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クマ「ゲッターロボ・クマー!」
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402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:07:27.92 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………ふう。これからは身の程を弁える事ね、馬鹿餓鬼」
ジン(やった事も無い絞め技やったけど、死んでないよね?)
ジン(…………心臓は動いてるからまあ大丈夫か。ほっといたら後遺症があるんだっけ)
ジン「ほっ」トンッ
ナガレ「――――うあ」
ナガレ「ハッ!?」ガバッ
ジン(あ、起きた)
ナガレ「…………」
ジン「ナガレ? 大丈夫? 意識ちゃんとある?」
ナガレ「…………」スッ
スタスタ
ジン「ちょっと、ナガレ」
ナガレ「うるせえ」
スタスタスタ……
ジン(……やり過ぎたわね、確実に)
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:08:09.25 ID:r3Pj8EvBo
ザワザワ
「マジかよ……ナガレが完全に負けたぞ」
「橘さんヤベえ……これがゲッターパイロットかよ……」
「本当に素人かよ、絞め技なんて使うか?」
「やっぱり普通じゃねえんだ。戦ってる時だって……」
「おいバカ、聞こえるぞ!」
ジン「…………迷惑かけて、ごめんなさい。ナガレには後できつく言っておきます」
「あ、いや、その……」
ジン「気にしないでください。では、失礼します」
…………カツカツカツ
「おいどうすんだよ、怒らせちまったじゃねーか!」
「だ、だってよぉ!」
「バカお前らまだデケェ声出すな!」
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:08:36.97 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「はーぁ」
ボフッ
ジン「あーあ、やっちゃった……」
ジン(あんな安い言葉で挑発されて乗っちゃうなんて……カルシウム不足かしら)
ジン「…………だったら、良かったのになあ」
ジン(どう考えても、今朝見たニュースが頭から離れないのが原因よね)
ジン(私って、こんなにメンタル弱かったのね。まあ、強かった自覚があったわけじゃないけど)
ジン(それとも司法に関わってたから? 悪い事してるって意識が後から出てきて、すごい辛いのよね)
ジン(それこそ、ナガレみたいな唯我独尊の悪党にでもなれれば気が楽なんだろうけど)
ジン「それだけは絶対ヤだわー……」
『本当に素人かよ、絞め技なんて使うか?』
『やっぱり普通じゃねえんだ。戦ってる時だって……』
ジン(…………ねえ、『もう一人の私』)
ジン(私はまだ、あなたの事を受け入れられないみたい)
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:10:34.98 ID:r3Pj8EvBo
―― 翌日 ――
ズズゥン……ドッガァアン!
メカザウルスA「ギリリリリリリリッッ!」
メカザウルスB「バウゥッ!」
バオンッ
ナガレ『チィッ、ボケ共が! 街中でドンパチ暴れやがってェ!』
クマ『被害が拡大する前に時間重視で一気に仕留めるクマ! ゲッター2クマ!』
ジン「ま、待って! 今ならゲッタービームで焼き払っても被害は大差ないわ、そっちの方が……」
ナガレ『見たところ片方は頑丈でもう片方は俊敏な奴だ。ゲッター1じゃ振り回されるだけだぜ!』
クマ『クマも同意見クマ。それにもしもゲッタービームを回避された後の隙を考えると、それこそ被害が広がるかもしれないクマ』
ジン「だけど!」
ナガレ『四の五の抜かすな! オープン・ゲェット!』
ガチャン! バシュゥン!
ギュオンギュオン ギュオン
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:11:02.11 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ちょっと……もう! 分かったわよ!」グイ
ギュオン!
ジン「チェンジッ! ゲッター 2 !」ポチッ
ガシィン! ガシィン!
グググッ……グイーン
ヒュー……
ジン「こうなったら落下の速度も乗せて、一気に貫いてやるッ!」
ギュイイィィーン!
メカザウルスA「ギリリリィッ!」ズシィン
メカザウルスB「バウゥッ!」バッ
ナガレ『逃げるぞ!』
ジン「でも一匹はトロい! もう、遅い!」
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:11:50.76 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィーーーンッ!
ジン「ヤアアァーーーッ!」
メカザウルスA「ギリリリリリリッ…………」
ズブッ!
ズババババババァッ
メカザウルスA「ギリリリリリリリリリィッッ!」
ジン「フゥー、フゥー…………!」
ジャリジャリジャリジャリジャリ!
ジン「フ……フヒ――――――――」
ギャリギャリギャリギャリギャリ!
ジン「ヒヒャヒャヒャハハハハハハァッ!」
ナガレ『だあ、このボケ女が、さっそくイカれやがった!』
クマ『ジン、もう一匹が来るクマ!』
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:12:16.38 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「バウゥッ!」バッ
グワッ!
ジン「へはァ…………」グイ
ユラリ…………
ザッ……
ザザザザザ――――――――
ナガレ『どぅうおおおおおおッ! 今日はまた粗いな…………!』
クマ『でも、これならいけるクマ!』
ズサッ
ジン「ギヒャハははッ!」
ギュイイィィーンッ
メカザウルスB「バウゥッ!」
ジャキッ……!
ナガレ『こいつ、ゲッター2の速度に反応して爪を……!』
クマ『ジン!』
メカザウルスB「バウゥゥッ!」
グオオッ!
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:13:56.01 ID:r3Pj8EvBo
ジン「フヒッ」グイ
ザッ――――
スカッ
メカザウルスB「バウッ!?」
ザザッ――――ズサッ
メカザウルスB「バウッ――――」ピクッ
ジン「ヒャハアッ!」
グワッ
ガシィッ!
メカザウルスB「バウッ……!」
クマ『やったクマ! ゲッターアームで掴まえたクマ!』
ナガレ『もたもたすんな、さっさとやっちまえ、ジン!』
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:15:10.63 ID:r3Pj8EvBo
ジン「フゥッ、フゥッ……!」
『とりわけ目立つのは、戦闘時に垣間見えるパイロットの残虐性だ』
『我々の命運をこのような異常性の持ち主に委ねて良いものか。国民の糾弾は止まない』
ジン「ギヒッ、ヒヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハッ!」グイッ
ググッ……ズガァン!
メカザウルスB「バウッ……!」
クマ『ジン! ゲッター2の力じゃ地面に叩き付けても意味ないクマ!』
ナガレ『クソがッ……もうこうなったら飽きるまで待つしかねえ』
ジン「グヒィッ!」グイッ
ズルズルズル……ガガガガガガガガガッ!
メカザウルスB「バウゥッ…………」
ジン「ハアアアアァッ…………アアアッ!」
ググッ……ブンッ!
クマ『メカザウルスを投げたクマ……!?』
ナガレ『ばっ……ジン、お前! そっちにはまだ無事な建物が!』
ずがああぁんっ!
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:15:56.65 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「バウウウゥッッ!」
ジン「アハハハハハハハ! ギャハハハハハハッッ!」
ザザッ――――
メカザウルスB「バウゥ…………」ガクガク
ギュイイィーーン……ドズッ!
メカザウルスB「バウッ……!」
ジン「うぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!」
ズガガガガガガガッ!
ズズゥン…………
ナガレ『ドリルで貫いたメカザウルス諸共、次々と建物を薙ぎ倒してやがる……』
クマ『いつものジンの暴走と桁が違うクマ! どうしたクマ!?』
ナガレ『どうしたもこうしたもねえだろ! クマ! ジジイに連絡して強制オープンゲットだ!』
クマ『分かったクマ!』
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:17:09.27 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィィーーーーーンッ!
ジン「ヒヒャハハハハハハハハッッ!」
ガガガガガガガガガガガガッ!
ナガレ『おいおいついにメカザウルス関係なしに暴れ出したぞこのクソ馬鹿女!』
クマ『ジン! 止めるクマ! 『ゲッターロボ』でそんな事をしちゃ駄目クマ!』
ナガレ『テメエいつまでトチ狂ってやがる、ジン! そんなザマでよくも人の事を言えたなァ!』
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ズガガガガガ!
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ごしゃあっ!
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
バキバキッ……ガリガリガリガリッ!
ナガレ『止めろジン! ジンーーーッ!』
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:17:54.10 ID:r3Pj8EvBo
ギシッ……
クマ『――――ジン! 後ろからっ……!』
メカザウルスA「ギリリリリリリリリリィィッッ!」グワァッ
クマ『まだメカザウルスが生きてるクマっ!』
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――」
―――
――――――
―――――――――
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:18:22.77 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「……………………」ポケー
『昨日のゲッターロボの暴走により倒壊した家屋・建築物は四〇棟以上に上るとされており』
『ご覧の通り、メカザウルスの物とは異なる生々しい暴走の傷跡が残されています』
『住居を失った人々からは、以前にも増して、ゲッターロボに対して強い批判的な意見が出ています』
『家を返せ、この悪魔! 悪魔だよ本当に!』
『本当にね、許せないですよ。メカザウルスよりも質が悪いです』
『こわかった。もうたたかわないでほしい』
『このような戦闘が多く続く中、ゲッターロボの活動停止を求める声が強くなっています』
『また、問題視されているゲッターロボのパイロットの精神不安について、どちらも早乙女研究所は黙秘を続けています』
『現場からは以上です』
ジン「……………………」スッ
ピッ
プツン…………
ジン「……………………」フラ
ドサッ ボフッ
ジン「……………………」
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:18:59.81 ID:r3Pj8EvBo
ジン「……………………」
ジン「……………………」
ジン「……………………」
ジン「……………………」ギリ
モゾモゾ
ボフッ
ジン「ぶわあああああああああああああああああああああああああ!」
ジン「わああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ジン「わあああああっ…………」
ジン「…………」
ムクッ
ガシッ
ジン「ッ……!」ブンッ
……ボフッ
ジン「……………………」
ジン「なに、してんだろ、私……」
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:19:55.78 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ……
ジン「……………………」
所員A「今回ばっかりはなあ……フォローできねえよな」
所員B「流石にあの破壊活動はな。橘さん、やっぱり頭のネジが飛んでんだな」
ジン「…………」ピタ
所員A「避難は終わってたから、直接の死傷者が居なかったのが唯一の救いだな」
歩兵A「つっても、下手したらあのままゲッターロボが破壊されてたかもしれないんだぜ?」
所員B「ああ。クマの通信が間に合って、土壇場で強制オープン・ゲットができたから何とかなったものの、な」
歩兵B「メカザウルスをどうにかできていたとして、あのまま暴れてたら、メカザウルスよりも被害を出していたかもしれねえし」
歩兵A「いや、ヤベえのはゲッターに乗ってるからってだけじゃねえ。あのナガレを、生身で叩きのめしたんだぜ」
所員B「あー、あれな。首絞めて落としたってやつ。素人が、正気の沙汰じゃねえよ」
所員A「今まで何だかんだまともだと思っていたけど、まあ、早乙女博士の言葉を借りるならクズだったって事かなあ」
所員B「あんまり言いたくはないけど、な……」
ジン「…………」
カツ カツ カツ…………
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:21:04.10 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ
ジン「…………」
コンコン
早乙女「誰だ」
ジン「……私です」
早乙女「…………入れ」
カシュッ
ジン「失礼、します」
早乙女「具合はどうだ」
ジン「芳しくありません」
早乙女「そうか。次の出動までに整えておけ」
ジン「…………はい」
早乙女「それで、何の用だ?」
ジン「ゲッターパイロットを、辞めます」
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:21:56.71 ID:r3Pj8EvBo
早乙女「……何故だ?」
ジン「私は、ゲッターロボのパイロットに相応しくありません……」
早乙女「……聞こう」
ジン「ゲッターロボは、正義であるべきです。メカザウルスを打ち倒し、恐竜帝国を滅ぼす」
ジン「ですが、私は、その理念とは正反対にいる……私がゲッターに乗っていると、ゲッターが悪に変わってしまう」
ジン「『ゲッターロボ』の為に死んでいった方々へ申し訳が立ちません。そして、クマちゃんにも……」
ジン「…………私は、ゲッターロボに乗ってはいけないんです」
早乙女「…………ジン。お前はいくつかの大きな勘違いをしている」
ジン「勘違い、ですか?」
早乙女「まず、お前ほどゲッターに相応しい人間は他に居ない」
早乙女「次に、ゲッターロボは正義などではない。生存競争を戦い抜く道具に過ぎん」
早乙女「ワシは、悪だの正義だの、下らない理由で戦う人間など必要としない」
早乙女「そして…………本当にゲッターと人類の末を想うのであればこそ、乗るのだ」
早乙女「『ゲッターロボ』に散っていった者たちに報いるならばこそ、だ」
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:22:53.84 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………乗るだけならば、できます。でも、もう……戦うのは」
ジン「今の私は、『私』を抑えられない……!」
早乙女「それはお前の一存では決められない。襲ってくるメカザウルスに合わせて形態を変えるのがゲッターだ」
早乙女「お前が拒もうと奴らは襲ってくる。お前は戦わなければならない」
ジン「…………コラテラルダメージが増えても、ですか?」
早乙女「何を犠牲にしても戦え。それが今、人類が為すべき事だ。お前とて例外ではない」
ジン「…………」ギリ
ジン「…………分かりました。失礼、します」
カシュッ
早乙女「…………四年も経って、娘の扱い方など忘れてしまったよ。和子、ミチル……」
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:23:20.01 ID:r3Pj8EvBo
ジン「……………………」ポケー
ぴとっ……
ナガレ「よっ。珍しいじゃねえか、休憩所でのんびりか?」
ジン「…………冷たいんだけど」
ナガレ「気ィ抜けてんなァ。飲めよ」
ジン「何よ」
ナガレ「ビール。飲めんだろ」
ジン「…………気分じゃないし。第一、メカザウルスがいつ襲ってくるかも分からないのに、酒盛りなんてできるわけないでしょ」
ナガレ「三五〇ml缶一本ぐらいで酔っ払うかよ」カシュッ
ジン「って、こら」スッ
ヒョイ
ナガレ「あっ、てめっ、何しやがる。返せよっ」
ジン「アンタこそ何してんのよ、未成年でしょうが」
ナガレ「酒なんざ昔から飲んでるっつの。今更関係ねえよ」
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:24:15.82 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ハァ……未成年飲酒の常習。禁止の罰則対象は自分じゃないからって……しかも、買ったのナガレ?」
ナガレ「だからなんだよ」
ジン「なら販売者も違反ね、まったく……これは没収」
ナガレ「ふっざけんな!」
ジン「ふざけてるのはナガレの方よ。日本国民なら日本の法律を守りなさい」
ナガレ「ったく、こう言うトコだけはいつだって変わんねえんだから面倒臭ェな」
ジン「当然よ。これでも弁護士だったんだから」
ナガレ「止めちまえ、そんな心構え」
ジン「お生憎様。アンタみたいなルール度外視の迷惑野郎を適正な法で裁きたくて、進んだ道だもの」
ジン「それに、その迷惑野郎が未成年なら正しい道に戻すのは大人の役目なのよ」
ナガレ「そーかよ」
ジン「…………そうよ」
ナガレ「…………」
ジン「…………」
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:24:42.84 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「…………調子悪ィならよ、クマ公に言えっつったろ」
ジン「大丈夫よ、私は……」
ナガレ「だから、それで俺に迷惑掛けんなって、それも言ってんだろ」
ジン「掛けてないじゃない」
ナガレ「笑わせんな。結局あの戦闘だって、最後は俺がゲッター1でお前のケツ拭いてやったんじゃねえか」
ジン「それはっ…………ごめんなさい」
ナガレ「謝って済むかよ。謝るくらいなら最初からするなってんだ」
ジン「…………」
ナガレ「俺は赤の他人の不幸だの責任だの面倒臭ぇモン背負わされるのはまっぴら御免だぜ」
ナガレ「だからよ、頼れっつってる奴がいるなら、そっちの方に行ってほしい訳だ」
ナガレ「なあ、ジン。俺はお前の事なんざどうだっていいし、内面が超クズで、どこの何をぶっ壊したってンなぁこたァ知らねえよ」
ナガレ「だけどよ、そんなお前を心配してる奴がいてよ、そいつに本当に迷惑かけたくないってんならよ」
ナガレ「そいつと顔と顔向かい合って話すのは、悪い事じゃないんじゃねえか?」
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:25:16.86 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………これは、捨てておくわ」スッ
ナガレ「置いてけ」
ジン「駄目よ。また新しいのを買い直しても、没収だから」
ナガレ「ケッ、じゃあせいぜい見つからねーようにするぜ」
ジン「見つかった時を楽しみにしなさい」
ナガレ「ジン」
ジン「なに?」
ナガレ「クマ公は四階フロアのコンピューター室に居るぜ。メカザウルス襲撃の報告書を書いてるんだとよ」
ジン「……そう」
ナガレ「今まで襲ってきたメカザウルスの情報なんざ、頭に叩き込んでおけばいいのに、面倒な事するよなぁ」
ジン「…………ナガレ」
ナガレ「なんだよ」
ジン「ありがと。見直したわ」
カツ カツ カツ カツ……
ナガレ「…………なァんで俺がこんな事しなきゃなんねぇんだよ、ジンのボケクソが」
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:25:42.27 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ カツ……
ジン(コンピューター室……ここね)
カラカラ……
ジン(クマちゃんは……いた)
クマ「胴体を貫かれても生きていたクマ……この部分に生体部品を置いていないクマ?」ブツブツ
クマ「もしくは全部を機械に変えて、重要なパーツを二つ作って…………」ブツブツ
ジン(…………話しかけたら、悪いわね。戻ろう……)
クマ「…………クマ?」ピクピク
クマ「あっ、ジン!」
ピョンッ
ジン「あっ…………」
キュムキュムキュム
クマ「全く気付かなかったクマ。いつからそこに居たクマ?」
ジン「いえ、さっき。でも、クマちゃん集中していたみたいだから……邪魔よね、帰るわ」
クマ「いやいや、大丈夫クマ。クマもちょっと疲れたから、休憩クマ」
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:26:09.32 ID:r3Pj8EvBo
クマ「それで、クマに何か用クマ?」
ジン「用、ってわけじゃなんだけど……昨日の、戦闘の事で」
クマ「あっ、そうだったクマ! 具合は大丈夫クマ?」
ジン「ええ、それは大丈夫」
クマ「良かったクマ。今回はいつもと違うから、何か負担が掛かっていないか心配だったクマ」
ジン「体の方は大丈夫。それで、ごめんなさいね。あんな事しちゃうなんて」
クマ「気にする事無いクマ。普段から厄介なナガレに比べたら可愛いものクマ」
ジン「……そんな事、無いわ」
クマ「ジン、あまり思い詰めちゃ駄目クマ。メカザウルスを倒せたんだから、今はそれで良しとするクマ」
ジン「いいえ、良くないわ。あれは、私の心の弱さと甘さが原因だもの」
クマ「どんな人間でも弱い所を突かれれば痛いクマ」
ジン「痛いのは私じゃない、から…………」
クマ「痛くないなら普通はしょげないクマ」
ジン「…………」
クマ「立ちっ放しも何クマ、座るクマ」
ジン「……ええ」
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:26:53.15 ID:r3Pj8EvBo
クマ「よいしょ…………クマ」ポフッ
ジン「…………」ギィ
クマ「さて……ジンは、クマが前に言った言葉をまだ憶えてるクマ?」
ジン「どれの事かしら……?」
クマ「『本能は、もう一人の自分クマ。ちゃんと、仲良くしてあげるクマ』」
クマ「『そうしたら、いざと言う時、絶対に助けてくれるクマ』……そう言ったクマ」
ジン「憶えているわ。でも…………仲良くできたつもりだったんだけどね。駄目みたい」
クマ「勿論、簡単な話じゃないクマ。それこそ、一生を終えるその瞬間まで分かり合えないかもしれないクマ」
クマ「それに、クマのその言葉が本当に正しいかどうかなんて、分からないクマ」
クマ「だけど……もし分かり合えても、受け入れられなくても、今回の事は、ジンは悪くないと思うクマ」
ジン「……どうして? あんなに許されない事をしたのに?」
クマ「クマは、ジンは間違っていないって、絶対に正しい事しかしないって、思っているクマ」
ジン「信じてくれているのね。嬉しいけど……でも、今回の事は正しくないわ」
クマ「そうとも限らないクマ」
ジン「え?」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:27:53.93 ID:r3Pj8EvBo
クマ「ちょっと切り込んだ話になるクマ。ジンは、どうしてあの時、いつもより暴走したと思うクマ?」
ジン「…………自業自得よ」
ジン「ゲッターロボが世間から批判されて、私の本性がバッシングを受けて、それでへこんでいただけなの」
ジン「それで終わっていれば良かったんだけど、私は……世間に八つ当たりしたんだわ。最低よ」
クマ「んー……そうかもしれないけれど、違うかもしれないクマ」
ジン「どうして?」
クマ「言っても、多分ジンは納得できないと思うクマ。でも、頭に入れておくだけで違うと思うクマ」
クマ「ジンの本能は、ジン自身を守ろうとしたんだクマ」
ジン「私を、守る?」
クマ「敵意を向けられたなら自己防衛をするのは当然の事クマ。力があるなら、敵意を排除するのは正当な権利クマ」
クマ「加えて相手は匿名の不特定多数クマ。それなら、手当たり次第に敵に関わるものを壊すしかないクマ」
ジン「そんなの……それこそ許されない事よ!」
クマ「その通りクマ。人間が構成した社会で生きるなら、それは許されない事クマ」
ジン「なら、結局悪いのは私よ……」
クマ「話の肝はそこクマ」
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:29:24.43 ID:r3Pj8EvBo
クマ「人間社会を構成するのは道徳倫理と積み重ねられた司法クマ」
クマ「ジンが法律に携わり、何が正しくて何が悪いか、何が許されないか、それをよく理解している事をクマは知っているクマ」
クマ「その性根が限りなく善である事は明白クマ。そんなジンを、その事実を知らない人間が責める事は、悪い事にならないクマ?」
クマ「皆が寄って集って、正しい事を知りそれに尽くすジンを否定する事は、悪い事にならないクマ?」
ジン「でも、それでも私は、人類社会に敵対するような真似をしたのよ」
クマ「それは順序が逆転しているクマ。ジンが戦わなければ人が死ぬ。だからジンが戦う」
クマ「その戦い方が常軌を逸しているから叩く。それにジンが反撃する」
クマ「この通り、先に手を出したのは向こうの方クマ。ジンの行動は、言うなれば正当防衛か、悪く言っても過剰防衛クマ」
クマ「自分を守るためなら他人を傷付けていいなんて道理は、確かに無いクマ。でも、今回に限って言えばそれはおあいこクマ」
クマ「今回の一件、分かり易く言えば喧嘩両成敗クマ」
ジン「私の罪はそんな軽いものじゃないわ!」
クマ「誰にも真っ当に裁けないクマ」
クマ「ジン。自分ばかりを責めちゃ駄目クマ。自分で自分を否定しちゃ駄目クマ」
クマ「何度でも言うクマ。ジンは悪くない、間違っていないクマ」
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:30:26.68 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………ありがとう、クマちゃん。気が参っていて、ネガティブになっていたわ」
クマ「仕方ないクマ」
ジン「少し気が楽になった。そうね、何であれ、しょげているままじゃダメよね」
クマ「その通りクマ! と言っても、ナガレみたいに気にしないでいるのも問題クマー」
ジン「ふふっ……クマちゃん、私、負けないわ」
クマ「その意気クマ!」
ジン「ええ。ごめんね、心配かけさせて……と、作業の邪魔をしてごめんなさい」
クマ「こんなの後回しで大丈夫クマ。クマでよければいつでも相談に乗るクマ」
ジン「頼もしいわ。じゃあ私、部屋で考え直すわ」
クマ「ゆっくり休むクマ。心の疲れが体に出ているかもしれないクマ」
ジン「分かったわ。それじゃあ」
ギィ
ジン「クマちゃんも、頑張りすぎないようにね」
クマ「気を付けるクマー」
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:30:58.27 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「…………まったく、私ってば何やってるのかしら」
ジン「自分の事で他人に迷惑かけて、人に心配させて……」
ジン「ナガレの言葉を借りるワケじゃないけど、自分の事くらい自分でなんとかしなきゃ」
ジン「そうよ、私は一人前の大人なのよ。私がゲッターチームの最年長なんだから」
ジン「私が正しくなくて、しっかりしなくてどうするの……!」
―――
――――――
―――――――――
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:32:54.69 ID:r3Pj8EvBo
ジン『…………久しぶりね、『私』』
ジン?『…………』
ジン『夢の中なら会えると思っていたわ。呼んだのは他でもない、話があるからよ』
ジン?『…………』スッ
ジン『来ないで』
ピタ
ジン『昨日のアレ。あれはクマちゃんの言う通り、私を守ったの?』
ジン?『…………』コク
ジン『誰がそれを頼んだ? 誰がそこまでやれって言った? 私はそんな事を望んでいたかしら』
ジン『……いえ、どこかでそれを望んでいたのかもしれない。あなたは私の本性だから。それは認めるわ』
ジン『『あなた』も紛れもない私で、私は残忍で凶悪な気違いよ』
ジン『だからって、それを看過し許容し甘えるほど、私は子供じゃないし弱くも無い』
ジン『私はあなたを拒む。決別する!』
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:33:26.99 ID:r3Pj8EvBo
ジン?『…………』
ジン『そんな顔をしても、無駄よ! 私はこれ以上、みんなに迷惑をかけるわけにはいかないの』
ジン『良識ある大人として、踏み外した行動は断じて許されないし、私が許さないの!』
ジン『法と正義に悖るような行為に甘えるなんて絶対に嫌!』
ジン『その甘えが原因で他の誰かが犠牲になるなんて考えたくも無い!』
ジン『正しいのは私であると、胸を張って言える存在でないといけないの!』
ジン『それが元弁護士、現ゲッターロボパイロットである私、橘 神!』
ジン『橘 神は、私よ!』
ジン『私は、私なのよ!』
―――――――――
――――――
―――
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:35:12.42 ID:r3Pj8EvBo
―― 数日後 ――
ギュインギュイン! ギュインギュイン!
オペレーターA「メカザウルス出現を確認!」
カラン カラン
早乙女「場所は」
オペレーターA「場所、熊本県阿蘇地方!」
早乙女「遠いな……」
オペレーターB「視認敵数、一機! 静止画像出ます!」
早乙女「また市街地か……ゲッターチーム、ゲットマシンに搭乗しているものは応答せよ!」
ナガレ『イーグル号、ナガレ! いるぜ!』
ジン『ジャガー号、ジン! 搭乗しています!』
クマ『ベアー号、クマ! 全員揃っているクマ!』
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:36:11.11 ID:r3Pj8EvBo
早乙女「各ゲットマシンに座標と画像を送った」
ジン『画像確認。中型メカザウルス一機のみですね』
早乙女「だが、今回の戦闘は九州だ。遠いぞ」
ナガレ『九州!? ついに本島から離れやがったか!』
クマ『ゲッター1の最高速で向かっても、一分近くかかるクマ!』
早乙女「加速の時間を考えれば更に時間がかかるだろう」
ナガレ『だったらもたもたしてねえでさっさと行くぜ!』
早乙女「メカザウルスは既に市街地まで侵入している! これ以上の蹂躙行為を許すな!」
ナガレ『ッたりめーだ!』
ジン『了解!』
クマ『了解クマ!』
早乙女「ゲッターチーム、出動!」
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:37:05.82 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「イーグル号、発進ッ!」
ジン『ジャガー号、発進!』
クマ『ベアー号、発進クマ!』
ギュオオ…バォン!
バシュゥン!
ナガレ「チェーンジ、ゲッタァー 1 !」
ガシィン ガシィン
グググ……グワオン!
ブワッ……バサッ!
ナガレ「待ァってろよこのクソボケがあッ!」
バオンッ!
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:37:42.37 ID:r3Pj8EvBo
ズズズ……ズガァン!
メカザウルス「キシャアアアッ……」クチャクチャ
パキキッ……グチャッ
メカザウルス「キシャアアアアアアアアアアッッ!」
――――ギュルギュルギュル!
メカザウルス「キシャアアッ!」ピクッ
シュバッ
ナガレ「――――そこだァ!」グイッ
ガシィッ!
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!?」
ナガレ「どんなもんだ! 二本のゲッタートマホークで逃げ場を限定すりゃあ、どんなボケナスも掴まえられるって寸法よ!」
ジン『説明は良いから、早く倒すのよ!』
クマ『逃げられたら元も子もないクマ!』
ナガレ「わーってらい!」
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:38:36.07 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「さぁて、このクソトカゲが、叩きのめして…………げっ!?」
グチャ……ピチャ
ナガレ「こ、こいつ……人間を、食いやがったのかっ!」
ジン『なんて事を……!』
クマ『……これ以上の被害者を、出すわけにはいかないクマ!』
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!」
ナガレ「このッ……! 気持ち悪いモン見せやがってエエッ!」
ガン ガン!
ナガレ「おォらゲッターパァンチ!」グイッ
ゴキャッ!
メカザウルス「キシャアアッ!」ジタバタ
ナガレ「放すかよ! オラオラオラ!」
ズガッ ドガッ バキッ
メカザウルス「キシャアアアッ!」ジタバタ
ナガレ「ぬおっ! 何だこいつ、見かけの割にタフな野郎だ!」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:40:14.69 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアアッ!」グンッ
ドガアッ!
ナガレ「どわあっ!」
クマ『あの状態から突進してきたクマ!?』
パッ……
ナガレ「クソが、衝撃で手が離れやがった!」
ジン『何してるのよ!』
ナガレ「黙っとけ! 勝手に手ェ放すなんざ整備不良かなんかじゃねーのかァ!?」
クマ『後でしっかり見ておくから今はメカザウルスをどうにかするクマ!』
メカザウルス「キシャアアアアアアッ!」
グワッ
ずがぁん!
ナガレ「ぐおおおっ!」
クマ『クマーーーーー!?』
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:40:48.23 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「クッソ、トカゲが、図に乗りやがってェ! ゲッタートマホークッ!」
ジャキンッ ガシッ
ナガレ「ドリャアアアアッ!」グイ
メカザウルス「キシャアアッ!」シュバッ
スカッ
ナガレ「このッ、避けンじゃねえっ!」
ブンッ ブンッ
メカザウルス「キシャアアアアッッ!」シュバッ
スカッ スカッ
メカザウルス「キシャアアアアアアッッ!」グンッ
ドガアッ!
ナガレ「だはあっ!」
クマ『クマっ……ナガレの動きが完全に見切られているクマ!』
ジン『このまま相手してもゲッター1じゃ埒が明かないわ!』
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:41:21.91 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「じゃあどうするってんだよ!」
クマ『当然、それ以上のスピードで制圧クマ!』
ジン『私に任せて。ソッコーで片付けてやる!』
ナガレ「チッ、仕方がねえ!」
メカザウルス「キシャアアアアアアアアッッ!」グンッ
ナガレ「喰らえ、トマホゥークブーメランッ!」ブンッ
クルクルクル……!
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
ナガレ「今だ! オープン・ゲットォ!」カチッ
ガチャン! バシュゥン!
ギュオンギュオン ギュオン
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:42:13.98 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『行くぜクマ公!』グイ
クマ『クマ!』グイ
ガシィン!
ジン「よし……!」
早乙女『何を犠牲にしても戦え。それが今、人類が為すべき事だ。お前とて例外ではない』
ナガレ『俺は赤の他人の不幸だの責任だの面倒臭ぇモン背負わされるのはまっぴら御免だぜ』
クマ『何度でも言うクマ。ジンは悪くない、間違っていないクマ』
ジン「…………大丈夫よ、落ち着いて、橘 神」
ジン「チェンジッ! ゲッター 2 !」
ガシィン!
グググッ……グイーン
ズサッ
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:42:51.86 ID:r3Pj8EvBo
ジン「覚悟しなさい、メカザウルス!」グイ
ザザ――――
メカザウルス「キシャアアッ!」
ザザザッ……ズサッ
ジン「ハアアアアアアッ!」
ギュイイィーーン
メカザウルス「キシャアアッ! キシャアッ!」シュバッ
ジン「クッ、逃げられた!」
ナガレ『おいジン! テメーなにボケっとしてんだ!』
ジン「分かってるわよ!」グイ
ザザザッ
ジン「逃げるなら、加速したまま、貫くッ!」
ギュイイィーーン!
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:43:21.99 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアッ!」グンッ
ジン「えっ……!」
どがしゃっ!
ジン「きゃああっ!」
クマ『ゲッター2の速度に反応して、逆に突っ込んできたクマ……!?』
ナガレ『ジン! 手ェ抜いてんじゃねえだろうな!』
ジン「そんな訳、ないでしょ!」グイッ
ギュイイィーーン……
メカザウルス「キシャアアアッ!」
ガキィッ!
ジン「ドリルが弾かれた……クッ、ゲッターアーム!」グイッ
メカザウルス「キシャアアッ!」シュバッ
ジン「逃がすものですか!」グイ
ザザザッ……
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:43:52.23 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアッ!」
ジン「掴まえ…………!」
スカッ
ジン「な、なんで……!」
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!」ブン
バキッ!
ジン「うぐぅ……!」
ナガレ『さっきっから何してんだ! 動きに全然キレがねぇぞ!』
クマ『ジン、一度下がって距離を取るクマ!』
ジン「ええ!」グイッ
ザザッ……ズサッ
ジン「冷静に、落ち着いて……ドリルハリケェーン!」カチッ
ギュイイィーーン……ブワッ
グワオオオッ!
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:44:19.24 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
ジン「今なら!」グイッ
ザザザッ……
メカザウルス「キシャアアッ!」
ズサッ!
メカザウルス「キシャアッ!?」
ジン「やああアアアアアァァッ!」
ギュイイィィィーーーーーンッ!
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
スカッ
ジン「そんなっ……どうして、当たらないの!」
スカッ スカッ
ジン「このオオオッ!」
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:44:50.38 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『なんだ、ジンの奴、どうなってやがる……!』
クマ『……おかしいクマ。ゲッター2の速度なら、こんな相手に手古摺るはずがないクマ』
ナガレ『それ以前だぜ。ジンの奴、いつもと動きが全然違ェ。トロいにもほどがある!』
クマ『まさか……あの時の事を引き摺って、抑えているクマ!?』
ナガレ『だとしたら相当のアホだぜ!』
ジン「誰が、アホよ、馬鹿ナガレ……!」
ナガレ『お前の事だよ! チャラチャラ動いてねえで、さっさとぶち殺せ!』
ジン「やってるわよ!」
ナガレ『だから言ってんだろうが、俺に迷惑かけるんじゃねえ!』
ジン「…………だからぁ! 頑張ってるんじゃないッ!」
ナガレ『そう言う事じゃ……!』
ピピッ ピピッ ピピッ
クマ『二人とも、研究所からの連絡クマ!』ピッ
ナガレ『チッ……俺だ! 何の用だ、ジジイ!』
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:45:48.75 ID:r3Pj8EvBo
早乙女『……ゲッターチーム! 戦闘中に邪魔するが、悪い報せだ……』
早乙女『研究所が、メカザウルスの襲撃を受けた』
ジン「なっ……」
クマ『別の場所での同時襲撃クマ!?』
ナガレ『よりにもよってこんな時にか!』
早乙女『いつかは来るだろうと想定していた事だ……ぐうっ!』
『ズガァンッ……ズズゥン……!』
クマ『博士!? 早乙女博士、大丈夫クマ!?』
オペレーターA『今の攻撃で、三番ゲッター光線砲台が破壊されました!』
早乙女『……応戦しているが、長くは持たん』
ジン「そんな…………」
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:47:05.44 ID:r3Pj8EvBo
ジン(どうしよう。早く倒さなきゃ。でも、このままの調子じゃ、研究所が手遅れになる)
ジン(こいつを無視して、研究所に今すぐ戻って……でも、そうしたら街が)
ジン(あいつに、頼る? でも、そうしたら、また暴走したら、街も研究所も、どっちも……)
ジン(駄目よ! このメカザウルスは今、倒さなきゃ!)
ジン(でもこのまま戦っていても、街の被害が広がって……)
ジン(街を見捨てて、研究所を……!)
ジン(ゲッター3にチェンジして、それともゲッター1に……!?)
ジン(速度を重視しなきゃいけない状況なら、ゲッター2のままが……)
ジン(でも、今の私じゃ…………!)
ジン「あ……ああ…………!」ガクガク
メカザウルス「キシャアアアッ!」
オペレーターB『博士! 二番ゲッター光線砲台も機能停止! トゥルーパー3から応答ありません!』
ジン(どうしたら、いいの……)
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:47:55.36 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『ジン!』
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:48:34.33 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ナガレ……」
ナガレ『なぁにチンタラしてやがる! そのクソトカゲをさっさとぶちのめせ!』
ジン「で、でも研究所が!」
クマ『研究所の防御設備だって伊達じゃないクマ、少しくらいなら持ちこたえられるクマ!』
ナガレ『テメェ一人じゃねえんだ! ボケナスのトチ狂いぐらい、いくらでもフォローしてやらあ!』
ナガレ『何をぶっ壊したって知るか! 好きなだけ暴れちまえ!』
ナガレ『チッ…………俺たちを頼れ! クソボケドアホが!』
クマ『ジン。クマたちは、ジンを信じているクマ。だからジンも、ジン自身を信じてほしいクマ!』
クマ『ジンの全部を、ジンが、信じるクマ!』
早乙女『……ジン。ゲッター2の本領はスピードだ。待っているぞ』
プツッ……
メカザウルス「キシャアアアアア!」
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:49:07.85 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………どうせ考えていたって、時間の無駄なんだわ。理屈なんて、置き去りにすればいい」
ジン「信じて、いいのね。私たちは、ゲッターチームなのね……」
ジン「『私』たちは、ゲッターチームの、一員なのよね…………!」
ジン「フヒッ」
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:49:41.83 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィィーーーーーンッ!
ジン「ヒャハッ!」グイ
ザッ
ザザザザザ――――
メカザウルス「キシャアアッ!?」
ザザザザザ――――
ナガレ『ずわあああああっ!? いきなりぶん回すなァ!』
クマ『でも、戻ってきたクマ! ジンの、動きクマ!』
ザザザザザ
ズサッ
メカザウルス「キシャ――――」
ゾブッ
ギュイイィーーン
ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ
ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ
ズババババババババババババババババババッ
ズバアッ!
バラバラ……ドチャッ
ジン「へはァ…………!」
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:50:44.77 ID:r3Pj8EvBo
―― 早乙女研究所 ――
ズガァン! ドゴォン! ドワオッ……!
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」
オペレーターA「八番ゲッター光線砲台が停止! これで稼働している砲台が全て破壊されました……!」
オペレーターB「ハチュウ人類歩兵、研究所内への侵入を確認! トゥルーパー2が応戦中です!」
早乙女「万事休すか……」
ズズゥン……
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」ガパッ
オペレーターA「メカザウルス、ミサイルの砲門を開きました……目標、ここです」
オペレーターB「博士、避難してください!」
早乙女「…………」
メカザウルスB「ブフゥーーンッ!」
バシュンバシュンバシュンッ!
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:52:07.00 ID:r3Pj8EvBo
――――バオンッ
ガチャン バシュゥン……
ガシィン ガシィン
グググッ……グイーン
ギュイイィーーン
ブワッ……グワオオオッ!
ズワオッ! ドワオッ! ズガァン……!
メカザウルスB「ブフゥ!?」
ガリガリガリガリ……!
オペレーターA「じょ、上空から竜巻が……ミサイルが巻き込まれて爆破しました!」
オペレーターB「竜巻から、ゲッター線を観測! ゲッター2の、ドリルハリケーンです!」
早乙女「……来たか」
ズシャッ!
ジン「…………」
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:53:25.27 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」
ズゥン ズゥン……
ジン「…………」グイ
ザッ
メカザウルスB「ブフ……」
――――ドスッ
ジャリジャリジャリズバババババッ!
メカザウルスB「ブ……ブフゥーーーーンッッ!」
ジャリジャリジャリズバアッ!
ジン「フヒ――――ヒャヒャヒャハハアハハハハハハぁハあああっ!」グイ
ギュイイイーーーーーンッ!
ゾブッ グチャアッ!
メカザウルスB「ブフゥーーーンッ!」
ジン「これよぉーーー! こうやって、生きたまま切り裂いて!」
ギャリギャリギャリギャリ!
ジン「生きたまま中身を抉って!」
ズバッ ドチャッ
ジン「好きなように刻んで、殺すのがァ!」
ジン「『私』は好きで好きで好きで好きで、大好きで仕方がないのよッ!」
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:54:52.79 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「ブフゥーーーンッ!」ガパッ
――――ガァン!
メカザウルスB「ブフゥ!?」
ジン「いい穴、見つけたぁ……」ニタァ
ギュイイィーーン
ギャギャギャギャギャギャリギャリギャリギャリジャリジャリ!
バゴオォンッ!
メカザウルスB「ブフゥーーーーーーンッッ!」
メカザウルスB「ブフゥ……ブフゥ……」ヨロヨロ
ガシッ
メカザウルスB「ブ…………!」
ジン「私たちの留守中に、研究所を襲うんだからぁ……相応の覚悟くらい、できてるのよねぇ?」
ジン「私が今まで溜めに溜めたストレス、全部ぶつけるまで、『生きていてくれる』のよねェ!?」
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:55:32.60 ID:r3Pj8EvBo
ジン「すっごい、嬉しいわぁ…………」
ギュイイィーーン……
ドスッ ズバアッ!
ジン「ふへっ、ふひっ、ぐひひひひっ!」
グチャッ ドチャッ
ジン「ギヒッ、ぎへはひゃひゃ、あひゃひゃひゃはッ!」
ジャリジャリジャリ!
ジン「あっ、いぐっ――――」ビクンッ
ジン「いぐぅぅぅぅぅぅぅッッ!」ビクビクビクッ
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:56:49.49 ID:r3Pj8EvBo
ジン「あひっ、あひっ…………」プシャア
ジン「あへぇ…………」グイ
ギュイイィーーン……!
グチャアッ
ズババババババッ!
ドチュッ
ギャリギャリギャリギャリズバアッ!
ジン「あああああああ、もう、やっぱりィ!」ビクビクビクッ
ギュイイイーーーーーンッ
ジャリジャリジャリ
バシャアッ!
ジン「この感じ、さいっ……こぉ――――」プシッ
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:57:17.95 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『ったく……本当に心底どうしようもねえ女だな、こいつは』
クマ『でも、このジンの方が、活き活きしていて綺麗クマ』
ナガレ『その価値観は分からん』
ザシュッ グチャッ
ジン「ふひ、ふひぃ……!」ビクビクッ
ナガレ『…………まあ、面倒臭ェのに比べたら、吹っ切れてもらった方が大分マシだな』
クマ『元に戻って、良かったクマ!』
ジン「んぎゅううううぅぅぅぅううっっ!」ビクビクビクッ
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:59:01.71 ID:r3Pj8EvBo
―― 数日後 ――
チュンチュン……
ジン「すぅ……すぅ……」
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「ん…………」モゾ
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「んン…………」
モゾモゾ
ピピピッ ピピピッ
カチッ
ジン「…………」ムク
ジン「眼鏡……めがね……」モゾモゾ
スチャ……
ジン「…………六時。はふぅー……」
ジン「んんーー…………!」
ジン「…………ねむ」
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:00:02.84 ID:r3Pj8EvBo
―― 早乙女研究所・飛行訓練場 ――
タッタッタッタッ……
ジン「フッ、フッ……」
タッタッタッ……
ジン「フー…………。水……」スッ
キュッ
ジン「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
ジン「ぷはっ。はぁー……よし、朝のランニング終わりっ。シャワー浴びてご飯食ーべよ」
ザッ……
ジン(ミチルさん。達人さん。散っていった、ゲッターチームの皆さん)
ジン(今日も私たちを、見守っていてください)
ジン(あと、傲慢ですけれど……『私』を、認めてください)
ジン(…………なーんか、やっぱり、視線感じるのよね)
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:00:30.49 ID:r3Pj8EvBo
―― 食堂 ――
ジン(確か今日は、この後に飛行訓練……その後は改造の進捗状況の報告で……)モグモグ
クマ「ジンー」キュムキュム
ナガレ「ようジン」ガシャンッ
ジン「あ、おはようクマちゃん、ナガレ」
クマ「ジン、体の調子はどうクマ?」
ジン「ええ、もう大丈夫よ」
ナガレ「本当かよ」
ジン「もう嘘吐いたって仕方ないでしょ?」
ナガレ「これ以上誤魔化されたら付き合ってらんねえよ」
クマ「それはナガレは薄情だからクマ」
ナガレ「だぁってろ」ガツガツ
ジン「本当に大丈夫よ。でも、心配してくれてありがとう、二人とも」
ナガレ「はへはひははいはいふへはふは!」
クマ「ナガレいい加減口の中に物入れて喋るの止めるクマ本当に汚いクマ」
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:01:06.60 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「ング……うるせえ、そんな上品な生き方してられっかよ」
『ゲッターロボは批判にまるで応える事無く、その対象であるゲッター2での戦闘を繰り返しています』
ナガレ「…………」ピク
クマ「…………」ピク
『これは先日、視聴者の方が撮影した映像です。浅間山にある早乙女研究所が、メカザウルスに襲撃されている、その瞬間』
『ゲッター2が上空から飛来し、メカザウルスとの戦闘を開始します。その光景は、処刑と言うのが近いでしょう』
『すぐにとどめを差さずに、まるで傷付ける事を楽しむかのような攻撃を何度も何度も行っています』
『何一つ変わらないゲッターパイロットの異常性は、我々にとって信用できるものなのでしょうか』
『こちらは、その前の戦闘での映像です。街を破壊するゲッターロボ。そして、近隣住民の悲鳴は止みません』
『メカザウルスよりも質が悪いです』
『家を返せ、この悪魔!』
『こわかった。たたかわないでほしい』
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:01:39.27 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「…………」ガタ
ジン「良いわよ、別に。放っておきなさい」
ナガレ「…………飲みモン取りに行くだけだっつの」
スタスタ
クマ「……あんなに好き勝手言われているのに、良いクマ?」
ジン「ええ。構っても時間の無駄だもの」
クマ「でも、クマは許せないクマ」
ジン「そりゃあ私だって本音を言えば嫌よ? でも、クマちゃんとナガレは、そんな私でも認めてくれるんでしょ?」
クマ「勿論クマ」
ジン「なら、私はそれでいいわ。本当の私の事を知ってくれる人が居れば、それでね」
クマ「…………ジンがそれでいいなら、分かったクマ!」
ナガレ「…………ったくよォ、俺たちがどう戦おうと俺たちの勝手だっつーのにな」
ジン「お帰りナガレ。で、もう牛乳置いてあったのにもう一本牛乳だなんて、今日は珍しいわね?」
ナガレ「…………あーあー、うるせえ! 知らねえ!」
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:02:54.70 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「あー、食った食った」
ジン「この後、飛行訓練なのよ? ゲットマシンの中でゲボ吐かないでよね」
ナガレ「吐くかよ!」
クマ「吐いても良いけどクマたちに近寄らないでほしいクマ」
ナガレ「吐かねえっつってんだろーが!」
クマ「まあ、それは知ってるクマ」
ナガレ「テメー茶化すなよ? わざとお前にゲロすんぞ?」
ジン「止めなさい……あ、そうだ。私、一度部屋に戻るわ。パイロットスーツ、部屋にあるの」
クマ「じゃあ、クマたちは先に行ってるクマ」
ナガレ「要らねえだろあんなもん」
ジン「せっかく作ってもらったんだからあと十回は着ないと勿体ないでしょうが。それじゃ、また後でね」
クマ「待ってるクマー」
ナガレ「行くぞ、クマ公」
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:03:38.49 ID:r3Pj8EvBo
カツカツカツカツ
ジン「…………ん?」
コソコソ
所員A「……どうよ、この写真」
所員B「うっほ、すっげ、エロ過ぎ……!」
歩兵A「これはまた堪らんブレストミサイル……!」
黒服A「素晴らしい角度だ……」
所員A「まあまあ、ここまではいつものヤツだ。今日は目玉商品を用意してきた」
歩兵B「目玉商品……?」
所員A「撮りたてほやほや。朝のランニングをする橘さん、イン動画ァ〜…………」
所員B「どう、がッ……!?」
歩兵A「お前……どこまで犯罪を犯せば! なんて素晴らしい真似を……!」
所員A「躍り跳ね揺れる橘さんのダイナミックボインが入ったこの動画、いくら出す?」
所員B「5!」
歩兵A「10!」
黒服A「12!」
ジン「それ、私に購入する権利はあるのかしら?」
「「「「「……………………」」」」」
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:04:25.41 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ふぅん……随分手慣れているじゃない。常習?」
ジン「盗撮、肖像権の侵害、名誉棄損。画像の売買で罪の重さ上乗せね。女性蔑視も入れとく?」
所員A「…………あの、ごめんなさい」
所員B「出来心です」
歩兵A「勘弁してください」
歩兵B「妻と子がいるんです」
黒服A「親に仕送りしなくちゃならないんです」
ジン「私は元何?」
所員A「弁護士ですごめんなさい」
ジン「嘗めた真似してくれたわね」
所員B「靴嘗めます」
ジン「今まで撮影したデータ、売買したデータを全て渡しなさい」
歩兵A「何でもします」
ジン「そして金輪際、私に限らず盗撮をしない事、法に誠心誠意従う事、仕事を頑張る事を誓いなさい」
歩兵B「はい、反省します」
ジン「もし、提出を拒んだ場合、或いは提出せずに隠し持った場合、個人的制裁の形を取らせて頂く場合もある事を留意してください」
黒服A「死んでも忘れません」
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:05:33.47 ID:r3Pj8EvBo
ジン「全く、本当に男子って馬鹿なんだから」
ジン「何が胸が大きいよ。人の事をあんなに頭おかしい扱いしてたくせに」
ジン「結局どいつもこいつも胸しか見てないじゃない。馬鹿みたい!」
ジン「それにしてもまた、かなりの量を撮られてたわね。感じていた視線はこれだったのか……」
ジン「一部ちょっと海産物臭いし……最悪。焼いて捨てよ」
ジン「…………フ、フフ」
ジン「くふふふふ、ふ、ははははは」
ジン「あっはっはっはっはっは!」
ジン「ばっかばかしい! 周りの評価なんて、なんて下らないの!」
ジン「そんなものの為に、『私』を変える必要なんて、無いんだわ!」
ジン「そうだったのね、『ジン』」
ジン?『…………』フッ
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:09:35.91 ID:r3Pj8EvBo
第五話【白無垢鉄火】終。
次回、第六話【ゲッターロボ対テキサスマック&ステルバー】。
特に忙しい訳じゃないけど話の構想とか流れとかがまるで立っていないからまた時間かかりそうです。
ジンが「ぶわああああ」って喚いてるシーンは枕に顔を埋めて大声を上げてるんです。
あと別にジンは二重人格じゃないです。似たようなものだけど違うんです聞いてください。
470 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 12:12:25.15 ID:9JMxVsy0O
乙。聞くからもっと詳しく
本編で掘り下げるなら別
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/16(日) 12:17:23.39 ID:9FzpTLYF0
乙
472 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/10/17(月) 01:59:17.64 ID:IelBXUjk0
おいおいテキサスマックとステルバー同時開発とかアメリカさん頑張ってんなぁ
どこから予算持ってきてんのか知らんけど
おつです
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 10:43:39.49 ID:CpUtQ/UAo
まだまだ書き上がらないので保守。
そう言えば、やりたい話考えている話を含めて全部で四〇話近く続けたいと考えているんですが。
一ヵ月に一話の月刊誌ペースだとしても単純計算で足掛け三年四ヵ月(前後約六ヵ月)。
今の調子だといつ終わるのか終われるのか、伝統安定の虚無オチか……。
言える事は待たせてごめんなさい。超待たせるのでごめんなさい。
>>470
大層な話じゃなくて、描写する上で人格性を持たせた方が楽だったって話です。
ジンは多重人格じゃなくて明確な二面性と言うのが正しいですが、読める限りではその中間か多重寄り。
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 13:48:25.72 ID:VPSMoht90
40話……
これは楽しみですねぇ……(ハードル上げ)
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/15(火) 18:48:05.76 ID:Gb8KB0xW0
多分書き終わる頃に
>>1
もぐるぐる目で何かを悟ってゲッター線と同化すると思う。
そして僕らも進化するんだ、そうだろうコーウェンくぅん?
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 06:57:34.76 ID:X3nsaym20
スティンガー「」
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/11/29(火) 11:07:19.71 ID:ugtGkmsc0
なんか変だと思ったらコーウェン君がコーウェン君に話しかけてるのか
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/16(金) 09:03:57.58 ID:xy0bzTBl0
はよ
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/01(日) 09:14:32.58 ID:g2iV42VWo
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしたいところですが書き上がりませんごめんなさい。
生きてはいるし展開も決めたし諦めるつもりもさらさらないのですが時間が唯一ありません。
去年書き始めた頃はこんなに時間に余裕がなくなるとは思わなかったんです頑張ります。
480 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/02(月) 17:48:22.68 ID:oaJUKYEm0
がんばえー
481 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/11(水) 17:40:50.34 ID:Fs/F79f10
ビスケットォォォォ!お前こんな所で生きてたのかよぉぉぉぉぉ!!
と思ったら違った
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/11(水) 17:41:19.86 ID:Fs/F79f10
誤爆
483 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/01/23(月) 01:08:14.43 ID:v9gzQK9a0
管理人が管理してない気がするけど落とされても困るので保守。
続き楽しみにしております
484 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/16(木) 17:47:10.80 ID:991do1J70
ほ
485 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/02/25(土) 00:04:19.33 ID:iSgSr9hvo
二ヵ月前の進捗状況 → 構想の約10%
現在の進捗状況 → 構想の約20%ちょい
取りあえず万が一落としちゃった時に備えて、念の為トリ付けます。
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/11(土) 23:37:47.13 ID:nZ23PFkC0
待つ
487 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/03/18(土) 12:21:57.25 ID:yQ41BZi3o
♫
488 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/04/24(月) 08:30:23.09 ID:U1yKGYl1o
いつの間にかスレ立ててから一年経過していたでござるの巻。
時の流れの速さを痛感しつつ、書けてないんですごめんなさい。
489 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/05/10(水) 05:58:05.52 ID:fNDJ375v0
もう一年か―早いものだね
こちらもスレ落ちしない程度に書き込みつつ待ってますわ
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 09:57:57.26 ID:1QYC8Xg00
はよ
491 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/06/24(土) 14:23:29.81 ID:uskBYdfoo
そう言えば最後に書き込んだのいつだっけとか思ったらもう二ヵ月経ってた。
時間の流れ早ぇー。
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/12(水) 15:46:54.41 ID:w7vB9vtj0
あ
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/18(火) 19:43:00.90 ID:5ecego/x0
生存報告乙
つっても最近は2か月放置しても落ちないみたいだけどいな
494 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/08/24(木) 06:15:23.75 ID:46UzJNl5o
まずい。一年経つ。まずい。
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 12:25:42.63 ID:d32j/dH30
待っておるぞ
496 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/09/26(火) 20:17:22.85 ID:fPtCJSM6o
保守。もういっそ三年くらいして思い出したら調べてもらった方が良いような気がする。
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/09/28(木) 06:52:02.91 ID:kG6d2/Gm0
運営が息してないから3年くらい放置してもスレ残ってそうな気もする支援
498 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/10/28(土) 14:22:04.23 ID:l3NxoydCo
休載と言う体。保守。
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 14:30:52.50 ID:2I5LcCCr0
待ってる
500 :
◆eFmsopXiyIbt
[sage saga]:2017/11/28(火) 22:20:49.76 ID:4B+DFwoJo
保守。
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/03(日) 01:46:10.10 ID:1yRWcjPC0
ケン・イシカワの虚無還りを待つように待ってる
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