元お嬢様「安価とコンマで最終決戦?」元メイド「8ですぅ」

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457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 00:04:12.99 ID:YArC9xTv0
ついに2ヶ月かぁ…
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 00:18:28.56 ID:4aZpc33xo
後半はインフレしてたが面白かった
2年間乙でした
459 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/11/14(月) 00:36:03.07 ID:Q5mCxDzpo
続きを書きたい…けれども書く時間が取れないんです
一応保守
諦めたら依頼出して終わりにします
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 05:42:35.16 ID:BIhkjMsUo
待つよ
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 06:12:02.58 ID:XsZaMikLo
>>384から>>396みたいな時期もあったし待つのは平気よー
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/17(木) 08:47:52.22 ID:gD4QHrt80
まってるまってる
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 12:33:22.67 ID:xVPHbGZtO
まつぞ
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 20:36:57.31 ID:EtjrooCzO
というか、>>1>>1で書けない間もここでの反応とか気になっちゃうだろうし、一旦依頼出して落としちゃえば?

書く時間できた時に、また新しく立て直して過去スレへのリンク貼れば大丈夫だと思うのよ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/25(金) 21:11:58.37 ID:uvBHvDsj0
コンマゾロ目ならソピアが16歳に戻る
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 13:14:53.11 ID:XkZGYZ7T0
割と真面目に一度落としたほうがいいのでは

>>1が宣言した上で落とすのならもう一度立つまで気長に待ちますし
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 15:17:11.50 ID:Ntce0bvho
荒らしとかで進行をリセットしたいとかならともかく
忙しくて出来ないだけなら大人しくまっときゃいいだけじゃね?
老婆心だが作者の為とかいう勘違いをしていろんなスレに迷惑かけんようにな
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 20:22:44.59 ID:tNaep1GxO
1ヶ月空く前に1度レスするだけの簡単なお仕事だしな
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 00:50:22.51 ID:lNFVngnvO
まぁ大人しく待つけども、いつ頃再開できるかの見通しが立ってるなら教えて欲しいなぁ…
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/15(木) 09:32:59.81 ID:7JpkpQ7AO
モチベは下がってるけど未練もあって落とすに落とせないとかそんなとこだろ
471 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/01/13(金) 01:10:06.63 ID:xFWOq5BLo
保守
2月下旬には続きを書きます
読者ほぼいなくなったと思うので大きな分岐点までしばらく安価がなくなると思います
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/13(金) 01:12:51.01 ID:872fucqQo
後ひと月後か…
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/13(金) 07:32:49.19 ID:2eQIghNIo
更新が半年空くのはつらい
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/13(金) 09:50:37.00 ID:Pwdm4gGFo
いるんだよなぁ
生存報告乙
完結までついていくよ
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/13(金) 20:01:54.97 ID:uKkojmE8o
>>1
楽しみにしてる
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/18(水) 09:59:39.12 ID:pf8tKQt7O
楽しみにしてるよ
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 23:15:15.90 ID:edb9+fom0
2年ぶりに見に来た
ずっと楽しみに待ってる
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/11(土) 21:01:58.47 ID:GDkXjHRE0
まだ続いてたのか(´・ω・`)
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/18(土) 11:23:07.39 ID:6eLdol0T0
そろそろ下旬だけど更新はできそう?
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 01:50:40.61 ID:8sSWR8Dy0
更新楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 15:21:18.75 ID:Lj6uG6MzO
無理なら報告だけでもしにきてくれー
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/27(月) 10:54:13.74 ID:di6rTweyo
まあ今日明日無理ならホワイトデー頃には来るでしょ
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 23:14:04.63 ID:KKLBpgIq0
明々後日までには報告だけでもきてくれー…どうせ落とされないとは思うが
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/12(日) 13:41:08.57 ID:Jjfc+qlkO
まだ?
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 16:57:33.79 ID:ebYD+rKO0
ダメくさいかぁ
486 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/14(火) 19:37:46.91 ID:L+3XEl4Eo
生きてます。お待たせしてます。16日か17日に監獄編の続きを投下します。
4月から引っ越して環境が変わるため、もしかしたら完全終了の可能性もありますが、逆にどんどん進められるようになるかもしれません。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 19:58:24.57 ID:DHZl1CSBo
待ってた
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 21:35:53.51 ID:1M6Wx3Tfo
乙乙
楽しみにしてます
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 21:50:29.58 ID:1+2vAwAmo
舞ってた
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 00:05:10.40 ID:sQMmhpwv0
無理だったか、待ってる
491 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 22:51:05.97 ID:yse7e/Izo
引っ越し準備で忙しくこのままだと更新が1週間以上後になりそうなのでコンマ判定の所まで投下します
492 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 22:52:39.47 ID:yse7e/Izo
数分前……

ハルカ「ヒレアさん、2人だけで行かせてよかったと思う?」

ヒレア「大丈夫よ。騎士長って人、あの教官長と同じ位にいた人なんでしょ?」

ヒレア「第一、王子様とレオナールたちで十分勝てると思うわ。ほとんどの強者はこちらに集中していたんだから」

ヒレア「それよりも、近づいてくる敵はいない?」

ハルカ「うん……。動くものは見えないね」

マリン「モンスターの気配はないわー♪」

ヒレア「そう。何かいる気がしたらすぐに言ってね。霧を出すから」

マリン「……ヒレア、霧!! おかしいわー!」

ヒレア「わかった! で、でも何が」シュウウ

マリン「町にいた気配も全部消えてるのー!」

ハルカ「騒ぎになってるからみんな避難したとか……」

バヂィッ!!

魔導長「ほほう。お見事」

拳魔「姿を消していたのによく気づきましたね」

ハルカ「ち、近いっ……!」

魔導長「お嬢ちゃん、霧は消しなさい。わしの雷の盾は破れんよ」

ヒレア「……何の用? 牢獄はご覧の通り、制圧したわ」

拳魔「だからこそですよ。自分は記者である前に一フルフィリア国民ですから」

拳魔「英雄の勲章を賜っておきながら、有事の際に動かないわけには参りませんからね」

魔法兵「魔導長様! 住民の避難が完了しました。戦闘許可も下りています! ここは私が!」

魔導長「待ちなさい。キミに勝ち目はないよ。わしに任せて先に戻っていなさい」

魔法兵「ですが……!」

魔導長「邪魔になるんじゃよ。ほら、帰った帰った」
493 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 22:53:32.14 ID:yse7e/Izo
魔導長「一応聞くが……どいてくれる気はないかい?」

マリン「ないわー!」

ハルカ「ソピアさんに手は出させない」

魔導長「……先に手を出したのはキミたちじゃろうに」

魔導長「軍を欺き、強者たちを殺めた罪、たとえ神が許してもわしが許さんよ」バチチチッ!

ハルカ「……っ!」

ヒレア「ひるまないで。このおじいさんは電気しか使えない。私たちなら十分勝てるわ」

マリン「恐いならソフィーを呼んできてー」

ハルカ「わかった」ダッ

魔導長「ほうほう、舐められたものじゃのう」

拳魔「普段まったく戦わないからですよ」

拳魔「さて、魔導長への密着取材と参りたいところですが、お一人での相手はお辛いでしょう」

拳魔「僭越ながら、こちらの妖精の相手は自分が引き受けます」

マリン「ワタシをただの妖精だと思ってるのかしらー?」ギュギュギュ

拳魔「人型に変化……いや、これは!」

拳魔「いやはや、これは衝撃の事実です! まさかラヌーンの海神がまだ生きていたとは!!」

拳魔「そして英雄『神殺』の使い魔に堕ちていたとは!!」

拳魔「なんて、まあ知ってましたがね」
494 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 22:54:53.19 ID:yse7e/Izo
ドゴォンッ!!

ヒレア「いきなり雷撃なんてひどい」

ヒレア(フュネッサの亡霊を一撃で戦闘不能に追い込んだ雷撃……でも私には効かないわ)

ヒレア(人はいないけど家畜・庭木・虫から少しずつ生命力を分けてもらえば十分回復できる)

魔導長「ひどいのはキミたちじゃよ」

魔導長「わしはな……珍しく怒っているんじゃ」

ヒレア「……あなたは話が分かる人だと思ってた。もう一度、ソピアと話をしてくれない?」

魔導長「断る」

魔導長「わしがキミを許したのは勇敢な若者の善意あってこそ……」

魔導長「だが、ソピア・ウィンベルは共和国に反旗を翻すために吸血鬼の力を手駒として利用した!」

ヒレア「違う!」

魔導長「違うものか!」

魔導長「キミは、善良な市民が、反乱に参加しこれだけの兵士を倒すというのじゃな!?」

ヒレア「他に……方法はないじゃない」

ヒレア「自分の家族が死ぬっていうのに、黙って見てるなんてできるわけない!」

魔導長「……そうか」

魔導長「じゃが、わしにも軍人としての責任がある」

魔導長「監獄を襲った暴徒の鎮圧、そして討ち損ねた吸血鬼の殲滅じゃ」

魔導長「悪く思うな、セイッ!!」ドン

ヒレア「っ!? 飛ばされ……!」

ドン ドドン

魔導長「英雄の青年が近くにいては困るからのう」シュン

ヒレア(私の手前に連続で雷を落として弾き飛ばすなんて……器用な使い方もできるのね)

ヒレア(しかももう追い付いてきた……)

魔導長「放電照射!」バリバリ

ヒレア「くっ!」バシュッ

ヒレア(魔導長さんにも恩義はあるけど、今はもう私達の敵。本気で私を殺そうとしてる!)

ヒレア(やるしかないわ……!)
495 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 22:57:08.06 ID:yse7e/Izo
ヒレアは上空から魔導長の首に狙いをつけ、短剣を構えて急降下した。

ヒレア「!」ギュン

魔導長「こっちじゃ」ヒラリ

ヒレア「嘘……!?」

魔導長「わしは雷の速度で動くことができる。何度やっても無駄じゃよ」

ヒレア「どうかしら!」クイッ

バヂィッ!

ヒレア「霧の刃まで……!」

魔導長「無駄じゃと言ったぞ。わしの全身を覆う雷の壁は全ての魔法と飛び道具を瞬時に分解する」バチバチ

魔導長「こうして話している間にもキミは雷で焼かれ続ける。さあ、どうする?」バチバチ

ヒレア「たぁぁ!」ギュン

魔導長「ほい、ほいっと」ヒラヒラ

魔導長「いつか魔力が切れると思ったか。根競べじゃな!」

ヒレア(この人は危険すぎる!)

ヒレア(監獄からできるだけ離さなきゃ……!)

ヒレア「はぁ、はぁ……」ギュン ギュン

魔導長「……そろそろ良いな」

ヒレア「なにが」

魔導長「奥義『雷獄』!」パチッ

カッ
496 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 23:00:23.80 ID:yse7e/Izo
ヒレア(意識が飛んだ……)

ヒレア「……けほっ、さ、再生……できない?」

ヒレア「うっ、森がずっと向こうまでなくなってる……」

ヒレア「草も、虫も、残ってないの……?」

魔導長「大した生命力じゃな」

ヒレア「!」ビクッ

魔導長「あの日、わしがウベローゼンで吸血鬼退治を若い子たちに任せた理由がわかったかい?」

魔導長「……もし全力で戦えば、市民は全滅、町一つが地図から消えてしまうんじゃよ」

魔導長「町は避けたが森をこれだけ焼き払ってしまった。加減が効かんでのう」

ヒレア「不便、ね……」

魔導長「全くじゃ。おかげで守るべきものが多くなるにつれて戦う事ができなくなってしまった」

魔導長「キミは敵だが、一つお礼を言わせてもらおう。久しぶりに全力で力を解放できて楽しかったよ」

ヒレア「……」

魔導長「人の心を持つ相手で気分は悪いが、捕縛できぬ怪物は殲滅するしかあるまい」

魔導長「暴れると余計長引くよ」バリッ

ヒレア「い、いや……! やめて!」

魔導長「死の恐怖で失禁してしまったか。むう、やはり心苦しいのう」

魔導長「電熱分解」バチバチ ヂィィィ

ヒレア(あ、熱い……!)

魔導長「欠片も残さず蒸発しなさい」
497 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 23:01:58.16 ID:yse7e/Izo
一方、妖精マリンと英雄『拳魔』は無人の町で戦闘を開始していた。

マリン「ソフィーのためなら容赦しないわー!」ムクムク

拳魔「まあ使い魔ですからねぇ」

拳魔「ほう、人型からさらに変形を……これが海神の真の姿ですか?」

マリン「教えナイ……」キュイイン

拳魔「答えて頂かないと取材になりませんよ、ってチャージだ危ない」バッ

マリン「逃がさナイ……」ザアア

町中の水が集まりマリンと拳魔を覆うドームになる。

拳魔「これは素晴らしい! そして美しい!」

拳魔「いやあ、実演ありがとうございます! 水と月光さえあれば海の魔法は使えるんですね!」

マリン「黙レ……」ゴウ

パァン

拳魔「なるほど、この威力は自分には真似できません」

マリン「マネ……?」

拳魔「はい。では取材は終わりです。お疲れさまでした」

拳魔「後は……その身に叩き込んであげましょう。フルフィリアには存在しない、最強の武と魔を!」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/20(月) 23:03:24.03 ID:lsA/B0jko
来てたか
待ったかいがあった
499 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 23:03:39.66 ID:yse7e/Izo
拳魔「グラヴィティ……」グググ

マリン「動きガ……」

拳魔「破魔掌!」パキィン

マリン「……!!」ボロボロ

圧倒的な量の精霊の塊である海神に物理的な攻撃を行うと、触れた側が消滅してしまう。

だが、拳魔の放った正拳突きは、海神の身を、そして攻撃用の円盤を抉り破壊していた。

マリン「この技、どこかデ……」

拳魔「破魔連打!」ドドド

マリン(よ、避けないとー!)

拳魔「追いかけっこは嫌いなんですよ!」ググググッ

マリン(動けないならもう迎え撃つしかないわー!)

マリン「全て、壊れロ……」ドッ ゴオオ ダン

大量の塩の塊、青い暴風、深海の色をした魔弾が乱射される。

一つ受けるだけでも致命の攻撃が、海神の正面を隙間なく埋め尽くした。

拳魔「おお怖い、だけど町を守るのも英雄の務めです」

拳魔「反射気功壁!」

全ての攻撃が斜め上へ跳ね返され、上空で消え失せた。

マリン「その技、スパイ達ノ……」

拳魔「気付きましたか」

拳魔「お察しの通り、ジャルバ王国の武術と魔導帝国ノーディスの重力魔術ですよ」

拳魔「正式に教わったわけではありませんがね。ジョーさんとマトイさんを取材した際に、いただきました」

拳魔「組み合わせればこれほど強力だというのに、対立している二国は実に勿体ない事をしています」

マリン「ラヌーンの民の、仇……」ゴゴゴ

マリン(ちょっとー! ワタシがリーダーよー!)

島の妖精(こいつは許せないねー)

マリン(この人がラヌーンを滅ぼしたわけじゃないわー!)

島の妖精(ごめんねー。こいつを倒せるならその二国にも勝ったようなものだからねー)

マリン「貴様を滅ぼス……」

拳魔「祖国への情が残っていましたか」

拳魔「分かりました。では僭越ながら……」

拳魔「自分はただの記者ですが、フルフィリアとジャルバとノーディスを代表して、ラヌーン国の残滓に終止符を打ってさしあげましょう!」バッ
500 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/03/20(月) 23:04:09.10 ID:yse7e/Izo
それは一方的な戦闘であった。

どれほど強力な攻撃を放とうとすべて返され、回避も防御もできない攻撃が海神を少しずつ削っていった。

拳魔「メテオ空芯打!!」ゴゥゥゥ

ズシンッ!!

そしてついに、高く跳び上がり勢いを付けた拳魔の一撃が体の中心を貫通し、主導権を奪っていた島の妖精の意識が途絶えた。

マリン「無念……」

拳魔「いやあ手強かったです。反射をミスしていれば負けていました」

拳魔「おや?」

ハルカ「こっち!」

トール「ひ、ひどいクレーターです……」

ソピア「マリン!?」

拳魔「英雄『神殺』と仲間たち……」

拳魔「残念でしたね。貴女の強さの源である使い魔はもう倒しました」

ソピア「トールくんとハルカさんは地下に戻ってて。ここは私が何とかする」

マリン「そ、ソフィー! ダメ、逃げてー!」

拳魔「まだ動けるんですか、化け物め!」

拳魔「はああああ……」コォォ

マリン「うっ……」ズシン

拳魔「破魔重圧連打!!」

ソピア「マリィィィィィン!!!!」


↓1 ヒレア、コンマ末尾0以外でセーフ
↓2 マリン、コンマ末尾0以外でセーフ
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/20(月) 23:09:23.99 ID:mxNsVrmKO
助かれ
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/20(月) 23:13:38.67 ID:lsA/B0jko
ギリギリを攻めるコンマ神
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/21(火) 21:31:32.37 ID:O+ku36/go
雷はたしかアダマンタイトで避雷針したことあったな
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/24(金) 00:05:50.23 ID:y7OkJpR10
更新来てたのか。
続き待ってる。
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 07:36:05.72 ID:SOMt+NNy0
軍が麻薬密売な関わってるとかで揺さぶりかけれないかな?
感情論に頼らず理詰めな方向性で。
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 23:02:54.76 ID:Q71Myvbc0
もう全然覚えてないやwwww
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 23:35:16.94 ID:Wx3hJLxRO
推理しろって言われてもまともな答えを出せる自信がない

こっから先はコンマだけでもいいかもね
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/21(金) 11:33:00.54 ID:o/k6EgJwO
4月が更新出来るかどうかの分かれ道って言ってたしもう厳しいか…?

ぶっちゃけ落とされる気配ないけど保守
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/21(金) 18:13:11.91 ID:LmrP63fdO
完走が一番嬉しいしいくらでも待てるけど、もしもう無理で落とすことになったら黒幕の正体と前スレの「一人だけ本当のことを言っている」が誰なのかは教えてほしい
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 22:23:17.39 ID:NEwQGF940
数レス投下しては2ヶ月ってやってたら何年かかるかわからないな。非安価ならともかくここ安価スレなのに
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 00:51:33.57 ID:VEpG4PPI0
まー5月20日近くでまた戻ってくるべ。更新するかは知らんけど
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/17(水) 06:51:07.59 ID:eZaYSrBZ0
ぶっちゃけもうやる気ないだろ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/17(水) 11:15:33.80 ID:obAoSoiRO
もういっそ書き溜めて非安価で終わらせればいいんじゃないの。これから先の展開は今までの行いの清算ってことで
514 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:50:03.98 ID:svxAH1iFo
魔導長「ん?」

魔導長「『雷獄』で焼けた範囲に誰か入ってきおった」

シュッ

レン「うわぁ!」

魔導長「ここは危ないから引き返しなさ……うん? キミはわしの孤児院の子じゃないか」

レン「ま、魔導長さん……こんな森で何をしているんですか?」

魔導長「それはわしが聞きたいのじゃが……」

レン「誰かいる!」ダッ

魔導長「あ、こら、待ちなさい!」

レン「ひ、ヒレア!?」

ヒレア「レン……?」

レン「誰にやられたんだ! まさか……」

ヒレア「……」コクリ

レン「そ、そんな……!」

魔導長「キミ、危ないからそこをどきなさい」

レン「……嫌です」

魔導長「キミも襲われたんじゃろう。第一、キミは彼女を嫌っておったろう」

魔導長「助ける義理があるのかい?」

レン「仲直りしたんだ。ソフィアさんのおかげで、ヒレアはもう大丈夫だ」

レン「今のヒレアは悪い子じゃない! だからおれは助ける!」

魔導長「だが、監獄を襲撃し、多くの兵士に被害が出たのじゃぞ。死人も出ておる」

レン「そ、それは……何か考えがあるんだと思う」

魔導長「教えてあげよう。ソフィアさんの正体は逃亡貴族。監獄に囚われた貴族を助けるために彼女はこの子を利用したんじゃよ」

レン「……分かんないよ」

魔導長「ふむ」

レン「分かんないから、おれは分かるまでここをどかない!」

魔導長「そう来たか……」

魔導長「しかし、どかないのならキミを巻き込む事になるが……それでいいのかね?」

レン「っ!?」

レン「ヒレアに手は出させないからな」

魔導長「どきなさい」バチッ

レン「どくもんか!」

魔導長「言う事を聞きなさい!」バチバチ

レン「魔導長さんこそ、やめろよ!」

魔導長「邪魔だと言ってるのが分からんか小僧ッ!!!!」ヂヂッ バリバリ

ドォン!
515 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:50:37.95 ID:svxAH1iFo
魔導長「ふぅ…………」ヂヂッ

ヒレア「……?」

レン「ま、守れた……」

魔導長とレンの間には棺桶型の防御魔法、黒魔盾が出現していた。

白魔術による攻撃を除き、正面で受けさえすればあらゆるものを閉じ込める事のできる、攻防一体の万能魔法だ。

レン「やったぞ! おれの魔法が通じた!」

ヒレア「まだよ!」

魔導長「……」バチッ ヂヂッ

魔導長「帰る。次の機会にしよう」

レン「えっ」

魔導長「こんな精神状態で……取り返しのつかないミスをしてからじゃ遅いからのう」パリリ

魔導長「電気が漏れ出てるようでは、わしもまだまだじゃな……」スタスタ

ヒレア「……」

レン「……行っちゃったな」

ヒレア「レン……ありがとう」

レン「あ、ああ! こっちこそありがとう!」

ヒレア「何が?」

レン「いや、なんでもなかった。今のはおれがおかしいな」

レン「なんか、興奮してんだ。勝てたし! それに、こわかったし……」

ヒレア「恐かったね……」

レン「あの、さ。おれ、ソフィアさんに重要な話が合って急いできたんだけど」

ヒレア「そういえば、ウベローゼンで違法ハーブを配ってる組織に殴り込むって言ってたわね」

レン「うん。でも直前で事件が起きて……案内してもらえるか?」

ヒレア「ええ。私も、ソフィアを迎えに行かないと」スクッ

レン「って、うわっ、ヒレアもらしてる! ばっちぃ!」

ヒレア「バカっ!」
516 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:52:35.03 ID:svxAH1iFo
ソピア「マリィィィィィン!!!!」

拳魔「うおおおお、おわあっ!?」ダダダダ スポッ

トール「敵が……消えましたね」

ハルカ「落とし穴でもあったのかな……」

拳魔「っと」ピョン

拳魔「誰ですか、こんな物掘ったのは!」

龍殺「私だよ〜」

ソピア「『龍殺』さん!」

ハルカ「知り合い?」

ソピア「私と同じくらいの年の普通の子に見えるけど、ああ見えて英雄の勲章を授与されてる子」

ソピア「本当なら共和国軍の六勇が対処しないといけないような古の神竜を一人で倒したって言われてる」

龍殺「拳魔さん、何してるのかな〜?」

拳魔「ああ、神殺さんことソピアさんが反乱を起こしたので、戦闘中なんですよ」

龍殺「じゃあこれなあに〜?」

拳魔「これは失敬。さっきの攻撃で町を壊してしまいましたか。ただ悪いのはそこの青く発光してる妖精で」

龍殺「パンケーキのおばちゃんのお店〜」

拳魔「はい?」

龍殺「ここの美味しかったのにな〜」

拳魔「は、はあ」

龍殺「おばちゃん怒るだろうな〜」

拳魔「後日、謝罪に伺いましょう」

龍殺「私も怒ってるよ〜!」

拳魔「それは申し訳ない」

龍殺「問答無用の〜、ドラゴ〜ン、パ〜ンチ」

拳魔「あはは、そんなゆっくりパンチぐおわあ!?」ドォォン
517 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:53:37.89 ID:svxAH1iFo
トール「当たってないのに吹っ飛びましたよ……」

ソピア「古の神竜は死んでなくて自分の中にいるって言ってた」

ハルカ「ってことはあの子のパワーは……」

龍殺「ドラゴ〜ン、しんこきゅう〜」ボォォォ

拳魔「この炎の勢い! さては彼女も古の神竜を殺さずに味方につけましたか!」

拳魔「ストップ! 話し合いましょう!」

拳魔「大人にはパンケーキよりも大事なものがあるんです!」

龍殺「う〜ん、でも私は、牢屋に閉じ込められた人を助けに来た人を止めるのは大事じゃないと思うな〜」

拳魔「あ、そこは忘れてなかったんですね」

拳魔「貴女、まさか貴族の味方をするつもりですか?」

龍殺「ううん〜。私は正しい方の味方〜。みんなが笑ってる方がいいよね〜」

拳魔「まだ貴女は小さいので知らないかもしれませんが、貴族はみんなの幸せを奪っていたんですよ」

龍殺「でも誰も死なないのが一番しあわせだよ〜?」

拳魔「はあ……子供特有の夢物語ですねぇ」

拳魔「いいですか。貴族を外に出すと」

龍殺「あなたも誰も殺さずに国を侵略から守ったんでしょ〜?」

拳魔「いや、最後まで聞いて下さいよ」

龍殺「あのね〜、夢は力で叶えるものだって、ドラゴンが教えてくれた〜」

拳魔「まあ、ある意味そうですが」

龍殺「みんなをしあわせにするために〜、あなたを力ずくで倒すよ?」

龍殺「ドラゴ〜ン、じだんだ!」ドゴゴゴゴ

拳魔「それ、自分が幸せになってませんが!?」

拳魔「ちょっと! パンケーキ店以外の建物も壊れてますから! 地震を止めてください!」

拳魔「瓦礫がこちらに……まさか!」ズシン

龍殺「ドラゴンのおふとん〜」

龍殺「神殺ちゃん〜、拳魔さんを地中に封印したよ〜!」

ソピア「めちゃくちゃだ……」
518 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:55:03.76 ID:svxAH1iFo
龍殺「牢屋の中は揺れてないから安心してね〜」

ソピア「あ、ありがとうございます……」

マリン「……」ガタガタ

ソピア「マリン、もう大丈夫だよ。なんで震えてるの?」

マリン「危険極まりないモンスターの片方、起きてるわー……」

ソピア「あ、軍の飛行要塞で言ってたね。古の神竜の事だったんだ」

マリン「プレッシャーで消滅しそうー……」

龍殺「ん〜?」

拳魔「噴射破魔掌!」ドォン!

ソピア「あっ、封印が……」

拳魔「はあ……こんなに苦戦したのは初めてかもしれません」

龍殺「まだやる〜?」スッ

拳魔「武器になりそうにない小さなスコップで一体何をするつもりですか」

龍殺「うふふ〜」(掘るジェスチャー)

拳魔「……降参です。ここで諦めても貴女に足止めされても結果は変わらないでしょう」

龍殺「己の実力を信じずしてそれでも男か〜! byドラゴン」

拳魔「自分は戦士ではないので、貴女から得られる技もないなら諦めますよ」

拳魔「ソピア・ウィンベルさん……貴女が新聞の一面を飾るのを楽しみにしていますよ」

ソピア「……共和国新聞でなく王国新聞の第一号を飾りますからね」

拳魔「それもそれで面白そうですね、では」スタスタ

ボコッ

龍殺「逃がさないよ〜」

拳魔「痛っ!? いきなり地面から飛び出ないでくれませんかねぇ!?」

龍殺「このまま逃がしたら後でまた邪魔しに行くでしょ〜」

拳魔「そんなまさか」

龍殺「事件が終わるまで私と遊んでてね〜」

拳魔「……は?」

龍殺「私がどうやってドラゴンさんを倒したか話してあげるから〜」

拳魔「……もう一声」

龍殺「ドラゴンさんの恥ずかしい秘密暴露しちゃう〜」

マリン「キャアアアーッ!!」

龍殺「ドラゴンさんが、海神さんも恐れおののく程の圧力を出してるから、ホントに知られたくない話だよ〜」

拳魔「聞かせていただきましょう」
519 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:56:11.18 ID:svxAH1iFo
龍殺「神殺ちゃん、がんばってね〜。ばいば〜い」

ソピア「うん、バイバイ……」

ハルカ「あの子、絶対ドラゴンいなくても曲者だよ」

トール「同感です」

ソピア「一緒に来てもらえば六勇の誰か一人くらい倒せたかも……」
520 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/20(土) 00:57:43.96 ID:svxAH1iFo
地味に6スレ目>>995を回収
今後、ごく一部除き基本的に安価無しで書きます
ここからはもはや自己満足、期待せずにどうぞ
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 02:42:43.68 ID:7q4GYgnuo

見てるよ
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 11:01:40.13 ID:NQpCocLy0
時間ないと安価って難しいからね…非安価でもいいから待ってる
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 20:24:01.03 ID:or63xjYTO
どうかソピアにハッピーエンドを
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/20(土) 22:16:25.87 ID:cBGO0NE0o
うん、安価とコンマにはもうたっぷり風呂敷広げてもらったし
あとは>>1が綺麗に畳むところを読ませてもらえればいいなと
525 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:01:04.69 ID:joEQYD89o
ヒレア「うう……」

ソピア「お姉ちゃん! よかった……!」

ヒレア「そっちも何とかなったみたいね……」

マリン「危なかったわー」

レン「あれ、ヒレアに妹なんていたのか?」

ヒレア「ソピアよ、この子」

レン「ソフィアさんはお姉さんだったはずだろ?」

レン「って、ここ、監獄じゃないか! どうしてここに? ここで何があったんだ? なんで小さくなっているんだ?」

ソピア「レンくんが全く話について来れてない!」

ヒレア「ここまで置いてけぼりだとどこから話していいかも分からない……」

レン「な、なんだよ。おれはのけ者にされてたのか!?」

アン「だいじょーぶ、あなたは間違ってませんよぉ」

アン「2日会わないとその間にとんでもないことになってるのがお嬢様なんですぅ」

ソピア「全く否定できない……」
526 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:01:41.51 ID:joEQYD89o
三行で分かるかもしれないあらすじ
・王政崩壊によって世間知らずの女の子ソピアは命を狙われる身になってしまった
・色々あった末にロリババア(呪いが解けると老婆になる幼女)になりさらに人間をやめた
・共和国軍との戦いが始まり、両親を含む貴族を監獄から助けたところ


レン「なにがなんだかわからない。特に真ん中」

ハルカ「キミは正常だよ」

レン「ラファたちになんて説明すればいいんだ……」

ヒレア「どう説明してもレンの下手な冗談だと思われるに違いないわ」

ソピア「冗談みたいな人でごめんなさい……」

トール「まだ、ソピアさんの素性を知らない人もいたんですね」

ソピア「クルトさんたちにもまだ教えてないよ」

トール「大丈夫でしょうか……? 彼らは共和制への移行を歓迎していたはずですが……」

ソピア「私、二人は敵にならないって信じてるよ」

マリン「あの程度の実力の魔術師なんて、今のソフィーの敵じゃないわー」

ソピア「そういうことじゃないよ……」

ソピア「たしかに共和制には賛成だって言ってたけど、今の軍のやり方は気に入らないとも言ってたもん」

レン「うん。おれにも、軍の悪事を許さないって言ってた」
527 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:02:11.42 ID:joEQYD89o
ソピア「あれ? レンくんはどうしてここに? クルトさんたちと一緒にいたんじゃ……」

ヒレア「ウベローゼンで何か事件が起きたって言ってたわ」

レン「そうだ! おれはそれを伝えるために走って来たんだ」

ソピア「どうしたの?」

レン「クルトさんがいなくなった!」

レン「今日の昼から薬物をばらまいてる奴らのアジトを叩くって言ってたのに……」

レン「妹のミルズさんにも何も言わずに消えてしまったんだよ!」


ソピア(クルトさんは心を読んだ時に、自分は嘘をついていると言っていた……。まさか?)

マリン「裏切ったのねー」

トール「それよりも……勘づかれて敵に捕まった可能性の方が高いと思います」

ハルカ「拷問されてたら他の仲間も危ない。作戦はやめて逃げた方が……」

レン「とんでもない! このままだとおれたちの町のみんなが中毒者にされてしまう!」

ソピア「じゃあ、作戦は実行するの?」

レン「そのつもり。だからミルズさんに頼まれたんだ」

レン「ソフィアには頼らないって言ってたけど、状況が悪化したから協力してくれないか、って」

レン「だから明日の朝、ウベローゼンに来て欲しいん……だけど……」
528 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:02:42.36 ID:joEQYD89o
イデア「不可です。恥を知りなさい」

ソピア「イデアさん!?」

イデア「黙って聞いていましたが……貴方も私達の状況は理解しているはず」

イデア「国家の未来と我々の命を賭けた戦いの最中、町一つの危機を救っている暇などないのです!」

ソピア「……そこまで言わなくても」

イデア「いいえ。ソピア様には助けに向かうという選択肢が芽生えていた」

イデア「そのような顔をされていました」

ソピア「……」

イデア「我々の目的は国の奪還です」

イデア「すでに共和国軍へ宣戦した以上、引き返すことはできません」

ソピア「そう、ですね……」

ソピア(故郷がピンチだけど、私も今が正念場)

ソピア(まだ助けたお父様の顔も見てない。今の私にミルズお姉ちゃん達を助ける余裕はない……)

ヒレア「そういうわけで、ごめんなさい。レン」

ヒレア「それどころじゃないの」

レン「わかった……」
529 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:08:01.69 ID:joEQYD89o
怪鳥「クエエーッ!」バサバサ

レン「も、モンスター!」

イデア「いえ、これはレオナール様のお仲間の不死鳥です」

ハルカ「あ、手紙を持ってる」

トール「どうやら、向こうも片付いたようですね」
530 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:44:56.13 ID:joEQYD89o
数刻前……共和国軍駐屯地前。


フォレストウルフ「グルル……」

ポイズントード「ゲコロロロ」

ヒートキラービー「……」ブゥウウン

レオナール「紹介しよう。我輩の仲間たちである」

レオナール・グザヴィエ。

かつてはアウトドア趣味の男爵であったが、革命後、森林の中で生きている内にモンスターと心を通わせるようになった男だ。

彼の呼びかけに応じて、ありえない程の数のモンスターが鉱山の町シスヤタの市街に集っていた。


ウィア「壮観だな。町の警備隊は何やってるんだか」

マッド「皆、駐屯地か監獄の警備のために召集されたのでしょう……」

掃神「…………」ウズウズ

猫姫「この子たちは掃除しちゃダメにゃ」

ウィアことウィルアック・ヨークフィールドは顔の広さと親友であるマッドの能力を活かして逃げ延びてきた。

道化師の姿をした執事マッドはパフォーマーとしての経験により、気配の強さを自在に操る事ができるのだ。

共和国軍から強者の勲章を与えられた『掃神』『猫姫』の二人もウィアに協力していた。


兵士「モンスターの群れだ! 応戦しろ!」

ミハイ「ふむ、兵士が出てきたな」

フルフィリア王家最後の一人、ミハイ・オフィリアス・ド・フルフィリア5世。

優れた知性とコレクションしていた不思議な道具の数々で、軍の追っ手から逃れてきた。

ミハイ「さあ、時は来た。進軍しよう」
531 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:45:49.18 ID:joEQYD89o
数十分後。

スナイパーセイウチ「タウ!」ダン

兵士「ぐああああっ!」

ジャイアントラビット「ウサァ!」ブンッ

兵士「クソ、キリがない!」

かつてない規模のモンスターの群れに共和国軍兵士は苦戦を強いられていた。

そもそも、軍人の仮想敵は人間である。

特に対人格闘術の類はモンスター相手にはまるで通用しなかった。

上級魔法兵「助太刀致します!」

兵士「おお! 魔導長直属の……助かる!」

上級魔法兵「強いエネルギーを秘めた結晶です。爆発するので近づかないように!」

ドォン ドォンドォン


レオナール「ぬう……仲間達が次々と……!」

ウィア「そろそろ俺達の出番かい?」

ミハイ「ああ。頼むよ」

ミハイ「強者の勲章を持つ敵には気を付けたまえ」


掃神「…………掃技、バイオレンスワイパー」

ガガガガガガッ!!

兵士「な、なんだ!? ぎゃあッ!!」

上級魔法兵「強者、掃神……! うぐっ!」

掃神はその名の通り、掃除界の神、最強の清掃員と称されている。

社会の最下層に属しながらも百の兵士に相当する実力を備える彼の仕事場は、危険なモンスターが跋扈する下水道だ。

広範囲を薙ぎ払う彼のモップ捌きは、血や毒液、トラップの類の一つも残さない。

兵士「矢の雨も一瞬で掃除されちまう! 一体どうすりゃいいんだ……」

兵士「不味いぞ、爆発する結晶が取り除かれた!」
532 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:47:32.19 ID:joEQYD89o
猫姫「出番にゃよー! みゃーの娘たち」ババッ

フィギュア「ニャー!」

マグネット「ニャー!」

キーホルダー「ニャー!」

兵士「おい、何か来るぞ!」

猫姫「カバンを叩くとねこが二倍、も一つ叩くとねこが四倍♪」

カフェ:ねこまみれ店主である猫姫のもう一つの顔が芸術家である。

彼女の作るねこ型の小物は魂を持っており、持ち主の呼びかけに応じて動く事で人気だ。

特に、製作者本人が使役した場合、ねこ達は完全に破壊されるまで止まらない無敵の兵隊と化すのだ。

マグネット「フシャー!」ザクッ

兵士「ちぃっ! 治療頼む!」

兵士「視界一面ネコしか見えねぇ」

兵士「おい、防衛線突破されるぞ!」

上級魔法兵「本体を叩く!」ゴゥ

猫姫「ねこシールドだにゃ」

刺繍「ニャフ」パクッ

ロリータ服のスカート部分に施されたネコの刺繍が火炎弾を食べて、満足そうに微笑んだ。


ダダダンッ!

ジャイアントラビット「ギャウ」ドサッ

掃神「……かはッ!」ガク

レオナール「ぐおおっ……腕をやられた!」

ミハイ「狙撃だ! 皆、伏せたまえ!」

ウィア「義銃がいたか……」

憲兵隊所属の強者『義銃』は、市民を守る事に対する強い責任感と熱い心で知られるスナイパーだ。

狙撃でありながら複数の対象へ連射を行い、しかもその銃撃を99%外さない腕を持つが……

一方で、同時に100人の兵士を相手取る百兵の試練では、狙撃銃を使わずに根性で何度でも立ち上がり拳で全員を倒す体力を見せつけた。


ミハイ「レオナール君、大丈夫かい」

レオナール「我輩は問題ない。だがこのままでは、仲間が全滅してしまうのである!」

発砲音は絶える事なく続き、次々とモンスター達が倒されていた。

ウィア「待った。音がしないか?」

ギュオオオオ ドン! バゴン!
533 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:48:46.62 ID:joEQYD89o
珍走「オラオラオラァァァ! ワイ様のお通りでァァァいッ!」ギコギコギコ

破壊音の中心に、三輪車を漕ぐ男がいた。

裏の世界で用心棒をしていた彼は、圧倒的な脚力でペダルを回すため、二輪車ではバランスを崩し派手に転んでしまうのだ。

なお、本人はカッコいいと思っている。

義銃「珍走殿! いたずらに建物を壊してはなりません!」

珍走「その名前で呼ぶなやァ! ワイは珍奇じゃないっちゅうねん!」ギコギコギコ ドゴォン

珍走「これがワイの戦いのスタイルや! 文句は受け付けへんでぇ、王都のおまわりさんよォ!」ギコギコギコ

義銃「本官は……基地の防衛のために、悪を野放しにしなければいけないのでありますか……ッ!」

義銃「目の前で、罪なき市民の帰るべき家が破壊されていると言うのに! うおおおおん!」

珍走「泣いてへんで撃てやコラァ! ワイ一人じゃ捌き切れへんで!」ドン バゴォン

三輪車に接触したモンスターが宙を舞う。

しかし、猛進する三輪車は反動を感じさせずに暴走り続ける。

キーホルダー「フニャ」バゴン

フィギュア「ニャブグ」グシャ

猫姫「にゃああ! みゃーの娘たちがぁ……」

ミハイ「危険だ。皆、僕に繋がれ」パシッ

フッ

珍走「何や!? 連中が目の前で消え失せたで……?」

義銃「うおおおお!」ダダダダダンッ!

上級魔法兵「先にモンスターを片付けてください!」


ウィア「これが、例の『世界の裏側』か」

ミハイ「いかにも。静かなものだろう?」

ウィア「音もなく建物が破壊されてるってことは、外ではまだ三輪車が暴れてるって事だな」

レオナール「我輩の仲間が……!」

猫姫「みゃーの娘もほとんど残ってないにゃー……」

ミハイ「しかし、今全滅するわけにはいくまいよ」

掃神「…………何か策が?」

ミハイ「残念ながら、無策だ」

ウィア「おいマジかよ」

ミハイ「幸い、10分はこちらにいられる。今のうちに体勢を整え、有利な位置で戦闘を再開しよう」
534 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:49:18.44 ID:joEQYD89o
義銃「一段落ついたであります」

珍走「アホ。人っこ一人倒してへんやないか」

珍走「まさか自分、人を撃つ覚悟がないねんか?」

義銃「失礼な! 本官はいつでも全力で……」

「イヨォォォォオオオオ!!」

パカラッ パカラッ

珍走「馬かいな?」

義銃「いえ、あの方は……!」

騎士長「わぁれこそはぁ!! サウソーシャ騎士団長であぁぁぁるっ!!」

珍走「嘘やろ!? あのジジイは監獄に囚われてたやないか!」

義銃「監獄が破られたのでしょう! くううッ!」

珍走「ええわ! ワイが討ち取ったる!」ギコギコギコ

義銃「む、無茶であります!」

「君の相手は先生です」

義銃「何者!」ジャキッ

先生「お久しぶりですねおまわりさん。春の防犯指導教室ぶりですよね」

義銃「貴女は、元・英雄『教弾』……! いつ、本官の背後へ……!」

先生「銃撃無しのガンカタ……つまり格闘で突破してきました」

先生「こんな夜更けに発砲なんてしたら、子供たちが起きちゃうでしょう?」

義銃「配慮には及びません。付近の住民は避難済みであります!」

先生「では、撃っていいという事ですか」チャッ

義銃「……!」ゾクッ

義銃「戦っていいのでありますか! 貴女は、生徒を人質に取られていたはず!」

先生「おまわりさんのそんな言葉を聞いたら皆、悲しむでしょうね……」

先生「私はこの戦いで大切な人を失いました」

先生「私は、彼のために……生きるために戦います」

義銃「くっ…………いいえ! どんな理由があろうと、本官は正義のために貴方を逮捕するであります!」

義銃「覚悟ッ!」バッ

先生「……リミッター解除!」ギュン
535 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:50:18.04 ID:joEQYD89o
元王国軍元帥である騎士長の力は、馬の潜在能力を限界に引き出すという物であった。

馬の範疇を超えた馬、そのいななきは悪魔さえも震え上がらせ、その突進は大型モンスターでさえ地の果てに吹き飛ばす。

騎士長「若造が! 我に勝とうなぞ60年早いわぁぁ!!」

珍走「アカン……ただの馬が化け物になっとる……」


義銃「これが英雄と強者の格の違いでありますか……!」

ウベローゼン東小学校の先生『教弾』は義銃をも上回る対人不殺主義者である。

彼女は、とうとう一度も発砲することなく共和国軍の軍勢を蹴散らしてしまった。

先生「大事な形見の銃は、汚したくありませんからね」


こうして、脱獄者二人の活躍により攻略班も大きな被害を出さずに駐屯地の奪取に成功した。
536 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:50:50.86 ID:joEQYD89o
戦いを終えた王子と4人の貴族は、仲間達に警備と後始末を任せ、シスヤタ駐屯地の会議室に集まっていた。

ミハイ「一人も欠ける事無く再会できた。大変喜ばしい事だね」

ウィア「ひとまず、お疲れ様だな」

ミハイ「助けた貴族は騎士の者達に誘導させているよ」

ミハイ「兵舎も決して広くはないが、監獄よりは過ごしやすい環境だろう」

ソピア(アンはけが人の治療、ハルカさんは見張り番、ヒレアお姉様とレン君は助けた人たちに振る舞う料理の手伝い)

ソピア(トール君は、監獄に移送中の兵士が抵抗したら魔法で鎮圧するために、騎士の人たちに同行している)

レオナール「10人以上の強者が守っていた中、よくも突破できたものである……」

ウィア「つっても、俺たちの方はお互い2人ずつだったわけじゃん?」

ミハイ「救出班のソピア君たちには感謝しなければいけないな」

ウィア「よっ、やるな英雄!」

ソピア「いいえ……私じゃないんです」

ミハイ「ふむ。ロット、と言う青年が戦っていたのだったね。本来なら勲章級の働きだ」

ソピア「ほとんどの兵士と強者はロットさんが倒したんです」

ソピア「ロットさんがいなかったら、もっと時間がかかっていたかもしれませんし、最悪、私達が負けていたかもしれません」

ウィア「そしたら俺たちも義銃たちにやられてたわけだ」

レオナール「せめて、きちんと弔っておきたいのである」

イデア「いいえ。そんな時間はございません」

イデア「私達の反乱と勝利は、すでに六勇の耳にも入っているはず」

イデア「今すぐ襲撃される可能性も十分にあるのです」

イデア「急いで次の策を決めなければいけません!」

ミハイ「イデア君の言うことももっともだ」

ミハイ「では僕から次の行動を説明させてもらうよ」
537 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:52:24.53 ID:joEQYD89o
ミハイ「日が昇ると共に大統領選が始まり、正午以降、集計が終わると引き続き大統領就任式が開かれる」

ミハイ「共和国軍の重役は皆、そちらにかかり切りで思うように動くことはできない」

ミハイ「だからこそ、この駐屯地を奪えたのだからね」

ミハイ「僕たちはこのまま南へ進軍し、ウベローゼンの陸軍基地、ハーバリアの海軍基地を落とす」

ミハイ「僕たちに対抗できる強者も残り少ない。ほとんど手間はかからないさ」

ヒレア「……要するに私が町の人も兵士も、霧で全部眠らせちゃえばいいのね?」

ウィア「なんで君がいるんだ?」

ヒレア「ソピアの保護者だから」

イデア「助けた者達はいかがなさるのですか?」

ミハイ「連れて行く。戦闘中は町の外、山の中に待機してもらうが、生きるためなのだから我慢してもらわねばならない」

ミハイ「幸い、野生モンスターは僕たちの味方だ。むしろ山の方が安全と言える」

ミハイ「そして、海軍基地を落としたら、全員、軍艦に乗り込み国外へ逃亡する」

ミハイ「聖教国かサロデニア共和国なら亡命を受け入れてくれるに違いない」


マリン「はーい! 聞いて聞いてー!」

マリン「ワタシはラヌーンの海神よー」

マリン「海にさえ逃げれば、海流を操作して誰にも近づけないようにできるわー」

マリン「さらに、海の繋がってる場所なら、どこへだって一瞬で行けちゃうわー」

マリン「亡命できなかったらいっそ逃亡貴族だけでどこかに国を作っちゃえばいいんじゃないかしらー」

マリン「ラヌーンの二の舞にならないことはワタシが保証するわー♪」

ミハイ「だ、そうだ。心強い限りだね」
538 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:53:05.99 ID:joEQYD89o
イデア「では、その方針で……」

ウィア「反対」

ミハイ「どうした、ウィア君? 他の策があるならば聞かせたまえ」

ウィア「その作戦、六勇にエンカウントした瞬間終わりじゃね?」

ウィア「強者がほとんどやられたんだから、大統領選に出てない一人か二人が出張って来るだろ」

ミハイ「一応、遭遇した際に使う道具もいくつか用意しているさ」

ミハイ「例えば……この、刺した相手を弱体化させる針、のようにね」

ウィア「それを当てられる保証も効く保証もないんだろ?」

ウィア「それよりも、俺は確実な手段を取りたいな」

レオナール「ほう。自信たっぷりであるな」

ウィア「人質だよ。元帥の娘、エイラ・ブラッドレイちゃんを誘拐する」

ウィア「そうしたら元帥は慌てる。元帥のわがままで軍の内部も混乱、大統領選も混乱」

ウィア「軍の統率が乱れて各々勝手な行動を取りづらい、その隙をついて王子の案の通り海へ脱出」

ウィア「完璧だろ?」

ミハイ「元帥が暴走する、あるいは元帥が無力化されたら余計に状況は悪くなると思うがね」

ウィア「じゃあこうしよう。保険として女帝の娘も誘拐する」

ヒレア「……女帝に娘がいるの?」

ウィア「いるよ。絶縁状態だっていうけど」

ヒレア「それじゃダメじゃない」

ウィア「でも、女帝は会えない分、娘の事を人一倍愛している、って聞いた」

ウィア「信頼できる情報筋から聞いたから間違いないぜ」

ウィア「二人ともウベローゼン在住だよ」

ヒレア「エルミスを連れてくるだけなら簡単そうね」

ヒレア「どうしても見つからないなら、やっぱり私が霧を出してみんな眠らせてから探せばいいし」

ヒレア「女帝の娘をどうやって探すかが課題?」
539 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 14:55:45.41 ID:joEQYD89o
レオナール「いずれにせよ……ソピア殿に頼りすぎであるな」

レオナール「ソピア殿?」

ソピア「んぁ……」

ウィア「あははっ、寝てるし」

イデア「起きてください! 大事な話の最中です!」

ソピア「うぇ……? あ、あー! ごめんなさい!」

ミハイ「許してあげたまえ。子供の身で徹夜したのだ。無理もない」

イデア「しかし、意思を確認しておかなければ。いずれにせよ、作戦の中心はソピア様なのですから」

ソピア「えーと、とにかくがんばります……」

イデア「きちんと概要を聞いて選んでください!」


ソピア(まとめると)

ソピア(強行突破を試みたら、たぶん女帝・貴腐・白服の誰かと戦う羽目にはなると思う)

ソピア(でも、六勇が相手なら、魔人先生を呼び出せば助けてくれるんだよね)

ソピア(人質作戦の場合、少数でウベローゼンに入って、兵士に見つからないように主に女帝の娘を探すミッションになる)

ソピア(でもすでにエルミスには人質のルーンを刻んであるから、私が念じるだけでどこからでも命を奪える)

ソピア(その事実を伝えるだけでも作戦は最低限成功するから、お手軽ではあるね)


※戦闘安価は全カットしましたがルート安価は残します

1.強行突破!海外脱出!
2.人質を連れて安全に逃げる!

↓2前後までで、コンマが高いレス採用(魔法などの自由記述も採用するかも)
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 15:03:16.67 ID:QA7xRX3bo
これは1かな
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 15:34:46.25 ID:kPo5Px+qO
エルミスの件あるし女帝の娘を味方に取り込めないかな安価は2
542 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:35:30.81 ID:joEQYD89o
ソピア「王子様に賛成です。強行突破しましょう」

ソピア「女帝の娘が見つからなかった場合、時間のロスになります」

ソピア「それよりは一気に突き進みましょう!」

ソピア「六勇が現れたら、私にも対抗手段があります」

ソピア「万が一の時は、私と王子様に任せて下さい」

ミハイ「ウィア君、それで構わないかな?」

ウィア「いいよ。ソピアちゃんが首を縦に振らなきゃ俺の策も実現しないからな」

ミハイ「仮眠と食事を取ったら行軍を開始する。日の出とともに出発だ」
543 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:42:10.00 ID:joEQYD89o
駐屯地、食堂。

ガヤガヤ

貴族「このような質素な食事がこれほど美味しく感じるとはね」

貴族「やはり贅沢は敵ですわね」

貴族「野菜は嫌いなのだ」ポイ

貴族「おかわりはまだなのか! 朕を待たせるとは何事じゃ!」

トール「すみません! 食事は一人一膳しか用意できなかったんです……」

アン「騎士長さん。ごはん、置いておきますよぉ」

騎士長「……」ボケー

アン「大丈夫ですぅ?」

側近「久しぶりに馬に乗ったので疲れているんです」

アン「なるほど……」

アン(馬から降りたらただの後期高齢者ですねぇ……)

ハルカ「ねえ、ソピアさんのご両親を見てない?」

アン「はれ? そういえばまだウィンベル夫妻を見てませんねぇ」

ハルカ「ソピアさんもまだ挨拶してないって言うから、先に探しておこうと思ったんだけど……」

ハルカ「もしかして、ここにいない、なんて事ないよね?」

アン「そんなことないと思いますけどぉ……」
544 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:43:54.48 ID:joEQYD89o
シスヤタ大監獄、最奥の牢。

生きていた兵士と強者たちは騎士たちに連れられて閉じ込められていた。

負傷した兵士には衛生兵が傷の手当てをしている。

大壁「なぜ、私を射たのだ! 絶対に許さないぞ!」

堅嵐「…………俺の射線に入るのが悪い」

大壁「貴方の射線は正面全てでしょう!」

金錨「バッキャロー! 狭い牢屋でケンカしやがんじゃねぇ! 生きてるだけで儲けもんだろがい!」

珍走「どないや、初めて逮捕された感想は?」

義銃「屈辱の極みでありますッ!!」

鷲男「私は不審人物として逮捕された経験があるから何ともないぞ。それもヒーローの定めさ!」

焔華「死んだのは恐愛と、凶爪さんですか……」

死神(凶爪の死体を処分できなかった俺様もいずれ協会に処罰されるだろう……)

死神(だが、ここにいる限り極めて安全だ。来るなら来い! アサシン協会の刺客よ!)
545 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:45:26.56 ID:joEQYD89o
監獄の外。

「ふ、ふふ……」

その一角で死んだように倒れていた憲兵服の男が、薄笑いを浮かべて立ち上がる。

恐愛「ふふふふふ……!」

恐愛「愛がある限り、私は不滅!」

恐愛「愛の力で囚われの皆を助け出さねば!」

恐愛「そして愛を理解できない貴族とその協力者達に愛を刻むんです!」

恐愛「この、拳でッ!」グッ

魔導長「待ちなさい」

恐愛「っ! 魔導長殿に、敬礼!」ビシッ

魔導長「無事だったか。戦いに行くのはやめなさい」

魔導長「シスヤタ市の戦いは我々の敗戦で終わったよ」

恐愛「いえッ! 私の愛はこんな所で燃え尽きません!」

魔導長「キミが軍を愛しているのならば、ワシらに協力して欲しいんだがね」

魔導長「どうやら、軍に第三者が介入しているようなんだ」

恐愛「なんと……!」

魔導長「教官長からそう連絡を受けた。憲兵として、キミも無視できなかろう?」

魔導長「ワシは王都へ向かうが、キミはどうする?」

恐愛「仲間を見捨てて行くというのは……」

魔導長「……すでに騎士長が解放されておる。残った所で馬に轢かれるのがオチじゃぞ」

魔導長「騎士長を正面から倒せるのは今の元帥『重壁』以外におらん」

魔導長「ワシがいれば逃げ切れると思うが……それでも残るかい?」
546 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:48:47.79 ID:joEQYD89o
イデア「皆様、改めて、よくぞご無事でいらっしゃいました」

騎士「まさかヴァレンティン嬢に助けられるとは……」

騎士「その御恩に報いるため、全身全霊をもって戦わせていただく所存です」

騎士「騎士団領に馬を飛ばした。じきに皆も駆けつけてくれる。我らの反撃の始まりです」

名誉騎士「イデア」

イデア「父様!」

名誉騎士「娘を町に残しておいた判断は間違っていなかったようだ」

名誉騎士「お前はもう一人前の騎士だ」

イデア「ありがとうございます。ですが、私の技量はまだ半人前の身」

イデア「父様、これからも騎士の模範として私を導いて下さい」


レオナール「おお! 我が妻よ! 息子よ!」

レオナール「レオナール・グザヴィエ。ただいま迎えに参ったのである!」

妻「え、ええっ……あなた、なの?」

息子「少し、離れてくれよ。臭い」

レオナール「む、むう」

レオナール「しかし! この姿は我輩が山で生き延びた事の誇りなのだ」

妻「せめてもう少しは身だしなみを整えた方が良いですわ」

息子「ほぼ原始人じゃないか。貴族失格」

レオナール「ぬう……」


友人「おーっすウィアー! 俺のために助けに来てくれたんだな!」

友人「テメエならやってくれると思ってたぜ!」

ウィア「いや、お前らはついで。俺は女の子を助けたかっただけさ」

先生「ご無沙汰しております」

ウィア「相変わらず綺麗だね。さっきは、俺のために戦ってくれてありがとう。なんてな」

先生「あなたのためではありません」

ウィア「でもさ、もうロットは死んじまったんだろ。ここらで俺に乗り換えない?」

先生「…………」

友人「おい……その口説きはありえねぇよ……」

マッド「…………失礼ながら、今のウィア様は糞野郎でございます」

友人「コイツだけは処刑した方が世の為になんじゃねーか?」

ウィア「こりゃ参ったね」
547 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:49:16.70 ID:joEQYD89o
ソピア「……お父様は?」

ハルカ「……ごめん」

アン「とうとう見つかりませんでしたねぇ」

男爵「ちょっと、いいかい」

ソピア「はい?」

男爵「君たちが助けに来る直前、僕は見たんだ」

男爵「僕の近くにいた2人の男女が消えてしまう、その瞬間を」

男爵「もしかしたらあれが君のご両親だったんじゃないかって思ったんだけど……」

ソピア「消え、た……?」

アン「どんな消え方でしたかぁ?」

男爵「パッ、て。姿が薄くなっていくわけじゃなくて、まばたきの瞬間に消えたよ」

ソピア「どういうこと……?」

トール「召喚魔法の類じゃないかな、と……」

ソピア「それって!」

トール「……ピンチですね」
548 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:50:31.72 ID:joEQYD89o
ウベローゼン市、ブラッドレイ邸。

元帥に招かれた魔法を解く専門家が、エルミスの腕に刻まれたルーンを見ている。

黒魔術師「驚くほど強力な術者による魔法です……」

黒魔術師「解除できる者はフルフィリア国内にいるかどうかも怪しいです」

元帥「物理的に消すことはできないのか?」

黒魔術師「ルーンは入れ墨のように、内側に刻まれています」

黒魔術師「腕の肉を大きく削がなければ消すことはできません」

元帥「ならんッ! エイラを傷つけてなるものか!」

エルミス「……」

元帥「こうなったら術者を直接……!」

エルミス「やめて父上! そんなことしたら、ソフィーと違ってあの人は容赦なくわたしを殺すわ!」

元帥「……いかん、焦っているな」

母「あなた、お客様ですよ」

女帝「おはようございます。元帥、エイラちゃん」

元帥「海軍大将か」

女帝「ウフフ、調子はどう?」

元帥「難航している……。フルフィリア最強の魔術師を不意打ちし一撃で葬る以外に選択肢がなくなってしまった」

女帝「それは私達でも難しいわね」

元帥「できるとすれば陸軍大将か憲兵隊長だが……」

女帝「二人とも今日は大統領選に出馬しているから動く暇が無いわ」

女帝「それは貴方もよ、元帥殿?」

元帥「うむ。時間が押している。そろそろ王都へ向かわねばならん」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 17:51:04.30 ID:wWg2/9bHO
おおおおお!!待ってた甲斐があった
550 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:54:25.29 ID:joEQYD89o
女帝「……エイラちゃんの事は私に任せて下さらない?」

元帥「信頼していいのか?」

女帝「プレゼントよ。持ってきて頂戴?」

上級魔法兵「はっ」ドン

女帝の部下が厳重に縛られた男女を床へ突き飛ばした。

女「うっ……ソピア……」

男「弱音を吐くんじゃない……。心で負けたら駄目だ……」

元帥「彼らは?」

女帝「昨晩、帰った後すぐに部下に命じて呼び出した、ウィンベル男爵とその夫人よ」

エルミス「……!」

男「頼む、私達はどうなってもいい……ソピアへの拷問はやめてくれ……!」

女帝「貴方達に主張する権利はないのよ」

女帝「先に仕掛けて来たのはソピアちゃんの方じゃない?」

男「ふざけるんじゃない! 先に狼藉を働いたのは共和国軍、お前たちじゃないか!」

元帥「……芯の強そうな男だが、交換条件を飲ませられるのか?」

女帝「私、交換条件を突きつけるなんて言ってないわよ」

女帝「それとも、エイラちゃんにこんな事をしたソピアちゃんに、ただでご両親を返してあげていいの?」

元帥「やはり……お前は恐ろしい女だ」

元帥「ただ、やりすぎないようにな」

女帝「ウフフッ……。元帥殿の分も残しておかなくちゃね?」

元帥「その通りだ」

元帥「仮に他の貴族を許しても……ソピア・ウィンベルにだけはこの手で報復せねば気が済まんのだ……!!」
551 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 17:58:30.72 ID:joEQYD89o
女帝「ウフフ……。さあ来なさいソピアちゃん」

女帝「まさか王都へ行くはずもないし、貴族を連れてくるならこの町しかないわよね?」

女帝「この六勇『女帝』が、貴女に地獄を見せてあげるわ……」

女帝「ウフッ、ウフフ、ウフウフフフフッ!!」


↓ 出番多い割に名前の無かった女帝の苗字を募集
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 18:01:17.49 ID:wWg2/9bHO
フリンデル
553 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 18:05:36.75 ID:joEQYD89o
『女帝』海軍大将フリンデルさんに決定、どことなく優雅さと妖しさを感じる気がします

女帝の娘は探さなくてもいずれ登場するので決めておきました



39日目終了

【ステータス】
ソピア=ウィンベル(魔:ソフィア 旅:ルーフェリア)
見た目:11歳(本来72歳)・スカイブルーの瞳・黒髪ふんわりロングパーマ(桃色のリボンで二つ結び)・小学校の制服風・ムーンストーンの杖(知20)・ストーンキューブ
所持金:9520G
アイテム:
ウベローゼン市地図・旅人ギルドカード・共和国軍の勲章・永遠の薔薇・野営セット・銀の短剣・ナイフ・金槌・ハサミ・ドライバー・ライター・花柄の傘・平和のロザリオ
魔人ルーン×3・ポーション×2・回復の杖・自動迷彩マント・催涙スプレー・海子の杖
薄汚れた赤ずきん・エセ探偵セット・女中の服・緋袴・海子の服・ヒレアのおさがり・強化繊維インナー(防小)・シューズ
桃色のリボン・リボンカチューシャ・アザラシ革の手袋
オニキス×2・琥珀の欠片・火魔術結晶・キングウォッチ・クロノクロウの羽・チャンピオンツタベルト・光るビン・ステンレス・8色カラーキューブ
樹魔術の書・重力魔術の書
ウサギなエプロン・ネコのぬいぐるみ・ヘヴンズクッキー

ジョブ:月魔術師・旅人
スキル:全属性魔術・妖精対話
 ダンス・料理・長旅歩き・小休止・脱兎・騎馬・野営・夜目・受け身・考察・探し物

体力32/32 精神52/52
筋力30 敏捷44 知力70(90) 器用20 交渉力70 魔名声83 旅名声128 注目度10
経験値:体7・精47・筋0・敏67・知0・器83・交31


知り合い
高圧的な16歳サイズユーザー:エルミス「一生わたしに尽くしなさい!」(主従:99.99)
文系15歳美少年風魔術師:トール「永遠の愛をあなたに」(恋人:14.99)
お喋りな16歳ホワイトシーフ:フィナ「……死なないでよ」(友達(仮):10.61)
心優しい義姉13歳吸血鬼:ヒレア「今日から私がお姉ちゃんね」(義姉妹:10.15)
あざとい17歳メイド:アン「ソピアについて行きますよぅ」(大親友:10.04)
控えめな18歳アーチャー:ハルカ「キミに命を預けるよ」(仲間:X.XX)
ジト目12歳白魔術師:ラファ「助け合うのですよ」(仲間:X.XX)
ボクっ娘ブラコン16歳女水魔術師:ミルズ「ソフィアもボクのモノ」(??:10.56)
頭脳派長身18歳岩魔術師:クルト「俺の味方か……」(??:10.18)
おしとやかな12歳商売人:フローラ「お気遣い頂き感謝します」(仲良し:7.88)
魔法街の仕立て屋人形:クリスティ「別人になった気分ですっ」(仲良し:7.14)
明るく優しい22歳ホモ日魔術師:キュベレ「結果的に…息抜きになったかしら?」(友人:4.25)
宿屋のおばちゃん:メリル「すっかり有名になっちゃって、大丈夫かねぇ」(親しみ:3.31)
武人な19歳火魔術剣士:テンパラス「英雄か……」(知人:2.02)
皮肉屋な22歳男コンバット:ロット「後は頼んだ」(死亡:-.--)
色男な24歳レンジャー:オルド「あの娘がラヌーンを発見したってマジかよ」(知人:1.59)
正統派シスター19歳聖教徒:テレサ「クルトさんの師匠なんですか?」(知人:1.42)

上がり症16歳ボーカリスト:ポロ「わ、私……負けませんから」(協力者:X.XX)
お調子者13歳黒魔術師:レン「おれの呪いで2人を助ける!」(協力者:X.XX)
フランクな24歳セラピスト:サナ「久しぶりの地元だね」(仮協力者:X.XX)
554 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 18:07:41.30 ID:joEQYD89o
ソピア、逃亡40日目の朝。

ウベローゼン市に朝日が昇る。

宿屋の主人メリルが早朝から仕込んでいた朝食を宿泊客に運んだ。

メリル「今日はいよいよ大統領選、共和国の新たな出発点だねぇ」

メヒィアス夫人「あたしらには関係ない事だがね!」

メヒィアスさん「……」コクリ

社会の底辺、清掃員として生きているメヒィアス夫妻にとって、誰が大統領に選ばれたとしても生活の変化には期待できなかった。

キアロ「俺はもう投票に行ってきた」

メリル「あらお早い。おばちゃんは忙しいからギリギリになりそうだよ」

キアロ「ワケがある。まだ広報されてないが……実は昨夜、麓町の方で王子と貴族たちが駐屯地と監獄を制圧したらしい」

メリル「まぁ! 最後の抵抗ってところかねぇ」

キアロ「この町に戦火が広がる恐れがある。有事の際にすぐ動けるよう用事は早めに済ませておいたんだ」

キアロはウベローゼン市の病院に所属するベテランのレスキューである。

人命救助を優先するが、いざという時には戦闘を行う覚悟も持っていた。
555 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 18:09:05.87 ID:joEQYD89o
バタン

オルド「ルーちゃんいるかー?」

メリル「いないよ」

オルド「えー、なんだよ。選挙行った後また遺跡探検に行こうと思ったのによ」

オルド「なんか今日人少ねーな。珍しくウィアもいねーし」

彼は宿屋の隣のバーを根城にしているレンジャーのオルドである。ルックスに恵まれているが趣味は酒と女遊びだ。

オルド「ロットも帰ってこねーし、オレ、孤独だ……」

オルド「孤独を紛らすにはこれしかねーな……」スッ

キアロ「おい、それは何だ!」バッ

メリル「違法ハーブじゃないか。最近流行ってるって聞くけど、あんたもかい……」

メヒィアス「あたしらも押しの強い勧誘を受けたけどね! 続ける金がないって言って断ったんだよ!」

オルド「ちょっとだけだから、返してくれよ」

キアロ「駄目だ。正しくないハーブの使い方は身を滅ぼす」

オルド「ちぇっ……」

メリル「革命が終わって一月以上経ってるのに、前より治安が悪化しているってどうなんだかね」

キアロ「……今日にでも一波乱あるかもしれない。皆も用心してくれ」

宿屋を照らす朝日を一筋の雲が覆い隠した。
556 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2017/05/31(水) 18:12:50.43 ID:joEQYD89o
というわけでようやく監獄編終わりです、大変お待たせしました
次回はウベローゼン・違法ハーブ編、黒幕の姿が見えてくる話になると思います
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