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【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」
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67 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:12:22.00 ID:YOgclfRSo
加賀(どうしてこんなものがここに?私達の世界から流れてきたのかしら)
加賀(もしかしたら元の世界に帰る手がかりに……)ゾゾ
加賀(……鎮守府は無事かしら)
加賀(赤城さん、二航戦、五航戦の子たち、置いていってしまった子達)ゾワッ
加賀(……っ!)
親父「ってえ代物でい。どうだい。シビれるだろ?」
親父「って、どうした嬢ちゃん、そんな険しい顔しやがってよ」
夕立「加賀さん?大丈夫っぽい?」
加賀「……いえ、なんでもありません」
夕立「ふーん、変な加賀さん」
加賀「……」
***
〜夜 甲板〜
ザザーン ザザーン
加賀「……」
提督「加賀さんが夜更かしとは珍しいな」
加賀「……提督」
提督「別に監視してた訳じゃねえぞ、俺の寝室からだとこの辺の端っこは丸見えなんだよ」
加賀「……」
提督「隣、いいか?」
加賀「……どうぞ」
提督「ありがとよ」
加賀「……」ザザーン
68 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:12:48.56 ID:YOgclfRSo
提督「何かあったのか?」
加賀「……」
提督「……」
加賀「……」ザザーン
提督「月、こっちの世界にもあるんだな。全然気づかなかった」
加賀「……」
提督「星も見える。ま、星座はないだろうけどな」
加賀「……」
提督「……」
加賀「……」
提督「……」
ザザーン ザザーン
加賀「……広場に」
提督「?」
加賀「広場に、信号機があったんです」
提督「……間違いないのか?」
加賀「ええ、それを見たとき考えたんです」
加賀「『帰れるかもしれない』って」
提督「……」
69 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:13:19.25 ID:YOgclfRSo
加賀「最初に赤城さんの顔が思い浮かびました」
加賀「次に二航戦の子たち」
加賀「次に五航戦」
提督「そんな事を考えたら急に怖くなった?」
加賀「……」
提督(……いつか誰かがこうなるだろうと覚悟はしていたが、まさか加賀さんとは)
提督(考えてみれば、金剛には榛名がいるし、北上と夕立はあまり気にしなさそうだし、
大鳳は他の5人よりもウチに来て日が浅い)
提督(比べて加賀さんは唯一の姉妹を置いてきているからなあ。……もう少し気にするべきだった)
提督「……」フウ
提督「加賀さんが考えたのはな、俺達にとって最悪な二つの可能性のうちの二つ目だ」
加賀「……」
提督「一つ目は言うまでもなく『鎮守府に帰れない』可能性」
提督「この世界のどこを探しても帰る手立てがない、残りの一生をここで過ごす。最悪だな」
提督「そして二つ目の可能性」
提督「それは『鎮守府に帰れたのに誰もいない』可能性」
加賀「……!!」
提督「懸命な情報収集の結果、ついに俺達は元の世界に帰る方法を発見した」
提督「こちらの世界の皆に別れを告げ、帰路に着く」
提督「見事、元の世界に戻る事ができた。鎮守府は目の前だ」
提督「……しかしそこには誰もいない」
提督「駆逐艦も、巡洋艦も、空母も、戦艦も、潜水艦も、誰もいない」
提督「深海棲艦に負けたのか?それとも俺達は亀に乗せられた浦島太郎になったのか?」
提督「帰ってきた鎮守府には誰もいない、あるのは崩れかけた塀と苔むした……」
加賀「やめて」
ザザーン
70 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:13:45.45 ID:YOgclfRSo
提督「……加賀さんがその時考えたのはそんな可能性だ。だから恐れた」
加賀「……」
提督「加賀さん、そんな事は考えちゃいけない」
提督「その先には何もない。いざって時に身がすくむようになるだけだ。いい事なんてひとつもない」
加賀「そんなことはわかっています。だけど……」
提督「だけど考えてしまう。それこそわかってるさ」
加賀「……」
提督「その為に俺がいる」
提督「いいか加賀さん、俺の提督という肩書きと、それで得た全ての経験に誓って言う。
俺達が帰ったとき、あいつらは必ずあそこにいる。鎮守府で俺達の帰りを待ってる」
加賀「……どうして」
提督「簡単な話だ。あの子達が俺の期待を裏切った事など一度もないからだよ」
提督「何度撤退しようと、何度目的地に辿り着かなかろうと、最後には目的を達成してくれる」
提督「俺がそうやって期待してきたように、あいつらも同じく俺達に期待しているはずだ。
必ず帰ってくる。何日経とうが何ヶ月経とうが、全員揃って無事に帰ってくる、ってな」
提督「そして当然、俺達もその期待を裏切る訳にはいかない。必ず皆で帰ってみせる」
提督「だから加賀さん」
スッ
提督「座り込んでちゃ駄目だ。歩くのに疲れて立ち止まるのはいい。休憩がてら後ろを振り返ってもいいかもしれない。
だけど座り込むのは駄目だ。目の前に青い鳥が飛んできてもすぐ追いかけられないだろ」
ザザーン ザザーン
71 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:14:11.20 ID:YOgclfRSo
加賀「……」プイッ
加賀「……おかしな例えね、それに今実際に立つ必要はないと思うけれど」
提督「そ、そうか?中々いい例えだと思ったんだが」ポリポリ
加賀「聞きかじった程度話を引き合いに出しても説得力がありません」
提督「はは、すまなかった」
ザザーン
提督「……さ、加賀さん、そろそろ寝ないと明日に響くぜ」
加賀「……もう少しだけ」
ザザーン
加賀「……提督」
提督「ん?」
加賀「向こうを向いて座ってもらえるかしら」
提督「……こうか」スッ
加賀「少しだけそのまま座っていて」
ギュッ
提督「……」
加賀「……っ…………っ」
***
〜翌日 物資搬入口〜
北上「で、昨日二人っきりでここに篭ってやってたことがこれ?」
大鳳「ふ、二人っきり……べ、別にいかがわしい事をしていた訳じゃありません!」
北上「いや何も言ってないじゃん。で、二人でこのでっかい箱を作ってたわけ?」
提督「箱じゃねえ、戦利品はその中身だ」
榛名「あの、開けてみても?」
提督「おう、いいぞ」
金剛「イエース!」パカッ
加賀「……これは」
72 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:14:39.34 ID:YOgclfRSo
夕立「あーっ!」ジャラジャラ
提督「どうだ、驚いたろ?」
北上「もしかしてこれ、使える弾薬?」
提督「その通り、ついに俺達の艤装に使える弾薬が見つかったんだよ」
夕立「わーい!これでやっと戦えるっぽい!」
北上「んー、それは嬉しいけどさ、どうして急に使える弾薬が見つかったのさ?
確かここにあった弾薬はみんな使えなかったんでしょ?」
提督「そう、今までここにあったのは、な」
加賀「どういう意味かしら」
提督「こないだの話なんだが、艦長の所に『教会』のお偉いさんが来てな、
タムズにサルベージの依頼をしていったんだよ」
提督「その時ついでとばかりにエトーンが使ってるギア用の弾薬を置いていった」
提督「で、そいつを調べてみたらビンゴだったって訳さ」
夕立「もう!そんなのどうでもいいっぽい!提督さん、今補給していいでしょ!?」
提督「ああ、いいぞ」
夕立「いただきます!っぽい!」タッタッタ
73 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:15:05.63 ID:YOgclfRSo
提督「……でまあ、話の続きなんだがな、残念ながら全部の砲に合う弾が見つかったわけじゃねえ」
提督「今回見つかったのは夕立が装備してる10cm連装高角砲と金剛と榛名の35.6cm連装砲、この二つだけだ」
北上「えー、私の魚雷と副砲はどうしたのさ」
提督「見つけられなかった。悪いな」
北上「ちぇ、喜び損じゃんかー」
提督「そう言うな、一部だけでも使える弾薬が見つかったんだ、そのうち残りの装備の分もきっと見つかるさ」
北上「そうかなー」
提督「とにかく、弾薬補給の目処が立った今、サルベージ作業の護衛もできるようになった。
これからもますます頑張っていくぞ」
金剛「やっぱりサブラーイは大切ネー!」
榛名「榛名、了解です!」
提督「そこで、戦闘時の対応だが、北上は基本的に護衛対象に張り付いてもらう事になると思う。
常に護衛対象から目を離さないようにしてくれ」
北上「まあ、しょうがないかー」
提督「空母組も悪いが艦載機補充の目処はない。が、幸いな事にここには対空能力を持った敵がほとんどいない。
そこで、艦載機は直接攻撃には参加せず、偵察や戦艦組の弾着の補助を務めてくれ。くれぐれも艦載機を墜とされないように」
大鳳「難しいわね……でも、やれるだけやってみます!」
加賀「わかりました」
提督「よーし、じゃあ解散!今日も仕事するぞー!」
金剛「ジャスタモーメン、テートクゥ!まだ話は終わってないヨー!」
提督「あん?なんか質問か?」
金剛「サプライの話じゃないデース!テートクゥ!なーんで昨日のこの作業に私を呼んでくれないんデスカー!?
私もテートクの役に立ちたかったデース!」
提督「だってお前朝起こしたら『今日は休みだからもう少し』っつって起きなかったじゃん」
金剛「」
榛名「金剛お姉様……」
***
74 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:15:36.69 ID:YOgclfRSo
〜数日後 甲板広場〜
提督「んー、加賀さんが信号機を見たってのはこの辺の屋台か」メモ
提督「それにしても結構でかい市場だな。ごちゃごちゃしてて秩序の欠片もない店の並びだが、
そこがまたタムズらしいというか」\オチチャイナサイ/\ウエェンイモウトガ/
提督「すいません、ちょっといいですか」
装備屋「へい、らっしゃい。海底の珍品、オンパレードだよ」
提督「お尋ねしたいんですが、この辺で妙な機械を扱っている店はありませんか?」
装備屋「んー?情報を買うってんなら店を間違えてるぜ、兄ちゃん」
提督「え?ああ、申し訳ない。じゃあ……そこの動きやすそうな服を一つ」
装備屋「あいよ、舞闘着だね、毎度あり」
提督(舞踏……)ゾワワ
装備屋「さっきの話だけどな、あっち行ってすぐの所の道具屋の親父がおかしなものを展示してるぜ」
提督「そうでしたか、どうもありがとう」
装備屋「また来てくれよ」
提督(うーむ、作業着にでもするか)
提督「さて、あっちあっち……と」スタスタ
75 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:17:01.34 ID:YOgclfRSo
親父「おうっ!そこの兄ちゃん、どうだ、ウチの道具屋見ていかねえか?」
提督「道具屋?いや……ん?(これか)」
提督「親父さん、そこにあるものは?」
親父「お、こいつか?こいつぁな……」チカチカ
親父「……ってぇ代物でい。どうだい。イカすだろ?」フフン
親父「だがな、悪ぃがこいつは非売品でい、売るわけにゃいかねえや。すまねぇな」
提督「あ、いや、これはどこでサルベージした物なんだ?」
親父「サルベージだぁ?こいつぁおいらが作ったもんだぜ!」
提督「……そいつは凄いな」
親父「おうっ!こいつの良さが分かるたぁ、若いのにいい目してるじゃねえか、こん畜生」
提督(偶然か?それにしてはそのまんま過ぎる気が……)
道具屋「てんめぇー!このクソ親父!」ダダダダ
提督「うおっ!」ビクッ
道具屋「まーたそんな下らねぇモン弄くり回してやがんのか!いい加減にしやがれ!」
親父「てやんでぇ!てめぇみてぇなバカ息子にこいつの価値がわかるかってんだ!大体な……」ギャーギャー
提督「……まあ、自作だってんなら関係ないか。どっからか掘り出したってことなら期待できたんだが」スタスタ
提督(当ても外れたし、今日はどうしようか、そろそろ『教会』からの仕事が近いしアレの練習でも……)
ゴオオオオオ
提督「ん?この空気を振動させるような音……航空機か?」スッ
提督「……なんだありゃ?UFOか?」
金剛『テートクゥー!』ザザッ
提督「っ!金剛!急に通信で叫ぶな!」キーン
金剛『そんなことどうでもいいデース!それよりビッグニュースネー!』
提督「……なんだ?言ってみろ」
榛名『人です!海の上に人が!漂流してるんです!』アッ!ハルナァ!
提督「!!」
***
76 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:17:27.30 ID:YOgclfRSo
〜海上 ゴリアテ残骸〜
フェイ「エリィ!おいエリィ!起きろよ!」
エリィ「おはよう、フェイ。早いのね」
フェイ「なに寝ぼけたこと言ってんだよ。あれ見ろ!あれ!!」
エリィ「え?」
金剛「ヘーイ!レフト!レーフト!アアッ!ちょっとラーイト!
モウ!なんでいつも行き過ぎるんデース!」スイー
フェイ「人が水の上を滑ってるぜ」
エリィ「……ちょっと、見る所そこなの?」
フェイ「だってあんなの見たことないぜ、エリィは見たことあるのか?」
エリィ「私も見たことはないけれど……」
フェイ「ほら見ろ、エリィも知らないんじゃないか」
エリィ「だから、今はそんな事気にしてる場合じゃないでしょう!?」
フェイ「お、一人こっちに来たぞ」
北上「そこのお二人さん、大丈夫?」スイー
フェイ「あ、あぁ」
北上「どこから来たのか知らないけどよかったね、艦長が助けてくれるってさ」
エリィ「艦長?」
77 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:18:21.45 ID:YOgclfRSo
北上「あ、提督からだ。もしもし提督?うん、いや、見たところ二人だけだよ。
え?うーん、別に見覚えないけど。うん、んじゃ後でねー」
フェイ「テイトク……?」
北上「ごめんごめん、今からクレーンで回収するからもうちょっと待っててってさ。
あ、結構揺れるから何かに掴まってたほうがいいよー」スイー
フェイ「一体どうなってるんだ?」
エリィ「さぁ……」
***
〜数十分後 ねじレベーター〜
提督(さて、漂流してたのは見たことのない男女2人組だったらしいが)ガコガコガコ
提督(一応話は聞いておきたいな。万が一という事もあるし)ガチャン
提督「お、いたいた、おかえり」
金剛「ヘーイ、テートクゥ!待ってたヨー!」ブンブン
提督「はは、ありがとな。で、今日の収穫物はどこだ?」
榛名「先程クレーンで回収して、今は向こうの地下ドックにあるはずです」
提督「よおし、それじゃ一丁見物しに行くか」スタスタ
北上「お、珍しいじゃん提督、いつもは搬入口通るところだけ見て終わりなのに」
提督「漂流者ってのが気になるからな。ちょっと話してみたい」
加賀「……提督」スタスタ
提督「ん?どうした加賀さん」
加賀「まさか、手がかりがあるかもしれないと?」
提督「鋭いね加賀さん、本当の目当てはまさにそれだ」ヒソヒソ
提督「けどまあ、言うほど期待はしてないけどね。手がかりがあればいいな程度のものさ」ヒソヒソ
加賀「……そう」
78 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:18:51.25 ID:YOgclfRSo
提督(ま、実は結構期待してるんだけどね)
提督(聞けば彼らが乗っていたのはでっかい何かの残骸だとか)
提督(最近そんなでかいものがこの辺で大破したなんて情報はない)
提督(であれば、彼らは突然この周辺に現れた事になる。期待するには十分すぎるだろ)
提督「っと、そういや補給もしなきゃならんな。よし、見物には俺と金剛だけで行く。残りは補給に向かってくれ」
***
〜地下ドック〜
提督「これは……思ってたよりもでかいな。甲板で見たときは遠目だったから分からなかったが」
金剛「最初に見つけたのは私デース!テートクゥ!褒めて下サーイ!」
提督「ああ、良くやった良くやった」ナデナデ
金剛「オオーウ……イエース……」マンゾク
提督「さて、噂の漂流者はどこだ、と……ちょっといいか?」
ドック整備士「ん?提督でやんすか。どうしたでやんす」
提督「この残骸と一緒に漂流してた奴らはどうしたんだ?」
ドック整備士「あの2人なら搬入口で下ろしたでやんすよ。今頃は艦長に会いにブリッジに行ってるんじゃないでやんすか」
提督「そうだったのか。んじゃ今はこいつに何をしてるんだ?バラして売るのか?」
ドック整備士「いや、あの2人のギアがあの中にあったんで、それを取り出してる最中でやんす」
提督「ふーん、ギアねえ」
ドック整備士「あ、丁度出てくるところでやんすよ」
79 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:19:48.36 ID:YOgclfRSo
作業員「よーし、そのまままっすぐ上げろぉ!外壁擦るんじゃねえぞお!」
ヴェルトール「チッス」ガコガコ
ドック整備士「あーあ、やっぱり全身水浸しでやんす。随分と整備のし甲斐がありそうでやんす」
提督「おお?なんか他のギアよりでかくねえか?」
ドック整備士「ああ、ありゃ軍用のギアでやんすね。民間のギアとは出力も機動性もダンチでやんすよ」
金剛「ブラックなボディがクールデース」
提督「確かにありゃかっこいいな。一体どこの軍のギアだ?」
ドック整備士「さあ、あんなギアは見たことないでやんすね。多分最新式のギアでやんす」
提督「そんなギアと一緒に漂流してたってことは、そいつら軍人なのか?金剛、どうだった?」
金剛「ンー、二人ともそんな風には見えなかったネー」
提督「ふーん、まあ、あとは本人達に聞いてみるか。時間とらせてすまなかったな、整備頑張ってくれ」
ドック整備士「お安い御用でやんす。またいつでも来るでやんす」
***
〜ブリッジ〜
ガコン ウィーン
提督「失礼する。艦長はいるか?」
ハンス「やあ、提督。艦長なら今はいないよ。何か用事かい?」
提督「いや、さっきの漂流者が艦長に会いに行ったと聞いたんでな。ちょっと話を聞きたくて来たんだが」
ハンス「そういうことならビアホールに行くといい。艦長が二人と食事をしているはずだよ」
提督「お、そうだったか。ありがとう」
ハンス「ついでに艦長があまり羽目を外し過ぎていないか見ていてくれないかい、一応釘は刺しておいたんだけどね」
提督「了解、相変わらず苦労するな」
ハンス「仕事だからね」
提督「頭が下がるよ、まあこっちは任せとけ。行くぞ金剛」スタスタ
金剛「イエース!」ギュッ
提督「歩きにくいから離れろ」
金剛「それはできないネー」スリスリ
ガチャ バタン
ハンス「……やれやれ、あれでよく内輪揉めを起こさないものだ」
80 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:20:16.30 ID:YOgclfRSo
***
〜ビアホール〜
提督「艦長、艦長はいるか?」
金剛「あ、一番奥にいマース」
提督「あそこか」スタスタ
提督「やあ、艦長」
艦長「おう、テートクじゃねえか。お前ぇらもメシか?」
提督「そういう訳じゃないんだが……そこの二人が例の漂流者か?」
フェイ「」モグモグ
エリィ「?」カチャカチャ
艦長「おうよ、そういやお前ぇらも最初は漂流してたんだったな、漂流仲間って訳だ。がっはっはっは」
フェイ「ん?あんたは?」モグモグ
提督「初めまして、俺の名前は……」
金剛「私達のテートクデース!」ヒョコ
フェイ「……そうだ、きみはさっきの」
提督「ああ、さっきのクレーンを誘導してた子達の一人で、金剛だ。俺はあの子達の……ま、指揮官だな」
フェイ「そうなのか、さっきは助かったよ。で、俺達に何か用か?」
提督「なに、ギアと一緒に漂流してくる人間なんて珍しいからな。ちょっと話をしに来たのさ」
エリィ「……?あなたたちも漂流してたってさっき艦長が言ってたわね」
81 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:20:43.16 ID:YOgclfRSo
提督「そうだな、あんたらはここで2組目の世にも珍しい漂流仲間ってワケだ。はっはっは」
提督「で、そんな漂流仲間はどうしてあんな所にいたんだ?」
フェイ「あんた、そんなことを聞きに来たのか」
提督「……まあ、な。俺達は自分の家に帰りたいんだが、今のところ帰る方法がわからなくてな。
あんたらの話にヒントがあるかもしれないと思ったんだ。よかったら教えてくれないか」
フェイ(……自分の家、か)
フェイ「……色々あったんだ」
提督「……何かワケありらしいな。どうしても教えてくれないか?」
フェイ「……」
艦長「おいおい、お客人がこう言ってるんだ。無理に聞く事はねえだろ」
提督(駄目か……)
提督「わかった。どうも人に話す事じゃないようだな。すまなかった」
フェイ「気にしないでくれ」
提督「ああ、俺が言えた事じゃないが、ここはいい所だ。ゆっくりしていってくれ」
提督「行くぞ、金剛」スタスタ
金剛「イエース!」
提督「また空振りか……」
金剛「?テートクゥ、何か言いましたカー?」
提督「いや、なんでもない。付き合ってくれてありがとうな、金剛。戻ってみんなと一緒に補給してきてくれ」
金剛「エー、テートクはどうするんデース?」
提督「ちょっとブリッジに寄って行く。すぐ行くから先に行っててくれ」
金剛「オッケーデース!待ってるからネー!」ブンブン
***
82 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:21:11.05 ID:YOgclfRSo
ドア「ガチャ」
提督「ハンス副長、度々すまない、少し聞きたい事があるんだが」
ハンス「……可能性はある、か。君、艦長を呼んできてくれ、ビアホールにいるはずだ」
下っ端「へい!」タッタッタ
提督「騒がしいな、何かあったのか?」
ハンス「あっちの方でどうも戦闘が起きてるみたいなんだ」
提督「戦闘?どこだ」
提督(……確かに、双眼鏡で見ると水柱が断続的に上がっているのが見える)
提督「一体どこのサルベージ船だ?」
ハンス「攻撃している方は確認が取れないが、されている方は潜水艦だね、あんなものは見たことがない」
提督「潜水艦?ここにも潜水艦があったのか」
ハンス「まあ、どこの船かはどうでもいい、『教会』の仕事も近いし、ここは争いを避けたいところだけど」
提督「攻撃している側がどこにいるか分からない以上、ヘタに動く事もできない、と」
ガチャ
艦長「おおい、ハンスよぉ、一体どうしたってんだ?」
ハンス「あちらを。所属不明の潜水艦が戦闘中のようです」
提督(なーんかキナ臭いな、どうもサルベージャー同士の抗争という訳ではなさそうだし)コノタムズノ……
提督(とりあえず万が一に備えておくか。金剛の補給が間に合うといいが)ジョウダンデショウ?……
艦長「ちっ。全くてめえって奴ぁ、海の男のロマンってモンが……」
フェイ「一体どうしたんだ?」
艦長「どうやら潜水艦が襲われてるみてえだな」
フェイ「潜水艦?……!この船は!?」
提督「何だ、知ってるのか?」
エリィ「何?どうしたの?」
フェイ「こいつはユグドラシルじゃないか!」
エリィ「それってバルトさんの?」
提督(……知り合いの潜水艦か)
フェイ「ああ。そうか、あいつ、生きてたんだ!よし、こうしちゃいられない!」
83 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:21:37.90 ID:YOgclfRSo
提督「助けに行くのか?」
フェイ「決まってるだろ」
エリィ「ちょっと待ってよ、ギアもないのにどうするの」
フェイ「あ……」
艦長「まあ、待ちな」
艦長「おう、地下ドック!こちらブリッジだ。お客人のギアはどうなってる?」
作業員「もう少しで修理も完了しやす」
艦長「2分だ」
作業員「は?」
艦長「2分で終わらせろい!それで物資搬入口を通して甲板へ搬出!」
作業員「へ、へいっ!」
艦長「よーし、お前ぇらのギアは甲板に運ばせる。とっとといって暴れてきな」
ハンス「何言ってるんですか艦長!!この大事な時期に戦闘に巻き込まれて被弾でもしたら……」
艦長「うるせえ!!お客人が友人を助けるために戦うってんだ。それを邪魔するようなマネができるわけねぇだろうが!
そんなことをしたら海の男の名が廃るってもんだ!!」
ハンス「……わかりました。けど、タムズとしては決して戦闘に参加はしませんよ」
フェイ「ありがとう。それで十分だよ」
提督「……そういうことなら、俺達も力を貸そう。艦長、伝声管借りるぞ」カパ
提督「こちらブリッジの提督、第一艦隊、総員通信機を着用せよ」
提督「あんたら、ギアであそこまで行くとして、泳いで行くのか?」
フェイ「いや、あれくらいならジャンプでいけるはずだ」
提督「そうか」
84 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:22:05.31 ID:YOgclfRSo
榛名『提督、どうかしましたか?』ザザッ
提督「榛名、そこに全員いるか?補給の状況は?」
榛名『はい、補給のほうは金剛お姉さまの弾薬補給が済めば完了です』
提督「わかった。加賀さん」
加賀『何かしら』
提督「甲板に上がって北方向に偵察機射出。ちょっと近くで戦闘があってな、詳しい戦況と正確な距離が知りたい」
加賀『分かりました』
提督「残りの奴は金剛の補給が済み次第ドックで待機。全員でタムズの前に防衛線を張る」ピッ
提督「……という事だから。甲板に上がったら青い服で弓持った子に状況を聞いてくれ」
フェイ「あんたも助けてくれるのか?」
提督「俺も今はタムズの一員だからな。艦長の意向に従いつつ、副長の心配事を減らす。それが今回の俺達の役回りって訳だ」
提督「それに、せっかくの漂流仲間だ。ただ軽い話をしただけでお別れってんじゃ面白くねえ。せめて盛大に見送ってやるよ」
フェイ「……ありがとう、提督。行くぞエリィ」
提督「……加賀さん、様子はどうだ?」ピピッ
加賀『上空から見えるのは浮上した潜水艦一隻。敵対勢力の姿は見えません』
加賀『潜水艦は断続的な魚雷攻撃を受けているようね。甲板から3機のギアがこれを迎撃しているわ……あ、今1機が水中に飛び込みました』
提督「そうか、そのまま継続して戦況観察、ついでに風も確認しといてくれ。
で、さっきの漂流コンビが甲板に出たらそれを教えてやってくれ」
加賀『分かりました』
85 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:22:33.05 ID:YOgclfRSo
提督「よし、艦長、俺達も防衛の為に出撃する。そこで、前々から準備してたアレを貸して欲しいんだが」
艦長「アレか、かまわねえぞ。行ってハデに暴れて来い!」
提督「ありがとう。……加賀さん!2人に報告を終え次第偵察機収容、ドックへ来てくれ、金剛は……」
***
〜地下ドック〜
北上『本気なの、提督?ギアで出るって』
提督「本気も本気、大マジだ」カタカタ
榛名『大丈夫でしょうか……』
提督「前々からこっそり訓練を受けてたんだ。本当は『教会』の大サルベージ計画で頭数になろうと思ってやってたんだがな、
意外なところで使いでがあったぜ。ま、まだ泳ぐ程度しかできないけどな」ピッピッ
加賀『そんな程度の錬度で戦線に出て何をするというのかしら』
提督「今回の俺達の役目はこっちに飛んできた魚雷の迎撃だ。今までそんな事できなかったろ。
それを海中からの観測と上空からの偵察の二段構えで可能にしようという訳さ。
それくらいなら今の俺にもできるはずだ」
加賀『そう……』
提督「で、加賀さん、そっちはどうだ?2人はどうなった?」カチカチウィーン
加賀『先程ギアで潜水艦に飛んでいきました』
提督「よし、それならすぐにこっちに来てくれ。金剛!」
金剛『お待たせデース、テートクゥ!サプラーイが終わったヨー!』
提督「それなら加賀さんと合流してくれ。こっちは先に出る!榛名、夕立、北上、大鳳、着いて来いよ!」ガシャン
北上『うわ、ホントにギアで出てきた!』
大鳳『て、提督、本当に大丈夫なの!?』
86 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:23:01.73 ID:YOgclfRSo
提督「俺のことはいい。それよりもお前ら、海に出たらタムズの北側に展開するぞ。
榛名、金剛が来るまで中心になれ。行くぞ!」ザッパアン
榛名『了解しました。榛名、出ます!』
北上『ホントに大丈夫かな提督、ま、いいけどね』
夕立『やっとモンスター以外と戦えるっぽい!』
大鳳『出るわ!』
提督(気密チェック、良し、エアー供給、よし、その他諸々、問題なし)
提督(さて、まずはタムズの外に出ないとな)ゴウンゴウン
提督(う、これは……予想より身動きが取りにくいな、潮の流れも結構きついか)スー……ゴウン
提督「……よし、やっと外に出られた。榛名、そっちの様子はどうだ」
榛名『は、はい。加賀さんの報告とあまり変わっていません。魚雷攻撃はまだ止んでいないみたいです』
提督「そうか、俺もすぐそっちの水面下まで行く。それまで待機しててくれ」
榛名『!魚雷接近!!』
提督「迎撃!夕立は好きに動いていい!魚雷の進行方向に弾幕を張れ!」
夕立「……ダメ、当たらないっぽい!」ドン!ドン!
提督(やっべ!)
……
提督「……逸れたか」
北上『やっぱり無理なんじゃない?飛んでくる魚雷を主砲で迎撃するなんてさ』
提督「かもな、でもやってみなきゃならんだろ。と、俺も下に着いたぞ。金剛、加賀さん、どこにいる?」
加賀『もう着いています』
87 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:23:29.62 ID:YOgclfRSo
提督「よし、それなら始めるぞ。金剛、榛名。2人は最前に出ろ。今回の迎撃の要だ」
金剛『ラジャーネー!』
榛名『はい!』
提督「一つ後ろに夕立、その後ろに北上が付いてくれ。夕立は側面のカバーができるように用意、
北上は最後の最後だ。もしそこまで魚雷が来たら遠慮するな、残った弾薬を惜しまず使え」
夕立『がんばるっぽい!』
北上『そうならないといいけどねー』
提督「加賀さんは右、大鳳は左だ。偵察機で上空から監視してくれ。どんな雷跡も見逃すな」
加賀『わかりました』
大鳳『偵察機、射出します!』
提督「タムズは針路を東に向けている。常にタムズの壁になるよう動きつつ、ゆっくりと前進するぞ。
タムズは今の俺達の家だ、一発たりとも被弾させないつもりでいくぞ!」
……
提督(……来た!)
加賀『魚雷接近、1時の方向』
提督(深度測定!)
提督「深度30!金剛、榛名!!」
金剛『ファイヤー!』ドォン!ドォン!
榛名『当てます!』ドォン!
ダッパアン!
提督「よし、良くやった!このまま前進……」
大鳳『魚雷接近!10時の方向!』
提督「……深度10!浅いぞ!夕立!左にカバー!」
夕立『っぽい!』ドン!ドン!
榛名『主砲、撃ちます!』ドォン!
金剛『ファイヤー』ドォン!
ダッパアン!
88 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:23:58.19 ID:YOgclfRSo
提督「よし!前進!」
提督(この調子ならいけるな)スイー
提督「大鳳、潜水艦のほうはどうなってる?例の2人は?」
大鳳『未だに健在です。2人は状況開始前に海中に飛び込んだきりです。恐らく戦闘中ではないかと』
提督(援護してやりたいところだが、海中じゃ無理か)
提督「わかった。引き続き前進、潜水艦とタムズの中間あたりで固定する」スイー
[ネレイダスサイクロン]
提督「っうおあああああああ!!なんだぁ!?」ゴゴゴゴ
榛名『提督!!』
提督(急に潮の流れがえらい事に……これじゃ海底に張り付くしかねえぞくそっ!)ゴゴゴ
提督「身動きが取れないが大丈夫だ!いきなり渦潮のど真ん中に放り込まれたみたいに……」
加賀『魚雷接近、12時の方角』
提督(この状態で測定すんのかよ!)
提督「深度……50!やれ!」
金剛『ファイヤー!』ドォン!ドォン!
榛名『榛名がお守りします!』ドォン!ドォン!
提督(……!やべ!深度見誤った!)
提督「深度30!夕立!北上!」グググ
夕立『ここは通さないっぽい!』ドン!ドン!
北上『わびさびとか言ってる場合じゃないね!』ドンドン!ドン!
ダッパアン!
89 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:24:40.38 ID:YOgclfRSo
加賀『続いて魚雷接近、2時の方角』
提督(……近い!)
提督「深度40!撃て!」
榛名『撃ちます!』ドォン!
ダッパアン!
提督(……衝撃で機体がっ!)グギギギ ガコン
提督「……あ、これヤバイ」グルン
榛名『いや!提督ーっ!!』ザザザザ
提督「ああああああああああああっ!!」グルングルン
提督(な、なんとか姿勢を……)
スゥ……
提督(どこか掴まれる所を……お?)
提督「渦潮が……治まった?」
榛名『提督、無事ですか!?応答してください!!』
提督「ああ!大丈夫だ榛名!大鳳!状況を!」
大鳳『は、はい!魚雷攻撃停止!同時に北方向に進む艦影を確認!恐らく敵対勢力だと思います』
提督「撤退したのか?」
大鳳『状況を見るに、そうではないでしょうか』
提督「……そうか」
提督(マジで気持ち悪い、吐きそう)
90 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:25:17.02 ID:YOgclfRSo
『……聞こえるか?こちらは潜水艦ユグドラシルU世、そこに展開している部隊、応答してくれ』
提督「(ギアの通信端末からか)……ああ、聞こえる」
『そちらの所属はタムズのようだな、フェイから話は聞いた。こちらへ来てくれ。タムズまで送ろう』
提督「感謝する。……総員、戦闘終了。良くやってくれたな。皆潜水艦に行ってくれ」
提督(……潜水艦ユグドラシル、ね。一体どんな連中なんだか)
提督(……エチケット袋とかどこかにねえかな)ウエップ
シタン「……あれは……一体……」
***
91 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/01/30(土) 18:27:49.74 ID:YOgclfRSo
今日の書き溜めはここまでになります。次回はまた来週という事で
投稿ペースってこれくらいでいいんでしょうか?
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/30(土) 18:38:46.05 ID:m052utxf0
エリィのエーテルや先生の剣術とか艦娘が学んだり出来そうな気もする
特に妖精さんを介してエーテルを使ったりとか
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/30(土) 19:01:19.66 ID:Ejvtig8YO
まさか乗るとは
乙
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/30(土) 20:20:56.56 ID:S7mDo0CUo
乙。
とうとうフェイと接触か。
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/30(土) 20:45:19.01 ID:KUA/PR8Oo
シタン先生の剣術かーいいねー
そうなると天龍が欲しかったな
乙
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/06(土) 06:34:18.40 ID:nZN0YEbzo
加賀の姉妹とは誰のことなんですかねえ
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/02/06(土) 21:27:04.25 ID:JyPN2GjWo
お待たせしました。今週の分を投稿します。
>>96
赤城と加賀は姉妹艦だと思っていたのですが、違うのでしょうか?もし違っていたら自分の調査不足です。申し訳ない
98 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:28:27.94 ID:JyPN2GjWo
〜ユグドラシル ギアドック〜
提督「あ゛ー、マジ死ぬかと思った」
榛名「大丈夫ですか、提督?」
提督「いや無理……目玉と胃袋が……飛び出てないのが……不思議なくらいだ……」ゼーハー
北上「まーしょうがないよねー。ギアごと物凄い勢いでぐるぐる回ってたし」
提督「すまないな、ギアから降りられはしたが……ちょっとしばらく動けそうにない」
提督「俺はちょっとここのギアの前で休んでいるからよ、その間にこの辺の様子でも見てきたらどうだ」
金剛「こんな状態のテートクを一人にしておく訳……」
榛名「お姉様、行きましょう」グイッ
金剛「でもハルナ」
北上「そーだね。潜水艦の中なんて滅多に見られないし、ちょっと散歩したいよねー」スタスタ
夕立「提督さん、早く元気になってね」タッタッタッ
大鳳「……提督、お待ちしています」スタスタ
加賀「……」スタスタ
99 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:29:05.44 ID:JyPN2GjWo
提督「……」
榛名「提督」クルッ
榛名「今回の作戦、タムズ、そして榛名たち双方とも無傷、完全勝利です」
榛名「元気、出してくださいね」ペコッ
提督(……隠したつもりだったんだが、どうも全員気づいてたようだ)
提督(まったく情けない、初めての最前線にビビッて腰が抜けちまうなんて)
提督(挙句あの子らに気を使わせちまった。泣きたくなるな)
提督(……あの子達はこんな気分を出撃するたびに味わっていたのか)
提督(頭が上がらない理由が一つ増えたな)ハハハ
提督(……そんな事も言ってられない、か)
提督(この世界にいる限り、何が起こるか分からない。この先また最前線に立たなきゃならない日がくるかもしれない)
提督(一々こんなになってたらしょうもない、慣れないとな。もっと前にすべきだった事のような気もするが)
提督「ギアの操縦も、だな」ハア
100 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:29:51.45 ID:JyPN2GjWo
シタン「あの、少しよろしいでしょうか。」
提督「……ん?」
シタン「初めまして、私はシタン、フェイの友人です」
提督「フェイ?」
シタン「ええ、フェイがそちらの艦長に世話になったと聞いたのですが」
提督「ああ、漂流してた男の方か。そういや名前を聞く暇もなかったな」
シタン「そうでしたか。それで、あなたが先程タムズを防衛していた彼女達の指揮官だとか」
提督「……それがどうかしたのか?」
シタン「単刀直入に聞きます。あなた達は一体どこであんな装備を手に入れたのですか?」
提督「……」
シタン「あれほど高度に高威力、高機動、小型化がなされている物を、しかも少女達が扱っている。
あんなものはソラリスでも見たことはありませんよ」
提督「……ソラリス?」
シタン「それに加えてあなた達の着ている服もどこの地方でも見たことはない。あなた達は何処から来たのですか?」
提督「そんなこと聞いてどうする気だ?」
シタン「なに、ただの好奇心です。先程の戦闘でのあなた達を見ていると気になってしまったので」
101 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:33:00.01 ID:JyPN2GjWo
提督「……」
提督(うーむ、どうしたものか)
提督(明らかに怪しいよな、フェイの知り合いって所から既に……それはないか)
提督(しかし好奇心ってのはないな、裏にどんな目的があるのやら)
提督(……その辺は考えてもしょうがないか。考えるべきはこいつにそれを教えたときのメリットだが……)
提督「わかった。ただしそちらにも聞きたい事がある。情報交換といこうじゃないか」
シタン「よろしい。答えられる限りの事はお教えしますよ」
提督「よし。ならばこちらから聞かせてもらう。早速ソラリスについて聞かせて欲しいんだが……」
―情報交換中―
提督「つまり、この世界を牛耳っているのがシェバトとソラリスの二大国で、あんたはソラリスからやってきた。
そういうことか」
シタン「まあ、そういうことになりますね」
提督(まさかあのときのUFOが一つの国だったとは。今更だが訳の分からん世界だ)
提督「成る程、いやかなり勉強になったよ。特に『障壁』の事を教えてもらえたのは大きな収穫だ。
フェイたちがタムズの近くに突然現れたのもそいつが原因なんだろ?」
シタン「ええ、あれはゲートキーパーの暴走が引き起こした事故です」
提督「という事は、俺達が帰るのに同じ事が使えるかもしれないわけだ」
102 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:34:51.91 ID:JyPN2GjWo
シタン「……それはどうでしょう」
提督「どういう意味だ」
シタン「障壁の空間跳躍はあくまで障壁の境界を利用するものです。障壁を文字通り『壁』と捉えるならば、
その外壁を伝う所にしか飛べないのですよ」
提督「つまり、別世界に飛べるような事はない、と?」
シタン「ええ、あなたのいた世界に障壁が発生しているのなら話は別ですが」
提督「……クソ、いい案だと思ったのに。というか、あんたは本当に信じてるのか?俺のさっきの話」
シタン「まあ、嘘には聞こえませんでしたし。それに、彼女達の兵器の技術力と設計思想の不釣合いさにも説明が付きます。
何せ根底の文化、世界そのものが私達と違うわけですし」
提督「ふーん、よくわからんが、話が早くて助かるよ」
提督(変わった人、なのか?あながち好奇心から聞いたってのも嘘じゃないのかもな)
シタン「それで、これからあなた方はどうするおつもりですか?お話を聞く限り、
一所に留まるのはあまり得策ではないように思えるのですが」
提督「そうだなあ、できればシェバトかソラリスのどっちかに行ってみたい所だけど、方法が分からん。
あんたは何か知らないのか?元ソラリス人なんだろ」
103 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:41:10.49 ID:JyPN2GjWo
シタン「……いえ、知らないわけではないのですが、今の私達では到底不可能なものばかりです」
提督「そうか、それならまだしばらくはタムズ暮らしだな。どこかに行きたくたって今の俺達には後ろ盾がない。、
あそこをちょっと離れただけで補給もままならなくなっちまう」
シタン「そうですか、それでは何かいい方法が見つかったらお教えしますよ」
提督「そりゃありがたい、その時にはこちらも有力な情報を仕入れておくようにしよう」
シタン「ええ、それではそろそろ行きましょうか」
提督「ん?行くって何処へだ」
シタン「実はシグルドにあなた方をブリッジに案内するよう言われてきたのですよ。
艦の応急処置が終わる前に是非あなた方に会いたいそうですよ」
提督「シグルドっつーとさっきの話に出てたこの艦の副長か。ならすぐに行かないとな、随分と話し込んでしまったし」スッ
シタン「あなたのお仲間はどうするのですか?」
提督「その辺を見て回って来いって言っといたからそう遠くには行ってないはずだ。途中で拾っていこう」スタスタ
シタン「わかりました」スタスタ
シタン(異世界人、まさかこれほど異質な存在に出会えるとは。陛下はこのことをご存知だったのだろうか)
***
104 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:43:34.34 ID:JyPN2GjWo
〜ユグドラシル ブリッジ〜
シグルド「随分と遅かったじゃないか、ヒュウガ」
シタン「すみません、彼と少し話し込んでいまして」
シグルド「かまわん、こうなるだろうと思っていたからな。それで、君達が先程の魚雷を迎撃していた部隊だな。
私はこの潜水艦ユグドラシルの副長のシグルドだ。援護に感謝する」
提督「俺はこの子達第一艦隊を預かっている……提督だ。こちらに収容してもらえて助かったよ。
だが、俺達はタムズに飛んできた魚雷を迎撃してただけだ。そちらを援護していたつもりはないが」
北上(あ、ついに名乗るの諦めた)
シグルド「いや、水中の魚雷が減るだけでも大助かりだったよ。あれでバンスの負担が大分軽くなったのでな」
提督「そうなのか、まあ、結果的にそちらの助けになれてよかったよ。おかげで潜水艦に乗るなんていう滅多にない体験もさせてもらってるしな」
シグルド「はは、フェイ君の言ったとおり、君達は悪い奴じゃなさそうだな。タムズに着くまでの短い間だが、ゆっくりしていってくれ」
提督「そうさせてもらうよ。ところで、そのフェイはどこだ?一緒に漂流してた赤い髪の子もだ」
シグルド「……」
105 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:46:01.48 ID:JyPN2GjWo
シタン「……フェイは無事です。まもなくブリッジに上がってくるでしょう。
……共にそちらに流れ着いた彼女、エリィと言いますが、彼女は先程の戦闘で敵のギアに連れ去られてしまったのです」
提督「……おい、それってやばいんじゃないか?すぐにでも助けに行かないと」
シタン「しかし、艦がこの有様ではそうもいきません。それに、どうやら敵ギアの搭乗者とエリィは知り合いだったようです。
最悪の事態は起こっていないと考えていいでしょう」
提督「そうか、無事だといいが……。それにしても、敵の軍人と知り合いとは、あの子も妙な事情があるみたいだな」
シタン「ええ、彼女は元ソラリス軍人ですから」
提督「マジか、そんな風には見えなかったけどなあ。人は見た目に依らないって事か」
シタン「そうでもありませんよ。彼女が着ていたのはソラリス軍の軍服です」
提督「は?冗談だろ!?あんなレースクイーンみたいな格好がか!?」
シタン「え、ええ、間違いありません。しかし、レースクイーンとは?」
提督「い、いや、何でもない」
提督(あれが軍服って……確かに動きやすそうだったけどもうちょい機能面とか……)チラ
第一艦隊「「?」」
提督(ウチも他所のこと言えねえな……)
106 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:47:34.95 ID:JyPN2GjWo
シグルド「そうだ、タムズに向かう前に君に聞いておきたい。タムズというのはどういう所なんだ?
これもフェイ君の話だが、『艦長が力になってくれる』ような所らしいが」
提督「ああ、あの艦長なら間違いなく助けてくれるだろう。あそこなら資材も豊富だし、武器弾薬にも困らないはずだ」
プシュー
バルト「ただいま、シグ……うお!誰だお前ら!俺のブリッジで何してやがる!」
フェイ「……あんたは」
シグルド「大丈夫です、若。彼らは先の戦闘で魚雷迎撃に助力してくれた者達です」
提督「お邪魔している。タムズまでの間だが、世話になるよ」
バルト「なんだ、お前達がそうだったのか。悪いな、早とちりしちまってよ。さっきは助かったぜ」
シグルド「提督、紹介しよう。こちらの方が我らの主である……」
バルト「バルトだ。よろしくな」
提督「よろしく。あんたのことはそこのシタンから少し聞いたよ。それと……フェイ」
フェイ「……ん?」
提督「あんたのこともな。さっきは名前を聞く暇もなかったからな、改めて自己紹介させてくれ。
俺は提督、それと以下第一艦隊の6人だ」
金剛「ハーイ!」
榛名「よろしくお願いします」
北上「よろしくー」
大鳳「初めまして!」
夕立「っぽい」
加賀「よろしくお願いします」
フェイ「……ああ、よろしく」
提督「エリィの事も聞いたよ。俺から言えることはあまりないが、とりあえず今はこの艦の修理を考えようぜ。
助けに行くときは俺達も力になるからよ」
フェイ「そうだな。わかっているよ」
通信担当「修理班、及びおやっさんから入電、艦の応急処置が完了したそうです」
シグルド「よし、微速前進、海上都市タムズと接触する」
ジェリコ「アイアイサー!」
提督(……フェイ、か)
***
107 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/06(土) 21:54:54.26 ID:JyPN2GjWo
ちょっと短いですが、キリがいいのでここまでとします。では、また来週。
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/06(土) 22:18:01.86 ID:bKB6pAfiO
>>97
二人とも一番艦だよ
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/07(日) 01:00:03.02 ID:LaraeFdSo
ゼノとは懐かしい
紅蓮の騎士は今でも先頭BGMで俺的五指に入るくらいすき
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/02/07(日) 05:03:41.51 ID:QwT8K+QKo
>>108
これ
おーぷんのスレとかでも結構知らない人多いんだよなぁ
111 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:14:11.41 ID:W6GiFjDjo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
赤城と加賀さんの関係はこのままで行きます。全国の赤城、加賀提督の皆さん、申し訳ありません。
112 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:22:47.78 ID:W6GiFjDjo
〜数十分後〜
シグルド「よし、タムズに到着したぞ」
提督「早いな」
バルト「俺のユグドラにかかりゃ朝飯前だぜ!」
シグルド「若、はしゃぐのはそれ位にして、この船の艦長に挨拶をお願いします」
バルト「そうだな、シグ。それじゃ行こうぜフェイ」
フェイ「ああ」
シグルド「君達はどうする?」
提督「そうだな、まずはギアを持って帰らねえと」
シグルド「それなら心配ない。先程タムズに連絡を取った。今頃はあちらのギアドックに搬入されているはずだ」
提督「そうか、それなら俺達もギアドックに向かうよ」
シグルド「了解した。それではここでお別れだな」
提督「ああ、本当に世話になったな。感謝している」
シグルド「援護の礼だ。気にしないでくれ」
提督「そうだな、それじゃ縁があったらまたどこかで会おう。行くぞお前ら」スタスタ
榛名「はい、提督。シグルドさん、お世話になりました」
金剛「バーイ!」フリフリ
北上「この艦、結構面白かったよ」
夕立「またね!」フリフリ
大鳳「失礼します」
加賀「それでは」
シグルド「……やれやれ、騒がしい連中だったな」
***
113 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:27:43.60 ID:W6GiFjDjo
〜ギアドック〜
整備士「お、帰ってきたでやんすね」
提督「ああ、ギアの回収はしてくれたか?」
整備士「とっくに終わって今から整備でやんす。全く、よくもまあ酷使してくれたでやんすね、
駆動部のあちこちが浸水してるでやんすよ」
提督「う、すまん。いつのまにか敵ギアの戦闘に巻き込まれていたみたいでな」
整備士「ま、タムズを守るためだったんだからいいでやんすけどね。
そんなことじゃいつかあんたが死んじまうでやんすよ。次からは気をつけるでやんす」
提督「そうだな。できれば次がないことを祈りたいが」
整備士「わかったらほら、提督も整備手伝うでやんすよ」
提督「え?いや、ギア整備なんてやったことないぞ俺」
整備士「そんなこと言ってられないでやんす。ただでさえ『教会』のサルベージ計画の準備で人手が足りてないでやんすからね。
それに、今後ギアと付き合っていくからには整備ぐらい自分でできるようになった方がいいでやんすよ」
提督「うーん、確かにな。んじゃお前ら、そういうことだから各自で整備と補給しといてくれ。それが終わったら今日は解散だ」
加賀「……そう」スタスタ
北上「んー、それじゃ提督、お疲れー」スタスタ
金剛「オッケーデース!それじゃテートクゥ、補給が終わったら私とデートしまショー!」
榛名「!て、提督!榛名もデートしたいです!」
金剛「ワット!?いくら可愛い妹でもこれだけは譲れないネー!」
榛名「榛名も負けられません!」
大鳳「あ、あの、提督、できれば私も……」
夕立「えー、夕立も提督さんと遊びたいっぽい」
114 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:32:05.13 ID:W6GiFjDjo
提督「あーわかったわかった。それじゃ一番早く補給が終わった奴と後で一緒に広場に行くことにしよう」
榛名「!!本当ですか!?」
提督「マジだマジ。わかったらさっさと補給して来い」
夕立「わーい、行ってきます!」ピョーン
大鳳「私も負けないわ!……あら、加賀さんと北上さんの姿が見えないようだけど」
提督「あいつらならお前らが騒いでる間に補給しに行ったぞ」
金剛「シィット!こうしちゃいられないネ!テートク!また後でネー!」ダダダダ
榛名「榛名も失礼します、提督!」タッタッタッ
大鳳「この大鳳、遅れを取りはしません!」タタタタ
提督「はあ、やっと行ったか。それじゃこっちも頑張りますかね」
整備士「……提督、あんた最低でやんす」
***
〜しばらく後〜
提督「ぐぐぐ、これは、思っていた、よりも、力仕事、だな」グググ
整備士「おーい、提督」
提督「……ふう、後一本……ん?何だ?」
整備士「そこ終わったらもう上がっていいでやんすよ」
提督「え?まだシーリング作業とか残ってるんだろ。最後まで手伝うぜ」
整備士「その辺はデリケートだから素人には無理でやんすよ。いいからとっとと終わらせてデートでも何でもしてくるでやんす」
提督「ふーん、そういうものか。ならそうさせてもらうよ」
整備士「後は勝手にやっとくでやんすから、終わったら工具とかもそのままでいいでやんす」スタスタ
提督「……よし、あともう一息がんばるか」
115 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:39:45.76 ID:W6GiFjDjo
『こちらブリッジ。地下ドックに通達』
提督「ん?なんだ?」
『そっちにギアが一機行く、収容してくれ。例の漂流してたお嬢さんのギアだ』
提督「お嬢ちゃん……エリィか!自力で脱出したのか?」
作業員「おおい、聞いたなお前ぇら!ギア一機分スペース空けとけよ!すぐ来るぞ!」
ヴィエルジェ「コンチャッス」ギューン
提督「おっと、もう来たのか。確かにありゃ間違いなくエリィのギアだな」
エリィ「……」バシュウ
提督「おーい、エリィ」
エリィ「……」スタスタ
提督「よお、敵に連れ去られたって聞いてたけど、無事だったんだな」
エリィ「……ええ」
提督「そりゃよかった。そんなら早いとこフェイの所にいってやんな。メチャクチャ心配してたぞ」
エリィ「そのつもりよ。彼はどこにいるの?」
提督「あー、どこだろうな」
酔っ払い「おー?嬢ちゃんの彼氏ならさっき見かけたぞぉ?ブリッジの方に向かってたなぁ」
エリィ「そう」スタスタ
提督「あっ……行っちまった」
提督「どうも最初の時と印象が違うような……ま、疲れてたんだろうけど」
提督「っと、こうしちゃいられん、ちゃっちゃと済ませてあいつらの様子見に行かないと」
***
116 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:52:57.09 ID:W6GiFjDjo
〜少し後〜
提督「よし、これで、終わり、と!」グググ
提督「ふー、こりゃギアの操縦より大変だな。今度からはもうちょい大切に乗ってやるか」ピョン
提督「さーて、あいつらは終わらせてるかな、と」スタスタ
〜地下ドック 別区画〜
提督「おーう、補給終わったかー?」
金剛「テートクゥ!私に会いに来てくれたんですカー!?」バッ
提督「お前ら全員にな。ほれ、よそ見してると他の奴に先越されちまうぞ」
榛名「榛名、お姉様に遠慮はしません!」キュッキュッ
夕立「夕立、もうすぐ終わるっぽい!」サササ
提督「その調子で頑張れ。そうだ、妖精さんの調子はどうだ」
夕立「元気っぽい。今は砲身の歪みを直してくれてるっぽい」
提督「そりゃ良かった。こっち来たばっかりの頃は元気がなかったからなあ」
榛名「補給物資の質の違いになかなか慣れなかったそうですよ。今はもう平気だと言ってます」
提督「そうかそうか。艦載機の方はどうだ?残存は何機ある?」
加賀「流星改が31機、烈風改が38機、彩雲が10機よ」
大鳳「大鳳の残存機は流星改が27機、烈風が40機、彩雲が5機です。未帰還機、出てしまいました」シュン
提督「まあまあ、艦載機が補給できればまた妖精さんも戻ってくるだろ。それまでの辛抱だ」
大鳳「……そうですね、落ち込んでもいられませんね」
提督「そういうこと。今はこれ以上の被害が出ないようにしようや」ナデナデ
金剛「グヌヌ……シィーーーット!!」ゴシゴシゴシゴシ
北上(嫉妬でshit……これは中々)キュキュキュ
117 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 22:58:36.35 ID:W6GiFjDjo
『こちらブリッジ、地下ドックのユグドラシルが急速離脱する。非搭乗員は速やかに退去するように』
提督「今度はユグドラシルが急速離脱だあ?随分と忙しいな」カチャ
提督「こちら地下ドック、ユグドラシルに何があった?」
ハンス『提督かい?どうやらさっきの敵がまた現れたようなんだ』
提督「マジかよ!?身動きが速い連中だな」
提督(……)
榛名「提督?」
提督「先刻交戦した敵の第二波が来たらしい」
榛名「!!それじゃあ……」
提督「落ち着け、何よりも補給が最優先だ。俺は今からユグドラシルに乗りこんで状況を確認してくる。
お前らは補給が済み次第ユグドラシルを追って来い」
榛名「りょ、了解!」
提督「急げよ!」ダッ
提督(間に合うか!?)
***
〜ユグドラシル ブリッジ〜
シグルド「タムズとの接触は?」
通信手「固定アーム、リフト共に解除、出られます」
シグルド「よし、微速前進、機関長の指示には細心の注意を払え」
通信手「アイアイサー!」
プシュー
提督「間に合ったあ!」
118 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 23:22:06.74 ID:W6GiFjDjo
シグルド「君は……何故ここにいる?」
提督「敵襲だってんだろ?俺達も手貸すぜ」
シグルド「しかし」
提督「ここであいつらを何とかしなきゃ、今度はタムズもどうなるかわからんからな。
それに、あんたらにはタムズまで乗せてもらった礼もある」
シグルド「……そういうことなら、是非とも頼む」
提督「それで、状況は?」
シグルド「上空から大型ギアが一機接近中だ。あと5分もしないうちに接敵するだろう。
こちらはギアでの迎撃は可能だが、肝心のユグドラシルが戦闘速度を出せない状況にある」
提督「何があった?」
シグルド「メインエンジンのトラブルだ。修理は間に合いそうもない」
提督「まずいな、それじゃこいつはただの棺桶じゃねえか」
シグルド「そうだ。後は若とフェイ君、エリィ君にかかっている」
提督「シタンの先生はどうした」
シグルド「……銃座に回ってもらった」
提督「そうか、状況はわかった。俺は甲板であの子らの指揮をする。潜行するときは通信してくれ」
シグルド「了解した」
提督「それと、ギアと通信できるようにしたいんだが」
シグルド「ああ、この周波数でかかる」
提督「ありがとう。……フェイ、エリィ、それとバルトの若様。俺達が援護するぜ」
フェイ『!……またあんたか。何故俺達を助ける』
提督「文字通りの乗りかかった船だからな、目の前で知り合いがやられるのを黙ってみてるわけにもいかんだろ」
バルト『おいおい、理由なんてどうでもいいだろ。すまねえ、助かるぜ』
提督「ああ。敵は今のところ一機らしいが、万が一増援が来たら俺達が足止めする。まずは目の前のを全力でやってくれ」ピッ
119 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 23:38:52.75 ID:W6GiFjDjo
北上『提督ー、準備できたよ。今そっちに向かってるところ』ザザッ
提督「おう北上、こっちは接敵まで3分もない、急げよ。他の奴はどうだ?」
大鳳『大鳳、準備できました。今から出ます!』
加賀『私も出ます』
夕立『夕立もいけるっぽい!』
金剛『ノー!私はもう少しかかるネー!シット!』
榛名『……お待たせしました。榛名、出撃します!』
提督「よし。今度の敵は空から来るぞ、対空戦の用意をしとけ!空母組はまだ艦載機を出すなよ!」
***
〜洋上〜
榛名「提督、榛名です。ただ今潜水艦前に到着。金剛お姉様以外の全員揃っています!」
金剛『私も今向かっている所デース!』
提督『わかった。まずは総員、ユグドラシル正面を囲むように半円に布陣しろ。左右両端にそれぞれ加賀、大鳳。
加賀の前に夕立、大鳳の前に北上、正面に榛名だ」
榛名「了解!」ザザザ
提督『話によると敵ギアの動きはかなり速いらしい。それぞれ距離をとれ。できるだけ広範囲をカバーしたい』
加賀「提督、攻撃機を出してもいいかしら」
提督『まだ駄目だ。奴の実際の速さがどんなものか分からん。艦載機より速かったらただの的だ』
加賀「……そう」
北上「提督、私はどうするのさ」
提督『残弾は確か80%程度あったな。初撃は参加しなくていい。これも敵の機動力が分かり次第で考える』
北上「了解。ちぇ、私もいい加減撃ちたいんだけどなー」
120 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/13(土) 23:52:24.37 ID:W6GiFjDjo
提督『よし、もうすぐ来るぞ。俺は甲板で見てるからな』
榛名「そんな!提督、危険です!ブリッジにいて下さい!」
提督『あそこじゃ良く見えねえんだよ!ほら、来るぞ!もう肉眼で確認できる!』
榛名「!!あれが……」
ドミニア「貴様さえいなければ……。この、裏切り者がぁ!」
提督『対空射撃準備!撃て!』
榛名「撃ちます!」ドォン!
夕立「っぽい!」ドン!
ドミニア「ふん、こしゃくな!」ヒュン
提督(思っていたより速い!)
提督『北上、射撃許可!3人で弾幕を張れ!』
北上「やっと私の出番ですかね!」ドンドンドン!
榛名「止めます!」ドォン!ドォン!
夕立「当たれー!」ドドド
ドミニア「この弾幕の濃さ……あれは一体なんだ?」ヒュンヒュン
ドミニア(海に浮かぶ……ヒトか?あのサイズでこの威力の砲撃、何らかのエーテル能力なのか)
ドミニア(だがあれらからは何のエーテルも感じない。一体……)
ドミニア「ええい、私の目的はただ一つ!」ギュン
121 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/14(日) 00:04:51.99 ID:VJawYtGFo
提督『左舷に回った!夕立!』
夕立「駄目っぽい!速すぎるっぽいー!」ドンドン
提督(取り付かれるか!)
ドミニア「はああああ!」ガキン
フェイ「おおお!」ガキン
提督(格闘戦に入った!)
提督『射撃中止!空母組は偵察機射出、周辺の偵察に入れ』
加賀「了解」ブウウン
大鳳「出します!」ブウン
提督「他のは敵から目を離すな!隙ができたら一気に打ち込むぞ!」
フェイ「はあっ!」ガゴンガゴン
バルト「であっ!」ベシン
エリィ「ええいっ!」ゴツンゴツン
ドミニア「ちっ!流石に不利か!」スッ
提督(距離をとった!)
[火の剣]
ドミニア「ならばこれで!」ギュルギュルギュル
提督『今だ、一斉射撃!』
榛名「てぇー!」ドォン!ドォン!
ドミニア「きゃあ!」ドガァン!
[武技崩天]
フェイ「おおおりゃあ!」ドルルル
ドミニア「ぐ、ここまでか……申し訳ありません、閣下!」ドヒュウン
122 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/14(日) 00:16:50.42 ID:VJawYtGFo
フェイ「はあ、はあ」
提督『……逃げたか。加賀、大鳳、周囲の状況は?(ギアがドリルキックした……)』
加賀「上空に敵影なし」
大鳳「同じく、海上にもいないわ」
金剛「ヘーイ、テートクゥ!やっと着いたヨー!」
提督『やっとか。今ちょうど一仕事終わったところだぞ』
金剛「通信聞いてたヨー。皆さん、間に合わなくて申し訳ないネー」
榛名「そんな、謝らないでくださいお姉様」
提督『そういう事。全員無事だったんだからそれで……』
金剛「!!テートク!海中に艦影!」
提督『!!散開!』
ドオオン!
提督『うおおおあ!』グラグラ
エリィ「な、何?」
フェイ「下だ!」バシャアン
バルト「まさか、例の奴か?」バシャアン
エリィ「……」バシャアン
大鳳「提督、大丈夫!?」
123 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/14(日) 00:32:47.61 ID:VJawYtGFo
提督『あ、ああ、なんとか海に放り出されずに済んだよ。シグルド副長、今のはなんだ?』
シグルド『海中にギアが一機。恐らく先の戦闘で現れたのと同一のものだろう。今フェイ君達が応戦している』
提督『海中か。俺達じゃ太刀打ちできないな……。よし、加賀と大鳳は引き続き偵察』
加賀 大鳳「了解(!)」
提督『榛名はそのまま、金剛は後部に回れ』
榛名「はい、提督!」
金剛「了解デース!」
提督『夕立、北上はそれぞれ艦の真横に付け。増援や魚雷がきたらユグドラシルと連携して対処する。海中の変化にも気をつけろよ』
夕立「わかったっぽい!」
北上「はいはーい」
提督『それじゃ、ここからは集中力の勝負だ。変なものを見かけたらすぐ報告しろよ』
***
〜少し後〜
北上「そういえば提督さー」
提督『……ん?何か見つけたか?』
北上「いや、そういうんじゃないけど」
提督『じゃあ何だ』
北上「ほらさ、さっき整備前に皆に約束したらしいじゃん」
提督『あー、あれか。いや今それどころじゃないだろ』
北上「まあまあいいじゃん。あれって私の勝ちだよね?一番乗りでここまで来たわけだし」
提督『まあそうだな。……え、何、お前デートしたいのか」
北上「んー、別にデートじゃなくてもいいんだけどさ、たまにはぱーっと遊びたいなーと思って」
提督『……まあ、約束だからな。無事に戻れたら遊びに行こう』
北上「やりいー♪期待してるからね提督ー」
提督『わかったから目の前の事に集中してくれ』
北上「りょうかーい♪」
124 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/14(日) 00:39:38.53 ID:VJawYtGFo
提督『……はあ』
提督(フェイ達は無事だろうか)
提督(しっかし妙だな。敵襲ったってやってきたのはギア2機のみ、援護射撃すら飛んでこないとは)
ドッパアアン
北上「わああ!」
提督『うお、なんだなんだ、ブリッジ!今のは?』
シグルド『恐らく海中のギア戦の爆発だ。決着が付いたんじゃないか』
提督『……どっちだ?』
バルト『シグ、奴さんのギアは引き上げた!!早く回収してくれ!フェイがやられた!!』
提督(……ウソだろ)
125 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/14(日) 00:44:27.73 ID:VJawYtGFo
今日はここまでになります。それではまた来週。
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/14(日) 08:30:02.51 ID:183V/OE1o
乙。
127 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/20(土) 23:45:19.88 ID:ybAZkh4go
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
128 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/20(土) 23:51:55.51 ID:ybAZkh4go
***
〜地下ドック〜
榛名「……提督」
提督「……おう」
大鳳「あの、フェイさんの容態は……?」
提督「命に別状は無い。が、意識が戻らん。原因は不明だとよ」
榛名「大丈夫でしょうか」
提督「まあ、そのうち目を覚ますんじゃないか。少なくともこのままずっとって事はないだろ」
金剛「私達、援護もしてあげられなかったネー……」
129 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/20(土) 23:58:51.34 ID:ybAZkh4go
提督「敵が海中にいたんじゃ仕方ないだろ。あの剣持ってたギアを撃退しただけでも十分だ」
北上「そんな事言ってもさあ」
提督「俺達ができることは精一杯やった、今はそれで満足するしかないさ」
加賀「起こったことは仕方が無い、と?」
提督「そうだ、これまでだってそうしてきただろ。それに今だってそんなこと気にしてられる状況じゃないんだぜ」
北上「そうだね、またあのギアが襲ってくるかもしれないし」
提督「そういうこと。あいつらの動きの早さなら今日中にもう一回きてもおかしくないくらいだ。さっさと補給しちまおうぜ。俺も手伝うから」
皆「はい!」
***
130 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 00:18:33.89 ID:buhN8nD0o
〜次の日 物資搬入口〜
提督(結局、あれからソラリスの襲撃はなかった)カキカキ
シグルド「やあ、提督」
提督「シグルド副長、こんな所にどうした」
シグルド「君を探していたんだ。報告したい事があってね」
提督「俺に?一体なんだ」
シグルド「フェイ君のことだ。先ほど『教会』の人間と話をつけてね、彼らの施設で治療をさせてもらえる事になったんだ」
提督「よかったじゃないか。そこなら治るんだろう?」
131 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 00:25:36.54 ID:buhN8nD0o
シグルド「断言はできないが、彼らの技術は我々の数段先を行っている。恐らく大丈夫だろう」
提督「そうか。で、いつ発つんだ?」
シグルド「もう間もなくだ。フェイ君をこちらに移送出来次第出発する」
提督「という事は、今日のこれは別れの挨拶って訳か」
シグルド「そうなるな。君達には大きな借りができた。いつか必ず返すと約束しよう」
提督(礼ならいらん、といつもなら返すところだが)
提督(この機会を逃す手はない、か)
提督「なら、少し頼まれて欲しいんだが……」
***
132 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 00:35:05.12 ID:buhN8nD0o
提督(……大事な事とはいえ、相手の良心につけ込んだようで心が痛むな)テクテク
夕立「あ、提督さん!おーい!」ブンブン
提督「ん、皆揃ってどうした。周囲の偵察は終わったのか」
加賀「先ほど終わって補給を済ませてきました」
金剛「それで今からフェイのお見舞いに行こうと思ってたんデース」
榛名「提督もご一緒にどうかと思い、今から探そうとしてたんですよ」
北上「ま、やっぱりちょっと気になるからねー」
提督「あー、フェイならもうタムズにはいねえぞ」
大鳳「どういうことでしょう」
提督「『教会』の連中と話をつけたらしくてな、奴らの本部で治療を受けさせてもらえるらしい。
さっき出発するっつってたからな、今頃はユグドラで海の上だろうよ」
133 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 00:45:26.37 ID:buhN8nD0o
夕立「そこならあの人治るっぽい?」
提督「俺も同じ事聞いたが、多分大丈夫だろうってさ」
榛名「よかった……」
提督「ま、フェイのことはユグドラの連中に任せて、俺達はこっちでやることをやっちまおう」
加賀「そうね。それでは提督、今からギアの操縦訓練をしませんか。私も手伝いますから」
提督「お、いいのか?」
加賀「ええ。また前回のようになっても困りますから」
提督「そうだな、それじゃよろしく頼むよ」
134 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 00:53:44.17 ID:buhN8nD0o
金剛「ヘーイ、テートクゥ!その後で私達とティータイムにしまショー!」
提督「ティータイム?紅茶なんてこっちに来てからお目にかかったこともないぞ」
金剛「フフーン、確かにタムズには無かったネー」
提督「どういう意味だ?」
榛名「ユグドラシルに滞在しているときに、メイソンという方が紅茶を分けてくださったんです」
提督「メイソン……ああ、あの執事の。全く気づかなかったな」
榛名「どうでしょう、提督」
提督「いいね、是非とも頂くよ」
135 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 01:06:23.42 ID:buhN8nD0o
金剛「決まりネー!それじゃテートク、待ってるからネー」
榛名「訓練がんばってください、提督!」
北上「私はお昼寝でもしようかね」
夕立「夕立もちょっとおねむっぽい」
大鳳「私はドックで艦載機の整備をしてますね」
提督「じゃあ今日はこれで解散ってことで。それじゃ加賀さん、行こうぜ」
加賀「ええ」
***
136 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 01:20:24.05 ID:buhN8nD0o
〜しばらく後〜
提督「あ゛ーケツ痛え……ギアのシート堅すぎだろ」
提督「サルベージ当日はあの中に何時間もいなきゃならんのか……絶対クッション持って行こう。うん」
提督「と、ここだな」コンコン
提督「おーい、金剛、榛名、俺だ」
金剛「入ってきてくだサーイ!」
提督「おう」ガチャ
提督「……あれ、金剛、榛名、どこだ?」バタン
137 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 01:28:53.16 ID:buhN8nD0o
金剛「ここデース!」ガバッ
提督「うおっ!」
金剛「ンー、テートクゥー」ギュー
提督「お前、何してんだ」
金剛「……」
提督(……黙ってろ、と)ナデナデ
金剛「……ン」スッ
提督「もういいのか?」
金剛「イエース!これでしばらくは禁断症状に悩まされないネー!」
提督「何の事だ、というか、榛名はどうした」
138 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 01:51:18.01 ID:buhN8nD0o
金剛「ハルナはティータイムの準備ネー。もうすぐ戻ってくる筈デース」
提督「あ、ちゃんとお茶はあるのね」
榛名「お待たせしました、金剛お姉様……あ、提督、いらしてたのですね」
提督「ああ、お邪魔してるよ」
金剛「それじゃハルナ、後は私がやっておくから、次はハルナのターンネー」
提督「ターンって一体何の……あー、そういう」
榛名「あの、金剛お姉さまはもう……」
提督「まあ、さっきここに来た直後に」
榛名「榛名もできればお願いしたいのですが……」
提督「……構わねえよ、ほら」スッ
榛名「では、失礼しますね」ギュ
139 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 02:10:22.12 ID:buhN8nD0o
提督「……」ナデナデ
榛名「提督、あったかいです」
提督「初めてみたいな反応しないでくれよ、恥ずかしくなってくる」
榛名「こっちの世界では初めてですよ」
提督「なんだそりゃ」
榛名「……」
提督「……」
榛名「……」スッ
提督「もういいのか?」
榛名「はい、ありがとうございました、提督」
提督「よし、じゃあお茶にしようか」
榛名「ええ!」
140 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 02:36:05.68 ID:buhN8nD0o
金剛「ン、二人とも、フィニッシュですカー?」
榛名「はい、最後は任せっきりにしてしまって申し訳ありません、お姉様」
金剛「ノープロブレムネー!ほらテートクゥ!そんなとこに立ってないでシッダンネー!」
提督「ああ、それじゃ失礼して」ガタン
榛名「それでは、榛名がお入れしますね」コポコポ
榛名「どうぞ、お姉様、提督」
金剛「センキュー、ハルナ!」
提督「ありがとな。……お、中々いい香りじゃないか」
金剛「イエース!あのバトラーの格好は伊達じゃなかったって事デスネー!」ゴクゴク
提督「はは、あの格好は確かに凄かったな。まさに執事って感じで」ゴクゴク
榛名「あの、提督」
提督「ん?どうした」
141 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 03:00:52.50 ID:buhN8nD0o
榛名「これからどうするおつもりですか?タムズに滞在してしばらくになりますが、私達の世界に帰る手掛かりは全く見つかっていません。
そろそろ次の手を考えたほうが……」
提督「んー、まあ確かに、サルベージ計画が終わったあたりで別のアクションを起こしてもいいかと思い始めてはいるよ」
金剛「どうするつもりデース?」
提督「一番に思いつくのは、タムズを離れて自分の足で世界を回る事だな」
金剛「ワーオ!とっても楽しそうネー!」
榛名「でも提督」
提督「ああ。そうなると補給が問題になってくる。オイルその他はともかく、弾薬だけは他じゃ中々手に入らないだろうな」
金剛「それじゃ私達はずっとここにいるしかないんですカー?」
提督「まあそう焦るな。その点に関してはちょっと考えがある」
142 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 03:16:33.87 ID:buhN8nD0o
榛名「それは一体……」
提督「秘密だ。その時が来たら話すよ」
金剛「エー!プリーズテルミー、テートクゥ!」
提督「駄目だ。正直、うまくいくかどうかわからないからな」
榛名「そうですよお姉様、あまり提督を困らせてはいけません」
金剛「ウー……絶対に今度教えてくださいネー?」
提督「ああ、約束だ」
金剛「なら許してあげマース!」
143 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 03:35:07.79 ID:buhN8nD0o
提督「そりゃよかった。榛名、おかわりくれ」
榛名「あ、はい!」コポコポ
提督「ん、サンキュ。相変わらず榛名は紅茶淹れるのがうまいな」
榛名「ふふ、ありがとうございます。提督がお望みなら毎日淹れて差し上げますよ」
提督「うーん、毎日は流石にな……。たまにはコーヒーも飲みたいし」
金剛「ワット!?今何て言いましたテートクゥ!」
提督「いややっぱコーヒーって気分の日も」
金剛「ノー!いくらテートクでもあんな泥水を飲むことは許せないネー!」
提督「お、落ち着け金剛。別にお前が飲むわけじゃないんだから」
金剛「ノーったらノーデース!テートクゥ!今すぐこれまで飲んだ全ての泥水を吐き出すネー!」ガシィ
提督「だあああ暴れるな!そんなの無理なんだからイタタタタ!噛むな!」ギャーギャー
榛名(……コーヒー、淹れられるようにしておきましょう)
***
144 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/21(日) 03:37:06.01 ID:buhN8nD0o
今日はここまで。遅くなってしまい申し訳ありません。
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/21(日) 04:34:28.44 ID:3CegOum20
艤装のリミッターを解除すれば、艦娘もハイパーモードになれる可能性
エーテル機関を搭載すれば色々と使えるだろうか?
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/21(日) 07:38:05.46 ID:uXOdaApUo
乙でした。
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/21(日) 11:38:42.91 ID:ZDFG+8VSo
艦娘に技を習得させるためつちのこ相手に□△○ボタンを押し続ける日々が始まるお(´;ω;`)
乙
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/21(日) 12:13:45.18 ID:uXOdaApUo
つちのこ肉を毎日食う加賀さん。
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/21(日) 12:48:33.88 ID:DE88Dn9co
乙
150 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/27(土) 23:56:19.89 ID:dyacDEuqo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
151 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 00:06:55.04 ID:EwZcKBYCo
〜数日後〜
夕立「ぽいー」ゴロン
夕立「ぽいー」ゴロン
夕立「……はふう」
提督「何してんだ、こんなとこで」
夕立「あ、提督さん。見ての通りのお昼寝タイムっぽい」
提督「こんなかったい甲板のど真ん中でか?部屋で寝れば良いだろ」
夕立「あそこは昼間でも暗いからイヤっぽい」ゴロン
提督「小さい窓が一つ付いてるだけだからな。にしてもこんな所で寝ることはないだろ。ガラの悪い奴に攫われちまうぞ」
夕立「そんな奴らは返り討ちにしてあげるっぽい」ゴロン
提督「……ぬう」
夕立「……ふわあ」
提督(なんかに似てると思ったらあれだ、実家の犬にそっくりなんだな。寝そべり方とか)
提督「まあ、そういうことならいいけどよ。ギアの邪魔にだけはならないようにな」
夕立「はーい」
152 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 00:15:41.89 ID:EwZcKBYCo
提督「んじゃ、俺は作業に戻るわ」
夕立「行っちゃうの?」
提督「休憩がてらの散歩だったからな。そろそろ戻らないといかん」
夕立「……提督さん」
提督「ん?」
夕立「ここ」ポンポン
提督「ここ?」
夕立「一緒にお昼寝しましょ?」
提督「そうしたいのは山々だがなあ」
夕立「むー、提督さん、最近全然遊んでくれないっぽい。鎮守府にいた頃はもっと遊んでくれたのに」
提督「そりゃ仕方ねえだろ。あっちの時よりもずっと忙しいし」
夕立「大規模作戦の時よりも?」
提督「うぐ、それは、まあ、作戦中のほうが忙しかったかな」
夕立「でも提督さんは作戦中に夕立と遊んでくれてたよ?」
提督「……そうだったな」
153 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 00:28:52.72 ID:EwZcKBYCo
提督(しまったな、司令官としての仕事をすっかり怠ってしまった)
提督(何よりもまずこの子らをしっかりフォローしてやらなきゃならなかったのに、多分大丈夫だろうで済ませちまった。
加賀さんがああなった時点で、だな)
提督(そう考えてみると、こないだの金剛と榛名もそうだったのかもしれない)
提督(それぞれにキチンと話、しないとな)
提督「……わかったよ、俺も毎日作業作業で疲れてたところだ。一緒に寝るか」
夕立「うん!それじゃ早速、夕立の隣に寝るっぽい!」
提督「それじゃお邪魔して、と」ゴロン
提督「あー、海風が気持ち良いな」
提督(背中めっちゃ痛いけど)
夕立「気持ちいいっぽーい」
提督「確かに、暗い部屋で寝るよりはいいかもな」
夕立「でしょ?」
提督(このかったい布団を除けば、だけど)
154 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 00:40:49.29 ID:EwZcKBYCo
夕立「提督さん」
提督「ん?」
夕立「腕、貸してほしいっぽい」
提督「腕?ほらよ」スッ
夕立「っぽい」ポフッ
提督「……あー、流石にこれは恥ずかしいんだが」
夕立「何が?」
提督「それだよそれ、腕枕」
夕立「誰も見てないからいいっぽい。このままだと頭が痛くなっちゃうし。っぽい」
提督(やっぱり床固いの気にしてんじゃねえか)
提督「……まあ、いいか」
夕立「いいっぽい」フワア
155 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 00:50:52.33 ID:EwZcKBYCo
提督「それにしても、海ってのはあっちでもこっちでも変わらんな」
夕立「そんなことないっぽい。海のにおいが全然違うっぽい」
提督「え、マジ?どう違うんだ」
夕立「うーん、あっちの海はお魚がいっぱいいるにおいがしたけど、こっちの海は機械のにおいが強いかも」
提督「……ふーん、俺には全く分からん」スンスン
夕立「提督さんからは提督さんのにおいがするっぽい」スンスン
提督「そりゃ俺は俺だからな」フフン
夕立「……ついでに他の女のにおいもするっぽい」
提督「……い、いつもの事だろ、はははは」
夕立「むー!」グリグリ
提督「あででで、頭でぐりぐりするんじゃねえ。床固いんだから」
156 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:01:23.81 ID:EwZcKBYCo
提督「そ、それよりもさ、あっちの奴らがどうなってるか心配じゃないか?」
夕立「何のこと?」
提督「いやほら、時雨とか春雨とか、鎮守府の奴らは大丈夫かなーって」
夕立「全然気にしてないよ?」
提督「え?」
提督(あれ?)
夕立「あっちにはいっぱい仲間が残ってるでしょ?敵が攻めてきても絶対に負けないっぽい。むしろ時雨たちが夕立たちを心配してると思うっぽい」
提督「そ、そうだな。早く帰ってみんなを安心させないとな」
夕立「っぽい!」ゴロン
提督(……俺、心配し損じゃねーか!というか大人か!この子は!昼寝ワン公なのに!)
夕立「〜♪」ゴロゴロ
提督「……ま、いいか。今度こそ大丈夫そうだし」
〜その頃 地下ドック〜
ギア整備士「提督の奴、全く帰ってこないでやんす。やっぱり最低でやんす」
***
157 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:13:02.93 ID:EwZcKBYCo
〜数日後 海上〜
提督「よっと」ガッコンガッコン
提督「よし、と。こちら4番機、ロープ固定完了だ」
クレーン担当『よーし、それじゃ引き揚げるぞお!』
1番機『よし、ギア班は下がれ!』
提督「了解、っと。うーん、サルベージ作業をする分には問題なく動かせるようにはなったな」ガコガコ
提督「次は戦闘機動か。また加賀さんに手伝ってもらわないとな」
158 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:20:00.87 ID:EwZcKBYCo
金剛『ヘーイ、テートクゥ!』
提督「っ!!」キィィン
金剛『そっちは順調ですカー!?海上はグッウェザーアンドウィンドレスネー!』
提督「あー、金剛、金剛、俺の鼓膜を破る気がないんなら今すぐ声の音量を落としてくれ。あとお前の役目は天候観測じゃねえ、索敵だ」
金剛『オウ、ソーリー。もちろん敵の方もナッシングネー!』
提督「了解、そのまま頼むぜ。今の俺じゃデスサイズの一匹にでも来られたらお陀仏かも分からんし」
金剛『それは大変デース。そうならないようにこの金剛、プリンセスを守る立派なナイトを全うしてみせマース!』
提督「俺が姫かよ。まあなんでもいいや、しっかり頼むぜ」ハハ
提督(金剛は……実際どうなんだろうな。霧島と比叡を心配してそうな気もするし、夕立と同じように心配してない気もする)
提督(結局、話してみないと分からない、か。サルベージ計画が終わったあたりでちょっと話してみるか)
***
159 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:31:09.72 ID:EwZcKBYCo
〜しばらく後 地下ドック〜
ギア整備士「お疲れでやんす、提督」
提督「ああ。今回はやらかしてないから安心してくれ」
ギア整備士「そのようでやんすね。この様子じゃ軽い整備だけで終わりそうでやんす」
提督「それなりに丁寧に扱ったからな。操縦の方も大分上達した気がするぜ」
ギア整備士「油断したらダメでやんすよ。人間、上達したてが一番ミスするものでやんすから」
提督「肝に銘じておくよ」
ギア整備士「それじゃもう上がっていいでやんす」
提督「……サルベージ計画は明日だぜ?今は猫の手でも借りたいんじゃないのか」
ギア整備士「もう準備は粗方終わってるでやんす。提督こそ、明日に備えてもう休んだほうがいいでやんすよ。
明日は普段の何倍も重労働になるでやんすから」
提督「ありがとう。それじゃ後は頼むぜ」スタスタ
提督「うーん、思いがけず暇が出来たが……晩飯まで寝るか」スタスタ
提督「ん?あれは……」
160 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:38:58.21 ID:EwZcKBYCo
加賀「……」カーンカーン
加賀「……」カンッカンッ
加賀「……」ガァンッガァンッ
提督「何やってんだ、加賀さん」
加賀「提督」
提督「……んー、こりゃあ」
加賀「艦載機を、自作できないかと思って。妖精さんと試していたの」
提督「よく出来てるじゃないか。見た目は完全に烈風だな。これ使えるのか?」
加賀「駄目ね」
提督「ま、そんなとこだろうと思ったぜ。妖精さんも乗ってないしな。何が問題なんだ?」
加賀「こちらの世界の材料では内部の精密部品、特にエンジンが作れないそうよ」
161 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:46:47.29 ID:EwZcKBYCo
提督「エンジンか。……ん?そういや艦載機ってどうやって動いてるんだ?艦娘に燃料を補給したことはあっても、艦載機にはしたことねえぞ」
加賀「今までは発艦時に私達の燃料を少しだけ持っていくようになってたわ」
提督「じゃあ今は?スレイブジェネレーターからはどうやってるんだ」
加賀「わかりません。今までと同じようにしたら動けるらしいのだけれど、どうやって動いているかは理解できていないわ」
提督「つーことは、例え材料が揃ったとしても、既存の製造方法では艦載機は補充できないのか?」
加賀「恐らくは……」
提督「うーん、案外面倒なことになったな。ただ同じものを生産するだけじゃ駄目だとは」
加賀「……」シュン
提督「っ!ま、まあまあ、そんな悲しい顔すんなって。要するにスレイブジェネレーターからエネルギーを移せればいいんだろ?
この世界にならどこかにあるはずだって」
提督(その顔は反則だろ……)
加賀「……そうかしら」
提督「あんな馬鹿でかいロボットが当たり前にある世界なんだ。ちっちゃい飛行機に積むエンジンぐらい絶対あるって。
それよりほら、明日は一大イベントなんだ、今日はもう休もうぜ」
加賀「そうね、そうします。……提督」
提督「ん?」
加賀「期待していますから」スタスタ
提督「……やれやれ」
***
162 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/02/28(日) 01:52:00.54 ID:EwZcKBYCo
今日はここまで。
スクエニの新作オンゲでゼノギアスのコラボがあるようですね。PV見ましたがフェイたちに新しいボイスが生まれただけでも落涙ものでした。
それではまた来週。
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/28(日) 08:13:23.65 ID:22Zgrosg0
マジかそれ
乙
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/28(日) 14:57:01.40 ID:dnwNzIubo
乙。
165 :
◆Idq7VgawO2
[sage]:2016/03/05(土) 22:33:10.54 ID:sVAyg/xco
お待たせしました。今週の投稿を開始します。
166 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/03/05(土) 22:36:06.13 ID:sVAyg/xco
〜次の日〜
提督「くあ……ねみい」スタスタ
提督「色々と考えてたら良く眠れなかった……子供か俺は……ふああ」
提督「いかんいかん、今日に限ってこれはまずいぞ。とりあえずメシでも食ってくるか」「提督」
提督「その後にコーヒーでも一杯飲めば……また金剛に何か言われそうだな」「あ、あら?提督?」
提督「ま、その時はその時だな。今はそんなことより……」
大鳳「もう、提督!」ガシッ
提督「うおっ!?た、大鳳か!いつの間に」
大鳳「ずっと呼んでましたよ、提督。それなのに提督が気づいて下さらないから……」
提督「う、悪かった。ちょっと寝不足でな」
大鳳「大丈夫ですか?今日は提督もギアで作業するんですから、万全の状態で臨まないと怪我してしまいますよ」
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