【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」

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467 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:07:33.05 ID:aJQ8XMU9o
〜戦艦整備区〜


加賀「こちらが戦艦の整備用に割り当てていただいたスペースです」


提督「広いな」


金剛「タムズやユグドラよりも整備しやすくて大助かりデース!」


整備士「あ、金剛さん!」


提督「あの人は?」


榛名「榛名達の艤装を整備していただいている主任の方です」


金剛「ヘーイ!何かあったネー?」


整備士「何かあったじゃないでしょう!作業中に勝手に抜け出したりして!」


金剛「オーウ、ソーリー。テートクの気配がしたのでついついネー」


整備士「ということは、あなたが?」


提督「うちの金剛が迷惑かけているようで申し訳ない……」


整備士「いや、わざわざ謝られるほどでは……こちらとしても彼女達の艤装は大変興味深いですし、苦労に見合う体験はさせてもらえてますよ、ははは」


提督「それで、今日はその体験の成果を見に来たのですが」
468 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:08:16.44 ID:aJQ8XMU9o
金剛「フッフーン、テートクがいない間に色々と良くなりましたヨー!」


整備士「そうですね、金剛さん、榛名さんご両人だけでなく、他の方全ての艤装に関して、今回通常のメンテナンスの他に、動力系の調整を行いました」


提督「動力って言うと……スレイブジェネレータに?」


整備士「ええ。スレイブジェネレータと周囲の接続が無茶苦茶だったので、そちらを最適化しました。というかよくあれで今まで動けましたね」


提督「そんなにやばかったのか」


整備士「それはもう。まるで元々別の何かが入っていたスペースに、無理矢理ジェネレータを押し込んだような形になっていましたから。まあ、皆さんの話を聞く限り、実際にその通りだったのかも知れませんが」


提督「そういうことは俺達じゃ手の出しようがなかったからなあ。それで、使用感は変わったのか?」


加賀「何度か試運転しましたが、出力の上がりにかなり違いを感じました」


金剛「今までの何倍かは上がっている感じがしたネー」


提督「そりゃ凄いな」


整備士「それに伴い、『アタックレベル』と呼ばれるシステムも使用可能になっています」


提督「アタ……え?」


整備士「アタックレベルです。戦闘機動を取っている時間に比例して、ジェネレータの出力が最大3段階まで上昇する、スレイブジェネレータに搭載された制御システムの通称です」


提督「えーと、つまり、戦っていると段々出力上限が上がっていくって事か」


整備士「そうなりますね。もっとも、一度戦闘機動をやめてしまうと初期状態に戻りますが。ああ、短時間に負荷を掛け過ぎても同様にリミッターがかかりますよ」
469 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:09:29.38 ID:aJQ8XMU9o
金剛「なんだかややこしいネー」


提督「俺はいいシステムだと思うけどな。他には何か?」


整備士「今の所は何も。ただ、現行の足回りでの陸上戦は不可能なので、ホバリング機能を搭載できないかと試行しているところです」


提督「そんなこと可能なのか?確かにその問題はこないだの戦闘から気にしてたことだが……」


整備士「ブリガンディアのホバースラスターをモデルに、色々と試している最中です。なに、必ずやってみせますよ。シェバトの技術を以ってすればできないはずありません!」


提督「じゃあ、よろしくお願いします」


加賀「提督、そろそろ行きましょう。次は駆逐艦と軽巡の区画です」


榛名「あ、榛名は艤装のチェックをしたいのでここに残ります」


提督「わかった。頑張ってくれよ。金剛もいい加減下りてくれないか、そろそろ腰と肩と周りの視線が痛くなってきたんだが」


金剛「まだノーデース」ギュウウ


提督「絞まってる!絞まってるから!」バタバタ


加賀「……置いていきますよ」


  ***
470 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:27:04.04 ID:aJQ8XMU9o
〜駆逐、軽巡区画〜


加賀「着きました」


提督「ひい、ひい」


金剛「テートクゥ、こんな程度で息切れなんてしちゃって、トレーニングが足りてないヨー!」


提督「好き勝手言ってくれるなあちくしょう」ゼーゼー


北上「あれ、提督じゃん、お久しぶりー。元気だった?」


提督「ま、まあな、こっちも中々忙しくてな、様子を見に来る暇もなかったんだよ。つっても久しぶりって程ではないと思うけどな」


北上「そうだっけ?まー私も色々やってたからねー。こないだユイさんの料理を食べたのがもう一月くらい前の気がするねえ」


提督「流石にそれは盛りすぎだろ……」


夕立「あー!金剛さんずるいっぽい!」


提督「げ」


夕立「夕立も提督さんに遊んで貰いたいっぽい!」ダダダ


提督「待て、夕立、ストップ!」ビシ


夕立「!」ピタァ
471 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:28:10.30 ID:aJQ8XMU9o
提督「後で遊んでやるから、頼むから飛び込んでくるのは辞めてくれ、な。これ以上負担がかかったらマジで死ぬから」


夕立「ぶー、しょうがないっぽい」


提督「夕立は偉いなあ」ナデナデ


金剛「……何か私、損した気がしマース」


提督「そう思うんなら下りたほうがいいんじゃないか?というかマジで下りてください」


金剛「ンー、そこまで言うなら下りてあげマース。これからは目を離したらノー!ですからネー!」


提督「へえへえ、善処します」


加賀「……そろそろいいかしら。こちらの作業の進捗を報告してもらいたいのですけれど」


北上「へへ、実は提督の事待ってたんだ。ちょっとこれ見てよ」


提督「ん?こりゃ副砲の弾だろ。これがどうかしたのか」


北上「ただの弾じゃないよー?なんとこれ、ここの工廠で一から作ってもらったんだよ」


提督「嘘ぉ!?こんな短期間でか」


北上「ホントだってー。いやあ、ここの技術力ってば凄まじいよねー。ちょっとの残弾からすぐに同じもの生産しちゃうんだもん。
これはまだ試作品だけど、すぐに量産できるようにしてくれるってさ」
472 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:29:05.77 ID:aJQ8XMU9o
提督「それじゃ、ようやっと北上もまともに戦えるようになるのか」


北上「ほんと、ようやくって感じだよー。魚雷も海戦以外でも使えるように何とかしてくれるらしいし、これからの北上様の活躍、期待してくれちゃっていいよー?」


提督「ああ、そのときはしっかり働いてもらうから安心しろ」


北上「うーん、楽しみで待ちきれないねえ。あ、そうだ。提督、今から私の演習付き合ってよ」


提督「今から?悪いけどまだ空母の方の様子も見ておきたいし」


北上「まあまあ、そんなの後でいいじゃない。提督だってギアの操縦訓練しなきゃいけないんでしょ?一石二鳥ってことでさ、ほらほら」グイグイ


提督「おい、ちょっと押すなって!」


金剛「ウーン、カガも大変ネー。私、同情するデース」


加賀「……貴女には言われたくないです」


  ***
473 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/01/14(土) 19:30:55.57 ID:aJQ8XMU9o
今回はここまで。冒頭の理由につき、しばらくは不定期に投稿していく事になります。なるべく毎週更新できるようにはしていきますのでよろしくお願いします。それではまた。
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 23:42:06.30 ID:T7Zbhp7R0
あけあめ〜そして更新乙
気長に待つから無理の無いペースでええんやで
リアル大事に後、体も大事に
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 01:37:01.46 ID:GcD0B1/40

レス1ヶ月
>>1が2ヶ月だっけか気長に待つでな
476 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:41:59.40 ID:a9PPEwz4o
お待たせしました。書き溜め分投稿します。土日休みが欲しい……。
477 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:52:27.59 ID:a9PPEwz4o
〜空母整備区画〜


技師「お疲れ様でした。今回も上手くいきませんでしたね」


大鳳「……仕方ありません」


技師「それにしても悔しいですね。データは十分に揃っているのに実現できない。我々の技術の限界を思い知らされているようだ」


大鳳「私も悔しいです。あの子達の事、もっと分かっているつもりだったのに……」


技師「大鳳さんはよくやってくれていますよ。お陰様で有用なデータがかなり取れているんですから」


大鳳「エアッドの技術を利用した艦載機の生産、本当に可能なのでしょうか」


技師「……正直なところ、まだどうなるかは……。大鳳さんのおっしゃるとおり、少しずつ前進を見てはいるんです。もう少し、我々にエアッドの知識があれば……!」


大鳳「そう、ですか」


技師「しかし、まだ諦めてはいません。必ずや、われわれシェバトの技師の誇りにかけて……!」


シタン「あの、ちょっとよろしいですか?」


技師「あなたは……」


大鳳「シタン先生?」


  ***
478 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:52:53.88 ID:a9PPEwz4o
〜また数日後 屋外フロア〜


提督「ここと、ここと、ついでにこのボタンで、起動、と」カチャカチャウィーン


北上『どうなのさ、提督?ちゃんと起動した?』


提督「ああ、今立ち上がった所だ。機体を起こすぞ」ガチャガチャ


夕立『おお、動いたっぽい!』


提督「危ないから離れとけよ」


整備士『流石に下界のギアに乗ってただけあって、基本的なことはすぐできますね』


提督「まあ動かすだけならタムズのギアとあまり違いはないみたいだからな。問題はここからだ」ガチャガチャ


整備士『では早速ですが、飛行訓練の方に行ってみましょうか。打ち合わせどおりにお願いします』


提督「了解。まずは飛行ユニットを吹かして微上昇……おお」フワッ

提督「飛んでる!すげえ!」


北上『なんかすごい今更感ある感想じゃない?』


提督「いやあ、実際自分で飛ぶとなると実感が湧くと言うか」グラ

提督「おわあ!?」
479 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:53:30.02 ID:a9PPEwz4o
整備士『気を抜いちゃダメですよ。初飛行ですがオートバランサーは切ってありますので』


提督「何で!?」


整備士『なるべく早く飛行技術をマスターするようにという加賀さんの要望でして』


提督「む、無茶苦茶だ……」ドキドキ


整備士『本当に墜落しそうになったらオートパイロットが働くので大丈夫ですよ。さあ、次のステップです』


提督「ええと、王宮フロアあたりまで上昇、と」ゴオオ


北上『お、いい調子じゃん』


提督「……よし。次は新型無線機のテストか。あーあー、金剛、榛名、聞こえるか?」


榛名『はい、こちら格納庫より榛名です!無線の感度良好ですね、提督!』


金剛『ばっちり聞こえてマース!訓練の方は順調ですカー!?』


提督「ああ、なんとか生きて空を飛んでるところだ。しかし凄いなこの無線。この距離でこれだけの障害が間にある通信にほとんどノイズが入ってない」


榛名『通信可能な範囲はもっと広いと言う話ですから、戦闘中の通信に困ることはなさそうですね』


提督「だな」
480 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:54:31.11 ID:a9PPEwz4o
提督「んで、そっちの進捗はどうなんだ?」


榛名『はい、ホバー機能の件の方は上手くいきそうです。現在、榛名とお姉様の艤装をモデルにしてのテストが最終段階に入っています』


提督「そうか。それじゃ引き続きそちらの整備担当とよく協力してくれ。俺達も今や名実共にシェバトの一員だからな」


金剛『そんなこと言われるまでもないネー!ところでテートクゥ!そちらはランチタイムまでにはフィニッシュしそうですカー?市街地にジュークボックスのあるアダルティーなお店があったネー!』


提督「いや、こっちは結構かかりそうだ。悪いけどまた今度にしてくれ」


金剛『ぬぐぐ、仕方ないデース。代わりにマリアを誘ってみマース……』


榛名『お姉様、そろそろお時間ですよ』


金剛『ワット?もうそんな時間ですカー!?』


榛名『提督、整備士の方に呼ばれているのでそろそろ失礼します。飛行訓練の方、頑張ってくださいね。榛名、応援してます!』


金剛『あ、ちょ、離すネハルナー!テ、テートクゥ!せめてアフタヌーンティは一緒に』ブツッ


提督「……仮にもテストなんだから真面目にやって欲しかったんだが……まあいいか」


北上『提督、通信テスト終わったー?』


提督「はいはい、終わりましたよ」


北上『なんで敬語?』
481 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:55:05.04 ID:a9PPEwz4o
整備士『ではいよいよ本番、戦闘機動訓練に入ります。安全策は施していますが、下手をすると怪我ではすまないかもしれません。集中を切らさないように』


提督「げ、もうかよ。せめてもうちょっと心の準備を……」


夕立『へーきへーき、提督さんならきっとやれるっぽい』


北上『そうそう。シミュレーションではちゃんとできたんでしょ?大丈夫だって』


提督「あん時はオートバランサーがあったからだよ!風にちょっと煽られるだけでも大忙しなんだぞ今!」ガコガコ


北上『なに弱音吐いてんのさ。私達と一緒に前線に立つって言うならこれくらい出来なきゃダメでしょ』


夕立『こないだみたいな事はもうイヤっぽい』


提督「うぐ、それを言われると確かにそうだけど」


整備士『さあ、愚痴っている暇はありませんよ。まずは障壁ギリギリの所を所定の時間で周回してもらいます』


提督「ああもう、なるようになれだクソォ!」ビュン


  ***
482 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:55:34.66 ID:a9PPEwz4o
〜しばらくして〜


整備士「……うん、想定より上達が早いですね。やはりギア搭乗経験ありという事が大きいのでしょうか」


北上「いやあ、案外加賀さんのスパルタ作戦が効いてるのかもよ?提督もああ見えて士官学校出てるだけあって体育会系だし」


夕立「さすが加賀さん。提督の事良く分かってるっぽい。けど……ふああ、いい加減提督さんの訓練見てるだけじゃ飽きてきちゃった」


整備士「では、そろそろ次のステップへと進みましょうか」


北上「お、いよいよ私達の出番だね」


夕立「待ってました!っぽい!」


整備士「あーあー、提督、そろそろ次のステップに移ります。一旦こちらに戻ってください」


提督『了解』ギューン


北上「お、もう来た」


提督『ん、というか次のステップって何だ?打ち合わせじゃ今日はこれ以上のことはやらないって話だったが』


整備士「ええまあ、すぐに分かりますよ。お二方」


夕立「バッチリっぽい」ガシャ
483 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:56:15.45 ID:a9PPEwz4o
北上「それじゃ私から……よいしょ!」ドォン


提督『ぎゃあああああ!』ビュン

提督『何撃ってんだ!冗談でもやめろ!』フラフラ


北上「大丈夫だって、模擬弾だから当たっても爆発はしないから」ガシャ


提督『あんな質量が機体にぶつかるだけでもあぶねえだろ!第一、周りの建物に当たったらどうするんだ!』


北上「その辺は事前に対策してるからへーきだよ」


整備士「と言う事です。これが本日の最終メニューになります」カキカキ


提督『って事はこれも……』


整備士「ええ、加賀さんの要望です」


提督『鬼か!』


夕立「そろそろ夕立も撃っちゃうっぽい!てー!」ドン


提督『あああああ!』


北上「それそれ」ドォンドォン


提督『なああああああああ!!!』ビュンビュン
484 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:56:45.56 ID:a9PPEwz4o
整備士「……うん、これは興味深い。異世界人を名乗るだけあって採れる機体データが我々とは全く違う」


提督『ちっくしょう、付き合ってられるか!』ビュン


夕立「あー!逃げちゃダメっぽい!」ドン


提督『あっぶねえ!』


夕立「夕立と北上さんの射撃訓練も兼ねてるんだから、提督さんはちゃんと避けてくれてないと」


提督『ひっでえ』


北上「それじゃ、そろそろこれも試してみましょうかね!』ガション


提督『は?』


北上「新型五連装酸素魚雷、発射ぁ!」バシュ


提督『そんなの聞いてな』ガイン


夕立「あ、命中したっぽい」


提督『ああああああああああああああああ』ヒュウウ


夕立「あ、墜ちたっぽい」


北上「あちゃあ、もしかしてやりすぎた?」


整備士「問題ありません。ほら」
485 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:57:41.97 ID:a9PPEwz4o
夕立「あ、持ち直したっぽい」


整備士「あの動きはオートパイロットですね」


北上「提督、生きてる?」


提督『……たぶん。昼飯前だったのが不幸中の幸いだ……』ゼエゼエ


北上「いやあ、まさかこれほどの性能とは。ハイパー北上様はご機嫌ですよ」


提督『今の砲撃、魚雷発射管から飛んできたように見えたんだが』


北上「そうだよ?地上でも使えるように改造してもらったんだー♪」


提督『それもう魚雷じゃなくて無誘導ミサイルのような……おえ』


夕立「提督さん、大丈夫?」

北上「やー、訓練とはいえ、流石にやりすぎたかもね。ごめんね提督」


提督『いや、お陰で初日とは思えないくらいには飛べるようになったからな。一応本当に安全確保もされてたし……』


大鳳『提督!!!』


提督『な、なんだ!?大鳳か?』


大鳳『提督!大変なんです!すぐこちらに来てください!』


提督『あ、ああ、分かった。場所は格納庫の整備ブロックでいいんだよな?』


整備士「それでしたら提督、本日の訓練の締めとして、そこまでギアで飛行していってください。どうせギアも格納庫に収容する予定でしたから」


提督『了解。すぐ向かうからな!』ギュン


夕立「……行っちゃったっぽい。どうしたんだろ、大鳳さん」


北上「さあ?」


  ***
486 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/02/03(金) 00:58:22.08 ID:a9PPEwz4o
今回はここまで。次回もいつになるか未定です。なるべく2週間以上空けないようにします。それでは。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/03(金) 09:27:42.32 ID:/U65rEaS0
乙乙
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 14:58:21.93 ID:1n+aNbnj0
乙、この前アーカイブス買っちゃったぜ!
vitaでプレイしてるけどストーリー結構忘れてるな……タムズに到着するのって中盤の方だったんだな
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 08:04:37.93 ID:3UWcDkojO
まだかぁー
490 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/07(火) 23:49:32.08 ID:kbarzlgbo
お待たせしました。スレ落ちてない……ですよね?
491 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/07(火) 23:51:57.20 ID:kbarzlgbo
あ、落ちてないみたいで良かったです。お待ちいただいた方には本当にごめんなさい。投稿始めます。
492 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:00:57.32 ID:fIAZGYz2o
〜格納庫〜


提督「ふう。あっという間に到着、と。おーい大鳳、どこだー?」


大鳳「ていとくー!」


提督「おお、いたいた。さっきはどうしたんだよ」


大鳳「いいから来てください!」グイ


提督「なんだなんだ?」


  ***


大鳳「これです、見てください提督!」


ブーン


提督「これ、艦載機か?」


大鳳「はい!ついに成功したんです!こちらでの艦載機の生産に!」


提督「へ、へえー。それは良かった」


大鳳「これで散っていった妖精さんも帰ってこられます。本当に良かった……」


シタン「ええ、まさかここまで上手くいってしまうとは。私にも予想外でした」


提督「シタン先生?」


大鳳「今回開発が成功したのは、何といってもシタン先生のお陰なんです。先生のエアッドの知識が無ければとても……」


シタン「いえいえ、私はちょっとばかり設計に口を出しただけですよ」
493 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:01:24.99 ID:fIAZGYz2o
提督「……うーん」


大鳳「提督?さっきからあまり浮かない顔をしてらっしゃいますけど、どうかしたんですか?」


提督「いや、この艦載機なんだけどさ」


大鳳「はい?」


提督「めっちゃデザイン変わってね?」


大鳳「え、ええ、そうですね。シタン先生の設計ですから」


シタン「エアッドを設計の基盤にしていますから、必然全体のフォルムが流線型になりましたね。何か問題がありましたか?」


提督「いや、このデザイン、ヲ級が使ってた艦載機にすごく似てるんだけど……。表面のつるつる具合とか」


大鳳「え、そうでしょうか……?あれほど禍々しい形ではないと思いますよ」


提督「うーん、色が結構違うから分かりにくいかもしれないけど、やっぱり似てると思うぞ」


シタン「ヲ級というのは、あなた方が向こうの世界で戦っていた敵ですか?」


提督「ああ、まあ。うーん、考えすぎかな」


大鳳「きっとそうですよ。そんな偶然ある訳ないです」


シタン「そうですね。あまりに様変わりしすぎたものですから、以前見たことのある別の物との類似性を無意識に見つけようとしたのでしょう」


提督「そうかもなあ。まあとにかく、良かったな大鳳。加賀さんには知らせたのか?」


大鳳「はい。加賀さんは今開発チームと一緒に最終調整をしています。頑張っている提督には負けられないって意気込んでましたよ」


提督「はー、あの加賀さんがね」


大鳳「それで、提督にも色々とやって頂きたいことがあるのですが……」


提督「ん、色んなとこの許可貰ったり書類書いたりだろ?ちょっと前に弾薬の件で散々やったからな。そこは任せとけ」


大鳳「お願いします。まずは加賀さんと合流しましょう」


提督「オッケー。それじゃシタン先生、今回はどうもありがとう」


シタン「礼には及びません。丁度ヒマを持て余していたところですから」
494 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:01:51.09 ID:fIAZGYz2o
提督「ヒマだったって、ユグドラシルの方で色々やることがあるんじゃ?」


シタン「いやあ、それがそうでもないんですよ」


提督「え?」


シタン「ユグドラは若くんの部下だけで元々回るようになってますし、私の仕事といったらヘイムダルの整備くらいで……。
そんなところをジェサイア先輩に見られたら酒盛りに付き合わされますし、こちらで設計を手伝わせてもらえてむしろ感謝していますよ」


提督「ははは、お互い人間関係には苦労が絶えないようで……」


シタン「いや全く……。と言っても、提督はあまりそういう苦労をされているようには見えませんが」


提督「まあ、金剛とか大鳳とかは比較的マシな方だからなあ。酷いと長いこと付き合っててもクソ提督呼ばわりしてくるのとか、
怒るとすぐ執務室に爆撃かけようとしてくるヤツとか、そりゃもう色々と……」


大鳳「あの、提督。そろそろ行かないと」


提督「え、ああ。そうだな」


シタン「ああ、申し訳ない。私としたことが、無駄に引き止めてしまいましたね。いやあ、妻にしつこいとよく怒られるのですが、
いやはや、性分というのは中々直らないものですねえ」


提督「とんでもない、久々に昔話ができて嬉しかったよ」


シタン「では私もこの辺で。夕食までミドリと遊ぶ事にしますよ。たまには父親らしい事もしてやらないと、本格的に口を利いてくれなくなりそうですからね。それでは」スタスタ


提督「……妻子持ちって大変だな」


大鳳「?シタン先生と何の話をされてたんですか?」


提督「まあちょっと、男の話だよ」


  ***
495 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:02:44.03 ID:fIAZGYz2o
マリア「……こちらパトロール中のゼプツェン、シェバト南方に異常ありません。予定通り帰投します」

マリア(今日もソラリスの襲撃はなし。一体やつらは何処に……ソラリス本国の位置さえ分かれば、私だけでも……)

マリア(いけない!私はまた同じ失敗を……私がもっとしっかりしていれば、シェバトの被害はもっと少なかったかもしれないのに。
アハツェンに、父さんの機体に、あんなことさせずに済んだかもしれないのに……)

マリア「……父さん」

マリア(……ソラリスを倒すため、今私にできることは、シェバトを守ること。フェイさんや金剛さん達が戦い準備をしている間、
私がシェバトを守る!それがソラリスを倒す一番の道。女王さまだってそう言っていたんだから。だから……)


マリア「……帰りましょう、ゼプツェン」


〜17格納庫〜


マリア「……ふう」カチャカチャ


整備員「お疲れ様、マリア。仕上げは俺達でやっておくから、後は任せてくれていいぞ」


マリア「え?でも……」


整備員「まあまあ、じつはマリアに客が来ててな。あっちに待たせてあるんだよ。そっちの相手をしてくれ」


マリア「あっち?ええと……」


金剛「マーリーア!」バッ


マリア「きゃあ!」


金剛「パトロールお疲れ様デース!突然ですガー?私とハルナのランチのお誘いに来たネー!」


マリア「え、遠慮します!もう、驚かすのはやめて下さいっていつも言ってるじゃないですか!」


金剛「細かいことはいいんデース!さあ、ハルナが待ってマス!レッツゴーネー!」ズルズル


マリア「ちょっと、人の話を聞いてください!」


  ***
496 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:03:15.18 ID:fIAZGYz2o
金剛「〜♪」


マリア「ちょっと……もう、離してください!」グイグイ


金剛「ノー!今日という今日は逃がさないネー」


マリア「どうしてそこまで私に付きまとうんですか!」


金剛「勿論、今のマリアを放っておく事なんてできないからデース」


マリア「何ですか、それ。同情で言っているなら……」


金剛「ンー、ちょっと違うネー」


マリア「……」


金剛「マリアは思ってることとかを表に出さずに溜め込んじゃうからネー。それじゃ良くないと思ったんデース」


マリア「……会って間もない貴女が、私の何を知っているんですか」


金剛「オーウ、私にはお見通しデース!何てったって私、お姉ちゃんですからネー」


マリア「意味が分かりません」


金剛「鎮守府にも色んな子がいるって事デース。その中にはマリアみたいな子もいるネー。頑張り屋で、何でも自分の力で解決しようとして……。
そういう子はいつもこうやって無理矢理にでもお話するチャンスをメイクしてるんデース」


マリア「父さんやソラリスのことは私の問題です。それを私が何とかしようとして、何がいけないんですか」


金剛「今はもうそうはいかないネー。ソラリスは私達の共通の敵デース。それに、マリアが出る前に私達があのギアを止めていればマリアが悩むことは無かったネー。
そういう意味では私達にも責任がありマース」


マリア「そんな、皆さんはシェバトを守るために全力を尽くしてくださいました。父さんを助けられなかったのは私の力不足です」


金剛「それを言うなら、シェバトを最後に守ったのはマリアデース」


マリア「……」
497 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:03:52.16 ID:fIAZGYz2o
金剛「つまり、マリアのファザーの事は私達とマリア、それにシェバトのせいだし、ここにいる皆を守れたのも、やっぱり私達みんなのおかげデース」


マリア「……それで、金剛さんは私にどうして欲しいんですか」


金剛「ンー、マリアはもうちょっと皆と話をするといいと思うネー。今のシェバトには私達はもちろん、フェイ達だっているネー。
こんなに沢山人がいるのに、自分だけで何かしようなんてもったいないに決まってマース!」

金剛「そーれーに!」ギュ


マリア「きゃあ!」


金剛「こーんなキュートな子を一人で戦わせるなんて、そんなことしたらキリシマやヒエイがカンカンになるデース!」


マリア「その方達は、元の世界にいる方なのですか?」


金剛「イエース!二人とも私の自慢の妹ネー!」


マリア「そのお話……提督も、似たような事をおっしゃっていました。私と父さんが戦うのを黙って見ていたら、元の世界に置いて来た方たちに申し訳が立たない、って」


金剛「え、テートクが?」


マリア「ええ。ですから、皆さん同じように考えているのかなって……違うんですか?」


金剛「ンー、まさかテートクがそんな事言うなんて思ってなかったネー」


マリア「くす、金剛さんも提督とお話したほうがよろしいのでは?」


金剛「ウー、テートクはテートクだから、いつも皆の話を聞く側デース。そういえばテートクのお話はあんまり聞いた事がないネー……」


マリア「金剛さんも、もっと提督とお話しなきゃいけませんね」


金剛「イエース。でもその前にマリアとお話したいデース!」


マリア「そう、ですね。私も、金剛さんのお話がもっと聞きたいですわ」


金剛「……!!そうと決まれば急ぐネー!街でハルナが待ってるヨー!」グイ


マリア「あっ!そんなに急がなくてもお昼は逃げませんよ!」


金剛「ゆっくりなんてしてられないデース!あ、私のことは遠慮なく『お姉ちゃん』って呼んでくだサーイ!」


マリア「いや、それはちょっと……」


  ***
498 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/08(水) 00:06:01.79 ID:fIAZGYz2o
今回はここまで。いい加減更新頻度がヤバイので次回は必ず来週投稿にします。それでは。
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 00:40:04.47 ID:Q7emRNTcO
おつ
見てるよん
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 10:15:52.75 ID:QKUbaYKlO
金剛型五番艦マリア!出ます!


アリだな…
501 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:22:03.13 ID:S0fTDCMUo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
502 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:38:53.07 ID:S0fTDCMUo
〜別の日 アウラ・エーペイル〜


提督「へー、ここがそうなのか」


北上「そーそー。中々いいところでしょ?」


提督「ああ。まさか街の中央塔の屋上が芝生の庭になってるなんてな。立派な木まで生えてるし、一体どうなってんだ」


北上「ほら、ここからだと街が一望できるんだー。提督ってばここの所こういう景色も楽しんだり出来てなかったんじゃない?」


提督「ギアの訓練で上空を飛んではいるんだけどな。確かにまだ操縦に手一杯で景色を楽しむ余裕はないな」

提督「……おー、こりゃすごいな。誰に聞いても満点と答えそうな絶景だ。ああ、いや、大鳳を除いてかもしれんが」


北上「んー、そうでもないと思うよ。あの人もうここの足場に慣れてるっぽいし。今朝だって朝ごはんの前にこの辺でランニングしてたし」


提督「そういえばこないだ大鳳に呼び出されたときもすっかり慣れてる様子だったな。一体いつの間に成長したんだ?」


北上「シェバト防衛戦の後にはもう大丈夫だったみたいだよ?『必死に戦ってたら、いつの間にか怖くなくなってました!』って言ってた」ウラゴエ


提督「今の大鳳のモノマネか?」


北上「似てたでしょ?」


提督「まあまあな」


北上「へへー」ゴロ
503 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:39:33.93 ID:S0fTDCMUo
提督「服汚れるぞ」


北上「最近よく来るから慣れてるし」


提督「最近ったって、お前らもずっと忙しかったんじゃないのか?」


北上「そうそう。薄暗い地下ドックでずっと装備の相手してたからねえ。たまの休憩にちょくちょく来てたって訳」


提督「今日もそんな所で良かったのか?折角だからもっと色んなところ回ったっていいんだぞ」


北上「いーのいーの。タムズにいたときに一番乗りだったご褒美って言ったって、ここ最近のどたばたで私もすっかり忘れてたし、
どうせすぐまた忘れそうだったからねー。それに、いつもはここでのんびりしてると怒った加賀さんがすぐ来ちゃってあんまりゆっくりできないんだよねー」


提督「休憩じゃなくてサボってるだけじゃねえか」


北上「まあまあ」


提督「あんまり加賀さんに負担かけるんじゃないぞ」


北上「はいはい、お説教も無しでしょ。今日は私のための休みなんだし」


提督「……しょうがねえな」


北上「よろしい。ほら、提督ももっとこっちに座んなよ」ポンポン


提督「はいはい、よっと」


北上「……ふー、風が気持ちいいねえ」
504 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:40:00.50 ID:S0fTDCMUo
提督「ああ、そういやこんな高度なのに全然寒くないな。障壁のお陰なのかね」


北上「さあ、それはどうでもいいけど。うーん、こうやって風に当たってると、鎮守府の潮風を思い出すねえ」


提督「やっぱさ、北上もたまに寂しくなったりするのか?」


北上「急にどうしたのさ、真面目な顔になっちゃって」


提督「いや、いつか聞こうと思ってた事なんだけどな、こっちに飛ばされてきてから結構経つから、不安とか無いかなーと」


北上「んー、大井っちとかの顔が見たいなーってたまに思うけど、それくらいかなー」


提督「……本当に大丈夫か?」


北上「んー?何か提督、いつもより優しいんじゃない?」


提督「いや、いつもと変わらないつもりだけど」


北上「じゃあ仮にさ、ほんとに寂しいから今すぐ帰りたいって私が言ったらどうするのさ」


提督「う、それは……」


北上「あはは、だから大丈夫だって。あんまり心配してないってのは本当だよ。向こうの事も、こっちの事も、なんとかなるでしょ」


提督「……そうか、それならいい。それじゃ今日は存分にのんびりしてくれ」ペラ
505 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:40:29.13 ID:S0fTDCMUo
北上「ん?何の本?」


提督「シェバトギアの構造の本。整備士連中にギア乗るなら勉強しとけって渡された」


北上「はい没収ー」ヒョイ


提督「あ、何すんだ」


北上「うへー、最初のページから何書いてあるか全然わかんないや」ペラペラ


提督「まあ、俺も半分分からないまま読んでるからなあ。とりあえず返してくれ」


北上「ダメですー。今日は私に付き合う日なんだから、提督も休まなきゃ駄目でしょ」


提督「……お前もしかして、俺の息抜きも考えてここにしてくれたのか?」


北上「まさか、そんなわけないでしょ?せっかく大手を振ってのんびりできるのに、一緒にいる提督が勉強なんてしてたらこっちが落ち着かないじゃん」


提督「まあ、そういうことにしといてやるよ。ありがとな」


北上「だから提督のためじゃないってば。それよりほら、何か面白い話してよ」


提督「おう、それじゃこないだ偶々目撃したリコとバルトの喧嘩の話でもするか」


  ***
506 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:40:58.88 ID:S0fTDCMUo
〜次の日〜


マリア「……ですから、空中で格闘戦を行う場合、より高い高度にいた側が有利に立てるのです」


提督「うーん、理屈は何となく分かるんだが、あんまり実感が湧かないな。第一、まだまだ空中での行動も覚束ないのにそんな事気にして動けるのだろうかね」


マリア「そんな甘い事は言っていられません。ソラリスのギアはいつ攻めてきてもおかしくないのですから、提督には一刻も早くギア戦に熟達していただきますわ。
それを皆望んでいます」


提督「は、はい。精進します」


マリア「では、今日の座学はここまでとしましょう。午後からは実戦形式で今覚えた内容を理解してもらいますので、そのつもりで」


提督「よし、その前に昼飯だな。良かったら一緒に食べるか?」


マリア「いえ、折角ですが先約があるので……」


金剛「マールィアー!迎えに来たネー!」ネイティブ


マリア「金剛さん。時間には間に合うから待ってて下さいと言ったじゃないですか」


金剛「私もそのつもりだったけど、ちょっと時間が空いたからこっちまで……オーウ、今日はテートクと何かしてたんですカー?」


提督「ああ。マリアにギア戦のいろはを教えてもらってたんだ。こっちに関しちゃマリアは大先輩だからな」


金剛「ウー、何か楽しそうネー。私も混ざりたかったデース」


提督「いや、頼むから自分の仕事をしてくれ……」


マリア「では提督、金剛さんとお昼をご一緒する約束でしたので、また午後に」


提督「ん、ならしょうがないな。一人で食ってくるわ」


金剛「そういう事ならテートクも一緒に行くネー!」


提督「え、いいのか?」


金剛「オフコース!マリアもいいですよネー?」


マリア「ええ、私も構いませんわ」


提督「ならまあ、一緒に行くか」


  ***
507 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:41:25.57 ID:S0fTDCMUo
提督「……それで訓練中に近くを飛んでた鳥があんまり大きくてさ、びっくりしすぎて危うくドックに突っ込むところだったよ」


金剛「へー、そんなビッグな鳥がいるなら実際に見てみたいネー。マリアは見たことありますカー?」


マリア「ええ、パトロール中にたまに見かけますよ。遠くを飛んでいるグリフォンとか」


金剛「それだけ大きかったら食べ応えありそうデース」


マリア「いえ、実際はそうでも……。シェバトの食糧問題解決の為にそういう試みがあったらしいのですが、
食べられたものではなかったそうですよ」


金剛「オーウ、夢の無い話ネー……」


提督「なんか二人とも、いつの間にかすっかり仲良しになってるな」


マリア「ええ、今では金剛さんは大事なお友達です」


金剛「そこは『お姉ちゃん』って言って欲しいネー。もう、ずっとそう言ってるのに全然呼んでくれないんだかラー」

提督「……」

提督(まさか、金剛がずっとマリアに構ってたのって……)


マリア「ふふ、それは諦めてください」


金剛「しょんぼりデース」


提督「全く、あんまり無茶言うんじゃない。悪いなマリア。いつも迷惑掛けてるかもしれないけど、良かったらこれからも金剛と仲良くしてくれ」


マリア「もう慣れました。それに、金剛さんが本当は良い人だって、私、分かってますから。提督も、これからよろしくお願いします」


提督「ああ、もちろんだ」
508 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:41:54.62 ID:S0fTDCMUo
マリア「なんだか、提督って皆さんの保護者みたいですね」


提督「保護者というか……まあ、ある意味そうではあるかもしれないけど」


金剛「あ!それならテートクの事を『お兄ちゃん』って呼ぶのはどうですカー!?」


マリア「……ええ!?」


提督「おい、なんでそうなる」


マリア「そ、そうです!さっきの話と全然関係ないじゃないですか!」


金剛「そんな事ないデース!テートクがお兄ちゃんなら、私は『お義姉ちゃん』って事になるネー!これならパーフェクトデース!」


提督「何も完璧じゃないんだが」


マリア「そ、そうですよ、もう!いい加減からかうのは止めて下さい、金剛さん!」


金剛「え、私は本気で……」


マリア「知りません!ほら、早く行かないと午後のお仕事に間に合いませんよ!」


金剛「あっ!待ってくだサーイ!


提督(……うーん、マリアにお兄ちゃんと呼ばれるのか……)

提督「……アリだな!」


金剛「テートクゥ!急がないと置いて行かれマース!」


提督「あ、ああ!」タッタッタ

提督(……)


  ***
509 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:42:27.57 ID:S0fTDCMUo
〜数日後 王宮〜


ガチャ


夕立「おはようございまーす。女王様、お話ってなあに?」


フェイ「遅かったじゃないか。あんたたちで最後だぜ」


提督「すまない。ちょっと準備に手間取って……って、ユグドラシルの面子も召集されてたのか?」


ビリー「ええ、なんでも女王様自ら大事なお話があるとかで……」


ゼファー「全員揃ったようですね」


フェイ「それで女王、話っていうのは?」


ゼファー「ではまず……、ありがとうございました、みなさん。ジェネレーターの修理も完了し、障壁も従来通り展開されています」


榛名「結局、あれ以来一度もソラリスが攻めてくることはありませんでしたね」


バルト「へっ、奴らもまさかあの赤いギアがやられるなんて思ってなかったんだろうよ。いい気味だぜ」


マリア「……」


バルト「あ、わ、わりい。お前の親父さんの事を悪く言うつもりは無かったんだ」


マリア「分かってます、大丈夫です」
510 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:43:00.83 ID:S0fTDCMUo
ゼファー「……マリア、先の戦いではよく頑張ってくれましたね。ニコラ博士の事は、本当に無念です……。
博士をあそこまで追いやったソラリスを倒して、真の自由を取り戻さなくては」


マリア「……はい」


金剛「マリア、元気出すネー」


マリア「ありがとうございます、金剛さん」ソモソモソラリスハイッタイドコニ……

マリア「他の皆さんも、私なんかを気にかけて頂いて、とても励みになりました。でも、もう大丈夫です」


北上「大丈夫って……どういう意味さ」ゲートノヒトツハキョウカイノチカニ……


マリア「私、決めました」


ゼファー「それと、先ほど気になる知らせが入りました」


提督「知らせ?」


ゼファー「ニサンにアヴェの軍隊が侵攻したとの事です」


バルト「なんだって……!?シャーカーンの野郎!!」


大鳳「ええと、アヴェ王国はイグニス大陸の一大国家だったと思いますが、ニサンというのは?」


提督「ニサンは同じくイグニスにある宗教国家だ。アヴェとはトップが血縁関係なのもあってかなり仲が良かったはずだが」


バルト「そんなもんはとっくの昔、シャーカーンのハゲがクーデターを起こす前の話だ!あの野郎、アヴェの次はニサンにも手を出そうってのか!!」


北上「ちょっとちょっと、急にどうしたのさ」


シタン「……若君は、クーデターで亡くなった前国王、エドバルト4世の実子、つまりはアヴェの王子なんですよ」


榛名「!?」


北上「冗談……じゃなさそうだねえ。提督は知ってたの?」


提督「いや、俺も知らなかったぞ……」


榛名「と言うことは、シャーカーンと言う方はバルトさんの……」


シグルド「ああ、そうだ。若様にとっての、いや、我々にとっての最大の敵だ。やつを倒すために、我々は今まで力を蓄えて来たのだ」


提督「しかし、ちょっといきなり過ぎないか?一体何が目的なんだ」


ゼファー「シャーカーンの目的は、恐らくかの地に眠るアヴェ王家の秘宝。ロニ・ファティマの封印したギア・バーラー!」


金剛「ギア・バーラーって……」


提督「ああ、こないだ話したばっかのアレだな」
511 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:43:33.66 ID:S0fTDCMUo
バルト「ちくしょう!!こんなとこでグズグズしてられないぜ!俺は行くぜ、ニサンに!シャーカーンの野郎の好きにさせてたまるかッ!」


フェイ「そうだな。ニサンの人たちを見殺しには出来ない。ニサンへ急ごう!」


ゼファー「あなた方の艦には、飛行ユニットを取り付けておきました。元々は、バルトの先祖、ロニの船で使用されていたものです。
遠慮なく使ってください」

ゼファー「それと、提督」


提督「はい?」


ゼファー「良い機会です、あなた方もフェイと共に地上へ降り、任務を開始しなさい」


提督「わかりました」


金剛「言われるまでもないネー!」

北上「これは早くも新装備のお披露目ができそうで……腕が鳴るねえ」

加賀「準備はできています」

大鳳「行きましょう、提督!」

夕立「また新しいところっぽい?」

榛名「がんばりましょうね、夕立さん」


マリア「あのう、ユグドラシルの皆さん……」


金剛「マリア?……アッ!マリアとお別れするのは……」


マリア「私もあなた方と一緒に連れて行ってもらえませんか?もう、じっと待っているのはイヤなんです」


金剛「ワット!?」


ゼファー「……私からもお願いします。フェイ、マリアを連れていってやってください。この子は、幼くして運命と戦わざるを得なくなってしまった。
自分なりの決着がつかぬ限り、先へは進めないでしょう」」


金剛「それなら私達と一緒に……」

提督「やめとけ」


金剛「なんで止めるんデース、テートクゥ!」


マリア「……ごめんなさい、金剛さん。私、自分の手でソラリスとの決着を付けたいんです」


提督「俺達よりフェイ達の方が目的により近いからな。しょうがねえよ」


フェイ「よし、わかったよ。一緒に行こう、マリア。今日からは俺達の仲間だ、君と……、君のゼプツェンも」


マリア「はい!」


金剛「ウゥ、マリアァ……」グス


提督「まだ泣くには早いだろ……少なくともニサンの事は俺達も協力するんだから」


金剛「マ゛リ゛ア゛ァァァ!地上に降りるまでいっぱいお喋りするネ゛ェ゛ェ゛!」ギュウウ


  ***
512 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/03/17(金) 19:44:09.34 ID:S0fTDCMUo
今回はここまで。次回も来週投稿します。それでは。
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/18(土) 11:02:27.80 ID:GVLB+p/eO
乙。
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 19:26:01.49 ID:EdcmrA+UO


金剛も妹分欠乏症にかかっるな・・・
515 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:16:21.91 ID:1FEgC3NPo
またもお待たせしました。更新再開します。
516 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:17:11.87 ID:1FEgC3NPo
〜翌日 ニサン 東街道〜


アヴェ歩兵A「……」スタスタ

アヴェ歩兵B「……?」カサッ

アヴェ歩兵B「おい、今何か」ガサ

アヴェ歩兵B「っ!?」


加賀「シッ!」ドゴォ

アヴェ歩兵B「おぐぇ!」ドサッ


アヴェ歩兵A「な、何だ!?」カチャ


榛名「はあっ!」ドゴォ

アヴェ歩兵A「ぐあ!」ドサ


加賀「……」キョロキョロ


榛名「……こちらは大丈夫です」


加賀「……こちら側も確認したわ。提督」


提督「よし、よくやってくれた。こっちの南側は制圧したな」ガサ

提督「北上、夕立、北側はどうだ?」


北上『んー、今二人で茂みの中から偵察してるけど、こっちに敵はいないみたい』


夕立『このまま街道に出てもいいけど、西側全体が湖だから敵がいたら丸見えっぽい。提督さん、どうしたらいい?』


提督「そうだな、しばらくそのままで北から敵が来ないかだけ見張っててくれ」


夕立『お任せっぽい!』

北上『このまま?あちこち虫だらけで泣きそうなんだけど』

夕立『北上さん、それくらい我慢するっぽい』
517 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:18:21.17 ID:1FEgC3NPo
提督「大鳳、金剛、外の方はどうだ?」


大鳳『特に異常ありません』

金剛『同じく、ギアの影は引っかかってこないデース』


提督「よし。シグルド副長、街の東側は固めた。次の指示は?」


シグルド『よくやった。間もなく若様とフェイ君達が市街を制圧する。それが終わるまでは東側の防衛を任せる。それと……』


提督「それと?」


シグルド『ないとは思うが、万が一マルー様がそちらに居られたら、保護してくれ』


提督「マルーが?どういう事だ?」


シグルド『すまないが時間がない。今はただそうしてくれ』


提督「あ、ああ。了解した」

提督「聞いての通りだ。各自警戒そのままでよろしくな」


榛名「……マルーさんが来るかも知れないって、どういうことなんでしょう?」


提督「いや、俺もよくわからん。あの子がニサンの関係者だから……とかか?」


夕立『あ、それなら心当たりあるっぽい』


提督「知っているのか夕立」


夕立『マルーちゃんはニサンのだいきょうぼ?なんだって。提督さん、だいきょうぼってなに?』


提督「だいきょ……!?」


加賀「提督、お静かに」


提督「す、すまん」


夕立『提督さん?』


提督「ああ。夕立、大教母ってのはな、ニサン教の一番偉い人の事だ。そりゃいてもたってもいられないだろうな」
518 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:19:01.24 ID:1FEgC3NPo
榛名「ええっ!?」


北上『アヴェの王子様の次はニサンの偉い人?ソラリス人もいるし、ここの人たちは一体どういう集まりなのさ……』


金剛『案外、キスレブの凄い人も実は混ざってたりするかもしれないネー』


提督「まさか、流石にそんなことはないだろ」


榛名「!提督、市街地の方から爆発音を確認しました」


提督「始まったか」


夕立『夕立たちは加勢しなくてもいいっぽい?』


提督「市街地で主砲なんて使えないだろ。それよりも周辺の警戒怠るなよ。フェイ達の討ち漏らしがこっちに逃げてくるかもしれないからな」


夕立『はーい』


  ***
519 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:19:28.28 ID:1FEgC3NPo
提督「……」キョロキョロ


加賀「……」


提督「……」ガサ

提督「……っ」ガチャ


加賀「落ち着いて下さい、提督。ただの風よ」ハア


提督「わ、悪いな。どうにも慣れてなくてよ」


榛名「いつも通りで大丈夫ですよ、提督。いざとなったらしっかり榛名がお守りしますから」


加賀「こんな事ならいつも通り隠れて指揮に徹していたほうがよかったのではないかしら」


提督「うーん、見張りなら目が多いほうがいいと思ったんだが……逆に足引っ張る事になっちまってるなあ」キョロキョロ


夕立『提督さん、市街地の方が静かになったっぽい』


提督「お、あっちは片付いたか」


加賀「こちらが片付けられた可能性もあるわ」


提督「それならもっと騒がしくなってるはずだ。敵がこちらに捜索の手を伸ばしてくるはずだからな」ピピピ


シグルド『こちらシグルドだ。聞こえるか提督』


提督「ああ、聞こえてる。市街地の方は?」
520 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:20:33.77 ID:1FEgC3NPo
シグルド『無事制圧した。住民の姿はないが、恐らく避難した後だからだろう』


提督「それで、こちらはどうすればいい?」


シグルド『現状を確認するために、一度集合したい。念のため街道を北にある大聖堂の裏まで確認した後、市街地にある集会所に来てくれ』


提督「了解」

提督「それじゃ言われたとおり行くぞ。俺達は街道を歩いて北上と夕立に合流する。金剛と大鳳もそっちに合流してくれ」


大鳳『了解しました!』


  ***
521 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:21:04.42 ID:1FEgC3NPo
〜ニサン市街〜


提督「へー、ここがニサンの町か」


榛名「なんだか面白い形の屋根が多いですね」


夕立「想像してたよりも小さい町っぽい」


大鳳「私もそう思いました。あるのはこの町と湖が一つ、それと教会だけなんて、国と言うには規模が小さすぎるような」


提督「ここは一応一国家として認知されているが、実態はニサン教の総本山ってだけらしいからな。
重要なのはそこだけで、産業や領土を発展させる必要もないんだろうさ」


夕立「……ん。提督さん、この建物だけ人の気配がするっぽい」


提督「うん?ならここが集会所なんじゃないか?」ガチャ


エリィ「誰!?」


金剛「私デース!」


バルト「おう、やっとご到着か!遅かったじゃねえか」


シグルド「向こう側の様子はどうだ?」


提督「敵の姿はなかった。こちらはどうなったんだ?」


シグルド「見ての通り、市街地一帯の制圧は完了した。だが肝心のシャーカーンの方は……」


夕立「どこにもいなかったっぽい?」


シタン「いえ、居場所は判明しています。その事に関してなのですが……」


〜先生説明中〜
522 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:21:44.65 ID:1FEgC3NPo
提督「シャーカーン不在の隙を突いてアヴェを奪還!?」


北上「ひええ、また随分と大胆な計画だねえ」


シグルド「王都奪還は我々の悲願だ。シャーカーンの暴走によって国内は混乱し、ゲブラー部隊も既に王都からは撤退している。
この機を逃す手はない」


加賀「しかしその場合、こちらの戦力を分散する事になります。その点はどうするのかしら?」


バルト「そこは心配ねえ。こっちに残ってシャーカーンの野郎を追うのは……そうだな、俺含めて三人で十分だ」


大鳳「三人!?」


榛名「流石に無茶なのではないでしょうか……?」


バルト「さっき先生が言ったが、奴が逃げ込んだのはアヴェの至宝が眠る地下の大霊廟だ。ご先祖様の墓を大人数で歩き回りたくもないからな」


大鳳「そんな事言ってる場合では!」


シタン「それだけではありませんよ。霊廟自体がアヴェの至宝、ギア・バーラー封印の為にあるのだとしたら、内部はかなり入り組んでいると思われます」


北上「狭い通路ばっかりなら人数差は関係ないって事?」


バルト「ま、そういう事だ」


大鳳「大丈夫でしょうか……?」


提督「シタン先生の言う事にも一理ある。ここは個々の戦力を信じてみよう」


バルト「時間が惜しい。そうと決まったらすぐに二手に分かれよう!霊廟へは俺とフェイと……」


フェイ「先生はどうだい?」
523 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:22:13.19 ID:1FEgC3NPo

シタン「私は、できればシグルドと共に王都奪還に加わりたいと思います。以前、ソラリスにいた者二人が『教会』の人間を追い落とす……。
これはなかなかの皮肉だと思うんですよ」


バルト「なるほどそいつはいいや。それじゃ、シグのこと助けてやってくれ!」


提督「教会の人間?シャーカーンの事か?」


リコ「ああ。ヤツはどうも『教会』の元教皇だったらしい」


北上「へえー初耳」


バルト「となるとこっちは……」


マリア「私にお手伝いさせて下さい。太古に封印された遺跡の事なら、おじいちゃんの知識が役に立つかも知れません」


フェイ「そうか、バルタザールのじいさんはそっち方面も詳しかったな。それじゃ頼むよマリア」


バルト「よぉーし、これで決まりだ!他のみんなはシグに協力してやってくれ!」


マルー「ちょっと待って、ボクも行くよ!」


バルト「ええ!?お前は来なくて……ああ、そうか。すまないマルー。一緒に来てくれ」


バルト「じゃあ、みんなよろしく頼むぜ!今度こそやつの息の根を止めてやる!」


提督「地上に降りてきたと思ったらいきなり国家争奪戦か。なんかどんどん話が大きくなってきてるな」


北上「あれ、アヴェって砂漠ばっかって話だよね?どんなところなんだろ」


榛名「榛名も砂漠は初めてです。砂浜が何倍にも拡がったような場所なんでしょうか?」


夕立「艤装が砂詰まり起こしそう……」


金剛「マリア!お互い頑張るネー!」


マリア「ええ、金剛さんもどうかご無事で。次はアヴェの町中で堂々とお会いしましょう!」


 ***
524 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/04/17(月) 22:24:23.15 ID:1FEgC3NPo
今回はここまで。本編もこのあたりに入るとやっと中盤って感じがします。まだ先は長いですが、よろしければお付き合いください。
次回はなるべく早く投稿します。それでは。
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/18(火) 00:22:00.60 ID:X6ccvZao0
乙。

金剛はマリア大好きだな
526 : ◆Idq7VgawO2 [sage]:2017/05/25(木) 04:39:13.61 ID:mwHma9r0o
お待たせしました。夜勤終わったので寝る前に投稿します。
527 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/05/25(木) 04:39:55.72 ID:mwHma9r0o
〜アヴェ砂漠 上空〜


 ドォン ドォン

夕立「さっきより対空砲の着弾が近くなってきたっぽい」


大鳳「アヴェ本国にかなり近くまで来たという証拠でしょう」


榛名「もうすぐですね」


加賀「提督、そちらの準備は?」


提督(inギア)『大丈夫だ。作戦開始には間に合う』


北上「ちゃんとやっといてよ提督。私達も一緒に乗って降下するんだから」


提督『分かってるって。それよりお前達も作戦内容を確認しとけ』


夕立「もー、さっき聞いたばっかりなんだから忘れてるわけないっぽい」


榛名「ユグドラシルから発艦後、榛名達は左翼に展開」

大鳳「防衛戦を維持しつつ、敵の注意をこちらに引き付ける」

北上「その間に別働隊がアヴェ本国に潜入、直接王都を奪還する、でしょ。なんだか大雑把な作戦だよねえ」

夕立「そんな面倒くさいことしなくても、この艦ごとアヴェに乗り込んじゃった方が早いと思うっぽい」
528 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/05/25(木) 04:40:21.48 ID:mwHma9r0o
提督『そんなことしたら町中ででっかい戦闘が始まっちまう。国を取り返そうって時にそんな事になれば後々禍根を残すだろうよ』


加賀「こちらの主戦力がフェイさん一行のギアである以上、戦術的にもあまり得策ではないわね」


榛名「この作戦は勝つためだけじゃなく、勝った後の事まで考えられているという事ですね」


提督『多分な』


北上「それはいいんだけどさ、なんか私達の負担が大きくない?左翼に付くのってほとんど私達だけなんでしょ?」


金剛「それ私も思ってたネー。正面にはリコとエリィ、右にはビリーとシタン。おまけにユグドラのギアがそれぞれガードに付いてるらしいデース。
それに比べるとちょっと厳しい気がするネー」


提督『そんな事はない。俺達は加賀さんと大鳳と俺で完全に制空権を握れるはずだ。それだけでかなり有利になれるだろ』


加賀「そう簡単に……」


金剛「いくとは思えないネー」


提督『シグルド副長から聞いたんだが、向こうの対空兵装はかなり原始的なものばかりらしい。それこそ今飛んできている対空砲がせいぜいな程度に、な。
こいつの機動性なら大丈夫だよ。と、よし。最終チェック完了』


加賀「そうは言っても……」


シグルド『こちらシグルド、そろそろ出てもらう事になるが、そちらの準備は?』


提督『今終わったところだ。いつでも行ける』


シグルド『了解、それならすぐにでも出てもらおう。左側面ハッチから出撃してくれ』


提督『了解だ。さあ、聞いての通りだ。今更どうこう言ってもしょうがない。皆移動するぞ』


金剛「しょーがないネー。その代わりテートクゥ、この間みたいな無茶は絶対にノーだからネー!」


提督『わかってるって。指揮を疎かにしたりはしないから安心しろ』


北上「そういうことじゃないんだけどなあ」


  ***
529 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/05/25(木) 04:40:49.45 ID:mwHma9r0o
〜ギア用側面ハッチ〜


提督「……」ゴォォ


榛名『……ここから降りるんですか?』


提督「ああ」


夕立『この対空砲火の中?』ドォン


提督「ああ」


大鳳『ギアの手に乗って、ですか?』


提督「……ああ」


北上『……提督の操縦で?』


提督「しょうがねえだろ。もう作戦は始まってるし、シタン先生たちももう下で戦ってるんだ。今更やめられないだろ」


北上『大井っちじゃないけど、流石にこの作戦はどうかと思うなあ』


金剛『私はテートクを信じてマース!』


榛名『あ、榛名ももちろん提督を信頼してます!榛名は大丈夫です』


北上『いやそういう問題じゃないでしょ』


加賀『……出るなら早い方がいいと思いますが』


提督「あ、ああ。もうやるしかないな。行くぞ!」ギューン
530 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/05/25(木) 04:41:15.51 ID:mwHma9r0o
北上『うわ!』


榛名『そ、外に出ました!』


夕立『わっぷ、砂で何も見えないっぽいー!』


提督「よし、すぐに降下するからしっかり掴まっててくれよ!」ヒュン

提督「おわ!」

北上『ひええ』

大鳳『至近弾!?』

提督「ユグドラ狙いの弾が逸れただけだ!とっとと離れるぞ!」

提督(当たりませんように当たりませんように当たりませんように当たりませんように当たりませんように当たりませんように当たりませんように当たりませんように)


 ***
531 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2017/05/25(木) 04:41:46.09 ID:mwHma9r0o
今回はここまで。
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/23(金) 12:21:02.07 ID:hL0NVckzo
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 22:57:43.20 ID:UPBw9YCoo
やっと追い付いた乙
せっかくだからメモリアルアルバムで情景を確認しながら読ませてもらってる
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/04(水) 10:40:15.33 ID:AtPt/aGIo
(´・ω・`)
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/23(月) 13:48:43.67 ID:+cK8BMdbO
止まるんじゃねえぞ・・・
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/07(木) 16:02:08.06 ID:JS5qw3ux0
(´・ω・`)
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/13(土) 22:04:22.06 ID:1gq37DbZ0
保守
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/05(月) 22:03:52.16 ID:9XiRYeGg0
保守
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/07(月) 19:15:33.67 ID:ejLDjNz10
保守
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/03(火) 07:08:59.22 ID:Qk5mhn/80
保守
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