ザコ「勇者と旅に出ることになった」

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789 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:28:25.01 ID:pYwOEE7x0
ザコ《15%》「うぅ……」

ザコ《15%》(怖い怖い怖い怖い怖い!!!)

???「アハッ、安心して?すぐに終わらせてあげるから!!!」ダッ

ザコ《15%》(動かなきゃ、動かなきゃ死ぬ。けど……)

???「首、頂き」

奴の持つナイフが、俺の首へと近づいてくる。俺は、奴に首を切り落とされた。と、思ったのだが。

ザコ(生きてる……?)

俺の目の前では、黒髪の少女が奴の攻撃を防いでいる。

ザコ「竜王……」
790 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:31:22.60 ID:pYwOEE7x0
竜王「ザコ!怯えるのは勝手じゃが、それで死ぬのは許さんぞ!!」

???「何……こいつ……!」グググッ

奴は竜王の力に押されている。なんとか姿勢を維持するのに必死な状態だ。竜王はそこから一歩下がり、奴の重心が前に偏ったところで……

竜王【竜の刻印】

一撃を叩き込んだ。

???「っ!かはっ……!」

奴は悶え、後ずさりする。

ザコ「ごめん、それからありがとう。竜王」

竜王「ふんっ!お主にはまだまだ戦ってもらわんと困るからのう」

ザコ「なんだかちょっと酷いな……」

けど、気づけば俺の中の恐怖心は消えてしまっていた。

ザコ(よし、落ち着いてる。もうビビらねえ)

ザコ《15%》「さあ、再開しようぜ!」
791 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:32:55.50 ID:pYwOEE7x0
???「怯えたと思ったらすぐ元気出して、せっかくいい顔してたのに。イライラする」

ザコ《15%》「へへっ!ムカつきたきゃムカついとけよ!この首刈り女!!!」

???「何そのあだ名……まあいいや。どれだけ希望を持ったって、全部潰せばまた見られるよね」

ザコ《15%》(怖いこと言うけど、集中だ集中!)

ザコ《15%》(まずはあの、空中移動の謎を解かないとな)

ザコ《15%》「さあ来いや!!」

???「なら遠慮なく!」ダッ

奴は、真正面から俺の方に向かってきた。が、油断はできない。

???【~~~~~】

奴が何かを言った瞬間。突然進む方向が変わった。

ザコ《15%》「!」

だが、動きが変わるのは予想済み。

ザコ《15%》「そこだ!【防御の型・水流!!】」

首を狙いに来た奴の攻撃を、ギリギリのところで逸らした。予測済みでギリギリ。実力の差を痛感する。
792 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:34:54.94 ID:pYwOEE7x0
???「!」

ザコ《15%》【攻撃の型・ボーンクラッシュ!】

ボーンクラッシュは、相手の骨を一撃で粉砕する特技だ。相手の行動を制限することができる。
その一撃を、足めがけて振り下ろした。のだが……

???「まだまだ甘いね」

また、空中で突如別方向に移動し、俺の攻撃をかわした。

ザコ《15%》「!」

そのまま腹部に蹴りを入れられ、痛みで膝を着く。この時点で、俺は既に理解していた。

???「アハッ、首がガラ空き……」

ザコ《15%》「空けてんだよ!【プラントラップU!!】」

???「!?」

空中移動のからくりを。
793 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:39:38.93 ID:pYwOEE7x0
???「なっ……!」

壁と壁の間に張ったツルが腕に引っかかり、奴は俺に攻撃できないでいた。

ザコ《15%》「へへっ、俺は目だけは良いんだ。だからお前の空中移動のタネも、全てわかった!」

奴が空中で移動する方向を変えられた理由。それは……

ザコ《15%》「糸だ。お前は糸を使うことで移動する方向を変えたんだ」

???「…………!」

ザコ《15%》「暗さと細さでわかりにくいけど。壁と壁の間に糸を張ってそれを足場にしたんだ」

ザコ《15%》「正直、あんな細いのを足場にできるのは凄いよ」

???「……アハッ、アハハハハッ!まさか初見でからくりがわかるなんて。凄いよ」

???「……あっ、褒めても刈るのをやめたりしないからね?」

ザコ《15%》「やっぱりか……」
794 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:41:00.99 ID:pYwOEE7x0
ザコ《15%》「で、俺もツルを使ってお前の技を再現させてもらったぜ」

ザコ《15%》「まあ、足場として使うなんてキチガイじみた技は使えないけど、トラップとしては十分に使えるよ」

???「へぇ……アハッ!面白いや、ほんと」

ザコ《15%》「フッ、俺が相手なのが悪かったな。これに懲りたらもう殺しなんてやめろ」ドヤァ!!

俺がそう言うと、少し間を置いて奴は言った。

???「それは無理だよ!僕は今凄くワクワクしてるんだ。だから、もっともっと楽しませ...」

<アノムコウデス!

<アッチカ!イソゲ!

???「!」

ザコ《15%》「へへっ、どうやら時間切れみたいだな」
795 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:42:33.86 ID:pYwOEE7x0
ザコ《15%》「さすがに警備隊に囲まれたらお前も勝てないだろ?」

???「確かにそうだけど……不完全燃焼のままじゃ終われない」

ザコ《15%》「え?」

???「君の首、刈りたいの。刈りとらずにはいられないの!!」ダッ

ザコ《15%》「っ!しまっ……」

完全に油断していた。
かわすことも、完全防御を発動することも間に合わなくて……どんどん首にナイフが近づいてきて……俺は死を覚悟した。

僧侶妹「だ、駄目!」ヴンッ!

???「!?」

のだが……
気付けば、奴は僧侶妹によって吹き飛ばされてしまっていた。

ザコ「へ?」
796 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:46:47.52 ID:pYwOEE7x0
僧侶妹は、自分の体の二倍はありそうな巨大なハンマーで奴を吹き飛ばしたのだ。

ザコ(°Д° )

僧侶妹「あ、あの、これは違うの!ハンマーの力で、見た目ほど重くなくて……」

僧侶妹「それに、精霊の加護の力だし、竜化したザコ君ほどの力も出ないから!」

ザコ(そういう問題なのだろうか)

と、僧侶妹の見た目からは想像もできない力に驚愕しつつも、奴が吹き飛ばされた方を見る。

???「アハッ、無駄に目の良い契約者に、無駄に力の強い僧侶……面白い、面白いよ!!!その首、すごく欲しい!!」

結構なダメージをくらったはずなのに、倒れる様子はなかった。

???「けど、今回は重傷だから断念するしか無いか……」

???「次は刈るからね、その首。仲間のと一緒に」

ザコ「あ、待て!」

そう言って奴はその場から逃げ去った。
一見すれば俺たちの勝ち。しかし、逃げられたことと、標的だと認識されたことに、俺は一抹の不安を感じていた。
797 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/07/20(水) 22:48:04.23 ID:pYwOEE7x0
今日はこれで終わり。
凄くザコが雑魚じゃないけど、あくまで竜化したザコだからセーフだよね。
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 22:57:50.49 ID:kxIx0X2c0
地力を上げるしかないな、後いい装備も欲しいだろ
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/20(水) 23:22:52.52 ID:5IhEwZqWo
目がいい設定が活かされてるな
ザコ《100%》大したことなさそう
ザコ《100%竜化》ちょっと強そう
勇者《100%》強そう、かっこいい
勇者《100%竜化》絶対強い、かっこいい
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/07/20(水) 23:54:19.88 ID:YoPzTJ+H0
ザコじゃNeeeeeee
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 00:17:06.78 ID:DsUrGmKQo
t
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 00:36:21.19 ID:BB38ha0DO

世の中には強ザコと云う恐ろしい敵が出てくるゲーム等が有ってry
それとは逆に弱ボスなんて云うちょろいモノも居たりしてry
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 20:24:06.22 ID:3rgiVjOAo
フツウ《100%》よわそう
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/21(木) 20:44:07.55 ID:m0gEhx0k0
メタルザコ
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 06:14:14.61 ID:njNJLJ6y0
アルティメットザコ
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 07:28:43.27 ID:pUC3llmk0
真ザコ
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 08:18:50.33 ID:pE5kM4KDO
エクストリームザコ
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 14:25:13.87 ID:abydmeaLO
雑魚を強調するんじゃなくて否定しなくちゃ
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 18:14:23.89 ID:AoyjuRdWo
アルティメット ザコ バースト
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 20:00:02.20 ID:qpXew76Yo
インフィニットザコエクストリームフルバースト
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/26(火) 18:56:12.99 ID:Eevlt+4J0
ただのザコ
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/01(月) 03:28:28.89 ID:PCB/h8mq0
追いついた
待ってる
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/01(月) 03:29:15.79 ID:PCB/h8mq0
下げ忘れたすまん
814 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/08/12(金) 00:26:15.02 ID:ExB/OAjp0
あと10日と少しで一ヶ月だったか……ザコはどう足掻いても雑魚なレスばかりだけど多くて嬉しいです。
まだしばらく書けない……生存報告ってのしとけば確かまだ一ヶ月は大丈夫なんだよね。生存報告!
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:27:18.45 ID:JUCEtbZ/o
おつおつがんばれ
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 15:28:51.12 ID:Zwx7Hx8So
(他の人が保守してレスに一ヶ月以上間を空けなければ作者のレスから二ヶ月はもつけど焦らせるために秘密にしておこう)
まあ管理人やめたからもっと早く落とされる可能性もでてきたっぽいが
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 21:43:33.30 ID:9LWhV07Z0
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 12:58:46.39 ID:4MFIHpH6O
がんばれー
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/02(金) 01:12:19.71 ID:5DFUXI5p0
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/07(水) 22:16:23.29 ID:wc6rh1BDO
せめて生存報告くらいしてくれ
821 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:09:47.55 ID:pZJW/MIb0
トリップの微妙な違いを忘れてしまっている……
合ってるかな?
822 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:12:59.15 ID:pZJW/MIb0
その後、簡単な事情聴取を受け、騒動は終わった。

ザコ「首狩りか……」

どうやら奴は、かなり有名な犯罪者の一人らしい。実力のある奴を襲っては首を切断し持ち去っていくんだそうだ。

ザコ「それにしても」チラッ

僧侶妹「!」

ザコ「まさか僧侶妹があんなに強かったとはなぁ」

僧侶妹「あ、あれは見た目よりも軽いから...///」

ザコ「そんなに恥ずかしがらなくても……」

僧侶妹は顔を赤くさせている。あのハンマーが見た目よりも軽いのは自分で持ってみたし、説明もされたからわかっているのだが……

僧侶妹「……」

騒動が終わってからずっとこの調子。だけどこのままなのはごめんだ。
823 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:14:25.19 ID:pZJW/MIb0
ちなみに、あのハンマーは魔鎚ビモールと言うらしい。THE・安易なネーミング。

鋼属性の加護を受けているので、大きさを自由に変えられる。最小で小指くらいの大きさ。最大は家一つ分。

重さは確かに変化するものの、首狩りを吹き飛ばしたあのサイズは僧侶妹でも持てる重さだ。
と言っても、女の子がハンマーを持てる時点でおかしいのだが……

ザコ「加護のおかげで力が上がってるのも、魔鎚が軽いのもわかってるから、恥ずかしがる必要はないぞ?」

僧侶妹「ほ、本当?」

ザコ「本当本当。マジで本当」

これで気まずくなることは無い、と思う。けど、俺には一つ不安がある。
僧侶妹にこれだけ力があるなら俺いらなくね?という不安が……
824 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:15:48.06 ID:pZJW/MIb0
勇者「ザコ!僧侶妹!」

僧侶妹「ゆ、勇者様!」

騒動を聞きつけた勇者達がやってきた。

武闘家「首狩りに襲われたと聞いたが、大丈夫だったのか?」

ザコ「ああ、まあなんとか」

勇者「良かった。本当に心配したんだよ?」

ザコ「そこまで心配するほどなのか?」

ザコ(確かに首狩りは強かったが、俺でもそれなりに良い勝負ができたくらいだ。勇者がそこまで心配するほどとは思えない)

勇者「そりゃあ心配するよ。だって首狩りは、魔眼持ちだから」

ザコ「……魔眼?」
825 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:17:37.04 ID:pZJW/MIb0
俺たちは宿屋に戻り、俺は勇者から魔眼なるものの説明を受けることになった。

〈勇者先生が教える、魔眼講座!〉

ザコ(くそ、ちょっと慣れてる自分がいる……)

勇者先生「魔眼っていうのは魔力を注ぎ込むことで効果を発揮する特殊な目のことなんだ」

ザコ「何それかっこいい!!!」

勇者先生「す、凄い食いつくね……魔眼はごく一部の人間しか持っていないんだけど、魔眼の手に入れ方は先天性と後天性の二種類が確認されてる」

ザコ(じゃあ俺にもチャンスがあるわけか)

勇者先生「生まれた時から持ってるか、何らかの原因で手に入れるかだね」

勇者先生「後天性の人は、全員強い感情に包まれた結果魔眼を手に入れたらしいよ」

ザコ「強い感情……か」
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/08(木) 22:17:43.13 ID:7OOlyIK60
久々だな
827 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:18:53.19 ID:pZJW/MIb0
勇者先生「次に魔眼の種類だけど。大きく分けると三種類あるんだ」

ザコ「たった三つ?魔眼って言うくらいだから属性分あるわけじゃ無いのか」

勇者先生「魔力を注ぎ込むことで発動するから魔眼って呼ばれてるだけだからね」

ザコ(なるほど)

勇者先生「それで種類だけど、魔力を見ることができる青の魔眼、力を見ることができる赤の魔眼」

勇者先生「見えざるものが見えるようになる緑の魔眼、この三つだよ」

ザコ「それだけ聞くと緑がよくわからないな」

勇者先生「緑はえーっと……そうだ。例えば透視だったり、千里眼とか!」

ザコ(透視!?千里眼!?)ガタッ

勇者先生「ど、どうかした?」

ザコ「いや、なんでもない」
828 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:20:07.00 ID:pZJW/MIb0
ザコ「そういえば、勇者は魔眼持ってたりすんの?」

勇者先生「いや、僕は持ってないよ」

ザコ「またまた〜!そんなこと言って実は持ってるみたいな感じなんでしょう?」

勇者先生「だから持ってないよ!」

ザコ「おおぅ、そうか」

勇者先生「話を戻すよ。最初に大きく分けてって言ったけど、それは稀に複合型がいるからなんだ」

ザコ「ほほう、複合型……」

勇者先生「つまり、赤と青の力を併せ持ってたりするんだよ」

ザコ「うわ何そのチート。嫌い!嫌いだわそれ!」
829 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:22:08.75 ID:pZJW/MIb0
勇者先生「赤と青を合わせた紫の魔眼、青と緑を合わせた空色の魔眼、そして緑と赤を合わせた黄色の魔眼。この三つだね」

ザコ「あれ、三つ合わせたのは無いのか?」

勇者先生「それは無いよ。確認されてるのは2つの複合型のみ」

ザコ「へぇ、なるほど。そういや首狩りの魔眼は何色なんだ?」

勇者先生「首狩りは紫だよ。ザコとの戦いのときに使わなかったのは、恐らくすでに大量の魔力を消費していたからだと思う」

勇者先生「複合型はそれだけ魔力の消費が激しいらしいからね」

ザコ(そう考えると、俺って運が良いんだなぁ……)

今日もまた、俺の世間知らずさを痛感することになった。急いでいるので明日にはこの町を出る。はたして間に合うのだろうか……
830 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/09/08(木) 22:23:53.11 ID:pZJW/MIb0
こんなに間が空いたのは初めてじゃないだろうか。
間が空いたからって、量が多いわけではないのです……
はい言い訳です。本当にすみません。
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 08:02:57.22 ID:nA0/E7h5o
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 08:59:57.59 ID:OVkX4Aeeo
1乙
まってた
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 13:14:13.37 ID:oDffsIbho
ええんやで
おつ
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 21:49:30.87 ID:w+B8JZlro
待ってるぞ
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 02:04:13.97 ID:Ab0Wm5TA0
ほしゅ
836 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/10/10(月) 23:01:38.86 ID:Q/w1ANu60
ザコ「はぁ……ワタモン……」

村長「そうでございます。この村の近くの森に繁殖しておりまして」

俺達は弐の村へやってきて早々、森の魔物を討伐してくれと言われた。

どんな恐ろしい魔物なのかと身構えたが、名前から見て強そうには聞こえない。

勇者「ワタモンは綿毛みたいな形をした魔物だよ。触れるとあまりの触り心地の良さにずっと触りたくなっちゃうんだ」

ザコ「それはちょっと触ってみたいな」

勇者「けど、触ることに集中して他のことをやらなくなっていって、誰かの助けがなきゃ死んじゃうとか」

ザコ「や、やっぱりいいや」
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 23:02:08.61 ID:jM9ZJiuv0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
838 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/10/10(月) 23:02:41.31 ID:Q/w1ANu60
勇者「よし!僕たちに任せてください!」

村長「ありがとうございます……!」

僧侶妹「ワタモンは一度触ると触ったワタモンを倒さないと治らないから気をつけないと……」

武闘家「常に周りを気にしないといけないのは精神的に来るものがあるだろう。勇者、覚悟しておいたほうが良い」

勇者「わかってるよ。さあ、行こう!」

そうして俺達は森へと入っていく。
でもまあ、大丈夫だろ。
839 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/10/10(月) 23:04:01.51 ID:Q/w1ANu60
しばらく奥へ進むと、魔物の気配を感じるようになった。

武闘家「近くにいるな」

勇者「実際見るのは初めてだからなんだかわくわくするね」

ザコ「お前さっきわかってるって言ってたじゃねえか!」

勇者「そりゃあそうだけど……可愛いって聞くし、どんなのかなって思っちゃうじゃん」

ザコ「気持ちはわかる」

その時、近くの茂みがガサゴソと動き出した。

ザコ「!」

勇者「皆下がって!」

勇者の指示に従い、茂みから離れた。
840 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/10/10(月) 23:05:23.32 ID:Q/w1ANu60
勇者(いつでも来い!)

茂みの潜む何かは、少しずつ、少しずつこちらへと近づいてくる。

ザコ(いったいどんな姿なんだ?)

そしてついに、姿を現わした!!!

勇者「!」

ザコ「!」

武闘家「!」

僧侶妹「!」

ワタモン「モフゥ!」

現れたそいつは、話に聞いていた通り綿のような姿をしていて、ギュッと抱きしめるのに適した丁度良い大きさをしていた。

ザコ「……」

ザコ「めっちゃかわええ!!!」
841 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/10/10(月) 23:07:01.14 ID:Q/w1ANu60
まーた長いわりに短かったりする。
てか保守とかキターとか初めて書かれた。嬉しい。
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 23:25:04.90 ID:3PH99lxpo
キター!
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 00:21:50.85 ID:g6/YzByqo
もしかしてワタモンって武器として使えばかなり厄介なんじゃね?
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 00:45:46.69 ID:tgNi/l590
棒の先にくくりつけて振り回すか
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 01:00:25.78 ID:cfY4+gbo0
待ってたよ! おつおつ
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 16:17:20.46 ID:vPS9pINio
おつおつ。
ここにワタモンのAA置いておきますね。

   l^丶                       /^l  
   |  '゙''"'''゙ y-―,三ー_      ,-‐-y'"゙"''゙゙" ´l  
   ミ ・ ω ・  ,:' 三-二  ー二三ヽ、,;'  ・ ω ・ ミ 
  ミ====[==]=l==ミ三二-  ̄ - 三 ミ====[==]=l==ミ  
  (丶    (丶 ミ三二 - ー二三 ∠         ;;
  ;:        ミ  三-二ー二三  ';,        ミ
  `:;       ,:'三二- ― ー二三;;,,      ,;;゙   ドヒャァ!ドヒャァ!!
   U"゙'''〜"^'丶)            _( /"゙'''"゙( / 
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 17:05:24.40 ID:C44BZ2OhO
人類種の天敵かな?
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/11(火) 18:33:20.44 ID:qHWv2d4q0
防護服みたいなの着れば無力化できるんじゃね?
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/14(金) 08:49:38.75 ID:LOw2R1LiO
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 20:34:05.26 ID:ybE2iqzQ0
後の布団である
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 20:34:59.49 ID:ybE2iqzQ0
後の布団である
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/03(木) 20:22:33.03 ID:JNCQnC/No
待ってるぞー
853 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/11/23(水) 23:36:22.82 ID:y72Wcph70
なんか全然思いつかないや。けど頑張るからもうちょっと待って!
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/23(水) 23:53:59.19 ID:LCPMZZhA0
ちょっとだけだぞ
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 00:45:56.29 ID:sFbGaApBo
誰がワタモンに魅了されるかな
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 18:58:48.04 ID:ISSaJ4dxo
おー生きてたか
がんばがんば
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 14:16:51.86 ID:Kb19RFDyo
>>855
すでに>>1が魅了されている気がしないでもない
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 18:32:48.18 ID:TsLLsPSgo
こたつにワタモン仕込んどいた
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/01(木) 12:03:14.12 ID:DLuDyuu1o
ただでさえ「人類を堕落させる悪魔の発明品」と言われてるのに、なんてことをしてくれるんだ!
860 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:06:14.43 ID:qoUBaYMm0
ザコ「あぁ……触り心地良さそうな見た目してるなぁ。防護服さえ無けりゃ触れるのに……」

防護服とは言ったが、別に魔法に対する耐性があるとか、そんな特殊な物ってわけじゃない。ただ直接触らないための簡素な物だ。

勇者「着てなくても触っちゃダメでしょ」

ザコ「いやまあ、そうだけど」

ワタモンは先程からずっと俺に擦り寄っている。こんなに可愛いのに直接触れないなんて……

ワタモン「モフゥ……」

ザコ(そんな悲しそうな顔はやめてくれ!)

心の中でそう叫ぶが、意味は無い。どれだけ可愛くても、この魔物が敵なのは事実で、この魔物は人を殺したことだってあるのだ。倒すしか無い。

ザコ「仕方ないか……よし!やるぞ!」

俺がそう決心したのと同じ時。いくら触れても効果が無いと判断したワタモンは、『口』を大きく開き、鋭い『牙』で俺へと噛み付いた。
861 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:08:42.45 ID:qoUBaYMm0
あくまで触れないための防護服は、その牙にはなんの意味もなさなかった。右腕にその牙が突き刺さり、激痛が走った。

ザコ「いって!!!痛え!!!」

その痛みから逃れようと、右腕を振り回すが、ワタモンは噛み付いたままだ。

勇者「ザコ!腕を動かさないで!」

ザコ「りょ、了解!」

剣を鞘から抜き、俺の腕の少し上を一閃。右腕に噛み付いていた魔物を真っ二つにした。

ワタモン「モフ...」

最後に悲しそうな声を出し、ワタモンは消滅した。が、今は痛みのせいで感情移入はしていられない。

僧侶妹『ヒール!』

回復魔法により、右腕の傷が塞がっていき、流れた血も止まっていく。
付いていた血を拭き取れば、すっかり傷は治っていた。この世に回復魔法があって良かったと、心から思った。

ザコ(やっぱり油断は禁物……)

右腕を見ると噛まれた部分の防護服が破かれている。場合によっては毛が触れていただろう。今回は運が良かっただけだ。俺は二度と油断しないと誓った。
862 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:11:06.23 ID:qoUBaYMm0
武闘家「まさかあんな風に攻撃してくるとはな」

勇者「あれは予想外だったね」

ザコ「凄く痛かった……」

さっきの痛みを思い出すとちょっと泣きそうになる。キメラにぶん殴られたりするのとは別の痛さだ、耐えられない系の痛さだ、そして俺が嫌いなタイプだ。

武闘家「回復魔法で治せるレベルだから大丈夫か……だが、防護服を破かれるのは面倒だな」

俺の右腕を見ながら武闘家はそう言った。ワタモンが噛み付くのは最終手段のようだった。触れることができるなら、そっちを優先してくるだろう。

ザコ「けど、そんなに数も多くなさそうだな。わざわざ一体で出てくるくらいだし」

勇者「まだそう判断するのは早いよ……って、僧侶妹?どうかしたの?」

僧侶妹「あの……勇者様……あれ……」

勇者「え?」

僧侶妹が指を指す方向を見た。
863 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:12:45.41 ID:qoUBaYMm0
一瞬、あんなに白い木なんてあったっけ?と思った。あれだけ他と色が違うなら、気づいているはずだからだ。
けど、目を凝らして見ると、あれがただの木ではないことがわかった。

ザコ「あ、あれって……」

ワタモンA「モフゥ!」

ワタモンB「モフゥ!」

ワタモンC「モフゥ!」

ワタモンD「モフゥ!」

ワタモンE〜Z「「「「「モフゥ!!!!!」」」」」

白い木があるのではない、木を覆い尽くすほどのワタモンがいたのだ。

ザコ「ぎ……ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

あまりの恐ろしさに、俺は大声で叫んでしまった。そして、その声に反応したかのように、大量のワタモンが一斉にこちらへと進み出した。
864 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:14:36.43 ID:qoUBaYMm0
勇者「敵の数は多いけど、離れたら危険だ!ここは固まって……」

そう言って振り返るが、後ろには武闘家と僧侶妹しかいない。

勇者「あれ!?ザコ!?」

武闘家「今はザコは気にするな!そ前を見ろ!」

武闘家にそう言われ前を見る。ザコに気を取られて接近を許してしまった。これはまずい。触れられるのは問題無いが、この数に噛まれるのは危険だ。

勇者「武闘家!」

武闘家「わかってるさ……」

武闘家【突風起こし!】

相手は綿だ、だからそれだけ軽い。風さえ起こせば簡単に飛んでいく。

ワタモン「モフゥ……!」

本当なら森の外まで飛ぶことを期待したが、木をうまく使い風を凌ぎきられた。だが、時間は稼げた。

勇者「一旦引こう!ザコを探さないと!」
865 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:16:50.73 ID:qoUBaYMm0
あまりの恐ろしさに走って逃げてしまった。そのせいで完全にはぐれてしまった。腕のところが破れているので、そこを狙われるから噛まれることはない。それはわかっていても、それでも怖いものは怖い。

ザコ「あー、ほんと刺されたり噛まれたり斬られたりはやだなぁ」

竜王「……別のことを考えて逃げるでない」

ザコ「竜王、起きてたのか」

竜王「ついさっきじゃがな」

竜王を見て思い出した。炎魔法で一気に燃やしてやれば良いんじゃないだろうか。いかにも燃えそうな見た目してるし。

竜王「炎魔法は使えないぞ。ここは森じゃ、使えば大惨事になるのはわかるじゃろう?武術大会の時のように、武の国がなんとかしてくれるわけではないしのう」

ザコ「さりげなく心を読むのやめてくれよ……」

竜王「読んだのではない。お主の考えそうなことを言っただけじゃ」

それはそれだけ理解して貰っていると喜ぶべきなのか、簡単に考えることを予測される馬鹿さを嘆くべきなのか……
866 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:19:58.23 ID:qoUBaYMm0
ザコ「まあ、はぐれたなら仕方ねえか。合流目指しつつ、親玉を探そう」

ワタモンについての説明は事前に受けてある。本来ワタモンは、一匹の巨大なワタモンだ。それが小さなワタモンを作ることで、群れを作っている。小さなワタモンを倒したところでイタチごっこだが、逆に生み出している方を倒せばそれで終わりだ。

ザコ「って言っても、そう簡単に見つかるとは思えないよなぁ」

わざわざ自分が出向かなくても、小さいワタモンに戦わせていればいつかは勝てる。こんなに簡単な仕事は無いだろう。

竜王「だが、見つけるためのコツはあるぞ」

ザコ「え!?」

竜王「自分が倒されれば終わり、なら、自分の周りのガードは固いはずじゃ」

なんとも単純なことを言われた。けど、その単純なことが俺には思い浮かばなかった。悔しい、言われた相手がロリだから尚更悔しい。

ザコ「ならワタモンの多いところを攻めれば良いってことか」

どうやら、なんの危険もなく倒すってことはできないらしい。
867 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 00:21:14.84 ID:qoUBaYMm0
もうちょっと待ってと言っときながら、お久しぶりと言える期間空いてしまった……ポケモンの魔力は凄い。
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 00:26:00.96 ID:7OeHXmxqo
ワタモンゲットだぜ!
869 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 21:08:02.36 ID:qoUBaYMm0
ワタモンA「モフゥ!」

ワタモンB「モフゥ……」

ザコ「いた……!」

群れを見つけるのは案外簡単だった。
はぐれた時に一度群れを見つけていたからだ。あとはその近くを探せば良いだけだった。

ザコ「この群れの向こうに本体がいるかもしれないってわけか」

竜王「ふむ……これはやはり合流を目指す方が先じゃな。お主の力では突破できんじゃろう」

酷いけど言ってることは合ってる。
たとえ竜化しても、あの数には無力だ。

ザコ「そうだな。あいつらにバレないように……慎重に……」

ワタモン「モフゥ!」スリスリ

竜王「あっ」

ザコ「えっ」
870 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 21:09:03.54 ID:qoUBaYMm0
勇者「ザコ……どこまで行ったんだろ……」

あれから一時間、探しているが見つからない。できるだけ群れから離れるように行動してるため、今のところ危険はない。

武闘家「時間に余裕があるが、日が暮れる前に見つけなければな」

僧侶妹「ザコ君、右腕のところが破かれてるから、一番危険なのに……」

勇者(早く見つけないと……)

もしかして群れに近い方にいるのでは?一度森の外に出てるのでは?そんな考えが浮かぶが、その答えを知っている者はいない。

僧侶妹「一度戻ってみますか?」

一応印を付けながら歩いてきたため、戻ることはできる。だが、戻れば群れが近い。確証が無いのに危険なところへ行くのは、良い判断とは言えない。

勇者(けど、仮にザコが群れに近い方にいるなら。このままじゃ絶対会えないな……)

決断する必要がある。このまま進むか、一度戻るか。
871 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 21:10:38.36 ID:qoUBaYMm0
結局戻るほうを選んだ。万が一のことがあっても、武闘家の力があれば大丈夫だと判断したからだ。そして……

勇者「いた!!!」

ザコ「もふもふ!」

結果として、戻ってきたのは正解だった。群れから少し離れたところでザコを発見することができた。だが、様子がおかしい。

ザコ「もふもふ!」

防護服を脱ぎ捨て、複数のワタモンに囲まれている。 どうやら触られてしまったらしい。だがザコは催眠魔法を解除する腕輪を付けている。お揃いのやつだ。しばらくワタモンに触れさせなければ、催眠が解かれるはずだ。

武闘家「とりあえず、ここにいるワタモンを全部倒してしまおう」

おそらく、ザコに触れたワタモンは、ここにいるのが全てではないだろう。これは長期戦になりそうだ。
872 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/12/28(水) 21:12:26.09 ID:qoUBaYMm0
今日はここまで。
このSSは……!早さが命……!書くのが下手なのを早さで補う……!
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 21:18:59.49 ID:oPbFm6qIo
面白いと思って読んでんだからそんなこと言うなよ
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 01:09:33.33 ID:LCCh/aDgo
おつもふ!
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 03:12:21.29 ID:C0HgKxpho
おう!面白いけど早く書いてくれるに越したことはないぜ

おつおつ
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 21:10:34.21 ID:QvZ+xwRko
おつおつ
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 09:46:20.57 ID:xFyIzD2to
ワタモンに触れさせて「おっとテレポーター」させたい
878 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2017/01/16(月) 22:34:21.71 ID:C5Vnf/A70
正直、長期戦は避けたかった。今は油断さえしなければ大丈夫だが、戦いが長引くほど疲労していき、隙が生まれる。それに、何日も留まるわけにもいかない。僕達には時間がない。

勇者(今までみたいに一匹一匹を狙ってちゃ、いつまでたってもザコにかかった洗脳は解けない……だったら危険を承知で群れを狙うしかない)

ザコ「もふぅ……」

勇者(確かに危険を冒さなくても、時間が経てば治ることには治る。けど、それだけ時間がかかる。一度なら良いかもしれないけど、この先また触れないと決まったわけじゃない)

勇者(もう一つは、できるだけ避けたい。そして勇者として、一度引き受けた依頼をやめることなんてできない。時間も無い。だったら決まってる)

武闘家「勇者、やる気だな?」

勇者「うん」

ザコ「もふ……もふ……?」
879 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2017/01/16(月) 22:36:15.10 ID:C5Vnf/A70
ワタモン達をもふもふしてたら、気づけば勇者達がいた。もふもふ。なんか話してるみたいだけど、正直今の俺にはワタモン以外どうでも良い。もふもふ。

竜王「もふ……もふなのじゃ……」

そういえば竜王もワタモンをもふもふしている。もふもふ。契約により繋がっているからだろうか。もふもふ。

勇者達が動き出した。もふもふ。風によって誘導し、水の壁で動きを阻み、最後に巨大化させたハンマーで……

ザコ「もふ……もふ……!」

ワタモン達は、迫り来る死に抵抗することもできず、泣いているだけだ。もふもふ。いや、実際には泣いてるわけじゃないが、俺にはわかる、ワタモンは泣いている。もふもふ。許せないもふ……ワタモンに害を与える者は、たとえ仲間であっても許せない!もふもふ!!!

竜王「もふもふじゃ!」

ザコ「もふっ!」コクッ

俺は勇者達の方へ向かい走り出した。もふもふ。竜化し、全力でワタモンを守る!!!もふもふ!!!

ザコ≪20%≫「もっふううううぅぅぅぅぅ!!!!!」

勇者「!?」
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:37:18.30 ID:5FQ+UNn60
馬鹿だこいつ
881 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2017/01/16(月) 22:40:21.61 ID:C5Vnf/A70
僕の建てた作戦はほぼ上手くいった。武闘家が風を起こすことで、ワタモン達を一箇所に集め、僕の水魔法で壁を作ることで、逃げられなくし、巨大化させた魔鎚で一気に倒す。

どこかで失敗することもなく、僕が壁を作り、魔鎚で倒す直前までは上手くいっていたのだ。だが、最後の最後で失敗してしまった。まさかザコが襲ってくるなんて、思いもしなかった。

ザコ≪20%≫「もっふううううぅぅぅぅぅ!!!!!」

勇者「!?」

ザコ≪20%≫【もふもっふ・もふもふぅ!】

ザコが使ったのは、攻撃の型・バーストスマッシュ。確か攻撃の力を一気に相手に押し付けることで、相手を吹き飛ばす技だったはずだ。受けるのは危険だと判断し、しゃがむことでかわす。それと同時に水の壁が無くなり、ワタモン達は四方八方に逃げ出した。

勇者「僧侶妹は周りを警戒!武闘家、行くぞ!」

武闘家「ああ!」

竜王まで催眠にかかっているのは、予想外だった。竜化さえしていなければ、簡単に無力化できたんだけど。それにワタモンもいる。

勇者(流石にこれは……簡単には勝てそうにないや)
882 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2017/01/16(月) 22:42:24.94 ID:C5Vnf/A70
今日は終わり。これどうやって終わらそう……
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 22:45:43.66 ID:5FQ+UNn60
覚醒させればいいんや
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 08:53:06.72 ID:h1w0f8eDO
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 20:12:01.30 ID:UTLovStPo
乙乙
気の赴くままに
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/18(水) 06:43:02.83 ID:e26kiTE10
>>880
いいえ、ザコです(泣)
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/19(木) 23:34:54.51 ID:Yuwur9IPo
諦めてスレタイ変えよう

ザコ「ワタモンと旅に出ることになった」
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/18(土) 13:26:23.97 ID:JiZ2RxfA0
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