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にこ「きっと青春が聞こえる」
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261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/06(月) 23:37:05.33 ID:6xo9yIRwo
乙です
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/11(土) 10:44:23.11 ID:P35qHGvL0
乙だよ
面白い
ゆっくりでもいいので完結願います
263 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/15(水) 21:40:53.97 ID:t9+G4PhYo
ひょっとして私は自分のクラスより後輩のクラスで昼食を済ませることの方が多いのではなかろうか。
にこ(それはなんか……寂しいわね……)
結局、なんやかやで二年生三人組と一緒にお昼をすることになった私。
そりゃたしかに、この子らをμ'sへ誘いたい私としては大歓迎の展開なのだけど。
だけど、こうもいろんな教室へお邪魔してると、いい加減いたたまれなさも生まれてくるってもんである。
ことり「矢澤先輩? どうかしたんですか?」
にこ「えっ!? いやなんでもないわよ!? 別に私友達少ないなぁ寂しいなぁとか思ってないし!?」
ことり「え、えっと……?」
穂乃果「あ、矢澤先輩の卵焼き、」
にこ「あげないからね!?」
穂乃果「まだ何も言ってないんですけど……」
264 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/15(水) 21:54:07.52 ID:t9+G4PhYo
海未「そんなことよりも、です」
ぱんぱんと手を叩く海未。途端背筋がしゃきっとするんだから慣れってのは恐ろしいものである。
海未「矢澤先輩の……先ほどおっしゃってたことは本気なのですか?」
にこ「本気も本気、大マジよ」
肉団子をほおばりながらさもとーぜんとばかりに返す。
穂乃果とことりが戸惑い顔で顔を見合わせてるのが小気味いいわ。
海未「というのは、つまり――私たちに、アイドル研究部に入って欲しい、ということですか?」
にこ「ええ、その通りよ」
海未「はぁ……」
曖昧な返事のあと、海未の視線はうろうろと泳ぎ、やがて穂乃果に止まる。
穂乃果「…………?」
その視線の意味を理解しているのかはさておき、とりあえずメロンパンにかぶりついている場合ではないと悟ったようでもぐもぐと咀嚼を急ぐ。
穂乃果「ごくん……はむっ」
にこ「二口目いくんかーい!」
265 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/15(水) 22:21:51.64 ID:t9+G4PhYo
海未「……穂乃果は、興味ないのですか?」
穂乃果の察し能力に期待した自分が間違っているのに気付いたようで、海未は直接穂乃果に尋ねる。
穂乃果「アイドル、アイドルかぁ……はむ」
会話しながらの三口目に躊躇がない。
穂乃果「うーん、私はどっちでもって感じかなぁ。お店の手伝いなかったら放課後は暇だし」
穂乃果「そう言う海未ちゃんはどうなの?」
海未「私は弓道部があります」
穂乃果「だけどその弓道部の先輩が言ってたんだよね? 兼部してみてもいいんじゃないかって」
海未「それは、そうですが……」
穂乃果「まあ、やりたくないものを無理にやらせてもしょうがないよねぇ」
海未「やりたくないなど誰も言ってません!」
穂乃果「え、やりたいの?」
海未「や、ややや、やりたいなどと誰が言いましたか!」
穂乃果「じゃあやらないの?」
海未「〜〜、あなたは私を馬鹿にしているのですか!」
穂乃果「質問しただけなのに!」
海未「穂乃果がどうしてもと言うのならやぶさかではない、というだけです!」
穂乃果「じゃあどうしても! どうしても海未ちゃんとやりたーい!」
海未「むむむむむ……」
穂乃果「むむむむむ……」
にこ(話がトントン拍子に進むのは結構なんだけど)
にこ(おいてけぼり感がはんぱない)
266 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/15(水) 22:32:40.75 ID:t9+G4PhYo
と。
私と同様、おいてけぼりを食らっている人物が一名。
にこ「あなたはどうなの? ――南さん?」
ことり「えっ」
一人蚊帳の外でにこにことほほ笑むだけのことりに話を振る。
するとどうしたことか、「私も含まれてたんですか?」みたいな顔しちゃって。
にこ「そうよ。あなたは興味ない? アイドル」
ことり「私は……えっと……」
言いよどみながら視線を外すことり。
うん、まあこの時点でいい返事は来ないんだろうな、とは想像ついたけど。
穂乃果「あ……」
海未「…………」
穂乃果と海未が、必死に会話を繋げてた意味までは。
ことりに話題が飛ぶのを防ごうとしていた意味までは。
ことり「私は――ごめんなさい」
想像、できてなかった。
ことり「私――来月にはこの学校からいなくなっちゃうから。だから、無理です」
267 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/15(水) 22:40:09.91 ID:t9+G4PhYo
にこ「は、あぁ!?」
いなくなる? ことりが!?
なんでそんな急に!?
そんな話あっちの世界でだって影も形も――
にこ「……あ、」
あった。
ことりが音ノ木坂を去る理由。
だけどあれは、もっともっと後。
それこそ文化祭が終わってからで……
ことり「服飾関係のお仕事に興味があるんです、私」
ことり「それで、海外のデザイナーさんから、向こうで留学してみないかってお誘いがあって」
ことり「来月末から向こうの学校に転校することが決まってるんです」
ことり「だから――私は、参加できません。ごめんなさい」
にこ「――――」
嫌な予感ばっかり、あたるのよね。
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/16(木) 00:08:54.25 ID:4YCV3IV60
こうやってみるとハードモードだなぁ
269 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/16(木) 07:30:59.87 ID:zMS1p7pAo
寝落ち
続きは後程
270 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 09:53:11.61 ID:GUG5mtZ1o
穂乃果「いなくなっちゃうんじゃ、しょうがないよね……」
海未「ええ……」
にこ「――っ、あんたたちは、」
あんたたちはそれでいいわけ?
飛び出そうになった言葉を、すんでのところで喉元に押しとどめる。
ことり「……矢澤先輩?」
にこ「なんでもないわ……」
いぶかしがることりに軽く首を振る。
熱くなっちゃダメ。凛の時に十分学んだでしょ。
私の言葉は。
『昨日会ったばかりの人に――なにがわかるんですか?』
初対面の人間の言葉は――届かない、って。
271 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 13:10:27.10 ID:GUG5mtZ1o
落ち着け。落ち着きなさい矢澤にこ。
考えないと。
ことりをつなぎとめる、何かを――
穂乃果「だけど、ことりちゃんの作った衣装でアイドルやってみたかったなぁ、なんて、ちょっと思ったり……」
海未「穂乃果! そういう話はもうしないとあの時決めたでしょう!」
穂乃果「わわ、わかってるよ海未ちゃん。ことりちゃんを困らせるようなことはもう言わないってば」
ことり「――――」
穂乃果の発言が彼女らの取り決めに引っかかったのか。海未が烈火のごとく怒りだす。
その原因が自分であることをわかっているためか、ことりも沈んだ表情。
この子たちの中では、もうそれを話題にするのもタブーになってるのね。
だけど、それじゃあ――
にこ「――っ、それ!」
海未「え?」
穂乃果「どれ?」
にこ「衣装! 日本にいるだけでも構わない、南さんには私たちの衣装づくりをお願いしたいの!」
ことり「えっ……私が、ですか?」
にこ「そう! あなたが!」
今はもうこれしかない。
真姫ちゃんと同じ、彼女の得意分野でつなぎとめる。
今はまだ彼女を止める手段がなくても、未来に可能性をつなげるために。
272 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 13:29:16.36 ID:GUG5mtZ1o
ことり「だけど私、あくまで趣味の範囲でしかできないし……」
にこ「大丈夫よ!」
それに関しては根拠は十分すぎるほどにある。
だってこの子は、あっちではあんなにすごい衣装を作ってたんだもん。
そもそもそ才能があるからこそ留学の話も出るわけだろうし。
海未「あの、先輩」
困った顔のことりに、助け舟を出したのは海未だった。
海未「先輩の気持ちもわからないではないのですが……この話は、私たちの間ではデリケートな問題で」
にこ「別に日本に残ってくれ、なんて言ってないわ。留学するまで協力してほしいってだけの話よ」
海未「そう、ですけど……ですが……」
穂乃果「私はいいんじゃないかなー、なんて思うんだけど」
海未「穂乃果、またあなたは!」
穂乃果「い、いや、だって矢澤先輩の言う通り、留学するまでの間私たちの衣装を作ってもらうってだけの話でしょ?」
穂乃果「別に問題があるわけじゃないと思うんだけど」
海未「その話だってそうです、私はまだアイドルをやると決めたわけではありません!」
穂乃果「もー、海未ちゃん素直じゃないんだから」
海未「一体なにを言って、」
穂乃果「ね、ことりちゃん。ことりちゃんはどうかな?」
273 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 14:22:06.77 ID:GUG5mtZ1o
ことり「私は……」
逡巡することりを見て、彼女の迷いはどこにあるのだろうとふと思う。
衣装を作ることに抵抗がある?
本人が言ったように自信がないから?
なんだか腑に落ちない。
そもそも迷いは、ひょっとして――
にこ「とりあえず。今日の放課後、練習見に来てみない?」
ことり「え?」
にこ「雰囲気見てみるだけでなにか変わるかもしれないし」
にこ「園田さんも実際にやってるとこ見たら気持ち固まるかもしれないしさ」
海未「わ、私はまだやるともやらないとも……」
にこ「だーから、それを固めなさいって言ってんのよ」
海未「う……」
にこ「どう? あんたはそれで文句ある?」
ことり「…………」
しばらくは、口をつぐんでうつむいていたことりだったけど。
ことり「……はい。行きます」
にこ「決まりね」
とりあえず、その顔を上げさせることはできた。
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 16:14:54.54 ID:T9qeBYcSo
うーん
ことりはおしりの穴にうんこの拭き残しが残ってそう
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 19:06:06.96 ID:b3E3k2o+o
はよ
276 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 19:34:24.63 ID:GUG5mtZ1o
【Side:海未】
午後の授業。数学教師の言葉が右から左へと流れていきます。
原因は、お昼の出来事。
『とりあえず。今日の放課後、練習見に来てみない?』
突然現れた先輩の、突然な申し出。
後藤先輩から聞いていた先輩の存在が、まさかこのような事態を招くとは夢にも思っていませんでした。
私たち三人の――あの日の決意を揺るがす、事態を。
海未「――――」
私の斜め前の席で教科書に視線を落としていることりは、一見変わった様子は見られません。
だけど――内心、戸惑っているはずです。
いけません。私たちは決めたのですから。
ことりがなんの未練もなく日本を発てるよう、最大限のサポートをしようと。
そう、誓ったのですから。
277 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 19:43:14.29 ID:GUG5mtZ1o
窓際一番前の席。私の視界の端では、穂乃果がうつらうつらと舟をこいでいるのが見えました。
ああは見えても、穂乃果もきっと内心では戸惑っているに違いありません。
正直先ほどはああ言ったものの、穂乃果の気持ちは十分理解しています。
少しでも長くことりとの時間を作りたい。
少しでも多くことりとの思い出を作りたい。
そして、あわよくば――
海未(いけません……!)
それは、望んではいけないことです。
私たちの都合で。
私たちの願いで。
私たちの欲望で。
ことりの未来を潰してしまうなど――言語道断です。
穂乃果もきっとそれを理解した上で、なおことりへの未練を断ち切れないのでしょう。
わかります。あのように眠たげにしながらも、頭の中ではことりのことを――
穂乃果「チョコクロワッサンが逃げていくぅ!」ガバッ
教師「高坂……百歩譲って居眠りは良しとしても、寝言で授業の邪魔するのはやめような?」
穂乃果「へ? あ、あはは……すいませーん……」
海未「…………」
前言撤回です。あの人はなにも考えていません。
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 20:07:23.75 ID:wA5qoSvDO
乙
ほのか…
279 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/18(土) 21:11:38.82 ID:GUG5mtZ1o
今回はここまでにします
進み遅くて申し訳ない
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 21:12:35.62 ID:mUXvQUyxo
おっつー
穂乃果ちゃん可愛い
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 21:30:25.28 ID:plwdWHr7o
乙です
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/18(土) 22:13:19.60 ID:sif1rGUQ0
乙
とても面白い
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/18(土) 23:08:57.17 ID:kvmXhPDSO
ほのかわいい
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/19(日) 21:29:06.44 ID:e0gCDI94o
すごい鬱陶しいわ
依頼出して終わりにしろ
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/20(月) 06:43:50.76 ID:HkwUcap+o
待ってます
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/21(火) 20:53:23.55 ID:A8cRMvIro
まだ?
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/23(木) 00:15:34.45 ID:WkmM4+uC0
修道士存在が消滅しそう
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/23(木) 06:02:39.54 ID:SCDNmqh2o
終われ終われ
289 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/23(木) 21:50:45.83 ID:Yi542HVqo
放課後。屋上に顔を出すとすでに一年生二人がストレッチを始めていた。
凛「あ、にこちゃんだにゃ」
花陽「にこ先輩、こんにち――いたたたた、凛ちゃん押すのストップストップ!」
凛「え? ここでキープってこと?」
花陽「あごめんうそ手を離してええええぇぇぇ……」
にこ「……死なない程度にしなさいよ」
凛「あははー、にこちゃんは大げさだにゃ」
花陽「――――」グデー
にこ「それは花陽の状況見てから言ってやんなさい……」
290 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/23(木) 21:54:19.56 ID:Yi542HVqo
凛「新入部員?」
花陽「それも二年生の、ですか?」
にこ「まだ確定じゃないけどね」
グロッキーになってた花陽が息を吹き返したのを確認してから、昼休みの出来事をかいつまんで説明する。
凛「おおー、段々本格的な部活っぽい人数になってきたにゃ!」
花陽「き、緊張しちゃうな……」
にこ「そんなに肩肘張らなくて大丈夫よ、花陽。ゆるーい感じの子たちだから」
花陽「そう、なんですか?」
にこ「そーそー」
特に穂乃果なんかはあんな感じだし、すぐに馴染んでくれるでしょ。
291 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/23(木) 22:10:05.67 ID:Yi542HVqo
花陽「…………」
にこ「……ん? どしたの花陽?」
花陽「あ、いえ……別に大したことじゃないんですけど……」
そう言うわりにちょっと考え込むような表情。
なにか引っかかることでもあるのかしら。
にこ「なに? なにか気になることでもあるなら――」
穂乃果「お邪魔しまーす……」
私の言葉を遮るように、開く屋上の扉。
見ると約束通り二年生が顔を出してくれたようであった。
にこ「ようこそ、待ってたわ」
海未「失礼します。約束通り伺わせていただきました」
ことり「……よろしくお願いします」
穂乃果に続き屋上へ姿を現す二人。
気持ちは――まあ、まだ固まらず、よね。
292 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/23(木) 22:21:37.23 ID:Yi542HVqo
花陽「あ、わ、私、一年の小泉花陽って言います!」
凛「私は同じく一年の星空凛です。よろしくお願いします、先輩方」
一年生たちの自己紹介に、三人の目が向く。
穂乃果「お、あなたたちがアイドル研究部の一年生だね?」
穂乃果「そんなに気を使わなくていいよ、ここではあなたたちが先輩なんだから」
花陽「そそそ、そんな! 先輩だなんて言えるほどの器じゃ……」
凛「じゃあ遠慮しないにゃ!」
花陽「ちょ、凛ちゃん! 先輩に失礼だよ」
穂乃果「あはは、気にしなくていいよ、花陽ちゃん。私から言い出したんだし」
穂乃果「私は高坂穂乃果、二年生。気軽に穂乃果、でいいよ。私も下の名前で呼ぶし」
穂乃果「それから――」
海未「私は園田海未。穂乃果と同じ二年生です」
海未「まだ入部を決めたわけではありませんが……もしそうなれば弓道部との掛け持ち、ということになります」
海未「どうぞよろしくお願いしますね、二人とも」
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/24(金) 06:58:31.20 ID:0yllC7o6o
退屈
294 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/24(金) 07:36:07.44 ID:Kwo6+jhEo
寝落ち
続きはまた後程
295 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 18:04:27.00 ID:9D3TayC9o
そして。
誰からともなく、視線はことりに集まる。
ことり「私は――」
一瞬見せた逡巡は、期待に満ちた一年生に対する申し訳なさ、なのかもしれない。
ことり「ごめんなさい、入部するわけではないんです」
花陽「え?」
凛「入部希望じゃないにゃ?」
ことり「はい……ごめんなさい」
ことり「南ことりって言います。矢澤先輩に誘われてきました」
ことり「ちょっと理由があって一緒にアイドル活動をすることはできないけど、ひょっとしたら力になれるかもしれません」
ことり「だから……短い間になるかと思うけど、よろしくお願いします」
凛「あ……はい、よろしくお願いします」
花陽「…………」
微妙な立ち位置のことりにたじろぐ二人。
いけない、これを取り繕うのは私の役目だ。
296 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 19:07:25.68 ID:9D3TayC9o
にこ「だけどね、二人とも。この子は衣装作りができるのよ」
凛「え、ほんと!?」
ことり「できる、って言っても……趣味範囲だけどね」
凛「それでもすごいにゃ! 衣装ー衣装ー!」
ことり「え、えっと……そんなに期待されても……」
衣装と聞き急にテンションを上げる凛。
なにせそのために入部したようなものだもんね、あの子は。
しかし一方の花陽はというと。
にこ「……あんた、さっきからどうしたの? 花陽」
花陽「えっ?」
にこ「ずっと難しい顔しちゃって……」
花陽「…………」
297 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 20:30:37.75 ID:9D3TayC9o
花陽「矢澤先輩は……」
にこ「ん?」
花陽「矢澤先輩は、南先輩を衣装作りのために勧誘したんですか?」
にこ「え? ……いや、違うわよ? もちろん最初は一緒にアイドルをやってもらうために声をかけたわ」
にこ「というか、今もそれは諦めてないけどね」
花陽「そう、ですか……」
そう呟くと、またむつかしい顔でうつむいてしまう。
具合でも悪いのかしら?
まあ、本人が話さないなら問い詰めてもしかたないか。
それよりも今は。
にこ「それじゃあ、ギャラリーも揃ったことだしそろそろ練習始めましょうか」
298 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 21:06:06.99 ID:9D3TayC9o
凛「よっ、ほっと。えへへー、見られてると緊張してうまく動けないねー、っとぉ」
花陽「それでも、それだけ、動けるなら……っと、じゅうぶんだよ、凛ちゃん」
にこ「」
299 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 21:11:28.22 ID:9D3TayC9o
>>298
はミスです、すいません
* * * * *
凛「よっ、ほっと。えへへー、見られてると緊張してうまく動けないねー、っとぉ」
花陽「それでも、それだけ、動けるなら……っと、じゅうぶんだよ、凛ちゃん」
にこ「ほらほら、無駄話しない。ペースあげるわよ。ワン、ツー、スリー、フォー」パンパンパンパン
凛「にゃっ、負けないよー!」
花陽「わ、わわわ……」
穂乃果「……へー、意外と本格的なんだねぇ」
海未「たしかに……稚拙さは感じられますが、素人としてはかなり動けている方なのでは?」
ことり「小泉さんはちょっとつらそうだけどね……」
穂乃果「でも、逆に言えばこれから始めたってまだまだ置いてかれる心配はないってことだよね?」
穂乃果「うん、やっぱり楽しそうだし私はやってみてもいいかな」
海未「私も……これくらいでしたら弓道部の方に影響はあまりないかもしれませんね」
穂乃果「だよね、だよね!」
穂乃果「それで、その……ことりちゃんはどうかな?」
300 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 21:19:26.60 ID:9D3TayC9o
ことり「私も……二人が入部するって言うなら、衣装作り、やってみてもいいかなぁ、なんて……」
穂乃果「ほんと!?」
海未「……よいのですか? ことり」
ことり「……うん。腕慣らし、って言ったら失礼かもしれないけど」
ことり「でも、実際に着てもらえるレベルの衣装を作る練習にはちょうどいいかなって」
海未「……そう、ですか……」
にこ「――――」
聞いている感じ、感触はかなりいいみたいね。
「このくらい」とか、ちょっと舐められてる感じがむかっとするのはあるけど。
だけど、実際に今の私たちの実力はその程度、ってことだしね。
それがあの子らのハードルを下げてくれてるっていうならむしろ好都合ってなもんよ。
301 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 21:32:15.99 ID:9D3TayC9o
にこ「ね、あなたたち。もしよかったら、今から私たちと一緒に――」
練習に参加してみない?
そう、言うつもりだった。
だけどそれが私の口から出るより早く。
ギイイィィィィ……
と、重っ苦しい音が屋上に響いた。
絵里「お邪魔してもいいかしら?」
にこ「! あ、あんた……」
音の原因、開いた扉から顔を出したのは。
まぎれもなく、音ノ木の生徒会長にして。
μ'sの大切なメンバーの一人――絵里、だった。
にこ「絵……生徒会長、なんでこんなところに……」
希「やっほー、元気にやってるかーい?」
にこ「希!」
希「おやにこっち、こんなところで奇遇やね?」
にこ「――――」
あとから軽い調子で続いてきた人物を見て、察する。
その答え合わせは、絵里の口からなされた。
絵里「突然ごめんなさいね。希がどうしても見てもらいたい部活があるからって言うものだから」
302 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 22:28:37.92 ID:9D3TayC9o
にこ「希……」
あんたって子は。
ほんと、いい仕事してくれるじゃない。
絵里「それで? 矢澤さんがいるということは……アイドル研究部ということよね? ここは」
にこ「ええ、そうよ」
絵里「ということは――希が言ってた「私に話がある人」っていうのも、あなたということでいいのかしら?」
にこ「まあ、そういうことになるわね」
絵里「一体なんの用事かしら? 部費を上げてほしいとかそういう話はナシよ、アンフェアだわ」
にこ「そんなつまらない話するつもりないわよ」
絵里「あら、それじゃあ面白い話をしてくれるのかしら?」
にこ「もちろん。さいっこーに愉快な話よ」
絵里「希と並んでるところを「なかよしこよし」だなんて茶化される冗談より愉快であることを祈ってるわ」
にこ「ぐ……」
この子、最初のあの日のこと根に持ってるわね……
303 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 22:42:33.54 ID:9D3TayC9o
にこ「――単刀直入に言う。あなた、この部に入るつもりはない?」
絵里「――――」
しん、と空気が冷える。
絵里は答えない。じっと、私の目を見つめる。
スカイブルーの瞳に映る私は、がっちがちの表情で佇んでいた。
誰を誘った時よりも口の中が乾いているのは、やっぱりこっちの世界での第一印象があったから。
あっさり切り捨てられたら。
ばっさり斬り捨てられたら。
そう考えるだけで、膝が震えるのがわかった。
ごくん。鳴った喉は誰のものだろう。
沈黙に耐えきれず、二の句を接ごうとして、そして――
絵里「――まあ。たしかに、つまらなくはないわね」
その一言で、がくっと力が抜けた。
304 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/26(日) 22:44:47.39 ID:9D3TayC9o
ここまで
次はまた近いうちに
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 23:05:35.93 ID:4Mot2ztio
乙です
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 23:50:25.75 ID:BrRnyKcuo
乙
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 20:52:16.50 ID:wXuA3ohbo
どこが楽しいのか
308 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 20:57:01.07 ID:FmvrfbxHo
にこ「興味を持ってくれたようで何よりだわ」
へいちゃらけーな顔でそう言うけど、内心はだいぶほっとしてた。
正直、一番の難関は絵里になると思ってたから。
だから、そのラスボスが好感触を示したのは、このクソゲーの中でも数少ない救いだった。
まあ、赤毛の裏ボスがまだ控えてるんだけどね……
絵里「勘違いはしないで欲しいわ。まだ入ると決めたわけではないの」
にこ「……なに? なんか条件でも出すつもり?」
絵里「――――」
答えることなく、絵里はぐるりと屋上を見渡す。
絵里「そこで座ってるあなたたちは、見学者?」
309 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:01:33.15 ID:FmvrfbxHo
穂乃果「えっ?」
海未「私たちのこと、ですか? え、ええ、そうですけど……」
絵里「そう……アイドルに興味があるの?」
穂乃果「そうと言えば、そうなのかな……?」
絵里「どういうこと?」
穂乃果「私たち、矢澤先輩に勧誘されて来たんです。だから、最初からアイドルに興味があったっていうわけでは……」
絵里「……他の二人も?」
ことり「あ、私はそもそもアイドルをやるためにきたんじゃなくて……」
海未「私は違います。穂乃果がどうしてもと言うから仕方なく着いてきただけです」
穂乃果「もー、海未ちゃんまだそんなこと言ってるの?」
海未「まだとはなんですか、私は本当に……」
絵里「もう、いいわ」
頭を抱えながら、絵里はそう答えた。
――あんまり、雰囲気よくないかも。
310 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:19:12.51 ID:FmvrfbxHo
絵里「そこの二人は部員なのよね?」
冷ややかな視線が、今度は凛と花陽を捕らえる。
凛「……そうですけど」
あー……警戒心MAXだ、あの子。
絵里「あなたたちは? 勧誘されて入ったの?」
花陽「あ、わ、私は違います。私はアイドルになりたくって……」
絵里「そ。そっちのあなたは?」
凛「なんで答えなきゃいけないんですか?」
友好心ゼロの返答。
てか、これまずい。私が止めないと――
にこ「ちょっと、二人とも……」
絵里「入部をお願いされてる立場ですもの。部について質問くらいさせてもらって当然でしょう?」
凛「私はお願いしてません」
絵里「あなたが部長以上の権限を持ってのなら今すぐ帰るわ」
凛「――――っ」
ダメだ、私の言葉なんて全然届いてない。
一触即発、今にも取っ組み合いになるんじゃないかってくらいにボルテージがあがって――
希「絵里ち」
熱くなった二人の間に、すっ、と水が差される。
絵里「……ごめんなさい、そんなこと言うためにきたんじゃなかったわ」
311 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:32:04.58 ID:FmvrfbxHo
絵里「じゃあ聞き方を変えるわ。この中で自分の意志でこの部に入った人は?」
私を含めた皆が皆、目を見合わせて。
おずおずと手を挙げたのは、花陽だけだった。
絵里「…………そう。わかったわ」
落胆の色を隠そうともしない絵里の声。
それに答える子なんて、誰もいなかった。
絵里「矢澤さん」
にこ「……なに?」
絵里「返事。今するわ」
にこ「返事?」
絵里「この部に入れって、あなたが言ったんでしょう?」
にこ「ああ……」
正直、そんなことすっかり頭から吹き飛んでいた。
だって、そうでしょう?
なんの前触れもなく、真正面からケンカ売られてるようなもんだもん。
第一、ここまで言われていい返事を期待するほど間抜けじゃないし、私。
絵里「入ってもいいわ」
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 21:39:17.60 ID:4B+yuq9fo
はい止め
終わり
つまんない
313 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:43:31.50 ID:FmvrfbxHo
にこ「…………は?」
今鏡を見たら、さぞかし間抜けな顔した女の子が映るでしょうね。
って、そんな現実逃避してる場合じゃなくて!
にこ「入るの!?」
絵里「だめなの?」
にこ「いや、そんなことは……」
ない、けど。
さんざんひっかきまわして、その答えを誰が予想できるの?
凛「入ってもいいって……上から目線すぎません?」
絵里「頼まれてる立場だって、さっき言ったはずなのだけれど」
凛「だからって!」
花陽「り、凛ちゃん! 落ち着いて!」
凛「でも!」
花陽「うん、わかるよ、気持ち。だから」
きっ、と。
花陽にしては珍しく強い視線で、絵里へ向き直る。
花陽「なんで急にそんな答えになったんですか?
314 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:48:12.74 ID:FmvrfbxHo
絵里「別に急に決めたつもりはないわ」
花陽「……わけがわかりません。だってさっきまであんなに酷い態度だったのに」
花陽「入るつもりがなかったとしか、思えません」
絵里「――あなたは、わかってるんじゃないの?」
花陽「え?」
絵里「入るつもりがあったから、よ」
花陽「――――」
その沈黙は、なにを意味したのだろう。
なんにせよ、それ以上花陽が答えることはなかった。
315 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:54:42.52 ID:FmvrfbxHo
絵里「それにね、ただで入るとは言ってないわ」
にこ「は?」
絵里「あなた、スクールアイドルランキングって知ってるかしら?」
にこ「知ってる、けど……」
かつてはその頂点まで上り詰めたグループの一員だもの。
知らないはずがない。
絵里「そのランキングで、あなたたちが100位以内に入ること。それが私が加入する条件」
にこ「…………」
は?
あなたたちって、私たち?
絵里「まあ、今の状況でその条件を満たすのは難しいでしょうね」
絵里「だから、私も協力してあげる。こう見えてもバレエの心得はあるの」
絵里「あなたたちにレッスンをつけることくらいならできるわ」
にこ「――いいかげんに、」
風船のように膨らんでいた悪感情。
それが、限界まで大きくなって――
絵里「するのは、あなたの方なんじゃないの?」
ぷしゅう、と情けない音をたててしぼんだ。
絵里「あなた――なにがしたいの?」
316 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 21:58:23.06 ID:FmvrfbxHo
なにがしたいの? って。
それ、私のセリフじゃないの?
穂乃果「あのー……」
蚊帳の外になっていた穂乃果が、おっかなびっくりで口を挟む。
穂乃果「その「あなたたち」って、ひょっとして私たちも……?」
絵里「入ってるわ」
穂乃果「ええー……」
海未「待ってください! 私たちはまだ入部も決めていません!」
海未「第一ことりに至ってはそもそもアイドル活動をするわけでも――」
絵里「ならこの話はなかったことにしましょうか?」
海未「――――っ」
海未の立場ならそこで構わないと怒鳴りつけてもいい場面だった。
それをすんでのところで踏みとどまってくれたのが私のためだということは、一瞬飛んできた彼女の視線が如実に語っていた。
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 22:00:21.79 ID:H4zk5UsHo
やっときたか
支援
318 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:07:28.24 ID:FmvrfbxHo
――そして、彼女の捨て台詞にたどり着く。
絵里「――最後に、もう一度だけ言わせてもらうわ」
絵里「ここにいる六人のグループで、一か月以内にスクールアイドルランキングで100位以内に入る」
絵里「それができなければ――私は、このグループには入りません」
好き放題言い残して、絵里は屋上を後にした。
残されたのは。
にこ「――なんなのよ、これは」
苦い現実を突き付けられた、ちっぽけな女の子。
319 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:08:51.81 ID:FmvrfbxHo
微妙に
>>253
と食い違う展開になってしまいました、申し訳ないです
もうちょっとだけ続きます
320 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:13:32.40 ID:FmvrfbxHo
【Side:絵里】
希「絵里ち!」
早足で階段を下りる私の背中に、希の声が飛んでくる。
彼女の言いたいことは痛いほどにわかっている。
希「話が違うやん! にこっちの話聞いて、よければ協力してあげるって、そういう話だったでしょ!?」
絵里「……わかってるわ」
わかってる。自分がどれほどみっともないことを喚き散らしたか。
どれほど子供じみた感情を振りかざしたのか。
痛いほど、わかってる。
だけどね、希。
「話が違う」は、こっちのセリフなのよ。
321 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:19:02.03 ID:FmvrfbxHo
「矢澤にこ」は、私たちの学年では知らない人がいないほどの有名人である。
アイドルを目指し、暴走し、孤独になった変人。
たぶん多くの人の認識はそんなものでしょうね。
だけど、私は――少しだけ、うらやましかった。
恥も外聞もかなぐりすて、自分のやりたいことにひたむきになれる強さ。
方向性はどうであれ、それは誇れるものだと思ったから。
だから彼女が再び部活動を再開し始めたと聞いた時は、内心応援だってしていた。
希から「あの占い」の話を聞いて。
私が彼女に関われると知って。
嬉しく、思ったのよ。
だから。
だからこそ――
絵里「残念、だったのよ」
322 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:21:47.75 ID:FmvrfbxHo
希「残念?」
絵里「ええ」
希「残念、って……むしろ絵里ち、喜んでたやん? にこっちを近くで見られるって」
絵里「ええ」
希「いや……矛盾してない?」
絵里「してないわ」
だって。
絵里「だって――彼女は私の知ってる「矢澤にこ」じゃなかったから」
今のままの彼女なら――関わることに、意味なんて、きっとない。
323 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:26:05.93 ID:FmvrfbxHo
希「どういうこと……?」
絵里「さっき。屋上には私たちを含めて8人いたわね?」
希「え? う、うん、そうだったと思うけど……」
絵里「なら……あの8人が、希の占いに出た「やっつの光」、なのよね」
希「……たぶん」
絵里「そう……」
違ってほしかった。
もしそうなら、話は簡単だったから。
だけどどうしても「あの」8人でなければならないというのなら。
絵里「あの部活――潰れるわ」
希「そりゃ、まあ……あれだけぼろくそに言われれば……」
絵里「そうじゃなくって」
それは、まあ、やりすぎた私が悪かったけど。
だけど、あれだって必要な荒療治。
絵里「正直、矢澤さんのやりたいことが見えてこないのよ」
324 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:29:04.95 ID:FmvrfbxHo
希「にこっちのやりたいことって……アイドルになる、やろ?」
絵里「…………」
アイドルに、なる。
なることだけが目的なら、あのメンバーでもいいのかも知れない。
だけど、それなら彼女は2年前、ひとりぼっちになんてならなかった。
彼女が目指してるのは、そんな低いところではなかったはずだ。
なのに。
今の彼女は――2年前の自分自身を蔑ろにしているようにしか見えないのよ。
325 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/06/29(水) 22:29:49.22 ID:FmvrfbxHo
ここまで
自分の力不足で違和感のある展開になったかも知れません
うまく脳内で補完してください
続きはまた後日
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 22:46:59.96 ID:g1led/NAo
乙
違和感というか展開が飛躍してると思ったよ
まともに対話すらしてないのにーって感じ
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 22:49:07.52 ID:heo0awx+0
うむ
補完はちゃんとできるから問題ないといえば問題ない
乙
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 23:05:40.62 ID:VUpTjINKo
乙です
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/30(木) 00:16:48.80 ID:rtNvJdkdo
面白いよ
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/06(水) 00:41:42.30 ID:gCEFcPdr0
くっそ面白い
331 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:11:46.66 ID:+lwXNVVgo
凛「凛は絶対反対!」
嵐が過ぎ去った後。
そのままレッスンを続ける雰囲気でもなくなり、私たちは部室へと戻っていた。
にこ「そうなるわよねぇ……」
余りにも一方的な要求。
私たちが一か月以内にランキング100位入り?
まだ登録すらされてない私たちが?
正直……非現実的すぎる。
凛「あんなに勝手な人の話聞く必要ないにゃ! ね? かよちん」
まあ、凛が反対する理由はもっと別なところにあるんだけど。
332 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:12:40.55 ID:+lwXNVVgo
花陽「…………」
凛「かよちん?」
花陽「――あ、ごめん凛ちゃん。なぁに?」
絵里とのやり取りから向こう、花陽の様子はずっとおかしかった。
ぼーっとなにかを考えるような。
というか、思い詰めてるような。
絵里『入るつもりがあったから、よ』
絵里のあの言葉の意味は、私にはよくわからない。
入るつもりのある人間が、あそこまでディスる必要ある? って話。
だけど花陽にとって、あの言葉は。
花陽「…………」
凛「ねーかよちーん、聞いてるにゃー?」
大きな意味を持ってるみたいね。
333 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:13:24.99 ID:+lwXNVVgo
そして懸念事項はもうひとつ。
海未「あの……」
にこ「あー、うん。あなたの言いたいことはすごくよくわかる」
海未「ならば話は早いのですが……」
にこ「ちょ、ちょっと待って!」
慌てて話を遮る。絵里への反感が最高潮になってる今、この子たちにまで離れられたら、本格的にμ'sの結成は怪しくなってしまう。
にこ「そっちの二人は!?」
さっきまで好印象だった穂乃果なら、話を良い方向に持っていってくれるかもしれない。そう考えての振りだったんだけど。
穂乃果「私は……やっぱり遠慮しようかなー、なんて」
にこ「なっ……」
穂乃果「だってだって、そのスクールなんちゃらランキングっていうのがどんなものかよくわからないけど……」
穂乃果「でも、私たちがそれにランクインするって言われても、現実味がないというか……」
穂乃果「ぶっちゃけ、練習とかきつくなっちゃう? って考えると……ねえ?」
にこ「…………」
返す言葉は、私の頭のどこをひっくり返しても、出てこなかった。
334 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:13:55.55 ID:+lwXNVVgo
海未「――もう、いいでしょうか?」
言いながら、返事を待つことなく、海未が席を立つ。
気まずそうな顔をしながら、続く穂乃果。
良くなんかない。行ってほしくない。
願いばかりがあふれ出て、だけど、それを彼女らの心に届く言葉に変換する力が、なくて。
だから。
ことり「私は――やっても、いいです」
海未「なっ!?」
穂乃果「ことりちゃん!?」
その足を引き留めたのは、その心に届く言葉の持ち主だった。
335 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:15:17.84 ID:+lwXNVVgo
海未「ことり、あなたは優しすぎます!」
返す海未の言葉には、隠すつもりもない怒気が満ちていた。
海未「大方今までの流れから、自分が協力しなければ矢澤先輩たちが困ると判断したのでしょう」
海未「ですが! それは私たちには関係のない話です!」
海未「衣装づくりの話だって、私は賛成しかねるものでした!」
海未「ことり、自分を犠牲にする必要なんてないのです。残された時間、もっと自分のやりたいことを――」
焦りと怒りをまくしたてる海未に対し。
ことり「海未ちゃん」
ことりの言葉は、あまりにも静かだった。
ことり「その言葉は――誰のため、なの?」
海未「え――」
336 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:16:44.82 ID:+lwXNVVgo
ことり「矢澤先輩。私たち、入部します。穂乃果ちゃんもいいかな?」
穂乃果「うぇ? あ、えーっと、いいような、悪いような……」
ことり「やっぱり……だめ?」
穂乃果「ううん、だめじゃないよ!」
ことり「ありがとう。ごめんね、わがまま言って」
穂乃果「そんなこと……」
ことり「海未ちゃん」
海未「…………」
先ほどの、ことりの一言から。
海未は、ずっとうつむいたまま唇をかみしめていた。
ことり「気持ちはね、すっごく嬉しいんだぁ。私のこと思ってくれてるって、わかるから」
ことり「でもね。きっとそれだけじゃ、ないよね」
ことり「海未ちゃんがどんな気持ちでも、構わない」
ことり「だけど――それを私のせいにするのは、違うと思うの」
海未「――そんな、つもりは」
ことり「ない?」
海未「…………」
海未はそれ以上、何かを答えることはなかった。
337 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:17:19.62 ID:+lwXNVVgo
ことり「矢澤先輩。いいですか?」
にこ「――え、あ、っと……」
花陽と絵里のやりとりの再現のようだった。
私の知らないところで、だけど、私に致命的に関わる何かが進んでいるような、もどかしさ。
話の筋の端っこも掴めていない私は、果たして今、この物語の中心にいるのだろうか?
――なんて。考えても意味のないことくらい、わかってる。
だって。
にこ「もちろん――いいわよ」
そう答える以外に、私には選択肢なんて、ないのだから。
338 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/12(火) 22:18:00.25 ID:+lwXNVVgo
ここまで
前回やらかしたのでしばらく書き溜め方式で行こうと思います
次はまた近いうちに
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/12(火) 23:30:35.75 ID:/umqSg/uo
乙です
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/13(水) 02:05:15.01 ID:xBpaJpAto
うむ
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/13(水) 22:17:28.86 ID:IK3b9IBB0
待ってたおつ
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/17(日) 02:42:48.30 ID:wM+kQvJlO
普通に面白くない
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/17(日) 09:20:30.23 ID:bIcgYHuOo
いや面白いよ
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/18(月) 18:49:38.74 ID:Q4Gp1CZFo
面白いから続けて
345 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:14:01.51 ID:9E7ahJqxo
【Side:真姫】
気づいたことがある。
にこ「まったく、まいっちゃうわよ……いきなり現れてスクールアイドルランキングの100位以内に入りなさい、だなんて」
真姫「だけどそれ、にこちゃんが入部しろって言ったからなんでしょ? 割と自業自得だと思うんだけど」
にこ「そ、それは、たしかにそうだけど……」
この、自称未来人の先輩と話をするのは、意外と楽しくて。
にこ「だけどあのごーまんな態度ったらないわよ! 昔を思い出すわ!」
真姫「あっちの世界でもそんな性格だったの? 生徒会長は」
にこ「最初はね。アイドルやりたいくせに肩肘張ってザ・生徒会長! みたいな態度とって。あほらしいったらありゃしないわ」
真姫「ふぅん?」
にこ「……なによ?」
真姫「え? なにが?」
にこ「にやにやしちゃって、なにがおかしいの?」
真姫「……笑ってたの? 私が?」
にこ「やらしーい顔でね」
真姫「…………」
なんだか、意地張ってる自分がばからしくなってくる。
346 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:14:52.28 ID:9E7ahJqxo
友達は作らない。
自分を守るための、精一杯の強がりだった。
にこ「というわけで、ついに真姫ちゃんの出番到来よ」
真姫「え?」
にこ「え? じゃないわよ! 私たちに楽曲提供してくれるって約束でしょ!」
真姫「……そういえばあったわね、そんな話」
にこ「忘れてんじゃないわよ!」
真姫「忘れるくらい長い間アイドル活動のあの字も見せなかったのは誰よ?」
にこ「ぐぬぬ……」
にこちゃんは友達じゃないから、セーフ?
真姫「……ほんと、ばかみたい」
にこ「なんですってー!」
真姫「ただのひとりごとよ」
わかってる。
こんな素敵な関係――もう、手放せない。
347 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:15:38.77 ID:9E7ahJqxo
にこ「とにかく! 私たちのアイドル活動が満を持して始動するってわけよ!」
私たち、か。
その言葉に――私は、含まれてるのかしら。
真姫「それで? 私はどの曲の音源を用意すればいいわけ?」
にこ「もちろん、μ'sの最初の曲はこれしかない」
にこ「――『START:DASH!!』よ」
『START:DASH!!』、ね。
私とにこちゃんの、この奇妙な関係が始まった日に作られた、まさにスタートダッシュの曲。
だけど。
始まりがあるってことは――いつかかならず、終わりがあるってこと。
自称未来人の、この先輩は。
にこ「あによ? 私の顔になんかついてる?」
真姫「――なんでもないわ」
いつまで、私のそばにいてくれるのだろう。
348 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:16:40.09 ID:9E7ahJqxo
* * * * *
絵里のレッスンは、善は急げと言わんばかりに翌日から始まった。
その結果は――正確には、結果を出すための過程のはずだけど――悲惨の一言。
絵里「星空さん、走りすぎ! もっとちゃんとリズムを聴いて合わせて!」
凛「わかって、ます!」
絵里「小泉さんは逆! 遅れてるのは体力不足の証よ!」
花陽「は……はい!」
絵里「園田さんは動きが硬いわ! 余計な力を抜いて!」
海未「そんなこと、言われ、ましても……!」
絵里「南さんは動きが小さいわ! 細々してるとなにをしてるのかわからないわよ!」
ことり「はい……!」
絵里「高坂さんは――」
穂乃果「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ……」
絵里「――いったん休憩にしましょうか」
349 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:17:33.36 ID:9E7ahJqxo
絵里「…………」
各々が休憩をとる中、絵里はひとり難しい顔で腕を組んでいる。
にこ「……どう? 正直な話」
絵里「……思ったより悪くない人が半分」
にこ「へえ?」
練習中に飛んでいた言葉を思い返せば、それは意外な感想だった。
絵里「あなたもそのうちの一人よ?」
にこ「あら、それはどーも」
ま、一年前のスペックに戻ったとはいえ、一度はラブライブ優勝してる身ですから。
絵里「それに星空さん、南さんは悪くない」
絵里「星空さんはまだ自分のリズムで先走る癖があるみたいだけど、もともと体を動かすのは得意そうね」
絵里「リズム感をもっと養えば問題ないわ」
絵里「南さんはまだ慣れない動きに戸惑ってる節はあるけど、それさえクリアすれば結構動けるんじゃないかしら」
にこ「……ちなみに、残り半分は?」
絵里の表情が、再び曇る。
絵里「……思ったより悪いわ」
350 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:19:04.19 ID:9E7ahJqxo
絵里「まず小泉さん。彼女は決定的に体力不足」
にこ「あー……」
思い出すのは、いつぞやのゲーセン。
あれからトレーニングは欠かさず取り組んできたものの……さすがに付け焼刃にしかなってないみたいね。
絵里「それから園田さんは……彼女の場合、メンタルの問題かしらね」
絵里「動きがガチガチ。そのわりについてこれてはいるのだから、物理的に体が動かないというわけでもない」
絵里「まだアイドル活動をすることに抵抗感があるんじゃないかしら」
にこ「それよねぇ……」
ことりとのこと、どうなってるのか私にはさっぱりだけど。
彼女らのやり取りを見るに、どうもスムーズに話が進んでいるようではない。
絵里「それと、高坂さんは……」
にこ「…………」
絵里と一緒に、視線を移す。
穂乃果「ぷはー! アクエリアスおいしーい!」
351 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:19:41.47 ID:9E7ahJqxo
絵里「……ねえ。あの子、本当に入れなきゃだめなの?」
にこ「この六人で、って言ったのはあんたでしょうが」
絵里「そうなのだけど……」
いや、絵里の言いたいこともわかる。
なんせ穂乃果、花陽以上についてこれていない。
ステップは覚えられずリズムはめちゃくちゃ、挙句の果てにすぐ息切れ。
一体全体なんでこの子がμ'sのリーダーやれてたの? ってレベル。
絵里「なにが足りないって言うなら、モチベーションでしょうね」
にこ「モチベーション?」
絵里「彼女、自分がなんでこんなことしてるのかもわかってないんじゃないかしら」
にこ「だからそれはあんたが……」
絵里「じゃなくて、そもそもの話。なんで自分がアイドル研究部に勧誘されたのか、よ」
にこ「…………」
μ'sのメンバーだったから。
それが理由として通用しないことくらいは、わかる。
352 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:20:46.00 ID:9E7ahJqxo
絵里「そういう点では園田さんや南さんも同じだけれど……」
絵里「彼女たちには、少なくとも『今』ここにいる理由はあるようだしね」
にこ「……わかるの?」
絵里「彼女らの様子を見ていれば。なんとなくだけれど、ね」
にこ「そう……」
ぎこちないなぁとは見ていて思うけど、私にはそこ止まり。
彼女らが――特に海未が、なぜこうして練習に来ているのか、想像もつかない。
――私、あの子たちのこと、なんにもわかってないんだ。
絵里「……だけど、だめなんでしょ?」
にこ「へ?」
絵里「園田さんや南さんもそうだけど。高坂さんもアイドル研究部に入れないと」
絵里「八人のうちのひとり、なんでしょ?」
にこ「あ、それって……」
希の占いに出てた八つの光の話?
なんで絵里が、とも思ったけど、そもそもあれは絵里や希を占った結果か。
当の本人が聞いていたとしてもなんらおかしい話ではない。
353 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:22:09.65 ID:9E7ahJqxo
絵里「なら、やるしかないじゃない。文句なんて言ってられないわ」
言いながらその場を立ち去る絵里の横顔は、とても力強くて。
意志の固さがありありと伝わってきた。
だからこそ、不思議に思う。
にこ(この子は、なんでこうも……煽るようなやり方をするのよ)
かつて絵里は花陽に言った。
絵里『入るつもりがあったから、よ』
入るつもりの人間が、なぜあんなケンカを売るような真似をしたのか。
――なんだ。私、絵里のこともちっともわかってない。
着々と集まる人数とは裏腹に、私たちは、まだ全然ばらばらのままのような気がして。
それは、次第にわかりやすい形をとり始めた。
354 :
◆yZNKissmP6NG
[saga]:2016/07/24(日) 22:23:08.52 ID:9E7ahJqxo
ここまで
続きはなるべく近いうちに
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/24(日) 22:37:30.14 ID:muPX22yzo
乙乙
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/25(月) 01:00:03.63 ID:Sqq6EjWFo
うむ
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/25(月) 01:32:30.24 ID:xPDWm0xC0
乙
読むと苦しくなるけど続きを待ってる
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/13(土) 06:19:07.56 ID:nU7Ca880O
もうやめて欲しい
痛い
心的なものが
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/13(土) 13:46:23.04 ID:y9WbM9nSO
待ってるからもっとやれ
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/20(土) 03:11:02.65 ID:RAWcDzC8O
>>359
しねキチガイ
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