キリカ「アーユー ハッピーナウ?」

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237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 03:39:59.05 ID:SYZjpS2Ao
238 : ◆8hR4QzB4Ro [sage]:2017/02/22(水) 13:44:33.70 ID:4Xun0+mO0
間が開いてすまぬ…

明日くらいには更新するっす
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 13:28:27.38 ID:0FBUywQ+O
こんにちは、更新しますです
240 : ◆8hR4QzB4Ro [sage]:2017/02/26(日) 13:29:36.23 ID:JO0ypGuL0
ルナ「あー君おいっすー!」

あゆむ「誰お前……知らないから、帰れよ3号」

えりか(何こいつ……)

ゆうか(知ってるじゃん)


ちかみち先生と入れ替わりで入ってきた少女もまた、極めて明るく元気な声で挨拶をする


ルナ「樋廻 ルナ!あー君の従妹だよ、よろしくなー!」


絵の具で作るなら少し赤を混ぜたような濃い黄色の瞳と、同じ色のゆったりとした髪の毛、一部をツーサイドアップにしたロングヘアがなんともあざとい


えりか「あ、うん」

ゆうか(あゆの従妹か……)


まどかと同じ位の身長も合って妙に幼い印象を受ける……が、少なくともゆうかにはわざとらしい元気に見えたし、現実にある程度の見切りがついている「女
性」に思える


ゆうか(あゆから負けん気を削ぐとこんな感じかもね、意外と)

ルナ「入ろうとしたら検査とお薬が終わってからってゆーからさ、いやでも本当に元気そうだなー良かった良かった」

あゆむ「何用だ不良娘」

ルナ「仮にも死にていからの復活だってーから来てやったんだろー」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:30:53.41 ID:0FBUywQ+O
支援
242 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:31:59.08 ID:JO0ypGuL0
そう言って傍らのパイプ椅子を展開して座り込む


あゆむ「そうかいよ」

えりか「あー、はい!」


無愛想に対応するあゆむと、ニヤケて問答するルナにえりかが切り込んだ


ルナ「んー?」


キョトンとした気持ちに、ちょっとの笑顔を足したような表情でルナがえりかに向き直る


えりか「えっと……小学生に見えるんだけど、あんたいくつよ」

ルナ「15」


あー慣れてまーすと言わんばかりの軽い返事

……実際あの顔立ちでは慣れているだろう


えりか「ぐっ……!」

ルナ「どー言うアレだこらー!」


えりかのリアクションで同類と認めたのか、途端に声のトーンが軽くなった


あゆむ「ちっこい奴程なんとやら」

えりか「い、言ってまったね!」

ルナ「あー君だって中学入るくらいまで身長変わんなかったろーが!!」

あゆむ「すいませんね、成長期が来たもんで」


言いながら両手で胸の(あまり無い)脂肪を寄せ、見せびらかす
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:32:04.23 ID:0FBUywQ+O
支援
244 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:32:53.10 ID:JO0ypGuL0
えりか「ぐっ……!」

ルナ「クソッたれぇ……!」


大して無いが(本人曰くもうちょっとでB。えりかの鑑定ではB、でも形が悪いとか)こういう時に強調するくらいにはあるし、その日が来たらちゃんと張る

その時の不機嫌ぶりったら無い


ルナ「んー、まあそれは置いといて!お茶飲みに行こーぅ!」

えりか「わーい!」

ゆうか「やったー」

あゆむ「……」

ルナ「あー君は重いから自力で歩いてね?」

あゆむ「起きたばかりの人間にかける言葉じゃねえよ……」


と言いつつも、病室のドアの死角に車イスが隠してあり、減ったらしいとは言え50kgはあるはずのあゆむを軽々とまではいかないものの無難な所作でベッドから移す

こういう所が従妹だな、とゆうかは一人納得し、えりかはルナの馬力に目を白黒させている


ゆうか「いや、だってあゆの従妹だよ?」

えりか「うーむ、あゆの従妹だもんねぇ」


体格が近いだけにルナのバカ力が未だ信じられないのか、少し難しい顔をしてから病室を出た
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:33:15.47 ID:0FBUywQ+O
支援
246 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:34:07.54 ID:JO0ypGuL0
〜とある町のアーケード街〜


せつな「んー、手応えないねぇ」


顎に手を当て、わざとらしくとぼけて見せるせつな


海香「ふ、ふざけない……で!」

カオル「この、クズやろう……!」


十以上の人々が二人の少女をねじ伏せて抑え込む異様な光景がそこにはあって、せつなは二人の魔法少女の目の前で視線もくれることなく会話に応じている、次の波乱を予感しているからこそだ


せつな「人質の二十三十でうだうだ言わないでよ!こちとら四対一だよ!?」

男性「そうだそうだ!最低なのはお前らだこのガキめ!」


伏兵が居るとはいえ、魔法でその場に居た一般人を片っ端から洗脳されて差し向けられれば戦闘どころでは無い

海香を一般人で差し押さえ、カオルを脅し、背後から十人程雪崩れ込ませればそれでおしまいだった

アーケード街の中では待機しているユウリの狙撃も期待出来ず、かといって子供も含む人間の集団を吹き飛ばす度量は無い
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:34:41.83 ID:0FBUywQ+O
支援
248 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:35:41.11 ID:JO0ypGuL0
少女「おねーちゃん!指輪取ったよ!」

せつな「おーよしよし!いい子だねー(*^O^*)」

少女「えへへ!」


二人の指輪を回収した少女がせつなに頭を撫でられ笑っている。魔法で洗脳したという前提がなければとても微笑ましい光景だったであろう


カオル「くっ……!」

海香(完全に見誤った!後の選択肢は……!)

海香「え!?な、何!?なんで!!」


押さえ込んでいた男性が海香の上着のチャックを下ろし、シャツのボタンを外しだした


男「そりゃおまえ、悪い女の子を取り押さえたらヤル事は一つだべ」

せつな「処ー女だっといっいね〜♪処ー女だっといっいな〜ρ(ーoー)♪」


演歌のような渋い声でせつなが歌う。もう何が起こるのかを疑うべくも無い


カオル「おい!!おいお前……ぐっ!!」

「『プロドット・セコンダーリオ』」

せつな「およ?」


何処から現れたのか十数人の魔法少女が四方から一斉に飛び掛かる
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:37:33.97 ID:0FBUywQ+O
支援
250 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:38:10.04 ID:JO0ypGuL0
せつな「へっ!」


死角から迫る一体を背面撃ちで殺し、最も多くを視界に納められる正面へ躍りかかかった


ニコ「……!」


すれ違い様で一人を蹴り倒し、一人を射殺

振り向きと同時バーニアを吹かして加速しつつ一人を殴り飛ばして看板に叩きつけ、最初の死体の足首を掴んで数人を凪ぎ払う


ニコ「バーサーカー……ね!」

せつな「狂ってないよー」


両手を挙げてへらへら笑う、対するニコも仲間を庇うようにせつなと対峙し、手につかんだものを二人に渡した


ニコ「そのようで……でも」

カオル「サンキューニコ!」

海香「助かったわ……!」


再び変身した二人は力づくで人々を押しのけて立ち上がり、それぞれ武器を構える

そんな魔法少女に威圧され、周囲の人間はあとずさりを始めた


せつな「むむっ、手癖がお悪いようで」


得意げに手のひらを閉じたり開いたりするニコと、それを見て口元がさらに鋭く歪むせつな

その笑顔はもはや悪魔か何かだ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:40:41.63 ID:0FBUywQ+O
支援
252 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:44:55.54 ID:JO0ypGuL0
せつな「ってゆーか割り込むなー!」

ニコ「海香!カオル!」


せつなが両手のガンポッドから突如発砲、銃声に反応して体が跳び、イニシアチブはせつなが持ったままで戦闘が再開する


織莉子「『グローリー・コメット』!」

ニコ「ッ!?」

カオル「ニコ!」


水晶玉で一瞬分断、ニコだけ蹴り上げを喰らわせて先ほどの爆撃で破壊した天井からたたき出し、織莉子はそれを追った


織莉子『そっちの二人はあげるわ、お好きに』

ニコ「シット……!」


間断いれずに仕掛けてきた格闘戦でもろに3発蹴られたニコは、商店街の連なった屋上を無様に跳ね回る


せつな「そう言う話じゃないんだけど!」

海香「ニコ!!」

カオル「美国を!」

せつな「男もロクに知らないジャリが」


ガンポッドを連結、一瞬の煌めきと共に物理法則を無視してギターに変形し、ロック調の激しい曲が流れだす


せつな『私の歌を聞けぇ!!』
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:47:18.39 ID:0FBUywQ+O
支援
254 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:48:39.98 ID:JO0ypGuL0
海香「歌!?カオル待っ……なっ!?」

カオル「え……?海香の気配が……消えた?」


海香だけではない、さっきまで囲んでいた数十もの人間たちもだった

感じられない、せつな以外の全ての人間を

せつな『さあて試練だ!誰があたしを手にいれるかな?』

カオル「こう言う魔法!?」

〜〜

ニコ「ぐっ!!」


どうにか立て直して織莉子から距離を取り、ニコ自身は不利と分かり切っていても魔法での射撃戦に移ろうとしていた


織莉子「貴女は、ここで……!」


町中を跳びまわりながら、飛来する水晶玉をバールから放つ光線で撃ち落とす


せつな『私の歌を聞けぇ!!』

ニコ「怨みは買っただろうけど、憎しまれる謂れは……何ッ!?」


突如として織莉子の姿が見えなくなる


織莉子『それが彼女の歌』

ニコ「参ったね……ぐあっ!!」

せつな『優しいその指が 終わりに触れる時』

織莉子『さあ……あの子と同じ絶望を教えてあげる』

ニコ「くっ……そ!」

せつな『今だけ 君だけ 信じてもいいんだろ?』
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:49:45.63 ID:0FBUywQ+O
支援
256 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:50:21.48 ID:JO0ypGuL0
織莉子の気配を完全に感知できなくなり、ともかく闇雲に走り回るしかなくなった


ニコ「ぐっ……!」

せつな『誰もが崩れてく 願いを求めすぎて』


足元を爆撃する水晶はどうにかかわし、しかし背面や脇腹を狙う攻撃は受けてから一瞬で距離を取る位しか対策出来ず、そんな攻撃が間断無く続いてニコから体力を奪い続ける


せつな『自分が堕ちて行く 場所を探している』

ニコ(でも……直撃を取れないのは、向こうも似たようなもの……かな!)


直撃を取れないのは織莉子にもニコが見えていないから

回避先を予知、そこに攻撃を送り込むだけ……そう思ったニコが壁を背にすること思いついて建物から道路へと飛び降りた瞬間に、勝敗が決した


「キャアァアアッ!!?」


左半身に何かがぶつかったと思った瞬間、ニコは時間の止まった世界で空を飛んでいた

瞳だけを動かして自分がいたはずの場所を見ると、フロントガラスが派手にひしゃげた大型のトラックが目に入り、その運転手と目が合ったと思ったら急に世界が加速し、何を理解する前に100m以上を一瞬で吹っ飛んでいった


ニコ「ぁ……」

織莉子「まずはチェックメイト……ね」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 13:53:52.38 ID:0FBUywQ+O
支援
258 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/02/26(日) 13:57:29.52 ID:JO0ypGuL0
半身が潰れてもげ、もう人間の形を保てていないニコを見下ろすように織莉子が現れた

彼女は紐のようなものを引っ張り、跳んでどこかへ行ってしまった

それを見た多くの人間が喚きたて、どよめいているのが見える


ニコ「ぅ……っ」


消えゆきそうな意識を懸命に繋ぎ止め、せめてこの場にいる人間だけでも非難させる方法はないか探る

肉体が再起不能レベルのダメージを受けたのなら、織莉子を倒す方法は魔女しかないからだ


ニコ(ダメ……みたい……ね)

織莉子『さようなら、聖 カンナ』


その言葉を聞いたニコの意識は急激にクリアになっていく


ニコ「な……ん……で?」


同時に何かが『接続』して、ニコの怪我を直しだした

次にパリン。とガラスが砕けたような音がして『接続』が消滅する

実際にはかなり遠くでなった小さな音だが、それがどうしてかニコには聞こえてくる

取り返しのつかない傷だと確信させる、胸の痛みと共に


QB「聖 カンナは死んだ。たった今、織莉子がソウルジェムを砕いてしまったよ……もう少しで魔女になったのになぁ」


キュウべえが言うまでも無く、理屈も理論も理解も超えてニコには分かった


ニコ『そうだね、だから——
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 14:01:00.77 ID:0FBUywQ+O
お疲れ様です、今回はここまでです

毎度間が空いてすまぬ……

さやかff「カンナとニコ……一体どういう関係なんだ……!」

なぎさ「かずみを見るのです」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/28(火) 11:02:00.76 ID:7F8NvFUj0


ユーリ&カンナ撃破、ニコも虫の息でプレイアデス壊滅不可避ですね

ってかせつなと織莉子さん強すぎぃ!?
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/28(火) 02:19:05.81 ID:YIHj40rVo
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/27(木) 08:39:27.20 ID:WhYHTmGA0
待ってる
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/28(日) 14:35:07.00 ID:kUxRbJ43o
おいおいここまで来て落とされたら嫌だぞ
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 00:12:33.18 ID:7LjEFUIiO
すまない……

明日は更新出来るです……
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 01:30:19.93 ID:aJ0WVuSzo
落としさえしなければ大丈夫よ
266 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:18:28.29 ID:JVhgE2Hb0
遅れてすまんです

再開します
267 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:22:15.37 ID:JVhgE2Hb0
〜見滝原総合病院 5階テラス〜 


病院の各階の端っこにあるテラス

その部屋だけは壁の一面が大きな窓ガラスとなっており、明かりもないのにとても明るい部屋となる

小洒落た円卓と、白くてきれいな丸椅子が4セット、フードコートを仕切る大きな壁とそこについたドでかいTV

テーブルはそれぞれに4人まで座れるように並べられていて、お見舞いに来た客人も、入院している患者も、少しだけ病院から離れた気持ちになるような工夫がなされている

唯一残念なところは、壁で仕切られて直接は見えないフードコートに並んでいるのが自販機のみという所


ルナ「あつっ!ん〜」


つまり、今ルナが食べている焼きそばパン(220円)以上の食べ物は販売されていないこと


ゆうか「あんた、本当に怪我大丈夫?」

あゆむ「ん?まあ、取りあえずは」


ベッドで寝ているときは気にならなかったが、あゆむの身体は包帯だらけなで点滴も二本、動くのはどう考えてもまずいような気がしてきた


ルナ「さっすがあー君!」

あゆむ「へいへい、化け物って言われてたのは伊達ではありませんよ」


そういえば医者なんかも回復力がバケモノ染みてるとか言ってたような気がする


えりか「でもさ……」

あゆむ「ま、普通に考えれば痛み止めとか打ってるだろ、気にしても無駄だわ」

ゆうか「それ気にしなきゃダメな奴じゃん……」
268 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:26:43.73 ID:JVhgE2Hb0
『現在、避難勧告の出ている地域は以下の通りです。桐生市全域、みどり市全域、風見野市北地区等、計7つの市で』


ちょっとした座談会が思わず中止になるTVからの声、電車なら五分程度の町で何かあったらしい


ルナ「ん?風見野市で避難勧告?」

えりか「なんかあったの?」

あゆむ「ん……え、何」


背後のTVを見たいのだろうけど、振り向くことも、首だけ向けることすら出来ないあゆむを見たルナが椅子を持ち上げてあゆむを向きなおらせる

小学生が中学生を椅子ごと持ち上げるような、かなり異様な光景だったが、あゆむの従妹なので仕方ない


『まるで空爆でもあったかのような、凄惨な光景が広がっています……このような状況を今日の日本で見ることになると、一体誰に予測できたと言うのでしょう?』


空爆……というよりは隕石がいくつか降ってきたという方が適切に思える

駄菓子屋のキャンディ菓子のようにカラフルな市外が広がっていたその場所には、灰色の無残なざるのようなものが広がっていた

その光景が現実離れしすぎていて、ジオラマとかCGとか……とにかく作り物のようなものにしか思えない


ルナ「えー……何事?」

ゆうか「何々……原因不明の爆発が相次いで、えーっと……テロの可能性もあるだあ?」


テロにしたってそんなすさまじい爆弾をドカスカやるものだろうか


えりか「日本って今テロリスト・ムーブメント?」

あゆむ「舐められてるんだろ、一回やらかされたからな」


いや、舐めるとか以前に爆弾を持ち込まないでほしいと思う
269 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:34:38.68 ID:JVhgE2Hb0
あゆむ「つーかお前んちこの辺じゃねーの?」


さりげにとんでもない爆弾発言が出た気がする

……別にルナと親しいわけではないが、顔見知りである以上心配する権利位はあるだろう


えりか「え、それやばくない?」

ルナ「あー、大丈夫でしょ」

あゆむ「だろうな」


なんでそういう会話になるのか、ゆうかにはさっぱり分からない

『大丈夫』というか『どうでも良い』と言っているように聞こえるので尚の事意味わからない


ゆうか「なんでそう思うの……」

あゆむ「勘」


でもこれがあゆむの考え方で『心配しても仕方ないから心配しない』のである。同時に『気にするな』とも言ってくれている


ルナ「大丈夫だよ、こんなあからまさかな危険があったらちゃんと回避してるって」


こっちの言い回しにも似たようなニュアンスを感じる


えりか「回避出来なかったからこうなっちゃったんじゃ……」


そしてえりかは空気を読まない


ゆうか「なんでそう不安を煽るかね、あんた……」


言って直るならとっくの昔に改善されてるけど
270 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:37:29.87 ID:JVhgE2Hb0
〜数時間前 風見野駅付近の市街〜


ニコに『接続』していたワイヤーを力づくで引っ張り上げ、聖カンナを戦場へと引きずり出す


カンナ「なんだ!?なんで私を!!」


理由は単純明快。織莉子の予知によれば『七色の翼』を壊滅まで追い込む事件の切実は彼女だからだ


カンナ「っざけんな!!こんな……ところでぇ!『コネクト』!」


無数の触手が織莉子へと接続され、思考も、魔法も、何もかもを一方的に読み込む『接続』の魔法

対魔法少女を考えればこれほどに恐ろしい魔法はない

キュウべえが無敵とまで称した『読心』を超える読み込み能力と、魔法の限定的な習得……それらを感知されずにできるのだから強力なことこの上ない


カンナ(さあ!お前の思考も、魔法も!)


カンナの持つ素質から生み出される強大な魔力は接続先の、大半の魔法の使用を可能とする

一対一ならばカンナが絶対に勝つ、その解釈に間違いはない

美国織莉子と鹿目まどか……たった二人の例外を除けば、だ


織莉子「知ってた」

カンナ「え……?」


カンナが接続してきたと『予知』出来たタイミングで織莉子の『予知』を使う


織莉子「私の魔法を教えてあげる」

カンナ(……!?まさか!)
271 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:40:55.68 ID:JVhgE2Hb0
気が付いたところでもう遅い。『接続』のための触手を掴まれ、織莉子の『予知』に無理やり接続させられる


織莉子「知りなさい、貴女の願いの先にあるもの」


カンナの未来を調べ、その情報を片っ端から押し付ける。魔法少女の未来には、多かれ少なかれ絶望が待っているもの

普段は杏子との連携でそのイメージを押し付けるのだが、今回は違う

向こうが勝手にくみ取ってくれるのだ、ここぞとばかりに毒を混ぜない手は無い


カンナ「っ!!?」


——カンナ、もうあの事で自分を責めなくなったのね——


カンナ「それは設定だ!!作られただけの私が知ったことか!!」


——ニコに出会っちゃうまで。カンナには家族もいたよね、友達もいたよね……カンナは皆が大好きだったよね……——


カンナ(違う…違う!!)


——本物だよ、カンナが皆を好きだった気持ちも、皆がカンナを好きだったことも——


カンナ(なんだよ……なんで)


——笑顔も涙も捨てて、家族も友達も本当の名前も全部……あなたに託したんだよ——


ニコ(涙なんて……出るんだ……!)

織莉子「狐は皆、自分の皮を剥ぎ、人間に与えなければならない」

カンナ「え……?」

織莉子「貴女に送る言葉よ」


「それ」が織莉子の夢の中だったのだと気が付いた頃、何もかもが手遅れだった


織莉子「『オラクル・レイ』!」


光の刃が全身を幾度も貫いて、その内の一つがカンナの魂を捉えると同時に、その存
272 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:47:25.36 ID:JVhgE2Hb0
織莉子の世界を幾度も不安に陥れてきた悪夢はこれで終わり

ここからは織莉子が生きるだけで勝ちだ


織莉子『せつなさん、次に来るモノが本命……せっかく生かしておいたのだから、役に立つことを期待するわ』

せつな『何、続くの?』


魔法少女二人を半殺にし終わったせつながくるりと振り向く


ニコ『ねえ……どうして私たちの邪魔するの?』

織莉子『理由は二つ、まずは私の予知によれば、あなた達の存在が邪魔になるから』

ニコ『その予知って、絶対に当たる?』

織莉子『覆ったわ、幾度となく』

ニコ『なのにカンナを殺したの?』

織莉子『勘違いしているようだから言っておくわ』

せつな(喧嘩に巻き込まれちゃった感かー。ま、暇つぶしにはなりそうだけど)

織莉子『お前たちは私の友人、鹿目まどかに立ち直れないほどの深い傷を与えた……その落とし前、どうつけてくれる?』


杏子とマミの捜査は伊達ではない

残された魔力の香りからユウリが見滝原に居たことは確定している、他にも紗々がちょくちょく見滝原を出入りしていた事、その魔法で志筑仁美を利用していたこと

何より、紗々がほむらのループの中で何をしでかしていたのかをほむらから聞いていた

それでも手を出さなかったのは、他でもないまどかの善意に免じてのもの

故にもう、手加減と和解の猶予は存在しない
273 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:50:36.96 ID:JVhgE2Hb0
ニコ『それは……私の祈りの、すべてが否定されなければならないのかい?』

織莉子『あの子はね、全面対決の末の死しか許されていなかった私達に『生きていい』と言ってくれた。それがいずれ、自らを討つかもしれない力と知って、それでも』

ニコ「……それで?」

織莉子「お前達の全てが凌辱されたくらいで、許されるわけがないでしょう?」

ニコ「……っ」

織莉子「謝ったくらいでは許されない……その罪と罰は、お前たちの家族、友人すらもを侮蔑して、蹂躙して、凌辱して、尚足りない」

せつな「あ、あたし女の子専門で凌辱のお手伝いしまーす!」

ニコ「そうか……じゃあ、黙ってやられてはいられないね」


そう言うと同時に空から四つの黒い魔女が降り立った

それは全てを砕く漆黒の魔法

生命を持たない魔法少女だからたどり着いた、いのちの形


ニコ『モード・ブラッディウス……行けよ!かずみ・マギア!!』

せつな「うわあ……(´Д`)」

織莉子「死ぬ気でやれば死なずに済む、私たちはね」

ニコ『それで許されるわけがないよねぇ!?』


もはや魔神とでも呼ぶべき禍々しさをはなつ魔女、明らかに人間と魔法少女の判別が出来ないそれを戦場に放ってきた。その事実が分かりやすく示すことは一つ


織莉子(こうなってしまった……なるべく死人を減らす努力はするけど)


結果としては、その魔神を認識した人間に生存は許されなかったが
274 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:52:16.82 ID:JVhgE2Hb0
〜見滝原  中央部  姫名川〜


織莉子「うぅ……はぁっ!」


日が沈んでしばらくたったころ、工業地帯の手前の岸に一人の魔法少女が流れ着いた


織莉子「あぁ……最悪……」


白い綺麗なドレスのほとんどを血と泥で汚し、足は片方が見当たらず、腹部も明らかに欠損している


織莉子「スマホ……まあ駄目ね」


スカートのポケットに入れておいたのだが、なにしろ命からがらで逃げてきたので余裕は無かった


織莉子「はぁ……」


満身創痍のこの身体では魔法少女が見つけてくれるのを待つしかない

失意を溜息で吐き出し、後どれくらい保つだろうか……と、少し不穏なことも考える


キリカ「織莉子ぉぉっ!!」


悩みは杞憂に終わった


マミ「!」

織莉子「ああキリカ!」

キリカ「織莉子ーっ!!」

織莉子「キリカ!」

キリカ「織莉子ぉぉっ!!」


マミの堪忍袋が最速で限界を迎えようとしている
275 : ◆8hR4QzB4Ro [saga]:2017/05/31(水) 18:53:31.69 ID:JVhgE2Hb0
取り敢えず今回はここまでです。お疲れ様でした

なぎさ「風見野市半壊の巻なのでした」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 22:38:30.84 ID:R8JRoITWo

織莉子ちゃん強すぎ問題
ミチルクローンに何かしたのか?えげつないやつ出してきたけど制御効くのかコレ

>>271 最後の方切れてない?
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/02(金) 20:41:16.23 ID:eIfGFejEo
>織莉子「お前達の全てが凌辱されたくらいで、許されるわけがないでしょう?」

>ニコ「……っ」

>織莉子「謝ったくらいでは許されない……その罪と罰は、お前たちの家族、友人すらもを侮蔑して、蹂躙して、凌辱して、尚足りない」

織莉子が言ってると思うと笑ける
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 00:53:38.57 ID:hS2V6uV7O
織莉子が諸悪の根元過ぎる

しかし織莉子さんがまどかの為にキレるとか胸熱展開

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 21:30:56.15 ID:uNyX4Fq0o
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/01(火) 01:58:53.82 ID:ehOu02SBo
2ヶ月だ!
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 11:37:27.17 ID:NANF7JyB0
すまぬ、ちょっと忙殺されてる……
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 01:08:36.24 ID:CDLbhx8Ro
まあ失踪しなければええよ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 12:40:03.24 ID:Ok+BZiySo
わたしまーつーわ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 17:51:27.80 ID:6orQh6PPO
ごめんなさい、ちょっと真面目に余裕が無いのでエタとさせていただきます……

すまぬ……
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 20:32:23.64 ID:JxAgh0cLo
あらら、私生活無理しない程度に頑張ってくださいませ
いつかまた良力が出た時に気が向いたら書いてくださいませ
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 12:40:26.65 ID:OZsu1bjK0
【最悪のSS作者】ゴンベッサこと先原直樹、ついに謝罪
http://i.imgur.com/Kx4KYDR.jpg

あの痛いSSコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。一言の謝罪もない、そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2018年に至るまでの5年間、ヲチスレを毎日監視。

自分はヲチスレで自演などしていない、別人だ、などとしつこく粘着を続けてきたが、
その過程でヲチに顔写真を押さえられ、自演も暴かれ続け、晒し者にされた挙句、
とうとう謝罪に追い込まれた→ http://www65.atwiki.jp/utagyaku/

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を引き起こし、
警察により逮捕されていたことが判明している。
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