元お嬢様「安価とコンマで最終決戦?」元メイド「8ですぅ」

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250 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/24(木) 22:59:46.53 ID:6nj1zO/+o
ヒレアは白魔術が成長しました
浄化は戦意を喪失させることができますが、相手に悪意が無い場合は効きづらい



〜トールのスキルセット〜

体力45 精神20 筋力10 敏捷15 知力80 器用55 交渉力90

現在トールくんは
『風魔法:殴』『エアバッグ』『つむじ風』『追い風魔法』『停止魔法』『気配・属性・魔力察知』『気流・気温制御』『速読』
を持っています

攻撃力は控えめですが戦闘時のサポートに長け、特に気配察知と停止魔法で先手を取って無力化することもできます

『風魔法:斬』…風の刃で切り裂く魔法
『竜巻』…強力な上昇気流を発生させる大規模魔法
『エアボム』…好きな位置に圧縮された空気を生み出し爆発させる
『魔力収集』…周辺に漂う魔力を一点に集める、通常の魔法を強化できる
『精霊操作』…魔法の根源である精霊を認識・操作し、単純な全属性の魔術を再現できるようになる
『気体制御』…空気中の各成分を単離して集められるようになる
『クロックアップ:擬似』…対象の時間認識を操り行動を素早くさせる

↓1、2 持たせるスキル選択
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:05:30.99 ID:VplBNBN90
時間かかってるから連取いいかな?

クロックアップ
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:06:48.11 ID:uIJtDZ3cO
エアボム
253 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/24(木) 23:10:15.00 ID:6nj1zO/+o
ここは連取りOKです

トールの攻撃力が上がった!
クロックアップはあくまで感覚的な時間操作なので筋力的に限界がありますし飛び道具は早くなりません、ヒレアとの相性はバッチリ



〜アンの追加スキルセット〜

体力40 精神70 筋力10 敏捷70 知力80 器用10 交渉力50

現在アンは『拳銃術T』『視界拡張』『匍匐』『隠密』『パルクール』『手当て』『道具知識』『重荷運び』『夜目』『聞き耳』『忍び足』『嗅覚』
を持っています

持っている道具次第ではかなり強いですがドジなのがネック、銃撃戦は器用にこなします

『近接格闘術T』…ガンマンのための格闘術、キックやグリップ殴りなど
『跳弾』…銃弾を反射させて対象を撃つ、上手く反射させるだけでも難しい
『壁ジャンプ』…壁を蹴って連続で跳べるようになる
『盗み』…スリスキル、相手からアイテムや装備品を奪い取る
『危険察知』…些細な危険の兆候に気づきやすくなる
『攻撃アイテムセット』…スキルではない、強力な爆弾やトラバサミの罠など
『攪乱アイテムセット』…スキルではない、閃光弾や魔封じ風船など
『回復アイテムセット』…スキルではない、医療用ポーションなど

↓1、2 追加スキル選択
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:10:58.06 ID:o4jsWqgNo
クロックUP
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:11:37.99 ID:o4jsWqgNo
すまん安価下
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:13:54.27 ID:baqYKvGMO
錯乱アイテムセット
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:15:44.32 ID:ehf8uWmnO
危機察知
258 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/24(木) 23:29:28.77 ID:6nj1zO/+o
アンは割とお金持ちです
もし器用だったらアイテムの暴力で強者の勲章ぐらいは取れます



〜ハルカのスキルセット〜

体力40 精神60 筋力80 敏捷80 知力40 器用90 交渉力25

現在ハルカは
速射・強射・連射・精密射撃・拡散射撃・狙撃・遠距離回避・乗馬
を持っています

弓矢は物理攻撃力がかなり高く一撃必殺も可能、ただし弓を失うとほぼ何もできなくなる

『超速射』…弓を引く瞬間が見えない早撃ち、連続では使えない
『爆発矢』…着弾すると爆発する射撃、魔法ではない
『ホーミング射撃』…標的めがけてある程度矢の軌道が曲がる射撃、魔法ではない
『ノックバック射撃』…刺さらないが大きく跳ね飛ばす射撃
『超連射』…連続での速射、使用中は移動できない
『瞬間移動』…魔法ではなく技術での素早い移動、大振りな攻撃なら避けつつ反撃できる
『空撃ち』…弓も矢も無い状態で撃つ弓技、実物よりは弱いが思念の矢で攻撃できる、魔法ではない

↓1、2 追加スキル選択
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:32:50.80 ID:o4jsWqgNo
ノックバック
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:33:23.79 ID:VplBNBN90
ホーミング
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:41:25.05 ID:8mNy6lEMO
そういえば王子たちがメインの場面もあるの?

安価踏んでたら下で
262 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/24(木) 23:51:31.74 ID:6nj1zO/+o
盾役のイデアさんと相性が良さそうです
次でラスト



〜マリンのスキル追加〜

体力15 精神50 筋力5 敏捷90 知力20 器用10 交渉力0(精霊量で大きく変化)

現在マリンは
『風魔法:殴』『追い風魔法』『気配察知』
『暴風』…嵐を起こす、風向きや雨粒は自由に操作可能
『洪水』…塩水を操る、ただ水位を上げるだけでなく、重力に逆らって滝を作ったり生物から脱水したりと適用範囲は広い
『ブルーレーザー(マリンビーム)』…円盤から太い光線を放つ、なお光線は宇宙から見た地球の青色の光でできている
『海子契り』…相手の脳に潜り込み自分の体にする
『海流し』…生物に対して捕縛作用のある高波を起こし溺れさせる
『海神の守護(マリンバリア)』…筋力・魔法・防御を強化する青いオーラを与える
『メイルストロム』…青色の精霊を纏った大嵐を起こす、風や水の流れは自由に操作可能
ほか
を持っています

不死身のヒレアに対して火力のマリン、なお周囲が海なら持久力も化け物級です


海に関連する妖精の力でいろんなスキルを閃けます

例1:『造礁』…珊瑚礁の妖精、岩を作り出す
例2:『変形』…船の妖精、船舶の形になれる

↓1、2 自由安価
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:53:50.70 ID:8mNy6lEMO
深淵
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/24(木) 23:54:35.16 ID:muD4CT5Wo
凍結
265 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 00:00:50.65 ID:rxPmlPSWo
『凍結』…氷の海の妖精、自身の操る水を凍らせる


↓2 『深淵』ってどんな効果の魔法?
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 00:04:51.09 ID:3OHbUG/Oo
kskst
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 00:08:20.85 ID:9+h7J3C6o
目潰し+恐怖みたいな感じかな
268 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 00:18:16.50 ID:rxPmlPSWo
『深淵』…深海の妖精、暗闇で視界を奪いつつ恐怖を与える


今晩はここまで、続きは明日

次回はちょっとエルミス視点で進行します


>>261 王子率いる攻略班はさらっと流す予定です
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 00:42:00.77 ID:rfrc48bvo
乙ー
270 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 22:10:10.61 ID:rxPmlPSWo
エルミス「ソフィー、行っちゃったわね」

エルミス「人質のルーン……」

エルミス「…………」

エルミス(わたしが一度下僕を裏切ろうとしたように、下僕がわたしを裏切ったら、わたしの命は……)

エルミス「……いいえ! そんなことないわ!」ブンブン

エルミス「とにかく、わたしにできることをしましょう。まずは父上ね」
271 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 22:11:20.19 ID:rxPmlPSWo
エルミス「父上、入っていいかしら?」

元帥「ああ。ちょっと忙しくしているが気にしないでくれ」

エルミス「明日、大統領選なのにまだお仕事があるの?」

元帥「私が大統領に選ばれることはすでに確定している。今はその先の仕事に手を付けているところだ」

エルミスは机を回り込むと父の膝に座った。

エルミス「名簿?」

元帥「エイラ、一国のリーダーとして最も必要な力は何だと思う?」

エルミス「リーダーに必要なのは……下僕を上手く使う力ね!」

元帥「そう。所詮私は軍人、国政においてはほとんどの分野で門外漢だ」

元帥「多くの国民に協力して動いてもらわなければ国を運営することはできないんだよ」

エルミス「今まで王国がやってたものをそのままやるだけじゃいけないのね?」

元帥「王国では、政治のあらゆる分野で貴族が活躍していたからな……」

元帥「貴族は世間で言われているような無能ばかりじゃない。それぞれの町を治めていた公爵は産業、教育、衛生、治安維持などを一手に担っていたのだ」

元帥「大統領に就任したならば、一刻も早く彼らの代わりを務められる人材を適切に配置しなければならない」

エルミス「へえ。あ、この束は教育関係者のプロフィールね」

元帥「私が任せられると思った人材を選び出しているんだ」

エルミス「……忙しいところ悪いのだけど、父上に聞きたいことがあるの」

元帥「ああ。だが今は手短に頼むよ」


1.革命を起こして共和国を作ろうと最初に提案したのは誰なの?教えて
2.元貴族の人たちは絶対に全員殺さないといけないの?わたしはやめて欲しい
3.父上を失脚させようとする人たちがいる可能性はない?大丈夫?
4.自由安価

↓2
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 22:15:23.68 ID:3UflVZGbo
1
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 22:16:51.35 ID:rfrc48bvo
1
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 22:16:53.16 ID:Zaq6BONTo
275 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 22:59:39.49 ID:rxPmlPSWo
エルミス「ねえ、革命を起こしたリーダーは父上だけど、革命を起こそうと言い出したのは誰?」

元帥「うん? どういうことだ?」

エルミス「世間では、大統領には共和制を説いた父上がふさわしいなんて言われているじゃない」

エルミス「あれって本当なのかしらと思ったの」

元帥「ああ……。さっきも言ったように私はただの軍人だからな。確かに、私に共和制の良さを説いた者は別にいる」

エルミス「じゃあその、革命を起こして共和国を作ろうと最初に提案したのは誰なの? 教えて!」

元帥「知将殿だ」

エルミス(……まあ、そうでしょうね)

元帥「彼は軍の参謀長なのだが、政治や司法についても博識な人でな、よく話をするんだよ」

エルミス「でもその人、政治に詳しくない父上が大統領になることについて何も言わないの?」

元帥「だから彼自身も出馬している。もっとも、私が大統領になること自体を批判してはいないがな」

元帥「軍の力を強くすることができれば満足らしい」

元帥「民の安全を常に考える、私と志を同じくする者の一人だ」

エルミス「王様の処刑を決めたのもその人?」

元帥「彼は、王族と貴族は共和制の大きな障害になるため処刑せねばならないと進言してくれた」

元帥「……私も最初は反対したんだ」

エルミス「よかった。父上はみんなを助けるリーダーだものね。何か事情があったのね?」

元帥「革命の前に知人の貴族を呼んで共和制についての話をしたんだ」

元帥「しかし、駄目だった……。感情的に否定するばかりで話にならなかった」

元帥「妥協案として提示されたのも、公爵家の中から全国民が選ぶという形式だった」

元帥「結局、普段いかに人格者を装っていても、約束された裕福さを捨てる覚悟のある者はいなかったのだ」

エルミス「父上も迷ってたのね……」


門衛「元帥殿、来客です」

元帥「身分が確認できたなら通しなさい」

元帥「……エイラ、すまない。来客だ。しばらく出て行ってくれ」

エルミス「わかったわ。お話ありがとう、父上」
276 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 23:11:03.02 ID:rxPmlPSWo
エルミス(革命の発案者は知将。後でソフィーに教えてあげなくちゃ)

エルミス(他に調べておくべきことはあるかしら?)

エルミス(やるべきことはやったのだから、普段通りに過ごしてもいいかもしれないわ)


39日目日暮れ 現在地:自宅
1.フローラに会う
2.フィナに会う
3.キュベレに会う
4.軍の基地に行く(六勇がいる)
5.魔法街を散策
6.町はずれで鎌の訓練

↓2
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 23:12:21.28 ID:9+h7J3C6o
2
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 23:24:09.76 ID:tKesxKwr0
2
279 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 23:36:31.75 ID:rxPmlPSWo
ある道具屋。

エルミス「フィナ! 捕まえたわ!」ガバッ

フィナ「ひっ!! ……ってエルミスかー」

エルミス「師匠かと思った? 安心なさい、あなたの主よ!」

フィナ「てかさ……また今度って3時間後の事だったの!?」

エルミス「そうよ!」

フィナ「あと、ここ! あたしの家の近所なんですけど!?」

エルミス「そうなの? なんとなくフィナがいそうな場所を探しまわっただけよ」

フィナ「この広いウベローゼン市でよく探せたね」

エルミス「運命を感じるわね!」

フィナ「全然」


1.革命の真実について何か知らない?
2.グリエール商会について知ってることを吐きなさい
3.とりあえず、手伝いなさい!
4.自由安価

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/25(金) 23:37:24.68 ID:+5o6rEnJ0
3
281 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/25(金) 23:56:11.89 ID:rxPmlPSWo
エルミス「とりあえず、手伝いなさい!」

フィナ「何を!?」

エルミス「これは命令! 拒否権は無いわ!」

フィナ「さっき言い争った直後にそんな態度を取る無神経さはともかくとして、だから何を!?」

エルミス「耳を貸しなさい」

フィナ「うん」

エルミス「ふーーーっ」

フィナ「ひぎゃああっ! ……ふざけてんの!?」

エルミス「冗談よ!」



フィナ「お父さんの失脚を防ぎたい、ね……」

エルミス「だから誰が何をしたいのかを突き止めておきたいのよ」

エルミス「ホワイトシーフのあなたならそういうの得意でしょう?」

フィナ「まあね」

フィナ「今言えるのは……軍の人に聞くのは無駄じゃないかな。元帥が知ってる以上の情報は無いでしょ」

エルミス「知将に直接聞きに行くのは」

フィナ「だめ。最悪消される」

エルミス「わたしはエイラ・ブラッドレイよ?」

フィナ「だからだよ。知将が元帥を失脚させる予定の奴だったらどうすんのさ」

エルミス「誰に聞くのがいいと思う?」

フィナ「親しい人なら安全じゃない? 商会の事ならフローラに聞くとか、後はこないだのキュベレって人、オネエって情報通だって言うじゃん」

エルミス「キュベレは親しい人じゃ無いわ!」

フィナ「そ、そうなんだ……」

フィナ「六勇とか商会に直接かかわるのは、あたしならしないかな……危ないし」

エルミス「まったく、フィナは臆病ね。ソフィーを襲った時みたいな思い切りの良さを見せなさい」

フィナ「それは思いきらない方がいいやつじゃないの!?」


39日目日暮れ 現在地:自宅
1.フローラに会う
2.宿屋の近くで情報通を探す
3.キュベレに会う
4.軍の基地に行く(六勇と知将がいる)
5.グリエール商会のオフィスに行く
6.探偵に聞いてみる

↓2
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 00:02:14.06 ID:ec3zTTylo
4
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 00:03:25.78 ID:v7zeFULoo
6
284 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/26(土) 00:22:21.02 ID:DwM/xX2qo
エルミス「探偵に聞いてみましょう」

フィナ「えっ、いや、探偵でも調べるのに時間かかると思うけど」

エルミス「そんな普通の探偵じゃないわ。軍もよく依頼してる探偵ギルドの筆頭名探偵よ!」

フィナ「うわ、思いっきり立場を利用してる」

エルミス「調べる前に答えを知っているとも言われる彼なら、革命の真相をすべて把握しているに違いないわ!」



裏路地のカフェ。

フィナ「こんなところにその名探偵がいるわけ……?」

エルミス「ええ。ここで間違いないはずなのだけど……」

カランカラン

エリー「いらっしゃい」

ネル「今日罠にかかったのはどんな子カナ?」

ガルァシア「……人聞きの悪い」

バルザック「お? 俺ぁ罠仕掛けてねぇぞ? そしたら嬢ちゃんらすでに木端微塵だぜ?」

エリー「あたしの店も木端微塵だけど」

ネル「ハイバルザック弁償だヨー」

ガルァシア「……こいつらは、気にするな」

エルミス「はっ、わたしとしたことが、つい呆気にとられていたわ!」

エルミス「ここに名探偵がいるはずよ! 出てきなさい!」

シュン「僕ならさっきからここにいるぞ」

シュン「元帥令嬢のエイラちゃんと殺し屋見習いのフィナちゃんだね。ソピアちゃん狩りのリベンジの相談かい?」

シュン「それとも、真逆の立場から情報が欲しいのかな?」

エルミスが足を踏み入れたのは魔境だった!!
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 00:39:21.26 ID:ec3zTTylo
サヨナラエルミス!
そしてソピア!
286 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/26(土) 00:49:47.97 ID:DwM/xX2qo
シュン「なるほど。元帥の失脚を防ぎたいか」

エルミス「ええ。もしかすると、革命を計画した知将とその仲間……たぶんグリエール商会が、父上を裏切るかもしれないもの」

シュン「嘘つき。そして、大外れ」

エルミス「は?」

シュン「君が助けたいのはソピアちゃんだろ? 僕にはお見通しさ。黒幕探しを頼まれたってとこかな」

シュン「だってソピアちゃんの願いが叶うと元帥は失脚するからね」

エルミス「どちらにも苦しい思いをしてほしくないの。だから、共通の敵を探しているのよ」

シュン「あー、共通の敵ならいるのかな? うん」

ネル「大外れってナニ? ボクも知将と商会がクロだと思ってたんダヨ」

シュン「文字通り、大外れさ。惜しいっちゃ惜しいけど」

エルミス「……誰よ。誰が下僕と父上の共通の敵なのよ!」

シュン「教えない方が面白いな」

エルミス「どうして何でも知ってる人は他人の反応を楽しむのが好きなのかしら……!」イラッ

シュン「まあどうしてもって言うなら君が取るべき行動を教えてあげよう」


1.魔法街のカフェに行きなよ
2.女帝に会いなよ
3.人質のルーンを消しなよ

287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 00:50:19.69 ID:FOlf6lVa0
3
288 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/26(土) 01:03:17.83 ID:DwM/xX2qo
シュン「そのルーンを消しなよ」

エルミス「……!」バッ

エリー「今さら隠してどうすんだい」

シュン「さっき『何でも知ってる人』が僕以外にいるようなことを言ってたね」

シュン「大方その人の仕業だろう。違うかな?」

エルミス「……そうよ」

シュン「ガルァシア」

ガルァシア「……見たことも無いルーンだ」

シュン「でも、消すのは簡単だろ」

ガルァシア「……消していいのか?」

シュン「どうする?」

エルミス「これが無いと、下僕はわたしを人質にできないわ……」

シュン「でもそれ、分かる人には分かるぞ。君がソピアちゃんの味方だってことがね」

バルザック「いや、おめぇくらいだろ」

エルミス「……いいえ、消さないわ」

シュン「そう。まあ強制はしないさ」

シュン(そう答えると思ってたけどな)

エルミス「行きましょう、フィナ。ここにもう用は無い」

フィナ「あ、待って。あたしはちょっと残る」

エルミス「? まあいいけれど。変なことに首を突っ込んじゃダメよ」
289 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/26(土) 01:10:19.63 ID:DwM/xX2qo
適当に歩いたエルミスは宿屋街の前にいた。

エルミス「これ何かしら」

エルミスが見つけたのは大統領選生中継用のディスプレイだ。

エルミス「テレビのはずだけど……何か違和感があるわ」

エルミス「…………」

トントン

エルミス「誰!?」ビクッ


1.フローラ
2.女帝
3.オルド

290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 01:12:01.38 ID:3B8wEU4wo
2
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/03/26(土) 01:14:04.32 ID:AV9kiE4t0
2
292 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/26(土) 01:25:07.00 ID:DwM/xX2qo
眠いので今晩はここまで

フローラ・キュベレのどちらかと話せば進行(2ルート分岐)のつもりでしたが、ひょっとしてこの2人嫌われてます?

ちなみに即興の特殊ルート入りました、こういうのも安価の醍醐味ですね
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 01:25:40.27 ID:v7zeFULoo
乙乙
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 01:55:00.18 ID:ec3zTTylo
おつ
なんかエルミスもクズ運な誰かさんの影響出てきてる…?
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 03:22:12.52 ID:+dW7odaZO
キュベレもあんまりほっとくと死ぬんじゃなかったっけ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 09:16:23.75 ID:GOmv92bsO
これ、探偵の助言の選択肢ミスったかな。
変なルート入るかもしれん。
しかし、知将とグリエール商会が黒幕ではないが、惜しくはあるのか。
やはり今の体制側に一人はいるっぽいね。
残りはソピアの運命に干渉してる奴だとして、
あと一人は誰?
297 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/03/26(土) 20:15:23.62 ID:DwM/xX2qo
明日の昼から再開
正直ここまで2人がスルーされるとは思ってなかったので、展開に迷っております
念のため、交友度マックスじゃなければソピアの利益になる行動をしないと言う事はありません

>>294
今の所コンマ判定はないので未知数です

>>295
はい、フラグ折れてませんね

>>296
シュンを信用してもいいのでしょうか?
298 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 01:23:29.43 ID:UnrNEeGEo
女帝「ウフフフ、奇遇ね……エイラちゃん」

エルミス「あっ、女帝。こんにちは」

女帝「こんな時間までお出かけ? お父上が心配するわよ……」

エルミス「いいの。強者の勲章でも持ってなきゃわたしに何かできるわけないもの!」


実は、エルミスと女帝は仲が良かった。

どうやらエルミスに過去の自分を重ねて見ているらしい。

当のエルミスも悪名高い女帝と同じだと思われること自体は嫌だが、理解ある大人としてある程度の信頼を置いていた。


2人は最寄りのベンチに座る。

香水の臭いがキツイためエルミスは少し距離を離していた。

町人(あれ、海軍大将じゃね?)

清掃員(こんな町中に……嘘だろ)

女帝「エイラちゃん、強くなったのね」

エルミス「ええ! ラヌーンの、なんだっけ、変な異名を持った海賊にも勝てたんだから!」

エルミス「あなたの助言通り、技を磨いた結果ね!」

女帝「でもやっぱり、貴女なら防御を鍛えた方がよかったんじゃないかしら?」

エルミス「嫌よ。痛いのイヤだもの」

女帝「私は筋力も頭も良くなかったから仕方なく技を磨くしかなかったのよ」

女帝「エイラちゃんは恵まれているわ……」

エルミス「ふふん、これならあなたを倒す日も遠くなさそうね!」

女帝「ウフフ、もし負けたら海軍大将の座は貴女に譲るわ」

エルミス「いらない。磯臭いのはイヤよ。……あなた、海軍大将やめたいの?」

女帝「重役に就いてからというもの、家族と一緒に居られる時間が少なくなってしまったのよ」

エルミス「海軍だものね。ウベローゼンから通うのは大変よね……」

エルミス「あっ、前に『うちの子と仲良くなってほしい』って言ってたじゃない。それ、いつ会えるの?」

女帝「ごめんなさいね……。ミリちゃん、軍の集まりには出たくないって言って聞かなくて……」

エルミス「へー、あなたでも言う事を聞かせられない相手がいるのね!」

女帝「元帥も貴女には頭が上がらないでしょう? そういうものなのよ」
299 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 01:35:34.97 ID:UnrNEeGEo
女帝「ところで……」

エルミス「何?」

女帝「そのルーンはどうしたの?」

エルミス「何でもないわ!」バッ

女帝「ウフフッ、あんまりお転婆しちゃダメよ」

女帝「お父上のためにも、念のため確かめさせてもらうわね」パシン



エルミス「…………はっ」

女帝「……」

エルミス「わ、わたしに何をしたの!?」

女帝「ウフッ、フフフ……アッハハハ!」

女帝「ソピア・ウィンベルちゃん……大胆な事をしたものねぇ!!」

エルミス(しまった……自白系の攻撃を受けたわね……)

女帝「その行動力、素晴らしいわ……! もしも貴女が貴族でさえなかったら面倒を見てあげたのに……」

女帝「いいわ……もしも貴女と生きて会うことがあれば愉しませてもらおうじゃない……」

女帝「その時が待ち遠しいわ……ウフフフフッ!!」

女帝「逃がさなぁいッ!」ヒュッ

エルミス「キャッ! 分身したのに、鞭で絡め捕られた……!?」

女帝「エイラちゃんは困った子ね……。でも、いいわ。私には何があったのか想像できるもの……」

女帝「ひとまず貴女には事が終わるまで大人しくしていて貰わないといけないわ」

エルミス「な、何をするの……」

女帝「元帥に事情を説明して引き渡すだけよぉ。いくら私でもこれ以上の乱暴はしないわ……」

エルミス「ううっ……」

エルミス(ごめんなさい、ソフィー……あなたを危険に晒してしまったわ)

エルミス(探偵の忠告に従ってルーンを消しておけばこんなことには……)
300 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 01:44:53.82 ID:UnrNEeGEo
魔境カフェ。

ネル「ネー、シュン。あの子騙したヨネ」

シュン「何のことだい?」

ネル「商会が敵じゃないってサー、グリエール家の一人一人がハズレとは言ってないよネ?」

シュン「はっはっは。ネルも少しは僕のレベルに追いついてきたようだ」

バルザック「ああいう場面でおめぇが真面目に話したことあっかぁ?」

フィナ「いや、それどころか……」

フィナ「ウソついたでしょ、あんた」

シュン「ほう、根拠はあるのかな?」

フィナ「根拠って言うか……師匠から聞いたし」

フィナ「フルフィリアで一番の探偵は、頭はいいけど自由人で、面白いか面白くないかだけで話すから信用に足らないって」

ネル「そうだヨ」

バルザック「ああ、違いねぇ」

シュン「これは手厳しい」

エリー「あんた、なんであの子の前で言ってやらなかったのさ?」

フィナ「だって……本当にヤバい奴のとこに向かったら困るじゃん。エルミス、無鉄砲な所あるし」

シュン「君にとって彼女の望みはどうでもいいんだな?」

フィナ「……あたし、あんまり深く考えるの得意じゃないから。エルミスが危ないって思ったからそうしただけ」

フィナ「それじゃ、お邪魔しました」
301 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 02:16:09.34 ID:UnrNEeGEo
魔法街。

フィナ「あれ、なんでここに来たんだろ」

フローラ「フィナさん!」

フィナ「あれフローラ、奇遇じゃん」

フローラ「フィナさんは来てくれましたか……。ちょうどよかった」

フィナ「どしたの?」

フローラ「これから私は商業都市ファナゼに向かいます。それだけお伝えしておきたくて」

フィナ「うん、わかった。もしエルミスがフローラを探してたら伝えとく」

フィナ「で……何があったの? ファナゼって言えばグリエール商会の本拠地じゃん……」

フィナ「こんな時期に行くなんてただ事じゃなさそうだけど」

フローラ「時期は関係ございません。おじいさまに真意をたずねに行くのです」

フィナ「あー、港町のリンクス雑貨店を潰したことのね。マニーは関係ないって言ってたけど、ホントかどうか分かんないもんね」

フローラ「あの……もしよろしければフィナさんに護衛を頼みたいのですが……」

フィナ「……ごめん。友達だし、もちろんいいよって言ってあげたいところだけどさ……」

フィナ「あたし……今、ちょっと、武器持てないんだ……。本当にごめん!」

フローラ「いえ……お気持ちだけでもありがたく思います」

フィナ「でも大丈夫? 他に護衛のあてはある?」

フローラ「ええ。あの方がそうです」

キュベレ「あらっ! 誰かと思えばフィナちゃんじゃない! おっひさ〜」

フィナ「オネエさんだ!」
302 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 02:16:53.53 ID:UnrNEeGEo
フィナ「へー、フローラとも知り合いだったんですね」

キュベレ「まっ、お互いウベローゼンでは顔が広いからねぇ」

フィナ「オネエさん強いの?」

フローラ「ええ。強者の勲章をお持ちですのよ」

キュベレ「自慢にならないけどね。こんなんよ」スッ

フィナ「『輝鬼』ジーク・オーグロス……って、えー! 軍の方だったんですか!? あー、エルミスとはそういう繋がりで!」

キュベレ「外では、キュベレ、と呼んでちょうだいねん♪」

フィナ「強者……師匠より強いのかな」

キュベレ「あっ、アタシ、強者では下の下よ。初めてちゃんと武器の稽古したの1週間前だし」

キュベレ「ただ、遺伝のせいでそれなりに使えてしまうだけなのよねぇ」

フローラ「キュベレさん、それよりもあれやってください」

キュベレ「いいわよ♪ そぉれ!」ポンッ

フィナ「わ! 指先から花が咲いた!」

フローラ「素敵な魔法、うらやましい……」

キュベレ「アタシ日魔術師だけど心も癒せるオネエになりたくってね、友達(ユキ)のコネで水魔術もかじってたんだけど」

キュベレ「そしたらこないだセラピストの子(サナ)と知り合ってねー、日魔術と水魔術のミックスでこんなことができるって教えてもらったのよ!」

フローラ「私も魔法、はじめようかしら……」

フィナ「いいじゃん! 一緒にやろうよ。あたしも師匠の弟子やめたしさ」

フローラ「えっ、そうなのですか?」


※キュベレの水魔術設定・武器の稽古してなかった設定は3スレ目448の安価から


フローラ「すみません、フィナさん、そろそろ出発しなければいけないので……」

フィナ「もう暗くなってるけど、今日行くの?」

フローラ「はい。いまならまだ日付が変わる前に宿がとれますもの」

フィナ「灯りは?」

キュベレ「アタシよ」

フィナ「フローラをよろしくお願いします」

キュベレ「任せといて! 男っぽいから嫌だけど、フローラちゃんが危ない時には武器も使うから!」

フィナ「……フローラもいざという時には武器使ってね。状態異常ってすっごく便利だから!」(小声)

フローラ「……はい。使わなければいけない場面にならないように気を付けます」(小声)

フィナ「それじゃ、気を付けて!」
303 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/27(日) 02:20:49.91 ID:UnrNEeGEo
今後、エルミスの出番はちゃんとあるのでご安心を

あと1、2レスでソピア操作に戻ります


好きなモブを選んで下さい、フィナの知人になります

1.テンパラス(熟練の剣士・火魔術師、真面目な武人、時に優しく時に厳しい19歳)
2.テレサ(白魔術師の上位職、すでに軍に不信感しか持ってない、聖女のような19歳)
3.オルド(それなりのレンジャー、ソピアのすごさを目の当たりにしてる、色々と軽い24歳)

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 02:42:08.06 ID:2+yJx8AUo
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 06:43:34.21 ID:7KIih/NQo
懐かしいモブ達だ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 07:30:29.16 ID:cfP1VVQ5O
これ、やばくね?
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 14:11:30.16 ID:Hwe/Dd+NO
敵対、死亡フラグって全員分解除することは可能なの?

あちらを立てればこちらが立たずということはない?
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/27(日) 16:25:55.05 ID:p5KilSTYO
大丈夫じゃない?
可能だとしてもコンマ神がウッキウキで止めに来るから安心していいと思う
309 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/03/29(火) 21:54:28.37 ID:Sm3F8+MVo
修正
>>300 ウソついたでしょ → 全部ウソなんでしょ
>>302 心も癒せるオネエ → 身も心も癒せるオネエ


>>305 下手したら名無し非安価モブより影が薄くなってますからね…終盤ですし全員に出番あげたいんですよ

>>307 全員解除可能でした(監獄突入前なら)

急に忙しい日が続いています
明日の夕方には再開したい
310 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/03/30(水) 20:21:08.80 ID:ZrJ9rL9Go
テンパラスさんがどれくらいモブかというと一人称が安定しないくらいモブ、今後は初登場時の私に合わせます




引き続き、魔法街。

フィナ「あっ、火剣士さん」

火剣士「シーフのフィナだったな」

フィナ「火剣士さんが魔法街にいるなんて珍しいですね!」

火剣士「ちょっと、待て。その呼び方ではまるで私が端役のようではないか」

フィナ「だって長いし略しにくいんですもん」

フィナ「実際あたしの知り合いの中では端役の方ですし?」

火剣士「……実績が足りないか」


フィナは途中で恐怖を思い出し涙目になりながら長話をした。ソピアやエルミスの素性は流石に隠した。

テンパラス(火剣士)「そうか。殺し屋の弟子はやめたか」

フィナ「……落ち着いて考えると、予定通り技を学んでおさらばした感じ」

テンパラス「うむ。私もお前の選択は正しかったと思うぞ」

テンパラス「何があったかは知らぬが、友を手にかけさせようとするとは非道極まりない組織だ」

フィナ「そう、ですよね」

テンパラス「私もできる限りお前を守ろう」

フィナ「あ、危ないですって!」

テンパラス「案ずるな、私を誰だと思っている」

フィナ「名もなき火剣士さん」

テンパラス「……名前は、ある」


フィナ「これから、どうしよっかな……」

テンパラス「話なら聞くぞ」

フィナ「あたし、武器が握れなくなっちゃったんです。刃物を見ると震えてしまって」

フィナ「これじゃ何でも屋の仕事なんて出来っこないんで、転職しようかなと……」

テンパラス「候補はあるのか?」

フィナ「もしかしたら魔法局かも。あ、そうなったらテンパラスさんも先輩ですね!」

テンパラス「東国の戦技に興味はあるか?」

フィナ「東の国……ってジャルバ王国ですか?」

テンパラス「さらにその先だ。私は今、東国の剣技を修めている」

テンパラス「その東国には戦いを避けるための技があるのだ。今のお前に適しているのではないか?」

フィナ「いいかも……」

テンパラス「興味があるならば明日の9時に剣士ギルドへ来ると良い」

テンパラス「だが、今日はもう遅い。夜は暗殺者の時間だ。私が家まで送ろう」

フィナ「あ、ありがとうございます!」
311 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 20:40:23.77 ID:ZrJ9rL9Go
夜11時、エルミスの自宅。

元帥「……海軍大将か」

女帝「夜分遅く悪いわね。夜遊びしてたエイラちゃんを届けに来たのよ」

エルミス「……」

元帥「それは手間を掛けさせてしまったな。申し訳ない」

女帝「ついでに一つ、重要な情報を手に入れたわ」

女帝「英雄『神殺』として勲章を与えた月魔術師のソフィアちゃん……彼女が逃亡貴族の一人ソピア・ウィンベルよ」

元帥「すまないが既知の事実だ」

元帥「先刻、衛生兵長から通達があった。王子と逃亡貴族4名の会話を含む、ソピア・ウィンベルに関する情報を入手したとな」

女帝「あら、残念ね……」

女帝「ではこのこともご存じかしら……お宅のエイラちゃん、ソピア・ウィンベルの人質になっているわよ」

元帥「…………な、なんだと!」

女帝「それも自ら進んで、ね……って聞いてないわ」

元帥「エイラ、奴に何をされた。正直に話しなさい」

エルミス「……ごめんなさい、父上」

元帥「謝る前に、まずは話を聞かせなさい、エイラ」

エルミス「…………」

怒声を上げたり物に当たったりしてはいないが、父が今までにないほど怒っているのがエルミスには分かっていた。

ソピアを守れなかったこと、そして父を心配させたことに耐え切れず、エルミスはただ無言で涙を流すことしかできなかった……。



同刻、シスヤタ市、共和国軍駐屯地、司令室。

魔導長「ふむ……そうですか」

風魔術師「はい。『貴腐』からの連絡です」

魔導長「あの娘さんが……残念じゃ」

拳魔「彼女、大胆な事をしましたね。まさか軍の内側にもぐりこむとは。面白い記事になりそうです」

魔導長「違うんじゃよ……」

魔導長「彼女はただ、怪物と化した友を助け、ラヌーン国からの帰還を果たしただけじゃ……」

魔導長「間違いなく、彼女は善良で有望な若者だった」

魔導長「しかしその彼女がワシの属する軍の敵とは……現実が恨めしいぞ」

拳魔「軍に恩を売る意図は無かったのでしょうか?」

魔導長「無い。ワシはそう感じた」

魔導長「だが、軍務に私情は挟めん……。風魔術師よ、監獄に連絡を」

風魔術師「すでに。ですが……読まれていたようです。監獄の警備に『神殺』の姿は無いとのこと」

魔導長「では、警備の者たちに通達を。……敵は英雄だ、決して油断してはならない、と」
312 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 20:44:51.07 ID:ZrJ9rL9Go
深夜、1時半。

ソピアたちは監獄近くの裏路地で待機していた。

異空間の中に隠れていないのは、精神力の節約のためだ。周囲には人気が無いので人目を気にする必要が無いのだ。

ソピア「ふぅ……ちょっと冷えるね」

トール「標高が高いですからね……」

ヒレア「こっちにおいで。温めてあげる」

ソピア「ありがと。……お姉様、体温低い」

ドォン

イデア「今の音は……?」

アン「爆発ですかぁ?」

ハルカ「監獄の方からしたね」

これは想定外の事態である。

夜2時に監獄と駐屯地を同時に攻めることで、防衛力が片方に集中するのを防ぐ目論みだった。

しかし、ソピアたちが突入するよりも早く監獄が襲撃されてしまったらしい。

このままでは駐屯地の兵士が監獄に殺到する恐れがあり、そうなれば救出に成功する可能性は大幅に下がってしまう。

イデア「私たちも突入致しましょう!」

トール「いえ、攻略班と足並みを揃えるべきです。普通の兵士が増えてもヒレアさんが一掃できるでしょう」

ヒレア「もし霧が効かなくても、マリンかソピアの魔法で殲滅すればいいわ」

アン「時間差で襲撃することで軍を混乱させられるかもですぅ?」

ハルカ「意見は半々だね……。決めるのはリーダー、キミよ」

ソピア「リーダー……?」


1.予定を変更して早めに監獄に突入する
2.予定通り2時まで待つ

↓2
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 20:50:37.05 ID:ddF4G2fu0
1
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 20:51:08.92 ID:GCG5NqgAO
2

エルミスやばいがどうにかできそうもないな…
315 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 21:41:40.50 ID:ZrJ9rL9Go
ソピア「2時まで待つよ。だって、何が起きてるのか分からないもん……」

トール「聞き間違いかもしれませんしね……」

イデア「了解です。待ちましょう」

ヒレア「気になる。様子を見てきましょうか?」

ソピア「だめ。強者がたくさんいるんだよ」

ソピア「マリンがとんでもないモンスターも交じってるって言ってたし……」

ヒレア「それなら、そばにいるわ」

ソピア「うん」
316 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 21:45:43.96 ID:ZrJ9rL9Go
サウソーシャ大監獄、正門前。

ドォン!!

まるで爆発のような衝撃が街の舗装路を吹き飛ばす。

海軍の強者『金錨』の振り下ろしたイカリの一撃だ。

金錨「チッ、避けられちまった」

「ふっ、町を壊すのが君の仕事なのかい?」

金錨「てやんでいっ! 治安が守れりゃ構いやしねぇさ!」

金錨「そいや、もういっちょ!」ブン

「……」

金錨「ぐがあっ!」

イカリを振る最中に攻撃で体勢を崩され、その勢いのまま海兵の男は建物に激突。崩れた瓦礫の下敷きになった。

「よく見たらその武器、金メッキじゃないか。本人同様の見かけ倒しだな」

大壁「ここは通さないぞ!」

正門の中央で陸軍の強者『大壁』が蒼盾を構えている。彼は六勇『重壁』に次ぐ防御力を誇る若き騎士だ。

大壁「何物をも通さぬ大いなる壁! その名の意味を知るがいい!」

「……意外と素早いんだな」

大壁「鈍足で足止めが務まるものか!」

「そうだね。でもさ」

怒涛の連続攻撃が蒼盾の中心の一点を穿つ。

「攻撃もしないと足止めは務まらないんだ」

大壁「何!? 私の盾が!?」

中心が弱くなった盾は一蹴りで呆気なく割れてしまった。

大壁「ぐあっ!?」

狼狽える騎士の背中に矢が突き立つ。

「……不意打ちのつもりか?」

堅嵐「…………(この男、かなりの実力者だ)」スッ

塀の上から矢の雨を降らせたのは、同じく陸軍の強者『堅嵐』。

一度の発射で確実に標的を仕留める事で知られる、国内では最強の弓士だ。

そのハードボイルドな振る舞いから、彼に憧れる兵士は多い。

「君がどんなに優秀な暗殺者でも、弓を引く音で丸分かりだ」

堅嵐「…………(俺に二度目を撃たせるとはな)」ビュン

「……!」

彼の放つ矢の一本一本が凄まじい破壊力を持つ。瞬く間に、正門前がまるで嵐が吹き荒れたかのような有様に変容した。

だが。

「無駄だよ。撃ち合いで俺に勝てるわけがない」

後頭部に銃口を突き付けられた男は大人しく弓矢を放して両手を上げた。

「なぜなら君は時代遅れの弓使いだから」

敵は軽口を叩きながらも彼を手早く縛り上げる。

堅嵐「…………強いな。名は」

「君のような弱者に名乗る名は無い……と言いたいところだけど」

「今は、覚えておいて欲しい気分なんだ」

ロット「俺の名前はロット……一人ぼっちの反逆者だ」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 22:12:18.19 ID:fxNYo8uBo
ロットさん生きとったんかワレェ!
318 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 22:20:54.27 ID:ZrJ9rL9Go
戦闘の音は絶え間なく聞こえてくる。

ソピア「……」

トール「……粘ってますね」

ハルカ「う、上見て!」

アン「きゃっ! ……気持ち悪いですぅ!」

イデア「皆様! 炎の壁が……! 伏せて下さい!!」

ヒレア「マリンバリア、お願い!」



ロットは無数の兵士たちを得意のガンカタで華麗に蹴散らしていく。

塀の上の監視兵からは、そのように見えていた。

ロット(くっ……! 数が多すぎる! まさか銃弾が足りなくなるかもしれないとは思わなかった)

ロット(しかもなんで強者があんなにいるんだ。襲撃のタイミングを誤ったか?)

ロット(あの金メッキのせいで初っ端から全力の回避をしないといけなくなったし、青い男のせいで連射しすぎた銃が一丁ダメになった)

ロット(しかも回避強化した状態なのに矢が数本掠った……止血したいが隙が見付からない)

焔華「止まりなさい」

恐愛「ふふふ」ニコニコ

赤い装束の女性と満面の笑みを浮かべた憲兵が立ちふさがる。いずれも100人以上の兵士に相当する強者だ。

ロット(ああクソッ、まだいるのか!)

ロット(舐められて一気に来られたら終わりだ。いつものテンションを崩すなよ)

恐愛「その二丁拳銃……王都で連合帝国の大使を襲ったテロリストの残党で間違いなさそうですね」

焔華「王子の仲間でしょうか」

ロット「いや、俺は一人だよ」

恐愛「都合がいいです、ねッ!!」ブォン

ロット(危ないっ! 今、こいつ腕が伸びたように見えたが……)

焔華「逃がしません」ボォォ

ロット(普通の炎じゃないな、ヤバそうな魔法の炎だ。退路が塞がれてしまったか……)

ロット「……君たちの相手なんて一人で十分さ」

焔華「入口の武闘派の方々とは相性が良かったようですが我々は同じようにはいきませんよ」

ロット「へえ、君たちの方が弱そうだけどな」

ロット(そんなことない。こいつらは魔術師だ、銃では分が悪い。……まあ、対策はあるけどな)

恐愛「貴方に愛を与えましょう」パキッ ポキッ

焔華「現界を彩る魔焔の華。咲き誇れ、炎神ヘイム!」


↓コンマ25以上で『焔華』&『恐愛』撃破
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 22:21:36.73 ID:jSj1YRwNo
そらっ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/30(水) 22:23:47.43 ID:8chIweJD0
意外な強キャラ
321 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 23:16:01.53 ID:ZrJ9rL9Go
恐愛「ふふふふふ!」ニコニコ

熟練のファイターでも実現しえない程の、高速の拳の連打がロットを襲う。

銃弾すら弾いてしまうその拳を目で捉えることはできない。ロットは相手の重心移動から動きを予測して回避していた。

ロット(当たったらどうなるか分からない、何が何でも避けるんだ!)

魔焔神「…………」ゴォォォォ

ロット「あっちは魔界の妖精か……珍しいね」

焔華「よく知っていますね。確かにヘイムは魔界出身の、花の妖精です」

ロット「あんな禍々しい花があってたまるか」

焔華「馬鹿にしないでください。ヘイム、人体発火!」

ロット「つうッ……!」

ロット(必中か、畜生……!)

焔華「美しい花になり、散りなさい」

ロット(全身火だるまになる前に勝負を決めないといけないが……)

恐愛「貴方が燃えようとも、私は殴るのをやめませんから! 貴方にっ! 愛を! 教えるためにっ!」ドドドドッ ブン ブン ブンッ!

ロット「半笑いの男の愛なんて受け取りたくないよ、気持ち悪い。せめて女の子だったら可愛げがあったのにな」

恐愛「愛に性別も身分も何もかも関係ないのですっ! 愛の前に人類は皆平等っ!」

恐愛「はぁぁ、滾ってきました! 愛が、溢れる!」

憲兵の男の全身が蠢く肉塊に変貌した。

ロット「うえっ……! 気持ち悪いどころか恐怖しか感じないな……! 一体何なんだよ……」

恐愛「自分の聖教会への愛、神への愛を疑った私は……あえて悪魔と契約し邪教徒となることで、自分の愛が本物なのかどうかを確かめました」

恐愛「結果はこの通りっ! 真実の愛を持つ私の全身は、愛で出来ているのですよっ!」

ロット(全身心臓じゃないか……。いや、心臓だからハート、ハートだから愛って言いたいのか)

ロット「俺には悪魔に取りつかれたようにしか見えないけどな」

恐愛「私の愛は、無限大ィィィィ!!」グモモモモ

膨張した心臓の塊が空を覆い尽くす。脈打つ肉色の空はソピアたちからも容易に観測できた。

ロット「これで正体が分かった。……俺の勝ちだな」

焔華「手遅れです。ヘイムの注精は終わりました。さようなら」

魔焔神が綿毛のような火を飛ばす。それは地を這うように遠方まで広がっていく。

ロット「お、おい、やめろお前ら」

焔華「焦土(フラワーガーデン)!!」

魔焔神「……!!!」ゴオオオオ

恐愛「世界に愛をぉぉぉぉ!!」

心臓の塊が町を押しつぶし、焔の華が町に咲き乱れた。
322 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/30(水) 23:25:03.62 ID:ZrJ9rL9Go
ロット「はぁっ、はぁ……」

恐愛「」

焔華「……ヘイム? どこですか?」

一瞬だけ見えた滅びの光景は消え、通常の風景に戻っていた。

使い魔を探す木霊主の女の首根っこをロットが掴みあげる。

ロット「お前ら馬鹿か!! 俺を殺すために町全部犠牲にするつもりか!!」

焔華「敵対者にしか効果はありませんよ……」

ロット「……魔術ってのは本当に出鱈目だな」

焔華「それよりも! ヘイムをどこにやったんですか!」

ロット「ああ、撃ったよ」

焔華「そんなわけありません。ヘイムも、恐愛も銃撃ごときで死ぬことは……」

ロット「銀弾十字射撃。君の使い魔や心臓の化け物みたいな、魔物の類なら確実に仕留めることができるのさ」

ロット(まさかあの一瞬で二回とも成功するとは思わなかったけどな……。火事場の馬鹿力って奴か)

焔華「そ、そんな……」

女は慌てて逃げ出そうとする。

ロット「っと、縛っておかないとな。ヘイムとやらがいなければ君は魔法を使えないんだろう?」

焔華「ああ……ヘイム……」



トール「何ですか今のとんでもない精霊量は……」

マリン「火属性じゃなかったら防げなかったわー」

ソピア「マリンありがとう」

ヒレア「……ふう。何とか相殺できた。とんでもない生命力ね……」

ソピア「お姉様もありがとう」

アン「あの心臓、当たってたらどうなってたんですかぁ?」

ヒレア「私の浄化魔法に似てた。たぶん……あらゆる乱暴な行動がとれなくなるわ。要するに従順なロボットになる」

イデア「やはり、突入した方がいいのでは」

ソピア「一瞬だったし無視していいんじゃないかな」
323 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/31(木) 00:02:27.96 ID:V5McBK06o
鷲男「悪の手先よ、そこまでだっ!」

ロット「なっ……!」

ロット(息つく間もないとはこのことだ……)

焔華を縛っているロットに声をかけたのは空軍の強者『鷲男』。

カラフルな全身タイツにマスクという派手な姿で、腕を組み空中で仁王立ちしている。

背中にはジェットパックを背負っているが今は噴射していないようだ。

鷲男「このヒーローの前で婦女暴行とは、見過ごすわけにはいかん! とうっ!」スタッ

ロット「……ヒーローか」

鷲男「私の名は、エンチャントイーグルマン!」

鷲男「荒野で修行中に毎日、国鳥エンチャントイーグルの卵を食べ続けたためか」

鷲男「あるいは風魔術と月魔術という組み合わせで魔法の腕を鍛えたためか」

鷲男「体質が限りなく鳥に近づいてしまった男だ!」

ロット「知ってるよ。鳥魔術師だろ?」

鷲男「この超軽量級ヒーローが来たからには……っと、私の事を知っているのか!」

ロット「知ってるからこの際言わせて貰うけど、鳥魔術師って、ダサいよ」

鷲男「飛魔術師や羽魔術師の方が格好悪いだろう」

ロット「もう一つ言わせて貰う」

ロット「俺はお前をヒーローとは認めない」

鷲男「なぜだ?」

ロット「ここに捕らわれている、罪のない人々を救おうとしないからだ」

鷲男「何を言うかと思えば!」

鷲男「王家と貴族はいつだって悪だった。罪もない人々を苦しめて欲望のままに生きていた」

鷲男「そして今では、正義が勝つ理想の社会に反旗を翻そうとする、悪そのものだ」

鷲男「悪の手先よ、貴様らの思い通りにはさせん!」

ロット「……俺は悪と言われても構わないさ」

ロット「だけど、貴族が全て悪だとどうして分かるんだよ。全員と話をしたのか?」

ロット「俺は少なくとも一人、罪のない貴族を知っている。俺は彼女のヒーローになりに来た」

鷲男「貴様がヒーローだと?」

ロット「ああ。ニヒルなガンマン、略してニヒルマンだ」ニッ

ロット「覚悟しろ、エンチャントイーグルマン。このニヒルマンがお前を倒す!」

鷲男「ハッハッハッハ! ……ふざけるな。悪の手先がヒーローを名乗ることは決して許さんぞ」

ロット(ああ見えてかなりの実力者で、数多くの人々を救ってきた正真正銘のヒーローだ)

ロット(だからこそ……超えないといけない)


↓コンマ35以上で『鷲男』撃破
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:06:54.07 ID:6dvD2Ucj0
いける
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:07:27.12 ID:HderSYc90
余裕
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:07:49.72 ID:6dvD2Ucj0
すまん
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:07:54.99 ID:GDg+Q1H3O
お前ら…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:10:08.06 ID:n75jELfOO
>>327
お前がもたもたしてなければこんなことには…
329 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/03/31(木) 00:17:02.68 ID:V5McBK06o
今晩はここまで、次は恐らく本日の夕方

ロットさんにはこんなポジションになってもらいました

撃破できなかった敵はソピアたちの前に立ち塞がります
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/31(木) 00:26:03.19 ID:G3E9sqiDo
おつおつ
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/02(土) 15:39:57.21 ID:2U5vr9aP0
忙しいのかな

待ってる
332 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/04/03(日) 23:55:09.65 ID:bJ9bRx/3o
安価スレなのに本当不定期でごめんなさい
絶対に火曜日に再開します
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 23:57:15.93 ID:Wc6zzM9e0

舞ってる
334 : ◆k9ih1s9J/w [saga sage]:2016/04/05(火) 21:20:54.50 ID:YEy2nD3Fo
>>316訂正 サウソーシャ大監獄 → シスヤタ大監獄



鷲男「はっ!」ゴウッ

ロット(飛んだか……。どちらかというと、狙い撃つのは苦手だ)

ジェットパックが火を吹き、鷲男が空を舞う。魔力で作り出した半透明の翼で向きを調整しているようだ。

鷲男「おっと、撃たれてはかなわん。透明飛行!」

ロット(月魔術だな。だけど、耳を澄ませてジェットパックの音を聞けば……ここだな)パァン

一発だけ撃った銃弾は空中で弾かれる。

鷲男「エアー・シールド、私に銃は通用しないぞ! だが、よく当てたな!」

ロット「うるさいからね。どこにいるのか丸わかりさ」

鷲男「喧しかったのだな、これは失敬。消音飛行!」

ロット「何っ……!」

ロット(しまった……姿も音も消されたか。肌で感じる風と気配を頼りに撃つしか手は無い)

ロット(でも相手は大型鳥モンスター並の高速で動いている。そして風魔術での防御……詰んだか?)

ロット「どこにいるか分からないなんて、地味で姑息なヒーローだな」

鷲男「クリスタル・バード!」ゴッ

ロット「ぐあッ! くっ……マントが……!」

鷲男「その耐魔装備、岩属性耐性をおろそかにしていたようだな」スタッ

体当たりの直後に姿を現して地に降り立った男に即座に発砲すると、それは爆発しロットを激しく吹き飛ばした。

本人はまだ上空にいた。消音と透明化は解除されている。

鷲男「幻影だ!」

ロット(ダメだ……飛んでる隙に逃げるしかない)タタッ

鷲男「逃がさん! 私には貴様の居場所が手に取るように分かるぞ!」

ロット(屋内に逃げれば飛びまわれないはずだ……)

鷲男「む? 正門から感じ慣れぬ気配が……。なんと、兵士が倒されているではないか! 今行くぞ!!」ゴウッ

暗視能力で新たな悪を捉えたヒーローは速やかにそちらの排除に向かう。
335 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/04/05(火) 21:57:13.25 ID:YEy2nD3Fo
シスヤタ大監獄、囚人労働施設。

ロット「……追ってこないな」

岩属性を纏った突進の直撃を受けたロットは大きなダメージを受けていた。

ロット「突入して、結構立つな……。今何時だ?」

教官長「2時8分だよ」

ロット「……!」

施設の入口に老婆がいた。

その腰は曲がっておらず、気配の一つもさせずに立っている。

教官長「あの若造共は、侵入者一人仕留められないのかい」

教官長「己の実力を過信して訓練を怠ったね。あのザマでこの国有数の強者だなんて実に情けないよ」

教官長「そうは思わないか、若造?」

ロット「……ああ、そうだな」

ロット(厄介な相手に見付かってしまった……)

ロット(王国軍の中心人物の一人で、女性でありながら前線で戦い続けた歴戦の武人)

ロット(あらゆる武器の扱いに通じ戦場では敵の武器を奪いながら戦い、その姿から『全武』の二つ名でも呼ばれる……)

教官長「しかし、相手が悪かったね」

教官長「見れば分かるよ。お前さんの実力は英雄の勲章を与えるに値する程だ」

ロット「お褒めに預かり光栄だな」

教官長「まったく……あたしが戦わなくて済むのはいつになるのかねぇ」

教官長「まあ所詮はババアだ。少しは加減しなよ」ギロッ

ロット(冗談じゃない! あの六勇ですら純粋な武器の扱いでは勝てない程の化物婆さんだ。手加減なんかできるもんか)

ロット(だが、俺には勝機があるかもしれない……)


↓コンマ50以上で『全武』撃破
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:05:26.47 ID:aHBBhm1K0
この流れなら行ける
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 22:06:02.82 ID:3aUwhsVX0
おしいな
338 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/04/06(水) 19:06:45.39 ID:DEF69Mk3o
ロット(俺にだけある勝機、それは俺の武器が銃であること)

ロット(銃は北大陸では歴史の浅い武器だ。『全武』が若いころには存在しなかった銃なら……!)チャキッ

外国での修行で数多くの視線を潜り抜けてきたロットには、両手で連射しながら的確に狙い撃つことが可能だった。

彼は初め、拳銃の故障を疑った。

目の前の老婆が、自然に歩きながら全ての銃弾を避けたことを信じられなかったのだ。

ロット「嘘だろ……」

教官長「弓矢と同じだよ」

教官長「たとえ引く動作が無くとも、目線で分かる」

ロット「舐めるな!」

ロット(跳弾を利用した全方位からの射撃! すべて避けることは不可能! ……!?)

教官長「借りるよ」

一気に距離を詰めた老婆はロットの顎に打撃を食らわせると、体勢を崩した隙に拳銃を一丁掠め取った。

そのまま接近戦に突入する。

両者ともに回避に集中しながら、銃撃での一撃必殺を狙う。

ロット(おかしいだろ……! なんで……)

ロット(なんでこの婆さんは、ガンカタの動きをマスターしてるんだよ……!)

教官長「よっと!」ゴチン

ロット「がはっ!」

不意を付く頭突きで転倒するロット、すかさず撃ち込まれた銃弾を床を転がって回避する。

ロット「畜生……!」サッ

机の裏に身を隠し、距離をとっての銃撃戦が始まる。

ロット(あの婆さん、遮蔽物もいらないっていうのか……。だが次のチャンスで決めるっ……!)

カチ カチッ

教官長「おや、弾が切れちまったよ」

ロット(今だッ!!)バッ

物陰から飛び出すロット。

次の瞬間には蹴りで宙を舞い……そして肘鉄で地面に叩き落とされていた。

教官長「悔しいかい? 残念だったね、敵である以上リベンジのチャンスは無いんだ」

ロット「ぐうっ……!」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 19:10:47.02 ID:n2+iQAgvo
ロットさんがニヒル(笑)なガンマンに…
おのれコンマ神
340 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/04/06(水) 19:10:52.59 ID:DEF69Mk3o
一方、ソピアたち。

アン「後10秒……3、2、1、2時ですぅ!」

ソピア「出発!」

トール「ソピアさんは僕の後ろにいてください」

イデア「前衛は私が!」

ハルカ「飛び道具に気を付けて……!」

見張り軍人「なんだお前たちは!」

アン「ごめんなさぁい!」パァン

剣士軍人「敵襲ー!!」

イデア「ヒレア様、お願いいたします!」

ヒレア「しばらく眠ってなさい」ブワッ

黒い霧が正門周辺を覆い、大半の兵士を眠らせる。

魔法軍人「なんだと……!」

ソピア「マリンビーム!」

マリン「それー♪」

魔法軍人「うああっ!」


ソピア「楽勝だったね」

トール「もう少し対策されてると思ってましたが……」

ハルカ「増援が来る前に進まない?」

イデア「警戒は怠らないように」

鷲男「待て! 私が来たからにはこれ以上は進ませんぞ!」

イデア「どこですか!?」

アン「屋根の上ですぅ!」

ヒレア「変態がいるわ……!」

鷲男「そこにいるのは……英雄『神殺』だな!」

ソピア「誰だっけ」

鷲男「私の名は、エンチャントイーグルマン!」

鷲男「荒野で修行中に毎日、国鳥エンチャントイーグルの卵を食べ続けたためか」

ソピア「マリンビーム」

鷲男「あるいは……おっとぉ!」バッ

鷲男「名乗りの最中に攻撃を始めるとは、なんたる悪党!」

ヒレア「急いで片付けましょ!」

ソピアたちは強者の勲章持ちを甘く見ている。


メンバー
ソピア(マリンもセット)・トール(補助メイン)・ヒレア(不死身)・アン(銃とアイテム使い)・ハルカ(弓オンリー)・イデア(盾オンリー)

↓2 『鷲男』と戦闘するメンバーを指定(個人・複数人・全員OK、ソピアが参加しない場合コンマのみで判定)
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 19:58:35.49 ID:X5384mO9o
急いで、だから全員で行くか
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 20:30:31.61 ID:vxbEbmraO
全員で速攻をかける。
とりあえずコンマ判定はこのスレだと危険そうなので、出来る限りソピアは参加する方向で
343 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/04/06(水) 21:32:18.25 ID:DEF69Mk3o
>>338 視線→死線



イデア「別行動は危険です。全員で対処いたしましょう!」

トール「急いでいる時こそ確実に、ですね」

鷲男「とうっ!」ゴウッ

ヒレア「空中戦ね、いいわ!」バサッ

ハルカ「……狙い撃つ!」

ソピア「マリン、お姉様に当たらないようにビーム! アンは当てそうだからやめて」

アン「信じてくださいよぅ!?」

鷲男「エアー・シールド! 私を傷つけることはできんぞ!」

ヒレア「くっ、硬いわ……。霧も効かないみたい!」

トール「彼の属性は風と月です。珍しいですね……」

ソピア「それなら属性変換で……光線魔法(火&日)!」

鷲男「コロナ・バード!」ボォォォ

燃え盛る男が光線の中を突っ切り、拳を振るいながらソピアとトールに突進する。

ソピア「きゃぁっ!」

トール「いたた……マリンのバリアのおかげで助かりましたが、今の技は……」

ソピア「もしかして、あの人も属性変換が使えるの?」

鷲男「ふむ、流石に敵が多いな。隠密飛行!」

ヒレア「消えたわ……?」

ソピア「まさか、透明魔法……!?」

トール「気配は……後ろです!」

鷲男「ルビー・バード!」ドッ

突如現れた男がマリンに突進からの拳を食らわせる。

ヒレア「マリン!?」

ソピア「大丈夫、ギリギリ生きてたよ……。回復まで少しかかるけど……」

トール「さっきは僕とソピアさん相手に火と日、今はマリン相手に岩と日……こちらの属性も敵に筒抜けのようです」
344 : ◆k9ih1s9J/w [saga]:2016/04/06(水) 21:38:23.96 ID:DEF69Mk3o
鷲男「フェザー・ボンバー!」ドゴゴゴ

イデア「くううっ!」

ハルカ「防御、ありがとうございます……!」

ソピア「今のはエアバッグとダークフェザーのような……」

イデア「ソピア様とトール様の使う魔法と同じものを使う敵ということでしょうか」

アン「敵に回すとこんなに恐ろしいんですねぇ」

ハルカ「せめて音が聞こえれば射れなくもないけど……」

ヒレア「私よりも速く飛んで、バリアも貼ってるわ。たとえ見えたとしても厳しいと思う」

トール「幸い、僕の気配察知で場所は分かります」

ソピア(たくさんある私の魔法でどうにかできないかな……?)


↓2 自由安価、>>8の使える魔法を参考に なおコンマ奇数でトールが打開策を閃く
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 21:39:36.94 ID:VlRZvof4o
聖域
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 21:50:37.84 ID:+KaTl8S+0
聖域と運命の矢
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 22:12:55.85 ID:0KAubgIx0
コンマには嫌われる
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 22:58:10.05 ID:uAUZj4+30
やはり運がない
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 00:05:41.49 ID:V9bsCABz0
最近更新ペース安定しないね

無理に平日にやらんで土日とか時間ある時にまとめて進めるとかでもええのよ?
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