他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2.5(まど☆マギ×禁書)
Check
Tweet
202 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/20(月) 02:43:30.04 ID:iAJJyARm0
「あなた達の考えも分かるけど、
向こうはこちらの手の内を、魔法少女と言うものの事も知ってる。
私があちらの立場なら、遠くからマスターの異常を察知出来る伏兵を仕込む。
いつだって、自分が優位な立場にいると思い込むのは禁物よ」
「じゃあ、引き下がるって言うの? ここまでされて?」
諭すマミに噛み付く華々莉。
ほむらも、決して心から納得した顔つきではない。
「レディリーは言っていた、単純戦闘力ではこちら側が上でも、
戦争になったらあちら側は社会的な力を使う事も出来ると。
そして、その単純戦闘力でも、
こちら側が即座に仕留める事が出来る程の優位ではない」
「そうだね」
マミの言葉にさやかが続いた。
「あたしも妙な奴と戦ったけど、
魔法少女の剣と戦って時間稼ぎが出来る程度には強かった」
「暁美さんはどうだったかしら?」
「私は、変身前に不意を突かれた。
あの救出でギリギリまで魔力を使えなかったし」
「でも、素人ではない」
ほむらの言葉に、織莉子が続く。
「こちらの出方を読んで奇襲が出来る時点で、
スポーツ競技ではない局地戦ではこちらの負け。
あのレベルの相手と「戦争」をするとなると、
魔法少女でもちょっと厄介ね。
時間を稼いでいる間に社会的な力を使う、
と言うのが本当なら尚の事リスクは高い」
織莉子の言葉に、マミが小さく頷いた。
203 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/20(月) 02:46:54.50 ID:iAJJyARm0
「冗談じゃないっ!」
激したのは、やはり華々莉だった。
「あいつら、ツバキに手を出したんだ。
そして、まともな説明一つ聞いていない、
今後同じ事をしないって保障はどこにもない。
魔法少女って存在そのものに喧嘩売ってるんでしょ?
表の法律が通じない事なら、全部吐かせて八つ裂きにして
他の誰かが二度とこんな事する気にならない様に
見せしめにしてやるのが当たり前なんじゃないのっ!」
「まあー、それがあたしらの筋ってモンだよな」
「………やるならいつでも」
華々莉の言葉に杏子と天乃鈴音が肯定を示した。
==============================
今回はここまでです
>>196-1000
続きは折を見て。
204 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:10:52.40 ID:4JAsB1wn0
それでは今回の投下、入ります。
==============================
>>203
「まどか?」
マミルームでの会合中、気が付いたのは美樹さやかだった。
「大丈夫?」
「大丈夫鹿目さん?」
「う、うん、大丈夫」
いつの間にか、青い顔でうつむいていた鹿目まどかに
美樹さやかと巴マミが声を掛け、まどかが返答する。
「やっぱり、決着つけないといけないかしら」
言ったのは暁美ほむらだった。
「あいつらは、まどかと、まどかの家族を人質にした。
そういう手段を選択肢として持っている。
そうであれば、やっぱり元凶を断ち切る必要がある。
レディリーを信用する理由は無い」
「そう、なんだけど………」
ほむらの言葉に、まどかが歯切れ悪く言う。
「いいよ、まどか、言いたい事言っちゃって。
今、ここでまどか怖がらせるって言うんなら、
それはあたしが許さない」
さやかの言葉に、まどかが小さく頷く。
「わたしは………
これ以上、事を荒立てたくないって言うか………」
「カガリ」
美琴椿にふんわり声を掛けられ、
一瞬まどかに噛み付きそうになった日向華々莉がそっぽを向く。
205 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:16:21.56 ID:4JAsB1wn0
「心配なんだよね。パパやママやタッくんの事」
さやかの言葉に、まどかは小さく頷き、俯いた。
「そう………理屈で言えば、この状況では、
そうであればこそ徹底的に叩いて二度とこんな事がない様に
向こうから納得の行く結果を出させるべきなんだけど、
でも、まどかの言いたい事も分かる」
「ありがとう、ほむらちゃん」
「そうね」
そして、マミが引き取る。
「私は、今は様子見で構わないと思う。
レディリーの側も私達との衝突と言う事ではギリギリの状態で、
どちらかがこれ以上突っ込んだらどっちが勝っても命に係わる大損害。
その現実を理解していると思う」
「だから、これ以上は手出しして来ないと?」
殺気と共に尋ねる華々莉にマミが小さく頷いた。
「単純な武力ではこちら側に分があるかも知れない。
だけど、「戦争」と言う意味の
知略と社会的な総合力を加えると多分、向こうの方が上。
私達が勝つとしたら、レディリー一点を狙って、
殺すつもりで一直線の頂上作戦を仕掛ける。
それぐらいの事をしなければ泥沼の消耗戦になればどんどんまずい事になる。
それでもやる、と言うのなら………」
美国織莉子の分析を前に、意気上がると言う事は無い。
「レディリー=タンクルロード、どんぐらい怖いんだかね」
そう言って、佐倉杏子はパキッ、とチョコ菓子を口でへし折った。
206 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:22:02.86 ID:4JAsB1wn0
「科学の学園都市の経営者」
マミが答えた。
「飛び級の天才研究者として宇宙工学の分野でも高い評価を受けていながら、
その実践のために投資ファンドを率いて
巨万の富を得てオービット=ポータル社を買収。
科学の学園都市の中でも宇宙開発を中心に
最先端の研究開発を進め、それを利益に繋げて
経営者としても一大勢力を築き上げているマルチな天才少女。
彼女は只のお飾り、下手すると宣伝用のホログラムなんて
都市伝説が出来るのも納得の経歴だけど」
各種情報を集めたほむらがお手上げした。
「少なくとも、物騒な手段を直接実行した、って事は確かだね」
成見亜里紗が口を挟んだ。
「シビル、って言ってた。私の星を見た、って」
「ギリシャ占星術ね、占星術師を名乗っていると言う事」
まどかの言葉に、美国織莉子が反応する。
織莉子自身の能力の関係上、
関心を覚えて占い一般の基礎知識を頭に入れている。
「魔術サイド」
ぼそっと言った美琴椿の言葉に、マミが頷く
「それって? ………」
「私達とは別系統の、
昔からの物語や言い伝えの魔術、魔法とでも言えばいいかしら。
別系統と言っても、魔法の論理構造が全く別、でもないみたいだけど」
亜里紗の疑問にマミが応じた。
207 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:28:02.66 ID:4JAsB1wn0
「私達にしても、一般には知られていない存在。
だったら、そういうカテゴリーが私達以外にあるのも理論的には頷ける、
そして、存在している。そういう事ね」
織莉子が補足する。
「普通は、私達とは何となく住み分けて別世界の存在。
私達魔法少女としても、ある程度経験を積んだら
なんとなく実在している事が耳に入る程度の存在の筈なんだけど、
どういう訳か、今回は向こうから出て来た」
「魔術サイドが私達に喧嘩売りに来たって事?」
「筋目から言えばそういう事になる」
マミの説明に華々莉が食い付き、マミも肯定する。
「レディリーはマギカと言う言葉を多用していた。
確かに、マギカは私達の正式名称でもあるんだけど、
同時に、だからこそ、自分達との混乱を避けるために
魔術サイドの人間が私達を指す際によく使うとも聞いてる」
直接レディリーと交渉したマミの言葉に、他の面々も耳を傾ける。
「科学に、魔術まで出て来たって」
「あの、あすなろで戦った魔獣はケルベロスにヒュドラ、
その召喚術式も地下室にあった魔法陣も、
ギリシャ占星術のホロスコープやゴエティア系の術式。
レディリーが魔術サイドに関わっているのは確定でいい。
科学も最先端まで行くと、むしろ魔術に交わるものなのかも知れないわね。
古に錬金術から科学の基礎への至った
その道の優秀なシビルだからこそ、応用も効く」
吐き捨てた杏子に織莉子が言った。
208 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:34:25.73 ID:4JAsB1wn0
「じゃあ、あれも魔術サイド………」
詩音千里が、考え込む形で呟いた。
「ヒュドラ、ケルベロスとの戦いで建物の外に追い出された後、
私達は不審な者に声を掛けてあんな状態になりました」
「どんな相手だったの?」
千里の言葉に、マミが尋ねた。
「それが、全然覚えてないんだわ」
亜里紗が答える。
「私もです。私は気が付いたら瞬時に
あすなろタワーまで吹っ飛ばされていましたから。
最初は敵方の魔法少女かと思って声を掛けたんですけど、
今考えると、あれは魔術サイドなのかも………」
千里が続けた。
「じゃあ、これから、
その魔術サイドと私達がぶつかるって事になるの?」
「もう、完全に衝突して宣戦布告終わってるよ」
さやかの言葉に、華々莉が憮然とした表情で言う。
「ええ、確かにその通り。
それでひとまず休戦、と言う段階になるかどうかね。
只、レディリーの動きが魔術サイドの総意とも思えない。
魔術サイド自体はワルプルギスの時も出没していたし
こちらで全体像まで分かっている訳じゃないけど、
今回の件は魔術サイドの中でも
レディリーの動きが余りにも突出してる」
「うん、確かにあの時そういう人達はいたと思う」
マミの言葉にさやかが続いた。
209 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:38:39.79 ID:4JAsB1wn0
「そうですね………」
そこで口を開いたのは、美琴椿だった。
「巴さんの言う通り、少しの間様子見をしましょう。
その間に向こうから連絡があればその時。
その間、各勢力間の定時連絡と異変に関する連絡の徹底。
今はこの線で収拾するのがいいと考えますが」
「私は、それでいいと思います」
椿の提案にマミが応じた。
「異議があると言うならここで申し出て下さい。
具体的な反論が無くても構いません。
裏で方針を無視されるのが一番困りますから、
反対すると言うならその意思を示して下さい」
「私は、それでいいよ。
今すぐにでもプレイアデスとレディリーをシメて白状させた方がいい。
私はそう思うけど一人じゃ無理そうだし、
ツバキが………方針がそうなら私も従う」
「ありがとう」
織莉子の言葉に華々莉が言い、椿に声を掛けられて華々莉は下を向く。
210 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:42:31.02 ID:4JAsB1wn0
「私も、今回はそれでいい、現実的な提案だと思う。
あなた自身の考えは? 美国織莉子」
「私自身の考えを言うなら、総力戦でレディリーを抑えて
強制的に事のあらましを喋ってもらう。
多くの魔法少女が誘拐された事に対して何一つ真実が見えない以上、
本来であればそれをするべきである、と考えていました。
但し、それをやるにはここにいる実質的な同盟軍の総意が必要。
現実問題としてその合意を得る事が困難である上に、
私達の総力を挙げてもリスクの大きな戦いになる。
やるべきかも知れないけど、それは今じゃない。
今は警戒しつつ経緯を見守る、それが私の結論です」
ほむらの問いに、織莉子が答える。
「私は、織莉子が頷くなら喜んでその戦場に立たせてもらうよ」
「有難うキリカ。この事件ではあなたが攫われた。
それが取り返しのつかない事になっていたら、
私は一人でも彼女達を終わらせていた。
だけど、そうじゃなかったならば、決して無駄には出来ない」
織莉子と目が合ったまどかは、
さやかに一度視線を向けて、そして小さく頷いた。
「じゃあ、方針は決まった、と言う事でいいわね?」
「異議なし」
マミの問いに対して、大きな声ではないが、
少なくとも明示と黙示でその意思は統一されていた。
211 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:45:56.07 ID:4JAsB1wn0
ーーーーーーーー
「なんか、色々大変だったね」
帰り道、さやかが口を開く。
「取り敢えず、落ち着く所に落ち着いたけど、
正直、今だけはちょっと全面戦争やりたくなかったし。
助けてもらってなんとか間に合ったから」
「間に合った?」
さやかの言葉を、ほむらが少し訝しむ。
「コンサートだよね」
まどかが言い、さやかが眩しい笑みと共に頷いた。
「上条恭介、そうだったわね」
「そ、今週末。いやいや、ここまで色々あって、
誘拐されて寝てる間に終わってました、とか言ったら、
多分あたしプレイアデスとレディリーの首取りに行ってるから。
………こんな時に、勝手言ってるよね」
「そうね」
さやかの言葉に、ほむらが応じる。
「魔法少女の命懸けの恋だもの。
それは全てに優先して勝手を通すものじゃないの?」
「真顔で言ってくれるよ」
「ウェヒヒヒ」
「まどかーっ」
苦笑いするまどかに、さやかが抱き着いた。
「うん、まどかが無事で良かった。
恭介の事も大事だけどさ、まどかと家族が人質になったって聞いた時は、
さすがにあたしもキレたからね。
当然、あいつらの事を許した訳じゃない」
「当然ね」
真面目な顔になったさやかに、ほむらも応じる。
212 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:49:26.34 ID:4JAsB1wn0
「ありがとう、さやかちゃん、ほむらちゃん」
「いつかは、近い内に決着をつける。だけど、それは現実的にやる。
大切な人の命が懸かっているなら尚更、それだけの事よ。
もし、この上何かあれば容赦はしない」
「当然」
ほむらの言葉に、さやかも続いた。
「平和に、終わればいいんだけど」
「優しいなーまどかは。うん、もちろんそれはそうだよ」
「私もそう願ってる」
ーーーーーーーー
「美樹さやか」
「ん?」
まどかを自宅まで送ってから、
ほむらはさやかに声を掛けていた。
「付き合い長いのね」
「まあね、まどかがこっちに転校して来て以来だから」
「そう」
「あー、妬いちゃったかなー転校生?」
「目と目で通じ合う、志筑仁美の言葉を思い出しただけよ」
「そうだよー、あたしは不思議ちゃんだよー」
ふふっと笑ったほむらを、さやかはストレートに魅力的だと思った。
なんとなく、分かる。ほむらはまどかを大事にしている。
だからこその空回り、まどかのため、
と思っても慮れなかった部分が不甲斐なかった、と言うほむらの気持ちも。
互いに自分に無いものを持っている。そして、まどかを大事に思っている。
だから、少なくとも今のこの局面で余り自信を失くして欲しくはない。
「とにかく、昨日からあれやこれやで正直眠いわ。
魔獣狩りのペース取り戻すまで、一休みするよ」
「同感ね。じゃあ、くれぐれも用心して」
「お互いにね」
「無事、愛しい人のコンサートを鑑賞できる様に」
にっこり笑ったさやかを、ほむらはストレートに魅力的だと思った。
213 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/22(水) 03:52:33.04 ID:4JAsB1wn0
× ×
その夜、ホオズキ市内の新聞販売店二階の部屋で、
天乃鈴音はスマホを操作していた。
床に腹ばいになり、イヤホンを差してネット動画を視聴する。
「………続きまして………ヴァイオリン、上条恭介………」
配信されているのはコンサート中継。
まだプロと言うには駆け出しだから宣伝優先の無料配信。
辛うじて時を共に出来る、と言う程度の動画配信。
直接見に行きたいのはやまやまでも、
販売店住まいの勤労少女には敷居が高い。
案内が終わり、旋律が、そして歌声が鈴音の心に染み渡る。
コンサートの主役は、新進の女性シンガーだった。
彼女はまだ十代、つい最近まで全くの個人活動と言って良かったが、
ネットでの好評の後押しもあって、路上からメジャーに一歩踏み出した。
今日のコンサートは、軽音楽からクラシック、和風まで、
そんな彼女と若干の段階を経て集められた各分野のジュニア世代が
コラボレーションすると言うやや色物的にも見えるコンサートだったが、
その企画に誘われた皆々には、色物臭を吹き飛ばすだけの真摯さと力があった。
普段は、自分でキーボードの弾き語りで歌っている曲だが、
今日はオルガン、そしてヴァイオリンの演奏と共に
しっとりと、そして伸び伸びと歌っている。
クラシック出身の演奏二人の正装に対して、
下品にならない程度のカジュアルさも
歌と共に彼女らしさ、と言えるものだった。
==============================
今回はここまでです
>>204-1000
続きは折を見て。
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/03/22(水) 09:15:34.96 ID:7vEPLo8PO
まだやってんのかよこれ
まどマギキャラを踏み台にする糞クロスSS消えろ
215 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 02:51:29.84 ID:X6/HCBTI0
まずは訂正です。
×レディリー=タンクルロード
○レディリー=タングルロード
このスレに入ってから、
いつの間にか間違えていましたすいません。
それでは今回の投下、入ります。
==============================
>>213
ーーーーーーーー
「恭介っ!」
コンサート会場となったホールのエントランスで、
上条恭介は馴染み深い声を聞いた。
「さやか」
「うん」
満面の笑みで自分を迎える幼馴染の女の子。
そんな愛しい相手に、恭介も優しい笑みを以て応じる。
「上条君」
「志筑さん、みんな、来てくれてありがとう」
そのさやかの側から恭介に熱い眼差しを注ぐ
深い知り合いのお嬢様と言葉を交わし、
恭介は改めて奏者としての礼を示す。
216 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 02:56:33.10 ID:X6/HCBTI0
「こちらこそ、素晴らしい演奏を有難う」
「ウェヒヒヒ」
丁重に一礼したのは、割と最近恭介のクラスメイトになった
長い黒髪が印象的な転校生暁美ほむら。
そして、その側で屈託なく微笑むのは、
こちらはほむらと仲が良く、小学生時分から
さやかを通じて恭介の友人でもある鹿目まどか。
「やっぱり、恭介だよね。
なんて言うか、感動しちゃった」
元々、花より団子を地で行くタイプのさやかは、
クラシックに詳しいとは言えない。
それでも、恭介のヴァイオリンが好き、と、
今ではてらいなく言ってくれるし、恭介もそれを心から嬉しく思う。
「素晴らしい演奏でした。クラシックではないもので、
少し心配しておりましたが杞憂でしたわね」
「そうだね。歌も素晴らしかったし、
その土俵で精一杯、満足出来る演奏だったと思う」
「堪能させてもらったわ」
クラシックに嗜みのある仁美と恭介が言葉を交わし、
そこにほむらも一言加わる。
恋人の友達の友達と言うのか、
クラスメイトなのは別にしても全くの他人ではない、
と言うのが恭介から見たほむらなのだが、
こうして見ると落ち着いた、少し大人びた美少女と言う事になる。
男として食指が動く訳ではないが、それは素直な感覚だった。
「それじゃあ、僕はこれで」
「うん、お疲れ様」
さやかがにへらっと笑い、恭介とこん、と拳を合わせる。
仁美とも同じ仕草をして立ち去る恭介。
エントランスで幸せ馬鹿全開な二人の乙女を、
ほむらとまどかは生暖かく見守っていた。
217 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 03:07:52.83 ID:X6/HCBTI0
ーーーーーーーー
「やあ、上条君」
「どうも」
ホール通路で恭介が落ち合ったのは、
今回のコンサートのプロデューサーだった。
二人は、そのまま近くの練習室の一つに移動する。
「恭介君」
「アリサさん」
少し遅れて部屋に現れたのは、
今回のコンサートのメインシンガー、鳴護アリサだった。
「今日はありがとう、素晴らしい演奏だった」
「こちらこそ、あの歌と演奏出来て光栄です」
アリサは屈託のない笑みで恭介を賞賛し、
そのまま、舞台を共にした者同士両手で握手する。
恭介から見たアリサは、例え駆け出しでも、自分とさほど歳が変わらなくても、
自分の音楽で自分の道を切り開き始めた力強い音楽家であり、年上の女性。
恭介の感覚では、そんなアリサは一歩も二歩も前を行く眩しい存在であり、
そして自分がまだまだ子どもだと自覚させられる。
そんな恭介が縁あってコンサートに選抜されて出会った後、
アリサはその天真爛漫さと音楽への真摯さを以て、
こうやって恭介の側に屈託なく飛び込み、
恭介もそのペースに気持ちよく乗せられていた。
「それで、私と、恭介君も呼ばれたのは?」
アリサがプロデューサーに確認する。
後で施設育ちの癖だとも聞いた、
敬服するプロシンガーであり魅力的な年上の少女から
出会って早々の頃からこうやって呼ばれた事に、
恭介も初めの頃は些かこそばゆく感じたものの、それもすぐに慣れた。
アリサはそういう少女だった。
218 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 03:13:58.99 ID:X6/HCBTI0
ーーーーーーーー
「用があるのは私」
練習室のドアが開き、新たな入場者がそう発言する。
その様子を見て、恭介は首を傾げていた。
入って来たのは一組の紳士淑女。
そして、その真ん中に一人の女の子。
彼女の服装は暗い紅を基調としたゴシックロリータとでも言うのか、
しかし、それはコスプレと言った下品さがなく、
クラシックコンサートでも大きな違和感のないものだった。
「レディリー!」
その姿を見て、アリサが声を上げる。
その間にも、三人組はツカツカと恭介に近づき、
女の子が真正面から恭介を見上げる。
整った顔立ちと服装も相まって、何かお人形さんに見上げられている様な、
恭介はそんなホラー染みた感覚を覚えていた。
「ブラボー」
それが、恭介に向けられた第一声だった。
可愛らしさを秘めた、澄んだ声だった。
「素晴らしい演奏だったわ、ジャンルの違いもそうだけど、
強いて争う事なく、混然一体となって「奇蹟の歌」を引き立てた」
「有難う」
すっ、と、手を差し出され、
子ども向けの笑みを作りながら恭介はレディリーの手を取る。
だが、内心では息を飲んでいた。
アリサの歌は、今の自分には捉まえ切れない。
じゃあどうするか? 自分の出した今の答えを的確に読まれた気がした。
レディリーの目配せを受け、紳士が恭介に名刺を差し出す。
219 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 03:19:10.12 ID:X6/HCBTI0
「レディリー=タングルロード?
オービット=ポータル代表………」
「えーと、恭介君」
アリサが、少々言い難そうに口を挟む。
「真面目に聞いてね」
「はい」
恭介はきょとんとする。確かにアリサは朗らかな少女だが、
今は恭介から見て年上、格上の音楽仲間に他ならない。
真面目な場面では真面目な話なのは当然だ。
「この子、こちらはレディリー=タングルロード。
科学の学園都市の住人で、いわゆる天才少女。
飛び級で大学院まで出て宇宙工学と経営学をマスター、
オービット=ポータルを初めとした
宇宙開発に関わる巨大な企業グループを経営している大企業家。
科学の学園都市の私の支援者の一人でもあるの」
恭介は、きょとんとして聞いていた。
取り敢えず、アリサが科学の学園都市の出身である事は知っているし、
科学の学園都市と言う最先端科学開発都市の事もなんとなくは知っている。
それにしても、目の前の光景と恭介の常識は、
リンクするには些か乖離の度が過ぎていた。
「だから、冗談じゃないからね」
可愛らしい声だが、アリサが真面目に話していると言う事は理解出来る。
「えーと、今の話って」
「全部、本当の事だよ上条君」
プロデューサーの言葉に、ようやく恭介の現実感が追い付いて来た。
「もういいわ」
レディリーの言葉と共にプロデューサーが一礼して辞去した事で、
恭介の感覚は現実に急接近する。
220 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 03:23:18.46 ID:X6/HCBTI0
「上条恭介君」
「はい」
「楽にしていいわ、この私に物理的に
どういう姿勢で対していいのか分からないでしょうし」
正に、図星だった。
「あなた達をここに呼んだのは私。
あなたをスカウトするためにね」
「僕を、ですか?」
返事の代わりに、淑女が恭介にパンフレットを差し出した。
「エンデュミオン?」
「オービット=ポータルが建造した宇宙エレベーターよ。
その落成式典で演奏をしてもらいたい、鳴護アリサと一緒にね」
「………」
言葉を失っているのは、恭介もアリサも同じだった。
「知っての通り、今回の形式のアリサのコンサートは
全国で何度か行って来たけど、
コンサート企画自体が大幅にこちらの資本とプロデュースによるもの。
式典のためのスカウトの意味合いもあったって訳。
そして、上条君はその眼鏡にかなった。
私だけじゃない、プロの意見も十分に反映されている」
「光栄です」
真面目に、と、念を押され続けていた恭介は、
無理矢理にでも現状をロジックで理解して最適解を口にする。
221 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/25(土) 03:28:19.96 ID:X6/HCBTI0
「コンサートの核は鳴護アリサ、それはとっくに決まって準備も進めて来た。
だけど、その中であなたの様な演奏者が欲しい、だからスカウトしている。
ご理解いただけたかしら?」
「はい。光栄だと思います」
「まあいいわ、今すぐ信用しろって言ってもそれは無理よね。
明日からでも、あなたが信用出来る形で人を立てて交渉させてもらう。
只、今はあの演奏を聴いた私の思いを受け取って欲しい」
「はい、重ね重ねですが、光栄です、有難うございます」
取り敢えず、レディリーにもリアリティの埋め合わせをするつもりがある、
と言う事も理解して、恭介は丁重に一礼した。
「良かった」
アリサが言葉を挟む。
「私も今聞いて、本当に驚いた。
でも、又恭介君と、あの舞台で弾けるんだったら嬉しい」
「僕もです。僕も、アリサさんの歌で演奏するの、楽しかったですから」
「有難うっ!」
アリサが屈託のない笑みと共に両手を差し出し、手に手を取り合う。
「私が言う迄も無いと思うけど、これだから、
楽しい、だけじゃ済まないのは覚悟しておいてね」
「「はいっ」」
パンフレットを掲げたレディリーに、二人の音楽家の卵が力強く返答した。
==============================
今回はここまでです
>>215-1000
続きは折を見て。
222 :
全知全能の神未来を知る金髪王子様の須賀京太郎様
[二次元美少女達は金髪王子様の須賀京太郎様の嫁]:2017/03/25(土) 06:18:22.02 ID:0sbE9dhi0
長編乙安価スレだったらチョンのQB来世基地外(`艸´;)チョンバナナマンズラ
223 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:15:54.58 ID:34/MwJ0P0
それでは今回の投下、入ります。
==============================
>>221
ーーーーーーーー
「失礼します」
又、練習室のドアが開き、恭介は聞き覚えがある声だ、と首を傾げる。
「………ハルカさん?」
「アウラちゃんっ?」
入場者を見て、恭介とアリサは口口に声を上げた。
そこに現れたのは、
奏遥香とシャットアウラ=セクウェンツィアの二人だった。
「今晩は、上条君。聞かせてもらったわよ。
上条君に、鳴護アリサさん。素晴らしい音楽を有難う」
「有難うございます」
遥香と恭介、アリサが握手を交わす。
大人びた長身の美少女に、
ライトブルーのドレスがよく似合っていた。
224 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:22:17.50 ID:34/MwJ0P0
「シャットアウラ=セクウェンツィア、私の姉さん」
「シャットアウラ=セクウェンツィアです」
アリサの紹介に、シャットアウラがぼそっと言って一礼する。
「お姉さんも音楽を?」
「うん。洋楽なら今でも私より上」
「元々、シャットアウラは私の身近で働いている。
奏ハルカの事はこちらの情報ルートで知って、
彼女が演奏すると言う所に人を派遣して、
見極めとスカウトをやらせた次第よ」
その間に、遥香とシャットアウラは僅かに目と目で通じる。
遥香が、練習室のピアノ椅子に着席し、とんとんと鍵盤を鳴らす。
シャットアウラが、その側に直立する。
「Attention please」
ドレミファソラシドの後の遥香の一声に、アリサは少しぎょっとしたが、
恭介の表情を見て「舞台」の二人に視線を向ける。
ここで遥香が弾くのは、やはりジャズ・スタンダード。
恭介は頬を紅潮させ、ほうっと息を吐く。
今の状態で、音楽に関してアリサは身贔屓で物は言わないだろう、
とは恭介も思っていたが、
今流暢な原語で歌っているシャットアウラの水準は間違いなく高い。
そして、遥香のピアノ演奏と溶け合いながら高め合う。
恭介としては本来畑違いなのだが、
今、自分がいいものを聞かせてもらっている、その事は十分理解出来る。
今は、かつてSFアニメEDにも使われた
太陽系なラブソングに暫し聞き惚れる。
225 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:27:47.01 ID:34/MwJ0P0
ーーーーーーーー
パチパチと響く拍手の中、奏遥香とシャットアウラが一礼した。
「素晴らしかったです」
「有難う」
近付いた恭介は、まず、顔見知りの遥香と言葉を交わす。
「シャットアウラさんの歌も、素晴らしかったです」
「ああ、有難う」
シャットアウラの雰囲気はやや儀礼的ではあったが、
それでも、握手は拒まれなかった。
「アウラちゃん、良かったよ」
「ああ。まあ、なかなかアリサみたいな訳にはいかないが」
「ううん」
「アリサさんのお姉さん?」
恭介が聞くともなしに口を挟む。
「うん、二卵性双生児なの。
色々事情があって小さい頃は全然別々に育って、
一緒になったのは割と最近だから」
恭介もアリサが施設で育ったと言う事は聞いた事がある。
根本的にフルネームが丸ごと違う点も含め、
余り立ち入るべきではない、と言う事は理解出来た。
「本当はベースも上手なんだけど………」
「流石に、金を取るだけの準備は出来ないよアリサ」
シャットアウラは不愛想、ぶっきらぼうな所はあるが、悪い人ではない。
天真爛漫なアリサとは好対照であり、
それで姉妹仲は良好らしいと恭介にも察せられる。
そう見ると、ますます親しい友人の友人でもある
身近なクラスメイトを思い出したりもする。
226 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:33:07.28 ID:34/MwJ0P0
「上条君」
「ああ、ハルカさん。さっきの演奏、良かったです」
「うん、有難う。上条君と鳴護アリサのコンサートも素晴らしかったわ。
出来る事なら、私も一度、彼女とも合わせてみたいものね」
「僕も、聞いてみたいです」
「有難う。別々のパートになりそうだけど、
エンデュミオンでのコンサートも期待してる」
「ハルカさんも、あの歌とハルカさんのピアノ、楽しみです」
「有難う。頑張りましょう、お互いに」
「はい」
遥香が手を伸ばし、恭介がその手を握る。
そして、遥香が左手を出して、手に手を取っていた
恭介の胸を直撃して余りある眩い笑顔と共に。
これは
227 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:38:48.39 ID:34/MwJ0P0
少し強気な
普通の少女
奏遥香の
物語
228 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:42:09.84 ID:34/MwJ0P0
× ×
オービット=ポータル社のトップルームで、
レディリー=タングルロードは
PCのデスクとホロスコープを行き来していた。
部屋は展望仕様であり、その設備は天文台にも等しい。
「エンデュミオンにはセレネの竪琴を授けましょう」
ホロスコープの上にはいくつものカード、写真入りカード。
「何もない、相変わらず曇り一つない」
ホロスコープを見ていたレディリーが結論を言った。
「それでも、法則の変わる場所で、
少しでもそれに近い者達が奏でる竪琴が奇蹟の歌と出会うとしたら?」
言いながら、レディリーはカードを移動する。
「あれは、何だったのか?
本来の配置を行う事はヴァルハラの門を開く、とでも言うのか?」
同じ位置に並べ替えたカードを、少しの間注意深く観察する。
「だが、やはり、何もない。何の問題も無い。
光り輝く幸せに満ち足りた世界が続くばかり。
科学にせよ魔術にせよ、現実的に大きなリスクは丸で見えない。
そして、マギカも、私達自身が及ぼしたリスク以外は。
そして、それすら容易に修復されている模様」
レディリーが、ぐしゃぐしゃとカードをかき回す。
229 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:45:45.11 ID:34/MwJ0P0
「では、何を感じた? 只の自意識過剰?
じゃあ、あのヴァルハラは何だと言うのだ?
私ほどの魔術、そして、あの高度な性能のマギカにすら、
形あるものは片鱗すら掴ませない。
それ程に高度な隠蔽が存在する、とでも言うのか?
それが出来るとするなら、
魔術、マギカすら……いや………」
レディリーは、ホロスコープから顔を上げた。
「だとすると、そんなものが私達に察知出来るものか、
例え違和感の欠片であってもだ。
もし、だとするならば、
そうなる程に不安定な何かが起きているとでも言うのか………」
少しの間考え込むレディリーだったが、
程なく、にいっと口角を上げていた。
「まあいい、あなた達の大好物を携えて、
これより天上に使わそう。
わざわざこれを、これ程に優れた星の流れを壊そうと言う程、
Mな趣味は持ち合わせていない。
では何なのか、不安の源を見せてもらおう」
ホロスコープの中央に、一対の写真が並べられた。
「それはマギカの素質でもあるのかしらね?
その輝きは、丸でアポロンの加護。
そして、一対の、丸でアルテミスの様に」
230 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:49:09.69 ID:34/MwJ0P0
ーーーーーーーー
いで………
ないで………
かないで………
「まどかっ!!!!!」
暁美ほむらは、叫びと共に跳ね起きた。
「何?」
真っ暗な部屋、一人暮らしのいつものベッド。
寝起きでぐちゃぐちゃの頭の中で現実のピースをはめ直す。
そして、自分の両方の頬がつーっと濡れている事に気づく。
「嫌な夢でも、見たのかしら?」
ほむらは一人ごちるが、それでも、覚えてもいない悪夢の後遺症なのか、
僅かに呼吸が弾んでほろほろと涙が溢れ、寝汗も気持ち悪い。
ぐいっとパジャマの腕で顔を拭うと、
一人暮らしの気楽さでそのままシャワールームに直行して
全身まとめて諸々洗い流す。
231 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:52:45.97 ID:34/MwJ0P0
一息ついて、温かなベッドに入る。
ほむらは改めて考える。嫌な夢でも見たのだろうか。
あんな誘拐事件があり、そして、ごたごたと危うい事があれば、
悪夢の一つを見ても仕方がない。
レディリーは、まどかを家族ごと人質にした、
その事に就いて、未だ何の保証もされていない。
只、何も起きない状態が続いているだけ。
美樹さやかの大事なコンサートも終わった、
そろそろ抜本的な事を考える時期だろう。
「何だったんだろう?」
ほむらは、ふと思い出す。
旧あすなろ工業団地での救出作戦の一幕。
何者かの襲撃の結果、詩音千里と成見亜里紗が危険な状態となり、
そんな中で、まどかが、
「………」
ほむらはガバッと布団を被り、
脚の動きに合わせてバタバタと掛け布団が跳ね上がる。
「まどか」
すっ、と、布団から目だけを出したほむらが口に出す。
232 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:56:05.59 ID:34/MwJ0P0
「まどか、美樹さやか、マミ先輩、佐倉杏子………」
みんな、大事な友達であり仲間。
時には共に死地を潜り、背中を任せ、
楽しい日常を共にする大切なみんな。
それを壊そうと言うのなら、
決して譲らない。それは今のほむらにとって余りにも当たり前の事。
「まどか、の、家族………」
お邪魔した事があるが、温かな家族だった。
それを、仲間の友達の家族を魔法少女の抗争に巻き込むと言うのであれば、
仲間として友達として、全力で守り抜く。
それは当然の事、と、ほむらは心の内で確認する。
そして、ほむら自身の事も
そろそろ両親の準備も整う、また、家族一緒の生活になる。
まだまだ人恋しい年頃にそれは嬉しい事ではあるが、
では、魔法少女の方はどうするか?
まあ、過去には何とかして来た訳だからどうにかなるが、
気楽な一人住まいにも慣れた手前、考えなければいけない。
そうだ、全ては上手くいく。
レディリーの事も、不安ではあるが実際はそうでもないかも知れない。
実際に、魔法少女、自分の知っているグループだけでも、
この勢力をこれ以上怒らせる程レディリーは馬鹿ではない。
単純な理屈だが説得力はある。
もう少し、気楽に考えてみよう。
暁美ほむらは、輝く明日に向けて呼吸を整える。
静かな寝息を立て始め、もう、悪夢は見なかった。
ほむら「幸せに満ち足りた、世界」
第二部―了―
第三部に続く
233 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[saga]:2017/03/26(日) 01:59:45.13 ID:34/MwJ0P0
==============================
後書き
ここまでお読みいただいた読者様に御礼申し上げます。
この進行具合は言い訳の種も尽きた状態で、
只、申し訳ありません。
せめて昨年末に第二部だけでも、
と思いつつ個人的に力尽きました。
最初から三部構成の予定で現状変えるつもりもないのですが、
この手の予定を言って当たった試しがない、と言うのも
私の場合実際ですのでその辺りは。
今回はここまでです
>>223-1000
続きは折を見て。
234 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[sage]:2017/04/24(月) 12:59:06.20 ID:mFj0ahpg0
生存報告です
235 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[sage]:2017/05/20(土) 01:49:36.94 ID:4xW2/Nn80
生存報告です
236 :
幸福咲乱
◆5sHeUtvTRc
[sage saga]:2017/06/05(月) 22:44:13.53 ID:DRD62RRt0
第三部開始に就き
次スレに移行します。
ほむら「幸せに満ち足りた、世界」3(まど☆マギ×禁書)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496667140/
それではHTML依頼行って来ます
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/12(水) 17:12:46.39 ID:U+4dJS0M0
あ
255.26 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)