ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2.5(まど☆マギ×禁書)

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222 :全知全能の神未来を知る金髪王子様の須賀京太郎様 [二次元美少女達は金髪王子様の須賀京太郎様の嫁]:2017/03/25(土) 06:18:22.02 ID:0sbE9dhi0
長編乙安価スレだったらチョンのQB来世基地外(`艸´;)チョンバナナマンズラ
223 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:15:54.58 ID:34/MwJ0P0
それでは今回の投下、入ります。

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>>221

ーーーーーーーー

「失礼します」

又、練習室のドアが開き、恭介は聞き覚えがある声だ、と首を傾げる。

「………ハルカさん?」
「アウラちゃんっ?」

入場者を見て、恭介とアリサは口口に声を上げた。
そこに現れたのは、
奏遥香とシャットアウラ=セクウェンツィアの二人だった。

「今晩は、上条君。聞かせてもらったわよ。
上条君に、鳴護アリサさん。素晴らしい音楽を有難う」
「有難うございます」

遥香と恭介、アリサが握手を交わす。
大人びた長身の美少女に、
ライトブルーのドレスがよく似合っていた。
224 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:22:17.50 ID:34/MwJ0P0

「シャットアウラ=セクウェンツィア、私の姉さん」
「シャットアウラ=セクウェンツィアです」

アリサの紹介に、シャットアウラがぼそっと言って一礼する。

「お姉さんも音楽を?」
「うん。洋楽なら今でも私より上」
「元々、シャットアウラは私の身近で働いている。
奏ハルカの事はこちらの情報ルートで知って、
彼女が演奏すると言う所に人を派遣して、
見極めとスカウトをやらせた次第よ」

その間に、遥香とシャットアウラは僅かに目と目で通じる。
遥香が、練習室のピアノ椅子に着席し、とんとんと鍵盤を鳴らす。
シャットアウラが、その側に直立する。

「Attention please」

ドレミファソラシドの後の遥香の一声に、アリサは少しぎょっとしたが、
恭介の表情を見て「舞台」の二人に視線を向ける。
ここで遥香が弾くのは、やはりジャズ・スタンダード。
恭介は頬を紅潮させ、ほうっと息を吐く。

今の状態で、音楽に関してアリサは身贔屓で物は言わないだろう、
とは恭介も思っていたが、
今流暢な原語で歌っているシャットアウラの水準は間違いなく高い。

そして、遥香のピアノ演奏と溶け合いながら高め合う。
恭介としては本来畑違いなのだが、
今、自分がいいものを聞かせてもらっている、その事は十分理解出来る。

今は、かつてSFアニメEDにも使われた
太陽系なラブソングに暫し聞き惚れる。
225 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:27:47.01 ID:34/MwJ0P0

ーーーーーーーー

パチパチと響く拍手の中、奏遥香とシャットアウラが一礼した。

「素晴らしかったです」
「有難う」

近付いた恭介は、まず、顔見知りの遥香と言葉を交わす。

「シャットアウラさんの歌も、素晴らしかったです」
「ああ、有難う」

シャットアウラの雰囲気はやや儀礼的ではあったが、
それでも、握手は拒まれなかった。

「アウラちゃん、良かったよ」
「ああ。まあ、なかなかアリサみたいな訳にはいかないが」
「ううん」
「アリサさんのお姉さん?」

恭介が聞くともなしに口を挟む。

「うん、二卵性双生児なの。
色々事情があって小さい頃は全然別々に育って、
一緒になったのは割と最近だから」

恭介もアリサが施設で育ったと言う事は聞いた事がある。
根本的にフルネームが丸ごと違う点も含め、
余り立ち入るべきではない、と言う事は理解出来た。

「本当はベースも上手なんだけど………」
「流石に、金を取るだけの準備は出来ないよアリサ」

シャットアウラは不愛想、ぶっきらぼうな所はあるが、悪い人ではない。
天真爛漫なアリサとは好対照であり、
それで姉妹仲は良好らしいと恭介にも察せられる。
そう見ると、ますます親しい友人の友人でもある
身近なクラスメイトを思い出したりもする。
226 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:33:07.28 ID:34/MwJ0P0

「上条君」
「ああ、ハルカさん。さっきの演奏、良かったです」

「うん、有難う。上条君と鳴護アリサのコンサートも素晴らしかったわ。
出来る事なら、私も一度、彼女とも合わせてみたいものね」
「僕も、聞いてみたいです」
「有難う。別々のパートになりそうだけど、
エンデュミオンでのコンサートも期待してる」

「ハルカさんも、あの歌とハルカさんのピアノ、楽しみです」
「有難う。頑張りましょう、お互いに」
「はい」

遥香が手を伸ばし、恭介がその手を握る。
そして、遥香が左手を出して、手に手を取っていた
恭介の胸を直撃して余りある眩い笑顔と共に。













これは












227 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:38:48.39 ID:34/MwJ0P0





少し強気な







普通の少女










奏遥香の









物語








228 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:42:09.84 ID:34/MwJ0P0

 ×     ×

オービット=ポータル社のトップルームで、
レディリー=タングルロードは
PCのデスクとホロスコープを行き来していた。
部屋は展望仕様であり、その設備は天文台にも等しい。

「エンデュミオンにはセレネの竪琴を授けましょう」

ホロスコープの上にはいくつものカード、写真入りカード。

「何もない、相変わらず曇り一つない」

ホロスコープを見ていたレディリーが結論を言った。

「それでも、法則の変わる場所で、
少しでもそれに近い者達が奏でる竪琴が奇蹟の歌と出会うとしたら?」

言いながら、レディリーはカードを移動する。

「あれは、何だったのか?
本来の配置を行う事はヴァルハラの門を開く、とでも言うのか?」

同じ位置に並べ替えたカードを、少しの間注意深く観察する。

「だが、やはり、何もない。何の問題も無い。
光り輝く幸せに満ち足りた世界が続くばかり。
科学にせよ魔術にせよ、現実的に大きなリスクは丸で見えない。
そして、マギカも、私達自身が及ぼしたリスク以外は。
そして、それすら容易に修復されている模様」

レディリーが、ぐしゃぐしゃとカードをかき回す。
229 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:45:45.11 ID:34/MwJ0P0

「では、何を感じた? 只の自意識過剰?
じゃあ、あのヴァルハラは何だと言うのだ?
私ほどの魔術、そして、あの高度な性能のマギカにすら、
形あるものは片鱗すら掴ませない。
それ程に高度な隠蔽が存在する、とでも言うのか?
それが出来るとするなら、
魔術、マギカすら……いや………」

レディリーは、ホロスコープから顔を上げた。

「だとすると、そんなものが私達に察知出来るものか、
例え違和感の欠片であってもだ。
もし、だとするならば、
そうなる程に不安定な何かが起きているとでも言うのか………」

少しの間考え込むレディリーだったが、
程なく、にいっと口角を上げていた。

「まあいい、あなた達の大好物を携えて、
これより天上に使わそう。
わざわざこれを、これ程に優れた星の流れを壊そうと言う程、
Mな趣味は持ち合わせていない。
では何なのか、不安の源を見せてもらおう」

ホロスコープの中央に、一対の写真が並べられた。

「それはマギカの素質でもあるのかしらね?
その輝きは、丸でアポロンの加護。
そして、一対の、丸でアルテミスの様に」
230 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:49:09.69 ID:34/MwJ0P0

ーーーーーーーー

いで………

ないで………

かないで………

「まどかっ!!!!!」

暁美ほむらは、叫びと共に跳ね起きた。

「何?」

真っ暗な部屋、一人暮らしのいつものベッド。
寝起きでぐちゃぐちゃの頭の中で現実のピースをはめ直す。
そして、自分の両方の頬がつーっと濡れている事に気づく。

「嫌な夢でも、見たのかしら?」

ほむらは一人ごちるが、それでも、覚えてもいない悪夢の後遺症なのか、
僅かに呼吸が弾んでほろほろと涙が溢れ、寝汗も気持ち悪い。

ぐいっとパジャマの腕で顔を拭うと、
一人暮らしの気楽さでそのままシャワールームに直行して
全身まとめて諸々洗い流す。
231 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:52:45.97 ID:34/MwJ0P0

一息ついて、温かなベッドに入る。
ほむらは改めて考える。嫌な夢でも見たのだろうか。
あんな誘拐事件があり、そして、ごたごたと危うい事があれば、
悪夢の一つを見ても仕方がない。

レディリーは、まどかを家族ごと人質にした、
その事に就いて、未だ何の保証もされていない。
只、何も起きない状態が続いているだけ。

美樹さやかの大事なコンサートも終わった、
そろそろ抜本的な事を考える時期だろう。

「何だったんだろう?」

ほむらは、ふと思い出す。
旧あすなろ工業団地での救出作戦の一幕。
何者かの襲撃の結果、詩音千里と成見亜里紗が危険な状態となり、
そんな中で、まどかが、

「………」

ほむらはガバッと布団を被り、
脚の動きに合わせてバタバタと掛け布団が跳ね上がる。

「まどか」

すっ、と、布団から目だけを出したほむらが口に出す。
232 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:56:05.59 ID:34/MwJ0P0

「まどか、美樹さやか、マミ先輩、佐倉杏子………」

みんな、大事な友達であり仲間。
時には共に死地を潜り、背中を任せ、
楽しい日常を共にする大切なみんな。
それを壊そうと言うのなら、
決して譲らない。それは今のほむらにとって余りにも当たり前の事。

「まどか、の、家族………」

お邪魔した事があるが、温かな家族だった。
それを、仲間の友達の家族を魔法少女の抗争に巻き込むと言うのであれば、
仲間として友達として、全力で守り抜く。
それは当然の事、と、ほむらは心の内で確認する。

そして、ほむら自身の事も
そろそろ両親の準備も整う、また、家族一緒の生活になる。
まだまだ人恋しい年頃にそれは嬉しい事ではあるが、
では、魔法少女の方はどうするか?

まあ、過去には何とかして来た訳だからどうにかなるが、
気楽な一人住まいにも慣れた手前、考えなければいけない。

そうだ、全ては上手くいく。
レディリーの事も、不安ではあるが実際はそうでもないかも知れない。

実際に、魔法少女、自分の知っているグループだけでも、
この勢力をこれ以上怒らせる程レディリーは馬鹿ではない。
単純な理屈だが説得力はある。

もう少し、気楽に考えてみよう。
暁美ほむらは、輝く明日に向けて呼吸を整える。
静かな寝息を立て始め、もう、悪夢は見なかった。

ほむら「幸せに満ち足りた、世界」

第二部―了―

第三部に続く
233 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [saga]:2017/03/26(日) 01:59:45.13 ID:34/MwJ0P0
==============================

後書き

ここまでお読みいただいた読者様に御礼申し上げます。

この進行具合は言い訳の種も尽きた状態で、
只、申し訳ありません。

せめて昨年末に第二部だけでも、
と思いつつ個人的に力尽きました。

最初から三部構成の予定で現状変えるつもりもないのですが、
この手の予定を言って当たった試しがない、と言うのも
私の場合実際ですのでその辺りは。

今回はここまでです>>223-1000
続きは折を見て。
234 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [sage]:2017/04/24(月) 12:59:06.20 ID:mFj0ahpg0
生存報告です
235 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [sage]:2017/05/20(土) 01:49:36.94 ID:4xW2/Nn80
生存報告です
236 :幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc [sage saga]:2017/06/05(月) 22:44:13.53 ID:DRD62RRt0
第三部開始に就き
次スレに移行します。

ほむら「幸せに満ち足りた、世界」3(まど☆マギ×禁書)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496667140/

それではHTML依頼行って来ます
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:12:46.39 ID:U+4dJS0M0
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