【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 21:03:31.62 ID:lbcXJvkIo
※ゼノギアス×艦これSSです。

※初スレ建て、初SSなのでおかしな所等あれば指摘をお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453550607
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:09:21.48 ID:lbcXJvkIo
?「……トク、……ートク」


「うぐ……いてて……」


?「テートク!!」


提督「うおっ!何だぁ!?」


?「あ、やーっと起きましたネ提督ぅ!皆さん、提督がウェイクアップしたヨー!」


提督「その声、金剛か?暗くてなんにも見えんぞ」

?「提督、ご気分はいかがですか?榛名、とっても心配しました」

?「おはようございます、提督」

?「提督さん起きたの?今のところ敵はどこにもいないっぽい」

?「提督おはよー。この非常事態にのんきだねえ」

?「提督、大丈夫?どこか動かないところはない?」


提督「榛名、加賀、夕立、北上、それに大鳳か。って事は、
ここにいるのは第一艦隊の全員か。他の連中はどうした?」


加賀「少なくともここにはいないわ」


提督「ここには?というか、ここはどこなんだ?さっきから感じる揺れから察するに海上のようだが」


榛名「榛名たちにも詳しいことは……。分かるのはここがコンテナの中だということくらいで、外の様子は何も……」


提督「そうか。じゃあ、そもそもの話から考えよう。
何で俺たちはこんな所にいるんだ?ここで眠っちまう前は……ええと……何してたっけ?」


金剛「何言ってるノテートクゥ!新海域の攻略のために皆でアタックするプランを考えてたところでショ!」


提督「ん、そうだったか。どうも記憶があやふやで……いだだだだ!!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:15:36.80 ID:lbcXJvkIo
榛名「て、提督!大丈夫ですか!?」


提督「……いや、あんまし大丈夫じゃないレベルの痛みが頭に来てる。
ここに運ばれるときに頭でも殴られて昏倒させられたのかもな。皆は大丈夫か?」


榛名「あ、いえ、提督の頭のほうは多分そういうことはないと思います」


提督「あん?何でさ」


榛名「それは、その……頭の痛みはその……金剛お姉様が……」

夕立「あーっ!確かにさっきまでガンガン叩いてたっぽい!提督さん大丈夫?」


提督「……おい金剛」

金剛「だってテートクがいくら呼んでも起きないかラ!
このまま目が覚めないんじゃないかって気が気じゃなかったんですヨー!」


提督「……今はそんなこと言っている場合じゃなさそうだ。とりあえず問題なのは外の様子だな。
誰か開閉口を見つけてないか?コンテナならどこかにあるはずだが」ライターシュボ


加賀「あなたが寝ている間にとっくに見つけています。
でも、外の状況も分からないのに迂闊に開けられないわ」


提督「かと言ってこのままというわけにもいかんだろ。とりあえず開けてみて……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:20:05.25 ID:lbcXJvkIo
ガッタン!ウィイイイイン


提督「うおあっ!何だ今の揺れ!全員無事か!?」


金剛「これぐらいノープロブレムネー!」

加賀「問題ないわ」

北上「私もへーきー。最初から寝転んでるから転んだりもしないし」

大鳳「だ、大丈夫よ、提督」

夕立「夕立も平気っぽい!」

榛名「榛名も大丈夫です!でも提督、これは……」


提督「ああ、この振動の仕方、何かに引っかかったな。
それに続くモーター音からして、どこかにワイヤーか何かで引っ張られてるんじゃないか」


大鳳「どうします、提督?もしかしたら深海棲艦かも……」


提督「んー、向こう側から開けてくれるまではとりあえず様子見だな。
味方かもわからんし、敵であれ味方であれ、
海の漂流物をわざわざ拾った後に中身も見ずにどっかに捨てることはないだろ。
もし敵だったらここが開いた瞬間に一点突破の奇襲をかける」


加賀「随分と悠長ね。この外がもう敵地のど真ん中だったらどうするつもり?」


提督「もしそうだったらここでどんな事を考えようが無駄だろうな。
であれば、とりあえずこの様子見&奇襲作戦で行く、って考えじゃ駄目か?」


加賀「……うまくいくといいけど」


提督「まあ俺を信じろって。あ、もう艤装は展開しとけよ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 21:21:07.17 ID:p9Arm2Q70
ゼロブレなら見るしかない、期待
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:27:08.55 ID:lbcXJvkIo
ガクン ドスン


提督「っとお。どっか安定したところに置かれたな。よし、こっちも準備だ」


榛名「提督、陣形はどうしましょう?」


提督「こう縦長だと複縦陣しかねえな。夕立、北上、2人は最前だ。俺が合図したら撃ちまくれ」


夕立「腕が鳴るっぽい!」ガチャ

北上「りょーかい」チャッ


提督「頼むぞ。金剛、榛名、お前らは一つ後ろだ。
ここは狭いからな、いきなり戦艦の砲撃なんてかましたら大惨事だ。少なくとも俺は木っ端微塵になっちまう。
つーわけで、突破口が開いたところで外に出てから砲撃してくれ」


金剛「まっかせテー!」ガッシャン

榛名「榛名、了解です!」ガッシャン


提督「空母組は最後列だ。そんで大鳳、お前は最前組の射撃と同時に偵察機を飛ばしてくれ。
加賀は待機だ。偵察機の情報次第で攻撃機を出すか決める」

加賀「準備はできています」スッ

大鳳「やるわ!」ジャキ


提督「よおし!そんじゃ総員、射撃準備!」


ギギギギイィィー


……


「おお!?中に人がいるぞ人が!」


提督「……は?」


「おいおいマジか!」「こんなコンテナ一つで漂流とは変わった奴らだなあ!」
「あん?なんだお宝じゃねえのかよ」「あのお姉ちゃん大砲もってるー!」
「あのお姉ちゃんだけ如雨露もってるよー!なんでだろ?」
「コラ!あぶねーからガキ共はどっか行ってろ!」ザワザワ


加賀「……提督、これはどうするの?」


提督「あー、うん、とりあえず射撃中止。少なくとも敵じゃなさそうだ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:39:48.68 ID:lbcXJvkIo
〜ねじレベーター内〜


北上「うええ疲れたぁー」


夕立「やっと開放されたっぽいー」

提督「ずっと質問攻めだったからな。まあ、海に漂ってたコンテナから人が出てくりゃ当然か」


榛名「それにしても大きい物資搬入口でしたね。一体何を搬入するんでしょう?」

提督「確かにな。それに、集まってきた人が教えてくれたここの名前が
『海上都市タムズ』だと言うのもわからん。そんな町聞いたことないぞ」

金剛「英国にもそんな街はないヨー」


提督「まあ、ここがどこにせよ、話に聞いた『艦長』とやらに会ってみるしかなさそうだな。
これで最上階まで行けるらしいが」ポチッ


ガタンッ ウオオオオン……


提督「お、動いた動いた」\マワスンジャネェー!ウェーーー!/


  ***


〜4F ブリッジ〜


艦長「よお!コンテナん中で漂流してたってのはおめぇらだな!」


夕立「せ、せ、せ、セイウチが……」

大鳳「喋ってる……」

金剛「ワッザ……」

提督「マジかよ……」

加賀「……驚いたわね」

北上「確かに初めて見たかも」

榛名「榛名もびっくりです……」


艦長「んー?どうしたおめぇら?急にボーっとして」


提督「あ、ああいや……ゴホン、この度は漂流中の我々を救助していただき、ありがとうございます。
私は横須賀鎮守府を預かる提督の……」


艦長「まあまあそう堅くなりなさんな。それに礼もいらねえぜ。
俺たちゃこいつでおまんま食ってるからな。海からの拾いモンを粗末にしちゃバチが当たるってもんだ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 21:43:39.23 ID:v/MlXw0UO
シタン先生もご満悦
個人的にはマリアを活躍させてほしい……
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 21:52:54.63 ID:lbcXJvkIo
榛名「こいつというのは、そこから見えるクレーンのことでしょうか?」


艦長「おうよ。あの自慢のクレーンで海からの物資を引き上げて売り捌く。
それがこの海上都市タムズの生業ってワケだ」


提督「海上都市?ここから見る限り船にしか見えないが」


艦長「おお、そうか、おめぇら外からタムズを見なかったのか。
なら丁度いい。漂流してたって事はハラ減ってんだろ?話の続きはメシ食いながらにしようや」


提督「いや、そこまで世話になる訳には」


艦長「まあまあ遠慮すんな!別に太らせてから食おうってワケじゃねえからな。
ハーーーンス!!俺は客人をもてなすぞ。後は任せた」


ハンス「了解しました、艦長。あまり度を越されぬように」


艦長「へっ、わかったよ」


金剛「こ、今度ハ……」

夕立「イルカが喋ってるっぽい……」


ハンス「ん?君たちはさっきから妙だね。亜人がそんなに珍しいかい?」


提督「亜人?」


艦長「おーい、こっちだこっち。ついてきな」


榛名「どうしましょう、提督」


提督「ワケの分からない状況だが、とりあえず悪い連中ではなさそうだ。現状の把握の為にもここはついて行ってみようか。他にアテもねえしな」


加賀「大丈夫かしら」


北上「まあなんとかなるっしょー」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:04:26.20 ID:lbcXJvkIo
〜3F ビアホール〜


ドア「ガチャ」


提督「これは……」

榛名「わあ!」

金剛「ビューティフルネー!」

夕立「おいしそうなにおい!」

加賀「流石に気分が高揚します」グゥー


艦長「おう、来たな。ほれ、若ぇのもきれいな嬢ちゃん達もこっち来て座れや」


提督「艦長は奥か。ほら行くぞ、きれいな嬢ちゃん達」スタスタ


金剛「!!テェートクゥー!」ギュッ

榛名「そんな、榛名は、榛名は……」クネクネ


艦長「悪いな、こんな狭いところでよ」


提督「いや、むしろ艦長、改めて礼を言わせてほしい。食事まで……!!」


艦長「ガッハッハッハ!最高の眺めだろう?これがタムズ自慢のビアホールだ。
それにほれ、窓の近くで見りゃ、タムズが海上都市と呼ばれているワケも分かるだろうよ」


提督「これは……驚いたな。船自体がちょっとした小島くらいの大きさだ」


艦長「スゲェだろ?こんなでっかいフネは多島海エリア広しといえどタムズだけだぜ」


提督「多島海?聞いたことのない地名だな。いや、それ以前に見たことない物が多すぎる。
艦長、一体ここはどこの海なんだ?太平洋か?」


艦長「タイヘイヨウだぁ?何のことかよくわからねえが、この辺はアクヴィエリアの南端近く、
丁度バベルタワーの真南ってところだな」


提督「バベ……ま、待ってくれ、一旦情報を最初から交換させてくれ。まずは俺達の情報から……」


―海の男情報交換中―
11 :yes! let& ◆FYxNLewY4Q [sage saga]:2016/01/23(土) 22:13:34.92 ID:SeihSIIQ0
俺の人生と物事の考えた全ての指標となったゲームだ・・・


超期待!
12 :yes! let& ◆FYxNLewY4Q [sage saga]:2016/01/23(土) 22:14:14.36 ID:SeihSIIQ0
物事の考え方だった・・・
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 22:14:53.31 ID:uTp1bkCQO
これは期待
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:19:35.56 ID:lbcXJvkIo
艦長「ニホンにチンジュフ、カンムスにシンカイなんたらねぇ。
俺はタムズで色んな海を回ってるが、そんな話は聞いたこともねえ」


提督「こちらもだ。アヴェにキスレブ、エーテル、亜人、ギア、スレイブジェネレーター。
おまけに死霊、か」


金剛「理解不能デース……」

提督「正直、俺もあんまりわかってねえな」

榛名「提督、私たち、帰れるんでしょうか……」

提督「ん、まあ心配すんな。何とかするさ」

大鳳「鎮守府のみんなは大丈夫かしら……」

提督「大丈夫だろ、しばらく俺や第一艦隊がいなくとも回るようにはできてるし。
電がなんとかしてくれるはずだ」

夕立「補給ができないのは困るっぽい!」

提督「今の話が本当ならここに深海棲艦はいないんだろ?なら当分はいらないと思うぞ」

加賀「ごはんはまだかしら」

北上「ねー。お腹減ったー」

提督「いや今こう見えて結構緊急事態だからね?割と食事どころじゃないからね?」


艦長「がっはっはっは!いいじゃねえか。何はともあれメシだメシ。
おおい、メシはまだか?お客人を待たせるんじゃねぇぞ」


メシ作ってる人「へい艦長、もうすぐできまさぁ」


提督「艦長、本当にいいのか?さっきの話の通り、俺達はここのことを何も知らない。
持ち合わせだって何もないぞ」


艦長「いいってことよ。なんたって……」


艦長「俺は!」ドン!

艦長「海の!」ドン!

艦長「男だからよ!!」ドドン!!


艦長「がっはっはっは……」


北上「おおー」パチパチ


榛名「かっこいいです」


金剛「今のとってもクールデース!テートクもあれやって下サーイ!」


提督「絶対嫌だ」


金剛「ぶぅーデース」

メシ作ってた人「お待ちどおさん!さあ客人、たらふく食ってくれ!」


艦長「お、きたな。さあお前ぇら、遠慮はいらないぜ」


提督「……うん、皆、ここは厚意に甘えるとしよう。というわけで」


第一艦隊「いただきまーす(ス)(っぽい)!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:37:00.12 ID:lbcXJvkIo
提督「色々と材料が不明すぎる料理だが、メチャクチャ美味かった」


提督「……で、なんだこのザマは」


金剛「そこで勝負を決める渾身の右ストレートが炸裂!晴れて私はテートクに膝枕してもらったのデース!」グビグビ


艦長「がっはっはっは!いいねいいね、元気な方の嬢ちゃんはお盛んじゃねえか!」グビグビ


金剛「当然デース!なんたって……」


金剛「提督の!」ドン!

金剛「ハートは!」ドン!

金剛「私のものデース!」ドドン!!


艦長「がっはっはっは!」


金剛「HAHAHAHAHA!」グビグビ


提督「飲みすぎだ金剛、あとそういう恥ずかしい話はするな」


加賀「そこの貴方、おかわりを頂けるかしら」


大鳳「あ、私もお願いします」


メシ作ってた人「もう勘弁してくれ!作り置きしてた分はとっくになくなっちまったよ!」


提督「空母組は食いすぎだ、いい加減限度ってものを覚えてくれ」


加賀「あら、当然知っているわ。食べられる限界の事でしょう」


提督「そうじゃねえよ!ちったあ遠慮しろってことだよ!
ほら俺の分あげるから、今日はそれで終わりにしてくれ」


加賀「ここは譲れません」モグモグ


大鳳「ガンガンかかってらっしゃい!」モグモグ


提督「……いやホントにそれで最後だからな?他の客の食いモンとったりするなよ?」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:47:53.15 ID:lbcXJvkIo
北上「ぐうぐう」


夕立「提督さん見て見て!あっちでおっきなお魚が空を飛んでるっぽい!」


提督「(どんな状況だよ)おーう、あんまり騒ぐなよー。ほれ北上、こんなところで寝るんじゃねえ」ユサユサ


北上「ぐうぐう」ベシッ


提督「あでっ、起こそうとするといつもこれだ……とりあえず俺の上着掛けときゃいいか」ファサ


榛名「提督、提督」チョンチョン
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:48:31.03 ID:lbcXJvkIo
提督「あん?どうした榛名」


榛名「榛名、提督にお酌をしたいです」


提督「あー、嬉しい申し出だが、今日はもう酒はいいや」


榛名「いえ、そう言わずに受けてください」


提督「いや、今日はこれぐらいにしないとマズ」ガシッ


榛名「提督」ギリギリ


提督「お、おい、榛名?榛名?肩がものすごく痛いんだgフォゴッ」グビグビ


榛名「わあ!さすが提督、いい飲みっぷりです!」


提督「ぶはッ!いやこれ酌でもなんでもねえし!榛名!お前も飲みすぎたクチか!」


金剛「あーっ!ハルナァ!姉の私を差し置いてそんな羨ましいことヲ……トウッ!」シュバッ


提督「げっ」


金剛「テェートクゥーッ!」ガシッチュウゥゥゥ


提督「もごごごもごが」


金剛「……フゥ、どうですかテートクゥ?私のホームメイドリカーの味ハ?」


提督「ホームメイドって……ただ単に口移ししただけだろ……あやうく肺までアルコール漬けにされるところだったぞ……」


夕立「なになに?おもしろそう!夕立も混ぜて混ぜて!」ピョーン


提督「だあああ飛び掛ってくんな!やめろ!」ガッシイ


艦長「がっはっはっは!なんだなんだ、元気な嬢ちゃんだけでなく全員そういう関係か!テートクのあんちゃんはモテモテだなぁ!」


提督「ち、違う!いや一部は違くないけど!いやその一部もカッコカリだけれども!」


金剛「テートクゥー!」スリスリ

榛名「榛名は大丈夫です!」スリスリ

夕立「新しい遊びっぽい!」


加賀「そこの貴方、食べられるものなら何でもいいわ、とにかく持ってきて頂戴」


メシ作ってた人「ひええ、何なんだこの姉ちゃんは」


提督「か、解散!皆食事は終わっただろ!解散!解散だ!」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 22:57:34.93 ID:lbcXJvkIo
  ***


〜4F ブリッジ〜

コツコツコツ


艦長「ん、おお、テートクのあんちゃんか、嬢ちゃん達はどうだよ?」


提督「全員部屋に押し込んでおいた。酔いつぶれた戦艦2人を運ぶのは流石にキツかったな」ゴキゴキ


艦長「海の男が泣き言を言うもんじゃないぜ、それが甲斐性ってもんだろぉが」


提督「そうかもな。しかし、滞在用の部屋まで貸してもらって本当に感謝の言葉も無い。ここでは俺達は右も左も分からないからな。助けてもらわなければどうしようもなかった」


艦長「がっはっはっは。あんちゃんは礼を言うのが好きだな。なぁに、こっちも好きでやってるんだ、気にするない」


提督「……そうか」


ハンス「それより君達はこれから一体どうするんだい?
君達が元いた場所に帰るための手掛かりなんてないのだろう?」


提督「ああ、そのことについて話に来た。艦長、迷惑ついでに提案があるんだが……」


  ***


〜翌日 居住区〜


ガイーン ガイーン


夕立「きしょー、きしょー、皆起きるっぽい!」ガイーンガイーン


大鳳「さあ!艦娘たるもの、行動は迅速に、ですよ!」ガイーンガイーン


金剛「オオオオオゥ……あ、頭に響きマース……」ズキズキ

榛名「榛名、2日酔いには……ま、まけ、まけま……」ガンガン


夕立「もー、みんなねぼすけさんっぽい!もうお昼っぽい!」


北上「もういっそ夕方まで寝ててもいいんじゃない?」グデー
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 23:05:10.35 ID:lbcXJvkIo
夕立「ダメっぽい!提督さんが呼んでるっぽい!」


加賀「……そういえば提督の姿が見えないわね、どうかしたのかしら」


夕立「提督さんは先に行って待ってるっぽい!」


金剛「一体どこにデース?イダダダダ」ズンズン


大鳳「今から案内する場所です。というわけで、理解できたら準備してください!
すぐ出発しますよ!」


北上「うへー」


榛名「は、榛名、全力で参ります……」


 ***


〜B1F 物資搬入口〜


金剛「ここハ……」


加賀「どうやら、最初に私達が降り立った場所のようね」


夕立「その通りっぽい!」


大鳳「ここで待機せよとの提督のお言葉です」


榛名「提督が?」


加賀「それで、その提督ご本人は一体どこかしら」


提督「ここだ」スタスタ


金剛「テートクゥ!グッモーニンデース!」


提督「うむ。おはよう諸君」


北上「げっ、提督完全に指揮官モードじゃん……」


金剛「ゥー、あのテートクにハグすると怒るから苦手デース……」


提督「……よし、全員揃っているな。諸君に集まってもらったのは他でもない、
我々が今置かれている状況と、今後の方針について話す為だ」


提督「まずは現状について。結論から言おう、ここは我々が元々住んでいた世界とは全く別の世界、
即ち『異世界』であると俺は推測する」


金剛「!!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 23:16:24.45 ID:lbcXJvkIo
榛名「そんな……」

加賀「……」


北上「まー確かにそんな感じがするよねー。でも提督はなんでそう思ったのさ?もしかしたら未知の海域とかかもよ?」


提督「理由は大きく三つ。まず一つは、我々の世界にないものがここにはあるという事。
衣食住と見たことのないものだらけだが、特に目に付くのは亜人と死霊だな」


北上「ほうほう」


提督「もう一つは、逆に我々の世界にあったものがここには無いという事。
こちらは特に艦娘と深海棲艦が当てはまるだろう。ここの人々に聞いてみたが、誰一人その存在を知らなかったからな」


北上「なーるほど」


提督「最後に一つ、地理が全く違う。
先程ハンス副長に世界地図を見せてもらったが、我々の知る世界と全く違う地形をしていた。
当然日本も存在していなかった」


加賀「……なんてこと」


提督「よって我々の元いた世界からの支援は期待できそうにない。
そこで、だ。我々の今後の方針だが、しばらくこのタムズに留まり、元の世界に戻るための方法を探していくことにする」


北上「まー妥当じゃない?」


提督「ここはサルベージ船という性質上、人の行き来も激しい。
今いるこの……アクヴィ?エリア以外の情報も手に入りやすいだろう。
しかし、当然このまま何もせずに滞在させてもらうわけにはいかない」


提督「というわけで、情報収集と平行した我々の当面の行動として、サルベージ作業の手伝いをしていこうと思う」


金剛「エエッ!?」


北上「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ提督、私たちそんなことやったこともないよ?」


提督「そこはちゃんと考えてある。我々が請け負うのはサルベージ作業そのものではなく、
サルベージ地点の偵察、作業中の護衛などのサポートだ。遠征とそう変わりはしないだろう」


加賀「どうかしら、やってみないとわからないわね」


提督「うむ、どうあれ我々はここのことを何も知らない。まずはできそうなことからやっていくということだ」フウ

提督「……ってな感じでどうだ?細かいところはその都度決めていくって感じで」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 23:24:43.41 ID:lbcXJvkIo
北上「(あ、戻った)まあーいいんじゃない?」


金剛「私は提督のためなら何でもカモンデース!」フンス


榛名「榛名、任務了解です!」


加賀「……そうね、それはいいけれども、そうなると燃料と弾薬が必要なのではなくて?
私たちに合う補給物資がここにあるのかしら」


提督「いい質問だ加賀さん。その点に関してはこの人に話をお願いしてる」フリフリ


ギア整備士「おお、俺の出番か?こんな別嬪さんに囲まれて話をするのはちょいと緊張するが」


榛名「あの、この方は……?」


提督「この搬入口でギアの整備を担当されている方だ。朝から夕立と大鳳の艤装を調べてもらっていた」


夕立「お手伝いしてたっぽい!提督さん、褒めて褒めて!」

提督「ん、夕立も大鳳もありがとな」ナデナデ

大鳳「あ、ありがとうございます!」パァッ


金剛「グヌヌ……」

榛名「羨ましいです……」


ギア整備士「……あー、話に入ってもいいか?」


提督「ああ、申し訳ない。先程の話をこの子達にお願いします」


ギア整備士「おおよ、嬢ちゃん達の艤装の話なんだがな、とんでもねえことが分かったぜ」


加賀「と言うと?」


ギア整備士「いやな、そこのあんちゃんが言うようにさっきまでそこの娘っ子2人の偽装を調べてたんだがな、
主動力にスレイブジェネレーターが使われてるんだ」


加賀「私たちの……」

榛名「艤装に……」

金剛「スレイブジェネレーターが……って、そのスレイブ何とかってなんなんデスカー?
昨日の話にも出てましたけどさっぱり分からないデース」


提督「う、実は俺もあんまり詳しいことは……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 23:35:21.49 ID:lbcXJvkIo
ギア整備士「はは、まあ無理ないわな、日常的に使ってる俺達にだってあんまり分かってねえんだ。
分かってることといったら、鋼鉄の巨人、ギア・アーサーをも動かせる高出力と、
エネルギーが枯渇しそうになると一定量のエネルギーがどこからか充填される、ってことぐれえだ」


提督「……まあ、超すごい擬似永久機関ってことか」


加賀「そのエンジンが私達の艤装に搭載されている、と?一体何時からなのかしら」


ギア整備士「他の嬢ちゃんのは調べていないからわからねえが、少なくともそこの2人のにはな。
しかも見たことねえ程に小型化された奴だったぜ」


提督「という訳なんで、まずは全員の艤装にスレイブジェネレーターが搭載されているかのチェックから始める。
もし全員についていれば最高だな。それだけで燃料の心配がなくなるんだから」


大鳳「それにしても、一体何時の間に変わっていたんでしょう?全然気づかなかったわ」


提督「さあな、その辺もおいおい調べていかなきゃならないだろう。
さて、他に質問はあるか?」


北上「はいはーい」


提督「なんだ?」


北上「燃料のほうはともかくとしてさー、弾薬はどうすんの?流石にこっちは替えが利かないでしょー」


提督「それに関してはギア用の物を流用できないかと思ってる」


北上「それって大丈夫なの?無理があると思うけど」


ギア整備士「いや、そうでもねえぞ。どうやら弾薬の基本構造はほとんど同じらしくてな、
口径さえ合えばあとは何とかできるかも知れん」


加賀「私達の艦載機はどうなるのかしら?こちらに同じものがあるとは思えないけど」


ギア整備士「あー、緑色の嬢ちゃんの装備にあったヤツか。あんなのは流石に見たことねえな」


提督「現状ではどうしようもなさそうだし、そっちはとりあえず保留にしよう。
さて、そろそろ作業にかかるか。戦艦2人は艤装を見てもらってくれ。
残りは俺と一緒に使えそうな弾薬のチェックだ。では、あとはよろしくお願いします」


ギア整備士「おお、任しときな!ほら嬢ちゃん2人はこっちだ。そこに艤装置いといてくれ」


金剛「エェー、テートクもこっちで私の艤装見て下サーイ!私から目を離したらノーデース!」


提督「こっちはこっちでやることがあるんだよ。ちゃんとできたら褒めてやるから、2人だけでやってくれ」


金剛「!!よろしくお願いしマース!」フンフン


榛名「榛名、全力で参ります!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/23(土) 23:50:52.76 ID:lbcXJvkIo
  ***


〜B2F ドック〜


北上「で、結局全員の艤装に載ってたね。スレ何とか」


加賀「スレイブジェネレーターよ、自分の艤装の事はしっかり把握しておきなさい」


北上「えー、名前なんてどうでもいーじゃん、大事なのは使えるかどうかっしょー」


夕立「その通りっぽい!どんな名前でも敵を倒せればそれでいいっぽい!」


加賀「よくありません。いつも言っていますが、軍の規律を守るためにも決められたことはしっかり守らねばなりません。
正しい名称を覚えることもその一つです」


北上「相変わらず固いなー。やることはしっかりやってるんだからいいでしょー?
大体、こんな状況じゃ軍も何もあったものじゃないんじゃない?」


加賀「そんなことはありません。こんな状況だからこそ……」


大鳳「もう、2人ともやめて下さい。これから全員で試験航行に出る所なんですよ?
こんな事では不足の状況に対応し辛くなってしまうわ。金剛さんも榛名さんも何か言ってください」


金剛「エヘヘ、テートクの手が、テートクの手の感触ガ……」ツヤツヤ

榛名「榛名、こんなことされても、十分なお返しできません……」ホクホク


夕立「これはダメっぽい。完全にトリップしてるっぽい」


大鳳「ああ、先が思いやられるわ……」


提督『あー、あー、テステス、皆聞こえるか?』


北上「ん、提督じゃん。聞こえてるよー」


提督『北上か。他の皆はどうだ?』


金剛「提督の素敵なボイス、しっかり聞こえてマース!」

加賀「問題ないわ」

榛名「榛名も大丈夫です」

大鳳「こちらも聞こえています、提督」

夕立「夕立も聞こえてるっぽい。けどこれ耳がくすぐったいっぽい」


提督『よし、全員良好だな。こいつはこの世界の通信機らしくてな、艦長に頼んで貸してもらった。
夕立には悪いが、しばらくの間は出撃中の通信はそのヘッドセットで行う』


北上「それはいいけど、今まで使ってたやつはどうなったのさ?」
396.41 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)