ザコ「勇者と旅に出ることになった」

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289 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 19:53:17.32 ID:wNSbAraC0
竜王(相手が格上すぎるの・・・これでやっと互角とは)

ザコ(熱っ!熱っ!!これが竜王パワーかよ!中級のくせに威力が強すぎる!出してる俺が溶けそうだ!!)

ザコ(しかも魔力がぐんぐん減っていく!これ使いこなせるようにならないといけないのかよ!!)

復讐者「お?なんだ強いじゃねーか」

二つの炎がぶつかり合い爆発を起こす。

ザコ(反動と火傷で右腕動かねえ!!けど・・・)

ザコ「まだ左手が・・・ある!」

ザコ『ウッドキャノン!!』

復讐者「!」

俺の放った木の砲弾が復讐者へと迫る・・・が。

復讐者『ファイアウォール』

炎の壁で簡単に阻まれてしまう。
相性悪すぎません?
290 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 19:55:02.25 ID:wNSbAraC0
ザコ「もう一発!『ウッドキャ・・』って出ない!」

竜王「もう魔力切れじゃと!?早すぎるぞ!!」

ザコ「仕方ないだろ!!」

復讐者「二発目だ」

復讐者『炎・・』

ザコ(やばっ!)

『電撃!』

復讐者「ぐっ!」ビリビリビリ

復讐者「あぁくそ・・・誰だよ」

エルフ「なんとか間に合ったね」

ザコ「エルフ!」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/18(月) 19:56:05.84 ID:wNSbAraC0
8

ザコ「お前なんでいんの?」

エルフ「今それ関係ないから。一旦引くよ!」

エルフに抱えられ風魔法で壁を越える。

復讐者「ああ・・・ムカつくなぁ。せっかく良いところだったのに」

復讐者「もう頭さえ残ってればそれで良いか?殺しても、死体さえあれば殺りあってくれるよな・・・」

復讐者『マグマハンド』

地面から出現した巨大な溶岩の手が俺とエルフに迫る。

ザコ「どうすんだよ!来てるぞ!」

エルフ「安心して。後は勇者様がなんとかしてくれる」
292 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 19:56:48.60 ID:wNSbAraC0
途中で書き込んでしまったから書き溜め分の番号が・・・恥ずかしい
293 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 19:58:27.92 ID:wNSbAraC0
勇者『激流!!』

溶岩の手のさらに後方。そこから飛んできた水流が溶岩の手に当たり、溶岩の手を冷やし、固まらせる。

ザコ「勇者!」

復讐者「やっと来た・・・か」

勇者「よかった、間に合った。さて・・・お前が冒険者狩りか?」

復讐者「ああ、そうだぜ」

勇者「選手交代!僕が相手だ!」

復讐者「ククッ・・ハハハハハッ」

復讐者「ああ、やっとこの手で殺せるよ。人類の希望・・・勇者様」
294 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 19:59:45.08 ID:wNSbAraC0
はい終わり。番号はスルーしてください!書き溜めても急ピッチ感がでるのがなんだかなぁ・・・
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 20:30:28.09 ID:/Hs/uZito
それほど気にならないけどなあ
乙です
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 20:35:50.01 ID:8+UrYSAWo
8!

乙乙
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 21:23:35.85 ID:xbJ/HXRHo
別にssだから展開早くていいんやで
298 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/18(月) 22:40:00.78 ID:wNSbAraC0
番外編 <弱点>

ザコ「竜王の弱点は尻尾」ギュッ

竜王「ふにゃ!」ビクッ

ザコ「エルフの弱点は耳の尖った部分」サワッ

エルフ「ひゃっ!!」ビクッ

勇者「何してるの?ザコ」

ザコ(ちなみに勇者の反応は首)

ザコ「ほれ」ガシッ

勇者「ひゃっ!」ビクンッ

ザコ(こいつ本当に男なんだろうか・・・)

残念ながら武闘家の弱点はわかりませんでした。確かめようとしたら半殺しにされるしできねぇよ!!
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 07:49:22.64 ID:MU34ASpDO
wwwwww
300 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:05:43.54 ID:wwRur6Gq0
勇者「お前、なんで僕を狙うんだ?」

復讐者「ククッ・・・別に・・お前には恨みはねえよ。ただ・・・勇者っていう存在が嫌いなんだよ」

勇者「そうか、なら躊躇はしないよ」

復讐者『炎・・・火!』

勇者『アクアウォール!』

復讐者の放った炎を勇者の作り出した水の壁が防ぐ。

復讐者「チッ・・・」

勇者(相手は壁側。こっちが有利だ)

勇者『激流!』
301 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:16:16.95 ID:wwRur6Gq0
逃げる場所を作らないように巨大な水流で攻撃する。普通ならかわせないはずだが、奴は後ろの壁よりも高く跳んだ。その足はまるで魔物のようだった。

勇者「何!?」

復讐者「おらぁ!!」

復讐者の一撃が勇者の腹部に直撃する。
勇者がのけぞったところに復讐者は一気に近づく。勇者の顔の近くに手を近づけ・・・

復讐者『爆破』

復讐者の手のひらから出現した球体が勇者に当たった途端、爆発した。

勇者(爆発属性!?)

復讐者「ハァハァ・・・勇者ってのは・・その程度・・・なのか!?」
302 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:28:11.61 ID:wwRur6Gq0
勇者「なら、これならどうだ!!」

勇者『シャイン!』

発動したのは光属性の中級魔法だ。初級の『ライト』よりも大きな光球を出現させ発射する。

復讐者(光魔法・・・!)

復讐者「やっと・・勇者らしく・・・なってきたじゃ・・・ねーか!!」ハァハァ

復讐者は発射された光球をギリギリで回避する。光球はそのまま飛んでいき壁にぶつかり爆発する。

勇者「まだまだ!!『激流!』」

勇者は両手で同時に魔法を発動させる。
しかし復讐者は壁をうまく使いそれを回避。

復讐者『爆・・・然・・!』ハァハァ

復讐者の発動した中級爆発魔法が勇者に直撃し、勇者は吹き飛ばされた。
303 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:38:22.91 ID:wwRur6Gq0
復讐者「さすがに・・・直撃・・・は、堪えた・・・だろ?」ハァハァ

復讐者は不意にそう呟いた。爆発魔法の破壊力は凄まじいものだ。勇者も大怪我を負っているはず、そう思っていた。しかし・・・

復讐者「なっ・・・!」

煙が晴れたそこには床の濡れた路地が広がっているだけ。傷ついた勇者なんてどこにもいなかった。

復讐者「いっ・・たい、どこ・・・だよ」ハァハァ

勇者「こっち・・・だああぁぁぁぁ!!!」

声に気がつき咄嗟に上を見た、その直後。どうやったのか、上から落下してきた勇者に右肩から左脇腹にかけて剣で切り裂かれた。

復讐者「くそ・・・!」
304 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:44:21.84 ID:wwRur6Gq0
復讐者「なん・・で、無傷・・・」ハァハァ

勇者「爆発する直前に、地面に思いっきり『激流』を発動させたんだ。煙が大きかったのと、君が焦っていたおかげで気づかれなかったよ」

復讐者「くそ!く・・・そ・・が!」ハァハァ

復讐者はすでに立てないほどまでに弱っていた。勝負はついた。

勇者「諦めるんだ、冒険者狩り。君の負けだ」

復讐者「誰が・・・いつ・・・負けを・・・認めた?」ハァハァ

復讐者が手を勇者の方へと向ける。

復讐者『熱線・パイロ・・・!』ハァハァ

呪文が発動しかけたその時、復讐者の腕が一瞬にして凍りついた。

勇者「!?」
305 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:52:45.68 ID:wwRur6Gq0
??「駄目だろ復讐者、魔法を使いすぎだ。それを発動したらお前の体がもたない」

復讐者「くそ!殺らせろ!殺らせろよ!!あと少しで殺せるんだよ!くそが!!」

勇者「お前・・は?」

??「俺はこいつみたく馬鹿じゃねーんだ。名乗る真似はしねーよ」

復讐者「ハァ・・ハァ・・・」

??「まあ、一つ説明するとすれば、俺たちは勇者を全員殺すつもりだってことだ。てことで、とりあえず今回は撤退させて貰うぜ」

勇者「くっ・・・逃がすか!!」

??『フラッシュ』

そいつの手が光り輝き、咄嗟に目を閉じてしまう。目を開けた時、もうそこには誰もいなかった。

勇者「なんで・・・光属性・・・?」
306 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/19(火) 20:53:13.39 ID:wwRur6Gq0
今日はここまで。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 21:04:43.38 ID:nvNkSa210
おつ
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 21:59:07.63 ID:k7FKzwfC0
乙乙
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 00:33:55.55 ID:zvctsiBDO
乙乙乙
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 03:07:11.13 ID:yG26FpmAO

太陽拳最強
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 15:41:44.67 ID:zghxmtVmo
修行パートかと思ったら普通に戦闘パートだったでござる(雑魚は空気)
312 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:01:12.18 ID:+U+YYB9Z0
勇者「ハァ・・ハァ・・・」

冒険者狩りの仲間は確かに光属性の魔法を使った。魔石を取り出した様子もなかったし、あいつは勇者の中の誰かで間違いないはず・・・いや、今は気にしても仕方ないか。

勇者「とりあえずザコ達のところに行くか」

水流で体を浮き上がれさせ壁を越える。

勇者「あれ、誰もいない・・・」

武闘家「勇者!」

勇者「ぶ、武闘家!?ザコ達は?」

武闘家「病院だ!竜王が倒れた!」

勇者「え!?」
313 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:08:20.49 ID:+U+YYB9Z0
時間は遡り、勇者と復讐者が戦い始めた直後。

エルフ「ふぅ・・・ここまで離れたら安心かな?」

俺たちはあの路地裏から少し離れたところへと走ってきた。

ザコ「なんでお前がいんの?」

エルフ「私もほぼ同じ道順で通ってるからね、君を見かけて話しかけようと思ったら突然消えたから。闘技場に行って勇者様に助けを求めたんだよ」

ザコ「ん?勇者って女騎士さんと戦ってなかったか?」

エルフ「急いでたから観客席から大声で叫んだんだよ。まったく・・・恥ずかしかったんだから」

ザコ「ご、ごめん」

ザコ(エルフってもっと血も涙もない奴だと思ってたぜ・・・)
314 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:13:28.09 ID:+U+YYB9Z0
ザコ「なにはともあれ、ありがとな!」

エルフ「いや、別にいいけど。首からなんか垂れてるよ?」

ザコ「え?」

竜王「」タラーン

ザコ「うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

エルフ「!」ビクッ

ザコ「ど、どうした!?」

竜王「魔力が・・・足りん・・・」

ザコ「え?」

ザコ「そんなに幼女化って体力使うのか・・・」

竜王「ち、違う・・・わい・・・」
315 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:21:16.34 ID:+U+YYB9Z0
エルフ「と、とにかく病院!急ごう!」

ザコ「あ、ああ!」

竜王「う・・・うぅ・・・」

幼女化した竜王をおんぶして全力で走った。エルフが。

ザコ「やっと・・・ついた・・・もう無理吐きそう・・・」ハァハァ

エルフ「ほんとに君はザコ将軍だね」

ザコ「りゅ、竜王は?」ハァハァ

エルフ「今は治療を受けてるよ。けど、だいぶ弱ってるみたい」

ザコ「そうか」

そのすぐ後に騒ぎを聞いた武闘家がやってきた。すぐに勇者に事情を知らせに行かせた。そういえばすげぇたくさん買ってたな、あいつ。
316 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:30:12.88 ID:+U+YYB9Z0
勇者が到着してからしばらく経った後、竜王の治療が終わった。いったいなにがあったのだろうか?

ザコ(竜王、無事だといいんだけどな)

その後勇者から戦った後のことを聞いた。冒険者狩りの目的と、仲間がいたこと。そしてその仲間が勇者のうちの一人だということ・・・

武闘家「冒険者狩りと勇者の中の誰かが、繋がっている?」

勇者「うん、おそらくそうだよ」

エルフ「けど冒険者狩りが勇者のことを嫌ってるのに、勇者を仲間にしてるっておかしくない?」

勇者「うん・・・」

ザコ(謎だらけだな)

その日は一旦宿屋に戻ることにした。
竜王も命に別状はなかったみたいだし、とりあえずは良かった。
317 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/20(水) 22:31:21.95 ID:+U+YYB9Z0
今日は終わり。とりあえず300到達して嬉しい。
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 22:36:16.10 ID:vH0x3ob0o
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/21(木) 00:41:14.46 ID:n687XjWDO

320 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/21(木) 17:17:57.04 ID:5kF5XIY80
ザコ(やることが・・・ない)

ザコ「何しようかな、適当にぶらつくか」

ザコ(よし、あれをするか)

〈打倒鬼王!竜王考案、トレーニングプランなのじゃ!〉

ザコ(竜王が俺のために考えてくれたらしい。てか文字書く時もじゃをつけるんだな、こいつ)

ザコ(まあね、トレーニングプランを考える時にね、めっちゃ体触られたわけですよ。その結果、俺の息子はとっても元気になりました!)

ザコ「おっと話が逸れてしまったね、自慢じゃないからね?ほんとだよ?」

ザコ「めんどくせぇからやってなかったけど、竜王がああだとなんか申し訳ないしな、さあ!やるぜ!!!」
321 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/21(木) 17:30:06.30 ID:5kF5XIY80
ザコ(トレーニングを始めてから二時間経過)

ザコ「きっつ!くそきっつ!!」ハァハァ

ザコ(もう死にそう・・・)ハァハァ

ザコ(あと3分の1もあるんだよなぁ・・・ちょっとくらいなら休んでいいよな)ハァハァ

近くにあったベンチに腰掛ける。
その隣に小さな道場を見つけた。
この辺りは大きな道場が多いのに、よく残ってるな。

老人「我が道場に何か用かのう?」

ザコ「!」

ザコ(こ、この人!絶対師匠系キャラだ!)
322 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/21(木) 17:39:38.09 ID:5kF5XIY80
ザコ「え、いや、その、小さい道場なのによく残ってるなーって」

ザコ(しまった言っちまった!!)

老人「ふぉっふぉっふぉっ、最近までは潰れる寸前じゃったが、最近になって弟子入りを望む若者が増え始めたんじゃ」

ザコ「なんでですか?」

老人「そりゃあわしの戦い方に惹かれたんじゃろうなぁ」

ザコ「へぇー、そんなに強いんですか?」

老人「ある者にとっては強いがある者にとっては使えない。そんな技術じゃ」

ザコ「どんな技なんですか?」

老人「無加護の者を加護者と互角戦えるようにする技術を教えているのじゃ」

ザコ「タイムリイイイィィィィ!!!」
323 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/21(木) 17:40:29.86 ID:5kF5XIY80
一旦終わり、完全にレス見て考えた。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/21(木) 20:45:07.44 ID:e1edCTAmo
一旦乙、修行パート来たか
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/21(木) 21:36:59.57 ID:GAl16lo6o
そんなもんよ
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/21(木) 21:40:32.75 ID:y/l+N4YAO

参考にしてもらえて嬉しい
乙乙
327 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 22:56:28.95 ID:KsSfMhA30
老人「な、なんじゃ?突然叫び出して」

ザコ「それ、教えてくれよ!」

老人「それとはなんじゃ?」

ザコ「だから、無加護者が加護者と戦えるようになる技術!」

老人「なるほどのう。いいじゃろう、教えてやろう」

ザコ「やったぜ!」

老人「詳しいことは中で話すとしよう」

ザコ「ああ!」

道場に入るがやはり小さい。何を学ぶにせよこれじゃあ物好きしかやってこないだろう。

老人「小さいのは仕方ない。儂の技を覚えようとするものは少ないんじゃ」

ザコ(読まれてるだと・・・?)
328 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 23:03:47.90 ID:KsSfMhA30
ザコ「で、その技術ってのは何なんだ?」

老人「それは、暗殺術じゃ」

ザコ「えぇ・・・」

この世界は正々堂々と戦うのがデフォルトなので奇襲などはあまり使われない。無論、暗殺術も大抵の奴には毛嫌いされている。

老人「無加護者が加護者と戦っても、魔力の差もあって勝てる確率は低いからのう」

復讐者との戦闘を思い出す。竜王の力を使ったものの長くは持たなかった。まああいつは魔物の腕になったりよくわからない部分はあったが。

ザコ「いや、俺斬ることのできる武器は装備できなくて・・・」

老人「では治せば良いではないか」

ザコ「治せるんすか!?」
329 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 23:08:57.08 ID:KsSfMhA30
ザコ「震えの原因もわからなくて、困ってたんですけど」

老人「武器を持つと震えてしまう者は何度も見てきたが、ほとんどが心の問題じゃった。過去に何かトラウマがある者が多かったのう」

ザコ「心当たりは無いんですけど」

老人「その時のショックで忘れてしまっておる可能性もある。否定せずにまずはやってみることが肝心じゃ」

ザコ「なるほど、それで具体的にはどうすれば?」

老人「心を落ち着かせるのじゃ、明鏡止水の心を持てれば必ずや装備することができるじゃろう」

ザコ「明鏡止水・・・ねぇ」
330 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 23:14:06.66 ID:KsSfMhA30
老人「あとは何とかしてトラウマを克服するのが簡単じゃな。中にはトラウマをド忘れするという馬鹿みたいな技をする者もおった」

老人「それから一時的に持てる方法もある」

ザコ「それは?」

老人「何か強い感情で自分を覆い尽くすのじゃ、例えば怒りとか、復讐心などじゃな」

ザコ「なんか怖いしやめときます・・・」

老人「ふぉっふぉっふぉっ、それが良い」

老人「冷静さを手に入れるようにしつつ、まずは別の技を教えるとするかのう」

ザコ(修行パートっぽくなってきました!)
331 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 23:23:19.34 ID:KsSfMhA30
老人「もちろん暗殺できるとは限らん、敵から戦いを仕掛けられる可能性場合などもあるじゃろう」

老人「だからといって正面戦闘ではまず勝てないじゃろうな」

ザコ「じゃあどうするんすか?」

老人「相手の攻撃を受け止めようとすれば押し負けるのは目に見えておる。ならば、相手の攻撃を受け流せばいいのじゃ」

ザコ「受け流す・・・」

老人「受け流すだけならそこまでの力はいらないからのう」

ザコ(思ったよりそれっぽいな)

老人「わしの技術を何じゃと思ってたんじゃ?」

ザコ「やっぱり読まれてるぅー!」

老人「ただの予測じゃ」
332 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/23(土) 23:26:26.22 ID:KsSfMhA30
今日は終わり。修行パート突入。
ザコじゃNEEEEEEE!!!までの道のりは遠い。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 23:33:26.65 ID:1eljbeQ4O
おつつー
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 23:36:18.45 ID:VTPQv4HEO
おつおつ
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 01:03:41.80 ID:EiF/SY5ao
おつー、暗殺術を身につければ竜王の力を持つ最強の外道になれるな
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 01:22:47.35 ID:N2e99kJDO
乙ー
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 01:33:56.02 ID:Jsp/LgxAO

個人的には修行で得た力でカス女神をぶちのめして欲しい
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 02:54:32.79 ID:H7DUNA+do
ザコにとっては女神が裏ボス
339 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:46:44.53 ID:IFe4/W1t0
竜王が目を覚ましたのは俺が修行を始めてから二週間後のことだった。

ザコ「で、目を覚ましたのはいいけどさ」

竜王「・・・」モグモグ

ザコ「起きてすぐに食い過ぎじゃないか?これで5個目だぞ?ハンバーガー」

竜王「仕方ないであろう。食わないと魔力が補給できないのじゃから!」

ザコ(幼女が大量のハンバーガーに囲まれてる光景ってなかなか凄いな)

ザコ「それで?なんでお前はあの時倒れたんだよ」

竜王「それは妾が魔王軍から逃げ出した時のことが原因じゃ」
340 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:48:19.59 ID:IFe4/W1t0
竜王「妾が魔王軍から逃げようとしたのが勘付かれていたようでな、鬼王に追われたんじゃよ」

ザコ「へぇー、けど竜王って鬼王より強いんじゃないのか?」モグモグ

竜王「だがその時は騎士王もおってな、さすがに奴には勝てなかったんじゃ」

ザコ「その時の七幹部一位と四位とかよく生きてたな」モグモグ

竜王「そりゃあ妾は強いからのう!」エッヘン!

ザコ(可愛い)モグモグ

竜王「というよりザコ!妾のはんばーがーを食べるでない!」

ザコ「俺が買ったのに・・・」
341 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:50:00.95 ID:IFe4/W1t0
竜王「まあ死ぬことはなかったが重傷を負ってのう、妾は魔力の大半を失ってしまったのじゃ」

ザコ「へぇー、じゃあ言うほど強くないのか」

竜王「それでもお主を片手でひねりつぶせるほどの力はあるがのう」

ザコ(それは竜王が強いのか俺が弱いのか・・・)

竜王「それで弱っていたところをあの女神に見つかってのう」

ザコ「へぇー、保護してくれるとかあの女神も案外いい奴なんだな」

竜王「そうとも言えんな」

加護の女神「竜王じゃないですか!しかも弱ってる!これを他の奴らに見せれば私の株も上がる!より尊敬されて献上品も増える!最高じゃないですか!」

竜王「と言っていたからのう」

ザコ「女神ィ・・・」
342 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:51:07.17 ID:IFe4/W1t0
ザコ「じゃあ俺はお前の力を取り戻させる必要があるんだな」

竜王「そうじゃ!お主は妾のことをロリロリ言っているが力さえ取り戻せばロリじゃなくなるんじゃ!」

ザコ「ハンバーガーははんばーがーなのにロリはロリなんだな」

竜王「今それは関係ないじゃろう!」

ザコ「とにかく力を取り戻させれば俺のストライクゾーンに近づいていくってことだろ?」

竜王「容姿の問題ではない!力の問題じゃ!」

ザコ「けど容姿の話を持ち出したのはお前だろ?」

竜王「うっ・・・も、もう知らん!とっとと帰れ!!」
343 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:52:21.98 ID:IFe4/W1t0
ザコ(竜王は最低限の魔力を補給するまで病院にいるそうだ)

ザコ(ちなみに俺たちが武の国に残っているのは竜王のためだけじゃない。各々の戦力の強化ともう一つ、勇者がある約束をしたからだ)

<冒険者狩り騒動直後>
女騎士「勇者君!」

勇者「あ、女騎士さん」

女騎士「騒動が解決したのはいいが私との勝負は終わってないぞ!」

勇者「ご、ごめんなさい」

女騎士「だから君には一ヶ月後の武術大会に出て貰う!」

勇者「えぇ!!けどそんなに滞在するわけには・・・」

ザコ「竜王がいつ目を覚ますのかもわからないんだし、いいんじゃないか?」

勇者「うーん・・・そうだね。わかりました!」
344 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:54:19.05 ID:IFe4/W1t0
ザコ(武術大会はちょうど今から二週間後。俺?観戦に決まってるだろバカタレ!!)

ザコ(勇者は王宮で中央警備の人達に鍛えられている、さすが主人公。武闘家はなんか凄い強い人に出会ったらしい。一回会ったけど汚ねぇし臭かった)

ザコ(そして俺は今日も師匠との修行だ。俺も頑張らないとな)

ザコ「師匠!おはようございます!」

老人「む?ちょうど良いところに来たのう、こやつが今話したザコじゃ」

ザコ「師匠、その人は?」

老人「こやつは弟子騎士。儂が昔技を教えた者にして、儂の息子。そして中央警備の一人じゃ」

ザコ「弟子で息子で中央警備!?てか騎士なのに暗殺?」

弟子騎士「あくまで学んだだけだ、使ってはいない」
345 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:55:46.52 ID:IFe4/W1t0
ザコ(てことはこのおっさんも無加護なのかな。あれ?無加護ってだけじゃ案外弱くないの?俺がとてつもないほど弱いだけなの?え?マジ?)

弟子騎士「それで?俺を呼んだ理由はなんだ?」

老人「儂はこいつを武術大会に出そうと思っておる。だから、お前が技を教えて欲しいのだ」

ザコ「え?」

弟子騎士「こいつを武術大会に?やめとけ、こいつじゃ予選で終わりだ」

老人「だからこそお前に頼んでおる。こやつが大会に出て活躍すれば指導を受けたいという輩も増える。そうなれば金も手に入る。最高じゃ!」

弟子騎士「口を開けばすぐ金。だから俺はお前が嫌いなんだよジジイ」

ザコ(あれ?俺の意見は?)
346 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:57:14.94 ID:IFe4/W1t0
弟子騎士「つまり俺があんたから学んだことを公表しないから金が稼げなくて困ってるってことだろ?」

老人「まあそういうことじゃな」

ザコ「待ってくれよ。俺以外にも弟子がいるんだろ?ならそいつらの方がいいんじゃないか?」

老人「まあいるのはいるが・・・」

弟子騎士「残りの弟子は全員こいつの孫で、俺の子供だ」

老人孫「おとーさん!!おじーちゃん!!」

ザコ「!?」

老人「おー来たか!孫よ!!」

ザコ「てことは実質・・・」

弟子騎士「今現在弟子はお前一人だ」

ザコ「えぇ・・・」

老人「こんな可愛い孫をあんな危ないところに行かせられるわけなかろう!!!」

ザコ「えぇ・・・」
347 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 13:58:27.47 ID:IFe4/W1t0
書き溜め投下。俺の苦手なガチバトルがやってくる・・・
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 14:01:52.85 ID:Jsp/LgxAO

苦手なら無理しなくてええんやで
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 14:09:04.56 ID:O0zHofRWo
暗殺術なのに正面きっての武道大会とは
決勝まで残ったらザコの名前返上だな
ないだろうけどwwwwwwww
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 14:20:17.35 ID:8wR699cRo
話の大筋に関係ないならダイジェストでええやん
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 15:35:52.27 ID:wf/yzGCeO
一レスも使わず負けそう
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 16:33:05.14 ID:JqqXkVaio
大会が1VS1のトーナメントじゃなくて乱戦で予選とかなら予選突破くらいは罠オンリーと不意打ち暗殺でワンチャン
353 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 20:40:47.77 ID:IFe4/W1t0
結局師匠がエロ本の隠し場所で脅してた。恐妻家らしい、弟子騎士チョレえええええぇぇぇぇ!!!

弟子騎士「気が変わった、仕方がないから教えてやる」

ザコ「ベッドの下はやめといたほうが・・・」

弟子騎士「う、うるさい!教えてもらうんだから感謝しろ!!」

弟子騎士「とにかく、二週間の訓練で本戦を勝ち抜くことはできないだろう。だが予選さえ勝てれば決勝トーナメントまで一週間の猶予ができる」

ザコ「なんで?」

弟子騎士「決勝トーナメントまでの準備と武器が壊れることもあるからそれへの配慮だな」

ザコ「なるほど」

弟子騎士「それでは、修行を始めるとするか」
354 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 20:50:16.80 ID:IFe4/W1t0
弟子騎士と師匠に戦い方を学んだ。奇襲をするための技術、相手の攻撃を受け流す技術。剣を持てるようにはならなかったけど、確かに強くなったと実感できた。

俺は俺で呪文の修行を続け、竜王特別メニューもしっかりと行った。だけど、武術大会は俺に合わせてくれるわけじゃない、格上はもっといるだろう。でもせめて予選は勝ち抜きたい、勇者や武闘家と同じ舞台に立ちたい。そう思った。

そして、二週間が経過した。
ついに武の国主催、武術大会の幕開けだ。
355 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 21:01:49.39 ID:IFe4/W1t0
ザコ「師匠や弟子騎士が言ってたとおり、これなら俺にもワンチャンあるな」

武術大会の予選は国の近くの大森林にて開催される。形式は参加者の約半分によるバトルロワイアル。残り半分は国の近くの町にて同じルールで戦う。

ザコ「勇者と武闘家はこっちじゃないのか」

ザコ(まあ味方に倒されるのは嫌だしな)

竜王「お主の修行の成果を見せてもらうぞ!」

ザコ「フッ、俺のあまりの成長ぶりに驚くだろうな」
356 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 21:19:51.74 ID:IFe4/W1t0
この大会、こんな所で戦ったら勝手に殺されたりしちゃうんじゃないの?という心配は無い。

この森は武の国の地下にある巨大魔石による結界に覆われている。家一つ分くらいの巨大な魔石だ。通称千年魔石。

この結界の中では命に関わる攻撃が触れかけた瞬間、その人物の体を覆うように超強力なバリアが発生し自動的に武の国へと転移する。なんとも都合の良いシステム・・・!

ザコ「あと五分でスタートか、緊張するなぁ・・・」

竜王「タイムリミットは最大三時間じゃから、とにかく二時間は逃げ回ることにするのじゃ」

ザコ「了解!」

そしてついに大会がスタート、と共にけたたましいアナウンスが響き渡る。

『武術大会予選Aブロック!スタート!』
357 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 21:31:09.32 ID:IFe4/W1t0
ザコ(教訓その1、常に物陰に隠れる)

老人『開けた場所に出るなど愚の骨頂じゃ、よほど強さに自信が無い限りしてはいかん』

ザコ(教訓その2、常に周りに気を配れ)

弟子騎士『特に後ろを意識しろ、予選会場ではどこから来るかわからないからな』

ザコ(とりあえずこの二つを守れば敵に会う確率はぐんと減るらしい)

ザコ(ん?あれ、誰かいる)

「マグナムパーンチ!!!」

ザコ「!?」

突然そいつが俺の方に近づいてきた。いや、狙いは俺が隠れている木のほうか!

奴の攻撃が木に直撃、もう一度攻撃し木をこちら側に倒す。

咄嗟にかわし、なんとか潰されるのは防ぐ。
358 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 21:34:37.98 ID:IFe4/W1t0
拳士「さすがにかわされたかー」

ザコ「くっそ!こちとら戦う気はねえんだよ!!」

拳士「さあさあ!手に汗握る攻防を繰り広げよ『プラントラップ!』

拳士「何!?」

突然のことに戸惑ったのか盛大に転んだようだ。俺はその隙に全力ダッシュ。元よりまともに戦う気は無い。

拳士「くっそぉー!待てよ!!!」

ザコ(待つわけないだろ)

ていうかあんなに大きく叫んで・・・あいつ馬鹿だろ。
359 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/24(日) 21:36:19.49 ID:IFe4/W1t0
今日は終わり。
ついに大会開始!
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 23:00:29.66 ID:Jsp/LgxAO
乙乙
ザコは脱ザコ出来たのか…
それともザコはやっぱりザコのままなのか…
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 00:14:20.91 ID:K83QcyXDO
くっ…良いところで
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 00:55:04.77 ID:R9YHcd1iO
なんかこの話好きだな
363 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 17:28:46.79 ID:WdpYiaK20
ザコ「ここまで来れば大丈夫か?」

ザコ(あのパワフル拳士から逃げてすでに五分、追ってくる様子もないししばらくは安心か)

竜王「油断はするでないぞ?」

ザコ「わかってる」

老人『お前の目の良さは明らかにチートじゃ。周囲に警戒さえしていれば、どんな攻撃も捉えきれるじゃろう』

ザコ(って言ってたしな)

遠くの方で何かぶつかり合う音が聞こえるがこっちに来る様子は無い。

ザコ(今で8分か、長いなぁ・・・)

始まる前にもらった時計を見ながらそう思う。開始直前にさっそく会ったのでマジで怖い。
364 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 17:35:30.92 ID:WdpYiaK20
それから五分、十分と経過して予選開始から現在三十分。遠くで聞こえた戦いの音もすでに止み。静寂が続いている。

ザコ(このまま続いてください!)

しかし、どこからか足音が聞こえてくる。しかも近づいてきている。
数は二つ、どちらかが追われているようだ。

ザコ(戦いは避けたいし、木の上に隠れるか)

蔓を使って木を登り隠れる。見えてきたのは二人の男。追われているのは魔法使いで追いかけているのは戦士だ。

魔法使い「くそ!しつこいな!!」

戦士「悪いが逃すわけにはいかないんでな」

女なら助けた。
365 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 17:45:26.93 ID:WdpYiaK20
魔法使いはどうやら魔力が少ないらしい。魔法を使うのを渋っている。

魔法使い「仕方ねぇ!くらえ!『バレット!』」

魔法使いが使ったのは鋼属性の魔法だ。
名前の通り鉄で作った銃弾を発射する。が、簡単に剣で真っ二つにされてしまう。
そのまま一気に近づかれてしまい、なす術もなく倒されてしまった。

戦士「はぁ・・・はぁ・・・」

だいぶ走ったらしく疲れているご様子。
ただ、俺はチャンスは逃さない。

ザコ『ウッドバレット』

銃弾の形をした小さな木の塊を戦士に向かって放つ。すっかり油断していたらしく、木の弾は頭に直撃しかけ、バリアに包まれその直後に転移した。

ザコ「おぉーなんか今のスナイパー感あったな」
366 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 17:53:44.62 ID:WdpYiaK20
戦士を倒した俺はすぐに移動を開始する。あの二人を追ってきている奴がいたら面倒くさいからな。

しばらく走ると川が見えてきた。深そうなので左に曲がりしばらく進む。すると橋を発見、けど行ったら殺られそう。

ザコ(ここでしばらく様子見・・・)

突然視界の左端に人が映る。相手の攻撃を俺はギリギリで回避。

ザコ「危ね!」

ナイフ使い「くっそ、惜しかったな」

ザコ「俺は戦う気無いんだけど!」

ザコ(後ろは川、逃げるのは難しいな)

どうやら戦うしかないらしい。
367 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 18:12:22.91 ID:WdpYiaK20
今の俺の装備は鉄の棒。こういう刃物を使う奴に対処するために装備を変えたのだ。

ナイフ使い「そんな棒で俺のナイフを防げるか!?」

どこにそんなに持っているのか。次々とナイフを取り出し投げつけてくる。

ザコ【防御の型・水流】

俺は棒を使い次々とナイフの軌道を逸らしていく。

ザコ(おお!俺、戦えてる!)

ナイフ使い「くそ!調子に乗るなよ!」

ナイフ使いが一気に近づいてくるが。

ザコ【防御の型・火炎!】

相手の攻撃を受け流してから背中に一撃。カウンターが見事に決まった。

ザコ(おお!!!)
368 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 18:17:45.25 ID:WdpYiaK20
ナイフ使い「何!?」

ナイフ使い(こいつ!攻撃が当たらねぇ!)

ザコ「どうした?その程度か?」

ザコ(言ってみたかったランキング1位を言える日が来るとは・・・)

ナイフ使い「なら!【短剣乱舞!】」

いくつもの短剣が不規則に動きながら俺へと迫る。

ザコ『火炎!』

俺はそれを魔法で焼き尽くした。そして・・・

ザコ【攻撃の型・ハートブレイク】

反撃の一撃で勝負を決めた。
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 18:22:05.83 ID:2cTt/50AO
おお
成長しとる
370 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 18:23:50.40 ID:WdpYiaK20
ザコ「俺、勝てた・・・!」

【防御の型・水流】は相手の攻撃を受け流し、【防御の型・火炎】は相手の攻撃を受け流した後攻撃。【攻撃の型・ハートブレイク】は相手の心臓に直接ダメージを与える技だ。

ザコ(どの技もこの二週間ひたすら練習したからな。一発で成功できた。これなら戦えれそうだ)

さきほどまでナイフ使いがいた場所を見てそう思う。

フツウ「今の俺は雑魚じゃないぜ!」

竜王「今のは相手のレベルが低かったおかげじゃな」

ザコ「か、勝ったからいいだろ!」

正直ハートブレイクの方はもう少し相手が強かったら決まらなかったはずだ。慢心はやっぱりやめておこう・・・
371 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/25(月) 18:25:02.55 ID:WdpYiaK20
とりあえず終わり。
特技は【これ】、呪文は『これ』でいこうと思っています。
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 18:40:31.14 ID:bVxRJfNBo
乙!
一瞬だけザコがフツウにランクアップしたwwww
刃物は持つのダメだけど向けられるのは平気なんだな
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 18:57:12.45 ID:hSsUetGxO
フツウってザコよりよわそう
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 20:00:52.08 ID:cntYypqLo
でも大会に出る人のザコクラスは脱してるならそこら辺の魔物には普通に勝てそうだな
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/25(月) 20:26:00.64 ID:snXW2tlmo
ザコに負けたナイフ使いおる?ww
376 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:31:28.75 ID:n9plUCo+0
そして予選開始から一時間経過。今のところは順調だ。あの後何回か戦闘になったが足止めして逃げたりで大きな問題は無い。

ザコ(順調順調!この調子でいけば可能性あるよな)

「やっと!!!見つけた!!!」

ザコ「!?」

拳士「へへへっ、やられてなくて良かったぜ!」

ザコ(面倒くさい奴に会ったな・・・)

拳士「さあ!今度はちゃんと戦って貰うぜ?」

ザコ「俺はお前と戦う気はないぞ!あと二時間もあるんだしな」

拳士「お前の都合なんて関係ねぇ!俺が戦いたいだけだ!!」

ザコ(脳筋めぇ・・・)
377 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:32:36.89 ID:n9plUCo+0
拳士「とにかぁく!!勝負開始だぜ!!」

拳士がこっちに近づいてくる、凄い速度だ。やっぱりこいつ、言動のわりに強いな。

拳士【ダイナマイトパンチ!】

拳士の拳が黄色く輝く。

ザコ【防御の型・水流!】

拳士の攻撃を受け流す。うまくいった!

拳士「なぁ!?」

受け流した先には大木がある。拳士の拳は大木に直撃し、直後に爆発を引き起こした。

ザコ「!?」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 21:33:12.25 ID:LB7rXC0D0
ワンピースでこんな奴いたな
379 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:33:47.02 ID:n9plUCo+0
ザコ「はぁ!?爆発!?声もでけぇし攻撃も派手!お前予選に向いてないだろ!」

拳士「俺は隠れるのが嫌いだからな!お前に会うまで54人も倒したぜ!」

ザコ「嘘だろ!?」

拳士「へへっ!まだまだ行くぜ!」

ザコ「くそ!『プラントラップ!』」

拳士「それはもう効かねえ!」

ブチッという音と共にプラントラップを突破される。

拳士「もう一回だ!【ダイナマイトパンチ!】」

ザコ「あぁ!もう!お前嫌い!!」
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 21:35:01.17 ID:g3gOK2DhO
向いてないならパワーで解決
ザコ戦法の対局だな
381 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:35:11.89 ID:n9plUCo+0
ザコ(成功確率は低いけど、やってやる!)

ザコ『ウッドキャノン!』

木の砲弾を勢い良く発射する。

拳士「そんなの効かねえよ!!」

拳士が木の砲弾を殴り爆発と共に破壊。そして爆風がこっちへと迫ってくる。

ザコ(ここまでは想定内、こっからだ!)

ザコ【防御の型・激流!!】

【水流】は相手の攻撃を逸らす技
【火炎】は相手の攻撃を逸らし、反撃する技。
そして【激流】は、相手の攻撃を相手に返す技だ!

爆風の衝撃をうまく動かし、拳士へと返す!

ザコ「自分の攻撃の衝撃!自分で受けろ!!」
382 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:38:08.74 ID:n9plUCo+0
拳士「なっ!」

返ってきた爆風によって視界を奪われ、衝撃によってその場を動けなくなる拳士。その隙は逃さない。

ザコ【攻撃の型・脳震!】

顎を攻撃し脳を揺らすことで相手を気絶させる攻撃だ。

拳士「くそ!」

脳震が直撃し気絶しそうになる拳士、しかし・・・

拳士「倒れ・・・・なっい!!!」

ザコ「面倒くさいな!倒れろよ!」

拳士「へへへっ!俺の根性をなめてもらっちゃ困るぜ!」
383 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:41:25.40 ID:n9plUCo+0
拳士「お返しにくらいやがれ!俺の必殺の一撃を!!」

拳士【爆裂け『束縛プラント!』

拳士の周りから出現した蔓が拳士の動きを制限する。

ザコ「これで動けないだろ?」

拳士「くっそがあ!!!」

ザコ「さあ、決めさせて貰うぜ?」

その時だった。突然殺気を感じて後ろを振り向くと、そこには一人の男がいた。
身長は2メートルはあるだろう。黒いロングコートを着ていて、目は青色、俺のことをジッと見ている。

大男「お前、勇者の仲間のザコだな?」

ザコ「お前、誰?」
384 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:44:21.10 ID:n9plUCo+0
ザコ「まあ・・・俺だけど」

大男「そうか、やっと見つけた」

ザコ「?」

拳士「俺をほったらかすなよ!!」

大男「勇者はこっちにはいないのか?」

ザコ「勇者は別ブロックだぜ?残念だったな」

拳士「おい!聞いてんのか!?」

大男「いや、そうでもない」

ザコ「なんでだ?」

拳士「おい!おい!!!」

大男「お前を見つけたからだ」

そう言った大男の肌は、赤く変色していた。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 21:47:19.56 ID:DVqZYvlAO
たった二週間の特訓じゃ勝てないような相手きたー
386 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:47:29.88 ID:n9plUCo+0
ザコ「!?」

もともと大きかった大男の体がみるみる大きくなっていく。と、同時に大男の体が変化していく。

ザコ「魔物の体・・・?」

拳士「どうなってやがんだ・・・?」

6、7メートルほどになったところで巨大化は止まった。赤い肌や巨大な甲殻、ところどころに毛皮が生えたり、頭にはツノが生えたりもしている。

ザコ「魔物化できるなんて・・・」

人が魔物化する。そんなこと、俺は一度も見たことが・・・いや、一度だけ見たことがある。

ザコ(俺が知る限りそんなことをできるのは復讐者しか知らない。ということはまさかこいつも)

ザコ「冒険者狩り・・・?」
387 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:51:07.84 ID:n9plUCo+0
9

<ある廃墟>

「本当にあいつを参加させて良かったんですか?」

一人の男がそう言った。彼の名は研究者、生物について研究している男だ。

「ああ、大丈夫だ」

彼の質問に答えたのは一ヶ月前、勇者やザコと戦った男。復讐者だ。

復讐者「あの大会には、絶対に勇者が参加してる」

研究者「何か確証でもあるんですか?」

復讐者「いや、勇者嫌いのただの勘だ」

研究者「ハハッ、まあ勇者と会うかはわかりませんが、きっとあいつなら沢山殺ってくれますよ」

復讐者「ああ、楽しみだなぁ・・・」

そう言うと彼は笑った。子供のように無邪気な笑顔で。

復讐者「殺って殺って殺りまくれ。俺のキメラ・・・」
388 :ザコ ◆yCN5hS2KDdU/ [saga]:2016/04/26(火) 21:51:37.85 ID:n9plUCo+0
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