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クマ「ゲッターロボ・クマー!」
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362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/25(土) 07:50:36.68 ID:yheg8Zf30
>>361
TVアニメ版だと元々ゲッターロボは宇宙開発用のロボだからそっちメインで研究を続けていけば研究所は運営できるし微量でも莫大なエネルギーを得られるゲッター線の研究なんて国が手放さないだろ
まぁどうせ鬼とかドイツ生まれのマッドサイエンティストや虫が攻めてくるから戦争は無くならない
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/06/26(日) 20:19:15.61 ID:RNlW9gXT0
最初P4とのクロスかと思った
正直クロスじゃなくてよかった
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/12(火) 20:03:49.25 ID:FgP3GN+S0
待ってる
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2016/07/18(月) 12:06:59.04 ID:6tlQ5cfSo
月一保守ついでの誰も要らないゲッタークマ裏話。ゲッターチームの性遍歴編。
ナガレ → 初経験は13歳。既に家出して非行に走りまくりで、宿無しだったナガレを拾った風俗嬢25歳が相手。
その女性とは一ヵ月も持たなかったが、以来女性の家に転がり込んでは別れるを繰り返す。
経験人数63人。誰かから病気をもらっていてもおかしくないが、早乙女研究所での健康診断の結果、問題なし。
ジン → 初経験は15歳。高校一年生の時、当時付き合っていた別学校の生徒17歳が相手。
思春期の女の子らしく緊張期待恐怖に飲まれながらの行為だったが、相手が既に豊かに育っていたジンの胸を執拗に弄んだ事から幻滅。
「結局男は胸か」と悟りに至り、その事が原因で仲が冷め、程なくしてその相手とはすぐ別れた。
それからは男性とは必要以上に親密にならず、今のところ結婚も考えていない。経験人数1人。
クマ → 1歳3ヵ月2週目の時のミチルとの鼻チュー。ゲッター線異常の所為か発情期は今のところ来ていない。
性知識はあるが興味はない。
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/18(月) 15:06:35.40 ID:TJvFH3O2o
……クマって勝手にメスだと思ってた……
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/18(月) 17:34:23.59 ID:eofDT+KH0
マジで本編に絡んで来なさそうな設定で草
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2016/08/24(水) 11:30:43.48 ID:r3EZy3bHo
月一の保守っているのかな? 誰も要らないゲッタークマ裏話。ジンの初期設定編。
ジンは最初、普通に男にする予定でした。姿は真対ネオ隼人が良い人になった感じ。
ナガレとは対照的にちゃんとした正義感を持ち、頭脳明晰で冷静沈着なクールガイ。26歳=彼女いない歴の童貞。
大学在学中に司法試験に一発合格し、卒業後は弁護士の先生の下で勉強、24歳で独立し個人事務所を立てる。
可愛いもの、愛らしいものが大好きで、ゲッターチームに加入する理由も本当は、
「自分の本性に気付き落ち込んでいたところをクマの声だけ聞いて励まされ、戦闘後、その姿を見て一瞬で心を奪われたから」
にする手筈だった。ホモじゃない。
考えてみたらミチルが死んでるから「ヒロインいなくね?」と気付いて、しかし竜馬ポジを女にする気にもなれず、クマは別枠。
翔×2やケイの前例から比較的違和感が出ないだろうと隼人ポジに女の子になってもらった。ボインにもなってもらった。
職業と内面本性を引き継いで、初期案男ジンに比べ正義感は薄く、女性だからややヒステリック。独り言も多い。あと姉が兄になった。
ちなみにどちらも身体能力は尋常じゃない。OVA竜馬にちょっと劣るくらい。
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/25(木) 00:26:17.97 ID:1Ur8dw8H0
OVA竜馬にちょっと劣るくらいって既に人外wwwwww
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/29(月) 03:25:04.79 ID:bZUsH8EDO
OVA竜馬も結構差がありそうなイメージだが
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/09/11(日) 00:53:25.75 ID:Najc7hDV0
そもそも平気な顔してゲッターに乗れる時点ですでに人外レベルの身体能力だからその辺は言われるまでもないかなって
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/14(金) 07:02:19.62 ID:VO3EVI5g0
はよ
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:43:17.21 ID:r3Pj8EvBo
>>366
作中でオスとも明記してないんで大丈夫です。
>>367
絡めます。
>>369-370
具体的には真対ネオの竜馬以下ですね。因みにナガレは新ゲ竜馬にちょい劣るくらい。
個人的な意見ですがOVA竜馬の身体能力は真対ネオ>真≧新だと思ってます。
>>371
まあ念の為に言っただけです。規格外の中の規格外的な意味で。
でもってお待たせしました凄い奴。何だかんだマジで三ヵ月待たせてごめんなさい。
で投下する前に修正
>>193
ミチルがイーグル号に乗ってるって言ってるけどジャガー号です。
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:43:52.35 ID:r3Pj8EvBo
チュンチュン……
ジン「すぅ……すぅ……」
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「ん…………」モゾ
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「んン…………」
モゾモゾ
ピピピッ ピピピッ
カチッ
ジン「…………」ムク
ジン「眼鏡……めがね……」モゾモゾ
スチャ……
ジン「…………六時。はふぅー……」
ジン「んんーー…………!」
ジン「…………ねむ」
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:44:46.84 ID:r3Pj8EvBo
ゲッターロボ・クマ
. 第 四 話
. 【白無垢鉄火】
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:45:42.12 ID:r3Pj8EvBo
―― 早乙女研究所・飛行訓練場 ――
タッタッタッタッ……
ジン「フッ、フッ……」
タッタッタッ……
ジン「フー…………。水……」スッ
キュッ
ジン「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
ジン「ぷはっ。はぁー……最近、暑いわねー。そろそろこの日課、止めた方が賢明かしら」
ジン「体力作りの為に体ぶっ壊しちゃ、元も子もないし……」
ジン「ま、それは後でいっか。さーて。シャワー浴びてご飯食べよ」
ザッ……
ジン(ミチルさん。達人さん。散っていった、ゲッターチームの皆さん)
ジン(今日も私たちを、見守っていてください)
ジン(って、…………なーんか、視線感じるのよね。何かしら)
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:46:17.71 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「ふー、さっぱりしたぁ」ゴシゴシ
ジン「…………ん? えっと、眼鏡、眼鏡……」スチャ
ジン「あ。お兄ちゃんから着信来てる」スッ
ジン「んー……ま、いっか」スイスイ
ジン「…………あ、お兄ちゃん? うん、ジン。こんな朝早くにどうしたの?」
ジン「元気だよ? うん。ちゃんと仕事してるよぉ。うるさいなあ、余計なお世話」
ジン「そんなんだからお兄ちゃんだって三十路手前で彼女できないんだよ」
ジン「ハイハイ、二〇代後半になってまで愛嬌なんて必要ありません。それ昔の話でしょ!? 今関係ないじゃない!」
ジン「もー……で、何の用? えっ、住所? うん、うん……えー、いいよぉ、近いうちに自分で取りに行くから」
ジン「ホントに行くって。え? そんなわけないじゃん。私、弁護士だよ? 今時危ない事やったって碌な事にならないもん」
ジン「大丈夫だから。本当。暫く連絡しなかったくらいで心配し過ぎよ。だからあれは携帯壊しちゃったんだってば」
ジン「うん。うん。分かってる。お兄ちゃんこそ気を付けてね。最近はハチュウ人類の襲撃も多いから」
ジン「お父さんとお母さんの事、お願いね。うん、よろしく言っといて。うん、じゃあね」
ピッ
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:47:58.27 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ふー……危なかった。住所なんて言ったら、何処にいるかバレちゃう」
ジン「お兄ちゃんってば、無駄に勘が鋭いから、下手に情報与えたたらすぐに突き止めてくるかもしれないし」
ジン「言えないもんねぇ、妹がこんな所でロボットのパイロットやってるなんて」スイスイ
ペンポンッ
ジン「お、ニュース…………わはー」
『「ゲッターロボ」は敵か味方か! 激化する反対運動』
『「ゲッターロボ」の戦闘で住居を破壊された国民の怒りの声』
ジン「しかも、世間から非難轟々の『ゲッター』だもんなー……卒倒しちゃうよなー……」
『ハチュウ人類と戦う傍ら、破壊活動に特に勤しむのは白いゲッターロボ、「ゲッター2」だろう』
『水道、ガス、電気などのライフラインの大半を地中に埋め込んでいる現代では、ドリルを使って地中に潜る特性はそれらの寸断以外に他ならない』
『とりわけ目立つのは、戦闘時に垣間見えるパイロットの残虐性だ』
ジン「…………」
『我々の命運をこのような異常性の持ち主に委ねて良いものか。国民の糾弾は止まない』
ジン「ハア…………しょーがない。ご飯たーべよ」
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:48:56.65 ID:r3Pj8EvBo
―― 食堂 ――
ジン「はーぁ……」パク
ジン(いつもより味がしないなあ……)モグモグ
クマ「ジンー!」キュムキュム
ナガレ「よっ」
ジン「あら、クマちゃん、ナガレ。おはよう」
クマ「おはようクマ。もう、朝の日課は終わったクマ?」
ジン「ええ、起きてすぐにね。そのくらいしか時間が無いから」
ナガレ「朝っぱらからよくも走り回れるな。寝ててーよ、俺は」ガシャンッ
クマ「ナガレ、食器は静かに置くクマ!」
ナガレ「へーへー」
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:49:25.40 ID:r3Pj8EvBo
ジン「あんたは夜更かしし過ぎなのよ。ゲッターパイロットとしての責任感ってのをちゃんと持ちなさい」
クマ「まったくクマ。昨夜だって日付が変わってもまだ起きてたクマ?」
ナガレ「それを知ってるお前も同類だぜ」
クマ「さっき健康管理士さんが愚痴ってたクマ」
ジン「ナガレの性格を考えれば大体想像できるし」
ナガレ「余計なお世話だっつーの……!」ガツガツ
クマ「戦闘中に居眠りとかしないでほしいクマ」
ナガレ「ふふはほんはほッ!」
ジン「ちょっとカス飛んだ……」
クマ「ホントにまったくクマ……それで、ジン。どうかしたクマ?」
ジン「え?」
クマ「なんだか、元気がないように見えたクマ」
ナガレ「ング……遠くからでもよーく見えたぜ。生理か?」
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:50:01.62 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………フッ。なんでもないわよ、クマちゃん」
クマ「嘘じゃないクマ?」
ナガレ「お前こそ無理してぶっ倒れんじゃねえぞ。邪魔臭ェから」
ジン「心配無用よ。これでも私、二〇年間病気も怪我もした事ないんだから」
クマ「……分かったクマ。でも、疲れたり辛かったりしたら、ちゃんと言ってほしいクマ」
ジン「ええ。でも、ありがとう。それとナガレ?」
ナガレ「あん?」
ジン「アンタ、次にデリカシーない事言ったらキンタマ引き千切るから」
ガタガタッ
キュッ
ナガレ「お前、飯食ってる時にそんな事言うなよ……」キュッ
クマ「同意だけど、元はナガレの所為クマ。自業自得クマ」
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:50:39.36 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「はー、食った食った。今日はなんか予定あったっけか?」
クマ「今日は一日自由行動クマ」
ジン「自由行動って言っても、申請も無しに勝手に外に行かないでよ」
ナガレ「自由が鼻で笑えるな」
ジン「仕方ないわよ。任務が任務だもの」
クマ「勝手に出かけて行って居場所が分からない時に、メカザウルスが襲ってきたら大変クマ」
ジン「特にナガレは通信機とか持って行かない癖があるんだから、それくらいはしっかりしなさいよ?」
ナガレ「うるっせーなー! 今日はどこにも行かねえよ、行く気も無くなった!」
ジン「別に行くなって言ってるわけじゃないんだけどね」
クマ「ルールさえ守れば良いのに、ナガレは無法者だから色々言われるんだクマ」
ナガレ「ケッ、やってられっか!」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:51:10.56 ID:r3Pj8EvBo
クマ「ジンはこれからどうするクマ?」
ジン「襲撃が無ければ、部屋でゆっくり過ごそうと考えてるわ。クマちゃんは?」
クマ「早乙女博士のお手伝いクマ!」
ナガレ「ジジイの手伝いって……お前に手伝える事なんてあんのか?」
クマ「伊達に早乙女博士の傍で過ごしてないクマ。普通の人間よりも役立つ自信があるクマ」
ジン「そう言われると、当然な話ね。確かに私やナガレが手を貸すよりよっぽど息が合ってるだろうし」
ナガレ「俺ァそもそも誰かの手伝いなんて面倒だからヤだぜ」
ジン「ほーら話にならない」
ナガレ「うるせぇ。喧嘩売んな」
クマ「きっとナガレにもできる事があるクマ。じゃあ、クマはこっちクマ」
ナガレ「おう、さっさと行けよクマ公」
ジン「じゃあね、クマちゃん」
クマ「また後でクマ!」
キュムキュムキュム……
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:52:06.20 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「……さーてと、ンじゃあ俺は適当にブラつくかね」
ジン「ええ…………ふふっ」
ナガレ「なんだよ」
ジン「前に比べて、クマちゃんへの当たりが柔らかくなったなと思って」
ナガレ「チッ、うるせーな」
ジン「別に咎めてるわけじゃないんだから、不機嫌になる必要ないじゃない」
ナガレ「余計なモンは余計だろうが。黙ってりゃいいモンを口に出しやがって」
ジン「気楽に口に出せるだけ、私は今の方が良いわ」
ナガレ「あーそうかよ…………ジン」
ジン「なによ?」
ナガレ「お前、マジでなんかあっても、絶対に俺に言うなよ。頼るならクマ公にしとけよ」
ジン「…………あら、なんでナガレは駄目なのかしら」
ナガレ「俺にかったるい事させんな。じゃーな」
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:53:02.98 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………そうね。『二人』が心配してくれる事だし」
ジン「気にしないようにしなきゃ」
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:53:34.82 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「……………………」カタカタカタカタ
ジン「…………この判決は納得いかないわね」
ジン「……………………」カタカタカタカタ
ジン「……………………」カタカタカタカタ
ジン(あー、この犯人捕まったのね…………)カタカタカタカタ
ジン「……………………」カタカタカタカタ
ジン「…………あ、お昼過ぎてる」
ジン「……………………」カタカタモグモグ
ジン(…………やめよ、食べるのに集中しよ)アムアム
ジン「あーあーどのチャンネルもゲッターの批判ばっかりだぁ……」ピッピッ
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:54:08.30 ID:r3Pj8EvBo
ジン「……………………」カタカタカタカタ
ジン「…………」カタ
ジン「ふぅ。んあぁー……ちょっと、休憩しよー……」
フラフラ
ボフッ
ジン(あー、久々のデスクワークって言うか、長い時間パソコンに向かい合ったから体が……)
ジン「あー……うー……」ゴロゴロ
ジン(メカザウルスの襲撃が無いオフって、暇ねー。まあ、騒がしくないならそれに越した事はないんだけど)
ジン(今、クマちゃんとかナガレとか、何やってるんだろうなぁ)
ジン「…………ちょっと、散歩しよ」ガバッ
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:54:47.31 ID:r3Pj8EvBo
ジン(クマちゃん、早乙女博士の手伝いって言ってたな。まだやってるのかな)
ジン(でも博士の研究室にはいなかったし、どこだろ)
所員A「あ、ジンさん。お疲れ様です」
ジン「あ、お疲れ様です。……そうだ、早乙女博士って今、どこにいるか分かりますか?」
所員A「博士ですか? ゲットマシン格納庫に居ますよ。あ、でも今は……」
ジン「何か、都合が悪いですか?」
所員A「ゲッターの改造をしているんで、忙しいと思いますよ」
ジン「そうですか……ゲッターの改造?」
所員A「ゲッタートマホークの搭載数を増やすそうです。ただ、かなり難航していて」
ジン「ああ、前から言っていたような…………そんなに難しいんですか」
所員A「改造が中々成功しないところを見ると、そうみたいですね。ゲッターの整備専門じゃないんで、よくは知らないんですが……」
ジン(確かに、改造するって言うのは良く聞くけど、実際に性能が変わったって話はあまりしてないわね)
所員A「ま、そんなわけで、早乙女博士は格納庫です」
ジン「分かりました、行ってみます。呼び止めてごめんなさい」
所員A「いえ! 俺で良ければ頼ってください」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:55:42.93 ID:r3Pj8EvBo
ジン(ってわけで取りあえず来たけど、なんか騒がしいな……)
早乙女「…………今だ、ゲッター線量を上げろ!」
整備士「了解! ゲッター線増幅ッ!」
ググ……ギュィイイイインッ
ジン(ゲットマシンが光ってる……何やってんのか全然わからないけど)
整備士「32%……55%…………70%!」
グググッ…………!
クマ「早乙女博士っ! ゲッター合金の変形を確認クマ!」
早乙女「そのまま維持だ!」
ググッ…………
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:56:20.78 ID:r3Pj8EvBo
クマ「……早乙女博士! 出力低下してるクマ!」
早乙女「何っ!」
整備士「数値は70%のままです!」
クマ「感じるクマ、ゲットマシンが反応していないクマ!」
ギュゥウウン…………
整備士「くっ……博士! 数値がどんどん低下していきます!」
早乙女「またかっ……!」
ウウゥン…………
整備士「0%…………失敗です」
クマ「早乙女博士、さっきと比べると、定着が甘いクマ。ゲッター線を増やすより、減らしてみるのはどうクマ?」
早乙女「…………もう一度やるぞ。クマ、手伝ってくれ」
クマ「任せるクマ!」
ジン(本当に忙しそう…………邪魔するのは、悪いな)
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:57:16.53 ID:r3Pj8EvBo
カツカツカツカツ
ジン(クマちゃんって、本当に『ゲッター』について詳しいのね。知識だけじゃなくて、感覚的にも)
ジン(因縁もあるし、ゲッターに対する執着や想いはそりゃあ強いわよね)
ジン(世間にあんな風に言われて、我慢できるはずないのに…………)
ジン「それに比べて私って、子供だなあ……」
ナガレ「オリャアアアッッ!」
ダァンッ!
歩兵A「ぐはっ!」
ジン(……ナガレはあそこか。確か、トゥルーパー用の戦闘訓練室だったはず)
ジン「なにやってんだかあのバカは……まあ、好きそうなところだけど」ヒョイ
ナガレ「オラ、どうした! 次かかってこいやァ!」
???「なら次は俺たちだ」
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:58:02.79 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「ン? ……お前らは、たしか……えーっと…………」
黒服A「フッ、まあ憶えてなくとも仕方あるまい」
黒服B「だがお前をスカウトしに行った際、刃物まで取り出して負けた屈辱……」
黒服C「それを活力とバネにして、我々は再び己を鍛え直した!」
ナガレ「あー、あの時の黒服連中か。お前らトゥルーパー所属だったのか」
黒服A「行くぞ一文字 流! このコンドウ、負けはせんーッ!」
黒服B「続けオキタ! イヤーッ!」
黒服C「でやぁああああっ!」
ナガレ「だからお前らな……」
ヒョイヒョイ
ナガレ「どりゃあッ!」
バキッ!
黒服C「ぐわっ!」
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:58:51.64 ID:r3Pj8EvBo
黒服A「隙アリーッ!」ブンッ
ナガレ「だあっ!」
ガキッ
黒服A「ぐう!」
ナガレ「オラオラ!」
ドカッ! ゴキャッ!
黒服B「べはっ!」
黒服A「ぎゃっ!」
ドサッ……
ナガレ「ワンパターンが過ぎるんだよ。動きは良くなってもそれ以外何も変わってねえじゃねーか」
ナガレ「…………気絶してんじゃねえよ!」
ゲシッ
黒服A「ぐあっ! うぐっ……!」
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 00:59:49.19 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「おいおい、実戦部隊が雁首揃えてこんなモンかよ。前から思ってたけどお前ら必要ねえだろ」
黒服A「ぐぐ、くそっ……」
ナガレ「俺だけでハチュウ人類なんざ叩きのめせるぜ」
ジン「必要ないわけないでしょ、馬鹿ね」
ナガレ「ジン。おい入るなら靴脱げよ」
ジン「分かってるわよ」ヌギヌギ
ナガレ「それで何だよ、なんか文句あっか」
ジン「大ありね。メカザウルスが襲ってきたらゲッターロボが出撃するけど、同時に相手の歩兵が出てきたら?」
ジン「ゲッターロボでちみちみ虱潰しでもする? 研究所に侵入されたらどうするわけ?」
ジン「流石がゲッターを降りて戦うなら、誰がゲッターを動かすの?」
ナガレ「ぐうっ……! だけどこいつらが雑魚なのは事実だろうがっ」
ジン「実際の戦闘では防具と銃器で武装して遠中距離で戦うから近接戦闘の力量なんてそうそう関係ないわよ」
ナガレ「ぐうっ……」
ジン「馬鹿ねアンタ。ホントにアンタ馬鹿ねー」
ナガレ「黙ってろこのクソボケ!」
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:00:37.53 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ほらほら、みんなの邪魔しないの。あんたが居たってなんの薬にもならないんだから」
ナガレ「チッ……そうだ。折角だからお前も付き合えよ」
ジン「は?」
ナガレ「何だかんだお前とは口で争っても実際にやり合う事は無かったからな」
ジン「嫌よ、疲れるのに。大体にして初めて会った時のテストだかなんだかで叩きのめしてあげたじゃない」
ナガレ「ペンはノーカンだろ」
ジン「そんなアンタ都合のルールなんて知らないわよ」
ナガレ「素手だったら負ける気がしねえぜっ!」
ジン「人の話聞きなさいよ」
ナガレ「お前らこのアホ共邪魔だから片付けろ」
ジン「だから……」
ズルズルズルズル…………
歩兵B「橘さん、やっちゃってください!」
ジン(……仲間を引き摺ってまでする事なの、これ。かたき討ち?)
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:02:17.56 ID:r3Pj8EvBo
「女だろ? いくらゲッターロボに乗れるからって、大丈夫なのか?」
「知らないのか。俺たちが手も足も出なかったナガレが、それこそマジで手も足も出なかった相手だって話だぜ」
「ゲッターの乗り回しっぷりから、相当ヤバいのは間違いない」
ジン(聞こえてるっての!)
ジン「ちょっと、決闘は法律で禁じられているのよ! 明治22年法律第34号、通称「決闘罪に関する件」!」
ジン「決闘を申し込んだ者、受けた者、立会人、場所提供者その他諸々、関わった人間全てに適用される!」
ジン「この場に居る全員、しょっ引かれたいの!」
ナガレ「だから決闘じゃなくて、実力の確認だっつーの。空手とか柔道の試合と大差ねえよ」
ジン「物は言いようにも程があるわよ。あのね、仮にも法を操る人間が、罪に触れるような真似をすると思うの?」
ナガレ「ハチュウ人類相手なら何しても良いとかしょっちゅう発狂するとか、本性極悪人のくせによく言うぜ」
ジン「…………」ブチッ
ナガレ「お?」
ジン「侮辱罪に名誉棄損罪は虚仮威しや伊達じゃないのよ。れっきとした罰として存在する」
ジン「そして罰を犯した人間は裁かれなければならない。身内であれば、躾けなければならないわ」
ジン「その命知らずで無鉄砲な性根を叩き直してあげる」ポキポキゴキ
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:02:56.01 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「そうこなくっちゃ面白くねえ。いっぺん、どっかしらでテメエに勝っておかなきゃ、俺の腹の虫が治まらねえんだ」
ジン「なら、無理ね」
ナガレ「抜かせ。眼鏡、外さなくていいのかよ」
ジン「ええ。そんな手間も必要ないわ」
ナガレ「おいおい、叩き壊すぜ?」
ジン「できもしない事、あまり大勢の前で言うものじゃないわよ」
ナガレ「嘗めんなよォ!」ダッ
ダダダッ
ナガレ「ウオオ!」
ジン「…………フッ!」ズオッ
ガシッ
ナガレ(かっ、顔を掴まれただと!? 早すぎてまるで反応できねえ……っ!?)
ジン「はあっ!」グンッ
ナガレ「オッ――――」
ゴシャッ!
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:03:37.31 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「おぶぁっ……!」
ドサッ
ジン「ふぅ…………」
「なんだ今の……早すぎて全然見えなかった」
「って言うか、頭から叩き付けられたぞ、ナガレの奴。大丈夫か……?」
「大丈夫だろ、畳だし、ナガレだし……」
ジン「これ、勝敗はどうやってつけるの?」
ナガレ「ン、なもん……」ググ……
ダァン!
ナガレ「ブッ潰れるまでに決まってんだろ!」
ジン「まあ、そう言うでしょうね」
ナガレ「頭から床に叩き付けやがって、畳じゃなかったらどーすんだよ!」
ジン「ナガレだったら大丈夫かと思って。静かになるならそれでいいし」
ナガレ「テメエ……マジで叩きのめす!」
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:04:20.88 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「どりゃあ!」
ジン「…………」スッ
スカッ
ナガレ「うおおおおっ!」
スカッ スカッ
「すげえ……ナガレの連打を事も無げにかわしている」
「ナガレの奴は技術もクソも無いが、場数を踏んでる分だけ良い動きしてるってのに……!」
ナガレ「だあああああああっ!」
グワッ!
ジン「フッ!」
ガッ!
「ふ、防いだ! あの上段蹴りを!」
「どんな反射神経してやがるんだ!」
ナガレ「甘ェ!」グッ
グワオッ!
ナガレ(防がれたままに、もう片方の脚で後ろ回し蹴り! これが通用しなきゃ……!)
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:04:50.67 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………」スッ
ガシィッ!
ナガレ「ばっ…………!?」
ジン「フンっ!」グイッ
ナガレ「うおっ!?」
グオオッ!
ナガレ(人間一人を片手でぶん回すって、マジでこいつどんな体してんだよっ!)
ジン「やああアアアッ!」ブン
ずだぁんっ!
ナガレ「ごばァッ!」
ジン「ハアッ!」
ズドッ!
ナガレ「おげぇっ…………!」
「床に叩き付けてからの腹にストンピング攻撃……」
「えげつねえ……!」
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:06:48.68 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「がはっ……こ、の……!」ググ
ジン「…………フッ!」
ガシッ グイッ
ナガレ「うぐあ……!」
ナガレ(こ、こいつ、首を絞めてきやがった……息が……!)
ギリギリギリ
ナガレ「か、はッ……ジ、ンンンッ……!」ジタバタ
ジン「私、素人だから、死ぬ前に降参した方が良いと思うわ」
ナガレ「ふ、ザ……け…………な……!」
ジン「なら仕方ないわね」ググ
グググッ
ナガレ「グウッ……!」
ググッ
ナガレ(あ、トぶ――――)ガクッ
ドサッ……
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:07:27.92 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………ふう。これからは身の程を弁える事ね、馬鹿餓鬼」
ジン(やった事も無い絞め技やったけど、死んでないよね?)
ジン(…………心臓は動いてるからまあ大丈夫か。ほっといたら後遺症があるんだっけ)
ジン「ほっ」トンッ
ナガレ「――――うあ」
ナガレ「ハッ!?」ガバッ
ジン(あ、起きた)
ナガレ「…………」
ジン「ナガレ? 大丈夫? 意識ちゃんとある?」
ナガレ「…………」スッ
スタスタ
ジン「ちょっと、ナガレ」
ナガレ「うるせえ」
スタスタスタ……
ジン(……やり過ぎたわね、確実に)
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:08:09.25 ID:r3Pj8EvBo
ザワザワ
「マジかよ……ナガレが完全に負けたぞ」
「橘さんヤベえ……これがゲッターパイロットかよ……」
「本当に素人かよ、絞め技なんて使うか?」
「やっぱり普通じゃねえんだ。戦ってる時だって……」
「おいバカ、聞こえるぞ!」
ジン「…………迷惑かけて、ごめんなさい。ナガレには後できつく言っておきます」
「あ、いや、その……」
ジン「気にしないでください。では、失礼します」
…………カツカツカツ
「おいどうすんだよ、怒らせちまったじゃねーか!」
「だ、だってよぉ!」
「バカお前らまだデケェ声出すな!」
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:08:36.97 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「はーぁ」
ボフッ
ジン「あーあ、やっちゃった……」
ジン(あんな安い言葉で挑発されて乗っちゃうなんて……カルシウム不足かしら)
ジン「…………だったら、良かったのになあ」
ジン(どう考えても、今朝見たニュースが頭から離れないのが原因よね)
ジン(私って、こんなにメンタル弱かったのね。まあ、強かった自覚があったわけじゃないけど)
ジン(それとも司法に関わってたから? 悪い事してるって意識が後から出てきて、すごい辛いのよね)
ジン(それこそ、ナガレみたいな唯我独尊の悪党にでもなれれば気が楽なんだろうけど)
ジン「それだけは絶対ヤだわー……」
『本当に素人かよ、絞め技なんて使うか?』
『やっぱり普通じゃねえんだ。戦ってる時だって……』
ジン(…………ねえ、『もう一人の私』)
ジン(私はまだ、あなたの事を受け入れられないみたい)
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:10:34.98 ID:r3Pj8EvBo
―― 翌日 ――
ズズゥン……ドッガァアン!
メカザウルスA「ギリリリリリリリッッ!」
メカザウルスB「バウゥッ!」
バオンッ
ナガレ『チィッ、ボケ共が! 街中でドンパチ暴れやがってェ!』
クマ『被害が拡大する前に時間重視で一気に仕留めるクマ! ゲッター2クマ!』
ジン「ま、待って! 今ならゲッタービームで焼き払っても被害は大差ないわ、そっちの方が……」
ナガレ『見たところ片方は頑丈でもう片方は俊敏な奴だ。ゲッター1じゃ振り回されるだけだぜ!』
クマ『クマも同意見クマ。それにもしもゲッタービームを回避された後の隙を考えると、それこそ被害が広がるかもしれないクマ』
ジン「だけど!」
ナガレ『四の五の抜かすな! オープン・ゲェット!』
ガチャン! バシュゥン!
ギュオンギュオン ギュオン
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:11:02.11 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ちょっと……もう! 分かったわよ!」グイ
ギュオン!
ジン「チェンジッ! ゲッター 2 !」ポチッ
ガシィン! ガシィン!
グググッ……グイーン
ヒュー……
ジン「こうなったら落下の速度も乗せて、一気に貫いてやるッ!」
ギュイイィィーン!
メカザウルスA「ギリリリィッ!」ズシィン
メカザウルスB「バウゥッ!」バッ
ナガレ『逃げるぞ!』
ジン「でも一匹はトロい! もう、遅い!」
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:11:50.76 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィーーーンッ!
ジン「ヤアアァーーーッ!」
メカザウルスA「ギリリリリリリッ…………」
ズブッ!
ズババババババァッ
メカザウルスA「ギリリリリリリリリリィッッ!」
ジン「フゥー、フゥー…………!」
ジャリジャリジャリジャリジャリ!
ジン「フ……フヒ――――――――」
ギャリギャリギャリギャリギャリ!
ジン「ヒヒャヒャヒャハハハハハハァッ!」
ナガレ『だあ、このボケ女が、さっそくイカれやがった!』
クマ『ジン、もう一匹が来るクマ!』
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:12:16.38 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「バウゥッ!」バッ
グワッ!
ジン「へはァ…………」グイ
ユラリ…………
ザッ……
ザザザザザ――――――――
ナガレ『どぅうおおおおおおッ! 今日はまた粗いな…………!』
クマ『でも、これならいけるクマ!』
ズサッ
ジン「ギヒャハははッ!」
ギュイイィィーンッ
メカザウルスB「バウゥッ!」
ジャキッ……!
ナガレ『こいつ、ゲッター2の速度に反応して爪を……!』
クマ『ジン!』
メカザウルスB「バウゥゥッ!」
グオオッ!
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:13:56.01 ID:r3Pj8EvBo
ジン「フヒッ」グイ
ザッ――――
スカッ
メカザウルスB「バウッ!?」
ザザッ――――ズサッ
メカザウルスB「バウッ――――」ピクッ
ジン「ヒャハアッ!」
グワッ
ガシィッ!
メカザウルスB「バウッ……!」
クマ『やったクマ! ゲッターアームで掴まえたクマ!』
ナガレ『もたもたすんな、さっさとやっちまえ、ジン!』
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:15:10.63 ID:r3Pj8EvBo
ジン「フゥッ、フゥッ……!」
『とりわけ目立つのは、戦闘時に垣間見えるパイロットの残虐性だ』
『我々の命運をこのような異常性の持ち主に委ねて良いものか。国民の糾弾は止まない』
ジン「ギヒッ、ヒヒャヒャヒャヒャヒャヒャハハッ!」グイッ
ググッ……ズガァン!
メカザウルスB「バウッ……!」
クマ『ジン! ゲッター2の力じゃ地面に叩き付けても意味ないクマ!』
ナガレ『クソがッ……もうこうなったら飽きるまで待つしかねえ』
ジン「グヒィッ!」グイッ
ズルズルズル……ガガガガガガガガガッ!
メカザウルスB「バウゥッ…………」
ジン「ハアアアアァッ…………アアアッ!」
ググッ……ブンッ!
クマ『メカザウルスを投げたクマ……!?』
ナガレ『ばっ……ジン、お前! そっちにはまだ無事な建物が!』
ずがああぁんっ!
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:15:56.65 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「バウウウゥッッ!」
ジン「アハハハハハハハ! ギャハハハハハハッッ!」
ザザッ――――
メカザウルスB「バウゥ…………」ガクガク
ギュイイィーーン……ドズッ!
メカザウルスB「バウッ……!」
ジン「うぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!」
ズガガガガガガガッ!
ズズゥン…………
ナガレ『ドリルで貫いたメカザウルス諸共、次々と建物を薙ぎ倒してやがる……』
クマ『いつものジンの暴走と桁が違うクマ! どうしたクマ!?』
ナガレ『どうしたもこうしたもねえだろ! クマ! ジジイに連絡して強制オープンゲットだ!』
クマ『分かったクマ!』
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:17:09.27 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィィーーーーーンッ!
ジン「ヒヒャハハハハハハハハッッ!」
ガガガガガガガガガガガガッ!
ナガレ『おいおいついにメカザウルス関係なしに暴れ出したぞこのクソ馬鹿女!』
クマ『ジン! 止めるクマ! 『ゲッターロボ』でそんな事をしちゃ駄目クマ!』
ナガレ『テメエいつまでトチ狂ってやがる、ジン! そんなザマでよくも人の事を言えたなァ!』
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ズガガガガガ!
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ごしゃあっ!
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
バキバキッ……ガリガリガリガリッ!
ナガレ『止めろジン! ジンーーーッ!』
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:17:54.10 ID:r3Pj8EvBo
ギシッ……
クマ『――――ジン! 後ろからっ……!』
メカザウルスA「ギリリリリリリリリリィィッッ!」グワァッ
クマ『まだメカザウルスが生きてるクマっ!』
ジン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――」
―――
――――――
―――――――――
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:18:22.77 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「……………………」ポケー
『昨日のゲッターロボの暴走により倒壊した家屋・建築物は四〇棟以上に上るとされており』
『ご覧の通り、メカザウルスの物とは異なる生々しい暴走の傷跡が残されています』
『住居を失った人々からは、以前にも増して、ゲッターロボに対して強い批判的な意見が出ています』
『家を返せ、この悪魔! 悪魔だよ本当に!』
『本当にね、許せないですよ。メカザウルスよりも質が悪いです』
『こわかった。もうたたかわないでほしい』
『このような戦闘が多く続く中、ゲッターロボの活動停止を求める声が強くなっています』
『また、問題視されているゲッターロボのパイロットの精神不安について、どちらも早乙女研究所は黙秘を続けています』
『現場からは以上です』
ジン「……………………」スッ
ピッ
プツン…………
ジン「……………………」フラ
ドサッ ボフッ
ジン「……………………」
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:18:59.81 ID:r3Pj8EvBo
ジン「……………………」
ジン「……………………」
ジン「……………………」
ジン「……………………」ギリ
モゾモゾ
ボフッ
ジン「ぶわあああああああああああああああああああああああああ!」
ジン「わああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ジン「わあああああっ…………」
ジン「…………」
ムクッ
ガシッ
ジン「ッ……!」ブンッ
……ボフッ
ジン「……………………」
ジン「なに、してんだろ、私……」
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:19:55.78 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ……
ジン「……………………」
所員A「今回ばっかりはなあ……フォローできねえよな」
所員B「流石にあの破壊活動はな。橘さん、やっぱり頭のネジが飛んでんだな」
ジン「…………」ピタ
所員A「避難は終わってたから、直接の死傷者が居なかったのが唯一の救いだな」
歩兵A「つっても、下手したらあのままゲッターロボが破壊されてたかもしれないんだぜ?」
所員B「ああ。クマの通信が間に合って、土壇場で強制オープン・ゲットができたから何とかなったものの、な」
歩兵B「メカザウルスをどうにかできていたとして、あのまま暴れてたら、メカザウルスよりも被害を出していたかもしれねえし」
歩兵A「いや、ヤベえのはゲッターに乗ってるからってだけじゃねえ。あのナガレを、生身で叩きのめしたんだぜ」
所員B「あー、あれな。首絞めて落としたってやつ。素人が、正気の沙汰じゃねえよ」
所員A「今まで何だかんだまともだと思っていたけど、まあ、早乙女博士の言葉を借りるならクズだったって事かなあ」
所員B「あんまり言いたくはないけど、な……」
ジン「…………」
カツ カツ カツ…………
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:21:04.10 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ
ジン「…………」
コンコン
早乙女「誰だ」
ジン「……私です」
早乙女「…………入れ」
カシュッ
ジン「失礼、します」
早乙女「具合はどうだ」
ジン「芳しくありません」
早乙女「そうか。次の出動までに整えておけ」
ジン「…………はい」
早乙女「それで、何の用だ?」
ジン「ゲッターパイロットを、辞めます」
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:21:56.71 ID:r3Pj8EvBo
早乙女「……何故だ?」
ジン「私は、ゲッターロボのパイロットに相応しくありません……」
早乙女「……聞こう」
ジン「ゲッターロボは、正義であるべきです。メカザウルスを打ち倒し、恐竜帝国を滅ぼす」
ジン「ですが、私は、その理念とは正反対にいる……私がゲッターに乗っていると、ゲッターが悪に変わってしまう」
ジン「『ゲッターロボ』の為に死んでいった方々へ申し訳が立ちません。そして、クマちゃんにも……」
ジン「…………私は、ゲッターロボに乗ってはいけないんです」
早乙女「…………ジン。お前はいくつかの大きな勘違いをしている」
ジン「勘違い、ですか?」
早乙女「まず、お前ほどゲッターに相応しい人間は他に居ない」
早乙女「次に、ゲッターロボは正義などではない。生存競争を戦い抜く道具に過ぎん」
早乙女「ワシは、悪だの正義だの、下らない理由で戦う人間など必要としない」
早乙女「そして…………本当にゲッターと人類の末を想うのであればこそ、乗るのだ」
早乙女「『ゲッターロボ』に散っていった者たちに報いるならばこそ、だ」
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:22:53.84 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………乗るだけならば、できます。でも、もう……戦うのは」
ジン「今の私は、『私』を抑えられない……!」
早乙女「それはお前の一存では決められない。襲ってくるメカザウルスに合わせて形態を変えるのがゲッターだ」
早乙女「お前が拒もうと奴らは襲ってくる。お前は戦わなければならない」
ジン「…………コラテラルダメージが増えても、ですか?」
早乙女「何を犠牲にしても戦え。それが今、人類が為すべき事だ。お前とて例外ではない」
ジン「…………」ギリ
ジン「…………分かりました。失礼、します」
カシュッ
早乙女「…………四年も経って、娘の扱い方など忘れてしまったよ。和子、ミチル……」
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:23:20.01 ID:r3Pj8EvBo
ジン「……………………」ポケー
ぴとっ……
ナガレ「よっ。珍しいじゃねえか、休憩所でのんびりか?」
ジン「…………冷たいんだけど」
ナガレ「気ィ抜けてんなァ。飲めよ」
ジン「何よ」
ナガレ「ビール。飲めんだろ」
ジン「…………気分じゃないし。第一、メカザウルスがいつ襲ってくるかも分からないのに、酒盛りなんてできるわけないでしょ」
ナガレ「三五〇ml缶一本ぐらいで酔っ払うかよ」カシュッ
ジン「って、こら」スッ
ヒョイ
ナガレ「あっ、てめっ、何しやがる。返せよっ」
ジン「アンタこそ何してんのよ、未成年でしょうが」
ナガレ「酒なんざ昔から飲んでるっつの。今更関係ねえよ」
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:24:15.82 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ハァ……未成年飲酒の常習。禁止の罰則対象は自分じゃないからって……しかも、買ったのナガレ?」
ナガレ「だからなんだよ」
ジン「なら販売者も違反ね、まったく……これは没収」
ナガレ「ふっざけんな!」
ジン「ふざけてるのはナガレの方よ。日本国民なら日本の法律を守りなさい」
ナガレ「ったく、こう言うトコだけはいつだって変わんねえんだから面倒臭ェな」
ジン「当然よ。これでも弁護士だったんだから」
ナガレ「止めちまえ、そんな心構え」
ジン「お生憎様。アンタみたいなルール度外視の迷惑野郎を適正な法で裁きたくて、進んだ道だもの」
ジン「それに、その迷惑野郎が未成年なら正しい道に戻すのは大人の役目なのよ」
ナガレ「そーかよ」
ジン「…………そうよ」
ナガレ「…………」
ジン「…………」
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:24:42.84 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「…………調子悪ィならよ、クマ公に言えっつったろ」
ジン「大丈夫よ、私は……」
ナガレ「だから、それで俺に迷惑掛けんなって、それも言ってんだろ」
ジン「掛けてないじゃない」
ナガレ「笑わせんな。結局あの戦闘だって、最後は俺がゲッター1でお前のケツ拭いてやったんじゃねえか」
ジン「それはっ…………ごめんなさい」
ナガレ「謝って済むかよ。謝るくらいなら最初からするなってんだ」
ジン「…………」
ナガレ「俺は赤の他人の不幸だの責任だの面倒臭ぇモン背負わされるのはまっぴら御免だぜ」
ナガレ「だからよ、頼れっつってる奴がいるなら、そっちの方に行ってほしい訳だ」
ナガレ「なあ、ジン。俺はお前の事なんざどうだっていいし、内面が超クズで、どこの何をぶっ壊したってンなぁこたァ知らねえよ」
ナガレ「だけどよ、そんなお前を心配してる奴がいてよ、そいつに本当に迷惑かけたくないってんならよ」
ナガレ「そいつと顔と顔向かい合って話すのは、悪い事じゃないんじゃねえか?」
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:25:16.86 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………これは、捨てておくわ」スッ
ナガレ「置いてけ」
ジン「駄目よ。また新しいのを買い直しても、没収だから」
ナガレ「ケッ、じゃあせいぜい見つからねーようにするぜ」
ジン「見つかった時を楽しみにしなさい」
ナガレ「ジン」
ジン「なに?」
ナガレ「クマ公は四階フロアのコンピューター室に居るぜ。メカザウルス襲撃の報告書を書いてるんだとよ」
ジン「……そう」
ナガレ「今まで襲ってきたメカザウルスの情報なんざ、頭に叩き込んでおけばいいのに、面倒な事するよなぁ」
ジン「…………ナガレ」
ナガレ「なんだよ」
ジン「ありがと。見直したわ」
カツ カツ カツ カツ……
ナガレ「…………なァんで俺がこんな事しなきゃなんねぇんだよ、ジンのボケクソが」
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:25:42.27 ID:r3Pj8EvBo
カツ カツ カツ カツ……
ジン(コンピューター室……ここね)
カラカラ……
ジン(クマちゃんは……いた)
クマ「胴体を貫かれても生きていたクマ……この部分に生体部品を置いていないクマ?」ブツブツ
クマ「もしくは全部を機械に変えて、重要なパーツを二つ作って…………」ブツブツ
ジン(…………話しかけたら、悪いわね。戻ろう……)
クマ「…………クマ?」ピクピク
クマ「あっ、ジン!」
ピョンッ
ジン「あっ…………」
キュムキュムキュム
クマ「全く気付かなかったクマ。いつからそこに居たクマ?」
ジン「いえ、さっき。でも、クマちゃん集中していたみたいだから……邪魔よね、帰るわ」
クマ「いやいや、大丈夫クマ。クマもちょっと疲れたから、休憩クマ」
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:26:09.32 ID:r3Pj8EvBo
クマ「それで、クマに何か用クマ?」
ジン「用、ってわけじゃなんだけど……昨日の、戦闘の事で」
クマ「あっ、そうだったクマ! 具合は大丈夫クマ?」
ジン「ええ、それは大丈夫」
クマ「良かったクマ。今回はいつもと違うから、何か負担が掛かっていないか心配だったクマ」
ジン「体の方は大丈夫。それで、ごめんなさいね。あんな事しちゃうなんて」
クマ「気にする事無いクマ。普段から厄介なナガレに比べたら可愛いものクマ」
ジン「……そんな事、無いわ」
クマ「ジン、あまり思い詰めちゃ駄目クマ。メカザウルスを倒せたんだから、今はそれで良しとするクマ」
ジン「いいえ、良くないわ。あれは、私の心の弱さと甘さが原因だもの」
クマ「どんな人間でも弱い所を突かれれば痛いクマ」
ジン「痛いのは私じゃない、から…………」
クマ「痛くないなら普通はしょげないクマ」
ジン「…………」
クマ「立ちっ放しも何クマ、座るクマ」
ジン「……ええ」
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:26:53.15 ID:r3Pj8EvBo
クマ「よいしょ…………クマ」ポフッ
ジン「…………」ギィ
クマ「さて……ジンは、クマが前に言った言葉をまだ憶えてるクマ?」
ジン「どれの事かしら……?」
クマ「『本能は、もう一人の自分クマ。ちゃんと、仲良くしてあげるクマ』」
クマ「『そうしたら、いざと言う時、絶対に助けてくれるクマ』……そう言ったクマ」
ジン「憶えているわ。でも…………仲良くできたつもりだったんだけどね。駄目みたい」
クマ「勿論、簡単な話じゃないクマ。それこそ、一生を終えるその瞬間まで分かり合えないかもしれないクマ」
クマ「それに、クマのその言葉が本当に正しいかどうかなんて、分からないクマ」
クマ「だけど……もし分かり合えても、受け入れられなくても、今回の事は、ジンは悪くないと思うクマ」
ジン「……どうして? あんなに許されない事をしたのに?」
クマ「クマは、ジンは間違っていないって、絶対に正しい事しかしないって、思っているクマ」
ジン「信じてくれているのね。嬉しいけど……でも、今回の事は正しくないわ」
クマ「そうとも限らないクマ」
ジン「え?」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:27:53.93 ID:r3Pj8EvBo
クマ「ちょっと切り込んだ話になるクマ。ジンは、どうしてあの時、いつもより暴走したと思うクマ?」
ジン「…………自業自得よ」
ジン「ゲッターロボが世間から批判されて、私の本性がバッシングを受けて、それでへこんでいただけなの」
ジン「それで終わっていれば良かったんだけど、私は……世間に八つ当たりしたんだわ。最低よ」
クマ「んー……そうかもしれないけれど、違うかもしれないクマ」
ジン「どうして?」
クマ「言っても、多分ジンは納得できないと思うクマ。でも、頭に入れておくだけで違うと思うクマ」
クマ「ジンの本能は、ジン自身を守ろうとしたんだクマ」
ジン「私を、守る?」
クマ「敵意を向けられたなら自己防衛をするのは当然の事クマ。力があるなら、敵意を排除するのは正当な権利クマ」
クマ「加えて相手は匿名の不特定多数クマ。それなら、手当たり次第に敵に関わるものを壊すしかないクマ」
ジン「そんなの……それこそ許されない事よ!」
クマ「その通りクマ。人間が構成した社会で生きるなら、それは許されない事クマ」
ジン「なら、結局悪いのは私よ……」
クマ「話の肝はそこクマ」
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:29:24.43 ID:r3Pj8EvBo
クマ「人間社会を構成するのは道徳倫理と積み重ねられた司法クマ」
クマ「ジンが法律に携わり、何が正しくて何が悪いか、何が許されないか、それをよく理解している事をクマは知っているクマ」
クマ「その性根が限りなく善である事は明白クマ。そんなジンを、その事実を知らない人間が責める事は、悪い事にならないクマ?」
クマ「皆が寄って集って、正しい事を知りそれに尽くすジンを否定する事は、悪い事にならないクマ?」
ジン「でも、それでも私は、人類社会に敵対するような真似をしたのよ」
クマ「それは順序が逆転しているクマ。ジンが戦わなければ人が死ぬ。だからジンが戦う」
クマ「その戦い方が常軌を逸しているから叩く。それにジンが反撃する」
クマ「この通り、先に手を出したのは向こうの方クマ。ジンの行動は、言うなれば正当防衛か、悪く言っても過剰防衛クマ」
クマ「自分を守るためなら他人を傷付けていいなんて道理は、確かに無いクマ。でも、今回に限って言えばそれはおあいこクマ」
クマ「今回の一件、分かり易く言えば喧嘩両成敗クマ」
ジン「私の罪はそんな軽いものじゃないわ!」
クマ「誰にも真っ当に裁けないクマ」
クマ「ジン。自分ばかりを責めちゃ駄目クマ。自分で自分を否定しちゃ駄目クマ」
クマ「何度でも言うクマ。ジンは悪くない、間違っていないクマ」
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:30:26.68 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………ありがとう、クマちゃん。気が参っていて、ネガティブになっていたわ」
クマ「仕方ないクマ」
ジン「少し気が楽になった。そうね、何であれ、しょげているままじゃダメよね」
クマ「その通りクマ! と言っても、ナガレみたいに気にしないでいるのも問題クマー」
ジン「ふふっ……クマちゃん、私、負けないわ」
クマ「その意気クマ!」
ジン「ええ。ごめんね、心配かけさせて……と、作業の邪魔をしてごめんなさい」
クマ「こんなの後回しで大丈夫クマ。クマでよければいつでも相談に乗るクマ」
ジン「頼もしいわ。じゃあ私、部屋で考え直すわ」
クマ「ゆっくり休むクマ。心の疲れが体に出ているかもしれないクマ」
ジン「分かったわ。それじゃあ」
ギィ
ジン「クマちゃんも、頑張りすぎないようにね」
クマ「気を付けるクマー」
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:30:58.27 ID:r3Pj8EvBo
―― ジンの部屋 ――
ジン「…………まったく、私ってば何やってるのかしら」
ジン「自分の事で他人に迷惑かけて、人に心配させて……」
ジン「ナガレの言葉を借りるワケじゃないけど、自分の事くらい自分でなんとかしなきゃ」
ジン「そうよ、私は一人前の大人なのよ。私がゲッターチームの最年長なんだから」
ジン「私が正しくなくて、しっかりしなくてどうするの……!」
―――
――――――
―――――――――
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:32:54.69 ID:r3Pj8EvBo
ジン『…………久しぶりね、『私』』
ジン?『…………』
ジン『夢の中なら会えると思っていたわ。呼んだのは他でもない、話があるからよ』
ジン?『…………』スッ
ジン『来ないで』
ピタ
ジン『昨日のアレ。あれはクマちゃんの言う通り、私を守ったの?』
ジン?『…………』コク
ジン『誰がそれを頼んだ? 誰がそこまでやれって言った? 私はそんな事を望んでいたかしら』
ジン『……いえ、どこかでそれを望んでいたのかもしれない。あなたは私の本性だから。それは認めるわ』
ジン『『あなた』も紛れもない私で、私は残忍で凶悪な気違いよ』
ジン『だからって、それを看過し許容し甘えるほど、私は子供じゃないし弱くも無い』
ジン『私はあなたを拒む。決別する!』
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:33:26.99 ID:r3Pj8EvBo
ジン?『…………』
ジン『そんな顔をしても、無駄よ! 私はこれ以上、みんなに迷惑をかけるわけにはいかないの』
ジン『良識ある大人として、踏み外した行動は断じて許されないし、私が許さないの!』
ジン『法と正義に悖るような行為に甘えるなんて絶対に嫌!』
ジン『その甘えが原因で他の誰かが犠牲になるなんて考えたくも無い!』
ジン『正しいのは私であると、胸を張って言える存在でないといけないの!』
ジン『それが元弁護士、現ゲッターロボパイロットである私、橘 神!』
ジン『橘 神は、私よ!』
ジン『私は、私なのよ!』
―――――――――
――――――
―――
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:35:12.42 ID:r3Pj8EvBo
―― 数日後 ――
ギュインギュイン! ギュインギュイン!
オペレーターA「メカザウルス出現を確認!」
カラン カラン
早乙女「場所は」
オペレーターA「場所、熊本県阿蘇地方!」
早乙女「遠いな……」
オペレーターB「視認敵数、一機! 静止画像出ます!」
早乙女「また市街地か……ゲッターチーム、ゲットマシンに搭乗しているものは応答せよ!」
ナガレ『イーグル号、ナガレ! いるぜ!』
ジン『ジャガー号、ジン! 搭乗しています!』
クマ『ベアー号、クマ! 全員揃っているクマ!』
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:36:11.11 ID:r3Pj8EvBo
早乙女「各ゲットマシンに座標と画像を送った」
ジン『画像確認。中型メカザウルス一機のみですね』
早乙女「だが、今回の戦闘は九州だ。遠いぞ」
ナガレ『九州!? ついに本島から離れやがったか!』
クマ『ゲッター1の最高速で向かっても、一分近くかかるクマ!』
早乙女「加速の時間を考えれば更に時間がかかるだろう」
ナガレ『だったらもたもたしてねえでさっさと行くぜ!』
早乙女「メカザウルスは既に市街地まで侵入している! これ以上の蹂躙行為を許すな!」
ナガレ『ッたりめーだ!』
ジン『了解!』
クマ『了解クマ!』
早乙女「ゲッターチーム、出動!」
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:37:05.82 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「イーグル号、発進ッ!」
ジン『ジャガー号、発進!』
クマ『ベアー号、発進クマ!』
ギュオオ…バォン!
バシュゥン!
ナガレ「チェーンジ、ゲッタァー 1 !」
ガシィン ガシィン
グググ……グワオン!
ブワッ……バサッ!
ナガレ「待ァってろよこのクソボケがあッ!」
バオンッ!
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:37:42.37 ID:r3Pj8EvBo
ズズズ……ズガァン!
メカザウルス「キシャアアアッ……」クチャクチャ
パキキッ……グチャッ
メカザウルス「キシャアアアアアアアアアアッッ!」
――――ギュルギュルギュル!
メカザウルス「キシャアアッ!」ピクッ
シュバッ
ナガレ「――――そこだァ!」グイッ
ガシィッ!
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!?」
ナガレ「どんなもんだ! 二本のゲッタートマホークで逃げ場を限定すりゃあ、どんなボケナスも掴まえられるって寸法よ!」
ジン『説明は良いから、早く倒すのよ!』
クマ『逃げられたら元も子もないクマ!』
ナガレ「わーってらい!」
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:38:36.07 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「さぁて、このクソトカゲが、叩きのめして…………げっ!?」
グチャ……ピチャ
ナガレ「こ、こいつ……人間を、食いやがったのかっ!」
ジン『なんて事を……!』
クマ『……これ以上の被害者を、出すわけにはいかないクマ!』
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!」
ナガレ「このッ……! 気持ち悪いモン見せやがってエエッ!」
ガン ガン!
ナガレ「おォらゲッターパァンチ!」グイッ
ゴキャッ!
メカザウルス「キシャアアッ!」ジタバタ
ナガレ「放すかよ! オラオラオラ!」
ズガッ ドガッ バキッ
メカザウルス「キシャアアアッ!」ジタバタ
ナガレ「ぬおっ! 何だこいつ、見かけの割にタフな野郎だ!」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:40:14.69 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアアッ!」グンッ
ドガアッ!
ナガレ「どわあっ!」
クマ『あの状態から突進してきたクマ!?』
パッ……
ナガレ「クソが、衝撃で手が離れやがった!」
ジン『何してるのよ!』
ナガレ「黙っとけ! 勝手に手ェ放すなんざ整備不良かなんかじゃねーのかァ!?」
クマ『後でしっかり見ておくから今はメカザウルスをどうにかするクマ!』
メカザウルス「キシャアアアアアアッ!」
グワッ
ずがぁん!
ナガレ「ぐおおおっ!」
クマ『クマーーーーー!?』
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:40:48.23 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「クッソ、トカゲが、図に乗りやがってェ! ゲッタートマホークッ!」
ジャキンッ ガシッ
ナガレ「ドリャアアアアッ!」グイ
メカザウルス「キシャアアッ!」シュバッ
スカッ
ナガレ「このッ、避けンじゃねえっ!」
ブンッ ブンッ
メカザウルス「キシャアアアアッッ!」シュバッ
スカッ スカッ
メカザウルス「キシャアアアアアアッッ!」グンッ
ドガアッ!
ナガレ「だはあっ!」
クマ『クマっ……ナガレの動きが完全に見切られているクマ!』
ジン『このまま相手してもゲッター1じゃ埒が明かないわ!』
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:41:21.91 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ「じゃあどうするってんだよ!」
クマ『当然、それ以上のスピードで制圧クマ!』
ジン『私に任せて。ソッコーで片付けてやる!』
ナガレ「チッ、仕方がねえ!」
メカザウルス「キシャアアアアアアアアッッ!」グンッ
ナガレ「喰らえ、トマホゥークブーメランッ!」ブンッ
クルクルクル……!
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
ナガレ「今だ! オープン・ゲットォ!」カチッ
ガチャン! バシュゥン!
ギュオンギュオン ギュオン
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:42:13.98 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『行くぜクマ公!』グイ
クマ『クマ!』グイ
ガシィン!
ジン「よし……!」
早乙女『何を犠牲にしても戦え。それが今、人類が為すべき事だ。お前とて例外ではない』
ナガレ『俺は赤の他人の不幸だの責任だの面倒臭ぇモン背負わされるのはまっぴら御免だぜ』
クマ『何度でも言うクマ。ジンは悪くない、間違っていないクマ』
ジン「…………大丈夫よ、落ち着いて、橘 神」
ジン「チェンジッ! ゲッター 2 !」
ガシィン!
グググッ……グイーン
ズサッ
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:42:51.86 ID:r3Pj8EvBo
ジン「覚悟しなさい、メカザウルス!」グイ
ザザ――――
メカザウルス「キシャアアッ!」
ザザザッ……ズサッ
ジン「ハアアアアアアッ!」
ギュイイィーーン
メカザウルス「キシャアアッ! キシャアッ!」シュバッ
ジン「クッ、逃げられた!」
ナガレ『おいジン! テメーなにボケっとしてんだ!』
ジン「分かってるわよ!」グイ
ザザザッ
ジン「逃げるなら、加速したまま、貫くッ!」
ギュイイィーーン!
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:43:21.99 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアッ!」グンッ
ジン「えっ……!」
どがしゃっ!
ジン「きゃああっ!」
クマ『ゲッター2の速度に反応して、逆に突っ込んできたクマ……!?』
ナガレ『ジン! 手ェ抜いてんじゃねえだろうな!』
ジン「そんな訳、ないでしょ!」グイッ
ギュイイィーーン……
メカザウルス「キシャアアアッ!」
ガキィッ!
ジン「ドリルが弾かれた……クッ、ゲッターアーム!」グイッ
メカザウルス「キシャアアッ!」シュバッ
ジン「逃がすものですか!」グイ
ザザザッ……
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:43:52.23 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアアッ!」
ジン「掴まえ…………!」
スカッ
ジン「な、なんで……!」
メカザウルス「キシャアアアアアッッ!」ブン
バキッ!
ジン「うぐぅ……!」
ナガレ『さっきっから何してんだ! 動きに全然キレがねぇぞ!』
クマ『ジン、一度下がって距離を取るクマ!』
ジン「ええ!」グイッ
ザザッ……ズサッ
ジン「冷静に、落ち着いて……ドリルハリケェーン!」カチッ
ギュイイィーーン……ブワッ
グワオオオッ!
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:44:19.24 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
ジン「今なら!」グイッ
ザザザッ……
メカザウルス「キシャアアッ!」
ズサッ!
メカザウルス「キシャアッ!?」
ジン「やああアアアアアァァッ!」
ギュイイィィィーーーーーンッ!
メカザウルス「キシャアアアッ!」シュバッ
スカッ
ジン「そんなっ……どうして、当たらないの!」
スカッ スカッ
ジン「このオオオッ!」
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:44:50.38 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『なんだ、ジンの奴、どうなってやがる……!』
クマ『……おかしいクマ。ゲッター2の速度なら、こんな相手に手古摺るはずがないクマ』
ナガレ『それ以前だぜ。ジンの奴、いつもと動きが全然違ェ。トロいにもほどがある!』
クマ『まさか……あの時の事を引き摺って、抑えているクマ!?』
ナガレ『だとしたら相当のアホだぜ!』
ジン「誰が、アホよ、馬鹿ナガレ……!」
ナガレ『お前の事だよ! チャラチャラ動いてねえで、さっさとぶち殺せ!』
ジン「やってるわよ!」
ナガレ『だから言ってんだろうが、俺に迷惑かけるんじゃねえ!』
ジン「…………だからぁ! 頑張ってるんじゃないッ!」
ナガレ『そう言う事じゃ……!』
ピピッ ピピッ ピピッ
クマ『二人とも、研究所からの連絡クマ!』ピッ
ナガレ『チッ……俺だ! 何の用だ、ジジイ!』
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:45:48.75 ID:r3Pj8EvBo
早乙女『……ゲッターチーム! 戦闘中に邪魔するが、悪い報せだ……』
早乙女『研究所が、メカザウルスの襲撃を受けた』
ジン「なっ……」
クマ『別の場所での同時襲撃クマ!?』
ナガレ『よりにもよってこんな時にか!』
早乙女『いつかは来るだろうと想定していた事だ……ぐうっ!』
『ズガァンッ……ズズゥン……!』
クマ『博士!? 早乙女博士、大丈夫クマ!?』
オペレーターA『今の攻撃で、三番ゲッター光線砲台が破壊されました!』
早乙女『……応戦しているが、長くは持たん』
ジン「そんな…………」
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:47:05.44 ID:r3Pj8EvBo
ジン(どうしよう。早く倒さなきゃ。でも、このままの調子じゃ、研究所が手遅れになる)
ジン(こいつを無視して、研究所に今すぐ戻って……でも、そうしたら街が)
ジン(あいつに、頼る? でも、そうしたら、また暴走したら、街も研究所も、どっちも……)
ジン(駄目よ! このメカザウルスは今、倒さなきゃ!)
ジン(でもこのまま戦っていても、街の被害が広がって……)
ジン(街を見捨てて、研究所を……!)
ジン(ゲッター3にチェンジして、それともゲッター1に……!?)
ジン(速度を重視しなきゃいけない状況なら、ゲッター2のままが……)
ジン(でも、今の私じゃ…………!)
ジン「あ……ああ…………!」ガクガク
メカザウルス「キシャアアアッ!」
オペレーターB『博士! 二番ゲッター光線砲台も機能停止! トゥルーパー3から応答ありません!』
ジン(どうしたら、いいの……)
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:47:55.36 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『ジン!』
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:48:34.33 ID:r3Pj8EvBo
ジン「ナガレ……」
ナガレ『なぁにチンタラしてやがる! そのクソトカゲをさっさとぶちのめせ!』
ジン「で、でも研究所が!」
クマ『研究所の防御設備だって伊達じゃないクマ、少しくらいなら持ちこたえられるクマ!』
ナガレ『テメェ一人じゃねえんだ! ボケナスのトチ狂いぐらい、いくらでもフォローしてやらあ!』
ナガレ『何をぶっ壊したって知るか! 好きなだけ暴れちまえ!』
ナガレ『チッ…………俺たちを頼れ! クソボケドアホが!』
クマ『ジン。クマたちは、ジンを信じているクマ。だからジンも、ジン自身を信じてほしいクマ!』
クマ『ジンの全部を、ジンが、信じるクマ!』
早乙女『……ジン。ゲッター2の本領はスピードだ。待っているぞ』
プツッ……
メカザウルス「キシャアアアアア!」
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:49:07.85 ID:r3Pj8EvBo
ジン「…………どうせ考えていたって、時間の無駄なんだわ。理屈なんて、置き去りにすればいい」
ジン「信じて、いいのね。私たちは、ゲッターチームなのね……」
ジン「『私』たちは、ゲッターチームの、一員なのよね…………!」
ジン「フヒッ」
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:49:41.83 ID:r3Pj8EvBo
ギュイイィィィーーーーーンッ!
ジン「ヒャハッ!」グイ
ザッ
ザザザザザ――――
メカザウルス「キシャアアッ!?」
ザザザザザ――――
ナガレ『ずわあああああっ!? いきなりぶん回すなァ!』
クマ『でも、戻ってきたクマ! ジンの、動きクマ!』
ザザザザザ
ズサッ
メカザウルス「キシャ――――」
ゾブッ
ギュイイィーーン
ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ
ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ
ズババババババババババババババババババッ
ズバアッ!
バラバラ……ドチャッ
ジン「へはァ…………!」
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:50:44.77 ID:r3Pj8EvBo
―― 早乙女研究所 ――
ズガァン! ドゴォン! ドワオッ……!
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」
オペレーターA「八番ゲッター光線砲台が停止! これで稼働している砲台が全て破壊されました……!」
オペレーターB「ハチュウ人類歩兵、研究所内への侵入を確認! トゥルーパー2が応戦中です!」
早乙女「万事休すか……」
ズズゥン……
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」ガパッ
オペレーターA「メカザウルス、ミサイルの砲門を開きました……目標、ここです」
オペレーターB「博士、避難してください!」
早乙女「…………」
メカザウルスB「ブフゥーーンッ!」
バシュンバシュンバシュンッ!
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:52:07.00 ID:r3Pj8EvBo
――――バオンッ
ガチャン バシュゥン……
ガシィン ガシィン
グググッ……グイーン
ギュイイィーーン
ブワッ……グワオオオッ!
ズワオッ! ドワオッ! ズガァン……!
メカザウルスB「ブフゥ!?」
ガリガリガリガリ……!
オペレーターA「じょ、上空から竜巻が……ミサイルが巻き込まれて爆破しました!」
オペレーターB「竜巻から、ゲッター線を観測! ゲッター2の、ドリルハリケーンです!」
早乙女「……来たか」
ズシャッ!
ジン「…………」
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:53:25.27 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「ブフゥーーンッ……!」
ズゥン ズゥン……
ジン「…………」グイ
ザッ
メカザウルスB「ブフ……」
――――ドスッ
ジャリジャリジャリズバババババッ!
メカザウルスB「ブ……ブフゥーーーーンッッ!」
ジャリジャリジャリズバアッ!
ジン「フヒ――――ヒャヒャヒャハハアハハハハハハぁハあああっ!」グイ
ギュイイイーーーーーンッ!
ゾブッ グチャアッ!
メカザウルスB「ブフゥーーーンッ!」
ジン「これよぉーーー! こうやって、生きたまま切り裂いて!」
ギャリギャリギャリギャリ!
ジン「生きたまま中身を抉って!」
ズバッ ドチャッ
ジン「好きなように刻んで、殺すのがァ!」
ジン「『私』は好きで好きで好きで好きで、大好きで仕方がないのよッ!」
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:54:52.79 ID:r3Pj8EvBo
メカザウルスB「ブフゥーーーンッ!」ガパッ
――――ガァン!
メカザウルスB「ブフゥ!?」
ジン「いい穴、見つけたぁ……」ニタァ
ギュイイィーーン
ギャギャギャギャギャギャリギャリギャリギャリジャリジャリ!
バゴオォンッ!
メカザウルスB「ブフゥーーーーーーンッッ!」
メカザウルスB「ブフゥ……ブフゥ……」ヨロヨロ
ガシッ
メカザウルスB「ブ…………!」
ジン「私たちの留守中に、研究所を襲うんだからぁ……相応の覚悟くらい、できてるのよねぇ?」
ジン「私が今まで溜めに溜めたストレス、全部ぶつけるまで、『生きていてくれる』のよねェ!?」
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:55:32.60 ID:r3Pj8EvBo
ジン「すっごい、嬉しいわぁ…………」
ギュイイィーーン……
ドスッ ズバアッ!
ジン「ふへっ、ふひっ、ぐひひひひっ!」
グチャッ ドチャッ
ジン「ギヒッ、ぎへはひゃひゃ、あひゃひゃひゃはッ!」
ジャリジャリジャリ!
ジン「あっ、いぐっ――――」ビクンッ
ジン「いぐぅぅぅぅぅぅぅッッ!」ビクビクビクッ
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:56:49.49 ID:r3Pj8EvBo
ジン「あひっ、あひっ…………」プシャア
ジン「あへぇ…………」グイ
ギュイイィーーン……!
グチャアッ
ズババババババッ!
ドチュッ
ギャリギャリギャリギャリズバアッ!
ジン「あああああああ、もう、やっぱりィ!」ビクビクビクッ
ギュイイイーーーーーンッ
ジャリジャリジャリ
バシャアッ!
ジン「この感じ、さいっ……こぉ――――」プシッ
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:57:17.95 ID:r3Pj8EvBo
ナガレ『ったく……本当に心底どうしようもねえ女だな、こいつは』
クマ『でも、このジンの方が、活き活きしていて綺麗クマ』
ナガレ『その価値観は分からん』
ザシュッ グチャッ
ジン「ふひ、ふひぃ……!」ビクビクッ
ナガレ『…………まあ、面倒臭ェのに比べたら、吹っ切れてもらった方が大分マシだな』
クマ『元に戻って、良かったクマ!』
ジン「んぎゅううううぅぅぅぅううっっ!」ビクビクビクッ
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 01:59:01.71 ID:r3Pj8EvBo
―― 数日後 ――
チュンチュン……
ジン「すぅ……すぅ……」
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「ん…………」モゾ
ピピピッ ピピピッ ピピピッ……
ジン「んン…………」
モゾモゾ
ピピピッ ピピピッ
カチッ
ジン「…………」ムク
ジン「眼鏡……めがね……」モゾモゾ
スチャ……
ジン「…………六時。はふぅー……」
ジン「んんーー…………!」
ジン「…………ねむ」
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/10/16(日) 02:00:02.84 ID:r3Pj8EvBo
―― 早乙女研究所・飛行訓練場 ――
タッタッタッタッ……
ジン「フッ、フッ……」
タッタッタッ……
ジン「フー…………。水……」スッ
キュッ
ジン「んくっ、んくっ……」ゴクゴク
ジン「ぷはっ。はぁー……よし、朝のランニング終わりっ。シャワー浴びてご飯食ーべよ」
ザッ……
ジン(ミチルさん。達人さん。散っていった、ゲッターチームの皆さん)
ジン(今日も私たちを、見守っていてください)
ジン(あと、傲慢ですけれど……『私』を、認めてください)
ジン(…………なーんか、やっぱり、視線感じるのよね)
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