勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編

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690 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:41:22.68 ID:uAQKxthS0

















































 
691 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:42:24.96 ID:uAQKxthS0






 ―――――人間は住処を作るのに森を切り開いたり川の流れを好き勝手に弄繰り回したりするでしょう?



 ―――――いつか人間は精霊様の住処を悉く奪い尽くすって、長生きのお爺ちゃんお婆ちゃん達は危惧しているんだ。






692 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:43:30.44 ID:uAQKxthS0
 彼のおかげで、世界は長く平和であった。

 平和であったから、人は増えた。

 人が増えたから、土地が必要になった。

 人は木を切り、山を拓き、川を曲げ、海を埋めて生活圏を拡大していった。

 当然に、森に生きるエルフ、山に生きる竜種などの亜人種との衝突が起きた。

 しかし彼によって彼らは平和であることを強制された―――あらゆるいざこざを、力尽くで収束させられ続けた。

 『繁栄を妨げる邪魔者』として、人は彼を嫌った。

 『人に肩入れする不公平な偽神』と、エルフは彼を憎んだ。

 人食を禁止されたこともあり、竜種は元より彼を快く思ってはいなかった。

 結果として彼は排斥された。

 その気になれば彼はその排斥に抗うことも出来ただろう。

 その力を十全に振るえば、彼に敵対する悉くを打ち倒すことが出来ただろう。

 しかし彼はそれをしなかった。


 彼に剣を向ける者達を―――――新たな『勇者』として擁立され、彼に立ち向かってくる少年を―――――彼は、どうしても薙ぎ払うことが出来なかった。


 敗北した彼は世界の果てというべき場所へと追いやられた。

 歯止めの利かなくなった人と他種族の生存競争は、その圧倒的な数の差により人が圧勝した。

 エルフや竜種などの亜人種は歴史から消え去り、人はなお一層勢力を拡大していった。

 木々は減り、山は姿を変え、精霊は眠りにつき世界から姿を消した。

 それは、あの光の精霊であっても例外ではなく。

 勇者の力の源として、世界樹の森は徹底的に破壊されてしまった。

 精霊加護を失った彼は、いつしか普通に年老い始めた。

 そして、やがて彼は病に侵され、程なくして――――普通に、死んだ。



 それは、彼によって大魔王討伐が為されてから、およそ二百年後のことであった。


693 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:44:14.18 ID:uAQKxthS0





 ―――――まるで自分は世界にとって有益だとでも言いたげだな。


 ははっ。


 笑わすんじゃねえよ―――――勇者。




694 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:45:07.07 ID:uAQKxthS0





 今際の際に、彼の耳に蘇ったのは――――いつかどこかで誰かが口にした、嘲るような声だった。




695 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 18:46:03.85 ID:uAQKxthS0





   Epilogue of this story.



   >> http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509262850/




696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 18:55:48.60 ID:uvAjTAQkO
勇者に惜しみない乙を。
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 19:37:00.76 ID:HNsEy8QEo

戦士の登場からなんとなく既視感があったけどあのSSが続きだったのね…
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:01:38.81 ID:RBIXGmx60
丸3年ほんとうにお疲れ様でした
最高の物語をありがとう!! ラストも予想を超えてた。いいラストでうれしい
また新たな物語を書き続けてください。
楽しみにしてます!
699 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:01:40.80 ID:uAQKxthS0







   − Last episode −






700 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:02:21.78 ID:uAQKxthS0
 ポチャン、と鼻先に落ちた水滴がきっかけだった。
 久方ぶりにまぶたを刺激する陽光に、戦士は目を開いた。
 すっかり闇に慣れきってしまった瞳はうまく光を感じ取ることが出来ず、視界は白く塗りつぶされてしまっている。
 瞳が光に順応するまでの間、戦士はぼんやりと考える。
 こうやって思考を巡らせることも、ずいぶんと久しぶりだ。

 ――――この目が光を捉えるのは、一体何年振りのことだろう。

 幾百、幾千、幾万―――はたまた幾億年ぶりなのかもしれない。
 長い―――ずっと長い時間を、一人で旅をしてきた。
 一人だ。
 呪いに侵された我が身は子を成すことが出来なかった。
 食物すら拒絶する我が身に、愛する者の種など到底受け入れられるはずもなかった。
 一人で―――長い時を、不老不死の呪いを解く方法を探してさ迷い歩いた。
 しかし如何なる方法をもってしても肉体は死せず、あらゆる外法に手を出しても五体は無事で――――いつしか、心だけが死んでしまった。
 既に遥か昔のことになるが、天変地異が起きて人の世は滅んだ。
 それからはじっと目を瞑って眠ることが多くなった。
 雨が降ろうと、大地が揺れようと眠り続けた。
 砂が被さり、体が土の下に埋まってしまっても、起き上がろうとはしなかった。
 当然、息が出来ずに死ぬ。しかしこの身に宿る不死の呪いは魂を無理やりに引き戻す。
 そうして延々と繰り返される死と再生の苦悶の果てに、いつしか考えることすらやめてしまった。
701 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:03:26.63 ID:uAQKxthS0
 ようやく光に目が慣れて、ぼやけていた視界が輪郭を取り戻す。
 戦士の目の前に広がっていたのは、巨大な植物群だった。
 色鮮やかな、生命力溢れる緑、緑、緑―――――
 どうやら大量の木々が密集する密林地帯にいるようだ、と戦士は自身の置かれた状況を把握する。
 そこで気付いたが、戦士は巨大な木の根にその身を絡めとられていた。

戦士「いよ、っと……」

 戦士はその身を束縛していた木の根を引きちぎり、立ち上がった。
 地面に降り立ち、体を捻る。ぱきぽきと小気味良い音が鳴った。
 まともに体を動かすのも、随分と久しぶりだ。
 バキバキと首を鳴らしながら、戦士は周囲の様子を見渡した。

 ――――しかし、植物の力とはすさまじいものだ。

 かつて起きた、人類を絶滅に追い込むほどの天変地異は、植物界においても甚大なダメージを与えた。
 すっかり荒野と化した地上の光景を、戦士は確かに目にしている。
 それでも長い年月をかけて植物は成長し、勢力を拡げ、かくも雄大な自然の様相を再び創りあげた。
 鳥や獣の鳴き声が森の中に反響する。この森には多くの命が息づいているのだ。
 戦士はふと、自分が全裸であることに気付いた。
 まあ当然か、と戦士は思う。
 自分の知る景色から激変した周囲の状況を見るに、自身が土に埋もれてから相当な期間の年月が、それこそ少なくとも数千年規模で経過しているはずだ。
 身に着けていた衣服などとっくに朽ちて無くなってしまっただろう。
 とはいえ、人類が絶滅して久しい。
 はしたなくはあるが、今更人の目など気にする必要もあるまい。
 戦士は気にせずそのままの姿で行動することにした。
 行動―――といっても、陽光に誘われて気まぐれに起きただけだ。
 やるべきこと、やりたいこと――――どちらも特に無い。
 強いて言えば、体にへばりつく土と埃っぽさが気にはなった。
 戦士は清流を求めて密林を探検することにした。
 川はすぐに見つかった。
 川の水に身を浸しながら、戦士は考える。
 これからどうしようか。これから、何をすべきか。
 気まぐれではあるが、久しぶりに身を起こした手前、少しは行動を起こしてみようという気にはなっていた―――これも、気まぐれだが。
 今の世界の様子がどうなっているのか、歩いて見て回ってみようか。
 目の前に広がるこの雄大な大自然の姿に、死んだはずの心が少しは動かされたから。
 なにしろ、これ程の大自然はかつて自分が真っ当に生きていた時代ですらお目にかかったことはなかった。
 真っ当に、生きた時代――――今もなお色褪せることのない、輝かしい思い出。
 じんわりと、戦士の目に涙が浮かぶ。
 戦士はバシャバシャと水で顔を洗った。


 歩き続けよう―――――戦士はそう思った。


702 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:04:30.40 ID:uAQKxthS0


 世界中を歩いて回って―――――変わってしまった世界で、それでもかつての面影を探し続けよう。


 この記憶が決して色褪せないように。


 この胸に、永遠に彼らの――――彼の姿を思い描けるように。


 歩いて、歩いて、進み続けよう。


 いつか、彼のいる場所にたどりつけることを夢見て。


703 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:05:28.38 ID:uAQKxthS0
 戦士がそんな風に考えていた時だった。

『×××、××××××』

 耳慣れないが、それでも人間の言語であることは明白な声が聞こえた。
 戦士は両手で秘所を隠し、咄嗟に体を川の水の中に沈める。

『△△△? 〇〇〇〇〇』

『”’&%$#$’&%|=`{*?><!!!”#$???』

『faygfiugiuhvnaurygoahviuaga?jdfgyrwyaiyegyaugwe?』

 謎の声は連続した。
 戦士とて悠久の時を生きてきた中で、それなりに多くの言語を体得している。
 それでも、声が次々に異なる言語に切り替わっていることを掴むのが精一杯で、言葉の意味まではわからなかった。

戦士「何者だ?」

 周囲の気配を探りながら、戦士は問う。
 これだけはっきりと声が聞こえながら、周囲に人、あるいはそれに類するものの存在を一切感じることが出来ないのが不可解だった。

『――――何者だ。おはようございます。ありがとう。こんにちは』

 再び声が聞こえた。
 今度はわかった。意味の分かる言葉を聞き取れた。
 しかし文脈が意味不明だ。
 戦士は首をひねった。

戦士「何だ? 何を言っている。訳がわからんぞ」

『――――あぁ、そうだった。この言語だったな。ようやく行き当たった』

 声はようやく明瞭な響きをもって戦士に応えた。

『何者か、と君は私に問うたな。さて、私は果たして何者であったか。君たちは、私をなんと呼んでいたのだったか』

『私の中に累積する記録に劣化はない。しかし何しろ量が膨大だ。検索するにも時間がかかる――――あぁ、そうだ。見つけたぞ。私は、そう』

704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:06:09.17 ID:YJYdW6wwO
3周年おめでとう、そしてありがとう。
最高のSSでした。
705 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:06:22.80 ID:uAQKxthS0










『私は―――――かつて君たちが光の精霊と呼んでいた存在だ』









706 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:07:28.68 ID:uAQKxthS0
光の精霊『君たちのことは実に印象深く私の記録に刻まれている。幾星霜の時を超えてまさかまたこうして邂逅することがあろうとは』

光の精霊『驚きを感じるよ。これが縁というものなのかな。久しぶりだな。かつて我が加護を一身に受けた者―――その伴侶、戦士よ』

 戦士は驚きにぽかんと口を開けたまま、ぐるりと周囲を見回す。

戦士「光の精霊…? ならば、ここはもしかして、あの世界樹の森なのか?」

光の精霊『君の知る当時とは場所はかけ離れているがね。海も大地も大きく動いた。それだけの時が経ったのだ』

光の精霊『そういえば、君には礼を言わなくてはな。まさしく奇縁というものか。この森の復活の一因を担ったのは君だった』

戦士「……? 何のことだ?」

光の精霊『忘れているのならいい。遥かな昔の、ほんの小さな物語だ』

光の精霊『それよりも、それこそ覚えている範囲で構わない。私に話して聞かせてくれないか? 戦士。ここに至るまでの旅路を――――悠久の時を生きた、君の物語を』

戦士「………」

 まあいいか、と戦士は思った。
 どうせ時間はたっぷりとある。
 誰かとコミュニケーションをとるのは本当に久しぶりだ。
 その相手がまさかあの『光の精霊』というのは甚だ意外ではあったけれど。
 これも、いい暇つぶしになるだろう。

戦士「いいだろう。話してやる。そうだな、とはいえ、どこから話したものか――――」

707 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:08:39.57 ID:uAQKxthS0
 ――――長い時間が過ぎた。
 あれから、夜の帳が下りてなお戦士の話は尽きず、結局、戦士が一度話を区切りとしたのは実に15回目の太陽が昇った時だった。
 戦士は樹皮をほぐして得た繊維を編み込んで作った簡易的な服を身にまとっていた。
 永遠に近い時間を旅してきた彼女だ。こういった生活のノウハウはもうすっかりと身についている。

光の精霊『ありがとう。実に面白い話だった』

戦士「どういたしまして。私もいい頭のリハビリになったよ」

光の精霊『それで、これからまた旅に出るというのか? それだけの苦難を経験しながらも、なお諦めずに?』

戦士「まあ、折角目を覚ましたからな。また飽きるまで、しばらく頑張ってみるさ」

戦士「それに、希望が全くないというわけでもない。これだけ自然に満ちた世界だ。どこかに何かとんでもないパワースポットみたいなものが出来ているかもしれないじゃないか」

光の精霊『確かに、我ら精霊の力は今が最盛と言っても過言ではないが……ふむ。いいだろう。本来、我らのようなものが人間にここまで肩入れすることなどあり得ないのだがね』

戦士「ん?」

光の精霊『興味深い話を聞かせてもらった礼だ。何か願いをひとつ言いたまえ、戦士』










光の精霊『それが如何なる願いであったとしても――――私は、その願いを叶えよう』






708 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:09:28.56 ID:uAQKxthS0
戦士「……………なに?」

 ぶるり、と戦士の体が震えた。

戦士「それは、私を殺してくれるということか?」

光の精霊『違う』

 光の精霊は戦士の言葉を否定する。

光の精霊『君の願いは他にあるはずだ。真なる望みを言うがいい』

戦士「………呪いを、解きたい」

光の精霊『違う。繰り返すが、我らの力は今が最盛。およそ不可能なことなど無い』

光の精霊『―――――君の、真なる望みを言うがいい』

戦士「―――――!」

 戦士は息を飲んだ。
 その瞳に、大粒の涙が浮かぶ。



戦士「――――――会いたい」


709 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:10:11.92 ID:uAQKxthS0












戦士「勇者に会いたい。勇者に会って、普通の人間として二人で生きていきたい」










710 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:11:03.94 ID:uAQKxthS0
 ――――瞬間、世界が輝いた。
 その様子は、かつて『宝術』が発動した時に似ている。
 大地から立ち昇る光は、まるで世界全体が輝きに満ちているかのような錯覚をその中に居る者に与える。
 しかし光の強さがかつてとは桁違いだ。
 周囲の景色はもはや白銀の一色で塗りつぶされ、視認できるのはかろうじて自分自身の体のみ。

戦士「――――あ」

 戦士の目の前で、中指にあった『死者の指輪』が、高熱に焼かれた木くずのように灰と化した。
 涙が溢れる。
 歓喜に震え、戦士は己の肩をかき抱く。

 ――――その手の甲に、そっと重ねられる手があった。

 どくん、と心臓が跳ね上がる。

 ごくり、と戦士は息を飲みこむ。

 ゆっくりと―――戦士は後ろを振り返った。

711 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:12:01.86 ID:uAQKxthS0

















勇者「………よう」











712 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:13:52.64 ID:uAQKxthS0
 抱きしめた。
 言葉も出なかった。
 涙は滝のように溢れ、嗚咽が怒涛の如く込み上げた。

戦士「えぐ、うぐ、ふぅ、う、うぅぅ〜〜〜!!!!」

勇者「ごめんな。ずっと辛い思いをさせちまった」

 戦士は勇者の胸に顔を埋めながら、ううんと首を横に振る。

光の精霊『感動の再会に水を差すようで申し訳ないが、少しいいかな。戦士』

 光の精霊の声が響く。
 ぐしゅ、と鼻をすすり上げて、戦士は勇者の胸から顔を上げた。

光の精霊『実はね、先ほどは不可能など無いと嘯いてみせたが、遠い過去に死んで、魂すら失せた人間を今更生き返らせることなど、いくら今の私でも出来ないのだよ』

光の精霊『通常は、だがね』

光の精霊『それが可能となったのには理由がある。要はだね、勇者の魂は消えることなく君の傍らにあったのだ。魂が今もなお存在していたからこそ、私は願いを叶えられた。なにしろ肉の器を用意するだけでいい。その程度であれば今の私の力なら容易いものだ』

 光の精霊の言葉の意味を理解した戦士は、目を大きく見開いて勇者の顔を見上げる。
 勇者は照れたように、あるいはばつが悪そうに、ぽりぽりと頬を掻いてはにかんでいた。
 戦士の目から、ぽろぽろと大きな涙が次から次に零れ落ちる。

戦士「ずっと―――ずっと傍にいてくれたのか。今までずっと……ずっと――――!!」

勇者「だって、お前ときたら、本当に俺の為だけに生きてるんだもんな。途中でお前が俺のことを忘れて他の奴になびいてたりしたら、俺もこう、気兼ねなく成仏的な感じになろうと思ってたのに――――」

 ―――――勇者の言葉は戦士の唇で遮られた。
 最初は驚きに目を見開いていた勇者も、やがて目を閉じ、戦士の体を抱きしめる。
 長い間、二人は互いの体を強く抱きしめたまま、口付けを交わしていた。

713 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:14:47.13 ID:uAQKxthS0







「子供を作ろう――――たくさん、たくさん子供を作ろう」




「幸せになろう―――――今まで歩んできた道のりに比べたら、ほんの短い、一瞬のような時間かもしれないけれど、精一杯幸せになろう」






714 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:15:44.23 ID:uAQKxthS0







 二人は寄り添いあって、これまでのことと、これからのことを話し続ける。




 時折、思い出したように口付けを重ねながら。





715 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:16:46.68 ID:uAQKxthS0





 これにて、彼と彼女の長きにわたる物語に幕を引く。



 那由他の時の果てに、彼らは遂にめぐり逢った。



 永劫に渡る暗闇の道を踏破した、彼らの不屈の魂に喝采を。



 そして―――――――これから歩む、二人の未来に祝福を。









716 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:17:48.49 ID:uAQKxthS0















勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」




 ―――――以上、完全終了。



717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:19:47.21 ID:oR1kwtCT0
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:19:52.03 ID:YJYdW6wwO
途中でレス挟んで申し訳ない。
改めて言わせてください。最高でした
719 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:20:23.50 ID:uAQKxthS0
というわけで、終わりです

演出なども色々頑張ってみたつもりですが、いかがだったでしょうか?

コメント、乙をくださった皆さんのおかげでやりきれましたよ〜

特に最初からずっとコメをくれてた方には感謝してもしきれません

三年間、見捨てずに見てくれて本当にありがとうございました!!
720 : ◆QKyDtVSKJoDf [saga]:2017/11/03(金) 20:21:52.69 ID:uAQKxthS0
>>718
いえいえ、お気になさらず

読んでくれてありがとう
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:24:47.84 ID:RBIXGmx60
乙でした
切ないラストで終わっちゃったと思って泣きながらコメしたら続きがあって感激した。こんなどんでん返しラストかい…
凄すぎるよ。本当にお疲れ様です!本当にありがとうです!
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:29:39.12 ID:SKIi1To70
乙。
期待を遥かに超える最終回だった。
待ってたかいがあった。
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:31:11.21 ID:oR1kwtCT0
最高に面白かった!
特に騎士との戦いとかほんと良かった。
改めて乙です!
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 20:37:39.87 ID:HNsEy8QEo
バッドエンドだけど仕方ないかな、と思ってたら…
最高のSSでした!3年間本当にお疲れ様でした!
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 21:17:15.96 ID:iF0c+y3X0
綺麗なオチだった
結局人間は大衆は利己的な行動を取り続けたが故に滅んじゃったんだな…
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 21:44:30.10 ID:Vkh0iqipo
乙乙
この読み応えはアルファベット以来だった
3年間追っててよかったー
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 22:25:51.30 ID:JTj/PRpco
おつでした
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 22:44:18.64 ID:WxOQDlfyo
狂おしいほどに乙
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 22:44:45.69 ID:S4CHzBhG0
おつでした!!
勇者の長い長い旅が戦士と一緒になることで終われて本当によかった!戦士も報われてよかった…いいラストでした!
完結は嬉しいけど寂しいから、この後も1か気になるところは加筆修正となして欲しい
本当におつでした
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 23:01:45.39 ID:+DFOs4+BO
やべぇ最後泣いたわ…よかった、ハッピーエンドでほんとによかった

凄く良かった
1よ、3年間楽しませてくれて本当にありがとう!
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/03(金) 23:07:16.76 ID:iF0c+y3X0
クッソ下手で申し訳ないけどどうしても描きたくなってfa描かせてもらいました!
https://i.imgur.com/yjNnWne.png
本当に今まで読んできた物語の中で五指に入る名作でした!このssに巡り会えて本当に良かった
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 00:20:01.43 ID:t4zEPA1v0
うわああああああああああおわったああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!盛大に乙!!!!!!最高だった!!!!!!!!
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 00:31:14.34 ID:K1eGm02xo
長い旅路の果てに乙
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 00:37:32.69 ID:ERE8ywCt0
もうまとめられてるね
しっかり余白とかカットされずにまとめてることに感謝だ
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 02:07:19.16 ID:93zKM9Plo
本当に乙…!!
正直VS騎士を見たときあまりにも熱い戦い過ぎてここがピークだここで終わるべきなんじゃとか思ったんだけどそれを遥かに上回る面白さ予想を上回る展開に本当に楽しませて貰った
初めて出会った未完ssが3年の月日を経て完結したことに本当に感動してる
この作品に出会えて良かったありがとう

いくらでも感想書けそうだけど長すぎるんで自粛します重ね重ね乙!
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 06:50:46.39 ID:xQv3SkRYO
感動した
もう言えるのはそれだけだわ
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 08:31:34.34 ID:oiEeMIEno

これは実に良い物語でした
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 08:57:40.45 ID:71dtCEdwO
過去作に元ネタわかるSSが一つもない…ぜひまた勇者物かオリジナル書いてくれ
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 10:32:23.58 ID:N3//x3zn0
勇者のいない戦士のその後見て驚愕……現代日本とは……。

勇者の父親の血筋について何かほのめかしてたように見えたけど、あれは結局なんだったのかなあ。
とりあえず乙!面白かった!
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 22:57:26.82 ID:Mdh8WUvz0
乙、非常に読み応えがあって面白かった
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 23:05:51.10 ID:cRH1dkrMo
HTML化依頼まだ出してないっぽい?
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 07:58:10.09 ID:nomxXCWB0
本当に面白かった
でもやっぱり騎士が大魔王に挑まなかった理由が気になるなあ
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 08:13:40.64 ID:3UT3WA5G0
>>742
騎士「つまり――――そっちの方が面白そうだったから、だ」
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 15:09:10.89 ID:bS53fc1Io

リアルタイムでずっと追い続けて本当によかった本当に心から乙です
本当にただただ乙でした最高でした
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 21:14:31.98 ID:b/94U51RO
乙!長い事楽しませて貰った
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/06(月) 18:56:01.37 ID:XhEObYCP0
たまたま見つけたこのssがこんなに長編になるとは思ってなかった。まじ面白かったわ完結おめ
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/07(火) 00:59:25.68 ID:AVXhUHZ7o
本当に乙でした!
俺が読んで来た中で間違いなく一番の作品です
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/07(火) 11:43:41.69 ID:IO+cYn6U0
騎士の葛藤は日本の自衛防衛についての示唆か?
また断罪装置に関しては沈黙の艦隊を思い出した。
それにしてもほんと良SSでした!
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 15:36:54.75 ID:lmCTzhq9O
数日前に見つけて一気に読んだ
今まで見逃してたのが不思議でならない
素晴らしいSSをありがとう
3年間お疲れ様でした
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 01:22:17.12 ID:XvO2v+8bO
今日一気読みして来た
もう>>1も見てないかもしれないけど感謝の念を伝えたい
文句なしにあらゆるssで最高傑作だよ
こんな素晴らしい作品をありがとう
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 15:12:31.49 ID:+NovRAbJO
お疲れ様でした。もっと言いたい言葉があるはずなのに言葉になりません。そのくらい衝撃な感動でした。繰り返しになりますが三年という長い間本当にお疲れ様でした。
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 01:42:23.80 ID:MKIj349wo
長く乙言えなかったけど今更ながらおつんつん!
またがんばってな
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/05(金) 01:22:37.01 ID:6eLG2VkuO
今更だが見つけてイッキ読みした
最高に面白かった
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 20:36:17.45 ID:HQU7EfNfo
すげぇ面白かった、おつ
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/06/24(土) 01:36:50.37 ID:qXPgJMxx0
よかった
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/07/20(木) 03:47:02.95 ID:aKS4++Bg0
これだけの大作をエタらないで書き上げてくれた作者さんにたくさんの感謝と労りを
まとめ管理人さんにも感謝おかげで作品に出逢えた
勇者と戦士には永久に幸せで健康で楽しくこの楽園で暮らしてほしい
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/07/20(木) 03:50:34.95 ID:aKS4++Bg0
これだけの大作をエタらないで書き上げてくれた作者さんにたくさんの感謝と労りを
まとめ管理人さんにも感謝おかげで作品に出逢えた
勇者と戦士には永久に幸せで健康で楽しくこの楽園で暮らしてほしい
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/07/21(金) 09:24:36.95 ID:U3xnsamz0
死体蹴りまでして言うことか?
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