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【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」
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368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 10:20:11.20 ID:iSNcz1Qao
_, ,_ しょおー
( ◎д◎)
⊂彡☆))Д´)
>>367
369 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:49:45.92 ID:aR9T7yuko
お久しぶりです。八月中にどこかで一度くらい投稿したかったのですが、全く暇がありませんでした……。九月からはまた毎週更新していきますので、どうかよろしくお願いします。
それでは、今週の投稿を始めます。
370 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:52:33.22 ID:aR9T7yuko
〜王座〜
提督「ただいま」
大鳳「あ、おかえりなさい、提督。皆さんも。格納庫の方はどうでしたか?」
提督「何とか追っ払ったよ。それよりもこっちの様子はどうだ?さっき妙な振動があったが……」
大鳳「それが、その」
加賀「上空を偵察中に正体不明の大型ギアに遭遇しました。応戦したのですが、敵にダメージが通った様子はなく、こちらの艦載機はほとんどやられてしまいました」
提督「偵察中にって、ここは雲の上だぞ?こんな所まで飛べるギアがあるってのか」
ゼファー「驚くような事ではありません。地上のギアとは違い、我々シェバトやソラリスのギアはその程度の飛行能力を普通に有しています」
提督「へえ、流石にこの世界を牛耳ってるだけのことはあるな」
大鳳「すみません、提督。大鳳はもう戦う事も……」
提督「補給のめども立たない状態がずっと続いてたんだ、仕方ないさ。いつかはこうなってただろうし」
大鳳「提督……」
シタン「そうですね、それに、お陰様で敵の構成もある程度把握できましたし、彼らが上に戻るまでの時間も稼げました。そう悪いことばかりでもありませんよ」
大鳳「シタン先生まで……ありがとうございます」
371 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:53:15.13 ID:aR9T7yuko
ジェシー「そんなことよりもよ、俺ぁその『正体不明の大型ギア』ってのがさっきから気になってしょうがねえんだが。どうもいやな予感がしやがるからよ」
シタン「そうですね。そのあたりも含めて、今われわれが置かれている状況をまとめてお話しましょう」
フェイ「頼むよ、先生」
シタン「まず、先ほどの話にあった正体不明のギアを含め、ソラリスのギア部隊が急速でシェバトに接近しています。
連中の狙いは、まず4つのゲート・ジェネレーターとみていいでしょう。あれがなければ、シェバトは丸裸になりますからね」
夕立「さっきの人が言ってた『ダンス・パーティ』って言うのはこのことっぽい?」
シタン「恐らくそうでしょう。ドミニアの破壊工作で障壁の出力が弱まっている今、一気にケリをつけてしまうつもりなのかもしれません。
対するこちら側ですが、すでにシェバトの迎撃部隊が緊急発進したそうです。しかし……シェバトの人間はギア戦に慣れていませんからね、はたしてどこまでもつか……」
北上「あれ?この国ってソラリスとずっと戦ってたんじゃないの?」
ゼファー「ええ、しかし数年前に起こったソラリスとの最後の防衛戦の折、わが国の兵力はほとんど壊滅してしまったのです」
ジェシー「そういやそんなこともあったな。なあヒュウガ?」
シタン「え、ええ、そうですね」
フェイ「?」
提督「?」
シタン「そ、その話はともかく、このままいけばソラリス軍がシェバトに取り付くのは時間の問題です」
フェイ「ああ、わかってるよ、先生。俺達が、出る!ここの人たちをみすみす見殺しになんかできない」
ゼファー「フェイ……」
372 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:53:46.05 ID:aR9T7yuko
バルト「ただ働きはゴメンだが、連中の前で尻尾を巻いて逃げ出すのはもっとゴメンだ!どんなヤツが来るにせよ、俺様のブリガンディアでぶっ飛ばしてやらあ!」
ビリー「ボクたちでこの国の人たちを守りましょう」
リコ「ふん、連中にリコ様を怒らせるとどうなるか、たっぷり教えてやるとするか」
夕立「提督さん、夕立もお手伝いしたいっぽい!」
提督「だな」
金剛「さっきはあまりお役に立てなかったからネー、その分しっかり働きマース!」
ジェシー「おうおう、いいぞ!頑張れ若人!しっかり頼むぜ。なにせ、俺様の命も懸かってるんだ。まだ、こんなとこでくたばりたくねーからな」
ビリー「うるさいな、黙っててくれよ親父は!」
金剛「そうデース!酔っ払いは大人しく……ワワワワット!?」
ジェシー「へいへい、わかりやしたよ」
金剛「……テートクゥ、今、ビリーが親父っテ……」
提督「ああ見えて親子だからな。そりゃそうだろ」
金剛「と言う事は、プリメーラも……」
提督「ん?そりゃビリーの妹なんだから当たり前だろ」
金剛「……あのビーストなフェイスからあんなキュートなボーイとガールが……信じられないデース」
ジェシー「ちぇ、最近のガキゃどいつもこいつも可愛げがねえでやがる」
373 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:54:23.73 ID:aR9T7yuko
チュチュ「よーし、チュチュも頑張るでチュよぉ!」
北上「うわ、びっくりした!」
フェイ「……?頑張るでチュって……なんでチュチュがここにいるんだ?ユグドラシルに置いて来たはずだろ?」
エリィ「それがどうも、どさくさに紛れて付いてきちゃったみたいなの」
フェイ「まいったな、遊びじゃないんだぞ」
フェイ「危ないからユグドラシルに戻ってろよ。な、チュチュ?いい子だから」
チュチュ「ふっふっふー、チュチュ、いい子しゃんじゃないでチュよ。もう、危ないお年頃なんでチュ」
チュチュ「それにチュチュだって、ちゃんと頑張れるでチュ!みんなと一緒にいるでチュよ。ね?ね?」
フェイ「ちぇ、しょうがないな……。怖い目にあっても知らないぞ」
提督「ほー、いつもは割と脳筋度高いフェイにこんな保護者っぽい一面があるとはな」
フェイ「う、うるさいな、ほっといてくれよ」
374 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:54:54.18 ID:aR9T7yuko
マリア「あなたもチュチュって言うのね。この街には、あなたの仲間がいっぱい住んでるわよ。後で私と一緒に会いに行きましょう?」クスクス
チュチュ「ほ、ほんとでチュか?みんながここにいるでチュか?」
北上「ん、町の方に一杯いたよー?」
チュチュ「わーい、ついに見つけたでチュ!!チュチュの仲間、ちゃんといたでチュ!!」
榛名「……マリアさん、なんとか元気になったみたいですね」
金剛「ンー、まだわからないネー。無理してるだけかも知れないデース」
大鳳「あの、下で何かあったんですか?」
金剛「ソラリスのエージェントにお父さんのことを色々言われただけネー」
榛名「その前に提督が地雷も踏まれたようですし……」
大鳳「え、エージェント?地雷?」
チュチュ「さあ、気合入れて行くでチュよお。ガンバらなきゃダメでチュからねえ、みなしゃん!」
***
375 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/04(日) 19:56:24.38 ID:aR9T7yuko
今回はここまで。ではまた来週。
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/04(日) 21:11:54.82 ID:prnIQC9Y0
ソイレント艦これ
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/04(日) 22:20:42.82 ID:prnIQC9Y0
いい話だ
378 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:24:33.35 ID:9tQpWsOoo
お待たせしました。昼休みの間にささっと投稿しておきます
379 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:25:11.47 ID:9tQpWsOoo
シタン「さて、それでは、敵のギア部隊についてですが……。先ほど説明したように、4部隊がそれぞれ個別にジェネレーターを目指して接近中です。
これらのギアに関しては、機体のタイプ、性能など、ある程度の事はシェバトの得た情報から分かるのですが……」
提督「問題は加賀さんと大鳳が当たった正体不明のギア、か」
シタン「ええ。どうもこのギアが敵の指揮官のようですね。接近してくる他のギア部隊の後方に控えているようです」
ゼファー「いま、映像を出しましょう」ブゥン
加賀「!!」
大鳳「よくも……!」ギリ
マリア「こ、これは……!?」
夕立「真っ赤っ赤でちょっとおっかないっぽい」
フェイ「こいつは、まさか!」
榛名「色こそ違いますけど、この機体の外見は……」
バルト「なんだあ、この薄っ気味悪いギアは?おまえ、何か知ってるのか、マリア?」
マリア「……アハツェン。父さんの設計したギアの2号機……」
マリア「ゼプツェンの、兄弟機なんです」
380 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:25:53.79 ID:9tQpWsOoo
バルト「なんだと!?」
リコ「なるほど、通りでゼプツェンとソックリなわけだぜ」
マリア「でもまさか、アハツェンが完成されていたなんて……!ゼプツェンの他にはもう二度とギアは造らないって、
父さんは設計図を燃やしたはず……!それがどうして……!?」
?『聞くがいい!シェバトの人間ども!』
マリア「この声……父さん!?」
提督「あのギアからか!」
ニコラ『おもしろいネズミどもが、そこに逃げ込んだと言う話だな。アハツェンのテストには丁度いい、シェバトもろとも叩き潰してやろう!
さあ、出てくるがいい。薄汚いネズミども、私の可愛いモルモット達よ」
マリア「そんな、父さんが、どうして!?」
ゼファー「落ち着きなさい、マリア!本当にあれにニコラ博士が乗っているとは限りません!」
マリア「でも、でも!父さんの声が!」
ゼファー「しっかりしなさい!あなたは戦う前から敗れるつもりですか!あなた達親子を苦しめたソラリスに?」
金剛「マリア、クイーンの言う通りデース」
加賀「……そうね。あの声の正体が何であれ、今の私たちにできるのはシェバトを守ることだけなのではないかしら」
381 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:26:30.96 ID:9tQpWsOoo
マリア「……だけど……」
シタン「さあ、いいですか。こちらの打つ手を考えましょう!何としてもギア部隊を迎撃して、ジェネレーターを守らなくてはなりません」
シタン「その為には、こちらも四手に別れ、攻めて来る敵を迎え撃つのが得策でしょう。我々のうちの4人は出撃し、
各自受け持ちのジェネレーターを単独で死守する!その間、残りの者はこちらで待機。これでいきましょう」
ゼファー「マリア、あなたはここで待機していなさい」
シタン「……。お願いします、マリアさん」
マリア「……はい。わかりました」
提督「何もそれぞれ単独で向かうことはないんじゃないか?ここの守りは俺達に任せてくれていいぜ」
シタン「いえ、あなた方にはその間に、下の町に残った市民の避難、及び町の防衛を行って頂きたい」
北上「んー?敵の狙いはじぇねれーたー?って奴ならさ、そっちを全力で守るべきだと思うんだけど」
シタン「それは確かですが、万が一がないとは言い切れませんからね。用心に越したことはありませんよ」
提督「……まあ、そういうことなら。よし、それじゃそっちは引き受けた」
382 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:27:01.82 ID:9tQpWsOoo
シタン「それでは、市街地での指揮は提督にお任せします。下層部に兵士が詰めているはずですので、そちらと協力してことに当たって下さい」
提督「了解だ」
ゼファー「皆さん、頼みます。シェバトの民をどうか守ってください」
榛名「はい!この榛名、お受けしたからには体を張ってでも守ってみせます!」
大鳳「大鳳も、出来る限りの事をして民衆を守ります!」
北上「私もそろそろいいとこ見せないとねー。ま、任せちゃってよ」
加賀「……決まったのなら、急いで出発しましょう。住民が避難する手間を考えると、あまり時間の余裕は無いでしょうから」
提督「だな。そんじゃ早速行くぞ、皆付いて来い!」ダッ
第一艦隊「おー!」ダダダ
シタン「……行きましたか。こちらも急いで準備を整えましょう。具体的な敵の部隊編成ですが……」
***
383 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/16(金) 13:27:32.30 ID:9tQpWsOoo
とりあえずここまで。続きは土日のどちらかに投稿します。それでは。
384 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:02:12.86 ID:SqTZ10VJo
お待たせしました。投稿を始めます。
385 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:06:25.41 ID:SqTZ10VJo
〜アウラ・エーペイル〜
加賀「……静かね」
夕立「敵はまだ来てないっぽい?」
提督「そうみたいだな」
北上「それで、今回の作戦は?何か考えてあるの?」
提督「うーん、見ての通りだが、この町は南北の出入り口以外は道すらない、橋の上に造られた様な地形だ。とりあえず出入り口を固めとこう」
金剛「それなら!」
榛名「榛名たちの出番、ですね」
提督「そうだな、金剛は北、榛名は南を頼む。敵が来たら知らせてくれ」
金剛「ラジャ!」
榛名「提督は安心して住民の避難を指揮して下さい!」
提督「よし、残った4人は避難する住民の護衛だ。まずは……」
386 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:06:51.77 ID:SqTZ10VJo
『おおい、そこのあんた!あんたが提督か?』
提督「な、なんだあ?どっから聞こえてくるんだ?」
大鳳「う、上です!上空にギアが!」
夕立「っ!」ガチャ
加賀「待ちなさい」スッ
夕立「加賀さん邪魔っぽい!」
加賀「敵が提督の名前を呼ぶことはないと思うけれど」
大鳳「このギアはシェバトの制式ギア、でしょうか」
北上「白くて細くて鳥っぽいねえ」
提督「おーい!確かに俺が提督だが、あんたは?」
パイロット『やっぱりか!俺は反ソラリス部隊のモンだ。ゼファー女王直々の命令でな、あんたを手伝うようにってさ』
提督「そりゃ大助かりだ。今からここの住民を王宮に避難させるんだが、その為の人手を集めたくてな。ここに兵士が詰めてるって聞いたんだが」
パイロット『そういう事なら任せときな。俺がひとっ走り呼んできてやるぜ』
***
387 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:07:17.50 ID:SqTZ10VJo
ガヤガヤ
大鳳「皆さん落ち着いて。まだ時間はあるのでゆっくり進んで下さい」
北上「先頭にうるさいお兄さんがいるからそれに付いて行ってねー」
反ソラリス兵「よおし、皆しっかり付いてこいよ!俺様が責任持って王宮まで送ってやるからな!
なあに、もしソラリスのヤツがやってきても大丈夫だ!この俺様のサイラス・パンチがありゃな!ワハハハハ!」
夕立「ほんとにうるさいっぽい……」
提督「目印としては分かりやすくていいんじゃねえか?」
夕立「あれを歩いてる間中ずっと聞かされるのは敵わないっぽい……」
提督「悪いが我慢してくれ。通信手段と戦闘力の兼ね合いがあるから他の奴に殿を頼むわけにもいかないんだ」
夕立「……しょうがないっぽい。行って来ます」トボトボ
提督「……戻ってきたら褒めてやるか」
パイロット『提督よお、今ので避難民は最後だ。町の住民は全員いなくなったぜ』
提督「本当か?同じことをあと3往復はしなきゃならんと思ってたんだが……ちょっと少なすぎないか?」
パイロット『マジで全員さ。元々こっちに住んでる人間はそこまで多くなかったからな』
388 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:07:52.51 ID:SqTZ10VJo
提督「わかった、ありがとう。後はそのギアで上空を見回っていてくれ」
パイロット『あいよ!』
提督「聞いての通りだ、お前ら。残るはこの町の防衛のみ!」
北上「とは言ってもねえ、本当に敵来るの?」
金剛『敵の反応なんてずっとナッシンネー』ザザ
提督「さて、そいつは微妙なとこだな」
北上「微妙って……それなら今からでも向こうの助太刀に行った方がいいんじゃないの?」
榛名『私たち、やはり信用されてないのでしょうか』
提督「そいつは違うぞ。信用されてなかったらここの守りなんて任されてないだろうし、例え万が一でも攻撃される可能性があるならここは守らなきゃならん。
ねぐらを守るってのはそれだけ重要な事なんだよ。お前らが出撃したときの気持ちになって考えてみろ」
榛名「……なるほど、そう言われると理解できる気がします」
金剛『鎮守府が攻撃されそうなのに別の所に出撃しろなんて命令、聞けそうにないネー』
提督「そうだろうよ。分かったら金剛と榛名は引き続き警戒。空母2人は偵察機飛ばして上空から偵察。北上は夕立が戻るまで俺と町の中央で待機だ」
提督(後はなるようにしかならない、か。向こうの戦闘が気になるが……マリアは大丈夫かな)
***
389 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/19(月) 00:10:05.57 ID:SqTZ10VJo
今週はここまで。ではまた来週。
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/19(月) 05:52:32.81 ID:raGLB76Qo
フェイ達以外の視点があると新鮮だな
乙
391 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:25:06.42 ID:uvYU7E1wo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
392 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:26:57.98 ID:uvYU7E1wo
北上「〜♪」
夕立「……」ソワソワ
提督「……」
夕立「金剛さん、敵は来てないっぽい?」
金剛『反応ナッシンネー』
夕立「榛名さん」
榛名『いえ、こちらにもまだ来ていませんよ』
夕立「……加賀さん、大鳳さん」
大鳳『上空にも変化はありません。何かあったら知らせますから、少し落ち着いてください、夕立さん』
夕立「ぶー、つまんないっぽい」
提督「何回目だよそのセリフ。いいから集中しとけよ、いつ敵が来てもおかしくないんだから」
夕立「はーい」
393 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:27:44.46 ID:uvYU7E1wo
提督「加賀さん、向こうの戦闘がどうなってるか見えるか?」
加賀『……4箇所とも破壊されてはいないわ。こちらが優勢のようね』
提督「よし、なんとかなりそうだな。また向こうで変化があったら知らせてくれ」
加賀『わかりました』
北上「結局、こうやって案山子みたいに立ってるだけで終わりかあ」
提督「それでいいじゃねえか。お前ら忘れてないだろうな、まだあのでっかい赤いギアが残ってるんだぜ」
夕立「もちろん忘れてるわけないっぽい」
榛名『……あのギア、マリアさんのお父様が乗っているかもしれないんですよね』
提督「どうだかな。人型ロボットを飛ばせる世界なんだし、声だけならどうとでもなるんじゃないか」
金剛『ヴォイスはそうかもしれないデース。けど、あのギアがマリアのファザーが設計したギアだって事は本当みたいネー。だとすると……』
北上「それだけでもあの子にはちょっとキツイかもねー」
金剛『ゥー、不憫な話デース。何とかしてあげたいネー』
394 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:28:10.57 ID:uvYU7E1wo
北上「そんなこと言ってもさ、私たちが出来る事なんてなくない?マリアの家族の問題なんだし」
夕立「簡単っぽい。あのギアを壊してお父さんだけ助け出してあげれば解決っぽい」
北上「そのお父さんが本当にあのギアに乗ってるかわかんないんだってば……」
提督「おいこら、いい加減真面目に警戒してねえと本当に不意打ち食らっちまうぞ」
金剛『ドンウォリィ!もちろんおしゃべりの間もちゃーんと周りをチェックして……』
大鳳『提督』
金剛『っ!?』ビクッ
提督「どうした大鳳」
大鳳『どうやらジェネレーター防衛に成功したようです。ソラリスの部隊が撤退していきます。こちら側に目立った損害は見当たりません』
提督「よしよし、なんとか凌いだな」
加賀『提督、シェバト直上に例の赤い機体が』
提督「何?真上って……」
395 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:28:38.27 ID:uvYU7E1wo
アハツェン「……」
提督「あそこか。部隊を下げといて今更何を……」
大鳳『て、提督!先ほど支援に来ていたギアが赤いギアに向かっていきます!』
パイロット『おおおおおおっ!』イィィィン
金剛『無茶ネ!スペックもよく分かってないエネミーに!』
榛名『何とかして制止しないと!』
提督「おい!聞こえてるか!おい!……ダメだ、無線が届かねえ」
大鳳『そんな!どうすれば……』
夕立「こっちも高いとこに昇るっぽい!」
榛名『王座の間まで戻りましょう!あそこが一番近いはずです!』
提督「よし、各自全速でエレベーターまで走れ!一応警戒は怠るなよ!」
***
396 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/09/26(月) 04:29:03.89 ID:uvYU7E1wo
今回はここまで。ではまた来週。
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/26(月) 08:52:56.99 ID:QbhwFISg0
乙、良いところで終わると続きが気になってしまうてはないですか…
398 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:11:58.32 ID:4cJMJssOo
遅れてしまい申し訳ありません。2週分の投稿を始めます。
399 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:12:51.70 ID:4cJMJssOo
〜王宮〜
バタァン!
提督「くそ、思ったより時間が……あのギアはどうなった!?」
マリア「あ、あ……」
ジェシー「野郎ッ……!ふざけやがって!」
提督(モニターには赤いギアしか映っていない。ってことは)
榛名「あの、先ほどシェバトのギアが……」
ジェシー「やられたよ。あの野郎に、一瞬で消し飛ばされて、な」
加賀「遅かった……」
金剛「シィット!」
マリア「どうして……?どうしてこんな……?」
ニコラ『みずからこのアハツェンの性能実験に付き合ってくれるとは、従順なモルモットもいたものだ』
大鳳「……っ!!」ギリ
400 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:13:44.24 ID:4cJMJssOo
ニコラ『それでは、次はこいつの実験台になってもらおうか』カッ
ジェシー「むっ!」
マリア「きゃっ!?」
提督「光!?今度は何だ!」
北上「うへえ、なんなのさ今の」
夕立「なんか一瞬気持ち悪い感じがしたっぽい!」
ジェシー「やべえな。今のは、ありゃ……」
ニコラ『アハツェンの新型兵器、対ギア用サイコ・ジャマーだ!』
フェイ『……!?ヴェルトールが動かない!?』
エリィ『ヴィエルジェも反応しないわ!』
バルト『ちっくしょー、なんだってんだ!?』
シタン『これは、ひょっとすると……』
ジェシー「ああ、強力な毒電波でギアの神経回路がおかしくなってるんだ。心配するねぇ、一時的なもんだ」
401 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:14:13.27 ID:4cJMJssOo
ビリー「だけどこれじゃ……」
ニコラ『それだけの時間があれば、おまえたちをこの地上から消去するには十分だ』
リコ「万事休す、か」
ニコラ『人間とは、なんと不完全で愚かな生命であることか……。最期に見せてやろう!完全なる生命の偉大さを!
人の知恵と、鋼の強さをそなえた、このアハツェンの力を!』
フェイ『このままじゃ、手も足も出ないぞ!黙ってやられるしかないって言うのか!?』
シタン『……そうとも限りません。ひょっとしたら、ゼプツェンなら……』
マリア「……!!」
ジェシー「アハツェンと兄弟機のゼプツェンなら……あのジャマーに対してのシールドがなされていても、ちっともおかしくねえってわけか……」
マリア「それは……」
ゼファー「……お聞きなさい、マリア。他のギアが動かないとなれば、おまえとゼプツェンが頼みの綱です。おまえには酷ですが……。
どうするかは自分自身で決めなさい」
金剛「ちょっと待つネ!あのギアとマリアを戦わせるなんて、そんなこと私は許せないデース!」
提督「金剛……」
402 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:15:01.09 ID:4cJMJssOo
ジェシー「そいつぁここにいる全員が思ってることだろうよ、嬢ちゃん。だが今は他に方法がねえんだ。全く情けねえことだがよぉ」
ジェシー「それによ、マリア。こんなことは言いたかねえんだが……。あそこにいるのは、もうおまえの親父さんじゃ……」
マリア「やめてっ!!利いた風なこと言わないでください!!」
マリア「たとえそうでも、わたしには、わたしには……」
ジェシー「……そうかい。それも、仕方ねえや。腹をくくるか」
マリア「……ゴメンなさい」
チュチュ「わたしが行くでチュよ」
マリア「な、何言ってるの、チュチュ!?」
チュチュ「だって、このままじゃみんなやられちゃうでチュ」
バルト『バカをいうな、お前一匹でギア相手に何ができるってんだよ!』
チュチュ「へっちゃらでチュよ。ちゃんと守り神しゃんが見てくれてるでチュ」
チュチュ「チュチュ、行くでチュ」コロコロ
提督「あっ、おい!」
403 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:16:06.33 ID:4cJMJssOo
金剛「シィット!テートクゥ!私もう我慢できないネー!」
北上「まさかこのまま黙って見てるだけなんて言わないよね?」
提督「……わかったよ。俺達も行こう」
シタン『いけません!ここであなたたちがギアとまともに戦えるはずが……』
夕立「それでも、何もしないよりはずっとましっぽい!」
榛名「私たち皆、チュチュさんと気持ちは同じです!」
大鳳「今度は負けません!やられてしまった艦載機の分、残った皆さんを守って見せます!」
加賀「……ここでやられるわけにはいきませんから」
金剛「皆さん、準備はいいですカー!?第一艦隊、チュチュの後に続くネー!」ダダダ
提督「おっと、俺も行かなきゃ」
マリア「提督……」
提督「そんな声出さないでくれ、俺達は俺達の都合だけで動いてるんだからよ、逆に申し訳なくなってきちまう」
マリア「都合……?」
提督「そう。ここで死んだら元の世界に帰れないっていう、分かりやすい事情。それに……」
提督「『親子が殺しあうのを黙って見てました』なんて土産話、鎮守府で留守番してる奴らに持って帰るのは嫌だっていうのもある。
まあ、こっちは俺個人の勝手な事情だけどな」
***
404 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/09(日) 21:17:07.68 ID:4cJMJssOo
今回はここまで。2週かけたのにいつもと変わらないペースで申し訳ないです。
ではまた来週。
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/09(日) 22:18:32.82 ID:uDvAO7VwO
乙ツェン
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/10(月) 22:04:38.94 ID:gCo5W+rho
乙
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/11(火) 00:47:40.11 ID:OekxAg7B0
乙
408 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:20:14.11 ID:zL7CrICKo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
409 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:24:30.66 ID:zL7CrICKo
コロコロコロコロ
ニコラ「なんだ、天文学的なほどに知能レベルの低そうな、この下等生物は?」
チュチュ「下等生物じゃないでチュ。チュチュでチュ」
チュチュ「さあ、ほいじゃあ行くでチュよ、ワル玉しゃん!このチュチュしゃまが、お空の向こうへちゅらりーんとぶっ飛ばしてやるでチュから、
カクゴするでチュよお!!」
***
提督「おーおー、ギア相手に凄い度胸だな。これからはあいつの認識を改めてやらないと……とか言ってる場合じゃないな。
ああ、もしあのギアを墜とす事になったとしても、あいつらの事は恨まないでやってくれな。……それじゃ」タッ
マリア「……」
チュチュ『うきゃっ、やったでチュ〜!でかでか変身できまチュた!』
マリア「……っ!」タタ
***
ニコラ「……ほう。ただの低級な下等生物かと思ったが……。急激な巨大化に加えてこの戦闘力、なかなかやるな」
チュチュ「下等生物じゃないでチュ。チュチュでチュ。」
ニコラ「バカめ、死ね」ズドン
チュチュ「……痛かったでチュ」パタン
マリア「チュチュッ!!」
ニコラ「成る程。おまえ、この星の巨大原生動物だな……。ランカーの幼体……じゃないな。
学術名:ドテスカチュチュポリン(知能レベル、天文学的に低い)か!まだ絶滅していなかったとはな」
***
410 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:25:39.86 ID:zL7CrICKo
マリア「いけない、このままじゃ……」
ミドリ「お姉ちゃん……」
マリア「ミドリちゃん!?ダメよ、こんなところにいちゃ!危ないから中に……」
ミドリ「呼んでる、お父さん……」
マリア「えっ……?」フッ
ミドリ「ううん、ちがう……。あそこにいる……怖いヤツじゃ、ない」
マリア「……!!」バッ
マリア「……ゼプツェン!!」
***
411 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:27:05.00 ID:zL7CrICKo
チュチュ「きゅう〜……」
ニコラ「しかし、遺伝子操作で小型軽量化されていたはずだが……。シェバトの賢者共にリミッターを外されでもしたか。
面白い!モルモットとして、非常に価値のある生体だ。色々と実験して……」
ヒュン!
ニコラ「!!」ガィン
ニコラ「ゼプツェン……いや、違う。この状況でまだ動けるギアがあるとは。面白いじゃないか」
ヒュン!
ニコラ「そっちからか」スッ
金剛「今ネ!カガ、タイホー!!」ドォン
榛名「チュチュさんを!」ドンドン
夕立「あのギアはこっちで引き付けるっぽい!」ドドド
北上「ここが残弾の使い所……かねえ!」ドドド
ニコラ「何だ、あの連中は……?今の砲弾はあの女共からか」
加賀「……くっ、動きが」ギャリギャリギャリ
大鳳「チュチュさん!大丈夫ですか!?」ギャギャギャ
金剛「後にするネ!とにかく回収して離脱するデース!」
大鳳「は、はい!」ギャリギャリ
412 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:27:37.56 ID:zL7CrICKo
提督『どうだ、間に合ったか!?』ザザ
夕立「なんとかギリギリセーフっぽい!」
提督『よし、加賀さんと大鳳はチュチュを安全な所まで運んだら待機だ。いつでも攻撃機を出せるようにしといてくれ』
大鳳「そんな!大鳳も戦闘に参加します!」
提督『バカ言うな。お前たちの機動力で前に出ても何も出来ないだろ。金剛たちの機動力でも不安だってのによ。代わりにチュチュはしっかり守ってくれ』
大鳳「……わかりました」ググ
榛名「提督、次の指示は!何とか敵ギアを釘付けにできてはいますが……」ドォン
提督『とりあえずそのまま撃ち続けながら散開しろ。敵に的を絞らせないように動き回りつつ、とにかく時間を稼げ。
対ギア用ジャマーが切れるまでひたすら耐えるんだ』
北上「簡単に言ってくれるねえ」
提督『それしか手がないんだよ。金剛の主砲が直撃したの見ただろ。あのダメージ量じゃ正面からの撃ち合いでは絶対に勝てねえ。とにかく逃げだ』
夕立「要するに、撃ちながら避け続ければいいっぽい!」ドドド
提督『そういうことだ。ただし、ここが陸だってことを絶対に忘れるなよ!スキー板で砂利道を下ってるようなもんだからな。
いつもの40%も動けないと思え!』
榛名「榛名、了解です!」
金剛「オッケーイ!それじゃ皆さん!ムーヴ!」ギャィィィ
ニコラ「まさか、こいつら……エレメンツの報告にあった連中か!本当に実在したとはな……。水上用と聞いていたが、陸上でもこの機動性とは……実に興味深い。
持ち帰って研究材料にするとしよう!」ガシャン
413 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:28:34.10 ID:zL7CrICKo
榛名「!来ます!」
ニコラ「まずは火力の高いお前からだ」ブゥン
金剛「……シィット!」ヒョイ
夕立「思ってたより動きづらいっぽい!」ギャギャギャ
提督『北上、背後を取って撃て!金剛と夕立は回避運動を取りつつ距離を取れ!榛名はその場で牽制!』
北上「いただき!」ドンドン
ニコラ「ほう、中々いい動きをする」ガンッガンッ
北上「あちゃ、背中も抜けないか」ギャィィ
提督『無理にダメージを与えようと思うな!こちらがダメージを受けないことを最優先にしろ!足も使い潰すつもりで行け!』
北上「わかってます……よっと!」ヒョイッ
榛名「回り込みます!」ドォンドォン
夕立「北上さん、今のうちに下がるっぽい!」ドドド
ニコラ「……この統率された動き、どこかに指揮官がいるな」スゥ
夕立「急に動きが大きくなったっぽい!」
提督『無理に追うなよ。弾幕を濃くして対応しろ』
北上「もう、こんなことじゃすぐ弾切れになっちゃうかもよ」ドドドド
金剛「文句は言いっこなしネー!」ドォンドォン
ニコラ「遠距離の対応もできる、か。ならば」ガシャアン
榛名「変形した!?」
提督『回避だ!』
414 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:29:29.64 ID:zL7CrICKo
夕立「突っ込んでくるっぽい!」ギャィィ
北上「うわっ!」ギャリギャリ
榛名「……くっ!」ギャギャ
金剛「また来るネ!」
提督『クソ、こっからじゃ見えねえ。各自で回避しろ!』
夕立「!」バッ
北上「あぶな!」ギャイイン
榛名「は、反撃します!」ジャコッ
金剛「ファイヤー!」ドォン
ニコラ「……回避が遅くなった。砲撃にも乱れがある。指揮官が状況を把握できていないな。つまり……」ヒュンヒュン
夕立「敵が離れたっぽい!」
榛名「今のうちに態勢を!」
ニコラ「指揮官はあの高台か!」ゴォ
北上「……ちっ、建物の裏に逃げ込まれちゃったよ」
金剛「あのビッグなボディでは不意討ちは難しいはずデース。一体何を……まさか!?」
榛名「……提督!!!」
***
415 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:29:57.81 ID:zL7CrICKo
提督「くそ、建物が邪魔で敵が見えん。あいつらからも死角になったようだし、移動したほうがいいか?もしくは加賀さんに偵察機を飛ばしてもらうか……」
榛名『提督!!!』
提督「どうしたはる」
ニコラ「そこか!」ブワ
提督「っ!?」
ニコラ「死ね」ドゴォ
提督(足場が……落ち……ッ!)グラ
ガラガラガラ
提督(くそ!死ねない!まだ死ねないぞ!なんかないのかよ!)ヒュゥゥ
ニコラ「なかなか手こずらせてくれたが、これで終わりだな」
夕立『そんな……』
金剛『テートクゥゥゥ!!!』
榛名『いやあああああっ!!!』
大鳳『え、提督がどうしたんです?提督、提督!』
提督(……無理だこれ。結局帰れずじまいか)
ドサッ
提督「いってぇ!くっそ……死ん……でない?どこだここ……!?ギアの手の上!?」
マリア「大丈夫ですか、提督!?」
提督「マリア?一体どこに……」
マリア「上です」
416 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:30:32.01 ID:zL7CrICKo
提督「上って」フッ
提督(ゼプツェンの頭の上で仁王立ちしてる……)
提督「そ、そうか。マリアが助けてくれたのか。ありがとうな」
マリア「そんな、お礼なんて……私がもっと早く来ていれば、皆さんに苦労をかけずに済んだのですから」
提督「……いいのか、マリア?」
マリア「……はい。私が、私とゼプツェンが、ソラリスの敵を倒します!」
提督「……そうか」
金剛『……ートク、テートク、テートクゥゥ!!返事するネ、テートクゥゥゥ!!!』
提督「っと、やべ。……金剛、すまん。まだ生きてるよ」
金剛『!!!テートクゥゥ!!』
提督「その話は後だ。全員チュチュの所まで撤退しろ」
金剛『ワ、ワット?それじゃあのギアは……』
提督「もう大丈夫だ。あとはマリアとゼプツェンがやってくれる。とにかく急いで皆をまとめて撤退しといてくれ。頼んだぞ」
提督「それじゃ悪いけどマリア、このまま向こうの広場まで運んでくれ」
マリア「わかりました。そこで皆さんが待っているんですね」ギュン
***
417 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/17(月) 22:33:30.04 ID:zL7CrICKo
今週はここまで。やっとシェバト編も終わりが見えてきました。つまり、物語も序盤が終わりということですね。長い……。
私信になりますが、引越しのどさくさでなくなっていた設定資料集が見つかりました。これで色々と捗る。かも?
それではまた来週。
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/18(火) 04:37:15.54 ID:MiPWuCMAO
乙
あの設定資料集はすごいよね。今読んでも引き込まれる。
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/18(火) 05:56:50.17 ID:1KZLI2ljo
乙
この辺りの展開はBGMも相まって色々とこみ上げる
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/18(火) 16:51:02.33 ID:MiPWuCMAO
ゼノギアスは出る時期があと数年遅ければ、PS2で出せてイベントバトルだらけだったら終盤もちゃんとゲームとして楽しめたのかな?
421 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/29(土) 17:44:11.16 ID:Zt+2cNX8o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
422 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/29(土) 17:46:57.13 ID:Zt+2cNX8o
金剛「あっ、来たネ!」ブンブン
マリア「さあ、着きましたよ。提督」
提督「……おっとと。ありがとうな」ペタン
マリア「それでは、行ってきます」
提督「しっかりやれよ。マリア」
マリア「……はい!」
ギューン
提督「……」
金剛「テートクゥーー!!」ガバッ
提督「うぐぅ」
北上「おー、意外とピンピンしてるじゃん。あの高さから落ちたんだしさ、もっとボロボロだと思ってたよ」
榛名「ああ、提督。榛名、もう駄目かと……」
夕立「提督さんは生身なんだから、もっと気をつけないといけないっぽい!」
加賀「そうね。指揮官が真っ先に狙われるようでは、私達も安心して戦う事もできませんから」
423 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/29(土) 17:50:08.82 ID:Zt+2cNX8o
提督「た、確かに言い訳のしようもないな。心配かけてすまなかった」
大鳳「よかった。本当に良かった……」
提督「……さて、そろそろ離れろ、金剛」
金剛「ノウ!」スリスリ
提督「威勢だけよくっても駄目だ。大体まだ戦闘は終わってないんだぞ」
金剛「ハッ!そ、そうデース!マリアはどうなったネー!」バッ
提督「今まさに戦ってるんだろうよ。やる気満々の目してたしな」
大鳳「すぐに加勢しないと!」
北上「やめといたほうがいいと思うよー」
大鳳「ど、どうしてですか!?」
北上「さっき言ったっしょ?『親子の問題だ』ってさ」
大鳳「そんな悠長な……もしマリアさんが負けたらどうするんですか!」
424 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/29(土) 17:50:38.64 ID:Zt+2cNX8o
榛名「大鳳さん、お気持ちは分かりますが……今の私たちでは足手まといになるだけだと思います」
北上「そーそー。さっきの戦いだけでもう足周りがボロボロだよー」
夕立「このまま海に出たら動くどころかそのまま沈んじゃいそう」
加賀「……そうね、ここはあの子を信じましょう。大鳳さん」
北上「あら意外」
加賀「……何か?」
北上「いやあ、加賀さんなら援護に賛成だろうなーと思ってたからさ」
加賀「出来る事ならそうしたいところですけれど、気持ちだけではどうにもならないもの」
提督「ありがとよ加賀さん。ま、ここは抑えてくれよ、大鳳。仇ならきっとマリアが取ってくれるからよ」
大鳳「……わかりました。マリアさんにお任せします」
金剛「それじゃ、今のうちにチュチュを医務室に運びマース!」
榛名「ええ、榛名もお手伝いします!」
加賀「私は先に行って話をつけておくわね。大鳳さん」
大鳳「はい。お供します」
北上「それじゃ私達はどうしよっか」
提督「……あー、悪いけど肩貸してくれよ。実は腰が抜けちまってな」
夕立「提督さん、流石にちょっとかっこ悪いっぽい……」
***
425 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/10/29(土) 17:51:06.30 ID:Zt+2cNX8o
今回はここまで。それではまた次回。
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/29(土) 19:03:19.87 ID:s154cwzqO
流石に乙っぽい
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/29(土) 21:59:13.83 ID:yF03Dao80
乙
スピーディーに進みながらも結局エタってしまうスレが多い中、ゆっくりではあるけど確実に更新されるスレの安心感よ
428 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:44:51.01 ID:FUDjl1IHo
お待たせしました、今週の投稿を始めます。
>>427
本当は毎週更新しなきゃいけないし、そうしたいんですけどね……。精進していきたいです。
429 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:47:20.79 ID:FUDjl1IHo
医務室
チュチュ「チュー……」
医師「……ええ、大丈夫です。見たところ大きな怪我もありませんし、命に別状はないでしょう」
提督「そうでしたか」
夕立「よかったあ……」
榛名「ひとまず安心、ですね」
提督「一人、いや一匹でギアと戦う、なんて無茶言い始めたときはどうなる事かと思ったけどな」
北上「まさかそのギアと同じくらいでっかくなるなんて思ってもみなかったからねー」
金剛「ギアに立ち向かうチュチュ、かっこよかったネー!」
提督(そういやあのギア、チュチュの事を『遺伝子操作で小型化した』って言ってたな。一体どれほど進んでるんだ、この世界は)
夕立「提督さん、どうしたの?なんか考え事?」
提督「ん、いや、なんでもない」
提督「さあ、チュチュの事は心配なくなったんだ。ここは医者の先生に任せて、俺達は補給と整備だ」
430 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:48:45.39 ID:FUDjl1IHo
榛名「となると、一度ユグドラシルまで戻らないといけませんね」
大鳳「間に合うでしょうか……」
提督「さあな。もしかしたら間に合わないかも知れないが、ジャマーが切れればまたさっきの部隊が攻めてくるだろうからな。せめて応急処置だけでも……」
マリア「……お父さーーーん!!」グラグラグラ
提督「うおお!?」
大鳳「こ、この揺れは……」
金剛「マリア……!」
医者「だ、大丈夫かしら。シェバトが落ちたりしないわよね……?」
提督「……」
榛名「……」
加賀「……収まりましたね」
提督「ああ。何だったんだ、今のは」
北上「周りにあんな衝撃を与えるような攻撃だったんだし、きっと決着が付いたって事だと思うよ」
夕立「どっちが勝ったっぽい?」
金剛「決まってるネー!マリアが負けるなんてありえないデース!」
加賀「……その理屈は分からないけれど、もし負けていたらこれほど静かなはずはないわね」
大鳳「ということは……!!」
提督「そうだな。ユグドラシル行きはなしだ。皆でマリアを迎えに行くか」
***
431 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:49:23.45 ID:FUDjl1IHo
〜???〜
「……あの、その服装、もしかして新しい司令官さんですか?」
「ああ、よかった。お待ちしていました、なのです」
「こ、子供じゃないのです!こう見えても立派な駆逐艦なのです!」
「……え?司令官さん、何も聞かされてないのです?艦娘のこととか、深海棲艦のこととか……」
「そうだったのですか。それでは、鎮守府の中を案内しながらでも、その辺のお話を一緒にするのです。さ、ついてくるのです」
「はわあ!ご、ごめんなさいなのです!うっかりしていたのです!」
「このたび司令官さんの秘書艦として建造された、電なのです!これからよろしくお願いしますね、司令官さん!なのです!」
***
432 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:52:35.20 ID:FUDjl1IHo
提督「……くああ」ムクリ
提督「……」
提督「……はああ、夢か」ポリポリ
夕立「あ、提督さん、やっと起きたっぽい」ヌッ
提督「だあああああ!ゆ、夕立か!」
夕立「もう、提督さんったら寝起きからうるさいっぽい」
提督「悪い悪い。じゃなくて、何で夕立がここにいるんだ」
夕立「もちろん、お寝坊さんな提督さんを起こすためっぽい!」
提督「寝坊?今何時だ?」
夕立「もうすぐお昼っぽい。あんまり遅いから起こして来いって加賀さんに言われたの」
提督「げ、確かにそりゃまずいな。顔洗ってくるからちょっと待ってろ」
夕立「はーい、その間に上着とか用意しとくっぽい」
***
433 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:53:02.97 ID:FUDjl1IHo
提督(ソラリスの襲撃から二日が経った)スタスタ
提督(医務室を出た俺達が見たのは、跡形もなく消し飛び、僅かに残った破片と硝煙のみになった、マリアの父親の赤い機体と、それを見つめるマリアの後姿)
提督(こちらを振り返ったマリアが寂しそうに言った『ありがとうございました』の声が、未だに頭から離れない)
提督(結局、その後敵が追撃をかけてくるような事はなく、障壁発生器も無事だった。完全には直っていないらしいが……)
夕立「提督さん、そんな顔してどうしたの?」
提督「え?いや、まだちょっと寝ぼけててな」
夕立「ふーん、変な提督さん」
提督「そういや、チュチュの様子はどうだ?」
夕立「もうすっかり元気っぽい。さっきもその辺りを元気に跳ね回ってたっぽい」
提督「昨日の今日でもう全快したのか?随分とタフにできてるんだな」
夕立「おっきくなったりできる動物は一味違うっぽい」
提督「その治りの早さはちょっと分けてもらいてえなあ。昨日も全身痛くて中々寝付けなくてよ……」
434 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:53:44.18 ID:FUDjl1IHo
マリア「……あっ」
提督「うおっ」
夕立「あ、おはようございますっぽい」
マリア「おはようございます、夕立さん。提督、丁度良い所に」
提督「俺?何か用か?」
マリア「はい、女王様がお話があるそうで、時間がある時でいいので顔を出すように、だそうです」
提督「わかった。こちらからも丁度話すことがあったしな。加賀さん達の方に顔出したらすぐ向かうよ」
マリア「わかりました。女王様にはそのように伝えておきます」
提督「ああ、わざわざありがとう」
マリア「いえ……」
提督「……」
マリア「それと……」
提督「ん?」
マリア「この間はごめんなさい。色々と失礼な事を言ってしまって」
提督「この間って……ああ、いや、気にしてないから大丈夫だよ」
マリア「そうですか」
提督「……」
提督(き、気まずい……)
マリア「それでは、わたしはこれで……」スタスタ
提督「あ、ああ」
435 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:54:19.08 ID:FUDjl1IHo
夕立「……行っちゃったっぽい」
提督「やっぱりまだ元気がないな」
夕立「あんなことがあったばっかりだし、しょうがないっぽい」
提督「しばらくはほっといた方が良さそうだな」
夕立「早く元気になって欲しいね、提督さん」
提督「そうだな。まあ、俺達もあんまり人の心配していられる状況じゃないし……ん?」
提督「そういやさっきからどこに向かってるんだ、夕立?」
夕立「えーっとね、加賀さんが提督に確認したいことがあるんだって。艤装の事でシェバトの人と何か話してたよ」
提督「ほーう、大方艤装を調べさせてくれとか、そんなところだろうな」
夕立「ぽい」
提督「そういうことならあんまり待たせるのも悪いな、急ごうか、夕立」
夕立「わかったっぽい!提督さん、こっちこっち!」
***
436 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/12(土) 18:56:09.66 ID:FUDjl1IHo
今回はここまで。一応最後のオチまで考えてはあるので、よっぽどのことがない限りは完結させます。させたいです。
それではまた来週。
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/11/12(土) 21:20:20.01 ID:GmpbduFDo
おつ
438 :
◆Idq7VgawO2
[sage]:2016/11/26(土) 17:38:21.10 ID:c3Qag1fto
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
439 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:40:00.22 ID:c3Qag1fto
〜王宮 客室〜
夕立「みんな!提督さん連れてきたっぽい!」
提督「連れられてきたが……なんだこりゃ」
北上「お、いい所に来たねえ、提督。ユイさん、提督と夕立来たよー」
ユイ「あら、こんにちは。貴方が提督さん?」
提督「え、ああ、はい。こんにちは」
ユイ「ふふ。ごめんなさいね、突然」
夕立「この人、だーれ?」
榛名「この方はユイさんと言って、この国では有名な方なんだそうですよ」
提督「……ええと、その有名人のユイさんとお前らは何してんだ?」
北上「やー、この人がお昼ご飯作ってきたって言うからさ」
夕立「ごはん!?お腹すいたっぽい!」
ユイ「主人がお世話になったようなので、是非お礼がしたくて。ご迷惑だったかしら?」
提督「いえ、そういうわけでは……って、主人?」
ユイ「ええ。改めて自己紹介するわね。シタンの妻で、ユイと申します」
提督「成る程、シタン先生の……ええええええええええ!?」
440 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:40:26.22 ID:c3Qag1fto
加賀「……」
金剛「ちょっと、テートクゥ、驚きすぎデース」
提督「いやだって、シタン先生って……」
提督(元ソラリス人だろ……一体いつ結婚したんだ)
大鳳「そう言われると、なんだかお二人は似ているような気がしますね。雰囲気というか、気性というか……」
ユイ「あら、そうかしら?そんなことないと思うけれど……」
提督「あの先生意外とおしゃべりだしなあ」
ユイ「そうなのよ。あの人ったらいつも余計な事まで話し出すから困っちゃうわ。私もよく言ってるのだけれどね、しつこいのはやめなさいって」
北上「なんか、言ってる姿が目に浮かぶよ」
榛名「ユイさん、火にかけてたスープの方、そろそろいいんじゃないでしょうか」
ユイ「あら、そうだったわ。提督さん、すぐお昼にしますから、ちょっとそこで座っててね」
提督「俺も手伝いますよ」
金剛「ノー!」ビシ
提督「こ、金剛?」
金剛「キッチンはレディのサンクチュアリィネー!いくらテートクと言えど、勝手に入ることは許さないデース!」
提督「いや、俺が間宮さんの飯作るの手伝ってたときはお前何も……わかった、分かったから睨むな!」
榛名「こっちは大丈夫ですから、提督はゆっくり待っててください。大鳳さん、食器を並べるのを手伝って貰えますか?」
大鳳「はい!お任せください!」
提督「……ったく、急になんだってんだ金剛のやつ」
北上「さあ、ユイさんと張り合ってるんじゃない?」グデー
提督「張り合う?なにで?」
北上「うーん……女子力、とか?」
提督「はー、訳分からん……」
***
441 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:40:56.35 ID:c3Qag1fto
ワイワイ
提督「へえ、娘さんがいらっしゃるんですか」
ユイ「ええ、名前はミドリって言ってね、父親に似なくて静かな子なんだけど。良かったら皆さん仲良くしてね」
提督「任せてください。ウチは夕立含めて子供も沢山いますからね。みんな子供の扱いには慣れてますよ」
夕立「あーっ!子供扱いしないで欲しいっぽい!」
提督「ほれ、言ってるそばから口の周り汚れてんぞ」
夕立「むー!提督さんのバカ!」
榛名「夕立さん、こっち向いてください。今拭いてあげますから」
ユイ「ふふ、ほんと、みなさん仲が良くていいわね」
提督「お陰で作戦もやりやすくて助かってますよ」
大鳳「こ、これは……」
提督「どうした、大鳳」
大鳳「このお肉、とってもおいしいです!」
金剛「ウーン、今まで食べた事のないテイストネー」モグモグ
ユイ「丁度下界からつちのこのお肉が届いたから使ってみたの。お口に合ったようで良かったわ」
大鳳「つちのっ……」
442 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:41:25.49 ID:c3Qag1fto
北上「え、それってアレだよね?UMAだか草の神様の使いだかって言う」
ユイ「ゆ、ゆうま?」
提督「まさか、たまたま同じ名前ってだけだろ」
北上「だ、だよねー」
ユイ「よくわからないけど……つちのこはキスレブ北東部にたくさんいるから、あっちではよく食用にされているのよ」
加賀「食用……たくさん……お腹が空きました」
提督「空いたも何も昼飯の真っ最中……もう食ったのか」
ユイ「大丈夫よ、おかわりなら沢山ありますから。皆さんよく食べるって聞いたものだから、多めに作ってきて正解だったわね」
加賀「やりました」
提督「いや何もやってねえよ」
大鳳「あの、私もスープのおかわりを……」
ユイ「もちろんいいわよ。今持ってくるわね」
提督「……なんかすいません」
ユイ「謝らなくていいのよ。沢山食べてくれたほうが作り甲斐もあるもの。はい、どうぞ」
大鳳「ありがとうございます!」
加賀「いただきます」
提督「……ま、なんだかんだ大変だったからな。好きなだけ食わせておくか。榛名」
榛名「はい、何でしょうか?」
提督「さっき艤装の事でシェバトの人間が訪ねてきたって夕立から聞いたんだが、どんな内容だったんだ?」
443 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:43:50.24 ID:c3Qag1fto
榛名「その事ですか。なんでも『シェバトを救ってくれたお礼に、是非我々の手でその艤装のメンテナンスをさせて欲しい』との事でした」
提督「ほう」
榛名「私達では決められないので、夕立さんに提督を連れてくるようお願いしたのですが……その方はその後すぐ帰ってしまわれて、入れ替わりにユイさんがやってきたんです」
提督「そうだったのか。しかし、艤装の整備ね」
提督(ありがたい話だし、ユグドラシルよりも遥かに設備はいいんだろうが……まず間違いなくデータを取られるだろうな)
提督(タムズやバルト達はともかく、これほどの技術力を持つ国に艤装のデータが渡ったら色々とマズイだろうし。そもそもこの申し出が誰の差し金かも……)
提督「でもまあ、どっちにしても艤装は修理しないとだからなあ」
榛名「提督?」
提督「話は分かった。その事はまた後で決めとくよ。ユイさん、どうもごちそうさまでした」
金剛「あ、テートクゥ!どこ行くんデース!まだ食後のティータイムが残ってるネー!」
提督「悪い、ちょっと女王様に呼ばれてるんでな。さっきの整備の話もあるし、すぐ出かけなきゃ」
ユイ「そういうことでしたら、後片付けは任せて。すぐ行った方がいいわ」
提督「いえ、食器ぐらいは流石に自分で」
ユイ「大丈夫よ。それよりも早く行きなさい。女王様をお待たせしては悪いでしょ」
提督「わ、わかりました。それじゃお願いします」
北上「いってらっしゃーい」
夕立「気をつけるっぽーい」
金剛「帰ってきたらティータイムに付き合うネー!」ブンブン
提督「わかったわかった。行ってくるよ」
***
444 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/11/26(土) 17:44:16.65 ID:c3Qag1fto
今回はここまで。それではまた次回。
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/27(日) 15:15:27.15 ID:BL8rMFfUo
先生の過去の時系列って先生自身の突拍子もない動きが多くて困る
敵国で敵の孫見初めたからって敵国を個人訪問した上に弟子入りするなよ、と
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/27(日) 23:55:04.62 ID:urFrrME7o
元々かなり変人だからしょうがない
エレメンツのあのロボも完全に趣味の範疇だから
447 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:33:14.86 ID:DM61CYo9o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
448 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:33:40.77 ID:DM61CYo9o
〜玉座〜
ゼファー「……確かな話ですか?ワイズマン」
ワイズマン「下界ではかの者達の話を聞いたことはありませんでした。あれほど目立つ者です、間違いないかと」
ゼファー「信じるほかありませんね、彼らの話を」
ワイズマン「しかし奇怪な話です。全く別の世界から来たなどと。やはり、『あれ』と何らかの関わりが……?」
ゼファー「……フェイ、エリィ、ファティマ家の王子、そして別世界からの者達。彼らが一堂に会した今、時代が再び動き出したのでしょう。恐らく……」
ワイズマン「では、かの者達の処遇は変えぬ、と?」
ゼファー「それが良いでしょう。彼らにとっても、われわれにとっても」
ワイズマン「おや、噂をすれば」
ガチャ
提督「失礼します。マリアからこちらに顔を出すよう言われて……うおっ!」
提督(フード付ローブに仮面!?怪しすぎる!誰だこいつ!)
ゼファー「よく来てくれました、提督。あれからゆっくり休むことはできましたか?」
提督「え、ええ、お陰様で。あんないい部屋で眠れたのは久しぶりでしたよ。ありがとうございます」
ゼファー「よい。この国を守る為に働いた見返りとしては安いものでしょう」
449 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:34:33.05 ID:DM61CYo9o
ワイズマン「女王、この男が?」
ゼファー「ええ。提督、紹介しましょう。こちらはワイズマン、わたしの忠実なる家臣です」
ワイズマン「お主らの話は聞いている。わが祖国を守ってくれたこと、感謝するぞ」
提督「いえ……」
提督(ワイズマン?どこかで聞いたような……)
ゼファー「さて、本題に入りましょう。提督」
提督「?はい、何でしょうか」
ゼファー「あなた方はこれからどうするつもりですか?」
提督「どうって……」
ゼファー「元の世界に戻る方法を探しにここまで来たのでしょう?実際にこの地に立った今、どうするつもりなのか、そう聞いているのです」
提督「……そうですね、まずはこの世界の歴史から当たってみようかな、とは考えていました。何かを調べようにも、俺達はこの世界の事を知らなさ過ぎる」
ゼファー「堅実ですね。しかし、その後は?この世界の事を知ったとして、そこからどのようにして手がかりを探すつもりなのです」
提督「それは、まだ特には。何せ今は何を調べればいいのか、それすら分からない状況ですから」
ゼファー「よろしい。その点に関して、我々から提案があります」
提督(弱ったな、どうもいいように話を進められてる気がする……伊達に女王様やってないって事か)
450 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:35:01.72 ID:DM61CYo9o
ゼファー「提督、あなたと部下達には、シェバトの工作員として、身分を隠し、地上であるものを探していただきたいのです。
承諾するなら、シェバトはあなた方が元の世界に戻るためのサポートを可能な限りすると約束します」
提督「……サポートとは、具体的には?」
ゼファー「まずはあなたの部下の艤装のメンテナンス。聞けば彼女達の幾人かは使用できる弾丸がまだ見つかっていないとか。
それについても何とかしましょう。下界に降りた後は補給物資を別の工作員に届けさせます。王宮にあるデータルームも自由に閲覧してよろしい」
提督「では、その探して欲しいものとは?」
ゼファー「その事についてはあなたがこの提案を受け入れてから答えましょう」
提督(成る程、至れり尽くせりの待遇に見合った、相当な代物って事か)
提督(しかし、待遇としてはこれ以上ない程であることもまた事実。というか、これ蹴ってもこれから行く所もないし、実質こちらに選択の余地はないな)
提督「わかりました。その提案、お受けします」
ゼファー「よいのですか?部下の者たちに相談も無しに」
提督「大丈夫です。こういうことを決めるのが俺の仕事なんで」
ゼファー「そうですか。それではあなたがたに命じる仕事についてお教えしましょう。提督、『ギア・バーラー』について聞いたことは?」
提督「ギア・バーラー?ギアの名前ですか?フェイのヴェルトールとか、シタン先生のヘイムダルみたいな」
ゼファー「違います。われわれが普段使っているギアは『ギア・アーサー』と呼ばれるもの、あくまで我々ヒトが作り出したものにすぎません。
それに対して、ギア・バーラーは『神の手によるもの』。遥か昔に神の知恵によって創られたと言われる、伝説のギアの事です」
451 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:35:33.66 ID:DM61CYo9o
提督「か、神?」
ゼファー「何か?」
提督「え?ええと、いや……。と、とにかく、我々の仕事というのは、そのギア・バーラーを捜す事ですか?」
ゼファー「いえ、少し違います。あなた方に命じる仕事は、ギア・バーラーの捜索ではなく、その素体ともいえる『アニマの器』の捜索です」
提督「アニマの器、ですか」
提督(またわからん単語が出てきた)
ゼファー「ギア・バーラーは、アニマの器とその適格者、この二つが揃って初めて生まれるのです」
提督「ということは、ギア・バーラーが神様が創ったものっていうのはやっぱりただの御伽噺ですか」
ゼファー「一概にそうとも言い切れないのですが……今は関係のないことです。これ以上の真実を知りたければ、あなた自身が調べるとよい」
提督「分かりました。とにかく、我々は地上に降りてアニマの器を捜索する。シェバトは我々の地上での活動を支援する。それでいいんですね」
ゼファー「その通りです。さしあたって、提督、貴方にシェバトの汎用ギアを授けましょう。地上に赴くまでの間、十分に訓練を積んでおくように」
提督「ありがとうございます。でも、いいんですか?シェバトの戦力だって余裕があるとは思えないんですが」
452 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:35:59.96 ID:DM61CYo9o
ゼファー「アニマの器にはそれだけの価値がある、そう理解してください。
たとえ適格者が見つからずとも、あれをソラリスの手に渡さないようにするだけでも意味があります」
提督「そんな大事な任務を、何故俺達に?」
ゼファー「……先の大戦から数百年、われわれはあらゆる手を使ってアニマの器を捜してきました。それはソラリスも同じでしょう。
それでもなお、残りのアニマの器の発見には至っていない。
しかし、貴方達なら、われわれと異なる目、異なる耳を持つ貴方達なら、あるいは……。そう考えたからです」
提督「……」
ゼファー「さあ、これで話は終わりです。戻って部下達に話をしておきなさい」
提督「わかりました。ではこれで失礼します」
ゼファー「期待していますよ、提督」
ガチャン
ワイズマン「……では、私も少し外させていただきます」
ゼファー「……『彼』ですか」
ワイズマン「ええ。しかし今回はそう長くはないでしょう。あやつらの旅立ちまでには一度戻ってくることにいたします。では」シュン
ゼファー「……苦労をかけます、ワイズマン」
***
453 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:36:25.67 ID:DM61CYo9o
提督「ただいま」
金剛「あ、テートクゥ!」ブンブン
北上「意外に早かったじゃん」
提督「思っていたよりもスムーズに話が進んだからな。ユイさんは?」
夕立「お昼ご飯の後にすぐ帰っちゃった」
提督「そうか。後でお礼言わないとな」
金剛「それで、クイーンとはどんなトークをしてきたんデース?」
提督「ああ、今後の動きについて、ちょっとな。結論から言うと、シェバトの傘下に入ることにした」
加賀「……詳しく聞かせてもらえるかしら」
提督「もちろんだ」
金剛「なら、今からティータイムにするネー!ハルナ、手伝ってくだサーイ!」
榛名「はい、榛名はお湯を沸かしますから、お姉さまは他の準備をして下さい」
***
454 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:36:55.08 ID:DM61CYo9o
提督「……と言うわけだ」ズズ
榛名「ギア・バーラー、ギアを越える、更に強力なギア、ですか」
北上「普通のギアでさえアレなのに、もっと強いヤツがいるんだねえ。確かにそれは相手したくないかも」
加賀「それを創るための、適格者とアニマの器。2つの大国が何百年も捜し続けているものをそう簡単に見つけられるとは思えないけれど」
夕立「なんだか難しい話っぽい」サクサク
大鳳「でも、整備を請け負ってもらえるのは非常に大きいですね。もしかしたら、艦載機を生産する方法が見つかるかも……」
北上「そだね。私の副砲ももうほとんど弾切れだったからねー、何とかして補給しないとって所だったし」
提督「まあ、そんなわけだから、明日からでもすぐに動いていくぞ。お前らはまず何よりも艤装のメンテを優先してくれ。
装備に関する情報は何でも話してしまって構わん」
榛名「わかりました。この後からでも早速装備をチェックして明日に備えます」
北上「提督はどうするのさ」
提督「俺はデータルームでこの世界の事を色々と調べてみる。それと平行してギアの操縦訓練だな」
北上「へー、提督も忙しくなりそうだね」
提督「俺だけ暇してるって訳にもいかないだろ。まあとにかく、明日からまた忙しくなるからな。今のうちにしっかり休んでおけよ」
一同「はーい(っぽい)」
***
455 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/10(土) 22:37:21.11 ID:DM61CYo9o
今回はここまで。ではまた。
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/11(日) 06:24:46.78 ID:Oiwnd0U5o
原作だとフェイ達はここから息つく暇もない連戦だな……
乙
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/12/11(日) 13:16:00.28 ID:AC7begmoo
自由に世界中を飛べる唯一の時間ですな…
海上の敵とエンカウントできないのが少し不満だったけど
(エリィのエアッドで開幕殲滅できるから)
458 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/25(日) 19:21:09.55 ID:Fgd9a84so
おまたせしました。今年最後の投稿を始めます。
459 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/25(日) 19:22:03.70 ID:Fgd9a84so
〜数日後 自室〜
提督「……」ペラ
提督「……」ペラ
提督「……」ペラ
提督「ふー」パタン
榛名「お疲れ様です、提督」コト
提督「お、サンキュー」ズズ
榛名「進捗の方はいかがですか?」
提督「ぼちぼちかな。800年前くらいまでの大まかな歴史は大体わかってきたよ」
榛名「800年前?」
提督「このシェバトの建国が大体それくらい前のことだったらしい。そこまでの記録はかなり詳細に残ってたよ。
それより前になると胡散臭い神話の類しか残ってなかったけどな。神の楽園がどうのこうのとか」
榛名「それじゃあ、800年前にはもうこんな大きなものを飛ばす技術ができていたんですね。凄いです」
提督「それがどうも違うらしい。ほら、バベルタワーってのがあったろ」
榛名「ええ、確かタムズの方がそんな名前の建物があると」
提督「このシェバトは元々そのタワーのてっぺんにくっついていたんだそうだ。それが500年前の大戦に負けた後、
ソラリスの支配から逃れるために最上部だけを切り離されたのが、今浮かんでいるこの国だって話だ」
460 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/25(日) 19:22:33.01 ID:Fgd9a84so
榛名「その大戦については、何か分かったのですか?」
提督「おうよ、色々と分かったぜ。まず、正確にはシェバトはソラリスに負けたわけじゃないらしい」
榛名「え?」
提督「大戦末期、ソラリスの本拠地にシェバト率いる地上の連合軍が攻め入ったとき、思わぬ第三勢力が現れた。記録にはそう残ってる」
榛名「それでは、いきなり現れたその敵に、シェバトは負けたということなんですか?」
提督「ああ、『ディアボロス』と呼ばれたその軍団は、現れるなりソラリス、シェバトの区別なく全てを破壊し始めたそうだ。
それがまたとんでもなく強かったらしくてな、シェバトどころかソラリスの部隊も全く歯が立たなかったらしい。一時期は本当に人類が絶滅するところまで来てたらしいぞ」
榛名「そんな、一体何の為に……」
提督「さあな。その辺のことはわからずじまいだったみたいだ」
榛名「……あれ?ですが提督、今こうしてシェバトがあるということは、結局その敵は倒されたと言う事ですよね?
それなのにどうしてシェバトは負けたのでしょう?」
提督「お、さすが榛名。いい所に気がついたな。実はそこが俺達にとっては一番大事なんだ」
榛名「と、言いますと?」
提督「このディアボロス軍団を撃退したのが、まさに今から俺達が関わろうとしているギア・バーラーってヤツだったらしい。
なんとか数機がかりでディアボロスの中核を倒す事に成功したんだそうだ」
榛名「そうだったんですか」
461 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/25(日) 19:23:03.12 ID:Fgd9a84so
提督「その後は戦争どころじゃなくなったシェバトもソラリスも兵を引いた。シェバトの方は自分たちの事で手一杯だったが、
多少余力のあったソラリスはそのまま地上を支配し、負けたシェバトは空に逃げた。それから500年、状況は今も変わらないって事だ」
榛名「もしそれが事実だとしたら、地上に降りるのはかなり危険なのではないでしょうか?」
提督「そうでもないさ。どうも地上の監視は『教会』の仕事だったみたいだからな。その『教会』がなくなった今の時期、
俺達7人の動向まで敵が気にしていられる訳はないだろ」
榛名「うーん、そうなのでしょうか」
提督「そういうもんだって。地上ったって広いんだし、下りた途端にソラリスに目を付けられるなんてことは絶対ないから、安心しろ」
榛名「……そうですね。榛名、提督を信じます」
提督「それでいい。……よし、いい加減座りっぱなしもきつくなってきたし、そろそろギアの訓練でもしてくるか」
榛名「はい、榛名もお供します!」
提督「お供します!って、そういやお前整備のほうはいいのか?なんかナチュラルに朝から俺の手伝いしてくれてるけど」
榛名「もちろんです!榛名が不在の間は金剛お姉様にお願いしてあります」
提督「俺が言うのもなんだが、よく金剛が承諾したな」
榛名「当然です。そもそも言いだしっぺはお姉様でしたし、正々堂々『お話し合い』で私が勝ちましたから!」
提督「……周りのもの壊したりしてないだろうな」
***
462 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/12/25(日) 19:24:18.14 ID:Fgd9a84so
今回はここまで。シメなのに短くて申し訳ないです。年末ほんと忙しい……。
それでは皆さん、良いお年を。
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/30(金) 01:05:40.98 ID:0jblX3/u0
お疲れ様
ちょっとずつでも確実に進行してくれるから好きよ
464 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2017/01/14(土) 18:13:13.58 ID:aJQ8XMU9o
あけましておめでとうございます。年明け早々の仕事の不定休化+風邪のダブルパンチで闇墜ちしてました。更新再開します。
465 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2017/01/14(土) 18:49:28.93 ID:aJQ8XMU9o
〜格納庫〜
提督「おーす、やってるか?」
金剛「テートクゥゥゥ!」ダダダ
提督「あらよっと」ヒョイ
金剛「フンッ!」カクッ
提督「ぐえ」ドゴォ
榛名「ああっ!提督が曲がってはいけない方向にくの字を描いてしまっています!榛名はどうすれば……」
提督「あいででで、なんだよ今の物理法則無視した直角コーナリングは……。急に飛び込んでくるのはやめろっていつも言ってんだろ」
金剛「目を離したらノーって私もいつも言ってるネー!なのに最近テートクとは全然会えなかったし、だからこれはテートクが悪いんデース!」グリグリ
加賀「……何を遊んでいるのかしら」
金剛「何を言うネー!これは戦意高揚の為に必要不可欠な……」
提督「か、加賀さん、こっちの仕事がひと段落着いたから様子を見に来たんだが、どんな調子だ?」
加賀「そうね、まずはきちんと立ってもらえないかしら。格納庫の入り口でずっとそうしているのはみっともないわ」
提督「そうしたいのは山々なんだが……金剛、いい加減どいてくれ」グイ
金剛「ノー!ここ数日分の戦意を取り戻すまでは絶対離れないネー!」グググ
榛名「お姉様、あまり提督を困らせてはいけませんよ」ガシ
金剛「ハルナはモーニングからテートクと一緒にいたからそんなことが言えるんデース!」
466 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2017/01/14(土) 19:05:36.34 ID:aJQ8XMU9o
加賀「……はあ、話が進まないのですが」
提督「ああもう、しょうがねえ、なあっ!」ガバ
金剛「ワット!?」
榛名「わあ、提督すごいです!あの体勢からお姉様を無理矢理おんぶするなんて!」
提督「お、おも……」
金剛「アーハン?」
提督「すまん、なんでもない。頼むからしばらく背中で大人しくしててくれ」
金剛「しょうがないネー」
加賀「遊ぶなら外にしてもらえないかしら」
提督「悪いけど我慢してくれ。それで、整備の状況なんだけど」
加賀「そうね、実際に見てもらう方が早いと思いますので、艦種別の整備区画にそれぞれ案内します」
提督「え、そんなに大掛かりで整備してもらってるのか、すごいな」
金剛「それならまずは私達の所から行くネー!びっくりする事間違いなしデース!」
***
467 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2017/01/14(土) 19:07:33.05 ID:aJQ8XMU9o
〜戦艦整備区〜
加賀「こちらが戦艦の整備用に割り当てていただいたスペースです」
提督「広いな」
金剛「タムズやユグドラよりも整備しやすくて大助かりデース!」
整備士「あ、金剛さん!」
提督「あの人は?」
榛名「榛名達の艤装を整備していただいている主任の方です」
金剛「ヘーイ!何かあったネー?」
整備士「何かあったじゃないでしょう!作業中に勝手に抜け出したりして!」
金剛「オーウ、ソーリー。テートクの気配がしたのでついついネー」
整備士「ということは、あなたが?」
提督「うちの金剛が迷惑かけているようで申し訳ない……」
整備士「いや、わざわざ謝られるほどでは……こちらとしても彼女達の艤装は大変興味深いですし、苦労に見合う体験はさせてもらえてますよ、ははは」
提督「それで、今日はその体験の成果を見に来たのですが」
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