他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
文才ないけど小説かく 7
Check
Tweet
342 :
アルバム(お題:吉兆)
[sage]:2016/12/23(金) 00:21:42.94 ID:z8i+ik/So
「私は昔、優也に殺されかけたことがあるわ」
そう姉に言われた。僕はちょっとした冗談的な意味合いだと思ったが、姉は本当に殺されかけたのだと言った。
僕は大学進学に向けての一人暮らしのために、実家の部屋を片付けていた。僕と姉のアルバムが出てきて、興味は移ろい、掃除はたやすく中断された。文庫本サイズの冊子が三冊。市販のインスタントカメラで撮った時代のもので、僕たちが小学生低学年くらいまでの写真が収められてあった。
澄香姉ちゃんにも見せようかな、とも思ったけれど、姉は昨日の夜から高熱を出していてダウンしていた。お昼時で、なにか作って部屋に持っていこうか、とさっき姉に声をかけたのだけれど、「大丈夫だから」とひとりでリビングに行った。
少しは良くなったのかな、と思いつつアルバムを持ってリビングに行くと、姉はご飯を食べながらテレビを見ていた。自分で作ったおかゆを食べる動作は、やはりどこかけだるげに見える。
「澄香姉ちゃん、ほんとに大丈夫?」
「うん」
姉はあやふやにつぶやく。長い髪をまとめ上げて普段より露出している頬が赤らんでいる。大丈夫そうにはあまり見えない。
僕は姉の向いに座って、アルバムを差し出した。
「昔のアルバムが出てきたよ。僕と澄香姉ちゃんの」
「へえ……」
姉はスプーンを持った手を止めて、アルバムをぱらぱらとめくりだす。
「懐かしいわね。幼稚園、小学校くらいのとき? もう十年以上も昔なのね。早いというか、なんというか」
「写真の中の澄香姉ちゃんの年齢を追い越した今でも、いつまでも姉は姉なんだなって不思議に思うよ」
「どういう意味?」
「小学生の澄香姉ちゃんを一七歳の僕が見ても、年はとっくに追い越したのに姉って感じる。いつまでも永遠に追いつけない存在だなって」
「ああ、まあ確かに、中学校の時の先輩とかも、実年齢はとっくに追い越してるのに、記憶の中でいつまでも先輩でありつづけるものね」
しばらく姉はぼんやりした目つきでページをめくっていた。そして姉は言った。
「アルバムなんて持ってくるから、昔話になっちゃうけれど……私は昔、優也に殺されかけたことがあるわ」
「それ、なんのこと?」
279.34 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)