「ふむ……分かったわ、ありがとう」

元10式砲手「……西住師範、1つよろしいですか?」

しほ「何かしら?」
350 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:10:40.55 ID:HzY/vwvO0

元10式砲手「もうすぐ高校連合との全面戦闘が始まりますが、我々第1小隊はまだ出撃しないのですか?」

しほ「そうね。今のところ各予測戦闘地点で戦力的不安要素はない。第1小隊は危なくなったところに駆けつけるスタンスを取るわ」

元10式砲手「なるほどですね……では、蝶野1等陸尉の指揮するあの部隊は───」

しほ「あの部隊は……そうね、中々インパクトのあることをする……とだけ言っておくわ」フフッ

元10式砲手「?」

しほ「そんなことよりほら、貴女は仮にも副司令なんだから、自分の職務に戻りなさい」

元10式砲手「あっ、はい!」

しほ「……」

しほ(私の予測では、高校連合はその数が仇となって指揮系統を上手く作り上げることが出来ていない。これから始まる作戦ではそこを突かせて貰うわよ……)
351 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:11:42.48 ID:HzY/vwvO0

〜〜〜〜〜



小田原市立酒匂中学校校庭


ピピッ


まほ「サンダース偵察部隊、進捗状況はどうだ?」

アリサ『辺りを警戒しながら進んでいるんですが、今のところ敵の姿は見当たりませんね』

まほ「そうか、了解した」

まほ「プラウダ偵察部隊の方はどうだ?」

クラーラ『敵影はなし。不気味なほど静かです(ロシア語)』

まほ「そうか……了解」

まほ(ふむ……お母様はかなり西側に陣形を置いているのか?仮にそうだとしたら一体どこに───)

カチューシャ「マホーシャ!これで敵は久野川まではいないってことが分かったんだし、そろそろ私達も前進しない?」

まほ「……ちょっと待ってくれ」カチカチ
352 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:12:38.08 ID:HzY/vwvO0

ピピッ


まほ「ペパロニ、聞こえるか」

ペパロニ『うぇ!?大隊長が直接何の用っすか!?』ビックリシタァ

まほ「少し聞きたいことがあってな……お前はまだ市方神社にいるのか?」

ペパロニ『いえっ!平たい奴等がどっか行ったんで、今は辺りを警戒しながら少しずつ南下してるっす!』

まほ「そうか。と言うことは、お前のいる場所周辺には敵はいない訳だな?」

ペパロニ『え?……ん〜まぁそぉっすね!』

まほ「よし分かった、ありがとう。引き続き任務に当たってくれ」

ペパロニ『了解っす!』


ピッ


まほ「……」

カチューシャ「ちょっとマホーシャ?どうしたの?」

まほ「いや───」
353 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:14:09.53 ID:HzY/vwvO0

まほ(ペパロニの周辺にも敵影はなし……と言うことは、敵中心戦力は小田原市街地にいる……と考えるのが妥当か)

まほ「───よし、カチューシャ。ケイ。これよりムーミン中隊は少しずつ前線を押し上げていこうと思うが……2人の意見を聞きたい」

カチューシャ「私は賛成よ!同志を一方的にボコボコにされていつまでも黙ってられないわっ!」

ケイ「私もいつでも攻撃準備は出来てるわよ?このT29の最強装甲で敵陣を突き抜いてやるわ!」

まほ「ふ、それほどの威勢があれば安心だな……」

まほ「……エリカ」

エリカ「はいっ」

まほ「さっきも話したが、私はスナフキン中隊と連携を取りながら全体指揮をしなければならない。だからお前に西湘バイパス侵攻の指揮を任せたい」

エリカ「は、はいっ!責任を持って務めさせて頂きますっ!」

まほ「頼んだ……それでは各校隊長は橋を渡る準備を始めろ。私はスナフキン中隊に連絡を取る」

カチューシャ「まっかせときなさいっ!行くわよ同志達っ!」ギャラギャラギャラ

ケイ「皆私に付いてきて!アメリカンスピリッツを見せつけるのよっ!Hurry up!」キャラキャラキャラ

エリカ「黒森峰はMAUS二号車を先頭に西進する!西住大隊長とその護衛を除いた全車は西湘バイパスへ!」
354 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:15:11.74 ID:HzY/vwvO0

ギャラギャラギャラ───


まほ「───スナフキン中隊へ通達。これよりムーミン中隊は敵領域への侵攻を開始する。スナフキン中隊も南下を始めてくれ。以上」

愛里寿『了解』

まほ「───ミー中隊へ通達。これよりムーミン中隊及びスナフキン中隊は敵領域への侵攻を開始するが、無理のない範囲でスナフキン中隊との合流を目指せ。そのままでは遊兵になってしまう」

アンチョビ『りょ、了解した!』

まほ「それと、ペパロニからの連絡はかなり貴重なものだ。何かめぼしい報告があれば私に知らせるように。以上」

アンチョビ『あぁ、任せておけ!』

まほ「───サンダース、プラウダ偵察部隊は久野川手前で待機。後続を待て」

アリサ『了解!』

クラーラ『了解です(ロシア語)』

まほ「……よし……」(帽子を被り直す)

まほ(……そろそろお互いの主力が遭遇する頃合いだ。一体我々はどれほどお母様達に通用するのだろうか……)(一抹の不安)

まほ(───いや、不安を口にしてもしょうがないな。相手が誰であろうと、私は仲間の為に勝たなければならない。───それだけだ)キッ
355 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:16:33.09 ID:HzY/vwvO0

〜〜〜〜〜



酒匂橋西側、川沿いの住宅地


第4小隊E75二号車「……」

第4小隊E75一号車「……」

第4小隊E75二号車「……あの」

第4小隊E75一号車「うん?」

第4小隊E75二号車「あの数に勝てると思います?」

第4小隊E75一号車「……」チラッ


橋を渡り始めたサンダース本隊


第4小隊E75一号車「……」

第4小隊E75一号車「……正直に言っていい?」

第4小隊E75二号車「はい」

第4小隊E75一号車「……ムーリー」(投げやり)

第4小隊E75二号車「やっぱそう思いますよね!?2両で50両相手取るってどうかしてますよね!?」ダンッ
356 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:18:42.06 ID:HzY/vwvO0

第4小隊E75一号車「まぁまぁ落ち着きなさいって、何も真正面から正々堂々戦えとは言われてないでしょう?」

第4小隊E75二号車「それはそうですけど……」

第4小隊E75一号車「私達の任務は橋を渡っている最中の敵を攻撃して相手の混乱を誘発すること。簡単なことじゃないの」

第4小隊E75二号車「むぅ……でもだからって2両で1つの橋を担当って、ちょっと少な過ぎません?確か小田原大橋の第3小隊もE75二両での任務ですよね?」

第4小隊E75一号車「E50は偵察部隊を狩らないといけないからしょうがないの。それにE75なら、相手が反撃してきても撃破される心配は少ないでしょう?」

第4小隊E75二号車「それは……そうですねぇ。この戦車無駄に硬いですもんね」コンコンッ

第4小隊E75一号車「無駄にってなによ無駄にって」

第4小隊E75二号車「だって正面なら同じE75でも貫通出来ないんですよ?こんな化け物作ろうとしたドイツ怖いですわぁ」

第4小隊E75一号車「昔の人は今の戦車を見て化け物と思うでしょうね」

第4小隊E75二号車「そうですねぇ」


ピピッ


偵察小隊?号車『第3第4小隊へ。攻撃を開始せよ。攻撃を開始せよ』

第4小隊E75一&二号車「「了解っ!!」」


ピッ


第4小隊E75一号車「……さてさて……」ググッ(背伸び)

第4小隊E75二号車「まずはどうします?」

第4小隊E75一号車「そうねぇ……まずは───」


ギャラギャラギャラ(先頭のT29)


第4小隊E75一号車「───戦術の定石、補給線(退路)の断絶……しちゃいましょうか」
357 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:19:35.30 ID:HzY/vwvO0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ───


ケイ「フンフフンフフンフフン───」ギャラギャラギャラ

ナオミ「各車は車間距離10mを維持、後続は2列で橋を渡れ」

ケイ「Heyナオミ!貴女は後方からの援護射撃よろしくね!」

ナオミ「あぁ、任せてくれ」

ケイ「……」

ケイ(……Hmm、私達の西側への侵攻を防ぐには酒匂川に架かる橋を押さえた方が敵に取っては良いと思うんだけど……敵は一体どこにいるのかしら?)

まほ「ケイ、橋を渡り切った後はどうする?」

ケイ「え?そうねぇ……カチューシャはどうするつもりなの?」

カチューシャ「私?私は全車を率いて町田小学校まで一気に進むつもりよ」

まほ「そうか。……ならサンダースもプラウダと同じくらい進んだ方がいいだろうな」

ケイ「分かったわ!黒森峰はどうするの?」

まほ「我々は───エリカ」

エリカ「はいっ」
358 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:20:37.03 ID:HzY/vwvO0

まほ「黒森峰はしばらく西湘バイパスから降りずに、南からプラウダとサンダースの援護射撃をする。その手筈で部隊を動かしてくれ」

エリカ「はいっ、分かりました!えぇっと……陣形を攻Bから横Αに変更!急ぎなさい!」

黒森峰一同「「「はっ!」」」

ケイ「へぇ、流石は黒森峰、迅速な陣形変更ねぇ……よぉし!私達も負けてられないわよっ!!」

サンダース一同「「「はいっ!!」」」


───チラッ


第4小隊E75一号車「……」スーッ、ハァァ…

第4小隊E75二号車「……狙いは、先頭から数えて6列目のシャーマンでいいんですよね?」

第4小隊E75一号車「えぇ。……いい?必ず初弾で撃破するのよ?」

第4小隊E75二号車「任せといて下さいよ!富士の狙撃大会では4位だったんですから!」

第4小隊E75一号車「はいはい……それじゃあ、カウント10でいくわよ」グッ

第4小隊E75二号車「りょーかい!」
359 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:21:25.78 ID:HzY/vwvO0

第4小隊E75一号車「よし、10、9、8───」


ケイ「そろそろ橋の中腹ね……」ギャラギャラギャラ


第4小隊E75一号車「───5、4───」


ケイ「……?」


第4小隊E75一号車「───2、1」


ケイ「……雨雲が───」


第4小隊E75一号車「───発砲」カチッ


ズババァァァンッッ!!


ケイ「?!!」


───ヒュンッ

ガシャァァンッ!!


M4A1シャーマン14「きゃぁぁっ!!」(シュパッ)

M4A1シャーマン15「ぎゃあっ」(シュパッ)

ケイ「なっ!?」

まほ「っ、どうしたっ」
360 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:23:34.31 ID:HzY/vwvO0

ケイ「てっ……、敵襲よっ!!」

まほ「敵襲っ!?敵はいないのではなかったのか!?」


ガシャァァンッ(シュパパッ)


カチューシャ「えぇ!?ど、どこからっ……」

まほ「っ!カチューシャっ、そっちもやられたのかっ」

カチューシャ「え!?う、うんっ、なんかいきなり───」ナニッ!?

まほ「っ……」

まほ(くっ……敵は、偵察部隊に発見されないよう立ち回っていたとでも言うのか……っ)グッ

まほ「……ムーミン中隊は全車戦闘態勢に入れっ!ここは安全の確保された後陣ではないっ!」

カチューシャ「くっ……なにしてるのっ!早くどこから撃たれたのかを突き止めなさいっ!!」

ケイ「もうっ、いきなり出鼻を挫かれるなんて……っ」


───ヒュンッ

ガシャシャァァンッ!!(シュパッ)


ケイ「……っ!」チラッ

ケイ「……あっ、あそこからよ!橋を挟むように2両いるわっ!」ユビサシッ

まほ「くっ」バッ(望遠鏡)

まほ(……あのTigerUに似たフォルムは……)

まほ「……E75か……っ!!」
361 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:24:32.66 ID:HzY/vwvO0

ケイ「くっ、1度部隊を後退させないとっ、橋の上では不利だわ……っ」

M4A1シャーマン11「だっ……駄目です隊長っ!撃破された車両が障害になって後退不可能ですっ!!」

ケイ「なんですって!?」クルッ


M4A1シャーマン15(撃破済)「隊長すみませぇん!」

M4A1シャーマン12(撃破済)「思いっきり塞いでますね私達……」


ケイ「くぅ……」

ケイ(敵は、最初からこれを狙って……)

ケイ「……撃破された車両より後方にいる車両は迅速に後退っ、後退出来ない車両は私の後ろに隠れてっ!!」

ケイ「ナオミっ、そこから対岸の敵を狙えるっ!?」

ナオミ「あぁっ、任せてくれっ」キュラキュラッ…

ナオミ「サンダース狙撃部隊っ、奴等の鼻先に鉛玉をお見舞いしてやれっ、Fire!!」


ズバァァァンッシュバァァンッ!!
362 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:25:50.39 ID:HzY/vwvO0

第4小隊E75二号車「……気づかれたっぽいですね」……ヒュンッギィィンッ

第4小隊E75一号車「そりゃそうでしょうね……まぁ、今見える中でE75を撃破出来る車両は見当たらない。私達はここで、鉄塊ノックを聞きながら敵の侵攻を食い止め続ければいいの」キーンッ

第4小隊E75二号車「嫌なノックですねぇ」カチッバァァンッ

第4小隊E75一号車「嫌なことでもちゃんとこなさないと人生やってけないわ……よっ!!」ズバァァァンッ
363 :amano [saga]:2016/07/24(日) 22:26:44.86 ID:HzY/vwvO0


次回更新「7/31 21:00」

次回更新に合わせ、件の別作品についてのアンケートを取ろうと思います

ではでは

364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/24(日) 23:49:06.33 ID:3lGUJPTPo
乙です
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/27(水) 10:48:04.26 ID:I7qbXjwuO
乙、少し登場人物多すぎて頭が混乱してきたわ
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/28(木) 14:40:16.56 ID:LUV08OWio
乙!
367 :amano [saga]:2016/07/29(金) 00:44:08.70 ID:AvFqZeAX0

>>365 さんの言う通りですね。と言うことで、味方はいいとして、敵サイドに関するちょっとしたまとめです。



《今回の敵》
・Eシリーズで構成された『ドイツ特別戦車部隊』
・兵員は西住しほ、島田千代の2名以外全員WACの化け物部隊。

《構成》(諸情報追加ver)
第1小隊
E100 ×1(しほ)
E75 ×2(元10式操縦手、元10式砲手)
E50 ×8

第2小隊
E75 ×10(千代)

第3小隊
E75 ×2
E50 ×6

第4小隊
E75 ×2
E50 ×6

第5小隊
E50 ×10

偵察小隊
? ×10

狙撃小隊
E25 ×6

秘匿小隊
? ×1(蝶野)
E50 ×4

総計68両
368 :amano [saga]:2016/07/29(金) 00:49:49.36 ID:AvFqZeAX0


《敵側でこれまで出てきた主なキャラ》
・西住しほ
言わずと知れた西住流家元。戦車道は勝つことが全てじゃないと娘のみほに教えられ、戦車道を楽しむことを目的に今回の小田原での試合を計画する。原作との相違点として、このss内ではかなり寛大な性格。
・島田千代
西住流と双璧をなす島田流の家元。しほに誘われ試合に参加。最初は面倒臭がっていたが、相手に愛里寿がいると聞いて即参加を決断。このss内では少しテンション高め。
・蝶野亜美
陸上自衛隊一等陸尉。もの凄くアバウトな性格。今回の試合には自主的に参加。試合では秘匿小隊の隊長車を操るが・・・その全貌は未だ明らかになっていない。
・元10式装填手
名前の通り。かなり真面目で頼り甲斐のある、いわゆる参謀タイプ。しほから誘われ今回の試合に参加。
・元10式砲手
こちらも名前の通り。かなりおっちょこちょいな性格。まだss内では言及されていないが、富士の狙撃大会では・・・。
・第2小隊副隊長
部隊構成員の殆どが島田流の第2小隊で、何故かいる西住流の1人。生真面目な性格。普段乗っている90式戦車とは違った乗り心地のE75が少し好きになった。島田流もいいなと思っている。
・千代車砲手
第2小隊隊長車(千代搭乗車)の砲手。負けず嫌い。砲手としての腕は自衛隊内でもトップクラス(富士の狙撃大会で2位)。ただ1人だけ、砲手の腕で敵わない人がいるとかいないとか・・・。
・千代車操縦手
第2小隊隊長車(千代搭乗車)の操縦手。普段は90式戦車で10式戦車とタイマンを張っている。恐らくこのss内で最も口調がバラバラなキャラ。対CV33戦の中盤と終盤で、作者である自分が驚く程口調が違う。暇な折にこのキャラの口調を見返してやってほしい。
・千代車装填手
第2小隊(ryの装填手。千代車の中では最も常識人。千代の類い稀な戦闘センスを影から支える、言わば縁の下の力持ち的なポジション。
・千代車通信手
第2小隊(ryの通信手。大人しめ(地味)。かなり早口。早口過ぎて相手が聞き取れない。早口が祟って口内炎とは生涯の友。

369 :amano [saga]:2016/07/29(金) 00:50:37.75 ID:AvFqZeAX0


・第3小隊E75一号車
プラウダとサンダースを橋のたもと付近から攻撃している4両のE75の内の1両。プラウダの渡川を妨害。まだssには未登場。ちなみに一号車とまでしか書いていないが、第3小隊E75一号車の車長のこと。長過ぎるので車長は割愛。〜号車までしか書かれていない場合はその車両の車長が喋ってると言うこと。
・第3小隊E75二号車
上に同じ。プラウダの渡川を妨害。まだssには未登場。
・第4小隊E75一号車
現実主義者で、幽霊は信じない派。サンダースの渡川を妨害。
・第4小隊E75二号車
調子のいい性格。自衛隊では太鼓持ち。サンダースの渡川を妨害。富士の狙撃大会では4位の実力者。ちなみに狙撃大会の総参加人数は500名以上なので、4位はかなりの化け物。
・第5小隊隊長
いきなりミー中隊と鉢合わせた第5小隊の隊長。しっかり者。普段は90式戦車回収車の搭乗員であるためか、前線指揮は苦手。
・第5小隊副隊長
序盤でセモヴェンテ2両とBT-5を撃破したのはこの人。普段は10式戦車を乗りこなす。以前10式で、千代車操縦手の操る90式に負けたことがある。


…って感じですかね。他に分からないキャラや知りたいキャラがいましたらご報告下さい。

370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/29(金) 05:17:40.66 ID:rM9clksRo
乙!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/07/30(土) 04:12:42.75 ID:xLl+7IynO
混乱してたのは登場人物じゃなくて戦況なんだけど
まぁそれにしてもここまで登場人物練ってあってすごい

乙!
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