ザコ「勇者と旅に出ることになった」

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410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 20:05:16.64 ID:lP/x/M6o0
もう全然ザコじゃないな
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 21:21:51.19 ID:g88Y1oPDo
ザコはサポ専かな?ww

412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:53:57.97 ID:Iro9l9Fu0
良いコンビになってる…
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 23:29:31.93 ID:ZB+4FvWyO
なんかつまんなくなったな
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/28(木) 11:37:58.84 ID:JcWYfBqf0
>>413
これはこれで面白い
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/28(木) 16:20:16.98 ID:WXC8teoNo
普通に好き
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/28(木) 17:12:29.01 ID:XeFqWmfx0
木を生やしたり、木の弾丸を飛ばすのはうえきの法則だな
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/28(木) 18:09:36.55 ID:cZNI+WPho
ザコって扱い難しいな
418 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/28(木) 23:52:16.65 ID:b0J9WgvY0
キメラ「ゴアアアァァァァァァ!!!!」

拳士「さあ、行くぜ!!!」

奴は再びこっちへと突進してくる。

拳士「近づかせねぇよ!【飛拳!】」

【飛拳】は攻撃の力を空気に乗せて飛ばす特技だ。飛んでいった攻撃は奴に直撃し、怯む。

拳士「おらぁ!」

拳士の追撃が一発、二発と直撃し奴にダメージを蓄積していく。

キメラ「グアァ!アァ・・・!」

効いてはいるようだが、倒れる様子は全くない。まさに化け物だ。

拳士「へへっ!どうした!?その程度かよ!」

そんな奴に拳士は挑発する。なんて奴だよ・・・
419 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/28(木) 23:54:17.27 ID:b0J9WgvY0
拳士「まだまだ行くぜ!」

顔を狙おうと跳ぶ拳士。

キメラ「ゴアアァァァァ!」

奴は跳んできた拳士を叩き落そうとするが・・・

ザコ【防御の型・水流!】

俺が奴の攻撃を逸らし、拳士の攻撃が直撃。

キメラ「ゴアアアァァァァァァ!」

拳士「くそっ、効いてはいるんだけどなぁ」

ザコ「けど魔力は溜まってきてる。いい調子だぞ」

拳士「そうか!」
420 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/28(木) 23:58:03.94 ID:b0J9WgvY0
拳士「よし!これならどうだ?」

拳士は奴の周りを高速でまわり始める。

キメラ「ゴアァ?」

ザコ(スピードで攻めるのか)

奴は拳士がどこから攻撃してくるかわからず混乱する。

拳士「こっちだぜ!!」

後ろから拳士が攻撃しようとするが、ありえないような動きで後ろを向いた奴に攻撃を受け止められた。

拳士「なっ!そんなのありかよ!」

奴はそのまま攻撃しようとしてくるが、しっかりとガードしダメージを軽減、続いて攻撃を続ける。

拳士「スピードが無理ならパワーだ!
【気合!渾身!右ストレート!!】」

ザコ(特技名長え・・・)

奴は奇妙な動きで回避する。その結果、拳士の攻撃は掠っただけ。そのまま奴に叩き落とされる。
421 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/28(木) 23:59:47.39 ID:b0J9WgvY0
拳士「ぐはっ!巨体に似合わねえ変な動き方しやがるじゃねーか」

拳士「ならこれならどうだ?」

拳士【飛拳乱打!!!】

飛拳を使った攻撃の弾幕。前方を埋め尽くすように攻撃することで奴にかわす余地を与えない。

キメラ「ゴアァ!アァ!!!」

一撃一撃が奴に当たりダメージを蓄積させていく。が、奴の腕の甲殻が大きくなったかと思えば、盾の役割を果たし攻撃を防ぐ。

拳士「へへっ、なんでもありだなこいつ!」

ダメージを与えられないとわかると攻撃を止める。飛拳は通じにくいことがわかった。拳士と奴は互いに睨み合う。

拳士「まだまだこっからだ!」

キメラ「ゴアアァァァァ!!!」
422 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:01:22.97 ID:M/jA2s9Z0
再び攻防が開始。拳士が攻撃しつつ、危なくなったら俺が受け流す。そんな状況が五分、十分と続いていくと俺も拳士も集中力が無くなっていく。

ザコ「はぁ・・・はぁ・・・」

元々俺は前衛として戦う機会は少なかった。修行も二週間しかしていない。長く持つはずがなかった。

ザコ【防御の型・水・・・】

ついに逸らしきれず奴の攻撃が直撃する。

ザコ「しまっ・・・!」

拳士「ぐあああぁぁ!!」

キメラ「ゴアアアァァァァァ
ァ!!!」

奴の攻撃が拳士に直撃。吹き飛ばされる。そして俺も攻撃を受け木に叩きつけられる。

ザコ「ハァ・・・ハァ・・・」

ザコ(今まで成功してたから慢心してた。二週間の練習でこれまで成功してたのが奇跡だったんだ)
423 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:03:51.85 ID:M/jA2s9Z0
奴は拳士の方へ近づいていく。拳士はダメージが大きいようで動けないでいる。

ザコ「はぁ・・・はぁ・・・」

キメラ「グゥ・・・ゴアアァァァァ!!!」

拳士「!」

奴は拳士のところへ行くと拳士を攻撃し始めた。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。

拳士の体が血だらけになって、ピクリとも動かなくなった。まさか、死んだのか?遠いので確かめようがない。

奴が振り向いてこっちの方を見る。
嫌だ・・・死にたくない・・・

ザコ(くそっ、作戦も失敗した。今の俺じゃ多分逃げられない。負けた、負けたんだ)

ザコ(けど、どうせ死ぬなら頑張って一矢報いたいな)

まだ完全に集まりきってはいないものの、膨大な魔力を秘めた大木の方を見る。

ザコ「俺のせいで拳士が死んだかもしれないんだ。せめて相討ちじゃないとな」

俺は大木の中の魔力を自分の体に移し始めた。
424 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:05:42.12 ID:M/jA2s9Z0
キメラ「アァ?」

奴が大木の方を見る。拳士が倒され、俺が弱っていることで余裕ができたから気づいてしまったんだ。

ザコ(おい、待てよ・・・)

キメラ「ゴアァ・・・!」

奴が大きく息を吸い込む。

ザコ「待て、やめろ。それ潰されたらもう・・・」

キメラ「ゴアァァァ!!」ボワアアアァァ!!!

奴が口から火を吹いた。その火は真っ直ぐに進み大木を燃やした。

ザコ「あ・・・あぁ・・・」

大木が燃え尽きていき、同時に中の魔力も消えていく。もう勝つ手段は無い、俺は殺されるんだ。

キメラ「ゴアアアァァァァァァ!!!!」

奴が近づいてくる。俺は瞼を閉じて全てを諦めた。
425 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:08:13.23 ID:M/jA2s9Z0
目を閉じるとなんだか周りが静かになったように感じられた。なんだか心地いい、なんだか恐怖を感じない。
今ならビビらずに死ねるな。
ああ、けど死ぬ前に竜王に謝っておかないとな・・・

ザコ「ごめん、竜王。俺やっぱり駄目だったよ」

竜王「ザコ」

ザコ「お前の力も手に入れて、使える呪文も増えて、師匠のところで修行して、この大会で色んな奴と互角に戦えて、確かに強くなったって思った」

竜王「ザコ・・・!」

ザコ「けど俺はやっぱり弱かった。これだけ頑張ってやっと普通になれただけで、俺は強くはなかったんだ」

竜王「ザコ!!」

ザコ「な、なんだよ!」

竜王「もう終わっとる」

ザコ「え?」

俺はゆっくりと瞼を開く。最初に入ってきた光景は、真っ二つに切断された奴と、その前に立つ女騎士さんだった。

ザコ(°Д° )
426 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:10:52.67 ID:M/jA2s9Z0
ザコ(え?何これ、俺たちがすげぇ苦戦した敵だよ?なんでこんなあっさり死んでんの?え?)

女騎士「ふぅー、あんまり手応えなかったね」

ザコ(マジで?)

女騎士「ザコ君、よく頑張ったね。もう大丈夫だ」

ザコ「本当に?」

女騎士「ああ」

ザコ「良かったぁ・・・!」

あまりの安堵に涙が溢れてきた。良かった生きてる!

ザコ「って拳士は!?」

女騎士「私の仲間が転移結晶で国まで送ったよ。だけど助かるかはわからない」

ザコ「そうですか・・・」

それでも生きてる可能性があるだけ良かった。
427 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:18:37.66 ID:M/jA2s9Z0
ザコ「ていうか、この調子だと大会は・・・」

女騎士「中止だよ、他のところでも似たようなのが現れたからね」

ザコ「他のところにも!?」

女騎士「ああ、と言っても魔物化したのはこいつだけだけどね、他は乱入して来た奴らが手当たり次第に襲い始めたんだよ」

ザコ「えっと、勇者達は?」

女騎士「安心してくれ、無事だ」

みんなの生死を確認してやっと力が抜ける。抜きすぎたせいで涙を流し、鼻水を垂らし、失禁しているが気にしない気にしない。

ザコ「良かった・・・頑張って良かったよ俺」ナミダハナミズシッキン

かくして武の国での武術大会は幕を閉じた。中止という残念な結果に終わったが、それでもこの大会は俺にとって大きな経験になった。
428 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 00:19:55.75 ID:M/jA2s9Z0
武術大会編一応終了!
え?あっけない?これでも頑張った方!
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 00:20:21.13 ID:dOQdpVa0o
おもらしおつ
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 00:31:54.52 ID:uwYGFwWDO
モヤモヤ感は有るけど乙
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 01:29:44.19 ID:zHE3g5MAO
修行開始して二週間の人間が変に勝ち進んだり優勝したりすると違和感あるので、こういう展開になって良かった
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 03:20:16.63 ID:C4QV9Zsko
ザコは乱入者と戦った英雄かそれとも乱入者にボコられた被害者か
それによって爺さんの道場の名声が変わるな
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 06:22:46.42 ID:SbH33UBQo
女騎士はザコの過去のザコさを知ってる訳だし、それを踏まえて魔物化した乱入者を足止め出来たんだから爺さんの評判は上がるだろうなぁ
434 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:04:05.65 ID:M/jA2s9Z0
勇者「そっちも大変だったんだね」

ザコ「ああ。死ぬかと思ったぜ」

武術大会が終わって三日が経過した。
俺は今久しぶりに勇者と武闘家と宿屋で会った。

ザコ「けどそっちはそっちでやばかったんだろ?」

勇者「うん、けど魔物化しなかった分楽だったかな」

武闘家「そこまでの手応えは感じられなかったな、俺もそっちに行きたかったぞ」

ザコ「変われるなら変わって欲しかったよ!」

勇者も武闘家も、かなり強くなったことがわかる。修行を受けたからかはわからないけど、相手の力というのがなんとなくわかるようになった。
435 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:06:07.83 ID:M/jA2s9Z0
武闘家「勇者、お前は見違えるほど強くなったな」

勇者「そ、そうかな?へへっ、嬉しいな」

ザコ(同じへへっなのに拳士のと全然違う・・・)

ちなみに拳士はなんとか一命を取り留めた。骨はバッキバキに折れてたらしいがな。

ザコ「それで?いつここを出るんだ?」

勇者「うん、僕たちもだいぶ強くなったしそろそろ出発する時期だと思う」

武闘家「俺は後三日居られれば充分だ」

勇者「僕はもう全然大丈夫だよ」

ザコ「俺は四日欲しいな、用事があるんだ」

その用事とは、武術大会が終わったその日に遡る。
436 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:09:06.16 ID:M/jA2s9Z0
老人「ありがとう!ありがとう!」

ザコ「師匠!?土下座やめてください!」

老人「お主のおかげで入門者が増えたんじゃよ!これも無加護ながらも必死に戦った勇気ある男だと女騎士様が言ってくださったおかげじゃ!」

そう、女騎士さんが言ってくれたおかげで俺は一躍有名人。新聞にもちょこっと取り上げられたりもした。

ザコ(じゃあ女騎士さんに言ったらいいんじゃ・・・というツッコミは、もうちょっと感謝されることの優越感に浸りたいのでやめておく)

ザコ「てことは道場は残るんですか?」

老人「ああそうじゃ!」

ザコ「良かった良かった」
437 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:12:05.36 ID:M/jA2s9Z0
老人「それでザコ、ここに残らんか?
お主は充分に才能がある。ここでもっと鍛えればもっと伸びるぞ?」

老人孫「え?お兄ちゃん、どっか行っちゃうの?」

ザコ「ああ、俺は勇者の仲間だからね。勇者が旅立つというなら俺もついていくよ」

老人孫「竜王ちゃんも?」

竜王「妾は憎き魔王軍へ復讐せねばならんからな!それとちゃんをつけるでない!様をつけろと言っておるじゃろう!」

竜王と老人孫ちゃんは見た目の大きさは一緒くらいなので仲良くなっていく。どっちも10歳くらいだからなぁ・・・可愛いよぉロリ!

弟子騎士「おい、俺の子供をなんて目で見てるんだ?」

老人「殺すぞ」

ザコ「わっ!びっくりした、親戚の子を見る目ですよ、それ以上でもそれ以下でもありません」

ザコ(てか師匠超怖え・・・)
438 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:13:58.40 ID:M/jA2s9Z0
老人「それで弟子騎士よ、何の用じゃ?」

弟子騎士「ああ、お前も急ぐのだろ?結局二週間しか鍛えられなかったからな、一つ技を教えてやろうと思ってな」

ザコ「技?」

弟子騎士「ああ、そうだ。今日は時間がないから、一週間後ここに来い。その時に教えてやる」

弟子騎士「俺の必殺技をな」

ザコ(必殺技!いい響きじゃねーか!)

老人「お前がそこまでするのは初めてではないか?」

弟子騎士「ここまで本気で鍛えたのが初めてなだけだ。それ以外の理由はない」

ザコ「・・・」ニヤニヤ

弟子騎士「ニヤニヤ笑うな気持ち悪い!教えないぞ!?」

ザコ「すいませんでした!」ドゲザッ!
439 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:16:27.53 ID:M/jA2s9Z0
ザコ「それじゃあ一週間後、また来ます!」

俺は道場から立ち去る。必殺技、楽しみだな・・・

弟子騎士「おいジジイ。なんであんな嘘を言った?」

弟子騎士は、ザコが道場から立ち去るとそう言った。

老人「ふぉっふぉっふぉっ、実際早く覚えていたではないか」

老人孫「?」

弟子騎士「ああ、確かにあいつは技をすぐ使えるようになった」

弟子騎士「けどあれは少し違う。きっとあいつは、かつて似たような戦い方をしていて、なんらかの原因で忘れたんだ。それを俺たちの修行によって思い出した。俺にはそんな風に見えたぞ」

老人「ふぉっふぉっふぉっ、それは別にわしらが気にすることでは無いじゃろう?わしらの道場に残らないなら、あやつの事情はわしらにとっては関係無いのじゃからのう」

弟子騎士「はぁ・・・お前のそういうところが嫌いだ」
440 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:17:55.84 ID:M/jA2s9Z0
そして時は現在に戻る。

旅に出るのは五日後。そう決めた後、俺は勇者達と別れた。そして、国の外壁の近くで俺はそいつを見つけた。

ザコ「せめて挨拶くらいして行けよ」

俺が話しかけたのは、俺の幼馴染にしていじめっ子、エルフだ。

エルフ「なんだ、ばれてたんだ」

エルフ「それで、なんで追いかけてきたの?私は君をいじめた張本人、普通関わらないようにすると思うんだけど。Mなの?」

ザコ「違えよ。一つ聞きたいことがあってな」

エルフ「聞きたいこと?」

ザコ「ああ。俺は今まで無加護だからいじめられてたんだって思ってた、けど違った。無加護でも中央警備になる人だっていたし、道場を開いて家族と幸せに暮らしている人もいた」

ザコ「国の中や今までの町でも、無加護でも普通に暮らしている人もいた。
けど俺はいじめられていた。だから他に理由があるんじゃないのかって、そう思ったんだ」

エルフ「普通に思い出せばいいと思うんだけど・・・」
441 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:24:22.76 ID:M/jA2s9Z0
ザコ「俺もそう思ったさ。けど小さい時の記憶がすごく曖昧で、正直なんでいじめられて、なんて言われてたかは靄がかかったみたいに全然思い出せないんだ」

エルフ「やっぱりまだ思い出せていないんだね」

ザコ「え?」

エルフ「ううん、何でもない。続けて?」

ザコ「あ、ああ。それで実際にいじめてたご本人なら知ってるんじゃないかって思ってな」

エルフ「うん、そっか」

ザコ「それで実際どうなんだ?」

エルフ「確かに君がいじめられてたのは無加護だからじゃないよ」

エルフ「・・・私が君をいじめたのは、君の才能に嫉妬したからだよ」

ザコ(俺の、才・・・能・・・?)

その時の俺は、エルフの言った意味がわからなかった。俺がその言葉の真意を知るのは、まだ先の話だ。
442 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/29(金) 22:26:28.59 ID:M/jA2s9Z0
投下終わり。
ザコの過去についてはいろいろ考えていましたが、改めて文にするとん?ってなって困ってます。後必殺技とかまったく思いついてない、なぜ書いた俺!
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/29(金) 22:39:32.02 ID:Q+0TmXcx0
バキの消力でいいじゃん
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/30(土) 14:55:24.32 ID:9m8+ZwaC0
ストナーサンシャインを使わせよう(提案)
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/30(土) 18:53:34.35 ID:fO+F1GvWO
リボルケイン(ボソッ
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/30(土) 19:33:09.99 ID:Za/zPL6ao
元は暗殺術なんだから、クリティカル系のものかな
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/30(土) 20:17:20.90 ID:wav6iS0No
回避・カウンター・打撃と既に揃ってるからにゃぁ……。
あと武術的な要素であるのは、投げと極めとカウンターからのコンボくらいじゃない?

>>446
それ、ハートブレイクじゃね?>クリティカル系
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/30(土) 20:49:18.91 ID:cj6S7wmn0
メガンテとかは?
449 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/30(土) 23:39:12.19 ID:j5wKfYkg0
武の国出発まで後四日

<病院>

ザコ「よお、来たぜ」

拳士「お前!一緒に戦った戦友なのに来るのが遅いぞ!」

ザコ「お前よりも優先度の高い事情があったんでな」

拳士「おまっ・・・!まあいいや、まさかお前が勇者の仲間だったとはな、驚いたぜ!」

ザコ「フッ、まあな」

拳士「なあ!勇者ってどれくらい強えんだ!?」

ザコ「どうだろうな、お前よりおそらく強い・・・かな」

拳士「案外微妙なんだな、けど戦ってみてえな!!」

ザコ「あ、四日後にはここ出るんで」

拳士「は!?」
450 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/30(土) 23:40:45.74 ID:j5wKfYkg0
拳士「せめて俺の体が治るまで待ってくれよ!」

ザコ「やだよ!全治一ヶ月だろ!?待てるか!」

拳士「くっそー!戦えると思ったのによー!!!」

ザコ「ちょっとうるさいぞ」

拳士「ああ悪い。そういやお前聖剣広場には言ったのか?」

ザコ「なんだそれ」

拳士「その名の通り聖剣が刺さってる広場だよ。先代勇者が突き刺したらしいんだが資格が無いと抜けないらしいぜ?」

ザコ「へぇー」

ザコ(勇者は行ったのか?聞いてみるか)
451 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/30(土) 23:46:54.83 ID:j5wKfYkg0
勇者「ああ、それなら炎勇者さんが抜いたらしいよ」

ザコ「え!?あんな野郎が!?」

勇者「あんな野郎って・・・聖剣に認められた人なのに」

ザコ「でも嫌い!まずその聖剣ってのが何かわからないし!」

勇者「え?」

ザコ「いや、正直面倒臭いし覚えなくて良いかなって・・・」

勇者「普通聞くと思う」

ザコ「す、すみません!」

勇者「ふふっ、仕方ないなぁ。勇者先生が教えてあげよう」

ザコ(・・・ん?)
452 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/30(土) 23:48:15.87 ID:j5wKfYkg0
〈勇者先生が教える、聖剣講座!〉

ザコ(何!?なんか始まったよ!?)

勇者先生「この世界にはたくさんの精霊がいて、僕たちに加護を与えてくれる。けど精霊が加護を与えられるのは人だけじゃない」

ザコ(表記まで!?)

勇者先生「人が作った武器なんかにも加護は与えられるんだ。そういうのをまとめて魔導具と言うんだ」

ザコ「な、なるほど」

勇者先生「魔導具の中でも剣の場合は魔剣、弓の場合は魔弓というように武器の種類によって呼び方は変わるんだ」

ザコ「へ、へー」

勇者先生「ちゃんと聞いてる?」

ザコ「戸惑ってる」
453 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/30(土) 23:59:03.72 ID:j5wKfYkg0
勇者先生「で、その中でも光の加護を受けた魔剣、それが聖剣なんだ」

ザコ「ん?光の加護?」

勇者先生「人に与えられるのが少ないってだけで武器にならもうちょっと与えられるよ」

ザコ「ふーん」

勇者先生「ちなみに加護無しで魔導具レベルの力を持つのが宝具、呪いの力で魔導具レベルの力を持つのが妖具だよ」

ザコ「なるほど」

勇者先生「で、宝具が加護を受けたのが神具だよ」

ザコ「神具っていう割には結構ありそうだけど」

勇者先生「加護を受けられる武具なんて少ないのにさらに元々魔導具並みの力を持ってるなんてほとんど無いよ」

勇者先生「僕が知ってるので言うと炎勇者さんが引き抜いたのと騎士王が持ってるっていう物くらいかな」

ザコ(騎士王!?敵にそんなの持たせていいんすか精霊さん・・・)
454 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:02:54.63 ID:DffUZiCY0
勇者先生「それで、わかった?」

ザコ「うーん、まぎわらしい・・・」

〈勇者先生のまとめ〉
・加護を受けた武具は魔導具
・光の加護を受けた魔導具は聖具
・加護無しで加護並みの力を持つ武具は宝具
・呪いの力で加護並みの力を持つ武具は妖具
・宝具が加護を受けたのが神具
・神具は凄い少ない

ザコ(具がゲシュタルト崩壊してきた)

勇者「まあ覚えれば簡単だよ」

ザコ(あ、戻った)

ザコ「まあ、ゆっくりと覚えます」
455 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:04:00.97 ID:DffUZiCY0
武の国出発まで後三日

老人孫「お兄ちゃん!おじいちゃん、お弁当持ってきたよ!」

老人「ふぉっふぉっふぉっ、そろそろ昼休憩としようかのう」

門下生「「「うっす!」」」

老人に弟子入りしたいという人も少し増えた。相変わらず無加護者限定だから大幅には増えないけど・・・

ザコ「老人孫ちゃんのお弁当はおいしいなぁ・・・」

老人孫「えへへ」

ザコ(超可愛い)

老人「それで雑魚よ、旅に出る日は決まったのか?」

ザコ「ええ、三日後に出発します」
456 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:05:42.08 ID:DffUZiCY0
老人孫「お兄ちゃん行っちゃダメ!」

ザコ「いやぁ、前も言ったけど俺は勇者の仲間だからね」

老人孫「やだ!私お兄ちゃんと結婚するもん!」

ザコ「よし残ろう」

老人「今すぐ出ろ」

ザコ「すいませんでした!」ドゲザッ!

ザコ「てか10歳にしては幼すぎません?将来心配なんですけど」

老人「ふぉっふぉっふぉっ、いじめる輩がいれば殺すから問題ないわい」

ザコ(マジで殺りかねないからなこの人・・・)
457 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:08:05.30 ID:DffUZiCY0
老人「話は変わるがお主、確か魔石を持っていたじゃろう?」

ザコ「ええ、まあ」

俺はポケットから青色の石を取り出す。壱の村で貰ったビー玉サイズの魔石だ。

老人「これを少し貸してはくれんか?」

ザコ「なんでです?」

老人「それはお楽しみじゃ」

ザコ「うーん、まあわかりました。どうぞ」

恐る恐る師匠に魔石を渡す。

老人「ふぉっふぉっふぉっ、そんなに心配しなくても二日後には返すわい」
458 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:11:00.39 ID:DffUZiCY0
武の国出発まで後二日

<ある廃墟>
復讐者「キメラが一人も殺せなかった?」

研究者「ええ、みたいですよ?他の奴らも重傷は負わせられましたが死なせてはいません」

復讐者「チッ、見せろ!」

研究者の持っていた新聞を半ば強引に奪う。

復讐者「はぁ・・・なんだ失敗かよ。ん?」

新聞の端、そこにはザコの写真があった。「無加護ながらも敵と戦った勇気ある男だ」などと書かれている。

復讐者「あの雑魚がキメラと戦って生きてる?」

新聞を見ると、どうやら中央警備の女騎士も認める存在らしい。

復讐者「なるほどなぁ・・・」
459 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:12:38.13 ID:DffUZiCY0
復讐者「ああそうだ、良いこと思いついたぜ」

新聞のザコの写真を指で撫でながら彼は言った。

研究者「良いことってなんですか?」

復讐者「俺はこいつに試練を与え続ける。たくさん追い詰めて、強くさせる。そして誰もが認める存在になったその時に・・・俺がこの手で殺す」

研究者「うわぁ・・・敵育てるなんて相変わらずエグいこと考えますねぇ」

復讐者「ククッ、きっと楽しいだろうなぁ。そしてこいつを倒したら、メインディッシュの勇者をいただく。ああ、考えただけでワクワクしてきた」

研究者「あははははっ、本当あんたって面白いや」




ザコ「うおっ、今ゾクっとした!可愛い女の子が俺の噂を!?」

竜王(おったとしても男じゃろうなぁ・・・それも性格がおかしい奴)
460 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 00:14:15.68 ID:DffUZiCY0
書き溜め分投下!
日常回的な。必殺技のアイデアは出てきたんで大丈夫。皆さんの出してくれた例ほぼ無視です・・・
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 00:14:42.03 ID:YJeTkSzso
おつ
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 00:19:39.77 ID:vljEoBTV0
金的とか目潰しとか猫だましとか
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 02:23:14.78 ID:siPozJZco
別にええんやで
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 13:36:43.94 ID:9WpB8Y6W0
乙乙
465 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:22:57.31 ID:1WN9NgF5O
<中央大陸>

「騎士王様」

赤色の鎧を着た一人の男が騎士王に話しかける。

騎士王「どうした?赤騎士」

赤騎士「竜王が見つかったそうです」

騎士王「何?」

赤騎士「ええ、勇者の仲間の一人と契約し行動しているようです」

騎士王「ふむ、そうか」

赤騎士「黒騎士でも派遣しますか?」

騎士王「いや、いい。俺が行く」

赤騎士「なっ!騎士王様が直々にですか!?」
466 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:24:05.72 ID:1WN9NgF5O
騎士王「・・・?なぜ驚く?」

赤騎士「いえ、騎士王様が直々に出向くなんて珍しいことですから」

騎士王「あいつとは旧知の仲だからな。それに、他の奴なら乱暴に扱うだろう?そういうのは好きじゃない」

赤騎士「なるほど、さすがは騎士王様」

騎士王「それで?その勇者の仲間というのは誰なんだ?」

赤騎士「確かザコという名前でしたね、この新聞に写真が」

騎士王「・・・っ!見せろ!」

赤騎士から強引に新聞を奪い取る。

騎士王(ザコ・・・何故お前が・・・)
467 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:25:16.00 ID:1WN9NgF5O
騎士王「なおさら俺が行くしか無くなった」

赤騎士「このザコという者がどうしたのですか?」

騎士王「こいつは、俺にとって大切な人間だ」

赤騎士「なるほど、それなら我々がついていくのは余計なことですね」

騎士王「すまないな」

赤騎士「いえ、私情ならば仕方ありません」

騎士王「ありがとう」

騎士王「それじゃあ、行くか」

俺の載った小さな小さな記事で、様々な人間が動き出そうとしていた。
468 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:26:16.09 ID:1WN9NgF5O
武の国出発まで後一日

弟子騎士「お、来たようだな」

ザコ「あれ、誰もいないんですね」

今は朝早いが、この時間でも一人や二人くらいなら居てもいいのだが・・・

弟子騎士「他の奴らには悪いが、今日は昼からにさせてもらった」

ザコ「・・・」ワクワク

弟子騎士「フッ、それでは教えるか。必殺技を」

ザコ「う、うっす!!」

弟子騎士「と言っても俺が教えるのはお前が期待してるような必ず殺す技では無い」

ザコ「え?」
469 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:28:13.73 ID:1WN9NgF5O
弟子騎士「これはむしろその逆、俺が圧倒的攻撃力を持つ中央警備の奴らと互角に戦えるように考えた、必ず殺されない技だ」

ザコ「必ず殺されない技?」

弟子騎士「その名も絶対防御、俺の使える一番の防御技だ」

ザコ「絶対防御・・・!」

弟子騎士「ああ、この技はどんな攻撃も防げる」

ザコ「それなら水流でいいんじゃないんですか?」

弟子騎士「あまりに力が強すぎるとそらすことが出来なくなる。そこで防御してダメージを軽減することが大切なんだ」

ザコ「なるほど」

弟子騎士「よし、始めるか」
470 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:29:11.22 ID:1WN9NgF5O
弟子騎士「まあ物は試しだな。今から十分間、好きなだけ攻撃してこい。特技も魔法も好きなだけ使っていい」

ザコ「へっへっへ、俺だって強くなったんですよ?」

弟子騎士「いいから来い、時間がないんだ」

ザコ「よし、【攻撃の型・ハートブレイク!!】」

弟子騎士【絶対防御】

弟子騎士の周りを青色の何かが包みバリアのような形になった。

俺は十分間、持てる力を全て使って弟子騎士を攻撃した。だけどその攻撃は一度もそのバリアを突破することは無かった。

ザコ「これが絶対防御・・・すげぇ」

弟子騎士「どんな感じかはわかっただろ?さあ、練習開始だ」
471 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:30:38.37 ID:1WN9NgF5O
弟子騎士「まあ、妥協点と言ったところか?」

練習を開始してから6時間ほど経過した。12時を少し過ぎてしまったが、なんとか習得することが出来た。

弟子騎士「絶対防御習得・・いや、絶対ではなく完全レベルか?【完全防御】習得おめでとう」

ザコ「あざっす・・・」

老人「ふぉっふぉっふぉっ、終わったようじゃのう」

ザコ「あ・・・師匠!」

老人「ほれザコよ、受け取るんじゃ」

師匠が投げた何かを咄嗟にキャッチする。

ザコ「おっとっと、これは・・・」

老人「お主の魔石をペンダントにしたんじゃよ、ポケットに入れたままだと無くしそうだしのう」

ザコ「ありがとうございます!」
472 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:31:48.19 ID:1WN9NgF5O
老人「ふぉっふぉっふぉっ、それではザコよ。勇者の仲間として活躍し、この道場をもっともっと大きくさせておくれ」

ザコ「もっとマシなこと言えないんですか?」

老人「仕方ないじゃろう!お主に言うことなんてそれくらいしか無いんじゃから!」

ザコ「酷い!」

弟子騎士「もう黙ってろジジイ。ザコ、お前はおそらくもっと強くなれる。自信を持て、少なくともすでにお前は最弱じゃない」

ザコ「あ、ありがとうございます!」

俺は道場を見渡す。約一ヶ月ここにはお世話になった。感謝しか無い。

ザコ「本当にありがとう・・・」

俺は道場に別れを告げた。
473 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:33:28.91 ID:1WN9NgF5O
武の国出発当日

勇者「ザコ、準備はできた?」

ザコ「ああ、大丈夫」

武闘家「では行くか」

ザコ「え!?武闘家に清潔感がある!」

武闘家「な、なんでそんなに驚くんだ?」

ザコ「お前昨日まで生ゴミを汚水に漬けたみたいな匂いしてたから心配だったんだよ!」

武闘家「修行する場所がゴミ溜めみたいなところだったからな」

ザコ「ガチでゴミの匂いだったんだ」
474 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:36:02.73 ID:1WN9NgF5O
勇者「そういうザコは珍しく汗臭かったよね」

ザコ「珍しくってなんだよ!そういうお前は無駄に良い匂いだったじゃん」

勇者「ああ、花の香りのするシャンプーを使ってたからね」

ザコ(女子・・・!?)

勇者「花と言えば庭園は花がいっぱい咲いてて綺麗だったよ」

ザコ(女子・・・!?)

武闘家「おい、そろそろ行くぞ」

勇者「あ、うん!」

ザコ(こいつ本当に男・・・?)
475 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:37:13.12 ID:1WN9NgF5O
ザコ「で、次はどこに行くんだ?」

武闘家「武の国から行くとすれば二つルートがあるな」

武闘家「五の町、六の町までは同じ道順だが、西の大陸に行くなら七の町に、この大陸の冒険を続けるなら九の町に進むんだ」

ザコ「へー、で?どっちなんだ?」

勇者「もう少し強くなりたいなら九の町の方だけど、もう充分強くなったから、七の町方面を進んで港町を目指すよ」

ザコ「なるほど」

竜王「西の大陸か・・・」

ザコ「そこがどうかしたのか?」

竜王「西の大陸には飛龍の里がある。つまり、飛龍達と戦うことになる可能性が高いのじゃ」

ザコ「は!?」

ついに俺達は武の国を出発した。だけどまだ俺達の旅は始まったばかりだ。
476 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/01(日) 20:39:06.93 ID:1WN9NgF5O
投下終了。
絶対防御は簡単に説明するとポケモンのまもるみたいな感じです。

才能があるかもしれない。特別な力を授かった。なんかラノベ主人公のテンプレをザコは進んでる気が・・・
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 20:40:28.40 ID:YJeTkSzso
おつおつ
楽しみ
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 20:42:13.95 ID:vljEoBTV0
NARUTOみたいな感じか
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 20:51:15.71 ID:pUI5Dc/ko
別にいいじゃん乙
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/01(日) 23:18:02.12 ID:QCbUb0aAo
絶対防御を完膚なきまでに粉砕される展開はよ
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 19:04:17.83 ID:EfLf/JbLO
まあ雑魚も徐々に強くならないと話進めにくいだろ
482 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:07:15.52 ID:Wau6kSgrO
ザコ「えっと・・・もう着いちゃったよ。五の町」

武の国を出て三時間。俺たちは五の町に到着した。思ったよりも早く着いたので拍子抜けしてしまっている。

勇者「じゃあとりあえずクエストでも受ける?久しぶりに」

ザコ「そういえば俺らって全然クエスト受けてないよな」

武闘家「まあ冒険者狩りに襲われたり武術大会に出ろと言われたりしたからな」

ザコ「対人ばっかの勇者っていったい・・・」

勇者「こ、これから頑張るんだよ!」

ザコ「そう言う奴ってだいたいやらないよね」

勇者「と、とにかく行こう!」
483 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:12:12.97 ID:Wau6kSgrO
<冒険者ギルド>

勇者「さあ受けよう!すごく強いところ行っちゃおう!!」

ザコ「えぇ・・・」

武闘家「まあ久しぶりに三人で戦うんだ。強すぎるのも駄目だぞ、勇者」

勇者「もちろんわかってるよ」

勇者「うーん、そうだな。よし!」

勇者&炎勇者「「これにしよう!」」

武闘家「!?」

勇者&炎勇者「「ん?」」

ザコ「oh・・・」
484 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:17:48.90 ID:Wau6kSgrO
炎勇者「君は・・・」

ザコ(なんでいんだよこいつ、本当やだー!DQN嫌い!!)

戦士「よお!お前、あの時の奴だろ?」

ザコ(あれ?)

戦士「あの時は悪かったな、勇者のパーティに入ったことで舞い上っちまった」

ザコ「あ、大丈夫です」

戦士「いや、納得いかねぇ!一発殴ってくれ!」

ザコ「大丈夫です!」

戦士「殴ってくれよ!」

ザコ「大丈夫です!!」
485 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:25:45.99 ID:tdTtCyUv0
<ナグレヨ!!
<イヤホントダイジョウブナンデ!!

勇者「えっと、炎勇者さんはどうしてここに?」

炎勇者「ああ、仲間に入ってくれないか説得している人がいてな。つい先ほど仲間にしたばかりだ」

賢者「ど、どうも勇者様!お、俺!賢者って言います!よ、よろしくお願いいたします!」

勇者「うん、よろしく!」

賢者「///」

ザコ「!?」

<スキナダケナグレ!!!

ザコ「本当もう大丈夫なんで!」
486 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:29:20.23 ID:tdTtCyUv0
賢者「あ、あの!」

炎勇者「どうした?賢者」

賢者「俺!その、勇者様たちとたたた戦ってみたいです!」

ザコ(すごい緊張してるよ・・・)

勇者「ああ、良いよ!やろう!」

ザコ「勇者!?人と戦いすぎって話になったばかりだよな!?何言ってんの!?」

勇者「あ、ごめん。つい流れで」

武闘家「では移動するか」
487 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:35:07.10 ID:tdTtCyUv0
勇者「ここを使わせてもらっても大丈夫ですか?」

町の師範「いえいえ、勇者様にならいくら使ってもらっても構いませんよ!」

ザコ(勇者二人に貸せって言われて貸せない奴なんていねぇよ)

そこらの道場を借りることになった。
回復魔法陣があるタイプ。やっぱり武の国での戦いほど安心感ないなぁ・・・

炎勇者「それでは先に2勝した方の勝ちということでいいか?」

勇者「うん、大丈夫だよ」

ザコ「おいおいおい、なんで俺らも戦うことになってるんだよ。お前もそう思うだろ?武闘家」

武闘家「よし戦士。俺と勝負だ」

戦士「良いぜ!俺の力見せてやるよ!」

ザコ(やる気満々じゃないですかやだー)
488 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:44:02.79 ID:tdTtCyUv0
賢者「じゃあ必然的に俺の相手はあなたですね!」

ザコ(賢者って!明らかに上級職感溢れる奴と戦えだと・・・?)

大将:勇者
中堅:武闘家
先鋒:ザコ
VS
大将:炎勇者
中堅:戦士
先鋒:賢者

ザコ(なんだろう、俺の名前から感じる違和感。明らかに場違い)

炎勇者「ふむ、そうだな。勝ち抜き戦といこうか」

勇者「ザコ、頑張って!」

賢者「!」

賢者「ぜ、絶対負けないからな!」

ザコ「えぇ・・・」
489 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:51:11.91 ID:tdTtCyUv0
賢者(頑張ります!見ててください、勇者様!)

ザコ(なんでヒロインを巡る戦いみたいになってるの?てかヒロインじゃねぇ、プリンスだわ)

ザコ「えっと、始める前に一つ聞きたいんだけどさ」

賢者「な、なんだよ」

ザコ「勇者が男だってことはわかってるんだよな?」

賢者「わ、わかってるに決まってるだろ!」

ザコ(えぇ・・・軽く引くわ)

勝ち抜き戦
第一勝負:ザコ対賢者

ザコ(よし、とりあえずこのホモ賢は倒したいな)

賢者「容赦はしない・・・行くぞ!」
490 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/02(月) 23:53:58.14 ID:tdTtCyUv0
今日は終わり。
ルールはまあ、参ったって言わせたら勝ちってところですね。500で一大陸終わらないのは予想外ぃ・・・
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/02(月) 23:55:43.43 ID:1oRhQ5kbo
ザコがんばアッーれ
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/03(火) 00:31:56.57 ID:eVTYaXB5o
ホモ賢者なんてヤっちまえ!
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/03(火) 01:03:45.98 ID:/AIBuUYAO
ホモ賢言うなww
ワロタ
494 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga sage]:2016/05/03(火) 13:25:16.68 ID:1zoUBATGO
そういえば勝ち抜き戦のはずなのに直前に先に2勝したほうがって書いちゃってるよ・・・
ルールは勝ち抜き戦の方です。
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/03(火) 13:44:39.25 ID:GD0puGu4o
勝ち抜きなのに先に2勝って大将戦う気ないですやんww
496 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:18:11.00 ID:pr9Q79bJ0
町の師範「そ、そそそれでは始め!」

ザコ(まずは先手必勝!)

ザコ『ウッドキャノン!』

勢いをつけて木の砲弾を発射。賢者の方へとまっすぐに向かっていく。

賢者『スプラッシュソード!』

が、木の砲弾は賢者の作り出した水の剣によって真っ二つにされてしまう。

ザコ「!」

賢者「ゆ、勇者様!お、俺!勇者様と同じ属性なんです!!」

勇者「そ、そうなんだ。う、嬉しい・・・よ?」

賢者「喜んでもらえるなんて!か、感激です...///」

ザコ(うへぇ・・・相当気持ち悪いなこいつ)
497 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:20:48.59 ID:06oxJa4hO
賢者(勇者様勇者様勇者様!)

賢者『激流!!』

良いところを見せたいからなのだろうか、無駄に魔力を使って大きな激流を作り出した。

ザコ『冷凍の風!』

氷の力で激流を凍らす。

賢者「!」

ザコ「くらえホモ賢!【攻撃の型・ハートブレイク!】」

賢者「くっ!」

俺の攻撃をギリギリでかわす賢者。

賢者『スプラッシュソード!』

ザコ【完全防御!】
498 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:25:26.38 ID:pr9Q79bJ0
別スレに送信してしまった・・・
一応そのスレでも伝えましたがごめんなさい。
499 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:35:03.24 ID:pr9Q79bJ0
俺の周りを包む緑色のバリアが水の剣の攻撃を防ぐ。

賢者「何!?」

ザコ「そのままタックル!」

賢者「グハッ!」

完全防御を纏ったまま突撃してやった。ダメージはでかいはずだ。
と言っても回復魔法陣の上なので回復するのだが・・・

ザコ(参ったって言わせるの面倒臭すぎるだろ!)

正直このままじゃ終わりそうにない。

ザコ(そうだ!良い事思いついた)ニタァ

ザコ「竜王、今から言うことを勇者に伝えに行ってほしい」

竜王「むぅ・・・この竜王を雑用に使うとは」

ザコ「頼むよ」

竜王「仕方ない、行ってやろう」
500 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:36:17.90 ID:pr9Q79bJ0
俺は竜王に要件を伝えた。俺の首から少し角の生え始めた黒色の蛇が分離。
勇者の方へと進んでいく。

賢者「フッ、馬鹿なのか?自ら弱くなるなんてな」

ザコ「黙って来いよ!」

賢者「ああ、良いだろう!『スプラッシュソード!』」

ザコ【完ww全ww防ww御ww】

賢者「ああああぁぁぁ!鬱陶しいな!このバリア!!」

ザコ「ヘイヘーイ!勇者に良いとこ見せんだろ?ガンバガンバ!」

賢者「ならバリアを解除しろ!」

ザコ「ならしてやるよ。一部だけだけどな」

バリアに小さな穴を開ける。

ザコ『ウッドバレット!』
501 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:38:05.64 ID:pr9Q79bJ0
賢者「うわっ!」

突然放たれた木の弾丸に戸惑う賢者。
しかし途中で冷静さを取り戻し呪文で防いだ。

賢者「くそ、厄介だな」

ザコ(てか勇者まだー?このままじゃ終わらないんですけど)

ザコ「もう一回『ウッドバレッ...』」

俺が木の弾丸を発射しようと小さな穴を開けたそのときだった。

賢者「はい『毒ガス!』」

ザコ「うわ何これヤバイ!解除解除!」

まさか攻撃の隙を突かれるなんて!

賢者『スプラッシュソード!』
502 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:38:55.61 ID:pr9Q79bJ0
ザコ「うわっ!」

水の剣をギリギリでかわす。

賢者「くっ、もう少しだったのに」

ザコ「まさか毒が使えるなんてな」

拮抗状態だったそこへ竜王が戻ってくる。

竜王「伝えてきてやったぞ」

ザコ「ありがとう。これで多分勝てる」

賢者「何をしたかはわからないけど。これで終わりだ。『スプラッシュソー...』

勇者「が、頑張れダーリン!」

賢者「ファ!?」
503 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:39:47.22 ID:pr9Q79bJ0
賢者「だ、ダーリン!?」

ザコ「ああ、頑張るぜ。ハニー」

賢者「ハニー!?」

武闘家(・・・?)

そう、これが俺の考えた作戦。あいつがホモなのを利用した、「付き合ってる体でいっちゃおうよ作戦!」

ザコ「悪いな。ハニーは俺のもんなんで」

賢者「う、嘘・・・だろ?」

勇者「か、勝ったらご褒美あげるから頑張れ...///」

武闘家「!?」

賢者「本当なのか・・・!?」

ザコ「ああ、事実だ!」
504 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:40:37.40 ID:pr9Q79bJ0
賢者「嘘だ嘘だ嘘だ!」

ザコ「嘘じゃねぇ!俺と勇者は愛し合ってるんだ!!」

武闘家(そうだったのか!)

勇者「その、本当なんだ。ごめんね?」

賢者「!」ガーン

ザコ「で?どうするんだ?」

賢者「俺の負けです・・・!降参します」

勝ち抜き戦
第一勝負:ザコ対賢者
ザコWIN!

武闘家(まさかザコと勇者がそんな仲だったとはな・・・)
505 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/05/04(水) 14:41:51.71 ID:pr9Q79bJ0
投下終わり。
タグを出しまくっていた結果別スレ投下という元スレ作者と読者に申し訳ないことをしてしまいました。申し訳ございません。
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 14:45:13.30 ID:pBs+kmgBo
>>505 乙!
ザコらしい戦い方wwww
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 14:56:50.03 ID:8jQuY114O
わろた乙
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 15:44:12.66 ID:n4IgpK5Po
信じる武道家ェ…
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/04(水) 16:11:31.27 ID:sy9j2vH4o
ここみてどこに送信してんだよwwと思って別の未読スレみたらザコがいたwwwwww
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